説明

紙幣入出金機構

【課題】紙幣入出金機構の簡素化と、リジェクト紙幣の繰出不良を防止する。
【解決手段】紙幣を繰出すピックアップローラ34と、ローラ34の外周面を突出させる第1の窓部39aを有する紙幣ガイド39と、ローラ34を紙幣ガイド39の方向に付勢するバネ部材52と、紙幣ガイド39に対向して配置され、ローラ34の外周面を突出させる第2の窓部41aを有する第1のビルプレス41と、ビルプレス41を挟んでローラ34の反対側に、配置された第2のビルプレス42、ビルプレス41、42の間に、投入リジェクト紙幣を集積するリジェクト集積ローラ部45とを設け、投入された紙幣を繰出す場合は、紙幣ガイド39とビルプレス41との間に挟持して、窓部から突出させたローラ34の外周面で押圧し、投入リジェクト紙幣の取忘れが生じた場合は、紙幣をビルプレス41、42の間に挟持して窓部から突出させたローラ34の外周面で押圧する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投入紙幣と、投入紙幣の内のリジェクト紙幣とを区分して集積する紙幣入出金部に設けられる紙幣入出金機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の紙幣入出金部に設けられた紙幣入出金機構は、集積された紙幣を支持する支持板と、支持板上に集積された紙幣を、支持板の直交方向に繰出すピックアップローラと、ピックアップローラ側に、ピックアップローラによる紙幣の繰出方向の直交方向に往復移動可能に設けられた第1のビルプレスと、第1のビルプレスを挟んでピックアップローラの反対側に、第1のビルプレスと対向して繰出方向の直交方向に往復移動可能に配置された第2のビルプレスと、第1と第2のビルプレスとの間に出没可能に配置されたリジェクトストッパと、リジェクトビルストッパと第2のビルプレスとの間にリジェクト紙幣を集積するリジェクト集積ローラ部とを備え、ピックアップローラと第1のビルプレスとの間に投入された紙幣を繰出す場合は、第1および第2のビルプレスを当接させた状態で、ピックアップローラの方向に移動させて、投入紙幣を第1のビルプレスおよび第2のビルプレスでピックアップローラに押圧し、リジェクト集積ローラ部によりリジェクトビルストッパと第2のビルプレスとの間に集積したリジェクト紙幣の取忘れが生じた場合は、リジェクトストッパを支持板から退避させ、第2のビルプレスを第1のビルプレスの方向に移動させてリジェクト紙幣に接触させ、第1のビルプレスを下端の軸を中心に90度回転させて水平状態にし、その第1のビルプレス上を、第2のビルプレスでリジェクト紙幣を押しながらピックアップローラの方向に移動させ、収納するリジェクト紙幣を第2のビルプレスでピックアップローラに押圧している(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平9−147193号公報(段落0028〜0030、段落0042〜0044、第5図、第6図、第8図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来の技術においては、紙幣入出金部に集積されたリジェクト紙幣を繰出すためには、第1のビルプレスの可倒機構やリジェクトストッパの退避機構等を設ける必要があり、紙幣入出金機構の構成が複雑になるという問題がある。
また、90度回転して水平状態となった第1のビルプレスの上を第2のビルプレスに押されてリジェクト紙幣が通過する際に倒れしてしまう場合や、リジェクト紙幣が第1のビルプレスの回転に連れられて倒れてしまう場合があり、リジェクト紙幣の繰出不良の要因になってしまうという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記課題を解決するために、投入された紙幣と、前記投入紙幣の内のリジェクト紙幣とを区分して集積する紙幣入出金機構において、集積された紙幣を支持する支持板と、前記支持板上に集積された紙幣を、前記支持板の直交方向に繰出すピックアップローラと、前記ピックアップローラ側に、前記ピックアップローラによる紙幣の繰出方向の直交方向に移動可能に配置され、前記ピックアップローラの外周面を突出させる第1の窓部を有する紙幣ガイドと、前記ピックアップローラを、前記紙幣ガイドの方向に付勢するバネ部材と、前記紙幣ガイドに対向して前記繰出方向の直交方向に移動可能に配置され、前記ピックアップローラの外周面を突出させる第2の窓部を有する第1のビルプレスと、前記第1のビルプレスを挟んで前記ピックアップローラの反対側に、前記第1のビルプレスと対向して前記繰出方向の直交方向に移動可能に配置された第2のビルプレスと、前記第1のビルプレスと前記第2のビルプレスとの間に、前記リジェクト紙幣を集積するリジェクト集積ローラ部とを設け、前記紙幣ガイドと前記第1のビルプレスとの間に投入された紙幣を繰出す場合は、前記投入紙幣を、前記紙幣ガイドと前記第1のビルプレスとの間に挟持して、前記第1の窓部から突出させた前記ピックアップローラの外周面で押圧し、前記リジェクト集積ローラ部により前記第1のビルプレスと第2のビルプレスとの間に集積したリジェクト紙幣の取忘れが生じた場合は、前記リジェクト紙幣を、前記第1のビルプレスと前記第2のビルプレスとの間に挟持して、前記第1および第2の窓部から突出させた前記ピックアップローラの外周面で押圧することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
