細胞画像表示装置
【課題】 人間が細胞の分類を行いやすい順番で細胞画像を並べて表示することが可能な細胞画像表示装置を提供する。
【解決手段】
標本撮像装置1は、画像表示部を備え、血球を撮像することにより得られる血球画像に基づいて、血球の特徴を示す特徴パラメータを取得し、複数の血球画像についてそれぞれ取得された特徴パラメータに基づいて、血球画像の並び順を決定し、その並び順により、画像表示部に複数の血球画像を並べて表示させる。
【解決手段】
標本撮像装置1は、画像表示部を備え、血球を撮像することにより得られる血球画像に基づいて、血球の特徴を示す特徴パラメータを取得し、複数の血球画像についてそれぞれ取得された特徴パラメータに基づいて、血球画像の並び順を決定し、その並び順により、画像表示部に複数の血球画像を並べて表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞を撮像することにより得られた細胞画像を表示する細胞画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、染色された血液塗抹標本を顕微鏡で拡大して撮像し、得られた撮像画像を解析して血球の分類及び計数等を行う標本撮像装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、白血球の自動分類を行う血液像自動分析装置が記載されている。この血液像自動分析装置は、血液が塗抹された標本上を顕微鏡により一定周期で走査して白血球を検出し、白血球検出後に自動的に焦点合わせを行い、その後白血球像をテレビカメラ及びテレビカメラ制御ユニットを介してアナログ電気信号に変換し、アナログ・ディジタル変換回路からの白血球のディジタル画像信号をもとに特徴抽出回路により白血球の分類に必要な各種の特徴量を求め、これらの特徴量をもとにマイクロコンピュータにより白血球の分類を行う。また、この血液像自動分析装置は、分類結果が不明球や異常白血球であれば、ディジタル画像信号をその画像信号を特定するための標本の検体番号や白血球の種類などとともに、カートリッジ型磁気テープ装置に格納する。ユーザが複数標本検査終了後標本レビューを行いたい場合には、操作卓から入力することによりカートリッジ型磁気テープ装置の内容が読み出され、特定の白血球や異常の白血球が画像表示装置に表示され、表示された特定の白血球異常の白血球は人間の判断により再分類が行われる。
【0004】
上記のような標本撮像装置にあっては、一画面に複数の血球画像を並べて表示可能なものが存在する。このように一画面に複数の画像が並べられた状態で表示されると、オペレータが一度に複数の血球の再分類を行うことができる。
【特許文献1】特開昭56−154647号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の標本撮像装置では、血球画像が画面上に並べられる順番は撮像順であり、再分類がしやすい順番で並べられてはいなかった。この結果、再分類がしにくい、また、再分類に誤りが生じる等の問題があった。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、人間が細胞の分類を行いやすい順番で細胞画像を並べて表示することが可能な細胞画像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の細胞画像表示装置は、細胞を撮像することにより得られる細胞画像について、前記細胞の特徴を示す特徴パラメータ値を取得する特徴パラメータ値取得手段と、複数の細胞画像を表示する表示部と、前記特徴パラメータ値取得手段によって複数の細胞画像についてそれぞれ取得された特徴パラメータ値に基づく順序により、前記表示部に前記複数の細胞画像を並べて表示させる表示制御手段と、を備える。
【0008】
この態様においては、前記細胞画像表示装置が、前記特徴パラメータ値取得手段によって取得された特徴パラメータ値に基づいて、前記細胞画像に係る細胞の種類を判定する種類判定手段をさらに備えることが好ましい。
【0009】
また、上記態様においては、前記表示制御手段が、前記種類判定手段によって判定された種類毎に、同一の種類の細胞画像を前記特徴パラメータ値に基づく順序により並べて表示させるように構成されていることが好ましい。
【0010】
また、上記態様においては、前記特徴パラメータ値取得手段が、細胞の互いに異なる特徴に関する複数の特徴パラメータ値を取得するように構成されており、前記表示制御手段が、細胞の種類毎に定められた特徴パラメータに基づく順序により、前記種類判定手段によって判定された種類毎に複数の細胞画像を並べて表示させるように構成されていることが好ましい。
【0011】
また、上記態様においては、前記細胞画像表示装置が、細胞の種類毎に、細胞画像の配置順序の決定に用いられる特徴パラメータの指定を受け付ける特徴パラメータ受付手段をさらに備え、前記表示制御手段が、前記特徴パラメータ受付手段が受け付けた特徴パラメータに基づく順序により、前記種類判定手段によって判定された種類毎に複数の細胞画像を並べて表示させるように構成されていることが好ましい。
【0012】
また、上記態様においては、前記細胞画像表示装置が、前記表示部に前記複数の細胞画像が表示されている状態において、細胞画像の新たな配置順序の決定に用いられる並び替え用特徴パラメータの指定を受け付ける並び替え用特徴パラメータ受付手段をさらに備え、前記表示制御手段が、前記並び替え用特徴パラメータ受付手段が受け付けた並び替え用特徴パラメータに基づく順序により前記複数の細胞画像を並べた状態に前記表示部の表示を更新するように構成されていることが好ましい。
【0013】
また、上記態様においては、前記表示制御手段が、前回の細胞画像の表示において細胞画像の配置順序の決定に並び替え用特徴パラメータが用いられた場合に、次回の細胞画像の表示において前記並び替え用特徴パラメータに基づく順序により複数の細胞画像を並べて表示させるように構成されていることが好ましい。
【0014】
また、上記態様においては、前記表示制御手段が、前記並び替え用特徴パラメータ受付手段が並び替え用特徴パラメータを受け付けた後、細胞画像表示装置が所定の状態に達するまで、前記並び替え用特徴パラメータに基づく順序により複数の細胞画像を並べて表示させるように構成されていることが好ましい。
【0015】
また、上記態様においては、前記表示制御手段が、同一検体に関する複数の細胞画像のみを並べて前記表示部に表示させるように構成されており、前記細胞画像表示装置が、表示対象の検体を切り替える切替手段をさらに備え、前記表示制御手段が、前記並び替え用特徴パラメータ受付手段が並び替え用特徴パラメータを受け付けた後、前記切替手段によって表示対象の検体が切り替えられるまで、前記並び替え用特徴パラメータに基づく順序により複数の細胞画像を並べて表示させるように構成されていることが好ましい。
【0016】
また、上記態様においては、前記細胞画像表示装置が、細胞の種類を変更する対象の細胞画像及び変更後の細胞の種類の指定を受け付ける細胞種類変更受付手段と、指定された前記細胞画像に係る細胞の種類を、指定された前記新たな細胞の種類に変更する変更手段と、をさらに備えることが好ましい。
【0017】
また、上記態様においては、前記細胞画像表示装置が、細胞を撮像する撮像部をさらに備え、前記特徴パラメータ値取得手段が、前記撮像部が細胞を撮像することによって取得された細胞画像に基づいて特徴パラメータ値を取得するように構成されていることが好ましい。
【0018】
また、上記態様においては、前記特徴パラメータ値取得手段が、細胞画像表示装置の外部に設けられた記憶装置から特徴パラメータ値を取得するように構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る細胞画像表示装置によれば、人間が細胞の分類を行いやすい順番で細胞画像を並べて表示することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0021】
本実施の形態は、染色された血液塗抹標本を顕微鏡により拡大して撮像し、得られた血球画像から特徴パラメータを取得し、この特徴パラメータに基づく順番で複数の血球画像を並べて表示する標本撮像装置である。
【0022】
[標本撮像装置の構成]
図1は、本実施の形態に係る標本撮像装置の構成を示すブロック図である。なお、図1は装置の構成を模式的に示すものであり、分かり易くするためにセンサ及びスライドカセット等の配置が実際とは若干異なっている。例えば、図1では、WBC検出用のセンサとオートフォーカス用のセンサとが上下に配置されているが、実際には後出する図2に示されるように、両センサは略同一平面内に配置されている。
【0023】
標本撮像装置1は、オートフォーカスにより焦点が合わされた血液塗抹標本を拡大して撮像する顕微鏡ユニット2と、撮像により得られた画像を処理して血液中の白血球の分類を行い、当該白血球の分類毎の計数を行う画像処理ユニット3と、この画像処理ユニット3に接続されており、撮像により得られた画像及び分析結果等を表示する血球画像表示ユニット4とを備えている。なお、前記画像処理ユニット3と血球画像表示ユニット4とは、別体とせずに、両者を一体化してもよい。また、標本撮像装置1の近傍には、図示しない塗抹標本作製装置(例えば、シスメックス社製の塗抹標本作製装置SP−1000i)が配置されており、この塗抹標本作製装置によって作製された血液塗抹標本が顕微鏡ユニット2に自動的に供給されるように構成されている。
【0024】
<顕微鏡ユニット2の構成>
図2は、顕微鏡ユニット2の一部を示す斜視図である。顕微鏡ユニット2は、XYステージ21上に載置されたスライドガラス5にうすく引き伸ばされて塗布された血液の像を拡大する顕微鏡のレンズ系の一部を構成する対物レンズ22を備えている。標本(上面に血液が塗抹されたスライドガラス5)を保持する前記XYステージ21は、XYステージ駆動回路23(図1参照)により駆動制御される駆動部(図示せず)により前後左右(X方向及びY方向)に移動自在とされる。また、前記対物レンズ22は、対物レンズ駆動回路24により駆動制御される駆動部(図示せず)により上下(Z方向)に移動自在とされている。
【0025】
スライドガラス5は、複数枚積み重ねられた状態でスライドカセット25内(図1参照)に収容されており、このスライドカセット25は、カセット搬送駆動回路26により駆動制御される搬送部(図示せず)によって搬送される。前記XYステージ21には、スライドガラス5の長手方向の両端付近2箇所を把持し得るチャック部27(図2参照)が、所定位置に停止している前記スライドカセット25内に収容されているスライドガラス5に対して進退自在に設けられている。そして、前記チャック部27をスライドカセット25に向けて進出させ、当該チャック部27先端部に形成されている開閉自在の爪部27aの開閉操作によりスライドガラス5を把持し、ついでチャック部27を後退させることにより、スライドカセット25からスライドガラス5を引き出して、XYステージ21の所定の位置に配置することができる。
【0026】
図1に戻り、スライドガラス5の下方には光源であるランプ28が配設されており、このランプ28からの光は、スライドガラス5上の血液を通過し、さらに光路上に配置されたハーフミラー29及び干渉フィルタ210を経由して、複数の画素が一列に並んだオートフォーカス用のラインセンサ211、複数の画素が一列に並んだ白血球(WBC)検出用のセンサ212、及びCCDカメラ213に入射する。白血球検出用のセンサ212には、FPGA又はASIC等で構成された白血球検出部214が接続され、センサ212の出力信号が白血球検出部214に与えられるようになっている。また、オートフォーカス用のセンサ211には、FPGA又はASIC等で構成されたフォーカス算定部215が接続され、センサ211の出力信号がフォーカス算定部215に与えられるようになっている。センサ212の入射光に応じた出力信号に基づいて、白血球検出部214により白血球の検出が行われ、またセンサ211の入射光に応じた出力信号に基づいて、フォーカス算定部215でオートフォーカスの動作に用いられる情報が算定され、かかる情報に基づいてオートフォーカスの動作が行われる。
【0027】
また、顕微鏡ユニット2は、制御部216及び通信インタフェース217,218を備えている。制御部216はCPU及びメモリを備え、XYステージ駆動回路23、対物レンズ駆動回路24、カセット搬送駆動回路26、白血球検出部214、フォーカス算定部215、通信インタフェース217及び218にそれぞれ通信可能に接続されており、かかる制御部216がメモリに記憶された制御プログラムを実行することにより、上述した各機構が制御されるようになっている。
【0028】
通信インタフェース217は、Ethernet(登録商標)インタフェースである。かかる通信インタフェース217は、通信ケーブルを介して画像処理ユニット3にデータ通信可能に接続されている。また、通信インタフェース218は、A/D変換器213aを介してCCDカメラ213に接続されており、また通信ケーブルを介して画像処理ユニット3に接続されている。CCDカメラ213から出力された画像信号(アナログ信号)は、A/D変換器213aによりA/D変換され、A/D変換器213aから出力された画像データ(デジタルデータ)が通信インタフェース218に与えられ、画像処理ユニット3へ送信される。
【0029】
また、顕微鏡ユニット2は、2次元バーコードリーダ219を備えている。スライドガラス5のフロスト部には、検体IDを示す2次元バーコードが印字されており、顕微鏡ユニット2に導入されたスライドガラス5の2次元バーコードが、2次元バーコードリーダ219により読み取られる。このようにして読み取られた検体IDは、制御部216に与えられる。
【0030】
<画像処理ユニット3の構成>
次に、画像処理ユニット3の構成について説明する。図3は、画像処理ユニット3の構成を示すブロック図である。画像処理ユニット3は、コンピュータ3aによって実現される。図3に示すように、コンピュータ3aは、本体31と、画像表示部32と、入力部33とを備えている。本体31は、CPU31a、ROM31b、RAM31c、ハードディスク31d、読出装置31e、入出力インタフェース31f、通信インタフェース31g、及び画像出力インタフェース31hを備えており、CPU31a、ROM31b、RAM31c、ハードディスク31d、読出装置31e、入出力インタフェース31f、通信インタフェース31g、通信インタフェース31h、通信インタフェース31i、及び画像出力インタフェース31jは、バス31kによって接続されている。
【0031】
CPU31aは、RAM31cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、後述するような画像処理プログラム34aを当該CPU31aが実行することにより、コンピュータ3aが画像処理ユニット3として機能する。
【0032】
ROM31bは、マスクROM、PROM、EPROM、又はEEPROM等によって構成されており、CPU31aに実行されるコンピュータプログラム及びこれに用いるデータ等が記録されている。
【0033】
RAM31cは、SRAMまたはDRAM等によって構成されている。RAM31cは、ハードディスク31dに記録されている画像処理プログラム34aの読み出しに用いられる。また、CPU31aがコンピュータプログラムを実行するときに、CPU31aの作業領域として利用される。
【0034】
ハードディスク31dは、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等、CPU31aに実行させるための種々のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータがインストールされている。後述する画像処理プログラム34aも、このハードディスク31dにインストールされている。
【0035】
さらにハードディスク31dには、血球画像を保存するための血球画像フォルダ35が設けられている。かかる血球画像フォルダ35には、検体毎にフォルダが設けられており、さらにそのフォルダ内に後述するようにして得られた血球画像が格納される。検体毎に設けられた各フォルダには、検体IDを含むフォルダ名が付けられており、検体IDから対応するフォルダを特定することが可能となっている。また、この血球画像フォルダ35は血球画像表示ユニット4との共有設定がなされており、血球画像表示ユニット4から当該血球画像フォルダ35に格納されているファイルにアクセスすることが可能となっている。
【0036】
また、ハードディスク31dには、検体に関する情報(以下、「検体情報」という。)を格納するための検体データベースDB1と、画像処理によって白血球を分類した結果を格納するための血球データベースDB2とが設けられている。検体データベースDB1はリレーショナルデータベースであり、検体IDを格納するフィールド、図示しない多項目自動血球分析装置による分析結果(白血球数、赤血球数等)の数値データを格納するためのフィールド、多項目血球分析装置により各種の異常と判定された場合にその異常を示す情報を格納するためのフィールド、標本撮像装置1による測定日を格納するためのフィールド、患者氏名を格納するフィールド、病棟を特定する情報を格納するフィールド、年齢を格納するフィールド、顕微鏡ユニット2による白血球カウント数Nを格納するフィールド等を含んでいる。
【0037】
図4は、血球データベースDB2の構造を示す模式図である。血球データベースDB2は、検体毎に設けられており、各血球データベースDB2には、検体IDを示すデータが含まれている。これにより、検体IDから対応する血球データベースDB2を特定することが可能である。かかる血球データベースDB2には、白血球を特定する白血球IDを格納する白血球IDフィールドF21と、白血球の分類結果を格納する種類フィールドF22と、分類不能であった白血球を特定するための情報を格納する再確認対象フィールドF23と、各種の特徴パラメータ値(特徴パラメータの数値)を格納するためのフィールドF24,F25,…が設けられている。再確認対象フィールドF23には、白血球分類が正常に行われている場合には「0」が、分類不能であり、再確認の対象とされる場合には「1」が格納される。
【0038】
読出装置31eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブ等によって構成されており、可搬型記録媒体34に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体34には、コンピュータを画像処理ユニット3として機能させるための画像処理プログラム34aが格納されており、コンピュータ3aが当該可搬型記録媒体34から画像処理プログラム34aを読み出し、当該画像処理プログラム34aをハードディスク31dにインストールすることが可能である。
【0039】
なお、前記画像処理プログラム34aは、可搬型記録媒体34によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ3aと通信可能に接続された外部の機器から前記電気通信回線を通じて提供することも可能である。例えば、前記画像処理プログラム34aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ3aがアクセスして、当該コンピュータプログラムをダウンロードし、これをハードディスク31dにインストールすることも可能である。
【0040】
また、ハードディスク31dには、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)等のマルチタスクオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、本実施の形態に係る画像処理プログラム34aは当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0041】
入出力インタフェース31fは、例えばUSB,IEEE1394,又はRS-232C等のシリアルインタフェース、SCSI,IDE,又はIEEE1284等のパラレルインタフェース、及びD/A変換器、A/D変換器等からなるアナログインタフェース等から構成されている。入出力インタフェース31fには、キーボード及びマウスからなる入力部33が接続されており、ユーザが当該入力部33を使用することにより、コンピュータ3aにデータを入力することが可能である。また、入出力インタフェース31fには、顕微鏡ユニット2に設けられたCCDカメラ213が接続されており、CCDカメラ213の撮像により得られた画像を取り込むことが可能である。
