説明

紫外線照射装置およびインクジェットプリンタ

【課題】紫外線硬化に必要な光量および照度分布の紫外線照射領域を照射対象物に的確に形成することが可能な構成の小型化に適した紫外線照射装置、およびこれを搭載したインクジェットプリンタを提供する。
【解決手段】紫外線照射装置は、内部空間71aを有した取付ブロック71、この取付ブロック71の一端に開口形成され外部に設けられたUV光源より射出された紫外線を内部空間71a内に入射させる入射口77b、及び取付ブロック71における照射対象物2に正対する面内に開口形成され内部空間71aに導かれた紫外線の照射範囲や光量を制御して外部に射出する射出口79を有した導光板70を備えて構成される。そして、導光板70が、取付ブロック71において内部空間71aを区画する内面側にUV光源から入射した紫外線を反射して射出口79の全域に導く反射板72〜76を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照射対象物に対して紫外線を照射する紫外線照射装置、およびこの紫外線照射装置を搭載したインクジェットプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラテン上に載置させた印刷媒体に対して、プラテンと対向して配設された印刷ヘッドを所定の走査方向に往復移動させながら、印刷ヘッドからインクを吐出させて印刷媒体に所望の印刷を施すインクジェットプリンタが知られている。このようなインクジェットプリンタには紫外線(紫外光)が照射されることにより硬化する性質を有した紫外線硬化型インク(以下、これを単に「UVインク」と称する)を、印刷ヘッドから吐出させて印刷媒体に印刷を行うものがある。このUVインクは、耐候性および耐水性に優れているため、印刷物を例えば野外広告宣伝ビラ等に用いることが可能となり、水溶性インクを用いた場合と比較して印刷媒体の使用用途が格段に広がるという利点がある。
【0003】
ところで、印刷ヘッドからUVインクを吐出させて印刷を行うインクジェットプリンタには、印刷媒体に付着したUVインクに紫外線を照射して硬化させるための紫外線照射装置が設けられている。近年では、紫外線照射装置における紫外線を発光させる光源として、紫外線発光ダイオード(UV−LED)を用いたインクジェットプリンタが開発されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−1437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のインクジェットプリンタにおいては、印刷ヘッドと共に紫外線照射装置をキャリッジ等の取付ベースに一体に搭載して印刷ユニットを構成しているが、UVインクを的確に硬化させるためや紫外線の照度や照射効率を高めるためには、紫外線照射装置に光源を複数配設したり、光源を覆った反射板からなるカバー部材を設けたりする必要がある。そのため、印刷ユニットが大型化するとともに大重量となってしまい、例えば印刷ユニットをキャリッジによって往復移動させる場合に、その駆動系への負担が増大して印刷精度が低下するとともに、印刷の高速化が困難になるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、紫外線硬化に必要な光量および照度分布の紫外線照射領域を照射対象物に的確に形成することが可能な構成の小型化に適した紫外線照射装置、およびこれを搭載したインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る紫外線照射装置は、照射対象物の表面に所定の紫外線照射領域を形成し、この照射対象物表面に付着された紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させる紫外線照射装置であって、紫外線を照射する照明装置と、内部空間を有したベース部材(例えば、実施形態における取付ブロック71)、ベース部材の一端に開口形成され外部に設けられた照明装置より射出された紫外線を内部空間に入射させる入射口、及びベース部材における照射対象物に正対する面内に開口形成され内部空間に導かれた紫外線の照射範囲や光量を制御して外部に射出する射出口を有した照射領域形成機構(例えば、実施形態における導光板70)とを備えて構成される。そして、照射領域形成機構が、ベース部材において内部空間を区画する内面側に照明装置から入射した紫外線を反射して射出口の全域に導く反射部(例えば、実施形態における反射板72〜76)を有している。
【0008】
なお、上記構成の紫外線照射装置において、照明装置が、紫外線を照射する光源(例えば、実施形態におけるUV光源80)と、この光源と照射領域形成機構との間に接続され光源より照射された紫外線を照射領域形成機構に導く導光手段(例えば、実施形態における光ファイバ81)を備えて構成されることが好ましい。

【0009】
また、上記構成の紫外線照射装置において、照射領域形成機構における入射口近傍に設けられ、照明装置より照射される紫外線の照射範囲を射出口の長手方向に対応した方向に広げる光学手段(例えば、実施形態におけるシリンドリカルレンズ82)を備えて構成されることが好ましい。
