説明

紫外線照射装置

【課題】複数のヘッド部の位置に応じた紫外線の強度の調整を可能にしながらも、複数のヘッド部の組み合わせによる照射の強度を適正化する。
【解決手段】紫外線源としての発光ダイオードを備えたヘッド部2がコントローラ1に複数個接続される。紫外線センサ3は、ヘッド選択機能部16aにより選択されたすべてのヘッド部2から出力される紫外線の合計の強度を検出する。コントローラ1は、紫外線の強度の目標値の比率を設定する比率設定機能部16bと、比率設定機能部16bで設定した比率を維持した状態で、紫外線センサ3により検出される紫外線の強度が目標値になるように電源部13の出力を調整する出力調整機能部16cとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線硬化樹脂を用いて小型部品を接着する場合のように局所に紫外線を照射する際に用いる紫外線照射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、光学記憶装置の光ピックアップにおける光学部品の接着、デジタルカメラのレンズや光学フィルタの接着、光ファイバを接続するフェルールにおける部品の固定、機会部品の調整後の固定などの分野において、紫外線硬化樹脂が広く採用されている。この種の用途では、微小領域に紫外線を照射する必要があり、紫外線源としては紫外線発光ダイオードのような半導体発光素子が採用することが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された紫外線照射装置は、ヘッド部を駆動するための電源部を備えるコントローラ部に複数個のヘッド部を接続することが可能であり、また各ヘッド部の紫外線照射条件を個別に独立して設定可能にしてある。この構成により、ヘッド部ごとに紫外線照射条件を異ならせて作業を行うことが可能になり、対象物に紫外線を照射する方向に応じた強度分布を与えることが可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−177696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載された紫外線照射装置は、複数のヘッド部について紫外線照射条件を個別に設定可能であり、個々のヘッド部の紫外線照射条件を個別に設定している。したがって、複数のヘッド部を用いて1個の対象物に紫外線を照射する用途では、複数のヘッド部を組み合わせて用いたときに、対象物に適切な強度で紫外線が照射されるか否かを保証することができないという問題を有している。
【0006】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、複数個のヘッド部を用いて1個の対象物に紫外線を照射する場合に、ヘッド部の位置に応じた紫外線の強度の調整を可能にしながらも複数のヘッド部の組み合わせによる照射の強度を適正化することを可能にした紫外線照射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、紫外線源としての半導体発光素子を備える複数のヘッド部と、ヘッド部のそれぞれから紫外線を出力する条件をヘッド部ごとに個別に制御するコントローラと、紫外線の受光量に応じた出力が得られる紫外線センサとを有し、ヘッド部は、複数個から出力された紫外線を1個の対象物に照射するように配置され、コントローラは、指示された電力を半導体発光素子に供給する電源部と、複数個のヘッド部から出力された紫外線を対象物に照射する運転モードと、ヘッド部から出力した紫外線を紫外線センサにより受光し紫外線センサにより検出される受光強度が目標値になるようにヘッド部からの紫外線の出力を調整する校正モードとを有し、前記目標値はヘッド部の位置に応じて複数設定され、校正モードでは、ヘッド部のうちの複数のヘッド部を組み合わせて同時に紫外線を出力する状態が選択可能であって、当該状態において紫外線センサにより検出される受光強度がヘッド部の位置に応じた目標値になるようにヘッド部からの紫外線の出力を調整する構成を採用している。
【0008】
コントローラは、校正モードにおいて、対象物に紫外線を照射するヘッド部をヘッド部の中から複数選択するヘッド選択機能部と、ヘッド選択機能部により選択したヘッド部から出力され紫外線センサで受光される紫外線の強度の比率を設定する比率設定機能部と、ヘッド選択機能部により選択したヘッド部の中の少なくとも1個のヘッド部における紫外線センサによる紫外線の受光強度が目標値になるように、比率設定機能部により設定した比率を維持した状態でヘッド選択機能部により選択したヘッド部の紫外線の出力を調整する出力調整機能部とを備えることが望ましい。
