説明

紙葉類処理装置

複数の挿入部には、異なる紙幣、或いは有価証券などの紙葉類が挿入される。各挿入部に挿入された紙葉類は、1枚ずつ、繰り出されて同じ搬送路を搬送される。繰り出された紙葉類は、その搬送中に鑑別が行われ、その鑑別結果に応じて搬送先が決定され、決定された搬送先に搬送されて収納される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、挿入部に挿入された紙幣などの紙葉類を内部に取り込んで処理する紙葉類処理装置に関する。
【背景技術】
挿入口に挿入された紙葉類を内部に取り込んで所定の処理を行う紙葉類処理装置は、広く社会に普及している。例えば紙葉類として紙幣を扱う紙葉類処理装置は、テラー業務に使用される現金処理装置として、或いは、現金自動預金機(AD)若しくは現金自動預金支払機(ATM)などの自動化機器に搭載される形で広く普及している。
紙幣を扱う紙葉類処理装置では、通常、入金する紙幣はまとめて挿入口に挿入される。挿入口に挿入された紙幣は、1枚ずつ繰り出して鑑別を行い、その鑑別によって真と判別すればそれを収納すべき収納部に搬送して収納する。収納部に収納した紙幣の枚数は金種毎に計数する。紙幣を入金した顧客には、その計数結果を用いて算出した入金額を提示するようになっている。
挿入口から繰り出された紙幣は、搬送路に沿って搬送される。このため、挿入口は、それに挿入された紙幣が搬送路に対して適切な位置となるようにガイドするようになっている。
従来の紙葉類処理装置には、上記挿入口は一つだけ設けられていた。しかし、挿入口は、それに挿入される紙幣のガイドのために、サイズが大きく異なる紙幣は挿入できない。挿入口から紙幣を繰り出す機構は、紙幣の厚さや媒質などを考慮して設計しなければならない。つまり、サイズが大きく異ならなくとも厚さや媒質が異なれば、挿入口から適切に繰り出せなくなる。このようなことから、挿入口を一つだけ設けた従来の紙葉類処理装置が対応できる紙幣(紙葉類)の種類は多くなかった。
現在では、外国通貨や旅行小切手を買い取って国内通貨に交換したり、逆に外国通貨や旅行小切手を必要な人に販売する「外貨両替」は誰でも業として行えるようになっている。このような背景もあって、今後の紙葉類処理装置には、より様々な紙幣に対応できることが要求されるものと考えられる。
【発明の開示】
本発明の目的は、より様々な紙葉類に対応できる紙葉類処理装置を提供することにある。
本発明の紙葉類処理装置は、挿入部に挿入された紙幣などの紙葉類を内部に取り込んで処理することを前提とし、紙葉類の外形、若しくは材質の違い、または該紙葉類を挿入すべき向きの違いに応じて設けられた複数の挿入部と、複数の挿入部にそれぞれ挿入された紙葉類を所定の搬送先に搬送する搬送手段と、を具備する。
なお、上記の構成において、複数の挿入部のそれぞれから所定の搬送先まで搬送手段が紙葉類を搬送する搬送路の一部は共通化されている、ことが望ましい。また、複数の挿入部からそれぞれ挿入される紙葉類の鑑別を行う鑑別手段は、共通化された搬送路上に設けている、ことが望ましい。
本発明の紙葉類処理装置の製作方法は、挿入部に挿入された紙幣などの紙葉類を内部に取り込んで処理する紙葉類処理装置の製作に適用されることが前提であり、紙葉類の外形、若しくは材質の違い、または該紙葉類を挿入すべき向きの違いに応じて挿入部を複数、設け、複数の挿入部のそれぞれから所定の搬送先まで紙葉類の搬送に用いる搬送路の一部を共通化させる。
本発明では、紙葉類の外形、若しくは材質の違い、またはその紙葉類を挿入すべき向きの違いに応じて挿入部を複数、設け、複数の挿入部のそれぞれに挿入された紙葉類の搬送を行う。
外形や材質、或いはそれを挿入すべき向きといった違いに応じて挿入部を複数、設けることにより、挿入部を介してより様々な紙葉類を取り込むことが可能となる。それにより、より様々な紙葉類に対応させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本実施の形態による紙葉類処理装置を搭載した入金装置の概略断面図である。
図2は、各挿入部への紙葉類の挿入方法を説明する図である。
図3は、各挿入部、及び搬送路の構成、及びその位置関係を説明する図である。
図4は、各挿入部の動作を説明する図である。
図5は、本実施の形態による媒体搬送装置を搭載した入金装置の構成図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態による紙葉類処理装置を搭載した入金装置の概略断面図である。