【0010】
さらに、上記構成の紫外線照射装置において、照射領域形成機構が、射出口における所定領域に導かれた紫外線の一部を反射する光量調節手段(例えば、実施形態における誘導反射部90)を備え、光量調節手段により反射された紫外線は、照射領域形成機構の反射部によって反射され射出口における所定領域外に導かれることで、射出口を通過する紫外線の光量が射出口の領域ごとに調節されることが好ましい。
【0011】
本発明に係るインクジェットプリンタは、印刷媒体を支持する媒体支持部(例えば、実施形態における支持テーブル12)と、媒体支持部に支持された印刷媒体の表面に向けてインクを吐出して、印刷媒体の表面にインクを付着させる印刷ヘッドと、上記構成の紫外線照射装置と、印刷ヘッドおよび紫外線照射装置の照射領域形成機構を媒体支持部から離間して保持する保持部材(例えば、実施形態におけるキャリッジ62)とを備え、照明装置より照射領域形成機構を経て印刷媒体の表面に紫外線を照射することにより、印刷媒体に付着されたインクを硬化させるように構成する。
【0012】
なお、上記構成のインクジェットプリンタにおいて、保持部材が、複数の印刷ヘッド(例えば、実施形態における印刷ヘッド63M,63Y,63C,63K)と複数の照射領域形成機構とを保持し、印刷ヘッドと照射領域形成機構とが所定方向に沿って交互に配列されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
上記のように構成された本発明に係る紫外線照射装置によれば、照射領域形成機構が照明装置から入射した光を反射して射出口の開口全域に導く反射部を備える構成であるため、照明装置から照射された紫外線を照射対象物に単に照射するのに比べても照射効率を大幅に低下させることなく、硬化に必要な光量・照度分布の紫外線照射領域を照射対象物に的確に形成することができる。また、照射領域形成機構の射出開口幅と照射領域形成機構内での紫外線の光路(反射を含む)とを適宜設計することで、照射対象物に照射するのに必要な照射面積や照度分布を任意に設定することができるため、光学設計の融通性を高められる。このとき、紫外線を照射する照明装置は照射領域形成機構の外部に配設される構成であるため、照射領域形成機構を照明装置の大きさに拘わらず光を射出口全域に導くために必要十分な大きさに抑えて整形することができる。そのため、照射領域形成機構を小型軽量化することが可能になるとともに紫外線照射装置自体も小型軽量化することができ、ひいては、このような紫外線照射装置が搭載される装置として例えば、紫外光を照射してインクを硬化するインクジェットプリンタにも、当該装置の大型化を抑えつつ適用可能である。
【0014】
また、照明装置において光源より照射された紫外線を導光手段により照射領域形成機構に導く構成とすることによって、光源と照射領域形成機構とを目的等に応じて多様なパターンで別置きすることが可能になるため、紫外線照射装置のレイアウトの自由度がより高められ、この紫外線照射装置を種々の装置において効率よくコンパクトに搭載することが可能になる。
【0015】
さらに、照明装置より照射される紫外線の照射範囲を射出口の長手方向に対応した方向に広げる光学手段を設けて構成することによって、照明装置を大型化することなく所望の広範囲の紫外線照射領域を確保することが可能になる。
【0016】
また、照射領域形成機構における射出口を通過する紫外線の光量を当該射出口の領域ごとに調節する光量調節手段を設けて構成することによって、照射対象物に均一な照度分布の紫外線照射領域を的確に形成することが可能になるため、照明装置を低出力化することができるとともに、照明装置の発熱量を抑制することができる。
【0017】
本発明に係るインクジェットプリンタによれば、保持部材に印刷ヘッドおよび照射領域形成機構を搭載して構成される印刷ユニットを小型軽量化が図られたものとして構成することによって、インクジェットプリンタ全体の小型化を図ることができる。また、照明装置から照射された紫外線が、途中で損失されることなく照射領域形成機構によって印刷媒体表面に的確に照射されることで、紫外線照射効率を向上させることができる。
【0018】
また、複数の印刷ヘッドと複数の照射領域形成機構とを保持部材で保持し、印刷ヘッドと照射領域形成機構とが所定方向に沿って交互に配列されるように構成することによって、何れの印刷ヘッドからインクが吐出される場合でも、印刷媒体に付着したインクを当該印刷ヘッドに隣接する照射領域形成機構より紫外線を直ちに照射することで、インクを迅速に硬化させることができる。したがって、印刷媒体上でのインクの滲みが低減され、印刷品質を向上させることができる。なお、このように照射領域形成機構を各印刷ヘッドに隣接して複数設ける場合でも、照射領域形成機構内からは照明装置が排されているため、印刷ユニット全体としての小型化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明を適用したインクジェットプリンタを示した斜視図である。
【図2】上記インクジェットプリンタの要部構成を示した正面図である。
【図3】印刷ユニットの内部を示した斜視図である。
