説明

粘着ラベルの貼着方法、及びラベラー

【課題】 本発明は、比較的薄い粘着ラベルであっても確実に剥離でき、且つ粘着ラベルを被着体の所定位置に確実に貼着できるラベラーを提供する。
【解決手段】 本発明のラベラーは、帯状の離型紙2上の長手方向に複数の粘着ラベル3が並んで貼付されている粘着ラベル供給用帯状体1の離型紙2から粘着ラベル3を剥離する剥離ユニット4を有し、前記剥離ユニット4が、前記離型紙2の幅方向左右領域2L,2R以外の離型紙2の幅方向中間領域2Mを反転させ、前記離型紙2の左右領域2L,2R上に粘着ラベル3の左右側端部がそれぞれ貼付されたままで、前記離型紙2の中間領域2Mを粘着ラベル3から長手方向に剥離する第1剥離部41と、前記離型紙2の中間領域2Mを剥離した後の離型紙2の左右領域2L,2Rを粘着ラベル3からそれぞれ剥離する第2剥離部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着ラベルを被着体に貼着する方法、及び粘着ラベルを被着体に貼着するときに用いられるラベラー関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器のような被着体に粘着ラベルを機械的に貼着する場合、粘着ラベル供給用帯状体とラベラー(ラベリング装置)とが用いられる。
前記粘着ラベル供給用帯状体は、長尺帯状の離型紙と、この離型紙上にその長手方向に沿って並んで貼付された複数の粘着ラベルと、を有する。この粘着ラベル供給用帯状体をラベラーに装填した後、ラベラーにて、離型紙を反転させて粘着ラベルが離型紙から剥離され、粘着ラベルが被着体の所定位置に貼着される。
この粘着ラベルが比較的大型で且つその厚みが薄い場合、離型紙を反転させたときに離型紙と一緒に粘着ラベルも反転し、その結果、粘着ラベルを離型紙から確実に剥離できないことがある。
【0003】
このような問題点に鑑みて、特許文献1及び2のようなラベラーが知られている。
特許文献1のラベラーは、ラベル貼着装置に容器を供給する容器供給装置と、粘着ラベル供給用帯状体から離型紙を外すためのラベル剥離ユニットを有し、且つラベル剥離ユニットにおいて剥離された粘着ラベルをラベル供給位置に供給するラベル供給装置と、前記ラベル供給装置から粘着ラベルを受け取ってラベル貼着位置まで搬送し、該粘着ラベルを容器に貼着するラベル貼着装置と、粘着ラベルが貼着された容器を送出する容器送出装置と、を備えている。さらに、前記ラベル剥離ユニットは、粘着ラベル供給用帯状体を交互に掛け渡す複数のフリーローラを有し、粘着ラベル供給用帯状体の送出方向の最下流側のフリーローラが剥離プレートの先端部近傍に配置されている(特許文献1の[特許請求の範囲]、[0015]〜[0021]、及び図1〜図6などを参照)。
特許文献1のラベラーによれば、粘着ラベル供給用帯状体が複数のフリーローラを通過している間に、粘着ラベルの粘着層がほぐされる。このため、粘着ラベルを離型紙から剥離し易くなるという効果を奏する。
【0004】
また、特許文献2のラベラーは、特許文献1のラベラーと同様に、容器供給装置と、ラベル剥離ユニットを有するラベル供給装置と、ラベル貼着装置と、容器送出装置と、を備えている。前記ラベル剥離ユニットは、先端縁が平面略V字状に形成されたガイドプレートを有し、該ガイドプレートの先端縁において2分割された離型紙が互いに方向転換されて引き出される(特許文献2の[0017]〜[0020]、及び図1〜図5などを参照)。
特許文献2のラベラーによれば、ラベル剥離ユニットにおいて、2分割された離型紙を互いに方向転換させて引き出す(2分割された離型紙の一方を離型紙の送出方向に対して左90度の方向に反転させて引き出し、且つ、2分割された離型紙の他方を離型紙の送出方向に対して右90度の方向に反転させて引き出す)。このため、腰のない薄肉の粘着ラベルを離型紙から確実に剥離できるという効果を奏する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−239161号公報
