説明

組み立て玩具

【課題】突起部を少なくとも一対設けるようにしても各成形部材の的確な接合を達成できる組み立て玩具を提供する。
【解決手段】互いに対向させて位置決め配置される第1成形部材と第2成形部材とを備え、第1成形部材の第2成形部材と対向する面に突出部が形成され、第2成形部材の第1成形部材と対向する面に突出部と嵌合する孔部が形成され、突出部は、その突出方向と直交する面における断面の外輪郭が円以外の他の形状をなし、孔部は、前記第1成形部材と対向する面における輪郭が突出部の外輪郭の形状に対応した形状をなし、孔部に対して、前記突出部はその中心軸の周りに回動することなく嵌合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は組み立て玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
プラモデル等の組み立て玩具は、たとえば人形等の場合、頭部、胴部、腕部、および脚部等の各部位を嵌合によって組み立てることによって構成されるようになっている。また、これら頭部、胴部等の各部位は、所望の形状に成形されたたとえば2個の成形部材を互いに対向させて接合させることによって所望の立体形を構成できるようになっている。
【0003】
この場合、各成形部材の互いに対向する面にそれぞれ突起部(以下、第一突起部、第二突起部と称す)が形成され、各成形部材の組み立ての際に、第一突起部の先端は、第二突起部の先端に設けられた孔に挿入されるようになっている。これら第一突起部、第二突起部はいわゆるノックピンとして機能するようになっている。
【0004】
第一突起部は、その突起方向と直交する面で切断される断面における形状(以下、単に断面形状と称する場合がある)が円形として構成され、第二突起部の前記孔の断面形状は第一突起部の断面形状に対応した形状すなわち円形となっていた。そして、これら第一突起部および第二突起部からなる突起部は、各部位において、複数対(たとえば2対あるいは4対)設けられていた。
【0005】
このような互いに嵌合される第一突起部、第二突起部によって、各成形部材の正確な位置決めがなされて配置できるとともに、各成形部材の一時的な固定を可能にすることができるようになっている。(たとえば特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−173243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、このように構成された組み立て玩具は、その第一突起部、第二突起部において、その機能を達成できるだけの最も単純化した構成(形状)としたものであった。このため、組み立て玩具を組み立てる際に、成形部材の外側面の形状に興味をかき立てるようなことはあっても、内側面には全く興味をかき立てる工夫がなされていなかった。
【0008】
また、第二突起部に対して、第一突起部は、その中心軸の周りに回動しうる状態で嵌合されることから、第一突起部と第二突起部とからなる突起部を各部位において複数対(たとえば2対あるいは4対)設ける必要があった。これにより一方の成形部材に対して他方の成形部材の回動を規制できるようになるからである。このため、たとえば、比較的狭いスペースにおいて、複数対の突起部を設けることに困難性を有する場合があった。
【0009】
また、一方の成形部材に対して他方の成形部材を接合させようとした場合、他方の成形部材の的確な方向性はその外側面の形状を認識しない限り困難であるという不都合を有していた。
【0010】
また、組み立て玩具は、たとえば頭部、胴部等の複数の部位の結合によって構成されることは上述したが、これらの部位のそれぞれにおいても、同様の構成(形状)からなる第一突起部、第二突起部が用いられていた。このため、たとえば頭部を構成するたとえば2個の成型部材は、その外側面の形状を認識しない限り特定が困難であるという不都合をも有していた。
【0011】
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、興趣性の高く、組み立てが容易な玩具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の組み立て玩具は、互いに対向させて位置決め配置される第1成形部材と第2成形部材とを備え、第1成形部材の第2成形部材と対向する面に突出部が形成され、第2成形部材の第1成形部材と対向する面に突出部と嵌合する孔部が形成され、突出部は、その突出方向と直交する面における断面の外輪郭が円以外の他の形状をなし、孔部は、第1成形部材と対向する面における輪郭が突出部の外輪郭の形状に対応した形状をなし、孔部に対して、突出部はその中心軸の周りに回動することなく嵌合される。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、興趣性の高く、組み立てが容易な玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の組み立て玩具の実施態様1を示す分解図で、たとえば前方から観た図である。
