説明

組立ケース

【課題】商品を収容する際の人件費を抑えて商品の収容作業の効率を向上させ、かつ下方開口から商品を抜き取る犯罪を未然に防止する組立ケースを提供する。
【解決手段】4枚の壁面板111A〜114Aの側端縁同士が折罫部21Aを介して連設された組立ケース主体11Aの後壁面板113Aの下端縁に、基端側折罫部23Aを介して組立ケース副体12Aを連設する。組立ケース副体12Aは、基端側折罫部23Aを介して基端が連設された下蓋板121Aと、下蓋板の先端に折罫部24Aを介して基端が連設され、前壁面板111Aの外面に沿ってその上端縁まで先端が上方へ折り返される外側壁面板122Aと、外側壁面板122Aの先端に先端側折罫部25Aを介して連設された上蓋板123Aとを備え、上方へ折り返された際に下方開口を閉塞するとともに、上蓋板123Aの差込舌片124Aを上方開口14Aに差し込んで当該上方開口14Aを閉塞している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、化粧品などの高額な商品が収容物として収容される組立ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、化粧品などの高額な商品が収容される組立ケースは、紙製又は硬質でかつ透明なプラスチック製などの1枚のブランクシートから一体的に打ち抜かれたケース形成片より組み立てられることがある。
このような組立ケースとしては、従来より、図13に示すような組立ケース9が知られている(例えば、特許文献1参照)。この組立ケース9は、4枚の壁面板91a〜91dの側端縁同士が折罫部92を介して折り曲げ自在に連設され、かつ軸線を上下方向へ延ばすように組み立てられる四角筒状の組立ケース主体91を備えている。また、上記組立ケース9は、上記組立ケース主体91の各壁面板91a〜91dのうちの第1壁面板91c(具体的には後側に位置する壁面板91c)の上端縁及び下端縁にそれぞれ折罫部92を介して折り曲げ自在に連設された上蓋板93及び下蓋板94を備えている。上記上蓋板93によって、上記組立ケース主体91の上方に開口する上方開口を閉塞する一方、上記下蓋板94によって、上記組立ケース主体91の下方に開口する下方開口を閉塞している。この場合、上蓋板93及び下蓋板94は、それぞれ反壁面板91a側(反折罫部92側)の端縁に折罫部95を介して折り曲げ自在に連設された差込舌片93a,94aを有し、上記上蓋板93及び下蓋板94で上方開口及び下方開口を閉塞した際に組立ケース主体91内に差し込まれる差込舌片93a,94aによって、上蓋板93及び下蓋板94による上方開口及び下方開口の閉塞状態が保たれるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−15027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、組立ケース9は、四角筒状に組み立てた組立ケース主体91を折り畳んだ状態で、数十個〜数百個単位で箱詰めされて商品の収納場所まで流通され、この商品の収納場所において組立ケース主体91を箇々に復元させて商品を収容するようにしている。
その場合、組立ケース9への商品の収容手順としては、復元させた組立ケース主体91の下蓋板94で下方開口を閉塞した際に差し込まれる差込舌片94aによって下方開口の閉塞状態を確保してから、上方開口より商品を収容し、上蓋板93で上方開口を閉塞する際に差し込まれた差込舌片93aによって上方開口の閉塞状態を確保するようにしている。
【0005】
しかし、このような商品の収容手順では、復元させた組立ケース主体91の下方開口に下蓋板94の差込舌片94aを差し込んで当該下方開口を閉塞し、商品を収容してから、組立ケース主体91の上方開口に上蓋板93の差込舌片93aを差し込んで当該上方開口を閉塞しなければならない。つまり、組立ケース主体91の下方開口及び上方開口を閉塞する際には、下方開口及び上方開口にそれぞれ上蓋板93及び下蓋板94の差込舌片93a,94aを差し込んで当該下方開口及び上方開口を個別に閉塞しなければならない。そのため、組立ケース9に対する商品の収容作業に時間を要し、人件費が嵩む上、商品の収容作業の効率が悪いものとなる。
一方、組立ケースに収容された商品を陳列している商店では、商品のみを組立ケースから抜き取って万引きする犯罪が多発化している。これは、組立ケースから商品を抜き取る場合に目立ち難い下方開口を開放して行うケースが圧倒的に多く、その対策も切望されていた。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、商品を収容する際の人件費を抑えて商品の収容作業の効率を向上させるとともに、下方開口から商品を抜き取る犯罪を未然に防止することができる組立ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明では、組立ケースとして、4枚の壁面板の側端縁同士が折罫部を介して折り曲げ自在に連設され、軸線を上下方向へ延ばすような4角筒状に組み立てられる組立ケース主体と、上記組立ケース主体の各壁面板のうちの第1壁面板の下端縁に基端が基端側折罫部を介して折り曲げ自在に連設された組立ケース副体と、を備える。そして、上記組立ケース副体は、その先端に先端側折罫部を介して折り曲げ自在に連設されかつ上記組立ケース主体の上方に開口する上方開口を閉塞する上蓋板と、この上蓋板の先端に折罫部を介して折り曲げ自在に連設された差込舌片と、を有し、上記基端側折罫部を介して上記組立ケース主体の各壁面板のうちの上記第1壁面板と対峙する第2壁面板に沿って上方へ折り返された際に上記組立ケース主体の下方に開口する下方開口を閉塞するとともに、上記上蓋板の差込舌片を上記上方開口に差し込んで当該上方開口を閉塞している。
この特定事項により、商品の収容場所において4角筒状に組み立てた組立ケース主体が折り畳んだ状態から復元されると、第1壁面板の下端縁の基端側折罫部で組立ケース副体を折り曲げ、この折り曲げた組立ケース副体を上記第1壁面板と対峙する第2壁面板に沿って上方へ折り返すことによって、組立ケース主体の下方開口が閉塞される。このとき、組立ケース主体の上方開口を介して商品が収容される。そして、第2壁面板に沿って上方へ折り返される組立ケース副体の先端において先端側折罫部を介して上蓋板を折り曲げるとともに、この上蓋板の先端の折罫部を介して折り曲げた差込舌片を組立ケース主体の上方開口に差し込むことによって、当該上方開口が閉塞される。
【0008】
このように、第1壁面板の下端縁の基端側折罫部で折り曲げた組立ケース副体を上記第1壁面板と対峙する第2壁面板に沿って上方へ折り返すことによって組立ケース主体の下方開口が閉塞され、その上方へ折り返した組立ケース副体の先端側折罫部を介して上蓋板を折り曲げるとともに、この上蓋板の先端の折罫部を介して折り曲げた差込舌片を組立ケース主体の上方開口を差し込めば、当該上方開口が閉塞されるので、組立ケース主体の下方開口及び上方開口を閉塞する際に、下蓋板の差込舌片を下方開口に差し込んで当該下方開口を閉塞する必要がなく、第2壁面板の上端縁まで上方へ折り返した組立ケース副体の先端において上蓋板の差込舌片を上方開口に差し込んで当該上方開口を閉塞するだけで済む。これにより、組立ケースへの商品の収容作業に要する時間が大幅に短縮され、人件費が削減される上、商品の収容作業の効率が図られることになる。
しかも、組立ケースの下方開口から商品を抜き取ろうとしても、上蓋板による上方開口の閉塞を解除しなければ下方開口を開放させることができないため、目立ち難い下方開口のみを開放して商品を抜き取る犯罪を未然に防止することが可能となる。
【0009】
また、上記組立ケース副体に、上記基端側折罫部を介して基端が折り曲げ自在に連設され、かつ上記下方開口を閉塞する下蓋板と、上記下蓋板の先端に折罫部を介して基端が折り曲げ自在に連設され、上記第2壁面板の外面に沿って当該第2壁面板の上端縁まで先端が上方へ折り返される外側壁面板と、を設け、上記上蓋板を、上記外側壁面板の先端に上記先端側折罫部を介して連設していることが好ましい。