【特許文献2】特開2006−143288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のラベラーでは、粘着ラベルが非常に薄い場合、十分に粘着層をほぐしたとしても、粘着ラベルを離型紙から剥離できないおそれがある。
一方、特許文献2のラベラーでは、2分割された離型紙の一方又は他方の何れかにテンションが強く掛かったときに、強く引っ張られた側(離型紙の幅方向左側又は右側)に粘着ラベルが偏り易い。このため、粘着ラベルの剥離位置が左側又は右側の何れかにずれ易く、これに応じて被着体に対する粘着ラベルの貼着位置がずれてしまうという問題点がある。
【0007】
本発明の目的は、比較的薄い粘着ラベルであっても確実に剥離でき、且つ粘着ラベルを被着体の所定位置に確実に貼着できる粘着ラベルの貼着方法及びラベラーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、帯状の離型紙上の長手方向に複数の粘着ラベルが並んで貼付されている粘着ラベル供給用帯状体の離型紙から粘着ラベルを剥離して、前記粘着ラベルを被着体に順次貼着していく粘着ラベルの貼着方法において、前記離型紙の幅方向左右領域以外の離型紙の幅方向中間領域を反転させることにより、前記離型紙の左右領域上に粘着ラベルの左右側端部がそれぞれ貼付されたままで、前記離型紙の中間領域を粘着ラベルから長手方向に剥離する工程と、前記離型紙の中間領域を剥離した後、前記左右領域を粘着ラベルからそれぞれ剥離すると略同時に又は剥離した後に、粘着ラベルを被着体に貼着する工程と、を有する。
【0009】
本発明の粘着ラベルの貼着方法は、離型紙の中間領域を反転させるときに、粘着ラベルの左右側端部が離型紙の左右領域上に貼付されたままとなっているので、離型紙の中間領域と一緒に粘着ラベルが反転するおそれがない。
前記離型紙の中間領域を粘着ラベルから剥離すると、粘着ラベルの先端縁を含む中間部裏面が露出する。このため、離型紙の左右領域を剥離したときに、粘着ラベルが左右領域に追従することがなく、離型紙の左右領域を粘着ラベルの裏面から剥離できる。
このように、先に離型紙の中間領域を剥離した後、離型紙の左右領域を剥離すれば、離型紙に比較的薄い粘着ラベルが貼付されていても、離型紙を確実に剥離でき、さらに、粘着ラベルが幅方向左側又は右側にずれることを防止できる。
そして、離型紙の左右領域を粘着ラベルからそれぞれ剥離すると略同時に又は剥離した後に、該粘着ラベルを被着体に貼着することにより、被着体の所定位置に粘着ラベルを確実に貼着することができる。
【0010】
本発明の好ましい粘着ラベルの貼着方法は、前記粘着ラベル供給用連続体の離型紙の面内に、幅方向に間隔を開けて2本の開裂線が形成されており、前記離型紙の中間領域が、前記2本の開裂線の間の領域とされている。
かかる粘着ラベル供給用連続体は、離型紙に開裂線が形成されているので、該開裂線に沿って離型紙の中間領域を確実に剥離できる。
【0011】
本発明の別の局面によれば、ラベラーが提供される。
このラベラーは、帯状の離型紙上の長手方向に複数の粘着ラベルが並んで貼付されている粘着ラベル供給用帯状体の離型紙から粘着ラベルを剥離する剥離ユニットを有し、前記剥離ユニットが、前記離型紙の幅方向左右領域以外の離型紙の幅方向中間領域を反転させ、前記離型紙の左右領域上に粘着ラベルの左右側端部がそれぞれ貼付されたままで、前記離型紙の中間領域を粘着ラベルから長手方向に剥離する第1剥離部と、前記離型紙の中間領域を剥離した後の離型紙の左右領域を粘着ラベルからそれぞれ剥離する第2剥離部と、を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の粘着ラベルの貼着方法及びラベラーによれば、帯状の離型紙上に比較的薄い粘着ラベルが貼付されていても、離型紙を粘着ラベルから剥離できる(粘着ラベルを離型紙から剥離できる)。
さらに、本発明の粘着ラベルの貼着方法及びラベラーによれば、粘着ラベルを被着体の所定位置に確実に貼着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の粘着ラベル供給用帯状体の一部省略平面図。
【図2】同一部省略背面図。
【図3】図1のIII−III線断面図。
