説明

紫外線から保護するための吸収性製品

吸収性製品は、(i)パッケージと、(ii)パッケージに収容される少なくとも1つの使い捨て吸収性物品と、を備える。パッケージは、窓エリアと紫外線バリアエリアとを備える。窓エリアは、紫外線バリアエリアよりも高い光透過率を呈する。紫外線バリアエリアは、窓エリアよりも低い紫外線透過率を呈する。吸収性物品は、液体透過性トップシートと、液体不透過性バックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置される吸収性コアと、約10g/m以上の坪量を有する強化接着剤と、を含む。吸収性物品は、窓エリアを通して少なくとも部分的に見える図形を含む。強化接着剤は紫外線バリアエリアによって覆われている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージと、パッケージに収容される少なくとも1つの吸収性物品と、を備える吸収性製品に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨て吸収性物品は、通常、着用者の股部に着用される装置である。吸収性物品としては、おむつ、トレーニングパンツ、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド、吸汗脇パッド、看護用パッド、人排泄物処理装置などが挙げられる。それらのうち、例えばおむつ及びトレーニングパッドは、尿及び糞便のような排泄物を収容し、これらの物を着用者の身体及び周囲の物から隔離するために着用される。現在、排泄物を回収するために多様な使い捨て吸収性物品が使われている。
【0003】
近年、透明又は半透明の窓付きのパッケージを備える吸収性製品が消費者に好まれていることが認識されてきたが、それは、そのような窓がパッケージ内に収容される吸収性物品を実際に見せるので、その窓を通して吸収性物品に関する情報を消費者が直接に得ることができるからである。これは、消費者の注意を引き付ける美的外観(例えば、上に印刷された図形)を有する近年の使い捨て吸収性物品にとって重要であり得る。
【0004】
当該技術分野において周知のように、多くの場合、図形はおむつのバックシートに提供され、パッケージの窓を通して図形が見える。そのようなパッケージは、市場だけでなく家庭でも、消費者を惹き付けるのに便利である。
【0005】
パッケージに透明又は半透明の窓を提供することによって、パッケージ内に収容される吸収性物品に深刻な問題が生じ得ることがわかった。例えば、透明の窓を有するパッケージ内のおむつは、その窓を通して入る紫外線の影響を受ける場合がある。透明又は半透明の窓は紫外線透過を呈する傾向があるので、窓に面した吸収性物品の一部が紫外線によって劣化する可能性がある。
【0006】
一般に、おむつは、おむつの様々な要素を接合する接着剤を含んでいる。接着剤は、紫外線の影響を受けやすい傾向がある。接着剤は、紫外線を受けて変色又は硬化する場合がある。変色(又は黄変)は、パッケージの窓を通しておむつが見えるときに気付かれる得るものである。また、変色は、パッケージからおむつを取り出した後にも気付かれ得る。硬化は、使用者が実際におむつを取り扱うときに感知され得るものであり、また、おむつ着用中の不快感を増す原因となり得る。多量の接着剤が使用されていると、接着剤の変色は明らかに認識され得る。このように、おむつに含まれている接着剤に紫外線が与える影響は、容易に感知され得るものである。更に、一部の小売店では、日よけが提供されない店舗の外に商品陳列棚が作られることがある。窓付きのパッケージが日光に曝され、窓を通してパッケージ内のおむつの中の接着剤が紫外線を浴びると、接着剤が劣化する可能性がある。その結果、おむつの外観及び品質が傷つく可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、消費者の興味をそそるためにおむつの図形を見せる一方で、おむつに含まれている接着剤の劣化を防ぐパッケージが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、(i)パッケージと、(ii)パッケージに収容される少なくとも1つの使い捨て吸収性物品と、を備える吸収性製品に関する。パッケージは、窓エリアと紫外線バリアエリアとを備える。窓エリアは、紫外線バリアエリアよりも高い光透過率を呈する。紫外線バリアエリアは、窓エリアよりも低い紫外線透過率を呈する。吸収性物品は、長手方向及び長手方向に直交する横断方向に延びる。吸収性物品は、液体透過性トップシートと、液体不透過性バックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置される吸収性コアと、約10g/m以上の坪量を有する強化接着剤と、を含む。吸収性物品は、窓エリアを通して少なくとも部分的に見える図形を備える。強化接着剤は、紫外線バリアエリアによって覆われている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書は、本発明を具体的に指摘しかつ明確に主張する特許請求の範囲で完結するが、本発明は、添付の図面と共になされる好ましい実施形態の以下の説明により、より理解されると考えられる。添付の図面において、同様の参照符号は同一の要素を識別するものである。
【図1】図形を含む使い捨て吸収性物品の透視正面図。
【図2】サイドシームが外された図1の使い捨て吸収性物品の拡大図。
【図3】図2の使い捨て吸収性物品の線3−3’沿いの断面図。
【図4】図形が見える窓エリアを備えるパッケージの側面図。
【図5】複数の使い捨て吸収性物品を内部に収容するパッケージの透視図。
【図6】使い捨て吸収性物品とパッケージとの関係を示す、吸収性製品の側面図の実施形態。
【図7】バックシートを覆う不織布の外面に図形及び使い捨てテープを含む使い捨て吸収性物品の透視背面図。
【図8】図7の使い捨て吸収性物品の線8−8’沿いの断面図。
【図9】使い捨て吸収性物品とパッケージとの関係を示す、パッケージの側面図。
【図10】図2の使い捨て吸収性物品の線10−10’沿いの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において、「備える」及び「含む」とは、最終結果に影響しない他の要素及び/又は他の工程を加えることができることを意味する。これらの用語のそれぞれは、「からなる」及び「から本質的になる」という用語を包含する。
【0011】
