説明

粘土押出玩具

【課題】粘土が型の内部に残留すること無く粘土で床屋さん遊びができる、キャップとスペーサーとを備えた粘土押出し玩具を提供する。
【解決手段】設置された粘土を押圧するピストンを有する粘土押出器11と、粘土押出器の押出穴を閉じるキャップ35とキャップに挿入されるスペーサー45とを有し、動物形状のキャップにはその頂部に成形孔39が穿設されており、スペーサーは頂部を半球形状とするものであり、キャップ内に詰めた粘土を、キャップ頂部に設けた複数の成形孔からピストンによりスペーサーを介して押し出すため、頭部から髪の毛が生えるように粘土を押出し成形することができる粘土押出玩具である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘土を押し出すことにより成形して遊ぶ玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、粘土押出玩具は、さまざまな遊び方ができる機能のものが多く存在する。例えば、粘土押出器に動物形状の型を設置し、動物の四肢や頂部の形状を模した突出成形部分を持つ粘土造形物が形成されるものがある。
【特許文献1】特開2001ー322109号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述のように従来の粘土押出玩具には、動物の四肢を粘土で成形し動物の粘土造形物を形成するものはあるが、動物の頭部から髪の毛を模して粘土を形成し、髪の毛が生えてくるように見えるものがなかった。また、動物の頭部のように半球状の部分から粘土を押し出す場合、型の内部に粘土が多量に残る問題があった。
本発明は、動物の髪の毛が生えてくるように見える遊びの出来る粘土押出玩具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、粘土を押し出すピストンを内蔵する押出孔を備えた粘土押出器と、粘土押出器の上端に取り付けられるキャップとキャップ内に挿入されるスペーサーとを有し、粘土押出器の押出し孔を閉じる中空キャップはその頂部に複数の成形孔を備え、キャップ内に粘土とスペーサーとを挿入し、ピストンでスペーサーを押し上げることにより、キャップ頂部に設けた複数の成形孔から粘土を押出す粘土押出し玩具とするものである。
これにより、キャップの頂部、即ち頭部から髪の毛が生えるように見せて粘土を押出し成形することができる。
【0005】
本発明はキャップを円筒部と半球状頂部を備える形状とすると共に、動物の外形に形成することが好ましい。
これにより動物の頭部から髪の毛が生えるように見せて粘土を押出し成形することができる。
【0006】
スペーサーは、頂部を半球形状とし、キャップ内面の頂部に合わせた形状とする粘土押出し玩具である。
これにより均一に粘土を押出成形することができ、且つキャップに粘土を残さないようにして最後まで押し出すことができる。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載した本発明は、粘土押出器と、頂部に成形孔が穿設されたキャップと、キャップ内に挿入されるスペーサーとを備えた粘土押出玩具とするものである。
従って、キャップの頂部から髪の毛が生えるように粘土を押出し成形し、この粘土をハサミ等で切断することで床屋さん遊びをすることができる。
【0008】
また、請求項2に記載した本発明は、キャップを円頭部と半球状頂部からなる形状とし、動物の外形に形成する粘土押出し玩具である。
従って、明らかに動物の頭から髪の毛が生えるように見せることができ、粘土の髪の毛を切断することで床屋さん遊びをすることができる。
【0009】
更に、請求項3に記載した本発明は、スペーサーの頂部を半球形状とし、キャップ内面の頂部と略同一形状とする粘土押出し玩具である。
従って、均一に粘土を押出し成形することができ、且つキャップに粘土を残さないようにして粘土を最後まで押出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、キャップ35とキャップ35内に挿入された粘土を押圧するピストン31を有する粘土押出器11と、スペーサー45とで構成し、粘土押出器11の押出穴を閉じる動物形状のキャップ35にはその頂部41に成形孔39を穿設し、頂部を半球形状とするスペーサー45をピストン31の上端に載置することで、キャップ35の頂部に設けた複数の成形孔から粘土を押出すことができるよいにするものである。
【0011】
このためキャップの頭部から髪の毛が生えるように粘土を押出し成形することができ、キャップ35内の粘土を動物の頭部から髪の毛が生えるように見せて押出して、且つ、粘土を残さないように押出すことのできる粘土押出玩具である。
【実施例】
【0012】
本発明にかかる粘土押出玩具は、図1に示すように、粘土押出器11とキャップ35とスペーサー45からなる。
【0013】
粘土押出器11は、図1に示すように、本体部13と操作板25、そして本体部13の天板部16に設けた開口部19に収納されるピストン31からなる。
【0014】
この本体部13は、図1に示すように、箱状の台部14と、該台部14の下端の一辺から延設される延設部17からなる。台部14は直方体の上端の辺を各々斜めに切り落とした形状をしている。
なお、その側壁部15の内側に操作部23が軸着されている。
そして、天板部16にはキャップ35を設置するための係合突起18が複数個設けられ、該係合突起18の中心付近に円形の開口部19が穿設され、該開口部19の径はピストン31の外径よりも多少大きくされているものである。
また、該開口部19の周縁部から下方へ案内管21が突設されている。一方、延設部17は操作板25が収まるように、操作板25の形状に合わせてその内側に空間を設けてある。
【0015】
