組立式立体構造物
【課題】設置作業及び分離撤去作業を容易かつ確実にしかも迅速に行なうことを可能にすると共に、優れた防水性を得ること。
【解決手段】複数の支柱2、4、6と、複数の梁8及び10と、空間部Sと、空間部Sに延び出す複数の支持板50に締結されたパネル60とを備えた立体駐車場。パネル60の各々の相互に隣り合う周縁低部64は水平方向に隙間Gをおいて平行に対向する。隙間Gには格子状に連続する内側ドレーンユニット90が配置され、内側ドレーンユニット90は、弾性シール部材80を介して周縁低部64にねじ締結される。
【解決手段】複数の支柱2、4、6と、複数の梁8及び10と、空間部Sと、空間部Sに延び出す複数の支持板50に締結されたパネル60とを備えた立体駐車場。パネル60の各々の相互に隣り合う周縁低部64は水平方向に隙間Gをおいて平行に対向する。隙間Gには格子状に連続する内側ドレーンユニット90が配置され、内側ドレーンユニット90は、弾性シール部材80を介して周縁低部64にねじ締結される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば立体駐車場、陸屋根を有する建物、陸屋根を駐車場として利用できる建物(例えば、店舗、事務所、倉庫)などに広く適用できる組立式立体構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の支柱と、相互に隣り合う支柱の上端部間に分離可能に連結される梁を含む複数の梁であって平面から見て格子状に配列されかつ相互に分離可能に連結された複数の梁とを備えた組立式立体構築物が開示されている。この構造物において、支柱及び梁の各々の上面は共通の水平面上に位置付けられている。複数の梁においてそれぞれ相互に間隔をおいて平行に対向する2対の梁からなる組によって平面矩形状に区画された空間部が複数個形成されている。該梁の組の各々の上面には、矩形状のコンクリート製パネルが空間部を上から覆うよう配設されている。
【0003】
該梁部材の組の各々において、相互に対向する2つの梁部材にはそれぞれ2個の支持板が空間部内に延び出すよう固着されかつ、他の2つの梁部材にはそれぞれ1個の支持板が空間部内に延び出すよう固着されている。支持板の各々の上面は該水平面上に位置付けられている。支柱及び梁の各々の上面には排水用の樋が該上面に沿って格子状に全体が連通するように配設されている。パネルの各々の周縁部の上面には、外方に延び出す張出板であって先端に垂下部が形成された張出板が一体に設けられている。パネルの各々は、各々の周縁部の下面が、該梁部材の組の上面における空間部側の一部領域及び該支持板の各々の上面に載置されてボルトにより該支持板の各々に分離可能に締結される。該締結状態で、パネルの各々における張出板の垂下部は樋の上方に位置付けられかつ、相互に対向するパネルの各々における張出板の垂下部は相互に隙間をおいて樋の上方に位置付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−030345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記組立式立体構造物は、設置作業及び分離撤去作業を容易かつ確実にしかも迅速に行なうことを可能にしている。他方、上記組立式立体構造物においては、パネルの各々における張出板の垂下部が樋の上方に位置付けられかつ、相互に対向するパネルの各々における張出板の垂下部が相互に隙間をおいて樋の上方に位置付けられるよう構成されている。その結果、例えば樋内に多量の水が急激に流入して溢れた場合には、溢れた水が、樋とパネルの各々における張出板の垂下部との間の隙間、及び樋とパネルの各々との間の隙間を通して支柱及び梁の上面からパネルの各々の下方空間内に漏れるおそれがある。また、樋は、平面から見て、それぞれ十字形、T字形、L字形及びストレートに形成された複数の樋部材を組み合わせることにより構成される。そして、樋部材同士の連結がシール部材を挟んで単に突き合わせることにより行なわれるが、このような構成では、該連結部における水漏れを十分確実に防止できないおそれがある。また、上記引用文献1には開示されていないが、組立式立体構造物に側壁ユニットを複数個配設して、周囲を側壁ユニットに囲まれた空間を形成する場合においては、側壁ユニットの外部から内部空間への水の流入を確実に防止することが望まれる。
【0006】
本発明の目的は、設置作業及び分離撤去作業を容易かつ確実にしかも迅速に行なうことを可能にすると共に、防水性に優れた組立式立体構造物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、複数の支柱と、相互に隣り合う該支柱の上端部間に分離可能に連結される梁を含む複数の梁であって平面から見て格子状に配列されかつ相互に分離可能に連結された複数の梁とを備え、該支柱及び該梁の各々の上面は共通の水平面上に位置付けられ、該複数の梁においてそれぞれ相互に間隔をおいて平行に対向する2対の梁からなる組によって平面矩形状に区画された空間部が複数個形成され、該梁の組の各々の上面には、矩形状のコンクリート製パネルが該空間部を上から覆うよう配設される組立式立体構築物において、該梁の組の各々において、該梁の各々には少なくとも1個の支持板が該空間部内に延び出すよう固着され、該支持板の各々の上面は該水平面上に位置付けられ、該パネルの各々は、矩形本体と、該本体の周縁を所定の幅及び該本体の上面よりも低い上面をもって延びる周縁低部とを備えるとともに、該周縁低部の底面が該梁の組の各々の上面に載置されかつ該本体の周縁部の底面が該支持板の各々の上面に載置されて該支持板の各々にねじ締め手段により分離可能に連結され、該パネルの各々の該周縁低部の上面には帯状の弾性シール部材が配設され、相互に隣り合う該パネルの各々の相互に隣り合う周縁低部は水平方向に隙間をおいて平行に対向し、該隙間は、平面から見て格子状に連続して形成され、該隙間には格子状に連続する内側ドレーンユニットが配置され、該内側ドレーンユニットは、該周縁低部の該弾性シール部材の上面からねじ締め手段により該周縁低部に分離可能に連結される、ことを特徴とする組立式立体構築物が提供される。
該パネル全体において、他のパネルの周縁低部と対向しない非対向周縁低部を有するパネルの該非対向周縁低部の各々により形成される該パネル全体の外周縁部の全領域又は一部領域を除く他の全領域には、連続して延びるとともに、該内側ドレーンユニットとシール手段を介してねじ締め手段により分離可能に連結される外側ドレーンユニットが配設され、該外側ドレーンユニットは、該非対向周縁低部の該弾性シール部材の上面からねじ締め手段により該非対向周縁低部に分離可能に連結される、ことが好ましい。
該内側ドレーンユニットは、それぞれ平面から見て、少なくとも1個の十字形ドレーン部材と、該十字形ドレーン部材の4個の端部に、対向する端部がそれぞれシール手段を介してねじ締め手段により相互に接近する方向に圧接されて分離可能に連結される内側ストレートドレーン部材とを備え、該外側ドレーンユニットは、それぞれ平面から見て、ストレートに延びる主部及び該主部の中央から直角に延び出す支部を有する複数のT字形ドレーン部材と、複数のL字形ドレーン部材と、該T字形ドレーン部材の各々の該主部の両端部及び該L字形ドレーン部材の各々の両端部に、それぞれ対向する端部がそれぞれシール手段を介してねじ締め手段により相互に接近する方向に圧接されて分離可能に連結される外側ストレートドレーン部材とを備え、該外側ドレーンユニットの該T字形ドレーン部材の各々の該支部の端部と、該内側ドレーンユニットの、対応する内側ストレートドレーン部材の端部とは、該シール手段を介して該ねじ締め手段により相互に接近する方向に圧接されて分離可能に連結される、ことが好ましい。
