説明

紙幣自動取引装置

【課題】出金紙幣を施封するための機構等の特別な機構を設けることなく、従来装置の機構のままで、出金紙幣を分割して、紙幣入出金口からその分割された出金紙幣を一括して(併せて)顧客に渡すことができる紙幣自動取引装置を提供する。
【解決手段】紙幣入出金口5は、内部に、紙幣を支える壁部材として、プールガイド14と、紙幣12をプールガイド14側へ押圧する第1のビルプレス15及び第2のビルプレス16とを備えており、紙幣室11は、プールガイド14と第2のビルプレス16との間に形成され、かつ、第1のビルプレス15は、出金時に、プールガイド14と第2のビルプレス16との間を移動することによって、紙幣室11内に集積される出金紙幣12bを、プールガイド14側と第2のビルプレス16側との複数の紙幣群に分割するための仕切り部材として機能する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客やオペレータ等の操作によって紙幣の入金や出金を行う紙幣自動取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の紙幣自動取引装置の中には、紙幣入出金口において、入出金を行うだけでなく、さらに、リジェクト紙幣の集積を行うものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、図5〜図8を参照して、この紙幣自動取引装置(以下、「従来装置」と称する)の詳細につき説明する。なお、図5は、従来装置を含む、一般的な紙幣自動取引装置の斜視図である。また、図6は、従来装置における紙幣入出金口の内部機構の側面図であり、さらに、図7及び図8は、それぞれ、従来装置における紙幣入出金口の内部機構の動作説明図である。
【0004】
図5に示す例では、紙幣自動取引装置(以下、「ATM」と称する)1は、正面上部に略L字形の接客部7を有している。接客部7の立位面には、レシート発行口を兼ねるカード挿入排出口2と通帳挿入排出口3とが設けられている。一方、接客部7の水平面(事実上、水平に近い傾斜面)には、手前側にタッチパネル式の操作表示部4が、また、その奥側に紙幣入出金口5と硬貨入出金口6とがそれぞれ設けられている。
【0005】
紙幣入出金口5は、図6に示すように、図示せぬモータ等の駆動源によって駆動されて開閉するシャッタ13によって構成されている。紙幣入出金口5の内部には、四方の側面を形成する側板5aと底面を形成する底板5bとによって構成された箱体が、設けられている。この箱体は、シャッタ13によって、選択的に閉鎖状態又は開放状態となる。
【0006】
紙幣入出金口5は、内部に、紙幣12を支える壁部材として、プールガイド14、第1のビルプレス15、及び、第2のビルプレス16を備えている。プールガイド14は、紙幣12を支える部材である。第1のビルプレス15及び第2のビルプレス16は、紙幣12をプールガイド14側へ押圧する部材である。なお、図示例では、第1のビルプレス15は、高さが第2のビルプレス16よりも低く形成されている。
【0007】
プールガイド14は、第1のビルプレス15及び第2のビルプレス16と対向しており、第2のビルプレス16との間に紙幣室11を形成する。紙幣室11は、入金時に顧客が投入する紙幣12を受け入れるとともに、出金時に顧客に出金する紙幣12を集積するための空間である。以下、入金時に顧客が投入する紙幣12と出金時に顧客に出金する紙幣12とを区別する場合に、それぞれ「入金紙幣12a」及び「出金紙幣12b」と称する。
【0008】
プールガイド14と第1のビルプレス15と第2のビルプレス16とは、それぞれ、図6に示す矢印A方向及び矢印B方向のいずれの方向にも移動自在な構成として設けられている。プールガイド14と第1のビルプレス15と第2のビルプレス16は、それぞれ、入金時に入金紙幣12aを分離するための分離用ポジション(図7参照)と、出金時に出金紙幣12bを集積するための集積用ポジション(図8参照)とが予め設定されている。プールガイド14と第1のビルプレス15と第2のビルプレス16は、図示せぬモータ等の駆動源によって駆動されて、それぞれが独立して紙幣入出金口5の内部の側板5aで囲まれた空間内を分離用ポジションと集積用ポジションとの間で移動する。なお、分離用ポジションと集積用ポジションとの間には、ATM1と顧客との間で紙幣12を受渡すための紙幣受渡し用ポジションが存在する。図6は、プールガイド14と第1のビルプレス15と第2のビルプレス16がそれぞれ紙幣受渡し用ポジションに配置された状態を示している。
【0009】
紙幣入出金口5の内部の箱体は、底面5bが分離搬送路21及び放出搬送路20と接続されている。
分離搬送路21は、入金時に、入金紙幣12aを紙幣室11から図示せぬ鑑別部及び紙幣収納庫に搬送したり、出金時に、顧客が取り忘れた出金紙幣12bを紙幣室11から図示せぬ取り忘れ紙幣収納庫に搬送するための搬送路である。分離搬送路21は、その周囲に、ピッカローラ17、フィードローラ18、及び、ゲートローラ19が設けられている。ピッカローラ17とフィードローラ18とゲートローラ19は、入金紙幣12aを分離するための分離機構を構成している。
