説明

細胞電気生理測定デバイス

【課題】薄板のワレなどの破損が起こりにくく、生産性に優れた細胞電気生理測定デバイスを得ることを目的とする。
【解決手段】第一面3aと第二面4aとを有し、第一面3aの側に開口する窪み部8と第二面4aの側に開口する貫通孔9とが形成された薄板7と、第二面4aの側の薄板7の薄板外周部4bに当接された枠体6と、を備え、窪み部8は、その垂直断面がこの窪み部8の外方へ湾曲する曲線で構成された内壁を有し、薄板7の上部外周端部3bは、その垂直断面が薄板7の第一面側3aから第二面側4aに向けて薄板7の内方へ湾曲する曲線で構成された、丸め形状を有するものとした。これにより本発明は、枠体6の外周部6aから薄板7の外周部4bがはみ出さない構造を容易に実現できる。そしてその結果、薄板7のワレなどの破損が起こりにくく、生産性に優れた細胞電気生理測定デバイス1が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は細胞が活動する際において、細胞の内外における電位、あるいは細胞の活動によって発生する物理化学的変化を測定するために用いられる細胞電気生理測定デバイスであり、例えば化学物質によって細胞が発する反応を検出する薬品スクリーニングなどに用いられる。
【背景技術】
【0002】
従来、細胞の電気生理的な活動によって生じる電気生理現象、例えば細胞の内外における電位(細胞電位と呼ぶ)を測定する方法としては、以下のような方法がある。
【0003】
従来の細胞電気生理測定デバイスとしては、細胞の保持手段を有する基板および保持手段に設けられた電極によって細胞電位を測定する方法が知られている。この細胞電気生理測定デバイスでは、細胞の保持手段によって細胞が捕捉され、捕捉された細胞によって領域が隔てられる。隔てられた2つの領域の間で電位差が発生する。発生した電位差を測定することにより、細胞電位の変化が観測される。
【0004】
図19は、従来の細胞電気生理測定デバイスの断面図である。細胞電気生理測定デバイス130(以下、デバイス130と呼ぶ)は、ウエル120の内部に測定液121Aが入れられている。細胞122は、基板123に設けられた細胞保持部131(以下、保持部131と呼ぶ)によって捕捉されて保持されている。保持部131は、基板123に形成された窪み124と、開口部125と、開口部125を介して窪み124に連結された貫通孔126とにより構成されている。
【0005】
このように構成されたデバイス130は、細胞122によって領域が2つに隔てられて、測定液121Aと測定液121Bとが形成される。また、測定液121Aには参照電極127が配置され、測定液121Bには測定電極128が配置されている。測定電極128は配線を経て貫通孔122の内部にある測定液121Bの電位を出力する。
【0006】
デバイス130を用いて細胞の内外の電位を測定するとき、細胞122は貫通孔126側から吸引ポンプ(図示せず)などを用いて吸引される。このことにより、窪み124の開口部に密着して保持される。このことによって、細胞122が活動したときに発生する電気信号が測定電極128によって検出される。
【0007】
なお、このような細胞電気生理測定デバイスの先行技術とはしては、たとえば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】国際公開第02/055653号パンフレット
【発明の開示】
【0008】
本発明は、細胞電気生理現象を高精度に測定するために、非常に薄い基板を用いる細胞電気生理測定デバイスにおいて、基板の破損の少ない細胞電気生理測定デバイスを提供することを目的としている。
【0009】
本発明の細胞電気生理測定デバイスは、第一面と第二面とを有し、第一面の側に開口する窪み部と第二面の側に開口する貫通孔とが形成された薄板と、第二面の側の薄板の薄板外周部に当接された枠体と、を備え、窪み部は、その垂直断面がこの窪み部の外方へ湾曲する曲線で構成された内壁を有し、薄板の上部外周端部は、その垂直断面が薄板の第一面側から第二面側に向けて薄板の内方へ湾曲する曲線で構成された、丸め形状を有するものとした。これにより本発明は、枠体の外周部から薄板の外周部がはみ出さない構造を容易に実現できる。そしてその結果、薄板のワレなどの破損が起こりにくく、生産性に優れた細胞電気生理測定デバイスが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1における細胞電気生理測定デバイスおよびその製造方法について、図面を用いて説明する。
【0011】
図1は実施の形態1による細胞電気生理測定デバイスの斜視図である。図2は、図1に示した細胞電気生理測定デバイスの断面図である。また、図3は図1に示した細胞電気生理測定デバイスの要部拡大断面図である。また、図4は細胞電位測定装置の模式断面図である。
【0012】
図1〜図3において、実施の形態1における細胞電気生理測定デバイス1(以下、デバ
イス1と呼ぶ)の構成は、少なくとも二層の異なる材料によって積層された薄板7を用いることが特徴である。薄板7の第一面3aの側が珪素からなる第一の材料層3(以下、層3と呼ぶ)によって構成され、薄板7の第二面4aの側が二酸化珪素からなる第二の材料層4(以下、層4と呼ぶ)によって構成されている。さらに、第二面4aの側の外周部である薄板外周部4b(以下、外周部4bと呼ぶ)の周辺には、珪素からなる第三の材料層5(以下、層5と呼ぶ)によって構成された枠体6が当接されている。なお、第二面4aは平らな面である。
【0013】
そして、薄板7の内部には、層3の少なくとも一カ所に、第一面3aの側に第一の開口部8a(以下、開口部8aと呼ぶ)を有する窪み部8が形成されている。さらに、窪み部8に貫通接続するように、第二面4aの側に第三の開口部9d(以下、開口部9dと呼ぶ)を有するように、層3と層4とにまたがった貫通孔9が形成されている。つまり、貫通孔9が第二の開口部9c(以下、開口部9cと呼ぶ)と開口部9dとを有するように、窪み部8の下部に形成されている。
