組立て式循環移送コンベア
【課題】 構成が簡単で、重さが軽く、組み立てに必要な連結手段を押し出し成型によって一体に形成し、組み立てや分解を割安な費用によって能率良く行うことができる組立て式循環移送コンベアの提供。
【解決手段】 幅方向の両側側面にアリ溝結合部を長さ方向全体に備え、底面の下側に連結板結合部を形成されたチェーンレール部ユニットと、該ユニットと連結される側面にアリ溝嵌合部を備え、底面の下側に同じ構成の連結板結合部を形成されたカウンターテーブルユニットを、それぞれアルミまたはその合金の一体成型によって形成するとともに、その一体成型品を設定された長さや形状に切断して使用し、脚部上端に取り付けられたユニット連結板の両端を両ユニットに保持させた状態で、その中間部を長さ方向と幅方向に連結された4つのユニット集合部の底面にそれぞれ連結させるようにしたもの。
【解決手段】 幅方向の両側側面にアリ溝結合部を長さ方向全体に備え、底面の下側に連結板結合部を形成されたチェーンレール部ユニットと、該ユニットと連結される側面にアリ溝嵌合部を備え、底面の下側に同じ構成の連結板結合部を形成されたカウンターテーブルユニットを、それぞれアルミまたはその合金の一体成型によって形成するとともに、その一体成型品を設定された長さや形状に切断して使用し、脚部上端に取り付けられたユニット連結板の両端を両ユニットに保持させた状態で、その中間部を長さ方向と幅方向に連結された4つのユニット集合部の底面にそれぞれ連結させるようにしたもの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トッププレートを循環移送する無端のチェーンコンベヤを備えたチェーンレール部ユニットと、該ユニットの客席側の水平方向に連結されるカウンターテーブルユニットと、これらのチェーンレール部ユニットとカウンターテーブルユニットの底面側を保持する脚部とからなり、トッププレートにより搬送されてきた各種飲食物、例えば、寿司、果物、野菜調理品や飲物類などの中からお客様が自分の飲食したい品物をカウンターテーブル側に取り出して飲食できるようにし、あるいは加工作業等に使用する組立て式循環移送コンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の組立て式循環移送コンベアでは、チェーンコンベヤユニットは、底壁の内側部分を機台部ユニットの上面側にネジ止めされるとともに、底壁の客席側寄りの部分を支柱部材上端の水平方向に配設される梁部材の上面に保持されている。また、前記チェーンコンベヤユニットより下側で長手方向に配設されるカウンターテーブルは、支柱部材の外側表面に重ねられる取付け枠と下部装飾板の部分に取り付けられる横向きのJ字形のカウンターテーブル支持具の上面にネジ止めされるとともに、カウンターテーブルユニットの支持部材寄りの上面を前記チェーンコンベヤユニットの下側部分に取り付けられる上部装飾板の下端折れ曲げ部の下面と当接して保持されており、これらのチェーンコンベヤユニットとカウンターテーブルユニットは、その長さ方向両端部に設けられた連結部により連結されて無端状に形成されていた。
【特許文献1】特開平10−174644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の組立て式循環移送コンベアの構成では、チェーンコンベヤユニットとカウンターテーブルユニットの保持方式がいずれも複雑で、多くの部品を必要とするため、それらの組立てや分解に多くの手数と費用とを要することになる。しかも、長さ方向の両端部にチェーンコンベヤユニット同士や、カウンターテーブルユニット同士の連結部が形成されている構成では、注文主の要望が異なる毎に、また、循環移送コンベアの構成を変更したり、模様替えを行うたびに、それらに応じて構成部品を作り直さなければならないため、変更や模様替えを行う場合にも、それらに要する手数や費用も多くなる不都合があった。
【0004】
本発明はこれらの不都合を解消すべくなされたもので、チェーンレール部ユニットとカウンターテーブルユニットだけでなく、それらの長さ方向の結合も簡単に行える上、これらの結合体による循環ループの形成や、形成されている循環ループの離脱を、4つのユニットの集合部分に取り付けられる脚部の部分で簡単に行えるようにするとともに、注文主の要望による循環移送コンベアのデザインやその設計変更、または模様替えなども少ない手数と費用とによって能率良く行うことができるようにした組立て式循環移送コンベアの提供を目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明における組立て式循環移送コンベアでは、トッププレートにより連結されるチェーンコンベヤの支持部を上部に有するチェーンレール部ユニットと、該ユニットの客席側に連結されるカウンターテーブルユニットと、前記チェーンコンベヤを駆動する電動機と、前記各ユニットが長さ方向と幅方向に連結される4つのユニットの集合部を保持する脚部とからなる組立て式循環移送コンベアにおいて、前記チェーンレール部ユニットは、幅方向の両端面の下側部分に形成される長方形の窪み部分と、その上下両端から窪み部分の上側に突出する係止突条とからなるアリ溝結合部が、長さ方向全体にわたって形成され、該アリ溝結合部は前記カウンターテーブルユニットの内側側面に形成された長方形の窪み部分と、その上下両端に突出する係止突条とからなるアリ溝嵌合部と連結され、前記両ユニットの長さ方向は、それぞれの底面下側に形成された連結板結合部に挿入される係合接続板による連結によって循環ループが形成され、長さ方向と幅方向に連結される4つのユニットの集合部は、脚部上端に取り付けられたユニット連結板を介して脚部に保持されるようにしたものである。
【0006】
飲食物を移送するトッププレートのガイドレールの設置を容易にしたい場合には、ガイドレールをプラスチックの一体成型品によって形成すると、湾曲部の変形を容易に行うことができる上に、所定形状に湾曲された軽量のガイドレールをチェーンレール部ユニットのレール設置個所に両面テープによって容易に取り付けることができる。
【0007】
