説明

素材データ中間蓄積装置及び放送素材編集システム

【課題】アプリケーション装置に迅速に素材データを供給する。
【解決手段】中間蓄積装置200は、第1のネットワーク107を介してノンリニア編集装置101等のアプリケーション装置に接続され、第2のネットワーク270を介して収録再生装置300に接続される。中間蓄積装置は、収録再生装置300の装置情報を取得する装置情報取得手部231と、収録再生装置300が収録した素材データの管理情報を取得する管理情報取得部232と、装置情報及び管理情報に基づいて、素材データを取得する優先度を設定する管理テーブル制御部234と、設定された優先度に応じて収録再生装置300から素材データをクリップ単位で取得する素材データ取得部233と、素材データを格納し、要求に応じてノンリニア編集装置101に供給する素材データ保存エリア205を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、素材データ中間蓄積装置及び放送素材編集システムに関する。
【背景技術】
【0002】
放送局から送出される番組映像は、収録再生装置による映像素材の収録、放送素材編集システムによる映像素材の編集、効果編集、及び番組編成に合わせた編集等の処理を経て生成される。一般の放送素材編集システムは、収録素材の編集を行なうノンリニア編集装置、編集された映像を蓄積し必要に応じて再利用を行うための管理を行う蓄積サーバ、及び生成された映像を送出する送出サーバ等を具備している。
【0003】
従来、収録された映像素材や編集後の映像素材は、処理が進む都度、例えば磁気テープ等の記憶媒体に記憶されていた。このため、1つの処理が終わると作業者が人手を介して記憶媒体の受け渡しを行なっていた。しかしながら近年では、情報ネットワーク技術の進展に伴い、放送素材編集システムの各装置がネットワークを介して相互に接続され、当該ネットワークを介して映像素材を伝達することが行なわれるようになってきた(例えば特許文献1)。
【0004】
ネットワークを介して放送素材の伝達を行なうテープレスな放送素材編集システムでは、素材データ(例えば映像データや音声データ)がデータファイル形式で扱われるため、ネットワークを経由して柔軟にデータ交換を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−78060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ネットワークへの接続性能(例えばデータ伝送レートや伝送帯域)は、放送素材編集システムに含まれる装置間で異なっていることがある。特に、ネットワーク性能の高いサーバ技術を応用したノンリニア編集装置や蓄積サーバと比較して、収録再生装置は充分なネットワーク接続性能を備えていないことが多い。このように装置間で接続性能のアンバランスが生じていると、編集作業をスムーズに進行できない可能性がある。
【0007】
本発明は、前記のような問題に鑑みなされたもので、収録装置に充分なネットワーク性能が備えられていなくとも、アプリケーション装置に迅速に素材データを供給することができる素材データ中間蓄積装置及び放送素材編集システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る素材データ中間蓄積装置は、放送素材データを利用するアプリケーション装置と第1のネットワークを介して接続され、放送素材データを収録する収録装置と第2のネットワークを介して接続される素材データ中間蓄積装置であって、前記第1のネットワークを介して前記アプリケーション装置と接続するための第1の接続部と、前記第2のネットワークを介して前記収録装置と接続するための第2の接続部と、前記収録装置の装置情報を取得する装置情報取得手段と、前記収録装置が収録した素材データの管理情報を取得する管理情報取得手段と、前記装置情報及び管理情報に基づいて、素材データを取得する優先度を設定するデータ管理手段と、前記データ管理手段が設定した優先度に応じて前記収録装置から素材データをクリップ単位で取得する素材データ取得手段と、前記素材データ取得手段が取得した素材データを格納し、要求に応じて前記素材データを前記アプリケーション装置に供給する素材データ格納手段とを具備する。
【0009】
本発明の一実施形態に係る放送素材編集システムは、放送素材データを収録する収録装置と、当該放送素材データを利用するアプリケーション装置と、前記アプリケーション装置と第1のネットワークを介して接続され、前記収録装置と第2のネットワークを介して接続される中間蓄積サーバを具備する放送素材編集システムであって、前記中間蓄積サーバは少なくとも1つの中間蓄積装置を備え、前記中間蓄積装置は、前記第1のネットワークを介して前記アプリケーション装置と接続するための第1の接続部と、前記第2のネットワークを介して前記収録装置と接続するための第2の接続部と、前記収録装置の装置情報を取得する装置情報取得手段と、前記収録装置が収録した素材データの管理情報を取得する管理情報取得手段と、前記装置情報及び管理情報に基づいて、素材データを取得する優先度を設定するデータ管理手段と、前記データ管理手段が設定した優先度に応じて前記収録装置から素材データをクリップ単位で取得する素材データ取得手段と、前記素材データ取得手段が取得した素材データを格納し、要求に応じて前記素材データを前記アプリケーション装置に供給する素材データ格納手段を具備する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の素材データ中間蓄積装置及び放送素材編集システムによれば、アプリケーション装置に迅速に素材データを供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る放送素材編集システムの概略構成を示す図。
【図2】図1に示す中間蓄積装置の構成とデータフローの詳細の一例を示すブロック図。
【図3】中間蓄積装置の管理テーブルにおいて管理される収録再生装置情報の一例を示すデータテーブル。
【図4】中間蓄積装置の管理テーブルにおいて管理されるクリップ管理情報の一例を示すデータテーブル。
