説明

粘弾性ポリウレタンフォームの製造方法

フォーム配合物中にある種の添加剤を使用することによって粘弾性ポリウレタンフォームを製造する。これらの添加剤としては、1)カルボン酸のアルカリ金属塩又は遷移金属塩;2)1,3,5−トリスアルキル−又は1,3,5−トリス(N,N−ジアルキルアミノアルキル)−ヘキサヒドロ−s−トリアジン化合物;並びに3)第4級アンモニウム化合物のCi−12カルボン酸塩が挙げられる。これらの添加剤によって、加工性を顕著に改善し、特に、より高いイソシアネートインデックスの使用が可能となり、フォームの物理的性質の改善に役立つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2006年8月10日に出願された米国仮出願第60/836,810号明細書の利益を主張する。
【0002】
本発明は、粘弾性ポリウレタンフォーム、及びそれらのフォームの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ポリウレタンフォームは、クッション材(例えばマットレス、枕、及びシートクッション)から断熱のための包装材料までの範囲の広範な用途に使用されている。ポリウレタンは、ポリマーの形成に使用される原材料を選択することによって個別の用途に合わせることができる。硬質タイプのポリウレタンフォームは、器具の絶縁フォーム及びその他の断熱用途として使用される。半硬質ポリウレタンは、自動車用途、例えばダッシュボード及びハンドルに使用される。より軟質のポリウレタンフォームは、クッション材用途、特に家具、寝具、及び自動車座席に使用される。
【0004】
ある種のポリウレタンフォームは、粘弾性(VE)又は「記憶」フォームとして知られている。粘弾性フォームは、加えられた応力に対して時間遅延及び速度依存性の応答を示す。これらは低い反発弾性を有し、圧縮されるとゆっくり回復する。これらの性質はポリウレタンのガラス転移温度(Tg)と関連していることが多い。ポリマーが、多くの用途では室温である使用温度又はその付近のTgを有する場合に、粘弾性が表れる場合が多い。
【0005】
ほとんどのポリウレタンフォームと同様に、VEポリウレタンフォームは、ポリオール成分をポリイソシアネートと発泡剤の存在下で反応させることによって製造される。発泡剤は、通常は水であり、又はあまり好ましくないが、水と別の材料との混合物である。VE配合物は、配合物中のポリオール成分及び水の量の選択によって特徴付けられることが多い。これらの配合物中に使用される主要なポリオールは、約3ヒドロキシル基/1分子の官能価、及び400〜1500の範囲内の分子量を有する。このポリオールは、主としてポリウレタンフォームのTgの主要な決定要因となるが、他の要因、例えば水の量及びイソシアネートインデックスも重要な役割を果たす。
【0006】
VEフォーム中の水の量は、典型的にはポリオール100重量部当たり約2.5部以下であり、ほとんどの場合は0.8〜1.5部の範囲内である。これは、水の量が典型的には4〜6部の範囲内(100重量部のポリオール当たり)である軟質フォーム配合物中に典型的に使用される水の量よりもかなり少ない。この少ない水の量は、フォーム中に所望の粘弾性特性が表れるのに好都合であり、この一部は、「相混合」と呼ばれることもある現象に起因する。水の量が少ないほど発泡ガスの生成も少なくなり、それによってVEフォームは、大部分の軟質フォーム(密度が1〜2.5pcfの範囲内となる傾向にある)よりも高い密度(約3.5〜6ポンド/立方フィート以上)を有する傾向にある。この高密度は、多くの用途、例えばマットレスにおいて望ましく、この場合、高密度が製品の耐久性及びその加わった荷重を支持する能力に寄与する。
【0007】
粘弾性ポリウレタンフォーム配合物は、商業規模で加工することが困難であることが知られている。発泡及び硬化の反応は、組成の小さな変化(特に触媒量)及びプロセス条件に対して非常に敏感である。このため、これらの変量の厳密な制御を維持することは困難であるので、連続発泡プロセスを行うことが困難となる。この問題は一般に、低当量ポリオール(軟質フォームポリオールと比較して)及び少ない水の量の組み合わせに起因しており、低イソシアネートインデックスが使用される場合に厳しくなる。水の量に対して、VE配合物中のポリイソシアネートと反応可能なポリオールヒドロキシル基は、従来の軟質フォーム配合物中よりもはるかに多い。利用可能なイソシアネート基に対するポリオールと水との間の競合が増加することで、水/イソシアネート反応によって起こる発泡ガスの発生及び鎖延長が減速する。結果として生じる発泡及びゲル化反応のバランスの変化によって、フォームの不完全な発泡や破壊が起こったり、寸法安定性が不十分になったりする。
【0008】
これらの加工の問題を克服するために種々の方法が採用されている。1つの方法はイソシアネートインデックスを減少させることである。VEフォーム配合物は、典型的には60〜90の範囲内のイソシアネートインデックスにおいて商業規模の装置上で処理される。イソシアネートインデックスは、ポリイソシアネート基の当量の、水、ポリオール、及び存在しうる他のイソシアネート反応性材料によって得られるものも含めたVEフォーム配合物中のイソシアネート反応性基の当量に対する比の100倍である。この方法は、配合物の加工を容易にすることができるが、物理的性質、例えば引張強度、伸び及び引裂強度が犠牲になる。
【0009】
第2の方法は、ポリイソシアネートの選択を伴い、一般には低イソシアネートインデックスと組み合わせて使用される。メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)を主成分とする配合物は、トルエンジイソシアネート(TDI)を主成分とするものよりも容易に加工可能となることが多い。TDI系配合物の中では、2,6−異性体が比較的多いTDIを使用するものは、より一般的(そしてより安価)であるTDIの2,4−及び2,6−異性体の80/20混合物(80/20TDI)を主成分とするものよりも容易に加工可能となる傾向にある。
【0010】
第3の方法(他の方法の一方又は両方と併せて使用されることが多い)は、一官能性アルコールをフォーム配合物中に加えることである。この効果は、フォーム加工の改善が一部の物理的性質を犠牲にして成り立つという点で、イソシアネートインデックスを減少させる場合と類似している。
【0011】
さらに別の方法は、配合物の含水量を幾分増加させることであり、これによって密度が2〜3ポンド/立方フィート(37〜48kg/m3)の範囲内のフォームが製造される。水の量の増加によって加工が改善されるが、得られるフォームは粘弾性挙動が低下する傾向にある。これらのフォームは密度も低すぎて、耐久性が必要な性質の1つとなる一部の最終用途、例えばマットレスには適さない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
さらに容易に加工可能であり、より広範なポリイソシアネートを使用可能なVEフォーム配合物の提供が望まれている。80/20TDIがポリイソシアネートとして使用され加工が容易なVEフォーム配合物に特に関心が持たれている。80/20TDIが配合物中のポリイソシアネートである場合でさえも、より広い範囲のイソシアネートインデックス、例えばより高いイソシアネートインデックス、例えば85〜105又はそれを超える値で配合物を使用可能となることがさらに望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、粘弾性ポリウレタンフォームの製造方法であって、
A.少なくとも1種類のポリオールと、少なくとも1種類のポリイソシアネートと、水と、少なくとも1種類の触媒と、触媒とは異なりポリオールとは異なる少なくとも1種類の添加剤であって、
1)カルボン酸のアルカリ金属塩又は遷移金属塩;
2)1,3,5−トリスアルキル−又は1,3,5−トリス(N,N−ジアルキルアミノアルキル)−ヘキサヒドロ−s−トリアジン化合物;並びに
3)第4級アンモニウム化合物のカルボン酸塩から選択され、反応混合物の少なくとも1種類の他の成分中に溶解される添加剤と
を含む反応混合物を形成するステップと、
B.前記反応混合物が膨張及び硬化するのに十分な条件に反応混合物をさらして粘弾性ポリウレタンフォームを形成するステップとを含む方法に関する。
【0014】
本発明は、粘弾性ポリウレタンフォームの製造方法であって、反応混合物が膨張及び硬化するのに十分な条件に反応混合物をさらすステップを含み、上記反応混合物が:
a)ヒドロキシル官能価が約2.5〜4であり分子量が400〜1500である少なくとも1種類のベースポリオール、或いは、少なくとも50重量%の上記少なくとも1種類のベースポリオールと、成分e)とは異なりヒドロキシル当量が少なくとも200である少なくとも1種類の他のモノアルコール又はポリオールとを含有する混合物と;
b)少なくとも1種類の有機ポリイソシアネートと;
c)成分a)100重量部当たり0.8〜約2.25重量部の水と;
d)成分e)とは異なる少なくとも1種類の触媒と;
e)反応混合物のブローオフ時間(blow-off time)を短縮するのに十分な量の添加剤とを含み、上記添加剤が、
1)カルボン酸のアルカリ金属塩又は遷移金属塩;
2)1,3,5−トリスアルキル−又は1,3,5−トリス(N,N−ジアルキルアミノアルキル)−ヘキサヒドロ−s−トリアジン化合物;並びに
3)第4級アンモニウム化合物のカルボン酸塩から選択され、前記添加剤が、反応混合物の少なくとも1種類の他の成分中に溶解される方法にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本出願人らは、加工の寛容度の非常に大きな改善が、成分e)材料をVEフォーム配合物中に含めることによって行えることを発見した。本発明のフォーム配合物は、多くの場合、プロセス変量、特にアミン触媒量及びイソシアネートインデックスに対する感度が低下し、そのため商業規模での加工が容易である。ある実施形態においては、使用されるアミン触媒量を減少させたり、それを使用しなかったりすることが可能になる。改善された加工性は特に、水がより少ない配合物において見られ、これによって密度が3.5pcf以上、最大約8pcfであるVEフォームが製造され、これは、従来特に困難な加工特性であることが示されていた。
【0016】
成分e)材料が存在することで、より広範囲のポリイソシアネート、例えば80/20TDIを、より広い範囲のイソシアネートインデックスで使用することもできる。配合物は、85〜110のインデックスでさえも十分加工できるので、本発明を使用して、より高い引張強度及び引裂強度を有するフォームの製造が可能になる。同様に、希望するなら一官能性アルコールを回避することができ、これも引張強度及び引裂強度を増加させる要因となりうる。
【0017】
より高いイソシアネートインデックスでこれらの配合物を処理できることは、トルエンジアミン(TDA)の反応副生成物としての生成が減少するというさらなる利点を有する。TDAは臭気を発生させ、その存在は健康及び安全性の問題となる。
【0018】
