説明

紫外線硬化性ポリオール及びそれから製造されたポリウレタン組成物

紫外線(UV)硬化性ポリオール、及び本発明のポリオールとイソシアネートを反応させて製造されるポリウレタン組成物を提供する。本発明の紫外線(UV)硬化性ポリオールは、アルキレンオキシド、不飽和カルボン酸又は無水物、及びヒドロキシ官能性化合物を複合金属シアン化物(DMC)錯体触媒の存在下で、ポリオールが超低レベルの不飽和度を有するように、共重合させることによって製造される。本発明のポリオールは、プレポリマーを製造するために使用でき、それはまた薄膜を製造するのに有用であり得、それはまた医療試験手袋や実験用手袋のような品目を与え得る。本発明の紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物はまた、被覆剤、接着剤、シーリング材、エラストマーなどとして、若しくはその中で使用し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ポリオール及びそれから製造される組成物、より具体的には、紫外線(UV)硬化性ポリオール及びイソシアネートを本発明の紫外線(UV)硬化性ポリオールと組み合わせることにより製造されるポリウレタン組成物に関する。該紫外線(UV)硬化性ポリオールは、紫外線(UV)硬化性ポリオールが超低レベルの不飽和度を有するように、複合金属シアン化物(DMC)錯体触媒の存在下で、不飽和カルボン酸又は無水物、アルキレンオキシド及びヒドロキシ官能性化合物を共重合させることによって製造される。本発明はまた、本発明のポリウレタン組成物から製造される被覆剤、接着剤、シーリング材、エラストマーなどにも関する。
【背景技術】
【0002】
天然ゴムラテックス(NRL)は、医療試験用及び実験用手袋などのように柔軟で薄肉の弾性物品を要する、多くの用途で選択される材料である。NRL物品は、通常、凝固剤でプレコートされたマンドレルを水性ゴムエマルジョン中へ浸漬することによって製造される。十分強いがピンホールを有さないNRL手袋を製造するためには、浸漬したNRL手袋は約0.18〜約0.20mmの厚みでなければならない。NRL製手袋は、柔軟性、高い破断伸び、引張強度及び低クリープ度の優れた組み合わせを持っているものの、近年、NRL中に存在するタンパク質と加硫促進剤の残渣によって引き起こされるアレルギー反応の事例が増加したため、NRLの使用は避難を浴びてきた。
【0003】
ポリウレタン製の医療試験用及び実験用手袋の製造は、当業者に既知である。例えば、McGary, Jr.らに発行された米国特許第4,463,156号は、100%モジュラス約250psi未満、初期引張残留歪(initial tensile set)約30%未満及び引張強度約3500〜6500psiを有する、柔軟で低モジュラスの非晶質セグメント化ポリウレタンを開示する。McGary, Jrらは、ハードセグメントの割合と架橋度を、セグメント化ポリウレタンにおける1架橋当たり14〜25%ハードセグメント及び5,000〜30,000分子量の範囲にバランスさせることを教示する。‘156特許のポリウレタンは、外科医が使用するための柔軟性手袋及び着用が容易で手の上で心地の良い他の物を製造するものと言われている。
【0004】
改善された機械特性を有するフィルムとして有用であるとされるポリウレタンポリマーの水性分散体は、Snowらによって米国特許第6,017,997号に開示されている。このフィルムは、伸び%が700%より大、引張強度が3,500psiより大、100%モジュラスが450psiより低く、300%モジュラスが700psiより低く、500%モジュラスが1,500psiより低いゴムに匹敵する特性を有するものとされる。このフィルムは溶媒なしに調製し得るため、手袋、コンドーム、カテーテルなどのような医療及び産業用途のための様々な保護用品にとって魅力的となる。しかし、Snowらのフィルムは、ウレタン反応によって架橋されるものであり、従って、残留NCOはヒトの皮膚へのアレルギー反応を引き起こし得る。
【0005】
Papalosらは、米国法定発明登録第H1,712において、特定のエトキシレート化及び/又はプロポキシル化ポリオールのモノアルキル又はモノアラルキルエーテルジアクリレート又はジメタクリレートを含有する放射線硬化性組成物を開示する。疎水性エーテル官能基で置換されたこれらのポリオール誘導体は、製造工程の間でのロスを最小限に抑え優れた収率で単離し得るUV硬化性希釈剤を構成するとされている。Papalosらの該UV硬化性希釈剤は、放射線硬化性組成物において有用であると言われている。
【0006】
Higbieらに発行された米国特許第4,876,384号は、放射線硬化性組成物用の反応性希釈剤を教示する。該希釈剤は、特定のアルコキシル化及び非アルコキシル化ポリオールの低級アルキルエーテルアクリレート及びメタクリレートである。具体例は、モノメトキシトリメチロールプロパンジアクリレート、モノメトキシネオペンチルグリコールモノアクリレート及びモノメトキシ、エトキシル化ネオペンチルグリコールモノアクリレートであって平均約2モルのエチレンオキシドを有するものである。
【0007】
これらのいずれの開示においても、反応性希釈剤からこれとイソシアネートを組み合わせてポリウレタンを生成させて、被覆剤、接着剤、シーリング材又はエラストマーを製造することの記載はなされていない。
【0008】
ポリウレタンは、通常、ポリオールとイソシアネートを反応させることによって製造される。ポリオキシアルキレンポリエーテルポリオールの大部分は、塩基触媒作用によって重合する。例えば、ポリオキシプロピレンジオールは、プロピレングリコールのような二官能性開始剤の塩基触媒オキシプロピル化によって調製される。塩基触媒オキシプロピル化の間、プロピレンオキシドのアリルアルコールへの競争的転位は、不飽和単官能性オキシアルキル化可能な種を絶えず反応器中へ導入する。この単官能性種のオキシアルキル化は、アリル末端ポリオキシプロピレンモノオールをもたらす。該転位は、ブロック及びグラフト重合、第2巻、Ceresa編、John Wiley & Sons、第17-21頁に論じられている。不飽和度はASTM D-2849-69「ウレタンフォームポリオール原料試験」に従って測定され、ポリオール1グラム当たりの不飽和度のミリ当量(meq/g)として表現される。このアリルアルコールの連続形成とその引き続くオキシプロピル化により、ポリオール混合物の平均官能価が低下し、分子量分布が拡がる。塩基触媒ポリオキシアルキレンポリオールは、多量の低分子量単官能性種を含有する。4,000ダルトン(Da)の分子量のポリオキシプロピレンジオールでは、単官能性種の含有量は30〜40モルパーセントの間であり得る。そのような場合には、平均官能価は、公称又は理論官能価2.0から1.6〜1.7へ低下する。更に、多くの低分子量フラクションが存在するため、塩基触媒ポリオールは高い多分散性(Mw/Mn)を有する。
【0009】
ポリオキシプロピレンポリオール中の不飽和度及び付随するモノオールフラクションを下げることが、改善された特性を有するポリウレタン組成物を提供する手段としてもてはやされてきた。しばしば、相反する特性をバランスさせるべく、配合物を選択しなくてはならない。例えば、引張強度の増加は、伸びの減少を伴うことが多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、低モジュラス、高い伸び、高い引張強度及び溶媒耐性を包含する天然ゴムラテックス(NRL)の所望の特性を有し、NRLと関連するアレルギー反応などのような欠点を有さない薄膜を製造するために用い得るプレポリマーを提供するポリオールについての要請が、当業界に存在する。更に、ポリオールが、低モジュラス、高い伸び、高い引張強度及び溶媒耐性を有し、被覆剤、接着剤、シーリング材、エラストマーなどとして若しくはこれらの中での使用に適するUV硬化性ポリウレタン組成物を提供し得るとしたら、望ましいことであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
よって、本発明は、アルキレンオキシド、不飽和カルボン酸又は無水物及びヒドロキシ官能性化合物を、複合金属シアン化物(DMC)錯体触媒の存在下で共重合することによって製造される紫外線(UV)硬化性ポリオールを提供することによって当業界における上記要請を解決する。本発明の紫外線(UV)硬化性ポリオールは、イソシアネート及び少なくとも1つの光開始剤及び架橋剤と組み合わせて、低モジュラス、高い伸び、高い引張強度及び溶媒耐性を含む天然ゴムラテックス(NRL)の所望特性を有し、アレルギー反応などのようなNRLに関連する欠点を有さない薄膜を製造するためのプレポリマーを製造し得る。紫外線(UV)硬化は、本発明の紫外線(UV)硬化性ポリオールを含む上記の手袋又はフィルムのイソプロパノール(IPA)耐性を、引張特性に悪影響を及ぼすことなく、実質的に向上させる。
【0012】
更に、本発明は、イソシアネート、及びアルキレンオキシド、不飽和カルボン酸又は無水物及びヒドロキシ官能性化合物を共重合することによって製造され、超低レベルの不飽和度を有する紫外線(UV)硬化性ポリオールから製造される紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物を提供する。本発明の紫外線UV硬化性ポリウレタン組成物は、被覆剤、接着剤、シーリング材、エラストマーなどとして若しくはその中で使用し得る。
【0013】
本発明の上記及びに他の長所及び利点は、以下の本発明の詳細な説明から明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明を説明の目的で記述するが、何ら本発明を限定するものではない。実施例におけるもの又は特記する場合を除き、明細書中で量、パーセント、OH価、官能価などを表現する全ての数字は、全ての場合において、用語「約」によって修飾したものとして理解されるものとする。
