説明

糖液処理用のカルボニル化合物除去材

【課題】糖液中に含まれるカルボニル化合物を容易かつ確実に除去することができる糖液処理用のカルボニル化合物除去材を提供すること。
【解決手段】ポリアルキレンイミン化合物が担体に固定化されてなる糖液処理用のカルボニル化合物除去材、該除去材を、カルボニル化合物を含有する糖液に接触させることを特徴とするカルボニル化合物の除去方法、並びに該除去材を充填してなる糖液処理用除去器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糖液処理用のカルボニル化合物除去材に関し、さらに詳しくは、糖の分解物であるカルボニル化合物を容易に、かつ確実に除去することができるポリアルキレンイミン化合物が担体に固定化されてなる糖液処理用除去材に関する。該糖液処理用除去材は、糖液、例えば、腹膜透析液、輸液中のグルコースの分解に由来するカルボニル化合物除去用として好適に用いることができる。
【背景技術】
【0002】
慢性腎不全患者に行われる透析には、血液透析と腹膜透析とがある。腹膜透析とは、腹腔内に透析液を一定時間貯留させ、体内の老廃物、水分などを腹膜を介して腹膜透析液中へ排泄させた後、透析液を回収することにより行われる透析方法であり、全世界で17万人以上の腹膜透析患者が存在している。腹膜透析は、間欠的腹膜透析法(IPD)と持続的外来腹膜透析法(CAPD)に大別される。CAPD法は、IPD法の長所を取り入れ、腹腔内に注入する灌流液の貯留時間を長くして、1日3〜6回程度、液を交換する腹膜透析法である。腹膜透析は血液透析と比較して操作が簡便で通院の必要が無く、時間的な拘束が少ないなどの長所を持つ。しかし、腹膜透析を長期間続けていると、腹部のタンパク質の変性や硬化、腹膜融合などが起き、次第に除水能などの腹膜機能が低下する場合があることも指摘されている。これら腹膜機能の低下の原因の一部は、腹膜透析液に含まれるグルコースにあると考えられている。現在、使用されている腹膜透析液の多くは、浸透圧調節剤としてグルコースを含有している。グルコースは熱に対して不安定で、特に、高圧蒸気滅菌の際、または保管の際にもその一部が分解し、タンパク質を修飾し得る反応性の高いカルボニル化合物が分解産物として生成する。また、輸液は、点滴液として静脈に直接投与するものであり、腹膜透析液と同様に無菌液とする必要があり、その滅菌の手段として、主には高圧蒸気滅菌法が採用されているため、これらには、滅菌時、保存中にもグルコース分解物であるカルボニル化合物が生成・蓄積していることが知られている。例えば、一般的な腹膜透析液は、3−デオキシグルコソン(3−DG)等のジカルボニル化合物やアセトアルデヒド(AA)等のモノカルボニル化合物が、それぞれ100〜600μM、200〜300μM含有しており、腹膜機能の低下の原因となっている。
【0003】
高濃度のグルコースが配合された腹膜透析液は、タンパク質を修飾するなど、腹膜にとって好ましくないとの観点から、より分解物の生成が低いポリグルコースを用いた腹膜透析液が開発されている(特許文献1、特許文献2参照)。また、緩衝成分とグルコースを2液に分割貯蔵し、使用の際に混合する腹膜透析液も開発されている(特許文献3、特許文献4参照)。さらに、アミノ酸であるシステインを添加してグルコースの分解を抑制した腹膜透析液(特許文献5参照)、ヒドラジン誘導体などのメイラード反応阻害剤を担体に固定した除去材(特許文献6参照)、水酸基導入ポリスチレン担体(商品名:Isolut ENV)を充填したカラム(特許文献7参照)による腹膜透析液中のカルボニル化合物の除去法などが開示されている。また、メタクリル酸グリシジル、ジビニルベンゼンから成る多孔性重合体にそれぞれジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、及び、テトラエチレンペンタミンを反応させたカルボニル化合物除去材(特許文献8)も開示されている。
【0004】
【特許文献1】特表2002−531226号公報
【特許文献2】特開昭62−48701号公報
【特許文献3】特開平8−131542号公報
【特許文献4】特開平7−500992号公報
【特許文献5】特開平5−105633号公報
【特許文献6】国際公開番号WO00/10606号公報
【特許文献7】特表2004−516888号公報