一方、放出搬送路20は、出金時に、出金紙幣12bを図示せぬ紙幣収納庫から紙幣室11に搬送したり、入金時に、顧客が投入した入金紙幣12aの中から図示せぬ鑑別部によって検知されたリジェクト紙幣(すなわち、顧客に返却すべき異常紙幣)12cを、鑑別部から紙幣室11に搬送するための搬送路である。
【0010】
係る構成において、プールガイド14と第1のビルプレス15と第2のビルプレス16は、それぞれ、以下のように動作する。
【0011】
入金時において、ATM1は、プールガイド14と第1のビルプレス15と第2のビルプレス16をそれぞれ図6に示すポジションに配置した後、図6に示すポジションから図7に示すポジションに移動させる。なお、図6は、前記した通り、プールガイド14と第1のビルプレス15と第2のビルプレス16がそれぞれ紙幣受渡し用ポジションに配置された状態を示している。一方、図7は、プールガイド14と第1のビルプレス15と第2のビルプレス16がそれぞれ分離用ポジションに配置された状態を示している(ただし、厳密には、第2のビルプレス16はリジェクト紙幣12cを集積するための集積用ポジションに配置された状態を示している)。
【0012】
すなわち、まず、ATM1は、プールガイド14と第1のビルプレス15と第2のビルプレス16をそれぞれ図6に示す紙幣受渡し用ポジションに配置して、紙幣入出金口5のシャッタ13を開ける。これにより、顧客は、紙幣12を紙幣入出金口5の内部の紙幣室11(具体的には、プールガイド14と第1のビルプレス15との間)に投入する。ATM1は、顧客が紙幣12を投入すると、シャッタ13を閉じる。
【0013】
この後、ATM1は、第1のビルプレス15をプールガイド14側(図6に示す矢印A方向)に移動させて、プールガイド14と第1のビルプレス15とで紙幣12を挟持し、さらに、紙幣12を挟持した状態でプールガイド14と第1のビルプレス15とを分離用ポジション(図7参照)に移動させる。このとき、ピッカローラ17の外周の一部が、プールガイド14に設けられたローラ用孔から紙幣12側に突出して、紙幣12と接触する。
また、このプールガイド14と第1のビルプレス15の移動と同時に、ATM1は、第2のビルプレス16を、放出搬送路20側方向(図6に示す矢印B方向)に、リジェクト紙幣12cを集積するための集積用ポジション(図7参照)まで移動させる。
【0014】
ATM1は、図7に示す状態で、ピッカローラ17とフィードローラ18とゲートローラ19とを時計方向に回転する。このとき、ピッカローラ17の外周に設けられている高摩擦部材が紙幣12を紙幣室11から分離搬送路21側に繰り出し、フィードローラ18とゲートローラ19が2枚以上の紙幣12が同時に繰り出されるのを規制する。そのため、ATM1は、1枚の紙幣12だけを確実に分離搬送路21に繰り出す。
【0015】
ATM1は、分離搬送路21によって、繰り出された紙幣12を図示せぬ鑑別部に搬送し、鑑別部で入金可能な紙幣か否かを鑑別する。鑑別部が紙幣12を入金可能な紙幣と判断した場合に、ATM1は、図示せぬ搬送路によって、その紙幣12を鑑別部から図示せぬ紙幣収納庫に搬送して、その紙幣収納庫に収納する。一方、鑑別部が紙幣12を入金不能な紙幣と判断した場合に、ATM1は、放出搬送路20によって、その紙幣12をリジェクト紙幣12cとして鑑別部から紙幣入出金口5に搬送して、第1のビルプレス15と第2のビルプレス16との間に立位状態で集積する。
【0016】
ATM1は、プールガイド14と第1のビルプレス15との間に挟持されたすべての紙幣12を分離搬送路21に繰り出した後、プールガイド14と第1のビルプレス15と第2のビルプレス16を紙幣受渡し用ポジション(図6参照)に移動させて、リジェクト紙幣12cを顧客に返却する。
【0017】
一方、出金時において、ATM1は、プールガイド14と第1のビルプレス15と第2のビルプレス16をそれぞれ図8に示すポジションに配置した後、図8に示すポジションから図6に示すポジションに移動させる。なお、図8は、プールガイド14と第1のビルプレス15と第2のビルプレス16がそれぞれ集積用ポジションに配置された状態を示している。
【0018】
すなわち、まず、ATM1は、プールガイド14と第1のビルプレス15と第2のビルプレス16をそれぞれ図8に示すポジションに配置する。そして、ATM1は、図示せぬ金種別の紙幣収納庫に収納された紙幣12を紙幣収納庫から放出搬送路20に繰り出し、放出搬送路20によって、繰り出された紙幣12を出金紙幣12bとして、紙幣収納庫から紙幣入出金口5に搬送して、紙幣室11(具体的には、プールガイド14と第1のビルプレス15との間)に立位状態で集積する。なお、ATM1は、2つの金種を出金する場合に、指定された枚数の一つ目の金種の集積が完了した後、二つ目の金種を一つ目とは別の紙幣収納庫から1枚ずつ繰り出して、一つ目の金種と一緒に紙幣室11(プールガイド14と第1のビルプレス15との間)の間に立位状態で集積する。
