説明

紫外線走査計画のための方法及び装置

本発明は、固体支持体上に置かれた1つ又は複数の略円形の組織試料の位置を見つけるための方法を提供する。この方法は、組織試料上に組織試料を自己蛍光させる所定の波長の光を送る段階と、自己蛍光光を用いて組織試料の中心位置を識別する段階と、固体支持体の組織試料の中心位置の座標を、xy座標系を用いて相関させる段階と、固体支持体上の領域を含む組織試料を空白領域から区別するために、固体支持体上の組織試料の座標をマッピングする段階とを含む。第2の態様では、本発明は、固体支持体上に置かれた1つ又は複数の略円形の組織試料の位置を見つけるための装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線走査計画のための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
顕微鏡分析用に調製された組織試料の医用イメージングでは、まず組織を固体支持体上に置く必要がある。組織の切片を最も効率的に撮像するために、システムはまず、組織が固体支持体上のどこにあるかを正確に知る必要がある。最も単純に説明すると、システムは、固体支持体全体を見て、どの切片が組織であるか、どれがガラス、標識及び残骸であるかを識別しなければならない。次に組織の位置が、領域エンベロープに変換される。次にその領域の座標が、顕微鏡ステージの位置空間内にマッピングされる。これにより、固体支持体の適当なエリアを網羅し、組織が存在しない無駄なエリアを避けるように顕微鏡の運動をプログラムすることが可能になる。この技術は、しばしば走査計画と呼ばれる。
【0003】
分析中に組織の位置についての情報を直接抽出することが望ましいことがあるが、スライド及び操作者毎にばらつきがあるため、標準的な基準点を用いることには問題がある。組織に基づく走査計画は、特別なスライド又は特定のマウント技術のための要件をなくしながら、より反復可能で信頼性の高い計画を可能にするので、しばしば好まれる。
【0004】
走査計画のための典型的なアプローチは、より詳細な分析の前に、標本の拡大画像を使用者に提供するためにデジタル化され再構築される組織の場所を見つけるために、比較的低い倍率(例えば1.25倍)で固体支持体全体の粗い走査を行うことを伴う。
【0005】
現在の方法は、組織を固体支持体と区別するために、しばしば色又は質感に依拠する。これらの方法にはいくつかの潜在的な問題がある。というのもこれらの方法は、スライド上のインク又はストレイマーク、並びにいくつかのスライドの縁部上の基準クロスハッチングを捉えやすいからである。蛍光染料で標識された組織の場合、画像取得時間が遅いことが多く、撮像工程が完了する前に、染色された組織試料がフォトブリーチングを受けるおそれがある。さらに、組織が蛍光染料で染色される場合、染料は、必然的に組織の固有の準領域に局在し、組織を完全に網羅しないので、明視野撮像において見ることができるヘマトキシリン及びエオシン(H&E)など他の染料を用いるときに可能であるように組織を非組織から正確に識別することが難しくなる。したがって蛍光染料は、他の検出方法を必要とする。最後に、薄い組織切片は可視光内で本質的に透明であり、したがって正確に処理するための十分な信号情報を提供しないので、現在の方法は通常、染色されない組織切片ではうまく機能しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0147552号明細書
【発明の概要】
【0007】
第1の態様では、本発明は、固体支持体上に置かれた1つ又は複数の略円形の組織試料の位置を見つけるための方法を提供する。この方法は、組織試料上に組織試料を自己蛍光させる所定の波長の光を送る段階と、自己蛍光光を用いて組織試料の中心位置を識別する段階と、固体支持体の組織試料の中心位置の座標を、xy座標系を用いて相関させる段階と、固体支持体上の領域を含む組織試料を空白領域から区別するために、固体支持体上の組織試料の座標をマッピングする段階とを含む。
【0008】
第2の態様では、本発明は、固体支持体上に置かれた1つ又は複数の略円形の組織試料の位置を見つけるための装置を提供する。この装置は、様々な倍率で画像を取得するための1つ以上の対物レンズを有する撮像顕微鏡と、試料を固体支持体上に保持するためのステージと、ステージ上の試料を照射するための励起源と、試料の画像を取得及びデジタル化するための、顕微鏡に接続されたデジタル画像装置と、試料のデジタル化された画像を記憶することができる、デジタル画像装置と通信する記憶装置と、記憶装置と通信し、デジタル画像を分類し、相関係数に基づいて1つ又は複数のマッチフィルタを作り出すことができる処理装置とを備える。
