説明

紙葉類磁気検出装置

【課題】十分な検出性能が得られる上、紙葉類が磁気センサとブラシローラとの間に入る際の搬送抵抗を低減できる紙葉類磁気検出装置の提供。
【解決手段】紙葉類の磁気的性質を検出する磁気センサ59と、磁気センサ59に対向配置され、回転することで紙葉類を磁気センサ59に押し付けながら搬送するブラシローラ60とを有し、ブラシローラ60が、互いに異なる外径となる複数のブラシ部70,71を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送中の紙葉類の磁気的性質を検出する紙葉類磁気検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
搬送中の紙葉類の磁気的性質を検出する紙葉類磁気検出装置としては、紙葉類の磁気的性質を検出する磁気センサと、この磁気センサに対向配置され、回転することで紙葉類を磁気センサに押し付けながら搬送するブラシローラとを有する構造のものが一般に用いられている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−138877号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
紙葉類磁気検出装置においては、紙葉類をブラシローラを用いてより多くの面積で磁気センサに押し付けるのが検出上好ましいが、ブラシローラで磁気センサに押し付ける面積を大きくした場合、紙葉類が、特に磁気センサとブラシローラとの間に入る際にブラシローラで磁気センサ側に押し付けられる面積が大きくなり、搬送抵抗が増大してしまうという問題がある。
【0004】
したがって、本発明は、十分な検出性能が得られ、紙葉類が磁気センサとブラシローラとの間に入る際の搬送抵抗を低減できる紙葉類磁気検出装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、紙葉類の磁気的性質を検出する磁気センサと、該磁気センサに対向配置され、回転することで紙葉類を前記磁気センサに押し付けながら搬送するブラシローラとを有する紙葉類磁気検出装置であって、前記ブラシローラは、互いに異なる外径の複数のブラシ部を有することを特徴としている。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記ブラシローラは、中心の回転軸が前記複数のブラシ部の各配設位置の外径を異ならせており、該回転軸に同等長さの毛が植毛されることで前記複数のブラシ部が互いに外径を異ならせていることを特徴としている。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記複数のブラシ部は植毛密度が互いに異なることを特徴としている。
【0008】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に係る発明において、前記複数のブラシ部は毛の強度が互いに異なることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明によれば、紙葉類の磁気的性質を検出する磁気センサに対向配置され、回転することで紙葉類を磁気センサに押し付けながら搬送するブラシローラの複数のブラシ部が互いに異なる外径となっているため、外径の大きいブラシ部で磁気センサに紙葉類を押し付け、外径の小さいブラシ部で紙葉類の磁気センサからの浮きを防止できる。したがって、十分な検出性能が得られる上、紙葉類が磁気センサとブラシローラとの間に入る際の搬送抵抗を低減することができ、搬送不良を抑制できる。
【0010】
請求項2に係る発明によれば、ブラシローラは、中心の回転軸が複数のブラシ部の各配設位置の外径を異ならせており、この回転軸に同等長さの毛が植毛されることで複数のブラシ部が互いに外径を異ならせているため、複数のブラシ部の製造が容易となる。
【0011】
請求項3に係る発明によれば、複数のブラシ部は植毛密度が互いに異なるため、紙葉類が磁気センサとブラシローラとの間に入る際の搬送抵抗をさらに低減することができる。
【0012】
請求項4に係る発明によれば、複数のブラシ部は毛の強度が互いに異なるため、紙葉類が磁気センサとブラシローラとの間に入る際の搬送抵抗をさらに低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の一実施形態の紙葉類磁気検出装置を図面を参照して以下に説明する。