この場合には、商品の収容場所において4角筒状に組み立てた組立ケース主体が折り畳んだ状態から復元されると、第1壁面板の下端縁の基端側折罫部で組立ケース副体の下蓋板を折り曲げ、この折り曲げた下蓋板の先端に折罫部を介して基端が連設された外側壁面板を第2壁面板の外面に沿って当該第2壁面板の上端縁まで上方へ折り返すことによって、組立ケース主体の下方開口が下蓋板により閉塞される。このとき、組立ケース主体の上方開口を介して商品が収容される。そして、第2壁面板に沿って上方へ折り返された外側壁面板の先端において先端側折罫部を介して上蓋板を折り曲げ、この上蓋板の先端の折罫部を介して折り曲げた差込舌片を組立ケース主体の上方開口に差し込むと、当該上方開口が上蓋板によって閉塞される。
【0010】
このように、組立ケース主体の第1壁面板の下端縁の基端側折罫部で下蓋板を折り曲げ、この折り曲げた下蓋板の先端の外側壁面板を第2壁面板の外面に沿って当該第2壁面板の上端縁まで上方へ折り返すことによって上記下方開口が閉塞され、その上方へ折り返した外側壁面板の先端側折罫部を介して上蓋板を折り曲げ、この上蓋板の先端の折罫部を介して折り曲げた差込舌片を上方開口に差し込むことによって、当該上方開口が閉塞されるので、下方開口及び上方開口を閉塞する際に、下蓋板の差込舌片を下方開口に差し込んで当該下方開口を閉塞する必要がなく、第2壁面板の上端縁まで上方へ折り返した外側壁面板の先端において上蓋板の差込舌片を上方開口に差し込んで当該上方開口を閉塞するだけで済む。これにより、組立ケースに対する商品の収容作業に要する時間が大幅に短縮され、人件費を削減することができる上、商品の収容作業の効率を図ることができる。
しかも、組立ケースから商品を抜き取ろうとしても、上蓋板による上方開口の閉塞を解除しなければ下方開口を開放させることができないため、目立ち難い下方開口のみを開放して商品を抜き取る犯罪を未然に防止することができる。
【0011】
これに対し、上記組立ケース副体に、上記基端側折罫部を介して基端が折り曲げ自在に連設され、かつ上記下方開口を閉塞する下蓋板と、上記下蓋板の先端に折罫部を介して基端が折り曲げ自在に連設され、上記第2壁面板の内面に沿って当該第2壁面板の上端縁まで先端が上方へ折り返される内側壁面板と、を設け、上記上蓋板を、上記内側壁面板の先端に上記先端側折罫部を介して連設していてもよい。
この場合には、商品の収容場所において4角筒状に組み立てた組立ケース主体が折り畳んだ状態から復元されると、第1壁面板の下端縁の基端側折罫部で組立ケース副体の下蓋板を折り曲げ、この折り曲げた下蓋板の先端に折罫部を介して基端が連設された内側壁面板を第2壁面板の内面に沿って当該第2壁面板の上端縁まで上方へ折り返すことによって、組立ケース主体の下方開口が閉塞される。このとき、組立ケース主体の上方開口を介して商品が収容される。そして、第2壁面板に沿って上方へ折り返された内側壁面板の先端側折罫部を介して上蓋板を折り曲げ、この上蓋板の先端の折罫部を介して折り曲げた差込舌片を上方開口に差し込むと、当該上方開口が上蓋板によって閉塞される。
【0012】
このように、組立ケース主体の第1壁面板の下端縁の基端側折罫部で下蓋板を折り曲げ、この折り曲げた下蓋板の先端の内側壁面板を第2壁面板の内面に沿って当該第2壁面板の上端縁まで上方へ折り返すことによって上記下方開口が閉塞され、その上方へ折り返した内側壁面板の先端側折罫部を介して上蓋板を折り曲げ、この上蓋板の先端の折罫部を介して折り曲げた差込舌片を上方開口に差し込むことによって、当該上方開口が閉塞されるので、下方開口及び上方開口を閉塞する際に、下蓋板の差込舌片を下方開口に差し込んで当該下方開口を閉塞する必要がなく、第2壁面板の上端縁まで上方へ折り返した内側壁面板の先端において上蓋板の差込舌片を上方開口に差し込んで当該上方開口を閉塞するだけで済む。これにより、組立ケースに対する商品の収容作業に要する時間が大幅に短縮され、人件費を削減することができる上、商品の収容作業の効率を図ることができる。
しかも、組立ケースから商品を抜き取ろうとしても、上蓋板による上方開口の閉塞を解除しなければ下方開口を開放させることができないため、目立ち難い下方開口のみを開放して商品を抜き取る犯罪を未然に防止することができる。
更に、内側壁面板が第2壁面板の内面に沿って当該第2壁面板の上端縁まで上方へ折り返されていることにより、上方開口から差込舌片を抜き取った上蓋板を第2壁面板の内面に沿って下端縁まで戻さなければ下方開口を開放させることができない。このため、目立ち難い下方開口を開放させるのに手間を要し、商品を抜き取る犯罪を未然に防止する上で非常に有利なものとなる。
【0013】
また、上記組立ケース副体に、上記第1壁面板の下端縁に折罫部を介して基端が折り曲げ自在に連設され、かつ上記下方開口を閉塞しつつ上記第2壁面板の内面に沿って当該第2壁面板の上端縁まで先端が上方へ折り返される下蓋兼用内側壁面板と、を設け、上記上蓋板を、上記下蓋兼用内側壁面板の先端に上記先端側折罫部を介して連設していてもよい。
この場合には、商品の収容場所において4角筒状に組み立てた組立ケース主体が折り畳んだ状態から復元されると、第1壁面板の下端縁の基端側折罫部で組立ケース副体の下蓋兼用内側壁面板を第2壁面板の内面に沿って当該第2壁面板の上端縁まで湾曲させながら上方へ折り返すことによって、組立ケース主体の下方開口が閉塞される。このとき、組立ケース主体の上方開口を介して商品が収容される。そして、第2壁面板に沿って上方へ折り返された下蓋兼用内側壁面板の先端側折罫部を介して上蓋板を折り曲げ、この上蓋板の先端の折罫部を介して折り曲げた差込舌片を上方開口に差し込むと、当該上方開口が上蓋板によって閉塞される。
【0014】
このように、組立ケース主体の第1壁面板の下端縁の基端側折罫部で下蓋兼用内側壁面板を折り曲げ、この折り曲げた下蓋兼用内側壁面板を第2壁面板の内面に沿って当該第2壁面板の上端縁まで湾曲させながら上方へ折り返すことによって下方開口が閉塞され、その上方へ折り返した内側壁面板の先端側折罫部を介して上蓋板を折り曲げ、この上蓋板の先端の折罫部を介して折り曲げた差込舌片を上方開口に差し込むことによって、当該上方開口が閉塞されるので、下方開口及び上方開口を閉塞する際に、下蓋板の差込舌片を下方開口に差し込んで当該下方開口を閉塞する必要がなく、第2壁面板の上端縁まで上方へ折り返した下蓋兼用内側壁面板の先端において上蓋板の差込舌片を上方開口に差し込んで当該上方開口を閉塞するだけで済む。これにより、組立ケースに対する商品の収容作業に要する時間が大幅に短縮され、人件費を削減することができる上、商品の収容作業の効率を図ることができる。
しかも、組立ケースから商品を抜き取ろうとしても、上蓋板による上方開口の閉塞を解除しなければ下方開口を開放させることができないため、目立ち難い下方開口のみを開放して商品を抜き取る犯罪を未然に防止することができる。
更に、下蓋兼用内側壁面板が下方開口を閉塞しつつ第2壁面板の内面に沿って当該第2壁面板の上端縁まで上方へ折り返されていることにより、目立ち難い下方開口を開放させるのに手間を要して商品を抜き取る犯罪を未然に防止する上で非常に有利なものとなるのはもちろんのこと、下蓋兼用内側壁面板と組立ケース主体の第1壁面板との間に収容された商品を下蓋兼用内側壁面板により押さえて商品の位置ズレを効果的に抑制することもできる。
【発明の効果】
【0015】