【0015】
ここで、用語「NCO含有量」は、連鎖延長前のプレポリマーのイソシアネート基含有量を指称する。用語「分子量」は、特記しない限り数平均分子量を意味する。ポリエーテルグリコールについての数平均分子量は、それぞれ、S. L. Wellonらによる「ポリウレタンポリオール及び他のアルコールのヒドロキシル含有量測定」、分析化学、第52巻、第8号、第1374-1376頁(1980年7月)に記載されたイミダゾール-ピリジン触媒法によって測定されるポリエーテルグリコールのヒドロキシル価から決定される。ここで、Da(ダルトン)で表された分子量及び当量は、特記のない限り、それぞれ数平均分子量及び数平均当量である。
【0016】
本発明は、官能価2〜3を有するヒドロキシ官能性化合物30〜70重量%、不飽和カルボン酸又は無水物1〜10重量%、及びアルキレンオキシド20〜69重量%の反応生成物を含んでなり、反応が複合金属シアン化物(DMC)触媒の存在下で起こる、紫外線(UV)硬化性ポリオールを提供する。
【0017】
本発明はまた、少なくとも1つのイソシアネートと、官能価2〜3を有するヒドロキシ官能性化合物30〜70重量%、不飽和カルボン酸又は無水物1〜10重量%及びアルキレンオキシド20〜69重量%の反応生成物を含んでなる少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオールから製造され、少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオールが0.01meq/g未満の不飽和度を有する、紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物を提供する。
【0018】
本発明は更に、少なくとも1つのイソシアネートと、官能価2〜3を有するヒドロキシ官能性化合物30重量%〜70重量%、不飽和カルボン酸又は無水物1重量%〜10重量%及びアルキレンオキシド20重量%〜69重量%の、比率の合計が100%となるような反応生成物を含んでなる少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオールを反応させ、ここで、少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオールが0.01meq/g未満の不飽和度を有する工程と、紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物を硬化させる工程を含む、紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物の製造方法を提供する。
【0019】
本発明はまた更に、少なくとも1つのイソシアネートと、官能価2〜3を有するヒドロキシ官能性化合物30重量%〜70重量%、不飽和カルボン酸又は無水物1重量%〜10重量%及びアルキレンオキシド20重量%〜69重量%の、比率の合計が100%となるような反応生成物を含んでなる少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオールを含み、少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオールが0.01meq/g未満の不飽和度を有する紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物が塗布された基材を含んでなる被覆基材を提供する。
【0020】
アルキレンオキシドと不飽和カルボン酸又は無水物のコポリマーは、それが本発明の紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物に包含されてもされなくても、光硬化性である。本発明者らは、驚くべきことに、不飽和カルボン酸とシス-1,2,3,6-テトラヒドロフタル無水物などの無水物は、複合金属シアン化物(DMC)触媒の存在下で、プロピレンオキシド(PO)などのアルキレンオキシドと良好に共重合し得ることを見出した。この転化率は、低濃度のモノマーにおいてでさえ完全である。
【0021】
ヒドロキシ官能性化合物は、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリブチレンオキシド、プロピレンオキシドとエチレンオキシドのコポリマー、プロピレンオキシドとブチレンオキシドのコポリマー、ブチレンオキシドとエチレンオキシドのコポリマー、及びそれらの混合物であってよい。ポリオキシプロピレンは、ヒドロキシ官能性化合物として好適である。ヒドロキシ官能性化合物は、好ましくは、30〜70重量%、より好ましくは30〜60重量%、最も好ましくは40〜60重量%の量で用いられる。ヒドロキシ官能性化合物の官能価は、2〜3である。
【0022】
不飽和カルボン酸又は無水物は、少なくとも1つのC=C基と少なくとも1つのカルボン酸又は無水物基をもつ任意の化合物であってよい。具体例には、シス-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸及び無水物、並びにマレイン酸及び無水物が含まれる。シス-1,2,3,6-テトラヒドロフタル無水物は、不飽和カルボン酸又は無水物として好適である。不飽和カルボン酸又は無水物は、1〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%、最も好ましくは2〜5重量%の量で用い得る。
【0023】
アルキレンオキシドは、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、ブチレンオキシドなど、及びそれらの混合物であってよい。好ましくは、アルキレンオキシドはプロピレンオキシドである。アルキレンオキシドは、20〜60重量%、より好ましくは20〜50重量%、最も好ましくは25〜50重量%の量で用い得る。
【0024】
DMC触媒及びポリオキシアルキル化法における最近の進歩によって、超低不飽和度ポリオキシプロピレンポリオールの実用的な製造が可能となった。高分子量ポリオール、例えば4,000Da〜8,000Daの分子量範囲のものは、これらのDMC触媒で触媒する場合には、通常、0.004〜0.007meq/gの範囲の不飽和度を示す。このレベルの不飽和度では、単官能性種の量は、たった2モルパーセント以下である。その上、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)分析は、上記ポリオールがほとんど単分散であって、1.10未満の多分散性を示すことが多いことを示している。そのようなポリオールの多くは、本開示の譲受人によって、ACCLAIMポリオールとして市販されてきた。これらの超低不飽和度ポリオールは、従来のポリオールと低不飽和度ポリオールのいずれよりも定量的に相違することが判明した。
【0025】
従って、本発明の紫外線(UV)硬化性ポリオールを製造するために用いられる触媒は、好ましくは、複合金属シアン化物(DMC)触媒、例えば米国特許第5,470,813号及び第5,482,908号に開示されたようなものであり、ここに引用することによって、その記載内容の全体は本明細書の一部分を構成するものとする。上記文献に開示された触媒を使用することによって、0.004〜0.008の範囲の不飽和度レベルを達成し得る。
【0026】
製造の後に、本発明の紫外線(UV)硬化性ポリオールを、イソシアネートと直接反応させてポリウレタンを製造してよいし、若しくは、プレポリマー工程を経て、ポリオールを、過剰の所望するジイソシアネートと、好ましくは窒素雰囲気下にやや高い温度、即ち、50℃〜100℃、より好ましくは60℃〜90℃で反応させてもよい。イソシアネートと本発明の紫外線(UV)硬化性ポリオールの反応は、触媒させて行ってよいが、反応を触媒なしで行うのが一般には好ましい。プレポリマーを製造するために、イソシアネート含有量が一定になる時点まで、反応を進行させる。本発明のイソシアネート末端プレポリマーは、好ましくは、0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%、最も好ましくは1〜2重量%のNCO基含有量を有する。
【0027】
脂肪族並びに芳香族ジ-及びポリイソシアネートの両方を、本発明のプレポリマー及び紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物を製造するために使用してよい。ジイソシアネートは好適であるが、少量の、即ち、約20モルパーセント以下のトリ-又はより高い官能価のイソシアネートを含む場合も、本発明の範囲内である。好適なイソシアネートには、これらに限定されないが、直鎖脂肪族イソシアネート、例えば1,2-エチレンジイソシアネート、1,3-プロピレンジイソシアネート、1,4-ブチレンジイソシアネート、1,6-ヘキシレンジイソシアネート、1,8-オクチレンジイソシアネート、1,5-ジイソシアナト-2,2,4-トリメチルペンタン、3-オキソ-1,5-ペンタンジイソシアネートなど;脂環式ジイソシアネート、例えばイソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、好ましくは1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、完全水素化芳香族ジイソシアネート、例えば水素化テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素化トルエンジイソシアネート、及び水素化メチレンジフェニルレンジイソシアネート;及び芳香族ジイソシアネート、例えばトルエンジイソシアネート、特に2,4-異性体、メチレンジフェニルレンジイソシアネート、特に2,4'及び4,4'-メチレンジフェニルレンジイソシアネート(それぞれ、2,4'-及び4,4'-MDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど、が含まれる。それほど好適ではない芳香族ジイソシアネートには、2より大きな官能価を有するポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートが含まれる。1以上のジイソシアネートをそれ自身と、若しくは低分子量イソシアネート反応性化合物と反応させて、尿素変性、ウレタン変性、カルボジイミド変性、アロファネート変性、ウレトンイミン変性、ビウレット変性、及び他の変性イソシアネートを形成することによって製造される変性ジイソシアネートも好適であり、これらの多くは市販されている。1つより多くのイソシアネートを用いてもよい。2',4-トルエンジイソシアネート(2',4-TDI)は、特に好適である。