【0014】
さらに、図2に示すように、層3の上部外周端部3b(以下、端部3bと呼ぶ)には、丸め形状部3cが形成されている。
【0015】
次に、細胞が活動する際に発する電気生理活動を、デバイス1を用いて測定する方法について簡単に説明する。図4は、図1に示す細胞電気生理測定デバイスが測定装置にセットされた際の測定装置の模式断面図を示す。
【0016】
図4に示すように、デバイス1が、仕切り部11の内部に取り付けられている。仕切り部11は、プラスチックなどの絶縁体からなる容器10の内部に設けられている。仕切り部11の内部には穴12が設けられている。デバイス1が穴12の内側に層3が上面になるようにして隙間無く配置されている。このことによって、容器10の内部の空間が、仕切り部11を境にして2つの領域に仕切られている。そして、仕切り部11によって仕切られた、容器10の上下の領域内に測定液15a(以下、液15aと呼ぶ)と測定液15b(以下、液15bと呼ぶ)とがそれぞれ貯留されている。さらに、容器10の容器上部10a(以下、上部10aと呼ぶ)において、銀・塩化銀電極などで構成された参照電極13(以下、電極13と呼ぶ)が液15a中に配置されている。容器10の容器下部10b(以下、下部10bと呼ぶ)において、銀・塩化銀電極などで構成された測定電極14(以下、電極14と呼ぶ)が液15b中に配置されている。なお、電極13と電極14とがそれぞれ入れ替わっていても良い。以上のようにして、細胞電位測定装置21(以下、装置21と呼ぶ)が構成されている。
【0017】
次に、装置21が準備された状態で、測定対象である細胞16が上部10a側から容器10に投入される。細胞16が容器10に投入された後、上部10aに比べて下部10bが低圧になるように、吸引ポンプ(図示せず)などを用いて、仕切り部11の上下間に所定の圧力差が発生させられる。このことによって、図5に示すように、細胞16は、開口部9cに引き寄せられて保持される。そして、この圧力差が維持されていると、開口部9cに対する、細胞16の密着性が十分に確保されることとなり、液15aと液15bとの間で電気的抵抗値を持つようになる。さらに、薬品などの化学化合物などの刺激が細胞16に加えられると、細胞16は電気生理的応答を示す。この結果、電極13と電極14との間に、たとえば、電圧、電流などの電気的応答または電気的変化などが観測される。
【0018】
なお、装置21を用いた測定の測定方法の説明において、層3が上面側に配置されたデバイス1を用いた測定の例について説明した。しかしながら、図6に示すように、層3が下面側に配置されたデバイス1を用いた測定も可能である。なお、層3がデバイス1の下面側に配置された場合、開口部9dに細胞16が密着することになる。細胞16が、第二面4aに形成された穴である開口部9dに密着する方が、測定上、都合の良い場合などに用いることができる。どちらを使用するかは細胞16の性質によって適宜決めることが好ましい。
【0019】
また、実施の形態1におけるデバイス1に形成された窪み部8と貫通孔9との直径および長さは、細胞16の種類によって、適宜設計変更されることが好ましい。そして、窪み部8の直径は10〜50μmが好ましく、より好ましくは30〜40μmである。また、貫通孔9の直径は1〜5μmが好ましく、より好ましくは1〜3μmである。さらに、貫通孔9の長さは1〜10μmが好ましく、より好ましくは1〜5μmである。また、層3と層4との厚みは、窪み部8と貫通孔9との形状によって変更されるべきである。しかしながら、層3の厚みが層4の厚みより厚いことが、デバイス1の機械的な強度の観点から好ましい。そして、層3の厚みは5〜30μmが好ましく、層4の厚みは0.5〜3μmが好ましい。
【0020】
貫通孔と窪み部とが、珪素のみで構成された基板に設けられている場合、細胞電気生理測定デバイスの機械的強度が低く、細胞電気生理測定デバイスが壊れやすい。そして。細胞電気生理測定デバイスの製造途中に細胞電気生理測定デバイスの破壊が起こりやすい。また、細胞吸引時の、吸引ポンプなどによる吸引圧力の印加に伴って、細胞電気生理測定デバイスの破壊が起こりやすい。
【0021】
しかしながら、デバイス1は、薄板7が、珪素などによる層3と二酸化珪素などによる層4とを有する二層以上の積層構造を有する。このことによって、強い機械的な強度を有する細胞電気生理測定デバイス構造が実現される。さらに、加工性が低下することなく、生産歩留りが向上する。したがって、機械的な強度と生産性との両立が容易に行われるデバイス1が得られる。
【0022】
また、層3の厚みが層4の厚みよりも厚い構造である。このことによって、窪み部8の形状が任意の形状に設計可能となる。この結果、吸引などの手段によって細胞16を保持しやすくなるように、窪み部8を任意の形状に設計できるなどの効果が発揮される。
【0023】
さらに、貫通孔9が、層3と層4とにまたがって形成されている。このことによって、窪み部8の底部8bに形成される、貫通孔9周囲の厚みの最も薄い箇所においても積層構造が維持される。この結果、デバイス1の強度が保たれ、壊れにくいデバイス1が実現される。
【0024】
また、図1または図2に示すように、薄板7の外周部4bの大きさが枠体6の外周部である枠体外周部6a(以下、外周部6aと呼ぶ)よりも小さくなるように構成されている。このような構成によって、枠体6に比べて機械的強度の低い薄板7において、薄板7の一部が枠体6の外側にはみ出すことが無い。このことによって、外周部4bにおける欠け不良が少なくなる。
【0025】
また、端部3bに丸め形状部3cが形成されている。このことによって、薄板7の端部3bに欠けなどの損傷が起こりにくい構造となる。このことは、デバイス1の製造過程において発生しやすい、デバイス1の欠けなどによるゴミまたは異物の発生が極力減らされる。これら異物の発生防止に効果的である。
