細長い物品用のパッケージハウジング
【課題】細長い物品用のパッケージハウジングを提供すること。
【解決手段】パッケージハウジングは、細長い物品(8)の容器(4)を形成するハウジング壁(6)を有するベース部材(2)を備え、容器(4)は包装状態の物品(8)の長手軸とほぼ同軸に延びる長手軸(L)を有している。ベース部材(2)は、ヘッド部(10)と該ヘッド部(10)に隣接して長手軸(L)の方向に配置された保持部(12)を備えており、保持部(12)は、弱体化ゾーン(30)でヘッド部(10)に連結され、保持部(12)に物品(8)を保持する少なくとも一つの保持手段(34)を備えている。弱体化ゾーン(30)は所定の破断ポイント(32)である。保持手段(34)は少なくとも一つのスペーサ(42a,42b)を有し、包装状態の物品(8)を長手軸(L)の方向に延びる保持部(12)のハウジング壁(6)に非接触状態で保持する。
【解決手段】パッケージハウジングは、細長い物品(8)の容器(4)を形成するハウジング壁(6)を有するベース部材(2)を備え、容器(4)は包装状態の物品(8)の長手軸とほぼ同軸に延びる長手軸(L)を有している。ベース部材(2)は、ヘッド部(10)と該ヘッド部(10)に隣接して長手軸(L)の方向に配置された保持部(12)を備えており、保持部(12)は、弱体化ゾーン(30)でヘッド部(10)に連結され、保持部(12)に物品(8)を保持する少なくとも一つの保持手段(34)を備えている。弱体化ゾーン(30)は所定の破断ポイント(32)である。保持手段(34)は少なくとも一つのスペーサ(42a,42b)を有し、包装状態の物品(8)を長手軸(L)の方向に延びる保持部(12)のハウジング壁(6)に非接触状態で保持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1で請求する細長い物品用のパッケージハウジング、請求項15で請求するドリルアタッチメント、特に歯科ドリルアタッチメント用のパッケージハウジングの使用方法、及び、請求項16で請求するパッケージハウジングと細長い物品を含むパッケージアレンジメントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、ドリルアタッチメントのような細長い物品用のパッケージハウジングは、従来から良く知られている。例として、特許文献1及び特許文献2を参照すると、特に、ドリル(ドリルアタッチメント)に適した包装が説明されている。
【0003】
歯科ドリルアタッチメントは壊れやすいため、包装する際の要求が特に高い。この包装は、例えば、歯科インプラントドリルが、床に落下した場合でも損傷を受けない状態にあることが保証されなければならない。
【0004】
さらに、歯科ドリルアタッチメントは、使用時に無菌状態に維持されていなければならない。無菌状態を保証するために、一方では、少なくともドリルの先端、すなわち、患者の組織に接触する部分は、使用直前まで無菌状態に維持されなければならない。他方では、ドリルを、このドリルの切削領域(「ビット」)に触ることなく包装から取り出すことができなければならない。
【0005】
それに対応して、特許文献3には、壊れやすい物品用の個々の包装ユニットが説明されており、この包装ユニットは、壊れやすい物品の脚部を挿入して、自立するように突出させる上向きの収納穴を含むベースを備えている。ここでは、壊れやすい物品は、保護キャップ手段で保護されている。特許文献3に説明されている包装は、長手軸を横切るように延びる軸の周りに折り畳むことができ、保護される物品には、折り畳む過程で自由にアクセスすることができる。
【0006】
しかしながら、この包装は、包装内にドリルを配置するという理由から、ベースと収納穴は、物品が望まない汚染を防止するために超清浄でなければならないという欠点を有している。この必要性は、一方では、包装用の材料の適切な選択を、また、他方では、包装の製造が、比較的高コストを伴うクリーンルームの状況下で行わなければならない。さらに、包装した物品が収納穴に落ち込んでいるため、見た目の感覚が制限される。結果として起こる重大ミス、具体的には歯科ドリルアタッチメントに関連する事故は、無菌状態のバリアが一旦破壊されるともはや無菌性は保証されないため、また、その結果、歯科ドリルアタッチメントは廃棄しなければならないため、特に、望ましくないものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5775499号公報
【特許文献2】米国特許公開第2001/0008215号公報
【特許文献3】独国特許公開第102005022385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、細長い物品の少なくとも一部を外側から無菌状態下で明瞭に視認可能であり、また、同時に、製造に使用される材料に制限されることがなく、物品が取り出される場合を含んで、細長い物品の一部の汚染を防止することを可能とする、細長い物品用のパッケージハウジングを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項1で請求するパッケージハウジングによって達成される。このパッケージハウジングの好適な実施の形態は、従属請求項で定義されている。
【0010】
ベース部材は、実質的に寸法が一定の形状であり、包装される物品のキャリアの役目を果たす。ベース部材のハウジング壁によって形成される容器は、ここでは、包装状態の物品の長手軸にほぼ同軸に延びる長手軸を有している。
【0011】
ベース部材は、ヘッド部と、このヘッド部に隣接して長手軸の方向に配置され、弱体化ゾーンによってヘッド部に連結された保持部を備えている。保持部は、ここでは、少なくとも一つの保持手段を備えており、この保持手段は、包装される物品を保持部に保持することを目的としている。
【0012】
本発明に従うと、弱体化ゾーンは所定の破断ポイントである。
【0013】
本発明に従うパッケージハウジングは、包装した物品全体を、外側から明瞭に視認でき、かつ、取り外される直前まで無菌状態に維持する。取り外す際には、パッケージハウジングは、所定の破断ポイントで破断される。ヘッド部が折り取られた後、保持手段で保持された包装物品は、第1の近端部領域が自立した状態で、保持部の露出端部から突出し、また、物品の近端部領域と反対側の遠端部領域は保持部にあり、前述したように、無菌状態下で保持することができる。物品は、今や近端部領域を把持して保持部から取り外すことができ、つまり、物品の近端部領域の無菌部位に接触するが、物品の遠端部領域に接触することなく取り外すことができる。
【0014】