VEフォーム配合物は少なくとも1種類のポリオールを含む。ポリオールはフォームのTg、従ってフォームの粘弾性挙動を決定する主要因であると考えられているので、ポリオールは、ほとんどの場合、−20〜40℃、特に0〜25℃の範囲内のTgを有するフォームが得られるように選択される。このようなTgをフォームに付与するポリオールの種類の1つとしては、1分子当たり2.5〜4個のヒドロキシル基の官能価、及び400〜1500の分子量を有するポリオールが挙げられる。従ってポリオール成分は、好ましくは少なくとも1種類のこのようなポリオールを含有し、これを本明細書では「ベース」ポリオールと呼ぶ。ベースポリオールは、好ましくは分子量が600〜1100であり、より好ましくは650〜1000である。本明細書におけるポリオールの分子量はすべて数平均分子量である。
【0019】
ベースポリオールは、ポリエーテル型又はポリエステル型であってよい。ヒドロキシ官能性アクリレートポリマー及びコポリマーが好適である。ベースポリオールは好ましくは、プロピレンオキシド又はエチレンオキシドのポリマー、或いはプロピレンオキシド及びエチレンオキシドのコポリマー(ランダム又はブロック)である。ベースポリオールは、第1級又は第2級ヒドロキシル基を有することができるが、好ましくは主として第2級ヒドロキシル基を有する。
【0020】
ベースポリオールは、ヒドロキシル当量が少なくとも150である1つ又はそれ以上の追加のモノアルコール又はポリオールとの混合物として使用することができる。追加のモノアルコール又はポリオールは、種々の機能、例えばセルの開放、さらに高い又は低い温度のガラス転移をポリウレタンに付与すること、系の反応プロファイルの修正、及びポリマーの物理的性質の変更を実施するために使用することができるし、他の機能を果たすこともできる。追加のモノアルコール又はポリオールは、ベースポリオールとは異なり、すなわち、ベースポリオールの分子量及び/又は官能価の要求は満たさない。一般に、追加のモノアルコール又はポリオールは、200〜3000又はそれを超えるヒドロキシル当量、及び1分子当たり1〜8又はそれを超える数のヒドロキシル基の官能価を有することができる。追加のモノアルコール又はポリオールは、例えば、ヒドロキシル当量が500〜3000、特に800〜2500であってよく、官能価が1分子当たり1〜8、特に2〜4個のヒドロキシル基であってよい。別の好適な追加のモノアルコール又はポリオールは、1分子当たり1〜2個のヒドロキシル基の官能価、及び200〜500のヒドロキシル当量を有する。追加のモノアルコール又はポリオールは、測定可能な量のカルボン酸塩基を含有しない。
【0021】
追加のモノアルコール又はポリオールは、1つ又はそれ以上のアルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び1,2−ブチレンオキシド、或いはこのようなアルキレンオキシドの混合物のポリマーであってよい。好ましいポリエーテルは、ポリプロピレンオキシド、又はプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの混合物のポリマーである。追加のモノアルコール又はポリオールはポリエステルであってもよい。これらのポリエステルは、ポリオール、好ましくはジオールと、ポリカルボン酸又はそれらの無水物、好ましくはジカルボン酸又はジカルボン酸無水物との反応生成物を含む。ポリカルボン酸又は無水物は、脂肪族、脂環式、芳香族、及び/又は複素環式であってよく、ハロゲン原子などで置換されていてもよい。ポリカルボン酸は不飽和であってもよい。これらのポリカルボン酸の例としては、コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水トリメリット酸、無水フタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、及びフマル酸が挙げられる。ポリエステルポリオールの製造に使用されるポリオールは、好ましくは150以下の当量を有し、そのようなポリオールとしては、エチレングリコール、1,2−及び1,3−プロピレングリコール、1,4−及び2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、キニトール(quinitol)、マンニトール、ソルビトール、メチルグリコシド、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコールなどが挙げられる。ポリカプロラクトンポリオール、例えばザ・ダウ・ケミカル・カンパニー(The Dow Chemical Company)より商品名「トーン」(Tone)で販売されるものも有用である。
【0022】
ヒドロキシル官能性ポリブタジエンポリマーも有用な追加のモノアルコール及びポリオールである。
【0023】
特に関心の高い追加のモノアルコール及びポリオールとしては以下のものが挙げられる:
a1)2〜4の官能価及び800〜2200の当量を有する、ポリ(プロピレンオキシド)ホモポリマー、又はプロピレンオキシドと最大20重量%のエチレンオキシドとのランダムコポリマー;
a2)3〜8、特に5〜8の官能価、及び1000〜3000の当量を有する、エチレンオキシドのホモポリマー、又はエチレンオキシドと最大50重量%のC3以上のアルキレンオキシドとのコポリマー(ランダム又はブロック);
a3)約1の官能価、及び200〜3000、特に1000〜3000の分子量を有する、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドのホモポリマー、或いはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダムコポリマー、例えば国際公開第01/57104号に記載される種類のモノアルコール;
a4)モノアルコール又はポリオールを含有し、500以上の当量及び分散ポリマー相を有するポリマーポリオール。この分散ポリマー相は、エチレン系不飽和モノマー粒子(スチレン、アクリロニトリル、及びスチレン−アクリロニトリルコポリマーの粒子が特に関心が高い)、ポリ尿素粒子、又はポリウレタン粒子であってよい。この分散相は、ポリマーポリオールの5〜60重量%を構成することができる;
a5)上記の任意の2種類以上の混合物。
【0024】
ベースポリオールが1つ又はそれ以上の追加のモノアルコール又はポリオールとともに使用される場合、ベースポリオールは、好ましくはそれらの総重量の少なくとも50%、より好ましくはそれらの総重量の少なくとも70%を構成する。追加のモノアルコール及びポリオールを合わせたものは、好ましくは成分a)の重量の50%以下、好ましくは約30%以下を構成する。
【0025】
成分b)は、1分子当たり平均で1.8個以上のイソシアネート基を有する有機ポリイソシアネートである。イソシアネート官能価は、好ましくは約1.9〜4、より好ましくは1.9〜3.5、特に1.9〜2.5である。好適なポリイソシアネートとしては、芳香族、脂肪族、及び脂環式のポリイソシアネートが挙げられる。費用、入手しやすさ、及び生成物ポリウレタンに付与される性質に基づくと芳香族ポリイソシアネートが一般には好ましい。代表的なポリイソシアネートとしては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の種々の異性体、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、水素化MDI(H12MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリ−イソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、水素化ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート、及び4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートが挙げられる。好ましいポリイソシアネートとしては、MDI、及びMDI誘導体、例えばビウレット変性「液体」MDI生成物及び重合体MDI、並びにTDIの2,4−及び2,6−異性体混合物が挙げられる。
【0026】
特に関心の高いポリイソシアネートの1つは、少なくとも80重量%の2,4−異性体を含有する2,4−及び2,6−トルエンジイソシアネートの混合物である。これらのポリイソシアネート混合物は、広く入手可能であり、比較的安価であるが、従来はフォーム配合物の加工の問題のため商業規模のVEフォームプロセスに使用することが困難であった。
【0027】
フォーム配合物は、ポリオール又はポリオール混合物100重量部当たり約0.8〜約2.25部の量の水を含む。本発明は、含水量が、ポリオール100重量部当たり約0.8〜約1.8重量部、特に0.8〜1.5部、最も好ましくは0.8〜1.3重量部である配合物に特に関心が持たれる。これらの量の水を含有する従来のVEフォーム配合物は、特に加工上の問題を示す傾向にあることが多い。
【0028】
少なくとも1種類の触媒がフォーム配合物中に存在する。好ましい触媒の種類の1つは第3級アミン触媒である。第3級アミン触媒は、ポリオールと、ポリイソシアネートと、成分e2)化合物以外の少なくとも1つの第3級アミン基との間の反応に対して触媒活性を有するあらゆる化合物であってよい。代表的な第3級アミン触媒としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジメチルピペラジン、1,4−ジアゾビシクロ−2,2,2−オクタン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、モルホリン、4,4’−(オキシジ−2,1−エタンジイル)ビス、トリエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−セチルN,N−ジメチルアミン、N−ココ−モルホリン、N,N−ジメチルアミノメチルN−メチルエタノールアミン、N,N,N’−トリメチル−N’−ヒドロキシエチルビス(アミノエチル)エーテル、N,N−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)N−イソプロパノールアミン、(N,N−ジメチル)アミノ−エトキシエタノール、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、1,8−ジアザビシクロ−5,4,0−ウンデセン−7、N,N−ジモルホリノジエチルエーテル、N−メチルイミダゾール、ジメチルアミノプロピルジプロパノールアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミノ−2−プロパノール、テトラメチルアミノビス(プロピルアミン)、(ジメチル(アミノエトキシエチル))((ジメチルアミン)エチル)エーテル、トリス(ジメチルアミノプロピル)アミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、ビス(N,N−ジメチル−3−アミノプロピル)アミン、1,2−エチレンピペリジン、及びメチル−ヒドロキシエチルピペラジンが挙げられる。
【0029】
本発明のある実施形態において、より少量の第3級アミン触媒が必要となる場合があり(成分e)材料を含まない配合物と比較した場合)、そのため、第3級アミン触媒の量を減少させることで安定な加工性及び良好なフォーム特性を得ることができることを発見した。場合によっては、第3級アミン触媒を完全に使用しないこともでき、それによって費用が削減され、生成物のフォームの臭気が減少するという利点が得られる。
