説明

糖及び糖アルコールを転換するためのプロセス及び反応器システム

水素化触媒を用いて糖を糖アルコールに転換するためのプロセス及び反応器システムを提供し、水素化触媒のインライン式再生が炭化質沈殿を除去する装置及び方法を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
《関連発明の相互参照》
本出願は2009年6月30日付の米国仮特許出願第61/221,942号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
水相改質(APR)は、グリセリン、糖、糖アルコールなどを含む広範で多数のバイオマス由来の酸化化合物から水素及び炭化水素を生成する接触改質プロセスである。多様なAPRの方法及び技術は:米国特許第6,699,457号、米国特許第6,964,757号、米国特許第6,964,758号、及び米国特許第7,618,612号(総てはCortrightらに交付され、発明の名称は「Low−Temperature Hydrogen Production from Oxygenated Hydrocarbons」である)と;米国特許第6,953,873号(Cortrightらに交付され、発明の名称は「Low−Temperature Hydrocarbon Production from Oxygenated Hydrocarbons」である)と;米国特許出願第2008/0025903号(Cortrightに交付され、発明の名称は「Methods and Systems for Generating Polyols」である)と;米国特許出願第2008/0216391号、米国特許出願第2008/0300434号、及び米国特許出願第2008/0300435号(総てはCortright及びBlommelに交付され、発明の名称は「Synthesis of Liquid Fuels and Chemicals from Oxygenated Hydrocarbons」である)と;米国特許出願第2009/0211942号(Cortrightに交付され、発明の名称は「Catalysts and Methods for Reforming Oxygenated Compounds」である)と;米国特許出願第2010/0076233号(Cortrightらに交付され、発明の名称は「Synthesis of Liquid Fuels from Biomass」である)と;国際特許出願第PCT/US2008/056330号(Cortright及びBlommelに交付され、発明の名称は「Synthesis of Liquid Fuels and Chemicals from Oxygenated Hydrocarbons」である)と;同時係属した共有に係る国際特許出願第PCT/US2006/048030号(Cortrightらに交付され、発明の名称は「Catalyst and Methods for Reforming Oxygenated Compounds」である)と;に記載されており、その総ては引用によって本明細書中に組み込まれている。
【0003】
特定の用途においては、糖はAPRの供給原料として使用する前に、その熱安定性を増加させるために水素化されることが有益となりうる。APRと互換性のある温度では、糖は熱劣化を受けやすく、副産物の形成、触媒の汚染が生じ、最終的には触媒再生間の時間の短縮が生じる。この問題は糖を水素と反応させて、更に熱安定性のあるポリオール又は糖アルコールを形成することによって回避される。
【0004】
ショ糖の水素化は図1に示されている。ショ糖に存在するα−1,2グリコシド結合によって単量体が水素化される前に、最初に加水分解が要求される。加水分解後、ブドウ糖は選択的にソルビトールに水素化され、果糖はソルビトールとマンニトールのとの混合物に水素化される。
【0005】
上述の水素化プロセスでは、触媒の汚染は水素化触媒の表面での経時的な炭化質沈殿物の構築によって生じる。これらの沈殿物が蓄積すると、表面での触媒部位へのアクセスが制限され、触媒の性能が減衰し、ポリオール生成物の転換及び収量が少なくなる。水素化触媒の頻繁な交換はインライン式の連続プロセスでは特に、時間の浪費であり、高価である。従って、ほとんどの工業用途では回分プロセス又は半連続システムが必要となる。従って、水素化触媒を再生することによる連続使用が可能なプロセスは有益である。
【0006】
バイオマスのバイオ燃料への触媒転換に用いる水素化触媒を再生する方法に対するニースが存在する。水素化と同一の反応器システムで生じうるプロセスは特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、ポリオール及び糖アルコールを形成するためのショ糖の水素化を例示する。
【図2】図2は、本発明での反応器システムを例示する作業工程図である。
【図3】図3は、本発明での外被式で管式の反応器システムを例示する作業工程図である。
【図4】図4は、水素化触媒の再生中の、パージガスのメタン成分とエタン成分を例示するグラフである。
【図5】図5は、水素化触媒の再生中の、パージガスのメタン成分、エタン成分、プロパン成分、及びブタン成分を例示するグラフである。メタンは総ての温度で有意な種であるが、高温で迅速に発生する。データは炭化水素が重くなると、低温で迅速に除去されることを示している。