【図5】中間蓄積装置の管理テーブルにおいて管理される優先度情報の一例を示すデータテーブル。
【図6】中間蓄積装置が起動した際に実行される動作のシーケンス図。
【図7】中間蓄積装置の起動後に、第2のネットワークに接続されている収録再生装置に変更があった場合に実行される動作を示すシーケンス図。
【図8】複数の中間蓄積装置を具備する放送素材編集システムの概略構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明による放送素材編集システムの実施形態を説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る放送素材編集システムの概略構成を示す図である。図1に示すように、放送素材編集システム10は、アプリケーション群としてノンリニア編集装置101、素材蓄積サーバ102、及び送出サーバ103を具備している。ノンリニア編集装置101、蓄積サーバ102、及び送出サーバ103はそれぞれ、接続部104、105、及び106を介して第1のネットワーク107に接続されている。
【0014】
ノンリニア編集装置101は、デジタル化された映像素材に対して種々の編集処理を加える装置である。素材蓄積サーバ102は、映像素材を蓄積して管理し、他の装置による素材利用のために蓄積した素材データを提供する。送出サーバ103は、放送番組を放送用に送出するための装置である。
【0015】
第1のネットワーク107は、例えばLAN等の有線又は無線のネットワークを含み、大容量の映像データや音声データであっても充分な性能で伝送できる伝送媒体である。ノンリニア編集装置101、素材蓄積サーバ102、及び送出サーバ103からネットワーク107へ接続するための接続部104〜106のそれぞれは、各装置のネットワークインタフェースに接続可能な接続ケーブルを具備している。これらの接続部104〜106は、充分な接続性能(高速データ伝送を実現するのに充分な機能)を備えている。
【0016】
収録再生装置300及び350は、番組素材を収録する機能と収録された素材を再生する機能を有する。図1に示す放送素材編集システム10内には、2つの収録再生装置300及び350が図示されているが、放送素材編集システム10に備えられる収録再生装置の数は2個に限定されるわけではない。
【0017】
収録再生装置300及び350には、接続部320及び370がそれぞれ接続される。接続部320及び370は、それぞれの収録再生装置のネットワークインタフェースに接続される接続ケーブルを具備している。
【0018】
一般的な収録再生装置の設計の際には、映像処理性能の向上や消費電力の削減等に主眼が置かれ、ネットワーク機能の高速性は重視されないことが多い。このため、収録再生装置300と350を接続部320と370を介して直接的に第1のネットワーク107に接続しても、十分な接続性能が確保されない。例えばノンリニア編集装置101と第1のネットワーク107の間で、映像情報充分な接続性能が確保されていたとしても、収録再生装置300が第1のネットワーク107に接続する接続性能に不足があると、ノンリニア編集機101から収録再生装置300の映像情報を参照、再生、又は編集する処理の処理速度が落ちてしまう。
【0019】
このため、本実施形態に係る放送素材編集システム10では、収録再生装置300及び350は、編集素材中間蓄積装置200を介して第1のネットワーク107に接続されるように構成されている。
【0020】
この放送素材編集システム10では、収録再生装置300及び350が収録した映像データや音声データは、中間蓄積装置200に一時的にキャッシュされる。ノンリニア編集装置101、蓄積サーバ102、及び送出サーバ103を含むアプリケーション群は、必要に応じて、中間蓄積装置200から映像データや音声データ等の素材データを取得する。
【0021】
中間蓄積装置200は、接続部250を介して第1のネットワーク107に、接続部260を介して第2のネットワーク270に接続されている。収録再生装置300と350は、それぞれ接続部320と370を介して第2のネットワーク270に接続されている。
【0022】
第2のネットワーク270は、各収録再生装置と中間蓄積装置200を接続するネットワークである。第2のネットワーク270は、例えば有線又は無線のLAN含む。接続部250及び260は、中間蓄積装置200のネットワークインタフェースに接続可能な接続ケーブルを具備しており、中間蓄積装置200を第1のネットワーク及び第2のネットワークへそれぞれ接続する。
【0023】
収録再生装置300によって収録された映像データ及び画像データを含む素材データは、接続部320から第2のネットワーク270に送られ、第2のネットワーク270から接続部260を介して中間蓄積装置200にコピーされる。例えばノンリニア編集装置101による当該素材データへのアクセスが必要となったら、ノンリニア編集装置は、収録再生装置300には直接アクセスせず、中間蓄積装置200にアクセスする。これによって、素材データの伝送に充分な伝送帯域を確保することができる。
【0024】
放送素材編集システム10の外部に備えられた収録再生装置400は、他のベンダが提供する収録再生装置である。第2のネットワーク270は、システム外の他のベンダが提供する収録再生装置400のプロトコルにも対応してもよい。この場合、収録再生装置400は、第2のネットワーク270を介して中間蓄積装置200に接続される。このため、第1のネットワーク107の上位にあるアプリケーション群からは、収録再生装置300及び350と、システム外部の収録再生装置400とを、同等に取り扱うことが可能となる。
【0025】
一方、第2のネットワーク270が、システム外部の他のベンダが提供する別の収録再生装置450のプロトコルに対応していなければ、当該収録再生装置450によって収録された素材データを編集素材中間蓄積装置201にキャッシュすることはできない。このような場合は、収録再生装置450は、接続部455を介して第1のネットワーク107に直接接続される必要がある。
【0026】