循環移送コンベアにおける循環ループの形成を容易にしたい場合には、両ユニットをアルミまたはその合金によって形成された一体成型品を切断して用いるようにすればよい。このようにすると、これら各ユニットの必要個所に各種結合部を割安な費用によって簡単に形成することができる。また、循環移送コンベアの主体であるチェーンレール部ユニットとカウンターテーブルユニットに対して、必要な個所に各種結合部を長さ方向全体にわたって簡単に形成することができるだけでなく、必要な個所において切断を容易に行えるため、循環ループの形成作業を能率良く行うことができる。
【0008】
循環移送コンベアにおける湾曲部の形成を容易にしたい場合には、チェーンレール部ユニットとカウンターテーブルユニットを、切断が容易なアルミまたはその合金によって直線状に形成された一体成型品を、設定された同じ角度を有する二等辺台形に切断して連結するようにすればよい。この場合、切断された二等辺台形の長さが短い方の辺を同じ側になるように配置し、各切断ユニット片の底面下側に形成された連結板結合部に、隣接するユニットの方向変換角度と同じ変換角度を有する係合接続板を挿入して必要個数を連結するだけで、自然に湾曲部を形成することができる。
【0009】
チェーンレール部ユニットとカウンターテーブルユニットの結合により循環ループを形成したり、形成された循環ループの結合を各構成ユニットに簡単に分解することができるようにしたい場合は、脚部上端に取り付けられたユニット連結板を4つのユニットの連結集合部に取り付けるようにすればよい。このようにすると、4つのユニットの連結集合部を1つの脚部のユニット連結板によって簡単に保持することができるため、循環ループを形成したり、それを分解するのに要する時間と手数とを少なくすることができる。しかも、脚部取り付けに使用されるジョイントピンは、ノブを引いたり放したりすることにより各ユニットの底面と結合したり、結合を解除することが簡単に行えるため、結合、分解時の作業能率をさらに良くすることができる。
チェーンレール部ユニットとカウンターテーブルユニットの連結された飲食カウンターの本体に対する脚部の取り付けや取り外しを容易にしたい場合には、ネジでなく、ノブを直線方向に引き出すか放すと内蔵スプリングの力によってノーズが引っ込むか突き出た状態に戻るリターンタイプのジョイントピンを用いればよい。
脚部の取り付けや取り外しをさらに容易にしたい場合には、ノブを引くとノーズが引っ込み、ノブを引いたまま90度回転させるとノーズを引っ込めたままロックでき、さらにノブをわずかに引きながら90度回転させるとノーズが突き出た元の状態に戻るレストポジションタイプのジョイントピンを用いればよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の組立て式循環移送コンベアによれば、チェーンレール部ユニットのアリ溝結合部にカウンターテーブルユニットの内側側面のアリ溝嵌合部を嵌め込む形で結合させることにより、両ユニットを幅方向に簡単に結合させることができる。これに対し、長さ方向の結合は、隣接する各ユニットの底面下側の連結板結合部に、対応する係合接続板を差し込むことにより、各ユニットを長さ方向に連結して循環ループを形成し、組立て式循環移送コンベアの本体部分を作り出すことができる。また、幅方向と長さ方向に連結された4つのユニットの集合部に、脚部上端に取り付けられたユニット結合板の両端部を両ユニットの連結板結合部に差し込み、中央部を台形状に変形させた分離部分を連結板結合部の下端突出面に接触させるとともに、その両側の各ユニットの底面から離れた部分をジョイントピンにより各底面に結合させると、少ない脚部によって組立て式循環移送コンベアをしっかりと保持することができるだけでなく、循環ループの結合や分離を簡単に行うことができる。
また、チェーンレール部ユニットとカウンターテーブルユニットをアルミまたはその合金により押し出された一体成型品を切断して作ると、両ユニットの側面に形成するアリ溝結合部やアリ溝嵌合部だけでなく、底面の下側に形成する連結板結合部の形成をも容易にすることができる上に、使用する材料の関係から両ユニットの重量も軽くすることができるため、飲食カウンターの組立てや分離作業を行い易くし、作業能率を高めることができる。
そして、ユニット連結体への脚部の取り付けは、ジョイントピンを用いて行われているため、脚部の取り付けや取り外しに締付け部品を回転させる必要はなく、ノブを引いたり、放したりするか、ノブを引いた状態で90度回転させるとノーズを引っ込めたままロックしたり、さらにノブを引いて90度回転させるとロックされていたノーズを元の状態に戻すことができるため、飲食カウンターの組立てや分解を少ない手数と費用によって能率良く行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の組立て式循環移送コンベアを、実施例に基づき更に詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の一実施例の一部を断面で示した正面図、図2は図1の要部拡大図、図3は図2の一部を切り欠いて示した側面図、図4は図1の平面図、図5は電動機が取り付けられていない湾曲部の分解斜視図、図6は図5の中間組立て状態の分解斜視図、図7は図5の組立て完了時の斜視図、図8は電動機取り付け側湾曲部の分解斜視図、図9は図8の中間組立て状態の分解斜視図、図10は図8の組立て完了時の斜視図、図11は駆動用スプロケットとチェーンコンベヤの係合関係を示す要部断面図、図12はチェーンコンベヤとガイド部材の係合関係を示す要部断面図である。
【0013】
本発明の組立て式循環移送コンベアは、主としてチェーンレール部ユニット1とカウンターテーブルユニット2及び脚部3とから構成されている。
チェーンレール部ユニット1は断面が長方形で、幅方向の両側側面4,5の下側部分に、アリ溝結合部6,7が長さ方向全体にわたって形成されている。このアリ溝結合部6,7は、側面4,5に形成される長方形の窪み6a,7aと、その上下両端から長方形の窪み6a,7aの上側に突出するそれぞれ2つずつの係止突条4a,5aとにより形成されている(図2、図5、図12参照)。
また、チェーンレール部ユニット1の底面8の下側部分には、前記側面4,5の下端突出部を幅方向の内側に折り曲げた係止突条4b,5bにより、底面8との間に連結板結合部9が長さ方向全体にわたって形成されている。
