説明

紙幣搬送装置およびその装置を用いる紙幣入出金機

【課題】構造の簡素化と小型化を図ることのできる紙幣搬送装置と、その紙幣搬送装置を用いて全体の小型化と搬送時のジャム発生の抑制を図ることのできる紙幣入出金機を提供する。
【解決手段】主搬送路38から分岐する複数の分岐搬送路41〜43を設け、各分岐部分に搬送路切換機構41G〜43Gを設ける。搬送路切換機構41G〜43Gは、分岐搬送路41〜43を開閉する複数のガイド爪75と、進退作動する電磁アクチュエータ83と、ガイド爪75と同軸上に揺動可能に支持され電磁アクチュエータ83によって操作される揺動アーム73と、ガイド爪75と揺動アーム73を回動方向に付勢する捩りばね80を有するとともに、揺動アーム73からガイド爪75に操作力を伝達する操作伝達手段74と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣の搬送路を運転状況に応じて切り換えることのできる紙幣搬送装置とその装置を用いる紙幣入出金機に関する。
【背景技術】
【0002】
入金された紙幣を出金用として利用可能な紙幣入出金機に関するものとして、入金時に紙幣が、短辺方向を上下にした立位状態で、しかもその長辺方向を装置の奥行き方向に一致させた状態で投入され、この紙幣を立位状態のまま長辺方向に繰り出して搬送しつつ識別し、長辺方向を装置の奥行き方向に一致させた状態で各還流庫または回収庫に収納し、また各還流庫から長辺方向を装置の奥行き方向に一致させた状態で出金部に出金、またはリジェクト庫あるいは回収庫に排除するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この紙幣入出金機は、機体前面側に、入金部と出金部とリジェクト庫と回収庫とを幅方向に並設するとともに、機体後面側に複数の還流庫を幅方向に並設し、機体前後方向の中間部に円筒状のドラム型搬送部を設けて、各部間で紙幣の出し入れを行うようになっている。
また、この紙幣入出金機の場合、ドラム型搬送部が紙幣搬送装置の主搬送路を成しており、この主搬送路の外周側には、入金部、出金部、リジェクト庫、回収庫等に連なる複数の分岐搬送路が設けられ、主搬送路上の分岐搬送路の分岐位置には搬送路切換手段が設けられている。
【特許文献1】特開2003−288630号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の紙幣入出金機に用いられる紙幣搬送装置は、主搬送路(ドラム型搬送部)上の各分岐搬送路の分岐位置に個別に搬送路切換手段が設けられ、その各搬送路切換手段に夫々専用の切換用のアクチュエータが設置されているため、このことが装置の複雑・大型化の原因になっている。また、この紙幣搬送装置の場合、主搬送路としてドラム型搬送部を採用していることもあり、主搬送路の周囲に切換用のアクチュエータを設置すると、筐体内における占有スペースが大きくなってしまう。
【0005】
また、上記の紙幣入出金機は、紙幣搬送装置の主搬送路としてドラム型搬送部を採用していることから、切換用のアクチュエータが周囲のスペースを占有するだけでなく、分岐搬送路がドラム型搬送部の周囲から枝上に張り出し、特に入金部、出金部、リジェクト庫および回収庫と、ドラム型搬送部と、複数の還流庫とを結ぶ方向である機体奥行き方向の小型化が十分ではないという問題があった。
さらに、上記の紙幣入出金機の場合、ドラム型搬送部の周囲に枝状の分岐搬送路が種々の角度方向に振り分けられて延びているため、紙幣の搬送にあたってジャムが発生する要因にもなっている。
【0006】
そこで、本発明は、構造の簡素化と小型化を図ることのできる紙幣搬送装置と、その紙幣搬送装置を用いて全体の小型化と搬送時のジャム発生の抑制を図ることのできる紙幣入出金機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、紙幣を搬送する主搬送路と、この主搬送路上の直線状の搬送軌道の離間した複数箇所から分岐する複数の分岐搬送路と、前記主搬送路上の各分岐搬送路の分岐位置に配置されて、各分岐位置で紙幣の搬送される搬送路を切り換える搬送路切換手段を備えた紙幣搬送装置であって、前記搬送路切換手段が、前記主搬送路上の各分岐搬送路の分岐位置に回動可能に設けられ、前記分岐搬送路を閉じることによってその分岐搬送路を跨ぐ主搬送路上の紙幣の搬送を許容するとともに、前記分岐搬送路を開くことによってその分岐搬送路と主搬送路の間の紙幣の搬送を許容するガイド爪と、前記主搬送路の直線状の搬送軌道の幅方向側方に同搬送軌道に沿うように設置されて、前記搬送軌道と略平行な方向に進退作動する直動型のアクチュエータと、前記各ガイド爪の回動軸と同軸線上に揺動可能に配置されるとともに、前記アクチュエータに連動可能に係合される揺動アームと、前記ガイド爪を揺動アームに対して回動方向に付勢するばね部材を有するとともに、前記揺動アームからガイド爪に操作力を伝達する操作伝達手段と、を備えていることを特徴としている。
【0008】
この発明の場合、アクチュエータが進退操作されると、各分岐位置に対応する揺動アームが連動して回動し、このとき各揺動アームに対応するガイド爪が操作伝達手段を介して回動操作される。つまり、アクチュエータが一方に操作されると、その操作に連動して複数のガイド爪が分岐搬送路を開く方向に動作し、アクチュエータが他方に操作されると、複数のガイド爪が分岐搬送路を閉じる方向に動作する。したがって、例えば、紙幣が主搬送路上を各ガイド爪の立ち上がり方向前方から搬送されてくるとき、複数のガイド爪を閉じ方向に維持しておき、紙幣が目的とする分岐搬送路の直前に達したときにガイド爪をアクチュエータの操作によって開き作動させることにより、紙幣を目的とする分岐搬送路に誘導することが可能となる。なお、紙幣が目的とする分岐搬送路の直前に達してアクチュエータが操作されたときに紙幣の一部が他の分岐搬送路を跨いでいる場合には、他の分岐搬送路の分岐部分にあるガイド爪は、紙幣からの押圧力を受け操作伝達手段のばね部材の弾性によって一時的に閉じ方向に操作される。また、紙幣が分岐搬送路から主搬送路に搬送される場合には、アクチュエータが一方に操作されて複数のガイド爪が分岐搬送路を開くように動作する。このとき、分岐搬送路から主搬送路に送り出された紙幣の一部が他の分岐搬送路に差し掛かると、他の分岐搬送路の分岐部分にあるガイド爪は、紙幣からの押圧力を受け操作伝達手段のばね部材の弾性によって一時的に閉じ方向に操作される。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記操作伝達手段のばね部材は、一端が前記揺動アーム側に係合され、他端が対応する前記ガイド爪側に係合される捩りばねであり、前記ガイド爪には、前記揺動アーム方向に突出する支持ピンが設けられ、この支持ピンに前記捩りばねの他端が係合されることを特徴としている。