なお、上述の第1のネットワーク107と第2のネットワーク270は同一のネットワークであってもよい。また、第2のネットワーク270が第1のネットワーク107の一部を構成してもよい。
【0027】
図2は、図1に示す中間蓄積装置の構成とデータフローの詳細の一例を示すブロック図である。図2では、一例として、収録再生装置300が収録した素材データをノンリニア編集装置101が参照する場合のデータの流れが示されている。しかしながら、ノンリニア編集装置101に限らず、アプリケーション群の他の装置が素材データを参照する際にも、同様の手順で処理が行われる。
【0028】
中間蓄積装置200は、第1のネットワークと接続するためのネットワークインタフェース201及び第2のネットワークに接続するためのネットワークインタフェース202を具備している。
【0029】
また中間蓄積装置200は、装置全体の動作を制御する制御部203を備えている。制御部203は、図示しないプロセッサ、プログラムメモリ、及びワークメモリを含み、プログラムメモリに保存された所定のプログラムをプロセッサが実行することで、装置情報取得部231、管理情報取得部232、素材データ取得部233、管理テーブル制御部234、及び素材データ制御部235の機能を実現する。
【0030】
装置情報取得部231は、第2のネットワーク270を介して接続された収録再生装置の装置情報を取得する。管理情報取得部231は、第2のネットワーク270を介して接続された収録再生装置から、それぞれの収録再生装置が収録した素材データの管理情報を取得する。素材データ取得部233は、実際に収録再生装置から素材データを取得する。管理テーブル制御部234は、収録再生装置から取得した管理情報に基づいて、管理テーブル204の各データテーブルに格納される情報を管理する。素材データ制御部235は、素材データ保存エリア205に保存されている素材データに対して、アプリケーション装置の利用形態に応じてファイル形式の変換や、クリップの区切り方の変更、不要なファイルの削除等、所要の処理を施す。
【0031】
中間蓄積装置200は更に、管理テーブル204と素材データ保存エリア205を備えている。管理テーブル204は、中間蓄積装置200に蓄積される素材データや接続された収録再生装置の情報を管理テーブル制御部234の制御の下で管理する。管理テーブル204に設けられる装置情報テーブル241、クリップ管理データテーブル242、及び優先度データテーブル243の詳細は、図3〜図5にそれぞれ示される。また素材データ保存エリア205は、素材データを蓄積する記憶部である。素材データ保存エリア205は、複数の収録再生装置から送られた素材データを記憶するのに充分な記憶容量を備えているものとする。
【0032】
図2に示すように、ノンリニア編集装置101は、編集制御部110、データメモリ111、及びネットワークインタフェース112を具備している。
【0033】
ネットワークインタフェース112は、接続部104を介してノンリニア編集装置101を第1のネットワークに接続する。編集制御部110は、図示しないプロセッサ、プログラムメモリ、及びワークメモリを含み、プログラムメモリに保存された所定のプログラムをプロセッサが実行することで、中間蓄積装置200から取得した素材データに対する編集処理が行われる。データメモリ111は、中間蓄積装置200から取得した素材データを保存する。
【0034】
また収録再生装置300は、図2に示すように、ネットワークインタフェース301、収録再生制御部302、管理データ保存部303、及び素材データ保存部304を具備している。
【0035】
ネットワークインタフェース301は、接続部320を介して収録再生装置300を第2のネットワーク270に接続する。収録再生制御部302は、図示しないプロセッサ、プログラムメモリ、及びワークメモリを含み、プログラムメモリに保存された所定のプログラムをプロセッサが実行することで、素材データの収録処理及び再生処理を制御する。管理データ記憶部303は、収録再生制御部302によって収録された素材データの種々の管理情報を保持する。素材データ保存部304は、収録再生制御部302によって収録された素材データを保存する。
【0036】
図2において、矢印510は、収録再生装置300の管理データ保存部303から中間蓄積装置200の管理テーブル204へ送られる管理情報の流れを示す。同様に矢印520は、中間蓄積装置200の管理テーブル204からノンリニア編集装置101の編集制御部110へ送られる管理情報の流れを示す。また矢印530は、収録再生装置300の素材データ保存部304から中間蓄積装置200の素材データ保存エリア205への素材データの流れを示す。同様に矢印540は、中間蓄積装置200の素材データ保存エリア205からノンリニア編集装置101のデータメモリ111への素材データの流れを示す。接続性能に違いがあるため、収録再生装置300から中間蓄積装置200へのデータ伝送容量よりも、中間蓄積装置200からノンリニア編集装置101へのデータ伝送容量の方が大きい(図2では矢印530と540の太さによってデータ伝送容量が表されている)。
【0037】
中間蓄積装置200の管理テーブル204では、例えば以下に説明するように、収録再生装置の装置情報、クリップ管理情報、優先度情報等の管理情報を管理している。
【0038】
図3は、中間蓄積装置の管理テーブルにおいて管理される収録再生装置情報の一例を示すデータテーブルである。
【0039】
この装置情報テーブル241には、装置情報取得部231によって取得された収録再生装置の管理情報が、管理テーブル制御部234による制御によって格納される。すなわち、中間蓄積装置200に第2のネットワーク270を介して接続される各収録再生装置の装置情報を装置情報取得部231が取得し、管理テーブル制御部234が装置IDに対応付けて装置情報テーブル241に書き込む。
【0040】
図3に示すように、装置情報テーブル241には、装置IDに対応して、MACアドレス等の装置固有情報、IPアドレス、最終の情報更新日時、最新のデータ取得日時等のデータ項目が備えられている。装置IDは、収録再生装置毎に、管理テーブル制御部234によって自動的に付与される。
【0041】