図1および図2は紙幣入出金機11を示すものである。
この紙幣入出金機11は例えばPOSレジの周りに図示略の硬貨入出金機とともに置かれて売上金の入金および釣銭の出金を行うものであり、略直方体形状の筐体12を有している。
【0014】
筐体12内には、操作者側となる前面12A側から順に、機外から紙幣(紙葉類)Sが投入される上方に開口可能な入金部15、機外へ取出可能となるように紙幣Sが機内から繰り出される上方に開口可能な出金部16、入金部15からの紙幣Sおよび後述する複数の還流庫20〜22からの紙幣Sを収納可能な着脱式の回収庫17、出金リジェクト紙幣を収納する着脱不可な出金リジェクト庫18、紙幣Sを収納するとともに収納した紙幣Sを出金部16に出金させる複数具体的には三つの着脱不可な還流庫20、還流庫21、還流庫22が配設されている。
【0015】
ここで、前面12A側の入金部15、出金部16および回収庫17を一纏まりの第1の構成群25とし、前面12Aとは反対側の出金リジェクト庫18、還流庫20、還流庫21および還流庫22を一纏まりの第2の構成群26とする。
【0016】
筐体12の上面12Bには、前面12A側から順に、入金部15へ紙幣Sを投入するための入金口32、出金部16から紙幣Sを取出可能に突出させるための出金口33、操作入力が行われるとともに操作者に対する表示を行う操作表示部34が設けられている。
【0017】
上記した入金部15、出金部16、回収庫17、出金リジェクト庫18、還流庫20、還流庫21および還流庫22は、いずれも前面12Aと同様に幅方向に長い横長の形状をなしており、すべて、互いの幅方向および高さ方向の位置を合わせるとともに、短辺方向を高さ方向に沿わせ長辺方向を機体幅方向に沿わせた立位状態で紙幣Sを受け入れるようになっている。
【0018】
上記した入金部15、出金部16、回収庫17、出金リジェクト庫18、還流庫20〜22は、筐体12内の幅方向における一側に寄せて設けられており、これにより筐体12の幅方向逆側に形成されるスペースに、これら入金部15、出金部16、回収庫17、出金リジェクト庫18、還流庫20〜22を接続させて紙幣Sのやり取りを行う搬送部37が配設されている。なお、この搬送部37は図示略の制御部で制御されて正逆回転するものであり、紙幣Sを双方向に搬送可能となっている。
【0019】
搬送部37は、最も前面12A側の入金部15と最も前面12Aとは反対側の還流庫22とを結ぶ主搬送路38と、主搬送路38の出金部16の近傍から分岐して出金部16に接続される分岐搬送路39と、主搬送路38の回収庫17の近傍から分岐して回収庫17に接続される分岐搬送路40と、主搬送路38の出金リジェクト庫18の近傍から分岐して出金リジェクト庫18に接続される分岐搬送路41と、主搬送路38の還流庫20の近傍から分岐して還流庫20に接続される分岐搬送路42と、主搬送路38の還流庫21の近傍から分岐して還流庫21に接続される分岐搬送路43とを有している。
【0020】
また、搬送部37は、主搬送路38を介して第2の構成群26側から搬送されてきた紙幣Sを、開状態では出金部16に接続される分岐搬送路39に案内して出金部16に搬送させる一方、閉状態ではそのまま主搬送路38で搬送させる振分部39Gと、主搬送路38を介して第2の構成群26側から搬送されてきた紙幣Sを、開状態では回収庫17に接続される分岐搬送路40に案内して回収庫17に搬送させる一方、閉状態ではそのまま主搬送路38で搬送させる振分部40Gとを有している。
【0021】
加えて、搬送部37は、主搬送路38を介して第1の構成群25側から搬送されてきた紙幣Sを、開状態では出金リジェクト庫18に接続される分岐搬送路41に案内して出金リジェクト庫18に搬送させる一方、閉状態ではそのまま主搬送路38で搬送させる振分部41Gと、主搬送路38を介して第1の構成群25側から搬送されてきた紙幣Sを、開状態では還流庫20に接続される分岐搬送路42に案内して還流庫20に搬送させる一方、閉状態ではそのまま主搬送路38で搬送させる振分部42Gと、主搬送路38を介して第1の構成群25側から搬送されてきた紙幣Sを、開状態では還流庫21に接続される分岐搬送路43に案内して還流庫21に搬送させる一方、閉状態ではそのまま主搬送路38で搬送させる振分部43Gとを有している。
【0022】