【図2】本発明の組み立て玩具の実施態様1を示す分解図で、後方から観た図である。
【図3】図8のIII−III線における断面のうち頭部10のみの断面を示した図である。
【図4】図3のIV−IV線における断面を示した図である。
【図5】本発明の組み立て玩具の実施態様2を示す分解図で、前方から観た図である。
【図6】本発明の組み立て玩具の実施態様2を示す分解図で、後方から観た図である。
【図7】本発明の組み立て玩具の実施態様2を示す図で、第2突出部の断面形状の例を示した図である。
【図8】本発明の組み立て玩具の組み立てられた状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
(実施の形態1)
図8は、本発明の組み立て玩具の組み立てられた状態を示した斜視図である。図8は、たとえば樹脂成形材によって構成された人形を示している。図8に示すように、人形は、頭部10、胴部20、一対の腕部30、40、一対の脚部50、60を備えている。
【0017】
また、人形の頭部10、胴部20、一対の腕部30、40、一対の脚部50、60は、それぞれ別個に形成され、組み立ての際に、たとえば胴部20に対して、頭部10、一対の腕部30、40、一対の脚部50、60が取り付けられる(結合する)ようになっている。
【0018】
そして、頭部10、胴部20、一対の腕部30、40、一対の脚部50、60は、それぞれ、たとえば図中前方に配置される第1成形部材と図中後方に配置される第2成形部材との相互接合によって構成されるようになっている。すなわち、頭部10は、第1頭部成形部材10aと第2頭部成形部材10bとの相互接合によって構成され、胴部20は、第1胴部成形部材20aと第2胴部成形部材20bとの相互接合によって構成されるようになっている。同様に、腕部30は、第1腕部成形部材30aと第2腕部成形部材30bとの相互接合によって構成され、腕部40は、第1腕部成形部材40aと第2腕部成形部材40bとの相互接合によって構成され、脚部50、は第1脚部成形部材50aと第2脚部成形部材50bとの相互接合によって構成され、脚部60は、第1脚部成形部材60aと第2脚部成形部材60bとの相互接合によって構成されるようになっている。このことから、図8に示す人形は、頭部10、胴部20、一対の腕部30、40、一対の脚部50、60の側面のほぼ中央の個所において接合部70が目視できるようになっている。
【0019】
図1は、人形のたとえば頭部10、胴部20を示しており、これら頭部10、胴部20の結合を解除するとともに、頭部10の第1頭部成形部材10aと第2頭部成形部材10bの接合、および胴部20の第1胴部成形部材20aと第2胴部成形部材20bの接合を解除して示した斜視図である。
【0020】
図1では、第2頭部成形部材10b、第2胴部成形部材20bの各内面(第1頭部成形部材10a、第1胴部成形部材20aと接合がなされる側の面)は、それぞれ、第2頭部成形部材10b、第2胴部成形部材20bの肉厚がほぼ均等となるような凹面となっている。これにより、第2頭部成形部材10b、第2胴部成形部材20bの軽量化および機械的強度の向上を図ることができる。また、第1頭部成形部材10a、第1胴部成形部材20aの各内面(第2頭部成形部材10b、第2胴部成形部材20bと接合がなされる側の面)は、それぞれ、第1頭部成形部材10a、第1胴部成形部材20aの肉厚がほぼ均等となるような凹面となっている(図2参照)。
【0021】
ここで、図1に示すように、第2頭部成形部材10bの内面のほぼ中央には、第2突出部10Pが形成され、その先端はこの第2頭部成形部材10bと接合する第1頭部成形部材10a側に指向し、第2頭部成形部材10bの第1頭部成形部材10aとの接合部(以下、第2接合面10nと称す)を含む仮想の平面よりも第1頭部成形部材10a側に若干突出して形成されている(図3参照)。
【0022】
ここで、第2突出部10Pは、第1頭部成形部材10aの内面に形成された後述の第1突出部(図2にて符号10Qで示す)に挿入嵌合されるいわゆるノックピンとして機能するようになっている。また、第2突出部10Pは、その突出する方向と直交する平面で切断される断面形状(以下、横断面形状と称する場合がある)がたとえば星型の形状となっている。また、第2突出部10Pは、先端から基端にかけて孔10Hが形成された筒状をなしている。
