組立式コンテナ及び組立式コンテナを用いた運搬/回収方法
【課題】組立式コンテナの組立及び分解を容易にし、且つ回収時の容積を低減する。
【解決手段】パレット(10)に設けた保持部材(40)により、取り付け作業は、斜めの角度から、4面の側壁パネル(14)をパレット(10)に挿入し、直立させる。又、隣り合う側壁パネル(14)の嵌め合い形状(14−1,14−2)により、強固な箱体を、パレット上に直接形成する。このため、取り付け作業、取り外し作業を、容易とし、作業スペースも減少できる。
【解決手段】パレット(10)に設けた保持部材(40)により、取り付け作業は、斜めの角度から、4面の側壁パネル(14)をパレット(10)に挿入し、直立させる。又、隣り合う側壁パネル(14)の嵌め合い形状(14−1,14−2)により、強固な箱体を、パレット上に直接形成する。このため、取り付け作業、取り外し作業を、容易とし、作業スペースも減少できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の板状部材を収容する組立式コンテナ及び組立式コンテナを用いた運搬/回収方法に関し、特に、容易に組立及び回収を行うための組立式コンテナ及び組立式コンテナを用いた運搬/回収方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、プラズマデイスプレイパネル等の薄型デイスプレイパネルに代表される板状部材を運搬するため、板状部材をコンテナに収容し、コンテナ単位で、運搬装置、例えば、航空機、船舶、トラック等に積み込むことが行われている。このコンテナは、回収して、再使用することを考慮すると、組立式であり、且つ軽量で、強度が比較的強いことが要求される。
【0003】
図17及び図18は、従来の組立式コンテナの説明図である。図17に示すように、底板を兼ねるパレット50に、台座枠51を設け、この台座枠51に、四方を囲む外装箱52を取り付ける。この外装箱52に二辺に、緩衝板54を設け、且つ外装箱52内の下方に、樹脂発泡材からなる下部緩衝材56を設ける。この後、プロテクタ62で補強された薄型デイスプレイパネル64を、下部緩衝材56の各スロットに挿入し、挿入された薄型デイスプレイパネル64の上部に、上部緩衝材58を設け、蓋60で覆う。
【0004】
図18に示すように、プロテクタ62で補強された薄型デイスプレイパネル64の各々は、樹脂発泡材で構成された上部及び下部緩衝材56、58で、上下、左右が保持され、運搬時の振動等から保護される。このような状態で、コンテナ単位で積み込み、運搬が行われる。
【0005】
このような組立式コンテナでは、部材を収容して、運搬した後、この組立式コンテナを分解し、容積を小さくして、返送できる構成のものが、提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。この提案では、パレット50の上に、比較的高さの低い台枠材51を設け、この台枠材に、分離された4枚の側壁パネルを組み立て、外装箱52を形成する構成である。
【0006】
これにより、外装箱52は、4枚の側壁パネルに分解できるため、4枚の側壁パネル、緩衝材54を、パレット50の台座枠51に収容し、蓋60をすることで、容積を小さくして、返送することができる。この従来技術では、台座枠51に設けた接続機構に、4枚の側壁パネルを図の縦方向から嵌め合わせ、且つこれとともに、4枚の側壁パネルを結合するものであった。
【特許文献1】特開平10−194374号公報
【特許文献2】特開2000−159227号公報(図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この従来技術では、コンテナの組み立ては、側壁パネルを上方に持ち上げて、上方から側壁パネルを台座枠51に下降させながら、嵌め合わせるという作業が必要であり、又、コンテナの分解は、台座枠51から上方に、側壁パネルを持ち上げ、嵌め合わせを解除する作業が必要である。
【0008】
近年、プラズマデイスプレイパネル64の大型化により、側壁パネルも大きいものが要求されており、例えば、側壁パネルの1辺が、1m以上である。このような大きなパネルを持ち上げ、引き抜く作業は、人手にとって容易ではない。又、側壁パネルの嵌め合わせ順が決まっているため、組み立て作業が制約される。従って、組み立て、分解作業に手間がかかる。
【0009】
又、組み立て、分解時の作業スペースも大きいものが要求される。更に、台座枠51は、側壁パネルの補強のベースとなるため、台座枠51は、分解できない。このため、回収時の容積を更に減少するのが困難である。一方、台座枠51を小さくすると、必要な強度が得られないため、台座枠51を小さくするのが困難である。
【0010】
従って、本発明の目的は、組み立て、取り外し作業を容易にするとともに、回収時の容積を低減するための組立式コンテナ及びこれを用いた運搬/回収方法を提供することにある。
【0011】
又、本発明の他の目的は、必要な強度を維持しつつ、組み立て、取り外し作業を容易にするとともに、回収時の容積を低減するための組立式コンテナ及びこれを用いた運搬/回収方法を提供することにある。
【0012】
更に、本発明の他の目的は、作業スペースを低減しつつ、組み立て、取り外し作業を容易にするとともに、回収時の容積を低減するための組立式コンテナ及びこれを用いた運搬/回収方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明のパレット上に箱体を設置する組立式コンテナは、前記箱体の各辺を構成する側壁パネルと、前記パレットに設けられ、前記パレットに斜めから取り付けられる前記側壁パネルをガイドし、且つ前記側壁パネルの回転を補助し、前記パレットへの直立状態を保持する保持部材とを有し、前記直立時に、前記隣り合う前記側壁パネルを互いに嵌め合うための嵌め合い部分を前記側壁パネルに形成した。
【0014】
本発明では、好ましくは、内部に収容される板状部材をガイドし、且つ緩衝する緩衝ガイドを、シートの成形により構成した。
【0015】
本発明では、好ましくは、前記緩衝ガイドに、フランジを設け、且つ前記側壁パネルに、前記フランジが嵌め込まれる保持部を設けた。
【0016】
本発明では、好ましくは、前記側壁パネルに、前記円筒体に挿入される取り付け棒を設け、前記保持部材は、円筒体で構成され、前記円筒体は、前記取り付け棒を内部に導入するための前記斜め方向に設けられた開口と、前記直立時に、前記取り付け棒のストッパとを有する。
【0017】
本発明では、好ましくは、前記側壁パネルの嵌め合い部分は、隣り合う一の側壁パネルに設けられた切り欠き部と、前記隣り合う他の側壁パネルに設けられ、前記切り欠き部と嵌め合う凸部とで構成された。
【0018】
本発明では、好ましくは、前記緩衝ガイドは、中央に折れ曲がりのためのV字溝を有し、前記V字溝で折れ曲がられた前記緩衝ガイドを前記パレットに設けた。
【0019】