これに対し、チェーンレール部ユニット1の上面側には、トッププレート10を保持する深さの浅い断面長方形の上側窪み12aと、その中央部に形成されるチェーンコンベヤ11用の下側窪み12bとが設けられている。前記上側窪み12aの底面には、下側窪み12bの方向に一部が突出する形で、プラスチック製のガイドレール13が両面テープ13aにより取り付けられている(図11、図12参照)。また、下側窪み12b内に配設されたチェーンコンベヤ11は、湾曲部に設けられた電動機14と減速機15とにより設定された低速で回転される駆動用スプロケット16と係合されている(図11参照)。
【0014】
カウンターテーブルユニット2は、チェーンレール部ユニット1の客席側側面4に形成されたアリ溝結合部6とほぼ同じ高さを有する横長の長方形の形状をしており、前記アリ溝結合部6と対応する内側側面2aの部分に、アリ溝嵌合部17が長さ方向に形成されている。このアリ溝嵌合部17は、チェーンレール部ユニット1の係止突条4a,4aの間に丁度適合する寸法を有する突出部2cと、この突出側先端で前記ユニット1の長方形の窪み6aと係合する長さを有する係合側面2dとにより形成されている(図2、図11参照)。
また、カウンターテーブルユニット2の底面18の下側部分には、側面2a,2bの下側への突出端を幅方向の内側に折り曲げられた係止突条2e,2fにより、底面18との間に連結板結合部19が長さ方向全体にわたって形成されている(図5参照)。
【0015】
前記構成を備えたチェーンレール部ユニット1とカウンターテーブルユニット2は、いずれも、アルミまたはその合金を用いて押し出しにより直線状に形成された一体成型品を、所定の長さや形状に切断して形成される。
図5は、所定の長さや形状に切断された両ユニット1,2とそれらを連結する各係合接続板20,21を接続される位置に配置して示した斜視図である。
循環移送コンベアにおける本体部分の循環ループの形成は、次の手順によって行われる。
先ず、各チェーンレール部ユニット1の客席側のアリ溝結合部6に、これに結合されるべきカウンターテーブルユニット2のアリ溝嵌合部17を嵌め込み、両ユニット1,2を長さ方向全体にわたって連結する。次いで、連結された両ユニット1,2の長さ方向両端部に開口している底面下側の連結板結合部9,19に、挿入可能に形成された係合接続板20,21をその対称中心線の位置まで挿入すると、図6に示すようになる。
【0016】
この場合の係合接続板20,21は、両ユニット1,2の接続部における方向変換角度に合わして同じ角度だけ方向変換されており、各係合接続板20,21は対称中心線に対して左右が同じ形状となっている。各係合接続板20,21の形状は、図5に示す如くで、チェーンレール部ユニット1同士を連結する係合接続板20に比べて、客席側に位置するカウンターテーブルユニット2同士を連結する係合接続板21の方がかなり大きくなっている。
各係合接続板20,21が半分だけ挿入された両ユニット1,2は、各連結板結合部9,19から半分だけ突出している各係合接続板20,21の残りの部分に、次の両ユニット1,2の連結板結合部9,19が結合される。この結合を繰り返すと、飲食カウンターにおける本体部分の循環ループが形成される。
【0017】
上記手順により連結された湾曲部の連結状態は、電動機14と減速機15とが取り付けられていない部分では図7に示す如くなり、電動機14と減速機15が取り付けられている部分では図10に示す如くなる。この場合、電動機14と減速機15が設置される各チェーンレール部ユニット1の下側窪み12bの各上側部分は、駆動用スプロケット16がチェーンコンベヤ11と係合できるように切り欠かれている。これらの各切り欠き部22Aから、前記駆動用スプロケット16の歯先側が各下側窪み12bの部分に突き出てチェーンコンベヤ11と係合し、チェーンコンベヤ11を設定された低速で下側窪み12b内を移動させる。前記各切り欠き部22Aの上側には、駆動用スプロケット16を突出させる隙間部分を形成する上側カバー23が、上側窪み12aの部分にそれぞれ取り付けられている。
電動機14と減速機15は、湾曲部のチェーンレール部ユニット1の内側部分において、連結板結合部9に挿入される係合接続板20A、その上側に保持されるドライブベース24及びドライブカバー25によって取り付けられる。26は減速機15から上向きに突出される駆動軸である。また、電動機14と減速機15が設置されていない下側窪み12b内の湾曲部には、チェーンコンベヤ11が正しい移送経路に沿って湾曲できるように複数個のガイド部材27が取り付けられている(図12参照)。
【0018】
チェーンレール部ユニット1とカウンターテーブルユニット2の連結体を設定された高さ位置に保持する脚部3は、上端に両ユニット1,2の連結体を保持するユニット連結板28が取り付けられており、脚部3の下端には、両ユニット1,2の幅方向に断面円形の水平安定脚3aが溶接等により取り付けられている。
この水平安定脚3aは、両ユニット1,2を合わせた幅方向の長さ寸法より少し短く、その両端には、高さ方向の微調整や両ユニット1,2の水平性を調節できる調整脚3b,3bが高さ方向にネジ結合されている。29は高さや水平方向の調整を終えた各調整脚3bをその調整位置に位置決めするナットである。
また、脚部3の上端に取り付けられた前記ユニット連結板28の両端は、両ユニット1,2の底面下側に形成された連結板結合部9,19に挿入して保持され、中央部の内面は両ユニット1,2の連結部下側に突出している連結板結合部9,19の突出側端面と接触し得るよう対称性を備えた台形状に変形されている。前記ユニット連結板28は、図2,3に示すように、幅方向に連結される両ユニット1,2及び長さ方向に連結される同種のユニット(1,1)、(2,2)の4つの集合部において、前記連結板結合部9,19の両側にまたがり、しかも、台形状に変形された上辺部に取り付けられる4つのジョイントピン30により、両ユニット1,2の底面8,18に設けられたピン穴を通して各ユニット1,2に連結されている。
ジョイントピン30には、ノブ30aを引き出す方向に引くとノーズ30bが引っ込み、ノブ30aを放すと内蔵するスプリングの働きにより元の突き出た状態に戻るリターンタイプのものや、引き出した状態で90度回転させるとそのままロックされ、さらにわずかに引いて90度回転させると元の突き出た状態に戻るレストポジションタイプのものが使用される。
【0019】
