説明

組成物およびそれを製造する方法

本発明は化合物を造る方法を開示する。本発明の方法は、概略、前駆体(例えば、前駆体粒子)を提供し、ついで、それらを部分的に反応させて一部反応した組成物を形成し、一部反応した組成物を加工して、粒子サイズを低減する。いくつかの場合、ついで、粉砕組成物を第2の反応ステップに付して、リチウム−ベース化合物を最終反応生成物組成物として形成する。そのようなリチウム−ベース化合物は、エネルギー貯蔵、エネルギー転換を含む様々な異なる用途および/または他の電気化学用途に用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は、2009年8月29日に出願され、出典明示してその全体が本明細書に含まれるとみなされる米国仮出願第61/237,767号に対して優先権主張をする。
【0002】
発明の分野
本発明は、概略、組成物およびそれを形成する方法に関する。いくつかの具体例において、組成物はリチウム−ベース化合物を含み、それはバッテリーを含む電気化学電池における電極物質として用いることができる。
【背景技術】
【0003】
化合物は、十分な時間、十分な温度に加熱することによって、前駆体を反応させる固相反応で製造することができる。リン酸リチウム金属(例えば、LiFePO4)およびリチウム金属酸化物(例えば、LiMnNiO2)のようなリチウム−ベース化合物は、固相反応を用いて製造することができる。これらのリチウム−ベース化合物は、バッテリーのような電気化学電池に用いることができる。その化合物を、例えば、粉末に加工することができ、それを用いて、電池の電極(例えば、アノード、カソード)を形成することができる。当該分野において、電池の電気特性を向上させることが所望され、充電/放電比の増大、電力密度の増大および作動寿命の延長が含まれる。
【0004】
粉砕方法は、典型的に、破砕メディアを用いて、製造原料を破砕または殴打してより小さい大きさにする。例えば、その製造原料は、比較的大きな粒子を有する粉末の形態で提供することができ、粉砕方法を用いて、粒子のサイズを低減することができる。いくつかの方法は、リチウム−ベース化合物を粉砕することを要件とするであろう。
【0005】
破砕メディアは様々なサイズは形状を有するであろう。典型的な粉砕方法において、破砕メディアは、ミル(例えば、ボールミル、ロッドミル、アトライターミル、撹拌媒体ミル、ペブルミル)として知られる装置に用いる。ミルは、典型的に、破砕メディアの周りに製造原料を分散させ、回転させて破砕メディア間の衝突を引き起こすことによって作用し、製造原料粒子をより小さな寸法に破壊して粉砕粒子組成物を製造する。
【発明の概要】
【0006】
組成物およびそれを形成するための方法が提供される。
【0007】
一つの局面において、方法が提供される。その方法は、第1の前駆体を第2の前駆体と反応させて、一部反応した組成物を形成することを含む。その方法は、粉砕工程を用いてその一部反応した組成物を加工することをさらに含む。
【0008】
本発明の他の局面、具体例および特徴は、以下の詳細な説明から、付随する図面と併せて考慮することによって明らかになるであろう。それらの付随する図は概要であり、縮尺通りに描くことは意図していない。明確性の目的で、すべての図においてすべての部品にラベルされず、本発明の各具体例のすべての部品は、当業者に本発明を理解させるために必要ではない概略図であれば示されていない。出典明示されるすべての特許出願および特許は、その全体が本明細書に含まれるものとみなされる。矛盾する場合、定義を含む本明細書が支配する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1に記載した一部反応したリン酸鉄リチウム組成物のXRD曲線。
【図2】実施例1に記載した全部反応したリン酸鉄リチウム組成物のXRD曲線。
【図3】実施例1に記載した全部反応したリン酸鉄リチウム組成物のXRD曲線。
【図4】実施例1に記載した全部反応したリン酸鉄リチウム組成物のXRD曲線。
【発明を実施するための形態】
【0010】
化合物を造る方法が記載される。これらの方法は、概略、前駆体(例えば、前駆体粒子)を提供し、ついで、それらを部分的に反応させて一部反応した組成物を形成するようにすることを要件とする。そして、一部反応した組成物を加工して、例えば、粒子サイズを低減する。いくつかの具体例において、粉砕方法を用いて、さらに下に記載するように、粒子サイズを低減する。いくつかの場合、ついで、粉砕組成物を第2の反応ステップに付して最終反応生成物組成物を形成することができる。いくつかの場合、一部反応した組成物、粉砕方法自体において、最終反応生成物に転換することができる。いくつかの具体例において、最終組成物はリチウム−ベース化合物である。そのようなリチウム−ベース化合物は、エネルギー貯蔵、エネルギー転換を含む様々な異なる用途および/または他の電気化学用途に用いることができる。いくつかの具体例において、その組成物は、バッテリー中の電極物質として使用するのに特に適している。
【0011】