【0023】
そして、第2突出部10Pの横断面形状における外輪郭および内輪郭(前記孔10Hの輪郭に相当する)は互いに相似形の星型となっている。第2突出部10Pの上述した孔10Hは、第2突出部10Pの軽量化を図るために設けている。したがって、本発明においては第2突出部10Pに上述した孔10Hは形成されていなくてもよく、また、形成してもその輪郭は丸等の他の形状であってもよい。つまり、第2突出部10Pの横断面形状における外輪郭がたとえば星形となっていればよい。
【0024】
また、図1に示すように、第2胴部成形部材20bの内面のほぼ中央にも、第2突出部20Pが形成され、その先端は第1胴部成形部材20a側に指向し、第2胴部成形部材20bの第1胴部成形部材20aとの接合部(以下、第2接合面20nと称す)を含む仮想の平面よりも第1胴部成形部材20a側に若干突出して形成されている。
【0025】
ここで、第2突出部20Pは、第1胴部成形部材20aの内面に形成された後述の第1突出部(図2にて符号20Qで示す)に挿入嵌合されるいわゆるノックピンとして機能するようになっている。第2突出部20Pは、その横断面形状がたとえば四角型の形状となっている。また、第2突出部20Pは、先端から基端にかけて孔20Hが形成された筒状をなしている。
【0026】
そして、第2突出部20Pの横断面形状における外輪郭および内輪郭(前記孔20Hの輪郭に相当する)は互いに相似形の四角形となっている。第2突出部20Pの上述した孔20Hは、第2突出部20Pの軽量化を図るために設けている。したがって、本発明においては第2突出部20Pに上述した孔20Hは形成されていなくてもよい。また、たとえ第2突出部20Pに上述した孔20Hが形成されていても、その形状は丸等の他の形状であってもよい。つまり、第2突出部20Pの横断面形状における外輪郭がたとえば四角形となっていればよい。
【0027】
図2は、人形の頭部10、胴部20を示しており、図1と対応づけて描いた図である。図1は、第1頭部成形部材10a、第1胴部成形部材20aから観た図であるのに対し、図2は、第2頭部成形部材10b、第2胴部成形部材20bから観た図となっている。
【0028】
図2において、第1頭部成形部材10a、第1胴部成形部材20aの各内面(第2頭部成形部材10b、第2胴部成形部材20bと接合がなされる側の面)は、それぞれ、第1頭部成形部材10a、第1胴部成形部材20aの肉厚がほぼ均等となるような凹面となっている。これにより、第1頭部成形部材10a、第1胴部成形部材20aの軽量化および機械的強度の向上を図るようになっている。
【0029】
ここで、図2に示すように、第1頭部成形部材10aの内面のほぼ中央には、第1突出部10Qが形成され、その先端はこの第1頭部成形部材10aと接合する第2頭部成形部材10b側に指向し、第1頭部成形部材10aの第2頭部成形部材10bとの接合部(以下、第1接合面10mと称す)を含む仮想の平面とほぼ面一となるように形成されている(図3参照)。
【0030】
第1突出部10Qは、第2頭部成形部材10bの内面に形成された前記第2突出部10Pを挿入嵌合させていわゆるノックピンとして機能させるようになっている。また、第1突出部10Qは、その突出する方向と直交する平面で切断される断面形状(以下、横断面形状と称する場合がある)が星型の形状となっている。また、第1突出部10Qは、先端から基端にかけて孔10Iが形成された筒状をなしている。
【0031】
そして、第1突出部10Qの横断面形状における外輪郭および内輪郭(前記孔10Iの輪郭に相当する)は互いに相似形の星型となっている。第1突出部10Qの横断面形状における外輪郭は、第1突出部10Qの肉厚をほぼ等しくするために星形としたものである。したがって、本発明においては、第1突出部10Qの横断面形状における外輪郭は必ずしも星形である必要はなく、円等の他の形状であってもよいし、第1頭部成形部材10aの内面側に孔10Iのみが形成されるようにしてもよい。つまり、本実施の形態において、第1頭部成形部材10aの内面側に孔10Iの輪郭が、第2突出部10Pの横断面形状における外輪郭に対応した形状である星形であり、第2の突出部10Pと孔10Iが嵌合すれば、特に限定されるものではない。
【0032】
本実施の形態において、第1頭部成形部材10aと第2頭部成形部材10bとの接合の際に、第1突出部10Qの内輪郭を構成する前記孔10Iに前記第2突出部10Pが挿入され、この第1突出部10Qと第2突出部10Pとの嵌合によって、第1頭部成形部材10aと第2頭部成形部材10bとが正確な位置決めがともなった接合がなされるようになる。
【0033】