【0028】
本発明のポリウレタン組成物は、1以上の光開始剤を含み得る。適当な光開始剤には、例えば、芳香族ケトン化合物、例えばベンゾフェノン、アルキルベンゾフェノン、ミヒラーのケトン、アントロン及びハロゲン化ベンゾフェノンが含まれる。更に適当な化合物には、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、フェニルグリオキシル酸エステル、アントラキノン及びその誘導体、ベンジルケタール及びヒドロキシアルキルフェノンが含まれる。更なる適当な光開始剤の例には、2,2-ジエトキシアセトフェノン;2-又は3-又は4-ブロモアセトフェノン;3-又は4-アリル-アセトフェノン;2-アセトナフトン;ベンズアルデヒド;ベンゾイン;アルキルベンゾインエーテル;ベンゾフェノン;ベンゾキノン;1-クロロアントラキノン;p-ジアセチル-ベンゼン;9,10-ジブロモアントラセン9,10-ジクロロアントラセン;4,4-ジクロロベンゾフェノン; チオキサントン;イソプロピル-チオキサントン;メチルチオキサントン;α,α,α-トリクロロ-パラ-t-ブチルアセトフェノン;4-メトキシベンゾフェノン;3-クロロ-8-ノニルキサントン;3-ヨード-7-メトキシキサントン;カルバゾール;4-クロロ-4'-ベンジルベンゾフェノン;フルオロエン;フルオロエノン;1,4-ナフチルフェニルケトン;1,3-ペンタンジオン;2,2-ジ-sec.-ブトキシアセトフェノン;ジメトキシフェニルアセトフェノン;プロピオフェノン;イソプロピルチオキサントン;クロロチオキサントン;キサントン;マレイミド及びそれらの誘導体;及びそれらの混合物が含まれる。Cibaから市販されている多くの適当な光開始剤があり、IRGACURE 184(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン)、IRGACURE 819 フェニル(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド)、IRGACURE 1850(ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチル-ホスフィンオキシドと1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトンの50/50混合物)、IRGACURE 1700(ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチル-ホスフィンオキシドと2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンの25/75混合物)、IRGACURE 907(2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォロノプロパン-1-オン)、DAROCUR MBF(フェニルグリオキシル酸メチルエステル)、IRGACURE 2020光開始剤ブレンド(フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(IRG819)20重量%と2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-プロパノン(DAROCUR 1173)80重量%)、及びDAROCUR 4265(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシドと2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンの50/50混合物)が含まれる。上述のリストは、説明だけを意図したものであって、いかなる適当な光開始剤を排除することを意図するものでない。当業者が知っているように、光開始剤を効果的に使用する濃度は、特に臨界的ではないが、最終生成物に基づき、0.3〜10重量%、より好ましくは、1〜5重量%であり得る。
【0029】
光化学の分野における専門家は、上記の光開始剤と組み合わせて光活性剤を使用でき、そのような組み合わせを使用すると相乗効果が得られる場合があることを十分承知している。光活性剤は当業界で周知のため、それが何であって、効果的な濃度がどうであるかを知るために更に記述することを要さない。それでもやはり、適当な光活性剤の例として、メチルアミン、トリブチルアミン、メチルジエタノールアミン、2-アミノエチルエタノールアミン、アリルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロペンタジエニルアミン、ジフェニルアミン、ジトリルアミン、トリキシリルアミン、トリベンジルアミン、n-シクロヘキシルエチレンイミン、ピペリジン、N-メチルピペラジン、2,2-ジメチル-1,3-ビス(3-N-モルホリニル)-プロピオニルオキシプロパン、及びそれらの混合物を挙げることができる。
【0030】
硬化は、(ヒドロ)過酸化物などのフリーラジカルを場合により促進剤の存在下で発生する化合物、及びカチオン的にフェニルスルホニウム金属塩のような超酸の存在下で行ってもよい。
【0031】
本発明のプレポリマーは、当業者に既知の方法によって医療試験用及び実験用手袋に成形し得る薄膜を製造するために使用できる。本発明のジオール系プレポリマーの水分散体から製造される薄膜は、イソプロパノール(IPA)耐性において著しい改善を示す。紫外線(UV)硬化の利点の1つは、現開示中に示されたように、フィルムの物理特性(引張、モジュラス)における何らの重要な低下もなく、このIPA耐性が向上したことであった。
【0032】
本発明の紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物は、被覆剤、接着剤、シーリング材、エラストマーなどの製造において好適に使用し得る。特定の用途に応じて、本発明の紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物は、当業界で通常用いられる添加剤を含有してもよく、それらは限定されないが、分散剤、フロー助剤、増粘剤、消泡剤、脱気剤、顔料、充填材、フラットニング剤及び湿潤剤が含まれる。更に、被覆すべき物品が、被覆剤の一部が放射線にさらされ得ない形状を有している場合には、カルボキシル、ヒドロキシル、アミノ基又は湿気によって架橋する材料を添加することが可能である。そのような材料には、カルボジイミド、アジリジン、多価カチオン、メラミン/ホルムアルデヒド、エポキシ類、及びイソシアネートが含まれる。適当なカルボジイミドは既知であり、例えば、米国特許第5,104,928号、第5,574,083号、第5,936,043号、第6,194,522号、第6,300,409号及び第6,566,437号に記載されている。使用する場合には、上記架橋剤は、イソシアネートとUV硬化性ポリオールの合計量に基づき0.1〜35重量%の量とすべきである。
【0033】
被覆剤、接着剤、シーリング材、エラストマーなどの1つを製造するために、イソシアネートと紫外線(UV)硬化性ポリオールを、まず共に混合し、次いで任意の他の添加剤をそこに添加することができる。本発明の紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物は、当業者に既知の任意の方法によって様々な基材上に付与することができ、限定されるものではないが、吹付、ロール塗り、ナイフ塗布、流し込み、はけ塗り、浸漬、パテナイフ又はスキージーが含まれる。
【0034】
本発明の組成物は、多孔質基材と非多孔質基材のいずれにも良く適合する。非多孔質材料と適合すると、上記組成物を、広範囲の非多孔質ポリマー、例えばポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、他のポリエステル、ポリオレフィン、ポリメチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、ABS、ポリビニル、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、これらの組み合わせ等に、付与することが可能となる。放射線硬化はほとんど熱を生じさせないため、本発明の組成物を、感熱基材上に使用してもよい。本発明の組成物を、金属、ガラス及びセラミックに付与してもよい。
【0035】
