説明

紙葉類処理装置及びそれに用いる羽根車集積装置

【課題】一時集積庫に紙葉類Pを整位する振動板及びこの振動板を振動するための駆動機構を用いずに一時集積庫に紙葉類を集積することができる紙葉類処理装置及びこれに用いられる羽根車集積装置を提供する。
【解決手段】本発明の羽根車集積装置30には、羽根車30A、一時集積庫30B、底板30C、右側ガイド板30E及び左側ガイド板30Dが備えらおり、集積される紙葉類を取り揃えるための振動板及びこの振動板を駆動する駆動機構が設けられていない。また、底板30Cが水平位置に対して傾斜角度θ1が15°〜30°の範囲内で底板が傾斜するように配置される。さらに、左側ガイド板30Dは、底板30Cに対して5°〜15°の範囲で右側に傾けて配置される。羽根車に取り込まれた紙葉類Pの先端が左側ガイド板に到達すると、羽根車はそのまま回転するが当該紙葉類Pは回転が制止されるため、羽根車の回転に伴い掻き出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有価証券などの紙葉類を処理する紙葉類処理装置に関し、特に紙葉類を集積する羽根車集積装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有価証券などの紙葉類を処理する紙葉類処理装置は、一括して投入された紙葉類束から取出装置によって紙葉類を1枚ずつ取出して搬送し、紙葉類判別装置によって判別し、その判別結果に基づいて正券(再流通可能な正常な券)、損券(損傷があり最流通不可能な券)、及び判別不能券、搬送異常券又は2枚取り券などの排除券に区分して搬送する。
【0003】
正券は、正券集積部の羽根車集積装置で集積され、100枚に達するごとに紙帯で施封されて把が形成され、必要に応じて10把積み重ねてさらに紙帯で結束して束が形成される。損券は、紙葉類裁断装置に搬送されて、当該装置によって裁断される。
【0004】
排除券は、排除券集積庫に集積される場合と排除券集積装置に集積される場合がある。一方の排除券集積庫は、取出し直後の搬送異常券や2枚取り券をさらに搬送するとその他の障害を発生する場合があるため、これらの紙葉類(券)を取出し直後に分岐して集積する集積庫である。他方の排除券集積装置は、紙葉類判別装置によって判別不能券とされた偽券や、取扱い券以外の異種券を集積する集積装置で羽根車集積装置が用いられる。
【0005】
図9は、このように構成された紙葉類処理装置に用いられている従来の羽根車集積装置300である。この従来の羽根車集積装置300には、羽根車300A、一時集積庫300B、底板300C、振動板300E及びこの振動板300Eの駆動機構300Fが備えられている。
【0006】
このように構成された羽根車集積装置300は、複数の羽根が回転軸の周辺に組み込まれて羽根車300Aが構成され、搬送されてきた紙葉類Pを羽根と羽根の間で受取るために紙葉類Pの搬送に同期して回転している。この集積方法は、高速に搬送される紙葉類Pの搬送エネルギーを吸収し、その紙葉類Pにダメージを与えることなく静止させ、かつ当該紙葉類を集積することができるため、従来から使用されている。
【0007】
上記羽根車300Aの羽根の間で受取られた紙葉類Pは、羽根車300Aの回転によって回動され、羽根車に入れ子状態に配置されたガイド板300Dによって回転が阻止され、一時集積庫300Bに集積される。このようにして集積された紙葉類Pは、不揃いになるために紙葉類Pの後端に振動を与える振動板300Eが配置されている。この振動板300Eは、駆動機構300Fの回転軸に組み込まれたカム300Gに当接されており、回転軸の回転によりカム300Gが回転し、カム300Gに当接されている振動板300Eが振動する。この振動板300Eによって羽根車300Aから一時集積庫300Bに掻き出された紙葉類Pの後端に振動が与えられ、一時集積庫300Bに整位されて集積される。
【0008】