さらに、保持部は、少なくとも一つのスペーサを備えており、このスペーサは、包装状態の物品を、長手軸の方向に延びる保持部のハウジング壁部に対して非接触状態で保持する。これにより、物品は、ハウジング壁に接触することにより発生する可能性がある汚染を避けることができる。これは、ドリル先端の鋭利なドリル刃(スレッド)とハウジング壁との間で摩擦が発生することにより、ここで形成された材料の切れ端がドリルの先端を汚染する可能性があるので、特に包装したドリルアタッチメントに関連して問題とされることである。
【0015】
上述したように、本発明のパッケージハウジングは、少なくともある領域では無菌状態に維持されなければならない物品に特に適しており、把持することが避けられないポイントだけで、殺菌していない異質の部材に接触する状態とならなければならない。細長い包装物品は、ここでは、無菌状態に維持される遠端部領域が保持部に置かれ、把持される近端部領域はヘッド部に置かれるように配置される。ドリルアタッチメント(歯科ドリルアタッチメント)の場合は、本発明のパッケージハウジングは、特に好適であり、ドリルの先端が保持部に配置され、このドリルに連結されるドリルシャンクはヘッド部に配置される。
【0016】
通常、所定の破断ポイントは、容器の長手軸にほぼ直交するように延びており、最も簡単な方法で、保持部からヘッド部を折り取ることができる。
【0017】
所定の破断ポイントは、例えば、ブリッジ部(架橋部)を形成し、かつ、壊れやすい材料から形成される連結ポイントの形態で存在することがある。この好適な実施の形態では、所定の破断ポイントは、少なくとも一つのブリッジ部を含んでおり、ヘッド部と保持部との間で所定の角度で折り曲げられた場合に破断する。ここでは、折り曲げ角度は、好適には、45°から90°である。
【0018】
特に、図面に示すように、少なくとも一つのスペーサは、容器から突出する突出部の形態の形状であり、この突出部は、包装される物品の支持表面を形成する。この実施の形態では、例えば、突出部が容器の最深部から突出する場合、非常に効果的なスペーサの形状を達成することができるはずである。スペーサの数、或いは、スペーサの離れる間隔は、物品によって変えることができる。
【0019】
上述した理由により、包装される物品とベース部材との間の接触面をできるだけ小さくするために、保持部は、単一の保持手段のみで構成される。この保持部は、好適には、所定の破断ポイントに隣接する領域に配置される。それによって、保持手段と把持部領域との間の間隔を減少することができ、把持される物品を、ほんの少しの努力で保持手段から取り外して、保持部から取り外すことができる。
【0020】
好適には、保持手段は、スナップ固定結合手段で物品を保持するように構成されている。特に好適には、保持手段は、容器の長手軸に関して互いに対向するように配置された二つの弾性を有するスナップ固定リップを備えている。物品を取り外すために、物品が容器から離れる方向に動かされるとすぐに、スナップ固定リップは、物品の取り外しに従って側方に屈曲され、再び跳ね返る。好適には、取り外すために必要とする引き離す力は、3〜6Nである。
【0021】
パッケージハウジング内に物品を安定して配置することは、ベース部材が、容器の長手軸に関して互いに対向する端部のそれぞれに、長手軸に直角に延びる平面の端部壁を備えることによって可能となる。それによって、物品は、長手軸方向の移動に対抗するように固定することができる。
【0022】
物品のさらなる固定は、ヘッド部の端部壁が容器の方向に向かって先細となるガイドを備えており、このガイドがクランプ動作で物品を保持するように形成されていることによって保証することができる。
【0023】
上述したように、本発明に従うパッケージハウジングは、特に、少なくともある領域では無菌状態に維持されなければならない物品に適している。それに対応して、好適な実施の形態では、パッケージハウジングの内側は無菌状態である。
【0024】
通常、物品を収容する容器はカバーで保護される。物品を外側から視認できるようにするために、容器は、特に好適には、透き通る包装フィルムで覆われ、それによって、ブリスター包装のハウジングとなる。
【0025】
別な態様によると、本発明は、パッケージハウジングと細長い物品、特にドリルアタッチメントを含むパッケージアレンジメントに関連する。包装物品がドリルアタッチメントの場合、本発明によれば、ドリルのビットに接触することなく、パッケージハウジングからドリルを取り外すことが可能となる。
【0026】
通常、容器の形状は、包装される細長い物品の形状に一致しており、包装される物品がドリルアタッチメントの場合、ヘッド部及び/または保持部は、好適には、ほぼトラフの形状(樋の形状)に形成される。
【0027】
パッケージハウジングの把持と保持を最適とするために、ベース部材は、長手軸方向に延びる側壁部分の両側に形成することができる。この側壁部分には、その外壁に、グリップとなることを目的として、リブを配置することができる。
【0028】
本発明に従うベース部材は、通常、合成樹脂材から形成されている。所定の破断ポイントの利用または形状によれば、材料は、高い屈曲性と脆弱性を示してもよい。
【0029】
一般に、本発明のベース部材は、射出成形によって成形される。このため、ベース部材は、射出ポイントの押圧領域を有している。
【0030】
本発明は、図面を参照して詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、本発明に従うパッケージハウジングのベース部材の斜視図であり、弱体化ゾーンが所定の破断ポイントの形態で形成されている。
【図2】図2は、図1に示すベース部材の長手側の平面図である。
【図3】図3は、図1に示すベース部材の上方からの平面図である。
【図4】図4は、図1に示すベース部材の下方からの平面図である。
【図5】図5は、図1に示すベース部材のA−A線に沿った横断面図である。
【図6】図6は、図1に示すベース部材のB−B線に沿った横断面図である。
【図7】図7は、図1に示すベース部材のC−C線に沿った横断面図である。
【図8】図8は、図1に示すベース部材のD−D線に沿った横断面図である。
【図9】図9は、図1に示すベース部材のE−E線に沿った横断面図である。
【図10】図10は、図1に示すベース部材のF−F線に沿った縦断面図である。
【図11】図11は、図2のX部の拡大図であり、所定の破断ポイントが詳細に示されている。
【図12】図12は、所定の破断ポイントの代わりに保持領域を有するベース部材の長手側の平面図である。
【図13】図13は、図1に示すベース部材の斜視図であり、ドリルアタッチメントが保持されている。
【図14】図14は、本発明のさらに他の実施の形態のベース部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1〜11及び13に示す実施の形態に従うベース部材2は、物品用の容器4を形成するハウジング壁6を有している。容器4は、図3に示す長手軸Lを有しており、この長手軸は、図13に示されている包装状態の物品8の長手軸とほぼ同軸に延びている。