本発明のように、アルミやその合金を用いてチェーンレール部ユニットやカウンターテーブルユニットを一体成型によって作ると、これらの側面にアリ溝結合部やアリ溝嵌合部を形成したり、両ユニットの底面下側にそれぞれ連結板結合部を形成することが容易になるため、両ユニットを設定された長さや形状に切断すると、それらのアリ溝結合部にアリ溝嵌合部を嵌め込むだけで、幅方向の連結を容易に行うことができる。また、連結された両ユニットの両端開口部にそれらに適する係合接続板を挿入するだけの結合操作を行うと、幅方向に連結された両ユニットを長さ方向にも簡単に結合して飲食カウンターの循環ループを形成することができる。
また、循環ループを形成された連結ユニットへの脚部の取り付けは、脚部上端に取り付けられているユニット連結板の両端を、両ユニットの幅方向の連結板結合部に挿入して保持させ、ユニット連結板に取り付けられている4つのジョイントピンを各ユニットの底面に結合させるだけでよいため、組立て式循環移送コンベアの結合や分離を少ない手数と費用によって能率良く行うことができる。
しかも、飲食カウンターを構成する部品の点数が少なく、両ユニットの重さも軽くできるため、組立てや分解時の取扱い作業もきわめて容易に行うことができる。
そして、ユニット連結体への脚部の取り付けは、脚部上端に取り付けられているユニット連結板の両端を、両ユニットの幅方向の接続板結合部に挿入して保持させ、ユニット連結板に取り付けられている4つのジョイントピンを各ユニットの底面に結合させるだけでよいため、ユニット連結体を安定した状態にしっかりと保持することができる上に、組立て式循環移送コンベアの結合や分離を少ない手数と費用とによって能率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施例の一部を断面で示した正面図である。
【図2】図1のII−IIの要部拡大図である。
【図3】図2のIII−IIIの一部を切り欠いて示した側面図である。
【図4】図1の平面図である。
【図5】電動機が取り付けられていない湾曲部のチェーンレール部ユニットとカウンターテーブルユニットの分解斜視図である。
【図6】図5の中間組立て状態を示す分解斜視図である。
【図7】図5の組立て完了時の状態を示す斜視図である。
【図8】電動機が取り付けられる湾曲部のチェーンレール部ユニットとカウンターテーブルユニットの分解斜視図である。
【図9】図8の中間組立て状態を示す分解斜視図である。
【図10】図8の組立て完了時の状態を示す斜視図である。
【図11】駆動用スプロケットとチェーンコンベヤの係合関係を示す要部断面図である。
【図12】チェーンコンベヤとガイド部材の係合関係を示す要部断面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 チェーンレール部ユニット
2 カウンターテーブルユニット
3 脚部
4,5 側面
4a,5a 係止突条
6,7 アリ溝結合部
6a,7a 長方形の窪み
8,18 底面
9,19 連結板結合部
10 トッププレート
11 チェーンコンベヤ
13 ガイドレール
14 電動機
17 アリ溝嵌合部
20,20A,21 係合接続板
28 ユニット連結板
30 ジョイントピン
【技術分野】
【0001】
本発明は、トッププレートを循環移送する無端のチェーンコンベヤを備えたチェーンレール部ユニットと、該ユニットの客席側の水平方向に連結されるカウンターテーブルユニットと、これらのチェーンレール部ユニットとカウンターテーブルユニットの底面側を保持する脚部とからなり、トッププレートにより搬送されてきた各種飲食物、例えば、寿司、果物、野菜調理品や飲物類などの中からお客様が自分の飲食したい品物をカウンターテーブル側に取り出して飲食できるようにし、あるいは加工作業等に使用する組立て式循環移送コンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の組立て式循環移送コンベアでは、チェーンコンベヤユニットは、底壁の内側部分を機台部ユニットの上面側にネジ止めされるとともに、底壁の客席側寄りの部分を支柱部材上端の水平方向に配設される梁部材の上面に保持されている。また、前記チェーンコンベヤユニットより下側で長手方向に配設されるカウンターテーブルは、支柱部材の外側表面に重ねられる取付け枠と下部装飾板の部分に取り付けられる横向きのJ字形のカウンターテーブル支持具の上面にネジ止めされるとともに、カウンターテーブルユニットの支持部材寄りの上面を前記チェーンコンベヤユニットの下側部分に取り付けられる上部装飾板の下端折れ曲げ部の下面と当接して保持されており、これらのチェーンコンベヤユニットとカウンターテーブルユニットは、その長さ方向両端部に設けられた連結部により連結されて無端状に形成されていた。
【特許文献1】特開平10−174644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の組立て式循環移送コンベアの構成では、チェーンコンベヤユニットとカウンターテーブルユニットの保持方式がいずれも複雑で、多くの部品を必要とするため、それらの組立てや分解に多くの手数と費用とを要することになる。しかも、長さ方向の両端部にチェーンコンベヤユニット同士や、カウンターテーブルユニット同士の連結部が形成されている構成では、注文主の要望が異なる毎に、また、循環移送コンベアの構成を変更したり、模様替えを行うたびに、それらに応じて構成部品を作り直さなければならないため、変更や模様替えを行う場合にも、それらに要する手数や費用も多くなる不都合があった。
【0004】