【0009】
また、コントローラは、校正モードにおいて、ヘッド部を複数含むグループを少なくとも1つ含むようにヘッド部を複数のグループに分割するグループ分割機能部と、グループ分割機能部により分けられたグループごとに紫外線センサにより検出される受光強度が目標値になるようにヘッド部からの紫外線の出力を調整する出力調整機能部とを備えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の構成によれば、校正モードにおいて、ヘッド部のうちの複数のヘッド部を組み合わせて同時に紫外線を出力する状態を選択可能にしているから、複数のヘッド部の組み合わせによる照射の強度を適正化することが可能になるという利点がある。しかも、複数のヘッド部を組み合わせて紫外線を出力する状態において、紫外線センサにより検出される受光強度がヘッド部の位置に応じた目標値になるようにヘッド部からの紫外線の出力を調整するから、複数個のヘッド部を用いて1個の対象物に紫外線を照射する場合に、ヘッド部の位置に応じた紫外線の強度の調整が可能になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態1を示すブロック図である。
【図2】同上の外観図である。
【図3】同上の校正モードでの一使用例を示す概略図である。
【図4】同上の校正モードでの他の使用例を示す概略図である。
【図5】実施形態2を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態1)
本実施形態の紫外線照射装置は、図1に示すように、紫外線源を備えるヘッド部2と、ヘッド部2から出力される紫外線の強度を制御するコントローラ1とを備える。以下に説明する実施形態では、1台のコントローラ1により4個のヘッド部2の出力を個別に制御することが可能になっている。
【0013】
ヘッド部2は、紫外線源となる半導体発光素子を内蔵している。半導体発光素子としては、発光ダイオードを用いているが、半導体レーザを用いることも可能である。紫外線源は、紫外線硬化樹脂を硬化させる強度を有している必要があり、たとえば、7000〜8000mW/cmの出力が得られる半導体発光素子を用いる。
【0014】
図2に示すように、コントローラ1には、ヘッド部2から延長されているヘッドケーブル21の一端部が着脱可能に接続される。すなわち、ヘッドケーブル21の一端部にはプラグ(図示せず)が設けられ、コントローラ1にはプラグを着脱可能に接続するコネクタ(図示せず)が設けられる。コネクタは、コントローラ1の筐体10における背面に設けられる。本実施形態では、筐体10にはコネクタが4個設けられており、1台のコントローラ1に対して4個のヘッド部2が接続可能になっている。
【0015】
コントローラ1の筐体10における前面には、コントローラ1の動作を表示する表示部11と、コントローラ1の動作を指示する複数個の操作釦を備える操作部12とが設けられる。また、筐体10の前面には、紫外線センサ3を接続するためのコネクタ(図示せず)が設けられ、コネクタには、紫外線センサ3から延長されているセンサケーブル31の一端部が着脱可能に接続される。すなわち、コネクタにはセンサケーブル31の一端部に設けたプラグ32が着脱可能に接続される。
【0016】
ヘッド部2は、1個ずつ独立させて用いることが可能である。一方、1個のヘッド部2の出力よりも大きい強度の紫外線を対象物に照射する場合や、対象物が平面状ではなく立体形状である場合などには、複数個のヘッド部2からの紫外線の照射方向を調整することが考えられる。図3に示す例は、対象物4(図4参照)の1箇所に4個のヘッド部2から集中的に紫外線を照射することにより、1個のヘッド部2から照射する場合よりも強い紫外線を照射する場合の配置を示している。また、同様の配置によって立体形状を有する対象物に紫外線を照射することも可能である。図3においては、紫外線センサ3も図示している。紫外線センサ3を用いる動作については後述する。
【0017】
コントローラ1は、図1に示すように、各ヘッド部2にそれぞれ電力を供給する電源部13を備える。したがって、各電源部13からヘッド部2に供給する電力を調整することにより、ヘッド部2ごとに出力する紫外線の強度を独立して調整することができる。
【0018】
コントローラ1には、電源部13を制御する指示部14が設けられる。指示部14はマイコンを用いて構成され、表示部11および操作部12を用いることにより、電源部13からヘッド部2に供給する電力の調整を話的に行うことが可能になっている。