【特許文献8】特開昭62−101605号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ポリグルコースの1つであるイコデキストリンを用いた腹膜透析液の使用については、依然として高圧蒸気滅菌時にカルボニル化合物が生じる問題がある。また、緩衝成分とグルコースを2液に分割貯蔵した腹膜透析液は、製造、梱包プロセスの煩雑化、貯蔵バッグのコストが嵩む等の問題がある。さらに、このような複室構造を有する医薬品の使用に際し、使用前の混合忘れなどの誤使用が懸念される。さらにメイラード反応阻害剤を担体に固定化した除去材、水酸基導入ポリスチレン担体、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、及び、テトラエチレンペンタミンを固定した除去材などは、カルボニル化合物の除去速度が十分でないという問題点を有していた。
【0006】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、糖液中に含まれるカルボニル化合物を容易かつ確実に除去することができる糖液処理用のカルボニル化合物除去材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は、
〔1〕 ポリアルキレンイミン化合物が担体に固定化されてなる糖液処理用のカルボニル化合物除去材、
〔2〕 糖液が腹膜透析液または輸液である前記〔1〕記載の除去材、
〔3〕 ポリアルキレンイミン化合物がポリエチレンイミンである前記〔1〕または〔2〕記載の除去材、
〔4〕 高圧蒸気滅菌されたグルコース含有腹膜透析液1Lを除去材10gに37℃で60分間接触させた際、37℃における3−デオキシグルコソンの除去速度定数が1.8×10−1〜5.0×10−1(min−1)である前記〔1〕〜〔3〕いずれか記載の除去材、
〔5〕 高圧蒸気滅菌されたグルコース含有腹膜透析液1Lを除去材10gで37℃、10分間接触させた際、前記腹膜透析液における3−デオキシグルコソンの除去率が95%以上である前記〔4〕記載の除去材、
〔6〕 前記〔1〕〜〔5〕いずれか記載の除去材を、カルボニル化合物を含有する糖液に接触させることを特徴とするカルボニル化合物の除去方法、
〔7〕 前記〔1〕〜〔5〕いずれか記載の除去材を、カルボニル化合物を含有する糖液に接触させることを特徴とする糖液の精製方法、
〔8〕 ポリアルキレンイミン化合物を担体に固定化することを特徴とする糖液処理用のカルボニル除去材の製造方法、並びに
〔9〕 前記〔1〕〜〔5〕いずれか記載の除去材を充填してなる糖液処理用除去器、
に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の糖液処理用のカルボニル化合物除去材は、糖液、例えば、腹膜透析液または輸液などに含まれる種々のカルボニル化合物を容易かつ確実に除去することができるという優れた効果を奏する。それにより種々の疾患の原因となるカルボニルストレスを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の糖液処理用のカルボニル化合物除去材(以下、糖液処理用除去材と略す)は、ポリアルキレンイミン化合物が担体に固定されてなることを一つの大きな特徴とする。
【0010】
本発明における糖液とは、グルコース、ポリグルコースであるイコデキストリン等の糖類を含有する溶液を意味する。糖液の具体例としては、例えば、医療用糖液が挙げられる。医療用糖液としては、例えば、商品名:ダイヤニールPD−2、商品名:ダイヤニールPD−4(バクスター社製)、商品名:ステイセーフCAPD(フレゼニウス社製)、商品名:ミッドペリック(テルモ社製)などの腹膜透析液、ハイカリックNC−H、ハイカリック3号(テルモ社製)、ソリタT3号(味の素ファルマ社製)などの輸液が挙げられる。
【0011】
本発明に用いられるポリアルキレンイミン化合物としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、ポリヘキシレンイミンなどが挙げられ、その中でもカルボニル化合物に対して高い除去能を有するという観点から、ポリエチレンイミンが好ましい。
【0012】
ポリアルキレンイミン化合物の平均分子量は、カルボニル化合物除去能の観点から、2000以上であることが好ましく、担体への固定化の際の反応性の観点から、好ましくは70,000以下、さらに好ましくは25,000以下であることが望ましい。なお、本明細書中における平均分子量は全て、沸点上昇法により算出した数平均分子量で示している。
【0013】
ポリアルキレンイミン化合物は、主鎖部分のアルキレン基の一部が、シクロヘキサン環やベンゼン環などに置換された環構造を有していてもよく、また、アミド基、エーテル基などで置換されていてもよい。さらに、ポリアルキレンイミン主鎖部分は窒素原子上で直鎖構造、分岐構造どちらを有していても良く、一部の窒素原子上の水素が、置換されていてもよいアルキル基、アシル基、スルホニル基などで置換されていてもよい。