これにより、捩りばねのばね反力は支持ピンを介してガイド爪に伝達される。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、前記揺動アームには前記支持ピンの挿入される長孔が形成され、前記ガイド爪と揺動アームの相対回動時に、前記支持ピンが長孔の端部に当接することによって前記ガイド爪と揺動アームの相対的な回動変位を規制することを特徴としている。
これにより、捩りばねの他端が係合する支持ピンは、揺動アームの長孔との協働によってガイド爪と揺動アームの相対変位を規制するストッパとして機能する。
【0011】
請求項4に係る発明は、機外から紙幣が投入される入金部と、機外へ取出可能となるように紙幣が機内から繰り出される出金部と、紙幣を収納するとともに収納した紙幣を前記出金部に出金させる複数の還流庫と、前記入金部または前記複数の還流庫からの紙幣を収納可能な回収庫と、前記還流庫から出金された紙幣のうちの出金リジェクト紙幣を収納する出金リジェクト庫とを有する紙幣入出金機において、前記入金部、前記出金部、前記回収庫、前記出金リジェクト庫および前記複数の還流庫を、受け入れた紙幣の厚さ方向が同方向となるようにして該方向に並設してなるとともに、これら入金部、出金部、回収庫、出金リジェクト庫および複数の還流庫の並設方向に対し直交する方向の一側のみに、これら入金部、出金部、回収庫、出金リジェクト庫および複数の還流庫の間で紙幣の搬送を行う紙幣搬送装置を配設し、この紙幣搬送装置を、請求項1〜3のいずれか1項に係る紙幣搬送装置によって構成したことを特徴としている。
これにより、入金部、出金部、回収庫、出金リジェクト庫および複数の還流庫における紙幣の厚み方向が一方向に揃えられ、これらの併設方向の長さが短縮され、さらに、これらを接続する紙幣搬送装置が前記併設方向の一側のみにコンパクトに配置されることになる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、主搬送路の直線状の搬送軌道に沿うように直動型のアクチュエータがその搬送軌道の側方に配置され、アクチュエータの進退作動が各分岐位置の揺動アームと操作伝達手段を介して対応する分岐位置のガイド爪に伝達されるため、各分岐搬送路の分岐位置毎にアクチュエータを設けることなく、しかも、主搬送路に対するアクチュエータ関連部品の張り出し量を抑制しつつ、簡素な構造によって確実な紙幣搬送を実現することができる。したがって、この発明によれば、構造の簡素化と装置全体の小型化を図ることができる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、操作伝達手段のばね部材回りの構造を簡素化し、さらなる装置の小型化と製造コストの低減を図ることができる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、簡単な構造の追加によってガイド爪と揺動アームの相対変位を規制するストッパを構成し、ガイド爪の安定作動と捩りばねの耐久性の向上を図ることができる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、入金部、出金部、回収庫、出金リジェクト庫および複数の還流庫の併設方向の長さを短縮しつつ、これらの搬送方向の一側のみに小型で構造の簡素な請求項1〜3に係る紙幣搬送装置を配置したため、全体の小型化を図り、かつ搬送時のジャム発生をも抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の一実施形態の紙幣入出金機を図面を参照して以下に説明する。
本実施形態の紙幣入出金機11は例えばPOSレジの周りに置かれて売上金の入金および釣銭の出金を行うものであり、図1に示すように、略直方体形状の筐体12を有している。この筐体12は、最も短い辺部12aを高さ方向に、次に短い中間長さの辺部12bを幅方向(左右方向)に、最も長い辺部12cを奥行き方向に配して設置され使用される。これにより、筐体12は、最も操作者側にあって操作者と対向する前面(一側面)12Aが最も短い辺部12aと中間長さの辺部12bとで囲まれた横長となり、また、上面12Bが中間長さの辺部12bと最も長い辺部12cとで囲まれる。なお、以下の説明で用いる高さ方向、幅方向および奥行き方向は、特に記載のない限り、筐体12における高さ方向、幅方向および奥行き方向を示す。
【0017】
前記筐体12内には、図2にも示すように、奥行き方向に沿って前面12A側から順に、機外から紙幣Sが投入される上方に開口可能な入金部15、機外へ取出可能となるように紙幣Sが機内から繰り出される上方に開口可能な出金部16、入金部15からの紙幣Sおよび後述する複数の還流庫20〜22からの紙幣Sを収納可能な着脱式の回収庫17、出金リジェクト紙幣を収納する着脱不可な出金リジェクト庫18、紙幣Sを収納するとともに収納した紙幣Sを出金部16に出金させる複数具体的には三つの着脱不可な還流庫20、還流庫21、還流庫22が配設されている。
【0018】
ここで、前面12A側の入金部15、出金部16および回収庫17を一纏まりの第1の構成群25とし、前面12Aとは反対側の出金リジェクト庫18、還流庫20、還流庫21および還流庫22を一纏まりの第2の構成群26とする。これにより、第1の構成群25は、入金部15、出金部16および回収庫17がこの順に並べられ、しかも回収庫17が最も第2の構成群26側に設けられることになり、第2の構成群26は、出金リジェクト庫18が最も第1の構成群25側に設けられていることになる。
【0019】
なお、第1の構成群25の入金部15、出金部16および回収庫17は一つのユニット28とされて、筐体12から着脱可能となっている。ここで、図1に示すように、筐体12のうち、前面12Aを構成する部分から上面12B側の入金部15および出金部16を覆う部分までが、錠29が別体のキーで操作されることにより開閉可能な蓋部30とされており、この蓋部30が開放されてユニット28が筐体12に対し着脱される。さらに、回収庫17は、ユニット28からも着脱可能であり、蓋部30が開放されてユニット28に対し着脱される。なお、蓋部30には、上面12Bを構成する部分に、前面12A側から順に、入金部15へ紙幣Sを投入するための入金口32、出金部16から紙幣Sを取出可能に突出させるための出金口33、操作入力が行われるとともに操作者に対する表示を行う操作表示部34が設けられている。また、蓋部30の前面12Aを構成する部分には、上記した錠29に加えて電源スイッチ35が設けられている。
【0020】
上記した入金部15、出金部16、回収庫17、出金リジェクト庫18、還流庫20、還流庫21および還流庫22は、いずれも前面12Aと同様に幅方向に長い横長の形状をなしており、すべて、互いの幅方向および高さ方向の位置を合わせるとともに、短辺方向を高さ方向に沿わせ長辺方向を幅方向に沿わせた立位状態で紙幣Sを受け入れるようになっている。つまり、これらの入金部15、出金部16、回収庫17、出金リジェクト庫18、還流庫20〜22は、受け入れた紙幣Sの厚さ方向が同方向となるようにして該方向(奥行き方向と一致)に並設されている。