本発明の紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物は、少なくとも300nm、好ましくは320〜450nmの波長を有する放射線源を用いて硬化できる。表面と放射線源の間の距離は、ランプ放射スペクトルと光開始剤吸収スペクトルのスペクトルの重なり、及びランプの強度に依存する。被覆基材が放射を受ける時間の長さは、ランプ放射スペクトルと光開始剤吸収スペクトルのスペクトルの重なり、放射線源からの距離、及びランプ強度、調製物中の溶媒含有量、硬化周囲の温度と湿度に依存するが、一般には10分未満であり、0.1秒と短くてもよい。
【0036】
この放射線は、減弱した赤外発光のUVランプ、又は赤外発光を除去するフィルターが装備されたUVランプ、又は上記範囲の波長で放射線を発光する所謂LED(発光素子)などの任意の適当な線源によって与えることができる。特に有用な市販装置は、Panacol-Elosol GmbH製:(PANACOL UV H-254及びPANACOL UVF-450ランプ);Honle UV America Inc.製(HONLE UVA HAND 250 CUL);Pro Motor Car Products Inc.製(PMP 250ワットメタルハライドランプ);H&S Autoshot製(CURE-TEK UVA-400);UV Process Supply Inc.製(CON-TROL-CURE SCARAB-250 UV-Aショップランプシステム、CON-TROL-CURE - UV LED CURE-ALL 415、CON-TROL-CURE - UV LED CURE-ALL 390);UV Light Technologies製(UV H253 UVランプ);Phoseon Technology製(固体状態高強力UV光源を用いて硬化するRADION RX10モジュール);Quantum Technologies製(低強力マイクロ波UVシステムモデルQUANT-18/36);Inretech Technologies製(WORKLED);Inretechn Technologies製(20xLEDアダプター付フラッシュライトMC);及びPhillips製(放射線出力が380nmを超えるTL03ランプ)から入手できる。
【0037】
以下の実施例によって本発明を更に説明するが、これによって何ら限定されるものではない。「部」及び「パーセント」で表した全ての量は、特記しない限り重量によるものと理解される。
【実施例】
【0038】
ポリオールA
プロピレンオキシド中でのテトラヒドロフタル無水物3.9重量%のモノマー混合物を用いたプロピレンオキシドとシス-1,2,3,6-テトラヒドロフタル無水物の4,000MWコポリマーを、450MWポリオキシプロピレンジオール(105g)スターターと本質的に米国特許第5,482,908号の方法によって調製されたDMC触媒(0.0504g、最終ポリオール生成物量に基づき50ppm)を1.5リットル反応器に充填することによって調製した。混合物を撹拌し、130℃に加熱し、真空下で30分間ストリップして、ジオールスターターから水の痕跡を除去した。ストリップ後、プロピレンオキシドとシス-1,2,3,6-テトラヒドロフタル無水物(テトラヒドロフタル無水物3.9重量%)(15g)の混合物を、最初は約30in.Hgの真空下で、反応器へ仕込み、反応器圧を監視した。加速された圧力降下が反応器内で起こるまで、追加のモノマー混合物を添加しなかった。圧力降下は、触媒活性化を示している。触媒活性化を確認した後、プロピレンオキシドとシス-1,2,3,6-テトラヒドロフタル無水物(860g)の残りの混合物を約4時間かけて徐々に添加した。モノマー添加を完了した後、一定圧力が観測されるまで、反応器混合物を130℃に保持した。80℃にて真空下で30分間、ポリオール生成物から、残りの未反応モノマーをストリップした。
【0039】
標準的方法によって生成物のヒドロキシル価と粘度を測定したところ、それぞれ30mgKOH/g及び1003cpsであった。
【0040】
ポリオールB
上記生成物の後に、プロピレンオキシド中でのテトラヒドロフタル無水物1.9重量%のモノマー混合物を用いることによって、プロピレンオキシド中でのテトラヒドロフタル無水物1.9重量%のモノマー混合物を用いたプロピレンオキシドとシス-1,2,3,6-テトラヒドロフタル無水物の4,000MWコポリマーを製造した。生成物のヒドロキシル価と粘度は、それぞれ28.4mgKOH/g及び1163cpsであった。
【0041】
上記ポリオールから手袋を製造する方法は、下記5つの個々の工程を含むものであった。
(1)プレポリマーを製造する工程;
(2)プレポリマーを中和する工程;
(3)連鎖延長工程;
(4)プレポリマーを水中に分散させる工程;及び
(5)手袋浸漬工程。
【0042】
最初の2工程を以下に詳説する。

プレポリマー及び中和
単一の「半月」型テフロン(登録商標)撹拌機を含む標準的なバッフルのない丸底フラスコ中で、プレポリマー反応及び中和の工程を行った。電気加熱マントルによって反応器を加熱したが、温度制御は一般に±1℃以内である。
【0043】
実験に先立ち、反応器へポリオール(ジオール(ポリオールA又はB))508.5g、LHT-240(Bayer Polymers LLCから市販されている分子量700のポリオキシプロピレンポリオール)4.0g、n-メチルピロリジノン(NMP)70g、及びジメチロールプロピオン酸(DMPA)24gを充填した。この混合物を100℃に加熱してDMPAを溶解し、50mmHgに排気して水分レベルを約100〜150PPMに低下させた。ストリップの最後にカールフィッシャー水分分析を行って、最終水分濃度を確認した。真空度を約50mmHgに制御すると共に水分の揮散を助けるため、窒素散布を用いた。水分レベルが所望レベルに到達したら、反応器を約60℃に冷却した。Bayer Polymers LLCからMONDUR TDSとして市販されている2',4-トルエンジイソシアネート(2',4-TDI)(93.5g)と、トリメチロールプロパントリアクリレート(10.0g)をポリオールに添加した。TDIの添加によって約15〜20℃の発熱を生じ、その後、反応器温度を所望の試験温度80℃に設定した。全てのポリオールとDMPAがイソシアネート(目標NCO)と反応するまで、反応器を80℃及び常圧に維持した。次のプレポリマー調製物を、ここで記載する加工物の基準とした:1.60NCO/OH(イソシアネートとしての2',4-TDIによる)、1.25%COOH(カルボン酸塩としてのDMPAによる)及び10%NMP(溶媒)。
【0044】
反応が完結(目標NCO値に到達)した後、反応器を約30〜40℃に冷却し、トリエチルアミン(TEA)(17.25g)を添加してプレポリマーを中和した。十分なTEAを添加して、カルボン酸塩(DMPA)の95〜100%を中和した。プレポリマーを15〜30分間混合して、TEAとの反応の完結を確実なものとした。水を含有する分散容器中へ、中和されたプレポリマーを注ぎ込んだ(下記を参照)。
【0045】
分散及びフィルム製造
目標割合の固形分(約40%)となるように、分散容器(開口、未加熱、バッフル付、円筒型スチールタンク)へ十分な脱イオン水を予備充填し、撹拌した(COWLES分散機により約10hp/1000gal)。中和したプレポリマーを水中に添加した(2〜3分かけて)。貯蔵容器中へ注ぎ込む前に、分散体を約60分間撹拌した。この工程の間に、小さなフォーム層(0.25インチ〜1インチ)が表面上に形成された。
【0046】
分散体は、フィルム又は浸漬手袋を製造することによって評価し得る。フィルムを製造する方法はかなり単純なので、本発明の分散体の物理特性を評価するためにこれを用いた。この方法では、分散体を、平坦な表面(ガラス又はマイラー)上に均一に拡げ、一晩乾燥させ、120℃で約45分間加熱し、その時間の後に、フィルムのIPA耐性と引張特性を分析した。標準的評価は下記のとおりであった。
【0047】
「イソプロパノール(IPA)膨潤パーセント」は、0.005〜0.007インチ厚のフィルム又は手袋の切片から1インチ径の円を打ち抜く試験である。試料を周囲温度にて特定時間、例えば10分間、IPA70%/水30%のビーカー中に浸した。円の直径を時間の関数として測定した。例えば、直径が1インチから1.25インチへ増加した場合には、膨潤パーセントを25%と記録した。理想的には、膨潤は無視できる程であるべきだが、50%より小さな値なら当業者によって妥当とみなされる。膨潤パーセントは非常に厚みに対して敏感であるため、IPA膨潤パーセントについて評価した試料の全てが上記厚み範囲内であることが重要である。IPAが試料中へ拡散する十分な時間を有さないため、厚い試料は膨潤が少ない傾向にある。
【0048】
「300%IPA伸縮試験」は、IPA/水で湿らせた小さなペーパータオルによってフィルム表面を簡単にこすりながら、フィルムの長方形断面(一般に0.005〜0.007インチ厚)を原長の4倍(300%)に伸長させることを含むものであった。フィルムが破れるか、又は2分が経過するまで(いずれか最初に起こる方)、伸長させた位置でフィルムを維持した。フィルムが2分以内に破れなかった場合には、IPA耐性は良好とみなした。
【0049】
破断時の引張強度(psi)と伸び(%)のデータ、及び100%時モジュラス(psi)は、ASTM D412に従い、INSTRON万能試験機を用いて決定した。適切な場合には、エラストマー伸び計を用いて伸びを記録した。ある場合には、1インチ標線と伸び定規を用いて、又はジョーセパレーションによって、伸びを記録した。
【0050】
【表1】

【0051】
トリメチロールプロパントリアクリレートと2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-オン(CIBA 651)を光開始剤として、プレポリマーを製造した。IPA70%/水30%中で膨潤試験を行った。フィルム厚は約0.0074インチである。
