説明

組成物におけるまたは組成物に関連する改良

圧縮粒状組成物を含むパッケージの製造方法は、圧縮粒状組成物を第1のフィルムでラッピングする工程、およびラッピングした圧縮粒状組成物を昇温下で処理して、上記フィルムを、上記フィルムが上記組成物に固着するように圧縮する工程を含む。得られるパッケージは、低圧縮圧を使用して製造でき、従って、低脆砕性を有し急速溶解性であり得る。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野)
本発明は、圧縮粒状組成物を含む水溶性パッケージの製造方法に関する。
(背景技術)
食器洗浄機または洗濯機において使用する圧縮粒状組成物の錠剤は、周知である。そのような錠剤は、上記の装置に、その操作開始時に添加し、操作の終了までに完全に消費される。そのような錠剤の例としては、商品名Finishとして市販されている錠剤のような食器洗浄用錠剤;商品名Calgonとして市販されている錠剤のような軟水化用錠剤;および、商品名Persilとして市販されている錠剤のような洗濯洗剤の錠剤がある。
そのような錠剤は、かなり脆く、とりわけ消費者が床に落としたとき或いはそれら錠剤を含むパッケージが、例えば、商品倉庫またはスーパーマーケット内での保管時に高い棚から落下したときに、破壊、破砕または崩壊する傾向を有する。錠剤の強度を改善するのは、錠剤を圧縮する圧力を増大させることによって可能であるが、この圧力増大は、望ましくないことに、錠剤を使用するときのその溶解を遅延させ得る。
このタイプの製品の開発においては、複雑な要因間の相互作用がほぼ常に存在する。多くの場合、錠剤の硬度ひいてはその耐久性、その脆砕性(friability、即ち、錠剤が如何に容易に砕けまたはほぐれるか)、および溶解時間との間には妥協点が存在する。圧縮粒状組成物の製造においては、成分の選択も制約を受け得る;多過ぎる有機物質の使用は、多くの場合、遅溶解性生成物をもたらし、多量の結晶質成分は添加バインダーを必要とし得る。いずれの場合も、水和水溶性塩類(例えば、酢酸ナトリウム三水和物)のような少なくとも1種の崩壊剤、膨潤剤(例えば、非晶質セルロース)、または固形物中に水引するためのウィッキング剤(例えば、微結晶質セルロース)を通常必要とする。崩壊剤/結合剤または何らかの錠剤化助剤の使用は、錠剤のコストを増大させる。
【0002】
殆どの錠剤は、包装前に、ブリスターパックのような材料中にラッピングされ、或いは個々の小袋としてホイルラッピングされる。多くの場合、ラッピングは、下記の理由のいずれか1以上により必要とする:(1) 物理的バリアーとして機能し、内容物を湿気から保護する;(2) 内容物を物理的に保護して、内容物が破砕した場合に、破壊錠剤が主パッケージを汚染しないようにする;(3) 対小児安全封鎖として機能する。
錠剤の包装は、当該技術において公知である。例えば、米国特許第4,133,431号は、硬質分離材および標識要素によって各錠剤群間および積重ね体の末端を収縮ラッピングした脆い錠剤の積重ね体(stack)を開示している。米国特許第4,928,813号は、少なくとも1個の塩素化合物錠剤を有する錠剤片および該錠剤片の周りに堅固に固着させたシェルを含むカプセルを開示している。上記シェルは、相対末端において2つの開口を有し、各延長部は錠剤片から離れて延びており且つ開口と連結する導管を有して塩素の水中への溶解速度を遅らせている。
DE 10025187号は、非自立性ラッピングによって形成されて外側パッケージ内に入れるホイルバッグ中に充填された錠剤を開示している。上記ラッピングは、収縮密着ホイルのような紙またはプラスチックからなり得、上記ホイルバッグの周りのみを部分的にしか必要としていない。DE 10254313号は、少なくとも1つの空腔を有しその開口をフィルムシーリングしている成形洗剤製品を開示しており、該製品において、上記フィルムは、スリーブまたはカバーとして成形物を囲んでいる。JP 2004 155019 A号は、真空成形または加圧成形に供して包装用シートを形成する硬質クロロエチレン樹脂シートを開示している。
DE 10245260 A1号は、緊密固着性水溶性パッケージング内での洗剤成分の製造を開示している。該製造方法は、1) 水溶性ベースフィルムをコンベヤーチェーンまたはモールド上に塗布する工程、2) 上記成分を上記ベースフィルムに適用する工程、3) フィルムを上部に塗布する工程、4) フィルムを調節して上記成分を囲い込む工程、および5) シーリングし、必要に応じてフィルムを切断する工程を含む。
【0003】
(発明の開示)
本発明者等は、物理的劣化に対する圧縮粒状組成物の抵抗性を驚くほど増大させる圧縮粒状組成物の包装方法を見出した。主要利点の1つは、上記圧縮粒状組成物の、硬度の低下および脆砕性の増大のようなより広範囲の物理的性質を許容し得、それによって成分選択および製造許容性のより広い窓口を提供する。結果として、水中で急速溶解性を有する圧縮粒状組成物を提供する機会が存在する。
本発明は、下記の工程を含むことを特徴とする、圧縮粒状組成物を含むパッケージの製造方法を提供する:a. 圧縮粒状組成物を第1のフィルムでラッピングする工程;b. ラッピングした圧縮粒状組成物を昇温下で処理して、上記フィルムを、上記フィルムが上記組成物に固着するように収縮させる工程。
好ましくは、工程a.は、フローラッピングを使用する。
本発明方法は、圧縮粒状組成物を緊密にラッピングする簡単な方法を提供することを見出した。
押出および射出成形組成物は、圧縮粒状組成物として分類すべきことを理解すべきである。
驚くべきことに、上記ラッピング組成物は、二次パッケージ内に一緒に包装したときでさえも、容易に破砕しまたは細片化することはない。即ち、上記フィルムは、破砕した錠剤を単に一緒に保持するようには機能しない;代りに、上記フィルムは、破砕が生じるのを阻止して、錠剤がその構造的一体性を保持するようにする。このことは、少量のバインダー(圧縮粒状組成物において一般的に使用される)を、これら組成物の一体性に関して妥協することなく使用し得る;および/または、低めの圧縮圧を使用し得ること;および/または、適度のまたは幾分貧弱な固有機械特性を有する圧縮粒状組成物を使用し、上記ラッピングによって保護しおよび/または保持し得る;および/または、急速溶解性製品を製造し得るという効果を有する。