【0021】
上記した入金部15、出金部16、回収庫17、出金リジェクト庫18、還流庫20〜22は、筐体12内の幅方向における一側に寄せて設けられており、これにより筐体12の幅方向逆側に形成されるスペースに、これら入金部15、出金部16、回収庫17、出金リジェクト庫18、還流庫20〜22を接続して紙幣Sのやり取りを行う本発明に係る紙幣搬送装置37が配設されている。つまり、入金部15、出金部16、回収庫17、出金リジェクト庫18、還流庫20、21および22の並設方向である奥行き方向に対し直交する方向である幅方向の一側のみに紙幣搬送装置37が配設されている。なお、この紙幣搬送装置37は図示しないコントローラで制御されて正逆回転するものであり、紙幣Sを常に長辺方向を搬送方向に沿わせ短辺方向を上下方向にした立位状態で搬送する。
【0022】
紙幣搬送装置37は、図2に示すように、最も前面12A側の入金部15と最も前面12Aとは反対側の還流庫22とを結ぶ主搬送路38と、主搬送路38の出金部16の近傍から分岐して出金部16に接続される分岐搬送路39と、主搬送路38の回収庫17の近傍から分岐して回収庫17に接続される分岐搬送路40と、主搬送路38の出金リジェクト庫18の近傍から分岐して出金リジェクト庫18に接続される分岐搬送路41と、主搬送路38の還流庫20の近傍から分岐して還流庫20に接続される分岐搬送路42と、主搬送路38の還流庫21の近傍から分岐して還流庫21に接続される分岐搬送路43と、を有している。なお、主搬送路38は、最も前面12A側の入金部15の近傍部と、最も前面12Aとは反対側の還流庫22の近傍部を除く、これらの中間部の搬送軌道Rが直線状を成し、この直線状の搬送軌道Rが、入金部15、出金部16、回収庫17、出金リジェクト庫18および還流庫20〜22の側方にこれらの並設方向に沿って配置されている。
【0023】
また、紙幣搬送装置37は、主搬送路38を介して第2の構成群26側から搬送されてきた紙幣Sを、開状態では出金部16に接続される分岐搬送路39に案内して出金部16に搬送させる一方、閉状態ではそのまま分岐搬送路39を跨いで主搬送路38で搬送させる搬送路切換機構39Gと、主搬送路38を介して第2の構成群26側から搬送されてきた紙幣Sを、開状態では回収庫17に接続される分岐搬送路40に案内して回収庫17に搬送させる一方、閉状態ではそのまま分岐搬送路40を跨いで主搬送路38で搬送させる搬送路切換機構40Gと、を有している。
【0024】
加えて、紙幣搬送装置37は、主搬送路38を介して第1の構成群25側から搬送されてきた紙幣Sを、開状態では出金リジェクト庫18に接続される分岐搬送路41に案内して出金リジェクト庫18に搬送させる一方、閉状態ではそのまま分岐搬送路41を跨いで主搬送路38で搬送させる搬送路切換機構41Gと、主搬送路38を介して第1の構成群25側から搬送されてきた紙幣Sを、開状態では還流庫20に接続される分岐搬送路42に案内して還流庫20に搬送させる一方、閉状態ではそのまま分岐搬送路42を跨いで主搬送路38で搬送させる搬送路切換機構42Gと、主搬送路38を介して第1の構成群25側から搬送されてきた紙幣Sを、開状態では還流庫21に接続される分岐搬送路43に案内して還流庫21に搬送させる一方、閉状態ではそのまま分岐搬送路43を跨いで主搬送路38で搬送させる搬送路切換機構43Gとを有している。
紙幣搬送装置37の搬送路切換機構39G〜43Gの具体構造については後に詳述する。
【0025】
ここで、還流庫20は、分岐搬送路42から受け入れた紙幣Sを一時貯留させる前面12A側の中間プール部20aと中間プール部20aの紙幣Sを収納する前面12Aとは反対側の収納部20bとを有しており、収納部20bに収納した紙幣Sを分岐搬送路42に出金可能となっている。同様に、還流庫21は、分岐搬送路43から受け入れた紙幣Sを一時貯留させる前面12A側の中間プール部21aと中間プール部21aの紙幣Sを収納する前面12Aとは反対側の収納部21bとを有しており、収納部21bに収納した紙幣Sを分岐搬送路43に出金可能となっている。さらにまた、還流庫22も、主搬送路38から受け入れた紙幣Sを一時貯留させる前面12A側の中間プール部22aと中間プール部22aの紙幣Sを収納する前面12Aとは反対側の収納部22bとを有しており、収納部22bに収納した紙幣Sを主搬送路38に出金可能となっている。なお、最も第1の構成群25とは反対側の還流庫22の収納部22bは、他の還流庫20,21の収納部20b,21bよりも収納量が多くされており、取扱量の最も多い千円券紙幣を収納させるようになっている。また、最も第1の構成群25側の還流庫20は万円券紙幣を、中間の還流庫21は五千円券紙幣をそれぞれ収納させるようになっている。
【0026】
そして、主搬送路38の第1の構成群25側の分岐搬送路40の分岐位置と第2の構成群26側の分岐搬送路41の分岐位置の間の中間搬送路45には、入金識別部47と出金識別部48が設けられている。入金識別部47は、第1の構成群25側から第2の構成群26側に搬送中の入金紙幣を識別し、出金識別部48は入金識別部47よりも第2の機構群26側にあって、第2の構成群26側から第1の構成群25側に搬送中の出金紙幣Sの重送等を識別する。
【0027】
なお、入金識別部47で識別した紙幣Sが最も近い還流庫20、より具体的には分岐搬送路42の分岐位置に至る前に搬送を停止可能となるように、入金識別部47の識別情報検出完了位置から最も前面12A側の還流庫20、より具体的には分岐搬送路42の分岐位置までの距離が、「紙幣Sの最大の長辺長さ」+「紙幣搬送装置37にブレーキを掛けた上での紙幣搬送装置37の停止に要する時間分の搬送長さ」の距離とされており、出金識別部48で識別した紙幣Sが出金部16、より具体的には分岐搬送路39の分岐位置に至る前に搬送を停止可能となるように、出金識別部48の識別情報検出完了位置から出金部16、より具体的には分岐搬送路39の分岐位置までの距離も、「紙幣Sの最大の長辺長さ」+「紙幣搬送装置37にブレーキを掛けた上での紙幣搬送装置37の停止に要する時間分の搬送長さ」の距離とされている。そして、これらの距離を確保するために、中間搬送部45における入金識別部47および出金識別部48の位置が設定され、これに基づいて、第1の構成群25と第2の構成群26との間の間隔が設定されている。
【0028】
入金部15は、図3に示すように、入金口32の奥側下方位置に投入された紙幣Sを受容するための受台53が傾動可能に設けられている。この受台53は、図示しないベース部に壁板部51が奥行き方向に回動可能に支持され、その壁板部51の上端部に入金口32を開閉するためのシャッタ50が一体に設けられるとともに、下端部に底板部52とガイドローラ57とが設けられている。
【0029】
