説明

細胞処理装置

【課題】遠心分離容器内に濃縮され、移植されることとなる細胞を損なうことなく、その細胞数を測定する。
【解決手段】生体組織を消化することにより得られた細胞懸濁液Aを収容した遠心分離容器8を回転させることにより細胞を濃縮する遠心分離機2と、該遠心分離機2の遠心分離容器8内に収容された細胞懸濁液Aの特性を検出する特性検出部3と、該特性検出部3により検出された細胞懸濁液Aの特性に基づいて細胞数を算出する細胞数演算部4とを備える細胞処理装置1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、脂肪組織等の生体組織を消化酵素液とともに攪拌することにより消化し、得られた細胞懸濁液を遠心分離機によって濃縮することにより、脂肪由来細胞を回収する細胞処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この細胞処理装置においては、最終製品である脂肪由来細胞が所望の細胞数だけ抽出されたか否かを確認するには、細胞懸濁液の一部をサンプルとして取り出し、顕微鏡等により細胞数を計数する必要があった。
【0003】
【特許文献1】国際公開第05/012480号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の細胞処理装置においては、細胞懸濁液の一部をサンプルとして取り出すことが必要不可欠であり、遠心分離容器内からサンプルを取り出すために細胞懸濁液内にシリンジの針を挿入する場合には、塵埃や細菌等が混入する可能性が高くなるという不都合がある。また、サンプルとして取り出された細胞懸濁液は、そのまま廃棄されるため、貴重な細胞が失われてしまう不都合がある。
【0005】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、遠心分離容器内に濃縮され、移植されることとなる細胞を損なうことなく、その細胞数を測定することができる細胞処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、生体組織を消化することにより得られた細胞懸濁液を収容した遠心分離容器を回転させることにより細胞を濃縮する遠心分離機と、該遠心分離機の前記遠心分離容器内に収容された細胞懸濁液の特性を検出する特性検出部と、該特性検出部により検出された細胞懸濁液の特性に基づいて細胞数を算出する細胞数演算部とを備える細胞処理装置を提供する。
【0007】
本発明によれば、生体組織を消化することにより得られた細胞懸濁液が遠心分離容器内に収容され、遠心分離機の作動により濃縮される。遠心分離容器内に濃縮された細胞は、遠心分離容器内から取り出されて生体内に移植されることとなるが、遠心分離容器内に細胞懸濁液の状態で収容された状態で特性検出部の作動により、その特性が検出される。細胞懸濁液の特性としては、例えば、電気伝導特性あるいは光学的特性が挙げられる。そして、検出された特性に基づいて細胞数演算部により細胞数が算出される。すなわち、遠心分離容器内に細胞懸濁液として収容されたままの状態で、濃縮された細胞を損なわずに細胞数を取得することができる。
【0008】
上記発明においては、前記特性検出部が、前記遠心分離容器内に対向配置され、間に挟まれる細胞懸濁液の電気伝導特性を検出する一対の電極であってもよい。
一対の電極間に電圧をかけて流れる電流を測定することにより、細胞懸濁液の電気伝導特性を簡易に検出することができる。電気伝導特性は、細胞懸濁液を構成する液体の電気伝導特性および細胞の電気伝導特性によって定まるので、既知の電気伝導特性の液体を用いた細胞懸濁液の量を一定とすれば、細胞数と電気伝導特性との関係が一意に設定される。したがって、細胞数と電気伝導特性との関係を予め設定しておくことにより、電気伝導特性を検出するだけで簡易かつ迅速に濃縮された細胞の細胞懸濁液内に含まれる細胞数を検出することが可能となる。
【0009】
また、上記発明においては、前記遠心分離容器に、該遠心分離容器内に細胞懸濁液を供給し、遠心分離後に上清を排出する2重管状のチューブが配置され、前記一対の電極が、前記チューブに設けられていてもよい。