【図4】1つの実施形態に係るラベラーの概略構成図。
【図5】図4のラベル供給装置の一部分を拡大した右側面図。
【図6】図4のラベル供給装置の一部分を拡大した参考斜視図。
【図7】剥離プレートの斜視図。
【図8】同右側面図。
【図9】他の実施形態に係るラベラーの概略構成図。
【図10】他の実施形態に係る剥離プレートの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
(粘着ラベル供給用帯状体)
図1〜図3に於いて、1は、離型紙2の表面上に、複数の粘着ラベル3が離型紙2の長手方向に並んで貼付されている粘着ラベル供給用帯状体を示す。
離型紙2は、長細い帯状の基材と、該基材の表面にシリコーン樹脂などを塗布することによって形成された剥離層と、を有する。
離型紙2の基材は、特に限定されず、紙、合成紙、合成樹脂製フィルム、及びこれらの積層シートなどが挙げられる。好ましくは、長手方向に引裂き性を有する基材が用いられる。開裂線21,22としてミシン目線又はハーフカット線が採用される場合、長手方向に引裂き性を有する基材を用いると、前記開裂線21,22に沿って確実に離型紙2を分断できる。
長手方向に引裂き性を有する基材としては、例えば、長手方向に少なくとも延伸された合成樹脂製フィルム又は合成紙(長手方向に一軸延伸された合成樹脂製フィルム又は合成紙、或いは、長手方向及び幅方向にそれぞれ延伸された2軸延伸合成樹脂製フィルム又は合成紙)などが挙げられる。前記基材の材質は、特に限定されないが、引裂き性に優れていることから、ポリエステルが好ましい。
離型紙2の厚みは、機械的強度などに応じて適宜設定されるが、通常、30μm〜100μm程度である。
【0015】
前記離型紙2の面内には、少なくとも2本の開裂線21,22が形成されている。2本の開裂線21,22は、離型紙2の幅方向において間隔を開け、且つ離型紙2の長手方向に直線状に延びて形成されている。各開裂線21,22は、離型紙2に貼付された各粘着ラベル3の面内をそれぞれ長手方向に横切っている。2本の開裂線21,22(第1開裂線21及び第2開裂線22)は、離型紙2を3つの帯状領域に区画している。すなわち、2本の開裂線21,22を離型紙2に形成することにより、離型紙2は、離型紙2の左側縁と第1開裂線21の間の左領域2L、第1開裂線21と第2開裂線22の間の中間領域2M、及び、第2開裂線22と離型紙2の右側縁の間の右領域2Rに区画されている。
【0016】
第1開裂線21と第2開裂線22の間隔(すなわち、離型紙2の中間領域2Mの幅)は、特に限定されない。もっとも、前記間隔が余りに広いと、離型紙2の左右領域2L,2R上において粘着ラベル3の左右側端部が貼付された各面積(左右側端部の各貼付面積)が相対的に狭くなるため、離型紙2の中間領域2Mを先に剥離したときに、粘着ラベル3の左右側端部の何れか一方又は双方が離型紙2の左右領域2L,2Rから剥がれるおそれがある。一方、前記間隔が余りに狭いと、離型紙2の中間領域2Mを先に剥離した効果を十分に奏しないおそれがある。このような観点から、前記間隔は、下記式を満たすような範囲が好ましい。
式:0.2≦B/A≦0.6。ただし、前記式において、Aは、粘着ラベルの最大幅(離型紙の長手方向と直交する方向における粘着ラベルの最大幅)を表し、Bは、第1開裂線と第2開裂線の間隔(離型紙の中間領域の幅)を表す。
例えば、最大幅が5cmである粘着ラベルが貼付されている場合には、前記間隔は、1cm〜3cmであることが好ましい。
【0017】
また、離型紙2の中間領域2Mは、粘着ラベル3の幅方向中央に位置していることが好ましい。このように中央に位置していることにより、離型紙2の左右領域2L,2R上における粘着ラベル3の左右側端部の各貼付面積が、略等しくなる。このため、離型紙2の中間領域2Mを剥離したときに、粘着ラベル3の左右側端部の何れか一方が離型紙2の左領域2L又は右領域2Rから剥がれることを確実に防止できる。
【0018】