本明細書において、「吸収性物品」とは、排泄物を吸収及び収容する物品を指し、おむつ、トレーニングパンツ、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド、吸汗脇パッド、看護用パッド、大人用おむつ、人排泄物処理装置などを含むことを意図する。
【0012】
本明細書において、「使い捨て」とは、一回使用した後に廃棄する、堆肥化する、ないしは環境に適合した方式で処分することを意図する物品を指す。
【0013】
本明細書において、「おむつ」とは、一般に幼児及び失禁症状のある人によって、着用者の下腹部周囲に着用される衣類を指し、身体からの排泄物(例えば尿、糞便)を吸収及び収容することを意図するものである。おむつは、例えば、プルオン式おむつ及びテープ式おむつを含む。プルオン式おむつとは、画定されたウェスト開口部と一対の脚部開口部とを有し、脚部開口部の中に脚を挿入してウェスト上まで該物品を引っ張り上げることによって着用者の身体上へと引っ張られるおむつのことをいう。テープ式おむつとは、一般的に、締着装置によって開放可能及び/又は再締着可能に連結される前側及び後側腰部区域を含むおむつを指す。
【0014】
本明細書において、「接合される」とは、ある要素を別の要素に直接的に取り付けることによって、前記要素を別の要素に直接的に固定する構成、前記要素を中間部材(1つ又は複数)に取り付け、次いで、その中間部材を別の要素に取り付けることによって、前記要素を別の要素に間接的に固定する構成、及びある要素が別の要素と一体になっている構成、すなわち、ある要素が本質的には別の要素の一部になっている構成を包含する。
【0015】
本明細書において、「身体に面する面」とは、着用者の身体に向く吸収性物品及び/又はそれらの構成要素部材の表面を指す。「外面」とは、吸収性物品が着用されたときに、着用者から離れて向く吸収性物品及び/又はそれらの構成要素部材の反対側の表面を指す。
【0016】
吸収性物品、並びに液体透過性トップシートと、液体不透過性バックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置される吸収性コアと、を含む該吸収性物品の構成要素、並びにそれらの構成要素部材の個々の層はいずれも、身体に面する面と外面とを有する。
【0017】
本明細書において、「吸収性製品」は、パッケージと、パッケージに収容される少なくとも1つの使い捨て吸収性物品と、を備える。
【0018】
図1及び2は、パッケージに収容される使い捨て吸収性物品の代表的な使い捨てプルオン式おむつを図示する。おむつ20は、液体透過性トップシート22と、トップシート22に取り付けられた液体不透過性バックシート24と、トップシート22及びバックシート24の間に配置される吸収性コア26と、を備える。おむつ20は、身体に面する面42、及び身体に面する面42と対向する外面44を有する。おむつ20は、おむつ20の身体に面する面42に設けられたレッグカフ32を備える。
【0019】
おむつ20は、長手方向L及び横断方向Tに延びる。「長手方向」とは、おむつ20を着用したときに直立した着用者を右半身と左半身とに分ける縦の面とほぼ整合する(およそ平行な)おむつ20の平面における線、軸、又は方向を指す。「横断方向」又は「横方向」は互換可能であり、長手方向にほぼ垂直なおむつ20の平面内の線、軸、又は方向を指す。おむつ20は、一対の長手方向の側縁部47及び一対の横断方向の末端縁部48を備える。おむつ20は、一対の腰部区域50と、前部52と、後部54と、股部56と、前部52及び後部54を接続する一対の弾性側部領域58と、を備える。弾性側部領域58はそれぞれ、2つの分離した弾性部分から形成され、それらを1つに接合してサイドシーム62が形成される。
【0020】
トップシート22は、順応性で、柔らかな感触であり、着用者の皮膚に対して非刺激性であってよい。トップシート22は、液体透過性又は浸透性であり、その厚さを排泄物が容易に貫通できるものである。液体透過性トップシート22は、織布材料及び不織布材料(例えば、繊維の不織布ウェブ);孔あき成形熱可塑性フィルム、孔あきプラスチックフィルム、及びハイドロフォーミングされた熱可塑性フィルム等の高分子材料;多孔質発泡体;網状発泡体;網状熱可塑性フィルム;並びに熱可塑性スクリム等の広範囲の材料から製造されてよい。トップシート22が不織布ウェブを含むとき、同ウェブは、多数の既知の技術によって製造されてよい。例えば、ウェブは、スパンボンドされるか、毛羽立てられるか、湿式載置されるか、メルトブローンされるか、水流交絡されるか、上記の組み合わせなどを施されてもよい。トップシート22の身体に面する面は、界面活性剤で処理することによって親水性にされてよい。トップシート22の外面は、吸収性コア26に付着されてよい。
【0021】
バックシート24は、排泄物に対して不透過性であってよく、薄いプラスチックフィルムから製造されてよく、また他の可撓性の液体不透過性材料を用いることもできる。バックシート24は、吸収性コア26に吸収及び収容された排泄物が吸収性物品20から漏出するのを防ぐ。それ故、バックシート24は、織布材料若しくは不織布材料、ポリエチレン若しくはポリプロピレンの熱可塑性フィルムなどの高分子フィルム、又はフィルムコーティングされた不織布材料などの複合材料を含んでもよい。バックシート24は、単層材料又は複層材料を含むことができる。1つの実施形態において、バックシート24は単層のポリエチレンフィルムであってよい。バックシート24は、蒸気を吸収性コアから逃がす(「通気可能なバックシート」と呼ばれる)一方で、排泄物がバックシート24を通過することは防止する微小多孔性構造を有することができる。
【0022】
バックシート24は、不織布25で更に覆われてよい。図1の実施形態において、不織布25は、バックシート24の外面を覆うものである。不織布25は、おむつ20の感触を柔らかくすることができる。不織布25は、全体にルースな質感であり、不織布25によって覆われた物体はぼやけて見える。
【0023】
吸収性コア26は、身体からの排泄物を受け入れ、吸収し、及び/又は保持することができる。吸収性コア26は、圧縮性及び適合性があり、装着者の皮膚に対して刺激がないものであり得る。吸収性コア26は、一対の長手方向の側縁部72と、一対の横断方向の末端縁部74と、を有する。吸収性コア50は、単層材料又は複層材料によって形成することができる。吸収性コア26は、一般にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプなど、当該技術分野において既知の多様な液体吸収性材料のいずれを含んでもよい。吸収性コア26は、マルチボンドエアレイド不織布材料を含んでもよい。吸収性コア26は、多種多様の寸法及び形で製造されてもよい。したがって、吸収性コア26は、その平面図において、いかなる形を取ることもできる。吸収性コア26の形は、楕円形、長方形、砂時計の形、円形、正方形、及び他の任意の形を含んでよい。図2の実施形態において、コア26は長方形である。