これにより、本発明は、紙幣入出金機構の構成の簡素化を図ることができると共に、投入リジェクト紙幣のピックアップローラへの押圧時に倒れ等が生ずることを防止することができ、投入リジェクト紙幣の繰出不良を防止することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下に、図面を参照して本発明による紙幣入出金機構の実施例について説明する。
【実施例1】
【0007】
図1は実施例1の現金自動預払機を示すブロック図、図2は実施例1の紙幣入出金機を示すブロック図、図3は実施例1の紙幣入出金機の構成を示す説明図、図4は実施例1の紙幣入出金部の構成を示す説明図、図5は図4の矢印A方向から見た紙幣繰出機構を示す説明図、図6は図4の矢印A方向から見た第1のビルプレスを示す説明図、図7は図4の矢印B方向から見た集積ローラ軸を示す説明図である。
【0008】
図1において、1は自動取引装置としての現金自動預払機であり、銀行等の金融機関の支店やコンビニエンスストア等の店舗に設置され、顧客との間での取引処理を自動で行う。
2は現金自動預払機1の主制御部であり、図示しない通信回線を介して、顧客を鑑別するための顧客IDに対応させて顧客の口座の口座番号やその暗証番号、口座残高等の顧客情報を保有して顧客の口座を管理する図示しないホストコンピュータと接続しており、現金自動預払機1内の各部を制御して取引処理等を実行すると共に、ホストコンピュータとのデータ通信等も制御する。
【0009】
3は主記憶部であり、主制御部2が実行するプログラムやそれに用いる各種のデータおよび主制御部2による処理結果等が格納される。
4は操作表示部であり、現金自動預払機1の正面に設けられ、CRTやLCD等の表示画面とタッチパネル等の入力手段との組合せで構成されており、表示画面に入金取引や出金取引等の取引選択ボタンを表示した取引選択画面や各種の入力画面等を表示する他、入力手段により顧客からの入力を受付ける。
【0010】
5はカード取扱部であり、挿入された顧客のキャッシュカード等の取引カードの磁気ストライプやICチップ等に記録されている顧客ID等のカード情報を読み書きする機能を有すると共に、明細票等に取引内容等を印刷する機能等を有している。
6は通帳取扱部であり、挿入された顧客の通帳の磁気ストライプやICチップ等に記録されている顧客ID等の通帳情報を読み書きする機能を有すると共に、取引内容等を顧客の通帳に記帳する機能を有している。
【0011】
7は硬貨入出金機であり、入金取引時等に顧客が投入した硬貨を受入れ、これを鑑別および計数して収納し、出金取引時等に顧客に支払う硬貨を繰出し、これを計数して顧客に払い出す機能を有している。
8は紙幣入出金機であり、入金取引時等に顧客が投入した紙幣(投入紙幣という。)を受入れ、これを鑑別および計数して収納し、出金取引時等に顧客に支払う紙幣を繰出し、これを計数して顧客に払い出す機能等を有しており、図2、図3に示す構成を備えている。
【0012】
図2、図3において、11は紙幣入出金機8の制御部であり、主制御部2からの指令により、紙幣入出金機8内の各部を制御して入金取引等における紙幣の取込処理や収納処理、出金取引等における紙幣の出金処理等を実行する機能を有している。
12は記憶部であり、制御部11が実行するプログラムやそれに用いる各種のデータおよび主制御部11による処理結果等が格納される。
【0013】
13は紙幣入出金機8の紙幣入出金部であり、投入紙幣と、投入紙幣の内の返却を要するリジェクト紙幣とを区分して集積する紙幣入出金機構14を備えている。
15は鑑別部であり、搬送された紙幣の真偽、正損、金種等の各種の鑑別を行う機能等を有している。
17は一時保留部であり、入金取引等の投入紙幣の取込処理時に、鑑別部15で真券と鑑別された紙幣を集積して一時保留する収納部であって、紙幣を1枚毎に分離して繰出す機能、搬送された紙幣を集積する機能を有している。
【0014】
18は紙幣収納庫であり、出金に用いる紙幣や入金された紙幣を収納する収納庫であって、入金確定後に一時保留部部17から繰出され、鑑別部15で金種等が鑑別された紙幣を収納する機能、収納した紙幣を1枚毎に分離して繰出す機能を有している。
本実施例の紙幣収納庫18は3つ設けられており、それぞれに収納する紙幣の金種が予め設定されている。
【0015】
20は非循環紙幣収納庫であり、顧客が入金した紙幣の中で、循環使用しない金種の紙幣(例えば2千円札や5千円札)や出金時にリジェクトされた出金リジェクト紙幣を収納する収納庫であって、搬送された紙幣を集積する機能を有している。
21は取忘れ紙幣収納庫であり、入金取引等の投入紙幣の取込処理時に、後述する投入リジェクト紙幣や出金された紙幣を、顧客が取忘れた場合に収納する収納庫であって、搬送された取忘れ紙幣を集積する機能を有している。
【0016】
23は搬送路であり、ベルト対またはローラ対等で紙幣の表裏両面を挟持して搬送する搬送路であって、上記の各部の間を接続して紙幣を搬送する。
24は切替ブレードであり、鑑別部15での鑑別結果に応じて紙幣の搬送方向を切替えるために搬送路23の分岐部に設けられた切替機構であって、本実施例では、投入リジェクト紙幣と鑑別された紙幣は図3に示す矢印ニ方向へ搬送方向を切替えて搬送され、真券と鑑別された紙幣は矢印ホ方向へ搬送方向を切替えて搬送される。
【0017】