【0026】
そして、層3が珪素を用いて形成され、層4が二酸化珪素を用いて形成されている。このことによって、薄板7と枠体6との構造が高精度に加工される。さらに、生産性の高いデバイス1の製造方法が実現される。
【0027】
次に、デバイス1の製造方法について、図を用いて説明する。
【0028】
図7A〜図7Kは、実施の形態1における細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図である。
【0029】
まず、図7Aに示すように、基板準備ステップにおいて、珪素からなる第一の材料層3と二酸化珪素からなる第二の材料層4と珪素からなる第三の材料層5とが積層されて構成された積層構造を有する基板2を準備する。基板2は、通常SOI(silicon on insulator)基板と呼ばれ、容易に入手可能である。SOI基板の作成方法は、単結晶珪素基板の表面を熱酸化処理した後、別の単結晶珪素基板を接合して所定の厚みになるまで研磨することによって作製される。または、熱酸化処理の後、多結晶珪素や非晶質珪素がCVDなどの方法で所定の厚みになるまで成膜される等の方法によってSOI基板が作製される。基板準備ステップにおいて、いずれの作製方法によって作製されたSOI基板を用いてもよい。
【0030】
次に、図7Bに示すように、第一レジスト膜形成ステップにおいて、層3の第一面3a側の表面に、第一のエッチングレジスト膜17(以下、膜17と呼ぶ)を形成する。膜17は、第一レジスト開口部17a(以下、開口部17aと呼ぶ)などの所定のパターンを有している。
【0031】
次に、図7Cに示すように、窪み部形成ステップにおいて、第一のエッチングガスを開口部17aから導入するエッチング方法によって、層3に窪み部8を形成する。エッチング方法として、プラズマを用いたドライエッチングの場合は、SF、CFなどが第一のエッチングガスとして有効である。そして、より好ましくは、第一のエッチングガスとして、たとえば、XeFを用いることによって、プラズマによってガスを分解する必要なくエッチングできる。このことによって、層3の珪素部分がエッチングされても、膜17がエッチングされることがほとんど無い。したがって、効果的に窪み部8が形成される。
【0032】
次に、図7Dに示すように、第一の貫通孔形成ステップにおいて、開口部17aから、第二のエッチングガスと第三のエッチングガスとを導入する。このことによって、窪み部8の底部8bに、層4にまで達する第一の孔9a(以下、孔9aと呼ぶ)がエッチング方法によって形成される。エッチング方法として、ICPプラズマを用いたドライエッチングの場合、第二のエッチングガスには、たとえば、SF、CFが用いられ、第三のエッチングガスには、たとえば、C、CHFが用いられることが好ましい。これにより、第二のエッチングガスの導入時には珪素がエッチングされ、第三のエッチングガスの導入時には、図7Eに示すように、エッチングされた孔9aの内壁9eに保護膜9fが形成される。このように、第二、第三のエッチングガスの組み合わせが最適化されることによって、エッチングによる加工現象が、開口部17a直下にのみ発生させることが可能となる。これにより、孔9aが、膜3に対してほぼ垂直な形状を持つようにエッチング加工される。
【0033】
なお、第一の貫通孔形成ステップにおいて、図7Fに示すように、薄板7の端部3bは、膜17の端部17bより内側に形成される。このことによって、後のプロセスで、層5部分に枠体6が形成されたときに、枠体6の外周部6aから薄板7の外周部4bがはみ出すことのない構造が容易に実現される。
【0034】
次に、図7Gに示すように、第一レジスト膜除去ステップにおいて、膜17が除去される。
【0035】
その後、図7Hに示すように、第二の貫通孔形成ステップにおいて、層3側から第四のエッチングガスを導入するエッチング方法によって、層3に形成された孔9aに連続するようにして、第二の孔9b(以下、孔9bと呼ぶ)を層4に形成する。エッチング方法は、第四のエッチングガスに、たとえば、CF、Arなどを用いたプラズマエッチングが好ましい。これにより、第四のエッチングガスは珪素による層3をあまりエッチングすることなく、層4の二酸化珪素部分のみをエッチングする。このことによって、層3に形成された孔9aとほぼ同じ形状の孔9bが層4に形成される。以上のようにして、孔9aと、孔9aに連続して形成された孔9bとによって貫通孔9が構成される。また、孔9bの加工のために、孔9aがマスクとして作用する。
【0036】
次に、図7Iに示すように、第二レジスト膜形成ステップにおいて、層5の第三面5a側の表面に、第二のエッチングレジスト膜18(以下、膜18と呼ぶ)を形成する。膜18は、第二レジスト開口部18a(以下、開口部18aと呼ぶ)などの所定のパターンを有している。
【0037】
次に、図7Jに示すように、枠体形成ステップにおいて、開口部18aから第二のエッチングガスと第三のエッチングガスとを導入する。このことによって、層4に達するまで層5を構成する珪素部分がエッチングされ、枠体6が形成される。このときのエッチング方法は、前述の第一の貫通孔形成ステップにおいて、孔9aを形成する方法とほぼ同様な方法が利用できる。これにより、層5のエッチングによる加工が、開口部18aの直下にのみ行なわれる。このことから、ほぼ垂直な形状を有する内壁6bを有した枠体6が形成される。
【0038】
次に、図7Kに示すように、第二レジスト膜除去ステップにおいて、膜18が除去される。
【0039】
このような構成によって、ウエハー(wafer)状の一枚の基板2から、複数の細胞電気生理測定デバイス1が、一括して大量に作製される。このため、上述の製造方法は極めて有効な方法である。なおかつ、一個のデバイス1の大きさを極端に小さくできる。このことから、一枚の基板2から、より多くのデバイス1を作製する製造方法が提供される。