操作部23は、図2に示すように、板状の操作板25と連結部26からなる。そして連結部26はピストン31を挟むために二股に分かれており、該連結部26における操作板25側の端部上方には本体部13へ操作部23を回動可能に軸止する為の軸孔a27が穿設されている。またピストン31を連結部26の間に挟んで軸止するために、連結部26の先端付近に長孔30が穿設されている。
【0016】
図2に示すように、連結部26の裏面における、長孔30と軸孔a27の中間付近にバネ29を掛着する為の掛着突起28が形成されている。
ピストン31は円柱状で、その径は本体部13の案内管21の内径と略同じであり、図4に示すように案内管21へ摺動可能に設置される。該ピストン31の下端部には、操作部23の長孔30へピンにより遊嵌するための軸孔を穿設してある。
【0017】
又、キャップ35は、図1に示すように、胴部43は短円筒形状、頂部41は半球状とされており、内部が中空であって全体として動物の形状をしている。また頂部41に多数の成形孔39を穿設しており、下端部には四角形状の台座部37を有する。
スペーサー45は、胴部は短円筒形状、頂部は半球状であり、キャップ35の内側と略同一形状とされ、スペーサー45の胴部をキャップ35の胴部43よりも短く形成されている。
【0018】
このように本実施例の形態における粘土押出玩具では、ピストン31を押し下げた状態、つまり図1に示すように操作板25が上がっている状態において、粘土をキャップ35の内部に詰め、スペーサー45をキャップの内部に挿入し、図3に示すように本体部13における天板部16の開口部19を該キャップ35で閉じるようにする。このとき本体部13における天板部16にある複数の係合突起18とキャップ35の台座部37を係合させ、キャップ35を固定する。
【0019】
そして操作板25を押し下げると、軸孔a27が支点となり、ピストン31を上方に押し上げることができる。従って、ピストン31によりスペーサー45がキャップ35内を押し上げられる。
そしてスペーサー45の頂部を半球状としていることにより、粘土が均一にキャップ35に押し当てられ、均一に粘土を押出すことができる。
これにより図4に示すように動物形状のキャップ35に穿設された多数の成形孔39から粘土が押出され粘土の髪の毛が生えてくるように見せることができる。その結果、髪の毛をハサミで切るようにして遊ぶことができ、子供が楽しく床屋さん遊びをすることができる。
【0020】
このように、本実施の形態における粘土押出器11は本体部13と操作部23、ピストン31からなり、この粘土押出器11とスペーサー45からなる粘土押出玩具は、動物の頭から髪の毛が生えてくるように見せることにより、粘土を用いて床屋さん遊びを行うことができる。また、ピストン31の上端に設置されるスペーサー45により、均一に粘土が押し出され、キャップ35内に粘土を残さないようにして粘土を押し出すことが出来る。
【0021】
そして、図2に示すように、操作板25が押し下げられるとバネ29が自然長よりも伸ばされるため、操作板25を押さえる力が解放されるとバネ29が戻ろうとすることによりピストン31が下方に移動し、これに対応して操作板25が上方に移動する。
【0022】
本実施例は、キャップ35を動物形状としたものであるが、この形状に限らず人や恐竜等の生き物やドラえもん等のキャラクターを模した形をしているものでも良い。
また、スペーサー45は、キャップ35の胴部長さとピストン31との上下移動距離に合わせて短円筒部の長さが決定され、キャップ35の胴部長さが短い時、スペーサー45を単純な半球形状として頂部をキャップ35の内部の頂部形状に合わせることもある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る粘土押出玩具の分解図である。
【図2】本発明に係る粘土押出玩具の本体部内部の構造を示す断面図である。
【図3】本発明に係る粘土押出玩具の一実施の形態を示したもので、装置全体を示した斜視図である。
【図4】本発明に係る粘土押出玩具の使用状態における内部の構造を示した分解図である。
【符号の説明】
【0024】
11 粘土押出器
13 本体部 14 台部
15 側壁部 16 天板部
17 延設部 18 係合突起
19 開口部 21 案内管
23 操作部
25 操作板 26 連結部
27 軸孔a 28 掛着突起
29 バネ 30 長孔
31 ピストン
35 キャップ
37 台座部 39 成形孔
41 頂部 43 胴部
45 スペーサー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘土を押し出すピストンを内蔵する押出孔を備えた粘土押出器と、粘土押出器の上端に取り付けられるキャップと、キャップ内に挿入されるスペーサーとを有し、粘土押出器の押出し孔を閉じる中空キャップはその頂部に複数の成形孔を備え、キャップ内に粘土とスペーサーとを挿入し、ピストンでスペーサーを押し上げることによりキャップ頂部から粘土を押し出すことを可能としたことを特徴とする粘土押出玩具。
【請求項2】
キャップは円筒部と半球状頂部を備え、動物形状の外形に形成されていることを特徴とする請求項1に記載された粘土押出玩具。
【請求項3】
スペーサーは、頂部を半球形状とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された粘土押出玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−115942(P2006−115942A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−304734(P2004−304734)
【出願日】平成16年10月19日(2004.10.19)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 2004年8月25日、26日 東京玩具人形問屋協同組合開催の「2004東日本玩具見本市」に出品
【出願人】(399012929)株式会社アガツマ (26)
【Fターム(参考)】