【0009】
本発明のこれら及びその他の特徴部分、態様及び利点は、図面全体を通して同様の符号が同様の部分を示す添付の図面を参照しながら、以下の詳細な説明を読むことでよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明を実施する画像取得及び分析の多段階方法を示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態に基づくマスクフィルタを用いた画像取得のx−y方向を示す、組織マイクロアレイの概略図である。
【図3】固体支持体上の組織試料の位置を見つけることができる自動化されたシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明は、例示的なものであり、本発明の応用例及び本発明の用途を限定することは意図されていない。さらに本発明は、上記の発明の背景又は以下の図の詳細な説明に示される、いかなる理論によって限定されることも意図されていない。
【0012】
一実施形態によれば、固体支持体上の略円形の組織試料の位置が、自己蛍光を用いて決定される方法が示される。一実施形態では、この方法は、自己蛍光によってもたらされる近紫外光を用いて組織試料を照射することを含む。自己蛍光とは、組織又は組織試料内の内因性化合物が、いかなる外因性蛍光化合物の投与又は結合もなく外部光子源に露出されるときに放出する光子のエネルギー及び大きさのことを指し、そのような蛍光化合物の投与及び結合並びに外部光子源への露出の後に放出される放射とは区別される。この光子エネルギーは、典型的には、紫外線又は可視領域内にある。
【0013】
自己蛍光する組織試料のマクロ画像は、何らかの指示マークを含む固体支持体全体を単一画像内に捉えるための、標準的な写真レンズを用いて得られる。指示マークとは、通常、固体支持体の縁部又は角に位置決めされるクロスハッチマークなど、固体支持体上の指標を指す。
【0014】
固体支持体は、顕微鏡スライド、組織マイクロアレイスライド、又はマイクロタイタープレートを含むことができるが、これらに限定されない。試料は、いかなる蛍光標識化より前に照射される。組織の画像が得られると、この画像は、固体支持体上の組織試料の位置を識別するために処理される。
【0015】
図1は、本発明のいくつかの実施形態で使用するための画像を取得するために用いることができる、例示的な技術を示す。図1は、固体支持体上の組織試料上に所定の波長の光を送り、その光が組織試料の自己蛍光を誘発することと、自己蛍光光を用いて組織試料の中心位置を識別することと、その中心位置を組織試料の既存のテンプレートと相関させて、デジタル画像のそれぞれのエリアにピクセル値を割り当てる第2のデジタル画像を生成することと、2次元座標系を作り出すことと、ピクセル値を用いて固体支持体上の組織試料の座標をマッピングして、固体支持体上の組織試料を含む領域を空白領域から区別することとを含む、画像取得及び分析の多段階方法の概略図を示す。
【0016】
第1の段階では、この方法は、自己蛍光によりもたらされる近紫外光を用いて、固体支持体上の略円形の組織試料を照射することを含む。一実施形態では、標準的なハロゲン化水銀ランプを光源として用いることができる。略円形とは、組織試料の外部境界に沿った点からの試料内の中心点までの距離が、円として認識されるパターンをもたらすのと同様の長さである組織試料を指す。中心点は、組織試料の中心位置に相当する。そのような円形パターンは、1998年10月のProc. Natl. Acad. Sci. USA、第95巻、12783〜12786頁に記載されている。
【0017】
略円形の組織試料は、組織マイクロアレイ(TMA)、生検組織試料、又は生体試料上に含まれる組織試料など、いかなる組織材料を含むこともできる。組織試料は、冷凍し、ホルマリンなど組織防腐剤で固定し、又はその他の方法で処理することができる。組織試料は、可視光における対比を改善するために、着色しない、又は着色することができる。いくつかの実施形態では、組織試料は、細胞全体、細胞成分、サイトスピン、又は細胞塗沫標本とすることができる。組織試料は、生体被験者の組織から得られる、同様の機能を有することができる同様の細胞の集合を含むことができる。いくつかの実施形態では、組織試料は、1人のヒトの組織から得られる同様の細胞の集合を含むことができる。ヒトの組織の適切な例は、(1)上皮、(2)血管、骨及び軟骨を含む結合組織、(3)筋肉組織、並びに(4)神経組織を含むが、これらに限定されない。