説明

糖鎖の構築方法

【課題】 人工プロテオグリカンや人工グリコサミノグリカンの作製のためなどに有用な糖鎖の構築方法を提供すること。
【解決手段】 非還元末端に不飽和ヘキスロン酸を有するオリゴ糖の不飽和ヘキスロン酸の不飽和結合のオキシ水銀化(ただし使用する水銀塩はオリゴ糖に対して最大で5モル当量とする)とそれに続く還元的脱水銀化を行うことで非還元末端の不飽和ヘキスロン酸をヘキスロン酸に変換した後、ヘキスロン酸のグリコシル化を行うことを特徴とする。本発明は、非還元末端の不飽和ヘキスロン酸のヘキスロン酸への変換とヘキスロン酸へのグリコシル化を行うことによる糖鎖を伸長するための新たな方法論を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工プロテオグリカンや人工グリコサミノグリカンの作製のためなどに有用な糖鎖の構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
糖鎖は、核酸、タンパク質の次ぐ第三の“鎖”であり、近年、その役割や機能の実態が次第に明らかになるとともに、糖鎖の機能の向上や改変のための糖鎖工学の研究も盛んに行われていることは当業者に周知の通りである。例えば、人工的な糖鎖の構築方法については、グリコシダーゼの糖転移活性を利用したグリコシル化(例えば非特許文献1)などの酵素学的手法の他、化学的手法が種々提案されている。
【非特許文献1】H, Saitoh et al., J. Biol. Chem., 270, 3741-3747, 1995.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、人工的に糖鎖を構築するための新たな方法論の開発は、糖鎖工学上、非常に意義深いものである。
そこで本発明は、人工プロテオグリカンや人工グリコサミノグリカンの作製のためなどに有用な糖鎖の構築方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ところで、グリコサミノグリカンに微生物由来のコンドロイチナーゼなどのリアーゼを作用させることで、非還元末端にΔ−ヘキスロン酸を有するオリゴ糖(例えば二糖や四糖)が得られることが古くから知られており、このオリゴ糖は、グリコサミノグリカンの定量分析や定性分析に利用されている(例えばH, Saito et al., J. Biol. Chem., 243, 1536-1542, 1968.)。また、非還元末端にΔ−ヘキスロン酸を有するオリゴ糖に大量の水銀塩(例えば酢酸水銀をオリゴ糖に対して27.5モル当量)を作用させて非還元末端のΔ−ヘキスロン酸の不飽和結合のオキシ水銀化を行うことで、Δ−ヘキスロン酸を分解して除去できることが知られている(Ulf, Ludwigs et al., Biochem. J., 245, 795-804, 1987.)。しかしながら、非還元末端にΔ−ヘキスロン酸を有するオリゴ糖を出発物質として新たに糖鎖を構築する報告は、本発明者が知る範囲において存在しない。
そこで本発明者は、非還元末端にΔ−ヘキスロン酸を有するオリゴ糖を出発物質として用いる糖鎖の構築方法を鋭意検討した結果、このオリゴ糖は、そのままではグリコシダーゼの糖転移活性を利用したグリコシル化による非還元末端からの糖鎖の伸長を行うことができないが、このオリゴ糖に適切量の水銀塩を作用させることによる非還元末端のΔ−ヘキスロン酸の不飽和結合のオキシ水銀化とそれに続く還元的脱水銀化を行うことで、非還元末端のΔ−ヘキスロン酸が分解されて除去されることなくヘキスロン酸に変換され、構造中に含まれるまたは含まれ得る水酸基、カルボニル基、硫酸基、N−アセチル基などが壊変されずに保持された状態でグリコシダーゼを用いたグリコシル化による非還元末端からの糖鎖の伸長を行うことができることを見出した。
【0005】