【0033】
ベース部材2は、ヘッド部10と、このヘッド部10に隣接して長手軸Lの方向に配置された保持部12を備えている。保持部12は、ここでは、ヘッド部10よりも長い形状である。図示した実施の形態では、保持部12の長手方向の範囲と、これに対応するヘッド部10の長手方向の範囲との比率は、3:1である。しかしながら、この目的のためには他の適当な比率が想定される。
【0034】
ヘッド部10と保持部12の両方は、断面鎌形状のトラフフロア16と、特に図5及び6に示すように水平方向で外側に突出するトラフリム18と、を有するほぼトラフ14の形状(樋の形状)に形成されている。このように、ベース部分2のハウジング壁6の内側6’は、ほぼ円形の曲面を有している。パッケージハウジングを平坦面上に安定させて置くことができるように、トラフフロア16の外側16”は、平坦部20を有している。例えば、図5及び図6と図7〜図9とを比較してみると、ヘッド部10のトラフフロア16の断面形状は、保持部の断面形状と一致している。
【0035】
長手軸Lに関して互いに対向する端部で、ベース部材2は、長手軸に直角に延びる平面に存在する端部壁を備えている。ヘッド部10の自由端部に、第1の近端部壁22が配置されており、また、保持部12の自由端部に、第2の遠端部壁24が配置されており、この遠端部壁は、近端部壁22とほぼ平行な平面に配置されている。両端部壁22,24は、例えば、図5、図6及び図8並びに図7及び図9に示すように、角部が丸い形状の台形の形状で互いに一致する形状に形成されている。
【0036】
図3に示す幅形状から見ると、保持部12のトラフリム18は、遠端部壁24に隣接する遠端部領域18’で遠端部壁24に向けて広がっている。その最も広い地点で、保持部12のトラフリム部分18aの幅は、ヘッド部10のトラフリム部分18bの幅とほぼ一致している。遠端部領域18’と近端部領域18”の両方で、図2に示す厚さ形状で示すように、トラフリムは内側に湾曲して、対応する端部壁24及び22に対して流れるように結合されている。
【0037】
保持部12に隣接するヘッド部10の領域10’では、トラフリム18は、保持部12に向けて徐々に細くなっている。さらに、図2から図11に示すように、ヘッド部10はこの領域で次第に細くなっており、また、厚さから見ると、トラフフロア16の内側は、この領域で凸状に湾曲する形状に形成されている。特に、図3に示すように、保持部12とヘッド部10との間の連結領域にギャップ(割れ目)26が形成されており、この連結領域は、ブリッジ部(架橋部)28aと28bを形成する二つの連結ポイントだけで実現されている。
【0038】
この二つのブリッジ部28a,28bは、弱体化ゾーン30に配置され、かつ、ヘッド部10が長手軸Lの方向から外れて屈曲できる旋回軸Sを形成している。少なくともこの弱体化ゾーン30でベース部材2の材料は弱体化されているので、比較的わずかの屈曲により、連結部が破断される。この実施の形態では、弱体化ゾーン30は、所定の破断ポイント32を形成する。
【0039】
弱体化ゾーン30に隣接する保持部12の領域に、トラフフロア16から突出する保持手段34が配置されている。この保持手段は、長手軸Lの周りに配置されている二つの弾性を有するスナップ固定リップ36a,36bを備えており、長手軸Lに面するスナップ固定リップの内側36a’、36b’はそれぞれボス38aと38bを有している。スナップ固定リップ36a,36bは、包装される物品が導入された場合に、互いに側方に屈曲して、続いて、ボス38a,38bを乗り越えると、弾性的に跳ね返って、それによって、ラッチ係合して、細長い物品を安定して保持する形状に形成されている。スナップ固定リップ36a,36bが側方に屈曲した際に、トラフフロア16に過大応力が作用しないように、トラフフロア16は、スナップ固定リップ36a,36bの間に開口部40を有している。
【0040】
スナップ固定リップ36a,36bは、長手軸Lの方向の中央に配置されたスペーサ42aと42bの両側の側面に位置している。各スペーサは、細長い物品用の支持表面44aと44bを形成している。特に、図3に示されているように、ギャップ26は、ほぼU字形状であり、スペーサ42aは、U字形状の脚部の間で終了するヘッド部10の側面に配置されている。
【0041】
さらに、近端部壁22は、ヘッド部のほぼ全長に延びる二つの突出部46a,46bを有している。これらの突出部は、細長い物品のガイド49の役目を果たす溝部48を形成している。溝部48は、トラフフロア16の方向に徐々に細くなるように形成され、保持手段34によるスナップ固定結合に加えて、クランプ動作により、細長い物品を確実に保持する。突出部46a,46bの間に、さらに、ヘッド部10のトラフフロア16から突出するスペーサ42cが配置されており、このさらなるスペーサは、包装される物品のさらなる支持表面44cを形成する。さらに、突出部46a,46bの間に、近端部壁22から突出する成形部50が配置されており、この成形部は、近端部壁22と包装される物品の近端部との間のスペーサとして機能する。
【0042】
例えば、特に、図5、図9及び図10に示すように、ベース部材2は、近端部領域と遠端部領域の両方に、物品を洗浄した後に容器4から排水するための開口部51と53を有している。
【0043】
物品がベース部2内に導入されると、物品の近端部領域がヘッド部の溝48にガイドされる。同時に、保持部12のスナップ固定リップ36a,36bが側方に曲げられ、続いて、ボス38a,38bを乗り越えると、弾性的に跳ね返って、それによって、ラッチ係合して、細長い物品は安定して保持される。次に、物品はベース部2と一緒に、例えば、透き通る包装フィルムなどの保護カバーで覆われる。
【0044】
物品を取り外すために、ヘッド部10が保持部12から折り取られると、その後、保持部12と保持手段34にスペーサ42a,42bが配置されているため、物品は、自立した状態で、保持部12から突出する。物品は、保持部12に配置された遠端部領域の無菌状態を危うくすることなく、突出している近端部領域を把持することができる。本発明に従うパッケージハウジングに包装されたドリルアタッチメントの場合、ビットに接触することなく取り出すことが可能となる。
【0045】
図1〜図11に示す本発明に従う実施の形態に係る弱体化ゾーンとは対照的に、図12に示すベース部材では、ヘッド部10と保持部12との間の連結ゾーンは、連続した表面と保持ゾーンとして形成されている。
【0046】