壁板部51には、幅方向に回転中心を配して移動ローラ55が設けられるとともに、上下方向に中心軸線を配して送りローラ56が設けられている。移動ローラ55は入金口32から投入された紙幣Sを底板部52側に引き込み、送りローラ56は底板部52側に引き込まれた紙幣Sを側方の主搬送路38に送り出すものであり、各ローラ55,56の軸方向の両側には紙幣Sの送りを円滑にするためのテーパ面が設けられている。ガイドローラ57は、底板部52よりも上方側位置に奥行き方向に回転中心を配して設けられ、移動ローラ55によって引き込まれた紙幣Sの下端を受け止め、送りローラ56による紙幣Sの送りをガイドするようになっている。
【0030】
また、入金部15は、奥行き方向における壁板部51の奥側に設けられたビルプレス60を有しており、ビルプレス60は、奥行き方向に対し常に直交する上板部61と、この上板部61の下端縁部に幅方向に沿う軸63を中心に上端縁部が回動可能に支持された下板部62とを有している。
【0031】
さらに、入金部15は、受台53を上下に振動させて紙幣Sから異物を落下させる加振機構65が設けられており、ガイドローラ57の下側には紙幣Sから落下する異物を受け入れる異物受66が設けられている。ここで、加振機構65は受台53に下側から当接する複数の偏心ローラ67を有しており、これら偏心ローラ67を回転させることで受台53を上下に振動させる。
【0032】
加えて、入金部15は、図4に示すように、上部に移動ローラ55の駆動停止のタイミングを検出するためのセンサ69が設けられており、中間部に移動ローラ55の駆動開始のタイミングを検出するためのセンサ70が設けられている。
【0033】
前記の受台53は、初期状態では壁板部51を垂立姿勢に維持した状態にあり、入金口32から紙幣を投入するタイミングで図示しないアクチュエータの作動によって前方に傾斜させ、このとき上端部に設けられたシャッタ50が入金口32を開口する。したがって、入金部15には、受台53が傾動した状態で紙幣Sが投入されることになる。そして、こうして入金部15に紙幣Sが投入されると、前述のように移動ローラ55が紙幣Sをガイドローラ57に当接する位置まで引き込み、その後に図3(b)に示すように受台53がアクチュエータによって初期状態に戻され、同時に入金口32がシャッタ50によって閉じられる。この後、加振機構65によって紙幣Sを振動させ、さらにビルプレス60の下板部62を回動させて紙幣Sに当接させ、紙幣Sを送りローラ56で主搬送路38に送り出す。
【0034】
なお、出金部16も上述した入金部15とほぼ同様の構成となっており、主搬送路38側から送られた紙幣Sを送りローラで受台側に引き込み、出金口33からの取り出しが可能になるように移動ローラによって紙幣Sを上方に突出される。
【0035】
ここで、搬送路切換機構39G〜43Gを中心とした紙幣搬送装置37の具体構造について説明する。なお、搬送路切換機構39G〜43Gは、第1の構成群25に対応するものと第2の構成群26に対応するものとに群分けされ、第1の構成群25側の搬送路切換機構39G,40Gの群と、第2の構成群26側の搬送路切換機構41G〜43Gの群は夫々異なるアクチュエータによって操作されるようになっている。ただし、各切換機構の群は、群を構成する搬送路切換機構39G,40Gと41G〜43Gの数が異なるものの基本構造は両者ともほぼ同様であるため、以下では、第2の構成群26側の搬送路切換機構41G〜43Gの群を代表として図5〜図13に基づいて説明し、第1の構成群25側の搬送路切換機構39G,40Gの群については詳細な説明を省略するものとする。
【0036】
3つの搬送路切換機構41G〜43Gはいずれも同様の構成とされており、紙幣搬送装置37のフレームのうちの各分岐搬送路41〜43の分岐位置に幅方向に沿って配置された支持軸71と、この支持軸71に回動自在に支持されたガイドフォーク72と、このガイドフォーク72の端部に対向するように支持軸71の一端側に回動自在に支持された略L字状の揺動アーム73と、ガイドフォーク72と揺動アーム73の間にあって揺動アーム73からガイドフォーク72に回動方向の操作力を伝達する操作伝達手段74と、を備えている。
【0037】
ガイドフォーク72は、ほぼ同形状の外面プロフィールを持つ複数のガイド爪75が円筒状の軸部76を介して相互に連結されてなり、ガイド爪75が主搬送路38の直線状の搬送軌道Rと略平行になる姿勢に維持される初期状態で当該ガイド爪75が対応する分岐搬送路41〜43を閉じ、ガイド爪75が主搬送路38の直線状の搬送軌道Rと交差する方向に立ち上がって回動した状態(以下、「立ち上がり状態」と呼ぶ。)において、当該ガイド爪75が対応する分岐搬送路41〜43を開くようになっている。
各ガイド爪75は、爪先部が付根部側から第1の構成群25側(図5〜図13における右側)に向かって延出し、前述の初期状態で主搬送路38に臨む表面がほぼ平坦に形成されるとともに、裏面には、前述の立ち上がり状態において、主搬送路38の第1の構成群25側とその分岐位置の分岐搬送路41〜43を滑らかに接続する湾曲面が設けられている。各ガイド爪75の表面は主搬送路38方向に沿う中央領域の前後に夫々テーパ面が形成され、初期状態での主搬送路38上の紙幣Sの円滑な搬送を許容するようになっている。
【0038】
また、紙幣搬送装置37のフレームには、図5に示すように、搬送路切換機構41G〜43Gの各ガイドフォーク72の前後で主搬送路38上の紙幣Sの搬送を案内するガイド板77が設置されている。この各ガイド板77は初期状態にあるガイド爪75の表面とほぼ連続するように設けられ、これらのガイド板77の主搬送路38側の対向位置には、主搬送路38方向に沿う送りベルト78が設置されている。この送りベルト78は、ガイド板77との間で紙幣Sを挟み込んで紙幣Sに正逆方向の駆動力を伝達するためのものであり、主搬送路38の幅方向に複数並列に配置されている(図5においては1つのみ図示。)。また、この各送りベルト78は、搬送路切換機構41G〜43Gの各ガイドフォーク72の軸部76を跨ぐように設けられ、分岐搬送路41〜43上を跨いだ紙幣Sの搬送を許容する場合には、主搬送路38上を送られてきた紙幣Sをガイド爪75の表面側に押し付け、ガイド爪75上を通過させるようになっている。なお、ここで説明したガイド板77や送りベルト78は紙幣Sの送り機構の一例であり、周知の他の送り機構を置換して用いることも可能である。
【0039】
各ガイドフォーク72の一方の端部のガイド爪75は他のガイド爪75に比較して幅方向の肉厚が厚く形成され、そのガイド爪75の爪先部側の側面には、対向する揺動アーム73方向に突出する支持ピン79が突設されている。また、各支持軸71上のガイドフォーク72と揺動アーム73の間には捩りばね80が外装され、その捩りばね80の一端が揺動アーム73のL字形状の一方のアーム部73aに係止されるとともに、他端がガイドフォーク72側の支持ピン79に係止されている。この捩りばね80は、揺動アーム73に対してガイドフォーク72(ガイド爪75)を開き方向(爪先部を立ち上がらせる方向)に付勢するように両者73,72間に回動方向のばね力を作用させる。