又、本発明の組立式コンテナの運搬/回収方法は、パレットに設けられた保持部材により、前記パレットに斜めから取り付ける前記側壁パネルをガイドし、且つ前記側壁パネルの前記パレットへの直立状態を保持し、前記直立時に、前記隣り合う前記側壁パネルに形成された嵌め合い部分により、互いに嵌め合されて形成された箱体を有する組立式コンテナを組み立てる工程と、組立式コンテナに板状物体を収容し、運搬する工程と、前記組立式コンテナを、前記パレット、前記側壁パネルに分解し、前記パレット単位、前記側壁パネル単位で回収する工程とを有する。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、パレットに設けた保持部材により、取り付け作業は、斜めの角度から、4面の側壁パネルをパレットに挿入し、直立させることにより、側壁パネルの嵌め合いにより、強固な箱体が、パレット上に直接形成される。このため、取り付け作業は、極めて容易であり、作業スペースも減少できる。又、取り外し作業は、この手順と逆の手順で行えば良いため、取り外し作業でも、同様の効果を奏する。
【0021】
又、従来技術で、必要とされた台座枠が不要のため、回収時の容積を大幅に低減でき、且つ各パーツ単位にまとめて、回収できる。更に、この取り付け作業と取り外し作業は、4つの側壁パネルの取り付け、取り外しの順番を規制しないで良いため、側壁パネルの順番は、考慮しなくて良い。これにより、一層、取り付け及び取り外し作業は、極めて容易となり、作業スペースも減少できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を、組立式コンテナ、その回収方法、他の実施の形態の順で説明するが、本発明は下記実施の形態に限定されない。
【0023】
[組立式コンテナ]
図1は、本発明の一実施形態を示す組立式コンテナの構成図、図2は、図1の概略図、図3は、図1のパレットの保持機構の構成図、図4は、図3の保持機構の説明図、図5は、図1の側壁パネルの説明図、図6は、図5の側壁パネルのパレットへの取り付け時の断面図、図7は、図1の側壁パネルの取り付け動作の説明図である。
【0024】
図1乃至図7は、板状部材として、デイスプレイパネル、特に、プラズマデイスプレイパネルを運搬するコンテナを例に説明する。図1に示すように、パレット10は、プラスチックで構成され、このパレット10の上に、発泡材やプラスチックで構成された底板12が設けられる。このパレット10には、図2で説明する取り付け穴が設けられる。4枚の側壁パネル14は、プラスチックで構成され、パレット10に取り付けられ、外装箱を構成する。
【0025】
4つの緩衝ガイド16は、各々同一の形状をなし、真空成形されたポリプロプレンシート等のプラスチックシートで構成され、プラズマデイスプレイパネル30の収容ガイドを構成する。この緩衝ガイド16は、図9で後述するように、一対の緩衝ガイド16が、屈曲して、底板12に設けられ、プラズマデイスプレイパネル30の下部の両側と、下部のサイドを収容する。他の一対の緩衝ガイド16は、その上部に設けられ、プラズマデイスプレイパネル30の側部を収容する。
【0026】
この下方の一対の緩衝ガイド16は、樹脂発泡材からなる緩衝板22を介し、底板12に設けられる。又、底板12には、樹脂発泡材で構成され、プラズマデイスプレイパネル30の中央をガイドするための一対の緩衝用分離板20が設けられる。プラズマデイスプレイパネル30は、プラスチックで構成されるプロテクタ28に取り付けられ、4枚の側壁パネル14で構成された外装箱内の緩衝ガイド16の各スロットに収容される。
【0027】
この収容されたプラズマデイスプレイパネル30の上部の中央には、樹脂発泡材で構成され、プラズマデイスプレイパネル30の中央をガイドするための一対の緩衝用分離板26が設けられる。更に、4枚の側壁パネル14で構成された外装箱は、プラスチックで構成された蓋18で覆われる。
【0028】
図2乃至図6により、パレット10への側壁パネル14の取り付け機構を説明する。図2に示すように、パレット10の四辺の外周位置には、各々4つの取り付け穴10−1,10−2が設けられ、この取り付け穴10−1,10−2は、およそ長方形である。各一辺の一対の取り付け穴10−1には、保持具40が取り付けられる。図2及び図3に示すように、一方、各側壁パネル14(14−a,14−b)の下面には、中央に係合部140を有する一対のフック14−4と、両側に一対の取り付け棒14−3とが設けられる。
【0029】
側壁パネル14−aには、上部の両側に、切り欠き部14−2が形成され、この側壁パネル14−aと隣り合う側壁パネル14−bには、上部の両側に、凸部14−1が形成される。後述するように、この側壁パネル14−bの凸部14−1は、側壁パネル14−aの切り欠き部14−2に嵌め合う形状を持つ。
【0030】
図4に示すように、側壁パネル14のフック14−4は、パレット10の取り付け穴10−2に挿入されると、フック14−4の係合部140が、パレット10の下面に係合する。これにより、側壁パネル14の上下方向の移動が規制される。図4に示すように、この取り付け穴10−2は、取り外し及び取り付け作業を容易にするため、フック14−4より大きく形成される。
【0031】
次に、図5及び図6により、保持具40を説明する。図6の断面図に示すように、保持具40は、開口部40−3を有する円筒体40−5と、円筒体40−5を支持する支持フランジ40−1と、支持フランジ40−1の下に設けられた固定用フランジ40−2とを有する。この円筒体40−5は、およそ45度の角度の位置に、円筒体40―5内に、図2で説明した取り付け棒14−3を挿入するための開口部(切り欠き部)40−3を有する。又、開口部40−3の下部には、直立したストッパ部40−4が形成されている。
【0032】
図5に示すように、保持具40の固定用フランジ40−2を、取り付け穴10−1に挿入した後、保持具40を、90度回転させると、図6に示すように、保持具40の支持フランジ40−1と固定用フランジ40−2は、パレット10を挟み込み、保持具40が、パレット10に固定される。この時、図5に示すように、円筒体40−5の開口部40−3は、パレット10の周囲側に向く。
【0033】
一方、図6に示すように、側壁パネル14に設けられ取り付け棒14−3は、円柱をD字カットした形状、即ち、輪郭線は、一対の直線部分と一対の円弧部とからなる。このため、パレット10に固定された保持具40の開口部40−3に、側壁パネル14の取り付け棒14−3を合わせると、図6の矢印のように、およそ45度の角度で、側壁パネル14を保持具40に挿入できる。
【0034】
そして、側壁パネル14の取り付け棒14−3を保持具40の円筒体40―5内に挿入した後、側壁パネル14を、時計方向に回転すると、側壁パネル14の取り付け棒14−3が円筒体40−5のストッパ部40−4に突き当たり、側壁パネル14が直立する。これにより、側壁パネル14が、パレット10に取り付けられ、側壁パネル14の上下方向の移動が規制される。
【0035】