その入金装置100は、例えば紙幣と小切手などの有価証券、異なる国の紙幣、或いは種類の異なる有価証券といったように、サイズ、厚さ、或いは媒質などが異なることで同じ挿入部に挿入できない複種類の紙葉類を内部に取り込めるようにしたものである。ここでは、便宜的に、複種類の紙葉類とは、紙幣と有価証券であると想定する。
その入金装置100は、図1に示すように、ユーザが挿入(入金)した紙幣、或いは有価証券を内部に取り込んで収納する紙幣入金ユニット101を内部に搭載している。その紙幣入金ユニット101は、紙幣、或いは有価証券を挿入するための2つの挿入部111、及び112と、それら挿入部111、或いは112に挿入された紙幣、或いは有価証券を搬送するために設けられた搬送路113と、その搬送路113上に設置され、搬送されている紙幣、或いは有価証券の真偽や破損状態の判別を行う鑑別部114と、挿入部111に挿入された紙幣、或いは有価証券の収納のために用意された2つの収納部115と、挿入部112に挿入された紙幣、或いは有価証券の収納のために用意された2つの収納部116と、を備えて構成されている。本実施の形態による紙葉類処理装置は、紙幣入金ユニット101として入金装置100に搭載されている。
例えば、挿入部111に挿入されるのは紙幣であり、挿入部112に挿入されるのは有価証券、例えば小切手、或いはそれに類するもの(例えば大韓民国で流通している「手票」のようなもの)である。図2中の矢印で示すように、紙幣Mは長手方向の直交方向に沿って挿入部111に挿入し、有価証券(以降、それは「手票」であると想定する)Cは長手方向に沿って挿入部112に挿入するようになっている。
入金装置100は、挿入部111に紙幣M、或いは挿入部112に手票Cが挿入されると、例えばその取り込みをユーザが指示するのを待って、その取り込みを開始する。その取り込みを開始すると、例えば挿入部111に挿入された紙幣Mは1枚ずつ、そこから繰り出して鑑別部114に向けて搬送する。鑑別部114まで搬送した紙幣Mは、その鑑別結果に従って収納すべき収納部115を決定し、決定した収納部115に搬送してそこに収納する。
収納部115に収納した紙幣Mの枚数は、その金種別に計数する。挿入部111に挿入された紙幣Mの収納が終了すると、金種別に計数した紙幣Mの枚数や合計金額(入金額)を通知し、ユーザに確認させる。その後、ユーザが処理の継続(取引)を指示すると、所定の処理を行い、入金にかかる取引を完了させる。挿入部112に挿入された手票Cに対する処理も基本的に同様である。
図3は、各挿入部111、112、及び搬送路113の構成、及びその位置関係を説明する図である。ここでは、上から見た視点で、それらの構成、及びその位置関係を示してある。そこに示す位置関係は、具体的には挿入部111に挿入された紙幣Mの長手方向上の位置関係である。搬送路113については、鑑別部114近傍の部分だけを抜粋して示してある。その部分では、紙幣M、及び手票Cは矢印aで示す方向に搬送される。
入金の対象となる紙幣Mは、仕切板301、紙幣Mを仕切板301に向けて押圧するための押圧板302、及び対向する一対のガイド板303で囲まれた空間(以降、「挿入空間」と呼ぶ)内に挿入されるようになっている。その押圧板303には、ローラ305、そのローラ305とその近傍に設けられたローラ306間にかけ渡されたベルト307、及びそのベルト307に連結された部材308を介して、モーター304からの動力が伝達されるようになっている。それにより、モーター304の駆動制御を通して、押圧板302の仕切板301に向けての移動、及びその逆方向に向けての移動を実現させている。
挿入空間の下方には、シャフト311に取り付けられた計5個の繰り出しローラ312や、シャフト313に取り付けられた計4個の分離ローラ314が配置されている。その分離ローラ314は、所定の力が加わらない限り、モーター304側からの視点で右回転しないようになっている。シャフト311には、モーター315の動力が伝達される。以降、特に断らない限り、回転方向はモーター304側の視点で表現することにする。
挿入部111の挿入空間の上方には、図4に示すように、シャッタ401が設けられている。そのシャッタ401は、挿入部111に紙幣Mを挿入するときに開き、その挿入が終了した時点で閉じるようになっている。挿入部111に挿入された紙幣Mは、シャッタ401が閉じた後に押圧板302により押圧される。