【0014】
本発明の糖液処理用除去材におけるポリアルキレンイミン化合物の固定化量は、機能ならびに固定化後の成型性および物理的強度の観点から、アルデヒド除去容量として担体の重量1gあたり、好ましくは1.0ミリモル〜15ミリモル、より好ましくは2.5〜10ミリモルがよい。なお、アルデヒド除去容量とは、担体におけるポリアルキレンイミン化合物の固定化量の尺度であり、下記の方法で算出することができる。すなわち、ポリアルキレンイミン化合物を固定化した担体50mgを1mlサンプルチューブに計り取り、これに0.15mMベンズアルデヒド水溶液1mlを加え、37℃で3時間振盪後、紫外可視吸収スペクトロメータ(島津製作所製、商品名:UV−1700PharmaSpec、検出波長:254nm)を用いて上澄み液中に残存したベンズアルデヒド量を求め、当初の溶液中のベンズアルデヒドの量から差し引くことにより該担体に結合したベンズアルデヒド量を算出する。この算出されたベンズアルデヒド量がアルデヒド除去容量であり、アルデヒド除去容量の値が大きいほど、固定化量が多いことを表す。
【0015】
ポリアルキレンイミン化合物を固定化する担体としては、例えば、活性炭、合成高分子、多糖類、無機物などが挙げられる。活性炭としては、例えば、ヤシガラ、木材由来の植物系活性炭、石炭、石油ピッチなどの鉱物系活性炭などが挙げられる。合成高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン、ポリアリルエーテルスルホン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリカーボネートおよびこれらの誘導体などが挙げられる。
【0016】
多糖類としては、例えば、セルロース、アガロース、デキストラン、キチン、キトサンおよびこれらの誘導体などが挙げられる。また、無機物としては、例えば、アルミナ、ゼオライト、シリカゲル、アパタイトなどが挙げられる。この他、タンニン等の天然物が例示される。
【0017】
これらの活性炭、合成高分子、多糖類および無機物は単独、または2種以上を組み合わせて使用することができる。2種以上組み合わせる場合は、そのうち少なくとも1種にポリアルキレンイミン化合物が固定化される。また、ポリアルキレンイミン化合物は、単独で固定化するほか、2種類以上を固定化してもよい。
【0018】
本発明に用いられる担体は、粒子状、繊維状、膜状、中空糸膜状等を含め、あらゆる形態のものが使用され得るが、製造工程の簡略化、カルボニル化合物の除去効率および該担体を除去器に充填してカートリッジ型として使用する以外に、バッグへの添加、糖液使用時における濾別など使用形態の多様性等の観点から、粒子状が好ましい。
【0019】
ポリアルキレンイミン化合物として、ポリエチレンイミン(以下、PEIと略記する)を例にとり、具体的により詳しく説明する。担体へのPEIの固定化の方法としては、PEIや担体の分解、意図しない部位同士で非特異的に固定化反応が起こらなければ、共有結合を用いる方法と物理結合を用いる方法のどちらも選択することできる。
【0020】
共有結合を用いる方法の場合、担体表面上にPEIと共有結合させるための官能基を導入する。前記官能基としては、例えば、水酸基、アミノ基、アルデヒド基、カルボキシル基、チオール基、シラノール基、エポキシ基、ハロゲン基、サクシニルイミド基、酸無水物基などが挙げられる。
【0021】
共有結合による固定化反応としては、例えば、アミド結合形成反応(カルボジイミドなどの縮合剤を用いてアミノ基とカルボキシル基を縮合させるか、またはアミノ基と予めN−ヒドロキシスクシンイミドなどにより活性化されたカルボキシル基の活性エステルを反応させる方法などが例示できる)、マイケル付加反応(マレイミド基とチオール基の組み合わせなど)、チオエーテル形成反応(ハロゲン化アルキル基やエポキシ基などとチオール基の組み合わせなど)、シッフベース形成反応(アルデヒド基とアミノ基の組み合わせなど、形成されるシッフベース基は適切な還元剤で還元されていてもよい)、アミノ化反応(アミノ基によるエポキシ基の開環反応など)などが挙げられる。これらは目的に応じて最適な組み合わせを選択することができる。
【0022】
物理結合を用いる方法としては、例えば、静電的な相互作用により結合する方法、疎水的な相互作用により結合する方法などが挙げられる。
【0023】
本発明の糖液処理用除去材は、カルボニル化合物に対して除去能を有し、除去され得るカルボニル化合物としては、カルボニル基を有する化合物であればよく、ジカルボニル化合物なども含まれる。カルボニル化合物には、例えば、グリオキサール、メチルグリオキサール、3−デオキシグルコソン、グリコールアルデヒド、グリセルアルデヒド、5−ヒドロキシメチルフルアルデヒド、フルフラール、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどが挙げられる。