図7により、側壁パネル14のパレット10への取り付け作業を説明する。前述のように、側壁パネル14−aには、上部の両側に、切り欠き部14−2が形成され、この切り欠き部14−2を構成する面には、突起142が形成されている。一方、この側壁パネル14−aと隣り合う側壁パネル14−bには、上部の両側に、凸部14−1が形成され、凸部14−1の下面には、突起142と嵌めあう穴144が設けられている。
【0036】
従って、図6で説明したように、パレット10に固定された保持具40の開口部40−3に、一方の側壁パネル14−aの取り付け棒14−3を合わせ、およそ45度の角度で、側壁パネル14−aを保持具40に挿入し、側壁パネル14−aを、矢印方向に回転すると、側壁パネル14−aの取り付け棒14−3が円筒体40−5のストッパ部40−4に突き当たり、側壁パネル14−aが直立する。
【0037】
同様に、パレット10に固定された保持具40の開口部40−3に、他方の側壁パネル14−bの取り付け棒14−3を合わせ、およそ45度の角度で、側壁パネル14−3を保持具40に挿入し、側壁パネル14−3を、矢印方向に回転すると、側壁パネル14―bの取り付け棒14−3が円筒体40−5のストッパ部40−4に突き当たり、側壁パネル14−bが直立する。
【0038】
これと同時に、この側壁パネル14−bの凸部14−1は、側壁パネル14−aの切り欠き部14−2に嵌め合い、この側壁パネル14−bの凸部14−1の穴144に、側壁パネル14−aの切り欠き部14−2の突起142が嵌め合う。これにより、パレット10に直立された隣り合う側壁パネル14−a,14−bは、しっかりと連結する。同様に、パレット10の他の2面でも、側壁パネル14−a,14−bを、取り付けることにより、パレット10の4面で、4枚の側壁パネル14−a,14−bの連結による箱体を構成する。
【0039】
即ち、取り付け作業は、およそ45度の角度から、4面の側壁パネル14をパレット10に挿入し、直立させることにより、強固な箱体が、パレット10上に直接形成される。このため、取り付け作業は、極めて容易であり、作業スペースも減少できる。又、取り外し作業は、この手順と逆の手順で行えば良いため、取り外し作業でも、同様の効果を奏する。
【0040】
又、従来技術で、必要とされた台座枠51(図17参照)が不要のため、回収時の容積を大幅に低減でき、且つ各パーツ単位にまとめて、回収できる。更に、この取り付け作業と取り外し作業は、4つの側壁パネルの取り付け、取り外しの順番を規制しないで良いため、側壁パネルの順番は、考慮しなくて良い。これにより、一層、取り付け及び取り外し作業は、極めて容易となり、作業スペースも減少できる。
【0041】
その上、保持具40も取り外しできるため、回収時の容積を大幅に低減でき、且つ各パーツ単位にまとめて、回収できる。
【0042】
次に、図1の緩衝ガイド16について、図8乃至図11により、説明する。図9及び図10に示すように、緩衝ガイド16は、前述のプラズマデイスプレイパネル30が挿入されるスロット16−3と、スロット16―3内でプラズマデイスプレイパネル30を両側でガイドするガイド部16−2と、フランジ16−1とを有する。図10に示すように、緩衝ガイド16は、シートを真空成形したものであり、内部は、中空であり、クッションの役目も果たす。そして、緩衝ガイド16は、中央にV字溝16−4を有する。
【0043】
図8に示すように、前述の側壁パネル14には、L字形状の保持部14−6が、四隅に設けられている。このL字形状の保持部14−6と、隣の側壁パネル14との間には、第1の溝144が、パレット10との間には、第2の溝146が形成される。図8のように、パレット10に、3面の側壁パネル14を取り付けた後、取り付けていない側壁パネル側から、V字溝16−4を中心に折り曲げた緩衝ガイド16を挿入し、緩衝ガイド16のフランジ16−1を、第1の溝144、第2の溝146に嵌め込む。これにより、緩衝ガイド16の一端が、固定される。
【0044】
その後、L字形状の保持部14−6が、四隅に設けられた側壁パネル14を、緩衝ガイド16の挿入側で、パレット10に取り付ける。これにより、同様に、緩衝ガイド16の他端が、側壁パネル14の保持部14−6に固定される。図1に示すように、緩衝ガイド16は、パレット10の両側に、緩衝板22を介して設けられる。更に、図1に示すように、折り曲げられた緩衝ガイド16の上部に、図9の形状の緩衝ガイド16を設ける。この場合、側壁パネル14の保持部14−6が、緩衝ガイド16のフランジ16−1を保持する。
【0045】
このように、緩衝ガイド16を固定するために、フランジ16−1と保持部14−6との嵌め合わせであるため、取り付け、取り外しが容易である。又、図10に示したように、緩衝ガイド16は、シートを成形した中空であるため、一の緩衝ガイド16の中空部分に、他の緩衝ガイド16を嵌め込むことができる。このため、回収時の容積を低減できる。
【0046】
図1に示すように、その後、分離用緩衝材20を底板12に設ける。この状態で、図11に示すように、プロテクタ28で保護されたプラズマデイスプレイパネル30を、パレット10内の緩衝ガイド16のスロット16−3に挿入する。そして、図1に示したように、分離用緩衝材26を設け、蓋18で覆う。
【0047】
このようにして、コンテナが組み立てられ、板状部材であるプラズマデイスプレイパネル30が緩衝ガイド16で分離且つ緩衝されて、収容される。
【0048】
[コンテナの回収方法]
図12乃至図16は、本発明の一実施の形態の回収方法の説明図である。前述の組み立て作業の順と逆の順で、コンテナを分解する。即ち、コンテナの蓋18を開け、緩衝材26を外し、内部のプラズマデイスプレイパネル30を取り出した後、一面の側壁パネル14を前述のように、パレット10から取り外す。そして、図8のように、緩衝ガイド16を抜き出し、更に、他の3つの側壁パネル14をパレット10から取り外す。
【0049】
このようにすると、図1のように、コンテナを構成する各コンポーネントに分離される。このコンポーネント単位でまとめて、積み上げ、回収する。即ち、図12に示すように、パレット10を土台として、蓋18を積み上げる。又、図13に示すように、折れ曲げた緩衝ガイド16を、図9乃至図10のように、元に戻し、パレット10を土台として、緩衝ガイド16を2列積み上げる。更に、図14に示すように、残りのパレット10を積み上げる。そして、図16に示すように、パレット10を土台に、プロテクタ28を積み上げる。
【0050】
同様に、パレット10を土台に、側壁パネル14を積み上げる。更に、パレット10を土台に、底板12を積み上げる。尚、この例では、樹脂発泡材からなる緩衝板22、樹脂発泡材で構成された緩衝用分離板20,26は、回収対象から除外する。
【0051】
そして、図16に示すように、運搬用コンテナ4に、これら積み上げた各回収コンポーネントを、積み込み、回収する。この例では、40f(feet)コンテナ4に、分解された組立式コンテナを約200台分収容でき、1/5に容積を減量できる。このように、組立式コンテナの各コンポーネントを分離して、まとめることができるため、より小さな容積で、回収できる。