【図6】図6は、水素化触媒の再生前後にショ糖から転換されるポリオールの収量を比較したグラフである。
【図7】図7は、再生中に経時的に除去される炭素と、再生中の反応器の温度特性とを示すグラフである。
【発明の概要】
【0008】
本発明の一態様は水素化触媒を再生するための方法である。本方法は:炭化質沈殿物を含む水素化触媒を提供するステップ又は作用と;水素化触媒を洗浄媒体で洗浄するステップ又は作用と;水素化触媒を水素と接触させるステップ又は作用と;水素化触媒にわたり水素の流動を維持するステップ又は作用と;水素化触媒の圧力を、略大気圧ないし約3000psiのゲージ圧の範囲の再生圧力に調節するステップ又は作用と;水素化触媒の温度を、約250℃ないし約400℃の範囲の再生温度に調節するステップ又は作用と;を具え、炭化質沈殿物が水素化触媒から除去され、水素化が再開可能なように水素化触媒は再生されている。
【0009】
水素化触媒を再生するための方法の例示的な実施形態においては、水素化触媒を洗浄媒体で洗浄するステップは約100℃未満の洗浄温度で行われる。
【0010】
水素化触媒を再生するための方法の別の例示的な実施形態においては、洗浄媒体は液相にある。
【0011】
水素化触媒を再生するための方法の別の例示的な実施形態においては、水素化触媒の温度は1時間につき約20℃ないし1時間につき約100℃の割合で再生温度に調節される。
【0012】
水素化触媒を再生するための方法の別の例示的な実施形態においては、再生温度は約8時間維持される。
【0013】
水素化触媒を再生するための方法の別の例示的な実施形態においては、再生圧力の範囲は約600psiのゲージ圧ないし約1500psiのゲージ圧である。
【0014】
水素化触媒を再生するための方法の別の例示的な実施形態においては、本方法は水素化触媒から炭化質沈殿物のうち約98%を除去する。
【0015】
水素化触媒を再生するための方法の別の例示的な実施形態においては、洗浄媒体は水、アルコール、ケトン、環状エーテル、水溶性の含酸素炭化水素、及びその任意の2以上の組合せからなる群から選択される。
【0016】
水素化触媒を再生するための方法の別の例示的な実施形態においては、水素化触媒は酸素のない環境を維持するように水素の存在下で洗浄される。
【0017】
水素化触媒を再生するための方法の別の例示的な実施形態においては、本方法で作用する水素化触媒は、担体、ならびにFe、Ru、Os、Ir、Co、Rh、Pt、Pd、Ni、Re、Cu、その少なくとも2の合金、及びその少なくとも2の組合せからなる群から選択される触媒材を含む。
【0018】
水素化触媒を再生するための方法の別の例示的な実施形態においては、本方法で作用する水素化触媒は更にAg、Au、Cr、Zn、Mn、Sn、Bi、Mo、W、B、P、その少なくとも2の合金、及びその少なくとも2の組合せからなる群から選択される更なる触媒物質を含む。
【0019】
水素化触媒を再生するための方法の別の例示的な実施形態においては、担体は窒化物、炭素、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、バナジア、セリア、窒化ホウ素、ヘテロポリ酸、珪藻土、ヒドロキシアパタイト、酸化亜鉛、クロミア、及びその少なくとも2の組合せからなる群から選択される材を含む。
【0020】
水素化触媒を再生するための方法の別の例示的な実施形態においては、担体は炭素担体であり、水素化触媒は酸素のない環境を維持するように水素の存在下で洗浄される。
【0021】
本発明の別の態様は糖の水素化及び炭化質沈殿物を含む水素化触媒のインライン式再生のための方法である。本方法は:液相又は気相において水と糖とを含む供給材料の水溶液を、水素化触媒の存在下において水素化温度及び水素化圧力で水素と触媒反応させるステップ又は作用と;水溶液を洗浄媒体と置換するステップ又は作用と;水素化触媒を水素と接触させるステップ又は作用と;水素化触媒にわたり水素の流動を維持するステップ又は作用と;水素化触媒の圧力を、略大気圧ないし約3000psiのゲージ圧の範囲の再生圧力に調節するステップ又は作用と;水素化触媒の温度を、約250℃ないし約400℃の範囲の再生温度に調節するステップ又は作用であって、炭化質沈殿物は水素化触媒から除去され、水素化が再開可能なように水素化触媒は再生されるステップ又は作用と;水素化触媒を水素化温度及び水素化圧力に戻すステップ又は作用と;供給材料の水溶液を、水素化触媒の存在下において水素化温度及び水素化圧力で水素と触媒反応させるステップ又は作用と;を具える。
【0022】
糖の水素化及び炭化質沈殿物を含む水素化触媒のインライン式再生のための方法の例示的な実施形態においては、水素化触媒を洗浄媒体で洗浄するステップは約100℃未満の洗浄温度で行われる。
【0023】
糖の水素化及び炭化質沈殿物を含む水素化触媒のインライン式再生のための方法の例示的な実施形態においては、洗浄媒体は液相にある。
【0024】
糖の水素化及び炭化質沈殿物を含む水素化触媒のインライン式再生のための方法の別の例示的な実施形態においては、水素化触媒の温度は1時間につき約20℃ないし1時間につき約100℃の割合で再生温度に調節される。
