説明

紙幣挟持装置

【課題】光源を使用せずに、紙幣を差し込むだけで、容易に紙幣の真贋を確認できる。
【解決手段】水平片2と傾斜片3とから無色透明の第一部材1とする。傾斜したU字状の第一片6と第二片7、水平の第三片8とから黒色透明の第二部材5とする。傾斜片3を、第一片6と第二片7の間隙に差し込み、傾斜片3と第二片7とを密着固定する。傾斜片3と第一片6との間は接着されず、紙幣挟持部を形成する。水平片2の上面2aに白色不透明の反射シール4を貼り、紙幣挟持装置10を構成する。レジスター等に載置した紙幣挟持装置10に矢示16のように、紙幣13を差し込み(a)、紙幣13は傾斜片3と第一片6とに挟まれて保持される。第一片56に紙幣13の透かし部14を位置させると(b)、蛍光灯等の照明が反射シール4に反射し、紙幣13の透かし部14の他面14bに当たり、第一片6に透かし15が浮き上がる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スーパーのレジスター等に設置して、あるいはレジスター等の一部となって、紙幣を一時的に挟んで、透かしの有無を確認する紙幣挟持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷技術の発達により、家庭のパソコンを使って、精巧な印刷を施した偽造紙幣が印刷できるようになり、安易な犯罪も発生している。しかしながら、偽造紙幣では、透かしを入れることができず、透かしの有無の判断が最も簡易でかつ、確実な紙幣の真贋判断方法である。
【0003】
従来の透かしを判断する装置は、種々提案されているが、例えば、レジスターに光源を設置して、光源の前に紙幣の保持具を設けたレジスターが提案されている(特許文献1)。また、裏から光を当てる照明装置を取り付けたキャッシュトレーの提案もあった(特許文献2)。
【特許文献1】特開2000−304670
【特許文献2】特開2003−216998
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の発明は、いずれも光源を必要とし、電池や電灯線での電源供給が必須であり、装置の小型化を図れなかった。また、スーパーなどのレジ業務は、開店から閉店まで長時間に亘るので、各種センサーでオンオフを制御することも可能であるが、ぼぼ常時、光源がオン状態となるので、光源の消耗も早く、光源のランプ類や電源関係の交換も頻繁に生じ、メンテナンスが煩雑となる問題点があった。
【0005】
更に、いかにも紙幣の透かしをチェックしている形態を示す実施態様となり、また、紙幣を挟んだり、置いたりした状態で、光源から光があたるので、顧客が払った紙幣の真贋をチェックしていることがわかり、顧客に不快感を与えかねない問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
然るにこの発明は、反射部を設けて周囲の照明を利用して、紙幣の透かし部に光を当て、更に紙幣に当接する有色透明部を設けたので、光源を不要とし、前記問題点を解決した。
【0007】
即ちこの発明は、レジスター等に載置でき、又は前記レジスター等の一部を構成する基台部と、該基台部に固定された紙幣挟持部とからなり、前記紙幣挟持部は、紙幣を挟むことができる挟持部本体と透かし確認部とからなり、前記透かし確認部は、前記紙幣の透かし部の一面に当接する有色透明部を有することを特徴とする紙幣挟持装置である。
【0008】
また、他の発明は、レジスター等に載置でき、又は前記レジスター等の一部を構成する基台部と、該基台部に固定された紙幣挟持部とからなり、前記紙幣挟持部は、紙幣を挟むことができる挟持部本体と透かし確認部とからなり、前記透かし確認部は、前記紙幣の透かし部の一面に当接する有色透明部を有し、前記紙幣の透かし部の他面側に光を当てる反射部を、「前記透かし確認部」又は「前記レジスター等の一部」に形成したことを特徴とする紙幣挟持装置である。
【0009】
更に、レジスター等に載置でき、又は前記レジスター等の一部を構成する基台部と、該基台部に固定された紙幣挟持部とからなる紙幣を挟持できる装置であって、以下のような構造を特徴とした紙幣挟持装置である。