ガイド版300Dは、羽根車300Aの側面と交差する部分に切り欠を有する円弧状の板状体で構成され、下部は底板300Cに垂直に配置される、上部は一時集積庫300B側にカーブするように配置される。このような配置によって、ガイド板300Dに掻き出された紙葉類Pが当該ガイド板300Dにもたれかかることなく一時集積庫300Bの底板300Cに集積される(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−213506号公報 (第5−6頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1記載の紙葉類処理装置では、一時集積庫300Bに紙葉類Pを整位して集積するためには、振動板300E及びこの振動板300Eを振動するための駆動機構300Fが必要になるという課題があった。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、一時集積庫に紙葉類Pを整位して集積するための振動板及びこの振動板を振動するための駆動機構を用いずに一時集積庫に紙葉類を集積することができる紙葉類処理装置及びこれに用いられる羽根車集積装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の紙葉類処理装置は、紙葉類を区分処理する紙葉類処理装置であって、前記紙葉類を搬送する搬送手段と、この搬送手段によって搬送された前記紙葉類を判別する紙葉類判別手段と、この紙葉類判別手段の判別結果に基づいて前記紙葉類を区分する区分手段と、この区分手段によって区分搬送される前記紙葉類を羽根と羽根の間で受取るために回転する羽根車と、この羽根車によって取り込まれた前記紙葉類の回転方向下流に配置され、当該紙葉類を掻き落とすためのガイド板と、このガイド板によって掻き落とされた前記紙葉類の先端を当該ガイド板に当接して集積するため、集積される紙葉類の後端が先端に対して高い位置になるように水平面に対して第1の傾斜角度を有して配置された底板と、を有する羽根車集積手装置と、この羽根車集積装置によって集積された前記紙葉類が所定枚数に到達したときに当該紙葉類を施封する施封手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項3記載の羽根車集積装置は、搬送される紙葉類を検知するセンサと、このセンサによって検知された紙葉類の搬送方向下流に配置され、この搬送に同期して回転しながら回転軸の周辺に配置した複数の羽根の間で前記紙葉類を取り込む羽根車と、この羽根車に取り込まれた紙葉類の回転方向下流に配置され、当該紙葉類を掻き落とすためのガイド板と、このガイド板によって掻き落とされた前記紙葉類の先端を当該ガイド板に当接して集積するため、集積される紙葉類の後端が先端に対して高い位置になるように第1の傾斜角度を有して配置した底板と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、羽根車集積装置の一時集積庫に紙葉類Pを整位して集積するための振動板及びこの振動板を振動するための駆動機構を用いずに一時集積庫に紙葉類を集積することができるため、経済性に優れた紙葉類処理装置及びこれに用いられる羽根車集積装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明の実施例による紙葉類処理装置1の概略構成図である。図2は、紙葉類集積装置(羽根車集積装置)30の主要部分を示す正面図である。また、図3から図8は、集積装置30において、紙葉類Pが集積される状態を説明する状態遷移図である。
【0016】
最初に、図1を参照して紙葉類処理装置1の構成について説明する。紙葉類処理装置1は、紙幣などの紙葉類Pの真偽(真券か偽券か)又は正損(再流通可能な正券か再流通不可能な損券か)を判別し、正券は紙葉類Pの種類ごとに紙葉類集積装置30A、31Aに区分して集積し、損券は分岐ゲートG60で分岐して紙葉類裁断装置60で裁断し、裁断片を収納箱(図示しない)に収集する装置である。
【0017】
上記紙葉類処理装置1には、積載された紙葉類Pを一括して供給する供給部10が設けられている。この供給部10に積載された紙葉類Pは、取出ローラ10Aによって一定間隔で1枚ずつ取り出され、搬送路(搬送手段)20に供給される。この取出ローラ10Aは、1回転する毎に紙葉類Pを1枚取り出す。この搬送路20は、搬送ローラ(図示しない)と搬送ベルト(図示しない)で構成され、紙葉類Pを搬送方向上流から下流に向かって搬送する。
【0018】
さらに、この取出ローラ10Aの取出回転を検知する取出ローラ検知センサ(取出ローラ検知手段)SC10が設けられている。従って、取出ローラ検知センサSC10は、取出ローラ10Aが1回転する毎に1回暗になるセンサである。
【0019】