【0040】
なお、図7Jに示す枠体形成ステップの前に、第一の丸め形状付与ステップを行ってもよい。第一の丸め形状付与ステップは、図8Aに示すように、第一のエッチングガスを開口部18aから導入し、層5の表面を適度にエッチングするステップである。第一のエッチングガスとして、たとえば、XeFが開口部18aから導入される。
【0041】
その後、図8Bに示すように、枠体形成ステップにおいて、第二のエッチングガスと第三のエッチングガスとを開口部18aから導入してエッチングを行う。
【0042】
さらに、第二レジスト膜除去ステップにおいて、膜18が除去される。そして、図8Cに示すように、枠体6の外周端部6cと内壁端部6dとに、適度な丸め形状が付与される。外周端部6cと内壁端部6dとによって、適度な丸め形状を有する下部端部6eが構成される。この構造によって、枠体6の下部端部6eに欠けなどの損傷が起こりにくい。このことによって、欠けによって発生するゴミ・異物の発生が、さらに少ない細胞電気生理測定デバイス1aが作製される。
【0043】
また、図7Hに示す第二の貫通孔形成ステップの後に、第二の丸め形状付与ステップを追加して行ってもよい。第二の丸め形状付与ステップは、図9Aに示すように、第一のエッチングガスを導入し、層5の外周部6aの上部端部6fに適度な丸め形状を付与する。
【0044】
第一のエッチングガスとして、たとえば、XeFを導入することができる。その後、上述のように、第二レジスト膜形成ステップ、枠体形成ステップ、第二レジスト膜除去ステップが順次実行される。この結果、図9Bに示すように、枠体6の上部端部6fに丸め形状が付与され、欠けなどの損傷が起こりにくい細胞電気生理測定デバイス1bが作製される。なお、第二の丸め形状付与ステップにおいて,上部端部6fのエッチングに伴って、層4の端部4cが少し突き出ることがある。しかしながら、端部4cは枠体6の角部6gと離れているので、損傷しやすいなどの問題は起こらない。
【0045】
さらに、第一の丸め形状付与ステップと第二の丸め形状付与ステップとを追加して行ってもよい。第一の丸め形状付与ステップと第二の丸め形状付与ステップとを追加することによって、図9Cに示すように、上部端部6fと下部端部6eとに欠けなどの損傷が起こりにくい細胞電気生理測定デバイス1cが作製される。このことによって、欠けによって発生するゴミ・異物の発生がさらに少ない細胞電気生理測定デバイス1cが得られる。
【0046】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2における細胞電気生理測定デバイスとその製造方法とについて、図面を用いて説明する。
【0047】
図10は実施の形態2による細胞電気生理測定デバイスの断面図である。また、図11A〜図11Hは、図10に示す細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図である。実施の形態2における細胞電気生理測定デバイス1d(以下、デバイス1dと呼ぶ)が実施の形態1に示したデバイス1と異なる点は、図10に示すように窪み部8が第一の材料層3に形成され、貫通孔9が第二の材料層4に形成されることである。つまり、貫通孔9が、層4に形成された第二の孔9bのみによって形成されている。このような構成によって、貫通孔9の長さが極めて短くなり、薄板7が薄くなる。さらに、細胞16が大きな形状を有する場合、または、細胞16が平らな形状を有する場合などにおいて、細胞16と薄板7との密着性がさらに高められる。
【0048】
なお、デバイス1dの使用方法は、実施の形態1で説明した方法と同様の方法を利用することができる。したがって、使用方法の説明は省略する。
【0049】
次に、実施の形態2における細胞電気生理測定デバイス1dの製造方法について図11A〜図11Hを用いて説明する。
【0050】
まず、図11Aに示すように、基板準備ステップにおいて、珪素からなる第一の材料層3と二酸化珪素からなる第二の材料層4と珪素からなる第三の材料層5とが積層されて構成された積層構造を有する基板2を準備する。基板2は、通常SOI(silicon on insulator)基板と呼ばれ、容易に入手可能である。
【0051】
次に、図11Bに示すように、第一レジスト膜形成ステップにおいて、層3の第一面3a側の表面に、第一のエッチングレジスト膜17を形成する。膜17は、第一レジスト開口部17aなどの所定のパターンを有している。
【0052】
次に、図11Cに示すように、窪み部形成ステップにおいて、第一のエッチングガスを開口部17aから導入するエッチング方法によって、層3に窪み部8を形成する。エッチング方法として、プラズマを用いたドライエッチングの場合は、実施の形態1と同様に、第一のエッチングガスとして、XeFガスを用いることによって効果的に窪み部8が形成される。
【0053】
また、実施の形態2におけるデバイス1dの製造方法において、実施の形態1と異なる
点は、窪み部形成ステップにおいて、第一のエッチングガスによる窪み部8のエッチングが、層4の表面に達するまで行なわれることである。このことによって、十分な大きさを有する窪み部8が形成される。さらに、平らな面を有する、窪み部8の底部8bが形成される。つまり、層4の上面4dが露出して、底部8bとなる。この結果、細胞16が平らな表面形状を有する場合に、細胞16が平坦な底部8bと密着し、細胞16と薄板7との密着性がより効果的に確保される。このことから、大きな細胞16に対する測定精度が高められる。
【0054】
次に、図11Dに示すように、第二の貫通孔形成ステップにおいて、開口部17aから第四のエッチングガスを導入するエッチング方法によって、層4に孔9bを形成する。エッチング方法は、第四のエッチングガスとして、たとえば、Ar、CFなどを用いたプラズマエッチングが望ましい。これにより、第四のエッチングガスは珪素による層3をあまりエッチングすることなく、層4の二酸化珪素部分のみをエッチングする。このことによって、開口部17aをマスクとして、孔9bは開口部17aの直下に形成される。なお、デバイス1dにおいて、孔9bが貫通孔9を構成する。