ここで用いるとき、「リチウム−ベース化合物」は、リチウムおよび1以上の付随的な元素を含む化合物である。適当なリチウム−ベース化合物の例示は、リン酸リチウム−ベース化合物(すなわち、リチウムおよびリン酸基 (PO4)を含み、1以上の付随的な元素を含んでいてもよい化合物);酸化リチウム−ベース化合物(すなわち、リチウムおよび酸素を含み、1以上の付随的な元素を含んでいてもよい化合物);および、チタン酸リチウム−ベース化合物(すなわち、リチウムおよびチタンを含み、1以上の付随的な元素を含んでいてもよい化合物)を含む。例えば、適当なリン酸リチウム−ベース組成物は一般式LiMPO4を有することができ、式中、Mは、Fe、Mn、Co、Ni、V、Cr、Ti、MoおよびCuのような遷移金属を含む1以上の金属を表す。適当なリン酸リチウム−ベース組成物の例示は、LiFePO4、LiMnPO4およびLiFeMnPO4を含む。適当な酸化リチウム−ベース組成物は一般式LixMOyを有することができ、式中、x およびyは適当な添え字(例えば、1、2、3)であり、MはFe、Mn、Co、Ni、V、Cr、Ti、MoおよびCuのような遷移金属を含む1以上の金属を表す。適当な酸化リチウム−ベース組成物の例示は、酸化リチウムコバルト、酸化リチウムマンガン、酸化リチウムニッケルマンガン、酸化リチウムニッケルマンガンコバルトまたは酸化リチウムニッケルコバルトアルミニウムを含む。適当なチタン酸リチウム−ベース組成物はLi4Ti5O12などを含む。酸化リチウムニッケルマンガンコバルトまたは酸化リチウムニッケルコバルトアルミニウムも適当であろう。適当なリチウム−ベース化合物組成物は、出典明示して本明細書に含まれるとみなされる、米国特許第5,871,866; 6,136,472; 6,153,333; 6,203,946; 6,387,569; 6,387,569; 6,447,951; 6,528,033; 6,645,452; 6,667,599; 6,702,961; 6,716,372; 6,720,110; および、6,724,173号に記載されている。
【0012】
ここに記載される方法は、リチウム−ベース化合物の製造に限定されないと理解されるべきである。他のタイプの化合物も可能である。他のタイプの化合物は、他のタイプのバッテリー物質を含むことができる。他の化合物は鉄−ベース化合物を含むことができる。いくつかの具体例において、化合物はセラミックスである。
【0013】
一般的に、前駆体を選択して所望する最終反応組成物を提供する。いくつかの具体例において、1つの前駆体タイプは、リチウムを含み、すなわち、リチウム−含有化合物であり、もう1つのタイプは他の元素を含む。適当なリチウム−含有前駆体は、炭酸リチウム、酢酸リチウム、リン酸二水素リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム、またはヨウ化リチウムを含む。他の適当な前駆体は、硝酸アルミニウム、オルトリン酸二水素アンモニウム、オルトリン酸一水素アンモニウム、水酸化コバルト、硝酸コバルト、酸化コバルト、酢酸鉄、酸化鉄、リン酸鉄、酢酸マンガン、炭酸マンガン、水酸化マンガン、酸化マンガン、水酸化ニッケル、硝酸ニッケル、酸化ニッケル、または酸化チタンを含む。
【0014】
他の前駆体を用いることができ、いくつかの方法において、2以上のタイプの前駆体を用いることができると理解されるべきである。
【0015】
前駆体粒子形態であってよい。いくつかの具体例において、前駆体粒子は、小さな粒子サイズ(例えば、500 nm未満)を有するように選択することができる。いくつかの場合、小サイズ前駆体粒子の使用は、プロセスの効率その他の利点を増大させ得る。
【0016】
上記したように、それらの方法は、前駆体が一部反応するステップを含むことができる。それらの反応ステップに先駆けて(および/またはその最中に)、それらの方法は、適当な前駆体を混合して混合物を形成することを要件とすることができる。いくつかの場合、粉砕方法を用いてそれらの前駆体を混合することができる。いくつかの具体例において、ミルを用いて、前駆体粒子を粉砕してより小さな粒子サイズ(例えば、1ミクロン未満)にするか、または、実質的にさらに粒子サイズを低減することなく、それらの前駆体粒子を混合することができる。いくつかの具体例において、それら前駆体粒子を粉砕の間に解凝集することもできる。
【0017】
前駆体は、任意で、粉砕中に、水、N−メチルピロリドン、アルコール類(例えば、イソプロパノール)などのような分散媒と混合することができる。いくつかの具体例において、それらの前駆体の一つの少なくとも部分(例えば、少なくとも一成分)を分散媒に溶解させることができる。
【0018】
すべての方法が前駆体を粉砕することを要件とせず、他の具体例において、混合物はミルを用いて混合しないが、他の技術(例えば、撹拌、超音波照射)を用いて混合することができると理解すべきである。
【0019】