【図4】第1の実施形態に係る導光板の構成を示し、(A)は側断面図であり、(B)は底面図である。
【図5】上記導光板における入射口を説明するための模式図である。
【図6】上記導光板における紫外線の光路の一例を示す側断面図である。
【図7】印刷媒体上に形成される描画領域と紫外線照射領域を示した模式図であり、(A)は左方へ走査した場合を示し、(B)は右方へ走査した場合を示している。
【図8】(A)は第2の実施形態に係る導光板の構成を示す側断面図であり、(B)は射出口における紫外線の通過位置と印刷媒体上での紫外線の照度との関係を示したグラフである。
【図9】上記導光板における誘導反射板を示し、(A)は側面断面図(一部省略)であり、(B)は底面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明を適用したインクジェットプリンタの一例として、テーブル上に固定保持された印刷媒体に対して印刷ユニットを水平面内の直交二軸(X軸−Y軸)方向に移動させて印刷媒体に対して所望の印刷を行うインクジェットプリンタ1を、斜め上方から見た斜視図を図1に示す。なお、説明の便宜上から図1から図9に示す矢印の方向を、それぞれ前後、左右および上下と称して説明する。
【0021】
インクジェットプリンタ1は、大別的には、下部において土台部分を構成する支持部10、および支持部10の上方に移動自在となって配設された印刷部50から構成されている。
【0022】
支持部10は、本体フレーム11、支持テーブル12、真空ブロア13およびコントロールユニット20を主体に構成される。本体フレーム11は、その上方に載置されて固定された支持テーブル12を水平に支持するとともに、各機構の取り付けベースとなっている。支持テーブル12は、平面視略矩形状に形成されており、その中央部分には平板状の印刷媒体2を載置して固定保持するバキュームテーブル12aが形成されている。バキュームテーブル12aの表面には、上下に貫通する微細な空気孔(図示せず)が多数形成されており、これらの空気孔はバキュームテーブル12aの下面側に設けられた減圧室(図示せず)と連通している。また、支持テーブル12の左右側端面には前後に延びるガイド溝12b,12bが形成され、後述する印刷部50の左右に形成された前後ガイド51a,51aと嵌合している。
【0023】
真空ブロア13は、支持テーブル12内の減圧室と連通しており、減圧室内の空気を排気して負圧に設定し、または減圧室に空気を送り込みバキュームテーブル12aの空気孔から吐出させる。印刷媒体2をバキュームテーブル12a上の原点位置に載置して、真空ブロア13により減圧室が負圧に設定され、印刷媒体2がバキュームテーブル12a表面に真空吸着されて固定保持される。また、印刷媒体2に対する所望の印刷が終了して、バキュームテーブル12aから印刷媒体2を取り除く際は、空気を減圧室に送り込むとともに空気孔から吐出させることによって、印刷媒体2をバキュームテーブル12aの表面から浮かせて簡単に取り除くことができる。
【0024】
コントロールユニット20は、支持テーブル12の前端部に設置されており、支持テーブル12の前方から操作可能に配列された操作パネル21に、稼動状況などの各種の情報を表示する表示パネル、設定する機能を選択するファンクションキー、実行内容を選択するジョグキー、選択内容を入力するエンターキーや設定を消去するクリアキーなどの各種操作ボタンが設けられている。
【0025】
印刷部50は、基部51、ガイドレール52、および印刷ユニット60を主体に構成される。基部51は、左右に延びた略直方体状に形成されており、その左右端部近傍に形成された前後ガイド51a,51aが支持テーブル12のガイド溝12b,12bと嵌合し、支持テーブル12の上方を跨いだ状態で前後にスライド移動自在に支持され、前後駆動機構59により前後方向(X軸方向)に移動される。ガイドレール52は、上下一対となって左右に延びるとともに基部51の前面に形成されており、後述するキャリッジ62の後面側に形成された左右ガイド(図示せず)に嵌合して印刷ユニット60を左右にスライド自在に支持する。前後駆動機構59については、公知の種々の駆動機構を用いることができるため、本明細書において詳細図示は省略するが、例えば、ボールネジ機構等の送り機構が例示される。
【0026】
印刷ユニット60は、図2および図3に示すように、支持テーブル12の上方に位置して左右に移動自在に支持されたキャリッジ62と、UVインクのインク粒を吐出する複数の印刷ヘッド63と、印刷媒体2の表面に紫外線照射領域を形成する複数の導光板70とを主体に構成されており、その外周部が下方に開口した略箱形状のカバー61(図1を参照)によって覆われている。
【0027】
キャリッジ62は、印刷ヘッド63および導光板70の取付ベースとなっており、その後面側に形成された左右ガイド(図示せず)がガイドレール52に嵌合して左右にスライド自在に支持され、左右駆動機構69により印刷ヘッド63および導光板70を搭載した状態で左右方向(Y軸方向)に移動される。キャリッジ62には、印刷ヘッド63を装着するためのヘッド挿入孔62aと、導光板70を装着するための導光板挿入孔62bとが、それぞれ上下方向に貫通して交互に形成されている。左右駆動機構69については、上記の前後駆動機構59と同様に種々の駆動機構を用いることができるが、例えば、基部51の左端側と右端側にそれぞれ回転自在に設けた駆動プーリおよび従動プーリと、駆動プーリを回転駆動させるサーボモータと、両プーリ間に掛け渡された無端ベルトとからなり、キャリッジが無端ベルトに連結固定される構成が例示される。