押圧板302により押圧された紙幣Mを繰り出す場合、モーター315からの動力をシャフト311に伝達させて繰り出しローラ312を左回転させる。その左回転により、最も仕切板301側に位置する紙幣Mには下に向かって移動させる動力が伝達される。その紙幣Mの隣に位置する紙幣Mは、その動力の伝達により共に動いたとしても、分離ローラ314との間の摩擦抵抗によってその位置で停止させられる。それにより、最も仕切板301側に位置する紙幣Mだけが繰り出されるようになっている。
他方の手票Cは、紙幣Mと同様に、仕切板321、紙幣Mを仕切板321に向けて押圧するための押圧板322、及び対向する一対のガイド板323で囲まれた挿入空間内に挿入されるようになっている。その押圧板323には、挿入部111と同様に、ローラ325、そのローラ325とその近傍に設けられたローラ326間にかけ渡されたベルト327、及びそのベルト327に連結された部材328を介して、モーター324からの動力が伝達されるようになっている。それにより、モーター324の駆動制御を通して、押圧板322を移動させるようになっている。
挿入空間の下方には、シャフト331に取り付けられた計5個の繰り出しローラ332や、シャフト333に取り付けられた計4個の分離ローラ334が配置されている。その分離ローラ334は、分離ローラ314と同じく、所定の力が加わらない限り右回転しないものである。シャフト331には、モーター335の動力が伝達される。
挿入部112の挿入空間の上方にも、図4に示すように、シャッタ402が設けられている。そのシャッタ402も同様に、挿入部112に手票Cを挿入するときに開き、その挿入が終了した時点で閉じるようになっている。挿入部112に挿入された手票Cは、シャッタ402が閉じた後に押圧板322により押圧される。押圧板322により押圧された手票Cを繰り出す際の動作は、紙幣Mのそれと基本的に同じである。
搬送路113は、図3に示すように、各シャフト341に2つの搬送ローラ242がその中央付近に取り付けられている。各シャフト341には、モーター343から動力が伝達される。
本実施の形態では、図3に示すように、挿入部111は、それに挿入された紙幣Mの長手方向上の中心が搬送路113の中心と一致するように設けられている。挿入部112は、それに挿入された手票Cのその方向上の中心が、挿入部111に挿入された紙幣Mの長手方向上の中心と一致するように設けられている。それにより、紙幣M、及び手票Cは、共に搬送路113の中央を搬送させるようになっている。
紙幣Mと手票Cの中心を一致させると、搬送路113上に設けたシャフト341には、その中心に合わせて搬送ローラ342を配置すれば良いことになる。紙幣M用、手票C用とに分けて搬送ローラ342をそれぞれ用意するような必要はなくなり、シャフト341に設ける搬送ローラ342の個数は最小限に抑えられるようになる。それらの中心を一致させているのは、このためである。本実施の形態では、そららの中心を一致させることにより、搬送路113の構成が複雑化するのを回避しつつ、紙幣Mと手票Cを搬送できるようにさせている。
紙幣Mと手票Cを同じ搬送路113で搬送させると、それらを別々の搬送路で搬送させる場合と比較して、入金装置100の構成が簡易化し、その内部のスペースはより有効利用できるようになる。収納可能な紙幣Mや手票Cの枚数はより大きくさせることができ、鑑別部は113は一つで済むようになる。搬送路113を共通化させているのはこのためである。
図3中の351、及び352は、鑑別部114が備えた画像読み取り用のイメージセンサである。イメージセンサ351は、搬送中の紙幣Mの画像を読み取るためのものであり、他方のイメージセンサ352は、搬送中の手票Cの画像を読み取るためのものである。
イメージセンサ351は、紙幣Mの汚れや破損状態を認識するためのものである。他方のイメージセンサ352は、手票Cの破損状態の他に、それに印字された日付や手票番号を認識するためのものである。破損状態の認識では画像を高精度に読み取る必要はないため、イメージセンサ351には低分解能のものを採用している。日付や手評番号の認識では画像を高精度に読み取る必要があるため、イメージセンサ352には高分解能のものを採用している。
高分解能のイメージセンサは高価である。しかし、手票Cを長手方向に沿って搬送すると、図3から明らかなように、その直交方向に沿って搬送する場合と比較して、イメージセンサで読み取らなければならない範囲は狭くなる。つまり、より安価なイメージセンサを採用できるようになる。そのようなこともあって、本実施の形態では、手票Cをその長手方向に沿って搬送するようにしている。