図13に示すように、物品8はドリルアタッチメント52で構成することができ、ドリルアタッチメントの近端部、すなわち、ドリルの近端部領域52’はヘッド部に配置され、また、ドリル刃(図示省略)を備えたドリルチップ54を有する遠端部領域52”は、保持部12に配置される。ここでは、ドリルアタッチメント52は、そのシャンク部56が、ヘッド部10の保持手段34に保持されるか、または、ガイド手段49に固定される。ドリルアタッチメントを取り外す際には、ヘッド部10が折り取られ、その後、ドリルアタッチメント52は、その近端部領域52’が自立した状態で保持部12から突出して、ドリルに連結することができる。このようにしてドリルに固定されたドリルアタッチメント52は、ドリルアタッチメント52の遠端部領域52”に接触することなく、保持部12から取り外すことができる。
【0047】
図14に示すベース部材2は、図1〜図11及び図13に示すべース部材とは、遠端部壁24に隣接して、かつ、長手軸Lの方向に延びる側壁部58a,58bを両側に備えることが基本的に異なっている。ここでは、各側壁部58a,58bは、トラフリム18の面にほぼ直角に延びる平面に延びており、また、トラフリム18に、このトラフリムと一体のウェブ60で連結されている。図示した実施の形態では、側壁部58a,58bは、保持部12の長さのほぼ半分より短い長さで延びている。
【0048】
側壁部58a,58bの外側には、リブ62が配置されており、図示した実施の形態では、このリブは、長手軸Lに直角に延びている。このリブは、ベース部材2またはパッケージハウジングの把持を向上させるように機能する。
【0049】
さらに、図14に示すベース部材は、図1〜図11及び図13に示すべース部材とは、近端部壁22に突出部64が形成され、この突出部は、トラフリム18またはトラフフロア16の面と平行に配置された平面に延びていることが異なっている。突出部64はまた、ベース部材2またはパッケージハウジングを適切に把持し、かつ、手に持つことに役立ち、また、好適には、そのためにリブ62’を有している。
【符号の説明】
【0050】
2 ベース部材、4 容器、6 ハウジング壁、8 物品、10 ヘッド部、12 保持部、14 トラフ、16 トラフフロア、18 トラフリム、22 近端部壁、24 遠端部壁、26 ギャップ、28a,28b ブリッジ部、30 弱体化ゾーン、32 破断ポイント、34 保持手段、36a,36b スナップ固定リップ、38a,38b ボス、40 開口部、42a,42b、42c スペーサ、44a,44b,44c 支持表面、46a,46b 突出部、48 溝部、49 ガイド手段、50 成形部、52 ドリルアタッチメント、52’ 近端部領域、52” 遠端部領域、54 ドリルチップ、56 シャンク部
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1で請求する細長い物品用のパッケージハウジング、請求項15で請求するドリルアタッチメント、特に歯科ドリルアタッチメント用のパッケージハウジングの使用方法、及び、請求項16で請求するパッケージハウジングと細長い物品を含むパッケージアレンジメントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、ドリルアタッチメントのような細長い物品用のパッケージハウジングは、従来から良く知られている。例として、特許文献1及び特許文献2を参照すると、特に、ドリル(ドリルアタッチメント)に適した包装が説明されている。
【0003】
歯科ドリルアタッチメントは壊れやすいため、包装する際の要求が特に高い。この包装は、例えば、歯科インプラントドリルが、床に落下した場合でも損傷を受けない状態にあることが保証されなければならない。
【0004】
さらに、歯科ドリルアタッチメントは、使用時に無菌状態に維持されていなければならない。無菌状態を保証するために、一方では、少なくともドリルの先端、すなわち、患者の組織に接触する部分は、使用直前まで無菌状態に維持されなければならない。他方では、ドリルを、このドリルの切削領域(「ビット」)に触ることなく包装から取り出すことができなければならない。
【0005】
それに対応して、特許文献3には、壊れやすい物品用の個々の包装ユニットが説明されており、この包装ユニットは、壊れやすい物品の脚部を挿入して、自立するように突出させる上向きの収納穴を含むベースを備えている。ここでは、壊れやすい物品は、保護キャップ手段で保護されている。特許文献3に説明されている包装は、長手軸を横切るように延びる軸の周りに折り畳むことができ、保護される物品には、折り畳む過程で自由にアクセスすることができる。
【0006】
しかしながら、この包装は、包装内にドリルを配置するという理由から、ベースと収納穴は、物品が望まない汚染を防止するために超清浄でなければならないという欠点を有している。この必要性は、一方では、包装用の材料の適切な選択を、また、他方では、包装の製造が、比較的高コストを伴うクリーンルームの状況下で行わなければならない。さらに、包装した物品が収納穴に落ち込んでいるため、見た目の感覚が制限される。結果として起こる重大ミス、具体的には歯科ドリルアタッチメントに関連する事故は、無菌状態のバリアが一旦破壊されるともはや無菌性は保証されないため、また、その結果、歯科ドリルアタッチメントは廃棄しなければならないため、特に、望ましくないものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5775499号公報
【特許文献2】米国特許公開第2001/0008215号公報
【特許文献3】独国特許公開第102005022385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、細長い物品の少なくとも一部を外側から無菌状態下で明瞭に視認可能であり、また、同時に、製造に使用される材料に制限されることがなく、物品が取り出される場合を含んで、細長い物品の一部の汚染を防止することを可能とする、細長い物品用のパッケージハウジングを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項1で請求するパッケージハウジングによって達成される。このパッケージハウジングの好適な実施の形態は、従属請求項で定義されている。
【0010】
ベース部材は、実質的に寸法が一定の形状であり、包装される物品のキャリアの役目を果たす。ベース部材のハウジング壁によって形成される容器は、ここでは、包装状態の物品の長手軸にほぼ同軸に延びる長手軸を有している。
【0011】
ベース部材は、ヘッド部と、このヘッド部に隣接して長手軸の方向に配置され、弱体化ゾーンによってヘッド部に連結された保持部を備えている。保持部は、ここでは、少なくとも一つの保持手段を備えており、この保持手段は、包装される物品を保持部に保持することを目的としている。
【0012】
本発明に従うと、弱体化ゾーンは所定の破断ポイントである。
【0013】