該内側ドレーンユニットの該十字形ドレーン部材及び該内側ストレートドレーン部材の各々は、金属板からなり、かつ上方に開放されたチャンネル部とチャンネル部の上端の各々から相互に水平反対方向に延びるフランジ部とを備えるとともに、該チャンネル部が該隙間に挿入されかつ該フランジ部の各々が、該隙間を挟んで対向する該周縁低部の該弾性シール部材の上面に載置されて該ねじ締め手段により該周縁低部に分離可能に連結され、該外側ドレーンユニットの該T字形ドレーン部材、該L字形ドレーン部材及び該外側ストレートドレーン部材の各々は、金属板からなり、かつ該T字形ドレーン部材の各々の該主部の両端部、該L字形ドレーン部材及び該外側ストレートドレーン部材の各々は、上方に開放されたチャンネル部とチャンネル部の上端の一方から水平外方向に延びるフランジ部とを備えるとともに、該フランジ部が該全領域又は該他の全領域における該非対向周縁低部の該弾性シール部材の上面に載置されて該ねじ締め手段により該非対向周縁低部に分離可能に連結され、該外側ドレーンユニットの該T字形ドレーン部材の各々の該支部は、該内側ドレーンユニットの該内側ストレートドレーン部材と同じ形状及び大きさを有する該チャンネル部及び該フランジ部を備え、かつ該チャンネル部が該隙間に挿入されかつ該フランジ部の各々が、該隙間を挟んで対向する該周縁低部の該弾性シール部材の上面に載置されて該ねじ締め手段により該周縁低部に分離可能に連結される、ことが好ましい。
該内側ドレーンユニットの該十字形ドレーン部材と該内側ストレートドレーン部材との間に介在される該シール手段の各々は、該十字形ドレーン部材の該端部の各々及びこれらに対向する該内側ストレートドレーン部材の各々の該端部における少なくとも該チャンネル部に嵌合されたチャンネル形断面を有する弾性シール部材からなり、該十字形ドレーン部材の該端部の各々及びこれらに対向する該内側ストレートドレーン部材の該端部の各々の該チャンネル部の内面でありかつ嵌合された該弾性シール部材の内側には、矩形横断面を有するU形フランジ部材が固着され、該ねじ締め手段の各々は、該U形フランジ部材の各々の内側に配置された矩形の輪郭を有する押圧部材であって中央に取付穴が、該取付穴の周囲に複数の通水穴が、それぞれ形成された押圧部材と、該押圧部材の各々の該取付穴を貫通するボルトと該ボルトにねじ込まれるナットとを含み、該ボルト及び該ナットによるねじ締めにより、該押圧部材及び該U形フランジ部材を介して該十字形ドレーン部材の該端部の各々及びこれらに対向する該内側ストレートドレーン部材の該端部の各々を該弾性シール部材の各々を介して相互に接近する方向に圧縮させた状態で分離可能に連結し、該十字形ドレーン部材の該端部の各々及びこれらに対向する該内側ストレートドレーン部材の各々の該端部に嵌合された該弾性シール部材の各々の一部と、該十字形ドレーン部材の4個の角部に位置する4個の該パネルの角部における該周縁低部に配設された該弾性シール部材の一部とが相互に圧接される、ことが好ましい。
該外側ドレーンユニットの該T字形ドレーン部材の各々の該主部及び該L字形ドレーン部材の各々と該外側ストレートドレーン部材の各々との間に介在される該シール手段の各々は、該T字形ドレーン部材の各々の該主部の該両端部及び該L字形ドレーン部材の各々の該両端部及びこれらに対向する該外側ストレートドレーン部材の各々の該端部における少なくとも該チャンネル部に嵌合されたチャンネル形断面を有する弾性シール部材からなり、該T字形ドレーン部材の各々の該主部の該両端部及び該L字形ドレーン部材の各々の該両端部及びこれらに対向する該外側ストレートドレーン部材の各々の該端部におけるチャンネル部の内面でありかつ嵌合された該弾性シール部材の各々の内側には、矩形横断面を有するU形フランジ部材が固着され、該ねじ締め手段の各々は、該U形フランジ部材の各々の内側に配置された矩形の輪郭を有する押圧部材であって中央に取付穴が、該取付穴の周囲に複数の通水穴が、それぞれ形成された押圧部材と、該押圧部材の各々の該取付穴を貫通するボルトと該ボルトにねじ込まれるナットとを含み、該ボルト及び該ナットによるねじ締めにより、該押圧部材及び該U形フランジ部材を介して該T字形ドレーン部材の各々の該主部の該両端部及び該L字形ドレーン部材の各々の該両端部及びこれらに対向する該外側ストレートドレーン部材の各々の該端部を該弾性シール部材の各々を介して相互に接近する方向に圧縮させた状態で分離可能に連結し、該外側ドレーンユニットの該T字形ドレーン部材の各々の該支部と、該内側ドレーンユニットの該内側ストレートドレーン部材との間に介在される該シール手段の各々は、該T字形ドレーン部材の各々の該支部における該端部及びこれに対向する該内側ストレートドレーン部材の該端部における少なくとも該チャンネル部に嵌合されたチャンネル形断面を有する弾性シール部材からなり、該支部の該端部及びこれに対向する該内側ストレートドレーン部材の該端部の該チャンネル部の内面でありかつ嵌合された該弾性シール部材の内側には、矩形横断面を有するU形フランジ部材が固着され、該ねじ締め手段は、該U形フランジ部材の各々の内側に配置された矩形の輪郭を有する押圧部材であって中央に取付穴が、該取付穴の周囲に複数の通水穴が、それぞれ形成された押圧部材と、該押圧部材の各々の該取付穴を貫通するボルトと該ボルトにねじ込まれるナットとを含み、該ボルト及び該ナットによるねじ締めにより、該押圧部材及び該U形フランジ部材を介して該T字形ドレーン部材の各々の該支部の該端部及びこれに対向する該内側ストレートドレーン部材の該端部を該弾性シール部材の各々を介して相互に接近する方向に圧縮させた状態で分離可能に連結し、該T字形ドレーン部材の各々の該端部及びこれらに対向する該外側及び該内側ストレートドレーン部材の各々の該端部に嵌合された該弾性シール部材の各々の一部と、該T字形ドレーン部材の各々における2個の角部に位置する2個の該パネルの角部における該周縁低部及び非対向周縁低部に配設された該弾性シール部材の一部とが相互に圧接され、該L字形ドレーン部材の各々の該両端端及びこれらに対向する該外側ストレートドレーン部材の各々の該端部に嵌合された該弾性シール部材の各々の一部と、該L字形ドレーン部材の各々の角部に位置する該パネルの角部における該非対向周縁低部に配設された該弾性シール部材の一部とが相互に圧接される、ことが好ましい。
該内側及び外側ドレーンユニットの該フランジ部が、対応する該パネルの該周縁低部に該弾性シール部材を介して連結される該ねじ締め手段は、上端部が該周縁低部及び該非対向周縁低部の上面から延び出すよう埋設された複数の雄ねじ部材と該雄ねじ部材にねじ結合されるナットとを含み、該弾性シール部材には、該雄ねじ部材が貫通可能な貫通穴又は貫通可能部が形成され、該フランジ部には、該雄ねじ部材が貫通可能な貫通穴が形成されている、ことが好ましい。
該内側ドレーンユニットの該フランジ部の各々の上面には複数の円筒状雌ねじ部材が直立して固着され、該内側ドレーンユニットには、複数のカバー板が上面を覆うよう配設され、該カバー板の各々は、該雌ねじ部材の各々の上端面に載置されて球面状の頭を有する雄ねじ部材により分離可能に締結される、ことが好ましい。