図4は、中間蓄積装置の管理テーブルにおいて管理されるクリップ管理情報の一例を示すデータテーブルである。
【0042】
このクリップ管理データテーブル242には、管理情報取得部232によって収録再生装置の管理データ保存部から取得した各素材データクリップの管理情報が、管理テーブル制御部234によって格納される。すなわち、収録再生装置が収録した各クリップの管理情報を管理情報取得部232が取得し、管理テーブル制御部234がクリップ毎の管理情報をクリップ管理データテーブル242に書き込む。
【0043】
図4に示すように、クリップ管理データテーブル242には、素材データのクリップ毎に、当該クリップを取得した収録再生装置の装置ID、クリップ番号、素材種別、ショットマーク(Sマーク)数、保存先ディレクトリ、蓄積状態、蓄積優先度、アプリケーション群によるアクセス状態、最終のアクセス日時等のデータ項目が備えられている。
【0044】
素材データ保存エリア205では、素材データがクリップ単位で保存されるため、管理テーブル204でも、クリップ毎に情報管理が行なわれる。
【0045】
素材種別は、対応するクリップがどのような番組(例えばニュース番組、スポーツ番組等)の素材であるかを表す識別子であってもよい。ショットマークは、クリップにおける画面の切り替わり等の重要な箇所に付与され、参照用のインデックス機能を果たす。保存先ディレクトリは、一素材データ保存エリア205でのクリップの格納領域を表す。蓄積状態は、クリップの蓄積が完了したか、現在取り込み中であるか、あるいはこれから蓄積する予定であるか等の、クリップの取り込み(蓄積)ステータスを表す。取り込みの途中であるクリップであれば、先頭から何フレームが取り込まれたか等の情報が、蓄積状態情報としてデータテーブルに格納される。蓄積優先度は、当該クリップを収録再生装置から取り込む優先度を示す。蓄積優先度は、クリップの蓄積が完了するごとに更新(0クリア)される。
【0046】
アプリケーション(AP)アクセス状態は、アプリケーション群(ノンリニア編集装置101、蓄積サーバ102、送出サーバ103等)からのアクセス中であるか否か等、アプリケーション群からのアクセスのステータスを表す。最終アクセス完了日時は、アプリケーション群からの最終のアクセスが完了した日時を表す。
【0047】
図5は、中間蓄積装置の管理テーブルにおいて管理される優先度情報の一例を示すデータテーブルである。
【0048】
この優先度データテーブル243には、管理テーブル制御部234の制御の下で、アプリケーション群内の装置毎に、それぞれのIPアドレス、装置種別、優先度の各データが格納される。優先度データテーブル243によって、第1のネットワーク107の上位の各装置からのアクセスに優先度を設定することができる。このため、保存が完了していない同一収録再生装置からの素材データが同時に複数のアプリケーションから要求されるような場合であっても、アプリケーションからのアクセスを優先度に応じて許可したり拒否したりすることができるようになる。従って、複数のアプリケーションからのアクセスの衝突によって素材データが不用意に失われることが防止できる。一例として、IPアドレスの範囲で優先度を決めておき、特定の装置については個別に優先度を設定することもできる。
【0049】
次に、以上のように構成された本実施形態に係る放送素材編集システムの動作例について説明する。
【0050】
図6は、中間蓄積装置が起動した際に実行される動作を示すシーケンス図である。
【0051】
中間蓄積装置200が起動すると、第2のネットワーク270に接続されている装置の存在確認が行なわれる(ステップS601)。例えば中間蓄積装置200は、pingコマンド等を第2のネットワークに送信し、その応答を受信することで第2のネットワーク270に接続された装置を確認する。図6に示す例では、収録再生装置300及びシステム外の外部装置480から応答信号が受信されているので(ステップS602及びS603)、中間蓄積装置200は、第2のネットワーク270に収録再生装置300と外部装置480が接続されていることを確認できる。
【0052】
装置情報取得部231は、第2のネットワーク270に接続された各装置に、装置情報を要求する。放送素材編集システム10内の収録再生装置300への装置情報要求(ステップS604)に応じて、当該収録再生装置300からは装置情報が送信される(ステップS605)。一方、システム外の外部装置480への装置情報要求(ステップS606)に対しては、所定時間内には装置情報が送られず(ステップS607)、タイムアウトが生じる。このような装置情報要求への応答がない装置については、中間蓄積装置200は、放送素材編集システム10とは関連のない装置とみなされる。
【0053】
装置情報要求に応答して送られた装置情報は、管理テーブル制御部234によって、管理テーブル204内の装置情報テーブル241に格納される(ステップSA)。装置情報テーブル241に格納された装置情報は、中間蓄積装置200の次回の起動時に参照され、装置の存在確認を迅速に行なうことができるようになる。
【0054】
管理情報取得部232は、システム内の収録再生装置300に管理情報を要求し(ステップS608)、要求に応じて収録再生装置300から返送される管理情報を受信する(ステップS609)。管理テーブル制御部234は、受信された管理情報に基づいてクリップ管理データテーブル242を生成し、クリップ毎の蓄積優先度を決定する(ステップS610)。
【0055】
例えば、中間蓄積装置200への蓄積が完了していないクリップの蓄積優先度は、ショットマーク数が多いほど高くなるように決定される。また、素材種別を考慮して蓄積優先度が決定されてもよい。
【0056】
素材データ取得部233は、アプリケーションからの要求や中間蓄積装置200内のタイマ設定等のクリップ蓄積のトリガを検出したら(ステップS611)、クリップの蓄積優先度に応じた素材データ(クリップ)を収録再生装置300に要求する(ステップS612)。素材データの要求に応答して、収録再生装置300から中間蓄積装置200には要求されたクリップが返送される(ステップS613)。素材データ取得部233は、返送されたクリップを素材データ保存エリア205に格納する(ステップSB)。素材データ保存エリア205に格納された素材データのクリップは、アプリケーション群による利用が可能となる。