このようにすることで、遠心分離容器内に配置した2重管状のチューブを介して遠心分離容器内に細胞懸濁液を供給し、遠心分離機の作動により細胞懸濁液を濃縮した後に、再度チューブを介して上清を排出することによって、濃縮された細胞を遠心分離容器内に残すことができる。このとき、遠心分離容器内に上清の一部を残しておくことにより、濃縮された細胞の細胞懸濁液を生成することができ、チューブに設けられた電極に挟まれた細胞懸濁液内の細胞数を検出することができる。
【0010】
また、上記発明においては、前記一対の電極が遠心分離容器の底部近傍の内壁に設けられていることとしてもよい。
このようにすることで、濃縮された少量の細胞懸濁液内に一対の電極を浸漬状態に配置することができるとともに、遠心分離作業時の細胞懸濁液や細胞の流れを乱すことなく、遠心分離をより確実に行うことができる。
【0011】
また、上記発明においては、前記特性検出部が、前記遠心分離容器内に収容されている細胞懸濁液に光を透過させて該細胞懸濁液の光学的特性を検出する発光部および受光部を備えていてもよい。
このようにすることで、発光部から発せられた光が遠心分離容器内の濃縮された細胞懸濁液に透過させた後、受光部により受光される。
【0012】
受光部により受光される透過光量は細胞懸濁液の光学的特性としての濁度によって変化し、濁度は細胞数によって変化するので、受光される透過光量と細胞数とが一意に設定される。したがって、細胞数と光学的特性との関係を予め設定しておくことにより、透過光量を検出するだけで簡易かつ迅速に濃縮された細胞の細胞懸濁液内に含まれる細胞数を検出することが可能となる。
【0013】
また、上記発明においては、前記遠心分離容器が、光学的に透明な材質からなり、前記発光部および受光部が、前記遠心分離容器の外部に配置されていてもよい。
このようにすることで、発光部から発せられた光が、光学的に透明な材質からなる遠心分離容器の壁面および遠心分離容器内の細胞懸濁液を透過して受光部により受光される。これにより、細胞懸濁液の特性を非接触に検出することができる。
【0014】
また、上記発明においては、前記遠心分離機が、前記遠心分離容器を着脱可能に保持する容器保持部を備え、前記発光部および受光部が前記容器保持部に設けられていてもよい。
このようにすることで、容器保持部に細胞懸濁液を収容した遠心分離容器を保持させて遠心分離機を作動させ、細胞懸濁液を濃縮する。遠心分離容器を容器保持部に保持させると、遠心分離容器が発光部と受光部との間に挟まれた状態に配置される。そして、細胞懸濁液が濃縮された後に発光部および受光部を作動させることにより、細胞懸濁液の光学的特性を検出し、細胞数を算出することができる。この場合に、細胞懸濁液に接触する遠心分離容器を使い捨てにすることができ、発光部および受光部からなる特性検出部を繰り返し再利用することができる。
【0015】
また、上記発明においては、前記発光部および受光部を前記遠心分離容器に対して近接および離間させる検出部移動機構を備えていてもよい。
このようにすることで、検出部移動機構の作動により、発光部および受光部を遠心分離容器に対して離間させ、遠心分離処理の邪魔にならない位置に退避させた状態で遠心分離機を作動させ、濃縮処理が終了した後には、再度検出部移動機構を作動させて発光部および受光部を遠心分離容器に近接させ、その光軸上に細胞懸濁液を配置することにより、細胞懸濁液の光学的特性を検出することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、遠心分離容器内に濃縮され、移植されることとなる細胞を損なうことなく、その細胞数を測定することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の第1の実施形態に係る細胞処理装置1について、図1を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る細胞処理装置1は、図1に示されるように、細胞懸濁液Aを濃縮する遠心分離機2と、該遠心分離機2により濃縮された細胞懸濁液Aの電気伝導特性を検出する特性検出部3と、該特性検出部3により検出された特性に基づいて細胞数を算出する細胞数演算部4と、算出された細胞数を表示する表示部5とを備えている。
【0018】