(1) 前記紙幣挟持部は、黒色透明板を有する。
(2) 前記黒色透明板は、紙幣の透かし部の一面に当接して、紙幣の透かし部の全部又は一部に重なる。
(3) 「前記紙幣挟持部」又は「前記レジスター等の一部」に反射板を設ける。
(4) 前記反射板は、前記紙幣の透かし部の他面側に位置し、前記紙幣の透かし部の他面側に光を当てることができるように、前記黒色透明板と180度以下の角度を保つ位置に配置される。
【0010】
前記における「紙幣」とは、紙幣に代表される透かしを施したシート状の物を指し、証券類等も含む。
【0011】
また、前記における「有色透明板」とは、光を透過する性質を有する材料で、着色され、無透明に比して透過性を抑制した性質を有する板を指す。いわゆるグレースモーク、ブラウンスモーク、ブルースモーク、ミスティスモーク、カーマイン(赤透明)、レモン透明、オレンジ透明、スカイブルー透明、コバルト透明、パープル透明、グリーン透明、蛍光イエロー、蛍光グリーン等を含む。また、「黒色透明板」は、前記「有色透明板」の内で、黒に代表される暗い色に着色され、グレースモーク、ブラウンスモーク、ブルースモーク等のように、より透過性を抑制した性質を有する板を指す。
【0012】
また、前記における「レジスター等」とはレジスターに代表される紙幣を扱う際に、周辺で使用される機械器具を指し、金庫、パソコン、机、テーブル類等の汎用機械器具も含む。
【発明の効果】
【0013】
レジスター等に載置できる基台部を設けたので、既存のレジスター等に置き、あるいは粘着テープや磁石で取り付けることができ、レジスターの狭い表面スペースを有効に使って、容易に設置でき、または予めレジスター等に組み込むことができる。また、紙幣挟持部に紙幣を挟んだ状態で、蛍光灯等の室内光を反射させて、紙幣の透かし部の他側に光を当て、更に一側に位置する有色透明部で光の透過量を制限できるので、透かし表面への照射光を制限して、もしくは紙幣の透かし部表面での反射光を制限して、透かし確認部に透かしを表すことができる。
【0014】
従って、この発明は、周囲の光を反射して利用できるので、この発明の紙幣挟持装置用に別途の光源を不要とし、従来から、紙幣を一時的に挟むクリップと同様の構造に形成でき、容易に紙幣の透かしの有無の確認により、真贋を確認できる。
【0015】
また、紙幣を一時的に挟むクリップと同様の構造に形成でき、かつ光源が不要であるので、顧客に透かしをチェックしていることを悟られず、紙幣の真贋をチェックできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[1]第一実施形態
【0017】
図1(a)、図4、図5に基づきこの発明の実施態様を説明する。
【0018】
(1−1)紙幣挟持装置10の構成
【0019】
無色透明の樹脂材からなり、水平片2と傾斜片3とを角度θ(θ=約45度)で配置した略V字状の一体の第一部材1を形成する。
【0020】
黒色透明の樹脂材からなり、第一片6の上端にU字状に折り曲げて、間隙9を保持して第二片7を連設し、第一片6の下端に角度「180度−θ」で連設した第三片8から一体の第二部材5を構成する。
【0021】
第一部材1の傾斜片3の上端側を、第二部材5の第一片6と第二片7の間の間隙9に差し込み、第一部材1の傾斜片3の裏面3b側と第二部材5の第二片7とを密着固定する。この状態で、第一部材1の傾斜片3と第二部材5の第一片6、第二片7とが重なり、傾斜片3と第一片6との間は接着されず、紙幣挟持部を形成する。第一部材1の水平片2と第二部材5の第三片8とは並行に形成される。
【0022】
水平片2の上面2a(傾斜片側)に白色不透明の反射シール4を貼る。以上のようにして、この発明の紙幣挟持装置10を構成する。第一部材1の傾斜片3と第二部材5の第三片8との間は角θ(=θ)で形成される。
【0023】
前記おいて、第一部材1の水平片2(下面2b)が基台部を構成する(図1(a))。また、第一部材1の傾斜片3と第二部材5の第一片6とで挟持部本体を構成する。また、第二部材5の第一片6が透かし確認部の有色透明部を構成する。即ちこの実施態様では、第二部材5の第一片6が有色透明部と挟持部本体とを兼ねている。また、第一部材1の水平片2の上面2a(反射シール4を貼ってある)が透かし確認部の反射部を構成する。