【0025】
糖の水素化及び炭化質沈殿物を含む水素化触媒のインライン式再生のための方法の別の例示的な実施形態においては、再生温度は約8時間維持される。
【0026】
糖の水素化及び炭化質沈殿物を含む水素化触媒のインライン式再生のための方法の別の例示的な実施形態においては、再生圧力の範囲は約600psiのゲージ圧ないし約1500psiのゲージ圧である。
【0027】
糖の水素化及び炭化質沈殿物を含む水素化触媒のインライン式再生のための方法の別の例示的な実施形態においては、水素化触媒から炭化質沈殿物のうち約98%を除去する。
【0028】
糖の水素化及び炭化質沈殿物を含む水素化触媒のインライン式再生のための方法の別の例示的な実施形態においては、洗浄媒体は水、アルコール、ケトン、環状エーテル、水溶性の含酸素炭化水素、及びその任意の2以上の組合せからなる群から選択される。
【0029】
糖の水素化及び炭化質沈殿物を含む水素化触媒のインライン式再生のための方法の別の例示的な実施形態においては、水素化触媒は酸素のない環境を維持するように水素の存在下で洗浄される。
【0030】
糖の水素化及び炭化質沈殿物を含む水素化触媒のインライン式再生のための方法の別の例示的な実施形態においては、水素化触媒は、担体、ならびにFe、Ru、Os、Ir、Co、Rh、Pt、Pd、Ni、Re、Cu、その少なくとも2の合金、及びその少なくとも2の組合せからなる群から選択される触媒物質を含む。
【0031】
糖の水素化及び炭化質沈殿物を含む水素化触媒のインライン式再生のための方法の別の例示的な実施形態においては、水素化触媒は更にAg、Au、Cr、Zn、Mn、Sn、Bi、Mo、W、B、P、その少なくとも2の合金、及びその少なくとも2の組合せからなる群から選択される更なる触媒物質を含む。
【0032】
糖の水素化及び炭化質沈殿物を含む水素化触媒のインライン式再生のための方法の別の例示的な実施形態においては、担体は窒化物、炭素、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、バナジア、セリア、窒化ホウ素、ヘテロポリ酸、珪藻土、ヒドロキシアパタイト、酸化亜鉛、クロミア、及びその少なくとも2の組合せからなる群から選択される材を含む。
【0033】
糖の水素化及び炭化質沈殿物を含む水素化触媒のインライン式再生のための方法の別の例示的な実施形態においては、担体は炭素担体であり、水素化触媒は酸素のない環境を維持するように水素の存在下で洗浄される。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は糖を糖アルコールに転換するための方法及び反応器システムに関する。本プロセスは、水素化触媒のインライン式再生の為の方法を含む。水素化触媒は炭化質沈殿物を除去し、活性を回復するように再生できる。水素化触媒は出発の糖を糖アルコールに水素化するのに用いられる同一の反応器で再生できる。既知の水素化構造は水素化触媒の再生がなされるように調整される。好適には、反応器システムは洗浄媒体用の入口を含むように調整される。
【0035】
《水素化条件》
一般的には、水素化反応は提唱の反応の熱力学に好適な温度で実行すべきである。水素化温度及び水素化圧力の条件は、液相の反応又は気相の反応のいずれかを維持するように選択できる。一般的には、好適な水素化温度の範囲は約80℃ないし約180℃であり、水素化圧力の範囲は約100psiのゲージ圧ないし約3000psiのゲージ圧である。この範囲内では、圧力が高くなると、水素溶解度が液相において増加するように、反応速度が速くなり、触媒失活が場合によっては遅くなるが、圧力は設備及び動作コストによって制限されうる。したがって、所望の動作圧力は多くの場合は、様々な因子を重み付けすることによって決定され、一般的には最も経済的に好適なプロセスとなるように選択される。
【0036】
《供給材料の溶液》
好適な供給材料の溶液はバイオマス由来の水溶性の糖を含む。本明細書中で用いられるように、用語「バイオマス(biomass)」は、限定しないが、植物(葉、根、種、及び茎など)によって産生される有機材料、ならびに微生物及び動物の代謝廃棄物のことである。通常のバイオマス供給源は:(1)トウモロコシの茎、わら、種の外皮、サトウキビのかす、バガス、堅果の殻、ならびにウシ、家禽類、及びブタ由来の堆肥といった農業廃棄物;(2)木材又は樹皮、おがくず、材木の残骸、及び製材の切屑っといった木質材料;(3)紙くず及び庭の刈り取った草といった都市廃棄物;及び、(4)ポプラ、ヤナギ、スイッチグラス、アルファルファ、プレイリーブルーストリーム(prairie bluestream)、トウモロコシ、ダイズ等といったエネルギー作物;を含む。供給材料は現在既知であるか、あるいは将来的に開発される任意の手段によってバイオマスから製造でき、他のプロセスの副産物に完全になりうる。
【0037】
糖は更にコムギ、トウモロコシ、テンサイ、サトウキビ、又は糖蜜由来にできる。糖は、糖を水素化するのに有効な水溶性の供給材料の溶液の濃度を提供するように、水と組合わせる。一般的には、好適な濃度の範囲は約5%ないし約70%であり、約40%ないし70%の範囲が工業用途ではより一般的である。
【0038】
《水素化の技術》