開裂線21,22としては、切断線、ミシン目線、ハーフカット線などが挙げられる。前記切断線は、離型紙2を厚み方向に完全に切断した切り目線である。前記ミシン目線は、ミシン針の縫い跡のように、離型紙2の厚み方向に貫通した貫通孔部が断続的に形成された線である。前記ハーフカット線は、離型紙2の厚み方向中途部にまで離型紙2を略V字状に切り込むことにより形成された非切断線である。開裂線21,22は、前記切断線を採用することが好ましい。
【0019】
粘着ラベル3は、前記第1開裂線21及び第2開裂線22をそれぞれ跨ぎ且つ離型紙2の長手方向に所定間隔をあけて並んで貼付されている。
かかる粘着ラベル3は、公知のラベルからなり、例えば、商品名や広告などの意匠印刷が施され且つ所定の平面形状(図示した例では平面視矩形状)に形成された基材31と、該基材31の裏面に粘着剤を設けることにより形成された粘着層32と、を備えている。粘着ラベル3の基材31の材質は、特に限定されず、紙、合成紙、合成樹脂製フィルム、金属蒸着フィルム、及びこれらの積層シートなどが挙げられる。基材31の厚みも特に限定されないが、例えば、10μm〜100μmである。本発明の粘着ラベルの貼着方法及びラベラーによれば、例えば、基材31の厚みが10μm〜50μm、好ましくは基材31の厚みが10μm〜25μmのような比較的薄い粘着ラベル3が離型紙2に貼付されている粘着ラベル供給用帯状体1を用いても、離型紙2を粘着ラベル3から確実に剥離でき(換言すれば、粘着ラベル3を離型紙2から確実に剥離でき)、さらに、剥離した粘着ラベル3を被着体の所定位置に確実に貼着できる。
粘着剤としては、感圧型粘着剤が用いられる。感圧型粘着剤は、室温下で粘着性を有し、押さえ付けることにより被着体に接着する粘着剤である。感圧型粘着剤の種類としては、溶剤型粘着剤、エマルジョン型粘着剤、ホットメルト型粘着剤などが挙げられる。粘着層32の厚みは、通常、3〜30μm程度である。
尚、粘着ラベル供給用帯状体1は、長尺状であるため、通常、ロール状に巻かれて提供される。
【0020】
(粘着ラベルの貼着方法及びラベラー)
本発明の粘着ラベルの貼着方法及びラベラーにおいては、上記粘着ラベル供給用帯状体1が用いられる。
本発明の粘着ラベルの貼着方法は、粘着ラベル供給用帯状体1の離型紙2の中間領域2Mを反転させることにより、前記離型紙2の左右領域2L,2R上に粘着ラベル3の左右側端部がそれぞれ貼付されたままで、前記中間領域2Mを粘着ラベル3から長手方向に剥離する工程と、前記中間領域2Mを剥離した後、前記左右領域2L,2Rを粘着ラベル3からそれぞれ剥離すると略同時に又は剥離した後に、粘着ラベルを被着体に貼着する工程と、を有する。
本発明のラベラーは、前記貼着方法を実施するための装置であって、離型紙2の中間領域2Mを先に剥離した後、左右領域2L,2Rを粘着ラベル3から剥離して、粘着ラベル3を被着体に順次貼着する装置である。
図4〜図6に示すように、ラベラー10は、前記粘着ラベル供給用帯状体1の離型紙2を剥離するための剥離ユニットを有し、且つ粘着ラベル3をラベル貼着装置6に供給するラベル供給装置5と、前記ラベル供給装置5から粘着ラベル3を受け取り、粘着ラベル3を被着体Aに貼着するラベル貼着装置6と、前記ラベル貼着装置6に被着体Aを供給する被着体供給装置7と、粘着ラベル3が貼着された被着体Aを送出する被着体送出装置8と、を備える。
なお、図4中の各矢印は、それぞれ、各装置の部材の回転方向、粘着ラベル供給用帯状体の送出方向、離型紙の回収方向、被着体の移動方向を示す。駆動装置などは図示していない。
被着体Aとしては、例えば、飲料などが充填された容器、商品を包装した包装箱などが挙げられる。
【0021】
ラベル供給装置5は、粘着ラベル供給用帯状体1の離型紙2から粘着ラベル3を剥離し、粘着ラベル3をラベル貼着装置6のラベル貼着位置に供給するための装置である。
ラベル供給装置5は、粘着ラベル供給用帯状体1のロールが装填されるロールセッティングユニット51と、このロールから送出された粘着ラベル供給用帯状体1の離型紙2を剥離するための剥離ユニットと、この剥離ユニットによって粘着ラベル3が剥離された離型紙2を巻き取って回収する離型紙回収ユニット52,53,54と、を備えている。なお、離型紙2の左領域2Lを回収する離型紙回収ユニット53と離型紙2の右領域2Rを回収する離型紙回収ユニット54は、それぞれ別個独立したユニットであるが、図4においては、両者を併せて図示している。