【0042】
通信インタフェース31g,31hは、それぞれEthernet(登録商標)インタフェースである。通信インタフェース31gはLANを介して血球画像表示ユニット4に接続されている。コンピュータ3aは、通信インタフェース31gにより、所定の通信プロトコルを使用して当該LANに接続された血球画像表示ユニット4及び図示しないホストコンピュータとの間でデータの送受信が可能である。また、通信インタフェース31hは、通信ケーブルを介して顕微鏡ユニット2の通信インタフェース217とデータ通信可能に接続されている。
【0043】
通信インタフェース31iは、通信ケーブルを介して顕微鏡ユニット2の通信インタフェース218とデータ通信可能に接続されている。これにより、CCDカメラ213による撮像画像が通信インタフェース31iにより受信されるようになっている。
【0044】
画像出力インタフェース31jは、LCDまたはCRT等で構成された画像表示部32に接続されており、CPU31aから与えられた画像データに応じた映像信号を画像表示部32に出力するようになっている。画像表示部32は、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。
【0045】
<血球画像表示ユニット4の構成>
血球画像表示ユニット4は、コンピュータにより構成されている。また、かかる血球画像表示ユニット4は、画像処理ユニット3とLANを介して接続されており、画像処理ユニット3のハードディスク31dに設けられた血球画像フォルダ35内の血球画像を読み出し、表示することが可能である。
【0046】
図5は、血球画像表示ユニット4の構成を示すブロック図である。血球画像表示ユニット4は、コンピュータ4aによって実現される。図5に示すように、コンピュータ4aは、本体41と、画像表示部42と、入力部43とを備えている。本体41は、CPU41a、ROM41b、RAM41c、ハードディスク41d、読出装置41e、入出力インタフェース41f、通信インタフェース41g、及び画像出力インタフェース41hを備えており、CPU41a、ROM41b、RAM41c、ハードディスク41d、読出装置41e、入出力インタフェース41f、通信インタフェース41g、及び画像出力インタフェース41hは、バス41iによって接続されている。
【0047】
ハードディスク41dは、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等、CPU41aに実行させるための種々のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータがインストールされている。後述する血球画像表示プログラム44aも、このハードディスク41dにインストールされている。さらに、ハードディスク41dには、後述する設定動作により標準表示設定情報C1が記憶され、表示変更動作により並び替え設定情報C2が記憶される。
【0048】
読出装置41eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブ等によって構成されており、可搬型記録媒体44に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体44には、コンピュータを血球画像表示ユニット4として機能させるための血球画像表示プログラム44aが格納されており、コンピュータ4aが当該可搬型記録媒体44から血球画像表示プログラム44aを読み出し、当該血球画像表示プログラム44aをハードディスク41dにインストールすることが可能である。
【0049】
入出力インタフェース41fは、例えばUSB,IEEE1394,SAS,SATA,又はRS-232C等のシリアルインタフェース、SCSI,IDE,又はIEEE1284等のパラレルインタフェース、及びD/A変換器、A/D変換器等からなるアナログインタフェース等から構成されている。入出力インタフェース41fには、キーボード及びマウスからなる入力部43が接続されており、ユーザが当該入力部43を使用することにより、コンピュータ4aにデータを入力することが可能である。
【0050】
通信インタフェース41gは、Ethernet(登録商標)インタフェースである。通信インタフェース41gはLANを介して画像処理ユニット3に接続されている。コンピュータ4aは、通信インタフェース41gにより、所定の通信プロトコルを使用して当該LANに接続された画像処理ユニット3及び図示しないホストコンピュータとの間でデータの送受信が可能である。
【0051】
なお、血球画像表示ユニット4のその他の構成は、上述した画像処理ユニット3の構成と同様であるので、その説明を省略する。
【0052】
[標本撮像装置の動作]
次に、本実施の形態に係る標本撮像装置1の動作について説明する。
【0053】
<血球画像の登録動作>
まず、標本撮像装置1が血球を撮像し、血球画像を記憶する血球画像の登録動作について説明する。標本撮像装置1の動作に先立ち、血液塗抹標本の作製が行われる。標本撮像装置1の近傍に配置された血液塗抹標本作製装置は、採血管に収容された検体を吸引し、この検体をスライドガラスに滴下して引き延ばし、当該スライドガラスを染色液に浸すことにより、血液塗抹標本を作製する。なお、血液塗抹標本作製装置によって標本に対して施される染色は、メイグリュンワルドギムザ染色(メイギムザ染色)、ライトギムザ染色、又はライト単染色とされる。このようにして作製された血液塗抹標本(スライドガラス5)は、血液塗抹標本作製装置から顕微鏡ユニット2へ自動供給される。
【0054】
図6は、血球画像の登録動作における顕微鏡ユニット2の動作手順を示すフローチャートであり、図7は、血球画像の登録動作における画像処理ユニット3の処理を示すフローチャートである。顕微鏡ユニット2は、血液塗抹標本作製装置1からスライドガラス5を受け付けると、これを図示しないセンサによって検出する(ステップS11)。制御部216により実行される制御プログラムはイベントドリブン型のプログラムであり、顕微鏡ユニット2の制御部216においては、血液塗抹標本作製装置1からスライドガラス5を受け付けるイベントが発生すると、ステップS12の処理が呼び出される。
【0055】
ステップS12において、制御部216は、受け付けたスライドガラス5を収容するスライドカセット25を所定のバーコード読み取り位置まで搬送させ、2次元バーコードリーダ219に検体バーコードを読み取らせる(ステップS12)。次に、制御部216は、ステップS12において取得した検体IDを通信インタフェース217に画像処理ユニット3へ送信させる(ステップS13)。
【0056】
顕微鏡ユニット2から送信された検体IDは、画像処理ユニット3の通信インタフェース31hにより受信される(図7のステップS201)。画像処理ユニット3のCPU31aにより実行される画像処理プログラム34aはイベントドリブン型のプログラムであり、CPU31aにおいては、検体IDを受信するイベントが発生すると、ステップS202の処理が呼び出される。
【0057】
ステップS202において、CPU31aは、通信インタフェース31gに、受信した検体IDを含むオーダ要求データをホストコンピュータへ送信させる(ステップS202)。ホストコンピュータから送信されるオーダには、検体ID、患者氏名、患者性別、病棟情報、コメント、多項目自動血球分析装置の分析結果(白血球数、赤血球数等の数値データ)、多項目自動血球分析装置により検出された各種の異常情報、及び白血球のカウント数Nのデータが含まれている。CPU31aは、オーダ受信を待機し(ステップS203においてNO)、オーダを受信すると(ステップS203においてYES)、通信インタフェース31hにより、かかるオーダに含まれる顕微鏡ユニット2による白血球のカウント数Nを含む測定開始指示データを顕微鏡ユニット2へ送信し(ステップS204)、解析した血球画像の数を示す変数iに1をセットする(ステップS205)。
【0058】
ここで、顕微鏡ユニット2は、測定開始指示データを待機している(図6のステップS14においてNO)。画像処理ユニット3から送信された測定開始指示データが、顕微鏡ユニット2の通信インタフェース217により受信された場合には(ステップS14においてYES)、制御部216は、スライドカセット25を所定位置まで搬送させ、所定位置に停止しているスライドガラス5をチャック部27に把持させ、次いでチャック部27を後退させることによりスライドカセット25からスライドガラスを引き出させ、XYステージ21の所定の位置(撮像位置)にセットさせる(ステップS15)。また、制御部216は、撮像回数を示す変数jに1をセットする(ステップS16)。
【0059】
次いで、スライドガラス5に塗布された血液中の白血球の検出が行われる(ステップS17)。この検出は前述したセンサ212を用いて行われる。センサ212はラインセンサであり、その視野は400μm程度である。図8は、白血球検出におけるスライドガラス上の検体のスキャニングのパターンを説明する図である。制御部216は、センサ212がスライドガラス5上を略ジグザグ状に長手方向の一端から他端に向けてスキャンするように、前記XYステージ21がX方向及びY方向に移動させる(図8参照)。前記略ジグザグ状の走査の、スライドガラス5長手方向の間隔Dは、検出漏れを防ぎつつ走査効率を上げるという観点より、通常、300〜500μm程度であり、また、前記走査のスライドガラス5幅方向の寸法Hは、スライドガラス5の幅が一般に26mm程度であることから、通常、14〜18mm程度である。
【0060】
赤血球は光の赤色成分をあまり吸収しないが、白血球の核は光の赤色成分を多く吸収することから、この赤色成分を検出することにより白血球と赤血球とを容易に区別することができる。図9Aは、ラインセンサ212の視野を説明する図であり、図9Bは、ラインセンサ212の信号波形を示す図である。図9Aにおいては、ラインセンサ212の視野V内に白血球WBCが存在する場合を示しており、この場合、ラインセンサ212により検出された信号の赤色成分は、図9Bに示されるように、白血球WBCが存在する箇所において基準値S以下となる。この現象を利用して、血液中の白血球を検出することができる。なお、信号の赤色成分が基準値S以下となる幅Wを検出することで、この信号を発する部分が白血球の核であるか否かのチェックが行われる。
【0061】
次いで、制御部216は、オートフォーカス動作を実行する(ステップS18)。図2に示すように、スライドガラス5及び対物レンズ22を通過した光は、プリズムミラー29aにより方向変換され、さらにハーフミラー29によってCCDカメラ213に向かう光と、センサ211、212に向かう光とに分けられる。オートフォーカス用のラインセンサ211は、2つのラインセンサ211a及び211bから構成されている。
【0062】
図2に示すように、2つのオートフォーカス用のラインセンサ211a、211bのうち一方のラインセンサ211aは、合焦位置(焦点が合っている位置)よりも前側(光路上対物レンズに近づく側)に配置されており、他方のラインセンサ211bは合焦位置よりも後側(光路上対物レンズから離れる側)に配置されている。そして、かかる2つのラインセンサの出力信号の差分積分値に基づいて、対物レンズの焦点がスライドガラス上の検体に合うように、対物レンズの位置が調節される。
【0063】
次に、制御部216は、通信インタフェース218にCCDカメラ213の画像の取り込み及び送信を指示し、これにより、ステップS17で検出された白血球の画像が取り込まれ(ステップS19)、かかる血球画像が画像処理ユニット3へ送信される(ステップS110)。その後、制御部216は、要求された白血球のカウント数に到達したか否か、即ち、j≧Nであるか否かを判定し(ステップS111)、j<Nの場合には(ステップS111においてNO)、jを1インクリメントし(ステップS112)、処理をステップS17に戻し、再度白血球の検出を実行する。一方、ステップS111においてj≧Nの場合には(ステップS111においてYES)、制御部216は、処理を終了する。
【0064】
上記のステップS205の後、画像処理ユニット3のCPU31aは、血球画像の受信を待機する(図7のステップS206においてNO)。顕微鏡ユニット2から送信された血球画像が、画像処理ユニット3の通信インタフェース31hにより受信された場合には(ステップS206においてYES)、CPU31aは、血球画像の補正処理を行う(ステップS207)。かかる補正処理においては、血球画像の背景部分(血球像以外の部分)の輝度の平均値が所定値(例えば、225)になるように、血球画像の全画素のRGB成分の輝度値が線形補正される。CPU31aは、このような補正後の血球画像をハードディスク31dに記憶する(ステップS208)。ステップS208の処理においては、血球画像に対応する白血球IDが生成され、その白血球IDを含むファイル名の画像データとして、前記血球画像が記憶される。
【0065】
次に、CPU31aは、血球画像における細胞質及び核の領域を特定する(ステップS209)。図10は、血球画像の一例を示す図である。図10に示すように、血球画像6Aには、白血球像61が含まれている。染色された白血球においては、核及び細胞質が異なる色を呈する。また、白血球の核及び細胞質の色は、赤血球及び背景の色ともそれぞれ異なっている。したがって、ステップS209の処理では、白血球像61のRGB値を利用して、白血球像61に含まれる核の領域61a及び細胞質の領域61bが特定される。
【0066】
次に、CPU31aは、血球画像に基づき白血球の各種特徴パラメータ値を算出する(ステップS210)。この特徴パラメータとしては、画像の色信号(G、B、R)に基づいて求めることができる白血球の核の面積、細胞質の面積、核と細胞質との面積比(NC比)、核のくびれ、核の色、細胞質の色などをあげることができる。
【0067】
次に、CPU31aは、取得した特徴パラメータ値を用いて、白血球の種類を分類する(ステップS211)。具体的には、例えば白血球のいくつかの特徴パラメータについて、順次、各パラメータ値について予め定めておいた判定基準値と比較することで、白血球の種類を除々に絞り込んでいくことができる。このようにして、撮像された白血球は、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球、好中球(桿状、分葉状)といった成熟白血球の分類、芽球、幼若顆粒球、異型リンパ球といった未熟白血球の分類、赤芽球の分類がなされる。例えば、リンパ球は単球に比べて核と細胞質との面積比(NC比)が大きい。したがって、ある血球がリンパ球か単球かを弁別する場合には、NC比が基準値以上の場合にはリンパ球と判断され、NC比が基準値未満の場合には単球と判断される。但し、この例は分類処理を単純化して説明したものであり、実際にはNC比以外の種々の特徴パラメータも用いて分類処理が行われる。
【0068】
次に、CPU31aは、要求された白血球のカウント数に到達したか否か、即ち、i≧Nであるか否かを判定する(ステップS212)。i<Nの場合には(ステップS212においてNO)、CPU31aはiを1インクリメントし(ステップS213)、処理をステップS206に戻し、再度血球画像の受信を待機する。
【0069】
一方、ステップS212においてi≧Nの場合には(ステップS212においてYES)、CPU31aは、上述のようにして得られた検体に関する情報をハードディスク31dの検体データベースDB1に、分類結果及び特徴パラメータ値を血球データベースDB2にそれぞれ登録し(ステップS214)、処理を終了する。
【0070】
<血球画像の表示動作>
図11Aは、血球画像の表示動作における血球画像表示ユニット4の初期処理の手順を示すフローチャートであり、図11Bは、血球画像の表示動作における画像処理ユニット3の検体情報送信処理の手順を示すフローチャートである。ユーザは、コンピュータ4aの入力部43を操作することにより、血球画像表示プログラム44aの実行を指示する。コンピュータ4aのCPU41aは、この指示を受け、血球画像表示プログラム44aを実行する。これにより、コンピュータ4aが血球画像表示ユニット4として機能する。
【0071】
血球画像表示プログラム44aの起動直後、CPU41aは、RAM41c内に確保された後述する並び替えフラグに初期値「0」をセットし(図11AにおけるステップS31)、ユーザ名及びパスワードの入力を促すログイン入力画面を画像表示部42に表示させる(ステップS32)。このログイン入力画面においてユーザがユーザ名及びパスワードを入力する(ステップS33)。血球画像表示ユニット4のCPU41aにより実行される血球画像表示プログラム44aはイベントドリブン型のプログラムであり、CPU41aにおいては、ユーザ名及びパスワードの入力を受け付けるイベントが発生すると、ステップS34の処理が呼び出される。
【0072】
ステップS34において、CPU41aは、ユーザ認証処理を実行する。かかるユーザ認証が失敗した場合には(ステップS35においてNO)、CPU41aは、処理を終了する。上記のログイン処理によるユーザ認証が成功した場合には(ステップS35においてYES)、CPU41aは、通信インタフェース41gに、血液画像表示ユニット4にログインした日が測定日とされている検体情報の要求データを画像処理ユニット3へ送信させる(ステップS36)。
【0073】
血球画像表示ユニット4から送信された要求データは、画像処理ユニット3の通信インタフェース31hにより受信される(図11BのステップS41)。CPU31aにおいては、前記要求データを受信するイベントが発生すると、ステップS42の処理が呼び出される。
【0074】
ステップS42において、CPU31aは、測定日がその日である検体情報を、検体データベースDB1から取得する(ステップS42)。次に、CPU231aは、通信インタフェース31gに、取得した検体情報を血球画像表示ユニット4へ送信させ(ステップS43)、処理を終了する。
【0075】
図11Aに戻り、血球画像表示ユニット4のCPU41aは、ステップS36において、検体情報の要求データを送信した後、検体情報の受信を待機する(図11AのステップS37においてNO)。画像処理ユニット3から送信された検体情報が、血球画像表示ユニット4の通信インタフェース41gにより受信された場合には(ステップS37においてYES)、測定進捗画面(図示せず)を表示し(ステップS38)、処理を終了する。かかる測定進捗画面では、複数の検体に関する検体情報がリスト表示される。この測定進捗画面においては、ユーザがリスト表示されている検体情報の1つを選択することが可能であり、1つの検体情報を選択した上で所定の操作(例えば、マウスの左ボタンのダブルクリック)を行うことにより、ユーザはこの検体に関する血球画像の表示指示を血球画像表示ユニット4に与えることが可能である。
【0076】
図12Aは、血球画像の表示動作における血球画像表示ユニット4の画像表示処理の手順を示すフローチャートであり、図12Bは、血球画像の表示動作における画像処理ユニット3の血球画像送信処理の手順を示すフローチャートである。血球画像表示ユニット4では、測定進捗画面が表示されている状態において、上記のように1つの検体に関する血球画像の表示指示を受け付けるイベントが発生すると(ステップS51)、ステップS52の処理が呼び出される。
【0077】
ステップS52において、CPU41aは、通信インタフェース41gに、指示を受けた検体の検体IDを含む血球画像送信要求データを画像処理ユニット3へ送信させる(ステップS52)。
【0078】
血球画像表示ユニット4から送信された要求データは、画像処理ユニット3の通信インタフェース31gにより受信される(図12BのステップS61)。CPU31aにおいては、前記要求データを受信するイベントが発生すると、ステップS62の処理が呼び出される。
【0079】
ステップS62において、CPU31aは、前記検体IDに対応する血球データベースDB2から、分類結果情報を取得する(ステップS62)。この分類結果情報には、図4に示した白血球を特定する白血球IDと、白血球の分類結果の種類(単球、好中球、好塩基球、好酸球、リンパ球等)と、分類不能であったか否かを示す情報と、各種の特徴パラメータ値とが含まれている。また、分類結果情報においては、白血球の種類情報又は分類不能情報に白血球IDが対応付けられている。即ち、分類結果情報は、白血球IDから、その白血球の種類が何であるか、又は、その白血球が分類不能であったかを特定可能な情報とされている。