本発明はこれらの不都合を解消すべくなされたもので、チェーンレール部ユニットとカウンターテーブルユニットだけでなく、それらの長さ方向の結合も簡単に行える上、これらの結合体による循環ループの形成や、形成されている循環ループの離脱を、4つのユニットの集合部分に取り付けられる脚部の部分で簡単に行えるようにするとともに、注文主の要望による循環移送コンベアのデザインやその設計変更、または模様替えなども少ない手数と費用とによって能率良く行うことができるようにした組立て式循環移送コンベアの提供を目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明における組立て式循環移送コンベアでは、トッププレートにより連結されるチェーンコンベヤの支持部を上部に有するチェーンレール部ユニットと、該ユニットの客席側に連結されるカウンターテーブルユニットと、前記チェーンコンベヤを駆動する電動機と、前記各ユニットが長さ方向と幅方向に連結される4つのユニットの集合部を保持する脚部とからなる組立て式循環移送コンベアにおいて、前記チェーンレール部ユニットは、幅方向の両端面の下側部分に形成される長方形の窪み部分と、その上下両端から窪み部分の上側に突出する係止突条とからなるアリ溝結合部が、長さ方向全体にわたって形成され、該アリ溝結合部は前記カウンターテーブルユニットの内側側面に形成された長方形の窪み部分と、その上下両端に突出する係止突条とからなるアリ溝嵌合部と連結され、前記両ユニットの長さ方向は、それぞれの底面下側に形成された連結板結合部に挿入される係合接続板による連結によって循環ループが形成され、長さ方向と幅方向に連結される4つのユニットの集合部は、脚部上端に取り付けられたユニット連結板を介して脚部に保持されるようにしたものである。
【0006】
飲食物を移送するトッププレートのガイドレールの設置を容易にしたい場合には、ガイドレールをプラスチックの一体成型品によって形成すると、湾曲部の変形を容易に行うことができる上に、所定形状に湾曲された軽量のガイドレールをチェーンレール部ユニットのレール設置個所に両面テープによって容易に取り付けることができる。
【0007】
循環移送コンベアにおける循環ループの形成を容易にしたい場合には、両ユニットをアルミまたはその合金によって形成された一体成型品を切断して用いるようにすればよい。このようにすると、これら各ユニットの必要個所に各種結合部を割安な費用によって簡単に形成することができる。また、循環移送コンベアの主体であるチェーンレール部ユニットとカウンターテーブルユニットに対して、必要な個所に各種結合部を長さ方向全体にわたって簡単に形成することができるだけでなく、必要な個所において切断を容易に行えるため、循環ループの形成作業を能率良く行うことができる。
【0008】
循環移送コンベアにおける湾曲部の形成を容易にしたい場合には、チェーンレール部ユニットとカウンターテーブルユニットを、切断が容易なアルミまたはその合金によって直線状に形成された一体成型品を、設定された同じ角度を有する二等辺台形に切断して連結するようにすればよい。この場合、切断された二等辺台形の長さが短い方の辺を同じ側になるように配置し、各切断ユニット片の底面下側に形成された連結板結合部に、隣接するユニットの方向変換角度と同じ変換角度を有する係合接続板を挿入して必要個数を連結するだけで、自然に湾曲部を形成することができる。
【0009】
チェーンレール部ユニットとカウンターテーブルユニットの結合により循環ループを形成したり、形成された循環ループの結合を各構成ユニットに簡単に分解することができるようにしたい場合は、脚部上端に取り付けられたユニット連結板を4つのユニットの連結集合部に取り付けるようにすればよい。このようにすると、4つのユニットの連結集合部を1つの脚部のユニット連結板によって簡単に保持することができるため、循環ループを形成したり、それを分解するのに要する時間と手数とを少なくすることができる。しかも、脚部取り付けに使用されるジョイントピンは、ノブを引いたり放したりすることにより各ユニットの底面と結合したり、結合を解除することが簡単に行えるため、結合、分解時の作業能率をさらに良くすることができる。
チェーンレール部ユニットとカウンターテーブルユニットの連結された飲食カウンターの本体に対する脚部の取り付けや取り外しを容易にしたい場合には、ネジでなく、ノブを直線方向に引き出すか放すと内蔵スプリングの力によってノーズが引っ込むか突き出た状態に戻るリターンタイプのジョイントピンを用いればよい。
脚部の取り付けや取り外しをさらに容易にしたい場合には、ノブを引くとノーズが引っ込み、ノブを引いたまま90度回転させるとノーズを引っ込めたままロックでき、さらにノブをわずかに引きながら90度回転させるとノーズが突き出た元の状態に戻るレストポジションタイプのジョイントピンを用いればよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の組立て式循環移送コンベアによれば、チェーンレール部ユニットのアリ溝結合部にカウンターテーブルユニットの内側側面のアリ溝嵌合部を嵌め込む形で結合させることにより、両ユニットを幅方向に簡単に結合させることができる。これに対し、長さ方向の結合は、隣接する各ユニットの底面下側の連結板結合部に、対応する係合接続板を差し込むことにより、各ユニットを長さ方向に連結して循環ループを形成し、組立て式循環移送コンベアの本体部分を作り出すことができる。また、幅方向と長さ方向に連結された4つのユニットの集合部に、脚部上端に取り付けられたユニット結合板の両端部を両ユニットの連結板結合部に差し込み、中央部を台形状に変形させた分離部分を連結板結合部の下端突出面に接触させるとともに、その両側の各ユニットの底面から離れた部分をジョイントピンにより各底面に結合させると、少ない脚部によって組立て式循環移送コンベアをしっかりと保持することができるだけでなく、循環ループの結合や分離を簡単に行うことができる。
また、チェーンレール部ユニットとカウンターテーブルユニットをアルミまたはその合金により押し出された一体成型品を切断して作ると、両ユニットの側面に形成するアリ溝結合部やアリ溝嵌合部だけでなく、底面の下側に形成する連結板結合部の形成をも容易にすることができる上に、使用する材料の関係から両ユニットの重量も軽くすることができるため、飲食カウンターの組立てや分離作業を行い易くし、作業能率を高めることができる。
そして、ユニット連結体への脚部の取り付けは、ジョイントピンを用いて行われているため、脚部の取り付けや取り外しに締付け部品を回転させる必要はなく、ノブを引いたり、放したりするか、ノブを引いた状態で90度回転させるとノーズを引っ込めたままロックしたり、さらにノブを引いて90度回転させるとロックされていたノーズを元の状態に戻すことができるため、飲食カウンターの組立てや分解を少ない手数と費用によって能率良く行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の組立て式循環移送コンベアを、実施例に基づき更に詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の一実施例の一部を断面で示した正面図、図2は図1の要部拡大図、図3は図2の一部を切り欠いて示した側面図、図4は図1の平面図、図5は電動機が取り付けられていない湾曲部の分解斜視図、図6は図5の中間組立て状態の分解斜視図、図7は図5の組立て完了時の斜視図、図8は電動機取り付け側湾曲部の分解斜視図、図9は図8の中間組立て状態の分解斜視図、図10は図8の組立て完了時の斜視図、図11は駆動用スプロケットとチェーンコンベヤの係合関係を示す要部断面図、図12はチェーンコンベヤとガイド部材の係合関係を示す要部断面図である。