剥離ユニットは、剥離プレート4を有する。剥離プレート4は、先端部が下方に僅かに曲げられ且つ平滑な表面を有する。さらに、剥離プレート4は、離型紙2の中間領域2Mを粘着ラベル3から長手方向に剥離するための第1剥離部41と、前記離型紙2の中間領域2Mを剥離した後の離型紙2の左右領域2L,2Rを粘着ラベル3からそれぞれ長手方向に剥離するための第2剥離部42と、を有する。
【0022】
具体的には、剥離プレート4は、図7及び図8に示すように、平滑な表面を有する板状体からなり、その幅方向の中間区域4Mが凹状に切りかかれることにより、前記中間区域4Mは幅方向の左右区域4L,4Rよりも短く形成されている。剥離プレート4の中間区域4Mの先端部及び左右区域4L,4Rの先端部は、それぞれ下方に僅かに曲げられている。剥離プレート4の前記中間区域4Mの先端部が、前記第1剥離部41に相当し、剥離プレート4の前記左右区域4L,4Rの先端部が、前記第2剥離部42に相当する。各先端部の曲がり角度は、板状体の下面に対して鈍角であり、好ましくは120度〜160度である。剥離プレート4の中間区域4Mの先端縁4Ma及び左右区域4L,4Rの先端縁4La,4Raは、直線状であって、離型紙2の長手方向と略直交する方向に延びている。剥離プレート4の中間区域4Mは左右区域4L,4Rよりも短いので、図8に示すように、中間区域4Mの先端縁4Maは、左右区域4L,4Rの先端縁4La,4Raよりも後方に位置している。
剥離プレート4の幅(中間区域4Mの幅と左右区域4L,4Rの各幅との合計)は、粘着ラベル供給用帯状体1の幅よりも大きい又は粘着ラベル供給用帯状体1の幅と略同じであることが好ましい。
剥離プレート4の中間区域4Mの幅は、上記離型紙2の中間領域2Mの幅よりも僅かに大きい又は離型紙2の中間領域2Mの幅と略同じである。好ましくは、剥離プレート4の中間区域4Mの幅は、離型紙2の中間領域2Mの幅よりも僅かに大きい。このように中間区域4Mの幅が僅かに大きく形成されていることにより、剥離プレート4の中間区域4Mの先端縁4Ma(第1剥離部41の縁)において離型紙2の中間領域2Mが反転されるときに、前記離型紙2の中間領域2Mの左右側縁が剥離プレート4の左右区域4L,4Rの内側縁に接触することを防止できる。具体的に寸法を例示すると、剥離プレート4の中間区域4Mの幅は、離型紙2の中間領域2Mの幅+1mm〜2mmであることが好ましい。
【0023】
ラベル貼着装置6は、剥離後の粘着ラベル3を前記ラベル供給装置5から受け取り、該粘着ラベル3を被着体Aの表面に貼着するための装置である。
ラベル貼着装置6は、図4に示すように、被着体供給装置7から供給された被着体Aをラベル貼着位置まで搬送する被着体搬送ユニット61と、ラベル貼着位置において粘着ラベル3を被着体A側へ押圧する押さえ部62と、を有する。
被着体搬送ユニット61は、一方向に回転する円筒状の回転ドラム611を有し、該回転ドラム611の外周面には、周方向に所定間隔を開けて被着体Aを保持する凹部612が複数形成されている。被着体供給装置7から前記各凹部612に被着体Aが供給され、回転ドラム611の回転に従って、凹部612に保持された被着体Aはラベル貼着位置まで搬送される。被着体Aが円筒状である場合、被着体Aは、自転できるように前記凹部612に保持されていてもよい。
押さえ部62は、例えば、粘着ラベル3を被着体A側へ押圧する押圧ローラから構成されている。
【0024】
被着体供給装置7は、前記ラベル貼着装置6の被着体搬送ユニット61に、粘着ラベル未貼着の被着体Aを供給するための装置である。
被着体供給装置7は、図4に示すように、被着体搬送ユニット61の上流側に設けられ且つ被着体搬送ユニット61の凹部612に粘着ラベル未貼着の被着体Aを渡す星形回転ドラム71と、この星形回転ドラム71に前記被着体Aを供給する搬送手段72と、を有する。
一方、被着体送出装置8は、粘着ラベル貼着済みの被着体Aを搬送するための装置である。