【0024】
本発明の糖液処理用除去材を用いた糖液の処理は、該除去材を、カルボニル化合物を含有する糖液、例えば、高圧蒸気滅菌された医療用糖液に接触させ、糖液中からカルボニル化合物を除去することを含む。本発明において、接触とは、糖液処理用除去材とカルボニル化合物を含有する糖液とを直接的に接した状態に置くことを意味する。本発明の糖液処理用除去材とカルボニル化合物を含有する糖液との接触は、種々の形態を例示することができる。例えば、(1)糖液処理用除去材を充填した容器(例えば輸液バッグなど)に高圧蒸気滅菌された医療用糖液などのカルボニル化合物を含有する糖液を入れ、この中でカルボニル化合物をトラップする方法、(2)粒子状、膜状、または繊維状などの糖液処理用除去材をカラムに充填したものに高圧蒸気滅菌された医療用糖液などのカルボニル化合物を含有する糖液を通過または循環させる方法などが挙げられる。
【0025】
処理された糖液は、必要に応じて別途に容器中などに保存することもできる。保存する場合、容器内に本発明の糖液処理用除去材を含めておくことにより、保存中に生成・蓄積するカルボニル化合物をトラップすることも可能である。
【0026】
糖液処理用除去材の使用量は、糖液の種類、糖液の量、糖液中のカルボニル化合物の含有量、該糖液処理用除去材の除去率、除去速度およびポリアルキレンイミンの固定化量、処理時の温度に応じて、適宜調整すればよい。
【0027】
例えば、本発明の糖液処理用除去材をカラムに充填したカルボニル化合物除去器を作製し、腹膜透析液を腹腔内へ導入する直前に前記カルボニル化合物除去器に流通させる方式の処理方法を想定した場合、除去器の小型化を達成する観点から、十分なカルボニル化合物に対する除去能を有することが好ましい。除去器を小型化することによって、除去器中の腹膜透析液の残留による腹膜透析液のロスを低減することができる。
【0028】
本発明の糖液処理用除去材は、患者の拘束時間を減らす観点から、少量で十分なカルボニル化合物除去能を有することが好ましく、より具体的には、高圧蒸気滅菌されたグルコース含有腹膜透析液1Lを10gの糖液処理用除去材に37℃で60分間接触させた際、3−デオキシグルコソンの除去速度定数が1.8×10−1〜5.0×10−1(min−1)であることが好ましく、3.0×10−1以上(min−1)であることがより好ましい。本発明における3-デオキシグルコソンの除去速度定数とは、1分間当たりに糖液処理用除去材により除去される3−デオキシグルコソンの割合を表す定数であり、カルボニル化合物除去能の指標となる。なお、3−デオキシグルコソンの除去速度定数は、下記の試験例1〜10に記載される算出方法により得られる。
また、上記の高圧蒸気滅菌とは、水蒸気による加圧下、121℃、20分以上の条件で行われるオートクレーブ滅菌を表す。
【0029】
また、除去速度定数が1.8×10−1〜5.0×10−1(min−1)の糖液処理用除去材で高圧蒸気滅菌されたグルコース含有腹膜透析液を処理する場合、1Lの腹膜透析液を10gの上記除去材に37℃で10分間接触させた際、代表的なグルコース分解物である3−デオキシグルコソンの除去率が、好ましくは95%以上、より好ましくは96%〜99.9%、さらに好ましくは98%〜99.9%であることが望ましい。なお、本発明において、除去率は、上記除去材によって処理した後の糖液中に含まれる3−デオキシグルコソンの濃度をD1(μM)、未処理の糖液中に含まれる3−デオキシグルコソン濃度をD2(μM)とすると、
除去率(%)=100×(D2−D1)/D2
で表される。なお、これらの濃度は、o−フェニレンジアミン、及び、過塩素酸水溶液と反応後、高速液体クロマトグラフィーにより定量した(試験例1〜10参照)。
【0030】
本発明の糖液処理用除去材を用いた糖液の処理は、該糖液を患者の体内に直接導入する場合、患者の体温を保持する観点から、処理時の温度を体温付近に保つことが好ましく、具体的には25〜40℃が好ましく、30〜40℃がより望ましい。
【0031】
具体的な用途として、腹膜透析液処理用途を例に性能と使用形態について説明する。腹膜透析療法において、通常、成人の場合、腹腔内に腹膜透析液(2L)を導入する際に要する時間は、10分〜20分(流速:100〜200ml/min)である。例えば、除去速度定数が3.5×10−1(min−1)の除去材で腹膜透析液を処理する場合、2Lの腹膜透析液を処理するために10gの除去材をカラムに充填した除去器を37℃、100ml/min の流速で流通させた時、流出液の3−デオキシグルコソンの除去率は95.2%となる(後述の試験例23は1/40のスケールである)。