上記したように、それらの方法は、それらの前駆体(例えば、前駆体粒子)の間で部分的反応を生じさせることを要件とすることができる。すなわち、それらの前駆体はこのステップでは完全に反応して所望する最終反応生成物を形成しない。かくして、一部反応生成物は、最終反応生成物相(例えば、LiFePO4のようなカンラン石相リン酸リチウム−ベース化合物)および不純物相を含む。不純物相は未反応前駆体および/または中間反応生成物であろう。例えば、一部反応生成物は、5重量%を超える不純物相(例えば、5%と90%との間、5と50重量%との間)、20重量%を超える不純物相(例えば、20%と90%との間、20と50重量%との間)、40重量%を超える不純物相(例えば、40%と90%との間、40と60重量%との間)、60重量%を超える不純物相(例えば、60%と90%との間、60と75重量%との間)、または80重量%を超える不純物相を含んでもよい。最終反応生成物相および不純物相の重量割合は、XRD(X−線回折)技術を用いて決定することができる。存在する特定の不純物相は前駆体ならびに反応条件に依存する。いくつかの場合、不純物相は非−カンラン石相である。
【0020】
一部反応ステップの間、いくつかの具体例において、前駆体混合物を適温に加熱して、前駆体粒子間の固相反応を生じさせる。一般に、条件は、反応が部分的に進行するが、完了しないように選択する。例えば、それらの前駆体を少なくとも400℃(例えば、400℃と800℃との間)の温度に加熱し得る。いくつかの場合、それらの前駆体を少なくとも600℃、少なくとも700℃の温度に加熱し得る。他の温度も用いることができる。
【0021】
一部反応ステップの間、前駆体混合物を適当な時間加熱する。適当な時間は、1から4時間を含むが、他の時間も可能であると理解されるべきである。
【0022】
いくつかの具体例において、一部反応生成物は脆い。例えば、一部反応生成物は最終生成物よりも脆い。この脆さは利点であり得る。例えば、以下でさらに記載するように、一部反応生成物がさらに粉砕で加工される具体例において、性能は脆さによって向上し得るからである。
【0023】
上記したように、一部反応粒子をさらに加工することができる。さらなる加工は、それら一部反応粒子に所望の特性を付与することを要件とする。例えば、粒子サイズを低減することができ、以下でさらに記載するように、いくつかの場合、さらなる加工は所望する相を有する組成物(例えば、カンラン石相リチウム−ベース化合物)を製造することができる。
【0024】
いくつかの場合、さらなる加工は一部反応粒子を粉砕することを要件とする。その加工は、異なる様々な設計および容量を有する広範な従来のミルを用いることができる。適当なタイプのミルは、限定されないが、ボールミル、ロッドミル、アトライターミル、撹拌媒体ミル、ペブルミル、振動ミル、およびジェットミルなどを含む。
【0025】
いくつかの粉砕方法において、一部反応粒子をフィード物質(例えば、フィード粒子)としてミルに導入する。フィード物質は、スラリーの形態の粉砕流体(例えば、反応生成物粒子と反応しない流体)とともに、破砕メディアが閉じ込められているミルの加工スペースに導入することができる。スラリーの粘度は、例えば、分散剤としてスラリーへの添加物を添加することによって、制御することができる。ミルを所望のスピードで回転させ、材料粒子は破砕メディアと混合する。粒子と破砕メディアとの間の衝突は粒子のサイズを低減し、他の特性を付与し得る。粒子は、典型的に、ある粉砕時間、破砕メディアにさらされ、その後、粉砕された物質は、洗浄およびろ過、スクリーニングまたは重力分離のような従来技術を用いて、破砕メディアから分離する。
【0026】
いくつかの方法において、粒子のスラリーをミル入り口から導入し、粉砕後、ミル出口から回収する。加工を繰り返し、一つのミルの出口が次なるミルの入口に流体接続させて、多数のミルを連続的に用いることができる。
【0027】
すべての方法が粉砕方法を用いるのでないこと、および、一部反応粒子は他の様式で加工することができることは理解されるべきである。
【0028】
いくつかの具体例において、高固有粉砕エネルギー入力を用いることが望ましいであろう。固有粉砕エネルギー入力は生成物質の重量当たりに消費される粉砕エネルギーの指標である。例えば、固有粉砕エネルギー入力は10,000 KJ/Kgを超え;いくつかの具体例において、20,000 KJ/Kgを超え;および、いくつかの具体例において、40,000 KJ/Kgを超えるであろう。
【0029】
ある粉砕方法において、特定の特徴を有する破砕メディアを用いることが好ましい。しかしながら、本発明のすべての具体例がこの点に限定されないと理解されるべきである。適当な破砕メディア組成物は、例えば、出典明示して本明細書の一部とみなされる、米国特許出願公開第2006/0003013号および米国特許第7,140,567に記載されている。いくつかの具体例において、方法は、異なる破砕メディアを用いることができる1を超える粉砕工程を用いることができる。例えば、初期粉砕工程は、標準破砕メディア(例えば、YSZ)を用い、次の粉砕工程は、上記の出典明示により本明細書に含まれるとみなされる特許に記載されたもののようなより進歩した破砕メディアを用いることができる。
【0030】