【0052】
[他の実施の形態]
上述の実施の形態では、運搬、保管する板状部材を、プラズマデイスプレイパネルで説明したが、液晶デイスプレイパネルや他の表示パネル、ノート型やタブレット型電子機器等の板状の電子装置にも適用でき、電子装置に限らず、他の破損し易い板状部材にも適用できる。又、組立式コンテナも、収納する板状部材の形態に応じて、種々のコンポーネントを付加又は削除できる。更に、パレット10への側壁パネル14の取り付け、取り外しの角度を約45度で説明したが、要するに、斜めであれば、作業し易いため、45度に限られない。同様に、パレット10への側壁パネル14の取り付けを保持具40で説明したが、他の形態の保持具を使用できる。
【0053】
以上、本発明を実施の形態により説明したが、本発明の趣旨の範囲内において、本発明は、種々の変形が可能であり、本発明の範囲からこれらを排除するものではない。
【0054】
(付記1)パレット上に箱体を設置する組立式コンテナにおいて、前記箱体の各辺を構成する側壁パネルと、前記パレットに設けられ、前記パレットに斜めから取り付けられる前記側壁パネルをガイドし、且つ前記側壁パネルの回転による前記パレットへの直立状態を保持する保持部材とを有し、前記直立時に、前記隣り合う前記側壁パネルを互いに嵌め合うための嵌め合い部分を前記側壁パネルに形成したことを特徴とする組立式コンテナ。
【0055】
(付記2)内部に収容される板状部材をガイドし、且つ緩衝する緩衝ガイドを、シートの成形により構成したことを特徴とする付記1の組立式コンテナ。
【0056】
(付記3)前記緩衝ガイドに、フランジを設け、且つ前記側壁パネルに、前記フランジが嵌め込まれる保持部を設けたことを特徴とする付記2の組立式コンテナ。
【0057】
(付記4)前記側壁パネルに、前記円筒体に挿入される取り付け棒を設け、前記保持部材は、円筒体で構成され、前記円筒体は、前記取り付け棒を内部に導入するための前記斜め方向に設けられた開口と、前記直立時に、前記取り付け棒のストッパとを有することを特徴とする付記1の組立式コンテナ。
【0058】
(付記5)前記側壁パネルの嵌め合い部分は、隣り合う一の側壁パネルに設けられた切り欠き部と、前記隣り合う他の側壁パネルに設けられ、前記切り欠き部と嵌め合う凸部とで構成されたことを特徴とする付記1の組立式コンテナ。
【0059】
(付記6)前記緩衝ガイドは、中央に折れ曲がりのためのV字溝を有し、前記V字溝で折れ曲がられた前記緩衝ガイドを前記パレットに設けたことを特徴とする付記2の組立式コンテナ。
【0060】
(付記7)パレットに設けられた保持部材により、前記パレットに斜めから取り付ける前記側壁パネルをガイドし、且つ前記側壁パネルの前記パレットへの直立状態を保持し、前記直立時に、前記隣り合う前記側壁パネルに形成された嵌め合い部分により、互いに嵌め合されて形成された箱体を有する組立式コンテナを組み立てる工程と、組立式コンテナに板状物体を収容し、運搬する工程と、前記組立式コンテナを、前記パレット、前記側壁パネルに分解し、前記パレット単位、前記側壁パネル単位で回収する工程とを有することを特徴とする組立式コンテナの運搬/回収方法。
【産業上の利用可能性】
【0061】
パレットに設けた保持部材により、取り付け作業は、斜めの角度から、4面の側壁パネルをパレットに挿入し、直立させることにより、側壁パネルの嵌め合いにより、強固な箱体が、パレット上に直接形成される。このため、取り付け作業は、極めて容易であり、作業スペースも減少できる。又、取り外し作業は、この手順と逆の手順で行えば良いため、取り外し作業でも、同様であり、組立式コンテナの組み立て、回収作業を容易に実現でき、運搬後の回収時の容積を減少でき、物流の効率化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の組立式コンテナの一実施の形態の構成図である。
【図2】図1の箱体の構成図である。
【図3】図2の側壁パネルの構成図である。
【図4】図3の側壁パネルのフックによる固定動作の説明図である。
【図5】図2の保持具とパレットの説明図である。
【図6】図5の保持具と側壁パネルの構成図である。
【図7】図2の側壁パネルの嵌め合い機構の構成図である。
【図8】図1の緩衝ガイドの取り付け機構の構成図である。
【図9】図7の緩衝ガイドの斜視図である。
【図10】図7の緩衝ガイドの断面図である。
【図11】図1の板状部材の収容動作の説明図である。
【図12】図1の蓋の回収時の形態の説明図である。
【図13】図1の緩衝ガイドの回収時の形態の説明図である。
【図14】図1のパレットの回収時の形態の説明図である。
【図15】図1のプロテクタの回収時の形態の説明図である。
【図16】図1の組立式コンテナの回収時の運搬コンテナの説明図である。
【図17】従来の組立式コンテナの説明図である。
【図18】従来の組立式コンテナの板状部材の収容時の状態の説明図である。
【符号の説明】
【0063】
10 パレット
12 底板
14 側壁パネル
16 緩衝ガイド
18 蓋
28 プロテクタ
30 プラズマデイスプレイパネル(板状部材)
10−1〜10−4 取り付け穴
14−1 凸部
14−2 切り欠き部
14−3 取り付け棒
14−4 フック
40 保持具
40−1 支持部
40−3 開口部
40−4 ストッパ部
40−5 円筒体
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の板状部材を収容する組立式コンテナ及び組立式コンテナを用いた運搬/回収方法に関し、特に、容易に組立及び回収を行うための組立式コンテナ及び組立式コンテナを用いた運搬/回収方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、プラズマデイスプレイパネル等の薄型デイスプレイパネルに代表される板状部材を運搬するため、板状部材をコンテナに収容し、コンテナ単位で、運搬装置、例えば、航空機、船舶、トラック等に積み込むことが行われている。このコンテナは、回収して、再使用することを考慮すると、組立式であり、且つ軽量で、強度が比較的強いことが要求される。
【0003】
図17及び図18は、従来の組立式コンテナの説明図である。図17に示すように、底板を兼ねるパレット50に、台座枠51を設け、この台座枠51に、四方を囲む外装箱52を取り付ける。この外装箱52に二辺に、緩衝板54を設け、且つ外装箱52内の下方に、樹脂発泡材からなる下部緩衝材56を設ける。この後、プロテクタ62で補強された薄型デイスプレイパネル64を、下部緩衝材56の各スロットに挿入し、挿入された薄型デイスプレイパネル64の上部に、上部緩衝材58を設け、蓋60で覆う。
【0004】