上記の知見に基づいてなされた本発明の糖鎖の構築方法は、請求項1記載の通り、非還元末端に不飽和ヘキスロン酸を有するオリゴ糖の不飽和ヘキスロン酸の不飽和結合のオキシ水銀化(ただし使用する水銀塩はオリゴ糖に対して最大で5モル当量とする)とそれに続く還元的脱水銀化を行うことで非還元末端の不飽和ヘキスロン酸をヘキスロン酸に変換した後、ヘキスロン酸のグリコシル化を行うことを特徴とする。
また、請求項2記載の方法は、請求項1記載の方法において、非還元末端に不飽和ヘキスロン酸を有するオリゴ糖が非還元末端にΔ−ヘキスロン酸を有するオリゴ糖であることを特徴とする。
また、請求項3記載の方法は、請求項1または2記載の方法において、ヘキスロン酸のグリコシル化をグリコシダーゼの糖転移活性を利用して行うことを特徴とする。
また、本発明の非還元末端に不飽和ヘキスロン酸を有するオリゴ糖の非還元末端の不飽和ヘキスロン酸のヘキスロン酸への変換方法は、請求項4記載の通り、非還元末端に不飽和ヘキスロン酸を有するオリゴ糖の不飽和ヘキスロン酸の不飽和結合のオキシ水銀化(ただし使用する水銀塩はオリゴ糖に対して最大で5モル当量とする)とそれに続く還元的脱水銀化を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、人工プロテオグリカンや人工グリコサミノグリカンの作製のためなどに有用な糖鎖の構築方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の糖鎖の構築方法は、非還元末端に不飽和ヘキスロン酸を有するオリゴ糖の不飽和ヘキスロン酸の不飽和結合のオキシ水銀化(ただし使用する水銀塩はオリゴ糖に対して最大で5モル当量とする)とそれに続く還元的脱水銀化を行うことで非還元末端の不飽和ヘキスロン酸をヘキスロン酸に変換した後、ヘキスロン酸のグリコシル化を行うことを特徴とするものである。
【0008】
本発明の糖鎖の構築方法において出発物質として使用する非還元末端に不飽和ヘキスロン酸を有するオリゴ糖としては、例えば、微生物由来のコンドロイチナーゼABC,AB,Bなどのコンドロイチナーゼ、ヘパリナーゼ、ヘパリチナーゼI,IIなどのヘパリチナーゼ、マンヌロン酸リアーゼ、微生物由来のヒアルロニダーゼなどのリアーゼをグリコサミノグリカンに作用させることで得られる、非還元末端にΔ−ヘキスロン酸を有するオリゴ糖が挙げられる。なお、ここでオリゴ糖とは、単糖が2個以上グリコシド結合によって結合した化合物を意味する。
【0009】
非還元末端に不飽和ヘキスロン酸を有するオリゴ糖の不飽和ヘキスロン酸の不飽和結合のオキシ水銀化に用いることができる水銀塩としては、例えば酢酸水銀(II)の他、トリフルオロ酢酸水銀(II)や塩化水銀(II)などが挙げられる。水銀塩の使用量をオリゴ糖に対して最大で5モル当量と規定するのは、この量を超えると非還元末端のΔ−ヘキスロン酸が分解されて除去される割合が増えて望ましくないからである。水銀塩の使用量はオリゴ糖に対して最大で3モル当量が望ましく、2モル当量がより望ましい。なお、水銀塩の最低使用量はオリゴ糖に対して1モル当量とするのが望ましい。この量よりも少ないと不飽和結合のオキシ水銀化を効率よく行えない恐れがあるからである。反応は、一般的なオレフィンのオキシ水銀化−還元的脱水銀化におけるオキシ水銀化の条件、例えば、室温下の含水溶媒中で5分間〜10時間行えばよい。
【0010】
オキシ水銀化に引き続いて行う還元的脱水銀化は、例えば水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤を用いて行うことができる。その使用量は、非還元末端に不飽和ヘキスロン酸を有するオリゴ糖に対して例えば1モル当量〜5モル当量とすればよい。反応は、一般的なオレフィンのオキシ水銀化−還元的脱水銀化における還元的脱水銀化の条件、例えば、0℃で5分間〜10時間行えばよい。
【0011】