以下の水素化の反応器システム及びプロセスは状況に応じて提供される。水素化反応は好適な設計の任意の反応器において実行でき、限定しないが、設計、寸法、幾何学的形状、流速等に応じて、連続流動式、回分式、半回分式、又は他系統式の反応器を含む。反応器システムは更に、流動式触媒床システム、振動床システム、固定床システム、移動床システム、又は上述の組合せを用いることができる。好適には、本発明は安定状態の平衡状態で連続流動式システムを用いて実行される。
【0039】
多くの多相性反応用の、好適な反応器の形式は、気体及び液体の供給原料が反応器の頂部に誘導され、次いで触媒の固定床の上方で下流に流動可能となる細流床式反応器である。細流床式反応器の利点は、簡易な機械的設計、簡易な動作、及び非常に簡易な触媒開発を含む。主な設計検証によって、反応の熱及び物質移動の要求が合致するのを保証している。細流床式反応器に対する主な動作検証は:触媒を均一に充填することと;気体及び液体の供給原料を均一に誘導することと;反応器を通過できるように反応物のチャネリングによる一部の触媒の迂回を回避することと;である。
【0040】
図2に例示したのは本発明を行うのに用いられる細流床式反応器である。液体及び水素の供給原料は炭素に担持されたルテニウム等の担体上の触媒を含む反応器の床部にわたって反応する。ショ糖については、水素化は加水分解の後でなければならない。水素溶解度は糖及びポリオールの溶液に限定され、気相の水素分圧と強い関連性がある。従って、反応は水相で利用可能な水素の量によって限定でき、動作圧力が高くなると、水溶性の水素濃度も増加することが所望される。この用途においては、水素化ステップは約100psiのゲージ圧ないし約3000psiのゲージ圧で動作させて、水素化に必要な水素分圧を得ることができるが、動作圧力が高くなることによって必要となる資本コスト及び動作コストを回避できる。水素化システムの温度は触媒、供給材料、及び圧力によって変化する。ルテニウムの水素化触媒はショ糖の供給材料を含む用途で用いられる場合、水素化システムは約80℃ないし約180℃で動作できる。
【0041】
細流床式反応器に対する主要な代替的な設計は、スラリー反応器である。細流床式反応器が固定触媒で充填される場合、スラリー反応器は反応物、生成物、及び触媒微粒子の流動混合物を含む。反応器全体で混合物を均一に保持するためには、攪拌機又はポンプのいずれかでの能動的な混合を必要とする。更には、生成物を除去するために、触媒粒子は濾過、沈降分離、遠心分離、又はその他の手段によって生成物及び未反応の供給原料から分離しなければならない。最終的には、細流床式反応器の触媒と対照的に、スラリー反応器における触媒は攪拌機が原因で摩擦に対する抵抗が高くなければならない。スラリー反応器の利点は主には、能動的な混合によって、反応器の容積単位あたりの熱及び物質移動の速度が高くなりうることである。
【0042】
《水素化の動作》
連続流動式システムにおいて、反応器システムは水溶性の供給材料の溶液を受けるように構成した水素化反応器と、熱交換器のような反応器の温度を成業する方法とを含む。反応器は好適には、反応器から生成物の流動を除去するように構成した出口を具える。反応器システムは更には、水素又は洗浄媒体といった補助的な材料を反応器システムに誘導できる更なる入口を具えることができる。
【0043】
図3は例示的な水素化反応を示す。供給原料は供給原料調製領域から水素化区域に送達され、次いで水素化供給原料の予熱器E−201で循環する熱油媒体を交換することによって、所望の温度まで上昇する。この時点での温度は約80℃ないし約140℃である。供給原料は次いで水素化反応器R−201に誘導され、水素化触媒を含む外被式で管式の反応器で9本の管に分配される。好適な実施形態においては、水素化触媒はルテニウム系の触媒である。再生した新鮮な水素は更に反応器に送られ、管に分配される。供給原料が反応器を通過すると、水及び水素が消費され、グルコース及び果糖が中間物質として存在し、ソルビトール及びマンニトールは最終的な反応生成物として形成される。反応は発熱性であり、最大可能温度上昇、断熱温度上昇は供給材料の濃度と関連性がある。50重量パーセントのショ糖溶液での断熱温度の上昇は約90℃であると推定される。
【0044】
所望の動作温度を維持し、一般的には約80℃ないし約180℃の範囲となるように、熱油システムは外被式で管式の水素化反応器の外被側で用いられる。熱油システムはその固有の設計によって、プロセスのニーズに応じたシステムに対する熱除去又は熱添加が可能となる。冷却するために、循環する熱油の一部は反応器に再度入る前に冷却水交換器を通過し、冷却器に送られる量は所望の冷却動作に依存する。加熱するために、更なる熱油は高温の熱油貯留器から循環システムに送られる。
【0045】