被着体送出装置8は、被着体搬送ユニット61の下流側に設けられ且つ被着体搬送ユニット61の凹部612から粘着ラベル貼着済みの被着体Aを受け取る星形回転ドラム81と、この星形回転ドラム81から前記被着体Aを受け取った後、これを次の工程に搬送する搬送手段82と、を有する。
【0025】
上記ラベラー10は、次のように作動する。
被着体供給装置7から被着体Aがラベル貼着装置6の被着体搬送ユニット61に供給される。
被着体搬送ユニット61は、被着体Aをラベル貼着位置まで搬送する。
【0026】
一方、ラベル供給装置5においては、ロールセッティングユニット51にセットされたロールから粘着ラベル供給用帯状体1が引き出される。図4〜図6に示すように、この粘着ラベル供給用帯状体1(離型紙2)の裏面が剥離プレート4の表面に接しながら、該粘着ラベル供給用帯状体1が剥離プレート4の先端部方向(粘着ラベル供給用帯状体1の送出方向X)へ送られる。そして、剥離プレート4の中間区域4Mの先端縁4Ma(第1剥離部41の縁)において、離型紙2の中間領域2Mが剥離プレート4の下方側へ反転される。すなわち、離型紙2の中間領域2Mを前記送出方向Xと逆方向に方向転換させる。第1剥離部41において反転された離型紙2の中間領域2Mは、離型紙回収ユニット52に巻き取られて回収される。これにより、離型紙2の中間領域2Mが長手方向に剥離され、粘着ラベル3の中間部裏面が露出する。離型紙2の面内には、2本の開裂線21,22が形成されているので、これに沿って離型紙2が分断され、離型紙2の中間領域2Mを確実に剥離できる。
【0027】
続いて、剥離プレート4の左右区域4L,4Rの先端縁4La,4Ra(第2剥離部42の縁)において、離型紙2の左右領域2L,2Rが剥離プレート4の下方側へ反転される。すなわち、離型紙2の左右領域2L,2Rをそれぞれ前記送出方向と逆方向に方向転換させる。第2剥離部42において剥離された離型紙2の左右領域2L,2Rについても、それぞれ離型紙回収ユニット53,54に巻き取られて回収される。これにより、離型紙2の左右領域2L,2Rが長手方向に剥離される。この離型紙2の左右領域2L,2Rを剥離すると略同時に、露出した粘着ラベル3の先端部裏面がラベル貼着位置に至り、該粘着ラベル3の先端部裏面が被着体Aの表面に移行される。なお、「離型紙2の左右領域2L,2Rを剥離すると略同時」とは、離型紙2の左右領域2L,2Rが、粘着ラベル3の裏面からそれぞれ完全に離反しておらず、粘着ラベル3の左右側端部後方に離型紙2の左右領域2L,2Rが付いている状態で、粘着ラベル3の先端部が被着体Aに貼着し始めることを意味する。このように略同時とすることにより、粘着ラベル3の被着体Aに対する貼着位置のずれをより確実に防止できる。もっとも、離型紙2の左右領域2L,2Rを粘着ラベル3の裏面から完全に剥離した後に、該粘着ラベル3が被着体Aの表面に貼着されるようにしてもよい。
そして、押さえ部62が、粘着ラベル3を被着体Aの表面側へ押圧することにより、粘着ラベル3が被着体Aの所定位置に貼着される。
粘着ラベル3が貼着された被着体Aは、被着体搬送ユニット61から被着体送出装置8に供給される。
【0028】
なお、離型紙2の中間領域2Mの反転は、反転前の離型紙2の中間領域2Mの裏面と反転後の離型紙2の中間領域2Mの裏面の成す角が鋭角となるように、離型紙2の中間領域2Mを方向転換させることが好ましく、さらに、前記成す角が5度〜60度がより好ましく、10度〜45度が特に好ましい。このような角度で離型紙2の中間領域2Mを方向転換させることにより、中間領域2Mを粘着ラベル3の裏面から容易に剥離できる。
また、離型紙2の左右領域2L,2Rの反転は、反転前の離型紙2の左領域2L又は右領域2Rの裏面と反転後の離型紙2の左領域2L又は右領域2Rの裏面の成す角が鋭角となるように、離型紙2の左右領域2L,2Rを方向転換させることが好ましく、さらに、前記成す角が5度〜60度がより好ましく、10度〜45度が特に好ましい。このような角度で離型紙2の左右領域2L,2Rを方向転換させることにより、粘着ラベル3が左右領域2L,2Rに追従せず、左右領域2L,2Rを粘着ラベル3の裏面から容易に剥離できる。
【0029】
