説明

組み立て箱

【課題】組み立て後の菱形歪みがなく、底面もフラットなワンタッチ組み立て箱を供給する。
【解決手段】構成する3枚の側板(サイド2枚及び中央)の中央に側板全長に亘る中折り筋25を設け、相対するサイド側板5の中央側板6側端辺に中折り筋の入った起立片8を延設し箱内側に設け、箱折り畳み時は起立片8を相対するサイド側板側5に、箱を起立させ維持する時は中央側板6側に折り曲げる事で上記課題を達成した多目的の箱に使える簡単組み立て箱を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のホルダーや書類等をまとめて保管するためのボックスファイルを主目的とする、多目的の箱に使える簡単組み立て箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のボックスファイルは、通常厚紙や段ボール紙、さらには可撓性を有するプラスチックシート体などを材料とし、ボトムロック式の底面をしたワンタッチ箱が多く使われてきた(特許文献1、特許文献2)。それは特許文献1の図8に示されるような展開図面により斜線部を糊付けした組み立て箱であり、多くのボトムロック形式が用いられてきた。このボトムロック式のボックスファイルは折り畳んだ状態で輸送、保管が出来、販売時も折り畳んだ状態なので効率がよく広く用いられている。
【0003】
しかし、これらボトムロック形式ボックスファイルは、底面の構造上、底面から延設される4側面はづれて折り畳まれる(特許文献2の図7)。これが、厚紙や段ボールなどの材料に永久歪みとして残り、ボックスファイルを組み立てた後も箱が菱形に歪んだ状態になる。この菱形歪みはボックスファイルを多数並べた時など、歪みが集積されてくるため見た目も大変悪い。又、ボトムロックの底面は数枚の材料シートが折り重なる所が発生し座りが悪く、また底面が4側面から延設された複数の底面用片の寄せ集め、一部糊付けとなるため、必ず隙間が発生するなど底面の均一性、強度などに不安がある状態である。
【特許文献1】特開平7−172092
【特許文献2】特開平8−39980
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとしている課題は、ボックスファイルなどで多く使われているワンタッチ組み立て箱を、ボトムロック形式ではなく、組み立て後、菱形歪みの残らない、そして底面が1枚底で糊剥がれなどの心配がないボックスファイルで使えるワンタッチ組み立て箱を提供する事にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第一の課題解決手段は、1枚の可撓性シート板から成る上方が開放されている、又は開放可能な蓋が付いた箱体で、この箱体が折り畳み可能に構成されてなる四角い箱に於いて、基板の直角に繋がる3辺の相対する辺にはサイド側板が、中央辺には中央側板がそれぞれ折り筋を介して延設され、各側板には基板の3辺それぞれに平行して中央に側板全長に亘る中折り筋と、相対する2つのサイド側板の中央側板側端辺には側板の中折り筋と繋がっている同様の中折り筋を有した起立板を折り筋を介して箱内側に延設してある事を特徴とする組み立て箱とする。
【0006】
第二の課題解決手段は、基板の中央側板の反対側辺には蓋が折り筋を介して延設され、蓋の両端辺には折り筋を介して蓋サイド片が延設されている事を特徴とする第一に課題解決手段1記載の組み立て箱とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明による箱は、相対する2つのサイド側板の中央側板側端辺に延設されている起立板をサイド側板側に折り畳んだ状態で、中央側板を含む中折り筋を箱の外側又は内側に折り曲げる事で箱は折り畳まれ、折り筋の入っていない面板どうしが向かい合うように折り畳まれる。箱を起立させ、箱内側の2枚の起立片を中央側板に向けて直角におり曲げれば、箱の起立状態はロックされる。箱はこのように殆どワンタッチで組み立てられ、従来のボトムロック形式の欠点であった組み立て後の箱の菱形歪みはなく、又、底面(本願では中央側板)も糊無しの1枚の箱が簡単に組み立てられる。また、中央側板側に折り曲げられた起立片をサイド側面側に戻せば、中央折り筋から簡単に箱を折り畳む事が出来る。
【0008】