水素化反応は、担体を含む同種触媒又は異種触媒のいずれかである水素化触媒の存在下で生じる。好適な水素化触媒、担体、及び反応条件は国際特許出願第PCT/US2008/056330号に詳細に記載されており、既に引用によって組み込まれている。糖、フルフラール、カルボン酸、ケトン、及びフランをその対応するアルコール形態に水素化するための既知の他のプロセスは:引用によって本明細書中に組み込まれている、ルテニウム触媒での水素化によって単糖類から糖アルジトールを調製することに関するB.S.Kwakらの国際公開公報第2006/093364A1号及び国際公開公報第2005/021475A1号;及び引用によって本明細書中に更に組み込まれている、糖を糖アルコールに転換するために75%を超える金紅石の二酸化チタン担体でのニッケル及びレニウムのないルテニウム触媒の使用を開示するElliotらの米国特許第6,253,797号及び米国特許第6,570,043号;によって開示されるものを含む。他の好適なルテニウム触媒は;Arndtらの公表済みの米国特許出願第2006/0009661号(2003年12月3日付);ならびに、Arenaの米国特許第4,380,679号(1982年4月12日付)、米国特許第4,380,680号(1982年5月21日付)、米国特許第4,503,274号(1983年8月8日付)、米国特許第4,382,150号(1982年1月19日付)、及び米国特許第4,487,980号(1983年4月29日付)に記載されており、総ては引用によって本明細書に組み込まれている。
【0046】
他のシステムは:糖及び糖アルコールといったポリヒドロキシ化合物からアルコール、酸、ケトン、及びエーテルを生成するための、遷移金属(クロム、モリブデン、タングステン、レニウム、マンガン、銅、カドミウム等)又はVIII族金属(鉄、コバルト、ニッケル、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、及びオスミウム等)を含む炭化質の熱分解重合体(pyropolymer)触媒の使用に関するArenaの米国特許第4,401,823号(1981年5月18日付)と;炭水化物からグリセリン、エチレングリコール、及び1,2−プロパンジオールを生成するために、VIII族の金属がアルカリ土類金属の酸化物とともに固体担体にある触媒系の使用に関する米国特許第4,496,780号(1983年6月22日付)と;で記載のものを含み、各々が引用によって本明細書中に組み込まれている。別のシステムは、ソルビトール等の大きな多価アルコールからエチレングリコール及びプロピレングリコールを生成するための硫化物で改質したルテニウム触媒の使用に関するDubeckらの米国特許第4,476,331号(1983年9月6日付)で記載のものを含み、更に引用によって本明細書中に組み込まれている。他のシステムはSaxenaらの「“Effect of Catalyst Constituents on(Ni,Mo,and Cu)/Kieselguhr−Catalyzed Sucrose Hydrogenolysis,”Ind.Eng.Chem.Res.44,1466−1473(2005)」に記載のものを含み、珪藻土担体上でのNi、W、及びCuの使用について記載しており、引用によって本明細書中に組み込まれている。
【0047】
水素化触媒は一般的には、Cu、Re、Ni、Fe、Co、Ru、Pd、Rh、Pt、Os、Ir、及び前述のうちの少なくとも2の合金又は組合せを、単独で、あるいがW、Mo、Au、Ag、Cr、Zn、Mn、Sn、B、P、Bi、及び前述のうちの少なくとも2の合金又は組合せといった助触媒とともに含む。水素化触媒は触媒の所望の機能性に依存する、以下に更に記載の担体のうちのいずれか1つを含みうる。他の有効な水素化触媒材料は担持ニッケル又はレニウムで改質したルテニウムのいずれかを含む。一般的には、水素化反応は供給材料及び圧力に依存して約80℃ないし180℃の水素化温度で行われ、水素化圧力の範囲は約100psiのゲージ圧ないし約3000psiのゲージ圧となる。
【0048】
水素化触媒は更に、担持型のVIII族金属触媒と、スポンジニッケル触媒といった金属スポンジ材料とを含んでもよい。活性化したスポンジニッケル触媒(例えば、ラネーニッケル)は様々な水素化反応に有効な公知な材料の種類である。ある種類のスポンジニッケル触媒は、テネシー州セバービルのActivated Metals and Chemicals社から入手可能なA7063型触媒である。A7063型触媒はモリブデンの助触媒であり、一般的には約1.5%のモリブデンと85%のニッケルとを含む。キシロースと右旋糖とを含む供給材料でのスポンジニッケル触媒の使用は、1999年9月9日付のM.L.Cunninghamらの米国特許第6,498,248号に記載されており、引用によって本明細書中に組み込まれている。加水分解したトウモロコシデンプンでのラネーニッケル触媒の使用は更に、1986年6月4日付の米国特許第4,694,113号に記載されており、引用によって本明細書中に組み込まれている。
【0049】
好適なラネーニッケルの水素化触媒の調製は2003年11月7日付の公表済みのA.Yoshinoらの米国特許出願第2004/0143024号に記載されており、引用によって本明細書中に組み込まれている。ラネーニッケル触媒はほぼ等重量のニッケル及びアルミニウムの合金を、例えば約25重量パーセントの水酸化ナトリウムを含む水溶性アルカリ溶液で処理することによって調製してもよい。アルミニウムは水溶性アルカリ溶液によって選択的に溶解され、粒子はスポンジ構造となり、主にニッケルからなり少量のアルミニウムがあるように維持される。モリブデン又はクロムといった助触媒金属は更に、約1ないし2重量パーセントがスポンジニッケル触媒に残るようにある含量で初期の合金に含まれてもよい。
【0050】