以上の、非還元末端に不飽和ヘキスロン酸を有するオリゴ糖の不飽和ヘキスロン酸の不飽和結合のオキシ水銀化とそれに続く還元的脱水銀化により、非還元末端にヘキスロン酸(例えばD−グルクロン酸またはL−イズロン酸)を有するオリゴ糖を得ることができる。次に行う非還元末端のヘキスロン酸のグリコシル化は、例えば、グリコシダーゼの糖転移活性を利用した方法により行うことができるが、この方法に制限されるわけではなく、非還元末端のヘキスロン酸のグリコシル化を行うことができる方法であればどのような方法であってもよい。グリコシダーゼの糖転移活性を利用した非還元末端のヘキスロン酸のグリコシル化において用いることができるグリコシダーゼとしては、例えば、非特許文献1に記載のウシ精巣性ヒアルロニダーゼが挙げられる。この酵素を利用した場合、例えば、ヒアルロン酸、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸A,C,D,Eなどのグリコサミノグリカンを供与体とすることで、その構成糖を2糖ずつ非還元末端のヘキスロン酸の4位の水酸基に結合(グリコシド結合)させて糖鎖を伸長することができる(非特許文献1)。
【実施例】
【0012】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定して解釈されるものではない。
【0013】
実施例1:非還元末端に不飽和ヘキスロン酸を有するオリゴ糖の不飽和ヘキスロン酸のヘキスロン酸への変換
工程A:非還元末端にΔ−ヘキスロン酸を有するオリゴ糖の調製
以下の反応式に示す反応を行った。
【0014】
【化1】

【0015】
コンドロイチン−4−硫酸構造を主としてコンドロイチン−6−硫酸構造も含む化合物1(生化学工業社製)(100mg)を蒸留水(2.8mL)に溶解し、0.4M濃度のトリス塩酸緩衝液(pH8.0、0.5mL)、0.4M濃度の酢酸ナトリウム水溶液(0.5mL)、0.1%のウシ血清アルブミン水溶液(0.4mL)を加え、次いでコンドロイチナーゼABC(生化学工業社製)(10U)を加えて37℃にて48時間インキュベートした。その後、反応液を100℃にて2分間加熱することにより酵素を失活させ、遠心後、その上清をサイズ排除クロマトグラフィー(Sephadex G−25:アマシャムバイオサイエンス社製)に供し、溶出溶媒として水:エタノール=9:1を用いて化合物2を得た(薄茶色粉末、ESI−MSによるm/z[M−H]=458.2)。
【0016】
(化合物2のHPLC分析結果)
純度93%。ガラクトサミンの4位に硫酸基が存在するもの75%:保持時間23分、ガラクトサミンの6位に硫酸基が存在するもの25%:保持時間21分。分析条件は下記の通り。
・カラム:YMC−Pack Polyamine−II;5μm;250×4.6mm
・移動相:溶離液A・・・10mMリン酸二水素ナトリウム水溶液
溶離液B・・・1Mリン酸二水素ナトリウム水溶液
・流速 :1mL/分
・溶離液のグラジェント:時間(分) 溶離液A(%) 溶離液B(%)
0 100 0
40 60 40
・操作時間 :40分
・カラム温度:45℃
・検出方法 :UV215nm,232nm
・注入体積 :20μL
【0017】
工程B:非還元末端のΔ−ヘキスロン酸のヘキスロン酸への変換
以下の反応式に示す反応を行った。
【0018】
【化2】

【0019】
化合物2(18.5mg,40.24μmol)を水(92μL)とTHF(46μL)の混合溶媒に溶解し、酢酸水銀(II)(23mg、72μmol、化合物2に対して1.8モル当量)を室温にて添加後、1時間攪拌した。次いで反応液を0℃に冷却した後、使用直前に予め調製しておいた水素化ホウ素ナトリウム水溶液(10mgを100μLの飽和食塩水溶液に溶解したもの)(21μL、化合物2に対して1.5モル当量)を添加し、0℃にて1時間攪拌した。反応液を遠心後、その上清をサイズ排除クロマトグラフィー(Sephadex G−25:アマシャムバイオサイエンス社製)に供し、溶出溶媒として水:エタノール=9:1を用いて化合物3を得た(13.8mg、収率72%、薄茶色粉末、ESI−MSによるm/z[M−H]=476.3)。