【0052】
本発明のポリオールによって製造されたプレポリマーの水分散体から製造した薄膜は、IPA耐性において著しい向上を示した。フィルムのIPA耐性は、周囲温度にて10分間、70/30のIPA/水の溶液中に浸した後、フィルムの膨潤パーセントとして測定した。表Iを参照することによって分かるように、何らUV硬化をしないで製造したフィルムである対照品は、IPA浸漬後に100%膨潤を示した(ポリオールA)。UV硬化後は、フィルムはIPA溶液中で50%だけ膨潤した。再び表Iを参照すると、ポリオールBを用いると、膨潤はUV硬化後も減少した。UV硬化の利点の一つは、表Iに示したように、フィルムの物理特性(引張、伸び及びモジュラス)が何ら著しく低下することなく、IPA耐性が向上することである。
【0053】
本発明者らは、ポリオール骨格上にランダムに分布したシス-1,2,3,6-テトラヒドロフタル無水物2〜4重量パーセントによって、広範囲の28-OHトリオール及びジオールを製造した。これらのポリオールは、無水物の不飽和度によってUV硬化性であった。本発明者らは、光開始剤に加えてトリメチロールプロパントリアクリレートなどのような少量の架橋剤を使用すると、架橋反応が増進されることも見出した。
【0054】
プロピレンオキシド/無水マレイン酸コポリマーの合成
425MWポリプロピレングリコール(213g;0.5モル、Bayer MaterialScienceからPPG-425として市販)、無水マレイン酸(148g;1.51モル)及びDMC触媒(0.2g)を、清浄で乾燥した1リットルのポリオール反応器へ充填した。窒素パージを伴う真空下(0.5psia)で、混合物を撹拌しながら加熱し、130℃で30分間保持してポリオールから水の痕跡を除去した。真空バルブを閉じることによって反応器を閉鎖し、プロピレンオキシド(50g;0.86モル)を10g/分の速度で反応器中へ導入した。活性化仕込みの終わりに、反応器中の圧力が22psiaに上昇した。活性化仕込みが完了して約10分後に、圧力は10ポンドに低下し、触媒が活性化したことを示した。反応温度を130℃に維持しながら,更にプロピレンオキシド(390g;6.70モル)を3.5時間にわたって添加した。仕込み後、混合物を更に30分かき混ぜ、真空ストリップを30分間(いずれも130℃で)行った。生成物を60℃に冷却し、反応器から排出して透明な黄色液体776gを生じた。
【0055】
生成物を分析したところ、ヒドロキシル価70.9mgKOH/g(理論値=70.3)、数平均分子量1261g/mole、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定された多分散性は1.25であった。GPCによれば、ポリオール中に残存する無水マレイン酸モノマーは確認されなかった。
【0056】
実施例1〜3
上述の手順を用いて製造したプロピレンオキシド/無水マレイン酸ポリオール(100部)を、イソシアネート含有脂肪族ウレタンアクリレート(Bayer MaterialScienceからROSKYDAL 2337として市販)32.8部、光開始剤(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシドと2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンの50/50混合物であって、Ciba Specialty ChemicalsからDAROCUR 4265として市販)9.3部、第二の光開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、Ciba Specialty ChemicalsからIRGACURE 184として市販)2.2部、ジブチル錫ジラウレート(Air ProductsからDABCO T12として市販)1.2部、有機官能性シリコーン油(Bayer AGからBAYSILONE OL44として市販)3部及び酢酸ブチル100部とよく混合した。この溶媒系調製物を鋼板上に引き落とし、下表IIに示した様々な条件下で硬化し、MEK二重摩擦試験に付した。MEK二重摩擦試験は、溶媒耐性を決定するための当業界に既知の標準試験である。この試験は、布をメチルエチルケトンで飽和させ、被覆板を、被覆表面上での1回の完全な順・逆方向動作で擦ることを含むものである。
【0057】
【表2】

【0058】
* H&S Autoshot 低強力UVA400ランプを使用
【0059】
表IIを参照すれば分かるように、二重結合のUV硬化によって、本発明の紫外線(UV)硬化性ポリオールを用いて製造したポリウレタン被覆剤の溶媒耐性が大きく改善される。
【0060】
実施例4及び5
上述した手順を用いて製造したプロピレンオキシド/無水マレイン酸ポリオール(100部)を、イソシアネート脂肪族三量体(Bayer MaterialScienceからDESMODUR N3600として市販)18.8部、光開始剤(DAROCUR 4265)9.3部、第二の光開始剤(IRGACURE 184)2.2部、ジブチル錫ジラウレート(DABCO T12)1.2部、BAYSILONE OL44を3部及び酢酸ブチル100部とよく混合した。この溶媒系調製物を鋼板上に引き落とし、下表IIIに示した様々な条件下で硬化し、MEK二重摩擦試験に付した。結果を下表IIIにまとめる。
【0061】
【表3】

【0062】
* H&S Autoshot 低強力UVA400ランプを使用
【0063】
表IIIを参照すれば分かるように、二重結合のUV硬化によって、本発明の紫外線(UV)硬化性ポリオールを用いて製造したポリウレタン被覆剤の溶媒耐性が大きく改善される。
【0064】
本発明の上記実施例は、限定ではなく説明の目的で提示したものである。ここに記載した態様を、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、様々な方法で変形又は修正し得ることは、当業者にとって明らかである。本発明の範囲は、添付されたクレームによって評価されるべきものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約2〜約3の官能価を有するヒドロキシ官能性化合物約30重量%〜約70重量%;
不飽和カルボン酸又は無水物約1重量%〜約10重量%;及び
アルキレンオキシド約20重量%〜約69重量%の、比率の合計が100%となるような反応生成物を含んでなる紫外線(UV)硬化性ポリオールであって、
紫外線(UV)硬化性ポリオールを製造する反応は複合金属シアン化物(DMC)触媒の存在下で起こる、紫外線(UV)硬化性ポリオール。
【請求項2】
ヒドロキシ官能性化合物は、ポリオール約30重量%〜約60重量%を含む、請求項1に記載の紫外線(UV)硬化性ポリオール。
【請求項3】
ヒドロキシ官能性化合物は、ポリオール約40重量%〜約60重量%を含む、請求項1に記載の紫外線(UV)硬化性ポリオール。
【請求項4】
ヒドロキシ官能性化合物は、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリブチレンオキシド、プロピレンオキシドとエチレンオキシドのコポリマー、プロピレンオキシドとブチレンオキシドのコポリマー、ブチレンオキシドとエチレンオキシドのコポリマー、及びそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の紫外線(UV)硬化性ポリオール。
【請求項5】
不飽和カルボン酸又は無水物は、ポリオール約1重量%〜約5重量%を含む、請求項1に記載の紫外線(UV)硬化性ポリオール。
【請求項6】
不飽和カルボン酸又は無水物は、ポリオール約2重量%〜約5重量%を含む、請求項1に記載の紫外線(UV)硬化性ポリオール。
【請求項7】
不飽和カルボン酸又は無水物は、シス-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、シス-1,2,3,6-テトラヒドロフタル無水物、マレイン酸、無水マレイン酸及びそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の紫外線(UV)硬化性ポリオール。
【請求項8】
アルキレンオキシドは、ポリオール約20重量%〜約50重量%を含む、請求項1に記載の紫外線(UV)硬化性ポリオール。
【請求項9】
アルキレンオキシドは、ポリオール約25重量%〜約50重量%を含む、請求項1に記載の紫外線(UV)硬化性ポリオール。
【請求項10】
アルキレンオキシドは、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、ブチレンオキシド及びそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の紫外線(UV)硬化性ポリオール。
【請求項11】
実験用手袋及び医療試験用手袋の一方を製造する方法であって、請求項1に記載の紫外線(UV)硬化性ポリオールを含む改善を含んでなる方法。
【請求項12】
約2〜約3の官能価を有するヒドロキシ官能性化合物約30重量%〜約70重量%;
不飽和カルボン酸又は無水物約1重量%〜約10重量%;及び
アルキレンオキシド約20重量%〜約69重量%を、比率の合計が100%となるように、
複合金属シアン化物(DMC)触媒の存在下で反応させることを含む、紫外線(UV)硬化性ポリオールの製造方法。
【請求項13】