いくつかの具体例において、破砕メディアは、高密度、高破壊靱性、および高硬度を有する材料からなる。一般的に、破砕メディアの平均サイズは、約0.5ミクロンと10 cmの間である。ある具体例において、非常に小さな破砕メディアを用いるのが有利である。約250ミクロン未満;または約150ミクロン未満(例えば、約75と125ミクロンの間)の平均サイズを有する破砕メディアを用いるのが好ましい。いくつかの場合、破砕メディアは、約100ミクロン未満;またはさらには約10ミクロン未満の平均サイズを有するであろう。いくつかの場合、破砕メディアは、0.5ミクロンを超える平均サイズを有するであろう。
【0031】
破砕メディアは様々な形状を有することもできる。いくつかの具体例において、破砕メディアは実質的に球状(ここでは、「球状」と交換可能に用いることができる。)であることが好ましい。
【0032】
いくつかの具体例において、破砕メディアは炭化物物質のようなセラミック物質で形成されることができる。いくつかの具体例において、破砕メディアは、単炭化物物質(例えば、炭化鉄 (Fe3C)、炭化クロム (Cr7C3)、炭化モリブデン (Mo2C)、炭化タングステン (WC, W2C)、炭化ニオブ (NbC)、炭化バナジウム (VC)、および炭化チタン (TiC))で形成される。いくつかの場合、破砕メディアが複炭化物 (multi-carbide) 物質で形成されることが好ましい。複炭化物物質は、少なくとも2つの炭化物形成元素(例えば、金属元素)および炭素を含む。
【0033】
複炭化物物質は、複炭化物化合物(すなわち、特定の化学量論を有する炭化物化合物);または、単炭化物 (single carbide) 化合物のブレンド(例えば、WCおよびTiCのブレンド);または複炭化物化合物および単炭化物化合物のブレンドの双方を含むことができる。複炭化物物質は、窒素、元素形態の炭化物形成元素(例えば、複炭化物物質の加工中、炭化物に転換されなかったもの)、不純物として存在するもののような他の成分も含むことができると理解されるべきである。典型的に、常にではないが、これらの他の成分は比較的少量(例えば、10原子パーセント未満)存在する。
【0034】
他のタイプの破砕メディアを用いることができると理解されるべきである。
【0035】
いくつかの具体例において、一部反応粒子の粒子サイズは、さらなる加工工程(例えば、粉砕)の間に低減することができる。例えば、粒子サイズは500 nm以下の平均粒子サイズに低減することができる。ある具体例において、平均粒子サイズは、一層小さな値に低減することができる。例えば、平均粒子サイズは、250 nm未満、150 nm未満、100 nm未満、75 nm未満、または50 nm未満に低減することができる。いくつかの具体例において、一部反応粒子が非常に小さな粒子サイズ(例えば、100 nm未満の平均粒子サイズ)を有することが好ましいであろう。そのような粒子サイズは、ある部分、上記特性を有する破砕メディアを用いて得ることができる。
【0036】
全ての具体例が一部反応粒子の粒子サイズを上記範囲内に低減することを要件とはしないと理解されるべきである。
【0037】
反応生成物粒子の平均粒子サイズは反応生成物の平均一次粒子サイズであり、代表数の一次粒子の平均断面寸法(例えば、実質的に球形粒子の直径)を測定することによって決定することができると理解されるべきである。例えば、以下にさらに記載するように、実質的に球形粒子の平均断面寸法はその直径であり;非球形粒子の平均断面寸法は、その3断面寸法(例えば、長さ、幅、厚さ)の平均である。粒子サイズは、レーザー粒子測定装置、走査型電子顕微鏡または他の従来技術を用いて測定することができる。
【0038】
いくつかの具体例は均一粒子サイズ分布、すなわち、狭い粒子サイズ分布を有する一部反応粒子を含む。例えば、一部反応粒子は相対的に大きな粒子もないであろう。すなわち、一部反応粒子は、低濃度の大きな粒子しか含まないであろう。いくつかの具体例において、一部反応粒子は単峰粒子分布を示すであろう。いくつかの場合、組成物のD90値は上記平均粒子サイズのいずれかであろう。しかしながら、本発明はそのようなD90値に限定されないと理解されるべきである。
【0039】
一部反応粒子は、さらなる加工工程後には、非常に高い平均表面積も有するであろう。高い表面積は、ある部分、上記した非常に小さな粒子サイズのためである。反応生成物粒子の平均表面積は1 m2/gより大きく;他の場合、5 m2/gより大きく;他の場合、50 m2/gより大きいであろう。いくつかの場合、粒子は100 m2/gより大きな;または、500 m2/gよりも大きな極度に高い平均表面積を有するであろう。これらの高い平均表面積は、実質的に非多孔性の粒子においてさえ達成されるが、他の粒子は表面孔を有することができると理解されるべきである。表面積は、BET測定技術などを用いて測定することができる。
【0040】
他の利点のなかでも、小さな粒子サイズおよび/または高い表面積はさらなる加工の効率を増大するであろう。
【0041】