【0004】
好ましくは、上記パッケージは、水に易溶性である。
さらにまた、急速溶解性圧縮粒状組成物を、本発明によれば、低い圧縮圧を使用して製造することができる。例えば、本発明に従って製造した20gの急速溶解性タイプの錠剤は、後述する実施例において説明しているような標準試験撹拌条件下においての40℃の水中で、10分未満で、好ましくは5分未満で溶解し得る。好ましくは、これらの溶解速度は、食器洗浄機錠剤溶解試験において使用するいずれの既知の撹拌方法によっても得ることができる。
別の単純な定義においては、20gの錠剤を1リットルの円筒状ビーカー内の40℃の800mlの水道水に浸漬し、その後、ビーカーを手でおよび/または水中に浸すが錠剤とは接触させない手持式器具で握ることによって撹拌し得る(回転させることを含み得る)が、得られる撹拌は、水をビーカーからこぼさないででき得る最高度合までである。これらの条件下において、本発明の錠剤は、好ましくは10分未満、好ましくは5分未満で溶解する。
一般的に、フローラッピングは、対象物の周りのフィルムのウェブの末端領域をシーリングして縦方向シーム(閉じ目)を有するチューブを形成することを含む。チューブの両端は、包装している製品の周りで横方向シームによってシーリングする。横方向シームを形成するには、縦方向シームを、包装製品の表面に隣接させ、通常上記パッケージングの裏面中央に配置する。
例えば、WO-A-92/16431号は、複合体構造を有するフィルムのウェブを含むチューブ状小袋パックを開示している。上記フィルムの相対末端領域をシーリングして、縦方向シームを有するチューブを形成している。上記チューブは、包装すべき対象物の周りで、2つの並行した横方向シームによってシーリングされている。縱方向フラップシームは、パックの中央に沿って表面とピッタリ重なって配置している。
フィルム材によるこの圧縮粒状組成物のラッピング方法は、例えば浸漬またはスプレーコーティーング法と比較したとき、簡単且つ経済的である。
【0005】
フィルムは、好ましくは、既知の方法で一緒にシーリングする。シーリングは、本発明の方法において使用する形成条件下において、とりわけ、熱および/または圧力を使用したときに単純に起り得る。しかしながら、さらなるシーリング方法を使用することも可能である。例えば、加熱シーリング、或いは赤外線、ラジオ周波数、超音波、レーザー、溶媒、接着剤、振動、電磁、高温ガス、高温プレートまたは挿入結合摩擦シーリング、冷間シーリングまたはスピン溶接法を使用し得る。加熱シーリングが好ましい。
加熱シーリング条件は、使用する装置および材料による。一般に、シーリング温度は、100〜180℃である。圧力は、通常、100〜500 kPa (1〜5バール)である。滞留時間は、一般に、0.02〜0.6秒である。
加熱処理工程(b)は、好ましくは、短時間スケールで実施して、フィルムおよび/または圧縮粒状組成物に対する熱劣化を回避する。この工程において必要とする時間量は、使用するフィルムの厚さに依存することを了承されたい。
一般に、上記加熱処理工程は、0.1〜5秒、より好ましくは0.2〜4秒、より好ましくは0.5〜2秒、より好ましくは1.0〜2.0秒、例えば、約1.5秒の時間で実施する。
最も好ましくは、上記加熱処理工程は、ラッピングした組成物を搬送する領域において実施する。この方法において、上記加熱処理工程は、ラッピングした圧縮粒状組成物の製造方法(該方法は、組成物の圧縮のような他の工程を含む)の1部を構成し得ることが判明した。そのようなプロセスは、一般に、単一操作ラインにおいて、1分当りおよそ1500の個々の圧縮粒状組成物で作動する。有利なことに、本発明の方法は、この処理速度で稼動し得ることが判明した。
一般に、上記領域は、ラッピングした圧縮粒状組成物上の高温空気の流れ(例えば、噴流の形の)を含む。好ましくは、高温空気の複数の噴流をラッピングした組成物上に通す。例えば、空気噴流は上から組成物に向けてもよく、空気噴流は下から組成物に向けてもよく、また、空気噴流は組成物の1以上の側面から向けてもよい。複数の空気噴流をラッピングした組成物に向けるためには、好ましくは、組成物を有孔コンベア上で上記領域に搬送する。
空気噴流の温度は、ラッピングした組成物の性質(とりわけ、組成物が熱感受性である場合)および使用するフィルム、材料に依存すること理解されたい。一般に、空気は、90〜950℃、より好ましくは140〜800℃、より好ましくは180〜650℃の温度に加熱する。
フィルム温度は、空気噴流の温度よりも低くあり得ることを承知されたい。最も好ましくは、フィルム温度は、80〜220℃、より好ましくは120〜180℃である。
【0006】
一般に、フィルムは、加熱工程において存在し得る捕捉空気の放出を可能にする開口を有する。最も好ましくは、フィルム(圧縮粒状組成物に適用したときの)は、複数の開口を有する。好ましくは、開口は、粒状組成物の上部表面上に配置する。通常、開口は、ポンチを使用して適用する。開口は、およそ0.1〜0.3mmの好ましいサイズを有する(加熱処理前)。
冷却工程は、必要条件よりもむしろ任意条件であることが判明した。
当該方法において、フィルムの厚さは、好ましくは10〜2000μm、とりわけ10〜150μm、とりわけ15〜80μmである。これらの測定値は、加熱処理前である;加熱処理後は、ある種のフィルムは、とりわけ隅部の辺りで異なる厚さを有し得る。
望ましくは、フィルムは、水溶性であり、該用語は、水分散性を包含するものとみなす。また、パッケージも、好ましくは水溶性である。水溶性フィルムは、本発明方法の製品を開封することなく水性媒体中に分散させるのを可能にする。
好ましくは、フィルムは、高分子物質を含む。
水溶性ポリマーの例は、PVOH、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)のようなセルロース誘導体、ゼラチン、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アクリル酸)もしくはそのエステル、またはポリ(マレイン酸)もしくはそのエステルである。これらのポリマーのいずれかのコポリマーも使用し得る。