【0024】
(1−2)紙幣挟持装置10の使用
【0025】
レジスター12に、紙幣挟持装置10の第一部材1の水平片2の下面2bを固定して使用する(図5(a))。
【0026】
第一部材1の傾斜片3と第二部材5の第三片8との間により案内して、矢示16のように、紙幣13を差し込み(図4(a))、紙幣13は第一部材1の傾斜片3と第二部材5の第一片6とに挟まれて保持される。
【0027】
第二部材5の第一片6に紙幣13の透かし部14を位置させ、透かし部14の一面14aが第二部材5の第一片6の面に沿って当接する(図4(b)、図5(b))。この際、蛍光灯等の照明が反射シール4に反射して、光は透明の傾斜片3を透過して紙幣13の透かし部14の他面14bに当たり、透かし部14の一面14aが密着された第二部材5の第一片6に透かし15を浮き上がらせる。
【0028】
従って、レジスター12の操作者は、顧客から預かった紙幣13を紙幣挟持装置10に差し込むだけで、あらためて透かし15を確認する作業をすることなく、容易に紙幣13の真贋を確認できる。
【0029】
(1−3)他の実施態様
【0030】
前記において、第一部材1の水平片2と第二部材5の第三片8とは並行に形成され、第三片8と傾斜片3とが角θで配置されるが、紙幣挟持部へ紙幣13の挿入を案内できれば、即ち第三片8と傾斜片3との成す角θが鋭角となれば、θは任意である。
【0031】
また、角θ≠θ、とすることもできる(図示していない)。
【0032】
また、前記において、第一部材1の水平片2に白色の反射シール4を貼ったが、傾斜片3を無色透明で、水平片2を白色不透明で形成できれば、反射シール4は不要である。更に、第一部材1は水平片2と傾斜片3とを一体に形成したが、透明の傾斜片3、白色の水平片2となるように別部材で形成することもできる。
【0033】
また、反射シール4は、照明等の光を反射できれば、白色以外でも可能であり、例えば鏡面、銀色等に形成することもできる(図示していない)。また、第二部材5の第一片6と成す角θも、紙幣13の透かし部14の他面14bに光を当てることができれば、任意であり、通常は180度以下とする。
【0034】
また、前記において、蛍光灯や他の照明器具から直接に光が、あるいは設置したレジスター等の表面で反射した光が、または、レジスター等に設置された照明器具からの光が、紙幣13の他面14bに直接当たる環境にあれば、反射シール4を不要にすることもできる(図示していない)。また、この場合、反射シール4を除いた際に、水平片2の表面の状態も当然に任意である。
【0035】
また、前記実施例において、傾斜片3を直接にレジスター等の表面に固定することもできる(図示していない)。この場合には、水平片2は、レジスター等の表面(レジスター等の一部)から構成される。
【0036】
[2]第二実施形態
【0037】
図1(b)、図2(b)、図6、図7、図10、図11に基づきこの発明の他の実施態様を説明する。
【0038】
(2−1)紙幣挟持装置10の構成
【0039】
白色不透明の樹脂材からなり、下部水平片19の上縁に角θ(θ=約135度)で傾斜片20を連設し、傾斜片20の上縁に、角θで上部水平片21を連設して、一体の第一部材18を形成する。
【0040】
黒色透明の樹脂材からなり、水平の第二片27の一端に角θで、傾斜した第一片24を連設して、第二部材23を構成する。第一片24は上部25と下部26に区画される。
【0041】
第一部材18の下部水平片19の上面19aに、第二部材23の第二片27の下面27bを密着固定する。この状態で、第一部材18の傾斜片20と第二部材23の第一片24の下部26が重なり、傾斜片20と第一片24の下部26との間は接着されず、紙幣挟持部を形成する。第一部材18の上部水平片21と第二部材23の第一片24の上部25とは、角度θ(θ=180度−θ)で形成される。
【0042】
以上のようにして、この発明の紙幣挟持装置10を構成する(図1(b))。
【0043】