【0019】
指示部14には、電源部13の出力を時間経過に伴って変化させる出力パターンを登録可能であり、複数種類の出力パターンから所望の出力パターンを選択することが可能になっている。すなわち、表示部11および操作部12を用いて出力パターンを対話的に選択することができる。典型的な出力パターンは指示部14にあらかじめ登録されており、必要に応じて利用者が出力パターンを登録することも可能になっている。したがって、指示部14に登録された出力パターンを用いることにより、ヘッド部2のそれぞれから紫外線を出力する条件をヘッド部2ごとに個別に制御することが可能になる。
【0020】
ところで、指示部14は、選択された出力パターンで電源部13を制御する運転モードと、運転モードにおいてヘッド部2から出力される紫外線の強度が設定値の通りになるように校正を行う校正モードとを、操作部12からの指示により選択する。運転モードでの動作は指示部14に設けた運転処理部15が行い、校正モードでの動作は指示部14に設けた校正処理部16が行う。
【0021】
運転処理部15では、表示部11および操作部12を用いて選択した出力パターンに従って電源部13からヘッド部2に給電する電力を制御し、結果的にヘッド部2の出力を制御する。
【0022】
一方、校正処理部16では、ヘッド部2から出力した紫外線を受光する紫外線センサ3により検出した紫外線の強度を用いて電源部13の出力を調整する。電源部13の出力を調整するにあたっては、まず対象物4(図4参照)に照射する紫外線の強度について目標値を定める。目標値は表示部11および操作部12を用いて対話的に設定する。
【0023】
校正処理部16では、紫外線センサ3の出力が設定した目標値に一致するように電解部13の出力を調節することによって、ヘッド部2から出力され対象物4に照射される紫外線の強度が目標値になるように調整を行う。
【0024】
ところで、上述のように、4個のヘッド部2のうちの所望の複数個を組み合わせて用いることにより、1個のヘッド部2を用いる場合よりも紫外線の強度を高めたり、対象物4の部位ごとに照射する紫外線の強度に分布を付与したりすることを可能にしている。そのため、ヘッド部2ごとにヘッド部2の位置に応じた目標値が設定される。そこで、校正処理部16には、4個のヘッド部2の中から対象物4に紫外線を照射するヘッド部2を複数選択するヘッド選択機能部16aを設けている。ヘッド選択機能部16aでは、操作部12を操作し、表示部11に表示されるヘッド部2の個数を選択することにより、対象物4に紫外線を照射するヘッド部2の個数を決定する。
【0025】
また、校正処理部16は、選択したヘッド部2から出力する紫外線の強度に分布を付与するために、各ヘッド部2から出力する紫外線の強度の比率を設定する比率設定機能部16bを備える。比率設定機能部16bは、表示部11および操作部12を用いて各ヘッド部2から出力する紫外線の強度の比率が所望の値になるように設定する。比率設定機能部16bにより設定した比率は、紫外線センサ3が各ヘッド部2から受光する紫外線の強度の比率であって、対象物4に照射する紫外線の強度に当該比率に応じた分布を付与することが可能になる。
【0026】
校正処理部16では、複数のヘッド部2を組み合わせて同時に紫外線を出力する状態を選択しているときに、紫外線センサ3により検出される受光強度がヘッド部2の位置に応じた目標値になるようにヘッド部2からの紫外線の出力を調整する必要がある。そこで、校正処理部16には、ヘッド選択機能部16aにより選択したヘッド部2の中の少なくとも1個のヘッド部2について、紫外線センサ3が受光する紫外線の強度が目標値になるように電源部13の出力を調整する出力調整機能部16cを設けている。
【0027】
ヘッド選択機能部16aにより選択した複数個のヘッド部2から出力された紫外線を、1個の対象物4の1箇所にまとめて照射する場合には、紫外線センサ3では、これらの複数個のヘッド部2から出力された紫外線を受光する。したがって、選択されたヘッド部2から出力された紫外線の強度の総和を紫外線センサ3で検出することになる。出力調整部16cでは、この状態で紫外線センサ3が受光する紫外線の強度が目標値になるように、ヘッド部2に対応する電源部13の出力を調整する。
【0028】
また、出力調整機能部16cでは、紫外線センサ3が受光した紫外線の強度を目標値に一致させるように電源部13の出力を調整する際に、比率設定機能部16bで設定した各ヘッド部2の出力の比率を維持する。したがって、複数のヘッド部2から出力される紫外線の強度の合計が目標値に設定され、しかも、各ヘッド部2から出力される紫外線の強度分布は比率設定機能部16bにより設定された比率により決定されることになる。