本発明のラベラー及び粘着ラベルの貼着方法は、上述のように、離型紙2の中間領域2Mを先に剥離する。離型紙2の中間領域2Mを剥離したとき、粘着ラベル3の左右側端部が離型紙2の左右領域2L,2R上に貼付されたままとなっている。このため、離型紙2の中間領域2Mと一緒に粘着ラベル3が反転するおそれがない。よって、比較的薄く且つ腰の弱い粘着ラベル3が離型紙2に貼付されていても、離型紙2の中間領域2Mが該粘着ラベル3の先端縁(粘着ラベル供給用帯状体1の送出方向の下流側における粘着ラベル3の縁)から確実に捲れて剥離できる。
【0030】
前記離型紙2の中間領域2Mを粘着ラベル3から剥離すると、粘着ラベル3の先端縁を含む中間部裏面が露出する。この粘着ラベル3の先端縁と離型紙2の左右領域2L,2Rの境界点が剥離起点となるため、その後、離型紙2の左右領域2L,2Rを反転させたときに、粘着ラベル3が左右領域2L,2Rと一緒に反転することなく、離型紙2の左右領域2L,2Rを粘着ラベル3の裏面から剥離できる。
従って、粘着ラベル供給用帯状体1から離型紙2のみを確実に剥離できる。
また、従来技術では離型紙を2分割して剥離するが、本願のように離型紙2の中間領域2Mを先ず剥離すると、左右領域2L,2R上における粘着ラベル3の各貼付面積が前記従来技術の2分割体の各貼付面積に比して小さくなる。このため、本発明において、離型紙2の左右領域2L,2Rを剥離する際に、前記左右領域2L,2Rの何れか一方にテンションが強く掛かることがあっても、粘着ラベル3が幅方向左側又は右側の何れかに位置ずれし難くなる。よって、粘着ラベル3を被着体Aの所定位置に確実に貼着できる。
【0031】
本発明のラベラー及び粘着ラベルの貼着方法は、上記実施形態に限られず、様々な態様に変更できる。以下、本発明のラベラー及び粘着ラベルの貼着方法に関する他の実施形態を説明するが、上記実施形態と同様の構成及び効果についてはその説明を省略し、上記実施形態と同様の構成について同じ用語及び符号を用いつつ、異なる構成及び効果のみについて説明する。
【0032】
上記実施形態では、ラベル供給装置5から供給された粘着ラベル3が、直接、被着体Aに貼着されるが、ラベル貼着装置6にラベル移行部が設けられ、該ラベル移行部を介して粘着ラベル3が被着体Aに貼着されるような態様に変更してもよい。この態様は、離型紙2の左右領域2L,2Rを粘着ラベル3の裏面から完全に剥離した後に、粘着ラベル3を被着体Aに貼着する1つの実施態様である。
前記ラベル移行部は、ラベル供給装置5から粘着ラベル3を受け取り、これを被着体Aの所定位置に貼着するための装置である。
図9は、ラベル移行部を有するラベラーの概略構成図を示す。
このラベラー10は、上記実施形態と同様に、剥離ユニット(剥離プレート4)を有するラベル供給装置5と、ラベル貼着装置6と、被着体供給装置7と、被着体送出装置8と、を備え、前記ラベル貼着装置6がラベル移行部9を有する。
ラベル移行部9は、例えば、粘着ラベル3を吸引する機能を有する円筒状の回転ドラムからなり、この回転ドラムは、その外周面に、ラベル供給装置5から供給される粘着ラベル3の粘着面を外側に向けて吸着した状態で回転する。回転ドラムの回転に従い、その外周面に吸着された粘着ラベル3の粘着面が被着体搬送ユニット61にて搬送される被着体Aの表面に付着することにより、粘着ラベル3が被着体Aの所定位置に貼着される。
このラベラー10においては、上述のように、回転ドラムの外周面に、粘着ラベル3の粘着面を外側に向けて、粘着ラベル3を吸着するようになっている。このため、粘着ラベル供給用帯状体1は、図9に示すように、その離型紙2を剥離プレート4の表面に接しさせつつ、剥離プレート4の下方側から先端部側へと送出される。そして、粘着ラベル供給用帯状体1の離型紙2の中間領域2Mが、剥離プレート4の第1剥離部41において剥離プレート4の上方側へ反転されて剥離された後、離型紙2の左右領域2L,2Rが、剥離プレート4の第2剥離部42において剥離プレート4の上方側へ反転されて剥離される。
【0033】
また、上記実施形態においては、離型紙2の左右領域2L,2Rを剥離するとき、該左右領域2L,2Rはそれぞれ剥離プレート4の下方側(上記図9の他の実施形態の場合には剥離プレート4の上方側)に反転されているが、例えば、前記左右領域2L,2Rが送出方向に対して略90度の方向に反転されるようにしてもよい。