別の実施形態においては、水素化触媒は、ニトロシル硝酸ルテニウム(III)又は塩化ルテニウム(III)の水溶液で好適な担体を含浸させることによって調製し、回転式ボール型オーブン(残留水量が1重量パーセント未満である)で120℃で13時間乾燥させた固体を形成した。固体は次いで、回転式ボール型炉で300℃(か焼せず)又は400℃(か焼する)で4時間、水素流動において大気圧で還元する。冷却し、窒素で非活性にした後、触媒は、窒素において120分間、5容量パーセント超の酸素を通すことによって不活性化できる。
【0051】
更に別の実施形態においては、水素化反応はニッケル−レニウム触媒又はタングステンで改質したニッケル触媒を含む触媒を用いて行われる。好適な水素化触媒の一例は、2003年9月30日付のWerpyらの米国特許第7,038,094号に開示の炭素担持型のニッケル−レニウム触媒組成物であり、引用によって本明細書に組み込まれている。
【0052】
好適な水素化触媒は溶解したニトロシル硝酸ルテニウムの水溶液を炭素触媒の担体(OLC Plus、Calgon社)に添加することによって調製でき、粒径は標的の2.5%のルテニウムの充填量まで18メッシュのスクリーンを通過させた後、40メッシュのスクリーンで維持したものに限定される。水は孔隙量を超えて添加され、触媒が自由流動するまで真空下で蒸発されうる。触媒は次いで、真空炉において約100℃で一晩乾燥できる。
【0053】
《水素化触媒の還元》
水素化反応器内に充填した触媒は、活性状態になるように還元しなければならない。触媒の生成時に触媒は還元でき、特定の用途においては、空気に曝露される場合に触媒を安定化させるように低濃度の酸素で不活性化できる。還元ステップの目的は任意の酸化した触媒(例えば、ルテニウム)を完全に還元した状態に転換することである。
【0054】
《水素化触媒の再生》
水素化時に、炭化質沈殿物は水素化触媒の表面に構築される。この沈殿物は水素化供給原料及び生成物の微量な副反応を通して形成される。これらの沈殿物が蓄積すると、表面での触媒部位へのアクセスが制限され、水素化の性能が減衰し、ポリオール生成物の転換及び収量が少なくなる。触媒活性化の喪失を保証するために反応温度は増加する。温度は一般的には、約150℃まで上昇するのみであり、いかなる場合も約180℃を超えない。約150℃を超える温度で、副反応速度が増加し、触媒失活が顕著に増加する。
【0055】
水素化触媒を再生する最初のステップは水素化触媒を好適な洗浄媒体で洗浄することである。洗浄媒体は触媒及び反応器システムから未反応種を洗浄できる任意の媒体にできる。このような洗浄媒体は、酸素以外のいくつかの気体(水素、窒素、ヘリウム等)のうち任意の1つ、及び水、アルコール、ケトン、環状エーテル、又は他の含酸素炭化水素といった液体媒体を、単独で、あるいは前述のいずれかと組合わせて含んでもよく、使用中に触媒に対して害となることが知られている材料(例えば、硫黄)を含まない。洗浄ステップは液相の洗浄媒体又は未反応種を気相に変化させない温度で行うべきである。一実施形態においては、温度は洗浄ステップ時に約100℃未満に維持される。
【0056】
洗浄ステップ完了後、洗浄媒体の流動は終了し、一定の水素の流動が維持される。反応器における温度は1時間につき約100℃程度の速度で増加する。200℃未満の温度では、炭化質沈殿物におけるC−O及びC−Cの結合は切断され、CないしCのアルカン、揮発性のオキシジェネート、及び水は触媒から放出される。温度が約400℃に向かって上昇し続けると、C−C結合の水素化分解が優勢となる。
【0057】
放出した材料の炭素数は温度上昇とともに減少する。触媒再生時に、メタン、エタン、及びプロパン等の軽質パラフィンは、炭化質沈殿物が触媒から除去されるときに、再生流動として排出される。メタンは総ての温度で最大の炭素部分を占めるが、顕著な濃度の更に大きいパラフィンが同様に発生する。更に大きなパラフィンの組成物は、温度が増加し再生が進むと、ペンタン及びヘキサンといった鎖の長い成分からエタン及びメタンといった鎖の短いパラフィンに徐々に遷移する。
【0058】
再生流動をモニタリングする1の方法は、SRI9610C GCといったガスクロマトグラムを用いることであり、熱伝導度及び水素炎イオン化の検出器は順番に、成分分離のためのカラム切換構成において、分子ふるいカラム及びシリカゲルカラムを用いている。SRI GCによって報告されるように経時的な生成特性は図4に示し、パラフィン存在量と炭素数との間の逆相関の一般的な傾向を例示する。この傾向によると、最大の性能回復が得られるのは、再生流動のメタン成分が0.3容量パーセント未満となるまで継続する。しかしながら、一般的に活性が増加すると更に、残余のパラフィン成分が実質的に大きくなるのが見られうる。触媒は、水素化が再開されうるように十分な炭化質沈殿物が除去された場合に、完全に再生したと見なされる。このことは一般的には、水素化触媒の再生時に放出されたメタンがわずかな量に低減した場合に生じる。好適な実施形態においては、水素化触媒は、水素触媒再生環境におけるメタンの量が4%未満、更に好適には2%未満、最も好適には0.3%未満である場合に再生されたと見なされる。
【0059】