【0055】
なお、このとき、膜17は、第四のエッチングガスによるプラズマエッチングに対する耐性が要求される。したがって、アルミニウム、または、窒化珪素などが、膜17の材質として適している。
【0056】
次に、図11Eに示すように、第一レジスト膜除去ステップにおいて、膜17が除去される。
【0057】
次に、図11Fに示すように、第二レジスト膜形成ステップにおいて、層5の第三面5a側の表面に、実施の形態1と同様にして、第二のエッチングレジスト膜18を形成する。なお、膜18は、第二レジスト開口部18aなどの所定のパターンを有している。
【0058】
次に、図11Gに示すように、枠体形成ステップにおいて、開口部18aから第二のエッチングガスと第三のエッチングガスとを導入する。このことによって、実施の形態1と同様に、層4に達するまで層5がエッチングされ、枠体6が形成される。
【0059】
次に、図11Hに示すように、第二レジスト膜除去ステップにおいて、膜18が除去される。この結果、実施の形態2における細胞電気生理測定デバイス1dが作製される。
【0060】
なお、図11Gに示す枠体形成ステップの前に、実施の形態1と同様に、第一の丸め形状付与ステップを行ってもよい。第一の丸め形状付与ステップは、第一のエッチングガスを開口部18aから導入し、層5の表面を適度にエッチングするステップである。第一のエッチングガスとして、たとえば、XeFが開口部18aから導入される。この結果、図12Aに示すように、枠体6の外周端部6cと内壁端部6dとに、適度な丸め形状が付与された細胞電気生理測定デバイス1eが作製される。
【0061】
さらに、図11Dに示す第二の貫通孔形成ステップの後に、第二の丸め形状付与ステップを追加して行ってもよい。第二の丸め形状付与ステップは、第一のエッチングガスを導入し、層5の外周部6aの上部端部6fに適度な丸め形状を付与する。第一のエッチングガスとして、たとえば、XeFを導入することができる。第二の丸め形状付与スステップの追加によって、図12Bに示すように、枠体6の外周部6aの上部端部6fに適度な丸め形状が付与された細胞電気生理測定デバイス1fが作製される。細胞電気生理測定デバイス1fは、上述のように、枠体6の上部端部6fに欠けなどの損傷が起こりにくい。なお、第二の丸め形状付与ステップにおいて,上部端部6fのエッチングに伴って、層4の端部4cが少し突き出ることがある。しかしながら、端部4cは枠体6の角部6gと離
れているので、損傷しやすいなどの問題は起きない。
【0062】
さらに、第一の丸め形状付与ステップと第二の丸め形状付与ステップとを追加して行ってもよい。第一の丸め形状付与ステップと第二の丸め形状付与ステップとを追加することによって、図12Cに示すように、上部端部6fと下部端部6eとに欠けなどの損傷が起こりにくい細胞電気生理測定デバイス1gが作製される。このことによって、欠けによって発生するゴミ・異物の発生がさらに少ない細胞電気生理測定デバイス1gが得られる。
【0063】
(実施の形態3)
以下、実施の形態3における細胞電気生理測定デバイスとその製造方法とについて、図面を用いて説明する。
【0064】
図13は実施の形態3による細胞電気生理測定デバイスの要部拡大断面図である。また、図14は実施の形態3による別の態様の細胞電気生理測定デバイスの要部拡大断面図である。
【0065】
実施の形態3における細胞電気生理測定デバイスの構成が、実施の形態1に記載のデバイス1と異なる点は、貫通孔9の、開口部9cの端部9gの形状と開口部9dの端部9hの形状とである。
【0066】
図13に示すように、端部9gと端部9hとが、それぞれの開口部9c、9dの全周にわたって丸め形状が形成されている。細胞電気生理測定デバイス1hがこのような構成を有することによって、図4から図6を用いて説明した、細胞電位測定装置21、21aを構成して細胞16の測定をする際の、細胞16への傷の付与を防止する。つまり、細胞16が容器10の下部10b側から、吸引されて保持される場合に、細胞16に接触する端部9gが丸み形状を有することから、細胞16の表面膜に不用意に傷が付くことがない。このことによって、確実に細胞16が保持される細胞電気生理測定デバイス1hが実現される。
【0067】
また、図14に示すように、端部9gと端部9hとが、それぞれの開口部9c、9dの全周にわたって、角部が削り取られて、開口部9c、9dの外側に向ってテーパ状に広がったテーパ形状を有するように構成されている。細胞電気生理測定デバイス1jがこのような構成を有することによって、デバイス1hと同様に、図4から図6を用いて説明した、細胞電位測定装置21、21aを構成して細胞16の測定をする際の、細胞16への傷の付与を防止する。つまり、細胞16が容器10の下部10b側から、吸引されて保持される場合に、細胞16に接触する端部9gがテーパ形状を有することから、細胞16の表面膜に不用意に傷が付くことがない。このことによって、確実に細胞16が保持される細胞電気生理測定デバイス1jが実現される。
【0068】
このような形状の細胞電気生理測定デバイス1h、1jを得るための製造方法は、実施の形態1または実施の形態2において説明した細胞電気生理測定デバイスの製造方法に、第一の平滑化ステップである研磨ステップを加えることが効果的である。つまり、上述の製造方法にて加工された基板2が、研磨砥粒を含む水溶液中に浸漬されて、超音波振動が加えられる。
【0069】
たとえば、層5に向かうにしたがって、貫通孔9の内径が小さくなり、とがった形状を有する貫通孔9が形成される場合、貫通孔9の開口部9d側の端部が鋭角となる。鋭角な端部を有する開口部9dに対して、層5側から細胞16が接触させられると、貫通孔9の鋭角な端部によって、細胞16の細胞膜が破壊されやすい。