【0019】
この後、ATM1は、プールガイド14と第1のビルプレス15と第2のビルプレス16を紙幣受渡し用ポジション(図6)に移動させる。そして、ATM1は、顧客に出金紙幣12bの受け取りを要請するメッセージ(例えば「紙幣を受け取ってください」等)を操作表示部4に表示して、シャッタ13を開ける。これにより、顧客は、紙幣入出金口5から出金紙幣12bを受け取る。
【0020】
ところで、顧客は、例えば、一万円札を180枚出金する場合に、100枚の束とその他の束というように、出金紙幣12bを枚数毎に区分して管理したい場合がある。このような場合に、顧客は、ATM1から受け取った出金紙幣12bを顧客自身で数えながら区分する作業を行う必要があった。
また、顧客は、例えば、一万円札と千円札というように、出金紙幣12bを金種毎に区分して管理したい場合がある。このような場合に、顧客は、出金紙幣12bの金種の境目を一目で見分けることができないため、顧客自身で出金紙幣12bの金種の境目を見つけて区分する作業を行う必要があった。この作業は、手間がかかるものであり、特に、ドル紙幣のように、紙幣サイズがどの金種も同じ場合に、一層手間がかかっていた。
そのため、ATM1は、出金後に、このような作業を行う顧客がいると、装置の利用率が低下していた。
【0021】
そこで、出金時に、出金紙幣を複数の紙幣群に分割(区分)する装置が提案されていた(特許文献2参照)。特許文献2に開示された装置は、出金紙幣を複数の紙幣群に分割(区分)しながら、各紙幣群を施封して、出金するものである。
【特許文献1】特開平09−147193号公報(図3〜図8)
【特許文献2】特開平10−154254号公報(図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
しかしながら、特許文献2に開示された装置は、出金紙幣を施封するための機構等の特別な機構を設ける必要があるため、装置が大型化するとともに、コストが上昇するという課題があった。
【0023】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、出金紙幣を施封するための機構等の特別な機構を設けることなく、特許文献1に開示された従来装置と同様の機構のままで、出金紙幣を分割して、その分割された出金紙幣を紙幣入出金口から一括して(併せて)顧客に渡すことができる紙幣自動取引装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
前記目的を達成するため、本発明は、出金時に、出金紙幣を紙幣室に集積して、紙幣入出金口から放出する紙幣自動取引装置であって、前記紙幣入出金口は、内部に、前記紙幣を支える壁部材として、プールガイドと、前記紙幣を当該プールガイド側へ押圧する第1のビルプレス及び第2のビルプレスとを備えており、前記紙幣室は、前記プールガイドと前記第2のビルプレスとの間に形成され、かつ、前記第1のビルプレスは、出金時に、前記プールガイドと前記第2のビルプレスとの間を移動することによって、前記紙幣室内に集積される前記出金紙幣を、前記プールガイド側と前記第2のビルプレス側との複数の紙幣群に分割するための仕切り部材として機能することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明により、出金紙幣を施封するための機構等の特別な機構を設けることなく、従来装置と同様の機構のままで、出金紙幣を分割して、その分割された出金紙幣を紙幣入出金口から一括して(併せて)顧客に渡すことができる紙幣自動取引装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、各構成要素の形状、大きさ、及び、配置関係を、本発明を理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0027】
以下、図1を参照して、本実施形態に係る紙幣自動取引装置(ATM)の動作につき説明する。なお、図1は、実施形態に係る紙幣自動取引装置の動作説明図である。
【0028】
図1に示すように、本実施形態に係るATM1aは、従来装置と同様の機構のままで、出金紙幣12bの分割(区分)を実現する。そのために、ATM1aの制御部50は、出金時に、第1のビルプレス15を、プールガイド14と第2のビルプレス16との間を移動させる。これによって、ATM1aは、この第1のビルプレス15を、紙幣室11内に集積される出金紙幣12bをプールガイド14側と第2のビルプレス15側との複数の紙幣群に分割(区分)するための仕切り部材として、機能させる。
したがって、ATM1aは、構成が従来装置の機構と同様になっているが、出金時の動作が従来装置の動作と異なる。
【0029】