以上、要するに、組立ケース主体の第1壁面板の下端縁の基端側折罫部で折り曲げた組立ケース副体を上記第1壁面板と対峙する第2壁面板に沿って上方へ折り返した際に下方開口を閉塞し、その上方へ折り返した組立ケース副体の先端側折罫部で上蓋板を折り曲げ、この上蓋板の先端の折罫部で折り曲げた差込舌片を上方開口に差し込んで当該上方開口を閉塞することで、組立ケース主体の下方開口に下蓋板の差込舌片を差し込んで当該下方開口を閉塞する必要がなくなって、組立ケースに対する商品の収容作業に要する時間を大幅に短縮し、人件費を削減させることができる上、商品の収容作業の効率を図ることができる。しかも、上蓋板による上方開口の閉塞を解除しなければ下方開口を開放させることができないため、目立ち難い下方開口のみを開放して商品を抜き取る犯罪を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る組立ケースを得るために打ち抜かれた打ち抜きシートの展開図である。
【図2】図1の組立ケースの組立ケース主体を組み立てた状態で斜め前方から見た斜視図である。
【図3】図2の組立ケースの組立ケース主体の下方開口を組立ケース副体により閉塞した状態で斜め前方から見た斜視図である。
【図4】図3の組立ケース主体の上方開口を組立ケース副体により閉塞した状態で斜め前方から見た斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る組立ケースを得るために打ち抜かれた打ち抜きシートの展開図である。
【図6】図5の組立ケースの組立ケース主体を組み立てた状態で斜め前方から見た斜視図である。
【図7】図6の組立ケースの組立ケース主体の下方開口を組立ケース副体により閉塞した状態で斜め前方から見た斜視図である。
【図8】図7の組立ケース主体の上方開口を組立ケース副体により閉塞した状態で斜め前方から見た斜視図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る組立ケースを得るために打ち抜かれた打ち抜きシートの展開図である。
【図10】図9の組立ケースの組立ケース主体を組み立てた状態で斜め前方から見た斜視図である。
【図11】図10の組立ケースの組立ケース主体の下方開口を組立ケース副体により閉塞した状態で斜め前方から見た斜視図である。
【図12】図11の組立ケース主体の上方開口を組立ケース副体により閉塞した状態で斜め前方から見た斜視図である。
【図13】従来例に係る組立ケースの組立ケース主体を組み立てた状態で斜め前方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
まず、図1を用いて、本発明の実施の形態に係る組立ケース1Aの概略構成について説明する。
【0018】
図1に示すように、上記組立ケース1Aは、組立ケース主体11Aと、組立ケース副体12Aとを備えている。この上記組立ケース1Aは、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートなどの透明プラスチックシートを打ち抜いて形成した打ち抜きシートSAを組み立てることによって得られる。
【0019】
上記組立ケース主体11Aは、前壁面板111A、左壁面板112A、後壁面板113A、及び右壁面板114Aの4つの壁面板111A〜114Aにより構成されている。上記各壁面板111A〜114Aのうち、上記前壁面板111Aは、組立ケース主体11Aの展開時に一側の外側端(図1では右側端)に位置している。上記各壁面板111A〜114Aは、互いに相隣る壁面板の側端縁同士が折罫部21Aを介して折り曲げ自在に連設されている。そして、図2に示すように、上記組立ケース主体11A(各壁面板111A〜114A)は、軸線mAを上下方向へ延ばすように4角筒状に組み立てられる。また、上記組立ケース主体11Aは、上記前壁面板111Aの外端縁(反左壁面板112A側の端縁)に折罫部22Aを介して折り曲げ自在に連設された糊代片115Aを備えている。そして、上記糊代片115Aを右壁面板114Aの表面(外面)に両面粘着テープ10Aで貼り合わせることによって組立形状を保持している。このとき、後壁面板113Aが第1壁面板として構成され、前壁面板111Aが、第1壁面板と対向する第2壁面板として構成されている。
【0020】
また、上記組立ケース副体12Aは、下蓋板121A、外側壁面板122A、上蓋板123A、及び差込舌片124Aを備えている。上記下蓋板121Aは、その基端(図1及び図2では上端)が上記後壁面板113Aの下端に基端側折罫部23Aを介して折り曲げ自在に連設されている。この下蓋板121Aは、上記組立ケース主体11Aの下方に開口する下方開口13Aを閉塞するためのものである。また、上記外側壁面板122Aは、その基端(図1及び図2では上端)が上記下蓋板121Aの先端(図1及び図2では下端)に折罫部24Aを介して折り曲げ自在に連設されている。更に、上記上蓋板123Aは、その基端(図1及び図2では上端)が上記外側壁面板122Aの先端(図1及び図2では下端)に先端側折罫部25Aを介して折り曲げ自在に連設されている。この上蓋板123Aは、上記組立ケース主体11Aの上方に開口する上方開口14Aを閉塞するためのものである。また、上記差込舌片124Aは、上記上蓋板123Aの先端(図1及び図2では下端)に後述する折罫部26Aを介して連設されている。
【0021】
上記差込舌片124Aは、図3に示すように、上記上蓋板123Aが上方開口14Aを閉塞した状態で、上記上方開口14Aに差し込まれる。そして、上記差込舌片124Aは、その幅が上記上蓋板123Aの反外側壁面板122A側の端縁の中央位置においてその端縁の幅の略7割程度に設定された基端部125Aと、上記後壁面板113Aの裏面(内面)に沿って上方開口14Aに差し込まれる差込舌片本体126Aとを備えている。更に、上記差込舌片124Aの基端部125Aは、上記上蓋板123Aの反外側壁面板122A側の端縁中央に設けられた凹設部127Aに折罫部26Aを介して折り曲げ自在に連設されている。
【0022】
また、上記左壁面板112A及び上記右壁面板114Aの上端縁には、それぞれサイドフラップ15A,15Aが折罫部27Aを介して折り曲げ自在に連設されている。上記左壁面板112A及び上記右壁面板114Aの下端縁には、それぞれサイドフラップ16A,16Aが折罫部28Aを介して折り曲げ自在に連設されている。これらのサイドフラップ15A,16Aは、上方開口14A及び下方開口13Aを塞ぐように折罫部27A,28Aで折り曲げられたとき、その先端同士が互いに重なり合わない長さ、つまり前壁面板111A及び後壁面板113Aの幅方向(図1では左右方向)の長さの4分の1よりも若干短い長さに形成されている。
【0023】
そして、上記左壁面板112A及び上記右壁面板114Aの下端縁の各サイドフラップ16Aは、上記各折罫部28Aで折り曲げられたとき、それぞれの前端辺が各折罫部28Aに対しそれぞれ直交する方向に直線状に延びたのち後端辺側へ段差状に切り欠かれて上記各サイドフラップ16Aの先端に向かって斜め方向に延びている。一方、上記左壁面板112A及び上記右壁面板114Aの下端縁の各サイドフラップ16Aの後端辺は、上記各折罫部28Aで折り曲げられたとき、上記後壁面板113Aと下蓋板121Aとの基端側折罫部23Aに対し前壁面板111A側に微小の隙間を存して上記基端側折罫部23Aと直交する方向に直線状に延びている。また、上記左壁面板112A及び上記右壁面板114Aの上端縁の各サイドフラップ15Aは、上記各折罫部27Aで折り曲げられたとき、それぞれの前端辺が上記上蓋板123Aと上記外側壁面板122Aとの先端側折罫部25Aに略一致するように上記折罫部27Aに対し直交する方向に直線状に延びている。一方、上記左壁面板112A及び上記右壁面板114Aの上端縁の各サイドフラップ15Aの後端辺は、上記各折罫部27Aで折り曲げられたとき、上記各折罫部27Aに対しそれぞれ直交する方向に直線状に延びたのち前端辺側へ段差状に切り欠かれて上記各サイドフラップ15Aの先端に向かって斜め方向に延びている。
【0024】