ヒドロキシ官能性化合物は、ポリオール約30重量%〜約60重量%を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ヒドロキシ官能性化合物は、ポリオール約40重量%〜約60重量%を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
ヒドロキシ官能性化合物は、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリブチレンオキシド、プロピレンオキシドとエチレンオキシドのコポリマー、プロピレンオキシドとブチレンオキシドのコポリマー、ブチレンオキシドとエチレンオキシドのコポリマー、及びそれらの混合物から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
不飽和カルボン酸又は無水物は、ポリオール約1重量%〜約5重量%を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
不飽和カルボン酸又は無水物は、ポリオール約2重量%〜約5重量%を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
不飽和カルボン酸又は無水物は、シス-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、シス-1,2,3,6-テトラヒドロフタル無水物、マレイン酸、無水マレイン酸及びそれらの混合物から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
アルキレンオキシドは、ポリオール約20重量%〜約50重量%を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
アルキレンオキシドは、ポリオール約25重量%〜約50重量%を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
アルキレンオキシドは、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、ブチレンオキシド及びそれらの混合物から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項22】
実験用手袋及び医療試験用手袋の一方を製造する方法であって、請求項12に記載の方法により製造された紫外線(UV)硬化性ポリオールを含む改善を含んでなる方法。
【請求項23】
約2〜約3の官能価を有するポリオキシプロピレンジオール約30重量%〜約70重量%;
シス-1,2,3,6-テトラヒドロフタル無水物約1重量%〜約10重量%;及び
プロピレンオキシド約20重量%〜約69重量%の、比率の合計が100%となるような反応生成物を含んでなる紫外線(UV)硬化性ポリオールであって、
紫外線(UV)硬化性ポリオールを製造する反応は複合金属シアン化物(DMC)触媒の存在下で起こる、紫外線(UV)硬化性ポリオール。
【請求項24】
実験用手袋及び医療試験用手袋の一方を製造する方法であって、請求項23に記載の紫外線(UV)硬化性ポリオールを含む改善を含んでなる方法。
【請求項25】
約2〜約3の官能価を有するポリオキシプロピレンジオール約30重量%〜約70重量%;
シス-1,2,3,6-テトラヒドロフタル無水物約1重量%〜約10重量%;及び
プロピレンオキシド約20重量%〜約69重量%を、比率の合計が100%となるように、
複合金属シアン化物(DMC)触媒の存在下で反応させることを含んでなる、紫外線(UV)硬化性ポリオールの製造方法。
【請求項26】
実験用手袋及び医療試験用手袋の一方を製造する方法であって、請求項25に記載の方法により製造された紫外線(UV)硬化性ポリオールを含む改善を含んでなる方法。
【請求項27】
約2〜約3の官能価を有するヒドロキシ官能性化合物約30重量%〜約70重量%、
不飽和カルボン酸又は無水物約1重量%〜約10重量%、及び
アルキレンオキシド約20重量%〜約69重量%の、比率の合計が100%となるような反応生成物を含んでなる紫外線(UV)硬化性ポリオールであって、紫外線(UV)硬化性ポリオールを製造する反応は複合金属シアン化物(DMC)触媒の存在下で起こる、紫外線(UV)硬化性ポリオールと;
化学量論過剰の少なくとも1つのイソシアネート;
の反応生成物を含んでなるイソシアネート-末端プレポリマー。
【請求項28】
ヒドロキシ官能性化合物は、紫外線(UV)硬化性ポリオール約30重量%〜約60重量%を含む、請求項27に記載のイソシアネート-末端プレポリマー。
【請求項29】
ヒドロキシ官能性化合物は、紫外線(UV)硬化性ポリオール約40重量%〜約60重量%を含む、請求項27に記載のイソシアネート-末端プレポリマー。
【請求項30】
ヒドロキシ官能性化合物は、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリブチレンオキシド、プロピレンオキシドとエチレンオキシドのコポリマー、プロピレンオキシドとブチレンオキシドのコポリマー、ブチレンオキシドとエチレンオキシドのコポリマー、及びそれらの混合物から選択される、請求項27に記載のイソシアネート-末端プレポリマー。
【請求項31】
不飽和カルボン酸又は無水物は、紫外線(UV)硬化性ポリオール約1重量%〜約5重量%を含む、請求項27に記載のイソシアネート-末端プレポリマー。
【請求項32】
不飽和カルボン酸又は無水物は、紫外線(UV)硬化性ポリオール約2重量%〜約5重量%を含む、請求項27に記載のイソシアネート-末端プレポリマー。
【請求項33】
不飽和カルボン酸又は無水物は、シス-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、シス-1,2,3,6-テトラヒドロフタル無水物、マレイン酸、無水マレイン酸及びそれらの混合物から選択される、請求項27に記載のイソシアネート-末端プレポリマー。
【請求項34】
アルキレンオキシドは、紫外線(UV)硬化性ポリオール約20重量%〜約50重量%を含む、請求項27に記載のイソシアネート-末端プレポリマー。
【請求項35】
アルキレンオキシドは、紫外線(UV)硬化性ポリオール約25重量%〜約50重量%を含む、請求項27に記載のイソシアネート-末端プレポリマー。
【請求項36】
アルキレンオキシドは、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、ブチレンオキシド及びそれらの混合物から選択される、請求項27に記載のイソシアネート-末端プレポリマー。
【請求項37】
少なくとも1つのイソシアネートは、1,2-エチレンジイソシアネート、1,3-プロピレンジイソシアネート、1,4-ブチレンジイソシアネート、1,6-ヘキシレンジイソシアネート、1,8-オクチレンジイソシアネート、1,5-ジイソシアナト-2,2,4-トリメチルペンタン、3-オキソ-1,5-ペンタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、水素化テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素化トルエンジイソシアネート、水素化メチレンジフェニルレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルレンジイソシアネート及びポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートから選択される、請求項27に記載のイソシアネート-末端プレポリマー。
【請求項38】
少なくとも1つのイソシアネートは、2',4-トルエンジイソシアネート(2',4-TDI)である、請求項27に記載のイソシアネート-末端プレポリマー。
【請求項39】
少なくとも光開始剤、光活性剤及び架橋剤の少なくとも1つを更に含む、請求項27に記載のイソシアネート-末端プレポリマー。
【請求項40】
実験用手袋及び医療試験用手袋の一方を製造する方法であって、請求項27に記載のイソシアネート-末端プレポリマーを含む改善を含んでなる方法。
【請求項41】
約2〜約3の官能価を有するヒドロキシ官能性化合物約30重量%〜約70重量%、
不飽和カルボン酸又は無水物約1重量%〜約10重量%、及び
アルキレンオキシド約20重量%〜約69重量%の、比率の合計が100%となるような反応生成物を含んでなる紫外線(UV)硬化性ポリオールであって、紫外線(UV)硬化性ポリオールを製造する反応は複合金属シアン化物(DMC)触媒の存在下で起こる、紫外線(UV)硬化性ポリオールと;
化学量論過剰の少なくとも1つのイソシアネート、
を反応させることを含んでなるイソシアネート-末端プレポリマーの製造方法。
【請求項42】
ヒドロキシ官能性化合物は、紫外線(UV)硬化性ポリオール約30重量%〜約60重量%を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
ヒドロキシ官能性化合物は、紫外線(UV)硬化性ポリオール約40重量%〜約60重量%を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
ヒドロキシ官能性化合物は、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリブチレンオキシド、プロピレンオキシドとエチレンオキシドのコポリマー、プロピレンオキシドとブチレンオキシドのコポリマー、ブチレンオキシドとエチレンオキシドのコポリマー、及びそれらの混合物から選択される、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
不飽和カルボン酸又は無水物は、紫外線(UV)硬化性ポリオール約1重量%〜約5重量%を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