揺動アーム73の一方のアーム部73aには、ガイドフォーク72側の支持ピン79の先端部が挿入される長孔81が形成され、この長孔81が、揺動アーム73に対する支持ピン79の設定範囲の相対変位を許容するとともに、支持ピン73が内面に当接することによってガイドフォーク72と揺動アーム73の相対回動を規制するようになっている。
【0040】
この実施形態の場合、捩りばね80と支持ピン79、長孔81等が揺動アーム73からガイドフォーク72に回動方向の操作力を伝達する操作伝達手段74を構成している。なお、この操作伝達手段74は、揺動アーム73に加えられた回動操作力を捩りばね80を介してガイドフォーク72に伝達するが、図9に示すように揺動アーム73によってガイドフォーク72が開き方向に回動操作されるときであっても、図10に示すようにガイドフォーク72のガイド爪75の表面側から紙幣Sによる押圧力が加えられた場合には、ガイドフォーク72はその押圧力を受けて捩りばね80を撓ませ、それによってガイドフォーク72を閉じ状態に維持する。
【0041】
一方、図5に示すように搬送軌道Rの幅方向側方の側部フレーム82には、搬送路切換機構41G〜43Gを作動させるための直動型の電磁アクチュエータ83が設置されている。この電磁アクチュエータ83は、作動部の進退方向であるアクチュエータ本体83aの長手方向が搬送軌道Rに沿うように側部フレーム82の側部外面に固定され、アクチュエータ本体83aから突出した作動ロッド83bの先端部に作動伝達プレート84の取付基部84aが結合されている。この取付基部84aの作動ロッド83aの結合部と相反する位置には、一端が側部フレーム82に支持された復帰スプリング85の他端が結合され、この復帰スプリング85のばね力によって電磁アクチュエータ83がOFFのときに作動伝達プレート84が初期位置に戻されるようになっている。つまり、この実施形態の場合、電磁アクチュエータ83がOFFのときには作動伝達プレート84が図中左側に移動した状態に維持され、同アクチュエータ83がONのときには作動伝達プレート84が図中右側方向に操作される。
【0042】
また、作動伝達プレート84は、略方形状の平坦な取付基部84aが側部フレーム82の前面側を乗り越えて搬送軌道R側に延出し、その延出端に作動伝達部84bが内側方向に略直角に屈曲して設けられている。作動伝達部84bは搬送軌道Rに沿う横長の長方形状に形成され、搬送路切換機構41G,42G,43Gの各揺動アーム73の他方のアーム部73bの前面に対峙するように延出している。

そして、作動伝達プレート84の作動伝達部84bのうちの、各揺動アーム73の他方のアーム部73bに対峙する位置には、対峙するアーム部73b方向に突出する支持ピン86が突設され、その各支持ピン86が対応する揺動アーム73の他方のアーム部73bに形成された長孔87に挿入されている。そして、各揺動アーム73の他方のアーム部73bには、作動伝達プレート84側に向かって支持ピン86が突設され、この各支持ピン86が作動伝達プレート84側の作動伝達部84bの対応位置に形成された長孔87に挿入されている。この各長孔87は、作動伝達プレート84側の支持ピンが当接することによって、作動伝達プレート84の直線的な進退作動を各揺動アーム73の回動作動に変換する。
【0043】
また、主搬送路38上の搬送軌道Rの各分岐位置の近傍には、図11〜図13に示すように、主搬送路38上を搬送されてきた紙幣Sを検出するためのセンサ88,89,90が設置されている。この各センサ88,89,90は電磁アクチュエータ83のON・OFF作動を制御するための図示しないコントローラに接続されている。
【0044】
コントローラは、主搬送路38上で筐体12の前面12A側(第1の機構群25側)から紙幣Sを搬送する間は、基本的に電磁アクチュエータ83をOFFにして、図6,図11に示すように各ガイドフォーク72を閉じた初期状態に維持している。そして、紙幣Sの搬送中に、収納しようとする目的の出金リジェクト庫18や還流庫20,21の近傍に紙幣Sが接近してそのことが分岐位置の直前のいずれかのセンサ88,89,90によって検出されると、電磁アクチュエータ83をONにし、図7,図12に示すように対応する分岐位置のガイドフォーク72を立ち上がり状態に回動させる。これにより分岐搬送路41,42,43が開き、ガイドフォーク72のガイド爪75に案内されて紙幣Sが対象の分岐搬送路に誘導される。
【0045】
また、コントローラは、紙幣Sを分岐搬送路41,42,43のいずれかから筐体12の前面12A側に戻り搬送するときには、電磁アクチュエータ83をONにして、各ガイドフォーク72を立ち上がり状態に回動させる。これにより、ガイドフォーク72のガイド爪75が分岐搬送路41,42,43を開き、対象の分岐搬送路から主搬送路38への紙幣Sの戻り搬送が行われる。ただし、戻り搬送時に分岐搬送路41,42,43の一つから主搬送路38に移動した紙幣Sが別のガイドフォーク72の上部に差し掛かると、紙幣Sがそのガイドフォーク72のガイド爪75を次第に押圧し、捩りばね80を撓ませガイドフォーク72を閉じ状態にする。これにより、主搬送路38における紙幣Sの戻り搬送はそのまま続けられる。
【0046】
なお、この実施形態の場合、主搬送路38における紙幣Sの戻り搬送時に第2の構成群26側のガイドフォーク72が常に立ち上がり状態に回動操作されるようになっており、図8,図13は、最奥の還流庫22からの戻り搬送時に紙幣Sがガイドフォーク72を閉じ方向に押圧している状態を示している。
【0047】
また、第1の構成群25側の搬送路切換機構39G,40Gのガイドフォークはガイド爪の爪先部の立ち上がり方向が第2の構成群側に向くようになっている。
【0048】
以上に述べた構成の本実施形態の紙幣入出金機11の作動を各処理別に説明する。
「入金処理」
入金処理時には、コントローラが入金部15の受台53を回動させることになり、この状態で、紙幣Sが、その短辺方向を高さ方向に沿わせ、その長辺方向を幅方向に沿わせた立位状態で、入金口32から投入されることになる。そして、入金口32に紙幣Sが投入されたことがセンサ70で検出されると、コントローラは移動ローラ55で紙幣Sを引き込み、ガイドローラ57に当接する位置まで紙幣Sが引き込まれたことをセンサ69で検出すると、移動ローラ55を停止させて、受台53を壁板部51が鉛直となるように戻した後、加振機構65で加振し、その後、ビルプレス60の下板部62を回動させて紙幣Sに当接させて送りローラ56で紙幣搬送装置37の主搬送路38に一枚ずつ分離して送り出すことになる。
【0049】
主搬送路38に送り出された紙幣Sは、紙幣搬送装置37の正転方向の搬送中に入金識別部47で識別されることになるが、前記した識別情報検出完了位置に達するタイミング、具体的には、入金識別部47を構成する紙幣Sを識別するための種々のセンサにより紙幣Sがその長辺方向全体に亘って検出され終わったタイミングで、コントローラは、紙幣搬送装置37による当該紙幣Sの搬送を一旦停止させる。なお、この間、分岐搬送39,40の搬送路切換機構39G,40Gは閉じられている.