本発明に従うパッケージハウジングは、包装した物品全体を、外側から明瞭に視認でき、かつ、取り外される直前まで無菌状態に維持する。取り外す際には、パッケージハウジングは、所定の破断ポイントで破断される。ヘッド部が折り取られた後、保持手段で保持された包装物品は、第1の近端部領域が自立した状態で、保持部の露出端部から突出し、また、物品の近端部領域と反対側の遠端部領域は保持部にあり、前述したように、無菌状態下で保持することができる。物品は、今や近端部領域を把持して保持部から取り外すことができ、つまり、物品の近端部領域の無菌部位に接触するが、物品の遠端部領域に接触することなく取り外すことができる。
【0014】
さらに、保持部は、少なくとも一つのスペーサを備えており、このスペーサは、包装状態の物品を、長手軸の方向に延びる保持部のハウジング壁部に対して非接触状態で保持する。これにより、物品は、ハウジング壁に接触することにより発生する可能性がある汚染を避けることができる。これは、ドリル先端の鋭利なドリル刃(スレッド)とハウジング壁との間で摩擦が発生することにより、ここで形成された材料の切れ端がドリルの先端を汚染する可能性があるので、特に包装したドリルアタッチメントに関連して問題とされることである。
【0015】
上述したように、本発明のパッケージハウジングは、少なくともある領域では無菌状態に維持されなければならない物品に特に適しており、把持することが避けられないポイントだけで、殺菌していない異質の部材に接触する状態とならなければならない。細長い包装物品は、ここでは、無菌状態に維持される遠端部領域が保持部に置かれ、把持される近端部領域はヘッド部に置かれるように配置される。ドリルアタッチメント(歯科ドリルアタッチメント)の場合は、本発明のパッケージハウジングは、特に好適であり、ドリルの先端が保持部に配置され、このドリルに連結されるドリルシャンクはヘッド部に配置される。
【0016】
通常、所定の破断ポイントは、容器の長手軸にほぼ直交するように延びており、最も簡単な方法で、保持部からヘッド部を折り取ることができる。
【0017】
所定の破断ポイントは、例えば、ブリッジ部(架橋部)を形成し、かつ、壊れやすい材料から形成される連結ポイントの形態で存在することがある。この好適な実施の形態では、所定の破断ポイントは、少なくとも一つのブリッジ部を含んでおり、ヘッド部と保持部との間で所定の角度で折り曲げられた場合に破断する。ここでは、折り曲げ角度は、好適には、45°から90°である。
【0018】
特に、図面に示すように、少なくとも一つのスペーサは、容器から突出する突出部の形態の形状であり、この突出部は、包装される物品の支持表面を形成する。この実施の形態では、例えば、突出部が容器の最深部から突出する場合、非常に効果的なスペーサの形状を達成することができるはずである。スペーサの数、或いは、スペーサの離れる間隔は、物品によって変えることができる。
【0019】
上述した理由により、包装される物品とベース部材との間の接触面をできるだけ小さくするために、保持部は、単一の保持手段のみで構成される。この保持部は、好適には、所定の破断ポイントに隣接する領域に配置される。それによって、保持手段と把持部領域との間の間隔を減少することができ、把持される物品を、ほんの少しの努力で保持手段から取り外して、保持部から取り外すことができる。
【0020】
好適には、保持手段は、スナップ固定結合手段で物品を保持するように構成されている。特に好適には、保持手段は、容器の長手軸に関して互いに対向するように配置された二つの弾性を有するスナップ固定リップを備えている。物品を取り外すために、物品が容器から離れる方向に動かされるとすぐに、スナップ固定リップは、物品の取り外しに従って側方に屈曲され、再び跳ね返る。好適には、取り外すために必要とする引き離す力は、3〜6Nである。
【0021】
パッケージハウジング内に物品を安定して配置することは、ベース部材が、容器の長手軸に関して互いに対向する端部のそれぞれに、長手軸に直角に延びる平面の端部壁を備えることによって可能となる。それによって、物品は、長手軸方向の移動に対抗するように固定することができる。
【0022】
物品のさらなる固定は、ヘッド部の端部壁が容器の方向に向かって先細となるガイドを備えており、このガイドがクランプ動作で物品を保持するように形成されていることによって保証することができる。
【0023】
上述したように、本発明に従うパッケージハウジングは、特に、少なくともある領域では無菌状態に維持されなければならない物品に適している。それに対応して、好適な実施の形態では、パッケージハウジングの内側は無菌状態である。
【0024】
通常、物品を収容する容器はカバーで保護される。物品を外側から視認できるようにするために、容器は、特に好適には、透き通る包装フィルムで覆われ、それによって、ブリスター包装のハウジングとなる。
【0025】
別な態様によると、本発明は、パッケージハウジングと細長い物品、特にドリルアタッチメントを含むパッケージアレンジメントに関連する。包装物品がドリルアタッチメントの場合、本発明によれば、ドリルのビットに接触することなく、パッケージハウジングからドリルを取り外すことが可能となる。
【0026】
通常、容器の形状は、包装される細長い物品の形状に一致しており、包装される物品がドリルアタッチメントの場合、ヘッド部及び/または保持部は、好適には、ほぼトラフの形状(樋の形状)に形成される。
【0027】
パッケージハウジングの把持と保持を最適とするために、ベース部材は、長手軸方向に延びる側壁部分の両側に形成することができる。この側壁部分には、その外壁に、グリップとなることを目的として、リブを配置することができる。
【0028】
本発明に従うベース部材は、通常、合成樹脂材から形成されている。所定の破断ポイントの利用または形状によれば、材料は、高い屈曲性と脆弱性を示してもよい。
【0029】
一般に、本発明のベース部材は、射出成形によって成形される。このため、ベース部材は、射出ポイントの押圧領域を有している。
【0030】
本発明は、図面を参照して詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、本発明に従うパッケージハウジングのベース部材の斜視図であり、弱体化ゾーンが所定の破断ポイントの形態で形成されている。
【図2】図2は、図1に示すベース部材の長手側の平面図である。
【図3】図3は、図1に示すベース部材の上方からの平面図である。
【図4】図4は、図1に示すベース部材の下方からの平面図である。
【図5】図5は、図1に示すベース部材のA−A線に沿った横断面図である。
【図6】図6は、図1に示すベース部材のB−B線に沿った横断面図である。
【図7】図7は、図1に示すベース部材のC−C線に沿った横断面図である。
【図8】図8は、図1に示すベース部材のD−D線に沿った横断面図である。
【図9】図9は、図1に示すベース部材のE−E線に沿った横断面図である。
【図10】図10は、図1に示すベース部材のF−F線に沿った縦断面図である。
【図11】図11は、図2のX部の拡大図であり、所定の破断ポイントが詳細に示されている。