いくつかの具体例において、一部反応粒子は粒子の凝集体の形態であってよい。ここで用いるとき、粒子の凝集体を「凝集体」という。凝集体は、ここで記載するように複数の粒子(例えば、リチウム−ベース化合物粒子)を含むことができ、50 ミクロン以下、25 ミクロン以下、または10ミクロン以下である平均凝集体サイズを有するであろう。いくつかの具体例において、粒子の凝集体は1-25ミクロン、1-10ミクロン、または、2-8ミクロンの範囲にある平均凝集体サイズを有するであろう。平均凝集体サイズは、代表数の凝集体の平均断面寸法(例えば、実質的に球形な凝集体の直径)を測定することによって決定することができると理解されるべきである。凝集体サイズは走査型電子顕微鏡または他の従来技術を用いて測定することができる。
【0042】
上記したように、一部反応粒子は粉砕方法を用いて加工することができる。かくして、これらの反応生成物粒子は特徴的な「粉砕された」モルホロジー/トポロジーを有すると説明することができる。当業者は、「粉砕された粒子」を同定し得、それは、例えば、1以上の微視的特徴:複数の鋭利な辺、切子面、および化学的沈降粒子に典型的に観察されるような滑らかな丸い「角」がないことを含み得る。ここに記載された粉砕された粒子は、1以上の上記微視的特徴を有しつつ、低倍率でみたとき、他の形状(例えば、小板)を有することができると理解されるべきである。いくつかの場合、反応生成物粒子は、球状または等軸晶モルホロジーを有するであろう。
【0043】
いくつかの具体例において、一部反応粒子が実質的に等軸晶形状を有することが好ましい。他の形状も好ましく、小板形状を含む。これらの場合、粒子は、その粒子の長さにわたって相対的に均一な厚を有するであろう。粒子は実質的に平坦な 第1の表面および実質的に平坦な第2の表面とともにそれらの間に延在する厚を有するであろう。粒子厚は粒子幅および粒子長よりも小さいであろう。いくつかの具体例において、長および幅はほぼ同じであるが、他の具体例において長と幅とは相違する。長と幅とが相違する場合、小板粒子は、長方形の箱形状を有するであろう。ある場合、粒子は鋭利な辺を有することを特徴とするであろう。例えば、粒子の頂面(例えば、第1の平面)と粒子の側面との間の角度は、75°と105°との間;または85°と95°との間(例えば、約90°)であろう。
【0044】
いくつかの具体例において、一部反応粒子は実質的に球状または偏球状形状、実質的に等軸晶形状、実質的に小板形状、実質的に棒状形状などを有するであろう。一部反応粒子組成物内で、個々の粒子は1以上の上記形状の形態であってよい、と理解されるべきである。
【0045】
いくつかの具体例において、一部反応粒子は、さらなる加工工程後(例えば、粉砕の結果として)、好ましい結晶方位を有する。そのような粒子を形成する適当な方法は、"Small Particle Products and Associated Methods"の名称で、2007年3月3日に出願された、共有に係る共係属米国特許公開第US2007/0098803A1号に記載され、それは出典明示して本明細書に含まれるとみなされる。いくつかの具体例において、組成物中の大部分(すなわち、50%を超える)の粒子は同一の結晶方位を有するであろう。他の具体例において、組成物中の75%を超える粒子、またはさらに95%を超える粒子、またはさらに実質的に全ての粒子は同一の結晶方位を有するであろう。
【0046】
一部反応粒子の好ましい結晶方位は、ある部分、その粒子を形成する物質の結晶構造(例えば、六方晶、正方晶)に依存する。結晶は、通常、特定の平面に沿って、そのような平面に沿った破断を生じるのに必要とされる特徴的なエネルギー量で優先的に破断する。粉砕中、そのようなエネルギーは粒子/破砕メディア衝突に起因する。粉砕パラメータ(例えば、破砕メディア組成物、特定エネルギー入力)でそのような衝突のエネルギーを制御することによって、好ましい結晶方位を有する反応生成物粒子を作製する特定の結晶学的平面に沿って粒子を優先的に破断できることが観察されている。
【0047】
いくつかの具体例において、好ましい結晶方位は基底面(すなわち、正方晶または六方晶構造における主要軸(c軸)に直行する平面)によって定められる。例えば、基底面、および結晶方位は、(0001)または(001)面であろう。
【0048】
粒子の結晶方位は、公知技術を用いて測定することができる。適当な技術はX−線回折(XRD)である。XRDを用いて、同一の好ましい結晶方位を有する粒子の相対割合を評価することが可能であろう。
【0049】
いくつかの具体例において、一部反応粒子を粉砕すること自体が所望する反応生成物を形成するであろう。
【0050】
上記したように、これらの方法は、一部反応粒子をさらに反応させることを含み得る。このさらなる反応ステップは、上記のように一部反応粒子が(例えば、粉砕によって)さらに加工された後で行い得る。
【0051】
通常、さらなる反応ステップを用いて、所望する反応生成物を製造する。例えば、反応生成物は、LiFePO4、LiMnPO4およびLiFeMnPO4のようなリチウム−ベース化合物であろう。反応生成物は所望の相を有するであろう。例えば、反応生成物はカンラン石相(例えば、実質的に生成物のすべてがカンラン石相を有する、例えば、>95%または>99%)を有するであろう。所望する反応生成物および相は、特定の具体例に依存する。他の反応生成物は上記のように可能である。