不飽和カルボン酸又は無水物は、紫外線(UV)硬化性ポリオール約2重量%〜約5重量%を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項47】
不飽和カルボン酸又は無水物は、シス-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、シス-1,2,3,6-テトラヒドロフタル無水物、マレイン酸、無水マレイン酸及びそれらの混合物から選択される、請求項41に記載の方法。
【請求項48】
アルキレンオキシドは、紫外線(UV)硬化性ポリオール約20重量%〜約50重量%を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項49】
アルキレンオキシドは、紫外線(UV)硬化性ポリオール約25重量%〜約50重量%を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項50】
アルキレンオキシドは、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、ブチレンオキシド、及びそれらの混合物から選択される、請求項41に記載の方法。
【請求項51】
少なくとも1つのイソシアネートは、1,2-エチレンジイソシアネート、1,3-プロピレンジイソシアネート、1,4-ブチレンジイソシアネート、1,6-ヘキシレンジイソシアネート、1,8-オクチレンジイソシアネート、1,5-ジイソシアナト-2,2,4-トリメチルペンタン、3-オキソ-1,5-ペンタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、水素化テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素化トルエンジイソシアネート、水素化メチレンジフェニルレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルレンジイソシアネート及びポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートから選択される、請求項41に記載の方法。
【請求項52】
少なくとも1つのイソシアネートは、2',4-トルエンジイソシアネート(2',4-TDI)である、請求項41に記載の方法。
【請求項53】
イソシアネート-末端プレポリマーは、少なくとも光開始剤、光活性剤及び架橋剤の少なくとも1つを更に含む、請求項41に記載の方法。
【請求項54】
実験用手袋及び医療試験用手袋の一方を製造する方法であって、請求項41に記載の方法により製造されたイソシアネート-末端プレポリマーを含む改善を含んでなる方法。
【請求項55】
少なくとも1つのイソシアネート;及び
約2〜約3の官能価を有するヒドロキシ官能性化合物約30重量%〜約70重量%;
不飽和カルボン酸又は無水物約1重量%〜約10重量%;及び
アルキレンオキシド約20重量%〜約69重量%の、比率の合計が100%となるような反応生成物を含んでなり、約0.01meq/g未満の不飽和度を有する、少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオール、
を含んでなる紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物。
【請求項56】
ヒドロキシ官能性化合物は、少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオール約30重量%〜約60重量%を含む、請求項55に記載の紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物。
【請求項57】
ヒドロキシ官能性化合物は、少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオール約40重量%〜約60重量%を含む、請求項55に記載の紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物。
【請求項58】
ヒドロキシ官能性化合物は、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリブチレンオキシド、プロピレンオキシドとエチレンオキシドのコポリマー、プロピレンオキシドとブチレンオキシドのコポリマー、ブチレンオキシドとエチレンオキシドのコポリマー、及びそれらの混合物から選択される、請求項55に記載の紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物。
【請求項59】
不飽和カルボン酸又は無水物は、少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオール約1重量%〜約5重量%を含む、請求項55に記載の紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物。
【請求項60】
不飽和カルボン酸又は無水物は、少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオール約2重量%〜約5重量%を含む、請求項55に記載の紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物。
【請求項61】
不飽和カルボン酸又は無水物は、シス-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、シス-1,2,3,6-テトラヒドロフタル無水物、マレイン酸、無水マレイン酸及びそれらの混合物から選択される、請求項55に記載の紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物。
【請求項62】
アルキレンオキシドは、少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオール約20重量%〜約50重量%を含む、請求項55に記載の紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物。
【請求項63】
アルキレンオキシドは、少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオール約25重量%〜約50重量%を含む、請求項55に記載の紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物。
【請求項64】
アルキレンオキシドは、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、ブチレンオキシド及びそれらの混合物から選択される、請求項55に記載の紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物。
【請求項65】
イソシアネートは、1,2-エチレンジイソシアネート、1,3-プロピレンジイソシアネート、1,4-ブチレンジイソシアネート、1,6-ヘキシレンジイソシアネート、1,8-オクチレンジイソシアネート、1,5-ジイソシアナト-2,2,4-トリメチルペンタン、3-オキソ-1,5-ペンタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、水素化テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素化トルエンジイソシアネート、水素化メチレンジフェニルレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート及びイソシアネート-末端プレポリマーから選択される、請求項55に記載の紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物。
【請求項66】
少なくとも光開始剤、光活性剤及び架橋剤の少なくとも1つを更に含む、請求項55に記載の紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物。
【請求項67】
紫外線(UV)硬化性ポリオールは、約0.004〜約0.008meq/gの不飽和度を有する、請求項55に記載の紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物。
【請求項68】
請求項55に記載の紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物を含有する、被覆剤、接着剤、シーリング材又はエラストマー。
【請求項69】
被覆剤、接着剤、シーリング材及びエラストマーのいずれかの製造方法であって、請求項59に記載の紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物を含む改善を含んでなる方法。
【請求項70】
下記工程:
少なくとも1つのイソシアネートと、
約2〜約3の官能価を有するヒドロキシ官能性化合物約30重量%〜約70重量%、
不飽和カルボン酸又は無水物約1重量%〜約10重量%、及び
アルキレンオキシド約20重量%〜約69重量%の、比率の合計が100%となるような反応生成物を含んでなり、約0.01meq/g未満の不飽和度を有する、少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオールを反応させる工程;及び
紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物を硬化させる工程、