【0024】
図1及び2を参照すると、おむつ20は、一対の弾性ウェストバンド64を腰部区域50に備える。弾性ウェストバンド64は、吸収性コア26の横断方向の末端部74の長手方向の外側に設けられる。弾性ウェストバンド64は、おむつ20の腰部区域50に弾性を提供する。
【0025】
図1、2、及び3を参照すると、おむつ20は、排泄物のより良い収容をもたらすための一対のレッグカフ32を更に備える。各レッグカフ32は、おむつ20の身体に面する面42での脚部における排泄物の漏れを阻止又は低減するために、いくつかの異なる実施形態を含むことができる。レッグカフ32は、ほぼ長手方向Lに延びて弾性ウェストバンド64と重なり合うことにより、おむつ20からの排泄物の漏れを阻止又は低減する。図3の実施形態において、レッグカフ32は、取り付け手段35によってトップシート22に固定される。追加的に、又は別の方法として、レッグカフ32は、取り付け手段35によってバックシート24及び/又は不織布25に固定されてもよい。取り付け手段35は、例えば、接着剤、熱接着、及び類似のものを含む。レッグカフ32の材料は、忌避性不織布であってよい。レッグカフ32は、通気可能及び液体不透過性であってよい。レッグカフ32は、レッグカフ32に弾性をもたらす伸縮素材33を含む。伸縮素材33は、弾性接着剤36で少なくとも部分的に被覆される。レッグカフ32は、レッグカフ32の折り畳み構造を固定及び維持するために、複数の連続接合37を含むことができる。連続接合37として、例えば、接着剤、熱接着、及び類似のものを挙げることができる。図3の実施形態において、連続接合は熱接着である。連続接合37は、おむつ20の一対の横断方向の末端縁部48の間でほぼ長手方向Lに延びてよい。
【0026】
おむつ20は、外から見える図形40を含む。図形40は、おむつ20の腰部区域50、前部52、後部54、及び/又は側部領域58に設けられてよい。消費者の注意を引くために、図形40は、前部52及び後部54に設けられてよい。図形40は、前部52から後部54にかけて連続図形として延びてもよい。図1を参照すると、おむつ20は、バックシート24の外面に印刷された図形40を含む。「図形」という用語は、画像、デザイン、模様、記号、しるし、又は類似のものを指すことができるが、これらに限定されない。図形としては、例えば、動物(例えば犬、猫、熊、リス、トラ、ライオン、鼠、狐など)、鳥(例えばツバメ、スズメ、鷲、アヒル、鷹、白鳥など)、人間、花のような植物(例えばタンポポ、バラ、チューリップ、桜の花、ヒマワリ、カーネーションなど)、木及び葉、星、月、漫画のキャラクター、玩具(例えば人形、バット、ボール、ラケットなど)、電気機器(例えば携帯電話、コンピュータなど)、飾り(例えばフリル、リボン、ボタン、ベルト、ネクタイ、野球帽、帽子など)、衣類のような模様(例えばデニム、縁どり、ストライプ、チェック、水玉模様など)、雪だるまのような季節の物又は品、風景などが挙げられる。図形40は、バックシート24の一部又はバックシート24の実質的に全面に印刷されてよい。図形40は、バックシート24の身体に面する面に印刷されてもよい。図1の実施形態において、図形40は、バックシートフィルムに印刷され、バックシートフィルムは不織布25で更に覆われている。したがって、図形40は不織布25で覆われるとぼやけて見え、そのような図形40を含むおむつ20は、高級感があり洗練された外観である。図形40は、不織布25に印刷されてもよい。図形40は、バックシート24又は不織布25以外の別の材料に印刷されてもよく(例えば、高分子フィルム、紙シートなど)、印刷された材料が、バックシート24又は不織布25に接合されてよい。図形は、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷などを含む当該技術分野で既知のいかなる従来の印刷方法又は技術によっても印刷することができるが、これらに限定されない。図形40は、おむつ20の腰部区域50、前部52、後部54、股部56、及び/又は側部領域58に配置されてよい。
【0027】
吸収性物品20は、接着剤を含む。「接着剤」とは、吸収性物品20に含まれる材料を指し、1つの部分を別の部分に固定する。接着剤には、例えば、構造用接着剤及び強化(補強)接着剤が挙げられる。
【0028】
「構造用接着剤」は、主に接着を目的として1つの部分を別の部分に固定することによって吸収性物品20を構築するために用いることができる。構造用接着剤は、例えば、不織布25をバックシート24に固定する接着剤、バックシート24を吸収性コア26に固定する接着剤、吸収性コア26をトップシート22に固定する接着剤、ウェストバンド64の伸縮素材を腰部区域50に固定する接着剤などを含む。構造用接着剤として、約10g/m以下の坪量を有する接着剤が用いられてよい。約10g/mより大きい坪量を有する接着剤は、構造用接着剤として用いられると、接着剤の量を無駄にする可能性がある。
【0029】
「強化(補強)接着剤」は、接着の目的に加えて、吸収性物品20の機能を局所的に強化するために用いてよい。吸収性物品20の機能を強化するために、約10g/m以上の坪量を有する接着剤を用いてよい。約10g/m未満の坪量を有する接着剤は、機能を確保するために十分ではない可能性がある。この接着剤の坪量は、約200g/m以下であることができる。約200g/mより大きい坪量を有する接着剤は、おむつ20を激しく硬化する可能性がある。強化接着剤は、例えば、漏れ防止接着剤、使い捨てテープ接着剤、側部取り付け接着剤、弾性接着剤などを含む。強化接着剤の坪量が約10g/m以上であると、紫外線による劣化(例えば変色)が外側から感知できる場合がある。
【0030】