【0052】
さらなる反応ステップの間、一部反応粒子を適温に加熱して固相反応を発生させる。例えば、一部反応粒子を少なくとも400℃(例えば、400℃と800℃との間)の温度に加熱できる。いくつかの場合、前駆体を少なくとも600℃、少なくとも700℃の温度に加熱できる。他の温度も用いることができる。一部反応粒子を適当な時間加熱することができる。適当な時間は、1時間と4時間との間を含むが、他の時間も可能である。
【0053】
上記したように、ここに記載される個別の反応生成物粒子は、実質的に均一な化学組成物を有するであろう。すなわち、組成物は、個別の粒子(例えば、一次粒子)の体積全体にわたって実質的に同一または同一である。例えば、少なくとも50%の個別の反応生成物粒子は、個別の反応生成物粒子全体にわたって実質的に均一である組成物を有するであろう。いくつかの場合、組成物中の少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも40%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれを超える個別の粒子は、個別の粒子全体にわたって実質的に均一な組成物を有するであろう。適当な最終反応生成物粒子は、"Small Particle Electrode Material Compounds and Methods of Forming the Same"との名称で12/22/08に出願された、共有に係る国際特許出願WO2009/082492および米国特許出願第12/342,043号に記載され、それらの双方は出典明示して本明細書に含まれるものとみなされる。
【0054】
いくつかの場合、個別の反応生成物粒子は、それらには所望しない物質(例えば、前駆体粒子、所望しない副産物)が実質的にないか、所望しない物質を含む領域が実質的にない点で、実質的に均一であろう。いくつかの場合、少なくとも50%の反応生成物粒子には、実質的に前駆体物質が実質的にない。いくつかの場合、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれを超える個別の反応生成物粒子には、前駆体物質が実質的にない。ここで用いるとき、「実質的に前駆体物質がない」組成物とは2%未満の前駆体物質を含む組成物である。いくつかの場合、反応生成物粒子は、1 %未満、または本質的に0%の前駆体物質を有する組成物を有する
【0055】
いくつかの場合、大部分(例えば、少なくとも50%)の個別の反応生成物粒子は、実質的に副産物がない組成物を有するであろう。副産物とは、反応生成物粒子を生成するための前駆体粒子間の反応の間に形成されるであろう所望しない種をいう。典型的に、所望しない副産物物質は、反応生成物粒子のある特性に悪影響を与える種である。しかしながら、以下により詳細に説明するように、本発明のいくつかの具体例は、反応生成物粒子の特性を向上および/または増強する付随的な物質(例えば、共生成物)を含む反応生成物粒子を提供すると理解されるべきである。
【0056】
例示的な具体例において、組成物は、リチウム-含有 化合物(例えば、水酸化リチウム、炭酸リチウム)とリン酸鉄との間の反応により生成されたリン酸鉄リチウム反応生成物粒子を含むであろう。得られた組成物において、大部分(例えば、50%を超える)のリン酸鉄リチウム反応生成物粒子は個別の反応生成物粒子全体にわたって実質的に均一である、すなわち、個別の粒子には、リン酸鉄が豊富な領域、リチウムが豊富な領域、および/または他の副産物もしくは前駆体物質が実質的にない、組成物を有するであろう。
【0057】
粒子レベル上のこの組成物均一性が、ある従来の反応生成物粒子(例えば、リチウム−ベース化合物反応生成物粒子)を越える利点を付与し、それは、いくつかの場合、前駆体粒子の不完全および/または非均一な反応のため、不均一組成物を持つ粒子を有するであろう。例えば、従来のリチウム−ベース化合物 反応生成物粒子は、FePO4のような所望しない副産物および/または前駆体粒子が豊富ないくつかの領域を含むことができる。所望しない副産物または前駆体粒子に豊富な領域の存在は、いくつかの具体例において、粒子のある特性に悪影響するであろう。いくつかの場合、ここに記載する方法は、増大した量の前駆体粒子が反応生成物粒子に転換され、所望しない副産物の形成が低減され、その結果実質的に均一な反応生成物粒子が形成される、より速くかつより完全な固相反応を実行できる能力を付与するであろう。
【0058】