好ましいPVOHの例は、エステル化またはエーテル化PVOHである。PVOHは、部分的または完全にアルコール処理または加水分解し得る。例えば、PVOHは、40〜100%、好ましくは70〜92%、より好ましくは約88%〜約92%アルコール処理または加水分解し得る。加水分解の度合は、PVOHが水に溶解し始める温度に影響することが知られている。88%の加水分解は、冷水(即ち、室温)に可溶性であるPVOHに相応し、また、92%の加水分解は、温水に可溶性であるPVOHに相応する。
適切な水溶性ポリマーを選択することにより、水溶性ポリマーが所望の温度で溶解するのを確実にし得る。即ち、フィルムは、冷水(20℃)可溶性であり得るが、冷水中では不溶性である可能性があり、例えば、30℃、40℃、50℃または60℃でさえの温度を有する温水または高温水中でのみ可溶性となり得る。
【0007】
望ましくは、フィルムは、ポリマー組成物から本質的になるかまたはポリマー組成物からなる。可塑剤、潤滑剤および着色剤のような適切な添加剤を添加することも可能である。とりわけ魅力的な外観は、異なる色の複数のフィルムを有することによって或いは着色していないフィルムと他の着色フィルムを有することによって得ることができる。また、ポリマーの諸性質を改変する成分も添加し得る。可塑剤は、一般に、20質量%までの量、例えば、5〜20質量%または10〜20質量%で使用する。潤滑剤は、一般に、0.5〜5質量%の量で使用する。従って、ポリマーは、成形用組成物の総量基準で75〜94.5質量%の量で使用する。適切な可塑剤は、例えば、水、デペンタエリスリトールのようなペンタエリスリトール類;ソルビトール;マンニトール;グリセリン;グリセロール、エチレングリコールおよびプロピレングリコールのようなグリコール類である。タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、二酸化ケイ素、ステアリン酸亜鉛またはコロイド状シリカのような固形物を、潤滑剤として使用し得る。
また、1種以上の粒状固形物をフィルム中に含ませてフィルムの溶解速度を促進させることも可能である。水中での上記固形物の溶解は、とりわけガスが発生する場合に、フィルムの崩壊促進を生じさせるのに十分である。
そのような固形物の例は、酸と組合せたナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムのようなアルカリおよびアルカリ土類金属の重炭酸塩および炭酸塩である。適切な酸は、例えば、カルボン酸またはスルホン酸基を有する酸性物質またはその塩類である。例としては、遊離酸またはその、例えば、アルカリもしくはアルカリ土類金属の塩としての桂皮酸、酒石酸、マンデル酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、パルモイン酸、クエン酸およびナフタレンジスルホン酸である。
【0008】
フィルムは、単一フィルム、またはGB-A-2,244,258号に開示されているような積層型フィルムであり得る。フィルムラミネート中の各層は、同一または異なるものであり得る。即ち、それらの層は、各々、同じポリマーまたは異なるポリマーを含み得る。
フィルムは、任意の方法により、例えば、押出および吹込みによりまたは注型により製造し得る。フィルムは、非配向性、一軸配向性または二軸配向性であり得る。フィルム中の各層を配向させる場合、各層は同じ配向を通常有するが、その配向面は、所望であれば、異なっていてもよい。
本発明の方法は、圧縮粒状組成物の錠剤をフィルム中に被覆またはラッピングする。錠剤は、既に公知であるタイプの通常の錠剤である。この場合も出願人はこの理論によって拘束されるものではないが、上記錠剤の強度増大は、外側ポリマーフィルムと錠剤表面の相互作用および/または外側フィルムによる錠剤の圧縮に由来するものと想定している。
上記圧縮粒状組成物は、粒状組成物を圧縮することによって形成させる。粒子は、必要に応じて、これら粒子を圧縮する前に、例えば、凝集化および/または造粒によって処理し得る。圧縮前の組成物は、例えば、100〜2000μm、好ましくは200〜1200μmの平均粒度を有し得る。
上記圧縮粒状組成物は、洗濯用錠剤においては、例えば、4.9〜98MPa (50〜1000kg/cm2)、好ましくは5.9〜29.4MPa (60〜300kg/cm2)、食器洗浄用錠剤においては、4.9〜98MPa (50〜1000kg/cm2)、より好ましくは9.8〜68.6MPa (100〜700kg/cm2)の圧縮圧で圧縮し得る。良好な固有機械特性を有する食器洗浄用錠剤においては、好ましい範囲は、39.2〜98MPa (400〜1000kg/cm2)、より好ましくは49〜68.6MPa (500〜700kg/cm2)であり得る。より貧弱な固有機械特性および/またはとりわけ急速溶解特性を有する食器洗浄用錠剤においては、好ましい範囲は、14.7〜39.2MPa(150〜400kg/cm2)、好ましくは15.7〜34.3MPa (160〜350kg/cm2)、最も好ましくは16.7〜29.4MPa (170〜300kg/cm2)であり得る。これらの定義は、錠剤の製造において使用される特定の錠剤プレスについて設定されている公称圧縮力を示す。規約は、使用中のいずれの与えられたプレスにおいても、公称圧縮力が上記の1以上の範囲内でなければならないことである。
【0009】
適切には、パッケージの上記圧縮粒状組成物の部分、即ち、未ラッピングコアは、高度に脆砕性である。好ましくは、パッケージは脆砕性ではない。
実施例において追試している試験のような標準試験を脆砕性について利用し得る。本発明のこの局面によれば、“非脆砕性”と“高度に脆砕性”との差異は、極めて著しい(さらなる定義が必要であるとは考えられない後の実施例において示しているように)。
好ましくは、本発明のパッケージの上記圧縮粒状組成物部分は、通常の圧縮粒状組成物よりも軟質である。後者は、230〜260Nの範囲内の硬度値を典型的に有する。好ましくは、本発明のパッケージの圧縮粒状組成物部分は、200Nを越えない、好ましくは150Nを越えない硬度値を有する。好ましくは、本発明のパッケージの圧縮粒状組成物部分は、少なくとも80N、好ましくは少なくとも100Nの硬度値を有する。これらの定義目的においては、硬度試験は、ERWEKA錠剤硬度試験機THB30を使用して、標準成形直方20g未ラッピング錠剤の幅全体に亘るようにして測定し、破壊するまで試験する。この試験機においては、錠剤を、試験機の上方突出リムに対して、概してL型の支持体上にセットする。8mm直径の円形ピストンを分当り30mmの速度で前進させ、錠剤が破壊するまで、それぞれの側壁の中心領域上にプレスする。