前記おいて、第一部材18の下部水平片19が基台部を構成する。また、第一部材18の傾斜片20と第二部材23の第一片24の下部26とで挟持部本体を構成する。また、第二部材23の第一片24の上部25が透かし確認部の有色透明部を構成する。また、第一部材18の上部水平片21の上面21aが透かし確認部の反射部を構成する。
【0044】
(2−2)紙幣挟持装置10の使用
【0045】
レジスター12に、紙幣挟持装置10の第一部材18の下部水平片19の下面19bを固定して使用する(図7(a))。
【0046】
第一部材18の上部水平片21と第二部材23の第一片24の上部25との間により案内して、矢示16のように、紙幣13を差し込み(図6(a))、紙幣13は第一部材18の傾斜片20と第二部材23の第一片24の下部26とで挟まれ、保持される。第二部材23の第一片24の上部25に紙幣13の透かし部14を位置させ、透かし部14の一面14aが第二部材23の第一片24の上部25の面に沿って当接する(図6(b)、図7(b))。この際、蛍光灯等の照明が第一部材18の上部水平片21の上面21aに反射して、光は紙幣13の透かし部14の他面14bに当たり、第二部材23の第一片24の上部25に透かし15を浮き上がらせる。
【0047】
従って、第一の実施態様と同様に、レジスター12の操作者は、顧客から預かった紙幣13を紙幣挟持装置10に差し込むだけで、改めて透かしを確認する作業をすることなく、容易に紙幣13の真贋を確認できる。
【0048】
(2−3)他の実施態様
【0049】
前記において、第一部材18は白色不透明の樹脂材で形成したが、上部水平片21の上面21aで反射部を形成できれば(例えば、第一実施態様の反射シール4を添付する等)、他の構成は任意である(図示していない)。また、上部水平片21が第二部材23の第一片24の上部25と成す角θも、紙幣13の透かし部14の他面14bに光を当てることができれば、任意であり、通常は180度以下とする。
【0050】
また、前記において、蛍光灯や他の照明器具から直接に光が、あるいは設置したレジスター等の表面で反射した光が、または、レジスター等に設置された照明器具の光が、紙幣13の他面14bに直接当たる環境にあれば、第一部材18の上部水平片21の上面21aの表面は反射の機能は不要であり、任意な構成とすることもできる。例えば、水平片21自体を省略することもできる(図示していない)。
【0051】
また、前記において、角θを135度で形成したが、作業効率上110度〜150度で形成することが望ましいが、他の鈍角で形成することもできる。例えば、角θ=120度で形成することができる(図2(b)、図10、図11)。
【0052】
また、前記において、角θ≠(180度−θ)、とすることもできる(図示していない)。
【0053】
また、前記において、「下部水平片19」又は「下部水平片19及び/又は第二片27」を省略して、「傾斜片20」及び/又は「第一片24の下部26」を直接にレジスター等に固定して構成することもできる(図示していない)。
【0054】
また、他の態様は実施態様1と同様である。
【0055】
[3]第三実施形態
【0056】
図2(a)、図8、図9に基づきこの発明の他の実施態様を説明する。
【0057】
(3−1)紙幣挟持装置10の構成
【0058】
白色不透明の樹脂材からなり、垂直片30の上端に、角θ(θ=120度)を成す傾斜片33を連設して、一体の第一部材29を形成する。垂直片30は上部31と下部32に区分される。
【0059】
黒色透明の平板の樹脂材からなり、上部36、中間部37及び下部38からなる第二部材35を構成する。
【0060】
第一部材29の垂直片30の下部32の一面32aに、第二部材35の下部38の一面38aを密着固定する。この状態で、第一部材29の垂直片30の上部31と、第二部材の中間部37が重なり、垂直片30の上部31と第二部材35の中間部37との間は接着されず、紙幣挟持部を形成する。第一部材29の傾斜片33と第二部材35の上部36とは、角度θ(=180度−θ)で形成される。
【0061】
以上のようにして、この発明の紙幣挟持装置10を構成する(図2(a))。
【0062】