このような方向に左右領域2L,2Rを反転させるために用いられる剥離プレート4としては、図10に示すような構成のものが挙げられる。この剥離プレート4は、剥離プレート4の左右区域4L,4Rの先端縁4La,4Ra(第2剥離部42の縁)が、粘着ラベル供給用帯状体1の送出方向と略45度の方向に直線状に延びている点、及び剥離プレート4の左右区域4L,4Rは湾曲しておらずに平坦状である点を除いて、上記実施形態と同様である。
【0034】
また、上記実施形態では、離型紙2の面内に少なくとも2本の開裂線21,22が形成された粘着ラベル供給用帯状体1が用いられているが、かかる開裂線21,22が形成されていない粘着ラベル供給用帯状体1を用いることもできる。ただし、開裂線21,22を形成しない場合、離型紙2の基材として、長手方向に引裂き性を有する基材が用いられる。引裂き性を有する離型紙2を用いれば、開裂線21,22が設けられていなくても、離型紙2の中間領域2Mを帯状に且つ長手方向に剥離することができる。なお、開裂線が形成されていない前記離型紙2は、上記実施形態の開裂線21,22が形成された位置と同様の位置において、長手方向に引き裂くことにより、上記実施形態と同様に、離型紙2の中間領域2Mを剥離できる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の粘着ラベル3の貼着方法及びラベラー10は、飲料容器などの各種被着体Aの表面に粘着ラベル3を貼着する際に利用できる。
【符号の説明】
【0036】
1…粘着ラベル供給用帯状体、2…離型紙、2M…離型紙の中間領域、2L…離型紙の左領域、2R…離型紙の右領域、3…粘着ラベル、4…剥離ユニット(剥離プレート)、41…第1剥離部、42…第2剥離部、5…ラベル供給装置、6…ラベル貼着装置、7…被着体供給装置、8…被着体送出装置、9…ラベル移行部、10…ラベラー、A…被着体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の離型紙上の長手方向に複数の粘着ラベルが並んで貼付されている粘着ラベル供給用帯状体の離型紙から粘着ラベルを剥離して、前記粘着ラベルを被着体に順次貼着していく粘着ラベルの貼着方法において、
前記離型紙の幅方向左右領域以外の離型紙の幅方向中間領域を反転させることにより、前記離型紙の左右領域上に粘着ラベルの左右側端部がそれぞれ貼付されたままで、前記離型紙の中間領域を粘着ラベルから長手方向に剥離する工程と、
前記離型紙の中間領域を剥離した後、前記左右領域を粘着ラベルからそれぞれ剥離すると略同時に又は剥離した後に、粘着ラベルを被着体に貼着する工程と、
を有することを特徴とする粘着ラベルの貼着方法。
【請求項2】
前記粘着ラベル供給用連続体の離型紙には、幅方向に間隔を開けて2本の開裂線が形成されており、前記離型紙の中間領域が、前記2本の開裂線の間の領域とされている請求項1に記載の粘着ラベルの貼着方法。
【請求項3】
帯状の離型紙上の長手方向に複数の粘着ラベルが並んで貼付されている粘着ラベル供給用帯状体の離型紙から粘着ラベルを剥離する剥離ユニットを有するラベラーにおいて、
前記剥離ユニットが、前記離型紙の幅方向左右領域以外の離型紙の幅方向中間領域を反転させ、前記離型紙の左右領域上に粘着ラベルの左右側端部がそれぞれ貼付されたままで、前記離型紙の中間領域を粘着ラベルから長手方向に剥離する第1剥離部と、
前記離型紙の中間領域を剥離した後の離型紙の左右領域を粘着ラベルからそれぞれ剥離する第2剥離部と、
を有することを特徴とするラベラー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−1072(P2011−1072A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−143832(P2009−143832)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】