また、本明細書における硬度定義は、これらの定義が食器洗浄用錠剤を試験するのに使用する全ての硬度試験装置/試験片によって満たされなければならないようであるとみなし得る。
【0010】
好ましくは、本発明のパッケージの上記圧縮粒状組成物部分は、印加応力の不存在下ではその形状を維持し得るが、印加応力によって急速に分解する。剪断応力は、上記部分を容易に細片化し、崩壊させ得る。圧縮応力は、上記部分を容易に破砕せしめ得る。しかしながら、熱収縮水溶性ラップ材の付与は、これらの欠点を排除し、清浄な取扱いを可能にし、急速溶解の主要利点の活用を可能にする。
圧縮組成物は、任意の形状または形態を有し得る。圧縮組成物は、最も望ましくは、錠剤の形である。圧縮組成物は、例えば、直方体、円筒体またはプリズムの形であり得る。また、圧縮組成物は、単独の粒状組成物または、2種、3種またはそれ以上の組成物を含み得る。例えば、圧縮粒状組成物は、二層、三層またはそれ以上の層を含み得る。
上記パッケージは、1または2以上の圧縮粒状組成物を含み得る。上記パッケージは、2以上の組成物を含む場合、同一または異なり得る各組成物を互いに対して固定位置で保持し得るので、とりわけ魅力的な外観を有し得る。各組成物は、容易に識別されてそれらの相違を強調し得る。例えば、各組成物は、種々の物理的外観を有し得、或いは種々に着色し得る。
上記パッケージは、任意の所望の形状を有し得る。パッケージの外側形状は、包装した組成物の形状に従う。例えば、上記パッケージは、立方体、直方体、ピラミッド、12面体、または円筒体のような不規則または規則幾何学形状を有し得る。円筒体は、任意の所望断面、例えば、円形、三角形または矩形断面を有し得る。
上記組成物が2以上の相を有する場合、個々の相は、必ずしも一定または同一である必要はない。例えば、最終組成物が直方体形状を有する場合、個々の相は、種々のサイズを有して種々の量の組成物に適合し得る。
【0011】
また、上記粒状組成物は、例えば、挿入物も含み得、この挿入物は、圧縮物内の凹部中に保持し得る。また、挿入物は、圧縮物の上に存在し得る。例えば、上記圧縮粒状組成物は、1層、2層またはそれ以上の層と、例えば、モールド内のボール形状の挿入物とを含む錠剤、とりわけ直方体錠剤の形であり得る。そのような錠剤の例は、Reckitt Benckiser社から商品名 Finishとして市販されている錠剤である。
上記パッケージ内、または上記パッケージ内に保持された組成物中の各相内に保持し得る組成物(1以上)は、個々に、衣類仕上げ、表面仕上げまたは食器洗浄用組成物であり得る。即ち、例えば、上記組成物は、食器洗浄用、軟水化用、洗濯用または洗剤組成物、またはすすぎ助剤であり得る。そのような組成物は、家庭用洗浄装置において使用するのに適する。また、上記組成物は、個々に、殺菌剤、抗菌剤または消毒剤組成物、またはトリガータイプスプレー用の詰め替え組成物であり得る。そのような組成物は、一般に、5〜100g、とりわけ5〜40gの総量で包装する。例えば、洗濯用組成物は15〜40gの質量であり、食器洗浄用組成物は5〜30gの質量であり、軟水化用組成物は15〜40gの質量である。
上記各相は、同じまたは異なるサイズおよび/または形状を有し得る。一般に、異なる量の成分を含有する複数の相を有することを欲する場合、各相は、1:1〜20:1、とりわけ1:1〜10:1の容量比を有する。
本発明の方法により製造したパッケージは、必要に応じて、存在し得るフランジを除いて10cmの最大寸法を有し得る。例えば、容器は、1〜5cm、とりわけ3.5〜4.5cmの長さ、1.5〜3.5cm、とりわけ2〜3cmの幅、および1〜3cm、とりわけ1.0〜2.0cm、例えば、1.8cmの高さを有し得る。
【0012】
1以上の組成物が存在する場合、これらの組成物は、物品の所望使用に応じて適切に選択し得る。
物品を洗濯において使用する場合、主組成物は、例えば、洗剤を含み得、副組成物は、漂白剤、しみ抜き剤、軟水化剤、酵素または衣類コンディショナーを含み得る。物品は、各組成物を洗濯中の種々の時間で放出するように適応させる。例えば、漂白剤または衣類コンディショナーは、一般に、洗濯終了時に放出され、軟水化剤は、一般に、洗濯開始時に放出される。酵素は、洗濯の開始時または終了時に放出し得る。
物品を衣類コンディショナーにおいて使用する場合、主組成物は衣類コンディショナーを含み得、副成分は、すすぎサイクル中の衣類コンディショナーの前または後に放出させる酵素を含み得る。
物品を食器洗浄において使用する場合、主組成物は洗剤を含み得、副組成物は、軟水化剤、塩、酵素、すすぎ助剤、漂白剤または漂白活性化剤を含み得る。物品は、各組成物を洗浄中の種々の時点で放出する。例えば、すすぎ助剤、漂白剤または漂白活性化剤は、一般に、洗浄終了時に放出させ、軟水化剤、塩または酵素は、一般に、洗浄開始時に放出させる。
表面仕上げ組成物の例は、表面仕上げ分野において使用する、例えば、表面を清浄化し、処理しまたは研磨するための組成物である。適切な表面は、例えば、調理台のような家事表面、並びに流し台、洗面器およびトイレのような衛生器具の表面である。
【0013】
各組成物の成分は、組成物の用途に依存する。即ち、例えば、上記組成物は、アニオン系、非イオン系、カチオン系、両性もしくは双性イオン系の界面活性剤、またはこれらの混合物のような界面活性剤を含有し得る。
アニオン系界面活性剤の例は、直鎖または枝分れアルキルスルフェート類およびアルキルエーテルスルフェートとしても知られているアルキルポリアルコキシル化スルフェート類である。そのような界面活性剤は、高級C8〜C20脂肪族アルコール類の硫酸化によって製造し得る。
第一級アルキルスルフェート界面活性剤の例は、下記の式の界面活性剤である:
ROSO3-M+
上記式中、Rは、線状C8〜C20ヒドロカルビル基であり;Mは、水溶性カチオンである。好ましくは、Rは、C10〜C16アルキル、例えば、C12〜C14であり、Mは、リチウム、ナトリウムまたはカリウムのようなアルカリ金属である。
第二級アルキルスルフェート界面活性剤の例は、分子の“主鎖”上にスルフェート成分を有する界面活性剤、例えば、下記の式の界面活性剤である:
CH2(CH2)n(CHOSO3-M+)(CH2)mCH3
上記式中、mおよびnは、個々に、2以上であり、m+nの和は、典型的に6〜20、例えば、9〜15であり;Mは、リチウム、ナトリウムまたはカリウムのような水溶性カチオンである。
【0014】
とりわけ好ましい第二級アルキルスルフェートは、2-スルフェートおよび3-スルフェートのそれぞれにおいて下記の式を有する(2,3) アルキルスルフェート界面活性剤である:
CH2(CH2)x(CHOSO3-M+)CH3 およびCH3(CH2)x(CHOSO3-M+)CH2CH3
これらの式においては、xは、少なくとも4、例えば、6〜20、好ましくは10〜16である。Mは、アルカリ金属、例えば、リチウム、ナトリウムまたはカリウムのようなカチオンである。
アルコキシル化アルキルスルフェートの例は、下記の式のエトキシル化アルキルスルフェート類である:
RO(C2H4O)nSO3-M+
上記式中、Rは、C8〜C20、好ましくはC12〜C16のようなC10〜C18のアルキル基であり;nは、少なくとも1、例えば、1〜20、好ましくは1〜15、とりわけ1〜6であり;Mは、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキルアンモニウムまたはアルカノールアンモニウムのような塩形成性カチオンである。これらの化合物は、アルキルスルフェート類と組合せて使用したときに、とりわけ望ましい衣類クリーニング性能を与え得る。
使用し得る他のアニオン系界面活性剤は、脂肪酸、例えば、C8〜C18脂肪酸の塩類、とりわけナトリウムまたはカリウム塩、およびアルキル、例えば、C8〜C18ベンゼンスルホネート類である。
アルキルスルフェートおよびアルキルエーテルスルフェート類は、一般に、種々のアルキル鎖長および、存在する場合の、種々のアルコキシル化度を含む混合物の形で使用する。
【0015】
非イオン系界面活性剤の例は、脂肪酸アルコキシレート類、例えば、脂肪酸エトキシレート類、とりわけ下記の式の脂肪酸アルコキシレートである:
R(C2H4O)nOH
上記式中、Rは、直鎖または枝分れC8〜C16アルキル基、好ましくはC9〜C15、例えば、C10〜C14アルキル基であり;nは、少なくとも1、例えば、1〜16、好ましくは2〜12、より好ましくは3〜10である。
上記アルコキシル化脂肪族アルコール非イオン系界面活性剤は、多くの場合、3〜17、より好ましくは6〜15、最も好ましくは10〜15の範囲にある親水性・親油性バランス(HLB)を有する。
脂肪族アルコールエトキシレートの例は、12〜15個の炭素原子を有するアルコール類から製造し且つ約7モルのエチレンオキサイドを含有するエトキシレートである。そのような物質は、Shell Chemical Company社から商品名 Neodol 25-7およびNeodol 23-6.5として商業的に販売されている。他の有用なNeodol類としては、Neodol 1-5、即ち、そのアルキル鎖中に平均11個の炭素原子を有し、約5モルのエチレンオキサイドを含むエトキシル化脂肪族アルコール;Neodol 23-9、即ち、約9モルのエチレンオキサイドを有するエトキシル化第一級C12〜C13アルコール;および、Neodol 91-10、即ち、約10モルのエチレンオキサイドを有するエトキシル化C9〜C11第一級アルコールがある。
このタイプのアルコールエトキシレート類も、Shell Chemical Company社からDobanolの商品名で販売されている。Dobanol 91-5は、平均で5モルのエチレンオキサイドを有するエトキシル化C9〜C11脂肪族アルコールであり;Dobanol 25-7は、脂肪族アルコール1モル当り平均で7モルのエチレンオキサイドを有するエトキシル化C12〜C15脂肪族アルコールである。
【0016】
適切なエトキシル化アルコール非イオン系界面活性剤の他の例としては、Tergitol 15-S-7およびTergitol 15-S-9があり、両者は、Union Carbide Corporation社から入手し得る線状第二級アルコールエトキシレート類である。Tergitol 15-S-7は、7モルのエチレンオキサイドを有するC11〜C15線状第二級アルカノールの混合エトキシル化生成物であり;Tergitol 15-S-9は、同じであるが、9モルのエチレンオキサイドを有する。
他の適切なアルコールエトキシル化非イオン系界面活性剤は、Neodol 45-11であり、これは、14〜15個の炭素原子を有する脂肪族アルコールの同様なエチレンオキサイド縮合生成物であり、モル当りのエチレンオキサイド基の数は約11である。そのような生成物も、Shell Chemical Conpany社から入手し得る。
さらなる非イオン系界面活性剤は、例えば、C12〜C16アルキルポリグリコシドのようなC10〜C18アルキルポリグリコシド類、とりわけポリグルコシド類である。これらは、高発泡性組成物を欲する場合にとりわけ有用である。さらなる界面活性剤は、C10〜C18 N-(3-メトキシプロピル)グリカミドのようなポリヒドロキシ脂肪酸アミド類、およびPluronicタイプのエチレンオキサイド-プロピレンオキサイドブロックコポリマーである。
カチオン系界面活性剤の例は、第四級アンモニウムタイプの界面活性剤である。
【0017】
また、上記組成物は、とりわけ洗濯用または食器洗浄用組成物として使用する場合、個々に、プロテアーゼ、リパ−ゼ、アミラーゼ、セルラーゼおよびペルオキシダーゼ酵素のような酵素類も含み得る。そのような酵素類は、商業的に入手可能であり、例えば、Nova Industries A/S社からの登録商標 Esperase、AlcalaseおよびSavinaseとして、International Biosynthetics社からのMaxataseとして市販されている。望ましくは、酵素類は、純粋でない市販調製物として添加する場合、組成物中に0.01〜3質量%、とりわけ0.01〜2質量%の量で存在し、この量は、純粋酵素の等価の量 0.005〜0.5質量%を表す。