また、図4に示すように、上記左壁面板112A及び上記右壁面板114Aの上端縁の各サイドフラップ15Aが上記各折罫部27Aで折り曲げられたとき、その各サイドフラップ15Aの後端辺において段差状に切り欠いた切欠部同士の間は、上記差込舌片124Aの基端部125Aとほぼ同幅に形成され、上記差込舌片124Aが後壁面板113Aの裏面に沿っていれば、挿入がスムーズに行われる。この場合、上記差込舌片124Aは、その基端部125Aが上蓋板123Aの反外側壁面板122A側の端縁中央の凹設部127Aに折罫部26Aを介して連設されているので、上記上方開口14Aに差込舌片124Aの基端部125Aが差し込まれると、その基端部125Aよりも外側に位置する差込舌片124Aの基端部125A側の端縁が各サイドフラップ15Aの裏面(内面)に係合し、上蓋板123Aの開放を規制する機能を有している。
【0025】
そして、上記後壁面板113Aの上端縁には、当該後壁面板113Aよりも若干量だけ上方へ突出して看板としての機能を有する後側突片31が一体的に突設されている。この後側突片31の上端は、上記後壁面板113Aの上端左右両位置より斜め上方向に向かう波形状に形成されている。
【0026】
次に、組立ケース1Aに商品が収容されるまでの作業の流れを説明する。
まず、図1に示すように、透明プラスチックシートを打ち抜いて形成した打ち抜きシートSを透明プラスチックシートから外す。このとき、打ち抜きシートSAには、裏面側(内面側)からの印刷が既に完了している。
【0027】
次いで、図2に示すように、前壁面板111A、左壁面板112A、後壁面板113A、右壁面板114A、及び糊代片115Aをそれぞれ折罫部21A,22Aを介して折り曲げて、組立ケース主体11Aを4角筒状に組み立てる。このとき、前壁面板111Aと糊代片115Aとの間の折罫部22Aが右壁面板114Aの反後壁面板113A側の端縁と略一致するように糊代片115Aを右壁面板114Aの表面に両面粘着テープ10Aで貼り合わせることによって組立ケース主体11Aの組立形状を保持する。
【0028】
それから、前壁面板111Aと糊代片115Aとの間の折罫部22A、及び、左壁面板112Aと後壁面板113Aとの間の折罫部21Aにおいて折り曲げて組立ケース1Aを畳んだ状態にする。この畳んだ状態の組立ケース1Aは、図示しないケース状の梱包材に箱詰めされて、当該組立ケース1Aの内部に収容される商品の収容場所などに搬送される。
【0029】
その後、梱包材に箱詰めされて商品の収容場所などに搬送されると、この収容場所などにおいて、組立ケース1Aを梱包材から取り出して組立ケース主体11Aを復元させる。
具体的には、前壁面板111Aと左壁面板112Aとの間の折罫部21A、左壁面板112Aと後壁面板113Aとの間の折罫部21A、後壁面板113Aと右壁面板114Aとの間の折罫部21A、及び前壁面板111Aと糊代片115Aとの間の折罫部22Aにおいてそれぞれ折り曲げて組立ケース主体11Aを四角柱状に復元する。
【0030】
しかる後、図3に示すように、組立ケース主体11Aの下方開口13Aを閉塞する。
具体的には、左壁面板112A及び右壁面板114Aの下端縁の各サイドフラップ16Aを、組立ケース主体11Aの下方開口13Aを塞ぐようにそれぞれ折罫部28Aで折り曲げる。その後、組立ケース副体12Aの下蓋板121Aの基端を後壁面板113Aの下端に対し基端側折罫部23Aを介して折り曲げるとともに、外側壁面板122Aの基端を下蓋板121Aの先端に対し折罫部24Aを介して折り曲げる。このとき、外側壁面板122Aは、上記前壁面板111Aの外面に沿って当該前壁面板111Aの上端縁に先端が位置するように上方へ折り返され、これによって、外側壁面板122Aの基端と下蓋板121Aの先端との間の折罫部24Aが前壁面板111Aの下端縁に位置し、組立ケース主体11Aの下方開口13Aを下蓋板121Aにより閉塞している。
【0031】
それから、図4に示すように、組立ケース主体11Aの上方開口14Aを閉塞する。
具体的には、左壁面板112A及び右壁面板114Aの上端縁の各サイドフラップ15Aを、組立ケース主体11Aの上方開口14Aを塞ぐようにそれぞれ折罫部27Aで折り曲げる。その後、組立ケース副体12Aの上蓋板123Aの基端を外側壁面板122Aの先端に対し先端側折罫部25Aを介して折り曲げるとともに、差込舌片124Aを上蓋板123Aの先端に対し折罫部26Aを介して折り曲げる。そして、上記左壁面板112A及び上記右壁面板114Aの上端縁の各サイドフラップ15Aが上記各折罫部27Aで折り曲げられたときに上記差込舌片124Aの基端部125Aとほぼ同幅に形成される、各サイドフラップ15Aの後端辺における切欠部同士の間に、上記差込舌片124Aを後壁面板113Aの裏面に沿わせてスムーズに挿入し、上方開口14Aを上蓋板123Aにより閉塞する。このとき、上方開口14Aに差込舌片124Aの基端部125Aを差し込むと、その基端部125Aよりも外側に位置する差込舌片124Aの基端部125A側の端縁が各サイドフラップ15Aの裏面に係合し、これによって、上蓋板123Aの開放を規制している。
【0032】
したがって、上記第1の実施の形態では、商品の収容場所において4角筒状に組み立てた組立ケース主体11Aが折り畳んだ状態から復元されると、後壁面板113Aの下端縁の基端側折罫部23Aで下蓋板121Aの基端を折り曲げ、この基端を折り曲げた下蓋板121Aの先端に折罫部24Aを介して基端が連設された外側壁面板122Aを前壁面板111Aの外面に沿って当該前壁面板111Aの上端縁に先端が位置するように上方へ折り返すことによって、下方開口13Aが下蓋板121Aによって閉塞される。このとき、上方開口14Aを介して組立ケース主体11Aの内部に商品が収容される。そして、前壁面板111Aに沿って上方へ折り返された外側壁面板122Aの先端において先端側折罫部25Aを介して上蓋板123Aを折り曲げるとともに、この上蓋板123Aの先端の折罫部26Aを介して差込舌片124Aを折り曲げて上方開口14Aに差し込むと、当該上方開口14Aが上蓋板123Aによって閉塞される。
【0033】
このように、組立ケース主体11Aの後壁面板113Aの下端縁の基端側折罫部23Aで下蓋板121Aの基端を折り曲げるとともに、この折り曲げた下蓋板121Aの先端で折罫部24Aを介して折り曲げた外側壁面板122Aを、前壁面板111Aの外面に沿って当該前壁面板111Aの上端縁に先端が位置するように上方へ折り返すことによって、上記下方開口13Aが閉塞され、その上方へ折り返した外側壁面板122Aの先端側折罫部25Aを介して上蓋板123Aを折り曲げるとともに、この上蓋板123Aの先端の折罫部26Aで折り曲げた差込舌片124Aを上方開口14Aに差し込むことによって当該上方開口14Aが閉塞されるので、下方開口13A及び上方開口14Aを閉塞する際に、下蓋板の差込舌片を下方開口に差し込んで当該下方開口を閉塞する必要がなく、前壁面板111Aの上端縁まで上方へ折り返した外側壁面板122Aの先端において上蓋板123Aの差込舌片124Aを上方開口14Aに差し込んで当該上方開口14Aを閉塞するだけで済む。これにより、組立ケース1Aに対する商品の収容作業に要する時間が大幅に短縮され、人件費を削減することができる上、商品の収容作業の効率を図ることができる。
【0034】
しかも、組立ケース1Aから商品を抜き取ろうとしても、上蓋板123Aによる上方開口14Aの閉塞を解除しなければ下方開口13Aを開放させることができないため、目立ち難い下方開口13Aのみを開放して商品を抜き取る犯罪を未然に防止することができる。
【0035】
次に、本発明の第2の実施の形態を図5〜図8に基づいて説明する。
この実施の形態では、組立ケースの構成を変更している。
すなわち、本実施の形態では、図5に示すように、組立ケース1Bは、組立ケース本体11Bと、組立ケース副体12Bとを備えている。この上記組立ケース1Bは、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートなどの透明プラスチックシートを打ち抜いて形成した打ち抜きシートSBを組み立てることによって得られる。
【0036】