反応生成物粒子の組成部の均一性は、種々の技術を用いて観察することができる。いくつかの場合、反応生成物粒子内の領域の存在および/または量は、X−線回折(XRD)技術を用いて観察することができる。例えば、反応生成物粒子のバルクサンプル内の不均一領域の存在は、XRDピークの存在により示すことができる。いくつかの場合、組成マッピング技術(例えば、EDS)を用いることができ、そこでは、反応生成物粒子に電圧を負荷して反応生成物粒子内の特定の原子の場所を示すイメージを生成する。サンプル全体の異なるタイプの原子(例えば、金属原子)の量および/または分布は、組成物の均一性のレベルを示すことができる。例えば、反応生成物粒子全体にわたる異なるタイプの金属原子(例えば、Li、Fe、Mn、Co、Ni、等)の均一分布は実質的に均一な反応生成物粒子を示し、一方、一つのタイプの金属原子が豊富な比較的大きな不均一領域の存在は、実質的に均一でない反応生成物粒子を示す。均一性の程度をDSC (Differential Scanning Calorimetry)を用いて評価して、前駆体の反応特徴を分析することもできる。
【0059】
いくつかの具体例において、大部分の反応生成物粒子は、実質的に同一の化学組成物を有することもあろう。いくつかの場合、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれを超える個別の反応生成物粒子は実質的に同一の化学組成物を有する。例えば、いくつかの場合、実質的に大部分の個別の反応生成物粒子は、固相反応のような反応の生成物を含むであろう。
【0060】
本発明のいくつかの具体例は、所望する共生成物を含む種々の領域を含む反応生成物粒子も提供することができ、いくつかの場合、反応生成物に加えて、前駆体 物質間の反応の間に共生成物が形成されるであろう。いくつかの具体例において、共生成物は導電性物質であり、いくつかの具体例において、共生成物は絶縁性物質であり、いくつかの具体例において、共生成物は磁性物質であり、いくつかの場合、共生成物は、反応生成物粒子に安定性(例えば、構造安定性、電気化学安定性、等)を付与するであろう。本発明の方法を用いて、反応生成物粒子内に形成された共生成物のタイプおよび/または量を選択して、特別の適用に合わせることができる。例示的な具体例において、リン酸鉄リチウム粒子を形成することができ、そこでは、粒子はリン酸鉄(II)共生成物を含む。
【0061】
反応生成物粒子は、電気伝導率を含む、反応生成物粒子のある特性を増強するであろう適当なドーパントを含むこともできると理解されるべきである。ドーパントの例は、チタン、アルミニウム、等を含む。
【0062】
いくつかの具体例において、最終反応工程は粒子特徴を著しくは変化しない。かくして、最終反応生成物粒子は、一部反応粒子と関連して上記したものと同様の特徴を有するであろう。そのような特徴は上記粒子サイズ、表面積およびモルホロジーを含む。例えば、最終反応生成物粒子は、500 nm以下;250 nm未満、150 nm未満、100 nm未満、75 nm未満、または50 nm未満の平均粒子サイズを有するであろう。いくつかの具体例において、最終反応生成物粒子は、上記した粉砕技術を用いて加工してそのような特徴を達成することができる。
【0063】
反応生成物粒子は、意図する用途に所望されるようにさらに加工することができる。例えば、既知の加工技術を用いて、上記のように、粒子を電気化学電池(例えば、バッテリー)に用いられる部品(例えば、電極)に組み込むことができる。電気化学電池(例えば、バッテリー)は、スマートカードのような小さな寸法を要求する用途に用いることができる。いくつかの具体例において、粒子は薄層の物質(例えば、炭素)で被覆することができる。炭素はsp2炭素の形態であってよい。
【0064】
反応生成物粒子はいずれの他の適当な用途に用いることができ、本発明はこれに限定されないと理解されるべきである。適当なコーティングおよび関連方法は、02/28/07に出願された米国特許出願第11/712,831号を基礎とする米国特許出願第US-2008-0280141号に記載され、出典明示して本明細書に含まれるとみなされる。
【0065】
他の利点のなかでも、これらの方法は、安価かつ効率のいい化合物の製造を可能にできる。いくつかの場合、より完全な反応ならびにより均一な(例えば、均一な化学および構造組成の)反応生成物粒子をもたらし得る特徴(例えば、小さなサイズおよび/またはモルホロジーの一部反応粒子)を含むように、一部反応粒子を加工する。いくつかの具体例において、リチウム−ベース化合物は、容量、向上した熱安定性、および延長された充電/放電サイクル寿命のような優れた電気化学的特性を有するように製造することができる。ここに記載される方法は、反復可能であり、大規模化可能であって、物質製造の一貫性、製造可能性、およびコストを向上するであろう。
【0066】
以下の実施例は例示することを意図し、制限的ではない。
【実施例】
【0067】
以下の実施例は、上記の方法を用いた、リン酸鉄リチウム粒子組成物の製造およびキャラクタリゼーションを記載する。
【0068】
物質は、以下の一般的手順を用いて、FePO4、Li2CO3、および酢酸セルロースを含む前駆体物質から調製した。748 gのFePO4、149.4 gのLi2CO3、および16.6 gの酢酸セルロースを、ボールミルを用いてジルコニア破砕メディアで1時間乾燥ブレンドした。このブレンド物質を炉内で650℃にて2時間、不活性ガス中で一部反応させた。XRD分析は、得られた組成物が一部反応物質であることを示した。図1は、XRDスキャンLiFePO4相、ならびに実質量の不純物相(矢印で示す)- Fe2O3, Fe3O4, Li3PO4, Fe2P2O7, Fe3PO7, FeO, Fe3Fe4(PO4)6, Fe(PO4)2, Li(Fe5O8), Li3Fe2(PO4)3の存在を示している。SEM分析は、一部反応粒子の平均粒子サイズが約5ミクロンであることを決定した。