【0030】
フォーム配合物は、前述の第3級アミン触媒に加えて1種又はそれ以上の別の触媒を含むことができる。この別の触媒は、イソシアネート基とポリオール又は水との反応に対して触媒活性を有する化合物(又はその混合物)であるが、成分e1)〜e3)の説明の範囲内に含まれる化合物ではない。好適なこのような追加の触媒としては、例えば以下のものが挙げられる:
d1)第3級ホスフィン、例えばトリアルキルホスフィン及びジアルキルベンジルホスフィン;
d2)種々の金属のキレート、例えばアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、エチルアセトアセテートなどと、金属、例えばBe、Mg、Zn、Cd、Pd、Ti、Zr、Sn、As、Bi、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、及びNiとから得ることができるキレート;
d3)強酸の酸性金属塩、例えば塩化第二鉄、塩化第二スズ、塩化第一スズ、三塩化アンチモン、硝酸ビスマス、及び塩化ビスマス;
d4)強塩基、例えばアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、アルコキシド、及びフェノキシド;
d5)種々の金属のアルコラート及びフェノラート、例えばTi(OR)4、Sn(OR)4、及びAl(OR)3(式中のRはアルキル又はアリールである)、並びにこれらのアルコラートと、カルボン酸、β−ジケトン、及び2−(N,N−ジアルキルアミノ)アルコールとの反応生成物;
d6)アルカリ土類金属、Bi、Pb、Sn、又はAlのカルボン酸塩;並びに
d7)四価のスズ化合物、及び三価−又は五価のビスマス、アンチモン、又はヒ素化合物。
【0031】
スズのカルボン酸塩及び四価のスズ化合物が特に関心が持たれる。このようなものの例としては、第一スズオクトエート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジメルカプチド、ジアルキルスズジアルキルメルカプト酸、ジブチルスズオキシド、ジメチルスズジメルカプチド、ジメチルスズジイソオクチルメルカプトアセテートなどが挙げられる。
【0032】
触媒は典型的には少量で使用される。例えば、使用される触媒の総量は、ポリオール又はポリオール混合物100重量部当たり0.0015〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部とすることができる。有機金属触媒は典型的には、これらの範囲の下限に近い量で使用される。
【0033】
フォーム配合物は、添加剤をさらに含み、これは成分d)の説明の範囲内にある化合物ではなく、
e1)カルボン酸のアルカリ金属塩又は遷移金属塩。
e2)1,3,5−トリスアルキル−又は1,3−5トリス(N,N−ジアルキルアミノアルキル)−ヘキサヒドロ−s−トリアジン化合物;並びに
e3)第4級アンモニウム化合物のカルボン酸塩から選択される。
【0034】
e1)型の添加剤は、モノ−又はポリカルボン酸の塩であってよい。これは好ましくは水又はベースポリオールに対して可溶性である。この塩の陽イオンはアルカリ金属又は遷移金属である。アルカリ金属は、IUPAC版の周期表のI族に含まれるものであり、リチウム、ナトリウム、カリウム、及びセシウムが挙げられる。遷移金属はIUPAC版の周期表の3〜12族に含まれるものであり、例えば、スカンジウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、亜鉛、カドミウム、及び水銀が挙げられる。好ましい金属陽イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、亜鉛、銅、ニッケル、銀などが挙げられる。
【0035】
e1)型の添加剤には一般に2つの好ましい種類が存在する。第1の好ましい種類は、C2-24モノカルボン酸、特にC2-18モノカルボン酸、特にC2-12カルボン酸の塩である。このモノカルボン酸は、脂肪族又は芳香族(例えば安息香酸又は置換安息香酸、例えばニトロ安息香酸、メチル安息香酸、又はクロロ安息香酸)であってよい。好適な脂肪族モノカルボン酸としては、飽和又は不飽和型、線状又は分岐型が挙げられ、置換されていてもよい。このe1)添加剤の第1の種類の具体例としては、ナトリウムアセテート、リチウムアセテート、カリウムアセテート、リチウムヘキサノエート、ナトリウムヘキサノエート、カリウムヘキサノエート、リチウムヘキサノエート、ナトリウムヘキサノエート、カリウムオクトエート、亜鉛ステアレート、亜鉛ラウレート、亜鉛オクトエート、ニッケルオクトエート、ニッケルステアレート、ニッケルラウレート、セシウムオクトエート、セシウムステアレート、セシウムラウレート、酢酸銅、銅ヘキサノエート、銅オクトエート、銅ステアレート、銅ラウレート、銀アセテート、銀ヘキサノエート、銀オクトエート、銀ステアレート、銀ラウレート、安息香酸のリチウム塩、ナトリウム塩、又はカリウム塩、ニトロ安息香酸のリチウム塩、ナトリウム塩、又はカリウム塩、メチル安息香酸のリチウム塩、ナトリウム塩、又はカリウム塩、並びにクロロ安息香酸のリチウム塩、ナトリウム塩、又はカリウム塩などが挙げられる。
【0036】
e1)添加剤の第2の好ましい種類は、カルボキシル官能性有機ポリマーの塩である。この有機ポリマーは、例えば、アクリル酸ポリマー又はコポリマーであってよい。別の種類の有機ポリマーは末端又はペンダントカルボキシル基を含むポリエーテル又はポリエステルである。後者の種類の一例は、ポリオールをジカルボン酸又は無水物と反応させて、出発ポリオールのヒドロキシル基の一部又はすべての部位にカルボキシル基を形成したポリオールである。出発ポリオールは、前述のあらゆる種類のポリオール、例えばポリエーテル型、ポリエステル型、又はポリアクリレート型であってよい。カルボキシル官能性有機ポリマーは、150〜5000のカルボキシル基当たりの当量を有することができる。特に好ましいカルボキシル官能性有機ポリマーの1つは、カルボキシル当量が500〜3000であり、カルボキシル官能価が1〜4であるポリエーテルポリオールである。このような特に好ましいカルボキシル官能性有機ポリマーは最も好ましくは、カルボキシル基以外に1つ又はそれ以上のヒドロキシル基を有する。
【0037】
e2)型添加剤の一例は、1,3,5−トリス(3−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジンである。
【0038】
e3)添加剤は、モノ−又はポリカルボン酸の第4級アンモニウム塩であってよい。これは好ましくは水又はベースポリオールに対して可溶性である。e3)型の添加剤には一般に2つの好ましい種類が存在する。第1の好ましい種類は、C1-12モノカルボン酸、特にC2-12モノカルボン酸の塩である。第1の好ましいe3)型添加剤の例としては、例えば、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムカルボン酸塩が挙げられ、例えばダブコ(Dabco)(登録商標)TMR及びTMR−2触媒として市販されている。第2の好ましい種類は、e1)添加剤に関して説明したカルボキシル官能性有機ポリマーの第4級アンモニウム塩である。
【0039】
多くの場合、成分e)添加剤は非常に少量、例えばポリオール又はポリオール混合物100重量部当たり0.01〜1.0部で使用される。成分e)添加剤の好ましい量は、ポリオール又はポリオール混合物100重量部当たり0.01〜0.5部である。より好ましい量は0.025〜0.25部である。場合によっては、より多い量の成分e)添加剤を使用することができ、これは例えばカルボキシル官能性有機ポリマーを主成分とするe1)又はe3)添加剤が使用される場合などである。その有機ポリマーのカルボキシル基当たりの当量が500以上である場合に特にこのことが言える。このような場合、添加剤量は、ポリオール又はポリオール混合物100重量部当たり25部まで、好ましくは10部まで、より好ましくは5重量部までとすることができる。
【0040】
成分e)添加剤は、反応混合物中の少なくとも1種類の別の成分に溶解される。これをポリイソシアネート中に溶解させることは一般に好ましくない。成分e)添加剤は、水、ベースポリオール、存在しうるあらゆる追加のポリオール、触媒、界面活性剤、架橋剤又は鎖延長剤、或いは非反応性溶媒中に溶解させることができる。
【0041】
種々の追加成分を、VEフォーム配合物中に含めることができる。このようなものとしては、例えば、鎖延長剤、架橋剤、界面活性剤、可塑剤、フィラー、着色剤、防腐剤、臭気マスク(odor mask)、難燃剤、殺生物剤、酸化防止剤、UV安定剤、帯電防止剤、チキソトロープ剤、及びセルオープナー(cell opener)が挙げられる。
【0042】
発泡性組成物は、鎖延長剤又は架橋剤を含有することができるが、これらの使用は一般に好ましくなく、存在する場合にはこれらの材料は典型的には少量で使用される(ポリオール又はポリオール混合物100重量部当たり例えば最大10重量部、特に最大2重量部)。鎖延長剤は、厳密に2つのイソシアネート反応性基/1分子を有する材料であり、一方架橋剤は、平均で2つを超えるイソシアネート反応性基/1分子を含有する。いずれの場合も、イソシアネート反応性基当たりの当量は約30〜約125の範囲であってよいが、好ましくは30〜75である。イソシアネート反応性基は、好ましくは脂肪族アルコール基、第1級アミン基、又は第2級アミン基であり、脂肪族アルコール基が特に好ましい。鎖延長剤及び架橋剤の例としては、アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど;グリコールエーテル、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなど;シクロヘキサンジメタノール;グリセリン;トリメチロールプロパン;トリエタノールアミン;ジエタノールアミンなどが挙げられる。
【0043】
フォームが膨張及び硬化するときのフォームの安定化を促進するために、VEフォーム配合物中に界面活性剤が含まれることが好ましい。界面活性剤の例としては、非イオン性界面活性剤及び湿潤剤、例えばプロピレンオキシドの次にエチレンオキシドの順序でプロピレングリコールに付加することで調製されるもの、固体又は液体のオルガノシリコーン、並びに長鎖アルコールのポリエチレングリコールエーテルが挙げられる。イオン性界面活性剤、例えば長鎖アルキル酸性硫酸エステル、アルキルスルホン酸エステル、及びアルキルアリールスルホン酸の第3級アミン塩又はアルカノールアミン塩を使用することもできる。プロピレンオキシドの次にエチレンオキシドの順序でプロピレングリコールに付加して調製される界面活性剤、並びに固体又は液体のオルガノシリコーンが好ましい。有用なオルガノシリコーン界面活性剤の例としては、市販のポリシロキサン/ポリエーテルコポリマー、例えばテゴスタブ(Tegostab)(ゴールドシュミット・ケミカル・コーポレーション(Goldschmidt Chemical Corp.)の商標)B−8462及びB−8404、並びにダウ・コーニング(Dow Corning)より入手可能なDC−198及びDC−5043界面活性剤、及びOSiスペシャルティーズ(OSi Specialties)のナイアックス(Niax)(商標)627界面活性剤が挙げられる。
