説明

粘着テープ

【課題】正確な重ね巻きを容易に行うことができ、作業者によって重ね巻きの仕上がりにバラツキが生じることを防止することができる粘着テープを提供する。
【解決手段】重ね合わせる粘着テープの幅方向一端部を位置させる表面箇所に、長手方向に沿って重ね巻き用目印12を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重ね巻きを行う粘着テープに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力ケーブル、信号用ケーブル等のケーブルの接続方法として、両ケーブルの端部から突出させた芯線同士を接続した後、一方のケーブルのシースの外周面端部から他方のケーブルのシースの外周面端部にかけて絶縁、防水および防護のために粘着テープを巻き付けることが行われている。
【0003】
この場合、上記粘着テープは、巻き付けた上流側の粘着テープに下流側の粘着テープを順次重ね合わせて巻き付ける巻き方(以下、この巻き方を「重ね巻き」という)によって巻き付ける(例えば、特許文献1参照)。この重ね巻きでは、通常、粘着テープの幅方向の1/3、1/2または2/3の箇所に下流側の粘着テープの幅方向一端部を位置させるように、上流側の粘着テープに下流側の粘着テープを重ね合わせる。また、この重ね巻きでは、通常、粘着テープを引っ張って伸長させながら巻いていく。
【0004】
【特許文献1】特開2001−67955号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前述した重ね巻きは、巻き付けた上流側の粘着テープの幅方向の目的箇所に正確に下流側の粘着テープを重ね合わせて巻き付けることが難しいため、熟練した技術を要し、作業者によって仕上がりにバラツキが生じるという欠点があった。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、正確な重ね巻きを容易に行うことができ、作業者によって重ね巻きの仕上がりにバラツキが生じることを防止することができる粘着テープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記目的を達成するため、重ね巻きを行う粘着テープであって、重ね合わせる粘着テープの幅方向一端部を位置させる表面箇所に、長手方向に沿って重ね巻き用目印を表示したことを特徴とする粘着テープを提供する。
【0008】
本発明の粘着テープは、表面(粘着剤が積層されていない面)の重ね合わせる粘着テープの幅方向一端部を位置させる箇所に、長手方向に沿って重ね巻き用目印が表示されているので、上流側の粘着テープに下流側の粘着テープを重ねて巻き付けるに当たり、下流側の粘着テープの幅方向一端部を上記目印に合わせるようにして巻き付けることにより、正確な重ね巻きを容易に行うことができる。
【0009】
本発明においては、通常、幅方向の1/3、1/2および2/3の箇所から選ばれる1箇所または2箇所以上の表面箇所に、長手方向に沿って重ね巻き用目印を表示する。
【0010】
本発明において、上記重ね巻き用目印の形状、色彩に限定はなく、上述した重ね巻き用目印としての機能を果たすものであればどのようなものでもよい。具体的には、重ね巻き用目印として、例えば、表面の所定の箇所に長手方向に沿って連続的または間接的に直線、曲線、点線、小さい図形、小さい記号、小さい文字等を表示したものが挙げられる。
【0011】
本発明の粘着テープの基材、粘着剤としては、一般に使用されている材料を使用することができ、例えば基材としてはポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等、粘着剤としてはゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤等を用いることができる。また、本発明の粘着テープは、引っ張ったときに伸長するものでもよく、伸長しないものでもよい。
【0012】
本発明の粘着テープは、例えば、絶縁テープ、防水・防護テープ等として使用することができるが、これらに限定されるものではなく、重ね巻きを行う粘着テープであればどのようなものでもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の粘着テープによれば、正確な重ね巻きを容易に行うことができ、作業者によって重ね巻きの仕上がりにバラツキが生じることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明するが、本発明は下記例に限定されるものではない。
【0015】
図1は本発明に係る粘着テープの第1実施形態を示す平面図である。本例では、粘着テープ10の表面の幅方向の1/2の箇所に、重ね巻き用目印として長手方向に沿って連続的に直線12を表示してある。
【0016】
図2は本発明に係る粘着テープの第2実施形態を示す図である。本例では、粘着テープ10の表面の幅方向の1/3、1/2および2/3の箇所に、それぞれ重ね巻き用目印として長手方向に沿って間欠的に小さい円14、16、18を表示してある。
【0017】
なお、本発明の粘着テープは上記実施形態に限定されるものではない。例えば、第1実施形態では重ね巻き用目印として連続的に直線を表示し、第2実施形態では重ね巻き用目印として間欠的に小さい円を表示したが、その他の曲線、点線、小さい図形、小さい記号、小さい文字を連続的または間接的に表示してもよい。また、上記両実施形態では、粘着テープの表面の幅方向の1/3、1/2、2/3の箇所に重ね巻き用目印を表示したが、その他の箇所に表示してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る粘着テープの第1実施形態を示す平面図である。
【図2】本発明に係る粘着テープの第2実施形態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0019】
10 粘着テープ
12、14、16、18 重ね巻き用目印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重ね巻きを行う粘着テープであって、重ね合わせる粘着テープの幅方向一端部を位置させる表面箇所に、長手方向に沿って重ね巻き用目印を表示したことを特徴とする粘着テープ。
【請求項2】
幅方向の1/3、1/2および2/3の箇所から選ばれる1箇所または2箇所以上の表面箇所に、長手方向に沿って重ね巻き用目印を表示したことを特徴とする請求項1に記載の粘着テープ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−120709(P2009−120709A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−295786(P2007−295786)
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【出願人】(591086843)古河電工産業電線株式会社 (40)
【Fターム(参考)】