【0028】
印刷ヘッド63は、例えば、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)、およびブラック(K)の各色のUVインクに対応した印刷ヘッド63M,63Y,63C,63Kから構成されており、各印刷ヘッド63がキャリッジ62の走査方向(Y方向)に沿って等間隔一列となって配設されている。各印刷ヘッド63の下面には、UVインクを下方に向けて吐出可能な多数のノズル面(図示せず)が形成されており、このノズル面が印刷媒体2と所定のギャップを隔てるように、その下方部がキャリッジ62のヘッド挿入孔62aに装着された状態で固定支持されている。基部51の左端部上面には、色ごとに所定量のUVインクを貯留するインク貯留タンク53M,53Y,53C,53Kが配設されており、色単位でインク貯留タンク53と印刷ヘッド63とがインク管路54を介して連通し、インク貯留タンク53から印刷ヘッド63へ適宜UVインクが供給されるようになっている。なお、UVインクは、紫外線(紫外光)を受けて硬化するタイプのUV硬化型インクである。
【0029】
導光板70は、キャリッジ62の走査方向(Y方向)に沿って等間隔に一列となって配設され、隣り合う2つの導光板70,70の間に1つの印刷ヘッド63がそれぞれ配置されるようになっており、紫外線の射出口が形成された底面が印刷媒体2の表面に正対するように、その下方部がキャリッジの導光板挿入孔62bに装着された状態で固定支持される。基部51の左端部上面には、所定波長域の紫外光を発生するUV光源80がインク貯留タンク52に隣接して配設されており、このUV光源80と各導光板70とが導光手段としての光ファイバ81によってそれぞれ接続され、UV光源80から各導光板70内へ紫外線が導かれるようになっている。ここで、UV光源80としては、紫外線発光ダイオード(UV−LED)、メタルハライドランプ、ケセノンランプ、半導体レーザ(LD)などが例示される。なお、本実施形態では、これらUV光源80、光ファイバ81、および導光板70等から紫外線照射装置3(図3を参照)が構成されている。なお、本実施形態において、UV光源80の適用例としては、パナソニック電工製のSPOT型紫外線照射装置「ANUP5204」等が例示される。
【0030】
光ファイバ81は、例えばシングルモード光ファイバなどから構成されており、その一端側の光入射端にはUV光源80の光出射端が接続され、他端側の光出射端には光学レンズ(シリンドリカルレンズ)82が融着されている。光ファイバ81は、例えば1つの導光板70に対して各1本ずつ設けられ、本実施形態では計5本の光ファイバが用いられている。なお、本実施形態において、光ファイバ81の適用例としては、パナソニック電工製の光ファイバ「ANUP5054」等が例示される。
【0031】
導光板70は、図4に示すように、取付ブロック71、前後反射板72,73、左右反射板74,74、および上下反射板75,76を主体に構成されている。なお、以降の説明において、前後反射板72,73、左右反射板74,74、および上下反射板75,76を、「反射板群」と称することがある。
【0032】
取付ブロック71は、例えばステンレス等の金属を用いて底面側が開口した略矩形箱状に形成され、反射板群の取り付けベースとなっており、この反射板群が取付ブロック71の内面側に固定されて、取付ブロック71内で反射板群に囲まれた内部空間71aが形成されるようになっている。この取付ブロック71は、例えば複数の金属板を接合して形成されており、各金属板の内面側に反射板群が貼着されている。また、取付ブロック71の前後面側には、ネジ締結等によって導光板70をキャリッジ62に取り付けるための断面視L字状の取付板71bがそれぞれ設けられている。なお、導光板70をキャリッジ62に取り付ける際、取付板72bの下面がキャリッジ62の上面に当接した配設姿勢で、導光板70の底面とキャリッジ62の底面とが略同一平面上に位置するようになっている。
【0033】
取付ブロック71の一端には、内部にレンズ取付孔77aを有する有底円筒状のレンズ保持部材77が固定されており、このレンズ取付孔77aに光ファイバ81の光出射端側に固着されたシリンドリカルレンズ82が嵌挿され、このシリンドリカルレンズ82を介して光ファイバ81が導光板70に取り付けられる。光ファイバ81から射出される紫外線はシリンドリカルレンズ82を透過することで、このシリンドリカルレンズ82による光学的作用を受けて、図4(A)の紙面上において光軸Cに直交する方向に広げられた楕円形状スポットに整形される。なお、本実施形態において、シリンドリカルレンズ82の適用例としては、パナソニック電工製のシリンドリカルレンズ「ANUP5001SR8」等が例示される。また、以上のように、ここでは光学手段の一例としてシリンドリカルレンズを用いた場合を示しているが、これに限定されるものではなく、例えば光学手段として、所望の照射領域の形状に合わせた円柱状、多角柱状のロッドレンズや、放物面などを有する反射鏡などを適用してもよいものである。