【0032】
一方、腹膜透析液と比べて、糖液処理用除去材の静脈への導入速度の小さい輸液処理用途は、使用直前の処理用途を想定した場合、上述したようなカルボニル化合物に対する優れた除去能を有することにより、除去器の小型化が期待できる。特に前記除去器をディスポーザブルとして用いる場合、廃棄物削減、省資源の観点からも少量で十分なカルボニル化合物除去能を発揮する除去材が好ましい。
【0033】
本発明の糖液処理用除去材は、滅菌して用いることができる。滅菌方法としては、公知の滅菌法から、本糖液処理用除去材に適した滅菌法を選択することができ、例えば、高圧蒸気滅菌、ガンマ線照射滅菌、電子線照射滅菌、エチレンオキサイドガス(EOG)滅菌などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
本発明の糖液処理用除去材はまた、腹膜透析液または輸液等の糖液に含まれるカルボニル化合物に対して高い除去能を有するため、上記のように本発明の糖液処理用除去材を、カルボニル化合物を含有する糖液に接触させることにより糖液中に含まれるカルボニル化合物の除去を行い、糖液を精製することができる。糖液中のカルボニル化合物を除去することにより、腹膜透析患者の腹膜透析の継続により発症する腹膜肥厚、腹膜硬化症などの腹膜機能低下、動脈硬化症、脳血管障害の治療および予防、また、輸液療法を受けている患者、例えば、糖尿病患者の動脈硬化症、腎症、神経障害、網膜症および白内障などの治療および予防、中枢神経疾患であるアルツハイマー病などの治療および予防に使用することができる。
【0035】
本発明はまた、ポリアルキレンイミン化合物を担体に固定化することを特徴とする糖液処理用のカルボニル除去材の製造方法に関する。前述のようにポリアルキレンイミン化合物を担体に結合させることにより糖液処理用除去材を調製することができる。
【0036】
本発明はまた、糖液処理用除去材を充填してなる糖液処理用除去器に関する。除去器としては、糖液を送液ポンプ、重力などの駆動力を用いて流通させられるような流入口、及び流出口を備えたカラム状の成形体、または、糖液を保存しておくため輸液バッグのような袋状の形態などを例示することができる。除去材が充填される除去器本体(成形体、袋状物など)の材質としては、特に限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンなどが挙げられる。また、除去器中に充填するカルボニル化合物除去材の量としては、処理しようとする糖液に対し、1/1000〜1倍重量が好ましく、1/100〜1/10倍重量がより好ましい。
【実施例】
【0037】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例中では糖液処理用除去材を単に除去材という。
【0038】
〔製造例1〕
温度計、ジムロート冷却管、およびメカニカルスターラを装備した内容積200mlの3口フラスコの内部を窒素置換し、セルロース系多孔質硬質ゲルである商品名:セルロファインKM−1(平均粒径250μm、チッソ製)を5g、及び、50%ジオキサン水65mlを加え、2M水酸化ナトリウム水溶液33mlを加え40℃とした。これにエピクロロヒドリン13mlを加え、40℃で撹拌(250rpm)下、2時間反応させた。反応終了後、充分に水洗、真空乾燥し、エポキシ化セルロース担体5gを得た。エポキシ基の導入量は170μmol/gであった。
【0039】
なお、エポキシ基の量の測定は、1.3Nチオ硫酸ナトリウム水溶液で処理し、常法に従い、希塩酸(0.01N)で滴定により算出した。
【0040】
〔製造例2〕
温度計、ジムロート冷却管、およびメカニカルスターラを装備した内容積200mlの3口フラスコの内部を窒素置換し、セルロース系多孔質硬質ゲルである商品名:セルロファインCPB−06uc(粒径430μm、チッソ製)を5g、及び、50%ジオキサン水65mlを加え、2M水酸化ナトリウム水溶液33mlを加え40℃とした。これにエピクロロヒドリン13mlを加え、40℃で撹拌(250rpm)下、2時間反応させた。反応終了後、充分に水洗、真空乾燥し、エポキシ化セルロース担体5gを得た。エポキシ基の導入量は181μmol/gであった。
【0041】
〔製造例3〕
温度計、ジムロート冷却管、およびメカニカルスターラを装備した内容積200mlの3口フラスコの内部を窒素置換し、キトサン系多孔質硬質ゲルであるキトパールAL−1(フジボウ製)50g、水500mlおよびエチレングリコールジグリシジルエーテル50gを加えて60℃で1時間反応させた。反応終了後、充分水洗、真空乾燥し、エポキシ化キトサン担体50gを得た。エポキシ基の導入量は200μmol/gであった。