本実施例の紙幣入出金機8の紙幣入出金部13は、図4に示すように、紙幣入出金機構14を備え、顧客が投入した投入紙幣を支持板30上に集積する第1の集積空間31と、投入紙幣の内で、鑑別部15で偽券や外国紙幣等と鑑別され、紙幣収納庫18に収納できないために顧客に返却する紙幣と鑑別された投入時のリジェクト紙幣(投入リジェクト紙幣という。)を支持板30上に集積する第2の集積空間32とを有しており、投入紙幣と投入リジェクト紙幣とを区分して集積する。
【0018】
33は紙幣入出金機構14のシャッタであり、紙幣入出金部13の上部に配置され、ピックアップローラ34による紙幣の繰出方向の直交方向に往復移動可能に構成されており、顧客との取引における紙幣の投入時および取出時に紙幣入出金口35(図8参照)を開放し、紙幣の取込処理時等には紙幣入出金口35を閉鎖する機能を備えている。
34は紙幣入出金機構14のピックアップローラであり、ピックアップローラ軸34aを中心に正逆回転可能に構成されて、紙幣入出金部13の側方で、支持板30の上方に配置され、紙幣の繰出が容易なようにその外周面の一部にゴム等の摩擦係数の大きい高摩擦部材(図4等に網掛けを付して示す部位)が取付けられており、支持板30上に立位で支持された紙幣を図4において下方に繰出す機能を有している。
【0019】
本実施例の紙幣は、その短手方向によって支持板30上に立位で支持される。
36はフィードローラであり、フィードローラ軸36aを中心に正逆回転可能に構成されて、ピックアップローラ34の紙幣の繰出方向の下流で、支持板30の端部に配置されて、紙幣の搬入、繰出が容易なようにその外周面の一部にピックアップローラ34と同様の高摩擦部材が取付けられると共に、円周方向の全周に渡るリング状の溝部が2本並設されており(図5参照)、ピックアップローラ34により繰出される紙幣を更に搬送して、搬送路23へ繰出す機能を有している。
【0020】
上記のピックアップローラ34とフィードローラ36とは、ギア列等の図示しない動力伝達機構で接続されており、フィードローラ36の回転に伴ってピックアップローラ34が同方向に回転する。
37はゲートローラであり、フィードローラ36に対向配置され、その外周面にはフィードローラ36の溝部と山部に噛合う円周方向の全周に渡るリング状の溝部が1本設けられており、ゲートローラ軸37aを中心に紙幣の搬入時にはフィードローラ36と共に回転し、紙幣の繰出時には回転しない一方向回転機構を備えて紙幣入出金部13からフィードローラ36により繰出される紙幣を1枚毎に分離する機能を有している。
【0021】
39は紙幣ガイドであり、紙幣入出金部13のピックアップローラ34側に、紙幣の繰出方向の直交方向に往復移動可能に配置されており、図5に示すように、それぞれのピックアップローラ34に対応させて、その外周面を突出させるためのピックアップローラ34に接触しない程度の開口である第1の窓部39aが設けられている。
41は第1のビルプレスであり、紙幣ガイド39に対向して配置された板状部材であって、紙幣の繰出方向の直交方向に往復移動可能に配置され、図6に示すように、それぞれのピックアップローラ34に対応させて、その外周面を突出させるためのピックアップローラ34に接触しない程度の開口である第2の窓部41aが設けられている。
【0022】
42は第2のビルプレスであり、第1のビルプレス41を挟んでピックアップローラ34の反対側に配置された側面視台形状の厚板部材であって、第1のビルプレス41と対向して紙幣の繰出方向の直交方向に往復移動可能に配置されると共に、回転支点43を中心に回動可能に構成されており、そのピックアップローラ34側の面に、支持板30に向けて第1のビルプレス41から離れる方向に傾斜する斜面42aが設けられている。
【0023】
45はリジェクト集積ローラ部であり、集積ローラ軸46aを中心に回転可能に設けられた集積ローラ46と、これに対向配置されたプレッシャローラ軸47aを中心に回転可能に設けられたプレッシャローラ47とで構成されて、支持板30のフィードローラ36とは反対側の端部に配置されており、搬送路23により図3の矢印ニ方向へ搬送された投入リジェクト紙幣を、第2の集積空間32である第1のビルプレス41と第2のビルプレス42との間に集積する機能を有している。
【0024】
また、集積ローラ軸46aには、図7に示すように、複数の舌片48aを有する舌片車48が複数(本実施例では、集積ローラ46の間に2つ、それぞれの集積ローラ46の外側に各1つの合計4つ)取付けられおり、集積ローラ46と同方向に回転して、第2の集積空間32に集積される投入リジェクト紙幣の後端を叩き、その後端を第1のビルプレス41の方向に移動させる機能を有している。
【0025】
なお、本実施例の第1の集積空間31は、紙幣ガイド39と第1のビルプレス41との間で構成される。
51はピックアップローラ支持レバーであり、フィードローラ軸36aを中心に回動可能に構成された側面視L字状の支持部材であって、図5に示すように、フィードローラ軸36aの反対側に設けられたピックアップローラ軸34aを正逆回転可能に支持しており、ピックアップローラ34は、L字状の側板の間に配置されている。
【0026】
52はバネ部材としての圧縮コイルスプリングであり、一端を紙幣入出金部13のフレーム等に固定され、他端でピックアップローラ支持レバー51を押圧し、ピックアップローラ34を紙幣ガイド39の方向に付勢する機能を有している。