組織試料の供給源は、新鮮な、冷凍の及び/又は保存された、器官又は組織試料から得られる固形組織又は生検又は吸引液、血液又は何らかの血液成分、脳脊髄液、羊水、腹水、又は間質液など体液、あるいは、被験者の妊娠中又は発達中のあらゆる期間の細胞とすることができる。いくつかの実施形態では、組織試料は、初代又は培養細胞、あるいは細胞株を含むことができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、組織試料は、健康な又は病変した組織(例えば結腸、乳房組織、前立腺からの組織切片など)からの組織切片を含む。組織試料は、例えば組織の薄片又は組織切片から切り取られた細胞など、組織切片の一部分又は一片を含むことができる。いくつかの実施形態では、組織試料の同じ切片は、形態的及び分子的に分析することができる。
【0019】
組織試料は、調製及び撮像工程中に、その分析、移送、運動を可能にするために、固体支持体に恒久的又は一時的に接着することができる。固体支持体は、スライド、マイクロタイタープレート、ディスク、ペトリ皿、ゲルプレート、又はブロックカセットを含むことができる。固体支持体は、ガラス、プラスチック、又は他の材料で製作することができる。
【0020】
組織試料は、組織マイクロアレイ(TMA)の一部とすることができる。したがって組織試料は、単一のマイクロアレイスライド上に配置されたテストウェル内に収容される、多数の試料のうちの1つである。テストウェルの数、したがって単一のスライド上の個々の組織試料の数は、アレイの設計に応じて変えることができる。例えば、TMAは、個々の組織試料がそれぞれ、直径0.6mmの円形テストウェルを0.7〜0.8mmの間隔で備え、それぞれの組織試料の表面積が0.282mm2となるように設計することができる。
【0021】
第2の段階では、試料のデジタル画像を捕捉するために、自己蛍光光が用いられる。いくつかの実施形態では、低倍率の標準的な写真レンズを用いて、固体支持体上の組織試料の画像全体を単一の画像内に捉えることが望ましい。いくつかの代替実施形態では、固体支持体の一部のみを捉えることができる。単一の画像はまた、接着性標識又はクロスハッチマークなど、固体支持体上の指示マークを含むこともできる。
【0022】
試料は、試料のいかなる蛍光標識を行うより前に照射される。非蛍光染料及びDAPIなどの標示は、染料が試料の自己蛍光を邪魔しないという条件で、画像捕捉工程の前に試料に適用することができる。画像捕捉工程は、処理装置及びレンズを備えるカメラの使用を含むことができる。処理装置は、レンズからの光を受け取り、デジタル画像をもたらすように構成される。
【0023】
第3の段階では、デジタル画像を、組織試料のサイズ及び形状の単純化された表現を含むテンプレート画像と比較するために、カメラからの組織試料のデジタル画像が処理される。組織試料が組織マイクロアレイの一部である場合、テンプレート画像は、テストウェル内に配置された個々の組織試料それぞれの数及び位置を表す。
【0024】
一実施形態では、デジタル画像とテンプレート画像とが比較される。実際の組織の画像とテンプレート画像とを比較する工程は、拡大及び記録され組織資料の中心位置を含む、2次元のピクセル画像を出力として提供する。比較工程は、空間領域内におけるデジタル画像とテンプレート画像との間で、ゼロ平均相互相関、正規化されたパワースペクトル密度(PSD)相互相関、又はそれらの組合せを用いることを伴うことができる。
【0025】
組織試料がテストウェルから構成されるTMAである場合、もたらされる2次元比較ピクセル画像は、それぞれのTMAテストウェルの中心に位置する明るいスポットを生じることがある。明るいスポットの中心位置は、顕微鏡スライドによって規定される、座標空間内の2次元グリッドに変換することができる。2次元グリッドは、1つの平面(xy平面)を規定する互いに直交する2つの軸を有する、デカルト座標系とすることができる。
【0026】
図1にさらに示すように、一実施形態では、比較工程は、第4段階において、固体支持体上の組織試料のピクセルサイズに対応する2色マッチフィルタ画像を生成する。2色マッチフィルタは、別のデジタル画像から識別又は抽出されるべき被写体の、(空間又はスペクトル座標において)理想化された形を表すように設計された2次元のデジタル構造である。組織試料がテストウェルで構成されるTMAの一部である場合、マッチフィルタは、それぞれの組織試料のマクロ画像を生成するTMA画像を処理するために使用することができる。
【0027】