【0020】
(化合物3のH−NMR(DO)データ)
δ=5.17(d,J=2.8Hz),5.14(d,J=2.8Hz),4.59(br−d),4.55(d,J=3.2Hz),4.15(m),4.07−4.03(m),4.01−3.95(m),3.89(dd,J=7.2Hz,J=10.0Hz),3.78(dd,J=6.4Hz,J=8.4Hz),3.75(dd,J=3.6Hz,J=8.8Hz),3.67(m),3.63(t,J=8.4Hz,J=7.2Hz),1.82(s)
【0021】
(化合物3のHPLC分析結果)
ガラクトサミンの4位に硫酸基が存在するもの71.3%:保持時間12.03分、ガラクトサミンの6位に硫酸基が存在するもの28.7%:保持時間12.84分。分析条件は化合物2の分析条件と同じ。
【0022】
実施例2:非還元末端に不飽和ヘキスロン酸を有するオリゴ糖を出発物質とした糖鎖構築
工程A:非還元末端にΔ−ヘキスロン酸を有するオリゴ糖の調製
以下の反応式に示す反応を行った。
【0023】
【化3】

【0024】
特許第3731150号公報に記載の方法に従って、サケ鼻軟骨から調製したプロテオグリカン(500mg)を原材料とし、高垣啓一らの文献(J. Biol. Chem., 277, 18397-18403, 2002.)に従って結合領域の4糖(GlcAβ1−3Galβ1−3Galβ1−4Xyl)を含むコンドロイチン硫酸を調製した。次に、今淳らの文献(J. Biochem., 110, 132-135, 1991.)に従ってその還元末端を2−アミノピリジンで蛍光標識することにより化合物4を調製した(51mg)。これを蒸留水(280μL)に溶解し、0.4M濃度のトリス塩酸緩衝液(pH8.0、50μL)、0.4M濃度の酢酸ナトリウム水溶液(50μL)、0.1%のウシ血清アルブミン水溶液(40μL)を加え、次いでコンドロイチナーゼABC(生化学工業社製)(1.5U)を加えて37℃にて48時間インキュベートした。その後、反応液を100℃にて2分間加熱することにより酵素を失活させ、遠心後、その上清をサイズ排除クロマトグラフィー(Sephadex G−25:アマシャムバイオサイエンス社製)に供し、溶出溶媒として水:エタノール=9:1を用いて粗精製した。得られた溶出液の蛍光画分を減圧濃縮した後、HPLCを用いて精製することにより化合物5を得た(黄土色粉末、ESI−MSによるm/z[M+H]=1090.2)。
【0025】
(化合物5のHPLC分析結果)
純度97%。保持時間10.62分。分析条件は検出方法をEx320nm,Em400nmによる蛍光検出とすること以外は化合物2の分析条件と同じ。
【0026】
工程B:非還元末端のΔ−ヘキスロン酸のヘキスロン酸への変換
以下の反応式に示す反応を行った。
【0027】
【化4】

【0028】
化合物5の水溶液(10μL)に水(20μL)とTHF(15μL)を順に加え、酢酸水銀(II)(1mg、3.14μmol、化合物5に対して1.8モル当量)を室温にて添加後、30分間攪拌した。次いで反応液を0℃に冷却した後、使用直前に予め調製しておいた水素化ホウ素ナトリウム水溶液(10mgを100μLの飽和食塩水溶液に溶解したもの)(3μL、化合物5に対して1.5モル当量)を添加し、0℃にて1時間攪拌した。反応液を遠心後、その上清をサイズ排除クロマトグラフィー(Sephadex G−25:アマシャムバイオサイエンス社製)に供し、溶出溶媒として水:エタノール=9:1を用いて化合物6を得た(HPLCのピーク面積から算出した収率81%、ESI−MSによるm/z[M+H]=1108.4)。
【0029】
(化合物6のHPLC分析結果)
保持時間10.55分。分析条件は化合物5の分析条件と同じ。