【0080】
次に、CPU31aは、通信インタフェース31gに、取得した分類結果情報を血球画像表示ユニット4へ送信させる(ステップS63)。
【0081】
図12Aに戻り、血球画像表示ユニット4のCPU41aは、分類結果情報の要求データを送信した後、分類結果情報の受信を待機する(図12AのステップS53においてNO)。画像処理ユニット3から送信された分類結果情報が、血球画像表示ユニット4の通信インタフェース41gにより受信された場合には(ステップS53においてYES)、CPU41aは、後述する血球画像の並び替え設定が行われているか否かを判別する(ステップS54)。後述するように、血球画像の並び替え設定が行われている場合には、RAM41cに設けられた並び替えフラグに「1」がセットされ、血球画像の並び替え設定が行われていない場合には、前記並び替えフラグに「0」がセットされる。ステップS54の処理では、CPU41aは並び替えフラグを参照することにより、血球画像の並び替え設定が行われたか否かを判定する。
【0082】
ステップS54において、並び替え設定が行われていない場合には(ステップS54においてYES)、CPU41aは、ハードディスク41dから標準表示設定情報C1を読み出す(ステップS55)。この標準表示設定情報C1は、後述するように、血球画像表示ユニット4が起動した後、血球画像の並び替え設定が行われていない場合に、血球画像の表示に用いられる。かかる標準表示設定情報C1には、血球種の並び順を示す情報、表示対象の血球種を示す情報、血球種毎に血球画像の並び順を決定するために用いられる特徴パラメータを示す情報、及び血球種毎に前記特徴パラメータを用いて血球画像を並べる順番が昇順か降順かを示す情報を含んでいる。
【0083】
次に、CPU41aは、標準表示設定情報C1において表示対象に設定されている血球種に対応する白血球IDを分類結果情報から特定し(ステップS56)、血球種毎に標準表示設定情報C1において設定されている特徴パラメータ及び並び順が昇順か降順かを示す情報を用いて、表示対象として特定された各白血球IDの並び順を血球種毎に決定する(ステップS57)。各白血球IDの並び順を決定すると、CPU41aは、ステップS511に処理を移す。
【0084】
ステップS54において、並び替え設定が行われている場合には(ステップS54においてNO)、CPU41aは、ハードディスク41dから並び替え設定情報C2を読み出す(ステップS58)。この並び替え設定情報C2は、後述するように、血球画像の並び替え設定が行われた後、血球画像表示ユニット4がシャットダウンされるまでの間において、血球画像の表示に用いられる。かかる並び替え設定情報C2には、血球種の並び順を示す情報、表示対象の血球種を示す情報、血球画像の並び順を決定するために用いられる特徴パラメータを示す情報、及び前記特徴パラメータを用いて血球画像を並べる順番が昇順か降順かを示す情報を含んでいる。
【0085】
次に、CPU41aは、受信した分類結果情報に含まれる血球種から、並び替え設定情報C2において表示対象に設定されている血球種に対応する白血球IDを特定し(ステップS59)、並び替え設定情報C2において設定されている特徴パラメータ及び並び順が昇順か降順かを示す情報を用いて、表示対象として特定された各白血球IDの並び順を血球種毎に決定する(ステップS510)。各白血球IDの並び順を決定すると、CPU41aは、ステップS511に処理を移す。
【0086】
ステップS511において、CPU41aは、通信インタフェース41gに、特定した白血球IDを含む画像送信要求データを画像処理ユニット3へ送信させる(ステップS511)。なお、上記画像送信要求データには、特定された全ての白血球IDが含まれる。
【0087】
図12Bに戻り、画像処理ユニット3のCPU31aは、ステップS63において分類結果情報を送信した後、画像送信要求データの受信を待機する(図12BのステップS64においてNO)。血球画像表示ユニット4から送信された要求データが、画像処理ユニット3の通信インタフェース31gにより受信された場合には(ステップS64においてYES)、CPU31aは、ハードディスク31dの血球画像フォルダ35の中の前記検体IDに対応するフォルダから、画像送信要求データに含まれる白血球IDに対応する血球画像を読み出し(ステップS65)、通信インタフェース31gに、読み出した血球画像を血球画像表示ユニット4へ送信させ(ステップS66)、処理を終了する。
【0088】
図12Aに戻り、血球画像表示ユニット4のCPU41aは、ステップS511において画像送信要求データを送信した後、血球画像の受信を待機する(図12AのステップS512においてNO)。画像処理ユニット3から送信された血球画像が、血球画像表示ユニット4の通信インタフェース41gにより受信された場合には(ステップS512においてYES)、血球画像レビュー画面を生成する(ステップS513)。この血球画像レビュー画面には、ステップS57又はS510によって決定された並び順により、各血球画像が並べられている。CPU41aは、生成した血球画像レビュー画面を画像表示部42に表示し(ステップS514)、処理を終了する。
【0089】
図13は、血球画像レビュー画面の一例を示す図である。血球画像レビュー画面W1には、1又は複数の血球画像を表示する血球画像表示領域A11と、患者情報を表示する患者情報表示領域A12と、分類された血球の種類毎に、計数結果を表示するカウント値表示領域A13と、多項目自動血球分析装置による分析結果を表示する分析結果表示領域A14とが含まれている。血球画像表示領域には、受信された血球画像を縮小した画像が一覧表示される。各縮小画像には、血球種が文字列(単球は「Mono」、好中球は「Band」又は「Seg」、好酸球は「Eosin」、好塩基球は「Baso」、リンパ球は「Lymph」等)で表示される。また、血球画像表示領域A11に表示される血球画像は、上記のステップS56又はS59において表示対象に設定された白血球IDに対応する血球画像である。また、血球画像は、血球種によってまとめられたグループ毎に表示される。各グループは、並び替え設定が行われていない場合には、標準表示設定情報C1において設定されている血球種の並び順にしたがって、並び替え設定が行われている場合には、所定の順番で並べられる。図13においては、表示対象の血球種としてリンパ球及び単球が設定されており、血球種の並び順はリンパ球が先で単球が後となっている。また、血球画像表示領域A11では、表示対象の血球種毎に、並び順の決定に用いられる特徴パラメータにより、昇順及び降順のうち設定された順序で血球画像が並べられる。図13においては、リンパ球の血球画像が特徴パラメータ「NC比」について降順で並べられた例が示されている。また、図13に示す画面例では、最上段の左端のリンパ球の血球画像が先頭(NC比最大)であり、NC比が小さくなる順で先頭から右方へ向けてリンパ球の血球画像が並べられ、右端に到達すると一つ下段の左端から右方に向けて順番にリンパ球の血球画像が並べられ、以下これを繰り返した順序で血球画像が並べられている。NC比が最小のリンパ球の血球画像の次は、単球の血球画像が同様の順番で並べられている。
【0090】
カウント値表示領域A13には、血球種の名称がそれぞれ表示された複数の再分類ボタンBT11が縦に並べられており、それぞれの横に対応する血球種の計数値が表示されている。血球画像表示領域A11に表示されている血球画像の何れかがマウスの左ボタンクリック操作等により選択され、さらに再分類ボタンBT11の何れかが同様の操作により選択されると、その血球画像が選択された血球種に再分類される。この動作については後述する。
【0091】
<血球画像の表示設定動作>
次に、上記のように画像処理ユニット3に記憶された血球画像の表示設定の動作について説明する。この表示設定動作では、上述した血球画像レビュー画面において血球画像が並べられる順番が設定される。例えば、施設に標本撮像装置1を導入する当初に、サービスマンが血球画像レビュー画面の表示設定を行い、以後のユーザによる標本撮像装置1の運用においてはその設定値が使用される。また、ユーザ又はサービスマンが後に血球画像の表示設定を再度行い、設定値を変更することもできる。
【0092】
図14は、血球画像の表示設定動作における血球画像表示ユニット4の処理の流れを示すフローチャートである。サービスマン又はユーザ等の操作者は、入力部43を操作することにより、血球画像表示ユニット4に血球画像の表示設定画面W2の表示を指示する。CPU41aは、この指示を受け付けるイベントが発生すると(ステップS701)、ステップS702の処理を実行する。
【0093】
ステップS702において、CPU41aは、血球画像の表示設定画面W2を画像表示部42に表示させる(ステップS702)。図15は、血球画像の表示設定画面W2の一例を示す図である。設定画面W2は、血球種の並び順を設定するための領域A21と、表示対象の血球種を設定するための領域A22と、血球種毎に血球画像の並び順の決定に用いられる特徴パラメータを設定するための領域A23とを含んでいる。
【0094】
領域A21には、全血球種の名称が並べて表示される血球種名称表示部BX1と、血球種の並び順を変更するためのボタンBT21,BT22とが設けられている。血球種名称表示部BX1には各血球種名称の文字列が選択可能に表示される。血球種名称表示部BX1において1つの血球種名称が選択された状態で、ボタンBT21が選択される(マウスポインタがボタンBT21に重なっている状態でマウスの左ボタンのクリック操作がされる)と、選択された血球種の並び順が1つ繰り上がる。一方、血球種名称表示部BX1において1つの血球種名称が選択された状態で、ボタンBT22が選択されると、選択された血球種の並び順が1つ繰り下がる。このようにして、操作者は血球種の並び順を設定することができる。
【0095】
領域A22には、表示対象の血球種の名称が並べて表示される表示血球種名称表示部BX2と、非表示対象の血球種の名称が並べて表示される非表示血球種名称表示部BX3と、血球種の表示/非表示を変更するためのボタンBT23,BT24とが設けられている。表示血球種名称表示部BX2には表示対象の血球種名称の文字列が選択可能に表示され、非表示血球種名称表示部BX3には非表示対象の血球種名称の文字列が選択可能に表示される。表示血球種名称表示部BX2において1つの血球種名称が選択された状態で、ボタンBT24が選択されると、選択された血球種名称が表示血球種名称表示部BX2から削除され、非表示血球種名称表示部BX3に追加される。これによって、選択された血球種が表示対象から非表示対象へと変更される。反対に、非表示血球種名称表示部BX3において1つの血球種名称が選択された状態で、ボタンBT23が選択されると、選択された血球種名称が非表示血球種名称表示部BX3から削除され、表示血球種名称表示部BX2に追加される。これによって、選択された血球種が非表示対象から表示対象へと変更される。
【0096】
領域A23には、複数の血球種の名称BTYが縦に並んで表示されており、各血球種の名称BTYの横に、特徴パラメータを選択するための選択ボックスSBが設けられている。また、各選択ボックスSBの横のそれぞれには、並び順として昇順を選択するためのラジオボタンRB1と、降順を選択するためのラジオボタンRB2とが設けられている。横一列に並んだ血球種の名称、選択ボックスSB、及びラジオボタンRB1,RB2は互いに対応している。選択ボックスSBは、プルダウンボタンが設けられており、このプルダウンボタンが選択されると、複数の特徴パラメータの名称(「細胞の大きさ」、「NC比」、「核のくびれ」、「核の色」、「細胞質の色」)を含む選択メニューがプルダウン表示される。プルダウンメニューが表示されている状態で、マウスにより操作者が所望する特徴パラメータが選択されると、その特徴パラメータが、対応する血球種の血球画像の並び順を決定するために使用される特徴パラメータにセットされる。また、オペレータはラジオボタンRB1,RB2の何れか一方をマウスで選択することにより、血球画像の並び順として昇順/降順を設定することができる。
【0097】
また、設定画面W2には、OKボタンBT25と、キャンセルボタンBT26とが設けられている。OKボタンBT25が選択されると、上記のようにして入力された各設定値が確定され、各設定値を含む標準表示設定情報C1がハードディスク41dに記憶される。一方、キャンセルボタンBT26が選択されると、入力された設定値は破棄される。
【0098】
オペレータは、血球画像の表示設定画面W2が画像表示部42に表示されている状態で、上記のような操作を行うことで、設定値を入力し、その確定を指示することができる。CPU41aは、このような設定値の入力及び確定の指示を受け付けると(ステップS703)、その設定値を含む標準表示設定情報C1をハードディスク41dに記憶させ(ステップS704)、表示設定画面W2の表示を終了し(ステップS705)、処理を終了する。以上のようにして、血球画像の表示に関する設定が行われる。
【0099】
<血球画像の表示変更動作>
次に、血球画像の表示変更動作について説明する。この表示変更動作では、上述した血球画像レビュー画面が表示されている状態において、さらに血球画像を分類しやすいように血球画像を新たな並び順に設定することができる。
【0100】
図16は、血球画像の表示変更動作における血球画像表示ユニット4の処理の流れを示すフローチャートである。血球画像レビュー画面が表示されている状態において、ユーザは、入力部43を操作することにより、例えば、メニューバーの「表示」メニューから「表示設定変更」を選択する等、血球画像表示ユニット4に血球画像の表示変更設定画面の表示を指示する。CPU41aは、この指示を受け付けるイベントが発生すると(ステップS801)、ステップS802の処理を実行する。
【0101】
ステップS802において、CPU41aは、血球画像の表示変更設定画面を画像表示部42に表示させる(ステップS802)。この表示変更設定画面は、血球画像レビュー画面とは独立したウィンドウであり、血球画像レビュー画面の上に重ねられて表示される。図17は、血球画像の表示変更設定画面の一例を示す図である。表示変更設定画面W3は、表示対象の血球種を設定するための領域A31と、血球画像の並び順の決定に用いられる特徴パラメータを設定するための領域A32と、特徴パラメータに基づく並び順を昇順とするか降順とするかを設定するための領域A33とを含んでいる。
【0102】
領域A31には、「Lymph(リンパ球)」、「Mono(単球)」、「Eosin(好酸球)」、「Baso(好塩基球)」、「Band(棹状核好中球)」、「Seg(分葉核好中球)」、「Unknown(分類不能)」の各血球種の名称が表示され、それぞれの名称の横にチェックボックスCB1が設けられている。ユーザは、表示対象として所望する血球種の横のチェックボックスCB1を選択することで、その血球種を表示対象に設定することができる。
【0103】
領域A32には、「核の面積」、「核/細胞質の面積比」、「CLR30」、「CLG30」の各特徴パラメータの名称が表示され、それぞれの名称の横にラジオボタンRB3が設けられている。ユーザは、所望する特徴パラメータの横のラジオボタンRB3を選択することで、血球画像の並び順を決定するために用いられる特徴パラメータを設定することができる。
【0104】
領域A33には、血球画像の並び順として昇順/降順を選択するためのラジオボタンRB4が設けられている。ユーザは2つのラジオボタンRB4の何れか一方をマウスで選択することにより、血球画像の並び順として昇順/降順を設定することができる。
【0105】
また、表示変更設定画面W3には、OKボタンBT31と、キャンセルボタンBT32とが設けられている。OKボタンBT31が選択されると、上記のようにして入力された各設定値が確定され、各設定値を含む並び替え設定情報C2がハードディスク41dに記憶される。一方、キャンセルボタンBT32が選択されると、入力された設定値は破棄される。
【0106】
ユーザは、血球画像の表示変更設定画面が画像表示部42に表示されている状態で、上記のような操作を行うことで、並び替え用の設定値を入力し、その確定を指示することができる。CPU41aは、このような並び替え用の設定値の入力及び確定の指示を受け付けると(ステップS803)、その設定値を含む並び替え設定情報C2をハードディスク41dに記憶させ(ステップS804)、並び替えフラグに「1」をセットし(ステップS805)、表示変更設定画面の表示を終了する(ステップS806)。なお、上述したように、並び替えフラグの初期値は「0」である。
【0107】
次に、CPU41aは、ハードディスク41dから並び替え設定情報C2を読み出し(ステップS807)、分類結果情報に含まれる血球種から、並び替え設定情報C2において表示対象に設定されている血球種に対応する白血球IDを特定し(ステップS808)、並び替え設定情報C2において設定されている特徴パラメータ及び並び順が昇順か降順かを示す情報を用いて、表示対象として特定された各白血球IDの並び順を血球種毎に決定する(ステップS809)。そして、CPU41aは、決定した順番で血球画像を並べた血球画像レビュー画面を作成し(ステップS810)、血球画像レビュー画面の表示を更新し(ステップS811)、処理を終了する。これにより、並び替え用に設定した特徴パラメータにしたがった順序で血球画像を並び替えることができる。すなわち、表示設定画面W2で設定された血球画像の順序では、何れの血球種に分類されるかを判別しにくかったが、並べ替え設定画面W3で新たに設定した並び順に血球画像を並べ替えることで、血球種の再分類の精度を向上させることができる。
【0108】
<血球画像の再分類動作>
ユーザ(医師又は検査技師である検査者)は、血球画像レビュー画面を参照することで、この画面中に並べられた複数の血球画像のうち、誤分類されているものを正しい血球種に再分類する。以下、この動作について説明する。図18Aは、血球画像の再分類動作における血球画像表示ユニット4の処理の流れを示すフローチャートであり、図18Bは、血球画像の再分類動作における画像処理ユニット3の処理の流れを示すフローチャートである。血球画像レビュー画面が表示されている状態において、ユーザは、入力部43を操作することにより、再分類対象の血球画像を選択し、その血球画像の新たな血球種を指示する。血球画像の選択は、例えばマウスポインタが対象の血球画像に重なっている状態でマウスの左ボタンのクリック操作がされることにより行われる。また、新たな血球種の指示は、血球画像レビュー画面の再分類ボタンBT11が同様にマウスの左ボタンクリック操作等によって行われる。CPU41aは、再分類対象の血球画像の選択及び新たな血球種の指示を受け付けるイベントが発生すると(ステップS901)、ステップS902の処理を実行する。
【0109】
ステップS902において、CPU41aは、通信インタフェース41gに、選択された血球画像の白血球ID及び新たな血球種の情報を含むデータベース更新指示データを画像処理ユニット3へと送信させ(ステップS902)、再分類の結果を反映するように血球画像レビュー画面を更新する(ステップS903)。この血球画像レビュー画面の更新処理では、再分類された血球画像が血球画像表示領域A11における再分類される前の血球種(以下、「旧血球種」という。)のグループから削除され、再分類先の血球種(以下、「新血球種」という。)のグループに含められ、新血球種のグループに属する血球画像が当該血球種に対応付けられている特徴パラメータにしたがった順番で並べ替えられる。また、旧血球種の計数結果が1減じられ、新血球種の計数結果が1加算される。その後、CPU41aは、処理を終了する。
【0110】