を含んでなる、紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物の製造方法。
【請求項71】
ヒドロキシ官能性化合物は、少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオール約30重量%〜約60重量%を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
ヒドロキシ官能性化合物は、少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオール約40重量%〜約60重量%を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項73】
ヒドロキシ官能性化合物は、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリブチレンオキシド、プロピレンオキシドとエチレンオキシドのコポリマー、プロピレンオキシドとブチレンオキシドのコポリマー、ブチレンオキシドとエチレンオキシドのコポリマー、及びそれらの混合物から選択される、請求項70に記載の方法。
【請求項74】
不飽和カルボン酸又は無水物は、少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオール約1重量%〜約5重量%を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項75】
不飽和カルボン酸又は無水物は、少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオール約2重量%〜約5重量%を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項76】
不飽和カルボン酸又は無水物は、シス-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、シス-1,2,3,6-テトラヒドロフタル無水物、マレイン酸、無水マレイン酸及びそれらの混合物から選択される、請求項70に記載の方法。
【請求項77】
アルキレンオキシドは、少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオール約20重量%〜約50重量%を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項78】
アルキレンオキシドは、少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオール約25重量%〜約50重量%を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項79】
アルキレンオキシドは、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、ブチレンオキシド及びそれらの混合物から選択される、請求項70に記載の方法。
【請求項80】
イソシアネートは、1,2-エチレンジイソシアネート、1,3-プロピレンジイソシアネート、1,4-ブチレンジイソシアネート、1,6-ヘキシレンジイソシアネート、1,8-オクチレンジイソシアネート、1,5-ジイソシアナト-2,2,4-トリメチルペンタン、3-オキソ-1,5-ペンタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、水素化テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素化トルエンジイソシアネート、水素化メチレンジフェニルレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート及びイソシアネート-末端プレポリマーから選択される、請求項70に記載の方法。
【請求項81】
少なくとも光開始剤、光活性剤及び架橋剤の少なくとも1つを添加する工程を更に含む、請求項70に記載の方法。
【請求項82】
紫外線(UV)硬化性ポリオールは、約0.004〜約0.008meq/gの不飽和度を有する、請求項70に記載の方法。
【請求項83】
請求項70に記載の方法により製造された紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物を含む、被覆剤、接着剤、シーリング材又はエラストマー。
【請求項84】
被覆剤、接着剤、シーリング材及びエラストマーのいずれかの製造方法であって、請求項70に記載の方法により製造された紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物を含む改善を含んでなる方法。
【請求項85】
少なくとも1つのイソシアネートと、約2〜約3の官能価を有するヒドロキシ官能性化合物約30重量%〜約70重量%、不飽和カルボン酸又は無水物約1重量%〜約10重量%、及びアルキレンオキシド約20重量%〜約69重量%の、比率の合計が100%となるような反応生成物を含んでなり、約0.01meq/g未満の不飽和度を有する、少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオールを含んでなる紫外線(UV)硬化性ポリウレタン組成物が塗布された基材を含んでなる被覆基材。
【請求項86】
ヒドロキシ官能性化合物は、少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオール約30重量%〜約60重量%を含む、請求項85に記載の被覆基材。
【請求項87】
ヒドロキシ官能性化合物は、少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオール約40重量%〜約60重量%を含む、請求項85に記載の被覆基材。
【請求項88】
ヒドロキシ官能性化合物は、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリブチレンオキシド、プロピレンオキシドとエチレンオキシドのコポリマー、プロピレンオキシドとブチレンオキシドのコポリマー、ブチレンオキシドとエチレンオキシドのコポリマー、及びそれらの混合物から選択される、請求項85に記載の被覆基材。
【請求項89】
不飽和カルボン酸又は無水物は、少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオール約1重量%〜約5重量%を含む、請求項85に記載の被覆基材。
【請求項90】
不飽和カルボン酸又は無水物は、少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオール約2重量%〜約5重量%を含む、請求項85に記載の被覆基材。
【請求項91】
不飽和カルボン酸又は無水物は、シス-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、シス-1,2,3,6-テトラヒドロフタル無水物、マレイン酸、無水マレイン酸及びそれらの混合物から選択される、請求項85に記載の被覆基材。
【請求項92】
アルキレンオキシドは、少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオール約20重量%〜約50重量%を含む、請求項85に記載の被覆基材。
【請求項93】
アルキレンオキシドは、少なくとも1つの紫外線(UV)硬化性ポリオール約25重量%〜約50重量%を含む、請求項85に記載の被覆基材。
【請求項94】
アルキレンオキシドは、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、ブチレンオキシド及びそれらの混合物から選択される、請求項85に記載の被覆基材。
【請求項95】
イソシアネートは、1,2-エチレンジイソシアネート、1,3-プロピレンジイソシアネート、1,4-ブチレンジイソシアネート、1,6-ヘキシレンジイソシアネート、1,8-オクチレンジイソシアネート、1,5-ジイソシアナト-2,2,4-トリメチルペンタン、3-オキソ-1,5-ペンタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、水素化テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素化トルエンジイソシアネート、水素化メチレンジフェニルレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート及びイソシアネート-末端プレポリマーから選択される、請求項85に記載の被覆基材。
【請求項96】
少なくとも光開始剤、光活性剤及び架橋剤の少なくとも1つを更に含む、請求項85に記載の被覆基材。

【公表番号】特表2007−512422(P2007−512422A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541328(P2006−541328)
【出願日】平成16年11月15日(2004.11.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/038422
【国際公開番号】WO2005/049748
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(503349707)バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (178)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience LLC
【Fターム(参考)】