2色マッチフィルタは、黒い背景上の白い画像とすることができ、白い画像のピクセルサイズは、組織試料のピクセルサイズに対応する。いくつかの実施形態では、組織試料のマクロ画像は、ゼロ平均相互相関を用いて作り出され、組織試料のデジタル画像の空間ピクセル値は、明度に基づいて記録され、スペクトル領域画像に変換される。適当なスペクトル領域変換は、フーリエ変換、ウェーブレット変換、離散フーリエ変換、離散コサイン変換、正規化されたパワースペクトル密度計算、又は同様の級数表現を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、高速フーリエ変換(FFT)など画像変換機能が、マッチフィルタ上及びテスト試料画像上の両方で行われる。マッチフィルタ画像にとって最適な分析に基づく明度値が各ピクセルに割り当てられた、新しい画像を生成することができる。
【0029】
TMAテストウェルの寸法及び数を知ることで、操作者は、画像捕捉の数、又はTMA全体を捕捉するために必要とされる視野を決定することができ、図1に示すような第5段階では、それぞれ画像捕捉において捕捉するべき一連の座標を示す、走査計画を作ることができる。例えば2×2セットの画像を必要とする組織アレイは、4つの画像それぞれの座標を計算するときに、中心点を基準として捕捉する。(x,y)がTMAの中心であり、wが出力座標の1つの捕捉の幅であると仮定すると、(x−w/2,y−w/2)、(x+w/2,y−w/2)、(x+w/2,y+w/2)及び(x−w/2,y+w/2)となる。TMA座標空間内のグリッドは、アレイを質的及び量的分析のために撮像するために用いることができる。
【0030】
図2は、デカルト座標系に基づく走査計画を用いる、画像取得のx−y方向を示す組織マイクロアレイの概略図であり、x及びyは、xy平面を規定する直交する2本の線である。
【0031】
一実施形態では、走査計画はまず、TMAテストウェルの中心となるのに十分な強さの明るいスポットをそうではないところから区別するための、閾値を決定することによって作り出される。最も明度の強いスポットにて始まり、アルゴリズムを用いて、反復的にそのエリアを選択し、それを単一テストウェルの中心点に割り当てることができる。テストウェルの予想された直径に相当する、中心点を取り囲むエリアは、黒く消される。明るいスポット付近の領域を黒く消すのは、単一スポットにいくつかの「中心」を選択することを避けるためである。次に、ピクセル明度が次に高いエリアが選択され、この工程は、顕微鏡スライド全体が明るいスポットについて分析されるまで繰り返される。
【0032】
顕微鏡からの画像捕捉のサイズ、並びに明るいスポットのサイズ及び数の入力に基づいて、アルゴリズムは、予想されるそれぞれのTMAテストウェルのための座標を出力する。これらの座標は順序付けられ、ステージの動きが最小化されるように走査計画を作り出す。例えば、走査計画は、(スライドを見下ろすときの)TMAの底部左に位置するテストウェルから始まり、テストウェルのアレイを前後に蛇行し、TMAスライドの頂部に向かって動作することができる。動きの無駄をなくすために、それぞれのテストウェルに同様の蛇行パターンが用いられる。
【0033】
図2に示すように、顕微鏡ステージは、底部左32上のテストウェルから始まり、アレイを横切って前後に動き、TMAの頂部34に向かって蛇行パターン36で動作するTMA30の走査撮像を可能にするために、デカルト座標系(xy平面)に基づいて動かすことができる。画像取得は、実線によって表される走査計画に基づいて行われる。
【0034】
図3に示すように、本明細書に記載する方法を実行するために、自動化されたシステム10を用いることができる。図示のように、システム10は、撮像顕微鏡12及び励起源14、デジタル画像装置16、少なくとも一時的に1つ又は複数の画像を保存するための記憶装置18、並びに、画像を分類し相関因子に基づいて1つ又は複数の適合するフィルタを作り出す処理装置20を備えることができる。
【0035】
撮像顕微鏡12は、様々な倍率で画像を取得するための1つ以上の対物レンズ13及び固体支持体上に取り付けられた組織試料17を保持するためのステージ15を有することができる。ステージは、見るべき試料を、固体支持体上の固有の位置に位置決めするために用いられる。励起源14は、近紫外光を用いて固体支持体上の組織試料を照射し自己蛍光をもたらすための光源を備える。
【0036】
デジタル画像装置16は、自己蛍光中に組織試料の画像を取得するための、デジタルカメラ(図示せず)で構成することができる。デジタル画像装置16は、好ましくは、自動焦点合わせを行うことができ、次いで、焦点を合わせたものを、処理全体を通して必要に応じて維持及び追跡する。