遠心分離機2は、モータ6により鉛直な軸線C回りに回転させられる略水平なアーム7の両端に取り付けられた2つの遠心分離容器8を備えている。各遠心分離容器8は、アーム7に軸線C回りに揺動可能に取り付けられており、モータ6の駆動によりアーム7が回転させられると、遠心力によってその底部が半径方向外方に向かうように軸線C回りに揺動させられ、内部に収容されている細胞懸濁液A内の細胞がその比重によって遠心分離容器8の底部に集められるようになっている。
【0019】
前記特性検出部3は、遠心分離容器8内に挿入され、収容される細胞懸濁液Aの液面下に相互に対向して配置される一対の電極9と、該電極9間に一定の電圧を加える定電圧電源10と、電極9間に流れる電流を検出する電流計11と、回路を開閉するスイッチ12とを備えている。電流値を検出することにより、加えた電圧値との関係から細胞懸濁液Aの抵抗値(電気伝導特性)を間接的に検出することができるようになっている。図中、符号13はアーム7とともに回転する回転部、符号14は回転しない固定部であり、符号15は、回転部13と固定部14との間に設けられたブラシのような継電器である。
【0020】
また、前記細胞数演算部4は、予め測定された電流値と細胞数とを対応づけて記憶する記憶部16と、特性検出部3により検出された電流値に基づいて記憶部16内を検索し、対応する細胞数を算出する算出部17とを備えている。細胞の種類、これを懸濁する液体の種類、細胞懸濁液Aの量を既知のものとすると、電流計11により検出される電流値は、一対の電極9間に挟まれる細胞懸濁液A中に含まれる細胞数によって変化するので、これを予め測定しておくことで、電流値から細胞数を精度よく求めることができることになる。
【0021】
記憶部16に記憶するのは、複数組の電流値と細胞数との組み合わせを含むテーブルであってもよいし、電流値と細胞数との関数でもよいし、これらの関係を示すグラフでもよい。テーブルの場合、記憶されている電流値の中間の電流値が検出された場合には、記憶されている電流値を用いて補間演算することにより、細胞数を算出することとしてもよい。
【0022】
このように構成された本実施形態に係る細胞処理装置1の作用について説明する。
例えば、脂肪組織のような生体組織を図示しない細胞処理容器内において消化液とともに攪拌することにより、脂肪由来細胞が消化液内に単離された細胞懸濁液Aが生成される。生成された細胞懸濁液Aは、各遠心分離容器8内に投入される。
【0023】
そして、遠心分離機2の作動により、アーム7を回転させて遠心分離容器8内に収容されている細胞懸濁液Aを遠心分離して、その底部に細胞を集める。その後、上清を排出し、洗浄液を追加し、遠心分離して上清を排出する洗浄処理を1回以上行うことにより、消化液濃度を十分に低減した脂肪由来細胞が得られる。
【0024】
本実施形態に係る細胞処理装置1においては、上記脂肪由来細胞が分離された時点で、上清を一部残して排出し、残った上清内に分離された脂肪由来細胞を再懸濁することにより、濃縮された所定量の細胞懸濁液Aを得る。
この状態で、スイッチ12を閉じることにより、定電圧電源10から一定の電圧を一対の電極9間に加え、電流計11により流れる電流値を検出する。
【0025】
検出された電流値は、算出部17に入力される。算出部17においては、入力された電流値に基づいて記憶部16内の細胞数が検索され、対応する細胞数が読み出される。記憶部16内に、一致する電流値が記憶されていないときには、算出部17において補間演算を行うことにより、細胞数が求められる。算出された細胞数は、表示部5に出力されて表示される。
【0026】
オペレータは、表示部5を確認することにより、移植しようとする細胞の細胞数が十分であるか否かを判断することができ、移植の続行または移植の中止を迅速かつ的確に判断することができる。
すなわち、従来、濃縮された細胞の一部を取り出して顕微鏡により細胞数を計測していたのと比較すると、迅速かつ的確に細胞数を確認することができるという利点がある。また、細胞数を計測するためにサンプルとして濃縮された細胞の一部を取り出す必要がなく、貴重な細胞を無駄にしなくて済むという利点がある。
【0027】
なお、本実施形態に係る細胞処理装置1においては、濃縮された細胞懸濁液A内に一対の電極9を挿入することとした。その方法としては、図1のように平板状の電極9を配置する方法の他、図2に示されるように、細胞懸濁液Aや消化液を供給および排出する二重管状のチューブ18,19を遠心分離容器8内に設けることとして、これらのチューブ18,19の少なくとも先端部(図中鎖線Xで囲まれた部分)を金属により構成することで対向する一対の電極を構成してもよい。