【0044】
非加水分解性液体オルガノシリコーンがより好ましい。界面活性剤が使用される場合、典型的には、ポリオール又はポリオール混合物100重量部当たり0.0015〜1重量部の量で存在する。
【0045】
1つ又はそれ以上のフィラーもVEフォーム配合物中に存在することができる。フィラーは、組成物のレオロジー特性を有益な方法で変更し、費用を削減し、有益な物理的性質をフォームに付与するために役立てることができる。好適なフィラーとしては、ポリウレタン形成反応中に遭遇する温度において安定であり溶融しない粒子状の無機材料及び有機材料が挙げられる。好適なフィラーの例としては、カオリン、モンモリロナイト、炭酸カルシウム、マイカ、ウォラストナイト、タルク、高融点熱可塑性樹脂、ガラス、フライアッシュ、カーボンブラック 二酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、アゾ/ジアゾ染料、フタロシアニン、ジオキサジンなどが挙げられる。フィラーはチキソトロピー性を発泡性ポリウレタン組成物に付与することができる。ヒュームドシリカはこのようなフィラーの一例である。使用される場合、フィラーは好都合には、組成物の約0.5〜約30重量%、特に約0.5〜約10重量%を構成する。
【0046】
追加の発泡剤(水以外)が発泡性ポリウレタン組成物中に含まれないことが好ましいが、追加の物理発泡剤又は化学発泡剤を含むことは本発明の範囲内である。物理発泡剤の中では特に、超臨界CO2、並びに種々の炭化水素、フルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、クロロカーボン(例えば塩化メチレン)、クロロフルオロカーボン、及びハイドロクロロフルオロカーボンが挙げられる。化学発泡剤は、高温で分解又は反応(イソシアネート基以外と)して二酸化炭素及び/又は窒素を生成する材料である。
【0047】
VEフォームは、いわゆるスラブストック法、又は種々の成形方法によって製造することができる。スラブストック法が最も関心が高い。スラブストック法においては、成分が混合され、トラフ又はその他の領域に注がれ、その場所で配合物が反応し、少なくとも1つの方向で自由に膨張して、硬化する。スラブストック法は、商業規模において一般に連続的に作業される。
【0048】
スラブストック法においては、種々の成分は、個別に又は種々の小さな組み合わせでミキシングヘッド中に導入され、そこでそれらが混合され、分配される。e)成分は、好ましくは1つ又はそれ以上の他の成分中に溶解される。成分温度は一般に、混合前には15〜35℃の範囲内である。分配された混合物は、典型的には熱を加えずに膨張及び硬化が行われる。スラブストック法においては、反応混合物は自由に、又は最小限の制限(例えば、カバーシート又はフィルムの重量によって生じうる制限)下で膨張する。
【0049】
スラブストック法においては、e)添加剤は反応混合物中にいくつかの方法で混合することができる。これは、別個のストリームとしてミキシングヘッド中に分配することができるし、或いは1つ又はそれ以上の他の成分、例えばベースポリオール、追加のポリオール、界面活性剤、又は触媒のストリームとあらかじめ混合することもできる。e)添加剤が、カルボキシル基及びヒドロキシル基を含有する有機ポリマーの塩である場合、これをポリイソシアネートのすべて又は一部とあらかじめ反応させてプレポリマーを形成することができる。このようなプレポリマー分子が形成される場合、それらはポリイソシアネート化合物中の溶液として形成される。
【0050】
反応混合物を閉じた金型中に導入し、そこで膨張及び硬化させることによって、成形プロセス中にVEフォームを製造することも可能である。成形プロセスにおいては、典型的には添加剤e)が、ポリオール、水、及びその他の成分(ポリイソシアネートを除く)と混合して、配合されたポリオールストリームを形成し、金型に充填する直前にこれをポリイソシアネートと混合する。e)添加剤がカルボキシル基及びヒドロキシル基を含有する有機ポリマーの塩である場合、プレポリマーをe)添加剤から形成することができる。
【0051】
使用されるポリイソシアネート量は、典型的には50〜120のイソシアネートインデックスが得られるのに十分な量である。好ましい範囲は70〜110、より好ましい範囲は75〜105である。本発明の利点の1つは、幾分高いイソシアネートインデックス、例えば85〜105又はより高い値において商業規模の連続運転において良好な加工性が得られることである。良好な加工性は、これらのインデックスにおいて、80%以上の2,4−異性体を含有するTDI混合物を使用する場合でさえも実現することができ、より高いインデックスを使用することで、通常、フォーム特性、特に引張、引裂、及び伸びが改善される。良好な加工性は、比較的少量の水、例えばポリオール又はポリオール混合物100重量部当たり最大1.5部、又はポリオール又はポリオール混合物100重量部当たり最大1.3部を使用して実現することもできる。良好な加工性は、85〜110のインデックスで、少量の水(最大1.8部、特に最大1.5部、最も好ましくは最大1.3部)の配合物で80%以上の2,4−異性体を含有するTDIをポリイソシアネートとして使用する場合でさえも多くの場合に実現される。
【0052】
良好な加工性は、連続プロセスの長期の運転期間にわたって安定で一貫した品質のフォームを製造できることによって示される。従来のVEフォーム配合物は、アミン触媒量のばらつきに非常に敏感となる傾向にあり、このばらつきは、計量のわずかな誤差、不十分な混合、又はその他の理由によるものが多い。
【0053】
本発明により製造されたフォームは、成分e)添加剤を使用せずに製造した類似のフォームよりもはるかに速いブローオフ(blow-off)を示す傾向にある。ブローオフ時間は、配合物を混合し分配した後で、膨張する塊状体の表面まで気泡が上昇するのに要する時間を観測することによって求められる。より速いブローオフは、発泡反応が進行し、安定なフォームが生成されることを示している。ブローオフの速い配合物は、界面活性剤がより効率的に使用される傾向にあり、その理由のため、ブローオフが速い系においては界面活性剤濃度を低下させることが可能な場合が多い。
【0054】
本発明の方法は、成分e)添加剤を使用せずに製造したフォームよりもより微細セル構造を有するフォームが製造される傾向も存在する。より微細なセル構造は、本発明を使用して実現される良好な加工特性をさらに示している。微細なセル構造は、フォームのより良好な物理的性質、例えば柔軟性に寄与することが多い。
【0055】
フォーム配合物をスクリーニングするために使用されることが多いバッチ方法、例えばボックスフォーム(box foam)では、より速いブローオフ時間及び微細なセル構造は、フォーム配合物が連続運転中に十分加工されるかどうかの良好な指標となる。
【0056】
硬化VEフォームは、非常に低い反発弾性を有することを特徴とする。反発弾性は、ボール反発試験、例えばASTM D−3574−Hを使用して好都合に求められ、この試験は、指定の条件下で落下させた場合に、フォーム表面からボールが反発する高さを測定する。ASTM試験では、硬化VEフォームは20%以下、特に10%以下の反発弾性を示す。特に好ましいVEフォームは、5%以下、特に3%以下のASTMボール反発試験に準拠した反発弾性を示す。
【0057】
粘弾性の別の指標の1つは、フォームが圧縮された後に回復するのに要する時間である。これを評価するための有効な試験の1つは、ASTM D−3574Mのいわゆる圧縮回復試験であり、これは、フォームが加えられた力から回復するために要する時間を測定する。このASTM方法によると、フォームサンプルが、その初期厚さに対するある比率まで圧縮され、指定の時間その圧縮された厚さに維持され、次にその圧縮脚をフォームサンプルのほぼ初期の厚さまでゆるめる。フォームは、再膨張し、ほぼ完全に再膨張すると、引き上げた脚に対して力を加える。この加えられた力が4.5ニュートンに達するまでに要する時間が圧縮回復時間である。この時間は、望ましくは少なくとも3秒、より好ましくは少なくとも5秒、さらにより好ましくは少なくとも7秒、さらにより好ましくは少なくとも10秒であるが、30秒未満、好ましくは20秒未満である。
【0058】
硬化VEフォームは、好都合には、密度が3.0〜8ポンド/立方フィート(pcf)(48〜128kg/m3)、好ましくは3.5〜6ポンド/立方フィート(56〜96kg/m3)、より好ましくは4〜5.5ポンド/立方フィート(64〜88kg/m3)の範囲内である。密度は好都合には、ASTM D 3574−01試験Aに準拠して測定される。
【0059】
多くの用途で特に望ましいVEフォームの1つは、密度が3.5〜6ポンド/立方フィート(56〜96kg/m3)であり、ASTMボール反発試験に基づく反発弾性が10%未満である。多くの用途でより望ましいVEフォームの1つは、ASTM圧縮回復試験で少なくとも5秒で30秒以下の回復時間をさらに示す。特に望ましいVEフォームの1つは、密度が4〜5.5ポンド/立方フィート(64〜88kg/m3)、ASTMボール反発試験に基づく反発弾性が8%未満、及びASTM圧縮回復試験に基づく回復時間が少なくとも7秒で20秒以下である。
【0060】
本発明により製造されたVEフォームは、多くの場合、より高い引張強度及びより大きい耐力(押し込み力不足(indention force defection)、ASTM D−3574−01試験Bによって示される)を示し、後者は特に65%のたわみにおいて示される。支持因子(support factor)(65%IFD対25%IFDの比)も顕著に高くなる傾向が見られる。これらの改善は同等のイソシアネートインデックスにおいても見られることが多い。引張、耐力、及び引裂強度もイソシアネートインデックスの増加とともに増加する傾向にある。より高いインデックスの配合物は本発明によりさらに容易に加工されるので、イソシアネートインデックスを増加させることによって、引張、IFD及び多くの場合は引裂強度のさらなる改善が実現される。
【0061】
多くの成分e)添加剤は、3つのイソシアネート基の三量体化反応を触媒してイソシアヌレート環を形成することが知られているが、本発明により製造したVEフォームを分析すると、イソシアヌレート基がわずか又は測定不可能な量であることが示された。従って、イソシアネート三量体化は、本発明によって得られる加工性及び物理的性質の利点の原因ではまったくないかほとんどないと考えられる。
【0062】
本発明により製造されたVEフォームは、種々の包装用途及びクッション材用途、例えばマットレス、包装材料、バンパーパッド、スポーツ用及び医療用機材、ヘルメットのライナー、パイロットの座席、耳栓、並びに種々の騒音及び振動減衰用途において有用である。
【0063】
以下の実施例は本発明を例証するために提供しており、本発明の範囲の限定を意図したものではない。特に明記しない限り、すべての部数及びパーセント値は重量を基準としている。
【0064】
実施例1
粘弾性フォーム実施例1〜4及び比較サンプルC−1〜C−4を以下の配合に従って作製する。
【表1】