上記組立ケース主体11Bは、前壁面板111B、左壁面板112B、後壁面板113B、及び右壁面板114Bの4つの壁面板111B〜114Bにより構成されている。上記各壁面板111B〜114Bのうち、上記前壁面板111Bは、組立ケース主体11Bの展開時に一側の外側端(図5では右側端)に位置している。上記各壁面板111B〜114Bは、互いに相隣る壁面板の側端縁同士が折罫部21Bを介して折り曲げ自在に連設されている。そして、図6に示すように、上記組立ケース主体11B(各壁面板111B〜114B)は、軸線mBを上下方向へ延ばすように4角筒状に組み立てられる。また、上記組立ケース主体11Bは、上記前壁面板111Bの外端縁(反左壁面板112B側の端縁)に折罫部22Bを介して折り曲げ自在に連設された糊代片115Bを備えている。そして、上記糊代片115Bを右壁面板114Bの表面(外面)に両面粘着テープ10Bで貼り合わせることによって組立形状を保持している。このとき、後壁面板113Bが第1壁面板として構成され、前壁面板111Bが、第1壁面板と対向する第2壁面板として構成されている。
【0037】
また、上記組立ケース副体12Bは、下蓋板121B、内側壁面板122B、上蓋板123B、及び差込舌片124Bを備えている。上記下蓋板121Bは、その基端(図5及び図6では上端)が上記後壁面板113Bの下端に基端側折罫部23Bを介して折り曲げ自在に連設されている。この下蓋板121Bは、上記組立ケース主体11Bの下方に開口する下方開口13Bを閉塞するためのものである。また、上記内側壁面板122Bは、その基端(図5及び図6では上端)が上記下蓋板121Bの先端(図5及び図6では下端)に折罫部24Bを介して折り曲げ自在に連設され、組立ケース主体11Bの前壁面板の内面に沿って上方へ折り返される。更に、上記上蓋板123Bは、その基端(図5及び図6では上端)が上記内側壁面板122Bの先端(図5及び図6では下端)に先端側折罫部25Bを介して折り曲げ自在に連設されている。この上蓋板123Bは、上記組立ケース主体11Bの上方に開口する上方開口14Bを閉塞するためのものである。また、上記差込舌片124Bは、上記上蓋板123Bの先端(図5及び図6では下端)に後述する折罫部26Bを介して連設されている。
【0038】
上記差込舌片124Bは、図7に示すように、上記上蓋板123Bが上方開口14Bを閉塞した状態で、上記上方開口14Bに差し込まれる。そして、上記差込舌片124Bは、その幅が上記上蓋板123Bの反内側壁面板122B側の端縁の中央位置においてその端縁の幅の略7割程度に設定された基端部125Bと、上記後壁面板113Bの裏面(内面)に沿って上方開口14Bに差し込まれる差込舌片本体126Bとを備えている。更に、上記差込舌片124Bの基端部125Bは、上記上蓋板123Bの反内側壁面板122B側の端縁中央に設けられた凹設部127Bに折罫部26Bを介して折り曲げ自在に連設されている。
【0039】
また、上記左壁面板112B及び上記右壁面板114Bの上端縁には、それぞれサイドフラップ15B,15Bが折罫部27Bを介して折り曲げ自在に連設されている。上記左壁面板112B及び上記右壁面板114Bの下端縁には、それぞれサイドフラップ16B,16Bが折罫部28Bを介して折り曲げ自在に連設されている。これらのサイドフラップ15B,16Bは、上方開口14B及び下方開口13Bを塞ぐように折罫部27B,28Bで折り曲げられたとき、その先端同士が互いに重なり合わない長さ、つまり前壁面板111B及び後壁面板113Bの幅方向(図5では左右方向)の長さの4分の1よりも若干短い長さに形成されている。
【0040】
そして、上記左壁面板112B及び上記右壁面板114Bの下端縁の各サイドフラップ16Bは、上記各折罫部28Bで折り曲げられたとき、それぞれの前端辺が各折罫部28Bに対しそれぞれ直交する方向に直線状に延びたのち後端辺側へ段差状に切り欠かれて上記各サイドフラップ16Bの先端に向かって斜め方向に延びている。一方、上記左壁面板112B及び上記右壁面板114Bの下端縁の各サイドフラップ16Bの後端辺は、上記各折罫部28Bで折り曲げられたとき、上記後壁面板113Bと下蓋板121Bとの基端側折罫部23Bに対し前壁面板111B側に微小の隙間を存して上記基端側折罫部23Bと直交する方向に直線状に延びている。また、上記左壁面板112B及び上記右壁面板114Bの上端縁の各サイドフラップ15Bは、上記各折罫部27Bで折り曲げられたとき、それぞれの前端辺が上記上蓋板123Bと上記内側壁面板122Bとの先端側折罫部25Bに略一致するように上記折罫部27Bに対し直交する方向に直線状に延びている。一方、上記左壁面板112B及び上記右壁面板114Bの上端縁の各サイドフラップ15Bの後端辺は、上記各折罫部27Bで折り曲げられたとき、上記各折罫部27Bに対しそれぞれ直交する方向に直線状に延びたのち前端辺側へ段差状に切り欠かれて上記各サイドフラップ15Bの先端に向かって斜め方向に延びている。
【0041】
また、図8に示すように、上記左壁面板112B及び上記右壁面板114Bの上端縁の各サイドフラップ15Bが上記各折罫部27Bで折り曲げられたとき、その各サイドフラップ15Bの後端辺において段差状に切り欠いた切欠部同士の間は、上記差込舌片124Bの基端部125Bとほぼ同幅に形成され、上記差込舌片124Bが後壁面板113Bの裏面に沿っていれば、挿入がスムーズに行われる。この場合、上記差込舌片124Bは、その基端部125Bが上蓋板123Bの反内側壁面板122B側の端縁中央の凹設部127Bに折罫部26Bを介して連設されているので、上記上方開口14Bに差込舌片124Bの基端部125Bが差し込まれると、その基端部125Bよりも外側に位置する差込舌片124Bの基端部125B側の端縁が各サイドフラップ15Bの裏面(内面)に係合し、上蓋板123Bの開放を規制する機能を有している。
【0042】
次に、組立ケース1Bに商品が収容されるまでの作業の流れを説明する。
まず、図5に示すように、透明プラスチックシートを打ち抜いて形成した打ち抜きシートSを透明プラスチックシートから外す。このとき、打ち抜きシートSBには、裏面側(内面側)からの印刷が既に完了している。
【0043】
次いで、図6に示すように、前壁面板111B、左壁面板112B、後壁面板113B、右壁面板114B、及び糊代片115Bをそれぞれ折罫部21B,22Bを介して折り曲げて、組立ケース主体11Bを4角筒状に組み立てる。このとき、前壁面板111Bと糊代片115Bとの間の折罫部22Bが右壁面板114Bの反後壁面板113B側の端縁と略一致するように糊代片115Bを右壁面板114Bの表面に両面粘着テープ10Bで貼り合わせることによって組立ケース主体11Bの組立形状を保持する。
【0044】
それから、前壁面板111Bと糊代片115Bとの間の折罫部22B、及び、左壁面板112Bと後壁面板113Bとの間の折罫部21Bにおいて折り曲げて組立ケース1Bを畳んだ状態にする。この畳んだ状態の組立ケース1Bは、図示しないケース状の梱包材に箱詰めされて、当該組立ケース1Bの内部に収容される商品の収容場所などに搬送される。
【0045】
その後、梱包材に箱詰めされて商品の収容場所などに搬送されると、この収容場所などにおいて、組立ケース1Bを梱包材から取り出して組立ケース主体11Bを復元させる。
具体的には、前壁面板111Bと左壁面板112Bとの間の折罫部21B、左壁面板112Bと後壁面板113Bとの間の折罫部21B、後壁面板113Bと右壁面板114Bとの間の折罫部21B、及び前壁面板111Bと糊代片115Bとの間の折罫部22Bにおいてそれぞれ折り曲げて組立ケース主体11Bを四角柱状に復元する。
【0046】
しかる後、図7に示すように、組立ケース主体11Bの下方開口13Bを閉塞する。