【図12】図12は、所定の破断ポイントの代わりに保持領域を有するベース部材の長手側の平面図である。
【図13】図13は、図1に示すベース部材の斜視図であり、ドリルアタッチメントが保持されている。
【図14】図14は、本発明のさらに他の実施の形態のベース部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1〜11及び13に示す実施の形態に従うベース部材2は、物品用の容器4を形成するハウジング壁6を有している。容器4は、図3に示す長手軸Lを有しており、この長手軸は、図13に示されている包装状態の物品8の長手軸とほぼ同軸に延びている。
【0033】
ベース部材2は、ヘッド部10と、このヘッド部10に隣接して長手軸Lの方向に配置された保持部12を備えている。保持部12は、ここでは、ヘッド部10よりも長い形状である。図示した実施の形態では、保持部12の長手方向の範囲と、これに対応するヘッド部10の長手方向の範囲との比率は、3:1である。しかしながら、この目的のためには他の適当な比率が想定される。
【0034】
ヘッド部10と保持部12の両方は、断面鎌形状のトラフフロア16と、特に図5及び6に示すように水平方向で外側に突出するトラフリム18と、を有するほぼトラフ14の形状(樋の形状)に形成されている。このように、ベース部分2のハウジング壁6の内側6’は、ほぼ円形の曲面を有している。パッケージハウジングを平坦面上に安定させて置くことができるように、トラフフロア16の外側16”は、平坦部20を有している。例えば、図5及び図6と図7〜図9とを比較してみると、ヘッド部10のトラフフロア16の断面形状は、保持部の断面形状と一致している。
【0035】
長手軸Lに関して互いに対向する端部で、ベース部材2は、長手軸に直角に延びる平面に存在する端部壁を備えている。ヘッド部10の自由端部に、第1の近端部壁22が配置されており、また、保持部12の自由端部に、第2の遠端部壁24が配置されており、この遠端部壁は、近端部壁22とほぼ平行な平面に配置されている。両端部壁22,24は、例えば、図5、図6及び図8並びに図7及び図9に示すように、角部が丸い形状の台形の形状で互いに一致する形状に形成されている。
【0036】
図3に示す幅形状から見ると、保持部12のトラフリム18は、遠端部壁24に隣接する遠端部領域18’で遠端部壁24に向けて広がっている。その最も広い地点で、保持部12のトラフリム部分18aの幅は、ヘッド部10のトラフリム部分18bの幅とほぼ一致している。遠端部領域18’と近端部領域18”の両方で、図2に示す厚さ形状で示すように、トラフリムは内側に湾曲して、対応する端部壁24及び22に対して流れるように結合されている。
【0037】
保持部12に隣接するヘッド部10の領域10’では、トラフリム18は、保持部12に向けて徐々に細くなっている。さらに、図2から図11に示すように、ヘッド部10はこの領域で次第に細くなっており、また、厚さから見ると、トラフフロア16の内側は、この領域で凸状に湾曲する形状に形成されている。特に、図3に示すように、保持部12とヘッド部10との間の連結領域にギャップ(割れ目)26が形成されており、この連結領域は、ブリッジ部(架橋部)28aと28bを形成する二つの連結ポイントだけで実現されている。
【0038】
この二つのブリッジ部28a,28bは、弱体化ゾーン30に配置され、かつ、ヘッド部10が長手軸Lの方向から外れて屈曲できる旋回軸Sを形成している。少なくともこの弱体化ゾーン30でベース部材2の材料は弱体化されているので、比較的わずかの屈曲により、連結部が破断される。この実施の形態では、弱体化ゾーン30は、所定の破断ポイント32を形成する。
【0039】
弱体化ゾーン30に隣接する保持部12の領域に、トラフフロア16から突出する保持手段34が配置されている。この保持手段は、長手軸Lの周りに配置されている二つの弾性を有するスナップ固定リップ36a,36bを備えており、長手軸Lに面するスナップ固定リップの内側36a’、36b’はそれぞれボス38aと38bを有している。スナップ固定リップ36a,36bは、包装される物品が導入された場合に、互いに側方に屈曲して、続いて、ボス38a,38bを乗り越えると、弾性的に跳ね返って、それによって、ラッチ係合して、細長い物品を安定して保持する形状に形成されている。スナップ固定リップ36a,36bが側方に屈曲した際に、トラフフロア16に過大応力が作用しないように、トラフフロア16は、スナップ固定リップ36a,36bの間に開口部40を有している。
【0040】
スナップ固定リップ36a,36bは、長手軸Lの方向の中央に配置されたスペーサ42aと42bの両側の側面に位置している。各スペーサは、細長い物品用の支持表面44aと44bを形成している。特に、図3に示されているように、ギャップ26は、ほぼU字形状であり、スペーサ42aは、U字形状の脚部の間で終了するヘッド部10の側面に配置されている。
【0041】
さらに、近端部壁22は、ヘッド部のほぼ全長に延びる二つの突出部46a,46bを有している。これらの突出部は、細長い物品のガイド49の役目を果たす溝部48を形成している。溝部48は、トラフフロア16の方向に徐々に細くなるように形成され、保持手段34によるスナップ固定結合に加えて、クランプ動作により、細長い物品を確実に保持する。突出部46a,46bの間に、さらに、ヘッド部10のトラフフロア16から突出するスペーサ42cが配置されており、このさらなるスペーサは、包装される物品のさらなる支持表面44cを形成する。さらに、突出部46a,46bの間に、近端部壁22から突出する成形部50が配置されており、この成形部は、近端部壁22と包装される物品の近端部との間のスペーサとして機能する。
【0042】
例えば、特に、図5、図9及び図10に示すように、ベース部材2は、近端部領域と遠端部領域の両方に、物品を洗浄した後に容器4から排水するための開口部51と53を有している。
【0043】
物品がベース部2内に導入されると、物品の近端部領域がヘッド部の溝48にガイドされる。同時に、保持部12のスナップ固定リップ36a,36bが側方に曲げられ、続いて、ボス38a,38bを乗り越えると、弾性的に跳ね返って、それによって、ラッチ係合して、細長い物品は安定して保持される。次に、物品はベース部2と一緒に、例えば、透き通る包装フィルムなどの保護カバーで覆われる。
【0044】
物品を取り外すために、ヘッド部10が保持部12から折り取られると、その後、保持部12と保持手段34にスペーサ42a,42bが配置されているため、物品は、自立した状態で、保持部12から突出する。物品は、保持部12に配置された遠端部領域の無菌状態を危うくすることなく、突出している近端部領域を把持することができる。本発明に従うパッケージハウジングに包装されたドリルアタッチメントの場合、ビットに接触することなく取り出すことが可能となる。
【0045】