図18に示すように、プロテクタ62で補強された薄型デイスプレイパネル64の各々は、樹脂発泡材で構成された上部及び下部緩衝材56、58で、上下、左右が保持され、運搬時の振動等から保護される。このような状態で、コンテナ単位で積み込み、運搬が行われる。
【0005】
このような組立式コンテナでは、部材を収容して、運搬した後、この組立式コンテナを分解し、容積を小さくして、返送できる構成のものが、提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。この提案では、パレット50の上に、比較的高さの低い台枠材51を設け、この台枠材に、分離された4枚の側壁パネルを組み立て、外装箱52を形成する構成である。
【0006】
これにより、外装箱52は、4枚の側壁パネルに分解できるため、4枚の側壁パネル、緩衝材54を、パレット50の台座枠51に収容し、蓋60をすることで、容積を小さくして、返送することができる。この従来技術では、台座枠51に設けた接続機構に、4枚の側壁パネルを図の縦方向から嵌め合わせ、且つこれとともに、4枚の側壁パネルを結合するものであった。
【特許文献1】特開平10−194374号公報
【特許文献2】特開2000−159227号公報(図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この従来技術では、コンテナの組み立ては、側壁パネルを上方に持ち上げて、上方から側壁パネルを台座枠51に下降させながら、嵌め合わせるという作業が必要であり、又、コンテナの分解は、台座枠51から上方に、側壁パネルを持ち上げ、嵌め合わせを解除する作業が必要である。
【0008】
近年、プラズマデイスプレイパネル64の大型化により、側壁パネルも大きいものが要求されており、例えば、側壁パネルの1辺が、1m以上である。このような大きなパネルを持ち上げ、引き抜く作業は、人手にとって容易ではない。又、側壁パネルの嵌め合わせ順が決まっているため、組み立て作業が制約される。従って、組み立て、分解作業に手間がかかる。
【0009】
又、組み立て、分解時の作業スペースも大きいものが要求される。更に、台座枠51は、側壁パネルの補強のベースとなるため、台座枠51は、分解できない。このため、回収時の容積を更に減少するのが困難である。一方、台座枠51を小さくすると、必要な強度が得られないため、台座枠51を小さくするのが困難である。
【0010】
従って、本発明の目的は、組み立て、取り外し作業を容易にするとともに、回収時の容積を低減するための組立式コンテナ及びこれを用いた運搬/回収方法を提供することにある。
【0011】
又、本発明の他の目的は、必要な強度を維持しつつ、組み立て、取り外し作業を容易にするとともに、回収時の容積を低減するための組立式コンテナ及びこれを用いた運搬/回収方法を提供することにある。
【0012】
更に、本発明の他の目的は、作業スペースを低減しつつ、組み立て、取り外し作業を容易にするとともに、回収時の容積を低減するための組立式コンテナ及びこれを用いた運搬/回収方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明のパレット上に箱体を設置する組立式コンテナは、前記箱体の各辺を構成する側壁パネルと、前記パレットに設けられ、前記パレットに斜めから取り付けられる前記側壁パネルをガイドし、且つ前記側壁パネルの回転を補助し、前記パレットへの直立状態を保持する保持部材とを有し、前記直立時に、前記隣り合う前記側壁パネルを互いに嵌め合うための嵌め合い部分を前記側壁パネルに形成した。
【0014】
本発明では、好ましくは、内部に収容される板状部材をガイドし、且つ緩衝する緩衝ガイドを、シートの成形により構成した。
【0015】
本発明では、好ましくは、前記緩衝ガイドに、フランジを設け、且つ前記側壁パネルに、前記フランジが嵌め込まれる保持部を設けた。
【0016】
本発明では、好ましくは、前記側壁パネルに、前記円筒体に挿入される取り付け棒を設け、前記保持部材は、円筒体で構成され、前記円筒体は、前記取り付け棒を内部に導入するための前記斜め方向に設けられた開口と、前記直立時に、前記取り付け棒のストッパとを有する。
【0017】
本発明では、好ましくは、前記側壁パネルの嵌め合い部分は、隣り合う一の側壁パネルに設けられた切り欠き部と、前記隣り合う他の側壁パネルに設けられ、前記切り欠き部と嵌め合う凸部とで構成された。
【0018】
本発明では、好ましくは、前記緩衝ガイドは、中央に折れ曲がりのためのV字溝を有し、前記V字溝で折れ曲がられた前記緩衝ガイドを前記パレットに設けた。
【0019】
又、本発明の組立式コンテナの運搬/回収方法は、パレットに設けられた保持部材により、前記パレットに斜めから取り付ける前記側壁パネルをガイドし、且つ前記側壁パネルの前記パレットへの直立状態を保持し、前記直立時に、前記隣り合う前記側壁パネルに形成された嵌め合い部分により、互いに嵌め合されて形成された箱体を有する組立式コンテナを組み立てる工程と、組立式コンテナに板状物体を収容し、運搬する工程と、前記組立式コンテナを、前記パレット、前記側壁パネルに分解し、前記パレット単位、前記側壁パネル単位で回収する工程とを有する。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、パレットに設けた保持部材により、取り付け作業は、斜めの角度から、4面の側壁パネルをパレットに挿入し、直立させることにより、側壁パネルの嵌め合いにより、強固な箱体が、パレット上に直接形成される。このため、取り付け作業は、極めて容易であり、作業スペースも減少できる。又、取り外し作業は、この手順と逆の手順で行えば良いため、取り外し作業でも、同様の効果を奏する。
【0021】
又、従来技術で、必要とされた台座枠が不要のため、回収時の容積を大幅に低減でき、且つ各パーツ単位にまとめて、回収できる。更に、この取り付け作業と取り外し作業は、4つの側壁パネルの取り付け、取り外しの順番を規制しないで良いため、側壁パネルの順番は、考慮しなくて良い。これにより、一層、取り付け及び取り外し作業は、極めて容易となり、作業スペースも減少できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を、組立式コンテナ、その回収方法、他の実施の形態の順で説明するが、本発明は下記実施の形態に限定されない。
【0023】
[組立式コンテナ]
図1は、本発明の一実施形態を示す組立式コンテナの構成図、図2は、図1の概略図、図3は、図1のパレットの保持機構の構成図、図4は、図3の保持機構の説明図、図5は、図1の側壁パネルの説明図、図6は、図5の側壁パネルのパレットへの取り付け時の断面図、図7は、図1の側壁パネルの取り付け動作の説明図である。
【0024】
図1乃至図7は、板状部材として、デイスプレイパネル、特に、プラズマデイスプレイパネルを運搬するコンテナを例に説明する。図1に示すように、パレット10は、プラスチックで構成され、このパレット10の上に、発泡材やプラスチックで構成された底板12が設けられる。このパレット10には、図2で説明する取り付け穴が設けられる。4枚の側壁パネル14は、プラスチックで構成され、パレット10に取り付けられ、外装箱を構成する。