前記おいて、「第一部材29の垂直片30の下部32の他面32b」及び/又は「第二部材35の下部38の他面38b」が基台部を構成する。また、第一部材29の垂直片30の上部31と第二部材35の中間部37とで挟持部本体を構成する。また、第二部材35の上部36が透かし確認部の有色透明部を構成する。また、第一部材29の傾斜片33の上面33aが透かし確認部の反射部を構成する。
【0063】
(3−2)紙幣挟持装置10の使用
【0064】
レジスター12に、紙幣挟持部10の第一部材29の垂直片30の下部32の他面32bを固定して使用する(図9(a))。
【0065】
第一部材29の傾斜片33と第二部材35の上部36との間により案内して、矢示16のように、紙幣13を差し込み(図8(a))、紙幣13は第一部材29の垂直片30の上部31と第二部材35の中間部37とで挟まれ、保持される。第二部材35の上部36に紙幣13の透かし部14を位置させ、透かし部14の一面14aが第二部材35の上部36の面に沿って当接する(図8(b)、図9(b))。この際、蛍光灯等の照明が第一部材29の傾斜片33の上面33aに反射して、光は紙幣13の透かし部14の裏面14bに当たり、第二部材35の上部36に透かし15を浮き上がらせる。
【0066】
従って、第一の実施態様と同様に、レジスター12の操作者は、顧客から預かった紙幣13を紙幣挟持装置10に差し込むだけで、改めて透かし15を確認する作業をすることなく、容易に紙幣13の真贋を確認できる。
【0067】
(3−3)他の実施態様
【0068】
前記実施態様において、角度θ(=180度−θ)は、実施態様1、2と同様に、紙幣13の挿入を案内できれば、通常は鋭角が望ましいが、θは任意である(図示していない)。
【0069】
また、前記において、傾斜片33と第二部材35の上部36と成す角θも、紙幣13の透かし部14の他面14bに光を当てることができれば、任意であり、通常は180度以下とする。
【0070】
また、前記において、蛍光灯や他の照明器具から直接に光が、あるいは設置したレジスター等の表面で反射した光が、またはレジスター等に設置した証明器具からの光が、紙幣13の他面14bに直接当たる環境にあれば、第一部材29の傾斜片33の上面33aの表面の反射の機能は不要であり、任意な構成とすることもできる。例えば、傾斜片33自体を省略することもできる(図示していない)。
【0071】
また、前記において、「垂直片30の下部32」及び/又は「第二部材35の下部38」を省略して、レジスター等に「垂直片30の上部31」及び/又は「第二部材35の中間部37」を直接に固定して構成することもできる(図示していない)。
【0072】
また、他の態様は実施態様1〜2と同様である。
【0073】
[4]第四実施形態
【0074】
図3、図12〜図15に基づきこの発明の他の実施態様を説明する。
【0075】
(4−1)紙幣挟持装置10の構成
【0076】
白色不透明の樹脂材からなり、下部水平片42の一縁に角θ(θ=約60度)で傾斜片43を連設し、傾斜片43の上縁に、角「180度−θ」(θ=θ)で上部水平片44を連設して、一体の第一部材41を形成する。
【0077】
黒色透明の樹脂材からなり、水平の第二片50の一縁に角θで、傾斜した第一片47を連設して、第二部材46を構成する。第一片47は、上部48と下部49に区画される。
【0078】
第一部材41の下部水平片42の下面42bに、第二部材46の第二片50の上面50aを密着固定する。この状態で、第一部材41の傾斜片43と第二部材46の第一片47の下部49が重なり、傾斜片43と第二部材46の第一片47の下部49との間は接着されず、紙幣挟持部を形成する。第一部材41の上部水平片44と第二部材46の第一片47の上部48とは、角度θ(θ=θ)で形成される。
【0079】
以上のようにして、この発明の紙幣挟持装置10を構成する(図3(a))。
【0080】
前記おいて、第二部材46の第二片50及び/又は、第一部材41の下部水平片42が基台部を構成する。また、第一部材41の傾斜片43と第二部材46の第一片47の下部49とで挟持部本体(紙幣挟持部)を構成する。また、第二部材46の第一片47の上部48が透かし確認部の有色透明部を構成する。また、第一部材41の上部水平片44の上面44aが透かし確認部の反射部を構成する。