【0065】
ポリオールAは、分子量700のポリ(プロピレンオキシド)トリオールである。ポリオールBは、約990当量で公称三官能性のポリ(プロピレンオキシド)である。ポリオールCは、約1800当量で公称6.9官能性の75%のエチレンオキシドと25%のプロピレンオキシドとのランダムコポリマーである。界面活性剤Aは、OSiスペシャルティーズよりナイアックス(登録商標)L−627界面活性剤として市販されているオルガノシリコーン界面活性剤である。アミン触媒Aは、OSiスペシャルティーズよりナイアックス(登録商標)A−1触媒として市販されている、ジプロピレングリコール中の70%ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル溶液である。アミン触媒Bは、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ(Air Products and Chemicals)よりダブコ(登録商標)33LVとして市販されている、トリエチレンジアミンのジプロピレングリコール中の33%溶液である。カリウムアセテート溶液はエチレングリコール中の38%溶液である。スズ触媒Aは、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズよりダブコ(登録商標)T−9触媒として市販されている第一スズオクトエート触媒である。TDI80は、トルエンジイソシアネートの2,4−及び2,6−異性体の80/20ブレンドである。
【0066】
フォームは、最初に、ポリオール、水、カリウムアセテート溶液、及びアミン触媒を高剪断速度ミックスヘッド中でブレンドすることによって作製する。成分の温度は約22℃である。次にこの混合物を同じ方法で界面活性剤及びスズ触媒とブレンドし、得られた混合物を再び同じ方法でポリイソシアネートとブレンドする。この最終ブレンドを直ちに開放箱中に注ぎ込み、熱を加えずに反応させる。配合物の総重量は2000〜2700gである。硬化した配合物を、少なくとも7日間エージングし、表1に示す特性試験を行う。物理的特性試験はASTM D−3574−01に準拠して行う。
【表2】