ここで、撮像順で血球画像を並べた画面と、本実施の形態による特徴パラメータにしたがった順序で血球画像を並べた画面とを比較して、どのようにして血球画像の再分類が行われるかについて説明する。図19は、撮像順で血球画像を並べた画面の一例である。なお、図19に示す画面は、血球画像の並び順を撮像順とした他は、図13に示した血球画像レビュー画面と同一の構成である。また、本画面の血球画像は全て図13の血球画像レビュー画面に表示されている画像と同一の画像である。図19に示す、撮像順で血球画像を並べた画面では、隣り合う血球画像同士が似通った形態を有しているとは限らない。このため、検査技師又は医師等の検査者が全ての血球画像を慎重に確認しなければ、容易に誤分類を発見することはできない。一方、図13に示す、特徴パラメータ「NC比」について降順で血球画像を並べた画面では、一般的にNC比が高いリンパ球の中でNC比が小さい血球画像が後段に配置される。また、上述したようにリンパ球よりも単球の方がNC比は小さいため、単球のグループの近くに配置された、NC比の小さいリンパ球の血球画像は、単球と形態が近似しており、実際は単球である血球画像がリンパ球に誤分類されているものである可能性が高い。このように、この例では後の方に位置するリンパ球の血球画像は誤分類されたものである可能性が高く、検査者はこれらの画像を重点的に確認することにより、誤分類を容易に発見することができる。また、このような配置にすることで、誤分類されている可能性の高い血球画像の近傍に、この血球画像が分類されるべき血球種の血球画像を配置することができるため、検査者は両者を比較しやすい。検査者は、誤分類されている可能性のある血球画像と、その血球画像が本来分類されるべき血球種の血球画像とを比較することで、さらに容易に誤分類を発見することが可能となる。
【0111】
図20Aは、本実施の形態に係る標本撮像装置の血球画像レビュー画面の他の一例を示す図であり、図20Bは、撮像順で血球画像を並べた画面の他の一例を示す図である。図20Bにおいては、棹状核好中球(Band)及び分葉核好中球(Seg)のそれぞれのグループの血球画像が特徴パラメータ「核のくびれ」について降順で並べられた例が示されている。血球種の並び順は、棹状核好中球が先で分葉核好中球が後となっている。特徴パラメータ「核のくびれ」は、核の最小太さによって表される。即ち、血球画像の核の最小太さが大きく、くびれが小さいほど先に配置される。棹状核好中球は、核の長径と核の短径の比が3対1以上となる長い曲がった核をもつという形態的な特徴を有しており、分葉核好中球は、核の長径と核の短径がそれ以上に分葉しているという形態的な特徴を有している。このため、「核のくびれ」が両者を分類するために使用される特徴パラメータの1つとされている。したがって、分葉核好中球の血球画像の中で核の最小太さが大きいものは、本来棹状核好中球であるはずが分葉核好中球に誤分類されている可能性がある。核の最小太さが大きい分葉核好中球の血球画像は、先の方、即ち棹状核好中球のグループに近い位置に配置される。図20Bにおいては、棹状核好中球のグループに近い位置に配置された、破線で囲んだ分葉核好中球の血球画像は、実際には棹状核好中球に分類されるべきものである。このように、この例では先の方に位置する分葉核好中球は誤分類されたものである可能性が高く、検査者はこれらの画像を重点的に確認することにより、好中球の誤分類を容易に発見することができる。一方、図20Aに示す、撮像順で血球画像を並べた画面では、誤分類されている可能性が高い血球画像が一部に集まっているということはない。このため、検査技師又は医師等の検査者が全ての血球画像を慎重に確認しなければ、容易に誤分類を発見することはできない。
【0112】
図18Bに示すように、画像処理ユニット3のCPU31aにおいては、データベース更新指示データを受信するイベントが発生すると(ステップS911)、ステップS912の処理が呼び出される。
【0113】
ステップS912において、CPU31aは、受信したデータベース更新指示データに含まれる白血球IDに対応する血球データベースDB2を特定する(ステップS912)。次に、CPU31aは、特定した血球データベースDB2の種類フィールドF22のデータを、データベース更新指示データに含まれる血球種に変更し(ステップS913)、処理を終了する。これにより、血球画像の再分類が完了する。
【0114】
以上のような構成とすることにより、血球画像レビュー画面においては、同一の血球種の血球画像が、その血球種に対して定められた特徴パラメータにしたがった順番で並べられるため、誤分類された血球画像をユーザが効率よく見つけ出すことが可能となる。
【0115】
また、血球画像の分類に使用される特徴パラメータを、血球画像の並び順を決定するために用いられる特徴パラメータとして利用すれば、誤分類の可能性が高い血球画像を一部に集めることができ、ユーザはその部分を重点的に確認することで、容易に誤分類の血球画像を発見することができる。
【0116】
また、特徴パラメータ値の大小により血球画像を2つの血球種の何れかに弁別した場合に、2つの血球種の血球画像のグループを連続して並べ、且つ、これら2つのグループの並び順に整合した並び順により、血球画像を並べることで、一方の血球種に誤分類された可能性が高い血球画像を、この血球画像が本来分類されるべき他方の血球種のグループに近い位置に配置することができる。このことを詳しく説明すると、特徴パラメータ値が大きい(小さい)方の第1の血球種のグループを先に、特徴パラメータ値が小さい(大きい)方の第2の血球種のグループを後に並べた場合に、第1の血球種の血球画像を前記特徴パラメータについて降順(昇順)に並べることで、第1の血球種の血球画像のうち、誤分類されている可能性が高い血球画像が、第2の血球種のグループに近い位置に配置されることとなる。これは、第1の血球種に分類された血球画像のうち前記特徴パラメータが小さい(大きい)血球画像は、正しくは第2の血球種であるものが第1の血球種に誤分類されている場合があるからである。このような誤分類が疑われる血球画像を、誤分類されていれば本来その血球画像が属すると思われる血球種のグループの近くに配置することで、ユーザは容易に両者を比較することができ、より一層誤分類を発見しやすくなる。
【0117】
また、血球種毎に、並び順の決定に用いる特徴パラメータを自由に設定することができるため、誤分類の発見に適した特徴パラメータを血球種毎に設定することができる。
【0118】
また、血球画像レビュー画面の表示に通常使用する特徴パラメータを含む標準表示設定情報C1を予め設定しておき、標準表示設定情報C1を使用して血球画像の並び順を決定し、血球画像レビュー画面を表示する構成としたので、一度標準表示設定情報C1が作成された後は、ユーザが血球画像の並び順の決定に使用される特徴パラメータを指定しなくても、誤分類を発見しやすい並び順で血球画像が表示される。
【0119】
また、ユーザは、上記のように標準表示設定情報C1による血球画像の並び順が適切ではなく、他の特徴パラメータを使用した並び順に並び替えたい場合には、血球画像の並び替え設定を行うことができる。このように、並び替え設定において、通常使用される特徴パラメータとは異なる、補助的に使用される特徴パラメータをユーザが設定することができる構成とすることにより、検体毎に適切な並び順で血球画像を並べることが可能となり、より一層誤分類の発見がしやすくなる。この補助的に使用される特徴パラメータを含む並び替え設定情報C2は、血球画像表示ユニット4がシャットダウンされ、次回起動された後には使用されることはなく、次回起動後には標準表示設定情報C1が再度使用される。このため、ユーザは再度標準表示設定情報C1と同様の設定内容で表示設定を行う必要がなく、このような構成はユーザにとって利便性が高い。
【0120】
(その他の実施の形態)
なお、上述した実施の形態においては、血液塗抹標本を撮像して血球画像を取得する標本撮像装置について述べたが、これに限定されるものではない。人体から採取した組織を薄くスライスしてスライドガラスに貼り付け、染色液により染色することによって得られた標本を撮像し、細胞像を含む細胞画像を取得する標本撮像装置としてもよい。
【0121】
また、上述した実施の形態においては、血球画像表示ユニット4を起動した直後から、血球画像の並び順の決定に使用される特徴パラメータを何ら設定しなくても、一度設定された標準表示設定情報C1にしたがって血球画像の並び順を決定し、血球画像レビュー画面を表示し、ユーザが並び替え設定を行った場合には、並び替え設定情報C2にしたがって血球画像の並び順を変更する構成について述べたが、これに限定されるものではない。血球画像表示ユニット4を起動した直後は、血球画像の並び順の決定に使用される特徴パラメータは何ら設定されておらず、例えば撮像順で血球画像が並べられた血球画像レビュー画面が表示され、ユーザが特徴パラメータを指定して並び替え設定を行った場合に、この特徴パラメータにしたがった並び順で血球画像が並ぶように並び替えが行われる構成としてもよい。
【0122】
また、上述した実施の形態においては、ユーザが並び替え設定を行った後、血球画像表示ユニット4がシャットダウンするまでの間、並び替え設定情報C2に含まれる特徴パラメータにしたがって血球画像の配置順序を決定する構成について述べたが、これに限定されるものではない。ユーザが並び替え設定を行った後、ユーザから並び替え設定情報C2の使用停止の指示を受け付けるまでの間、並び替え設定情報C2に含まれる特徴パラメータにしたがって血球画像の配置順序を決定し、ユーザから並び替え設定情報C2の使用停止の指示を受け付けた後は、標準表示設定情報C1にしたがって血球画像の並び順を決定し、血球画像レビュー画面を表示する構成としてもよい。また、血球画像表示ユニット4のシャットダウンまでではなく、検体情報が切り替えられた状態、つまり、測定進捗画面において表示対象であった検体とは別の検体が選択される等、表示対象の検体が切り替わる状態、血球画像表示ユニット4に異常が生じた状態、又は画像処理ユニット3が新たな血球画像を顕微鏡ユニット2から受け付けた状態等、標本撮像装置1が血球画像表示ユニット4のシャットダウン以外の所定の状態に達するまで、並び替え設定情報C2に含まれる特徴パラメータに従って血球画像の配置順序を決定してもよい。
【0123】
また、上述した実施の形態においては、血球画像を複数の血球種に分類し、その後に分類結果とともに血球画像を特徴パラメータにしたがった順序で並べて表示する構成について述べたが、これに限定されるものではない。ある種類(リンパ球等)の血球画像のみを撮像して血球画像を取得し、その血球画像を解析して特徴パラメータ(NC比等)を取得し、特徴パラメータにしたがった順序でこれらの血球画像を並べて表示する構成としてもよい。この種類とは異なる種類(単球等)の血球画像が含まれている場合に、上記の順序で並べることで、ユーザは前記異なる種類の血球画像を容易に特定することができる。
【0124】
また、上述した実施の形態においては、コンピュータが血球画像表示プログラム44aを実行することにより、血球画像表示ユニット4として機能して、血球画像及び特徴パラメータを取得し、この特徴パラメータにしたがって血球画像の並び順を決定し、この並び順で血球画像を並べた血球画像レビュー画面を画像表示部42に表示させる構成について述べたが、これに限定されるものではない。血球画像表示プログラムと同様の処理を実行することが可能なFPGA又はASIC等の専用ハードウェアにより、上記処理を実行する構成としてもよい。
【0125】
また、上述した実施の形態においては、画像処理ユニット3とは独立して設けられた血球画像表示ユニット4によって、上記の処理を行う構成について述べたが、これに限定されるものではない。画像処理ユニット3の機能と血球画像表示ユニット4の機能とを併せて具備する1つの装置によって、血球画像の画像処理による特徴パラメータの取得、血球画像の分類、特徴パラメータにしたがった血球画像の並び順の決定、及びこの並び順で血球画像を並べた血球画像レビュー画面の表示を行う構成としてもよい。また、顕微鏡ユニット2の機能と画像処理ユニット3の機能と血球画像表示ユニット4の機能とを併せて具備する1つの装置により、標本の撮像、血球画像の画像処理による特徴パラメータの取得、血球画像の分類、特徴パラメータにしたがった血球画像の並び順の決定、及びこの並び順で血球画像を並べた血球画像レビュー画面の表示を行う構成としてもよい。
【0126】
また、上述した実施の形態においては、単一のコンピュータ3aにより画像処理プログラム34aの全ての処理を実行する構成について述べたが、これに限定されるものではなく、上述した画像処理プログラム34aと同様の処理を、複数の装置(コンピュータ)により分散して実行する分散システムとすることも可能である。
【0127】
また、上述した実施の形態においては、単一のコンピュータ4aにより血球画像表示プログラム44aの全ての処理を実行する構成について述べたが、これに限定されるものではなく、上述した血球画像表示プログラム44aと同様の処理を、複数の装置(コンピュータ)により分散して実行する分散システムとすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0128】
本発明の細胞画像表示装置は、細胞を撮像することにより得られた細胞画像を表示する細胞画像表示装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】実施の形態に係る標本撮像装置の構成を示すブロック図。
【図2】実施の形態に係る顕微鏡ユニットの一部を示す斜視図。
【図3】実施の形態に係る画像処理ユニットの構成を示すブロック図。
【図4】実施の形態に係る血球データベースの構造を示す模式図。
【図5】実施の形態に係る血球画像表示ユニットの構成を示すブロック図。
【図6】血球画像の登録動作における顕微鏡ユニットの動作手順を示すフローチャート。
【図7】血球画像の登録動作における画像処理ユニットの処理手順を示すフローチャート。
【図8】白血球検出におけるスライドガラス上の検体のスキャニングのパターンを説明する図。
【図9A】白血球検出用のラインセンサの視野を説明する図。
【図9B】白血球検出用のラインセンサの信号波形を示す図。
【図10】血球画像の一例を示す図。
【図11A】血球画像の表示動作における血球画像表示ユニットの初期処理の手順を示すフローチャート。
【図11B】血球画像の表示動作における画像処理ユニットの検体情報送信処理の手順を示すフローチャート。
【図12A】血球画像の表示動作における血球画像表示ユニットの画像表示処理の手順を示すフローチャート。
【図12B】血球画像の表示動作における画像処理ユニットの血球画像送信処理の手順を示すフローチャート。
【図13】血球画像レビュー画面の一例を示す図。
【図14】血球画像の表示設定動作における血球画像表示ユニット4の処理の流れを示すフローチャート。
【図15】血球画像の表示設定画面の一例を示す図。
【図16】血球画像の表示変更動作における血球画像表示ユニット4の処理の流れを示すフローチャート。
【図17】血球画像の表示変更設定画面の一例を示す図。
【図18A】血球画像の再分類動作における血球画像表示ユニット4の処理の流れを示すフローチャート。
【図18B】血球画像の再分類動作における画像処理ユニット3の処理の流れを示すフローチャート。
【図19】撮像順で血球画像を並べた画面の一例。
【図20A】血球画像レビュー画面の他の一例を示す図。
【図20B】撮像順で血球画像を並べた画面の他の一例を示す図。
【符号の説明】
【0130】
1 標本撮像装置
2 顕微鏡ユニット
213 CCDカメラ
214 白血球検出部
216 制御部
217,218 通信インタフェース
3 画像処理ユニット
3a コンピュータ
31a CPU
31b ROM
31c RAM
31d ハードディスク
31g,31h,31i 通信インタフェース
32 画像表示部
34a 画像処理プログラム
35 血球画像フォルダ
4 血球画像表示ユニット
4a コンピュータ
41 本体
41a CPU
41b ROM
41c RAM
41d ハードディスク
41g 通信インタフェース
41h 画像出力インタフェース
42 画像表示部
44a 血球画像表示プログラム
5 スライドガラス
DB1 検体データベース
DB2 血球データベース
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞を撮像することにより得られた細胞画像を表示する細胞画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、染色された血液塗抹標本を顕微鏡で拡大して撮像し、得られた撮像画像を解析して血球の分類及び計数等を行う標本撮像装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、白血球の自動分類を行う血液像自動分析装置が記載されている。この血液像自動分析装置は、血液が塗抹された標本上を顕微鏡により一定周期で走査して白血球を検出し、白血球検出後に自動的に焦点合わせを行い、その後白血球像をテレビカメラ及びテレビカメラ制御ユニットを介してアナログ電気信号に変換し、アナログ・ディジタル変換回路からの白血球のディジタル画像信号をもとに特徴抽出回路により白血球の分類に必要な各種の特徴量を求め、これらの特徴量をもとにマイクロコンピュータにより白血球の分類を行う。また、この血液像自動分析装置は、分類結果が不明球や異常白血球であれば、ディジタル画像信号をその画像信号を特定するための標本の検体番号や白血球の種類などとともに、カートリッジ型磁気テープ装置に格納する。ユーザが複数標本検査終了後標本レビューを行いたい場合には、操作卓から入力することによりカートリッジ型磁気テープ装置の内容が読み出され、特定の白血球や異常の白血球が画像表示装置に表示され、表示された特定の白血球異常の白血球は人間の判断により再分類が行われる。
【0004】
上記のような標本撮像装置にあっては、一画面に複数の血球画像を並べて表示可能なものが存在する。このように一画面に複数の画像が並べられた状態で表示されると、オペレータが一度に複数の血球の再分類を行うことができる。
【特許文献1】特開昭56−154647号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の標本撮像装置では、血球画像が画面上に並べられる順番は撮像順であり、再分類がしやすい順番で並べられてはいなかった。この結果、再分類がしにくい、また、再分類に誤りが生じる等の問題があった。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、人間が細胞の分類を行いやすい順番で細胞画像を並べて表示することが可能な細胞画像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の細胞画像表示装置は、細胞を撮像することにより得られる細胞画像について、前記細胞の特徴を示す特徴パラメータ値を取得する特徴パラメータ値取得手段と、複数の細胞画像を表示する表示部と、前記特徴パラメータ値取得手段によって複数の細胞画像についてそれぞれ取得された特徴パラメータ値に基づく順序により、前記表示部に前記複数の細胞画像を並べて表示させる表示制御手段と、を備える。
【0008】
この態様においては、前記細胞画像表示装置が、前記特徴パラメータ値取得手段によって取得された特徴パラメータ値に基づいて、前記細胞画像に係る細胞の種類を判定する種類判定手段をさらに備えることが好ましい。
【0009】
また、上記態様においては、前記表示制御手段が、前記種類判定手段によって判定された種類毎に、同一の種類の細胞画像を前記特徴パラメータ値に基づく順序により並べて表示させるように構成されていることが好ましい。
【0010】
また、上記態様においては、前記特徴パラメータ値取得手段が、細胞の互いに異なる特徴に関する複数の特徴パラメータ値を取得するように構成されており、前記表示制御手段が、細胞の種類毎に定められた特徴パラメータに基づく順序により、前記種類判定手段によって判定された種類毎に複数の細胞画像を並べて表示させるように構成されていることが好ましい。
【0011】
また、上記態様においては、前記細胞画像表示装置が、細胞の種類毎に、細胞画像の配置順序の決定に用いられる特徴パラメータの指定を受け付ける特徴パラメータ受付手段をさらに備え、前記表示制御手段が、前記特徴パラメータ受付手段が受け付けた特徴パラメータに基づく順序により、前記種類判定手段によって判定された種類毎に複数の細胞画像を並べて表示させるように構成されていることが好ましい。
【0012】
また、上記態様においては、前記細胞画像表示装置が、前記表示部に前記複数の細胞画像が表示されている状態において、細胞画像の新たな配置順序の決定に用いられる並び替え用特徴パラメータの指定を受け付ける並び替え用特徴パラメータ受付手段をさらに備え、前記表示制御手段が、前記並び替え用特徴パラメータ受付手段が受け付けた並び替え用特徴パラメータに基づく順序により前記複数の細胞画像を並べた状態に前記表示部の表示を更新するように構成されていることが好ましい。
【0013】