【0025】
4つの緩衝ガイド16は、各々同一の形状をなし、真空成形されたポリプロプレンシート等のプラスチックシートで構成され、プラズマデイスプレイパネル30の収容ガイドを構成する。この緩衝ガイド16は、図9で後述するように、一対の緩衝ガイド16が、屈曲して、底板12に設けられ、プラズマデイスプレイパネル30の下部の両側と、下部のサイドを収容する。他の一対の緩衝ガイド16は、その上部に設けられ、プラズマデイスプレイパネル30の側部を収容する。
【0026】
この下方の一対の緩衝ガイド16は、樹脂発泡材からなる緩衝板22を介し、底板12に設けられる。又、底板12には、樹脂発泡材で構成され、プラズマデイスプレイパネル30の中央をガイドするための一対の緩衝用分離板20が設けられる。プラズマデイスプレイパネル30は、プラスチックで構成されるプロテクタ28に取り付けられ、4枚の側壁パネル14で構成された外装箱内の緩衝ガイド16の各スロットに収容される。
【0027】
この収容されたプラズマデイスプレイパネル30の上部の中央には、樹脂発泡材で構成され、プラズマデイスプレイパネル30の中央をガイドするための一対の緩衝用分離板26が設けられる。更に、4枚の側壁パネル14で構成された外装箱は、プラスチックで構成された蓋18で覆われる。
【0028】
図2乃至図6により、パレット10への側壁パネル14の取り付け機構を説明する。図2に示すように、パレット10の四辺の外周位置には、各々4つの取り付け穴10−1,10−2が設けられ、この取り付け穴10−1,10−2は、およそ長方形である。各一辺の一対の取り付け穴10−1には、保持具40が取り付けられる。図2及び図3に示すように、一方、各側壁パネル14(14−a,14−b)の下面には、中央に係合部140を有する一対のフック14−4と、両側に一対の取り付け棒14−3とが設けられる。
【0029】
側壁パネル14−aには、上部の両側に、切り欠き部14−2が形成され、この側壁パネル14−aと隣り合う側壁パネル14−bには、上部の両側に、凸部14−1が形成される。後述するように、この側壁パネル14−bの凸部14−1は、側壁パネル14−aの切り欠き部14−2に嵌め合う形状を持つ。
【0030】
図4に示すように、側壁パネル14のフック14−4は、パレット10の取り付け穴10−2に挿入されると、フック14−4の係合部140が、パレット10の下面に係合する。これにより、側壁パネル14の上下方向の移動が規制される。図4に示すように、この取り付け穴10−2は、取り外し及び取り付け作業を容易にするため、フック14−4より大きく形成される。
【0031】
次に、図5及び図6により、保持具40を説明する。図6の断面図に示すように、保持具40は、開口部40−3を有する円筒体40−5と、円筒体40−5を支持する支持フランジ40−1と、支持フランジ40−1の下に設けられた固定用フランジ40−2とを有する。この円筒体40−5は、およそ45度の角度の位置に、円筒体40―5内に、図2で説明した取り付け棒14−3を挿入するための開口部(切り欠き部)40−3を有する。又、開口部40−3の下部には、直立したストッパ部40−4が形成されている。
【0032】
図5に示すように、保持具40の固定用フランジ40−2を、取り付け穴10−1に挿入した後、保持具40を、90度回転させると、図6に示すように、保持具40の支持フランジ40−1と固定用フランジ40−2は、パレット10を挟み込み、保持具40が、パレット10に固定される。この時、図5に示すように、円筒体40−5の開口部40−3は、パレット10の周囲側に向く。
【0033】
一方、図6に示すように、側壁パネル14に設けられ取り付け棒14−3は、円柱をD字カットした形状、即ち、輪郭線は、一対の直線部分と一対の円弧部とからなる。このため、パレット10に固定された保持具40の開口部40−3に、側壁パネル14の取り付け棒14−3を合わせると、図6の矢印のように、およそ45度の角度で、側壁パネル14を保持具40に挿入できる。
【0034】
そして、側壁パネル14の取り付け棒14−3を保持具40の円筒体40―5内に挿入した後、側壁パネル14を、時計方向に回転すると、側壁パネル14の取り付け棒14−3が円筒体40−5のストッパ部40−4に突き当たり、側壁パネル14が直立する。これにより、側壁パネル14が、パレット10に取り付けられ、側壁パネル14の上下方向の移動が規制される。
【0035】
図7により、側壁パネル14のパレット10への取り付け作業を説明する。前述のように、側壁パネル14−aには、上部の両側に、切り欠き部14−2が形成され、この切り欠き部14−2を構成する面には、突起142が形成されている。一方、この側壁パネル14−aと隣り合う側壁パネル14−bには、上部の両側に、凸部14−1が形成され、凸部14−1の下面には、突起142と嵌めあう穴144が設けられている。
【0036】
従って、図6で説明したように、パレット10に固定された保持具40の開口部40−3に、一方の側壁パネル14−aの取り付け棒14−3を合わせ、およそ45度の角度で、側壁パネル14−aを保持具40に挿入し、側壁パネル14−aを、矢印方向に回転すると、側壁パネル14−aの取り付け棒14−3が円筒体40−5のストッパ部40−4に突き当たり、側壁パネル14−aが直立する。
【0037】
同様に、パレット10に固定された保持具40の開口部40−3に、他方の側壁パネル14−bの取り付け棒14−3を合わせ、およそ45度の角度で、側壁パネル14−3を保持具40に挿入し、側壁パネル14−3を、矢印方向に回転すると、側壁パネル14―bの取り付け棒14−3が円筒体40−5のストッパ部40−4に突き当たり、側壁パネル14−bが直立する。
【0038】
これと同時に、この側壁パネル14−bの凸部14−1は、側壁パネル14−aの切り欠き部14−2に嵌め合い、この側壁パネル14−bの凸部14−1の穴144に、側壁パネル14−aの切り欠き部14−2の突起142が嵌め合う。これにより、パレット10に直立された隣り合う側壁パネル14−a,14−bは、しっかりと連結する。同様に、パレット10の他の2面でも、側壁パネル14−a,14−bを、取り付けることにより、パレット10の4面で、4枚の側壁パネル14−a,14−bの連結による箱体を構成する。
【0039】
即ち、取り付け作業は、およそ45度の角度から、4面の側壁パネル14をパレット10に挿入し、直立させることにより、強固な箱体が、パレット10上に直接形成される。このため、取り付け作業は、極めて容易であり、作業スペースも減少できる。又、取り外し作業は、この手順と逆の手順で行えば良いため、取り外し作業でも、同様の効果を奏する。
【0040】