ここで、還流庫20は、分岐搬送路42から受け入れた紙幣を一時貯留させる前面12A側の中間プール部20aと中間プール部20aの紙幣Sを収納する前面12Aとは反対側の収納部20bとを有しており、収納部20bに収納した紙幣Sを分岐搬送路42に出金可能となっている。同様に、還流庫21は、分岐搬送路43から受け入れた紙幣Sを一時貯留させる前面12A側の中間プール部21aと中間プール部21aの紙幣Sを収納する前面12Aとは反対側の収納部21bとを有しており、収納部21bに収納した紙幣Sを分岐搬送路43に出金可能となっている。さらにまた、還流庫22も、主搬送路38から受け入れた紙幣Sを一時貯留させる前面12A側の中間プール部22aと中間プール部22aの紙幣Sを収納する前面12Aとは反対側の収納部22bとを有しており、収納部22bに収納した紙幣Sを主搬送路38に出金可能となっている。なお、還流庫22の収納部22bは、他の還流庫20,21の収納部20b,21bよりも収納量が多くされており、取扱量の最も多い千円券紙幣を収納するようになっている。また、還流庫20はそれ以外の例えば万円券紙幣を、還流庫21はそれ以外の例えば五千円券紙幣をそれぞれ収納するようになっている。
【0023】
主搬送路38の第1の構成群25と第2の構成群26との間であって、より具体的には分岐搬送路40の分岐位置と分岐搬送路41の分岐位置との間の中間搬送路45において、第1の構成群25側に、第1の構成群25側から第2の構成群26側に搬送中の入金紙幣を識別する入金識別部47が設けられており、この中間搬送路45の第2の構成群26側に、第2の構成群26側から第1の構成群25側に搬送中の出金紙幣Sの重送等を識別する出金識別部48が設けられている。
【0024】
そして、例えば、入金処理時には、入金口32に投入され入金部15から主搬送路38に一枚ずつ繰り出された紙幣Sが、主搬送路38での搬送中に入金識別部47で識別されることになり、この入金識別部47での識別結果に基づいて、制御部が、還流庫20〜22用の振分部42G,43Gのうち該当する金種への振分用のものを必要により開作動させて、金種の還流庫20〜22のうちの該当するものに紙幣Sを搬送する。ここでは、入金可能な千円券紙幣であった場合には主搬送路38でそのまま還流庫22の中間プール部22aに貯留させ、入金可能な万円券紙幣であった場合には振分部42Gで分岐搬送路42を介して還流庫20の中間プール部20aに貯留させ、入金可能な五千円券紙幣であった場合には振分部43Gで分岐搬送路43を介して還流庫21の中間プール部21aに貯留させる。そして、入金確定操作が入力されたことを条件に中間プール部20a〜22aから紙幣Sを収納部20b〜22bに収納させる。他方、入金可能であるものの還流庫を持たない二千円券紙幣や還流庫20〜22のいずれか満杯状態の紙幣については、回収庫17への振分部40Gを開作動させるとともに、搬送部37を逆転させて振分部40Gで分岐搬送路40を介して回収庫17に収納させる。また、入金識別部47で入金不可な紙幣Sと識別された場合、制御部は、回収庫17への振分部40Gを開作動させ、搬送部37を逆転させて当該紙幣Sを振分部43Gで分岐搬送路40を介して回収庫17に搬送するか、あるいは、出金部16への振分部39Gを開作動させ、搬送部37を逆転させて当該紙幣Sを振分部39Gで分岐搬送路39を介して出金部16に搬送し、出金部16から機外に取出可能な状態として、操作者に返却する。
【0025】
また、例えば、出金処理時には、還流庫20〜22のいずれか一つから紙幣Sを主搬送路38を介して出金部16側に向けて搬送することになり、主搬送路38の搬送中に出金識別部48で識別する。出金識別部48によって紙幣Sが重送ではないと識別されると、制御部は、出金部16への振分用の振分部39Gを開作動させることで当該紙幣Sを出金部16に受け入れ可能な状態とし分岐搬送路39を介して出金部16に送り込む。他方、出金識別部48で出金不可な重送紙幣と識別された場合、制御部は、出金リジェクト庫18への振分部41Gを開作動させ、搬送部37を逆転させて当該紙幣Sを振分部41Gで分岐搬送路41を介して出金リジェクト庫18に搬送する。そして、出金部16への紙幣Sの搬送を適宜繰り返すことで、出金する枚数の紙幣Sが出金部16に送り込まれると、出金部16はこの紙幣Sを出金口33から機外に取り出し可能な状態とする。
【0026】