【0042】
〔実施例1〕
内容積200mlの反応管の内部を窒素置換し、製造例1で調製したエポキシ化セルロース担体2g、および、25重量%ポリエチレンイミン(平均分子量:10,000、和光純薬製)水溶液100mlを加え、40℃で2.5時間振盪した。反応終了後、充分に水洗、真空乾燥し、除去材Aを2g得た。アルデヒド除去容量は、3.5mmol/gであった。なお、アルデヒド除去容量は、下記の方法で算出した。すなわち、ポリアルキレンイミン化合物を担体に固定化してなる除去材50mgを1mlサンプルチューブに量り取り、これに0.15mMベンズアルデヒド水溶液1mlを加え、37℃で3時間振盪後、紫外可視吸収スペクトロメータ(島津製作所製、商品名:UV−1700PharmaSpec、検出波長:254nm)を用いて上澄み液中に残存したベンズアルデヒド量を求め、当初の溶液中のベンズアルデヒドの量から差し引くことにより該除去材に結合したベンズアルデヒド量を算出した。この算出されたベンズアルデヒド量をアルデヒド除去容量とした。以後の実施例および比較例でも同様にアルデヒド除去容量を算出した。
【0043】
〔実施例2〕
ポリエチレンイミン(平均分子量:1,800、和光純薬製)および製造例2で調製したエポキシ化セルロース担体を用いた以外は実施例1と同様な方法により除去材Bを得た。アルデヒド除去容量は、3.2mmol/gであった。
【0044】
〔実施例3〕
ポリエチレンイミン(平均分子量:1,800、和光純薬製)に代えて、ポリエチレンイミン(平均分子量:25,000、Aldrich製)を用いた以外は実施例2と同様な方法により除去材Cを得た。アルデヒド除去容量は、3.0mmol/gであった。
【0045】
〔実施例4〕
製造例1で調製したエポキシ化セルロース担体に代えて、商品名:トヨパールAF−Epoxy−650M(ポリメタアクリル酸エステル樹脂にエポキシ基が導入された担体、東ソー製)2gを用いた以外は実施例1と同様な方法により除去材Dを得た。アルデヒド除去容量は、2.8mmol/gであった。
【0046】
〔実施例5〕
製造例1で調製したエポキシ化セルロース担体に代えて、商品名:球状活性炭BAC(呉羽化学工業製)2gを用いた以外は実施例1と同様な方法により除去材Eを得た。アルデヒド除去容量は、13mmol/gであった。
【0047】
〔実施例6〕
内容積20mlの反応管の内部を窒素置換し、商品名:ホルミルセルロファインKM−1(チッソ製)2g、および、25%ポリエチレンイミン(平均分子量:10,000、和光純薬製)水溶液7ml、0.1%水素化ホウ素ナトリウムの1M水酸化ナトリウム水溶液3mlを加え、25℃で12時間振盪した。反応終了後、充分に水洗、真空乾燥し、除去材Fを得た。アルデヒド除去容量は2.5mmol/gであった。
【0048】
〔実施例7〕
製造例3で調製したエポキシ化キトサン担体を用いた以外は実施例1と同様な方法により除去材Gを得た。アルデヒド除去容量は、3.9mmol/gであった。
【0049】
〔比較例1〕
温度計、ジムロート冷却管、およびメカニカルスターラを装備した内容積100mlの3口フラスコの内部を窒素置換し、メタクリル酸ジグリシジル14.2g(100mmol)に架橋剤としてジビニルベンゼン0.28g(2.2mmol)、希釈剤としてイソオクタン15mlを加え、懸濁重合を行い、エポキシ基を有する多孔性重合体を合成した。得られた重合体をトリエチレンテトラミン11.4g(100mmol)と175℃で6時間反応させてられた樹脂を1M塩酸30mlで3回、水30mlで3回、洗浄液が中性になるまで洗浄し、除去材Hを得た。除去材Hのアルデヒド除去容量は、0.72mmol/gであった。
【0050】
〔比較例2〕
温度計、ジムロート冷却管、およびメカニカルスターラを装備した内容積100mlの3口フラスコの内部を窒素置換し、メタクリル酸ジグリシジル14.2g(100mmol)に架橋剤としてジビニルベンゼン0.28g(2.2mmol)、希釈剤としてイソオクタン15mlを加え、懸濁重合を行い、エポキシ基を有する多孔性重合体を合成した。得られた重合体をテトラエチレンペンタミン15.7g(100mmol)と175℃で6時間反応させてられた樹脂を1M塩酸30mlで3回、水30mlで3回、洗浄液が中性になるまで洗浄し、除去材Iを得た。除去材Iのアルデヒド除去容量は、0.91mmol/gであった。
【0051】
〔比較例3〕
ポリエチレンイミンの代わりにヒドラジン1水和物2.0gを用いた以外は実施例2と同様な方法により除去材Jを得た。アルデヒド除去容量は、0.51mmol/gであった。