【0057】
管理テーブル制御部234は、クリップ管理データテーブル242において、素材データ保存エリア205に格納されたクリップの蓄積優先度をクリアし、蓄積優先度の情報を更新する(ステップS614)。
【0058】
素材データ取得部233は更に、クリップの蓄積優先度に応じて収録再生装置300に素材データ(クリップ)を要求する(ステップS615)。素材データの要求に応答して、収録再生装置300から中間蓄積装置200には要求されたクリップが返送される(ステップS616)。素材データ取得部233は、返送されたクリップを素材データ保存エリア205に格納する(ステップSB)。素材データ保存エリア205に格納された素材データのクリップは、アプリケーション群による利用が可能となる。
【0059】
管理テーブル制御部234は、クリップ管理データテーブル242において、素材データ保存エリア205に保存されたクリップの蓄積優先度をクリアし、蓄積優先度の情報を更新する(ステップS617)。以降、同様の動作が繰り返される。
【0060】
例えばステップS610で蓄積優先度が決定されてから所定の時間が経過したら、当該時間の経過をトリガとして検出して(ステップS611)、素材データの蓄積が開始されてもよい。
【0061】
また、中間蓄積装置200に一部しか蓄積されていないクリップについては、アプリケーション群のいずれかの装置による当該クリップ又は当該クリップの管理情報へのアクセス試行がトリガとして検出される(ステップS611)。素材データ取得部233は、このトリガに応答して、収録再生装置300の当該クリップに関連するデータを要求、取得してもよい(ステップS612〜S617)。すなわち、中間蓄積装置200がデータの全てを保存していなくても、アプリケーション群からの要求に応じて、必要なデータを取得することができる。
【0062】
例えば、中間蓄積装置200に先頭フレームのみが蓄積されているクリップ又は当該クリップの管理情報へのアクセス試行が検出されたら、素材データ取得部233は、収録再生装置300の当該フレーム以降のデータを要求、蓄積する。
【0063】
また、中間蓄積装置200に蓄積されていないクリップをアプリケーション群のいずれかの装置が要求したら、当該要求がトリガとして検出される(ステップS611)。素材データ取得部233は、要求されたデータを素材データ保存エリア205に蓄積しながら要求元のアプリケーションへの送信も行なう。これによって、次回に当該素材データが要求された場合に、アプリケーション群からは迅速に当該データにアクセスすることができる。
【0064】
図7は、中間蓄積装置の起動後に、第2のネットワークに接続されている収録再生装置に変更があった場合に実行される動作を示すシーケンス図である。
【0065】
収録再生装置310が新たに第2のネットワーク270に接続された場合、第2のネットワーク270に既に接続された収録再生装置310において素材データの収録が行われてデータが追加された場合、又は第2のネットワーク270に既に接続された収録再生装置310において素材データが削除された場合(ステップS701)、収録再生装置310から中間蓄積装置200に状態変化通知が発信される(ステップS702)。
【0066】
装置情報取得部231は、状態変化通知に応答して、収録再生装置310に装置情報を要求する(ステップS703)。収録再生装置310は、装置情報要求に応じて、中間蓄積装置200に装置情報を送信する(ステップS704)。
【0067】
装置情報要求に応答して送られた装置情報は、管理テーブル制御部234によって、管理テーブル204内の装置情報テーブル241に格納される(ステップSA)。
【0068】
管理情報取得部232は、収録再生装置310に管理情報を要求し(ステップS705)、要求に応じて収録再生装置310から返送される管理情報を受信する(ステップS706)。管理テーブル制御部234は、受信された管理情報に基づいてクリップ管理データテーブル242を生成し、クリップ毎の蓄積優先度を決定する(ステップS707)。
【0069】
図6に示した例と同様に、例えば、中間蓄積装置200への蓄積が完了していないクリップの蓄積優先度は、ショットマーク数が多いほど高くなるように決定される。また、素材種別を考慮して蓄積優先度が決定されてもよい。管理テーブル制御部234は、格納された管理情報を参照して、収録再生装置310が新たに収録した素材データのクリップを検出し、当該クリップの優先度が高くなるように蓄積優先度を設定してもよい。
【0070】
管理テーブル制御部234が、クリップ管理データテーブル242を参照して中間蓄積装置200において不要となったデータが検出したら、素材データ制御部235によって当該不要なデータが削除される(ステップS708)。
【0071】
素材データ取得部233は、アプリケーションからの要求や中間蓄積装置200内のタイマ設定等のクリップ蓄積のトリガを検出したら(ステップS709)、クリップの蓄積優先度に応じて収録再生装置310に素材データ(クリップ)を要求する(ステップS710)。素材データの要求に応答して、収録再生装置310から中間蓄積装置200には要求されたクリップが返送される(ステップS711)。素材データ取得部233は、返送されたクリップを素材データ保存エリア205に格納する(ステップSB)。管理テーブル制御部234は、クリップ管理データテーブル242において、素材データエリア205に格納されたクリップの蓄積優先度をクリアし、蓄積優先度の情報を更新する(ステップS712)。以降、同様の動作が繰り返され、蓄積優先度に従ってクリップの蓄積が行なわれる。
【0072】
図6の例と同様に、例えばステップS707で蓄積優先度が決定されてから所定の時間が経過したら、当該時間の経過をトリガとして検出して(ステップS709)、素材データの蓄積が開始されてもよい。
【0073】