【0037】
記憶装置18は、ROM(読出し専用メモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、又はDRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)など、処理装置20に関連づけられた何らかの適当なハードドライブメモリ、又はDVD又はCDなど何らかの適当なディスクドライブメモリ装置、あるいはジップドライブ又はメモリカードなどを含むことができるが、必ずしもそれらに限定されない。記憶装置は、処理装置20から離隔して配置することができ、且つ何らかの適当な連結装置、あるいはローカルエリアネットワーク、ケーブルネットワーク、衛星ネットワーク及びインターネットを含むがそれらに限定されない通信ネットワークによって、有線又は無線にかかわらずアクセスすることができる。処理装置20は、CPU(中央処理装置)とすることができ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ及びデジタル信号処理装置(DSP)を備えることができる。
【0038】
システム10は、1つ又は複数の画像を表示するための表示装置22及びデジタル情報を送信するための送信装置(図示せず)をさらに備えることができる。表示装置22は、これらに限定されないがLCD又はCRTを組み込む装置など、デジタル画像を表示することができる何らかの適当な装置を備えることができる。送信装置は、有線又は無線デジタル通信システムを含むがそれらに限定されない通信ネットワーク上でデジタル情報を送信するための、何らかの適当な手段を備えることができる。
【0039】
一実施形態では、システムは、1つのシステム内でTMAを染色及び撮像し、さらに画像を分析することができる、自動化されたハイスループットシステムなど、分析装置の構成要素として組み込むことができる。したがって、一実施形態では、システムは、明視野撮像など、自己蛍光の範囲外を含む様々な光学システムを用いて試料を照射し、デジタル画像を捕捉することができる。さらに別の実施形態では、自動化されたシステムは、自己蛍光を分析するための自動化された技術のための指示を含むことができる、コンピュータ読取り可能な媒体を備えることができる。
【0040】
本発明のいくつかの特徴のみを本明細書において図示及び説明してきたが、当業者には、多くの修正及び変更が思い付くことになる。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神内に含まれるそのようなすべての修正及び変更を網羅することが意図される。
【符号の説明】
【0041】
10 システム
12 撮像顕微鏡
13 対物レンズ
14 励起源
15 ステージ
16 デジタル画像装置
17 組織試料
18 記憶装置
20 処理装置
22 表示装置
30 組織マイクロアレイ
32 底部左
34 組織マイクロアレイの頂部
36 蛇行パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体支持体に位置する略円形の組織試料の位置を見つける方法であって、
前記組織試料を自己蛍光させる、所定の波長の光を組織試料へと伝達し、
前記自己蛍光光を用いて前記組織試料の中心位置を識別し、
2次元座標系を用いて、前記固体支持体上の前記組織試料の前記中心位置の座標を相関させ、
組織試料を含む領域を前記固体支持体上の空白領域から区別するために、前記固体支持体上の前記組織試料の前記座標をマッピングする
ことを含む方法。
【請求項2】
前記識別する段階が、前記組織試料からの前記自己蛍光光を捕捉して、前記組織試料のデジタル画像を生成することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記相関させる段階が、前記組織試料からの自己蛍光光のピクセル値を記録することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
ピクセル値を前記記録することが、前記組織試料の前記デジタル画像の前記空間ピクセル情報をスペクトル領域画像に変換することを含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記スペクトル領域画像が、前記組織試料の前記デジタル画像の高速フーリエ変換を用いて作り出される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記相関させる段階がさらに、前記組織試料の前記デジタル画像を、前記固体支持体のテンプレート画像と比較することをさらに含む、請求項3記載の方法。