食器洗浄において使用する組成物は、個々に、洗浄用ビルダーを通常含む。ビルダー類は、カルシウムまたは他のイオンの効果、水硬度に反作用する。そのような物質の例は、例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属カチオンとのクエン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、カルボキシルメチルコハク酸塩、カルボン酸塩、ポリカルボン酸塩およびポリアセチルカルボン酸塩、または相応する遊離酸である。特定の例は、オキシジコハク酸、メリット酸、ベンゼンポリカルボン酸、C10〜C22脂肪酸およびクエン酸のナトリウム、カリウムおよびリチウム塩である。他の例は、Monsanto社から商品名 Dequestとして販売されているものおよびアルキルヒドロキシホスホネート類のような有機ホスホネートタイプの金属イオン封鎖剤である。クエン酸塩およびC12〜C18脂肪酸石鹸が好ましい。さらなるビルダーは、モノ-、ジ-またはトリ-ポリまたはオリゴリン酸のナトリウム、カリウムまたはアンモニウム塩のようなリン酸塩;ゼオライト類;ナトリウム、カリウムまたはアンモニウム塩のような非晶質または構造型のケイ酸塩類である。
他の適切なビルダー類は、ビルダー特性を有することが知られているポリマーおよびコポリマー類である。例えば、そのような物質としては、適切なポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリアクリル酸/ポリマレイン酸およびコポリマー類、並びにBASF社から商品名 Sokalanとして販売されているもののようなそれらの塩類がある。ビルダーは、望ましくは、組成物の総質量に対して、90質量%まで、好ましくは0.01〜90質量%、より好ましくは0.01〜75質量%の量で存在する。適切な成分のさらなる詳細は、例えば、EP-A-694,059号、EP-A-518,720号およびWO 99/06522号に示されている。
【0018】
また、上記組成物は、必要に応じて、1種以上のさらなる成分も含み得る。これらの成分としては、さらなる界面活性剤、漂白剤、漂白増強剤、ビルダー類、発泡増進剤または発泡抑制剤、気化性さび止め剤および腐蝕防止剤、有機溶媒、共溶媒、相安定剤、乳化剤、防腐剤、土壌懸濁剤、土壌放出剤、殺菌剤、pH調整剤または緩衝液、非ビルダーアルカリ性源、キレート化剤、スメクタイトクレーのようなクレー類、酵素安定剤、石灰スケール防止剤、着色剤、染料、ヒドロトロープ類、染料転移抑制剤、増白剤および香料類のような通常の洗浄剤組成物成分がある。使用する場合、そのような任意構成成分は、組成物の総質量の60質量%まで、例えば、1〜50質量%を構成し得る。
酵素を含む組成物は、必要に応じて、酵素の安定性を維持する物質を含有し得る。そのような酵素安定剤としては、例えば、プロピレングリコールのようなポリオール類、ホウ酸およびホウ砂がある。これらの酵素安定剤の組合せも使用し得る。使用する場合、酵素安定剤は、一般に、上記組成物の0.01〜2質量%を構成する。
上記組成物は、必要に応じて、相安定剤および/または共溶媒として作用する物質を含み得る。例は、メタノール、エタノールおよびプロパノールのようなC1〜C3アルコール類である。モノ-、ジ-およびトリエタノールアミンのようなC1〜C3アルカノールアミン類も、それ自体または上記アルコール類と組合せて使用し得る。相安定剤および/または共溶媒は、例えば、上記組成物の0〜1質量%、好ましくは0.1〜0.5質量%を構成し得る。
上記組成物は、必要に応じて、上記組成物のpHを最適レベルに調整または維持する成分を含み得る。pHは、組成物の性質に応じ、例えば、8〜11のような1〜13であり得る。例えば、食器洗浄用組成物は、望ましくは8〜11のpHを有し、洗濯用組成物は、望ましくは、7〜9のpHを有し、軟水化用組成物は、望ましくは、7〜9のpHを有する。pH調整剤の例は、ソーダ灰(Na2CO3)およびクエン酸である。
上記の例は、食器または衣類洗浄において使用し得る。とりわけ、食器洗浄用調合物が好ましく、自動食器洗浄装置において使用するように適応させる。その特異的な条件により、特殊化した調合物を必要とし、これらの条件は、下記で例示する。
【0019】
各成分の量は、広範囲で変動し得るが、本発明における好ましい自動食器洗浄用洗剤組成物(典型的には、7よりも高い、より好ましくは8〜12、最も好ましくは8〜10.5の1%水溶液pHを有する)は、次の成分が存在する組成物である:5%〜90%、好ましくは5%〜75%のビルダー;0.1%〜40%、好ましくは0.5%〜30%の漂白剤;0.1%〜15%、好ましくは0.2%〜10%の界面活性剤系;0.0001%〜1%、好ましくは0.001%〜0.05%の金属含有漂白触媒;および、0.1%〜40%、好ましくは0.1%〜20%の水溶性ケイ酸塩。そのような完全配合の実施態様は、典型的には、0.1%〜15%の高分子分散剤、0.01〜10%のキレート化剤、および0.00001%〜10%の清浄化用酵素をさらに含むが、さらなる追加または補助成分も存在し得る。粒状形の本発明における洗剤組成物は、典型的には、より良好な貯蔵安定性のために、水分含有量を、例えば、7%未満の遊離水に抑える。
本発明のADW (自動食器洗浄用)組成物において有用な非イオン系界面活性剤は、望ましくは、組成物の15%までの量の界面活性剤(1種以上)を含む。一般に、漂白剤安定性界面活性剤が好ましい。非イオン系界面活性剤は、一般に周知であり、本明細書に参考として合体させる Kirk Othmer's Encyclopedia of Chemical Technology, 3rd Ed., Vol. 22, pp. 360-379, "Surfactants and Detersive Systems"においてより詳細に説明されている。
好ましくは、ADW組成物は、少なくとも1種の非イオン系界面活性剤を含む。非イオン物の1つの群は、6〜20個の炭素原子を有するモノヒドロキシアルカノールまたはアルキルフェノールをアルコールまたはアルキルフェノールの1モル当り好ましくは少なくとも12モル、とりわけ好ましくは少なくとも16モル、さらにより好ましくは少なくとも20モルのエチレンオキサイドと反応させることによって製造したエトキシル化非イオン系界面活性剤である。
とりわけ好ましい非イオン系界面活性剤は、16〜20個の炭素原子を有する直鎖脂肪族アルコールおよびアルコール1モル当り少なくとも12モル、とりわけ好ましくは少なくとも16モル、さらにより好ましくは少なくとも20モルのエチレンオキサイドからの非イオン物である。