漏れ防止接着剤は、吸収性コア26からの排泄物の漏れを阻止又は低減するために使われる。漏れ防止接着剤30は、バックシート24の身体に面する面に実質的に長手方向Lに適用し、吸収性コア26の長手方向の側縁部72の横断方向に外側に設けられることができる。漏れ防止接着剤30は、おむつ20の一対の横断方向の末端縁部48の間に実質的に連続的に適用されてよい。図2及び3の実施形態において、おむつ20は、バックシート24をトップシート22に固定する漏れ防止接着剤30を含んで、トップシート22とバックシート24との間を通る漏れを阻止又は低減する。別の実施形態において、漏れ防止接着剤は、バックシート24をレッグカフ32に固定して、バックシート24とレッグカフ32との間を通る漏れを阻止又は低減することができる。漏れ防止接着剤30は、排泄物の漏れを防ぐために約20g/m以上の坪量を有することができる。漏れ防止接着剤30の坪量は、約30g/m以上でもよい。漏れ防止接着剤30の坪量は、約150g/m以下であることができる。
【0031】
使い捨てテープ接着剤は、使い捨てテープに使われる。図7を参照すると、吸収性物品20は、おむつ20の後部54の外面44に固定される使い捨てテープ67を含む。図8は、線8−8’によって切断された図7の吸収性物品の部分断面図を図示する。この断面図は、使い捨てテープ67の構造を図示する。使い捨てテープ67は、排泄物を収容する汚れたおむつを廃棄するために固定するのに用いられ得る。使い捨てテープ67は、吸収性物品20の前部52又は後部54に固定されてよい。図7の実施形態において、プルオン式おむつ20は、おむつ20の後部54の外面44に固定された使い捨てテープ67を含む。使い捨てテープ67は、排泄物を収容する使用済みおむつを締結するために使われ、したがって、汚れたおむつは折り畳まれて排泄物を包む。使い捨てテープ67は、使い捨てテープ接着剤70を含む。
【0032】
図8を参照すると、使い捨てテープ67は、第1のセクション67Aと、第2のセクション67Bと、第3のセクション67Cと、を含む。第1のセクション67Aは、使い捨てテープ接着剤70によって不織布25に固定され、第1の接着部76で使い捨てテープ接着剤70によって第2のセクション67Bに固定される。第2のセクション67Bは、使い捨てテープ接着剤70によって第2の接着部77で第3のセクション67Cに固定される。第1のセクション67Aは、第2のセクション67Bに面する面に剥離剤75を有することができる。第2のセクション67Bも、第3のセクション67Cに面する面に剥離剤75を有することができる。好適な剥離剤75は、シリコンのコーティング又はポリエチレン製の剥離ライナーであることができる。全体として、使い捨てテープ67A、67B、及び67Cの3つのセクションは、不織布25の外面にZ型の折り畳みを構成する。
【0033】
第3のセクション67Cは、第2の接着部77の反対側の端部に使い捨てテープタブ68を含む。使用者は使い捨てテープタブ68引いて、廃棄するために使い捨てテープ67の折り畳みを解除することができる。使い捨てテープタブ68が引かれると、第1のセクション67Aは、部分的に第2のセクション67Bから外れる。同様に、第2のセクション67Bは、第3のセクション67Cから部分的に外れる。にもかかわらず、3つのセクション67A、67B、及び67Cは、第1の接着部76及び第2の接着部77で、使い捨てテープ接着剤70によって互いに部分的に固定されている。したがって、使い捨てテープタブ68が引かれたとき、3つのセクション67A、67B、及び67Cは、汚れたおむつを巻くために使われる長い使い捨てテープを構成する。汚れたおむつは排泄物を内側に隠すために巻かれ、この巻かれた状態のおむつが使い捨てテープ67で固定される。使い捨てテープ67には、多様な種類の材料を使うことができる。図7及び8に図示した使い捨てテープ67に用いられる材料は、ポリプロピレンフィルムである。
【0034】
使い捨てテープ接着剤70は、使い捨てテープ67をおむつ20に固定するために使うことができる。使い捨てテープ接着剤70は、第1のセクション67Aと第2のセクション67B、又は第2のセクション67Bと第3のセクション67Cのように、使い捨てテープ67の2つの部分を付着させるためにも使ってよい。使い捨てテープ67は、おむつ20が着用されているときに容易に外れないように不織布25に固定することができる。また、おむつ20が着用されているときに容易に外れないように、第1のセクション67Aは第2のセクション67Bに固定され、第2のセクション67Bは第3のセクション67Cに固定される。使い捨てテープ接着剤70の接着能力は、使い捨てテープタブ68が引かれたときに不織布25に使い捨てテープ67を固定して維持するのに十分な強さであってよい。不織布25は比較的粗い表面を有するので、使い捨てテープ接着剤70は、使い捨てテープ67を不織布25にしっかりと固定するために約20g/m以上の坪量を有することができる。使い捨てテープ接着剤70の接着能力は、使い捨てテープタブ68が引かれたときに、第1の接着部76で第1のセクション67Aを第2のセクション67Bに固定して維持し、第2の接着部77で第2のセクション67Bを第3のセクション67Cに固定して維持するために十分な強さであってよい。使い捨てテープ接着剤70の坪量は、約25g/m以上であることができる。使い捨てテープ接着剤70の坪量は、約150g/m以下であることができる。使い捨てテープ67に用いられる材料としては、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、共押出成型ポリエチレン及びエチレンビニルアセテートフィルムなどの高分子フィルムが挙げられるが、これらに限定されない。使い捨てテープの材料は、生分解性、再生利用可能、非生分解性、又は非再生利用可能な材料であってよい。図7及び8の実施形態において、使い捨てテープはポリプロピレンである。
【0035】
側部取り付け接着剤は、側部領域の弾性部分をレッグカフ32に固定するために用いられる。図10の実施形態において、弾性部分59は、柔らかさをもたらすために、身体に面する面及び外面がそれぞれ不織布25及び63によって覆われた弾性フィルム60を含む。弾性部分59は弾性を有してよい。図2を参照すると、側部取り付け接着剤61は、実質的に長手方向Lに延びる。側部取り付け接着剤61は、漏れ防止接着剤30の横断方向に外側に設けられる。介護人が着用者におむつ20を着用させるとき、介護人は、着せやすくするためにおむつ20を引き延ばす場合がある。すると、側部取り付け接着剤61は強い伸張力を受ける場合がある。この伸張力に抵抗するために、側部取り付け接着剤61は、約40g/m以上の坪量を有することができる。側部取り付け接着剤61の坪量は、約50g/m以上であることができる。側部取り付け接着剤61の坪量は、約180g/m以下であることができる。
【0036】