【0070】
これに対して、細胞電気生理測定デバイスの製造方法に第一の平滑化ステップが加えられることによって、図13に示すような、端部9g、9hに丸め形状を有するデバイス1hが作製される。また、同様に、図14に示すような、端部9g、9hにテーパ形状を有するデバイス1jが作製される。基板2が、研磨砥粒を含む水溶液中に浸漬されて、超音波振動が加えられることによって、溶液中の研磨砥粒が貫通孔9の端部に接触し、鋭角な部分が研磨される。なお、第一の平滑化ステップは、貫通孔9の端部に限ることなく、基板2の他の表面部分も平滑化されて、滑らかになる。したがって、このように、端部9g、9hの表面を平滑にする第一の平滑化ステップが枠体形成ステップの後などに追加されることによって、細胞16を傷つけずに細胞16を測定するデバイス1h、1jが容易に得られる。
【0071】
また、同様に、レーザ光線を用いた第二の平滑化ステップを用いることによって、細胞電気生理測定デバイス1h、1jが作製されてもよい。第二の平滑化ステップにおいて、層3側からまたは層5側から貫通孔9に対してレーザ光線が照射されて、貫通孔9の内壁9eまたは端部9g、9hが溶融される。内壁9eまたは端部9g、9hを溶融することが、デバイス1h、1jを作製する方法として効果的である。第二の平滑化ステップにおいて、レーザ光線が層3または層4に照射されることによって、層3または層4は発熱する。この発熱によって、層3または層4を構成する材料が溶融する。ここで、層3を構成する材料は、たとえば珪素であり、層4を構成する材料は、たとえば二酸化珪素である。このように、層3または層4が溶融することによって、貫通孔9の端部9g、9hが鋭角な形状から丸め形状またはテーパ形状を有するように変化する。この結果、端部9g、9hの表面を平滑にする第二の平滑化ステップが枠体形成ステップの後などに追加されることによって、細胞16を傷つけずに細胞16を測定するデバイス1h、1jが容易に得られる。なお、レーザ光線が層3側から照射される場合には、孔9a側の内壁9eと端部9gが効率的に溶融される。また、レーザ光線が層5側から照射される場合には、孔9b側の内壁9eと端部9hが効率的に溶融される。
【0072】
また、同様に、プラズマエッチングを用いた第三の平滑化ステップを用いることによって、細胞電気生理測定デバイス1h、1jが作製されてもよい。第三の平滑化ステップにおいて、層3側からまたは層5側から貫通孔9に対してプラズマを用いたエッチングが行われて、貫通孔9の内壁9eまたは端部9g、9hがエッチングされる。また、内壁9eまたは端部9g、9hに限ることなく、基板2の他の表面部分も平滑化されて、滑らかになる。第三の平滑化ステップにおいて、エッチングガスとして、たとえば、Arを用いることが適している。Arガスを用いたプラズマエッチングの場合、Arプラズマが貫通孔9の開口部9c、9dの端部に集中する効果がある。このことによって、丸め形状を有する端部9g、9hが容易に形成される。また、プラズマエッチングの条件を選択することによって、開口部9c、9dの全周にわたって層5の外方に広がったテーパ形状を有する端部9g、9hが容易に形成される。この結果、端部9g、9hの表面を平滑にする第三の平滑化ステップが枠体形成ステップの後などに追加されることによって、細胞16を傷つけずに細胞16を測定するデバイス1h、1jが容易に得られる。
【0073】
さらに、同様に、化学エッチングを用いた第四の平滑化ステップを用いることによって、細胞電気生理測定デバイス1h、1jが作製されてもよい。第四の平滑化ステップにおいて、基板2がエッチング水溶液中に浸漬されて、所定の時間、化学エッチングが行われることが効果的である。層4に二酸化珪素を用いる場合、エッチング水溶液は、フッ化水素酸、または一水素二フッ化アンモニウム水溶液、アンモニウム水溶液、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、水酸化リチウム溶液などが用いられる。このことによって、貫通孔9の開口部9c、9dの端部が鋭角な状態から丸め形状を有する端部9g、9hに加工される。さらに、第四の平滑化ステップによって、層4の第二面4aが滑らかな平面形状に加工される効果も有する。また、内壁9eまたは端部9g、9h、第二面4aに限ることなく、基板2の他の表面部分も平滑化されて、滑らかになる。この結果、端部9g、9hの表面を平滑にする第四の平滑化ステップが枠体形成ステップの後などに追加されることによって、細胞16を傷つけずに細胞16を測定するデバイス1h、1jが容易に得られる。
【0074】
さらに、貫通孔9の表面に保護層を形成する保護層形成ステップを用いることによって、図15に示す細胞電気生理測定デバイス1kが作製されてもよい。保護層形成ステップにおいて、層3側からまたは層5側から電気絶縁材料からなる保護層9jが形成される。保護層9jは、たとえば、二酸化珪素、二酸化チタン等の金属酸化物がCVD、スパッタリング等の方法によって形成される。この結果、端部9g、9hの表面が平滑化される。このように、保護層形成ステップが枠体形成ステップの後などに追加されることによって、細胞16を傷つけずに細胞16を測定するデバイス1kが容易に得られる。
【0075】
なお、第一、第二、第三、第四の平滑化ステップ、保護層形成ステップなどの方法が組み合わされて、複合化されることによって、さらに平滑な表面加工が行なわれる。この結果、細胞16を傷つけずに細胞16を測定する細胞電気生理測定デバイスが容易に得られる。
【0076】
(実施の形態4)
以下、実施の形態4における細胞電気生理測定デバイスとその製造方法とについて、図面を用いて説明する。
【0077】
図16は、実施の形態4による細胞電気生理測定デバイスの要部拡大平面図である。また、図17と図18とは、実施の形態4による別の態様の細胞電気生理測定デバイスを示す要部拡大平面図である。