【請求項7】
前記固体支持体の前記テンプレート画像が、スペクトル領域画像である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記固体支持体の前記スペクトル領域画像が、前記アレイの空間画像の高速フーリエ変換を用いて作り出される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記相関段階が、
前記組織試料の前記デジタル画像の空間ピクセル情報を、スペクトル領域画像に変換し、
前記固体支持体の前記デジタル画像の前記空間ピクセル情報を、前記固体支持体のスペクトル領域画像へと変換し、
前記組織試料の前記スペクトル領域画像の増倍率及び前記固体支持体の前記スペクトル領域画像を用いて、合成スペクトル領域画像を生成することを含む、請求項6記載の方法。
【請求項10】
前記増倍率が、ゼロ平均相関、正規化されたパワースペクトル密度(PSD)相互相関、又はそれらの組合せを含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記合成スペクトル領域画像を空間領域画像に変換することをさらに含む、請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記空間領域画像を、水平軸及び垂直軸で規定される2次元座標系内へと変換することをさらに含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記組織試料が組織マイクロアレイ上に取り付けられる、請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記組織マイクロアレイが、2つ以上の組織試料を含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記固体支持体全体が走査される、請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記所定の波長が365nmである、請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記組織試料に蛍光標識を適用し、前記マッピング段階で得られた前記組織試料の前記座標を用いて前記組織試料を走査することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項18】
固体支持体に位置する略円形の組織試料の位置を見つけるための装置であって、
様々な倍率で画像を取得するための1つ以上の対物レンズを有する撮像顕微鏡と、組織試料を保持するためのステージと、
前記ステージ上の前記組織試料を照射するための励起源と、
前記組織試料の前記画像を取得及びデジタル化するために前記顕微鏡に接続されるデジタル画像装置と、
前記組織試料の前記デジタル化された画像を記憶することができる、前記デジタル画像装置と通信する記憶装置と、
前記記憶装置と通信し、前記デジタル画像を分類すること及び相関係数に基づいて1つ又は複数のマッチフィルタを作り出すことができる処理装置とを備える装置。
【請求項19】
1つ又は複数の前記画像を表示するための1つ以上の表示装置と、デジタル情報を離れた位置に送信するための送信装置とをさらに備える、請求項18記載の装置。
【請求項20】
制御装置と、前記制御装置によって実行されるときに固体支持体上の略円形の組織試料の位置を装置に見つけさせる指示を含む機械可読媒体をさらに備える、請求項18記載の装置。
【請求項21】
前記装置が、分析装置の構成要素として組み込まれる、請求項18記載の装置。
【請求項22】
前記分析装置が、組織マイクロアレイの染色及び撮像を行うことができる、請求項21記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−528324(P2012−528324A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513014(P2012−513014)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【国際出願番号】PCT/SE2010/050562
【国際公開番号】WO2010/138063
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】