54はピックアップローラ位置検出センサであり、ピックアップローラ支持レバー51のL字状の一方の端部51aを光学的に検出してピックアップローラ34の位置を検出するセンサである。
【0027】
本実施例の紙幣入出金部13の支持板30は、図4に示すように、第2のビルプレス42が上方となるように、水平方向から10度以上、30度以下の範囲の所定の角度αで傾斜させた状態で設置されている。
上記の現金自動預払機1の主記憶部3には、顧客が選択した取引の入力を受付け、これを基にホストコンピュータと交信して顧客との取引処理を自動で行う機能等を有する通常の取引処理プログラムに、入金取引のときに、紙幣入出金機8の制御部11へ入金取引における投入紙幣の取込指令や取込まれた紙幣の収納指令等を送信する機能を有するアプリケーションプログラム等が追加された業務処理実行プログラムが予め格納されており、主制御部2が実行する業務処理実行プログラムのステップにより本実施例の現金自動預払機1のハードウェアとしての各機能手段が形成される。
【0028】
また、紙幣入出金機8の記憶部12には、入金取引のときに、主制御部2からの取込指令や収納指令にに基づいて、投入紙幣の取込処理や取込まれた紙幣の収納処理等を実行する機能を有する紙幣処理プログラムが予め格納されており、制御部11が実行する紙幣処理プログラムのステップにより本実施例の紙幣入出金機8のハードウェアとしての各機能手段が形成される。
【0029】
以下に、図8ないし図13を用いて、本実施例の紙幣入出金機8の投入紙幣の取込処理について説明する。
金融機関の店舗の係員が、始業時等に現金自動預払機1へ電源を投入すると、現金自動預払機1の主記憶部3に格納されている業務処理実行プログラムが自動的に起動される。
業務処理実行プログラムが起動すると、現金自動預払機1の主制御部2は業務処理実行プログラムによりその操作表示部4の画面に取引選択画面を表示して待機する。
【0030】
取引選択画面には、取引選択ボタンの押下を促す旨の文言と、出金取引のための「お引き出し」ボタンおよび入金取引のための「お預け入れ」ボタン、振込取引のための「お振り込み」ボタン等の取引を選択するための取引選択ボタンが表示されている。
本実施例では、顧客は入金取引を選択し、操作表示部4の画面から入力手段によってその取引選択ボタンを押下する。
【0031】
入力手段からの信号により顧客の選択した取引を入金取引と認識した主制御部2は、操作表示部4の画面に取引カードまたは通帳の挿入を促す旨の文言を表示する。
主制御部2は、顧客が取引カードをカード取扱部5に挿入、または通帳を通帳取扱部6に挿入すると、そのカード情報または通帳情報を読取り、操作表示部4に紙幣等の投入を促す文言を表示すると共に、紙幣入出金機8の制御部11へ投入紙幣の取込指令を送信する。
【0032】
取込指令を受信した制御部11は、図8に示すように、紙幣処理プログラムにより、紙幣入出金機構14の第2のビルプレス42をリジェクト集積ローラ部45の集積ローラ46とプレッシャローラ47との挟持部よりピックアップローラ34の反対側に移動させ、紙幣ガイド39を紙幣入出金口35の下方よりも第1のビルプレス41側に位置させ、第1のビルプレス41を紙幣入出金口35の下方よりも第2のビルプレス42側に位置させた状態でシャッタ33を開作動させ、紙幣ガイド39と第1のビルプレス41との間の第1の集積空間31を開放する。
【0033】
この場合に、ピックアップローラ34の第1のビルプレス41側の外周面は、紙幣ガイド39の第1の窓部39aから突出しない位置に停止している。
顧客が紙幣入出金部13の紙幣入出金口35から紙幣を投入すると、制御部11は、図示しないセンサによって第1の集積空間31に紙幣が投入されたことを認識し、タイマー機能により、紙幣の投入を認識してから所定の時間経過したときに、図9に示すように、シャッタ33を閉作動させる。
【0034】
これにより、紙幣ガイド39と第1のビルプレス41との間の支持板30上に、投入紙幣が立位で集積される。
シャッタ33を閉作動させた制御部11は、第1のビルプレス41を紙幣ガイド39の方向へ移動させ、紙幣ガイド39と第1のビルプレス41とによって支持板30上で投入紙幣を立位の状態で挟持し、その投入紙幣を挟持したまま紙幣ガイド39と第1のビルプレス41とをピックアップローラ34の方向へ移動させて、紙幣ガイド39の第1の窓部39aから突出してくるピックアップローラ34の外周面に当接させ、図10に示すように、紙幣ガイド39をピックアップローラ34に押圧された投入紙幣からピックアップローラ34の方向に退避させると共に、第1のビルプレス41を圧縮コイルバネ52の付勢力に抗して更に移動させ、ピックアップローラ位置検出センサ54がピックアップローラ支持レバー51の端部51aを検出したときに第1のビルプレス41を停止させる。
【0035】
これにより、支持板30上の投入紙幣が、圧縮コイルバネ52の付勢力により、第1のビルプレス41とピックアップローラ34の外周面との間に適切な押圧力で保持されると共に、第2のビルプレス42と第1のビルプレス41の背面(投入紙幣を押圧している面(押圧面という。)の反対側の面をいう。)との間に、リジェクト集積ローラ部45により搬入された投入リジェクト紙幣を集積する第2の集積空間32が形成される。
【0036】