【0067】
表1中のデータは、少量のカリウムアセテートをVEフォーム配合物中に加えた効果を示している。ブローオフ時間は、それぞれの対照と比較して、すべてが大きく短縮されている。これは、カリウムアセテートを含有するフォーム配合物がより容易に加工可能であることを明確に示している。本発明のフォームのセル構造は対照よりもはるかに微細であり、このことも良好な加工性をさらに示している。フォーム密度が本発明のフォームの場合に幾分高くなっているが、これは、カリウムアセテートが存在する場合には、同等の密度を実現するためにより多くの水(及びポリイソシアネート)を必要とすることを示している。同等の密度を実現するために配合物中により多くの水を含むことができることで、さらに良好な加工性が得られる。フォーム密度の差を考慮しても、引張強度及び引裂強度は対照よりもはるかに増加している。
【0068】
実施例5〜8及び比較サンプルC−5
実施例1〜4に関する説明と同じ方法でVEフォームを作製する。1.4部の界面活性剤Aを使用し、イソシアネートインデックスが87であることを除けば、フォームの配合は、実施例1〜4に関する記載と同じものである。カリウムアセテート溶液の量を表2に示すように変動させる。前述のようにして、ブローオフ時間を求め、フォームの物理的性質を測定する。結果は表2に示すとおりである。
【表3】