再生時のパラフィンの蓄積は触媒1グラムあたりの除去される炭素の総グラム数を算出するために利用できる。図4に示した炭素曲線の積分によって、以下に示すように触媒から除去される炭素のグラム数に転換できる、再生時に放出されるパラフィンの総量が与えられる。
【0060】

*24.6Lは25℃、1atmでの分子量に対する容量の関係である。
【0061】
再生がシステムの性能を最大化するように行われる場合、触媒1グラムあたりの炭素の量は炭化質種の沈殿の平均速度を決定するように、ならびに同様の動作条件が用いられると仮定した場合に再生間の期間の予測的な情報を提供するように用いることができる。
【0062】
以下の実施例は本発明の更に完全な開示を提供するためのみに含まれている。従って、以下の実施例は本発明の性質を解明するのに供されるが、任意の形態において本明細書中で開示及び主張した本発明の範囲を限定しない。
【実施例1】
【0063】
水素化触媒の再生は以下のように行った。供給原料はシステムの外で可溶性成分を洗浄するために最初にショ糖から脱イオン水に切換えた。触媒床内部の温度は次いで反応壁と接触した電子ヒータを切断することによって約100℃未満に低減した。冷却時に、水素は循環圧縮機を用いて時間あたりの約500の気体の基準容積/触媒の容積で表される時空間速度(GHSV)でシステムに循環した。1200psiのゲージ圧の圧力がシステムで維持された。4を超える反応器容積分の水で洗浄後、水流を停止し、循環圧縮機を停止し、システムは大気圧に減圧した。
【0064】
水素の流動は触媒から吸着水を除去するために減圧及び更なる冷却時に触媒床を通って維持した。システムの圧力は水素を用いて1000psiのゲージ圧に上昇させ、反応器の温度は約1時間で200℃に増加した。循環圧縮機は再始動され、全水素流動は時間あたりの約600の気体の基準容積/触媒の容積で表されるGHSVで決定した。全流動の約20%に等しい水素パージはシステムから除去され、GCによって分析した。システム上の圧力は十分な水素を添加することによって維持した。水素流動が維持され、圧力が1000psiのゲージ圧で維持されて、反応器の温度は1時間あたり約20℃のランプ速度で340℃まで徐々に増加し、次いで340℃で約8時間維持した。手順中のパージガスのメタン、エタン、プロパン、及びブタン成分は図5に示す。パラフィンが大きくなると、放出量が更に小さくなった。触媒から除去される全炭素は初期の触媒量の約12%に等しかった。手順の最後に、反応器のヒータの設定点は標準的な動作温度に再設定された。反応器が所望の温度に冷却した時点で、標準的な動作圧力は決定され、供給原料であるショ糖を再始動した。
【実施例2】
【0065】
340℃の温度で8時間維持した後、温度を400℃まで増加させて、更なる炭素が更なる高温で除去されるかどうかを判断したことを除き、実施例1の手順に従った。更なる炭素における0.1%未満の初期の触媒量は340℃ないし400℃で除去された。このことは再生が340℃で実質的に完全であることを示している。
【実施例3】
【0066】
温度が400℃まで上昇し、圧力は再生時に700psiのゲージ圧で維持したことを除き、実施例1の手順に従った。再生前後のショ糖からのポリオール(ソルビトール+マンニトール)の収量は図6に示す。同一の動作条件では、その手順によって、再生した触媒の転換が失活した触媒と比較して26%増加した。
【実施例4】
【0067】
水素化の130時間後、水素化システムは停止し、触媒は熱水素剥離を用いて再生した。再生時に、水素流動は1時間あたり約0.16kgに維持され、温度は13時間にわたり309℃まで増加した。温度は309℃で6時間維持した。排ガスは抽出され、結果は図7に示す。
【0068】
図7に示されるように、メタンは放出した優性種であり、再生において熱除去された412グラムの炭素のうちほぼ59%を占めた。エタン、プロパン、及びブタンはそれぞれ、全炭素の29、9、及び2%を占めた。軽質パラフィンはエタン、プロパン、及びブタンを含み、低温で放出される更に長鎖の種で発生した。
【実施例5】
【0069】
再生中のパラフィンの沈殿量は1グラムの触媒あたりで除去される炭素の総グラム数を算出するのに用いられた。図3に示した炭素曲線の積分によって、以下に示すように触媒から除去される炭素のグラム数に転換できる、再生時に放出されるパラフィンの総量が与えられる。
【0070】

*24.6Lは25℃、1atmでの分子量に対する容量の関係である。
【0071】
20.7gの触媒の充填で、全部で11重量パーセントの炭素がシステムから除去された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素化触媒を再生するための方法であって:
炭化質沈殿物を含む水素化触媒を提供するステップと;
前記水素化触媒を洗浄媒体で洗浄するステップと;
前記水素化触媒を水素と接触させるステップと;
前記水素化触媒にわたり水素の流動を維持するステップと;
前記水素化触媒の圧力を、略大気圧ないし約3000psiのゲージ圧の範囲の再生圧力に調節するステップと;
前記水素化触媒の温度を、約250℃ないし約400℃の範囲の再生温度に調節するステップと;