【0081】
(4−2)紙幣挟持装置10の使用
【0082】
レジスター12に、紙幣挟持装置10の第二部材46の第二片50の下面50bを固定して使用する(図13(a))。
【0083】
第一部材41の上部水平片44と第二部材46の第一片47の上部48との間により案内して、矢示16のように、紙幣13を差し込み(図12(a))、紙幣13は第一部材41の傾斜片43と第二部材46の第一片47の下部49とで挟まれ、保持される。第二部材46の第一片47の上部48に紙幣13の透かし部14を位置させ、透かし部14の一面14aが第二部材46の第一片47の上部48の面に沿って当接する(図12(b)、図13(b))。この際、蛍光灯等の照明が第一部材41の上部水平片44の上面44aに反射して、光は紙幣13の透かし部14の他面14bに当たり、第二部材46の第一片47の上部48に透かし15を浮き上がらせる。
【0084】
従って、第一の実施態様と同様に、レジスター12の操作者は、顧客から預かった紙幣13を紙幣挟持装置10に差し込むだけで、改めて透かしを確認する作業をすることなく、容易に紙幣13の真贋を確認できる。
【0085】
(4−3)他の実施態様
【0086】
前記において、上部水平片44と第二部材46の第一片47の上部48と成す角θも、紙幣13の透かし部14の他面14bに光を当てることができれば、任意であり、通常は180度以下とする。
【0087】
また、前記において、蛍光灯や他の照明器具から直接に光が、あるいは設置したレジスター等の表面で反射した光が、または、レジスター等に設置した証明器具からの光が、紙幣13の他面14bに直接当たる環境にあれば、第一部材41の上部水平片44の上面44aの表面の反射の機能は不要であり、任意な構成とすることもできる。例えば、上部水平片44自体を省略することもできる(図示していない)。
【0088】
また、前記において、上部水平片44は水平でなくとも、即ち角θ=60度(=θ)としたが、実施態様1と同様に、紙幣13の挿入を案内できれば、通常は鋭角が望ましいが、θ任意である(図示していない)。例えば、θ=θ=45度とすることもできる(図3(b)、図14、図15)。
【0089】
また、前記において、上部水平片42は水平でなくとも、即ち角θ≠θ、とすることもできる(図示していない)。
【0090】
また、前記において、「第一部材41の下部水平片42」及び/又は「第二部材46の第二片50」を省略して、「第一片47の下部49」及び/又は「第一部材41の傾斜片43」を直接にレジスター等に固定して構成することもできる(図示していない)。
【0091】
また、他の態様は実施態様1〜3と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】(a)はこの発明の実施態様1、(b)は実施態様2の斜視図である。
【図2】(a)は、同じくこの発明の実施態様3、(b)は実施態様2の他の態様の斜視図である。
【図3】(a)は、同じくこの発明の実施態様4、(b)は他の態様の斜視図である。
【図4】この発明の実施態様1の斜視図で、(a)は紙幣挟持前(b)は紙幣挟持状態を表す。
【図5】同じく、実施態様1で、レジスターに取り付けた状態の斜視図で、(a)は紙幣挟持前(b)は紙幣挟持状態を表す。
【図6】この発明の実施態様2の斜視図で、(a)は紙幣挟持前(b)は紙幣挟持状態を表す。
【図7】同じく、実施態様2で、レジスターに取り付けた状態の斜視図で、(a)は紙幣挟持前(b)は紙幣挟持状態を表す。
【図8】この発明の実施態様3の斜視図で、(a)は紙幣挟持前(b)は紙幣挟持状態を表す。
【図9】同じく、実施態様3で、レジスターに取り付けた状態の斜視図で、(a)は紙幣挟持前(b)は紙幣挟持状態を表す。
【図10】この発明の実施態様2の他の態様の斜視図で、(a)は紙幣挟持前(b)は紙幣挟持状態を表す。
【図11】同じく、実施態様2の他の態様で、レジスターに取り付けた状態の斜視図で、(a)は紙幣挟持前(b)は紙幣挟持状態を表す。