該外側ドレーンユニットの該チャンネル部の上端の一方に形成された該フランジ部の上面には複数の円筒状雌ねじ部材が直立して固着され、該外側ドレーンユニットの該チャンネル部の上端の他方は、該一方よりも高く形成され、該他方には、該一方に向かって水平に延びる他のフランジ部が形成され、該他のフランジ部には、複数の取付穴と、取付穴の下面側に固着されたナットとが備えられ、該他のフランジ部の上面は円筒状雌ねじ部材の上端面とほぼ同じ高さにあり、該外側ドレーンユニットには、複数のカバー板が上面を覆うよう配設され、該カバー板の各々は、該他のフランジ部の上面及び円筒状雌ねじ部材の上端面に載置されてボルトにより分離可能に締結される、ことが好ましい。
該パネルの各々の該本体と該周縁低部及び非対向周縁低部との間には、該周縁低部及び非対向周縁低部の上面より低い溝が形成され、該内側ドレーンユニットの各々の該フランジ部の先端及び該外側ドレーンユニットの各々の該フランジ部の先端には垂下部が形成され、該垂下部の先端は、対応する該周縁低部及び非対向周縁低部の該溝内に位置付けられる、ことが好ましい。
該支持板の各々には貫通穴が形成され、該パネルの各々が該支持板の各々に分離可能に締結される該ねじ締め手段は、該本体の周縁部に埋設されかつ該周縁部の上面及び底面に開口する複数の円筒状雌ねじ部材と、該支持板の各々の該貫通穴を通して、該円筒状雌ねじ部材にねじ結合されるボルトとを含み、該空間部を形成する該梁の組の各々において、少なくとも4個の該支持板の各々における該貫通穴の内周面には雌ねじが形成され、該雌ねじの各々の内径は、該パネルに埋設された該円筒状雌ねじ部材にねじ結合される該ボルトの外径よりも大きく形成されている、ことが好ましい。
該支持板の各々には貫通穴が形成され、該パネルの各々が該支持板の各々に分離可能に締結される該ねじ締め手段は、該本体の周縁部に埋設されかつ該周縁部の上面及び底面に開口する複数の円筒状雌ねじ部材と、該支持板の各々の該貫通穴を通して、該円筒状雌ねじ部材にねじ結合されるボルトとを含み、該パネルの各々における少なくとも4個の該円筒状雌ねじ部材の各々には、該パネルの各々を該昇降手段に含まれるワイヤにより吊り上げて該空間部上に装着するためのアイボルトであって、雄ねじ部と、該雄ねじ部の先端から延び出す、該支持板の貫通穴よりも小径であるガイドピンとを備え、該ガイドピンの先端部には先端に向かって徐々に小径となる円錐ガイド面が形成され、該ガイドピンは、該雄ねじ部を介して対応する該円筒状雌ねじ部材にねじ結合された状態で、少なくとも先端部が対応する該パネルの下面から下方に突出するよう、その長さが設定され、装着するために該パネルが昇降手段により降下させられると該ガイドピンが対応する該支持板の該貫通穴に分離可能に嵌合されて該パネルを装着位置にガイドすることができるアイボルトを、分離可能にねじ結合することができる、ことが好ましい。
該支持板の各々には貫通穴が形成され、該パネルの各々が該支持板の各々に分離可能に締結される該ねじ締め手段は、該本体の周縁部に埋設されかつ該周縁部の上面及び底面に開口する複数の円筒状雌ねじ部材と、該支持板の各々の該貫通穴を通して、該円筒状雌ねじ部材にねじ結合されるボルトとを含み、該パネルの各々における該円筒状雌ねじ部材の各々には、該周縁部の上面から弾性シール部材を介して球面状の頭を有する雄ねじ部材が分離可能に締結される、ことが好ましい。
該パネルの各々によって陸屋根が形成され、幾つかの該パネルには、それぞれ一対のコンクリート製車止めが固着手段により固着され、該車止めの各々は、周縁部を残して形成された貫通穴を備え、該固着手段は、該車止めの各々における該貫通穴に対応する該パネルの表面に形成されたけがきによる凹部と、該凹部及び該貫通穴に充填されたコンクリートとからなる、ことが好ましい。
該パネル全体の周縁に位置する該梁及び該支柱には、フェンスが分離可能に配設され、該フェンスは、該梁及び該支柱の外側に相互に間隔をおいて分離可能に取り付けられて該外側ドレーンユニットの外側から直立する複数のフェンス用支柱と、相互に隣り合う該フェンス用支柱間に分離可能に取り付けられる矩形のフェンスユニットとを備え、該フェンス用支柱の各々は、ウェブと該ウェブ両端のフランジとからなるH形鋼から形成されかつウェブの両面が該梁の延びる方向に向くよう位置付けられ、該フェンスユニットの各々の水平方向両端は中空角材からなる縦枠から形成され、該フェンスユニットの各々は、各々の縦枠が対応する該フェンス用支柱のウェブとフランジの各々とにより形成されるチャンネル形空間に挿入されてねじ締め手段により分離可能に連結され、該フェンス用支柱の各々の該チャンネル形空間には、挿入された該フェンスユニットの縦枠の下端を受け止めて該フェンス用支柱の各々の装着位置を決める位置決め板が固着されている、ことが好ましい。
該パネルの各々によって陸屋根が形成され、該陸屋根の一部領域と地面との間には斜路が配設され、該斜路は、該斜路が延びる長手方向に所定の間隔をおいて配設された複数対の支柱であって、それぞれ該斜路の幅方向に一定の間隔をおいて隣り合う同じ高さの支柱の対からなりかつ該陸屋根の一部領域方向に近いほど高さが増加する複数対の支柱と、該複数対の支柱の上端を該幅方向に間隔を置いて平行に該長手方向に傾斜して延びるよう配設された一対の側梁と、該側梁の各々間を該幅方向に延びるよう配設された複数の横梁とを備え、一対の側梁及び一対の横梁により平面矩形状の空間部が複数個形成され、一対の横梁及び/又は一対の側梁には複数の支持板が該空間部内に延び出すよう固着され、該空間部を形成する該一対の側梁及び該一対の横梁と該空間部内に延び出す該支持板の各々とは、共通の傾斜面上に位置付けられ、矩形状のコンクリート製パネルが該空間部の各々を上から覆うよう載置されて、該支持板の各々にねじ締め手段により分離可能に連結され、該パネルの各々の該幅方向両側部の上面には、それぞれ排水溝が、該斜路の傾斜面の高い位置に配置される該長手方向の一端から該斜路の傾斜面の低い位置に配置される他端にわたって形成されかつ、該両側部間の領域であって該幅方向の中央部によって区画される二つの領域の上面には、それぞれ該長手方向に間隔をおいて相互に平行に延びる複数の滑り止め用の溝が、該縦方向の一端から排水溝まで、該中央部から排水溝まで及び該中央部から該縦方向の他端まで、それぞれ平面から見て該縦方向の一端から他端方向に傾斜して形成されている、ことが好ましい。
滑り止め用の溝の各々横断面はV字形である、ことが好ましい。
相互に隣り合う一対の該支柱間には、上下方向に間隔をおいて一対の梁が配設され、該支柱は中空角材から形成されかつ各々の一側面同士が水平方向に対向し、該梁の各々が、ウェブと該ウェブ両端のフランジとからなるH形鋼から形成されかつ上側の梁の下側のフランジの下面と下側の梁の上側のフランジの上面とが上下に対向して、該支柱の各々の一側面と該上側の梁の下側のフランジの下面と該下側の梁の上側のフランジの上面とにより矩形の空間が形成され、該空間の内周面には、断面L形の支持枠によって、所定の幅で矩形状に延びかつ共通の鉛直面上に位置付けられる取付面が配設され、該取付面には、矩形状の側壁ユニットが帯状の弾性シール部材を介してねじ締め手段によって分離可能に取り付けられる、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る組立式立体構造物によれば、設置作業及び分離撤去作業を容易かつ確実にしかも迅速に行なうことを可能にすると共に、優れた防水性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に従って構成された組立式立体構造物である立体駐車場の実施形態を、一部を分解しかつ、他の一部を省略して示す斜視概略図である。