【0034】
レンズ保持部材77の底面には、図4および図5に示すように、レンズ取付孔77aと内部空間71aとを連通させる入射口77bが開口形成されている。ここで、導光板70における内部空間71aの左右方向幅がシリンドリカルレンズ82の有効径よりも小さく設定されていることに対応して、この入射口77bの開口形状は、その中心軸が光軸と一致する円形から左右端を部分的に除いた略小判形状(非円形状)に形成されている。このように左右方向の開口幅を制限する入射口77bにより、シリンドリカルレンズ82から射出される紫外線のうち導光板70の内部空間71a外へ照射され得る余分な光を遮光することができる。
【0035】
取付ブロック71の下端部には、前後一対の矩形板状のガイド部材78a,78aが下方に向かって延設されており、更にこのガイド部材78a,78aの内側には断面視三角形状の底板78b,78bが固定されている。これら底板78b,78bと左右反射板74,74との間で四方に囲まれて導光板70の底面側略中央には、内部空間71aに導かれた紫外線を下方に向けて放射するための前後方向に矩形スリット状に延びた射出口79が開口形成されている。この射出口79の大きさは、印刷ヘッド63の描画領域(有効描画領域)に対応して必要範囲とされる紫外線照射領域の大きさに基づいて設定される。
【0036】
各反射板72〜76は、入射口77bからの紫外線を反射して射出口79へ導く役割を果たしており、例えば平板状のガラス板の表面にアルミニウムを含有する金属化合物の薄膜が蒸着(アルミ蒸着)された、いわゆるコールドミラー等により構成される。これら反射板72〜76の表面(「反射面」と称する)の反射率としては、前反射板72:95%以上、後反射板73:80%以上、左右反射板74,74:80%以上、上下反射板75,76:80%以上が例示され、これらのうちで前反射板72の反射面の反射率が最も高く設定されている。
【0037】
前反射板72は、鉛直方向に対して3°程度傾斜して(反射板72の上部が下部よりも内側に位置して)取り付けられており、その反射面が入射口77bおよび射出口79を臨んでいる。一方、前反射板72に対向位置する後反射板73は、鉛直方向に対して45°程度傾斜して取り付けられており、その反射面が射出口79を臨んでいる。左右反射板74,74は、鉛直方向に延びてそれぞれ立設されており、所定の間隔(すなわち、射出口79の左右方向幅)を隔てて平行に配置されている。また、上反射板75は、水平方向に対して若干傾斜しており、その反射面が射出口79を臨んでいる。さらに、下反射板76,76は、各々底板78b,78bの上面に貼着されており、その反射面が後反射板73や上反射板75を臨んでいる。
【0038】
このような構成から、入射口77bより入射した紫外線は、前反射板72によって反射されて射出口79に直接導かれる光路(図4を参照)、あるいは上反射板79によって反射された後、その他の反射板のいずれかに入射して反射された上で射出口79に導かれる光路を進んで(図6を参照)、射出口79より導光板70の下方側(印刷媒体2)へ向けて射出されるようになっている。なお、各反射板72〜76の傾斜角度は上記例示した角度に限定されるものではなく、入射口77bからの紫外線の入射角度や、射出口79の前後方向長さ等に応じて適宜変更して適用されるものである。
【0039】
以上ここまでは、インクジェットプリンタ1の各構成部材について説明したが、以下において、印刷時における各構成部材の作動について説明する。
【0040】
まず、印刷媒体2をバキュームテーブル12a上に載置して固定保持し、印刷ユニット60を印刷媒体2の後端(または前端)に移動させる。そして、印刷ユニット60は、左右駆動機構69により左右に往復移動されると同時に、印刷ヘッド63のノズルから印刷媒体2に向けてUVインクを吐出して、この印刷ヘッド63によって各々ノズル列の前後方向幅に応じた帯状の描画領域Pを形成する(図7を参照)。
【0041】
このとき紫外線照射装置3においては、UV光源80が点灯されて紫外線が発光され、UV光源80からの紫外線が光ファイバ81を通じてシリンドリカルレンズ82へ入射する。シリンドリカルレンズ82に入射した紫外線は、図4の紙面上において光軸Cに直交する方向に広げられ、当該方向に長軸を有する楕円形状スポットに整形されて導光板70の前反射板72を広範囲で照射する。
【0042】
導光板70においては、シリンドリカルレンズ82から射出された紫外線が前反射板72によって反射されることにより(下方に向かって折り曲げられることにより)、集光されることなく光束を広げながら導光板70の底面側に開口形成された射出口79へ向かって進行する。このとき、紫外線の光束は導光板70の射出口79を通過する際に、この射出口79の開口形状に応じた矩形スリット状の光束に制限され、印刷媒体2に向けて射出される。
【0043】