【0078】
実施の形態4における細胞電気生理測定デバイス1m(以下、デバイス1mと呼ぶ)は、図16に示すように、枠体6の内壁6bが、少なくとも三つ以上の複数の直線を含む三角形以上の多角形形状を有する構造である。このような構成によって、薄板7はより割れにくい構造となり、デバイス1mの強度が高められる。このことによって、デバイス1mを作成する場合の生産性が高められる。さらに、細胞16を測定する際に、細胞16を吸着するために加えられる吸引の圧力に対する耐久性が高められる。その結果、破損の少ない薄板7を有するデバイス1mが得られる。
【0079】
さらに、別の態様として、図17に示すように、細胞電気生理測定デバイス1n(以下、デバイス1nと呼ぶ)は、枠体6の内壁6bが、少なくとも一つ以上の、内方へ突出した突起部22を含む形状を有している。このような構成によって、薄板7は割れにくい構造となり、デバイス1nの強度が高められる。このことによって、図16に示すデバイス1mと同様の作用と効果とを有するデバイス1nが得られる。
【0080】
さらに、別の態様として、図18に示すように、細胞電気生理測定デバイス1p(以下、デバイス1pと呼ぶ)は、枠体6の内壁6bが、少なくとも一つ以上の鋭角の凹部23を有した星形形状を有している。このような構成によって、内壁6b内に測定液15a、15bが導入される際に、測定液15a、15b中に発生する気泡(図示せず)が、星形形状の凹部23先端を伝って流れ易くなる。このことによって、気泡が、内壁6bの内部に残留しにくくなる。さらに、測定液15a、15bが、容易に内壁6bの内部に進入しやすくなる。この結果、細胞16の測定において、測定精度の高い測定が実現される。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上のように、本発明にかかる細胞電気生理測定デバイスが、強度に優れた小型の細胞電気生理測定デバイスを実現するので、化学物質によって細胞が発する反応を検出する薬品スクリーニングなどの用途に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施の形態1における細胞電気生理測定デバイスの斜視図
【図2】図1に示す細胞電気生理測定デバイスの断面図
【図3】図1に示す細胞電気生理測定デバイスの要部拡大断面図
【図4】図1に示す細胞電気生理測定デバイスを用いた細胞電位測定装置の模式断面図
【図5】図4に示す細胞電位測定装置の要部拡大断面図
【図6】図1に示す細胞電気生理測定デバイスを用いた別の態様の細胞電位測定装置の模式断面図
【図7A】図1に示す細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図7B】図1に示す細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図7C】図1に示す細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図7D】図1に示す細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図7E】図1に示す細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図7F】図1に示す細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図7G】図1に示す細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図7H】図1に示す細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図7I】図1に示す細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図7J】図1に示す細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図7K】図1に示す細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図8A】本発明の実施の形態1における別の態様の細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図8B】本発明の実施の形態1における別の態様の細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図8C】本発明の実施の形態1における別の態様の細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図9A】本発明の実施の形態1における別の態様の細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図9B】本発明の実施の形態1における別の態様の細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図9C】本発明の実施の形態1における別の態様の細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図10】本発明の実施の形態2における細胞電気生理測定デバイスの要部拡大断面図