【図2】図1に示す立体駐車場に含まれる支柱及び梁による骨組を示す平面図である。
【図3】図2に示される骨組をA方向から見た側面図である。
【図4】図2に示される骨組をB方向から見た側面図である。
【図5】図2においてCで示す角部に配置された支柱(角部支柱)を拡大して詳細に示す平面図であって、連結される主梁の一部とスプライスプレートを共に示す平面図である。
【図6】(a)は、図2においてCで示される角部に配置された支柱の上端部を図2においてA方向から見た側面図、(b)は、(a)におけるD−D矢視断面図であって、支柱と主梁との接続部のみを示すD−D矢視断面図である。
【図7】図5及び図6に示す支柱の全体を図2においてA方向から見た側面図である。
【図8】図2においてEで示される辺部に配置された支柱(辺部支柱)を拡大して詳細に示す平面図であって、連結される主梁の一部とスプライスプレートを共に示す平面図である。
【図9】図8に示される支柱の上端部を図8において下方から見た側面図である。
【図10】図2においてFで示される中央部に配置された支柱(中央部支柱)を拡大して詳細に示す平面図であって、連結される主梁の一部とスプライスプレートを共に示す平面図である。
【図11】図10に示される支柱の上端部を図10において下方から見た側面図である。
【図12】図2においてGで示される辺部に配置された主梁と中間梁との連結部を拡大して詳細に示す平面図である。
【図13】図2に示される骨組上にコンクリート製パネルを装着して形成した陸屋根及びドレーンが配設された該陸屋根の各々をそれぞれ部分的に示す概略平面図である。
【図14】図3に示される骨組上にコンクリート製パネルを装着した状態を示す側面概略図である。
【図15】図4に示される骨組上にコンクリート製パネル及びフェンスを装着した状態をそれぞれ部分的に示す側面概略図でである。
【図16】図2のH部の拡大図である。
【図17】図16に示される梁及び支持板の上面にコンクリート製パネルが締結された状態を部分的に示す拡大断面図である。
【図18】図17に示された該パネルの全体を示す平面概略図である。
【図19】図18に示された該パネルを図18において下方から見た側面概略図である。
【図20】(a)は、図19のJ部を拡大して詳細に示す側面図、(b)は、J部の構成の他の実施形態を示す側面図である。
【図21】該パネルを梁の上面に装着する一つの方法を説明するための部分図である。
【図22】該パネルを梁の上面に装着する他の方法を説明するための部分図である。
【図23】ドレーンが配設された陸屋根(図13)の一部を更に詳細に示す平面図である。
【図24】十字型ドレーン部材と内側ストレートドレーン部材の一部とを示す平面図である。
【図25】図24に示されている十字型ドレーン部材を図24において下方から見た側面図である。
【図26】図24に示されている十字型ドレーン部材の一端部と内側ストレートドレーン部材の一端部とが連結された状態を示す平面図であって一部を断面で示す平面図である。
【図27】図26に示されている弾性シール部材の正面図である。
【図28】図27に示されている弾性シール部材の側面図である。
【図29】図26に示されている押圧部材の正面図である。
【図30】T字形ドレーン部材と外側ストレートドレーン部材の一部とを示す平面図である。
【図31】図30に示されているT字形ドレーン部材を図30において上方から見た正面図である。
【図32】図30に示されているT字形ドレーン部材を図30において右方から見た側面図である。
【図33】図30に示されている外側ストレートドレーン部材のK矢視図である。
【図34】図30に示されているT字形ドレーン部材の主部の一端部と外側ストレートドレーン部材の一端部とが連結された状態を示す平面図である。
【図35】図34に示されている弾性シール部材の正面図である。
【図36】図34に示されている押圧部材の正面図である。
【図37】L字形ドレーン部材の平面図である。
【図38】隙間をおいて対向するパネルの周縁低部、帯状の弾性シール部材、該周縁低部の各々間に跨って配設される内側ドレーンユニットの一部、カバー板などを分解して示す断面図である。
【図39】図38に示された内側ドレーンユニットの一部が締結された状態を示す断面図である。
【図40】図26に示されている十字型ドレーン部材の一端部と内側ストレートドレーン部材の一端部との連結部が、隙間をおいて対向するパネルの周縁低部の各々間に跨って帯状の弾性シール部材の上面に載置された状態を示す断面図である。
【図41】図40において該連結部が周縁低部の各々に締結された状態を示す断面図である。
【図42】図41を上方から見た平面図である。
【図43】図40に示されている該連結部及び帯状の弾性シール部材の他の実施形態を示す断面図である。
【図44】図43において該連結部が周縁低部の各々に締結された状態を示す断面図である。
【図45】図40に示されている該連結部及び帯状の弾性シール部材の更に他の実施形態を示す断面図である。
【図46】図45において該連結部が周縁低部の各々に締結された状態を示す断面図である。
【図47】図40に示されている該連結部及び帯状の弾性シール部材の更に他の実施形態を示す断面図である。
【図48】図47において該連結部が周縁低部の各々に締結された状態を示す断面図である。
【図49】図40に示されている該連結部及び帯状の弾性シール部材の更に他の実施形態を示す断面図である。
【図50】図49において該連結部が周縁低部の各々に締結された状態を示す断面図である。
【図51】図40に示されている該連結部及び帯状の弾性シール部材の更に他の実施形態を示す断面図である。
【図52】図51において該連結部が周縁低部の各々に締結された状態を示す断面図である。
【図53】パネルの非対向周縁低部に外側ドレーンユニットの一部が帯状の弾性シール部材を介して締結されかつ、その上側にカバー板が配設された状態を、雄ねじ部材のみを分解して示す断面図である。
【図54】外側ドレーンユニットの一部及び内側ストレートドレーン部材の一部を示す平面図である。
【図55】図54に示されている外側ドレーンユニットの一部を図54において下方から見た側面図であって、カバー板及び排水管が装着された状態を示す側面図である。
【図56】ドレーンユニットの一部を示す斜視図であって、カバー板の一部を除去しかつ一部を断面で示す斜視図である。
【図57】図1に示されている立体駐車場の部分断面図である。
【図58】図57に示されている車止めの断面図であってパネルに固着されていない状態を示す断面図である。
【図59】図1に示されている立体駐車場に備えられたフェンスの一部を示す側面図である。
【図60】図59に示されているフェンスの一部を分解して示す斜視概略図である。
【図61】図59に示されている1個のフェンス用支柱を立体駐車場の内側から見た図であって一部を省略して示す図である。
【図62】図61に示されているフェンス用支柱を図61において左方から見た側面図であって、該支柱に装着されるガードレールを分解して示す側面図である。
【図63】(a)は、(b)に示されているフェンス用支柱の平面図、(b)は、該支柱にフェンスユニットが挿入・固着された状態を部分的に示しかつ、取付ボルトなどを分解して示す図である。
【図64】図1に示されている立体駐車場に併設することができる斜路の実施形態を示す側面図である。
【図65】図64に示されている斜路の平面図である。