【0028】
この場合には、図3(a)に示されるように、内側チューブ18を介して遠心分離容器8内に供給された細胞懸濁液Aを遠心分離処理することにより、図3(b)に示されるように、細胞Bと上清Dとを遠心分離し、図3(c)に示されるように、外側チューブ19を介して上清Dを排出する。そして、内側チューブ18を介した洗浄液の供給、遠心分離処理および上清Dの排出を1回以上行うことにより、図3(c)のように、底部に濃縮された細胞Bと、一部残された上清Dとが得られるので、これらを再懸濁することにより図3(d)のように濃縮された細胞懸濁液Aを得る。
この状態で、細胞懸濁液Aに接触しているチューブ18,19の先端の電極間に電圧を加えることにより、電流値を検出し細胞数を算出することができる。
【0029】
また、電極9は、図4に示されるように、遠心分離容器8の底部近傍の内壁に貼り付けた状態に配置することにしてもよい。このようにすることで、電極9が遠心分離処理の邪魔にならないようにすることができる。
【0030】
次に、本発明の第2の実施形態に係る細胞処理装置20について、図5を参照して以下に説明する。
本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係る細胞処理装置1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0031】
本実施形態においては、一対の電極9間に配される細胞懸濁液Aの電気伝導特性を検出した第1の実施形態に係る細胞処理装置1とは異なり、細胞懸濁液Aの光学的特性に基づいて細胞数を算出するようになっている。
具体的には、本実施形態に係る細胞処理装置20は、図5に示されるように、アーム7の先端に遠心分離容器8を着脱可能に保持する容器保持部21を備え、該容器保持部21に発光部22と受光部23とを備える特性検出部3が設けられている。
容器保持部21は、アーム7を回転させると遠心力によってアーム7に対して軸線C回りに揺動するようになっている。
【0032】
したがって、容器保持部21に遠心分離容器8を装着するだけで、アーム7の回転により遠心分離容器8を揺動させ、内部の細胞懸濁液Aを遠心分離することができるようになっている。
また、本実施形態においては、遠心分離容器8が、光学的に透明な材質により構成されている。発光部22および受光部23は、容器保持部21に遠心分離容器8を保持させた状態で、発光部22と受光部23との間に形成される光軸が遠心分離容器8内の細胞懸濁液Aを通過するように配置されている。発光部22は、光源制御部24により一定の光量の光を発生するようになっている。
【0033】
また、記憶部16には、予め測定された受光量と細胞数とが対応づけられて記憶されている。細胞懸濁液Aの濁度は、発光部22と受光部23との間に配置される細胞数によって変化するので、予め測定した受光量と細胞数とを記憶しておくことにより、検出した受光量によって細胞数を容易に算出することができるようになっている。
【0034】
このように構成された本実施形態に係る細胞処理装置20によれば、遠心分離機2によって濃縮された細胞懸濁液Aが生成された後に、発光部22から発生した光を細胞懸濁液Aに透過させて受光部23により受光することにより、受光された光量によって細胞懸濁液Aの濁度(光学的特性)が検出される。そして、受光部23により受光された光量を用いて記憶部16内に記憶されている細胞数を検索し、一致する受光量が記憶されていないときには補間演算することにより細胞数を算出することができる。
【0035】
本実施形態に係る細胞処理装置20によれば、容器保持部21に発光部22と受光部23とを設け、遠心分離容器8を容器保持部21に着脱可能に保持させることとしたので、発光部22および受光部23を細胞懸濁液Aに接触させることなく非接触で細胞数を算出することができる。その結果、遠心分離容器8のみを使い捨てにして、発光部22および受光部23を繰り返し再利用することができる。
【0036】