2つの挿入部111、112を設けることにより、より多種類の紙幣Mや手票C等に対応できるようになる。本実施の形態では、上述したように、それら挿入部111、112に挿入された紙幣M、手票Cの位置関係を工夫しつつ、それらを共に同じ搬送路113で搬送させることにより、それらに対応させることに伴う入金装置110の構成の複雑化や製造コストの上昇を抑えている。
図5は、上記入金装置100の構成図である。
その入金装置100は、図5に示すように、装置100全体の制御を行う制御部501と、挿入部111、或いは112から繰り出した紙幣M、或いは手票Cの鑑別を行う鑑別部114と、例えば液晶表示装置(LCD)である表示部502と、例えば表示部502の画面に設置されたタッチパネルを有する操作部503と、例えばLANを介して他の装置との通信を行う通信制御部504と、図3に示すモーター304、315、324、335、及び343を有するモーター群505と、制御部501の指示に従ってモーター群505を構成するモーターを駆動するモーター駆動部506と、装置100の各部に配置された各種のセンサからなるセンサ群507、センサ群507を構成するセンサを制御するセンサ制御部508と、ソレノイド群509と、制御部501の指示に従い、ソレノイド群509を構成するソレノイドを駆動するソレノイド駆動部510と、を備えて構成されている。ソレノイド群509と構成するソレノイドは、紙幣M、或いは手票Cの搬送先の切り換えなどを行うために設置されている。
上記操作部503は、例えば、タッチパネルのスキャンを随時、行い、そのスキャン結果を制御部501に出力する。制御部501は、そのスキャン結果を解析することにより、ユーザが行った操作を検出し、その検出結果に対応する制御を実行する。それにより、入金装置100をユーザの指示に従って動作させる。
スキャン結果を解析した結巣、ユーザが入金を指示したことが判明すると、制御部501は、例えば入金方法を問い合わせる画面を表示部502に表示させ、紙幣Mのみ、手票Cのみ、及び紙幣Mと手票Cの両方、の選択肢のなかから何れかを選択させる。挿入部111、及び112をそれぞれ覆うシャッタ401、及び402は、その選択結果に応じて開けさせる。
ユーザが入金方法として紙幣Mと手票Cの両方を選択すると、制御部501は、モーター駆動部506に指示してシャッタ開閉用のモーターを駆動させてシャッタ401、及び402を開けさせる(図4参照)。表示部502には、挿入部111、及び112への紙幣M、及び手票Cの挿入を促すメッセージを表示させる。
制御部501は、そのシャッタ401、及び402を、例えばユーザーが操作部503を操作して紙幣M、及び手票Cの取り込みを指示するのを待って閉じさせる(図4参照)。シャッタ401、及び402を閉じさせると、センサ制御部508に指示して、挿入部111、112にそれぞれ配置されたセンサによるセンシングを行わせ、紙幣M、及び手票Cの有無をそれぞれ判定する。挿入部111、112の一方にのみ、紙幣M、或いは手票Cが挿入されていると判定した場合、その一方のみを対象に取り込みを開始する。それらの両方に紙幣M、或いは手票Cが挿入されていた場合には、例えば紙幣M→手票Cの順に取り込みを開始する。
挿入部111に挿入された紙幣Mは、取り込みを開始する前に、モーター304の駆動をモーター駆動部506に指示して、押圧板302により押圧させる。挿入部112に挿入された手票Cも同様に、モーター304の駆動をモーター駆動部506に指示して、取り込みを開始する前に押圧板302により押圧させる。
紙幣Mの取り込みを行う場合、制御部501は、搬送路113の動力源となるモーター343をモーター駆動部506に駆動させる。繰り出しローラ312の動力源であるモーター315は、間欠的に駆動させることで、挿入部111から紙幣Mを1枚ずつ随時、繰り出させる。
鑑別部114は、挿入部111から繰り出されて搬送路113を搬送される紙幣Mの鑑別を行い、鑑別結果を制御部501に出力する。制御部501は、その鑑別結果により、挿入部111から繰り出された紙幣Mの搬送先となる収納部115を決定し、ソレノイド駆動部510に指示して、その収納部115に応じたソレノイドを駆動させる。それにより、鑑別された紙幣Mをその収納部115に収納させる。それ以外には、金種別に、挿入部111から繰り出された紙幣Mの枚数の計数を行う。