脚弾性接着剤は、レッグカフ32内で脚伸縮素材33の位置を固定するために用いられる。脚伸縮素材33は、おむつ20を着用者の身体に適応させるために用いられる。図3の実施形態において、脚伸縮素材33は、脚弾性接着剤36によって少なくとも部分的に被覆される。脚弾性接着剤36は、脚伸縮素材33をレッグカフ32に固定することができる。脚伸縮素材33は、実質的に長手方向Lにレッグカフ32に沿って延びる。図1及び3の実施形態において、脚弾性接着剤36Aは、漏れ防止接着剤30の横断方向に外側に設けられる。図3の実施形態において、脚弾性接着剤36Bは、漏れ防止接着剤30の横断方向に内側に位置する。脚伸縮素材33をしっかりと固定するために、脚弾性接着剤36の坪量は、約15g/m以上であってよい。脚弾性接着剤36の坪量は、約20g/m以上であることができる。脚弾性接着剤36の坪量は、約160g/m以下であることができる。
【0037】
接着剤は、感圧性接着剤、非感圧性接着剤、ホットメルト接着剤などから選択されてよい。SIS(スチレンイソプレンスチレンブロックコポリマー)、SBS(スチレンブタジエンスチレンブロックコポリマー)、ポリオレフィンなど、当該技術分野において既知の任意の接着材料を接着剤に用いることができる。例えば、接着剤として用いてよいのは、フィンドレー(Findley)H2401(SISポリマー)、フィンドレー(Findley)H2861(SISポリマー)、フラー(Fuller)3166(ポリオレフィン)、及びNSC 519(SBSポリマー)である。
【0038】
図4は、パッケージと、パッケージ内の使い捨て吸収性物品と、を備える吸収性製品の側面図を図示する。図5は、図4のパッケージの透視図を図示する。パッケージ100は、当該分野で既知の任意の形でよい。例えば、パッケージ100は、多面体容器を画定又は形成する多面形を有することができる。パッケージ100は平行6面体であり、前パネル11と、前パネル11に対向する後パネル12と、前パネル11と後パネル12とを接続する一対のサイドパネル13及び14と、前パネル11と後パネル12とサイドパネル13及び14とを接続する頂部パネル15と、頂部パネル15に対向する底パネル16と、を含む。
【0039】
少なくとも1つの吸収性物品20を収容するパッケージ100は、カートン、並びに/又はパウチ及び袋のような可撓性パッケージとして構築されたものを含んでよい。パッケージ100は、任意の好適な材料で形成されてよく、当該技術分野で既知の任意の構造を取ることができる。パッケージを構築するために使用される材料としては、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、共押出成型ポリエチレン及びエチレンビニルアセテートフィルムなどのような高分子フィルム、並びに板紙及びコーティングされた紙が挙げられるが、これらに限定されない。パッケージ材料は、生分解性、再生利用可能、非生分解性、又は非再生利用可能な材料であってよい。図4及び5の実施形態において、パッケージ100は、薄膜材料で形成された可撓性バッグである。パッケージ100は、複数シートの相互付着又はそれらの組み合わせによって、単一シートの材料を操作して(例えば折り畳み)形成することができる。パッケージ100は、ヒートシール、超音波、接着剤、フックアンドループファスナーなど、当該技術において既知の手段によって密閉又は接着されてよい。図4及び5に図示したパッケージ100のフィルム材料は、ポリエチレンフィルムである。
【0040】
吸収性物品20を取り出すための開封装置を、パッケージ100の任意のエリアに提供してもよい。図4及び5の実施形態において、おむつ20を取り出すための開封装置18は、サイドパネル13に提供される。開封装置18は、使用者がおむつ20を容易に取り出せるように十分な大きさ(例えば長さ)を有することができる。開封装置18は、当該技術分野で既知の任意の構造、形、及び寸法を取ることができる。開封装置18は、サイドパネル13内に延びる脆弱線を含むことができる。脆弱線は、サイドパネル13に形成される穿孔線を含むことができる。脆弱線は、サイドパネル13から、頂部パネル15及び底パネル16のような他のパネルに延出してよい。パッケージ100の2つの側部は、材料フィルムを密閉することによって形成される頂部ガセット構造物80を形成することによって閉じられる。
【0041】
パッケージ100は、窓エリア102と紫外線バリアエリア104とを備える。「窓エリア」とは、光透過率を呈するパッケージ100の表面のエリアを指し、その結果、パッケージ100に含まれるおむつ20の図形40は、そこを通して少なくとも部分的に見える。「紫外線バリアエリア」とは、紫外線の透過を阻止又は低減するパッケージ100の表面のエリアを指す。窓エリア102は、紫外線バリアエリア104よりも高い光透過率を呈する。紫外線バリアエリア104は、窓エリア102よりも低い紫外線透過率を呈する。
【0042】
窓エリア102は、そこを通して図形40が見えるように、透明又は半透明であってよい。図4の実施形態において、窓エリア102は透明であり、紫外線バリアエリア104は不透明である。別の実施形態において、窓エリア102は半透明であってよく、紫外線バリアエリア104は不透明であってよい。更に別の実施形態において、窓エリア102は透明であってよく、紫外線バリアエリア104は半透明であってよい。光透過率及び紫外線透過率は、これら2つのエリアの間で区別される。そうでなければ、窓エリア102及び紫外線バリアエリア104は両方とも半透明でもよく、これら2つのエリアは、光透過率及び紫外線透過率の差異によって互いに区別される。紫外線バリアエリア104は、色差によって窓エリア102と区別されてもよい。例えば、紫外線バリアエリア104は、光透過及び紫外線透過を阻止又は低減する暗色を有することができ、窓エリア102は、紫外線バリアエリア104よりも高い光透過率及び紫外線透過率を呈する明色を有することができる。
【0043】