そして、本実施形態の紙葉類磁気検出装置10は、上記した入金識別部47に設けられている。図3に示すように、中間搬送路45の紙葉類磁気検出装置10の配設位置は、間に紙幣Sを通すように互いに平行に配置されたガイド板部50,51が設けられており、図示は略すが、紙葉類磁気検出装置10の両側においてこれらガイド板部50,51の間の紙幣Sを搬送する複数対の搬送ローラ等が設けられている。
【0027】
第1実施形態の紙葉類磁気検出装置10は、中間搬送路45で搬送中の紙幣Sの磁気的性質を検出する磁気センサ59と、磁気センサ59に対向配置され、中間搬送路45と同期回転することで紙幣Sを磁気センサ59に押し付けながら搬送するブラシローラ60とを有している。
【0028】
磁気センサ59は、中間搬送路45で搬送される紙幣Sの搬送方向に直交する方向の幅の全体を検出可能な検出面59aを有しており、この検出面59aを中間搬送路45の搬送方向に沿わせた状態でブラシローラ60側に向けている。
【0029】
ブラシローラ60は、図4に示す支持部62で磁気センサ59に対し常に一定の位置に回転可能に支持されるとともに図示略のモータの駆動で回転する回転軸63を有している。この回転軸63は、その中心軸線が中間搬送路45で搬送される紙幣Sと平行かつ紙幣Sの搬送方向に直交する方向に沿っている。
【0030】
回転軸63は、図4に示すように、複数具体的には三カ所の同等のブラシ形成部69を有している。各ブラシ形成部69は、それぞれ、軸線方向において等幅であって互いに同軸同径の複数の大径軸部64と、大径軸部64に対し等幅かつ小径であって互いに同軸同径の複数の小径軸部65とを有しており、大径軸部64と小径軸部65とが軸線方向に交互に配置されている。また、各ブラシ形成部69は、それぞれ、大径軸部64および小径軸部65の全配設範囲の両端に、小径軸部65が配置されており、これら小径軸部65の両側に、大径側が大径軸部64と同軸同径で外側ほど小径となるテーパ軸部66を有している。さらに、各ブラシ形成部69は、それぞれ、各テーパ軸部66の外側にテーパ軸部66の小径側と同軸同径の中心軸部67を有しており、隣り合うブラシ形成部69は中心軸部67が共通している。そして、中心軸部67のうち最も両端側の中心軸部67が支持部62に回転可能に支持されている。
【0031】
そして、各ブラシ形成部69において、上記した回転軸63のすべての大径軸部64とすべての小径軸部65とには、それぞれの半径方向に沿う状態で、同等の材質、同等の太さ、同等の長さの多数の毛68が、同等の密度となるように植毛されている。大径軸部64に植毛された多数の毛68で構成される大径ブラシ部(ブラシ部)70と小径軸部65に植毛された多数の毛68で構成される小径ブラシ部(ブラシ部)71とは、これら大径ブラシ部70および小径ブラシ部71の各配設位置となる大径軸部64および小径軸部65の外径が異なっていることから、互いに外径が異なっている。そして、大径ブラシ部70と小径ブラシ部71とがブラシローラ60の軸線方向において交互に配置されており、その結果、ブラシローラ60の各ブラシ形成部69は、軸線方向に凹凸を繰り返す形状をなしている。ここで、例えば、小径軸部65の外径は大径軸部64の外径の外径よりも0.6mm〜1mmの範囲で小径となっており、大径ブラシ部70の先端と小径ブラシ部71の先端とに0.3mm〜0.5mm程度の段差が設けられている。
【0032】
また、両側のテーパ軸部66も多数の毛68が植毛されてブラシ部72が構成されているが、これらのブラシ部72は上記と同等の材質および同等の太さの毛68が同等の密度で植毛されており、ブラシ部72の外径が一定となるように毛68の長さのみ調整されている。
【0033】
そして、小径軸部65に設けられた小径ブラシ部71が、磁気センサ59の検出面59aに対し最も近接した状態でこの検出面59aとの間に紙幣一枚分の隙間を形成し、大径軸部64に設けられた大径ブラシ部70が、磁気センサ59の検出面59aに対し毛68の先端側所定長さの範囲が接触可能(オーバーラップ可能)となるように、ブラシローラ60の磁気センサ59に対する位置が決められている。
【0034】
中間搬送路45での紙幣Sの搬送中に紙幣磁気検出装置10はそのブラシローラ60が中間搬送路45と同期して搬送方向を同じとするように回転することになるが、ブラシローラ60は、大径軸部64に設けられた大径側の大径ブラシ部70が主として先端部を撓ませながら紙幣Sを検出面59aに押し付けることになり、小径軸部65の小径ブラシ部71が紙幣Sの検出面59aからの浮きを抑えることになる。