また、図2に示すように、第1胴部成形部材20aの内面のほぼ中央にも、第1突出部20Qが形成され、その先端はこの第1胴部成形部材20aと接合する第2胴部成形部材20b側に指向し、第1胴部成形部材20aの第2胴部成形部材20bとの接合部(以下、第1接合面20mと称す)を含む仮想の平面とほぼ面一となるように形成されている(図3参照)。
【0034】
この第1突出部20Qは、第2胴部成形部材20bの内面に形成された前記第2突出部20Pを挿入嵌合させていわゆるノックピンとして機能させるようになっている。第1突出部20Qは、その横断面形状がたとえば四角型の形状となっている。また、第1突出部20Qは、先端から基端にかけて孔20Iが形成された筒状をなしている。
【0035】
そして、第1突出部20Qの横断面形状における外輪郭および内輪郭(前記孔20Iの輪郭に相当する)も互いに相似形の四角形となっている。第1突出部20Qの前記断面における外輪郭は、第1突出部20Qの肉厚をほぼ等しくするために四角形としたものである。したがって、本発明においては、第1突出部20Qの前記断面における外輪郭は必ずしも四角形である必要はなく、円等の他の形状であってもよいし、第1胴部成形部材20aの内面側に孔20Iのみが形成されるようにしてもよい。つまり、本実施の形態において、第1胴部成形部材20aの内面側に孔20Iの輪郭が、前記第2突出部20Pの横断面形状の外輪郭に対応した形状である四角形となっていれば、特に限定されるものではない。
【0036】
本実施の形態において、第1胴部成形部材20aと第2胴部成形部材20bとの接合の際に、第1突出部20Qの内輪郭を構成する前記孔20Iに前記第2突出部20Pが挿入され、この第1突出部20Qと第2突出部20Pとの嵌合によって、第1胸部成形部材20aと第2胸部成形部材10bとが正確な位置決めがともなった接合がなされるようになる。また、本実施の形態において、頭部10の嵌合部は星形であり、胴部20の嵌合部は四角形であり、部位毎にノックピンの形状が異なるため、各部材を嵌め合う際に、嵌合部のノックピン形状を見るだけで容易に対になる成形部材を判断することができる。なお、本実施の形態において、嵌合部は、嵌合部においてパーツ同士を固定可能な程度にしっかり嵌め合っていてもよいし、パーツ同士の位置決めのガイドとして利用できる程度にゆるく嵌め合うものであってもよい。
【0037】
このように第1突出部10Q、20Qおよび第2突出部10P、20Pを星形のような特殊な断面形状とすることにより、第1頭部成形部材10aと第2頭部成形部材10bの対応関係が容易に把握できる。また、頭部10に形成された第1突出部10Qおよび第2突出部10Pの断面形状と胴部20に形成された第1突出部20Qおよび第2突出部20Pの断面形状を上述のように星形と四角形というように異ならしめることによって、たとえば第1頭部成形部材10aと第2頭部成形部材10bの対応関係、第2胸部成形部材20aと第2胸部成形部材20bの対応関係が容易に把握できる。
【0038】
図3は、図8のIII−III線における断面のうち頭部10のみの断面を示した図である。図3は、第1突出部10Qの孔10Iに第2突出部10Pの先端を挿入嵌合させることによって、第1頭部成形部材10aと第2頭部成形部材10bが、それぞれ、第1接合面nと第2接合面mとを対向接触させて、互いに接合されていることを示している。
【0039】
この場合、第2頭部成形部材10bの内面に形成された第2突出部10Pが、その先端において第2頭部成形部材10bの第2接合面10mよりも第1頭部成形部材10a側に若干突出して形成されている。また、第1頭部形成部材10aの内面に形成された第1突出部10Qが、その先端において第1頭部形成部材10aの第1接合面10nとほぼ面一となるように形成されていることも上述したとおりである。しかし、本発明にあっては、第1頭部成形部材10aに形成された第1突出部10Qを、その先端において第1接合面10nよりも第2頭部成形部材10b側に若干突出させて形成し、第2頭部形成部材10aに形成された第2突出部10Pを、その先端において第2頭部形成部材10bの第2接合面10mとほぼ面一となるように形成させるようにしてもよく、第2突出部10Pを対向する孔10Iに嵌合することができれば、特に限定されるものではない。また、胴部20の第1突出部20Qおよび第2突出部20Pにおいても同様である。
【0040】