また、中間蓄積装置200に一部しか蓄積されていないクリップについては、アプリケーション群のいずれかの装置による当該クリップ又は当該クリップの管理情報へのアクセス試行がトリガとして検出される(ステップS709)。素材データ取得部233は、このトリガに応答して、収録再生装置310の当該クリップに関連するデータを要求して、蓄積してもよい。
【0074】
例えば、中間蓄積装置200に先頭フレームのみが蓄積されているクリップ又は当該クリップの管理情報へのアクセス試行が検出されたら、素材データ取得部233は、収録再生装置310の当該フレーム以降のデータを要求、蓄積する。
【0075】
また、中間蓄積装置200に蓄積されていないクリップをアプリケーション群のいずれかの装置が要求したら、当該要求がトリガとして検出される(ステップS709)。素材データ取得部233は、要求されたデータを素材データ保存エリア205に蓄積しながら要求元のアプリケーションへの送信も行なう。
【0076】
なお図7の説明では、一例として、収録再生装置310からの状態変化通知に応答して中間蓄積装置200から装置情報が要求されたが(ステップS703)、中間蓄積装置200は、所定の周期で第2のネットワーク270上の各装置に装置情報を送信するよう構成されてもよい。
【0077】
上述のように、中間蓄積装置10は、起動時又は収録再生装置からの変更通知に応じて、収録再生装置が収録した素材データをクリップ単位で取得して蓄積する。アプリケーション群の装置は、ネットワーク性能が低い収録再生装置に直接アクセスせずに、充分なネットワーク性能を有する中間蓄積装置にアクセスして素材データを取得する。このため、アプリケーション群からの要求に対する応答性能を向上させることができ、操作性も向上する。
【0078】
図1に示す例では、放送素材編集システム10は、1つの中間蓄積装置210を備えていたが、中間蓄積装置は複数備えられていてもよい。以下では、複数の中間蓄積装置を具備する放送素材編集システムについて、図面を参照して説明する。各図において、共通する部分には対応する参照数字を付して詳細な説明は省略する。
【0079】
図8は、複数の中間蓄積装置を具備する放送素材編集システムの概略構成を示す図である。
【0080】
図8に示す例では、第1のネットワーク107と第2のネットワーク207の間の中間蓄積サーバ部に、中間蓄積装置200に加えて、2つの中間蓄積装置210と220が備えられている。中間蓄積装置210及び220は、中間蓄積装置200と同様の構成を具備する(図2参照)。あるいは、1つの中間蓄積装置のみが制御部203を備え、他の中間蓄積装置は管理テーブル204と素材データ保存エリア205のみを具備するような構成であってもよい。
【0081】
中間蓄積装置210は、接続部215を介して第1のネットワーク107に、接続部216を介して第2のネットワークに接続されている。同様に中間蓄積装置220は、接続部225を介して第1のネットワーク107に、接続部226を介して第2のネッワークに接続されている。接続部215、216、225、及び226は、各中間蓄積装置のネットワークインタフェースに接続可能な接続ケーブルを具備している。第1のネットワーク107に接続される接続部215、225、及び250は、映像データや音声データを含む素材データの伝送に充分な接続性能を有しているものとする。
【0082】
収録再生装置300や収録再生装置350が保持する素材データの情報は、中間蓄積装置200、210、及び220を代表して、中間蓄積装置200が検出する。中間蓄積装置200は、どの素材データを、どの中間蓄積装置に格納するかを決定し、決定に従って素材データの中間蓄積装置へのコピー(格納動作)が開始される(図6及び図7のシーケンス図参照)。
【0083】
素材データをいずれかの中間蓄積装置へ格納する処理は、第2のネットワーク270と、第2のネットワーク270に接続される接続部216、260、226、320、及び370を介して行われる。この処理は、中間蓄積装置200、210、及び220が、通常のネットワークプロトコル、あるいは収録再生装置のプロトコル等の各プロトコルに対応していれば、実行が可能である。システム外の他のベンダが提供する収録再生装置400によって収録された素材データも、プロトコルが適合すれば、いずれかの中間蓄積装置へのコピーが可能である。
【0084】
アプリケーション群に含まれるノンリニア編集装置101、蓄積サーバ102、及び送出サーバ103も第1のネットワーク107を介して互いに通信可能である。このため、アプリケーション群の装置も互いに連携して、中間蓄積媒体200、201、及び220にキャッシュされる素材データから放送番組データを生成して、番組データを送出する。素材データへのアクセスが必要になると、中間蓄積媒体200、210、及び220が保持するクリップ管理データテーブルの情報がそれぞれ参照されて、必要な素材データを格納している中間蓄積装置が判定され、当該中間蓄積装置へのアクセスが行なわれる。
【0085】
この場合、第1のネットワーク107、接続部104〜106、204、215、225、及び250等は、素材データの伝送に充分な性能を持つ伝送路を構成するがアクセスに用いられる。従って、充分な応答性能が確保される。
【0086】
以上のように、中間蓄積装置200、210及び220は、適切なタイミングで収録再生装置から素材データを取得し、より高いネットワーク性能によるアプリケーション群からのアクセスを可能にする。また、各中間蓄積装置のクリップ管理データテーブル242が参照され、素材データ(クリップ)がアプリケーション群の装置に直接提供される。このため、アプリケーション群の装置は、良好な状況で素材データにアクセスできる。
【0087】
例えば、中間蓄積装置200の管理テーブル制御部234は、同一日時に各収録再生装置によって収録された複数のクリップを、複数の中間蓄積装置に分散して格納するよう、各中間蓄積装置の管理テーブル制御部に指示を与えることもできる。これにより上位アプリケーションは、複数の中間蓄積装置のネットワークインタフェースそれぞれにアクセスし、同一日時に収録された素材データに高速でアクセスすることが可能となる。
【0088】