また、前反射板72によって下方に向かって反射された紫外線のうちで、射出口79を通過できずにその前後に位置する下反射板76へ導かれた紫外線は、図6に示したように、この下反射板76によって上方に向かって反射された後、後反射板73に入射して再び下方に反射されることで、最終的には射出口79を介して印刷媒体2へ向けて射出される。これにより印刷媒体2の印刷対象面においてキャリッジ62の走査方向に直交する方向にスリット状に延びる紫外線照射領域Lが形成される。すなわち、印刷媒体2の印刷対象面に、各印刷ヘッド63による描画領域Pに対応して紫外線照射領域Lをそれぞれ形成することができる(図7を参照)。このように導光板70に導かれた紫外線を反射板群によって漏出無く内方へ反射し、光量損失を抑えた状態で射出口79より印刷媒体2を照射するため、紫外線照射装置3の紫外線照射効率を向上させることができる。
【0044】
ここで、印刷ユニット60が左方向へ移動しているときには、UV光源80からは、左右方向に並ぶ5つの導光板70のうち、左端1つを除いた右側4つの導光板70にのみ光ファイバ81によって紫外線を導光し、各導光板70によって印刷媒体2に上記の紫外線照射領域Lをそれぞれ形成することで(図7(A)を参照)、印刷媒体2に吐出されたUVインクを硬化させる。
【0045】
一方、印刷ユニット60が右方向へ移動しているときには、UV光源80からは、左右方向に並ぶ5つの導光板70のうち、右端1つを除いた左側4つの導光板70にのみ光ファイバ81によって紫外線を導光し、各導光板70によって印刷媒体2に上記の紫外線照射領域Lをそれぞれ形成することで(図7(B)を参照)、印刷媒体2に吐出されたUVインクを硬化させる。
【0046】
このように印刷ユニット60が左右に往復移動するのに伴って、印刷ヘッド63から所定の吐出パターンでUVインクを印刷媒体2に付着させるとともに、紫外線照射装置3(導光板70)からの紫外線照射によって印刷媒体2に付着したUVインクを硬化させる。そして、所定の左右への往復移動が完了すると、印刷ユニット60は前後移動機構59によって前後にスライド移動され、再び印刷ユニット60がガイドレール52に案内されて左右に往復移動しながら、印刷ヘッド63による印刷媒体2へのインクの吐出と、紫外線照射装置3による紫外線照射とが行なわれる。このような動作を繰り返すことにより、印刷媒体2の表面に所望の文字や図柄が印刷される。
【0047】
ここで、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1の効果について簡単にまとめると以下のようになる。まず第1に、紫外線照射装置3において、UV光源80を印刷ユニット60の外部に設け、このUV光源80からの紫外線を光ファイバ81を通じて印刷ユニット60内に設けられた導光板70より射出する構成とすることで、導光板70内にUV光源80を設ける必要がなく、導光板70を射出口79の大きさに応じたスリムな形状とすることができるため、印刷ユニット60を小型・軽量化することが可能となり、ひいては印刷精度を高めるとともに印刷の高速化を実現することができる。特に、導光板70を多数配置する場合、例えば、本実施形態のように走査方向(左右方向)に沿って各色のUVインクに対応した印刷ヘッド63と交互に導光板70を配置する構成において効果的である。
【0048】
第2に、紫外線照射装置3において、UV光源80から光ファイバ81によって導光された紫外線に、この光ファイバ82の光出射端に設けられたシリンドリカルレンズ82の光学的作用を付与することによって、キャリッジ62の走査方向(Y方向)に直交する方向に広げられた楕円形状スポットに整形することで、印刷媒体2に対して広範囲の紫外線照射が可能になる。
【0049】
第3に、紫外線照射装置3において、シリンドリカルレンズ82を透過して照射された紫外線を、導光板70の反射板群によって効率よく内方へ反射させて射出口79の全域に導き、この射出口79に応じた紫外線照射領域、すなわち、印刷ヘッド63による描画領域Pに対応した所望の紫外線照射領域として、UVインクの硬化に必要な光量および照度分布の紫外線を印刷媒体2に照射することができ、紫外線の照射効率が向上するとともに、印刷媒体2上に付着されたUVインクを的確に硬化させることができる。なお、射出口79の開口形状と導光板70内の光路とを適宜設計することで、印刷媒体2に照射するのに必要な照射面積や照度分布を任意に設定することができるため、光学設計の融通性も高められる。
【0050】
上述の実施形態において、導光板の構成は、射出口79全域を開口した構成の導光板70(第1の実施形態)に限定されず、例えば図8に示す、第2の実施形態である導光板170のように構成することも可能である。この第2の実施形態に係る導光板170は、取付ブロック71、前後反射板72,73、左右反射板74,74、および上下反射板75,76の他に、射出口79の前側部分を一部遮蔽する複数の誘導反射板90を用いて構成される。なお、導光板170は、複数の誘導反射板90以外の構成は、導光板70と同じ構成である。
【0051】