【0035】
以上に述べた本実施形態の紙葉類磁気検出装置10によれば、紙幣Sの磁気的性質を検出する磁気センサ59に対向配置され、回転することで紙幣Sを磁気センサ59に押し付けながら搬送するブラシローラ60の回転軸63が、異なる外径の複数の大径軸部64および複数の小径軸部65を交互に有しており、回転軸63の大径軸部64および小径軸部65に植毛される複数の大径ブラシ部70および複数の小径ブラシ部71が互いに異なる外径となっているため、外径の大きい大径ブラシ部70で磁気センサ59に紙幣Sを押し付け、外径の小さい小径ブラシ部71で紙幣Sの磁気センサ59からの浮きを防止できる。したがって、十分な検出性能が得られる上、紙幣Sが磁気センサ59とブラシローラ60との間に入る際の搬送抵抗を低減することができ、搬送不良を抑制できる。
【0036】
また、ブラシローラ60は、中心の回転軸63が大径ブラシ部70および小径ブラシ部71の各配設位置となる大径軸部64および小径軸部65の外径を異ならせており、この回転軸63に同等長さの毛が植毛されることで大径ブラシ部70および小径ブラシ部71が互いに外径を異ならせているため、大径ブラシ部70および小径ブラシ部71の製造が容易となる。
【0037】
なお、上記した本実施形態の紙葉類磁気検出装置10の大径ブラシ部70および小径ブラシ部71の植毛密度を異ならせても良い。具体的に、小径ブラシ部71の植毛密度を大径ブラシ部70の植毛密度よりも低くすれば、紙幣Sが磁気センサ59とブラシローラ60との間に入る際の搬送抵抗をさらに低減することができる。
【0038】
さらに、上記した本実施形態の紙葉類磁気検出装置10の大径ブラシ部70および小径ブラシ部71の毛68の強度を異ならせても良い。具体的に、小径ブラシ部71の毛68の強度を大径ブラシ部70の毛の強度よりも低くすれば、紙幣Sが磁気センサ59とブラシローラ60との間に入る際の搬送抵抗をさらに低減することができる。
【0039】
勿論、大径ブラシ部70および小径ブラシ部71の植毛密度と毛68の強度とを両方異ならせても良い。具体的には、小径ブラシ部71の植毛密度を大径ブラシ部70の植毛密度よりも低くし、かつ小径ブラシ部71の毛68の強度を大径ブラシ部70の毛68の強度よりも低くする。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態の紙葉類磁気検出装置が適用された紙幣入出金機を概略的に示す透過斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態の紙葉類磁気検出装置が適用された紙幣入出金機を概略的に示す平断面図である。
【図3】本発明の一実施形態の紙葉類磁気検出装置を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施形態の紙葉類磁気検出装置のブラシローラを示す断面図である。
【符号の説明】
【0041】
10 紙葉類磁気検出装置
59 磁気センサ
60 ブラシローラ
63 回転軸
68 毛
70 大径ブラシ部(ブラシ部)
71 小径ブラシ部(ブラシ部)
S 紙幣(紙葉類)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類の磁気的性質を検出する磁気センサと、該磁気センサに対向配置され、回転することで紙葉類を前記磁気センサに押し付けながら搬送するブラシローラとを有する紙葉類磁気検出装置であって、
前記ブラシローラは、互いに異なる外径の複数のブラシ部を有することを特徴とする紙葉類磁気検出装置。
【請求項2】
前記ブラシローラは、中心の回転軸が前記複数のブラシ部の各配設位置の外径を異ならせており、該回転軸に同等長さの毛が植毛されることで前記複数のブラシ部が互いに外径を異ならせていることを特徴とする請求項1記載の紙葉類磁気検出装置。
【請求項3】
前記複数のブラシ部は植毛密度が互いに異なることを特徴とする請求項1または2記載の紙葉類磁気検出装置。
【請求項4】
前記複数のブラシ部は毛の強度が互いに異なることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の紙葉類磁気検出装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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