なお、本実施形態においては、容器保持部21に発光部22および受光部23を設けることとしたが、これに代えて、図6に示されるように、遠心分離機2の遠心分離容器8の停止位置に発光部22と受光部23とを一体的に上下動させる昇降機構25を設けることとしてもよい。これにより、遠心分離処理時には、昇降機構25の作動により発光部22および受光部23を鎖線の位置まで下降させて、発光部22および受光部23を、回転する遠心分離容器8に干渉しないように退避させることができる。また、細胞数の測定時には、昇降機構25の作動により発光部22および受光部23を実線で示される位置まで上昇させて、発光部22と受光部23との間の光軸が遠心分離容器8内の細胞懸濁液Aを通過するように配置することができる。これによっても、細胞数を非接触で測定することができる。
【0037】
また、これに代えて、図7に示されるように、2本の光ファイバ26,27の端部26a,27aを遠心分離容器8内の細胞懸濁液A内に配置し、これら端部26a,27aによって、それぞれ発光部と受光部とを構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る細胞処理装置を示す全体構成図である。
【図2】図1の細胞処理装置に用いる遠心分離容器の変形例を示す縦断面図である。
【図3】図2の遠心分離容器を用いた遠心分離処理と細胞数測定の工程を説明する図であり、(a)細胞懸濁液の供給、(b)細胞懸濁液の濃縮、(c)上清の排出、(d)細胞数測定をそれぞれ示す図である。
【図4】図1の細胞処理装置における電極の配置の変形例を示す縦断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る細胞処理装置を示す全体構成図である。
【図6】図5の細胞処理装置の変形例を示す縦断面図である。
【図7】図5の細胞処理装置の他の変形例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0039】
A 細胞懸濁液
B 細胞
D 上清
1,20 細胞処理装置
2 遠心分離機
3 特性検出部
4 細胞数演算部
8 遠心分離容器
9 電極
17,18 チューブ
21 容器保持部
22,26a 発光部
23,27a 受光部
25 昇降機構(検出部移動機構)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体組織を消化することにより得られた細胞懸濁液を収容した遠心分離容器を回転させることにより細胞を濃縮する遠心分離機と、
該遠心分離機の前記遠心分離容器内に収容された細胞懸濁液の特性を検出する特性検出部と、
該特性検出部により検出された細胞懸濁液の特性に基づいて細胞数を算出する細胞数演算部とを備える細胞処理装置。
【請求項2】
前記特性検出部が、前記遠心分離容器内に対向配置され、間に挟まれる細胞懸濁液の電気伝導特性を検出する一対の電極である請求項1に記載の細胞処理装置。
【請求項3】
前記遠心分離容器に、該遠心分離容器内に細胞懸濁液を供給し、遠心分離後に上清を排出する2重管状のチューブが配置され、前記一対の電極が、前記チューブに設けられている請求項2に記載の細胞処理装置。
【請求項4】
前記一対の電極が遠心分離容器の底部近傍の内壁に設けられている請求項2に記載の細胞処理装置。
【請求項5】
前記特性検出部が、前記遠心分離容器内に収容されている細胞懸濁液に光を透過させて該細胞懸濁液の光学的特性を検出する発光部および受光部を備える請求項1に記載の細胞処理装置。
【請求項6】
前記遠心分離容器が、光学的に透明な材質からなり、
前記発光部および受光部が、前記遠心分離容器の外部に配置されている請求項5に記載の細胞処理装置。
【請求項7】
前記遠心分離機が、前記遠心分離容器を着脱可能に保持する容器保持部を備え、
前記発光部および受光部が前記容器保持部に設けられている請求項6に記載の細胞処理装置。
【請求項8】
前記発光部および受光部を前記遠心分離容器に対して近接および離間させる検出部移動機構を備える請求項6に記載の細胞処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−189281(P2009−189281A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−32451(P2008−32451)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【出願人】(503077877)サイトリ セラピューティクス インコーポレイテッド (32)
【Fターム(参考)】