【0013】
本発明の組立て式循環移送コンベアは、主としてチェーンレール部ユニット1とカウンターテーブルユニット2及び脚部3とから構成されている。
チェーンレール部ユニット1は断面が長方形で、幅方向の両側側面4,5の下側部分に、アリ溝結合部6,7が長さ方向全体にわたって形成されている。このアリ溝結合部6,7は、側面4,5に形成される長方形の窪み6a,7aと、その上下両端から長方形の窪み6a,7aの上側に突出するそれぞれ2つずつの係止突条4a,5aとにより形成されている(図2、図5、図12参照)。
また、チェーンレール部ユニット1の底面8の下側部分には、前記側面4,5の下端突出部を幅方向の内側に折り曲げた係止突条4b,5bにより、底面8との間に連結板結合部9が長さ方向全体にわたって形成されている。
これに対し、チェーンレール部ユニット1の上面側には、トッププレート10を保持する深さの浅い断面長方形の上側窪み12aと、その中央部に形成されるチェーンコンベヤ11用の下側窪み12bとが設けられている。前記上側窪み12aの底面には、下側窪み12bの方向に一部が突出する形で、プラスチック製のガイドレール13が両面テープ13aにより取り付けられている(図11、図12参照)。また、下側窪み12b内に配設されたチェーンコンベヤ11は、湾曲部に設けられた電動機14と減速機15とにより設定された低速で回転される駆動用スプロケット16と係合されている(図11参照)。
【0014】
カウンターテーブルユニット2は、チェーンレール部ユニット1の客席側側面4に形成されたアリ溝結合部6とほぼ同じ高さを有する横長の長方形の形状をしており、前記アリ溝結合部6と対応する内側側面2aの部分に、アリ溝嵌合部17が長さ方向に形成されている。このアリ溝嵌合部17は、チェーンレール部ユニット1の係止突条4a,4aの間に丁度適合する寸法を有する突出部2cと、この突出側先端で前記ユニット1の長方形の窪み6aと係合する長さを有する係合側面2dとにより形成されている(図2、図11参照)。
また、カウンターテーブルユニット2の底面18の下側部分には、側面2a,2bの下側への突出端を幅方向の内側に折り曲げられた係止突条2e,2fにより、底面18との間に連結板結合部19が長さ方向全体にわたって形成されている(図5参照)。
【0015】
前記構成を備えたチェーンレール部ユニット1とカウンターテーブルユニット2は、いずれも、アルミまたはその合金を用いて押し出しにより直線状に形成された一体成型品を、所定の長さや形状に切断して形成される。
図5は、所定の長さや形状に切断された両ユニット1,2とそれらを連結する各係合接続板20,21を接続される位置に配置して示した斜視図である。
循環移送コンベアにおける本体部分の循環ループの形成は、次の手順によって行われる。
先ず、各チェーンレール部ユニット1の客席側のアリ溝結合部6に、これに結合されるべきカウンターテーブルユニット2のアリ溝嵌合部17を嵌め込み、両ユニット1,2を長さ方向全体にわたって連結する。次いで、連結された両ユニット1,2の長さ方向両端部に開口している底面下側の連結板結合部9,19に、挿入可能に形成された係合接続板20,21をその対称中心線の位置まで挿入すると、図6に示すようになる。
【0016】
この場合の係合接続板20,21は、両ユニット1,2の接続部における方向変換角度に合わして同じ角度だけ方向変換されており、各係合接続板20,21は対称中心線に対して左右が同じ形状となっている。各係合接続板20,21の形状は、図5に示す如くで、チェーンレール部ユニット1同士を連結する係合接続板20に比べて、客席側に位置するカウンターテーブルユニット2同士を連結する係合接続板21の方がかなり大きくなっている。
各係合接続板20,21が半分だけ挿入された両ユニット1,2は、各連結板結合部9,19から半分だけ突出している各係合接続板20,21の残りの部分に、次の両ユニット1,2の連結板結合部9,19が結合される。この結合を繰り返すと、飲食カウンターにおける本体部分の循環ループが形成される。
【0017】
上記手順により連結された湾曲部の連結状態は、電動機14と減速機15とが取り付けられていない部分では図7に示す如くなり、電動機14と減速機15が取り付けられている部分では図10に示す如くなる。この場合、電動機14と減速機15が設置される各チェーンレール部ユニット1の下側窪み12bの各上側部分は、駆動用スプロケット16がチェーンコンベヤ11と係合できるように切り欠かれている。これらの各切り欠き部22Aから、前記駆動用スプロケット16の歯先側が各下側窪み12bの部分に突き出てチェーンコンベヤ11と係合し、チェーンコンベヤ11を設定された低速で下側窪み12b内を移動させる。前記各切り欠き部22Aの上側には、駆動用スプロケット16を突出させる隙間部分を形成する上側カバー23が、上側窪み12aの部分にそれぞれ取り付けられている。
電動機14と減速機15は、湾曲部のチェーンレール部ユニット1の内側部分において、連結板結合部9に挿入される係合接続板20A、その上側に保持されるドライブベース24及びドライブカバー25によって取り付けられる。26は減速機15から上向きに突出される駆動軸である。また、電動機14と減速機15が設置されていない下側窪み12b内の湾曲部には、チェーンコンベヤ11が正しい移送経路に沿って湾曲できるように複数個のガイド部材27が取り付けられている(図12参照)。
【0018】
チェーンレール部ユニット1とカウンターテーブルユニット2の連結体を設定された高さ位置に保持する脚部3は、上端に両ユニット1,2の連結体を保持するユニット連結板28が取り付けられており、脚部3の下端には、両ユニット1,2の幅方向に断面円形の水平安定脚3aが溶接等により取り付けられている。