窓エリア102及び紫外線バリアエリア104は、当該技術分野で既知の任意の手段によって形成することができる。窓エリア102は、当該技術分野で既知の透明又は半透明材料(例えば、ポリエチレン若しくはポリプロピレンの熱可塑性フィルムのような高分子フィルム、又はフィルムコーティングされた不織布材料などの複合材料)をそのまま又は着色して用いて作製することができる。紫外線バリアエリア104は、光透過率及び紫外線透過率を減らすために透明又は半透明の材料を着色することによって作製することができる。透明又は半透明の材料は、例えば印刷によって部分的に着色することができる。1つの実施形態において、透明又は半透明材料は部分的に印刷され、該材料の残りの部分は印刷されない。印刷されたエリアが紫外線バリアエリア104で、印刷されないエリアが窓エリア102であってよい。別の実施形態において、透明又は半透明材料フィルムのほぼ全面を印刷して、半透明窓エリア及び不透明エリアを提供することができる。そのような場合、透明又は半透明材料フィルムは、窓エリア102に相当するように少なくとも半透明になるように部分的に印刷され、該材料フィルムの残りの部分は紫外線バリアエリア104に相当するように不透明になるように印刷されてよい。材料フィルムは、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷などを含む当該技術分野で既知のいかなる従来の印刷方法又は技術によっても印刷することができるが、これらに限定されない。
【0044】
窓エリア102は、窓エリア102を通して図形40が見える限り、パッケージ100のいかなる場所に設けられてもよい。例えば、窓エリア102は、前パネル11、後パネル12、サイドパネル13若しくは14、頂部パネル15、底パネル16、又はそれらの組み合わせに設けられてよい。窓エリア102は、1つのパネルを超えて設けられてもよい。複数の窓エリア102がパッケージ100に設けられてもよい。図4及び5の実施形態では、図形40がおむつ20に設けられており、図形40は窓エリア102に面してよい。小売店は、図形40が外から感知され得るように、サイドパネル13内の窓エリア102を見せるように吸収性製品1を置くことができる。窓エリア102を通して感知され得る図形40は、消費者を惹きつける働きをし得る。
【0045】
窓エリア102は、円形、正方形、長方形、台形、長円形、三角形、楕円形、半円形、扇形、星型、又は他の任意の形状を取ることができる。図4及び5に図示した窓エリア102の形状は長方形である。窓エリア102は、窓エリア102を通して図形40が効果的に見える限り、任意の大きさ又は寸法(例えば、長方形窓の長さと幅、円形窓の直径)を有することができる。「効果的に」とは、吸収性物品20の図形40を消費者が外から認知するための視認性の度合いを指す。窓エリア102は、窓エリア102を含むパネルより小さくてよい。図4及び5の実施形態において、窓エリア102の大きさはサイドパネル13の大きさより小さい。例えば、窓エリア102の幅Wは、約40mm〜約100mmであってよく、窓エリア102の高さHは、約40mm〜約200mmであってよい。図4及び5の実施形態において、窓エリア102は、窓エリア102を含むサイドパネル13の総面積の約5%〜約80%を占有してよい。窓エリア102は、おむつ20に図形40が提供されていることを購入地点で消費者が直接に理解することを可能にする。図形40を見せるために、窓エリア102は中央領域112を覆うように位置付けられ、紫外線バリアエリア104は側部領域114を覆うように位置付けられる。
【0046】
紫外線バリアエリア104は、紫外線吸収剤によって付加的に又は代替的に保護されてもよい。市販されている紫外線吸収剤の例としては、例えば、ベンゾフェノンタイプ(バイオソーブ(Viosorb)110、バイオソーブ130、エバソーブ(EVERSORB)10、エバソーブ11、エバソーブ12)、ベンゾトリアゾールタイプ(バイオソーブ(Viosorb)520、バイオソーブ550、バイオソーブ582、バイオソーブ583、バイオソーブ590、バイオソーブ591、エバソーブ(EVERSORB)70、エバソーブ71、エバソーブ72、エバソーブ73、エバソーブ74、エバソーブ75、エバソーブ76、エバソーブ234、エバソーブ78、エバソーブ80、エバソーブ81、チヌビン(Tinuvin)213、チヌビン234、アデカスタブ(Adekastab)LA−31)、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)(サノール(Sanol)LS−770、サノールLS−765、チヌビン622、チャイマソーブ(Chimassorb)944、サイアソーブ(Cyassorb)UV−3346、アデカスタブLA−57、チャイマソーブ119、エバソーブ90、エバソーブ91、エバソーブ93、エバソーブS02)、安息香酸塩タイプ(バイオソーブ80、SB−UVA 612)などが挙げられる。
【0047】
光透過率の範囲は、窓エリア102を通した図形40の効果的な視野をもたらす。窓エリア102の光透過率は、約15%〜約100%であってよい。あるいは、窓エリア102の光透過率は、約25%〜約100%であってよい。窓エリア102は、紫外線バリアエリア104よりも約20%高い光透過率を有してよい。光透過率を測定する方法は、「試験方法」のセクションで説明される。紫外線バリアエリア104の光透過率は、窓エリア102が紫外線バリアエリア104よりも高い光透過率を呈する限り、約0%〜約70%であってよい。あるいは、紫外線バリアエリア104の光透過率は、約0%〜約50%であってよい。より低い光透過率は、より低い紫外線透過率をもたらす働きをし得る。
【0048】
紫外線透過率の範囲は、約10g/m以上の坪量を有する強化接着剤を紫外線から効果的に保護することができる。紫外線バリアエリア104の紫外線透過率は、約0%〜約50%であってよい。あるいは、紫外線バリアエリア104の紫外線透過率は、約0%〜約25%であってよい。紫外線バリアエリア104は、窓エリア102より約20%低い紫外線透過率を有してよい。紫外線透過率を測定する方法は、「試験方法」のセクションで説明される。窓エリア102の紫外線透過率は、紫外線バリアエリア104が窓エリア102より低い紫外線透過率を呈する限り、約15%〜約100%であってよい。あるいは、紫外線バリアエリア104の紫外線透過率は、約25%〜約100%であってよい。当業者には容易に理解されるように、より低い紫外線透過率は、より高い紫外線阻止を意味する。
【0049】
吸収性製品1は、パッケージ100と、パッケージ100内にある少なくとも1つの吸収性物品20と、を備える。パッケージ100は、少なくとも1つの吸収性物品20を収容するための内部空間2を画定する。吸収性物品20の図形40は、全てが互いに同一であっても、互いに異なってもよい。図5の実施形態において、複数のおむつ20は、パッケージ100の内部空間2の中で圧縮されて1つのスタックを形成する。
【0050】