【0050】
そして、この搬送停止中に、入金識別部47によって紙幣Sが入金可能と識別されると、コントローラは当該紙幣Sの搬送を再開し、還流庫20〜22のうちの入金識別部47で識別した金種に該当する還流庫に対して紙幣Sを送り出す。具体的には、入金識別部47で識別された紙幣Sが千円券紙幣であった場合には、電磁アクチュエータ83をOFF状態のままにして搬送路切換機構41G〜43Gのガイドフォーク72を終始閉じ、そのまま主搬送路38による紙幣Sの搬送を続けることによって当該紙幣Sを最奥の還流庫22の中間プール部22aに収納させる。また、入金識別部47で識別された紙幣Sが五千円券紙幣であった場合には、当該紙幣Sが分岐搬送路43の直前位置でセンサ90によって検出されたタイミングで電磁アクチュエータ83をONにし、作動伝達プレート84と揺動アーム73を介してガイドフォーク72を開き作動させることによって当該紙幣Sを分岐搬送路43に誘導し、そのまま還流庫21の中間プール部21aに収納させる。さらに、入金識別部47で識別された紙幣Sが万円券紙幣であった場合には、当該紙幣Sが分岐搬送路42の直前位置でセンサ89によって検出されたタイミングで電磁アクチュエータ83をONにし、同様にガイドフォーク72を開き作動させることによって紙幣を分岐搬送路42に送り、還流庫20の中間プール部20aに収納させる。
【0051】
ここで、例えばPOSレジにおいて顧客から受け取った代金(紙幣+硬貨)をオペレータが確認し入金金額を手入力で入力して、これに基づいて売上額を差し引いた釣銭額を先行して出金させた後に、受け取った代金の入金を行う釣銭先出型の場合には、紙幣Sの顧客への返却は機械側では行わないため、還流庫20〜22において順次中間プール部20a〜22aから紙幣Sを収納部20b〜22bに収納させることになる。他方、入金金額を入金識別部47の識別結果から決める入金先確定型の場合には、顧客への返却を行う可能性があるため、入金確定操作が入力されたことを条件に中間プール部20a〜22aから紙幣Sを収納部20b〜22bに収納させる。
【0052】
なお、入金可能であるものの還流庫を持たない二千円券紙幣については、釣銭先出型の場合には、これが前記した識別情報検出完了位置に達するタイミング、具体的には、入金識別部47を構成する紙幣Sを識別するための種々のセンサにより紙幣Sがその長辺方向全体に亘って検出され終わったタイミングで、コントローラは紙幣搬送装置37を停止させる。
【0053】
そして、この搬送停止中に、入金識別部47によって当該紙幣Sが二千円券紙幣と識別されると、コントローラは紙幣搬送装置37を逆転させて紙幣Sを戻り搬送させる。このとき紙幣Sが分岐搬送路40に接近して図示しないセンサによって検出されると、図示しない電磁アクチュエータのON作動によって搬送路切換機構40Gで分岐搬送路40を開き、当該紙幣Sを回収庫17に収納させる。
【0054】
また、釣銭先出型の場合に、還流庫20〜22のいずれかが満杯状態にあって、その金種の入金可能な紙幣Sが、前記した識別情報検出完了位置に達するタイミング、具体的には、入金識別部47を構成する紙幣Sを識別するための種々のセンサにより紙幣Sがその長辺方向全体に亘って検出され終わったタイミングで、コントローラは、紙幣搬送装置37を停止させる。そして、この搬送停止中に、入金識別部47によって当該紙幣Sが満杯状態の金種紙幣と識別されると、コントローラは紙幣搬送装置37を逆転させて紙幣Sを戻り搬送させ、紙幣Sが分岐搬送路40に接近して図示しないセンサに検出されると、搬送路切換機構40Gで分岐搬送路40を開き、当該紙幣Sを回収庫17に収納させる。
【0055】
他方、入金識別部47で入金不可な紙幣Sと識別される場合、前記した識別情報検出完了位置に達するタイミング、具体的には、入金識別部47を構成する紙幣Sを識別するための種々のセンサにより紙幣Sがその長辺方向全体に亘って検出され終わったタイミングで、コントローラは紙幣搬送装置37を停止させる。そして、この搬送停止中に、入金識別部47によって当該紙幣Sが入金不可な紙幣Sと識別されると、コントローラは、釣銭先出型の場合には、単に識別のミスがあったと判断するものの入金は既に手入力で入力されているため、紙幣搬送装置37を逆転させて前述と同様にして回収庫17に当該紙幣Sを収納させる。
また、入金先確定型の場合には、上記紙幣搬送装置37の停止後、コントローラは紙幣搬送装置37を逆転させて紙幣Sを戻り搬送させ、紙幣Sが分岐搬送路39に接近して図示しないセンサに検出されると、搬送路切換機構39Gで分岐搬送路39を開き、当該紙幣Sを出金部16に搬送する。出金部16では紙幣Sを機外に取出可能な状態として、オペレータに返却する。なお、紙幣搬送装置37は、これらのような逆転搬送を可能とするため、常に紙幣Sを一度に一枚のみ搬送するようになっており、搬送中の紙幣Sがなくなると次の紙幣Sを搬送する。
【0056】
「出金処理」
出金にあたっては、還流庫20〜22のいずれか一つから紙幣Sが主搬送路38を通して出金部16側に戻り搬送されるが、主搬送路38での搬送中に出金識別部48で紙幣Sが識別される場合、前記した識別情報検出完了位置に達するタイミング、具体的には、出金識別部48を構成する紙幣Sを識別するための種々のセンサにより紙幣Sがその長辺方向全体に亘って検出され終わったタイミングで、コントローラは紙幣搬送装置37による当該紙幣Sの戻り搬送を一旦停止させる。なお、還流庫20〜22のいずれか一つから紙幣Sが出金識別部48まで搬送される間は、電磁アクチュエータ83がON作動して搬送路切換機構41G〜43Gのガイドフォーク72を開き状態にする。前記の搬送停止中に、出金識別部48によって紙幣Sが重送ではないと識別されると、コントローラは紙幣搬送装置37による紙幣Sの戻り搬送を再開し、このとき紙幣Sが分岐搬送路39Gに接近して図示しないセンサに検出されると、搬送路切換機構39Gで分岐搬送路39を開き、当該紙幣Sを出金部16に送り込む。この場合、出金識別部48は二重検知センサのみを有し、重送のみをチェックする。
【0057】
他方、出金識別部48で出金不可な重送紙幣と識別される場合、前記した識別情報検出完了位置に達するタイミング、具体的には、出金識別部48を構成する紙幣Sを識別するための種々のセンサにより紙幣Sがその長辺方向全体に亘って検出され終わったタイミングで、コントローラは紙幣搬送装置37を停止させる。そして、前記の搬送停止中に、出金識別部48によって紙幣Sが重送紙幣と識別されると、コントローラは紙幣搬送装置37の主搬送路38での正転方向の搬送を開始し、このとき紙幣Sが分岐搬送路41に接近してセンサ88(図7,図12参照)に検出されると、搬送路切換機構41Gで分岐搬送路41を開き、当該紙幣Sを出金リジェクト庫18に搬送する。
【0058】
そして、出金部16への紙幣Sの搬送を適宜繰り返すことで、出金する枚数の紙幣Sが出金部16に送り込まれると、出金部16はこの紙幣Sを出金口33から機外に取り出し可能な状態とする。
【0059】
「回収処理」