以下、出金時のATM1aの動作、特に、紙幣入出金口5の内部の壁部材(プールガイド14と第1のビルプレス15と第2のビルプレス16)の動作につき説明する。なお、ここでは、従来装置と同様に、プールガイド14と第1のビルプレス15と第2のビルプレス16は、それぞれ、入金時に入金紙幣12aを分離するための分離用ポジション(図7参照)と、出金時に出金紙幣12bを集積するための集積用ポジション(図4(a)及び図4(b)参照)とが予め設定されており、分離用ポジションと集積用ポジションの間で紙幣入出金口5の内部を移動するものとして説明する。
【0030】
顧客は、紙幣12を分割(区分)して出金する場合に、操作表示部4を操作して、分割(区分)する金額単位、紙幣枚数、又は金種を、指定(入力)する。ここでは、顧客は、ATM1aが出金紙幣12bを二つの群に分割して出金する構成となっているため、例えば、「一つ目の群に100万円、二つ目の群に80万円」又は「一つ目の群に100枚、二つ目の群に80枚」又は「一つ目の群に一万円札、二つ目の群に千円札」等のように、指定するものとして説明する。
【0031】
これに応答して、ATM1aの制御部50は、まず、プールガイド14と第1のビルプレス15と第2のビルプレス16とを、それぞれ、集積用ポジション(図4(a)参照)に移動させる。
この後、制御部50は、一つ目の群の出金紙幣12b(以下、「第1群の出金紙幣12A」と称する)をプールガイド14と第1のビルプレス15との間に立位状態で集積させる。
【0032】
制御部50は、第1群の出金紙幣12Aの集積が完了したら、第1のビルプレス15をプールガイド14側方向に移動させる(図4(b)参照)。なお、このとき、制御部50は、好ましくは、集積空間を確保するために、必要に応じて、プールガイド14を分離搬送路21側方向に移動させるとよい。
この後、制御部50は、二つ目の群の出金紙幣12b(以下、「第2群の出金紙幣12B」と称する)を第1のビルプレス15と第2のビルプレス16との間に立位状態で集積させる。
【0033】
なお、第1のビルプレス15は、好ましくは、顧客が出金紙幣12bを一度に取り出すことができる範囲内で仕切るようにするとよい。
また、第1のビルプレス15は、後記するように、紙幣室11から退避するための退避用ポジション(図4(c)参照)が予め設定されており、シャッタ13の開放時に、退避用ポジションに移動する構成にするとよい。なお、この場合、底板5bは、第1のビルプレス15が退避用ポジションに移動できるように、一部分が開放される構成とする。
【0034】
制御部50は、第2群の出金紙幣12Bの集積が完了したら、プールガイド14と第1のビルプレス15と第2のビルプレス16のそれぞれを分割時の紙幣受渡し用ポジション(図1参照)に移動させる。なお、図1は、プールガイド14と第1のビルプレス15と第2のビルプレス16がそれぞれ分割時の紙幣受渡し用ポジションに配置された状態を示している。分割時の紙幣受渡し用ポジションは、分割しない場合の紙幣受渡し用ポジション(図6参照)と比較すると、第1のビルプレス15と第2のビルプレス16が第2群の出金紙幣12Bを挟持できるように、第1のビルプレス15がプールガイド14側に移動した位置となっている。
【0035】
この後、制御部50は、顧客に出金紙幣12bの受け取りを要請するメッセージ(以下、「受取り要請メッセージ」と称する)を操作表示部4に表示させて、シャッタ13を開けさせる。これにより、顧客は、二つの群に分割された出金紙幣12bを紙幣入出金口5から一括して受け取ることができる。
【0036】
なお、受取り要請メッセージは、好ましくは、「手前側に所定金額Aaの束(例えば100万円)、奥側に所定金額Abの束(例えば80万円)があります」又は「手前側に所定枚数Baの束(例えば100枚)、奥側に所定枚数Bbの束(例えば80枚)があります」又は「手前側に金種Caの束(例えば一万円札)、奥側に金種Cbの束(例えば千円札)があります」等のように、分割(区分)された紙幣群の位置を示すようにするとよい。これにより、顧客は、分割(区分)された出金紙幣12bの境目を容易に発見できる。
【0037】
ATM1aは、このようにして、出金紙幣12bを単一の紙幣室11内で分割(区分)し、その分割した出金紙幣12bをそのまま紙幣入出金口5から放出する。
【0038】
以下、図2乃至図4を参照して、本実施形態に係る紙幣自動取引装置(ATM)の動作の詳細につき説明する。なお、図2は、実施形態に係る紙幣自動取引装置の動作を説明するためのフローチャートである。また、図3は、操作表示部の表示例の説明図であり、図4は、実施形態に係る紙幣自動取引装置の動作の説明図である。
【0039】
ATM1aの制御部50は、図示せぬ接近検知センサによって顧客の接近を検知すると、初期画面である取引選択画面(図示せず)を操作表示部4に表示させて、顧客に取引処理(例えば、出金や入金等)の選択を要請する。なお、操作表示部4は、表示面が上向きに配置された液晶ディスプレイ等による表示手段と、この表示手段上に配置された入力手段としてのタッチパネルとを備えた構成となっている。操作表示部4は、顧客の操作を誘導するメッセージや各種の入力キーが配された画面を表示手段に表示し、顧客がタッチパネル上から指で入力キーを押下することによって、入力キーに定義された情報が入力される。