【0020】
1つの好ましい実施態様によれば、非イオン系界面活性剤は、分子中にプロピレンオキサイド単位をさらに含む。好ましくは、このPO単位は、非イオン系界面活性剤の分子量全体の25質量%まで、好ましくは20質量%まで、さらにより好ましくは15質量%までを構成する。とりわけ好ましい界面活性剤は、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー単位をさらに含むエトキシル化モノヒドロキシアルカノールまたはアルキルフェノール類である。そのような界面活性剤のアルコールまたはアルキルフェノール成分は、該非イオン系界面活性剤の分子量全体の30質量%よりも多く、好ましくは50質量%よりも多く、より好ましくは70質量%よりも多くを構成する。
もう1つの群の非イオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのリバースブロックコポリマー、およびトリメチロールプロパンによって開始させたポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロックコポリマーがある。
もう1つの好ましい非イオン系界面活性剤は、下記の式によって説明し得る:
R1O[CH2CH(CH3)O]X[CH2CH2O]Y[CH2CH(OH)R2]
上記式中、R1は、4〜18個の炭素原子を有する線状または枝分れ鎖の脂肪族炭化水素基またはこれらの混合物を示し;R2は、2〜26個の炭素原子を有する線状または枝分れ鎖の脂肪族炭化水素残基またはこれらの混合物を示し;xは、0.5〜1.5の値であり;yは、少なくとも15の値である。
【0021】
もう1つの群の好ましい非イオン系界面活性剤は、下記の式のエンドキャップポリオキシアルキル化非イオン物である:
R1O[CH2CH(R3)O]X[CH2]kCH(OH)[CH2]jOR2
上記式中、R1およびR2は、1〜30個の炭素原子を有する線状もしくは枝分れ鎖の飽和もしくは不飽和脂肪族または芳香族炭化水素基を示し;R3は、水素原子、またはメチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、2-ブチルもしくは2-メチル-2-ブチル基を示し;xは、1〜30の値であり;kおよびjは、1〜12、好ましくは1〜5の値である。Xの値が>2である場合、上記式中のR3の各々は異なり得る。R1およびR2は、好ましくは、6〜22個の炭素原子を有する線状もしくは枝分れ鎖の飽和もしくは不飽和脂肪族または芳香族炭化水素基であり、8〜18個の炭素原子を有する基がとりわけ好ましい。H、メチルまたはエチルが、基R3においてとりわけ好ましい。xにおけるとりわけ好ましい値は、1〜20、好ましくは6〜15からなる。
上記で説明したように、x>2の場合、上記式中の各R3は異なり得る。例えば、x=3の場合、基R3は、単一順序毎に使用し得るエチレンオキサイド(R3=H)またはプロピレンオキサイド(R3=メチル)、例えば、(PO)(EO)(EO)、(EO)(PO)(EO)、(EO)(EO)(PO)、(EO)(EO)(EO)、(PO)(EO)(PO)、(PO)(PO)(EO)および(PO)(PO)(PO)を構築するように選択し得る。Xにおける上記の値3は、単なる例であり、より大きな値を選択し、それによって(EO)または(PO)単位のより大きい数変化を生じさせ得るであろう。
とりわけ好ましい上記式のエンドキャップポリオキシアルキル化アルコールは、下記の簡略化した式のk=1およびj=1由来の分子であるアルコール類である:
R1O[CH2CH(R3)O]XCH2CH(OH)CH2OR2
種々の非イオン系界面活性剤の混合物、例えば、アルコキシル化アルコール類とヒドロキシ基含有アルコキシル化アルコール類の混合物の使用は、ADW調合物においてとりわけ好ましい。
【0022】
上記パッケージは、それ自体を、必要に応じて、外側容器、例えば、上記水溶性パッケージを使用する前に取除く非水溶性容器中に包装し得る。
使用に当っては、1個以上のパッケージを単純に水に加え、水中で外側が溶解する。即ち、上記パッケージは、通常の方法で、食器洗浄器または洗濯機内、とりわけ食器洗浄コンパートメントまたはドラム内に加え得る。また、上記パッケージは、例えばバケツまたはトリガータイプスプレー内の一定量の水に加えてもよい。
本発明の第2の局面によれば、圧縮粒状の物品洗浄用、好ましくは食器洗浄用組成物の周りに熱収縮フィルムを有する上述したようなパッケージを提供する。
本発明の第3の局面によれば、軽度に圧縮した粒状の物品洗浄用、好ましくは食器洗浄用組成物の周りに熱収縮フィルムを有する上述したようなパッケージを提供する。
本発明の第4の局面によれば、水溶性包装材中にラッピングされた圧縮粒状組成物を含み、該圧縮粒状組成物が14.7〜39.2MPa(150〜400kg/cm2)範囲の圧縮圧で圧縮されているパッケージを提供する。
本発明の第5の局面によれば、水溶性包装材中にラッピングされた圧縮粒状組成物を含むパッケージを提供し、該パッケージは脆砕性ではないが上記圧縮粒状組成物自体は高度に脆砕性であることを特徴とする。
本発明の第6の局面によれば、37mm×27mm×14mm寸法の20g直方体圧縮粒状組成物の幅全体に亘って測定したとき、200Nを越えない硬度を有する圧縮粒状組成物を含むパッケージを提供する。幅全体に亘ってとは、圧縮力を、サイズ37mm×14mmを有する側面に加えることを意味する。
好ましくは、第2、第3、第4、第5または第6局面のいずれのパッケージも、第1の局面の方法によって製造する。
本発明の好ましいパッケージは、第3、第4、第5または第5の局面のいずれか1以上と関連しての第2の局面において明記した条件;或いは、本明細書において示した本発明のいずれかの局面の好ましい製品または方法のあらゆる他の定義を満たす。
【0023】
(実施例)
以下、本発明を、実施例によってさらに説明する。本発明のこの実施例においては、28μm厚PVOHフィルムを、界面活性剤、ビルダー、酵素および補助剤類(全て典型的なADW原材料)を含む圧縮粒状食器洗浄用錠剤上に、フローラッピングし、加熱収縮させた。錠剤は、標準の回転錠剤プレス内で、22.6MPa (230kg/cm2)の圧縮力で圧縮した。