第1のビルプレス41とピックアップローラ34との間に投入紙幣を保持した制御部11は、図11に示すように、ピックアップローラ34およびフィードローラ36を繰出方向(図11において反時計方向)に回転させ、フィードローラ36とゲートローラ37との間で1枚毎に分離しながら投入紙幣を搬送路23(図3参照)へ繰出す。
このとき、第1のビルプレス41には第2の窓部41aが設けられているが、紙幣の剛性を利用してピックアップローラ34を押圧することが可能であるので、ピックアップローラ34により投入紙幣を繰出すことができる。
【0037】
投入紙幣を搬送路23へ繰出した制御部11は、当該紙幣を図3に示す矢印イ、矢印ロの方向へ搬送し、鑑別部15によって当該紙幣の鑑別を行い、その鑑別結果が真券である場合は、切替ブレード24で当該紙幣の搬送方向を図3に示す矢印ハから矢印ホの方向に切替えて搬送し、鑑別した投入紙幣の金種毎の枚数を計数して算出した合計金額を記憶部12に記憶しながら、投入紙幣を一時保留部17に集積する。
【0038】
一方、制御部11は、鑑別結果が投入リジェクト紙幣である場合は、切替ブレード24でその投入リジェクト紙幣の搬送方向を図3に示す矢印ハから矢印ニの方向に切替えて搬送し、図11に示すように、搬送した投入リジェクト紙幣をリジェクト集積ローラ部45によって第2の集積空間32に集積する。
このとき、舌片車48が集積ローラ46と同方向に回転し、第2の集積空間32に集積される投入リジェクト紙幣の後端を叩いて、その後端を第1のビルプレス41の方向に移動させ、集積ローラ46とプレッシャローラ47との挟持部に投入リジェクト紙幣の後端が残留することを防止する。
【0039】
これにより、投入リジェクト紙幣が、第1のビルプレス41と第2のビルプレス42との間の支持板39上に集積される。
そして、鑑別部15における全ての投入紙幣の鑑別が終了し、鑑別した紙幣の一時保留部17または第2の集積空間32への集積の終了後に、投入リジェクト紙幣が存在する場合は、制御部11は、図12に示すように、紙幣ガイド39をシャッタ33の下方に移動させると共に、第2のビルプレス42をその斜面42aが第1のビルプレス41と平行になるように回動させながら第1のビルプレス41の方向に移動させ、第1のビルプレス41の背面と第2のビルプレス42の斜面42aとの間に投入リジェクト紙幣を挟持しながら紙幣ガイド39の方向に移動させ、第1のビルプレス41を紙幣ガイド39に当接させた後に、第2のビルプレス42をリジェクト集積ローラ部45の方向に移動させて、投入リジェクト紙幣の挟持を解除し、その状態でシャッタ33を開作動させて第2の集積空間32を開放すると共に、操作表示部4の画面に投入リジェクト紙幣の受取りを促す旨の文言を表示して顧客に投入リジェクト紙幣を返却する。
【0040】
次いで、制御部11は、図示しないセンサにより投入リジェクト紙幣の取出しを確認した後に、記憶部12に記憶した合計金額を読出し、操作表示部4の画面に、合計金額と金額確認を促す旨の文言、紙幣の再投入の有無を問う文言等を表示し、合計金額が確認されると、一時保留部17の紙幣を繰出して金種別に紙幣収納庫18に収納する収納処理を通常通りに実行して入金取引処理を終了する。
【0041】
この場合に、顧客が投入リジェクト紙幣を取忘れたときは、制御部11は投入リジェクト紙幣の収納処理を実行する。
すなわち、制御部11は、シャッタ33を開作動させた後に所定の時間を経過しても図示しないセンサが投入リジェクト紙幣の取出を検知しない場合は、投入リジェクト紙幣の取忘れが発生したことを判定し、図13に示すように、第2のビルプレス42を第1のビルプレス41の方向に移動させ、第1のビルプレス41の背面と第2のビルプレス42の斜面42aとの間に投入リジェクト紙幣を挟持し、その投入リジェクト紙幣を挟持したまま、紙幣ガイド39、第1および第2のビルプレス41、42をピックアップローラ34の方向へ移動させ、紙幣ガイド39の第1の窓部39aおよび第1のビルプレス41の第2の窓部41aから突出してくるピックアップローラ34の外周面に当接させ、図14に示すように、紙幣ガイド39および第1のビルプレス41をピックアップローラ34に押圧された紙幣からピックアップローラ34の方向に退避させると共に、第2のビルプレス42を圧縮コイルバネ52の付勢力に抗して更に移動させ、ピックアップローラ位置検出センサ54がピックアップローラ支持レバー51の端部51aを検出したときに第2のビルプレス42を停止させる。
【0042】
これにより、支持板30上の投入紙幣が、圧縮コイルバネ52の付勢力により、第2のビルプレス42の斜面42aとピックアップローラ34の外周面との間に適切な押圧力で保持され、ピックアップローラ34による投入リジェクト紙幣のフィードローラ36の方向への繰出しが可能になる。
第2のビルプレス42とピックアップローラ34との間に投入リジェクト紙幣を保持した制御部11は、図14に示すように、ピックアップローラ34およびフィードローラ36を繰出方向に回転させ、フィードローラ36とゲートローラ37との間で1枚毎に分離しながら投入リジェクト紙幣を搬送路23(図3参照)へ繰出し、繰出した投入リジェクト紙幣を図3に示す矢印ヘの方向に搬送して、取忘れ紙幣収納庫21に収納し、投入リジェクト紙幣の収納処理を終了する。
【0043】
このように、本実施例の紙幣入出金機構14は、紙幣ガイド39と第1のビルプレス41と第2のビルプレス42とにより、投入紙幣を集積する第1の集積空間31と投入リジェクト紙幣を集積する第2の集積空間32とを形成するので、図11に示すように、投入紙幣の分離中に投入リジェクト紙幣が発生したとしても、その投入リジェクト紙幣を第2の集積空間32へ搬送して容易に集積することができる。