蓋の両サイド片を箱側面内側に入れ、蓋先端を差込口に差せば完全に蓋が閉まり、6面体のしっかりとした箱になり、蓋をサイド片とともに箱内側に折り込めば、通常のボックスファイルとなる。又、この時、サイド片の長さを側板の幅に合わせておけば、蓋閉め時、及びボックスファイル形式使用時、どちらに於いても、開放口近辺の補強効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は本発明実施例のボックスファイル展開図面を示す。1枚の厚紙を打ち抜いたシートPで、点線は折り筋を示し、実線は切断線を示す。基板1の3辺にサイド側板5、5、中央側板6が折り筋を介して延設されている。中央側板6はボックスファイルとして組み立て後は底面となる。3つの側板には中央に側板全長に亘り中折り筋25、27、27を有し、相対するサイド側板5、5の中央側板6側の端辺には起立板8、8が折り筋を介して延設され、起立板の中央にも中折り筋27、27から繋がる中折り筋31、31を有する。
【0010】
図2は、図1の状態の打ち抜き片Pの起立片8、8を折り筋32、32を介してサイド側板5、5の上に折り曲げた状態を示す平面図である。
【0011】
図3は、図2の状態からサイド側板5を折り筋27から起立板8ごと基板1側に折り曲げた状態の平面図である。尚、糊代7には、糊を塗った状態を示すため、斜線を施した。この状態で、起立片8は側板5の内側に折り畳まれているため、本図からは見えない。
【0012】
図4は、図3の状態から中央側板6を折り筋25を介して折り曲げ、上面板2の左右両端を糊代7と接着した状態の平面図である。この状態で、箱は基本的には折り畳まれた状態で出来上がっている。
【0013】
図5は図4の状態の斜視図である。サイド側板5、6が中折り筋27から折り曲げられ、畳まれた状態を示す。
【0014】
図6は、図4及び図5の状態から3つの側板中央を押し、中折れ状態を解消し箱を起立させた状態を示す斜視図である。又図は一部を箱の中の様子が分かるように切り欠いている。図6では起立片8はサイド側板5側に接しており、起立片8はまだ箱の起立を支えてはいない。このままでは手を離せば図5に近い状態に戻ってしまう。
【0015】
図7は、図6の状態で、箱の中に手を入れ、起立片8を折り筋32から中央側板6側に直角に折り曲げた状態を示している。2つの起立片が中央側板6に接すると、箱の起立は保持される。図7は箱は起立保持した状態を示す斜視図である。更に、上面板3に延設されている補強片3を箱内側に折り筋33を介して折り畳み、上面板3内側に接着する。蓋4の両サイドの蓋サイド片10は折り曲げてある。
【0016】
図8は図7の状態から蓋サイド片10をサイド側板5に沿って箱内に挿入し、蓋差込片先端9bを上面板3の差込口11に差し込んだ状態を示す斜視図である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】展開平面図
【図2】起立片折り畳み平面図
【図3】両サイド側板折り畳み平面図
【図4】中央側板折り畳み平面図(折り畳み状態の箱完成)
【図5】図4の斜視図
【図6】起立させた斜視図
【図7】起立片折り曲げて起立状態を保持した箱の斜視図
【図8】蓋をした箱の斜視図
【符号の説明】
【0018】
P 打ち抜きシート
1 基板
2 上面坂
3 補強板
4 蓋
5 サイド側板
6 中央側板
7 糊代
8 起立片
9 差し込み片
10 蓋サイド片
11 差し込み口
25、27、31 中折り筋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚の可撓性シート板から成る上方が開放されている、又は開放可能な蓋が付いた箱体で、この箱体が折り畳み可能に構成されてなる四角い箱に於いて、基板の直角に繋がる3辺の相対する辺にはサイド側板が、中央辺には中央側板がそれぞれ折り筋を介して延設され、各側板には基板の3辺それぞれに平行して中央に側板全長に亘る中折り筋と、相対する2つのサイド側板の中央側板側端辺には側板の中折り筋と繋がっている同様の中折り筋を有した起立板を折り筋を介して箱内側に延設してある事を特徴とする組み立て箱。
【請求項2】
基板の中央側板の反対側辺には蓋が折り筋を介して延設され、蓋の両端辺には折り筋を介して蓋サイド片が延設されている事を特徴とする請求項1記載の組み立て箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−93534(P2011−93534A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−246094(P2009−246094)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【出願人】(399009206)協和印刷株式会社 (5)
【Fターム(参考)】