また、上記態様においては、前記表示制御手段が、前回の細胞画像の表示において細胞画像の配置順序の決定に並び替え用特徴パラメータが用いられた場合に、次回の細胞画像の表示において前記並び替え用特徴パラメータに基づく順序により複数の細胞画像を並べて表示させるように構成されていることが好ましい。
【0014】
また、上記態様においては、前記表示制御手段が、前記並び替え用特徴パラメータ受付手段が並び替え用特徴パラメータを受け付けた後、細胞画像表示装置が所定の状態に達するまで、前記並び替え用特徴パラメータに基づく順序により複数の細胞画像を並べて表示させるように構成されていることが好ましい。
【0015】
また、上記態様においては、前記表示制御手段が、同一検体に関する複数の細胞画像のみを並べて前記表示部に表示させるように構成されており、前記細胞画像表示装置が、表示対象の検体を切り替える切替手段をさらに備え、前記表示制御手段が、前記並び替え用特徴パラメータ受付手段が並び替え用特徴パラメータを受け付けた後、前記切替手段によって表示対象の検体が切り替えられるまで、前記並び替え用特徴パラメータに基づく順序により複数の細胞画像を並べて表示させるように構成されていることが好ましい。
【0016】
また、上記態様においては、前記細胞画像表示装置が、細胞の種類を変更する対象の細胞画像及び変更後の細胞の種類の指定を受け付ける細胞種類変更受付手段と、指定された前記細胞画像に係る細胞の種類を、指定された前記新たな細胞の種類に変更する変更手段と、をさらに備えることが好ましい。
【0017】
また、上記態様においては、前記細胞画像表示装置が、細胞を撮像する撮像部をさらに備え、前記特徴パラメータ値取得手段が、前記撮像部が細胞を撮像することによって取得された細胞画像に基づいて特徴パラメータ値を取得するように構成されていることが好ましい。
【0018】
また、上記態様においては、前記特徴パラメータ値取得手段が、細胞画像表示装置の外部に設けられた記憶装置から特徴パラメータ値を取得するように構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る細胞画像表示装置によれば、人間が細胞の分類を行いやすい順番で細胞画像を並べて表示することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0021】
本実施の形態は、染色された血液塗抹標本を顕微鏡により拡大して撮像し、得られた血球画像から特徴パラメータを取得し、この特徴パラメータに基づく順番で複数の血球画像を並べて表示する標本撮像装置である。
【0022】
[標本撮像装置の構成]
図1は、本実施の形態に係る標本撮像装置の構成を示すブロック図である。なお、図1は装置の構成を模式的に示すものであり、分かり易くするためにセンサ及びスライドカセット等の配置が実際とは若干異なっている。例えば、図1では、WBC検出用のセンサとオートフォーカス用のセンサとが上下に配置されているが、実際には後出する図2に示されるように、両センサは略同一平面内に配置されている。
【0023】
標本撮像装置1は、オートフォーカスにより焦点が合わされた血液塗抹標本を拡大して撮像する顕微鏡ユニット2と、撮像により得られた画像を処理して血液中の白血球の分類を行い、当該白血球の分類毎の計数を行う画像処理ユニット3と、この画像処理ユニット3に接続されており、撮像により得られた画像及び分析結果等を表示する血球画像表示ユニット4とを備えている。なお、前記画像処理ユニット3と血球画像表示ユニット4とは、別体とせずに、両者を一体化してもよい。また、標本撮像装置1の近傍には、図示しない塗抹標本作製装置(例えば、シスメックス社製の塗抹標本作製装置SP−1000i)が配置されており、この塗抹標本作製装置によって作製された血液塗抹標本が顕微鏡ユニット2に自動的に供給されるように構成されている。
【0024】
<顕微鏡ユニット2の構成>
図2は、顕微鏡ユニット2の一部を示す斜視図である。顕微鏡ユニット2は、XYステージ21上に載置されたスライドガラス5にうすく引き伸ばされて塗布された血液の像を拡大する顕微鏡のレンズ系の一部を構成する対物レンズ22を備えている。標本(上面に血液が塗抹されたスライドガラス5)を保持する前記XYステージ21は、XYステージ駆動回路23(図1参照)により駆動制御される駆動部(図示せず)により前後左右(X方向及びY方向)に移動自在とされる。また、前記対物レンズ22は、対物レンズ駆動回路24により駆動制御される駆動部(図示せず)により上下(Z方向)に移動自在とされている。
【0025】
スライドガラス5は、複数枚積み重ねられた状態でスライドカセット25内(図1参照)に収容されており、このスライドカセット25は、カセット搬送駆動回路26により駆動制御される搬送部(図示せず)によって搬送される。前記XYステージ21には、スライドガラス5の長手方向の両端付近2箇所を把持し得るチャック部27(図2参照)が、所定位置に停止している前記スライドカセット25内に収容されているスライドガラス5に対して進退自在に設けられている。そして、前記チャック部27をスライドカセット25に向けて進出させ、当該チャック部27先端部に形成されている開閉自在の爪部27aの開閉操作によりスライドガラス5を把持し、ついでチャック部27を後退させることにより、スライドカセット25からスライドガラス5を引き出して、XYステージ21の所定の位置に配置することができる。
【0026】
図1に戻り、スライドガラス5の下方には光源であるランプ28が配設されており、このランプ28からの光は、スライドガラス5上の血液を通過し、さらに光路上に配置されたハーフミラー29及び干渉フィルタ210を経由して、複数の画素が一列に並んだオートフォーカス用のラインセンサ211、複数の画素が一列に並んだ白血球(WBC)検出用のセンサ212、及びCCDカメラ213に入射する。白血球検出用のセンサ212には、FPGA又はASIC等で構成された白血球検出部214が接続され、センサ212の出力信号が白血球検出部214に与えられるようになっている。また、オートフォーカス用のセンサ211には、FPGA又はASIC等で構成されたフォーカス算定部215が接続され、センサ211の出力信号がフォーカス算定部215に与えられるようになっている。センサ212の入射光に応じた出力信号に基づいて、白血球検出部214により白血球の検出が行われ、またセンサ211の入射光に応じた出力信号に基づいて、フォーカス算定部215でオートフォーカスの動作に用いられる情報が算定され、かかる情報に基づいてオートフォーカスの動作が行われる。
【0027】
また、顕微鏡ユニット2は、制御部216及び通信インタフェース217,218を備えている。制御部216はCPU及びメモリを備え、XYステージ駆動回路23、対物レンズ駆動回路24、カセット搬送駆動回路26、白血球検出部214、フォーカス算定部215、通信インタフェース217及び218にそれぞれ通信可能に接続されており、かかる制御部216がメモリに記憶された制御プログラムを実行することにより、上述した各機構が制御されるようになっている。
【0028】
通信インタフェース217は、Ethernet(登録商標)インタフェースである。かかる通信インタフェース217は、通信ケーブルを介して画像処理ユニット3にデータ通信可能に接続されている。また、通信インタフェース218は、A/D変換器213aを介してCCDカメラ213に接続されており、また通信ケーブルを介して画像処理ユニット3に接続されている。CCDカメラ213から出力された画像信号(アナログ信号)は、A/D変換器213aによりA/D変換され、A/D変換器213aから出力された画像データ(デジタルデータ)が通信インタフェース218に与えられ、画像処理ユニット3へ送信される。
【0029】
また、顕微鏡ユニット2は、2次元バーコードリーダ219を備えている。スライドガラス5のフロスト部には、検体IDを示す2次元バーコードが印字されており、顕微鏡ユニット2に導入されたスライドガラス5の2次元バーコードが、2次元バーコードリーダ219により読み取られる。このようにして読み取られた検体IDは、制御部216に与えられる。
【0030】
<画像処理ユニット3の構成>
次に、画像処理ユニット3の構成について説明する。図3は、画像処理ユニット3の構成を示すブロック図である。画像処理ユニット3は、コンピュータ3aによって実現される。図3に示すように、コンピュータ3aは、本体31と、画像表示部32と、入力部33とを備えている。本体31は、CPU31a、ROM31b、RAM31c、ハードディスク31d、読出装置31e、入出力インタフェース31f、通信インタフェース31g、及び画像出力インタフェース31hを備えており、CPU31a、ROM31b、RAM31c、ハードディスク31d、読出装置31e、入出力インタフェース31f、通信インタフェース31g、通信インタフェース31h、通信インタフェース31i、及び画像出力インタフェース31jは、バス31kによって接続されている。
【0031】
CPU31aは、RAM31cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、後述するような画像処理プログラム34aを当該CPU31aが実行することにより、コンピュータ3aが画像処理ユニット3として機能する。
【0032】
ROM31bは、マスクROM、PROM、EPROM、又はEEPROM等によって構成されており、CPU31aに実行されるコンピュータプログラム及びこれに用いるデータ等が記録されている。
【0033】
RAM31cは、SRAMまたはDRAM等によって構成されている。RAM31cは、ハードディスク31dに記録されている画像処理プログラム34aの読み出しに用いられる。また、CPU31aがコンピュータプログラムを実行するときに、CPU31aの作業領域として利用される。
【0034】
ハードディスク31dは、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等、CPU31aに実行させるための種々のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータがインストールされている。後述する画像処理プログラム34aも、このハードディスク31dにインストールされている。
【0035】
さらにハードディスク31dには、血球画像を保存するための血球画像フォルダ35が設けられている。かかる血球画像フォルダ35には、検体毎にフォルダが設けられており、さらにそのフォルダ内に後述するようにして得られた血球画像が格納される。検体毎に設けられた各フォルダには、検体IDを含むフォルダ名が付けられており、検体IDから対応するフォルダを特定することが可能となっている。また、この血球画像フォルダ35は血球画像表示ユニット4との共有設定がなされており、血球画像表示ユニット4から当該血球画像フォルダ35に格納されているファイルにアクセスすることが可能となっている。
【0036】
また、ハードディスク31dには、検体に関する情報(以下、「検体情報」という。)を格納するための検体データベースDB1と、画像処理によって白血球を分類した結果を格納するための血球データベースDB2とが設けられている。検体データベースDB1はリレーショナルデータベースであり、検体IDを格納するフィールド、図示しない多項目自動血球分析装置による分析結果(白血球数、赤血球数等)の数値データを格納するためのフィールド、多項目血球分析装置により各種の異常と判定された場合にその異常を示す情報を格納するためのフィールド、標本撮像装置1による測定日を格納するためのフィールド、患者氏名を格納するフィールド、病棟を特定する情報を格納するフィールド、年齢を格納するフィールド、顕微鏡ユニット2による白血球カウント数Nを格納するフィールド等を含んでいる。
【0037】
図4は、血球データベースDB2の構造を示す模式図である。血球データベースDB2は、検体毎に設けられており、各血球データベースDB2には、検体IDを示すデータが含まれている。これにより、検体IDから対応する血球データベースDB2を特定することが可能である。かかる血球データベースDB2には、白血球を特定する白血球IDを格納する白血球IDフィールドF21と、白血球の分類結果を格納する種類フィールドF22と、分類不能であった白血球を特定するための情報を格納する再確認対象フィールドF23と、各種の特徴パラメータ値(特徴パラメータの数値)を格納するためのフィールドF24,F25,…が設けられている。再確認対象フィールドF23には、白血球分類が正常に行われている場合には「0」が、分類不能であり、再確認の対象とされる場合には「1」が格納される。
【0038】
読出装置31eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブ等によって構成されており、可搬型記録媒体34に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体34には、コンピュータを画像処理ユニット3として機能させるための画像処理プログラム34aが格納されており、コンピュータ3aが当該可搬型記録媒体34から画像処理プログラム34aを読み出し、当該画像処理プログラム34aをハードディスク31dにインストールすることが可能である。
【0039】
なお、前記画像処理プログラム34aは、可搬型記録媒体34によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ3aと通信可能に接続された外部の機器から前記電気通信回線を通じて提供することも可能である。例えば、前記画像処理プログラム34aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ3aがアクセスして、当該コンピュータプログラムをダウンロードし、これをハードディスク31dにインストールすることも可能である。
【0040】
また、ハードディスク31dには、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)等のマルチタスクオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、本実施の形態に係る画像処理プログラム34aは当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0041】
入出力インタフェース31fは、例えばUSB,IEEE1394,又はRS-232C等のシリアルインタフェース、SCSI,IDE,又はIEEE1284等のパラレルインタフェース、及びD/A変換器、A/D変換器等からなるアナログインタフェース等から構成されている。入出力インタフェース31fには、キーボード及びマウスからなる入力部33が接続されており、ユーザが当該入力部33を使用することにより、コンピュータ3aにデータを入力することが可能である。また、入出力インタフェース31fには、顕微鏡ユニット2に設けられたCCDカメラ213が接続されており、CCDカメラ213の撮像により得られた画像を取り込むことが可能である。
【0042】
通信インタフェース31g,31hは、それぞれEthernet(登録商標)インタフェースである。通信インタフェース31gはLANを介して血球画像表示ユニット4に接続されている。コンピュータ3aは、通信インタフェース31gにより、所定の通信プロトコルを使用して当該LANに接続された血球画像表示ユニット4及び図示しないホストコンピュータとの間でデータの送受信が可能である。また、通信インタフェース31hは、通信ケーブルを介して顕微鏡ユニット2の通信インタフェース217とデータ通信可能に接続されている。
【0043】
通信インタフェース31iは、通信ケーブルを介して顕微鏡ユニット2の通信インタフェース218とデータ通信可能に接続されている。これにより、CCDカメラ213による撮像画像が通信インタフェース31iにより受信されるようになっている。
【0044】
画像出力インタフェース31jは、LCDまたはCRT等で構成された画像表示部32に接続されており、CPU31aから与えられた画像データに応じた映像信号を画像表示部32に出力するようになっている。画像表示部32は、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。
【0045】
<血球画像表示ユニット4の構成>
血球画像表示ユニット4は、コンピュータにより構成されている。また、かかる血球画像表示ユニット4は、画像処理ユニット3とLANを介して接続されており、画像処理ユニット3のハードディスク31dに設けられた血球画像フォルダ35内の血球画像を読み出し、表示することが可能である。
【0046】
図5は、血球画像表示ユニット4の構成を示すブロック図である。血球画像表示ユニット4は、コンピュータ4aによって実現される。図5に示すように、コンピュータ4aは、本体41と、画像表示部42と、入力部43とを備えている。本体41は、CPU41a、ROM41b、RAM41c、ハードディスク41d、読出装置41e、入出力インタフェース41f、通信インタフェース41g、及び画像出力インタフェース41hを備えており、CPU41a、ROM41b、RAM41c、ハードディスク41d、読出装置41e、入出力インタフェース41f、通信インタフェース41g、及び画像出力インタフェース41hは、バス41iによって接続されている。
【0047】
ハードディスク41dは、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等、CPU41aに実行させるための種々のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータがインストールされている。後述する血球画像表示プログラム44aも、このハードディスク41dにインストールされている。さらに、ハードディスク41dには、後述する設定動作により標準表示設定情報C1が記憶され、表示変更動作により並び替え設定情報C2が記憶される。
【0048】
読出装置41eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブ等によって構成されており、可搬型記録媒体44に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体44には、コンピュータを血球画像表示ユニット4として機能させるための血球画像表示プログラム44aが格納されており、コンピュータ4aが当該可搬型記録媒体44から血球画像表示プログラム44aを読み出し、当該血球画像表示プログラム44aをハードディスク41dにインストールすることが可能である。
【0049】
入出力インタフェース41fは、例えばUSB,IEEE1394,SAS,SATA,又はRS-232C等のシリアルインタフェース、SCSI,IDE,又はIEEE1284等のパラレルインタフェース、及びD/A変換器、A/D変換器等からなるアナログインタフェース等から構成されている。入出力インタフェース41fには、キーボード及びマウスからなる入力部43が接続されており、ユーザが当該入力部43を使用することにより、コンピュータ4aにデータを入力することが可能である。
【0050】
通信インタフェース41gは、Ethernet(登録商標)インタフェースである。通信インタフェース41gはLANを介して画像処理ユニット3に接続されている。コンピュータ4aは、通信インタフェース41gにより、所定の通信プロトコルを使用して当該LANに接続された画像処理ユニット3及び図示しないホストコンピュータとの間でデータの送受信が可能である。
【0051】
なお、血球画像表示ユニット4のその他の構成は、上述した画像処理ユニット3の構成と同様であるので、その説明を省略する。
【0052】
[標本撮像装置の動作]
次に、本実施の形態に係る標本撮像装置1の動作について説明する。
【0053】
<血球画像の登録動作>
まず、標本撮像装置1が血球を撮像し、血球画像を記憶する血球画像の登録動作について説明する。標本撮像装置1の動作に先立ち、血液塗抹標本の作製が行われる。標本撮像装置1の近傍に配置された血液塗抹標本作製装置は、採血管に収容された検体を吸引し、この検体をスライドガラスに滴下して引き延ばし、当該スライドガラスを染色液に浸すことにより、血液塗抹標本を作製する。なお、血液塗抹標本作製装置によって標本に対して施される染色は、メイグリュンワルドギムザ染色(メイギムザ染色)、ライトギムザ染色、又はライト単染色とされる。このようにして作製された血液塗抹標本(スライドガラス5)は、血液塗抹標本作製装置から顕微鏡ユニット2へ自動供給される。