【0040】
顧客が取引選択画面に基づいて出金取引を選択した場合に、制御部50は、例えば図3(a)に示す出金金額の入力画面を操作表示部4に表示させて、一連の動作を開始する。なお、図3(a)に示す出金金額の入力画面は、分割出金キー100が表示されている。ATM1aは、分割出金キー100が押下された場合に、分割出金を行う。すなわち、ATM1aは、紙幣室11内で出金紙幣12bを分割して、紙幣入出金口5から出金する。
【0041】
ここで、顧客がいずれかのキーを押下したとする。このとき、制御部50は、顧客によって押下されたキー(以下、「押下キー」と称する)が分割出金キー100(図3(a)参照)か否かを判断する(S1)。
【0042】
S1の判断で、押下キーが分割出金キーでない場合(“No”の場合)に、ATM1aは、従来と同様の、出金紙幣12bを分割しない出金取引(以下、「通常出金」と称する)を行う(S2)。この場合に、押下キーが図3(a)に示すテンキー101であれば、制御部50は、押下されたキー情報に基づいて出金金額を出金額欄102に表示させる。そして、顧客が出金額欄102に表示された出金金額を見て確認キー103を押下すると、制御部50は、出金額欄102に表示された出金金額をプールガイド14と第1のビルプレス15との間に集積させて、紙幣入出金口5から放出させる。なお、押下キーが図3(a)に示す取消キー104であれば、制御部50は、操作表示部4の表示を1ステップ前の取引選択画面に戻させる。
【0043】
一方、S1の判断で、押下キーが分割出金キーである場合(“Yes”の場合)に、制御部50は、例えば図3(b)に示す分割金額の入力画面を操作表示部4に表示させて、顧客に分割金額の入力を要請する(S3)。顧客は、図3(b)に示す分割金額の入力画面に基づいて、テンキー101を操作して、合計金額欄105及び分割額欄106に取引合計金額及び分割金額を入力する。ここでは、顧客は、図3(b)に示す分割金額の入力画面で、取引合計金額及び分割金額として、「合計出金額778,000円、分割額453,000円」を入力するものとして説明する。この場合に、制御部50は、まず、第1群の出金紙幣12Aとして、453,000円分の紙幣12を、プールガイド14と第1のビルプレス15との間に集積させ、次に、第2群の出金紙幣12Bとして、残りの金額分(すなわち、325,000円分)の紙幣12を、第1のビルプレス15と第2のビルプレス16との間に集積させる。なお、仮に、合計出金額欄105及び分割額欄106の横の訂正キー107が押下されると、制御部50は、該当する欄(合計出金額欄105又は分割額欄106)の表示を一旦消去させて、再度、テンキー101によって入力される情報を有効にする。
【0044】
なお、顧客は、例えば支払先毎の支払額面等を十分に把握している場合が多いので、合計金額よりも複数の用途金額をそれぞれ個別に入力したいときがある。そこで、制御部50は、図3(b)に示す分割金額の入力画面の代わりに、例えば図3(c)に示す分割金額の入力画面を操作表示部4に表示させるようにしてもよい。なお、図3(c)に示す分割金額の入力画面は、複数(図示例では2つ)の用途金額のそれぞれを、複数(図示例では2つ)の分割額欄108,109に入力する構成となっている。
【0045】
S3の後、制御部50は、所定時間、適宜、顧客によって分割金額が入力されたか否かを判断する(S4)。
S4の判断で、所定時間内に分割金額が入力されていない場合(“No”の場合)に、処理はS3に戻る。この場合、分割金額が入力されるまで、制御部50は、S3〜S4の処理を繰り返す。
一方、S4の判断で、分割金額が入力された場合(“Yes”の場合)に、制御部50は、第1群の出金紙幣12Aの受入準備として、まず、プールガイド14と第1のビルプレス15と第2のビルプレス16のそれぞれを分割時の第1群の集積用ポジション(図4(a)参照)に移動させる(S5)。
【0046】
制御部50は、図示せぬ検知手段によって、第1群の出金紙幣12Aの受入準備の完了を検知する(すなわち、プールガイド14と第1のビルプレス15と第2のビルプレス16の移動の完了を検知する)と、図示せぬ紙幣収納庫から第1群の出金紙幣12Aとして指定された金額分の紙幣12を繰り出させる(S6)。
本実施形態では、図4(a)に示すように、制御部50は、第1群の第1金種紙幣12Aaとして、一万円券収納庫から45枚の一万円札を繰り出させるとともに、第1群の第2金種紙幣12Abとして、千円券収納庫から3枚の千円札を繰り出させ、紙幣室11内に搬送させて、それぞれを、第1群の出金紙幣12Aとして、プールガイド14と第1のビルプレス15との間に集積させる。
【0047】
S6と並行して、制御部50は、第1群の出金紙幣12Aの集積が完了したか否かを判断する(S7)。