図1〜図11に示す本発明に従う実施の形態に係る弱体化ゾーンとは対照的に、図12に示すベース部材では、ヘッド部10と保持部12との間の連結ゾーンは、連続した表面と保持ゾーンとして形成されている。
【0046】
図13に示すように、物品8はドリルアタッチメント52で構成することができ、ドリルアタッチメントの近端部、すなわち、ドリルの近端部領域52’はヘッド部に配置され、また、ドリル刃(図示省略)を備えたドリルチップ54を有する遠端部領域52”は、保持部12に配置される。ここでは、ドリルアタッチメント52は、そのシャンク部56が、ヘッド部10の保持手段34に保持されるか、または、ガイド手段49に固定される。ドリルアタッチメントを取り外す際には、ヘッド部10が折り取られ、その後、ドリルアタッチメント52は、その近端部領域52’が自立した状態で保持部12から突出して、ドリルに連結することができる。このようにしてドリルに固定されたドリルアタッチメント52は、ドリルアタッチメント52の遠端部領域52”に接触することなく、保持部12から取り外すことができる。
【0047】
図14に示すベース部材2は、図1〜図11及び図13に示すべース部材とは、遠端部壁24に隣接して、かつ、長手軸Lの方向に延びる側壁部58a,58bを両側に備えることが基本的に異なっている。ここでは、各側壁部58a,58bは、トラフリム18の面にほぼ直角に延びる平面に延びており、また、トラフリム18に、このトラフリムと一体のウェブ60で連結されている。図示した実施の形態では、側壁部58a,58bは、保持部12の長さのほぼ半分より短い長さで延びている。
【0048】
側壁部58a,58bの外側には、リブ62が配置されており、図示した実施の形態では、このリブは、長手軸Lに直角に延びている。このリブは、ベース部材2またはパッケージハウジングの把持を向上させるように機能する。
【0049】
さらに、図14に示すベース部材は、図1〜図11及び図13に示すべース部材とは、近端部壁22に突出部64が形成され、この突出部は、トラフリム18またはトラフフロア16の面と平行に配置された平面に延びていることが異なっている。突出部64はまた、ベース部材2またはパッケージハウジングを適切に把持し、かつ、手に持つことに役立ち、また、好適には、そのためにリブ62’を有している。
【符号の説明】
【0050】
2 ベース部材、4 容器、6 ハウジング壁、8 物品、10 ヘッド部、12 保持部、14 トラフ、16 トラフフロア、18 トラフリム、22 近端部壁、24 遠端部壁、26 ギャップ、28a,28b ブリッジ部、30 弱体化ゾーン、32 破断ポイント、34 保持手段、36a,36b スナップ固定リップ、38a,38b ボス、40 開口部、42a,42b、42c スペーサ、44a,44b,44c 支持表面、46a,46b 突出部、48 溝部、49 ガイド手段、50 成形部、52 ドリルアタッチメント、52’ 近端部領域、52” 遠端部領域、54 ドリルチップ、56 シャンク部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い物品(8)用のパッケージハウジングであって、該パッケージハウジングは、細長い物品(8)用の容器(4)を定めるハウジング壁(6)を有するベース部材(2)を備えており、ここで、容器(4)は、包装状態の物品(8)の長手軸とほぼ同軸に延びる長手軸(L)を有しており、また、ベース部材(2)は、ヘッド部(10)と該ヘッド部(10)に隣接して長手軸(L)の方向に配置された保持部(12)を備えており、該保持部(12)は、弱体化ゾーン(30)でヘッド部(10)に連結されると共に、保持部(12)に物体(8)を保持する少なくとも一つの保持手段(34)を備えており、また、弱体化ゾーン(30)は所定の破断ポイント(32)であり、保持手段(34)には、少なくとも一つのスペーサ(42a,42b)が配置され、該スペーサは、包装状態の物品(8)が、長手軸(L)の方向に延びる保持部(12)のハウジング壁(6)の部分に非接触状態で保持されるように形成されている、ことを特徴とするパッケージハウジング。
【請求項2】
所定の破断ポイント(32)は、容器(4)の長手軸(L)にほぼ直角に延びていることを特徴とする請求項1に記載のパッケージハウジング。
【請求項3】
所定の破断ポイント(32)は、ヘッド部(10)と保持部(12)との間で所定の角度で折り曲げられた場合に破断する少なくとも一つのブリッジ部(28a,28b)を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のパッケージハウジング。
【請求項4】
少なくとも一つのスペーサ(42a,42b)は、容器(4)から突出する突出部の形状に形成されており、該突出部は、物品の支持表面(44a,44b)を形成することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のパッケージハウジング。
【請求項5】
突出部は、容器(4)の最深部に突出していることを特徴とする請求項4に記載のパッケージハウジング。
【請求項6】
保持部(12)は、保持手段(34)のみを備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のパッケージハウジング。
【請求項7】
保持手段(34)は、所定の破断ポイント(32)に隣接する領域に配置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のパッケージハウジング。
【請求項8】
保持手段(34)は、スナップ固定結合手段により物体を保持する形状であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のパッケージハウジング。
【請求項9】
保持手段(34)は、容器(4)長手軸(L)に関して互いに対向するように配置された二つの弾性スナップ固定リップ(36a,36b)を備えることを特徴とする請求項8に記載のパッケージハウジング。
【請求項10】
パッケージハウジングの内側は殺菌されていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のパッケージハウジング。
【請求項11】
ベース部材(2)は、容器(4)の長手軸(L)に関して互いに対向する端部のそれぞれに、長手軸に直角に延びる平面にある端部壁(22,24)を備えることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のパッケージハウジング。
【請求項12】
ヘッド部(10)の端部壁(22)は、容器(4)に向かって先細となるガイド(49)を有しており、また、ガイドは、クランプ動作手段で物品(8)を保持する形状に形成されていることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のパッケージハウジング。