【0052】
〔試験例1〜10〕
市販の高圧蒸気滅菌されたグルコース含有腹膜透析液(ダイアニールPD−4 4.25(Baxter製))1mlに、実施例1〜7および比較例1〜3で調製した除去材をそれぞれ10mg添加し、37℃で10分間振盪した。振盪後、上清100μlに内部標準として2,3−ブタンジオン水溶液(50μM)100μl、過塩素酸水溶液(2mM)80μlおよびo−フェニレンジアミン水溶液(1%)40μlを加え、室温で1時間振盪することによりベンゾピラジン誘導体に変換し(検出感度を上げるために吸光係数の大きいベンゾピラジンに誘導化)、下記に示す分析条件(高速液体クロマトグラフィー)により分析し、グリオキサール(GOと略記)、メチルグリオキサール(MGと略記)および3−デオキシグルコソン(3−DGと略記)の除去率を算出した。除去結果を表1に示し、除去速度定数(1次)を表2に示す。なお、処理前の腹膜透析液(商品名:ダイアニールPD−4 4.25(Baxter製))中に含まれる各ジカルボニル化合物の濃度は、GO:30μM、MG:10μM、3−DG:374μMであった。
【0053】
【表1】

【0054】
(分析条件)
使用カラム:ODS−80TM(東ソー製、カラム径4.6mm、カラム長100mm)
検出波長 :UV 315nm
移動相 :B液初期濃度15%を30分掛けてB液濃度30%へ変化
A液:0.1%トリフルオロ酢酸水溶液
B液:80%アセトニトリルA液溶液
流速 :1.0ml/分
温度 :40℃
【0055】
【表2】

【0056】
なお、表2に示した除去速度定数の算出方法は以下の通りである。市販の高圧蒸気滅菌されたグルコース含有腹膜透析液(商品名:ダイアニールPD−4 4.25(Baxter製))1mlに除去材をそれぞれ10mg添加したサンプルチューブを3本準備し、それぞれを37℃で10分、30分、および60分間振盪した。所定時間振盪後、上清100μlに内部標準として2,3−ブタンジオン水溶液(50μM)100μl、過塩素酸水溶液(2mM)80μlおよびo−フェニレンジアミン水溶液(1%)40μlを加え、それぞれ室温で1時間振盪することによりベンゾピラジン誘導体に変換し(検出感度を上げるために吸光係数の大きいヒドラゾンに誘導化)、高速液体クロマトグラフィーにより分析し、3−DGの濃度を算出した。除去材未添加の腹膜透析液(ダイアニールPD−4 4.25(Baxter製))中に存在する3−DGに対する除去量の自然対数値を接触時間に対してプロットし、その直線の傾きから速度定数を算出した。
【0057】
〔試験例11〜20〕
市販の高圧蒸気滅菌されたグルコース含有腹膜透析液(ダイアニールPD−4 4.25(Baxter製))1mlに実施例1〜7および比較例1〜3で調製した除去材を10mg添加し、37℃で1時間振盪した。振盪後、上清100μlに2,4−ジニトロフェニルヒドラジンの0.5N塩酸(0.025重量%)100μl、アセトニトリル100μlを加え、37℃で1時間振盪することにより、ヒドラゾン誘導体に変換し(検出感度を上げるために吸光係数の大きいヒドラゾンに誘導化)、下記に示す分析条件(高速液体クロマトグラフィー)により、5−ヒドロキシメチルフルアルデヒド(5−HMFと略記)、フルフラール(FFと略記)およびアセトアルデヒド(AAと略記)の除去率を算出した。除去結果を表3に示す。なお、処理前の各モノカルボニル化合物の濃度は、5−HMF:70μM、FF:12μM、AA:82μMであった。
【0058】
【表3】

【0059】
(分析条件)
使用カラム:ODS−80TM(東ソー製、カラム径4.6mm、カラム長100mm)
検出波長 :UV 360nm
移動相 :B液初期濃度15%を30分掛けてB液濃度30%へ変化
A液:0.1%トリフルオロ酢酸水溶液
B液:80%アセトニトリルA液溶液
流速 :1.0ml/分
温度 :40℃
【0060】
〔試験例21および22〕
実施例1で調製した除去材A500mgを内容積5mlのポリエチレン製カラムに充填し、除去器を作製した。次に、37℃に制御した恒温室内に設置した該除去器に市販の高圧蒸気滅菌されたグルコース含有腹膜透析液(商品名:ダイアニールPD−4 4.25(Baxter製))をポンプによって、点滴治療を想定した0.5ml/min(平均滞留時間は1.8分)の速度で120分間流通させた。流通開始後20分毎に流出液をサンプリングし、試験例1〜10と同じ方法でGO、MG、3−DGの各ジカルボニル化合物の除去率を算出した(試験例21)。また、実施例1で調製した除去材Aの代わりに比較例3で調製した除去材Jを用いた以外は試験例21と同様の方法で120分間の流通試験を行った(試験例22)。試験例21および試験例22の結果を表4に示す。なお、処理前の各ジカルボニル化合物の濃度は、GO:30μM、MG:10μM、3−DG:374μMであった。表4より、本発明の除去材は点滴等に使用される糖液への適用を想定した用途においても、優れたカルボニル化合物除去能を有することがわかった。