【0030】
工程C:非還元末端のヘキスロン酸のグリコシル化による糖鎖の伸長
以下の反応式に示す反応を行った。
【0031】
【化5】

【0032】
化合物6の水溶液(10μL)にヒアルロン酸(紀文フードケミファ社製)の3重量%の水溶液(10μL)と1M濃度のトリス塩酸緩衝液(pH7.0、5μL)を加え、37℃に加温した。次いでウシ精巣性ヒアルロニダーゼ(シグマ社製)(10U)を加えて37℃にて1時間インキュベートした。その後、反応液を100℃にて2分間加熱することにより酵素を失活させ、遠心後、その上清のHPLC分析を行うことで、糖転移産物である化合物7の生成を確認した。
【0033】
(化合部7のHPLC分析結果:図1)
化合物6にヒアルロン酸の2糖が転移した化合物の保持時間8分
同、ヒアルロン酸の4糖が転移した化合物の保持時間10分
同、ヒアルロン酸の6糖が転移した化合物の保持時間12分
同、ヒアルロン酸の8糖が転移した化合物の保持時間14分
分析条件は下記の通り。
・カラム:TOSOH TSKgel Amide−80;5μm;250×4.6mm
・移動相:溶離液A・・・3%酢酸含有アセトニトリル(トリエチルアミンでpH7.3
に調整):蒸留水=20:80
溶離液B・・・3%酢酸含有アセトニトリル(トリエチルアミンでpH7.3
に調整):蒸留水=50:50
・流速 :1mL/分
・溶離液のグラジェント:時間(分) 溶離液A(%) 溶離液B(%)
0 100 0
60 0 100
・操作時間 :60分
・カラム温度:45℃
・検出方法 :Ex320nm,Em400nmによる蛍光検出
・注入体積 :20μL
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、人工プロテオグリカンや人工グリコサミノグリカンの作製のためなどに有用な糖鎖の構築方法を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】実施例2の非還元末端のヘキスロン酸のグリコシル化による糖鎖の伸長についてのHPLC分析チャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非還元末端に不飽和ヘキスロン酸を有するオリゴ糖の不飽和ヘキスロン酸の不飽和結合のオキシ水銀化(ただし使用する水銀塩はオリゴ糖に対して最大で5モル当量とする)とそれに続く還元的脱水銀化を行うことで非還元末端の不飽和ヘキスロン酸をヘキスロン酸に変換した後、ヘキスロン酸のグリコシル化を行うことを特徴とする糖鎖の構築方法。
【請求項2】
非還元末端に不飽和ヘキスロン酸を有するオリゴ糖が非還元末端にΔ−ヘキスロン酸を有するオリゴ糖であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
ヘキスロン酸のグリコシル化をグリコシダーゼの糖転移活性を利用して行うことを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
非還元末端に不飽和ヘキスロン酸を有するオリゴ糖の不飽和ヘキスロン酸の不飽和結合のオキシ水銀化(ただし使用する水銀塩はオリゴ糖に対して最大で5モル当量とする)とそれに続く還元的脱水銀化を行うことを特徴とする非還元末端に不飽和ヘキスロン酸を有するオリゴ糖の非還元末端の不飽和ヘキスロン酸のヘキスロン酸への変換方法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−268384(P2009−268384A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−120160(P2008−120160)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(504229284)国立大学法人弘前大学 (162)
【Fターム(参考)】