なお、紙幣収納庫から繰り出された紙幣12は、図示せぬ鑑別部を通過する際に、鑑別部によって鑑別される。このとき、「出金不能」と判断された紙幣12は、図示せぬ出金リジェクト庫に取り込まれる。そのため、「出金可能」と判断された紙幣12のみが、出金紙幣12bとして、紙幣室11に搬送される。
【0048】
S7の判断で、第1群の出金紙幣12Aの集積が完了していない場合(“No”の場合)に、処理はS6に戻る。この場合、第1群の出金紙幣12Aの集積が完了するまで、制御部50は、S6〜S7の処理を繰り返す。
一方、S7の判断で、第1群の出金紙幣12Aの集積が完了した場合(“Yes”の場合)に、制御部50は、第2群の出金紙幣12Bの受入準備として、まず、プールガイド14と第1のビルプレス15のそれぞれを、図4(b)に示す矢印A方向に、分割時の第2群の集積用ポジション(図4(b)参照)まで移動させる(S8)。なお、このとき、プールガイド14と第1のビルプレス15は、第1群の出金紙幣12Aを挟持したままの状態で移動させられる。また、このときの移動量は、第1群として集積させている出金紙幣12Aの枚数(又は厚さ)に応じて、変化させるものとする。
【0049】
制御部50は、図示せぬ検知手段によって、第2群の出金紙幣12Bの受入準備の完了を検知する(すなわち、プールガイド14と第1のビルプレス15の移動の完了を検知する)と、図示せぬ紙幣収納庫から第2群の出金紙幣12Bとして指定された金額分(すなわち、残りの金額の325,000円分)の紙幣12を繰り出させる(S9)。
本実施形態では、図4(b)及び図4(c)に示すように、制御部50は、第2群の第1金種紙幣12Baとして、一万円券収納庫から32枚の一万円札を繰り出させるとともに、第2群の第2金種紙幣12Bbとして、千円券収納庫から5枚の千円札を繰り出させ、紙幣室11内に搬送させて、それぞれを、第2群の出金紙幣12Bとして、第1のビルプレス15と第2のビルプレス16との間に集積させる。
【0050】
S9と並行して、制御部50は、第2群の出金紙幣12Bの集積が完了したか否かを判断する(S10)。
【0051】
S10の判断で、第2群の出金紙幣12Bの集積が完了していない場合(“No”の場合)に、処理はS9に戻る。この場合、第2群の出金紙幣12Bの集積が完了するまで、制御部50は、S9〜S10の処理を繰り返す。
一方、S10の判断で、第2群の出金紙幣12Bの集積が完了した場合(“Yes”の場合)に、制御部50は、図4(c)に示すように、プールガイド14と第1のビルプレス15と第2のビルプレス16とで第1群の出金紙幣12Aa,12Abと第2群の出金紙幣12Ba,12Bbとを挟持したままの状態で、プールガイド14と第1のビルプレス15と第2のビルプレス16とを紙幣受渡し用ポジションに移動させる(S11)。
【0052】
このとき、制御部50は、プールガイド14を矢印A方向に移動させつつ、第1のビルプレス15と第2のビルプレス16とを矢印B方向に移動させるが、好ましくは、それぞれの移動量に差異をつけて移動させるとよい。これにより、ATM1aは、第1群の出金紙幣12Aa,12Abと第2群の出金紙幣12Ba,12Bbとが一括して抜き取られるように集積できる。
【0053】
制御部50は、プールガイド14と第1のビルプレス15と第2のビルプレス16の紙幣受渡し用ポジションへの移動が完了すると、例えば図3(d)に示す紙幣受取りの要請画面を操作表示部4に表示させて、出金紙幣12bの取出案内を行う(S12)。なお、図3(d)に示す例では、画面には、出金紙幣12bの束が手前側と奥側とに分割集積されていることを、イラストや画像で表示している。また、このとき、制御部50は、出金紙幣が分割集積されていることを知らせる音声を図示せぬスピーカから出力させて、顧客に報知するようにしてもよい。
【0054】
制御部50は、S12と並行して、シャッタ13を開けさせて(S13)、出金紙幣12bの取り出しを可能にする。顧客は、図4(c)に示す上方から手を挿入して、出金紙幣12bを取り出すことになる。
このとき、制御部50は、図示せぬ手挿入検知センサによって、顧客による紙幣取り出し動作を検知する。なお、顧客は、出金紙幣12bが分割されているため、第1群の出金紙幣12Aa,12Abと第2群の出金紙幣12Ba,12Bbとを一度に取り出せないことがある。そこで、制御部50は、図示せぬ紙幣検知センサによっても、出金紙幣12bの取り出し状況を監視する。すなわち、制御部50は、紙幣検知センサから出力される信号に基づいて、出金紙幣12bが検知されているか否か(すなわち、出金紙幣12bが紙幣室11内にあるか否か)を判断する(S14)。
【0055】
S14の判断で、出金紙幣12bが検知されていない場合(“No”の場合)に、制御部50は、手挿入検知センサの検知回数に係わらず、第1群の出金紙幣12Aa,12Abと第2群の出金紙幣12Ba,12Bbとのすべてが取り出されたと判断する。この場合に、制御部50は、シャッタ13を閉じさせて(S15)、一連の処理を終了する。