【0054】
図6は、血球画像の登録動作における顕微鏡ユニット2の動作手順を示すフローチャートであり、図7は、血球画像の登録動作における画像処理ユニット3の処理を示すフローチャートである。顕微鏡ユニット2は、血液塗抹標本作製装置1からスライドガラス5を受け付けると、これを図示しないセンサによって検出する(ステップS11)。制御部216により実行される制御プログラムはイベントドリブン型のプログラムであり、顕微鏡ユニット2の制御部216においては、血液塗抹標本作製装置1からスライドガラス5を受け付けるイベントが発生すると、ステップS12の処理が呼び出される。
【0055】
ステップS12において、制御部216は、受け付けたスライドガラス5を収容するスライドカセット25を所定のバーコード読み取り位置まで搬送させ、2次元バーコードリーダ219に検体バーコードを読み取らせる(ステップS12)。次に、制御部216は、ステップS12において取得した検体IDを通信インタフェース217に画像処理ユニット3へ送信させる(ステップS13)。
【0056】
顕微鏡ユニット2から送信された検体IDは、画像処理ユニット3の通信インタフェース31hにより受信される(図7のステップS201)。画像処理ユニット3のCPU31aにより実行される画像処理プログラム34aはイベントドリブン型のプログラムであり、CPU31aにおいては、検体IDを受信するイベントが発生すると、ステップS202の処理が呼び出される。
【0057】
ステップS202において、CPU31aは、通信インタフェース31gに、受信した検体IDを含むオーダ要求データをホストコンピュータへ送信させる(ステップS202)。ホストコンピュータから送信されるオーダには、検体ID、患者氏名、患者性別、病棟情報、コメント、多項目自動血球分析装置の分析結果(白血球数、赤血球数等の数値データ)、多項目自動血球分析装置により検出された各種の異常情報、及び白血球のカウント数Nのデータが含まれている。CPU31aは、オーダ受信を待機し(ステップS203においてNO)、オーダを受信すると(ステップS203においてYES)、通信インタフェース31hにより、かかるオーダに含まれる顕微鏡ユニット2による白血球のカウント数Nを含む測定開始指示データを顕微鏡ユニット2へ送信し(ステップS204)、解析した血球画像の数を示す変数iに1をセットする(ステップS205)。
【0058】
ここで、顕微鏡ユニット2は、測定開始指示データを待機している(図6のステップS14においてNO)。画像処理ユニット3から送信された測定開始指示データが、顕微鏡ユニット2の通信インタフェース217により受信された場合には(ステップS14においてYES)、制御部216は、スライドカセット25を所定位置まで搬送させ、所定位置に停止しているスライドガラス5をチャック部27に把持させ、次いでチャック部27を後退させることによりスライドカセット25からスライドガラスを引き出させ、XYステージ21の所定の位置(撮像位置)にセットさせる(ステップS15)。また、制御部216は、撮像回数を示す変数jに1をセットする(ステップS16)。
【0059】
次いで、スライドガラス5に塗布された血液中の白血球の検出が行われる(ステップS17)。この検出は前述したセンサ212を用いて行われる。センサ212はラインセンサであり、その視野は400μm程度である。図8は、白血球検出におけるスライドガラス上の検体のスキャニングのパターンを説明する図である。制御部216は、センサ212がスライドガラス5上を略ジグザグ状に長手方向の一端から他端に向けてスキャンするように、前記XYステージ21がX方向及びY方向に移動させる(図8参照)。前記略ジグザグ状の走査の、スライドガラス5長手方向の間隔Dは、検出漏れを防ぎつつ走査効率を上げるという観点より、通常、300〜500μm程度であり、また、前記走査のスライドガラス5幅方向の寸法Hは、スライドガラス5の幅が一般に26mm程度であることから、通常、14〜18mm程度である。
【0060】
赤血球は光の赤色成分をあまり吸収しないが、白血球の核は光の赤色成分を多く吸収することから、この赤色成分を検出することにより白血球と赤血球とを容易に区別することができる。図9Aは、ラインセンサ212の視野を説明する図であり、図9Bは、ラインセンサ212の信号波形を示す図である。図9Aにおいては、ラインセンサ212の視野V内に白血球WBCが存在する場合を示しており、この場合、ラインセンサ212により検出された信号の赤色成分は、図9Bに示されるように、白血球WBCが存在する箇所において基準値S以下となる。この現象を利用して、血液中の白血球を検出することができる。なお、信号の赤色成分が基準値S以下となる幅Wを検出することで、この信号を発する部分が白血球の核であるか否かのチェックが行われる。
【0061】
次いで、制御部216は、オートフォーカス動作を実行する(ステップS18)。図2に示すように、スライドガラス5及び対物レンズ22を通過した光は、プリズムミラー29aにより方向変換され、さらにハーフミラー29によってCCDカメラ213に向かう光と、センサ211、212に向かう光とに分けられる。オートフォーカス用のラインセンサ211は、2つのラインセンサ211a及び211bから構成されている。
【0062】
図2に示すように、2つのオートフォーカス用のラインセンサ211a、211bのうち一方のラインセンサ211aは、合焦位置(焦点が合っている位置)よりも前側(光路上対物レンズに近づく側)に配置されており、他方のラインセンサ211bは合焦位置よりも後側(光路上対物レンズから離れる側)に配置されている。そして、かかる2つのラインセンサの出力信号の差分積分値に基づいて、対物レンズの焦点がスライドガラス上の検体に合うように、対物レンズの位置が調節される。
【0063】
次に、制御部216は、通信インタフェース218にCCDカメラ213の画像の取り込み及び送信を指示し、これにより、ステップS17で検出された白血球の画像が取り込まれ(ステップS19)、かかる血球画像が画像処理ユニット3へ送信される(ステップS110)。その後、制御部216は、要求された白血球のカウント数に到達したか否か、即ち、j≧Nであるか否かを判定し(ステップS111)、j<Nの場合には(ステップS111においてNO)、jを1インクリメントし(ステップS112)、処理をステップS17に戻し、再度白血球の検出を実行する。一方、ステップS111においてj≧Nの場合には(ステップS111においてYES)、制御部216は、処理を終了する。
【0064】
上記のステップS205の後、画像処理ユニット3のCPU31aは、血球画像の受信を待機する(図7のステップS206においてNO)。顕微鏡ユニット2から送信された血球画像が、画像処理ユニット3の通信インタフェース31hにより受信された場合には(ステップS206においてYES)、CPU31aは、血球画像の補正処理を行う(ステップS207)。かかる補正処理においては、血球画像の背景部分(血球像以外の部分)の輝度の平均値が所定値(例えば、225)になるように、血球画像の全画素のRGB成分の輝度値が線形補正される。CPU31aは、このような補正後の血球画像をハードディスク31dに記憶する(ステップS208)。ステップS208の処理においては、血球画像に対応する白血球IDが生成され、その白血球IDを含むファイル名の画像データとして、前記血球画像が記憶される。
【0065】
次に、CPU31aは、血球画像における細胞質及び核の領域を特定する(ステップS209)。図10は、血球画像の一例を示す図である。図10に示すように、血球画像6Aには、白血球像61が含まれている。染色された白血球においては、核及び細胞質が異なる色を呈する。また、白血球の核及び細胞質の色は、赤血球及び背景の色ともそれぞれ異なっている。したがって、ステップS209の処理では、白血球像61のRGB値を利用して、白血球像61に含まれる核の領域61a及び細胞質の領域61bが特定される。
【0066】
次に、CPU31aは、血球画像に基づき白血球の各種特徴パラメータ値を算出する(ステップS210)。この特徴パラメータとしては、画像の色信号(G、B、R)に基づいて求めることができる白血球の核の面積、細胞質の面積、核と細胞質との面積比(NC比)、核のくびれ、核の色、細胞質の色などをあげることができる。
【0067】
次に、CPU31aは、取得した特徴パラメータ値を用いて、白血球の種類を分類する(ステップS211)。具体的には、例えば白血球のいくつかの特徴パラメータについて、順次、各パラメータ値について予め定めておいた判定基準値と比較することで、白血球の種類を除々に絞り込んでいくことができる。このようにして、撮像された白血球は、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球、好中球(桿状、分葉状)といった成熟白血球の分類、芽球、幼若顆粒球、異型リンパ球といった未熟白血球の分類、赤芽球の分類がなされる。例えば、リンパ球は単球に比べて核と細胞質との面積比(NC比)が大きい。したがって、ある血球がリンパ球か単球かを弁別する場合には、NC比が基準値以上の場合にはリンパ球と判断され、NC比が基準値未満の場合には単球と判断される。但し、この例は分類処理を単純化して説明したものであり、実際にはNC比以外の種々の特徴パラメータも用いて分類処理が行われる。
【0068】
次に、CPU31aは、要求された白血球のカウント数に到達したか否か、即ち、i≧Nであるか否かを判定する(ステップS212)。i<Nの場合には(ステップS212においてNO)、CPU31aはiを1インクリメントし(ステップS213)、処理をステップS206に戻し、再度血球画像の受信を待機する。
【0069】
一方、ステップS212においてi≧Nの場合には(ステップS212においてYES)、CPU31aは、上述のようにして得られた検体に関する情報をハードディスク31dの検体データベースDB1に、分類結果及び特徴パラメータ値を血球データベースDB2にそれぞれ登録し(ステップS214)、処理を終了する。
【0070】
<血球画像の表示動作>
図11Aは、血球画像の表示動作における血球画像表示ユニット4の初期処理の手順を示すフローチャートであり、図11Bは、血球画像の表示動作における画像処理ユニット3の検体情報送信処理の手順を示すフローチャートである。ユーザは、コンピュータ4aの入力部43を操作することにより、血球画像表示プログラム44aの実行を指示する。コンピュータ4aのCPU41aは、この指示を受け、血球画像表示プログラム44aを実行する。これにより、コンピュータ4aが血球画像表示ユニット4として機能する。
【0071】
血球画像表示プログラム44aの起動直後、CPU41aは、RAM41c内に確保された後述する並び替えフラグに初期値「0」をセットし(図11AにおけるステップS31)、ユーザ名及びパスワードの入力を促すログイン入力画面を画像表示部42に表示させる(ステップS32)。このログイン入力画面においてユーザがユーザ名及びパスワードを入力する(ステップS33)。血球画像表示ユニット4のCPU41aにより実行される血球画像表示プログラム44aはイベントドリブン型のプログラムであり、CPU41aにおいては、ユーザ名及びパスワードの入力を受け付けるイベントが発生すると、ステップS34の処理が呼び出される。
【0072】
ステップS34において、CPU41aは、ユーザ認証処理を実行する。かかるユーザ認証が失敗した場合には(ステップS35においてNO)、CPU41aは、処理を終了する。上記のログイン処理によるユーザ認証が成功した場合には(ステップS35においてYES)、CPU41aは、通信インタフェース41gに、血液画像表示ユニット4にログインした日が測定日とされている検体情報の要求データを画像処理ユニット3へ送信させる(ステップS36)。
【0073】
血球画像表示ユニット4から送信された要求データは、画像処理ユニット3の通信インタフェース31hにより受信される(図11BのステップS41)。CPU31aにおいては、前記要求データを受信するイベントが発生すると、ステップS42の処理が呼び出される。
【0074】
ステップS42において、CPU31aは、測定日がその日である検体情報を、検体データベースDB1から取得する(ステップS42)。次に、CPU231aは、通信インタフェース31gに、取得した検体情報を血球画像表示ユニット4へ送信させ(ステップS43)、処理を終了する。
【0075】
図11Aに戻り、血球画像表示ユニット4のCPU41aは、ステップS36において、検体情報の要求データを送信した後、検体情報の受信を待機する(図11AのステップS37においてNO)。画像処理ユニット3から送信された検体情報が、血球画像表示ユニット4の通信インタフェース41gにより受信された場合には(ステップS37においてYES)、測定進捗画面(図示せず)を表示し(ステップS38)、処理を終了する。かかる測定進捗画面では、複数の検体に関する検体情報がリスト表示される。この測定進捗画面においては、ユーザがリスト表示されている検体情報の1つを選択することが可能であり、1つの検体情報を選択した上で所定の操作(例えば、マウスの左ボタンのダブルクリック)を行うことにより、ユーザはこの検体に関する血球画像の表示指示を血球画像表示ユニット4に与えることが可能である。
【0076】
図12Aは、血球画像の表示動作における血球画像表示ユニット4の画像表示処理の手順を示すフローチャートであり、図12Bは、血球画像の表示動作における画像処理ユニット3の血球画像送信処理の手順を示すフローチャートである。血球画像表示ユニット4では、測定進捗画面が表示されている状態において、上記のように1つの検体に関する血球画像の表示指示を受け付けるイベントが発生すると(ステップS51)、ステップS52の処理が呼び出される。
【0077】
ステップS52において、CPU41aは、通信インタフェース41gに、指示を受けた検体の検体IDを含む血球画像送信要求データを画像処理ユニット3へ送信させる(ステップS52)。
【0078】
血球画像表示ユニット4から送信された要求データは、画像処理ユニット3の通信インタフェース31gにより受信される(図12BのステップS61)。CPU31aにおいては、前記要求データを受信するイベントが発生すると、ステップS62の処理が呼び出される。
【0079】
ステップS62において、CPU31aは、前記検体IDに対応する血球データベースDB2から、分類結果情報を取得する(ステップS62)。この分類結果情報には、図4に示した白血球を特定する白血球IDと、白血球の分類結果の種類(単球、好中球、好塩基球、好酸球、リンパ球等)と、分類不能であったか否かを示す情報と、各種の特徴パラメータ値とが含まれている。また、分類結果情報においては、白血球の種類情報又は分類不能情報に白血球IDが対応付けられている。即ち、分類結果情報は、白血球IDから、その白血球の種類が何であるか、又は、その白血球が分類不能であったかを特定可能な情報とされている。
【0080】
次に、CPU31aは、通信インタフェース31gに、取得した分類結果情報を血球画像表示ユニット4へ送信させる(ステップS63)。
【0081】
図12Aに戻り、血球画像表示ユニット4のCPU41aは、分類結果情報の要求データを送信した後、分類結果情報の受信を待機する(図12AのステップS53においてNO)。画像処理ユニット3から送信された分類結果情報が、血球画像表示ユニット4の通信インタフェース41gにより受信された場合には(ステップS53においてYES)、CPU41aは、後述する血球画像の並び替え設定が行われているか否かを判別する(ステップS54)。後述するように、血球画像の並び替え設定が行われている場合には、RAM41cに設けられた並び替えフラグに「1」がセットされ、血球画像の並び替え設定が行われていない場合には、前記並び替えフラグに「0」がセットされる。ステップS54の処理では、CPU41aは並び替えフラグを参照することにより、血球画像の並び替え設定が行われたか否かを判定する。
【0082】
ステップS54において、並び替え設定が行われていない場合には(ステップS54においてYES)、CPU41aは、ハードディスク41dから標準表示設定情報C1を読み出す(ステップS55)。この標準表示設定情報C1は、後述するように、血球画像表示ユニット4が起動した後、血球画像の並び替え設定が行われていない場合に、血球画像の表示に用いられる。かかる標準表示設定情報C1には、血球種の並び順を示す情報、表示対象の血球種を示す情報、血球種毎に血球画像の並び順を決定するために用いられる特徴パラメータを示す情報、及び血球種毎に前記特徴パラメータを用いて血球画像を並べる順番が昇順か降順かを示す情報を含んでいる。
【0083】
次に、CPU41aは、標準表示設定情報C1において表示対象に設定されている血球種に対応する白血球IDを分類結果情報から特定し(ステップS56)、血球種毎に標準表示設定情報C1において設定されている特徴パラメータ及び並び順が昇順か降順かを示す情報を用いて、表示対象として特定された各白血球IDの並び順を血球種毎に決定する(ステップS57)。各白血球IDの並び順を決定すると、CPU41aは、ステップS511に処理を移す。
【0084】
ステップS54において、並び替え設定が行われている場合には(ステップS54においてNO)、CPU41aは、ハードディスク41dから並び替え設定情報C2を読み出す(ステップS58)。この並び替え設定情報C2は、後述するように、血球画像の並び替え設定が行われた後、血球画像表示ユニット4がシャットダウンされるまでの間において、血球画像の表示に用いられる。かかる並び替え設定情報C2には、血球種の並び順を示す情報、表示対象の血球種を示す情報、血球画像の並び順を決定するために用いられる特徴パラメータを示す情報、及び前記特徴パラメータを用いて血球画像を並べる順番が昇順か降順かを示す情報を含んでいる。
【0085】
次に、CPU41aは、受信した分類結果情報に含まれる血球種から、並び替え設定情報C2において表示対象に設定されている血球種に対応する白血球IDを特定し(ステップS59)、並び替え設定情報C2において設定されている特徴パラメータ及び並び順が昇順か降順かを示す情報を用いて、表示対象として特定された各白血球IDの並び順を血球種毎に決定する(ステップS510)。各白血球IDの並び順を決定すると、CPU41aは、ステップS511に処理を移す。
【0086】
ステップS511において、CPU41aは、通信インタフェース41gに、特定した白血球IDを含む画像送信要求データを画像処理ユニット3へ送信させる(ステップS511)。なお、上記画像送信要求データには、特定された全ての白血球IDが含まれる。
【0087】
図12Bに戻り、画像処理ユニット3のCPU31aは、ステップS63において分類結果情報を送信した後、画像送信要求データの受信を待機する(図12BのステップS64においてNO)。血球画像表示ユニット4から送信された要求データが、画像処理ユニット3の通信インタフェース31gにより受信された場合には(ステップS64においてYES)、CPU31aは、ハードディスク31dの血球画像フォルダ35の中の前記検体IDに対応するフォルダから、画像送信要求データに含まれる白血球IDに対応する血球画像を読み出し(ステップS65)、通信インタフェース31gに、読み出した血球画像を血球画像表示ユニット4へ送信させ(ステップS66)、処理を終了する。
【0088】
図12Aに戻り、血球画像表示ユニット4のCPU41aは、ステップS511において画像送信要求データを送信した後、血球画像の受信を待機する(図12AのステップS512においてNO)。画像処理ユニット3から送信された血球画像が、血球画像表示ユニット4の通信インタフェース41gにより受信された場合には(ステップS512においてYES)、血球画像レビュー画面を生成する(ステップS513)。この血球画像レビュー画面には、ステップS57又はS510によって決定された並び順により、各血球画像が並べられている。CPU41aは、生成した血球画像レビュー画面を画像表示部42に表示し(ステップS514)、処理を終了する。
【0089】