また、中間蓄積装置200の管理テーブル制御部234は、同一番組のために収録された複数のクリップを、複数の中間蓄積装置に分散して格納するよう、各中間蓄積装置の管理テーブル制御部に指示を与えることもできる。これにより上位アプリケーションは、複数の中間蓄積装置のネットワークインタフェースそれぞれにアクセスし、同一番組用の素材データに高速でアクセスすることが可能となる。
【0089】
また、中間蓄積装置200の管理テーブル制御部234は、各クリップに付与されたショットマークの情報に従って、複数のクリップを複数の中間蓄積装置に分散して格納するよう、各中間蓄積装置の管理テーブル制御部に指示を与えることもできる。
【0090】
例えばショットマークの多いファイルは、ネットワーク性能がより高い中間蓄積装置に格納されるよう指示が行われる。従って、アクセスの可能性の高い収録素材に対して、より高性能な中間蓄積装置のネットワークインタフェースを介して高速でアクセスすることが可能となる。また、素材データクリップを、ショットマークの数量が均等になるように複数の中間蓄積装置に分散させて格納することでも、高速アクセスが可能になる。
【0091】
また、中間蓄積装置200、210、及び220それぞれの管理テーブル制御部234は、素材データの管理情報(インデクス情報)を、全ての中間蓄積装置上にコピーしてもよい。これにより、上位アプリケーションは、素材データの管理情報に高速にアクセスすることが可能となる。
【0092】
また、中間蓄積装置200の管理テーブル制御部234が、素材データを複数中間蓄積装置へ分散させて格納するよう設定した場合は、各中間蓄積装置の素材データ取得部233は、収録再生装置からそれぞれの中間蓄積媒体への素材データのコピーを、同時に帯域分割して行うこともできる。すなわち、収録再生装置の接続性能を帯域分割して、複数のクリップを同時に複数の中間蓄積装置に並行して転送してもよい。これにより、素材データの部分的なバランスを欠くことなく中間蓄積装置に徐々にコピーすることとなり、上位アプリケーションが必要とする情報に対して、平均的にアクセスの性能を保証することが可能となる。
【0093】
また、上述のように素材データを複数の中間蓄積装置に分散して格納する場合には、既に収録再生装置において分割されている分割ファイル単位での格納が行なわれる。これにより中間蓄積装置上でのファイル変換処理等の処理負荷が軽減され、より高速に上位アプリケーションのアクセスを受けることが可能となる。
【0094】
また、上述のように素材データを複数の中間蓄積装置に分散して格納する場合には、既に収録再生装置において分割されている分割ファイル単位での格納が行なわれる。これにより中間蓄積装置上でのファイル変換処理等の処理負荷が軽減され、より高速に上位アプリケーションのアクセスを受けることが可能となる。
【0095】
上位アプリケーションからファイル変更要求がなされた場合には、素材データ制御部235によって、既に中間蓄積装置に格納されている素材データに対してファイル変更が行なわれる。収録再生装置に格納されている素材データに対しては変更が行われない。対応する素材データが中間蓄積装置に格納されていない場合、当該素材データの収録再生装置からのコピーが優先的に実行される。その後、素材データ制御部235によって、ファイル変更処理が行われる。これにより、素材データの消去を防止して、オリジナルデータを保護できるようになる。また、処理時間の大きい書き込み処理を中間蓄積装置において実施することでより、効率的なアプリケーションからのアクセスが可能となる。
【0096】
本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、1つの実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの実施形態に示される構成要件が組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0097】
10…放送素材編集システム、101…ノンリニア編集装置、102…蓄積サーバ、103…送出サーバ、104〜106…接続部、107…第1のネットワーク、200…中間蓄積装置、250…接続部、260…接続部、270…第2のネットワーク、300…収録再生装置、320…接続部、350…収録再生装置、370…接続部、400、450…他ベンダの収録再生装置、455…接続部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送素材データを利用するアプリケーション装置と第1のネットワークを介して接続され、放送素材データを収録する収録装置と第2のネットワークを介して接続される素材データ中間蓄積装置であって、
前記第1のネットワークを介して前記アプリケーション装置と接続するための第1の接続部と、
前記第2のネットワークを介して前記収録装置と接続するための第2の接続部と、
前記収録装置の装置情報を取得する装置情報取得手段と、
前記収録装置が収録した素材データの管理情報を取得する管理情報取得手段と、
前記装置情報及び管理情報に基づいて、素材データを取得する優先度を設定するデータ管理手段と、
前記データ管理手段が設定した優先度に応じて前記収録装置から素材データをクリップ単位で取得する素材データ取得手段と、
前記素材データ取得手段が取得した素材データを格納し、要求に応じて前記素材データを前記アプリケーション装置に供給する素材データ格納手段と、
を具備する素材データ中間蓄積装置。
【請求項2】
前記第1の接続部は、前記第1のネットワークと映像素材データの交換を行なうのに充分な接続性能を有する請求項1に記載の素材データ中間蓄積装置。
【請求項3】
前記素材データ格納手段に格納されていない素材データを前記アプリケーション装置が要求した場合は、前記素材データ取得手段は、当該素材データを前記収録装置から取得して前記素材データ格納手段に格納し、且つ当該素材データを前記アプリケーション装置に供給する請求項1に記載の素材データ中間蓄積装置。
【請求項4】
前記素材データ格納手段に一部が格納されている素材データを前記アプリケーション装置が要求した場合は、前記素材データ取得手段は、当該素材データの残りの部分を前記収録装置から取得して前記素材データ格納手段に格納し、且つ当該素材データを前記アプリケーション装置に供給する請求項1に記載の素材データ中間蓄積装置。