これにより、顧客は、第1群と第2群とに分割された出金紙幣12bを、容易に分けて管理できる。なお、顧客は、異なる金種の出金紙幣12bを出金した場合に、金種の境目を、出金紙幣12bを仕切る目安にすることができる。例えば、本実施形態のように、一万円札と千円札とがあれば、一万円札と千円札との境目を、出金紙幣12bの仕切る目安として、出金紙幣12を束ねることもできる。
【0056】
一方、S14の判断で、所定時間経過しても、出金紙幣12bが検知される場合(“Yes”の場合)に、制御部50は、第1群の出金紙幣12Aa,12Abと第2群の出金紙幣12Ba,12Bbが取り出されていないと判断する。この場合に、制御部50は、出金紙幣12bの取り出しを促す画面を操作表示部4に表示させたり、出金紙幣12bの取り出しを促す音声等を図示せぬスピーカから出力させたりする。顧客は、ATM1aがこのような動作を行っても、帰ってしまう場合がある。その場合に、制御部50は、タイムアウトか否かを判断する(S16)。
【0057】
S16の判断で、タイムアウトでない場合(“No”の場合)に、処理はS12に戻る。
一方、S16の判断で、タイムアウトである場合(“Yes”の場合)に、制御部50は、顧客が出金紙幣12bを取り忘れたものとして(すなわち、第1群の出金紙幣12Aa,12Ab及び第2群の出金紙幣12Ba,12Bbの一部又はすべてを取り忘れたものとして)、シャッタ13を閉じさせる(S17)。これにより、ATM1aは、悪意のある第三者による取り忘れられた出金紙幣12bの搾取等を防止する。なお、制御部50は、図示せぬ接近検知センサによって、顧客がATM1aから離れたことを検知した場合も、同様に、シャッタ13を閉じさせる。
【0058】
S17の後、ATM1aは、以下のS18〜S19の動作を行うことによって、取り忘れられた出金紙幣12bの内部への取り込みと収納を行う。このとき、ATM1aは、第1のビルプレス15が第2群の出金紙幣12Ba,12Bbを内部に取り込む際の障害になるため、ピッカローラ17が第2群の出金紙幣12Bと接触できない。そこで、ATM1aは、第1のビルプレス15を退避する動作を行う。
【0059】
すなわち、まず、制御部50は、底板5bの一部を開放して、第1のビルプレス15を退避させる(S18)。
第1のビルプレス15の退避が終了したら、制御部50は、プールガイド14と第2のビルプレス16とで第1群の出金紙幣12Aa,12Abと第2群の出金紙幣12Ba,12Bbとを挟持したままの状態で、プールガイド14と第2のビルプレス16とを分離用ポジション(図7参照)に移動させる。そして、制御部50は、プールガイド14と第2のビルプレス16によって挟持されている第1群の出金紙幣12Aa,12Abと第2群の出金紙幣12Ba,12Bbとを、ピッカローラ17(図1参照)に押し付けさせて分離搬送路21(図1参照)に繰り出させ、図示せぬ取り忘れ紙幣収納庫に収納させる。これにより、ATM1aは、取り忘れられた第1群の出金紙幣12Aa,12Abと第2群の出金紙幣12Ba,12Bbとを一括して(併せて)、内部への取り込みと収納を行う(S19)。
【0060】
制御部50は、図示せぬ紙片検知センサによって、取り忘れられた出金紙幣12bのすべてが取り込まれたことを検知したら、第2のビルプレス16を放出搬送路20側に戻させるとともに、退避させていた第1のビルプレス15を紙幣室11内に戻させる。
【0061】
以上の通り、ATM1aによれば、特別な機構を設けることなく、従来装置と同様の機構のままで、出金紙幣を分割して、その分割された出金紙幣を紙幣入出金口から一括して(併せて)顧客に渡すことができる。これにより、装置の大型化を抑制できるとともに、コストの上昇を抑制できる。
【0062】
本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
【0063】
例えば、前記した実施形態では、ATM1aは、プールガイド14と第1のビルプレス15と第2のビルプレス16の3つの壁部材を用いて、2つの空間を形成し、出金紙幣12bを2つの紙幣群に分割(区分)している。しかしながら、ATM1aは、壁部材の数を増やすことによって、さらに多くの空間を形成し、出金紙幣12bをさらに多くの紙幣群に分割(区分)してもよい。
【0064】
また、例えば、ATM1aは、出金紙幣12bを、金額単位又は紙幣枚数で分割する場合に、一つ目の紙幣群を予め定めた設定値の束とし、二つ目の紙幣群を残りの束として集積するようにしてもよい。具体的には、ATM1aは、100万円以上の出金紙幣12bを分割する場合に、一つ目の紙幣群を100万円の束とし、二つ目の紙幣群を残りの金額の束として集積するようにしてもよい。若しくは、例えば、ATM1aは、100枚以上の出金紙幣12bを分割する場合に、一つ目の紙幣群を100枚の束とし、二つ目の紙幣群を残りの枚数の束として集積するようにしてもよい。