又、従来技術で、必要とされた台座枠51(図17参照)が不要のため、回収時の容積を大幅に低減でき、且つ各パーツ単位にまとめて、回収できる。更に、この取り付け作業と取り外し作業は、4つの側壁パネルの取り付け、取り外しの順番を規制しないで良いため、側壁パネルの順番は、考慮しなくて良い。これにより、一層、取り付け及び取り外し作業は、極めて容易となり、作業スペースも減少できる。
【0041】
その上、保持具40も取り外しできるため、回収時の容積を大幅に低減でき、且つ各パーツ単位にまとめて、回収できる。
【0042】
次に、図1の緩衝ガイド16について、図8乃至図11により、説明する。図9及び図10に示すように、緩衝ガイド16は、前述のプラズマデイスプレイパネル30が挿入されるスロット16−3と、スロット16―3内でプラズマデイスプレイパネル30を両側でガイドするガイド部16−2と、フランジ16−1とを有する。図10に示すように、緩衝ガイド16は、シートを真空成形したものであり、内部は、中空であり、クッションの役目も果たす。そして、緩衝ガイド16は、中央にV字溝16−4を有する。
【0043】
図8に示すように、前述の側壁パネル14には、L字形状の保持部14−6が、四隅に設けられている。このL字形状の保持部14−6と、隣の側壁パネル14との間には、第1の溝144が、パレット10との間には、第2の溝146が形成される。図8のように、パレット10に、3面の側壁パネル14を取り付けた後、取り付けていない側壁パネル側から、V字溝16−4を中心に折り曲げた緩衝ガイド16を挿入し、緩衝ガイド16のフランジ16−1を、第1の溝144、第2の溝146に嵌め込む。これにより、緩衝ガイド16の一端が、固定される。
【0044】
その後、L字形状の保持部14−6が、四隅に設けられた側壁パネル14を、緩衝ガイド16の挿入側で、パレット10に取り付ける。これにより、同様に、緩衝ガイド16の他端が、側壁パネル14の保持部14−6に固定される。図1に示すように、緩衝ガイド16は、パレット10の両側に、緩衝板22を介して設けられる。更に、図1に示すように、折り曲げられた緩衝ガイド16の上部に、図9の形状の緩衝ガイド16を設ける。この場合、側壁パネル14の保持部14−6が、緩衝ガイド16のフランジ16−1を保持する。
【0045】
このように、緩衝ガイド16を固定するために、フランジ16−1と保持部14−6との嵌め合わせであるため、取り付け、取り外しが容易である。又、図10に示したように、緩衝ガイド16は、シートを成形した中空であるため、一の緩衝ガイド16の中空部分に、他の緩衝ガイド16を嵌め込むことができる。このため、回収時の容積を低減できる。
【0046】
図1に示すように、その後、分離用緩衝材20を底板12に設ける。この状態で、図11に示すように、プロテクタ28で保護されたプラズマデイスプレイパネル30を、パレット10内の緩衝ガイド16のスロット16−3に挿入する。そして、図1に示したように、分離用緩衝材26を設け、蓋18で覆う。
【0047】
このようにして、コンテナが組み立てられ、板状部材であるプラズマデイスプレイパネル30が緩衝ガイド16で分離且つ緩衝されて、収容される。
【0048】
[コンテナの回収方法]
図12乃至図16は、本発明の一実施の形態の回収方法の説明図である。前述の組み立て作業の順と逆の順で、コンテナを分解する。即ち、コンテナの蓋18を開け、緩衝材26を外し、内部のプラズマデイスプレイパネル30を取り出した後、一面の側壁パネル14を前述のように、パレット10から取り外す。そして、図8のように、緩衝ガイド16を抜き出し、更に、他の3つの側壁パネル14をパレット10から取り外す。
【0049】
このようにすると、図1のように、コンテナを構成する各コンポーネントに分離される。このコンポーネント単位でまとめて、積み上げ、回収する。即ち、図12に示すように、パレット10を土台として、蓋18を積み上げる。又、図13に示すように、折れ曲げた緩衝ガイド16を、図9乃至図10のように、元に戻し、パレット10を土台として、緩衝ガイド16を2列積み上げる。更に、図14に示すように、残りのパレット10を積み上げる。そして、図16に示すように、パレット10を土台に、プロテクタ28を積み上げる。
【0050】
同様に、パレット10を土台に、側壁パネル14を積み上げる。更に、パレット10を土台に、底板12を積み上げる。尚、この例では、樹脂発泡材からなる緩衝板22、樹脂発泡材で構成された緩衝用分離板20,26は、回収対象から除外する。
【0051】
そして、図16に示すように、運搬用コンテナ4に、これら積み上げた各回収コンポーネントを、積み込み、回収する。この例では、40f(feet)コンテナ4に、分解された組立式コンテナを約200台分収容でき、1/5に容積を減量できる。このように、組立式コンテナの各コンポーネントを分離して、まとめることができるため、より小さな容積で、回収できる。
【0052】
[他の実施の形態]
上述の実施の形態では、運搬、保管する板状部材を、プラズマデイスプレイパネルで説明したが、液晶デイスプレイパネルや他の表示パネル、ノート型やタブレット型電子機器等の板状の電子装置にも適用でき、電子装置に限らず、他の破損し易い板状部材にも適用できる。又、組立式コンテナも、収納する板状部材の形態に応じて、種々のコンポーネントを付加又は削除できる。更に、パレット10への側壁パネル14の取り付け、取り外しの角度を約45度で説明したが、要するに、斜めであれば、作業し易いため、45度に限られない。同様に、パレット10への側壁パネル14の取り付けを保持具40で説明したが、他の形態の保持具を使用できる。
【0053】
以上、本発明を実施の形態により説明したが、本発明の趣旨の範囲内において、本発明は、種々の変形が可能であり、本発明の範囲からこれらを排除するものではない。
【0054】
(付記1)パレット上に箱体を設置する組立式コンテナにおいて、前記箱体の各辺を構成する側壁パネルと、前記パレットに設けられ、前記パレットに斜めから取り付けられる前記側壁パネルをガイドし、且つ前記側壁パネルの回転による前記パレットへの直立状態を保持する保持部材とを有し、前記直立時に、前記隣り合う前記側壁パネルを互いに嵌め合うための嵌め合い部分を前記側壁パネルに形成したことを特徴とする組立式コンテナ。
【0055】
(付記2)内部に収容される板状部材をガイドし、且つ緩衝する緩衝ガイドを、シートの成形により構成したことを特徴とする付記1の組立式コンテナ。
【0056】
(付記3)前記緩衝ガイドに、フランジを設け、且つ前記側壁パネルに、前記フランジが嵌め込まれる保持部を設けたことを特徴とする付記2の組立式コンテナ。
【0057】
(付記4)前記側壁パネルに、前記円筒体に挿入される取り付け棒を設け、前記保持部材は、円筒体で構成され、前記円筒体は、前記取り付け棒を内部に導入するための前記斜め方向に設けられた開口と、前記直立時に、前記取り付け棒のストッパとを有することを特徴とする付記1の組立式コンテナ。
【0058】
(付記5)前記側壁パネルの嵌め合い部分は、隣り合う一の側壁パネルに設けられた切り欠き部と、前記隣り合う他の側壁パネルに設けられ、前記切り欠き部と嵌め合う凸部とで構成されたことを特徴とする付記1の組立式コンテナ。