【0044】
また、本実施例の紙幣入出金機構14に設ける移動体を、第1の窓部39aを有する紙幣ガイド39と第2の窓部41aを有する第1のビルプレス41と第2のビルプレス42とで構成したので、第1のビルプレスの可倒機構やリジェクトストッパの退避機構を省略して、紙幣入出金機構14の構成の簡素化を図ることができる。
更に、取り忘れられた投入リジェクト紙幣をピックアップローラ34の方向に移動させるときに、第1のビルプレス41と第2のビルプレス42との間に投入リジェクト紙幣を挟持して移動させるので、投入リジェクト紙幣のピックアップローラ34への押圧時に倒れ等が生ずることを防止することができ、投入リジェクト紙幣の繰出不良の発生を防止することができる。
【0045】
更に、投入リジェクト紙幣の返却時に、第1のビルプレス41と第2のビルプレス42との間に投入リジェクト紙幣を挟持する場合に、第2のビルプレス42をその斜面42aが第1のビルプレス41と平行になるように回動させながら第1のビルプレス41の方向に移動させるので、投入リジェクト紙幣の支持板30側の端部を斜面42aで掬い上げながら第1のビルプレス41の背面との間で挟持することができ、投入リジェクト紙幣の折れや倒れを防止して、投入リジェクト紙幣の繰出不良の発生を防止することができる。
【0046】
更に、本実施例の紙幣入出金機構14は、第2のビルプレス42が上方となるように傾斜させてあるので、紙幣ガイド39に投入紙幣を接触させた状態で受入れることができ、投入紙幣のピックアップローラへの押圧時における折れや倒れを防止して、投入紙幣の繰出不良の発生を防止することができる。
以上説明したように、本実施例では、投入紙幣と、投入リジェクト紙幣とを区分して集積する紙幣入出金機構に、支持板上に集積された紙幣を繰出すピックアップローラと、ピックアップローラ側に移動可能に配置され、ピックアップローラの外周面を突出させる第1の窓部を有する紙幣ガイドと、ピックアップローラを紙幣ガイドの方向に付勢するバネ部材と、紙幣ガイドに対向して移動可能に配置され、ピックアップローラの外周面を突出させる第2の窓部を有する第1のビルプレスと、第1のビルプレスを挟んでピックアップローラの反対側に、第1のビルプレスと対向して移動可能に配置された第2のビルプレスと、第1のビルプレスと第2のビルプレスとの間にリジェクト紙幣を集積するリジェクト集積ローラ部とを設け、紙幣ガイドと第1のビルプレスとの間に投入された投入紙幣を繰出す場合は、投入紙幣を、紙幣ガイドと第1のビルプレスとの間に挟持して、第1の窓部から突出させたピックアップローラの外周面で押圧し、第1のビルプレスと第2のビルプレスとの間に集積した投入リジェクト紙幣の取忘れが生じた場合は、投入リジェクト紙幣を、第1のビルプレスと第2のビルプレスとの間に挟持して、第1および第2の窓部から突出させたピックアップローラの外周面で押圧するようにしたことによって、紙幣入出金機構の構成の簡素化を図ることができると共に、投入リジェクト紙幣のピックアップローラへの押圧時に倒れ等が生ずることを防止することができ、投入リジェクト紙幣の繰出不良を防止することができる。
【実施例2】
【0047】
図15は実施例2の紙幣入出金部の構成を示す説明図、図16は図15の矢印C方向から見た紙幣繰出機構を示す説明図である。
なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
また、図15は紙面手前側のピックアップローラ34、フィードローラ36およびセンサローラ支持レバー62の手前側の側板を除いた状態で示した側面図である。
【0048】
図15、図16において、61はセンサローラであり、2つのピックアップローラ34の間に独立に設けられた、ピックアップローラ34に押圧される紙幣の位置を検出するためのローラであって、図16に示すように、フィードローラ軸36aを中心に回動可能に構成されたセンサローラ支持レバー62の、フィードローラ軸36aの反対側に設けられたセンサローラ軸61aに取付けられて、センサローラ支持レバー62の側板の間に回転可能に配置されている。
【0049】
63はバネ部材としての圧縮コイルスプリングであり、一端を紙幣入出金部13のフレーム等に固定され、他端でセンサローラ支持レバー62を押圧し、実施例1の圧縮コイルスプリング52に較べてかなり弱い付勢力で、センサローラ61を紙幣ガイド39の方向に付勢する機能を有している。
64はセンサローラ位置検出センサであり、センサローラ支持レバー62に設けられた検出板62aを光学的に検出してセンサローラ61の位置を検出するセンサである。
【0050】
また、検出板62aの端部の位置は、ピックアップローラ34の外周面が投入紙幣に当接したときからの圧縮コイルバネ52の変位量が適切となる位置、つまりピックアップローラ34による投入紙幣への押圧力が適切となる位置に設定されている。
本実施例の紙幣ガイド39には、図16に示すように、センサローラ61に対応させて、その外周面を突出させるためのセンサローラ61に接触しない程度の開口であるセンサ窓部65が設けられている。
【0051】
以下に、図17、図18を用いて、本実施例の紙幣入出金機8の投入紙幣の取込処理について説明する。