誘導反射板90は、例えば平板状のガラス板の表面にアルミニウムを含有する金属化合物の薄膜が蒸着されたものを用いて構成されており、図8および図9に示すように、射出口79の前側部分(前側半分の開口部分)内において左右反射板74,74の間で水平線に対して45°程度傾斜して連結され、互いに前後方向(射出口79の長手方向)に所定間隔離間して並設されている。また、誘導反射板90は、水平方向に対して若干傾斜させて設けられており、側断面視において、複数の誘導反射板90が一列に並設された状態では各々の上面が同一面内に位置している。
【0052】
ここで、印刷媒体2に向けて射出される紫外線については、印刷媒体2上に形成される紫外線照射領域Lにおいて紫外線の照度ムラが生じている場合でも、この照射領域L全域に亘って所定の基準照度(UVインクを硬化させるために必要な照度)を超えてさえいれば、印刷ヘッド63から印刷媒体2に付着されたUVインクを描画領域P全域において適切に硬化することが可能であるため印刷品質として問題は生じないが、紫外線照射効率の向上を図る観点からは照射領域全域に亘って均一な照度分布を得ることが望ましい。
【0053】
しかしながら、上述した第1の実施形態に係る導光板70においては、UV光源80から光ファイバ81等を介して導光板70内に照射された紫外線の大部分が、前反射板72によって反射された後、射出口79へ直接導かれる光路を辿るため、印刷媒体2上に形成される紫外線照射領域Lにおいて、その光路長に応じて前側領域の照度に比して後側領域の照度が低くなるような照度分布が生じている。すなわち、射出口79の前側部分を通過する紫外光は前反射板72(反射面)からの光路長が短いため、紫外線照射領域Lにおける前側領域では照度が高くなる傾向であり、射出口79の後側部分を通過する紫外光は当該反射面から射出口79までの光路長が長くなるため、紫外線照射領域Lにおける後側領域では照度が低くなる傾向である。したがって、図7に示す紫外線照射領域Lにおいては、図8に示すように、前側領域と後側領域とで照度分布が大きく異なる結果となっていた。
【0054】
そこで、第2の実施形態に係る導光板170のように構成することによって、紫外線は誘導反射板90によっても反射されるため、射出口79における前側領域を通過する紫外線の一部を遮断して、この前側領域を通過する紫外線の光量を低減させることで、紫外線照射領域Lにおける前側領域の照度を低下させる。一方、誘導反射板90によって反射された紫外線は、さらに後反射板73によって反射されることで射出口79の後側部分に導かれ、この射出口79の後側部分を通過する紫外線の光量を増加させることで、紫外線照射領域Lにおける後側領域の照度を増大させる。
【0055】
したがって、このような構成の導光板170によれば、印刷媒体2上に形成される紫外線照射領域Lにおいて、前側領域の照度の一部を後側領域の照度に加算することで、紫外線照射領域L全域においてほぼ同程度の照度を有する状態にすることができるため、紫外線の照度ムラを大幅に軽減して全体として均一な照度分布で照射可能となり、ひいては紫外線の照射効率をより向上させることが可能になるという効果が得られる。
【0056】
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態において、図2および図3に示すようなキャリッジ62上に印刷ヘッド63M,63Y,63C,63Kと5つの導光板70とを交互に配設した印刷ユニット60に限定されるものではなく、複数の印刷ヘッド63の左右両端側に各1つずつ導光板70を配設する印刷ユニットのように構成してもよい。また、例えば、印刷ヘッド63が右方移動時もしくは左方移動時にのみUVインクを吐出して印刷を行う場合には、その際のキャリッジ62の走査方向に対する後方側にのみ導光板を配置する構成であってもよい。
【0057】
また、上述の実施形態において、各導光板70とUV光源80との間を各1本の光ファイバ81によって接続した構成を例示したが、これに限定されるものではなく、各導光板70とUV光源80との間を複数の光ファイバによってそれぞれ並列に接続してもよく、この場合には、UV光源80からの紫外線を複数の光ファイバによって導光板70内に各々照射するため、紫外線照射領域をより広範囲にすることが可能になる。
【0058】
また、上述の実施形態において、反射板群は平板状のガラス板の表面にアルミ蒸着を施して構成されているが、反射板群の材質は特に限定されるものではなく、上記反射板群と同等の反射率が得られるものであれば、例えば金属材料や樹脂材料で形成された平板でもよい。また、反射板群は、その表面がアルミメッキ等されたものを用いてもよい。
【0059】
また、上述の実施形態において、内部空間71a内に収容もしくは充填される物質は紫外線を透過可能であればよく、大気(空気)に限定されず、例えば、酸素を取り除いたガス(酸素が存在すると200nm以下の紫外線が劣化するため)として、窒素やアルゴン、ネオン、ヘリウム等の不活性ガスを適用してもよい。また、ガス(気体)に限らず、紫外線透過性に優れた石英ガラス(合成石英ガラス)等であってもよい。
【0060】
なお、上述の実施形態では、紫外線硬化樹脂であるUVインクを吐出するインクジェットプリンタ1に紫外線照射装置を適用した場合を例示して説明したが、これに限定されず、接着剤や塗料などの紫外線硬化樹脂に対して紫外線照射を用いて所定の機能を発揮させる種々の装置にも適用可能である。