【請求項13】
ヘッド部(10)及び/または保持部(12)は、ほぼトラフの形状に形成されていることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載のパッケージハウジング。
【請求項14】
容器(4)は、透き通る包装フィルムで覆われることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載のパッケージハウジング。
【請求項15】
ドリルアタッチメント、特に、歯科ドリルアタッチメントに使用することを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載のパッケージハウジングの使用方法。
【請求項16】
請求項1から14のいずれかに記載のパッケージハウジングと細長い物品を含むパッケージアレンジメント。
【請求項17】
物体は、ドリルアタッチメント、特に、歯科ドリルアタッチメントであることを特徴とする請求項16に記載のパッケージアレンジメント。
【請求項1】
細長い物品(8)用のパッケージハウジングであって、該パッケージハウジングは、細長い物品(8)用の容器(4)を定めるハウジング壁(6)を有するベース部材(2)を備えており、ここで、容器(4)は、包装状態の物品(8)の長手軸とほぼ同軸に延びる長手軸(L)を有しており、また、ベース部材(2)は、ヘッド部(10)と該ヘッド部(10)に隣接して長手軸(L)の方向に配置された保持部(12)を備えており、該保持部(12)は、弱体化ゾーン(30)でヘッド部(10)に連結されると共に、保持部(12)に物体(8)を保持する少なくとも一つの保持手段(34)を備えており、また、弱体化ゾーン(30)は所定の破断ポイント(32)であり、保持手段(34)には、少なくとも一つのスペーサ(42a,42b)が配置され、該スペーサは、包装状態の物品(8)が、長手軸(L)の方向に延びる保持部(12)のハウジング壁(6)の部分に非接触状態で保持されるように形成されている、ことを特徴とするパッケージハウジング。
【請求項2】
所定の破断ポイント(32)は、容器(4)の長手軸(L)にほぼ直角に延びていることを特徴とする請求項1に記載のパッケージハウジング。
【請求項3】
所定の破断ポイント(32)は、ヘッド部(10)と保持部(12)との間で所定の角度で折り曲げられた場合に破断する少なくとも一つのブリッジ部(28a,28b)を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のパッケージハウジング。
【請求項4】
少なくとも一つのスペーサ(42a,42b)は、容器(4)から突出する突出部の形状に形成されており、該突出部は、物品の支持表面(44a,44b)を形成することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のパッケージハウジング。
【請求項5】
突出部は、容器(4)の最深部に突出していることを特徴とする請求項4に記載のパッケージハウジング。
【請求項6】
保持部(12)は、保持手段(34)のみを備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のパッケージハウジング。
【請求項7】
保持手段(34)は、所定の破断ポイント(32)に隣接する領域に配置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のパッケージハウジング。
【請求項8】
保持手段(34)は、スナップ固定結合手段により物体を保持する形状であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のパッケージハウジング。
【請求項9】
保持手段(34)は、容器(4)長手軸(L)に関して互いに対向するように配置された二つの弾性スナップ固定リップ(36a,36b)を備えることを特徴とする請求項8に記載のパッケージハウジング。
【請求項10】
パッケージハウジングの内側は殺菌されていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のパッケージハウジング。
【請求項11】
ベース部材(2)は、容器(4)の長手軸(L)に関して互いに対向する端部のそれぞれに、長手軸に直角に延びる平面にある端部壁(22,24)を備えることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のパッケージハウジング。
【請求項12】
ヘッド部(10)の端部壁(22)は、容器(4)に向かって先細となるガイド(49)を有しており、また、ガイドは、クランプ動作手段で物品(8)を保持する形状に形成されていることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のパッケージハウジング。
【請求項13】
ヘッド部(10)及び/または保持部(12)は、ほぼトラフの形状に形成されていることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載のパッケージハウジング。
【請求項14】
容器(4)は、透き通る包装フィルムで覆われることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載のパッケージハウジング。
【請求項15】
ドリルアタッチメント、特に、歯科ドリルアタッチメントに使用することを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載のパッケージハウジングの使用方法。
【請求項16】
請求項1から14のいずれかに記載のパッケージハウジングと細長い物品を含むパッケージアレンジメント。
【請求項17】
物体は、ドリルアタッチメント、特に、歯科ドリルアタッチメントであることを特徴とする請求項16に記載のパッケージアレンジメント。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−57293(P2011−57293A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196696(P2010−196696)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(506415207)ストラウマン ホールディング アーゲー (25)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(506415207)ストラウマン ホールディング アーゲー (25)
【Fターム(参考)】
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