図形40が窓エリア102を通して見えるように、パッケージ100内に少なくとも1つのおむつ20が収容される。図4及び5の実施形態では、1つのおむつ20の前部52及び別のおむつの後部54が互いに向き合えるように複数のおむつ20が並べられる。おむつ20は、側部領域58が前部52と後部54との間に少なくとも部分的に隠れるように畳まれる。したがって、側部取り付け接着剤61も、前部52と後部54との間に隠れ得る。
【0051】
おむつ20は、図形40が窓エリア102に面することができるようにパッケージ100に収容される。窓エリア102は、図形40が少なくとも部分的に見えるようにする。強化接着剤は、紫外線バリアエリア104によって覆われる。紫外線バリアエリア104は、窓エリア102よりも低い紫外線透過率を呈するので、強化接着剤は紫外線から保護される。おむつ20の外面44は、窓エリア102を通して少なくとも部分的に見える。図形40が窓エリア102に面しているとき、図形40も少なくとも部分的に見える。複数のおむつ20がパッケージ100内に収容され得るので、1つのおむつ20が取り出された後、そのおむつに隣接して並べられていた別のおむつ20が見える。1つのおむつの図形40が別のおむつの図形と異なるとき、消費者はパッケージ100からおむつ20を取り出すことを喜びに感じることができる。
【0052】
図6の実施形態において、バックシート24の身体に面する面の漏れ防止接着剤30は、サイドパネル13の紫外線バリアエリア104に覆われている。窓エリア102及び紫外線バリアエリア104の大きさ及び位置は、窓エリア102を通して図形40が少なくとも部分的に見え、漏れ防止接着剤30が紫外線バリアエリア104によって覆われ得るように決定されてよい。図形40が外側から効果的に見えるようにするために、窓エリア102を、例えば、サイドパネル13の比較的中央の領域112内に提供することができる。漏れ防止接着剤30を効果的に保護するために、紫外線バリアエリア104を、サイドパネル13の側部領域114を覆うように提供することができる。
【0053】
図6を参照すると、漏れ防止接着剤30は、紫外線からの保護のために紫外線バリアエリア104によって覆われている。漏れ防止接着剤30と窓エリア102との間の最小距離Xは、約5mm〜約70mmであってよい。あるいは、漏れ防止接着剤30と窓エリア102との間の最小距離Xは、約10mm〜約70mmであってよい。最小距離Xは、窓エリア102に最も近い漏れ防止接着剤30の一点と、それに対応する境界線106の点との間の長さによって決定される。
【0054】
漏れ防止接着剤30は、最小距離Xが約5mm未満であると、たとえ漏れ防止接着剤30が窓エリア102に直接面していなくても、窓エリア102から回折する紫外線を受ける場合がある。最小距離Xが約5mm以上であれば、漏れ防止接着剤30は、窓エリア102から回折する紫外線を受けることなく、紫外線により保護される。おむつ20及びパッケージ100は、漏れ防止接着剤30が紫外線バリアエリア104によって覆われ得るように設計される。最小距離Xが約5mm以上のとき、おむつ20は、たとえおむつ20が横にずれて収容されても漏れ防止接着剤30が紫外線バリアエリアによって十分に覆われるように設けられる方法でパッケージ100に収容され得る。
【0055】
図9は、吸収性製品1の側面図の実施形態を、おむつ20とパッケージ100との関係を示すように図示する。おむつ20は、使い捨てテープ67がサイドパネル13の紫外線バリアエリア104によって覆われ、使い捨てテープ接着剤70が紫外線から保護されるように、パッケージ100に収容される。この実施形態において、窓エリア102はおむつ20の後部54に面しており、漏れ防止接着剤30及び使い捨てテープ接着剤70は両方とも紫外線バリアエリア104によって覆われ、紫外線から保護される。
【0056】
おむつ20は、側部領域58が前部52及び/又は後部54の外に露出されるようにパッケージ100に収容されてもよい。この実施形態において、紫外線バリアエリア104は、側部取り付け接着剤61を覆うように調整され得る。漏れ防止接着剤30及び側部取り付け接着剤61は両方とも、紫外線バリアエリア104によって保護される。別の方法として、おむつ20は、側部領域58が前部52と後部54との間に少なくとも部分的に織り込まれるようにパッケージ100に収容されてもよい。したがって、側部取り付け接着剤61は、前部52と後部54との間に挟むことができる。前部52及び/又は後部54が側部取り付け接着剤61を紫外線から保護するとき、側部取り付け接着剤61は、前部52及び/又は後部54によって紫外線から保護されるので、側部取り付け接着剤61は部分的に窓エリア102に面してもよい。
【0057】
弾性接着剤36は、紫外線バリアエリア104によって覆われてよい。図1を参照すると、弾性接着剤36Aは、漏れ防止接着剤30の横断方向に外側に設けられる。したがって、漏れ防止接着剤30が窓エリア102の外に位置付けられた場合、弾性接着剤36Aも窓エリア102の外側に配置され、弾性接着剤は紫外線バリアエリア104によって覆われることになり、紫外線から保護される。漏れ防止接着剤30及び弾性接着剤36Aは両方とも、紫外線バリアエリア104によって保護される。図3を参照すると、弾性接着剤36Bは、漏れ防止接着剤30の横断方向に内側に位置付けられる。しかし、おむつ20が外から見られるとき、この弾性接着剤36Bは、トップシート22と吸収性コア26とバックシート24と不織布25との多層の内側に設けられる。したがって、弾性接着剤36Bは、この多層によって紫外線から保護されることになる。したがって、たとえ弾性接着剤36Bが窓エリア102に面するように位置付けられても、おむつ20がパッケージ100に収容されているとき、弾性接着剤36Bは劣化しない。
【0058】
窓エリア102は、紫外線バリアエリア104よりも高い光透過率を呈するので、吸収性製品1は、この窓エリア102を通して外から図形40を見ることを可能にする。結果として、消費者は、吸収性物品20が図形40を有することに、パッケージ100の外側から容易に気付くことができ、図形40が消費者を惹きつける。紫外線バリアエリア104は、窓エリア102よりも低い紫外線透過率を呈するので、約10g/m以上の坪量を有する強化接着剤は、紫外線バリアエリア104によって紫外線から保護される。吸収性製品1は、たとえ吸収性製品1が小売店の外に陳列されても強化接着剤を紫外線に露出しないので、吸収性物品20の品質を維持するために(例えば、変色、硬化、接着能力の損失などからの保護に)有用である。