【図12】この発明の実施態様4の斜視図で、(a)は紙幣挟持前(b)は紙幣挟持状態を表す。
【図13】同じく、実施態様4で、レジスターに取り付けた状態の斜視図で、(a)は紙幣挟持前(b)は紙幣挟持状態を表す。
【図14】この発明の実施態様4の他の態様の斜視図で、(a)は紙幣挟持前(b)は紙幣挟持状態を表す。
【図15】同じく、実施態様4の他の態様で、レジスターに取り付けた状態の斜視図で、(a)は紙幣挟持前(b)は紙幣挟持状態を表す。
【符号の説明】
【0093】
1 第一部材(実施態様1)
2 第一部材の水平片(実施態様1)
3 第一部材の傾斜片(実施態様1)
4 反射シール(実施態様1)
5 第二部材(実施態様1)
6 第二部材の第一片(実施態様1)
7 第二部材の第二片(実施態様1)
8 第二部材の第三片(実施態様1)
10 紙幣挟持装置
12 レジスター
13 紙幣
14 紙幣の透かし部
14a 紙幣の透かし部の一面
14b 紙幣の透かし部の他面
15 紙幣のすかし
18 第一部材(実施態様2)
19 第一部材の下部水平片(実施態様2)
20 第一部材の傾斜片(実施態様2)
21 第一部材の上部水平片(実施態様2)
21a 第一部材の上部水平片の上面(実施態様2)
23 第二部材(実施態様2)
24 第二部材の第一片(実施態様2)
25 第二部材の第一片の上部(実施態様2)
26 第二部材の第一片の下部(実施態様2)
27 第二部材の第二片(実施態様2)
29 第一部材(実施態様3)
30 第一部材の垂直片(実施態様3)
31 第一部材の垂直片の上部(実施態様3)
32 第一部材の垂直片の下部(実施態様3)
33 第一部材の傾斜片(実施態様3)
33a 第一部材の傾斜片の上面(実施態様3)
35 第二部材(実施態様3)
36 第二部材の上部(実施態様3)
37 第二部材の中間部(実施態様3)
38 第二部材の下部(実施態様3)
41 第一部材(実施態様4)
42 第一部材の下部水平片(実施態様4)
43 第一部材の傾斜片(実施態様4)
44 第一部材の上部水平片(実施態様4)
46 第二部材(実施態様4)
47 第二部材の第一片(実施態様4)
48 第二部材の第一片の上部(実施態様4)
49 第二部材の第一片の下部(実施態様4)
50 第二部材の第二片(実施態様4)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
レジスター等に載置でき、又は前記レジスター等の一部を構成する基台部と、
該基台部に固定された紙幣挟持部とからなり、
前記紙幣挟持部は、紙幣を挟むことができる挟持部本体と透かし確認部とからなり、
前記透かし確認部は、前記紙幣の透かし部の一面に当接する有色透明部を有することを特徴とする紙幣挟持装置。
【請求項2】
レジスター等に載置でき、又は前記レジスター等の一部を構成する基台部と、
該基台部に固定された紙幣挟持部とからなり、
前記紙幣挟持部は、紙幣を挟むことができる挟持部本体と透かし確認部とからなり、
前記透かし確認部は、前記紙幣の透かし部の一面に当接する有色透明部を有し、
前記紙幣の透かし部の他面側に光を当てる反射部を、「前記透かし確認部」又は「前記レジスター等の一部」に形成したことを特徴とする紙幣挟持装置。
【請求項3】
レジスター等に載置でき、又は前記レジスター等の一部を構成する基台部と、
該基台部に固定された紙幣挟持部とからなる紙幣を挟持できる装置であって、以下のような構造を特徴とした紙幣挟持装置。
(1) 前記紙幣挟持部は、黒色透明板を有する。
(2) 前記黒色透明板は、紙幣の透かし部の一面に当接して、紙幣の透かし部の全部又は一部に重なる。
(3) 「前記紙幣挟持部」又は「前記レジスター等の一部」に反射板を設ける。
(4) 前記反射板は、前記紙幣の透かし部の他面側に位置し、前記紙幣の透かし部の他面側に光を当てることができるように、前記黒色透明板と180度以下の角度を保つ位置に配置される。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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