このようにして、取出ローラ10Aによって供給部10から供給された紙葉類Pは紙葉類判別部(紙葉類判別手段)50によって判別される。紙葉類判別部50は、紙葉類Pの物理的特性を検知して判別するもので複数の紙葉類判別装置52A〜56で構成されており、搬送方向下流に向かって搬送路20に設けられている。また、これら紙葉類判別装置52A〜56の判別結果に基づいて正券と判別された紙葉類Pを集積する紙葉類集積装置30、31、損券と判別された紙葉類Pを裁断する紙葉類裁断装置60、偽券又は排除券を集積する排除券集積装置33が設けられている。
【0020】
取出検知部51は、供給部10から供給された紙葉類Pの取出状態を検知し検知結果を制御部2に通知する。この取出検知部51による検知結果が、例えば、複数枚取り出し、搬送ピッチ詰まりなどの場合は、搬送方向下流に搬送して処理する振分ゲートで振り分けられないなどの障害が発生しやすいため搬送異常とし、制御部2に通知する。制御部2は、この搬送異常の通知を受信し、当該紙葉類Pの搬送方向を振り分ける振り分けゲートG40を回動することによって当該紙葉類Pを搬送路21に沿って搬送させ排除券集積庫34に集積する。この排除券集積庫34に集積された紙葉類Pは再供給することが可能である。
【0021】
排除券集積装置33は、紙葉類判別部50によって排除された紙葉類Pを集積するもので、羽根車33A、排除券カセット33Bを備えている。そして、搬送路22に沿って搬送されてきた紙葉類Pを羽根車33Aで受け取り、排除券カセット33Bに集積する。
【0022】
紙葉類判別装置52A〜52Bは、紙葉類Pの券種判別又は正損判別機能を有している。券種判別は、紙葉類Pが日本紙幣の場合は千円、2千円、5千円、万円からなる金種と搬送状態(正立/倒立、表/裏)を判別する。また、正損判別は紙葉類が正券か損券かを判別する。
【0023】
紙葉類判別装置53は、紙葉類Pの形状検知機能を有しており、紙葉類Pの長さ、幅、穴、破れなどを検知し検知結果を制御部2に通知する。当該紙葉類Pの長さ、幅が設定券種の設定値を超える場合は異種券として排除される。また、当該紙葉類Pの穴、破れ、切れなどが設定値を超える場合は損券となる。
【0024】
紙葉類判別装置54A、54Bは、紙葉類Pの磁気検知機能を有しており、紙葉類Pの磁性体量を検知し検知結果を制御部2に通知する。当該紙葉類Pの磁性体量が設定値を超える場合、又は当該紙葉類の所定の箇所に所定の磁性体量が存在しない場合は排除券となる。
【0025】
紙葉類判別装置54C、54Dは、紙葉類Pの蛍光検知機能を有しており、紙葉類Pの蛍光体量を検知し検知結果を制御部2に通知する。当該紙葉類Pの蛍光体が設定値を超える場合、又は当該紙葉類の所定の箇所に所定の蛍光体量が存在しない場合は排除券となる。
【0026】
紙葉類判別装置55は、紙葉類Pの厚さ検知機能を有しており、紙葉類Pの厚さを検知し検知結果を制御部2に通知する。当該紙葉類Pの厚さが設定値を超える場合は排除券となる。
【0027】
紙葉類判別装置56は、テープ貼り検知機能を有しており、紙葉類Pに張り付いたテープを検知する。テープ貼りの大きさが設定値以内であれば損券となり、設定値を超える場合は排除券となる。
【0028】
上記紙葉類判別装置52A〜56の処理の結果、正券は紙葉類集積装置30、31に供給され、損券は紙葉類裁断装置60に供給され、排除券は排除券集積装置33に供給される。
【0029】
紙葉類集積装置(羽根車集積装置)30、31は同様に構成されているため、ここでは紙葉類集積装置30の説明を行い、紙葉類集積装置31は、紙葉類集積装置30と異なる部分の説明を行う。
【0030】
紙葉類集積装置30には、上記紙葉類判別装置52A〜56の処理の結果正券と判別された紙葉類Pの最初の100枚が集積される。最初に、振り分けゲートG30を右に回動し、搬送路22によって搬送された当該紙葉類Pは羽根車30Aを備えた紙葉類集積装置30に搬送される。紙葉類集積装置30に搬送された紙葉類Pは羽根車30Aによって取り込まれ、一時集積装置30Bに集積される。一時集積庫30Bに集積された紙葉類Pの100枚目の通過と共に、振り分けゲートG30を左に回動し紙葉類Pが続けて集積されるのを防止すると共に、振り分けゲートG31を右に回動し、続けて搬送される101枚以降の正券の紙葉類Pを紙葉類集積装置31に搬送するようにする。上記紙葉類集積装置30の一時集積庫30Bに集積された正券100枚の紙葉類Pは施封装置40に移動後、図示しない紙帯で施封される。
【0031】