【0069】
この場合も、カリウムアセテートをVEフォーム配合物に加えた場合に、ブローオフ時間が非常に大きく短縮されている。この実験の組において、カリウムアセテートを0.3重量部までの量を加えると密度がわずかに増加している。カリウムアセテートを加えることによって引張強度は大きく増加し、引裂強度は全体的に改善されている。さらに、本発明のフォームは、対照よりもはるかに微細なセル構造を有する。
【0070】
実施例9〜11及び比較サンプルC−5
(2−ヒドロキシアルキル)トリアルキルアンモニウムホルメート(ダブコ(商標)TMR−5としてエア・プロダクツ・アンド・ケミカルズより市販されている)をカリウムアセテートの代わりに使用したことを除けば、実施例5〜8に関する説明と同じ方法でVEフォームを作製する。第4級アンモニウム塩の量を表3に示すように変動させる。前述のようにして、ブローオフ時間を求め、フォームの物理的性質を測定する。結果は表3に示すとおりである。再び比較サンプルC−5を対照として使用している。
【表4】

【0071】
第4級アンモニウムホルメート塩をVEフォーム配合物中に含めることによって、ブローオフ時間が短縮され、引張強度が増加し、ほとんどの場合で引裂強度が増加し、より微細なセル構造が形成される。第4級アンモニウム塩が存在する場合のフォーム密度は対照に非常に近い。
【0072】
実施例12〜15
実施例1〜4に関する説明と同じ方法でVEフォームを作製し、今回は種々の量の1,3,5−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン(エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズよりポリキャット(Polycat)(商標)41として市販される)をカリウムアセテートの代わりに使用している。イソシアネートインデックスが90であり、アミン触媒B量を表5に示すように変動させたことを除けば、フォームの配合は、実施例1〜4に関する記載と同じものである。1,3,5−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジンの量は表4に示すように変動させている。前述のようにして、ブローオフ時間を求め、フォームの物理的性質を測定する。さらに、圧縮回復時間を、ASTM D−3574Mの圧縮回復法(Compression Recovery method)を使用して測定する。結果は表4に示すとおりである。
【表5】

【0073】
これらの実施例は、1,3,5−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジンを含めることによって、物理的性質にほとんど影響せずに、トリエチレンジアミン触媒量を減少させたり省いたりすることができることを示している。すべてのフォーム配合物は十分に加工され、良好なブローオフ時間及び微細なセル構造を有する。
【0074】
実施例16及び比較サンプルC−6
イソシアネートがTDIの2,4−及び2,6−異性体の65/35ブレンド(TDI65)であることを除けば、比較サンプルC−3と同じ方法でVEフォーム比較サンプルC−6を作製する。アミン触媒Bを使用せず、0.4部の38%カリウムアセテート溶液を使用することを除けば、比較サンプルC−6と同じ方法でVEフォーム実施例16を作製する。前述のようにして、ブローオフ時間を求め、フォームの物理的性質を測定する。結果は表5に示すとおりである。
【表6】

【0075】
これらの結果は、カリウムアセテートを使用することで、65/35−TDIを主成分とする系において利点が得られ、トリエチレンジアミン触媒を使用せずに引張強度の増加が可能であることを示している。実施例16のセル構造は比較サンプルC−6よりもはるかに微細であり、ブローオフ時間は大幅に短縮される。これら両方のことは、本発明の系がより容易に加工可能であることを示している。
【0076】
実施例17
以下の配合物を使用して、実施例1〜4に関して記載される一般的方法でVEフォームを作製する:
【表7】

【0077】
ポリオールDは、分子量が1008で公称三官能性のポリ(プロピレンオキシド)である。物理的性質は前述のように求められる。
【0078】
この配合物のブローオフ時間は125秒である。空気流は0.31ft3/分(8.8L/分)である。圧縮回復時間は5秒である。密度は4.90lb/ft3(78.4kg/m3)である。ボール反発試験による反発弾性は15%である。引裂強度は184N/mであり、引張強度は108kPaであり、伸びは113%である。
【0079】
これらの結果は、第3級アミンゲル化触媒が存在しない場合でさえも、加工性が良好で品質が良好なフォームを本発明により製造することができることを示している。
【0080】
実施例18〜23及び比較サンプルC−7
実施例17に記載の方法でVEフォームを作製する。イソシアネートインデックスが92であり、0.15部のアミン触媒Aが存在し、ナトリウムアセテート溶液の代わりに以下の表6に示す別の添加剤を使用したことを除けば、同じ配合を使用している。
【表8】

【0081】
表6のデータは、種々の成分e)添加剤を使用して、品質が良好で容易に加工可能なVEフォームを作製できることを示している。
【0082】
実施例24及び25並びに比較サンプルC−8
以下の配合物を使用して、実施例17に関して記載される一般的方法でVEフォーム実施例24を作製する。
【表9】

【0083】
リチウムポリエーテル塩は、分子量が3000で公称三官能性のポリ(プロピレンオキシド)ポリオールを、平均で2個のヒドロキシル基/1分子がカルボン酸基に変換されるのに十分な量のシクロヘキサンジカルボン酸無水物と反応させることによって調製される。次に、カルボン酸基を水酸化リチウムで中和して、ポリエーテルポリオールの二リチウム塩を形成する。
【0084】
リチウムポリエーテル塩の量を1.8部まで増加させ、イソシアネートインデックスが92であることを除けば、VEフォーム実施例25は同じ方法で作製する。
【0085】
リチウムポリエーテル塩を使用せず、アミン触媒B量を0.3部まで増加させ、イソシアネートインデックスを90に調整して、実施例24と同じ方法で比較サンプルC−8を作製する。
【0086】
前述したようにフォームの性質を測定し、それらを表7に報告する。
【表10】

【0087】
実施例26及び比較サンプルC−9*
以下の配合物を使用し、実施例17に関して説明した一般的方法でVEフォーム実施例26を作製する。
【表11】

【0088】
リチウムアセテートを使用せず、アミン触媒Bの量を0.3部まで増加させて、実施例26と同じ方法で比較サンプルC−9を作製する。
【0089】
前述したようにフォームの性質を測定し、それらを表8に報告する。
【表12】

【0090】
今回も、より速いブローオフ及びより微細なセル構造が本発明のフォームにおいて見られる。
【0091】
実施例27〜32及び比較サンプルC−10*
以下のベース配合物を使用し、実施例1〜4に関して記載される一般的方法を使用してVEフォーム実施例27〜32及び比較サンプルC−10を作製する。
【表13】