【0061】
また、上述の実施形態では、光ファイバ81によって導かれた紫外線の照射領域のパターン(形状)をシリンドリカルレンズ82によって成形し、その成形された紫外線を導光板70(170)内に直接入射させたが、他の光学素子を介して紫外線を導光板70(170)内に入射させるようにしてもよい。例えば、光ファイバ81およびシリンドリカルレンズ82の間、または光ファイバ81の途中等に、導光板70(170)への紫外線の入射の有無を制御するシャッタや紫外線量を調節するフィルタを配置するようにしてもよい。また、光ファイバ81の途中に、紫外線を分岐させる光スイッチを配置し、複数の導光板70(170)に紫外線を導くようにしてもよい。
【0062】
また、上述の実施形態では、バキュームテーブル12a上に固定保持された印刷媒体2に印刷を行う構成(いわゆるフラットベッド)となっているが、この構成に限定されず、本発明はシート状の印刷媒体をプラテン上に搬送させながら印刷を行う、インクジェットプリンタにも適用可能である。また、マルチパスタイプのインクジェットプリンタに限定されず、シングルパス、ラインヘッドによるインクジェットプリンタにも適用可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 インクジェットプリンタ
2 印刷媒体(照射対象物)
3 紫外線照射装置
12 支持テーブル(媒体支持部)
60 印刷ユニット
62 キャリッジ(保持部材)
63 印刷ヘッド
70 導光板(照射領域形成機構)
71 取付ブロック(ベース部材)
71a 内部空間
72〜76 反射板(反射部)
77b 入射口
79 射出口
80 UV光源(照明装置、光源)
81 光ファイバ(照明装置、導光手段)
82 シリンドリカルレンズ(光学手段)
90 誘導反射板(光量調節手段)
170 導光板(第2実施形態)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射対象物の表面に所定の紫外線照射領域を形成し、前記照射対象物表面に付着された紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させる紫外線照射装置であって、
紫外線を照射する照明装置と、
内部空間を有したベース部材、前記ベース部材の一端に開口形成され外部に設けられた前記照明装置より射出された紫外線を前記内部空間に入射させる入射口、及び前記ベース部材における前記照射対象物に正対する面内に開口形成され前記内部空間に導かれた紫外線の照射範囲や光量を制御して外部に射出する射出口を有した照射領域形成機構とを備え、
前記照射領域形成機構が、前記ベース部材において前記内部空間を区画する内面側に前記照明装置から入射した紫外線を反射して前記射出口の全域に導く反射部を有していることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項2】
前記照明装置が、紫外線を照射する光源と、前記光源と前記照射領域形成機構との間に接続され前記光源より照射された紫外線を前記照射領域形成機構に導く導光手段を備えて構成されることを特徴とする請求項1に記載の紫外線照射装置。
【請求項3】
前記照射領域形成機構における前記入射口近傍に設けられ、前記照明装置より照射される紫外線の照射範囲を前記射出口の長手方向に対応した方向に広げる光学手段を備えて構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の紫外線照射装置。
【請求項4】
前記照射領域形成機構が、前記射出口における所定領域に導かれた紫外線の一部を反射する光量調節手段を備え、
前記光量調節手段により反射された紫外線は、前記照射領域形成機構の前記反射部によって反射され前記射出口における前記所定領域外に導かれることで、前記射出口を通過する紫外線の光量が前記射出口の領域ごとに調節されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線照射装置。
【請求項5】
印刷媒体を支持する媒体支持部と、
前記媒体支持部に支持された前記印刷媒体の表面に向けてインクを吐出して、前記印刷媒体の表面にインクを付着させる印刷ヘッドと、
請求項1〜4のいずれかに記載の紫外線照射装置と、
前記印刷ヘッドおよび前記紫外線照射装置の前記照射領域形成機構を前記媒体支持部から離間して保持する保持部材とを備え、
前記照明装置より前記照射領域形成機構を経て前記印刷媒体の表面に紫外線を照射することにより、前記印刷媒体に付着されたインクを硬化させることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項6】
前記保持部材が、複数の前記印刷ヘッドと複数の前記照射領域形成機構とを保持し、前記印刷ヘッドと前記照射領域形成機構とが所定方向に沿って交互に配列されていることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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