制御部501は、挿入部111に配置されたセンサの検出結果をセンサ制御部508から入力することにより、挿入部111に紙幣Mが残っているか否か判定する。それにより、挿入部111からの紙幣Mの繰り出しは、そこに紙幣Mが存在しなくなるまで行う。挿入部112に手票Cが挿入されていれば、紙幣Mの取り込みが終了した後、手票Cの取り込みを開始する。
手票Cの取り込みを続けて行う場合、制御部501は、繰り出しローラ332の動力源であるモーター335を間欠的に駆動させることで、挿入部112から手票Cを1枚ずつ随時、繰り出させる。
鑑別部114は、挿入部112から繰り出されて搬送路113を搬送される手票Cの鑑別を行い、鑑別結果を制御部501に出力する。制御部501は、その鑑別結果により、挿入部112から繰り出された手票Cの搬送先となる収納部116を決定し、ソレノイド駆動部510に指示して、その収納部116に応じたソレノイドを駆動させる。それにより、鑑別された手票Cをその収納部116に収納させる。挿入部112から繰り出された手票Cの枚数の計数は、金額別に行う。
制御部501は、挿入部112に配置されたセンサの検出結果をセンサ制御部508から入力することにより、挿入部112に手票Cが残っているか否か判定する。それにより、挿入部112からの手票Cの繰り出しは、そこに手票Cが存在しなくなるまで行う。
挿入部111に最後に残った紙幣Mを繰り出して収納部115に収納させるか、或いは挿入部112に最後に残った手票Cを収納部116に収納させることにより、取り込みが終了すると、制御部501は、モーター駆動部506に駆動中のモーターの駆動停止を指示する。表示部502には、金種別に計数した紙幣M、或いは手票Cの枚数、及び入金額を表示させて、ユーザに確認させる。その後、ユーザが操作部503を操作して確認した旨を通知すると、入金額を通信制御部504により外部装置(例えばホストコンピュータ)に送信するなどの処理を行って、入金にかかる取引を完了させる。表示部502には、メニュー画面を表示させる。
なお、本実施の形態では、2つの挿入部111、112を設けているが、3つ以上の挿入部を設けても良い。挿入部、及びそれに挿入された紙葉類を繰り出す機構を有する拡張ユニットを用意し、本体にその拡張ユニットを必要に応じて1つ以上、取り付けられるようにすることで、複数の挿入部を設けられるようにしても良い。
以上、説明したように本発明は、紙葉類の外形、若しくは材質の違い、またはその紙葉類を挿入すべき向きの違いに応じて挿入部を複数、設け、複数の挿入部のそれぞれに挿入された紙葉類の搬送を行う。
外形や材質、或いはそれを挿入すべき向きといった違いに応じて挿入部を複数、設けることにより、挿入部を介してより様々な紙葉類を取り込むことができるようになる。このため、より様々な紙葉類に対応させることができる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入部に挿入された紙幣などの紙葉類を内部に取り込んで処理する紙葉類処理装置において、
前記紙葉類の外形、若しくは材質の違い、または該紙葉類を挿入すべき向きの違いに応じて設けられた複数の挿入部と、
前記複数の挿入部にそれぞれ挿入された紙葉類を所定の搬送先に搬送する搬送手段と、
を具備することを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の紙葉類処理装置であって、
前記複数の挿入部のそれぞれから前記所定の搬送先まで前記搬送手段が前記紙葉類を搬送する搬送路の一部は共通化されている。
【請求項3】
請求項2記載の紙葉類処理装置であって、
前記複数の挿入部からそれぞれ挿入される紙葉類の鑑別を行う鑑別手段は、前記共通化された搬送路上に設けている。
【請求項4】
挿入部に挿入された紙幣などの紙葉類を内部に取り込んで処理する紙葉類処理装置の製作方法において、
前記紙葉類の外形、若しくは材質の違い、または該紙葉類を挿入すべき向きの違いに応じて挿入部を複数、設け、
前記複数の挿入部のそれぞれから所定の搬送先まで前記紙葉類の搬送に用いる搬送路の一部を共通化させる、
ことを特徴とする紙葉類処理装置の製作方法。

【国際公開番号】WO2004/023405
【国際公開日】平成16年3月18日(2004.3.18)
【発行日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−534047(P2004−534047)
【国際出願番号】PCT/JP2002/008815
【国際出願日】平成14年8月30日(2002.8.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】