回収処理時には、還流庫20〜22のいずれか一つから紙幣Sを主搬送路38を介して補充回収庫17側に向けて搬送することになり、主搬送路38の戻り搬送中に出金識別部48で重送でない紙幣Sが識別される場合、前記した識別情報検出完了位置に達するタイミング、具体的には、出金識別部48を構成する紙幣Sを識別するための種々のセンサにより紙幣Sがその長辺方向全体に亘って検出され終わったタイミングで、コントローラは紙幣搬送装置37による当該紙幣Sの搬送を一旦停止させる。なお、還流庫20〜22のいずれか一つから紙幣Sが出金識別部48まで搬送される間は、電磁アクチュエータ83がON作動して搬送路切換機構41G〜43Gのガイドフォーク72を開き状態にする。前記の搬送停止中に、出金識別部48によって紙幣Sが重送ではないと識別されると、コントローラは紙幣搬送装置37による紙幣Sの戻り搬送を再開し、このとき紙幣Sが分岐搬送路40Gに接近して図示しないセンサに検出されると、搬送路切換機構40Gで分岐搬送路40を開き、当該紙幣Sを回収庫17に送り込む。
【0060】
他方、出金識別部48で重送紙幣と識別される場合、前記した識別情報検出完了位置に達するタイミング、具体的には、出金識別部48を構成する紙幣Sを識別するための種々のセンサにより紙幣Sがその長辺方向全体に亘って検出され終わったタイミングで、コントローラは、紙幣搬送装置37を一旦停止させる。そして、この搬送停止中に、出金識別部48によって紙幣Sが重送紙幣と識別されると、コントローラは紙幣搬送装置37の主搬送路38での正転方向の搬送を開始し、このとき紙幣Sが分岐搬送路41に接近してセンサ88に検出されると、搬送路切換機構41Gで分岐搬送路41を開き、当該紙幣Sを出金リジェクト庫18に搬送する。なお、回収処理の終了後にこの出金リジェクト庫18から人手によって紙幣Sが取り出される。また、紙幣入出金機11内の紙幣Sを、翌日の釣銭支払い等のために一部を残して回収する残置回収の場合、還流庫20〜22の枚数金額は概略把握されているため、各残置分を除いて上記動作を繰り返す。ここで、上記のように三つの還流庫20〜22が存在する場合、各還流庫20〜22の金種設定によっては残置枚数をゼロとする還流庫が存在することもあり得る。
【0061】
「装填処理」
すべての還流庫20〜22から紙幣Sを回収する全回収があった場合、釣銭準備金を装填する装填処理が行われるが、この装填処理は、上記した入金処理とほぼ同様に行われる。
【0062】
以上で説明したように紙幣入出金機11で採用している紙幣搬送装置37は、主搬送路38の直線状の搬送軌道Rの幅方向側方に、外形および作動方向がその搬送軌道Rに沿うように電磁アクチュエータ83が設けられ、その電磁アクチュエータ83の進退作動が作動伝達プレート84を介して各搬送路切換機構41〜43の揺動アーム73に伝達されるとともに、その各揺動アーム73の作動が、捩りばね80を含む操作伝達手段74を介して各搬送路切換機構41〜43のガイドフォーク72に伝達されるようになっているため、搬送軌道Rの幅方向側方や上下に電磁アクチュエータ83やその関連部品を大きく突出させることなく、ガイドフォーク72による確実な搬送路の切り換えを行うことができる。
【0063】
そして、この紙幣搬送装置37の場合、電磁アクチュエータ83による作動伝達プレート84の進退作動が、捩りばね80を含む操作伝達手段74を介して各搬送路切換機構41G〜43Gに伝達されるようになっているため、一つの電磁アクチュエータ83を適切なタイミングでON,OFF作動させることで、複数の分岐搬送路41〜43の開閉制御を適切に行うことができる。
【0064】
したがって、この紙幣搬送装置37においては、分岐搬送路41〜43を開閉するためのアクチュエータの設置数が削減されるうえ、電磁アクチュエータ83が搬送軌道Rの幅方向側方にコンパクトに配置されることから、構造の簡素化と、装置全体の小型化を図ることができる。
【0065】
また、この実施形態の場合、電磁アクチュエータ83の進退作動を揺動アーム73に伝達する作動伝達プレート84が側部フレーム82の断面に沿って屈曲した板材で形成されているため、側部フレーム82の外面側に配置した電磁アクチュエータ83の操作力を、周囲のスペースを大きく占有することなく、効率良く各揺動アーム73に伝達できるという利点がある。
【0066】
なお、この実施形態においては、揺動アーム73からガイドフォーク72に操作力を伝達する操作伝達手段74のばね部材として捩りばね80を採用しているが、このばね材は捩りばね80に限らず、例えば板ばね等の他のばねであっても良い。ただし、この実施形態のように捩りばね80を用いて、その捩りばね80の一端を揺動アーム73に係止させ、他端をガイド爪75側の支持ピン79に係止させるようにした場合には、製造の容易な簡単な部品で操作伝達手段74を構成することが可能になる。
【0067】
さらに、この実施形態のように揺動アーム73に支持ピン79の先端が挿入される長孔81を形成した場合には、ガイド爪75と揺動アーム73の相対変位を規制するストッパを、支持ピン79と長孔81によって構成することができる。したがって、この紙幣搬送装置37の場合、支持ピン79と長孔81を利用して揺動アーム73に対するガイド爪75の過大変位の規制し、それによってガイド爪75の作動の安定化と、捩りばね80の耐久性の向上を図ることができる。
【0068】
また、本実施形態の紙幣入出金機11によれば、機外から紙幣Sが投入される入金部15と、機外へ取出可能となるように紙幣Sが機内から繰り出される出金部16と、紙幣Sを収納するとともに収納した紙幣Sを出金部16に出金させる複数の還流庫20〜22と、入金部15および還流庫20〜22からの紙幣Sを収納可能である回収庫17と、還流庫20〜22から出金された紙幣Sのうちの出金リジェクト紙幣Sを収納する出金リジェクト庫18とが、それぞれに受け入れた紙幣Sの厚さ方向が同方向となるようにして該方向に並設されており、これらの並設方向に対し直交する方向の一側のみに、これらを接続させる紙幣搬送装置37が配設されているため、一方向に長くなることなく全体的に小型化が図れる。しかも、紙幣搬送装置37が、入金部15、出金部16、補充回収庫17、出金リジェクト庫18および還流庫20〜22に対し同じ一側のみに配設されるため、各部への振り分けの方向が複雑にならず、紙幣搬送時のジャムの発生を抑制できる上、万一ジャムが生じても紙幣搬送装置37へのアクセスが容易でジャムを容易に解消できる。この場合は、筐体12の紙幣搬送装置37側の側面を開放して処理を行うことになる。
特に、この紙幣入出金機11の場合、紙幣搬送装置37が簡素で小型化(薄型化)が可能な構造となっているため、紙幣入出金機11全体の小型化をより有利に進めることができる。
【0069】
また、入金部15、出金部16および回収庫17を一纏まりの第1の構成群25とし、出金リジェクト庫18および還流庫20〜22を一纏まりの第2の構成群26とするとともに、これら第1の構成群25と第2の構成群26との間の中間搬送路45の第1の構成群25側に入金紙幣を識別する入金識別部47を設け、中間搬送路45の第2の構成群26側に出金紙幣を識別する出金識別部48を設けているため、中間搬送路45を短くしても、少なくとも紙幣一枚分の長さが必要な入金識別部47と還流庫20との距離を確保できるとともに、少なくとも紙幣一枚分の長さが必要な出金識別部48と出金部16との距離を確保できる。したがって、入金部15、出金部16、回収庫17、出金リジェクト庫18および還流庫20〜22の並設方向の長さを一層短くすることができる。