この水平安定脚3aは、両ユニット1,2を合わせた幅方向の長さ寸法より少し短く、その両端には、高さ方向の微調整や両ユニット1,2の水平性を調節できる調整脚3b,3bが高さ方向にネジ結合されている。29は高さや水平方向の調整を終えた各調整脚3bをその調整位置に位置決めするナットである。
また、脚部3の上端に取り付けられた前記ユニット連結板28の両端は、両ユニット1,2の底面下側に形成された連結板結合部9,19に挿入して保持され、中央部の内面は両ユニット1,2の連結部下側に突出している連結板結合部9,19の突出側端面と接触し得るよう対称性を備えた台形状に変形されている。前記ユニット連結板28は、図2,3に示すように、幅方向に連結される両ユニット1,2及び長さ方向に連結される同種のユニット(1,1)、(2,2)の4つの集合部において、前記連結板結合部9,19の両側にまたがり、しかも、台形状に変形された上辺部に取り付けられる4つのジョイントピン30により、両ユニット1,2の底面8,18に設けられたピン穴を通して各ユニット1,2に連結されている。
ジョイントピン30には、ノブ30aを引き出す方向に引くとノーズ30bが引っ込み、ノブ30aを放すと内蔵するスプリングの働きにより元の突き出た状態に戻るリターンタイプのものや、引き出した状態で90度回転させるとそのままロックされ、さらにわずかに引いて90度回転させると元の突き出た状態に戻るレストポジションタイプのものが使用される。
【0019】
本発明のように、アルミやその合金を用いてチェーンレール部ユニットやカウンターテーブルユニットを一体成型によって作ると、これらの側面にアリ溝結合部やアリ溝嵌合部を形成したり、両ユニットの底面下側にそれぞれ連結板結合部を形成することが容易になるため、両ユニットを設定された長さや形状に切断すると、それらのアリ溝結合部にアリ溝嵌合部を嵌め込むだけで、幅方向の連結を容易に行うことができる。また、連結された両ユニットの両端開口部にそれらに適する係合接続板を挿入するだけの結合操作を行うと、幅方向に連結された両ユニットを長さ方向にも簡単に結合して飲食カウンターの循環ループを形成することができる。
また、循環ループを形成された連結ユニットへの脚部の取り付けは、脚部上端に取り付けられているユニット連結板の両端を、両ユニットの幅方向の連結板結合部に挿入して保持させ、ユニット連結板に取り付けられている4つのジョイントピンを各ユニットの底面に結合させるだけでよいため、組立て式循環移送コンベアの結合や分離を少ない手数と費用によって能率良く行うことができる。
しかも、飲食カウンターを構成する部品の点数が少なく、両ユニットの重さも軽くできるため、組立てや分解時の取扱い作業もきわめて容易に行うことができる。
そして、ユニット連結体への脚部の取り付けは、脚部上端に取り付けられているユニット連結板の両端を、両ユニットの幅方向の接続板結合部に挿入して保持させ、ユニット連結板に取り付けられている4つのジョイントピンを各ユニットの底面に結合させるだけでよいため、ユニット連結体を安定した状態にしっかりと保持することができる上に、組立て式循環移送コンベアの結合や分離を少ない手数と費用とによって能率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施例の一部を断面で示した正面図である。
【図2】図1のII−IIの要部拡大図である。
【図3】図2のIII−IIIの一部を切り欠いて示した側面図である。
【図4】図1の平面図である。
【図5】電動機が取り付けられていない湾曲部のチェーンレール部ユニットとカウンターテーブルユニットの分解斜視図である。
【図6】図5の中間組立て状態を示す分解斜視図である。
【図7】図5の組立て完了時の状態を示す斜視図である。
【図8】電動機が取り付けられる湾曲部のチェーンレール部ユニットとカウンターテーブルユニットの分解斜視図である。
【図9】図8の中間組立て状態を示す分解斜視図である。
【図10】図8の組立て完了時の状態を示す斜視図である。
【図11】駆動用スプロケットとチェーンコンベヤの係合関係を示す要部断面図である。
【図12】チェーンコンベヤとガイド部材の係合関係を示す要部断面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 チェーンレール部ユニット
2 カウンターテーブルユニット
3 脚部
4,5 側面
4a,5a 係止突条
6,7 アリ溝結合部
6a,7a 長方形の窪み
8,18 底面
9,19 連結板結合部
10 トッププレート
11 チェーンコンベヤ
13 ガイドレール
14 電動機
17 アリ溝嵌合部
20,20A,21 係合接続板
28 ユニット連結板
30 ジョイントピン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トッププレートにより連結されるチェーンコンベヤの支持部を上部に有するチェーンレール部ユニットと、該ユニットの客席側又は作業者側に連結されるカウンターテーブルユニットと、前記チェーンコンベヤを駆動する電動機と、前記各ユニットが長さ方向と幅方向に連結される4つのユニットの集合部を保持する脚部とからなる組立て式循環移送コンベアにおいて、前記チェーンレール部ユニットは、幅方向の両側面の下側部分に形成される長方形の窪み部分と、その上下両端から窪み部分の上側に突出する係止突条とからなるアリ溝結合部が、長さ方向全体にわたって形成され、該アリ溝結合部は前記カウンターテーブルユニットの内側側面に形成された長方形の窪み部分と、その上下両端に突出する係止突条とからなるアリ溝嵌合部と連結され、前記両ユニットの長さ方向は、それぞれの底面下側に形成された連結板結合部に挿入される係合接続板による連結によって循環ループが形成され、長さ方向と幅方向に連結される4つのユニットの集合部は、脚部上端に取り付けられたユニット連結板を介して脚部に保持されるようにしたことを特徴とする組立て式循環移送コンベア
【請求項2】
トッププレートの下面と接触するガイドレールは、プラスチックによって形成され、前記ガイドレールはチェーンレール部ユニットの設置個所に、両面テープによって接着されている請求項1に記載の組立て式循環移送コンベア。
【請求項3】
チェーンレール部ユニットとカウンターテーブルユニットは、いずれもアルミまたはその合金によって一体に形成された成型品を切断したものである請求項1または請求項2に記載の組立て式循環移送コンベア。