【0029】
なお、複数のヘッド部2から1個の対象物4における異なる部位に紫外線を照射する場合には、出力調整機能部16cでは、いずれか1個のヘッド部2から出力される紫外線の強度を紫外線センサ3で監視すればよい。この場合でも、1個のヘッド部2から出力される紫外線の強度を目標値に調整する場合でも、他のヘッド部2から出力される紫外線の強度は、比率設定機能部16bで設定した比率に維持される。したがって、この動作でも対象物4の各部位に照射する紫外線の強度に所望の分布を付与することができる。
【0030】
以上のことから、紫外線センサ3により出力を検出するセンサ部2の個数は、ヘッド選択機能部16aで選択したヘッド部2の個数の範囲内であれば何個であってもよいことがわかる。紫外線センサ3により強度を検出するヘッド部2の個数は表示部11と操作部12とを用いて対話的に決定すればよい。本実施形態では、個々のヘッド部2について出力を調整する必要がなく、設定された比率を維持するように出力を調整するから、校正に要する作業量を低減することができる。
【0031】
また、上述の構成例では、図3に示すように、ヘッド部2から出力された紫外線を、紫外線センサ3に直接入射させているが、図4に示すように、対象物4で反射した紫外線を紫外線センサ3で受光するようにしてもよい。この場合、校正モードで用いる対象物4として、反射率が既知であるテスト部材を用いることが望ましい。
【0032】
(実施形態2)
実施形態1では、複数のヘッド部2から出力する紫外線の強度を一定の比率に保ちながら、すべてのヘッド部2から出力する紫外線の合計の強度が目標値になるように調整する技術を提案した。すなわち、実施形態1において説明した技術では、複数のヘッド部2について個別に出力を調整している。
【0033】
本実施形態では、複数のヘッド部2を含むグループを少なくとも1つ含むように、ヘッド部2を複数のグループに分割し、グループを単位としてヘッド部2から出力される紫外線の強度を調整する技術について説明する。ここでは、実施形態1と同様に、コントローラ1に4個のヘッド部2を接続する場合を想定する。この場合、上述の条件を満たすグループの分割の仕方は、2:2と1:3と1:1:2との3種類になる。ただし、各ヘッド部2は個別に識別すると、グループの分割の仕方は13通りになる。
【0034】
上述のようなグループの分割は、図5に示すように、校正処理部16に設けたグループ分割機能部16dにより行われる。グループ分割機能部16dは、表示部11および操作部12を用いて対話的にグループを設定する。
【0035】
校正処理部16では、グループ分割機能16dにより分割されたグループを単位として目標値を設定し、グループ単位でヘッド部2から紫外線を出力させるとともに、紫外線センサ3ではグループ単位で紫外線の強度を検出する。すなわち、校正処理部16には、グループ単位でヘッド部2から紫外線を出力させ、紫外線センサ3により紫外線の受光強度を検出する出力調整機能部16eが設けられている。出力調整機能部16eは、グループごとにヘッド部2から紫外線を出力させ、紫外線センサ3の出力がグループごとに設定された目標値を満たすように電源部13の出力を調整する。
【0036】
上述の動作により、1個ずつのヘッド部2の出力を調整するのではなく、少なくとも1つのグループが複数のヘッド部2を含むように分割したグループについて、目標値を満たすように出力を調整することができる。その結果、個々のヘッド部2について出力を調整する場合に比較して校正に要する作業量が少なくなる。他の構成および動作は実施形態1と同様である。
【0037】
上述した実施形態1、2の技術は選択可能としてもよい。すなわち、コントローラ1において表示部11および操作部12を用いることにより、実施形態1の動作と実施形態2の動作とを対話的に選択するようにしてもよい。
【0038】
さらに、校正処理部16において、以下の各動作を選択可能としてもよい。
【0039】
すなわち、複数のヘッド部2について共通の目標値を設定しておき、ヘッド部2ごとに目標値を満足するように調整する動作を採用することができる。この動作により校正を行えば、ヘッド部2から対象物4への紫外線の照射方向によらずに、各ヘッド部2から対象物4の表面に照射する紫外線の強度を均一化することができる。
【0040】