図13は、血球画像レビュー画面の一例を示す図である。血球画像レビュー画面W1には、1又は複数の血球画像を表示する血球画像表示領域A11と、患者情報を表示する患者情報表示領域A12と、分類された血球の種類毎に、計数結果を表示するカウント値表示領域A13と、多項目自動血球分析装置による分析結果を表示する分析結果表示領域A14とが含まれている。血球画像表示領域には、受信された血球画像を縮小した画像が一覧表示される。各縮小画像には、血球種が文字列(単球は「Mono」、好中球は「Band」又は「Seg」、好酸球は「Eosin」、好塩基球は「Baso」、リンパ球は「Lymph」等)で表示される。また、血球画像表示領域A11に表示される血球画像は、上記のステップS56又はS59において表示対象に設定された白血球IDに対応する血球画像である。また、血球画像は、血球種によってまとめられたグループ毎に表示される。各グループは、並び替え設定が行われていない場合には、標準表示設定情報C1において設定されている血球種の並び順にしたがって、並び替え設定が行われている場合には、所定の順番で並べられる。図13においては、表示対象の血球種としてリンパ球及び単球が設定されており、血球種の並び順はリンパ球が先で単球が後となっている。また、血球画像表示領域A11では、表示対象の血球種毎に、並び順の決定に用いられる特徴パラメータにより、昇順及び降順のうち設定された順序で血球画像が並べられる。図13においては、リンパ球の血球画像が特徴パラメータ「NC比」について降順で並べられた例が示されている。また、図13に示す画面例では、最上段の左端のリンパ球の血球画像が先頭(NC比最大)であり、NC比が小さくなる順で先頭から右方へ向けてリンパ球の血球画像が並べられ、右端に到達すると一つ下段の左端から右方に向けて順番にリンパ球の血球画像が並べられ、以下これを繰り返した順序で血球画像が並べられている。NC比が最小のリンパ球の血球画像の次は、単球の血球画像が同様の順番で並べられている。
【0090】
カウント値表示領域A13には、血球種の名称がそれぞれ表示された複数の再分類ボタンBT11が縦に並べられており、それぞれの横に対応する血球種の計数値が表示されている。血球画像表示領域A11に表示されている血球画像の何れかがマウスの左ボタンクリック操作等により選択され、さらに再分類ボタンBT11の何れかが同様の操作により選択されると、その血球画像が選択された血球種に再分類される。この動作については後述する。
【0091】
<血球画像の表示設定動作>
次に、上記のように画像処理ユニット3に記憶された血球画像の表示設定の動作について説明する。この表示設定動作では、上述した血球画像レビュー画面において血球画像が並べられる順番が設定される。例えば、施設に標本撮像装置1を導入する当初に、サービスマンが血球画像レビュー画面の表示設定を行い、以後のユーザによる標本撮像装置1の運用においてはその設定値が使用される。また、ユーザ又はサービスマンが後に血球画像の表示設定を再度行い、設定値を変更することもできる。
【0092】
図14は、血球画像の表示設定動作における血球画像表示ユニット4の処理の流れを示すフローチャートである。サービスマン又はユーザ等の操作者は、入力部43を操作することにより、血球画像表示ユニット4に血球画像の表示設定画面W2の表示を指示する。CPU41aは、この指示を受け付けるイベントが発生すると(ステップS701)、ステップS702の処理を実行する。
【0093】
ステップS702において、CPU41aは、血球画像の表示設定画面W2を画像表示部42に表示させる(ステップS702)。図15は、血球画像の表示設定画面W2の一例を示す図である。設定画面W2は、血球種の並び順を設定するための領域A21と、表示対象の血球種を設定するための領域A22と、血球種毎に血球画像の並び順の決定に用いられる特徴パラメータを設定するための領域A23とを含んでいる。
【0094】
領域A21には、全血球種の名称が並べて表示される血球種名称表示部BX1と、血球種の並び順を変更するためのボタンBT21,BT22とが設けられている。血球種名称表示部BX1には各血球種名称の文字列が選択可能に表示される。血球種名称表示部BX1において1つの血球種名称が選択された状態で、ボタンBT21が選択される(マウスポインタがボタンBT21に重なっている状態でマウスの左ボタンのクリック操作がされる)と、選択された血球種の並び順が1つ繰り上がる。一方、血球種名称表示部BX1において1つの血球種名称が選択された状態で、ボタンBT22が選択されると、選択された血球種の並び順が1つ繰り下がる。このようにして、操作者は血球種の並び順を設定することができる。
【0095】
領域A22には、表示対象の血球種の名称が並べて表示される表示血球種名称表示部BX2と、非表示対象の血球種の名称が並べて表示される非表示血球種名称表示部BX3と、血球種の表示/非表示を変更するためのボタンBT23,BT24とが設けられている。表示血球種名称表示部BX2には表示対象の血球種名称の文字列が選択可能に表示され、非表示血球種名称表示部BX3には非表示対象の血球種名称の文字列が選択可能に表示される。表示血球種名称表示部BX2において1つの血球種名称が選択された状態で、ボタンBT24が選択されると、選択された血球種名称が表示血球種名称表示部BX2から削除され、非表示血球種名称表示部BX3に追加される。これによって、選択された血球種が表示対象から非表示対象へと変更される。反対に、非表示血球種名称表示部BX3において1つの血球種名称が選択された状態で、ボタンBT23が選択されると、選択された血球種名称が非表示血球種名称表示部BX3から削除され、表示血球種名称表示部BX2に追加される。これによって、選択された血球種が非表示対象から表示対象へと変更される。
【0096】
領域A23には、複数の血球種の名称BTYが縦に並んで表示されており、各血球種の名称BTYの横に、特徴パラメータを選択するための選択ボックスSBが設けられている。また、各選択ボックスSBの横のそれぞれには、並び順として昇順を選択するためのラジオボタンRB1と、降順を選択するためのラジオボタンRB2とが設けられている。横一列に並んだ血球種の名称、選択ボックスSB、及びラジオボタンRB1,RB2は互いに対応している。選択ボックスSBは、プルダウンボタンが設けられており、このプルダウンボタンが選択されると、複数の特徴パラメータの名称(「細胞の大きさ」、「NC比」、「核のくびれ」、「核の色」、「細胞質の色」)を含む選択メニューがプルダウン表示される。プルダウンメニューが表示されている状態で、マウスにより操作者が所望する特徴パラメータが選択されると、その特徴パラメータが、対応する血球種の血球画像の並び順を決定するために使用される特徴パラメータにセットされる。また、オペレータはラジオボタンRB1,RB2の何れか一方をマウスで選択することにより、血球画像の並び順として昇順/降順を設定することができる。
【0097】
また、設定画面W2には、OKボタンBT25と、キャンセルボタンBT26とが設けられている。OKボタンBT25が選択されると、上記のようにして入力された各設定値が確定され、各設定値を含む標準表示設定情報C1がハードディスク41dに記憶される。一方、キャンセルボタンBT26が選択されると、入力された設定値は破棄される。
【0098】
オペレータは、血球画像の表示設定画面W2が画像表示部42に表示されている状態で、上記のような操作を行うことで、設定値を入力し、その確定を指示することができる。CPU41aは、このような設定値の入力及び確定の指示を受け付けると(ステップS703)、その設定値を含む標準表示設定情報C1をハードディスク41dに記憶させ(ステップS704)、表示設定画面W2の表示を終了し(ステップS705)、処理を終了する。以上のようにして、血球画像の表示に関する設定が行われる。
【0099】
<血球画像の表示変更動作>
次に、血球画像の表示変更動作について説明する。この表示変更動作では、上述した血球画像レビュー画面が表示されている状態において、さらに血球画像を分類しやすいように血球画像を新たな並び順に設定することができる。
【0100】
図16は、血球画像の表示変更動作における血球画像表示ユニット4の処理の流れを示すフローチャートである。血球画像レビュー画面が表示されている状態において、ユーザは、入力部43を操作することにより、例えば、メニューバーの「表示」メニューから「表示設定変更」を選択する等、血球画像表示ユニット4に血球画像の表示変更設定画面の表示を指示する。CPU41aは、この指示を受け付けるイベントが発生すると(ステップS801)、ステップS802の処理を実行する。
【0101】
ステップS802において、CPU41aは、血球画像の表示変更設定画面を画像表示部42に表示させる(ステップS802)。この表示変更設定画面は、血球画像レビュー画面とは独立したウィンドウであり、血球画像レビュー画面の上に重ねられて表示される。図17は、血球画像の表示変更設定画面の一例を示す図である。表示変更設定画面W3は、表示対象の血球種を設定するための領域A31と、血球画像の並び順の決定に用いられる特徴パラメータを設定するための領域A32と、特徴パラメータに基づく並び順を昇順とするか降順とするかを設定するための領域A33とを含んでいる。
【0102】
領域A31には、「Lymph(リンパ球)」、「Mono(単球)」、「Eosin(好酸球)」、「Baso(好塩基球)」、「Band(棹状核好中球)」、「Seg(分葉核好中球)」、「Unknown(分類不能)」の各血球種の名称が表示され、それぞれの名称の横にチェックボックスCB1が設けられている。ユーザは、表示対象として所望する血球種の横のチェックボックスCB1を選択することで、その血球種を表示対象に設定することができる。
【0103】
領域A32には、「核の面積」、「核/細胞質の面積比」、「CLR30」、「CLG30」の各特徴パラメータの名称が表示され、それぞれの名称の横にラジオボタンRB3が設けられている。ユーザは、所望する特徴パラメータの横のラジオボタンRB3を選択することで、血球画像の並び順を決定するために用いられる特徴パラメータを設定することができる。
【0104】
領域A33には、血球画像の並び順として昇順/降順を選択するためのラジオボタンRB4が設けられている。ユーザは2つのラジオボタンRB4の何れか一方をマウスで選択することにより、血球画像の並び順として昇順/降順を設定することができる。
【0105】
また、表示変更設定画面W3には、OKボタンBT31と、キャンセルボタンBT32とが設けられている。OKボタンBT31が選択されると、上記のようにして入力された各設定値が確定され、各設定値を含む並び替え設定情報C2がハードディスク41dに記憶される。一方、キャンセルボタンBT32が選択されると、入力された設定値は破棄される。
【0106】
ユーザは、血球画像の表示変更設定画面が画像表示部42に表示されている状態で、上記のような操作を行うことで、並び替え用の設定値を入力し、その確定を指示することができる。CPU41aは、このような並び替え用の設定値の入力及び確定の指示を受け付けると(ステップS803)、その設定値を含む並び替え設定情報C2をハードディスク41dに記憶させ(ステップS804)、並び替えフラグに「1」をセットし(ステップS805)、表示変更設定画面の表示を終了する(ステップS806)。なお、上述したように、並び替えフラグの初期値は「0」である。
【0107】
次に、CPU41aは、ハードディスク41dから並び替え設定情報C2を読み出し(ステップS807)、分類結果情報に含まれる血球種から、並び替え設定情報C2において表示対象に設定されている血球種に対応する白血球IDを特定し(ステップS808)、並び替え設定情報C2において設定されている特徴パラメータ及び並び順が昇順か降順かを示す情報を用いて、表示対象として特定された各白血球IDの並び順を血球種毎に決定する(ステップS809)。そして、CPU41aは、決定した順番で血球画像を並べた血球画像レビュー画面を作成し(ステップS810)、血球画像レビュー画面の表示を更新し(ステップS811)、処理を終了する。これにより、並び替え用に設定した特徴パラメータにしたがった順序で血球画像を並び替えることができる。すなわち、表示設定画面W2で設定された血球画像の順序では、何れの血球種に分類されるかを判別しにくかったが、並べ替え設定画面W3で新たに設定した並び順に血球画像を並べ替えることで、血球種の再分類の精度を向上させることができる。
【0108】
<血球画像の再分類動作>
ユーザ(医師又は検査技師である検査者)は、血球画像レビュー画面を参照することで、この画面中に並べられた複数の血球画像のうち、誤分類されているものを正しい血球種に再分類する。以下、この動作について説明する。図18Aは、血球画像の再分類動作における血球画像表示ユニット4の処理の流れを示すフローチャートであり、図18Bは、血球画像の再分類動作における画像処理ユニット3の処理の流れを示すフローチャートである。血球画像レビュー画面が表示されている状態において、ユーザは、入力部43を操作することにより、再分類対象の血球画像を選択し、その血球画像の新たな血球種を指示する。血球画像の選択は、例えばマウスポインタが対象の血球画像に重なっている状態でマウスの左ボタンのクリック操作がされることにより行われる。また、新たな血球種の指示は、血球画像レビュー画面の再分類ボタンBT11が同様にマウスの左ボタンクリック操作等によって行われる。CPU41aは、再分類対象の血球画像の選択及び新たな血球種の指示を受け付けるイベントが発生すると(ステップS901)、ステップS902の処理を実行する。
【0109】
ステップS902において、CPU41aは、通信インタフェース41gに、選択された血球画像の白血球ID及び新たな血球種の情報を含むデータベース更新指示データを画像処理ユニット3へと送信させ(ステップS902)、再分類の結果を反映するように血球画像レビュー画面を更新する(ステップS903)。この血球画像レビュー画面の更新処理では、再分類された血球画像が血球画像表示領域A11における再分類される前の血球種(以下、「旧血球種」という。)のグループから削除され、再分類先の血球種(以下、「新血球種」という。)のグループに含められ、新血球種のグループに属する血球画像が当該血球種に対応付けられている特徴パラメータにしたがった順番で並べ替えられる。また、旧血球種の計数結果が1減じられ、新血球種の計数結果が1加算される。その後、CPU41aは、処理を終了する。
【0110】
ここで、撮像順で血球画像を並べた画面と、本実施の形態による特徴パラメータにしたがった順序で血球画像を並べた画面とを比較して、どのようにして血球画像の再分類が行われるかについて説明する。図19は、撮像順で血球画像を並べた画面の一例である。なお、図19に示す画面は、血球画像の並び順を撮像順とした他は、図13に示した血球画像レビュー画面と同一の構成である。また、本画面の血球画像は全て図13の血球画像レビュー画面に表示されている画像と同一の画像である。図19に示す、撮像順で血球画像を並べた画面では、隣り合う血球画像同士が似通った形態を有しているとは限らない。このため、検査技師又は医師等の検査者が全ての血球画像を慎重に確認しなければ、容易に誤分類を発見することはできない。一方、図13に示す、特徴パラメータ「NC比」について降順で血球画像を並べた画面では、一般的にNC比が高いリンパ球の中でNC比が小さい血球画像が後段に配置される。また、上述したようにリンパ球よりも単球の方がNC比は小さいため、単球のグループの近くに配置された、NC比の小さいリンパ球の血球画像は、単球と形態が近似しており、実際は単球である血球画像がリンパ球に誤分類されているものである可能性が高い。このように、この例では後の方に位置するリンパ球の血球画像は誤分類されたものである可能性が高く、検査者はこれらの画像を重点的に確認することにより、誤分類を容易に発見することができる。また、このような配置にすることで、誤分類されている可能性の高い血球画像の近傍に、この血球画像が分類されるべき血球種の血球画像を配置することができるため、検査者は両者を比較しやすい。検査者は、誤分類されている可能性のある血球画像と、その血球画像が本来分類されるべき血球種の血球画像とを比較することで、さらに容易に誤分類を発見することが可能となる。
【0111】
図20Aは、本実施の形態に係る標本撮像装置の血球画像レビュー画面の他の一例を示す図であり、図20Bは、撮像順で血球画像を並べた画面の他の一例を示す図である。図20Bにおいては、棹状核好中球(Band)及び分葉核好中球(Seg)のそれぞれのグループの血球画像が特徴パラメータ「核のくびれ」について降順で並べられた例が示されている。血球種の並び順は、棹状核好中球が先で分葉核好中球が後となっている。特徴パラメータ「核のくびれ」は、核の最小太さによって表される。即ち、血球画像の核の最小太さが大きく、くびれが小さいほど先に配置される。棹状核好中球は、核の長径と核の短径の比が3対1以上となる長い曲がった核をもつという形態的な特徴を有しており、分葉核好中球は、核の長径と核の短径がそれ以上に分葉しているという形態的な特徴を有している。このため、「核のくびれ」が両者を分類するために使用される特徴パラメータの1つとされている。したがって、分葉核好中球の血球画像の中で核の最小太さが大きいものは、本来棹状核好中球であるはずが分葉核好中球に誤分類されている可能性がある。核の最小太さが大きい分葉核好中球の血球画像は、先の方、即ち棹状核好中球のグループに近い位置に配置される。図20Bにおいては、棹状核好中球のグループに近い位置に配置された、破線で囲んだ分葉核好中球の血球画像は、実際には棹状核好中球に分類されるべきものである。このように、この例では先の方に位置する分葉核好中球は誤分類されたものである可能性が高く、検査者はこれらの画像を重点的に確認することにより、好中球の誤分類を容易に発見することができる。一方、図20Aに示す、撮像順で血球画像を並べた画面では、誤分類されている可能性が高い血球画像が一部に集まっているということはない。このため、検査技師又は医師等の検査者が全ての血球画像を慎重に確認しなければ、容易に誤分類を発見することはできない。
【0112】
図18Bに示すように、画像処理ユニット3のCPU31aにおいては、データベース更新指示データを受信するイベントが発生すると(ステップS911)、ステップS912の処理が呼び出される。
【0113】
ステップS912において、CPU31aは、受信したデータベース更新指示データに含まれる白血球IDに対応する血球データベースDB2を特定する(ステップS912)。次に、CPU31aは、特定した血球データベースDB2の種類フィールドF22のデータを、データベース更新指示データに含まれる血球種に変更し(ステップS913)、処理を終了する。これにより、血球画像の再分類が完了する。
【0114】
以上のような構成とすることにより、血球画像レビュー画面においては、同一の血球種の血球画像が、その血球種に対して定められた特徴パラメータにしたがった順番で並べられるため、誤分類された血球画像をユーザが効率よく見つけ出すことが可能となる。
【0115】
また、血球画像の分類に使用される特徴パラメータを、血球画像の並び順を決定するために用いられる特徴パラメータとして利用すれば、誤分類の可能性が高い血球画像を一部に集めることができ、ユーザはその部分を重点的に確認することで、容易に誤分類の血球画像を発見することができる。
【0116】
また、特徴パラメータ値の大小により血球画像を2つの血球種の何れかに弁別した場合に、2つの血球種の血球画像のグループを連続して並べ、且つ、これら2つのグループの並び順に整合した並び順により、血球画像を並べることで、一方の血球種に誤分類された可能性が高い血球画像を、この血球画像が本来分類されるべき他方の血球種のグループに近い位置に配置することができる。このことを詳しく説明すると、特徴パラメータ値が大きい(小さい)方の第1の血球種のグループを先に、特徴パラメータ値が小さい(大きい)方の第2の血球種のグループを後に並べた場合に、第1の血球種の血球画像を前記特徴パラメータについて降順(昇順)に並べることで、第1の血球種の血球画像のうち、誤分類されている可能性が高い血球画像が、第2の血球種のグループに近い位置に配置されることとなる。これは、第1の血球種に分類された血球画像のうち前記特徴パラメータが小さい(大きい)血球画像は、正しくは第2の血球種であるものが第1の血球種に誤分類されている場合があるからである。このような誤分類が疑われる血球画像を、誤分類されていれば本来その血球画像が属すると思われる血球種のグループの近くに配置することで、ユーザは容易に両者を比較することができ、より一層誤分類を発見しやすくなる。
【0117】
また、血球種毎に、並び順の決定に用いる特徴パラメータを自由に設定することができるため、誤分類の発見に適した特徴パラメータを血球種毎に設定することができる。