具体的には、左壁面板112B及び右壁面板114Bの下端縁の各サイドフラップ16Bを、組立ケース主体11Bの下方開口13Bを塞ぐようにそれぞれ折罫部28Bで折り曲げる。その後、組立ケース副体12Bの下蓋板121Bの基端を後壁面板113Bの下端に対し基端側折罫部23Bを介して折り曲げるとともに、内側壁面板122Bの基端を下蓋板121Bの先端に対し折罫部24Bを介して折り曲げる。このとき、内側壁面板122Bは、上記前壁面板111Bの内面に沿って当該前壁面板111Bの上端縁に先端が位置するように上方へ折り返され、これによって、内側壁面板122Bの基端と下蓋板121Bの先端との間の折罫部24Bが前壁面板111Bの下端縁に位置し、組立ケース主体11Bの下方開口13Bを下蓋板121Bにより閉塞している。
【0047】
それから、図8に示すように、組立ケース主体11Bの上方開口14Bを閉塞する。
具体的には、左壁面板112B及び右壁面板114Bの上端縁の各サイドフラップ15Bを、組立ケース主体11Bの上方開口14Bを塞ぐようにそれぞれ折罫部27Bで折り曲げる。その後、組立ケース副体12Bの上蓋板123Bの基端を内側壁面板122Bの先端に対し先端側折罫部25Bを介して折り曲げるとともに、差込舌片124Bを上蓋板123Bの先端に対し折罫部26Bを介して折り曲げる。そして、上記左壁面板112B及び上記右壁面板114Bの上端縁の各サイドフラップ15Bが上記各折罫部27Bで折り曲げられたときに上記差込舌片124Bの基端部125Bとほぼ同幅に形成される、各サイドフラップ15Bの後端辺における切欠部同士の間に、上記差込舌片124Bを後壁面板113Bの裏面に沿わせてスムーズに挿入し、上方開口14Bを上蓋板123Bにより閉塞する。このとき、上方開口14Bに差込舌片124Bの基端部125Bを差し込むと、その基端部125Bよりも外側に位置する差込舌片124Bの基端部125B側の端縁が各サイドフラップ15Bの裏面に係合し、これによって、上蓋板123Bの開放を規制している。
【0048】
したがって、上記第2の実施の形態では、商品の収容場所において4角筒状に組み立てた組立ケース主体11Bが折り畳んだ状態から復元されると、後壁面板113Bの下端縁の基端側折罫部23Bで下蓋板121Bの基端を折り曲げ、この基端を折り曲げた下蓋板121Bの先端に折罫部24Bを介して基端が連設された内側壁面板122Bを前壁面板111Bの内面に沿って当該前壁面板111Bの上端縁に先端が位置するように上方へ折り返すことによって、下方開口13Bが下蓋板121Bによって閉塞される。このとき、上方開口14Bを介して組立ケース主体11Bの内部に商品が収容される。そして、前壁面板111Bに沿って上方へ折り返された内側壁面板122Bの先端において先端側折罫部25Bを介して上蓋板123Bを折り曲げるとともに、この上蓋板123Bの先端の折罫部26Bを介して差込舌片124Bを折り曲げて上方開口14Bに差し込むと、当該上方開口14Bが上蓋板123Bによって閉塞される。
【0049】
このように、組立ケース主体11Bの後壁面板113Bの下端縁の基端側折罫部23Bで下蓋板121Bの基端を折り曲げるとともに、この折り曲げた下蓋板121Bの先端で折罫部24Bを介して折り曲げた内側壁面板122Bを、前壁面板111Bの内面に沿って当該前壁面板111Bの上端縁に先端が位置するように上方へ折り返すことによって、上記下方開口13Bが閉塞され、その上方へ折り返した内側壁面板122Bの先端側折罫部25Bを介して上蓋板123Bを折り曲げるとともに、この上蓋板123Bの先端の折罫部26Bで折り曲げた差込舌片124Bを上方開口14Bに差し込むことによって当該上方開口14Bが閉塞されるので、下方開口13B及び上方開口14Bを閉塞する際に、下蓋板の差込舌片を下方開口に差し込んで当該下方開口を閉塞する必要がなく、前壁面板111Bの上端縁まで上方へ折り返した内側壁面板122Bの先端において上蓋板123Bの差込舌片124Bを上方開口14Bに差し込んで当該上方開口14Bを閉塞するだけで済む。これにより、組立ケース1Bに対する商品の収容作業に要する時間が大幅に短縮され、人件費を削減することができる上、商品の収容作業の効率を図ることができる。
【0050】
しかも、組立ケース1Bから商品を抜き取ろうとしても、上蓋板123Bによる上方開口14Bの閉塞を解除しなければ下方開口13Bを開放させることができないため、目立ち難い下方開口13Bのみを開放して商品を抜き取る犯罪を未然に防止することができる。
【0051】
更に、内側壁面板122Bが前壁面板111Bの内面に沿って当該前壁面板111Bの上端縁まで上方へ折り返されていることにより、上方開口14Bから差込舌片124Bを抜き取った上蓋板123Bを前壁面板111Bの内面に沿って下端縁まで戻さなければ下方開口13Bを開放させることができない。このため、目立ち難い下方開口13Bを開放させるのに手間を要し、商品を抜き取る犯罪を未然に防止する上で非常に有利なものとなる。
【0052】
次に、本発明の第3の実施の形態を図9〜図12に基づいて説明する。
この実施の形態では、組立ケースの構成を変更している。
すなわち、本実施の形態では、図9に示すように、組立ケース1Cは、組立ケース本体11Cと、組立ケース副体12Cとを備えている。この上記組立ケース1Cは、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートなどの透明プラスチックシートを打ち抜いて形成した打ち抜きシートSCを組み立てることによって得られる。
【0053】
上記組立ケース主体11Cは、前壁面板111C、左壁面板112C、後壁面板113C、及び右壁面板114Cの4つの壁面板111C〜114Cにより構成されている。上記各壁面板111C〜114Cのうち、上記前壁面板111Cは、組立ケース主体11Cの展開時に一側の外側端(図9では右側端)に位置している。上記各壁面板111C〜114Cは、互いに相隣る壁面板の側端縁同士が折罫部21Cを介して折り曲げ自在に連設されている。そして、図10に示すように、上記組立ケース主体11C(各壁面板111C〜114C)は、軸線mCを上下方向へ延ばすように4角筒状に組み立てられる。また、上記組立ケース主体11Cは、上記前壁面板111Cの外端縁(反左壁面板112C側の端縁)に折罫部22Cを介して折り曲げ自在に連設された糊代片115Cを備えている。そして、上記糊代片115Cを右壁面板114Cの表面(外面)に両面粘着テープ10Cで貼り合わせることによって組立形状を保持している。このとき、後壁面板113Cが第1壁面板として構成され、前壁面板111Cが、第1壁面板と対向する第2壁面板として構成されている。
【0054】
また、上記組立ケース副体12Cは、下蓋板兼用内側壁面板122C、上蓋板123C、及び差込舌片124Cを備えている。上記下蓋板兼用内側壁面板122Cは、その基端(図9及び図10では上端)が上記後壁面板113Cの下端に基端側折罫部23Cを介して折り曲げ自在に連設されている。この下蓋板兼用内側壁面板122Cは、上記組立ケース主体11Cの下方に開口する下方開口13Cを閉塞しつつ前壁面板111Cの内面に沿って上方へ折り返されるものである。また、上記上蓋板123Cは、その基端(図9及び図10では上端)が上記下蓋板兼用内側壁面板122Cの先端(図9及び図10では下端)に先端側折罫部25Cを介して折り曲げ自在に連設されている。この上蓋板123Cは、上記組立ケース主体11Cの上方に開口する上方開口14Cを閉塞するためのものである。また、上記差込舌片124Cは、上記上蓋板123Cの先端(図9及び図10では下端)に後述する折罫部26Cを介して連設されている。
【0055】
上記差込舌片124Cは、図11に示すように、上記上蓋板123Cが上方開口14Cを閉塞した状態で、上記上方開口14Cに差し込まれる。そして、上記差込舌片124Cは、その幅が上記上蓋板123Cの反下蓋板兼用内側壁面板122C側の端縁の中央位置においてその端縁の幅の略7割程度に設定された基端部125Cと、上記後壁面板113Cの裏面(内面)に沿って上方開口14Cに差し込まれる差込舌片本体126Cとを備えている。更に、上記差込舌片124Cの基端部125Cは、上記上蓋板123Cの反外側壁面板122C側の端縁中央に設けられた凹設部127Cに折罫部26Cを介して折り曲げ自在に連設されている。