また、ヘッド部2に投入する電力を等しくするという制限条件を与えておき、複数のヘッド部2から紫外線を順に出力させる動作を採用してもよい。この場合、ヘッド部2ごとに出力した紫外線の強度を紫外線センサ3で検出することにより、各ヘッド部2から対象物4に照射される紫外線の強度の比率が求められる。この比率を求めることにより、対象物4に所望の強度の紫外線を照射するために各ヘッド部2に割り当てる紫外線の強度を求めることができる。
【0041】
さらに、ヘッド部2ごとに目標値を設定しておき、各ヘッド部2から同時に紫外線を出力するとともに、紫外線センサ3により、すべてのヘッド部3から出力される紫外線の合計の強度を検出する動作を選択できるようにしてもよい。この動作では、ヘッド部2から出力される紫外線の強度を個別に検出することはできないが、複数のヘッド部2から出力される紫外線の合計の強度を調整することができる。
【0042】
別の動作としては、複数のヘッド部2を用い、初期状態では、ヘッド部2から紫外線を出力しない状態としておき、紫外線を出力するヘッド部2を1個ずつ順に増やし、最終的にすべてのヘッド部2から紫外線が出力されるようにしてもよい。この場合、目標値は、紫外線を出力するヘッド部2の個数ごとに設定される。
【符号の説明】
【0043】
1 コントローラ
2 ヘッド部
3 紫外線センサ
4 対象物
13 電源部
14 指示部
15 運転処理部
16 校正処理部
16a ヘッド選択機能
16b 比率設定機能
16c 出力調整機能
16d グループ分割機能
16e 出力調整機能

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線源としての半導体発光素子を備える複数のヘッド部と、前記ヘッド部のそれぞれから紫外線を出力する条件を前記ヘッド部ごとに個別に制御するコントローラと、前記コントローラから指示された電力を前記半導体発光素子に供給する電源部と、紫外線の受光量に応じた出力が得られる紫外線センサとを有し、前記ヘッド部は、複数個から出力された紫外線を1個の対象物に照射するように配置され、前記コントローラは、複数個の前記ヘッド部から出力された紫外線を前記対象物に照射する運転モードと、前記ヘッド部から出力した紫外線を前記紫外線センサにより受光し前記紫外線センサにより検出される受光強度が目標値になるように前記ヘッド部からの紫外線の出力を調整する校正モードとを有し、前記目標値は前記ヘッド部の位置に応じて複数設定され、前記校正モードでは、前記ヘッド部のうちの複数の前記ヘッド部を組み合わせて同時に紫外線を出力する状態が選択可能であって、当該状態において前記紫外線センサにより検出される受光強度が前記ヘッド部の位置に応じた目標値になるように前記ヘッド部からの紫外線の出力を調整することを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記校正モードにおいて、前記対象物に紫外線を照射する前記ヘッド部を前記ヘッド部の中から複数選択するヘッド選択機能部と、前記ヘッド選択機能部により選択した前記ヘッド部から出力され前記紫外線センサで受光される紫外線の強度の比率を設定する比率設定機能部と、前記ヘッド選択機能部により選択した前記ヘッド部の中の少なくとも1個の前記ヘッド部における前記紫外線センサによる紫外線の受光強度が目標値になるように、前記比率設定機能部により設定した比率を維持した状態で前記ヘッド選択機能部により選択した前記ヘッド部の紫外線の出力を調整する出力調整機能部とを備えることを特徴とする請求項1記載の紫外線照射装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記校正モードにおいて、前記ヘッド部を複数含むグループを少なくとも1つ含むように前記ヘッド部を複数のグループに分割するグループ分割機能部と、前記グループ分割機能部により分けられたグループごとに前記紫外線センサにより検出される受光強度が目標値になるように前記ヘッド部からの紫外線の出力を調整する出力調整機能部とを備えることを特徴とする請求項1記載の紫外線照射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−230092(P2011−230092A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105138(P2010−105138)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(000106221)パナソニック電工SUNX株式会社 (578)
【Fターム(参考)】