【図66】図64に示されている斜路を図64において左方から見た正面図である。
【図67】図64に示されている斜路の骨組を示す平面図である。
【図68】図67に示されている骨組に装着されるコンクリート製パネルの一つを示す平面図である。
【図69】図68のL−L矢視断面図である。
【図70】図68に示されているパネルの斜視図である。
【図71】図1に示されている立体駐車場に斜路を併設した状態を示す斜視図である。
【図72】本発明に従って構成された組立式立体構造物の他の実施形態であって、骨組の側部と該側部に装着される1個の側壁ユニットとのッ相対的位置関係を分解して示す斜視図である。
【図73】図72において、側壁ユニットが骨組に装着された状態を一部を省略して示す縦断面図である。
【図74】図72において、側壁ユニットが骨組に装着された状態の一部を示す横断面図である。
【図75】本発明に従って構成された組立式立体構造物の更に他の実施形態である3階建ての立体駐車場であって陸屋根も駐車場として利用される立体駐車場の斜視図である。
【図76】本発明に従って構成された組立式立体構造物の更に他の実施形態であって、1階が事務所、陸屋根が駐車場として利用される組立式立体構造物の他の実施形態である。
【図77】本発明に従って構成された組立式立体構造物の更に他の実施形態であって、1階及び2階が事務所、陸屋根が駐車場として利用される組立式立体構造物の更に他の実施形態である。
【図78】本発明に従って構成された組立式立体構造物の更に他の実施形態であって、1階が駐車場、2階が事務所、陸屋根が単なる屋根として構成された組立式立体構造物の更に他の実施形態である。
【図79】本発明に従って構成された組立式立体構造物の更に他の実施形態であって、1階〜3階が事務所、陸屋根が単なる屋根として構成された組立式立体構造物の更に他の実施形態である。
【図80】本発明に従って構成された組立式立体構造物の更に他の実施形態であって、陸屋根を棚、ステージなどとして利用することができる組立式立体構造物の更に他の実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に従って構成された組立式立体構造物の実施形態を、図1〜図80を参照して説明する。なお、図1〜図80に示す実施形態において、実質的に同一部分は同一符号で示されている。
【0011】
先ず、図1〜図2を参照して、本発明に従って構成された組立式立体構造物である立体駐車場の実施形態は、複数の支柱である、角部支柱2、辺部支柱4及び中央部支柱6と、梁である主梁8及び他の梁である中間梁10とを備えている。図2から容易に理解されるように、平面から見て、角部支柱2は、仮想長方形の4個の角部に相当する位置にそれぞれ1個配置されている。仮想長方形は、図2において上下方向(水平縦方向)に間隔を置いて平行に延びる一対の短い仮想辺と、図2において左右方向(水平横方向)に間隔を置いて平行に延びる一対の長い仮想辺とを有する。
【0012】
辺部支柱4は、仮想長方形の短い仮想辺の各々に2個づつ、長い仮想辺の各々に3個づつ、それぞれ等間隔で配置されている。仮想長方形の短い仮想辺の各々において、辺部支柱4の各々は、隣り合う角部支柱2に対し等間隔で配置されている。中央部支柱6は、相互に水平横方向に対向する3対の辺部支柱4間に2個づつ配置される。中央部支柱6の各々は、水平縦方向に対向する2対の辺部支柱4同士を結ぶ仮想直線上に配置される。
【0013】
主梁8は、水平横方向及び水平縦方向に相互に隣り合う支柱の上端部間に分離自在に連結される。実施形態において、主梁8は、角部支柱2と該角部支柱2に対し水平横方向及び水平縦方向に隣り合う辺部支柱4との上端部間、相互に水平縦方向に隣り合う辺部支柱4の各々の上端部間、相互に水平横方向に隣り合う辺部支柱4の各々の上端部間、中央部支柱6と該中央部支柱6に対し水平横方向及び水平縦方向に隣り合う辺部支柱4との上端部間及び、相互に水横方向及び水平縦方向に隣り合う中央部支柱6の各々の上端部間、にそれぞれ分離可能に連結される。中間梁10は、相互に水平横方向に対向する主梁8の各々の長手方向中央部(すなわち水平縦方向中央部)の上端部間に分離自在に連結される。
【0014】
水平縦方向に延びる主梁8の各々の長さは全て同じであり、水平横方向に延びる主梁8の各々であって、水平横方向の中央に位置する主梁8の各々の長さは全て同じであり、水平横方向の両側に位置する主梁8の各々の長さは全て同じであり、水平横方向の中央に位置する主梁8の各々の長さは、水平横方向の両側に位置する主梁8の各々の長さより長い。水平横方向の中央に位置する中間梁10の各々の長さは全て同じであり、水平横方向の両側に位置する中間梁10の各々の長さは全て同じであり、水平横方向の中央に位置する中間梁10の各々の長さは、水平横方向の両側に位置する中間梁10の各々の長さより長い。主梁8及び中間梁10の各々は、それぞれ同じ高さで水平に延在するよう配置される。このように主梁8及び中間梁10は、多数の共通部品が使用されるので、コストダウンに寄与する。角部支柱2、辺部支柱4、中央部支柱6、主梁8及び中間梁10の各々の上面は共通の水平面上に位置付けられる。主梁8及び中間梁10の各々は平面から見て格子状に配列される。主梁8及び中間梁10の各々間には平面から見て矩形状に区画された複数の空間部Sが形成される(図2において、上端部6箇所にのみ符号Sが付されている)。空間部Sの各々はそれぞれ相互に間隔をおいて水平に対向する2対の梁からなる組によって形成される。空間部Sの各々における2個の角部には、角部支柱2、辺部支柱4、中央部支柱6のうちの2個(同じ支柱又は相互に異なる支柱)が位置する。
【0015】
図6(b)に示されているように、主梁8は、ウェブ8aと、ウェブ8aの上端及び下端からそれぞれウェブ8aの両側に延び出す上フランジ8b及び下フランジ8cとからなるH形鋼から形成されている。図12に示されているように、中間梁10も、ウェブ10aと、ウェブ10aの上端及び下端からそれぞれウェブ10aの両側に延び出す上フランジ10b及び下フランジ10c(不図示)とからなるH形鋼から形成されている。
【0016】
次に、角部支柱2、辺部支柱4及び中央部支柱6の構成について説明する。これらの支柱の構成は、それぞれ特開2009−030345号に開示された角部支柱2、辺部支柱4及び中央部支柱6と実質的に同じであるので、以下、それぞれ簡単に説明する。
【0017】
角部支柱2の各々は、相互に実質的に同じ構成を有しているので、そのうちの一つについて説明する。図5〜図7を参照して、角部支柱2は、実質上鉛直方向に延びる支柱本体12と、支持本体12の上端に配設された支持頭14とを備えている。支柱本体12は、横断面が4角形の中空角材(実施形態においては、横断面が正方形の鋼製角パイプ)から形成されかつ下端には環状フランジ12Fが一体に配設されている。環状フランジ12Fには周方向に間隔をおいて複数の取付穴が形成されている。支柱本体12の下端、すなわち環状フランジ12Fは、ジャッキ手段16を介して載置板18に分離可能に連結・支持される。載置板18は載置表面の所定位置に載置される。
【0018】