【0118】
また、血球画像レビュー画面の表示に通常使用する特徴パラメータを含む標準表示設定情報C1を予め設定しておき、標準表示設定情報C1を使用して血球画像の並び順を決定し、血球画像レビュー画面を表示する構成としたので、一度標準表示設定情報C1が作成された後は、ユーザが血球画像の並び順の決定に使用される特徴パラメータを指定しなくても、誤分類を発見しやすい並び順で血球画像が表示される。
【0119】
また、ユーザは、上記のように標準表示設定情報C1による血球画像の並び順が適切ではなく、他の特徴パラメータを使用した並び順に並び替えたい場合には、血球画像の並び替え設定を行うことができる。このように、並び替え設定において、通常使用される特徴パラメータとは異なる、補助的に使用される特徴パラメータをユーザが設定することができる構成とすることにより、検体毎に適切な並び順で血球画像を並べることが可能となり、より一層誤分類の発見がしやすくなる。この補助的に使用される特徴パラメータを含む並び替え設定情報C2は、血球画像表示ユニット4がシャットダウンされ、次回起動された後には使用されることはなく、次回起動後には標準表示設定情報C1が再度使用される。このため、ユーザは再度標準表示設定情報C1と同様の設定内容で表示設定を行う必要がなく、このような構成はユーザにとって利便性が高い。
【0120】
(その他の実施の形態)
なお、上述した実施の形態においては、血液塗抹標本を撮像して血球画像を取得する標本撮像装置について述べたが、これに限定されるものではない。人体から採取した組織を薄くスライスしてスライドガラスに貼り付け、染色液により染色することによって得られた標本を撮像し、細胞像を含む細胞画像を取得する標本撮像装置としてもよい。
【0121】
また、上述した実施の形態においては、血球画像表示ユニット4を起動した直後から、血球画像の並び順の決定に使用される特徴パラメータを何ら設定しなくても、一度設定された標準表示設定情報C1にしたがって血球画像の並び順を決定し、血球画像レビュー画面を表示し、ユーザが並び替え設定を行った場合には、並び替え設定情報C2にしたがって血球画像の並び順を変更する構成について述べたが、これに限定されるものではない。血球画像表示ユニット4を起動した直後は、血球画像の並び順の決定に使用される特徴パラメータは何ら設定されておらず、例えば撮像順で血球画像が並べられた血球画像レビュー画面が表示され、ユーザが特徴パラメータを指定して並び替え設定を行った場合に、この特徴パラメータにしたがった並び順で血球画像が並ぶように並び替えが行われる構成としてもよい。
【0122】
また、上述した実施の形態においては、ユーザが並び替え設定を行った後、血球画像表示ユニット4がシャットダウンするまでの間、並び替え設定情報C2に含まれる特徴パラメータにしたがって血球画像の配置順序を決定する構成について述べたが、これに限定されるものではない。ユーザが並び替え設定を行った後、ユーザから並び替え設定情報C2の使用停止の指示を受け付けるまでの間、並び替え設定情報C2に含まれる特徴パラメータにしたがって血球画像の配置順序を決定し、ユーザから並び替え設定情報C2の使用停止の指示を受け付けた後は、標準表示設定情報C1にしたがって血球画像の並び順を決定し、血球画像レビュー画面を表示する構成としてもよい。また、血球画像表示ユニット4のシャットダウンまでではなく、検体情報が切り替えられた状態、つまり、測定進捗画面において表示対象であった検体とは別の検体が選択される等、表示対象の検体が切り替わる状態、血球画像表示ユニット4に異常が生じた状態、又は画像処理ユニット3が新たな血球画像を顕微鏡ユニット2から受け付けた状態等、標本撮像装置1が血球画像表示ユニット4のシャットダウン以外の所定の状態に達するまで、並び替え設定情報C2に含まれる特徴パラメータに従って血球画像の配置順序を決定してもよい。
【0123】
また、上述した実施の形態においては、血球画像を複数の血球種に分類し、その後に分類結果とともに血球画像を特徴パラメータにしたがった順序で並べて表示する構成について述べたが、これに限定されるものではない。ある種類(リンパ球等)の血球画像のみを撮像して血球画像を取得し、その血球画像を解析して特徴パラメータ(NC比等)を取得し、特徴パラメータにしたがった順序でこれらの血球画像を並べて表示する構成としてもよい。この種類とは異なる種類(単球等)の血球画像が含まれている場合に、上記の順序で並べることで、ユーザは前記異なる種類の血球画像を容易に特定することができる。
【0124】
また、上述した実施の形態においては、コンピュータが血球画像表示プログラム44aを実行することにより、血球画像表示ユニット4として機能して、血球画像及び特徴パラメータを取得し、この特徴パラメータにしたがって血球画像の並び順を決定し、この並び順で血球画像を並べた血球画像レビュー画面を画像表示部42に表示させる構成について述べたが、これに限定されるものではない。血球画像表示プログラムと同様の処理を実行することが可能なFPGA又はASIC等の専用ハードウェアにより、上記処理を実行する構成としてもよい。
【0125】
また、上述した実施の形態においては、画像処理ユニット3とは独立して設けられた血球画像表示ユニット4によって、上記の処理を行う構成について述べたが、これに限定されるものではない。画像処理ユニット3の機能と血球画像表示ユニット4の機能とを併せて具備する1つの装置によって、血球画像の画像処理による特徴パラメータの取得、血球画像の分類、特徴パラメータにしたがった血球画像の並び順の決定、及びこの並び順で血球画像を並べた血球画像レビュー画面の表示を行う構成としてもよい。また、顕微鏡ユニット2の機能と画像処理ユニット3の機能と血球画像表示ユニット4の機能とを併せて具備する1つの装置により、標本の撮像、血球画像の画像処理による特徴パラメータの取得、血球画像の分類、特徴パラメータにしたがった血球画像の並び順の決定、及びこの並び順で血球画像を並べた血球画像レビュー画面の表示を行う構成としてもよい。
【0126】
また、上述した実施の形態においては、単一のコンピュータ3aにより画像処理プログラム34aの全ての処理を実行する構成について述べたが、これに限定されるものではなく、上述した画像処理プログラム34aと同様の処理を、複数の装置(コンピュータ)により分散して実行する分散システムとすることも可能である。
【0127】
また、上述した実施の形態においては、単一のコンピュータ4aにより血球画像表示プログラム44aの全ての処理を実行する構成について述べたが、これに限定されるものではなく、上述した血球画像表示プログラム44aと同様の処理を、複数の装置(コンピュータ)により分散して実行する分散システムとすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0128】
本発明の細胞画像表示装置は、細胞を撮像することにより得られた細胞画像を表示する細胞画像表示装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】実施の形態に係る標本撮像装置の構成を示すブロック図。
【図2】実施の形態に係る顕微鏡ユニットの一部を示す斜視図。
【図3】実施の形態に係る画像処理ユニットの構成を示すブロック図。
【図4】実施の形態に係る血球データベースの構造を示す模式図。
【図5】実施の形態に係る血球画像表示ユニットの構成を示すブロック図。
【図6】血球画像の登録動作における顕微鏡ユニットの動作手順を示すフローチャート。
【図7】血球画像の登録動作における画像処理ユニットの処理手順を示すフローチャート。
【図8】白血球検出におけるスライドガラス上の検体のスキャニングのパターンを説明する図。
【図9A】白血球検出用のラインセンサの視野を説明する図。
【図9B】白血球検出用のラインセンサの信号波形を示す図。
【図10】血球画像の一例を示す図。
【図11A】血球画像の表示動作における血球画像表示ユニットの初期処理の手順を示すフローチャート。
【図11B】血球画像の表示動作における画像処理ユニットの検体情報送信処理の手順を示すフローチャート。
【図12A】血球画像の表示動作における血球画像表示ユニットの画像表示処理の手順を示すフローチャート。
【図12B】血球画像の表示動作における画像処理ユニットの血球画像送信処理の手順を示すフローチャート。
【図13】血球画像レビュー画面の一例を示す図。
【図14】血球画像の表示設定動作における血球画像表示ユニット4の処理の流れを示すフローチャート。
【図15】血球画像の表示設定画面の一例を示す図。
【図16】血球画像の表示変更動作における血球画像表示ユニット4の処理の流れを示すフローチャート。
【図17】血球画像の表示変更設定画面の一例を示す図。
【図18A】血球画像の再分類動作における血球画像表示ユニット4の処理の流れを示すフローチャート。
【図18B】血球画像の再分類動作における画像処理ユニット3の処理の流れを示すフローチャート。
【図19】撮像順で血球画像を並べた画面の一例。
【図20A】血球画像レビュー画面の他の一例を示す図。
【図20B】撮像順で血球画像を並べた画面の他の一例を示す図。
【符号の説明】
【0130】
1 標本撮像装置
2 顕微鏡ユニット
213 CCDカメラ
214 白血球検出部
216 制御部
217,218 通信インタフェース
3 画像処理ユニット
3a コンピュータ
31a CPU
31b ROM
31c RAM
31d ハードディスク
31g,31h,31i 通信インタフェース
32 画像表示部
34a 画像処理プログラム
35 血球画像フォルダ
4 血球画像表示ユニット
4a コンピュータ
41 本体
41a CPU
41b ROM
41c RAM
41d ハードディスク
41g 通信インタフェース
41h 画像出力インタフェース
42 画像表示部
44a 血球画像表示プログラム
5 スライドガラス
DB1 検体データベース
DB2 血球データベース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞を撮像することにより得られる細胞画像について、前記細胞の特徴を示す特徴パラメータ値を取得する特徴パラメータ値取得手段と、
複数の細胞画像を表示する表示部と、
前記特徴パラメータ値取得手段によって複数の細胞画像についてそれぞれ取得された特徴パラメータ値に基づく順序により、前記表示部に前記複数の細胞画像を並べて表示させる表示制御手段と、
を備える、細胞画像表示装置。
【請求項2】
前記特徴パラメータ値取得手段によって取得された特徴パラメータ値に基づいて、前記細胞画像に係る細胞の種類を判定する種類判定手段をさらに備える、請求項1に記載の細胞画像表示装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記種類判定手段によって判定された種類毎に、同一の種類の細胞画像を前記特徴パラメータ値に基づく順序により並べて表示させるように構成されている、請求項2に記載の細胞画像表示装置。
【請求項4】
前記特徴パラメータ値取得手段は、細胞の互いに異なる特徴に関する複数の特徴パラメータ値を取得するように構成されており、
前記表示制御手段は、細胞の種類毎に定められた特徴パラメータに基づく順序により、前記種類判定手段によって判定された種類毎に複数の細胞画像を並べて表示させるように構成されている、請求項3に記載の細胞画像表示装置。
【請求項5】
細胞の種類毎に、細胞画像の配置順序の決定に用いられる特徴パラメータの指定を受け付ける特徴パラメータ受付手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記特徴パラメータ受付手段が受け付けた特徴パラメータに基づく順序により、前記種類判定手段によって判定された種類毎に複数の細胞画像を並べて表示させるように構成されている、請求項4に記載の細胞画像表示装置。
【請求項6】
前記表示部に前記複数の細胞画像が表示されている状態において、細胞画像の新たな配置順序の決定に用いられる並び替え用特徴パラメータの指定を受け付ける並び替え用特徴パラメータ受付手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記並び替え用特徴パラメータ受付手段が受け付けた並び替え用特徴パラメータに基づく順序により前記複数の細胞画像を並べた状態に前記表示部の表示を更新するように構成されている、請求項1乃至5の何れかに記載の細胞画像表示装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前回の細胞画像の表示において細胞画像の配置順序の決定に並び替え用特徴パラメータが用いられた場合に、次回の細胞画像の表示において前記並び替え用特徴パラメータに基づく順序により複数の細胞画像を並べて表示させるように構成されている、請求項6に記載の細胞画像表示装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記並び替え用特徴パラメータ受付手段が並び替え用特徴パラメータを受け付けた後、細胞画像表示装置が所定の状態に達するまで、前記並び替え用特徴パラメータに基づく順序により複数の細胞画像を並べて表示させるように構成されている、請求項7に記載の細胞画像表示装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、同一検体に関する複数の細胞画像のみを並べて前記表示部に表示させるように構成されており、
表示対象の検体を切り替える切替手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記並び替え用特徴パラメータ受付手段が並び替え用特徴パラメータを受け付けた後、前記切替手段によって表示対象の検体が切り替えられるまで、前記並び替え用特徴パラメータに基づく順序により複数の細胞画像を並べて表示させるように構成されている、請求項8に記載の細胞画像表示装置。
【請求項10】
細胞の種類を変更する対象の細胞画像及び変更後の細胞の種類の指定を受け付ける細胞種類変更受付手段と、
指定された前記細胞画像に係る細胞の種類を、指定された前記新たな細胞の種類に変更する変更手段と、
をさらに備える、請求項1乃至9の何れかに記載の細胞画像表示装置。
【請求項11】
細胞を撮像する撮像部をさらに備え、
前記特徴パラメータ値取得手段は、前記撮像部が細胞を撮像することによって取得された細胞画像に基づいて特徴パラメータ値を取得するように構成されている、請求項1乃至10の何れかに記載の細胞画像表示装置。
【請求項12】
前記特徴パラメータ値取得手段は、細胞画像表示装置の外部に設けられた記憶装置から特徴パラメータ値を取得するように構成されている、請求項1乃至10の何れかに記載の細胞画像表示装置。
【請求項1】
細胞を撮像することにより得られる細胞画像について、前記細胞の特徴を示す特徴パラメータ値を取得する特徴パラメータ値取得手段と、
複数の細胞画像を表示する表示部と、
前記特徴パラメータ値取得手段によって複数の細胞画像についてそれぞれ取得された特徴パラメータ値に基づく順序により、前記表示部に前記複数の細胞画像を並べて表示させる表示制御手段と、
を備える、細胞画像表示装置。
【請求項2】
前記特徴パラメータ値取得手段によって取得された特徴パラメータ値に基づいて、前記細胞画像に係る細胞の種類を判定する種類判定手段をさらに備える、請求項1に記載の細胞画像表示装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記種類判定手段によって判定された種類毎に、同一の種類の細胞画像を前記特徴パラメータ値に基づく順序により並べて表示させるように構成されている、請求項2に記載の細胞画像表示装置。
【請求項4】
前記特徴パラメータ値取得手段は、細胞の互いに異なる特徴に関する複数の特徴パラメータ値を取得するように構成されており、
前記表示制御手段は、細胞の種類毎に定められた特徴パラメータに基づく順序により、前記種類判定手段によって判定された種類毎に複数の細胞画像を並べて表示させるように構成されている、請求項3に記載の細胞画像表示装置。
【請求項5】
細胞の種類毎に、細胞画像の配置順序の決定に用いられる特徴パラメータの指定を受け付ける特徴パラメータ受付手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記特徴パラメータ受付手段が受け付けた特徴パラメータに基づく順序により、前記種類判定手段によって判定された種類毎に複数の細胞画像を並べて表示させるように構成されている、請求項4に記載の細胞画像表示装置。
【請求項6】
前記表示部に前記複数の細胞画像が表示されている状態において、細胞画像の新たな配置順序の決定に用いられる並び替え用特徴パラメータの指定を受け付ける並び替え用特徴パラメータ受付手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記並び替え用特徴パラメータ受付手段が受け付けた並び替え用特徴パラメータに基づく順序により前記複数の細胞画像を並べた状態に前記表示部の表示を更新するように構成されている、請求項1乃至5の何れかに記載の細胞画像表示装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前回の細胞画像の表示において細胞画像の配置順序の決定に並び替え用特徴パラメータが用いられた場合に、次回の細胞画像の表示において前記並び替え用特徴パラメータに基づく順序により複数の細胞画像を並べて表示させるように構成されている、請求項6に記載の細胞画像表示装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記並び替え用特徴パラメータ受付手段が並び替え用特徴パラメータを受け付けた後、細胞画像表示装置が所定の状態に達するまで、前記並び替え用特徴パラメータに基づく順序により複数の細胞画像を並べて表示させるように構成されている、請求項7に記載の細胞画像表示装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、同一検体に関する複数の細胞画像のみを並べて前記表示部に表示させるように構成されており、
表示対象の検体を切り替える切替手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記並び替え用特徴パラメータ受付手段が並び替え用特徴パラメータを受け付けた後、前記切替手段によって表示対象の検体が切り替えられるまで、前記並び替え用特徴パラメータに基づく順序により複数の細胞画像を並べて表示させるように構成されている、請求項8に記載の細胞画像表示装置。
【請求項10】
細胞の種類を変更する対象の細胞画像及び変更後の細胞の種類の指定を受け付ける細胞種類変更受付手段と、
指定された前記細胞画像に係る細胞の種類を、指定された前記新たな細胞の種類に変更する変更手段と、
をさらに備える、請求項1乃至9の何れかに記載の細胞画像表示装置。
【請求項11】
細胞を撮像する撮像部をさらに備え、
前記特徴パラメータ値取得手段は、前記撮像部が細胞を撮像することによって取得された細胞画像に基づいて特徴パラメータ値を取得するように構成されている、請求項1乃至10の何れかに記載の細胞画像表示装置。
【請求項12】
前記特徴パラメータ値取得手段は、細胞画像表示装置の外部に設けられた記憶装置から特徴パラメータ値を取得するように構成されている、請求項1乃至10の何れかに記載の細胞画像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図14】
【図16】
【図18A】
【図18B】
【図10】
【図13】
【図15】
【図17】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図14】
【図16】
【図18A】
【図18B】
【図10】
【図13】
【図15】
【図17】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【公開番号】特開2010−151647(P2010−151647A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−330625(P2008−330625)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
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