【0059】
試験方法
このセクションは、シート材料の光透過率及び紫外線透過率を測定する方法を説明する。
【0060】
1.光透過率
この測定では、実験に望ましい光源を採取するために、UV−VIS−NIR分光光度計(島津製作所製UV−3600)を用いる。このUV−VIS−NIR分光光度計は、ハロゲンランプを有する光源と、サンプルホルダと、分光計と、光電子倍増管及びInGaAs光ダイオード及びPbSセルからなる検出器装置と、コンピュータと、を含む。光源を、サンプルホルダの一方の側から離して置き、同時に、検出器は、光の通路にサンプルホルダのもう一方の側から離して置く。
【0061】
測定では、ハロゲンランプを点灯する。サンプルシート材料は、サンプルホルダによって保持され、ハロゲンランプが放射する光を有効測定エリアに受ける。光はサンプルシート材料を透過し、検出器に到達する。次に、サンプルの光量(Vs)及びサンプルなしの参照光量(Vr)を検出器で測定し、コンピュータで記録する。このプロセスを1つのサンプルシート材料について少なくとも3回繰り返し、平均光量値(Vrav及びVsav)をコンピュータで計算及び記録する。次に、コンピュータは、次式により光透過率(LT)を計算する。
LT(%)=(Vsav/Vrav)×100−−−(I)
【0062】
2.紫外線透過率試験
この測定は、UV−VIS−NIR分光光度計(島津製作所製UV−3600)を用いて前記光透過率試験と同じ方法で行われるが、この測定では、波長範囲が250mm〜400mmの紫外線を採取する。紫外線透過率は、340nmの波長で測定される。
【0063】
本明細書で説明した実施例及び実施形態は例示の目的だけであって、様々な修正又は変更が、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によって想起されるであろう。
【0064】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく限定されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図されている。例えば、「40mm」として開示した寸法は、「約40mm」を意味することを意図したものである。
【0065】
あらゆる相互参照又は関連特許若しくは特許出願を含む、本明細書に引用される文献はすべて、明白に除外さもなくば限定されている場合を除いて、本明細書中にその全容を援用するものである。いずれの文献の引用もこうした文献が本明細書中で開示又は権利請求される任意の発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他のあらゆる参照文献との組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更には、本文書における用語のいずれかの意味又は定義が、援用文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義を優先するものとする。
【0066】
本発明の特定の実施形態を例示し記載してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の種々の変更及び修正が可能であることは、当業者にとって明らかであろう。したがって、本発明の範囲内にあるような全ての変形及び修正は、添付の特許請求の範囲に包含されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)窓エリアと紫外線バリアエリアとを備えるパッケージと、
(ii)前記パッケージに収容される少なくとも1つの使い捨て吸収性物品と、を備え、
前記窓エリアは、前記紫外線バリアエリアよりも高い光透過率を呈し、前記紫外線バリアエリアは、前記窓エリアよりも低い紫外線透過率を呈し、
前記吸収性物品は、長手方向及び前記長手方向に直交する横断方向に延び、
前記吸収性物品は、液体透過性トップシートと、液体不透過性バックシートと、前記トップシート及び前記バックシートの間に配置される吸収性コアと、約10g/m以上の坪量を有する強化接着剤と、を含み、
前記吸収性物品は、前記窓エリアを通して少なくとも部分的に見える図形を含み、
前記強化接着剤は、前記紫外線バリアエリアによって覆われている、吸収性製品。
【請求項2】
前記吸収性コアが、長手方向の側縁部と横断方向の末端縁部とを有し、
前記強化接着剤が、前記吸収性コアの長手方向の側縁部の横断方向に外側に設けられた漏れ防止接着剤である、請求項1に記載の吸収性製品。
【請求項3】
前記漏れ防止接着剤が、前記バックシートを前記トップシートに固定する、請求項2に記載の吸収性製品。
【請求項4】
前記使い捨て吸収性製品が、レッグカフを更に備え、
前記漏れ防止接着剤が、前記バックシートを前記レッグカフに固定する、請求項2に記載の吸収性製品。
【請求項5】
前記パッケージが、前パネルと、前記前パネルに対向する後パネルと、前記前パネルと前記後パネルとを接続する一対のサイドパネルと、前記前パネルと前記後パネルと前記サイドパネルとを接続する頂部パネルと、前記頂部パネルに対向する底パネルと、を備え、
前記窓エリアが少なくとも1つのサイドパネルに形成される、請求項1に記載の吸収性製品。
【請求項6】
前記窓エリアが、前記サイドパネルの総面積の約5%〜約80%を占有する、請求項5に記載の吸収性製品。
【請求項7】
前記窓エリアが、約15%〜約100%の光透過率を有する、請求項1に記載の吸収性製品。
【請求項8】
前記紫外線バリアエリアが、約0%〜約70%の光透過率を有する、請求項1に記載の吸収性製品。
【請求項9】
前記使い捨て吸収性物品が、前記吸収性物品の外面に設けられた使い捨てテープを更に含み、
前記使い捨てテープが、前記紫外線バリアエリアによって覆われている、請求項1に記載の吸収性製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−540064(P2010−540064A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526409(P2010−526409)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際出願番号】PCT/IB2008/053919
【国際公開番号】WO2009/040766
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】