同様に、紙葉類集積装置31の一時集積庫31Bに集積された正券が100枚に達すると、振り分けゲートG31を左に回動し、紙葉類Pが続けて集積されるのを防止すると共に振り分けゲートG30を右に回動し、次の100枚を紙葉類集積装置30一時集積庫30Bに集積するようにし、集積装置31の一時集積庫31Bに集積された紙葉類Pは、施封装置41に移動後、図示しない紙帯で施封される。
【0032】
図2は、本発明の紙葉類集積装置である。この従来の羽根車集積装置30には、羽根車30A、一時集積庫30B、底板30C、右側ガイド板30E及び左側ガイド板(ガイド板)30Dが備えられている。本実施例では、図9に示す振動板300E及びこの振動板300Eを駆動する駆動機構300Fが設けられていない。また、底板30Cが水平位置に対して有する傾斜角度(第1の傾斜角度)θ1が15°〜30°の範囲内で左側ガイド板30Dの固定位置を支点に底板30Cが傾斜するように配置される。
θ1=15°〜30°・・・・・・(1)
θ1:(第1の傾斜角度)底板30Cが水平位置に対して有する傾斜角度
さらに、左側ガイド板30Dは、底板30Cに対して5〜15°の範囲で右側に傾けて配置される。
【0033】
このように構成された紙葉類集積装置30において、羽根車30Aは、複数の羽根が羽根車30Aの回転軸の周辺に組み込まれて構成され、搬送されてきた紙葉類Pを羽根と羽根の間で受取れるように紙葉類Pの搬送に同期して回転している。この回転する羽根車の間で紙葉類Pを受け取ることによって、高速に搬送される紙葉類Pの搬送エネルギーを吸収することができ、当該紙葉類にダメージを与えることなく静止させ、かつ当該紙葉類を左側ガイド板(掻き出し板)で掻き出すことができる。以下、図3〜図8を用いて本発明の実施例に係る羽根車集積装置30の動作を説明する。
【0034】
図3は、紙葉類Pが搬送され、図示しないセンサで検知され、羽根車30Aの回転位置に同期し、紙葉類Pが羽根と羽根の間に挿入された状態である。
【0035】
この後、羽根車30Aは、所定の速度で回転しながら、当該紙葉類Pが羽根に接触する際、紙葉類Pが有する運動エネルギーを吸収し、紙葉類Pを停止させる(図4)。その後、停止した紙葉類Pは、羽根車30Aに連れ回って回転する。
【0036】
図5は、羽根車30Aがさらに回転し、当該紙葉類Pの先端が左側ガイド板30Dに到達した状態である。紙葉類Pの先端が左側ガイド板に到達した時点からは、羽根車30Aはそのまま回転するが、当該紙葉類Pは回転が制止されるため、羽根車30Aの回転に伴い左側ガイド板によって掻き出される(図6)。
【0037】
図7は、左側ガイド版30Dによって掻き出された紙葉類Pが、左側ガイド板30Dの壁面に沿って落下している状態を示す。このように左側ガイド板30Dに沿って自然に落下できるようにするために、この左側ガイド板30Dを底板30Cに固定する固定点に対する傾斜角度(第2の傾斜角度)θ2は、5°〜15°の範囲で当該紙葉類Pが搬送されてくる方向に傾いて配置される。
θ2=5°〜15°・・・・・・・(2)
θ2:(第2の傾斜角度)左側ガイド板30Dの底板30Cに対する傾斜角度
この傾斜角度θ2が15°を超えて配置されると、紙葉類Pが左側ガイド板30Dに沿って落下しないため、羽根車30Aと底板30Cの間にある空気抵抗によって落下位置が不揃いになる。また、この傾斜角度θ2が5°に満たない場合には、紙葉類Pが左側ガイド板30Dにもたれ掛かり、底板30に集積されない場合が生じる。なお、この傾斜角度θ2に範囲があるのは、紙葉類Pの先端と左側ガイド板30Dとの摩擦抵抗、紙葉類Pの上面と底板30Cとの摩擦抵抗、及び紙葉類Pの材質によって紙葉類Pが左側ガイド板30Dに接触して落下する落下の状態が異なってくるためである。
【0038】
図8は、上述した理由に基づいて配置された左側ガイド板30Dにそって落下した紙葉類Pが集積された状態である。この場合、当該集積された紙葉類Pは、左側ガイド板30Dの壁面に沿って集積されるため、従来用いられていた振動板及びこの振動板を駆動するための駆動機構が不要になる。
【0039】
このようにして集積された紙葉類Pが施封枚数である所定枚数に達した際の厚さDは、例えば集積される紙葉類Pの厚さが0.1mmの場合、100枚単位ごとに施封する(100枚施封)の厚さDは10mmとなる。この100施封の場合には、左側ガイド板30Dが底板30Cに固定される部分の固定点から垂直に立ち上がる部分の長さWは、少なくとも上記Dの範囲内略垂直であることが好ましい。この垂直に立ち上げる部分の長さWは、左側ガイド30Dに沿って集積される紙葉類の端面を揃え、施封後の束の姿を荷崩れ状態にしないためである。従って、厳密に垂直である必要はないが、上記Wの部分は略垂直である必要がある。