【0059】
(付記6)前記緩衝ガイドは、中央に折れ曲がりのためのV字溝を有し、前記V字溝で折れ曲がられた前記緩衝ガイドを前記パレットに設けたことを特徴とする付記2の組立式コンテナ。
【0060】
(付記7)パレットに設けられた保持部材により、前記パレットに斜めから取り付ける前記側壁パネルをガイドし、且つ前記側壁パネルの前記パレットへの直立状態を保持し、前記直立時に、前記隣り合う前記側壁パネルに形成された嵌め合い部分により、互いに嵌め合されて形成された箱体を有する組立式コンテナを組み立てる工程と、組立式コンテナに板状物体を収容し、運搬する工程と、前記組立式コンテナを、前記パレット、前記側壁パネルに分解し、前記パレット単位、前記側壁パネル単位で回収する工程とを有することを特徴とする組立式コンテナの運搬/回収方法。
【産業上の利用可能性】
【0061】
パレットに設けた保持部材により、取り付け作業は、斜めの角度から、4面の側壁パネルをパレットに挿入し、直立させることにより、側壁パネルの嵌め合いにより、強固な箱体が、パレット上に直接形成される。このため、取り付け作業は、極めて容易であり、作業スペースも減少できる。又、取り外し作業は、この手順と逆の手順で行えば良いため、取り外し作業でも、同様であり、組立式コンテナの組み立て、回収作業を容易に実現でき、運搬後の回収時の容積を減少でき、物流の効率化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の組立式コンテナの一実施の形態の構成図である。
【図2】図1の箱体の構成図である。
【図3】図2の側壁パネルの構成図である。
【図4】図3の側壁パネルのフックによる固定動作の説明図である。
【図5】図2の保持具とパレットの説明図である。
【図6】図5の保持具と側壁パネルの構成図である。
【図7】図2の側壁パネルの嵌め合い機構の構成図である。
【図8】図1の緩衝ガイドの取り付け機構の構成図である。
【図9】図7の緩衝ガイドの斜視図である。
【図10】図7の緩衝ガイドの断面図である。
【図11】図1の板状部材の収容動作の説明図である。
【図12】図1の蓋の回収時の形態の説明図である。
【図13】図1の緩衝ガイドの回収時の形態の説明図である。
【図14】図1のパレットの回収時の形態の説明図である。
【図15】図1のプロテクタの回収時の形態の説明図である。
【図16】図1の組立式コンテナの回収時の運搬コンテナの説明図である。
【図17】従来の組立式コンテナの説明図である。
【図18】従来の組立式コンテナの板状部材の収容時の状態の説明図である。
【符号の説明】
【0063】
10 パレット
12 底板
14 側壁パネル
16 緩衝ガイド
18 蓋
28 プロテクタ
30 プラズマデイスプレイパネル(板状部材)
10−1〜10−4 取り付け穴
14−1 凸部
14−2 切り欠き部
14−3 取り付け棒
14−4 フック
40 保持具
40−1 支持部
40−3 開口部
40−4 ストッパ部
40−5 円筒体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレット上に箱体を設置する組立式コンテナにおいて、
前記箱体の各辺を構成する側壁パネルと、
前記パレットに設けられ、前記パレットに斜めから取り付けられる前記側壁パネルをガイドし、且つ前記側壁パネルの回転を補助し、前記パレットへの直立状態を保持する保持部材とを有し、
前記直立時に、前記隣り合う前記側壁パネルを互いに嵌め合うための嵌め合い部分を前記側壁パネルに形成したことを特徴とする組立式コンテナ。
【請求項2】
内部に収容される板状部材をガイドし、且つ緩衝する緩衝ガイドを、シートの成形により構成したことを特徴とする請求項1の組立式コンテナ。
【請求項3】
前記緩衝ガイドに、フランジを設け、
且つ前記側壁パネルに、前記フランジが嵌め込まれる保持部を設けたことを特徴とする請求項2の組立式コンテナ。
【請求項4】
パレットに設けられた保持部材により、前記パレットに斜めから取り付ける前記側壁パネルをガイドし、且つ前記側壁パネルの前記パレットへの直立状態を保持し、前記直立時に、前記隣り合う前記側壁パネルに形成された嵌め合い部分により、互いに嵌め合されて形成された箱体を有する組立式コンテナを組み立てる工程と、
前記組立式コンテナに板状物体を収容し、運搬する工程と、
前記組立式コンテナを、前記パレット、前記側壁パネルに分解し、前記パレット単位、 前記側壁パネル単位で回収する工程とを有することを特徴とする組立式コンテナの運搬/回収方法。
【請求項1】
パレット上に箱体を設置する組立式コンテナにおいて、
前記箱体の各辺を構成する側壁パネルと、
前記パレットに設けられ、前記パレットに斜めから取り付けられる前記側壁パネルをガイドし、且つ前記側壁パネルの回転を補助し、前記パレットへの直立状態を保持する保持部材とを有し、
前記直立時に、前記隣り合う前記側壁パネルを互いに嵌め合うための嵌め合い部分を前記側壁パネルに形成したことを特徴とする組立式コンテナ。
【請求項2】
内部に収容される板状部材をガイドし、且つ緩衝する緩衝ガイドを、シートの成形により構成したことを特徴とする請求項1の組立式コンテナ。
【請求項3】
前記緩衝ガイドに、フランジを設け、
且つ前記側壁パネルに、前記フランジが嵌め込まれる保持部を設けたことを特徴とする請求項2の組立式コンテナ。
【請求項4】
パレットに設けられた保持部材により、前記パレットに斜めから取り付ける前記側壁パネルをガイドし、且つ前記側壁パネルの前記パレットへの直立状態を保持し、前記直立時に、前記隣り合う前記側壁パネルに形成された嵌め合い部分により、互いに嵌め合されて形成された箱体を有する組立式コンテナを組み立てる工程と、
前記組立式コンテナに板状物体を収容し、運搬する工程と、
前記組立式コンテナを、前記パレット、前記側壁パネルに分解し、前記パレット単位、 前記側壁パネル単位で回収する工程とを有することを特徴とする組立式コンテナの運搬/回収方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−193189(P2006−193189A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−8042(P2005−8042)
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【出願人】(505018588)エクセル・ロジスティクス株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【出願人】(505018588)エクセル・ロジスティクス株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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