得られた裸またはラッピングした錠剤を、硬度、脆砕性および溶解時間について、相応する重度圧縮裸錠剤(圧縮力 68.6MPa (700kg/cm2)と比較して評価した。
結果を、下記の表1に示す。























表1

【0024】
硬度試験は、ERWEKA錠剤硬度試験機THB 30を使用した。サイズ37mm×27mm×14mmの標準成形直方体20g錠剤を、ERWEKA錠剤硬度試験機THB 30を使用して、錠剤の幅全体に亘って破壊するまで試験した。この試験機を使用して、錠剤を、上方に突出したリムに対して概してL型の支持体上にセットした。8mm直径の円形ピストンを分当り30mmの速度で前進させ、それぞれの側壁の中心領域(即ち、サイズ37mm×14mmの各側面の中心領域)を、錠剤が破壊されるまでプレスした。
崩壊性試験は、崩壊性試験機ERWEKA 2T 54を使用し、分当り68ストロークで作動させた。800mlの40℃の水道水を含む1リットルビーカーを使用した。ビーカーを、その温度を維持する水浴中に入れた。3個の錠剤を3区分バスケット内に入れた。バスケットを水中に入れ、試験機を始動させて撹拌を起し、ストップウオッチを始動させた。バスケットが空になる時間を記録した。
脆砕性は、Vankel Friabilator装置、モデル No. 45-2100および0.01gに精確な分析均衡を使用して測定した。錠剤を、30サイクルにセットした上記フライアビレイタードラム内に入れた。各停止時点で、錠剤を再秤量した。パーセント損減は、下記のようにして算出する:
(初期質量−最終質量)/初期質量×100
低圧縮力により圧縮したラッピングしていない錠剤は、良好な溶解特性を有するが適度の機械特性を有することが理解できる。これらの錠剤は、低硬度を有する;これらの錠剤は、高脆砕性である;これらの錠剤は、粒状物を容易に放出し、例えば取扱い中の低い印加応力においてさえも容易に崩壊し得る傾向を有する。これらの欠点は、上記熱収縮ラッピングによってはるかに改良されている;一方、優れた溶解特性は、影響を受けていない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の工程を含むことを特徴とする、圧縮粒状組成物を含むパッケージの製造方法:
a. 圧縮粒状組成物を第1のフィルムでラッピングする工程;
b. ラッピングした圧縮粒状組成物を昇温下で処理して、前記フィルムを、前記フィルムが前記組成物に固着するように圧縮する工程。
【請求項2】
工程aが、前記圧縮粒状組成物を前記第1のフィルムでフローラッピングする工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記熱処理工程(b)を、0.1〜5秒、より好ましくは0.2〜4秒、より好ましくは0.5〜2秒、より好ましくは1.0〜2.0秒、例えば、約1.5秒の時間で実施する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記熱処理工程(b)を、昇温下で空気流を使用して実施する、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記空気を、90〜950℃、より好ましくは140〜800℃、より好ましくは180〜650℃の温度に加熱する、請求項4記載の方法。
【請求項6】
工程(b)において、前記フィルム温度が、80〜220℃、より好ましくは120〜180℃である、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記フィルムが、前記加熱工程中の存在し得る捕捉空気の放出を可能にする開口を有する、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記フィルムの厚さが、10〜2000μmである、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記フィルムが、水溶性である、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記フィルムが、PVOHを含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記圧縮粒状組成物が、衣類仕上げ、表面仕上げまたは食器洗浄用組成物である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
圧縮した粒状の物品洗浄用組成物の周りに熱収縮水溶性フィルムを含む、パッケージ。
【請求項13】
軽度に圧縮した粒状の食器洗浄用組成物の周りに熱収縮水溶性フィルムを含む、パッケージ。
【請求項14】
水溶性包装材内にラッピングされた圧縮粒状組成物を含み、該圧縮粒状組成物が、14.7〜39.2MPa(150〜400kg/cm2)範囲の圧縮圧で圧縮されている、パッケージ。
【請求項15】
水溶性包装紙中でラッピングされた圧縮粒状組成物を含むパッケージであって、該パッケージは非脆砕性であるが、前記圧縮粒状組成物自体は高脆砕性であることを特徴とするパッケージ。
【請求項16】
水溶性包装材内にラッピングされた圧縮粒状組成物を含むパッケージであって、該パッケージは水中で急速溶解性であり、急速溶解性が、20gのパッケージが、40℃である水中で、水撹拌条件下に、10分未満、好ましくは5分未満で溶解することを意味することを特徴とするパッケージ。
【請求項17】
水溶性包装紙材内にラッピングされた圧縮粒状組成物を含み、該圧縮粒状組成物が、200Nを越えない硬度を有する、パッケージ。

【公表番号】特表2008−532860(P2008−532860A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500273(P2008−500273)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【国際出願番号】PCT/GB2006/000865
【国際公開番号】WO2006/095190
【国際公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(506429673)レキット ベンキサー ナムローゼ フェンノートシャップ (36)
【Fターム(参考)】