図1及び図7を参照して、ジャッキ手段16は、載置板18の上面から直立するよう載置板18に固着されかつ外周面に雄ねじが形成された支持ロッド部材20と、支持ロッド部材20にねじ結合されて回転させると支持ロッド部材20に沿って上下動する上下動部材22とを備えている。上下動部材22は、内周面に雌ねじが形成された円筒部と、円筒部の上端外周面に一体に配設された環状フランジ部とを備えている。環状フランジ部には周方向に間隔をおいて複数の取付穴が形成されている。支柱本体12の環状フランジ12Fは、上下動部材22の環状フランジ部に重合され、相互に整合された取付穴を介して図示しないボルト&ナットにより分離可能に締結される。角部支柱2の軸方向長さ(高さ)の調整は、角部支柱2をクレーン等の吊上機械により吊り上げた状態で、上下動部材22を回転させることにより容易に遂行可能である。なお、必要に応じ、角部支柱2、後述する辺部支柱4及び中央部支柱6を図示しない基礎に対しねじ締め手段によって分離可能に締結する他の実施形態もある。
【0019】
図5〜図7を参照して、鋼材を組み合わせてなる支柱頭14は、支柱本体12の側面から外方に水平に延び出すよう支柱本体12の上端に固着された下板24と、下板24の上面から鉛直方向上方に延びるよう下板24と一体に固着された支柱頭本体26と、下板24の上方に間隔をおいて平行に延在するよう支柱頭本体26の上端に固着された上板28とを備えている。支柱頭本体26は、支柱本体12と実質上、同じ形状及び大きさを有する正方形の横断面形状を有しかつ所定の高さだけ延在する筒部30を備えている。筒部30は、下板24を介して支柱本体12と軸方向に整合して位置付けられている。
【0020】
上板28と下板24は、平面から見て、正方形の1個の角部(相互に整合する角部)が直線状に切り欠かれて傾斜辺をなすように形成されている(切り欠かれた部分は二等辺三角形をなす)。上板28及び下板24の傾斜辺を除く4個の辺は、平面から見て、支柱本体12及び筒部30の4個の側面の半径方向外側位置を、それぞれ対応する側面に対して平行に延在するよう位置付けられ、該傾斜辺は支柱本体12及び筒部30の対応する角部の半径方向外側位置を、該角部を通る仮想対角線に直交する方向に延在するよう位置付けられている。平面から見て、上板28の傾斜辺を挟む2個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは同じでありかつ他の2個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さよりも長い。また下板24の傾斜辺を挟む2個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは同じでありかつ他の2個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さよりも長い。下板24の傾斜辺を挟む2個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは、それぞれ、上板28の対応する2個の辺の該突出長さよりも長くかつ他の2個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは、上板28の他の2個の辺の該突出長さと同じである。
【0021】
支柱頭本体26は2個の補強連結板32を備えている。補強連結板32の各々は、筒部30の、相互に隣り合う2個の側面(平面から見て、上記傾斜辺に面した角を挟む2個の側面)における水平幅方向中央からそれぞれ水平方向に上板28の傾斜辺を挟む2つの辺まで突出している。補強連結板32の各々は、平面から見て相互に直交する仮想線上に存在する。補強連結板32の各々の上端は上板28の下面に溶着され、下端は下板24の上面に溶着され、基端は、筒部30の対応する側面に溶着されている。補強連結板32の各々には、水平方向に間隔をおいた2個の取付穴34の組が、上下方向に等間隔をおいて3組形成されている。取付穴34は総計6個である。上板28及び下板24の各々には、それぞれ共通の鉛直軸線を有する同径の貫通穴2Hが2個、それぞれ平面から見て補強連結板32の外側に間隔を置いた位置に形成されている。筒部30の、他の2個の側面(外側面)にも補強連結板32Aが補強連結板32と同じ如く溶着されている。補強連結板32Aの各々には上下方向に間隔をおいて3個の取付穴32Ahが形成されている。
【0022】
次に辺部支柱4の構成について説明する。辺部支柱4の各々は相互に実質的に同じ構成を有しているので、そのうちの一つについて説明する。図1、図8及び図9を参照して、辺部支柱4は、支柱本体12と、支持本体12の上端に配設された支持頭14とを備えている。支柱本体12の下端は、ジャッキ手段16を介して載置板18に分離自在に連結・支持される。支持頭14、支柱本体12、ジャッキ手段16及び載置板18の基本的構成は、先に説明した角部支柱2におけるのと実質的に同一であるので、主として相違する部分について説明する。
【0023】
支持頭14の上板28と下板24は、平面から見て、縦横の長さが相違する矩形状の、相互に縦方向に隣り合う2個の角部が直線状に切り欠かれて傾斜辺をなすような形状に形成されている(切り欠かれた部分は二等辺三角形をなす)。上板28及び下板24の2個の傾斜辺を除く4個の辺は、平面から見て、支柱本体12及び筒部30の4個の側面の半径方向外側位置を、それぞれ対応する側面に対して平行に延在するよう位置付けられ、該傾斜辺は支柱本体12及び筒部30の、相互に隣接する2個の角部の半径方向外側位置を、対応する角部を通る仮想対角線に直交する方向に延在するよう位置付けられている。平面から見て、上板28の2個の傾斜辺に連続する3個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは同じでありかつ他の1個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さよりも長い。また下板24の2個の傾斜辺に連続する3個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは同じでありかつ他の1個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さよりも長い。下板24の2個の傾斜辺に連続する3個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは、それぞれ、上板28の対応する3個の辺の該突出長さよりも長くかつ他の1個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは、下板24の他の1個の辺の該突出長さと同じである。
【0024】
支柱頭本体26は3個の補強連結板32を備えている。矩形状の平板からなる補強連結板32の各々は、筒部30の、相互に隣接する3個の側面(平面から見て、上板28の傾斜辺に連続する3個の辺に対応する3個の側面)における水平幅方向中央からそれぞれ水平方向に上板28の該3個の辺まで突出している。補強連結板32の各々は、平面から見てT字形に直交する仮想線上に存在する。補強連結板32の各々の上端は上板28の下面に溶着され、下端は下板24の上面に溶着され、基端は、筒部30の対応する側面に溶着されている。上板28及び下板24の各々には、それぞれ共通の鉛直軸線を有する同径の貫通穴4Hが2個、それぞれ平面から見て仮想直線上に位置する補強連結板32の各々の外側に間隔を置いた位置に形成されている。筒部30の、他の1個の側面(外側面)にも補強連結板32Aが補強連結板32と同じ如く溶着されている。補強連結板32Aの各々には上下方向に間隔をおいて3個の取付穴32Ahが形成されている。
【0025】