取込指令を受信した制御部11が、顧客の紙幣の投入後に、シャッタ33を閉作動させるまでの作動は、上記実施例1と同様であるのでその説明を省略する。
この場合に、センサローラ61の第1のビルプレス41側の外周面は、図15に示すように、ピックアップローラ34の第1のビルプレス41側の外周面と同様の位置で、紙幣ガイド39のセンサ窓部65から突出しない位置に停止している。
【0052】
シャッタ33を閉作動させた制御部11は、上記実施例1と同様に、紙幣ガイド39と第1のビルプレス41とによって支持板30上で紙幣を立位の状態で挟持したままピックアップローラ34の方向へ移動させて、紙幣ガイド39の第1の窓部39aおよびセンサ窓部から突出してくるピックアップローラ34およびセンサローラ61の外周面に当接させ、図17に示すように、紙幣ガイド39をピックアップローラ34およびセンサローラ61に押圧された紙幣からピックアップローラ34の方向に退避させると共に、第1のビルプレス41を圧縮コイルバネ52および圧縮コイルバネ63の付勢力に抗して更に移動させ、センサローラ位置検出センサ64がセンサローラ支持レバー62の検出板61aの端部を検出したときに、投入紙幣がピックアップローラ34の圧縮コイルバネ52により適切な押圧力で押圧されたと判定して、第1のビルプレス41を停止させる。
【0053】
これにより、支持板30上の投入紙幣が、圧縮コイルバネ52の付勢力により、第1のビルプレス41の第2の窓部41aに押し込まれる前に、第1のビルプレス41とピックアップローラ34の外周面との間に更に適切な押圧力で保持されると共に、実施例1と同様に、投入リジェクト紙幣を集積する第2の集積空間32が形成される。
その後の投入紙幣の一時保留部17への集積、投入リジェクト紙幣の第2の集積空間32への集積、投入リジェクト紙幣の返却、紙幣収納庫18への収納の作動は、上記実施例1と同様であるのでその説明を省略する。
【0054】
以下に、取忘れられた投入リジェクト紙幣の収納処理の作動について説明する。
制御部11は、シャッタ33を開作動させた後に所定の時間を経過しても図示しないセンサが投入リジェクト紙幣の取出を検知しない場合は、投入リジェクト紙幣の取忘れが発生したことを判定し、上記実施例1と同様に、第1のビルプレス41の背面と第2のビルプレス42の斜面42aとの間に投入リジェクト紙幣を挟持したまま、紙幣ガイド39、第1および第2のビルプレス41、42をピックアップローラ34の方向へ移動させ、紙幣ガイド39の第1の窓部39aおよび第1のビルプレス41の第2の窓部41aから突出してくるピックアップローラ34の外周面に当接させ、紙幣ガイド39および第1のビルプレス41をピックアップローラ34に押圧された紙幣からピックアップローラ34の方向に退避させる。
【0055】
このとき、図18に示すように、センサローラ61が第1のビルプレス41の押圧面に押されて紙幣ガイド39のセンサ窓部65内に停止する。
そして、制御部11は、第2のビルプレス42を圧縮コイルバネ52の付勢力に抗して更に移動させ、ピックアップローラ位置検出センサ54がピックアップローラ支持レバー51の端部51aを検出したときに、第2のビルプレス42を停止させる。
【0056】
これにより、上記実施例1と同様に、支持板30上の投入紙幣が、圧縮コイルバネ52の付勢力により、第2のビルプレス42の斜面42aとピックアップローラ34の外周面との間に適切な押圧力で保持され、ピックアップローラ34による投入リジェクト紙幣のフィードローラ36の方向への繰出しが可能になる。
その後の投入リジェクト紙幣の取忘れ紙幣収納庫21への収納の作動は、上記実施例1と同様であるのでその説明を省略する。
【0057】
このように、本実施例の紙幣入出金機構14は、実施例1の構成に加えて、ピックアップローラ34に押圧される紙幣の位置を検出するためのセンサローラ61が設けてあるので、ピックアップローラ34によって押圧された紙幣が、第1のビルプレス41の第2の窓部41aに押し込まれる前に、第1のビルプレス41を停止させることができ、投入紙幣の繰出を円滑に行うことができる。
【0058】
なお、本実施例では、センサローラ61の外周面を突出させるセンサ窓部65は、2つのピックアップローラ34の間、つまり紙幣ガイド39の2つの第1の窓部39aの間に設けるとして説明したが、紙幣ガイド39の第1の窓部39aを除く領域で、紙幣を押圧することができる位置であれば、どの位置に設けてもよい。
以上説明したように、本実施例では、上記実施例1と同様の効果に加えて、ピックアップローラ側に紙幣ガイドの方向に付勢されたセンサローラを設けると共に、紙幣ガイドの第1の窓部を除く領域にセンサローラの外周面を突出させるセンサ窓部を設け、投入紙幣をピックアップローラで押圧する場合に、センサローラが投入紙幣を検出したときに、第1のビルプレスを停止させるようにしたことによって、ピックアップローラによって押圧された紙幣が、第1のビルプレスの第2の窓部に押し込まれる前に、第1のビルプレスを停止させることができ、投入紙幣の繰出しを更に円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】実施例1の現金自動預払機を示すブロック図
【図2】実施例1の紙幣入出金機を示すブロック図
【図3】図3は実施例1の紙幣入出金機の構成を示す説明図
【図4】実施例1の紙幣入出金部の構成を示す説明図
【図5】図4の矢印A方向から見た紙幣繰出機構を示す説明図