【0070】
また、例えば、入金部15に投入された紙幣Sを紙幣搬送装置37で搬送し入金識別部47で入金可能な紙幣Sと識別されれば、還流庫20〜22のうちの対応するものに収納させることになり、入金識別部47で入金不可な入金リジェクト紙幣Sと識別されれば、紙幣搬送装置37を逆転させることで出金部16または補充回収庫17に搬送可能となる。また、還流庫20〜22に収納していた紙幣Sを紙幣搬送装置37で搬送し出金識別部48で出金可能な紙幣Sと識別されれば、出金部16に搬送することになり、出金識別部48で出金不可な出金リジェクト紙幣Sと識別されれば、紙幣搬送装置37を逆転させることで出金リジェクト庫18に収納可能となる。これにより、頻度の高い入金可能紙幣Sおよび出金可能紙幣Sの識別時には紙幣搬送装置37を停止後に逆転させず、発生頻度の低い入金リジェクト紙幣Sおよび出金リジェクト紙幣Sの識別時のみ紙幣搬送装置37を停止後に逆転(スイッチバック)させることで、処理時間の長大化を極力抑制することができる。
【0071】
なお、この発明の実施形態は上記の実施形態に限るものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、上記の実施形態の入金口32と出金口33とを共用の入出金口とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施形態の紙幣入出金機を概略的に示す前面側上部から見た斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態の紙幣入出金機を概略的に示す横断面図である。
【図3】本発明の一実施形態の紙幣入出金機における入金部を概略的に示すもので、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
【図4】本発明の一実施形態の紙幣入出金機における入金部を概略的に示すもので、受台の傾動状態を示す側面図である。
【図5】本発明の一実施形態の紙幣搬送装置を概略的に示す図2のA矢視図である。
【図6】本発明の一実施形態の紙幣搬送装置を概略的に示す斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態の紙幣搬送装置を概略的に示す斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態の紙幣搬送装置を概略的に示す斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態の紙幣搬送装置を概略的に示す図7のB部の拡大側面図である。
【図10】本発明の一実施形態の紙幣搬送装置を概略的に示す図8のC部の拡大側面図である。
【図11】本発明の一実施形態の紙幣搬送装置を概略的に示す図6に対応の側面図である。
【図12】本発明の一実施形態の紙幣搬送装置を概略的に示す図7に対応の側面図である。
【図13】本発明の一実施形態の紙幣搬送装置を概略的に示す図8に対応の側面図である。
【符号の説明】
【0073】
11…紙幣入出金機
15…入金部
16…出金部
17…回収庫
18…出金リジェクト庫
20〜22…還流庫
37…紙幣搬送装置
38…主搬送路
39〜43…分岐搬送路
39G〜43G…搬送路切換機構(搬送路切換手段)
73…揺動アーム
74…操作伝達手段
75…ガイド爪
79…支持ピン
80…戻りばね
81…長孔
83…電磁アクチュエータ(アクチュエータ、搬送路切換手段)
84…作動伝達プレート(搬送路切換手段)
R…直線状の搬送軌道
S…紙幣


【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣を搬送する主搬送路と、
この主搬送路上の直線状の搬送軌道の離間した複数箇所から分岐する複数の分岐搬送路と、
前記主搬送路上の各分岐搬送路の分岐位置に配置されて、各分岐位置で紙幣の搬送される搬送路を切り換える搬送路切換手段を備えた紙幣搬送装置であって、
前記搬送路切換手段が、
前記主搬送路上の各分岐搬送路の分岐位置に回動可能に設けられ、前記分岐搬送路を閉じることによってその分岐搬送路を跨ぐ主搬送路上の紙幣の搬送を許容するとともに、前記分岐搬送路を開くことによってその分岐搬送路と主搬送路の間の紙幣の搬送を許容するガイド爪と、
前記主搬送路の直線状の搬送軌道の幅方向側方に同搬送軌道に沿うように設置されて、前記搬送軌道と略平行な方向に進退作動する直動型のアクチュエータと、
前記各ガイド爪の回動軸と同軸線上に揺動可能に配置されるとともに、前記アクチュエータに連動可能に係合される揺動アームと、
前記ガイド爪を揺動アームに対して回動方向に付勢するばね部材を有するとともに、前記揺動アームからガイド爪に操作力を伝達する操作伝達手段と、
を備えていることを特徴とする紙幣搬送装置。
【請求項2】
前記操作伝達手段のばね部材は、一端が前記揺動アーム側に係合され、他端が対応する前記ガイド爪側に係合される捩りばねであり、前記ガイド爪には、前記揺動アーム方向に突出する支持ピンが設けられ、この支持ピンに前記捩りばねの他端が係合されることを特徴とする請求項1に記載の紙幣搬送装置。
【請求項3】
前記揺動アームには前記支持ピンの挿入される長孔が形成され、前記ガイド爪と揺動アームの相対回動時に、前記支持ピンが長孔の端部に当接することによって前記ガイド爪と揺動アームの相対的な回動変位を規制することを特徴とする請求項2に記載の紙幣搬送装置。
【請求項4】
機外から紙幣が投入される入金部と、
機外へ取出可能となるように紙幣が機内から繰り出される出金部と、
紙幣を収納するとともに収納した紙幣を前記出金部に出金させる複数の還流庫と、
前記入金部または前記複数の還流庫からの紙幣を収納可能な回収庫と、
前記還流庫から出金された紙幣のうちの出金リジェクト紙幣を収納する出金リジェクト庫と
を有する紙幣入出金機において、
前記入金部、前記出金部、前記回収庫、前記出金リジェクト庫および前記複数の還流庫を、受け入れた紙幣の厚さ方向が同方向となるようにして該方向に並設してなるとともに、
これら入金部、出金部、回収庫、出金リジェクト庫および複数の還流庫の並設方向に対し直交する方向の一側のみに、これら入金部、出金部、回収庫、出金リジェクト庫および複数の還流庫の間で紙幣の搬送を行う紙幣搬送装置を配設し、
この紙幣搬送装置を、請求項1〜3のいずれか1項に記載の紙幣搬送装置によって構成したことを特徴とする紙幣入出金機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−261803(P2007−261803A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−93194(P2006−93194)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(500265501)ローレル精機株式会社 (191)
【Fターム(参考)】