なお、一つ目の紙幣群に対して定める設定値は、出金の金額又は紙幣枚数に応じて、変動するようにしてもよい。例えば、顧客が50万円以上100万円未満の出金を行う場合に、ATM1aは、一つ目の紙幣群を50万円の束とし、二つ目の紙幣群を残りの金額の束として集積するようにしてもよい。
【0065】
また、例えば、前記した実施形態では、ATM1aは、第1のビルプレス15を退避させるために、底板5bの一部を開放している。しかしながら、ATM1aは、ピッカローラ17が第2群の出金紙幣12Ba,12Bbと接触できるように、第1のビルプレス15のピッカローラ17と対向する位置にローラ用孔を設けるとともに、ピッカローラ17がそのローラ用孔から第2群の出金紙幣12B側に突出する程度の厚さに第1のビルプレス15を形成するとよい。これにより、ATM1aは、第1のビルプレス15を退避させるための機構を有することなく、従来装置と同様の機構で、第2群の出金紙幣12Ba,12Bbを内部に取り込みできる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】実施形態に係る紙幣自動取引装置の動作説明図である。
【図2】実施形態に係る紙幣自動取引装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】操作表示部の表示例の説明図である。
【図4】実施形態に係る紙幣自動取引装置の動作説明図である。
【図5】一般的な紙幣自動取引装置の斜視図である。
【図6】従来装置における紙幣入出金口の内部機構の側面図である。
【図7】従来装置における紙幣入出金口の内部機構の動作説明図(1)である。
【図8】従来装置における紙幣入出金口の内部機構の動作説明図(2)である。
【符号の説明】
【0067】
1a 紙幣自動取引装置(ATM)
2 カード挿入排出口
3 通帳挿入排出口
4 操作表示部
5 紙幣入出金口
5a 側板
5b 底板
6 硬貨入出金口
7 接客部
11 紙幣室
12(12a,12b,12c) 紙幣(入金紙幣,出金紙幣,リジェクト紙幣)
13 シャッタ
14 プールガイド
15 第1のビルプレス
16 第2のビルプレス
17 ピッカローラ
18 フィードローラ
19 ゲートローラ
20 放出搬送路
21 分離搬送路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
出金時に、出金紙幣を紙幣室に集積して、紙幣入出金口から放出する紙幣自動取引装置において、
前記紙幣入出金口は、内部に、前記紙幣を支える壁部材として、プールガイドと、前記紙幣を当該プールガイド側へ押圧する第1のビルプレス及び第2のビルプレスとを備えており、
前記紙幣室は、前記プールガイドと前記第2のビルプレスとの間に形成され、かつ、
前記第1のビルプレスは、出金時に、前記プールガイドと前記第2のビルプレスとの間を移動することによって、前記紙幣室内に集積される前記出金紙幣を、前記プールガイド側と前記第2のビルプレス側との複数の紙幣群に分割するための仕切り部材として機能する
ことを特徴とする紙幣自動取引装置。
【請求項2】
請求項1に記載の紙幣自動取引装置において、
前記紙幣入出金口は、駆動源によって駆動されて開閉するシャッタによって構成されているとともに、内部に、四方の側面を形成する側板と底面を形成する底板とによって構成された箱体が設けられており、かつ、当該箱体の内部に、前記壁部材としての前記プールガイドと前記第1のビルプレスと前記第2のビルプレスとが配置されている
ことを特徴とする紙幣自動取引装置。
【請求項3】
請求項2に記載の紙幣自動取引装置において、
前記箱体は、前記紙幣を装置内部に取り込む分離機構を備えており、前記出金紙幣の取り忘れが発生した場合に、当該分離機構によって、分割された状態の前記出金紙幣を一括して装置内部に取り込む
ことを特徴とする紙幣自動取引装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の紙幣自動取引装置において、
前記第1のビルプレスは、顧客からの要求に応じて、前記出金紙幣を、顧客から指定された金額単位、紙幣枚数、又は金種で、分割する
ことを特徴とする紙幣自動取引装置。
【請求項5】
請求項2に記載の紙幣自動取引装置において、
前記第1のビルプレスは、前記プールガイドと前記第2のビルプレスとの間に形成された前記紙幣室から退避するための退避用ポジションが予め設定されており、前記シャッタの開放時に、当該退避用ポジションに移動する
ことを特徴とする紙幣自動取引装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の紙幣自動取引装置において、
さらに、前記出金紙幣が分割集積されていることを顧客に報知する報知手段を有する
ことを特徴とする紙幣自動取引装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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