次に中央部支柱6の構成について説明する。中央部支柱6の各々は相互に実質的に同じ構成を有しているので、そのうちの一つについて説明する。図10及び図11を参照して、中央部支柱6は、支柱本体12と、支持本体12の上端に配設された支持頭14とを備えている。支柱本体12の下端は、ジャッキ手段16を介して載置板18に分離自在に連結・支持される(不図示)。支持頭14、支柱本体12、ジャッキ手段16及び載置板18の基本的構成は、先に説明した角部支柱2におけるのと実質的に同一であるので、主として相違する部分について説明し、実質上共通する部分の説明は省略する。
【0026】
支持頭14の上板28と下板24は、平面から見て、正8角形に形成されている。上板28及び下板24の、相互に1個の辺を挟んで隣り合う4個の辺は、平面から見て、相互に整合しかつ筒部30の4個の側面の半径方向外側位置を、それぞれ対応する側面に対して等間隔で平行に延在するよう位置付けられ、他の4個の辺は筒部30の対応する角部の半径方向外側位置を、対応する角部を通る仮想対角線に直交する方向に延在するよう位置付けられている。平面から見て、上板28の4個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは同じである。また下板24の4個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは同じでありかつ、上板28の4個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さよりも長い。
【0027】
支柱頭本体26は4個の補強連結板32を備えている。補強連結板32の各々は、筒部30の4個の側面における水平幅方向中央からそれぞれ水平方向に上板28の該4個の辺まで突出している。補強連結板32の各々は、平面から見て十字形に直交する仮想線上に存在する。補強連結板32の各々の上端は上板28の下面に溶着され、下端は下板24の上面に溶着され、基端は、筒部30の対応する側面に溶着されている。補強連結板32の各々には6個の取付孔34が形成されている。
【0028】
上記角部支柱2、辺部支柱4及び中央部支柱6は、それぞれ、支柱本体12と、支持本体12の上端に配設された支持頭14とから構成されているので、上記支柱2、4及び6の各々を独立して輸送及び保管することができる。その結果、上記支柱2、4及び6の各々の輸送及び保管スペースのコンパクト化を図ることができ、輸送及び保管を容易にすることができるので、輸送及び保管コストの低減を可能にするものである。また支柱本体12とジャッキ手段16との連結はボルト&ナットによる分離可能な締結であり、組立及び分解も容易かつ迅速に遂行することを可能にする。また、支柱頭14の構成がコンパクトで軽量化されかつ水平方向外方への突出量も少ないので、上記支柱2、4及び6の各々の軽量化及びコンパクト化を図りながらその強度を十分に確保することを可能にするものである。その結果、上記支柱2、4及び6の各々の、設置現場における設置作業(組立作業)及び分解撤去作業を容易かつ迅速に遂行することを可能にする。このことは、立体駐車場の設置作業及び分解撤去作業を容易かつ迅速に遂行することを可能にし、設置期間及び分解撤去期間を短縮して、トータルコストの低減を可能にするものである。また、上記支柱2、4及び6の各々の構成がシンプル化されるので、立体駐車場全体の構成をシンプル化してトータルコストの低減に寄与するものである。
【0029】
上記のように構成された角部支柱2、辺部支柱4及び中央部支柱6の各々は、ジャッキ手段16により所定の長さ(高さ)に調整された後に、それぞれ所定の載置表面に載置される(図1及び図2参照)。角部支柱2の各々の上端部と、角部支柱2の各々に対し水平横方向及び水平縦方向に隣り合う2個の辺部支柱4の上端部とは、主梁8により分離可能に連結される。角部支柱2と辺部支柱4との連結について説明する。
【0030】
図5〜図9を参照して、主梁8の一端が、角部支柱2の支持頭14の上板28における傾斜辺の隣の1辺(例えば図5において右端に位置する1辺)及び該一辺の下方に位置する補強連結板32の先端に対向して位置付けられかつ主梁8の該一端を含む一端部の下面(下フランジ8cの下面)が、該一辺の下方に位置する下板24の上面先端部(平面から見て該一辺よりも突出した上面先端部)に載置される。そして該主梁8の他端が、辺部支柱4の支持頭14の上板28における傾斜辺の隣の一辺であって、傾斜辺に挟まれた1辺以外の一辺(例えば図8において上端に位置する一辺)及び該一辺の下方に位置する補強連結板32の先端に対向して位置付けられかつ主梁8の該他端を含む他端部の下面(下フランジ8cの下面)が、該一辺の下方に位置する下板24の上面先端部(平面から見て該一辺よりも突出した上面先端部)に載置される。このような操作は、主梁8を図示しないクレーン等の吊上機械を利用して吊り上げることにより容易に遂行される。
【0031】
角部支柱2及び辺部支柱4の上記連結板部32の各々の両側面と、主梁8の両端部におけるウェブ8aの両側面とは、該両側面の各々に跨がって配置された一対のスプライスプレート36により挟まれて、複数のボルト&ナットBN(図6(b)参照)によりそれぞれ分離可能に締結される。一対のスプライスプレート36は、図6(a)及び(b)に示されているように、相互に実質上同じ形状及び大きさを有するチャンネル形の板から形成され、各々のウェブには、12個の取付孔が形成されている。これらの取付穴は、補強連結板32の各々に形成された6個の取付穴34及び主梁8の両端部におけるウェブ8aに形成された図示しない6個の取付穴にそれぞれ整合されることは言うまでもない。スプライスプレート36のウェブの上下両端に形成されたフランジは、主梁8のウェブ8aの上下両端に形成されたフランジ8b及び8c間及び各支柱2、4及び6の上板28及び下板24間に分離可能に嵌合した状態に一時的に保持できるので、連結作業の容易化、迅速化に寄与する。
【0032】
上記したように、主梁8の両端部は、角部支柱2及び辺部支柱4の下板24の突出部上に一旦載置されてから相互にボルト&ナットBNにより締結されるので、角部支柱2及び辺部支柱4の上端部間の連結作業を迅速かつ容易に遂行することを可能にすると共に、精度の高い安定した連結を保証することができる。また、角部支柱2及び辺部支柱4の上端部間の連結作業が迅速かつ容易に遂行されることに起因して、立体駐車場の、設置現場における設置作業及び分離撤去作業を容易かつ迅速に遂行することを可能にし、その結果、立体駐車場の設置期間及び分解撤去期間を短縮し、トータルコストの低減を可能にするものである。
【0033】
なお、角部支柱2と他の辺部支柱4の上端部間の主梁8による連結、辺部支柱4の各々の上端部間の主梁8による連結、中央部支柱6と辺部支柱4の上端部間の主梁8による連結及び中央部支柱6の各々の上端部間の主梁8による連結も、それぞれ上記したのと実質的に同じとおりにして遂行することができ、それぞれ上記したのと実質的に同じ作用効果を奏することができる。
【0034】