【0056】
また、上記左壁面板112C及び上記右壁面板114Cの上端縁には、それぞれサイドフラップ15C,15Cが折罫部27Cを介して折り曲げ自在に連設されている。上記左壁面板112C及び上記右壁面板114Cの下端縁には、それぞれサイドフラップ16C,16Cが折罫部28Cを介して折り曲げ自在に連設されている。これらのサイドフラップ15C,16Cは、上方開口14C及び下方開口13Cを塞ぐように折罫部27C,28Cで折り曲げられたとき、その先端同士が互いに重なり合わない長さ、つまり前壁面板111C及び後壁面板113Cの幅方向(図9では左右方向)の長さの4分の1よりも若干短い長さに形成されている。
【0057】
そして、上記左壁面板112C及び上記右壁面板114Cの下端縁の各サイドフラップ16Cは、上記各折罫部28Cで折り曲げられたとき、それぞれの前端辺が各折罫部28Cに対しそれぞれ直交する方向に直線状に延びたのち後端辺側へ段差状に切り欠かれて上記各サイドフラップ16Cの先端に向かって斜め方向に延びている。一方、上記左壁面板112C及び上記右壁面板114Cの下端縁の各サイドフラップ16Cの後端辺は、上記各折罫部28Cで折り曲げられたとき、上記後壁面板113Cと下蓋板121Cとの基端側折罫部23Cに対し前壁面板111C側に微小の隙間を存して上記基端側折罫部23Cと直交する方向に直線状に延びている。また、上記左壁面板112C及び上記右壁面板114Cの上端縁の各サイドフラップ15Cは、上記各折罫部27Cで折り曲げられたとき、それぞれの前端辺が上記上蓋板123Cと上記外側壁面板122Cとの先端側折罫部25Cに略一致するように上記折罫部27Cに対し直交する方向に直線状に延びている。一方、上記左壁面板112C及び上記右壁面板114Cの上端縁の各サイドフラップ15Cの後端辺は、上記各折罫部27Cで折り曲げられたとき、上記各折罫部27Cに対しそれぞれ直交する方向に直線状に延びたのち前端辺側へ段差状に切り欠かれて上記各サイドフラップ15Cの先端に向かって斜め方向に延びている。
【0058】
また、図12に示すように、上記左壁面板112C及び上記右壁面板114Cの上端縁の各サイドフラップ15Cが上記各折罫部27Cで折り曲げられたとき、その各サイドフラップ15Cの後端辺において段差状に切り欠いた切欠部同士の間は、上記差込舌片124Cの基端部125Cとほぼ同幅に形成され、上記差込舌片124Cが後壁面板113Cの裏面に沿っていれば、挿入がスムーズに行われる。この場合、上記差込舌片124Cは、その基端部125Cが上蓋板123Cの反外側壁面板122C側の端縁中央の凹設部127Cに折罫部26Cを介して連設されているので、上記上方開口14Cに差込舌片124Cの基端部125Cが差し込まれると、その基端部125Cよりも外側に位置する差込舌片124Cの基端部125C側の端縁が各サイドフラップ15Cの裏面(内面)に係合し、上蓋板123Cの開放を規制する機能を有している。
【0059】
次に、組立ケース1Cに商品が収容されるまでの作業の流れを説明する。
まず、図9に示すように、透明プラスチックシートを打ち抜いて形成した打ち抜きシートSを透明プラスチックシートから外す。このとき、打ち抜きシートSBには、裏面側(内面側)からの印刷が既に完了している。
【0060】
次いで、図10に示すように、前壁面板111C、左壁面板112C、後壁面板113C、右壁面板114C、及び糊代片115Cをそれぞれ折罫部21C,22Cを介して折り曲げて、組立ケース主体11Cを4角筒状に組み立てる。このとき、前壁面板111Cと糊代片115Cとの間の折罫部22Cが右壁面板114Cの反後壁面板113C側の端縁と略一致するように糊代片115Cを右壁面板114Cの表面に両面粘着テープ10Cで貼り合わせることによって組立ケース主体11Cの組立形状を保持する。
【0061】
それから、前壁面板111Cと糊代片115Cとの間の折罫部22C、及び、左壁面板112Cと後壁面板113Cとの間の折罫部21Cにおいて折り曲げて組立ケース1Cを畳んだ状態にする。この畳んだ状態の組立ケース1Cは、図示しないケース状の梱包材に箱詰めされて、当該組立ケース1Cの内部に収容される商品の収容場所などに搬送される。
【0062】
その後、梱包材に箱詰めされて商品の収容場所などに搬送されると、この収容場所などにおいて、組立ケース1Cを梱包材から取り出して組立ケース主体11Cを復元させる。
具体的には、前壁面板111Cと左壁面板112Cとの間の折罫部21C、左壁面板112Cと後壁面板113Cとの間の折罫部21C、後壁面板113Cと右壁面板114Cとの間の折罫部21C、及び前壁面板111Cと糊代片115Cとの間の折罫部22Cにおいてそれぞれ折り曲げて組立ケース主体11Cを四角柱状に復元する。
【0063】
しかる後、図11に示すように、組立ケース主体11Cの下方開口13Cを閉塞する。
具体的には、組立ケース副体12Cの下蓋板兼用内側壁面板122Cの基端を後壁面板113Cの下端に対し基端側折罫部23Cを介して折り曲げる。このとき、下蓋板兼用内側壁面板122Cは、上記前壁面板111Cの内面に沿って当該前壁面板111Cの上端縁に先端が位置するように湾曲しながら上方へ折り返され、これによって、下蓋板兼用内側壁面板122Cの基端と下蓋板121Cの先端との間の折罫部24Cが前壁面板111Cの下端縁に位置し、組立ケース主体11Cの下方開口13Cを下蓋板兼用内側壁面板122Cの湾曲部分により閉塞している。
【0064】
それから、図12に示すように、組立ケース主体11Cの上方開口14Cを閉塞する。
具体的には、左壁面板112C及び右壁面板114Cの上端縁の各サイドフラップ15Cを、組立ケース主体11Cの上方開口14Cを塞ぐようにそれぞれ折罫部27Cで折り曲げる。その後、組立ケース副体12Cの上蓋板123Cの基端を下蓋板兼用内側壁面板122Cの先端に対し先端側折罫部25Cを介して折り曲げるとともに、差込舌片124Cを上蓋板123Cの先端に対し折罫部26Cを介して折り曲げる。そして、上記左壁面板112C及び上記右壁面板114Cの上端縁の各サイドフラップ15Cが上記各折罫部27Cで折り曲げられたときに上記差込舌片124Cの基端部125Cとほぼ同幅に形成される、各サイドフラップ15Cの後端辺における切欠部同士の間に、上記差込舌片124Cを後壁面板113Cの裏面に沿わせてスムーズに挿入し、上方開口14Cを上蓋板123Cにより閉塞する。このとき、上方開口14Cに差込舌片124Cの基端部125Cを差し込むと、その基端部125Cよりも外側に位置する差込舌片124Cの基端部125C側の端縁が各サイドフラップ15Cの裏面に係合し、これによって、上蓋板123Cの開放を規制している。
【0065】
したがって、上記第3の実施の形態では、商品の収容場所において4角筒状に組み立てた組立ケース主体11Cが折り畳んだ状態から復元されると、後壁面板113Cの下端縁に基端側折罫部23Cを介して基端が連設された下蓋板兼用内側壁面板122Cを折り曲げ、この基端を折り曲げた下蓋板兼用内側壁面板122Cを前壁面板111Cの内面に沿って上記前壁面板111Cの上端縁に先端が位置するように湾曲させながら上方へ折り返すことによって、下方開口13Cが閉塞される。このとき、上方開口14Cを介して組立ケース主体11Cの内部に商品が収容される。そして、前壁面板111Cの内面に沿って上方へ折り返された下蓋板兼用内側壁面板122Cの先端において先端側折罫部25Cを介して上蓋板123Cを折り曲げるとともに、この上蓋板123Cの先端の折罫部26Cを介して差込舌片124Cを折り曲げて上方開口14Cに差し込むと、当該上方開口14Cが上蓋板123Cによって閉塞される。
【0066】