【表14】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘弾性ポリウレタンフォームの製造方法であって、
A.少なくとも1種類のポリオールと、少なくとも1種類のポリイソシアネートと、水と、少なくとも1種類の触媒と、前記触媒とは異なり前記ポリオールとも異なる少なくとも1種類の添加剤であって、
1)カルボン酸のアルカリ金属塩又は遷移金属塩;
2)1,3,5−トリスアルキル−又は1,3,5−トリス(N,N−ジアルキルアミノアルキル)−ヘキサヒドロ−s−トリアジン化合物;並びに
3)第4級アンモニウム化合物のカルボン酸塩から選択され、前記反応混合物の少なくとも1種類の他の成分中に溶解される添加剤とを含む反応混合物を形成するステップと、
B.前記反応混合物が膨張及び硬化するのに十分な条件に反応混合物をさらして粘弾性ポリウレタンフォームを形成するステップとを含む、方法。
【請求項2】
粘弾性ポリウレタンフォームの製造方法であって、反応混合物が膨張及び硬化するのに十分な条件に反応混合物をさらすステップを含み、前記反応混合物が:
a)ヒドロキシル官能価が約2.5〜4であり分子量が400〜1500である少なくとも1種類のベースポリオール、或いは、少なくとも50重量%の前記少なくとも1種類のベースポリオールと、成分e)とは異なりヒドロキシル当量が少なくとも125である少なくとも1種類の他のモノアルコール又はポリオールとを含有する混合物と;
b)少なくとも1種類の有機ポリイソシアネートと;
c)成分a)100重量部当たり0.8〜約2.25重量部の水と;
d)成分e)とは異なる少なくとも1種類の触媒と;
e)反応混合物のブローオフ時間を短縮するのに十分な量の添加剤とを含み、前記添加剤が、
1)カルボン酸のアルカリ金属塩又は遷移金属塩;
2)1,3,5−トリスアルキル−又は1,3,5−トリス(N,N−ジアルキルアミノアルキル)−ヘキサヒドロ−s−トリアジン化合物;並びに
3)第4級アンモニウム化合物のカルボン酸塩から選択され、
前記添加剤が、前記反応混合物の少なくとも1種類の他の成分中に溶解される、方法。
【請求項3】
スラブストック法である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記添加剤がC2-18モノカルボン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、又は銀塩を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記添加剤が、成分a)100重量部当たり約0.01〜1.0部の量で存在する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記イソシアネートインデックスが85〜110である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリイソシアネートが、少なくとも80重量%の2,4−異性体を含有するTDI異性体のブレンドである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記粘弾性フォームが、ATSM D−3574−Hボール反発試験に準拠して測定して20%以下の反発弾性を示す、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記粘弾性フォームが3〜8ポンド/立方フィート(48〜128kg/m3)の密度を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記反応混合物が、成分a)100重量部当たり0.8〜1.3部の水を含有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記粘弾性フォームが3.5〜6ポンド/立方フィート(56〜96kg/m3)の密度を有し、前記粘弾性フォームが、ATSM D−3574−Hボール反発試験に準拠して測定して10%以下の反発弾性を示す、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記添加剤が、1,3,5−トリスアルキル−又は1,3,5−トリス(N,N−ジアルキルアミノアルキル)−ヘキサヒドロ−s−トリアジン化合物を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項13】
前記添加剤が1,3,5−トリス(3−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジンを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記添加剤が、成分a)100重量部当たり約0.01〜1.0部の量で存在する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記イソシアネートインデックスが85〜110である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ポリイソシアネートが、少なくとも80重量%の2,4−異性体を含有するTDI異性体のブレンドである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記粘弾性フォームが、ATSM D−3574−Hボール反発試験に準拠して測定して20%以下の反発弾性を示す、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記粘弾性フォームが3〜8ポンド/立方フィート(48〜128kg/m3)の密度を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記反応混合物が、成分a)100重量部当たり0.8〜1.3部の水を含有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記粘弾性フォームが3.5〜6ポンド/立方フィート(56〜96kg/m3)の密度を有し、前記粘弾性フォームが、ATSM D−3574−Hボール反発試験に準拠して測定して10%以下の反発弾性を示す、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記添加剤が、C1-12カルボン酸の第4級アンモニウム塩を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項22】
前記添加剤が、C1-12カルボン酸のヒドロキシアルキルトリアルキルアンモニウム塩を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記添加剤が、成分a)100重量部当たり約0.01〜1.0部の量で存在する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記イソシアネートインデックスが85〜110である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ポリイソシアネートが、少なくとも80重量%の2,4−異性体を含有するTDI異性体のブレンドである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記粘弾性フォームが、ATSM D−3574−Hボール反発試験に準拠して測定して20%以下の反発弾性を示す、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記粘弾性フォームが3〜8ポンド/立方フィート(48〜128kg/m3)の密度を有する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記反応混合物が、成分a)100重量部当たり0.8〜1.3部の水を含有する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記粘弾性フォームが3.5〜6ポンド/立方フィート(56〜96kg/m3)の密度を有し、前記粘弾性フォームが、ATSM D−3574−Hボール反発試験に準拠して測定して10%以下の反発弾性を示す、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記添加剤が、カルボキシル含有有機ポリマーのアルカリ金属塩又は第4級アンモニウム塩を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項31】
前記カルボキシル含有有機ポリマーがカルボキシル基当たり150〜5000の当量を有する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記カルボキシル含有有機ポリマーが、500〜3000のカルボキシル当量及び1〜4のカルボキシル官能価を有するポリエーテルポリオールである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記添加剤が、成分a)100重量部当たり約1〜約25部の量で存在する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記イソシアネートインデックスが85〜110である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記ポリイソシアネートが、少なくとも80重量%の2,4−異性体を含有するTDI異性体のブレンドである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記粘弾性フォームが、ATSM D−3574−Hボール反発試験に準拠して測定して10%以下の反発弾性を示す、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記粘弾性フォームが3〜8ポンド/立方フィート(48〜128kg/m3)の密度を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記反応混合物が、成分a)100重量部当たり0.8〜1.3部の水を含有する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記粘弾性フォームが3.5〜6ポンド/立方フィート(56〜96kg/m3)の密度を有し、前記粘弾性フォームが、ATSM D−3574−Hボール反発試験に準拠して測定して10%以下の反発弾性を示す、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
配合ポリオール組成物であって、
ヒドロキシル官能価が約2.5〜4であり分子量が400〜1500である少なくとも1種類のベースポリオール、或いは、少なくとも50重量%の前記少なくとも1種類のベースポリオールと、ヒドロキシル当量が少なくとも200である少なくとも1種類の他のモノアルコール又はポリオールとを含有する混合物と;
前記少なくとも1種類の他のモノアルコール又はポリオールとは異なる添加剤であって、
1)カルボン酸のアルカリ金属塩又は遷移金属塩;
2)1,3,5−トリスアルキル−又は1,3,5−トリス(N,N−ジアルキルアミノアルキル)−ヘキサヒドロ−s−トリアジン化合物;並びに
3)第4級アンモニウム化合物のカルボン酸塩から選択される添加剤とを含み、
前記添加剤が、前記配合ポリオール組成物中に溶解される、配合ポリオール組成物。

【公表番号】特表2010−500447(P2010−500447A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−523800(P2009−523800)
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【国際出願番号】PCT/US2007/017419
【国際公開番号】WO2008/021034
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】