図4は、図3のIV−IV線における断面を示した図である。図4において、第2突出部10Pは孔10Hが形成された筒状をなし、その外輪郭および内輪郭(孔10Hの輪郭)も互いに相似形の星形となっている。なお、第2突出部10Pには上述した孔10Hは形成されていなくてもよく、また、形成してもその輪郭は丸等の他の形状であってもよい。一方、第1突出部10Qは孔10Iが形成された筒状をなし、その外輪郭および内輪郭(孔の輪郭)も互いに相似形の星形となっている。そして、第1突出部10Qの孔10Iに前記第2突出部10Pが挿入嵌合された状態となっている。このように第2突出部10P、第1突出部10Qはいずれも断面がたとえば多角形状となっていることから、それらが嵌合された状態では、一方の突出部に対して他方の突出部はその軸方向周りの回動が規制される。なお、第1突出部10Qの前記断面における外輪郭は必ずしも星形である必要はなく、円等の他の形状であってもよい。また、図示していないが、胴部20の第1突出部20Qおよび第2突出部20Pにおいても同様の関係となっている。
【0041】
このように構成された組み立て玩具は、第1突出部10Q、第2突出部10Pの断面形状に工夫をこらすことができ、玩具の組み立ての際において、成形部材10a、10bの内側面にも興味をかき立てることができる。
【0042】
また、頭部10、胴部20等の各部位において、第1突出部10Q、第2突出部10Pの対からなる嵌合部を少なくとも一対設けることにより第1成形部材10a、第2成形部材10bの的確な接合を達成することができる。また、少なくとも一対の嵌合部を設ければ位置決め可能であるため、比較的狭いスペースにおいても複数対の突起部を設ける必要がなく、省スペース化を図ることができる。
【0043】
また、各成形部材10a、10bを接合させる際に、一方の成形部材に対する他方の成形部材の的確な方向性を第1突出部10Q、第2突出部10Pによっても特定することができる。
【0044】
また、第1突出部10Q、第2突出部10Pの断面形状を目安にすることによって、各成形部材10a、10bがどの部位のものかを容易に特定することができる。
【0045】
(実施の形態2)
図5、図6は、本発明の組み立て玩具の他の実施形態を示した構成図である。図5は図1と対応づけて描いた図であり、図6は図2と対応づけて描いた図となっている。
【0046】
図5、図6において、図1、図2と比較して異なる構成は、第1突出部10Q、20Qと第2突出部10P、20Pにある。図5に示すように、第2頭部成形部材10bに形成される第2突出部10Pは、断面形状が三日月形として形成されているとともに、たとえば2個形成されている。第2突出部10Pは1つのみ設けるようにしてもよいが、このように第1の突出部10Qと第2の突出部10Pとが嵌合する嵌合部を2つ以上形成することにより、第1成形部材10aと第2成形部材10bとの接合を強固にでき、また、接合の際に、第1成形部材10aと第2成形部材10bとの方向性を第2突起部10Pと後述の第1突起部10Qによって、容易に特定できるという効果も有する。
【0047】
それぞれの第2突出部10Pは、先端から基端にかけて孔10Hが形成され、第2突出部10Pの横断面形状における外輪郭および内輪郭(前記孔の輪郭に相当する)も互いに相似形の三日月形となっている。本実施の形態において、これら第2突出部10Pは、実施の形態1で示したと同様、横断面形状における外輪郭が三日月形となっていれば特に限定されるものではない。
【0048】
また、第2胴部成形部材20bに形成される第2突出部20Pは、たとえば1個設けられている。第2突起部20Pは、先端から基端にかけて孔20Hが形成され、第2突出部20Pの横断面形状は、外輪郭および内輪郭(前記孔20Hの輪郭に相当する)も互いに相似形の六角形となっている。
【0049】
一方、図6に示すように、第1頭部成形部材10aに形成される第1突出部10Qは、第2頭部成形部材10bに形成された第2突出部10Pに対応させて2個設けられるとともに、先端から基端にかけて孔10Iが形成され、第1突出部10Qの横断面形状における外輪郭および内輪郭(前記孔10Iの輪郭に相当する)は互いに相似形の三日月形となっている。本実施の形態において、第1頭部成形部材10aの内面側に形成された孔10Iの輪郭が、第2突出部10Pの横断面形状における外輪郭に対応した形状であれば特に限定されるものではない。
【0050】
第1胴部成形部材20aに形成される第1突出部20Qは、第2胴部形成部材20bに形成された第2突出部20Pに対応させて1個設けられるとともに、先端から基端にかけて孔20Iが形成されている。本実施の形態において、第1胴部成形部材20aの内面側に形成された孔20Iの輪郭が、第2突出部20Pの横断面形状における外輪郭に対応した形状であれば特に限定されるものではない。
【0051】
(実施の形態3)