【0069】
250 gの一部反応物質を、手で撹拌しながら、22.7%固型分とする2%アスコルビン酸(固形分重量)を含有する850 g 蒸留H2Oに添加した。スラリーを、3つの粉砕工程を用いてさらに加工した。第1の粉砕工程において、イットリア安定化ジルコニアメディアを用いるNetzschからのMiniCERミルスラリーをに充填した。用いた撹拌スピードは2400 rpmであった。10,000 KJ/Kgの固有粉砕エネルギー入力(出発固形分のキログラムあたりキロジュールで測定して)を用いた。第2の粉砕工程は、複炭化物破砕物質を用いるNetzschからのLabStarミル中でそのスラリーを加工することを要件とする。物質の3つの異なるサンプルを2000 rpmにて、3つの異なるエネルギー- 10,000 KJ/Kg、20,000 KJ/Kg、および45,000 KJ/Kgで加工した。2400 rpmおよび10,000 KJ/Kgの固有粉砕エネルギー入力にてNetzschからのMiniCERミル中で複炭化物破砕メディアを用いる第3の粉砕工程において、3つのサンプルをさらに加工した。
【0070】
最終粉砕工程の後、3つのサンプルをスプレー乾燥し、最終反応工程に付した。最終反応工程は、不活性ガス中、650℃にて2時間加熱することを要件とする。
【0071】
3つのサンプルの各々はXRD分析を用いて分析した。10,000 KJ/Kgの第2粉砕工程を含んだ組成物のXRDスキャンは図2に図示され、ほんのわずかな不純物(Li3PO4)ピークとともにほぼ純粋なLiFePO4を示す。20,000 KJ/Kgの第2粉砕工程を含んだ組成物のXRDスキャンは図3に図示され、ほんのわずかな不純物(Li3PO4)ピークとともにほぼ純粋なLiFePO4も示す。40,000 KJ/Kgの第2粉砕工程を含んだ組成物のXRDスキャンは図4に図示され、本質的に不純物ピークのない純粋なLiFePO4を示す。3つのすべての組成物は、SEM分析により決定したところ、50 nm程度の粒子サイズを有していた。3つすべては、140 mAh/g以上のC/5比容量値を有していた。
【0072】
この実施例は、上記の方法が高品質リチウム−ベース化合物組成物を提供できることを例証する。
【0073】
本発明のいくつかの局面および具体例をかく説明したので様々な変形、修正および改善は当業者に容易に行えると理解されるべきである。そのような変形、修正および改善は、本開示の一部であると意図され、本発明の概念および範囲の内部にあると意図される。したがって、前述の説明および図面は例示に過ぎない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の前駆体を第2の前駆体と反応させて、一部反応した組成物を形成し;次いで、粉砕工程を用いて前記一部反応した組成物を加工することを含む、方法。
【請求項2】
一部反応した組成物をさらに反応させて最終組成物を形成することをさらに含む、請求項1の方法。
【請求項3】
最終組成物がリチウム−ベース化合物である、請求項2の方法。
【請求項4】
粉砕工程が一部反応した組成物の粒子サイズを500 nm未満の平均粒子サイズに低減する、請求項1の方法。
【請求項5】
粉砕工程が一部反応した組成物の粒子サイズを100 nm未満の平均粒子サイズに低減する、請求項1の方法。
【請求項6】
粉砕工程が一部反応した組成物の粒子サイズを50 nm未満の平均粒子サイズに低減する、請求項1の方法。
【請求項7】
粉砕工程が所望する相を有する粉砕組成物を生じる、請求項1の方法。
【請求項8】
最終組成物がリン酸鉄リチウムである、請求項2の方法。
【請求項9】
最終組成物が20重量%を超える不純物相を含む、請求項2の方法。
【請求項10】
最終組成物が40重量%を超える不純物相を含む、請求項2の方法。
【請求項11】
最終組成物が60重量%を超える不純物相を含む、請求項2の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−503101(P2013−503101A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−526730(P2012−526730)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/002346
【国際公開番号】WO2011/025537
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(511102882)プリメット プレシジョン マテリアルズ, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】