【請求項5】
前記素材データ格納手段は素材データの先頭部分を格納し、
前記アプリケーション装置が当該素材データを要求した場合は、前記素材データ取得手段は、当該素材データの残りの部分を前記収録装置から取得して前記素材データ格納手段に格納し、且つ当該素材データを前記アプリケーション装置に供給する請求項4に記載の素材データ中間蓄積装置。
【請求項6】
前記データ管理手段は、素材種別及びショットマークの個数の少なくとも一方に基づいて素材データを取得する優先度を設定する請求項1に記載の素材データ中間蓄積装置。
【請求項7】
前記第1の接続部は、前記第1のネットワークを介して複数のアプリケーション装置に接続され、
前記データ管理手段は、前記複数のアプリケーション装置に、アプリケーションの種類に応じた優先度を設定する請求項1に記載の素材データ中間蓄積装置。
【請求項8】
放送素材データを収録する収録装置と、当該放送素材データを利用するアプリケーション装置と、前記アプリケーション装置と第1のネットワークを介して接続され、前記収録装置と第2のネットワークを介して接続される中間蓄積サーバを具備する放送素材編集システムであって、前記中間蓄積サーバは少なくとも1つの中間蓄積装置を備え、
前記中間蓄積装置は、
前記第1のネットワークを介して前記アプリケーション装置と接続するための第1の接続部と、
前記第2のネットワークを介して前記収録装置と接続するための第2の接続部と、
前記収録装置の装置情報を取得する装置情報取得手段と、
前記収録装置が収録した素材データの管理情報を取得する管理情報取得手段と、
前記装置情報及び管理情報に基づいて、素材データを取得する優先度を設定するデータ管理手段と、
前記データ管理手段が設定した優先度に応じて前記収録装置から素材データをクリップ単位で取得する素材データ取得手段と、
前記素材データ取得手段が取得した素材データを格納し、要求に応じて前記素材データを前記アプリケーション装置に供給する素材データ格納手段と、
を具備する放送素材編集システム。
【請求項9】
前記第1の接続部は、前記第1のネットワークと映像素材データの交換を行なうのに充分な接続性能を有する請求項8に記載の放送素材編集システム。
【請求項10】
前記素材データ格納手段に格納されていない素材データを前記アプリケーション装置が要求した場合は、前記素材データ取得手段は、当該素材データを前記収録装置から取得して前記素材データ格納手段に格納し、且つ当該素材データを前記アプリケーション装置に供給する請求項8に記載の放送素材編集システム。
【請求項11】
前記素材データ格納手段に一部が格納されている素材データを前記アプリケーション装置が要求した場合は、前記素材データ取得手段は、当該素材データの残りの部分を前記収録装置から取得して前記素材データ格納手段に格納し、且つ当該素材データを前記アプリケーション装置に供給する請求項8に記載の放送素材編集システム。
【請求項12】
前記素材データ格納手段は素材データの先頭部分を格納し、
前記アプリケーション装置が当該素材データを要求した場合は、前記素材データ取得手段は、当該素材データの残りの部分を前記収録装置から取得して前記素材データ格納手段に格納し、且つ当該素材データを前記アプリケーション装置に供給する請求項11に記載の放送素材編集システム。
【請求項13】
前記データ管理手段は、素材種別及びショットマークの個数の少なくとも一方に基づいて素材データを取得する優先度を設定する請求項8に記載の放送素材編集システム。
【請求項14】
前記第1の接続部は、前記第1のネットワークを介して複数のアプリケーション装置に接続され、
前記データ管理手段は、前記複数のアプリケーション装置に、アプリケーションの種類に応じた優先度を設定する請求項1に記載の放送素材編集システム。
【請求項15】
前記中間蓄積サーバは、複数の中間蓄積装置を備え、
前記収録装置から取得された素材データは、前記複数の中間蓄積装置に分散して格納される請求項8に記載の放送素材編集システム。
【請求項16】
前記収録装置によって同じ収録日時に収録された素材データは、前記複数の中間蓄積装置に分散して格納される請求項15に記載の放送素材編集システム。
【請求項17】
前記収録装置によって同一番組のために収録された素材データは、前記複数の中間蓄積装置に分散して格納される請求項15に記載の放送素材編集システム。
【請求項18】
前記素材データは、ショットマークが多く付与されたクリップが、より接続性能の高い中間蓄積装置に格納されるように、前記複数の中間蓄積装置に分散して格納される請求項15に記載の放送素材編集システム。
【請求項19】
前記素材データを前記複数の中間蓄積装置に分散して格納する場合は、前記素材データの管理情報は、前記複数の中間蓄積装置全てが保持する請求項15に記載の放送素材編集システム。
【請求項20】
前記素材データを前記複数の中間蓄積装置に分散して格納する場合は、前記収録装置の接続性能を帯域分割し、前記素材データの複数のクリップを複数の中間蓄積装置に並行して格納する請求項15に記載の放送素材編集システム。
【請求項21】
前記素材データを前記複数の中間蓄積装置に分散して格納する場合は、前記収録装置による収録時に設定された素材データ分割ファイル単位で、前記複数の中間蓄積装置に格納する請求項15に記載の放送素材編集システム。
【請求項22】
前記アプリケーション装置によって前記素材データに変更を加える場合は、前記複数の中間蓄積装置に分散して格納された当該素材データに変更を加え、前記収録装置が格納している当該素材データには変更を加えない請求項15に記載の放送素材編集システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−193384(P2011−193384A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59815(P2010−59815)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】