実施の形態1又は2では、たとえば第2突出部10Pの形状(外輪郭)を、星形、四角形、三日月形、および六角形としたものを例にして示したものである。しかし、第1の突出部10Pの形状(外輪郭)は円形以外であれば、これに限定されることはなく、他の形状としてもよい。たとえば第2突出部10Pの外輪郭を円以外の形状とし、この第2突出部10Pを第1突出部10Qに挿入嵌合させた(第1突出部10Qの内輪郭は第2突出部10Pの前記形状に対応する)場合に、該第2突出部10Pにおいてその中心軸の周りの回動が規制できればよい。
【0052】
図7(a)ないし(e)は、第2突出部10Pの形状(外輪郭)の他の例の一部を示したものである。なお、第1突出部10Qにおいてはその内輪郭は同様の形状となっている。図7(a)は楕円形である。図7(b)はひょうたん型である。図7(c)は二つの円を重ね合わせた形状である。図7(d)は三角形である。図7(e)は五角形である。
【0053】
上述した各実施態様では、頭部、胴部、腕部、脚部を有する人形の組み立て玩具において、頭部、胴部に本発明を適用させて説明したものである。しかし、腕部、脚部においても本発明を適用させるようにしてもよい。
【0054】
また、上述した各実施態様では、いずれも人形からなる組み立て玩具について説明したものである。しかし、人形に限られず、たとえばロボット、乗り物、建物等の他の組み立て玩具においても適用できる。
【0055】
また、上述した各実施態様では、第2突出部が第1突出部に挿入嵌合されるように構成したものであるが、これに限定されることはなく、第1突出部が第2突出部に挿入嵌合されるように構成するようにしてもよい。
【0056】
また、本発明の組み立て玩具は、樹脂から作られる構成としたが、これに限定されることはなく、たとえば金属や木材などから作られてもよい。
【0057】
また、本発明の組み立て玩具において、第2突出部の外輪郭の形状が円以外のノックピンと、円形のノックピンとを混在させて用いてもよい。
【符号の説明】
【0058】
10……頭部、10a……第1頭部成形部材、10b……第2頭部成形部材、10P……第2突出部、10m……第1接合面、10n……第2接合面、10Q……第1突出部、10H……孔、10I……孔、20……胴部、20a……第1胴部成形部材、20b……第2頭部成形部材、20P……第2突出部、20m……第1接合面、20n……第2接合面、20H……孔、20Q……第1突出部、20I……孔、30、40……腕部、30a……第1腕部成型部材、30b……第2腕部成型部材、40a……第1腕部成型部材、40b……第2腕部成型部材、50、60……脚部、50a……第1脚部成型部材、50b……第2脚部成型部材、60a……第1脚部成型部材、60b……第2脚部成型部材、70……接合部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向させて位置決め配置される第1成形部材と第2成形部材とを備え、
前記第1成形部材の第2成形部材と対向する面に突出部が形成され、
前記第2成形部材の第1成形部材と対向する面に前記突出部と嵌合する孔部が形成され、
前記突出部は、その突出方向と直交する面における断面の外輪郭が円以外の他の形状をなし、
前記孔部は、前記第1成形部材と対向する面における輪郭が前記突出部の前記外輪郭の形状に対応した形状をなし、
前記孔部に対して、前記突出部はその中心軸の周りに回動することなく嵌合される組み立て玩具。
【請求項2】
請求項1において、
前記突出部は、その突出方向と直交する面における断面の外輪郭が星形である組み立て玩具。
【請求項3】
請求項1において、
前記突出部は、その突出方向と直交する面における断面の外輪郭が四角形である組み立て玩具。
【請求項4】
請求項1において、
前記突出部は、その突出方向と直交する面における断面の外輪郭が三日月形である組み立て玩具。
【請求項5】
請求項1において、
前記突出部は、その突出方向と直交する面における断面の外輪郭が六角形である記載の組み立て玩具。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、
前記第1成形部材と前記第2成形部材には、前記突出部と前記孔部を対とする嵌合部が複数対設けられている組み立て玩具。
【請求項7】
請求項1において、
複数の部位を有し、これら部位ごとに第1成形部材と第2成形部材とを備え、これら部位ごとの前記突出部の突出方向と直交する面における断面の前記形状が異なっている組み立て玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−45180(P2012−45180A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−190236(P2010−190236)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【Fターム(参考)】