D<W・・・・・・・・(3)
D:集積された紙葉類Pを所定枚数で施封する際の厚さ(mm)
W:左側ガイド板30Dの固定点からから垂直立ち上げ部分の長さ
【0040】
以上説明したように、本発明の実施例によれば、羽根車集積装置において、集積される紙葉類を整位するための振動板、及びこの振動板を駆動するための駆動機構を用いずに一時集積庫に紙葉類を集積することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施例による紙葉類処理装置の概略断面図。
【図2】図1に示す紙葉類処理装置に搭載された本発明の紙葉類集積装置。
【図3】図2に示す紙葉類集積装置の羽根車に紙葉類が挿入された状態を示す図。
【図4】図3に示す羽根車内に紙葉類が停止した状態を示す図。
【図5】図4に示す紙葉類が左側ガイド板に到達した状態を示す図。
【図6】図5に示す紙葉類が左側ガイド板によって掻き出された状態を示す図。
【図7】図6に示す紙葉類が左側ガイド板に沿って落下する状態を示す図。
【図8】図7によって落下した紙葉類が底板に集積された状態を示す図。
【図9】従来の羽根車集積装置。
【符号の説明】
【0042】
P 紙葉類
G30、G31、G40、G60 分岐ゲート
1 紙葉類処理装置
2 制御部
10 供給部
30、31 紙葉類集積装置
30A 羽根車
30B 一時集積庫
30C 底板
30D 左側ガイド板
30E 右側ガイド板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類を区分処理する紙葉類処理装置であって、
前記紙葉類を搬送する搬送手段と、
この搬送手段によって搬送された前記紙葉類を判別する紙葉類判別手段と、
この紙葉類判別手段の判別結果に基づいて前記紙葉類を区分する区分手段と、
この区分手段によって区分搬送される前記紙葉類を羽根と羽根の間で受取るために回転する羽根車と、
この羽根車によって取り込まれた前記紙葉類の回転方向下流に配置され、当該紙葉類を掻き落とすためのガイド板と、このガイド板によって掻き落とされた前記紙葉類の先端を当該ガイド板に当接して集積するため、集積される紙葉類の後端が先端に対して高い位置になるように水平面に対して第1の傾斜角度を有して配置された底板と、
を有する羽根車集積装置と、
この羽根車集積装置によって集積された前記紙葉類が所定枚数に到達したときに当該紙葉類を施封する施封手段と、
を備えたことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項2】
前記紙葉類判別手段は、前記紙葉類を正券、損券又は排除券に判別し、
前記区分手段は、前記紙葉類判別手段の結果に基づいて前記正券を前記集積手段に搬送することを特徴とする請求項1記載の紙葉類処理装置。
【請求項3】
搬送される紙葉類を検知するセンサと、
このセンサによって検知された紙葉類の搬送方向下流に配置され、この搬送に同期して回転しながら回転軸の周辺に配置した複数の羽根の間で前記紙葉類を取り込む羽根車と、
この羽根車に取り込まれた紙葉類の回転方向下流に配置され、当該紙葉類を掻き落とすためのガイド板と、
このガイド板によって掻き落とされた前記紙葉類の先端を当該ガイド板に当接して集積するため、集積される紙葉類の後端が先端に対して高い位置になるように第1の傾斜角度を有して配置した底板と、
を備えたことを特徴とする羽根車集積装置。
【請求項4】
前記ガイド板は、
前記羽根車の両側面を挟んで配置され、前記底板との接触部から垂直な立ち上げ部を所定の長さ有することを特徴とする請求項2記載の羽根車集積装置。
【請求項5】
前記ガイド板はさらに、
前記底板との接触部から第2の傾斜角度、前記紙葉類が搬送されてくる方向に傾いて配置されることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の羽根車集積装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−84170(P2008−84170A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−265558(P2006−265558)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】