【請求項4】
チェーンレール部ユニットとカウンターテーブルユニットの循環ループを形成する湾曲部は、前記両ユニットをアルミまたはその合金によって一体に形成した直線状の成型品を、設定された長さと角度を有する二等辺台形に切断したものや、さらにその台形を対称中心線の部分で切断したものを組み合わせ、前記両ユニットの底面下側に形成されている各連結板結合部に、隣接する両ユニットの方向変換角度に合わせて方向変換させた係合接続板を挿入することにより形成される請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の組立て式循環移送コンベア。
【請求項5】
脚部上端のユニット連結板は、長さ及び幅方向に連結された4つのユニットの集合部において、その両端部分を前記幅方向に連結された各ユニットの底面下側の連結板結合部に挿入して保持させ、両ユニットの側面結合部において底面より下側に突出する連結板結合部の下端面に、ユニット連結板の中央部を台形状に変形させた上辺部を接触させるとともに、前記下端突出面の両側上辺部を、ジョイントピンにより4つのユニットの各底面と結合させた請求項1から請求項4までのいずれか1つに記載の組立て式循環移送コンベア。
【請求項6】
脚部上端に取り付けられているジョイントピンは、ノブを引き出す方向に引くとノーズが引っ込み、ノブを放すと内蔵スプリングの力でノーズが突き出た状態に戻るリターンタイプのものである請求項5に記載の組立て式循環移送コンベア。
【請求項7】
ジョイントピンはノブを引き出す方向に引くとノーズが引っ込み、ノブを引いたまま90度回転させるとノーズを引っ込めたままロックでき、さらにノブをわずかに引きながら90度回転させてノブを放すと、内蔵スプリングの力でノーズが突き出た元の状態に戻るレストポジションタイプのものである請求項5または6に記載の組立て式循環移送コンベア。
【請求項1】
トッププレートにより連結されるチェーンコンベヤの支持部を上部に有するチェーンレール部ユニットと、該ユニットの客席側又は作業者側に連結されるカウンターテーブルユニットと、前記チェーンコンベヤを駆動する電動機と、前記各ユニットが長さ方向と幅方向に連結される4つのユニットの集合部を保持する脚部とからなる組立て式循環移送コンベアにおいて、前記チェーンレール部ユニットは、幅方向の両側面の下側部分に形成される長方形の窪み部分と、その上下両端から窪み部分の上側に突出する係止突条とからなるアリ溝結合部が、長さ方向全体にわたって形成され、該アリ溝結合部は前記カウンターテーブルユニットの内側側面に形成された長方形の窪み部分と、その上下両端に突出する係止突条とからなるアリ溝嵌合部と連結され、前記両ユニットの長さ方向は、それぞれの底面下側に形成された連結板結合部に挿入される係合接続板による連結によって循環ループが形成され、長さ方向と幅方向に連結される4つのユニットの集合部は、脚部上端に取り付けられたユニット連結板を介して脚部に保持されるようにしたことを特徴とする組立て式循環移送コンベア
【請求項2】
トッププレートの下面と接触するガイドレールは、プラスチックによって形成され、前記ガイドレールはチェーンレール部ユニットの設置個所に、両面テープによって接着されている請求項1に記載の組立て式循環移送コンベア。
【請求項3】
チェーンレール部ユニットとカウンターテーブルユニットは、いずれもアルミまたはその合金によって一体に形成された成型品を切断したものである請求項1または請求項2に記載の組立て式循環移送コンベア。
【請求項4】
チェーンレール部ユニットとカウンターテーブルユニットの循環ループを形成する湾曲部は、前記両ユニットをアルミまたはその合金によって一体に形成した直線状の成型品を、設定された長さと角度を有する二等辺台形に切断したものや、さらにその台形を対称中心線の部分で切断したものを組み合わせ、前記両ユニットの底面下側に形成されている各連結板結合部に、隣接する両ユニットの方向変換角度に合わせて方向変換させた係合接続板を挿入することにより形成される請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の組立て式循環移送コンベア。
【請求項5】
脚部上端のユニット連結板は、長さ及び幅方向に連結された4つのユニットの集合部において、その両端部分を前記幅方向に連結された各ユニットの底面下側の連結板結合部に挿入して保持させ、両ユニットの側面結合部において底面より下側に突出する連結板結合部の下端面に、ユニット連結板の中央部を台形状に変形させた上辺部を接触させるとともに、前記下端突出面の両側上辺部を、ジョイントピンにより4つのユニットの各底面と結合させた請求項1から請求項4までのいずれか1つに記載の組立て式循環移送コンベア。
【請求項6】
脚部上端に取り付けられているジョイントピンは、ノブを引き出す方向に引くとノーズが引っ込み、ノブを放すと内蔵スプリングの力でノーズが突き出た状態に戻るリターンタイプのものである請求項5に記載の組立て式循環移送コンベア。
【請求項7】
ジョイントピンはノブを引き出す方向に引くとノーズが引っ込み、ノブを引いたまま90度回転させるとノーズを引っ込めたままロックでき、さらにノブをわずかに引きながら90度回転させてノブを放すと、内蔵スプリングの力でノーズが突き出た元の状態に戻るレストポジションタイプのものである請求項5または6に記載の組立て式循環移送コンベア。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−230676(P2007−230676A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−51322(P2006−51322)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(303064189)アレックスエンジニアリング株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(303064189)アレックスエンジニアリング株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
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