このように、組立ケース主体11Cの後壁面板113Cの下端縁の基端側折罫部23Cで下蓋板兼用内側壁面板122Cの基端を折り曲げるとともに、この折り曲げた下蓋板兼用内側壁面板122Cを、前壁面板111Cの外面に沿って当該前壁面板111Cの上端縁に先端が位置するように湾曲させながら上方へ折り返すことによって、上記下方開口13Cが閉塞され、その上方へ折り返した下蓋板兼用内側壁面板122Cの先端側折罫部25Cを介して上蓋板123Cを折り曲げるとともに、この上蓋板123Cの先端の折罫部26Cで折り曲げた差込舌片124Cを上方開口14Cに差し込むことによって当該上方開口14Cが閉塞されるので、下方開口13C及び上方開口14Cを閉塞する際に、下蓋板の差込舌片を下方開口に差し込んで当該下方開口を閉塞する必要がなく、前壁面板111Cの上端縁まで上方へ折り返した下蓋板兼用内側壁面板122Cの先端において上蓋板123Cの差込舌片124Cを上方開口14Cに差し込んで当該上方開口14Cを閉塞するだけで済む。これにより、組立ケース1Cに対する商品の収容作業に要する時間が大幅に短縮され、人件費を削減することができる上、商品の収容作業の効率を図ることができる。
【0067】
しかも、組立ケース1Cから商品を抜き取ろうとしても、上蓋板123Cによる上方開口14Cの閉塞を解除しなければ下方開口13Cを開放させることができないため、目立ち難い下方開口13Cのみを開放して商品を抜き取る犯罪を未然に防止することができる。
【0068】
更に、下蓋兼用内側壁面板122Cが下方開口13Cを閉塞しつつ前壁面板111Cの内面に沿って当該前壁面板111Cの上端縁まで上方へ折り返されていることにより、目立ち難い下方開口13Cを開放させるのに手間を要して商品を抜き取る犯罪を未然に防止する上で非常に有利なものとなるのはもちろんのこと、下蓋兼用内側壁面板122Cと組立ケース主体11Cの後壁面板113Cとの間に収容された商品を下蓋兼用内側壁面板122Cにより押さえて商品の位置ズレを効果的に抑制することもできる。
【0069】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、上記各実施の形態では、後壁面板113A〜113Cを第1壁面板として構成し、前壁面板111A〜111Cを第2壁面板として構成したが、前壁面板が第1壁面板として構成され、後壁面板が第2壁面板として構成されていてもよい。この場合には、外側壁面板、内側壁面板又は下蓋兼用内側壁面板が組立ケース主体の後壁面板の外面又は内面に沿って上方に折り返されることになる。
【0070】
また、上記第1の実施の形態では、後側突片31に看板としての機能を備えさせたが、組立ケースを吊下するための吊下孔が後側突片に穿設されていてもよい。この場合、吊下孔は真円形状又は長孔形状などに適宜穿設され、商品を吊り下げて陳列することが可能となる。
【0071】
また、上記各実施の形態では、透明プラスチックシートを打ち抜いて形成した打ち抜きシートSA〜SCを組み立てることによって組立ケース1A〜1Cを得たが、紙シートを打ち抜いて形成した打ち抜きシートを組み立てることによって組立ケースが得られるようにしてもよい。この場合には、組立ケースの各壁面板並びに上蓋板及び下蓋板の外面に印刷が行われる。
【0072】
更に、上記実施の形態では、糊代片115A〜115Cを右壁面板114A〜114Cの表面に両面粘着テープ10A〜10Cで貼り合わせたが、糊代片が右壁面板の表面(外面)に接着剤で接着されていてもかまわないし、熱による熱融着により接着されていても構わない。
また、上記実施の形態では、各サイドフラップ15A〜15C,16A〜16Cが上方開口14A〜14C及び下方開口13A〜13Cを塞ぐように折罫部27A〜27C,28A〜28Cで折り曲げられたとき、その先端同士が互いに重なり合わない長さに形成したが、先端同士が互いに重なり合う長さにサイドフラップが形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0073】
1A 組立ケース
11A 組立ケース主体
111A 前壁面板(第2壁面板)
112A 左壁面板
113A 後壁面板(第1壁面板)
114A 右壁面板
12A 組立ケース副体
121A 下蓋板
123A 上蓋板
122A 外側壁面板
124A 差込舌片
13A 下方開口
14A 上方開口
21A 折罫部
23A 基端側折罫部
25A 先端側折罫部
mA 軸線
1B 組立ケース
11B 組立ケース主体
111B 前壁面板(第2壁面板)
112B 左壁面板
113B 後壁面板(第1壁面板)
114B 右壁面板
12B 組立ケース副体
121B 下蓋板
123B 上蓋板
122B 内側壁面板
124B 差込舌片
13B 下方開口
14B 上方開口
21B 折罫部
23B 基端側折罫部
25B 先端側折罫部
mB 軸線
1C 組立ケース
11C 組立ケース主体
111C 前壁面板(第2壁面板)
112C 左壁面板
113C 後壁面板(第1壁面板)
114C 右壁面板
12C 組立ケース副体
121C 上蓋板
122C 下蓋兼用内側壁面板
124C 差込舌片
13C 下方開口
14C 上方開口
21C 折罫部
23C 基端側折罫部
25C 先端側折罫部
mC 軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
4枚の壁面板の側端縁同士が折罫部を介して折り曲げ自在に連設され、軸線を上下方向へ延ばすような4角筒状に組み立てられる組立ケース主体と、
上記組立ケース主体の各壁面板のうちの第1壁面板の下端縁に基端が基端側折罫部を介して折り曲げ自在に連設された組立ケース副体と、を備えており、
上記組立ケース副体は、その先端に先端側折罫部を介して折り曲げ自在に連設されかつ上記組立ケース主体の上方に開口する上方開口を閉塞する上蓋板と、この上蓋板の先端に折罫部を介して折り曲げ自在に連設された差込舌片と、を有し、上記基端側折罫部を介して上記組立ケース主体の各壁面板のうちの上記第1壁面板と対峙する第2壁面板に沿って上方へ折り返された際に上記組立ケース主体の下方に開口する下方開口を閉塞するとともに、上記上蓋板の差込舌片を上記上方開口に差し込んで当該上方開口を閉塞していることを特徴とする組立ケース。
【請求項2】
上記組立ケース副体は、
上記基端側折罫部を介して基端が折り曲げ自在に連設され、かつ上記下方開口を閉塞する下蓋板と、
上記下蓋板の先端に折罫部を介して基端が折り曲げ自在に連設され、上記第2壁面板の外面に沿って当該第2壁面板の上端縁まで先端が上方へ折り返される外側壁面板と、
を備えており、
上記上蓋板は、上記外側壁面板の先端に上記先端側折罫部を介して連設されている請求項1に記載の組立ケース。
【請求項3】
上記組立ケース副体は、
上記基端側折罫部を介して基端が折り曲げ自在に連設され、かつ上記下方開口を閉塞する下蓋板と、
上記下蓋板の先端に折罫部を介して基端が折り曲げ自在に連設され、上記第2壁面板の内面に沿って当該第2壁面板の上端縁まで先端が上方へ折り返される内側壁面板と、
を備えており、
上記上蓋板は、上記内側壁面板の先端に上記先端側折罫部を介して連設されている請求項1に記載の組立ケース。
【請求項4】
上記組立ケース副体は、
上記第1壁面板の下端縁に上記基端側折罫部を介して基端が折り曲げ自在に連設され、かつ上記下方開口を閉塞しつつ上記第2壁面板の内面に沿って当該第2壁面板の上端縁まで先端が上方へ折り返される下蓋兼用内側壁面板と、
を備えており、
上記上蓋板は、上記下蓋兼用内側壁面板の先端に上記先端側折罫部を介して連設されている請求項1に記載の組立ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−17126(P2012−17126A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155815(P2010−155815)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(599119248)大昇印刷株式会社 (6)
【Fターム(参考)】