【0061】
【表4】

【0062】
〔試験例23〕
実施例1で調製した除去材A250mgを内容積2.5mlのポリエチレン製カラムに充填し、除去器を作製し、アスピレーターによって水分を吸引除去し、充填した除去材Aをセミウエット状態とした。次に、37℃に制御した恒温室内に設置した該除去器に市販の高圧蒸気滅菌されたグルコース含有腹膜透析液(商品名:ダイアニールPD−4 4.25(Baxter製))をポンプによって、腹膜透析治療を想定した5ml/minの速度で10.5分間流通させた。流通開始後30秒後にカラムから処理液は流出を開始し、その後10分間流出液を集め、試験例1および11と同じ方法でその中に含まれるGO、MG、3−DGの各ジカルボニル化合物、5−HMF、FF、AAのモノカルボニルの除去率を算出し、その結果を表5および表6に示す。なお、処理前の各ジカルボニル化合物の濃度は、GO:30μM、MG:10μM、3−DG:374μM、各モノカルボニル化合物の濃度は、5−HMF:70μM、FF:12μM、AA:82μMであった。表5および6より、本発明の除去材は腹膜透析治療等に使用される腹膜透析液への適用を想定した用途においても、優れたカルボニル化合物除去能を有することがわかった。
【0063】
【表5】

【0064】
【表6】

【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明により、腹膜透析液または輸液等の糖液中に含まれるカルボニル化合物に対して除去能を有するポリアルキレンイミン化合物が担体に固定化されてなる糖液処理用除去材が提供される。本発明の除去材は、種々のカルボニル化合物に対しても高い除去能を有することから、本発明の除去材を用いてカルボニル化合物を除去した腹膜透析液または輸液等の糖液を利用することによって、種々の疾患の原因となるカルボニルストレスを低減するという効果が期待でき、例えば、腹膜透析患者の腹膜透析の継続により発症する腹膜肥厚および腹膜硬化症などの腹膜機能低下、動脈硬化症、脳血管障害、腎症、神経障害、網膜症、白内障、アルツハイマー病などの治療および予防などに大きく寄与する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアルキレンイミン化合物が担体に固定化されてなる糖液処理用のカルボニル化合物除去材。
【請求項2】
糖液が腹膜透析液または輸液である請求項1記載の除去材。
【請求項3】
ポリアルキレンイミン化合物がポリエチレンイミンである請求項1または2記載の除去材。
【請求項4】
高圧蒸気滅菌されたグルコース含有腹膜透析液1Lを除去材10gに37℃で60分間接触させた際、3−デオキシグルコソンの除去速度定数が1.8×10−1〜5.0×10−1(min−1)である請求項1〜3いずれか記載の除去材。
【請求項5】
高圧蒸気滅菌されたグルコース含有腹膜透析液1Lを除去材10gで37℃、10分間接触させた際、前記腹膜透析液における3−デオキシグルコソンの除去率が95%以上である請求項4記載の除去材。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか記載の除去材を、カルボニル化合物を含有する糖液に接触させることを特徴とするカルボニル化合物の除去方法。
【請求項7】
請求項1〜5いずれか記載の除去材を、カルボニル化合物を含有する糖液に接触させることを特徴とする糖液の精製方法。
【請求項8】
ポリアルキレンイミン化合物を担体に固定化することを特徴とする糖液処理用のカルボニル除去材の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜5いずれか記載の除去材を充填してなる糖液処理用除去器。


【公開番号】特開2007−151612(P2007−151612A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−347041(P2005−347041)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000001085)株式会社クラレ (1,607)
【出願人】(503357296)株式会社レナサイエンス (7)
【出願人】(597142376)
【Fターム(参考)】