【図11A】図10に示す細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図11B】図10に示す細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図11C】図10に示す細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図11D】図10に示す細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図11E】図10に示す細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図11F】図10に示す細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図11G】図10に示す細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図11H】図10に示す細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図12A】本発明の実施の形態2における別の態様の細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図12B】本発明の実施の形態2における別の態様の細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図12C】本発明の実施の形態2における別の態様の細胞電気生理測定デバイスの製造方法を説明するための断面図
【図13】本発明の実施の形態3における細胞電気生理測定デバイスの要部拡大断面図
【図14】本発明の実施の形態3における別の態様の細胞電気生理測定デバイスの要部拡大断面図
【図15】本発明の実施の形態3における別の態様の細胞電気生理測定デバイスの要部拡大断面図
【図16】本発明の実施の形態4における細胞電気生理測定デバイスの要部拡大平面図
【図17】本発明の実施の形態4における別の態様の細胞電気生理測定デバイスの要部拡大平面図
【図18】本発明の実施の形態4における別の態様の細胞電気生理測定デバイスの要部拡大平面図
【図19】従来の細胞電気生理測定デバイスの模式断面図
【符号の説明】
【0083】
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h,1j,1k,1m,1n,1p 細胞電気生理測定デバイス
2 基板
3 第一の材料層
3a 第一面
3b 上部外周端部
4 第二の材料層
4a 第二面
4b 薄板外周部
5 第三の材料層
6 枠体
6a 枠体外周部
6b 内壁
6c 外周端部
6d 内壁端部
6e 下部端部
6f 上部端部
7 薄板
8 窪み部
8a 第一の開口部
8b 底部
9 貫通孔
9a 第一の孔
9b 第二の孔
9c 第二の開口部
9d 第三の開口部
9e 内壁
9f 保護膜
9g,9h 端部
9j 保護層
10 容器
10a 容器上部
10b 容器下部
11 仕切り部
12 穴
13 参照電極
14 測定電極
15a,15b 測定液
16 細胞
17 第一のエッチングレジスト膜
17a 第一レジスト開口部
18 第二のエッチングレジスト膜
18a 第二レジスト開口部
21,21a 細胞電位測定装置
22 突起部
23 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一面と第二面とを有し、前記第一面の側に開口する窪み部と前記第二面の側に開口する貫通孔とが形成された薄板と、
前記第二面の側の前記薄板の薄板外周部に当接された枠体と、を備え、
前記窪み部は、その垂直断面がこの窪み部の外方へ湾曲する曲線で構成された内壁を有し、
前記薄板の上部外周端部は、その垂直断面が前記薄板の前記第一面側から前記第二面側に向けて前記薄板の内方へ湾曲する曲線で構成された、丸め形状を有する細胞電気生理測定デバイス。
【請求項2】
前記薄板は、
前記第一面の側が第一の材料層によって構成され、
前記第二面の側が第二の材料層によって構成された、少なくとも二層の積層構造を有し、前記枠体が第三の材料層から構成された、請求項1に記載の細胞電気生理測定デバイス。
【請求項3】
前記薄板の薄板外周部の大きさは、前記枠体の枠体外周部より小さい、
請求項1に記載の細胞電気生理測定デバイス。
【請求項4】
前記第一の材料層の厚みは前記第二の材料層の厚みよりも厚い、
請求項1に記載の細胞電気生理測定デバイス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図7D】
image rotate

【図7E】
image rotate

【図7F】
image rotate

【図7G】
image rotate

【図7H】
image rotate

【図7I】
image rotate

【図7J】
image rotate

【図7K】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図8C】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図9C】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図11C】
image rotate

【図11D】
image rotate

【図11E】
image rotate

【図11F】
image rotate

【図11G】
image rotate

【図11H】
image rotate

【図12A】
image rotate

【図12B】
image rotate

【図12C】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2009−103705(P2009−103705A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−310641(P2008−310641)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【分割の表示】特願2006−536960(P2006−536960)の分割
【原出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】