【図6】図4の矢印A方向から見た第1のビルプレスを示す説明図
【図7】図4の矢印B方向から見た集積ローラ軸を示す説明図
【図8】実施例1の投入紙幣の集積状態を示す説明図
【図9】実施例1の投入紙幣の挟持状態を示す説明図
【図10】実施例1の投入紙幣のピックアップローラへの押圧状態を示す説明図
【図11】実施例1の投入紙幣の繰出状態および投入リジェクト紙幣の集積状態を示す説明図
【図12】実施例1の投入リジェクト紙幣の返却状態を示す説明図
【図13】実施例1の投入リジェクト紙幣の挟持状態を示す説明図
【図14】実施例1の投入リジェクト紙幣のピックアップローラへの押圧状態を示す説明図
【図15】実施例3の紙幣入出金部の構成を示す説明図
【図16】図15の矢印C方向から見た紙幣繰出機構を示す説明図
【図17】実施例2の投入紙幣のピックアップローラへの押圧状態を示す説明図
【図18】実施例2の投入リジェクト紙幣のピックアップローラへの押圧状態を示す説明図
【符号の説明】
【0060】
1 現金自動預払機
2 主制御部
3 主記憶部
4 操作表示部
5 カード取扱部
6 通帳取扱部
7 硬貨入出金機
8 紙幣入出金機
11 制御部
12 記憶部
13 紙幣入出金部
14 紙幣入出金機構
15 鑑別部
17 一時保留部
18 紙幣収納庫
20 非循環紙幣収納庫
21 取忘れ紙幣収納庫
23 搬送路
24 切替ブレード
30 支持板
31 第1の集積空間
32 第2の集積空間
33 シャッタ
34 ピックアップローラ
34a ピックアップローラ軸
35 紙幣入出金口
36 フィードローラ
36a フィードローラ軸
37 ゲートローラ
37a ゲートローラ軸
39 紙幣ガイド
39a 第1の窓部
41 第1のビルプレス
41a 第2の窓部
42 第2のビルプレス
42a 斜面
43 回転支点
45 リジェクト集積ローラ部
46 集積ローラ
46a 集積ローラ軸
47 プレッシャローラ
47a プレッシャローラ軸
48 舌片車
48a 舌片
51 ピックアップローラ支持レバー
52、63 圧縮コイルスプリング
54 ピックアップローラ位置検出センサ
61 センサローラ
61a センサローラ軸
62 センサローラ支持レバー
64 センサローラ位置検出センサ
65 センサ窓部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入された紙幣と、前記投入紙幣の内のリジェクト紙幣とを区分して集積する紙幣入出金機構において、
集積された紙幣を支持する支持板と、
前記支持板上に集積された紙幣を、前記支持板の直交方向に繰出すピックアップローラと、
前記ピックアップローラ側に、前記ピックアップローラによる紙幣の繰出方向の直交方向に移動可能に配置され、前記ピックアップローラの外周面を突出させる第1の窓部を有する紙幣ガイドと、
前記ピックアップローラを、前記紙幣ガイドの方向に付勢するバネ部材と、
前記紙幣ガイドに対向して前記繰出方向の直交方向に移動可能に配置され、前記ピックアップローラの外周面を突出させる第2の窓部を有する第1のビルプレスと、
前記第1のビルプレスを挟んで前記ピックアップローラの反対側に、前記第1のビルプレスと対向して前記繰出方向の直交方向に移動可能に配置された第2のビルプレスと、
前記第1のビルプレスと前記第2のビルプレスとの間に、前記リジェクト紙幣を集積するリジェクト集積ローラ部と、を設け、
前記紙幣ガイドと前記第1のビルプレスとの間に投入された紙幣を繰出す場合は、前記投入紙幣を、前記紙幣ガイドと前記第1のビルプレスとの間に挟持して、前記第1の窓部から突出させた前記ピックアップローラの外周面で押圧し、
前記リジェクト集積ローラ部により前記第1のビルプレスと第2のビルプレスとの間に集積したリジェクト紙幣の取忘れが生じた場合は、前記リジェクト紙幣を、前記第1のビルプレスと前記第2のビルプレスとの間に挟持して、前記第1および第2の窓部から突出させた前記ピックアップローラの外周面で押圧することを特徴とする紙幣入出金機構。
【請求項2】
請求項1において、
前記第2のビルプレスを回動可能に構成すると共に、前記第2のビルプレスの前記ピックアップローラ側の面に、前記支持板に向けて前記第1のビルプレスから離れる方向に傾斜する斜面を設け、
前記リジェクト紙幣を、前記第1のビルプレスとの間に挟持するときに、前記第2のビルプレスを、前記斜面が前記第1のビルプレスと平行になるように回動させることを特徴とする紙幣入出金機構。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記ピックアップローラ側に、前記紙幣ガイドの方向に付勢されたセンサローラを設けると共に、前記紙幣ガイドの前記第1の窓部を除く領域に、前記センサローラの外周面を突出させるセンサ窓部を設け、
前記投入紙幣を、前記ピックアップローラの外周面で押圧する場合に、前記センサローラが投入紙幣を検出したときに、前記第1のビルプレスの移動を停止させることを特徴とする紙幣入出金機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−108159(P2010−108159A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278489(P2008−278489)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】