を具え、炭化質沈殿物が前記水素化触媒から除去され、水素化が再開可能なように前記水素化触媒が再生されることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、約100℃未満の洗浄温度で、前記水素化触媒が前記洗浄媒体で洗浄されることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記洗浄媒体が液相にあり、前記洗浄媒体が水、アルコール、ケトン、環状エーテル、水溶性の含酸素炭化水素、及びその任意の2以上の組合せからなる群から選択されることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、前記水素化触媒の温度が1時間につき約20℃ないし1時間につき約100℃の割合で前記再生温度に調節され、前記再生温度が少なくとも約8時間維持されることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、前記再生圧力の範囲が約600psiのゲージ圧ないし約1500psiのゲージ圧であることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、前記炭化質沈殿物のうち約98%が前記水素化触媒から除去されることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、前記水素化触媒が担体、ならびにFe、Ru、Os、Ir、Co、Rh、Pt、Pd、Ni、Re、Cu、その少なくとも2の合金、及びその少なくとも2の組合せからなる群から選択される触媒材を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、前記水素化触媒が炭素担体を含み、前記水素化触媒が酸素のない環境を維持するように水素の存在下で洗浄されることを特徴とする方法。
【請求項9】
糖の水素化及び炭化質沈殿物を含む水素化触媒のインライン式再生のための方法であって:
液相又は気相において水と糖とを含む水溶液を、水素化触媒の存在下において水素化温度及び水素化圧力で水素と触媒反応させるステップと;
前記水溶液を洗浄媒体と置換するステップと;
前記水素化触媒を水素と接触させるステップと;
前記水素化触媒にわたり水素の流動を維持するステップと;
前記水素化触媒の圧力を、略大気圧ないし約3000psiのゲージ圧の範囲の再生圧力に調節するステップと;
前記水素化触媒の温度を、約250℃ないし約400℃の範囲の再生温度に調節するステップであって、前記炭化質沈殿物が前記水素化触媒から除去され、水素化が再開可能なように前記水素化触媒が再生されるステップと;
前記水素化触媒を前記水素化温度及び前記水素化圧力に戻すステップと;
前記水溶液を、水素化触媒の存在下において前記水素化温度及び前記水素化圧力で水素と触媒反応させるステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、約100℃未満の洗浄温度で、前記水素化触媒が前記洗浄媒体で洗浄されることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法において、前記洗浄媒体が前記液相にあり、前記洗浄媒体が水、アルコール、ケトン、環状エーテル、水溶性の含酸素炭化水素、及びその任意の2以上の組合せからなる群から選択されることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項9に記載の方法において、前記水素化触媒の温度が1時間につき約20℃ないし1時間につき約100℃の割合で前記再生温度に調節され、前記再生温度が少なくとも約8時間維持され、前記再生圧力の範囲が約600psiのゲージ圧ないし約1500psiのゲージ圧であることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項9に記載の方法において、前記炭化質沈殿物のうち約98%が前記水素化触媒から除去されることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項9に記載の方法において、前記水素化触媒が担体、ならびにFe、Ru、Os、Ir、Co、Rh、Pt、Pd、Ni、Re、Cu、その少なくとも2の合金、及びその少なくとも2の組合せからなる群から選択される触媒物質を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、前記水素化触媒が炭素担体であり、前記水素化触媒が酸素のない環境を維持するように水素の存在下で洗浄されることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−532012(P2012−532012A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517895(P2012−517895)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/040644
【国際公開番号】WO2011/002912
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(511310649)ヴァイレント,インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】VIRENT,INC.
【Fターム(参考)】