次に、主梁8と、主梁8に直交する中間梁10との連結(図2のG部)について説明する。図1、図2及び図12を参照して、主梁8の長手方向中間部には、連結板38が溶着されている。矩形状の連結板38は、主梁8のウェブ8aの側面から該側面に直角に、上フランジ8b及び下フランジ8c間を通って側外方に延び出している。連結板38には、複数の取付孔(不図示)が形成されている。中間梁10の該一端を含む一端部におけるウェブ10aにも同数の取付孔(不図示)が形成されている。主梁8の側方へ延び出した連結板38の先端に中間梁10のウェブ10aの一端が突き合わされる。この操作は、中間梁10をクレーン等の吊上機械を利用して吊り上げることにより容易に遂行することができる。連結板38の両側面と、中間梁10の該一端部におけるウェブ10aの両側面とは、該両側面10aの各々に跨がって配置された一対のスプライスプレート40により挟まれてそれぞれ複数個のボルト&ナットBNにより分離可能に締結される。一対のスプライスプレート40は、図6(a)及び(b)に示されているように、相互に実質上同じ形状及び大きさを有するチャンネル形の板から形成され、各々のウェブには、複数個の取付孔が形成されている。これらの取付穴は、連結板38の各々に形成された複数個の取付穴及び中間梁10の該一端部におけるウェブに形成された図示しない複数個の取付穴にそれぞれ整合される。スプライスプレート40の使用は、先に述べたスプライスプレート36の使用におけるのと同じ作用効果を奏する。中間梁10の他端部と他の主梁8の側面との連結も同じ如くして遂行される。
【0035】
上記説明から明らかなように、主梁8と中間梁10との分離可能な連結は、それぞれ簡単な構成により、一対のスプライスプレート40及びボルト&ナットBNを利用して容易かつ迅速にしかも確実に遂行することが可能である。したがって、立体駐車場の、設置現場における設置作業及び分離撤去作業の容易化及び迅速化に寄与する。
【0036】
上記したとおりにして、角部支柱2、辺部支柱4及び中央部支柱6の各々の上端部間が主梁8により連結され、相互に平行に対向する主梁8の各々の中間部における上端部間が中間梁10により連結された状態で、主梁8及び中間梁10の各々は、それぞれ同じ高さで水平に延在するよう配置される。そして、角部支柱2、辺部支柱4、中央部支柱6、主梁8及び中間梁10の各々の上面は共通の水平面上に位置付けられる。角部支柱2、辺部支柱4及び中央部支柱6の上面は、各々の支持頭14の上板28(図5〜図11)の上面により形成され、主梁8及び中間梁10の上面は、それぞれ上フランジ8b及び10b(図6及び図12)の上面により形成される。
【0037】
角部支柱2の各々の上端部と各々に連結される主梁8の下面との間、辺部支柱4の各々の上端部と各々に連結される主梁8の下面との間及び中央部支柱6の各々の上端部と各々に連結される主梁8の下面との間には、ブレース部材45が分離可能に連結される(図1、図3、図4及び図6参照)。
【0038】
図2において横長の矩形を有する空間部S(図2)の各々を形成する2対の梁の組の各々を代表して、図2において左上角部に位置する2対の梁の組について説明する。該組において、水平縦方向に対向する1対の梁である主梁8と中間梁10にはそれぞれ少なくとも1個の支持板50、実施形態においてはそれぞれ3個の支持板50が、主梁8及び中間梁10の各々の長手方向に間隔をおいて空間部S内に延び出すよう固着されている。また該組において、水平横方向に対向する他の1対の梁である主梁8の各々にはそれぞれ少なくとも1個の支持板50、実施形態においてはそれぞれ2個の支持板50が、空間部S内に延び出すよう固着されている。支持板50の各々の上面は、角部支柱2、辺部支柱4、中央部支柱6、主梁8及び中間梁10の各々の上面が位置付けられる該共通の水平面上に位置付けられる。
【0039】
支持板50の各々及びそれらの取付構造は実質的に同じであるので、以下、1個の支持板50及びその取付構造について説明する。図16及び図17を参照して、主梁8の、支持板50が固着される位置には、連結板52が固着される。連結板52は、上端面52aと、先端面52bと、後端面52cと、傾斜面52dとを備えている。連結板52の上端面52aは、上フランジ8bの空間部S側の下面に沿って上フランジ8bの基端部から空間部S側先端を越えて空間部S側に延び出し、かつ上フランジ8bの該下面に当接されて溶着される。先端面52bは、ウェブ8aと平行に垂下する。後端面52cは、ウェブ8aの空間部S側の面に沿ってウェブ8aの上端部から垂下しかつウェブ8aの空間部S側の面に当接されて溶着される。傾斜面52dは、先端面52bの下端と後端面52cの下端との間を真っ直ぐに延びている。連結板52の両面は主梁8の長手方向に向けられ、平面形状が矩形である支持板50は、その幅方向(主梁8の長手方向)の中央下面が、連結板52の上端面52aの、上フランジ8bから突出した領域に載置され、一側面が上フランジ8bの空間部S側の面に当接されて溶着される。連結板52の該幅方向中央であって、連結板52の先端面から離れた位置には1個の貫通穴54が形成されている。支持板50と、他の主梁8及び中間梁10との連結もそれぞれ同じ如くして行われるので、説明は省略する。
【0040】
該梁の組の各々の上面には、平面矩形の鉄筋コンクリート製パネル60が空間部Sを上から覆うよう配設される。相互に水平方向に対向するパネル60の各々間には隙間が形成される。パネル60の各々は、実質的に同じ構成を有するので、以下その一つについて説明する。
【0041】
図18〜図21を参照して、パネル60の各々は、矩形本体62と、周縁低部64とを備えている。矩形本体62は、一定の厚みを有しかつ上面62a及び下面62bが相互に平行な平坦面からなる。周縁低部64は、本体62と共通の下面62bを有しかつ本体62の周縁を所定の幅及び本体62よりも薄い一定の厚みをもって延びている。したがって、周縁低部64は、本体62の上面62aよりも低い上面64aを有している。本体62と周縁低部64との間には、周縁低部64の上面64aより低い溝63が形成されている。チャンネル形の溝63は一定の深さを有している。本体62の周縁部には、内面に雌ねじが形成された円筒状雌ねじ部材65が複数個埋設されている。雌ねじ部材65は、パネル60が取り付けられる該梁の組において空間部S内に突出するよう配設された支持板50の貫通穴54に整合する位置において、上面62a及び底面62bに開口するよう埋設されている。図20(a)に示されているように、周縁低部64には、複数の雄ねじ部材66が埋設されている。雄ねじ部材66の各々の上端部は、周縁低部64の上面64aから延び出している。
【0042】
以上のように構成されたパネル60の各々は、図17に示されているように、周縁低部64の底面62bが上記梁の組の各々の上面に載置されかつ本体62の周縁部の底面62bが支持板50の各々の上面に載置されて、ボルト67を支持板50の各々の下面から雌ねじ部材65にねじ込むことにより支持板50の各々に分離可能に連結される。ボルト67及び雌ねじ部材65はねじ締め手段を構成する。雌ねじ部材65の各々には、本体62の周縁部の上面62aからワッシャ形状を有する弾性シール部材68を介して球面状の頭を有する雄ねじ部材69が分離可能に締結される。防水性を有する合成ゴムから形成される弾性シール部材68の使用は、雌ねじ部材65の上端からの水の浸入を確実に阻止する。雄ねじ部材69の各々の球面状の頭は、車輪の走行及び歩行者の歩行の支障とならないよう機能する。図13〜図15には、前記骨組の上面にパネル60が取り付けられた状態の一部が示されている。図2に示されているように、水平横方向中間に位置する空間部Sは、両側に位置する空間部Sよりも横長の矩形であるので、パネル60も該空間部Sの大きさに対応して2種類のサイズが使用される。互に隣り合うパネル60の各々の相互に隣り合う周縁低部64は水平方向に隙間Gをおいて平行に対向し、隙間Gは、平面から見て格子状に連続して形成される。
【0043】
空間部Sを形成する梁の組の各々において、少なくとも4個の支持板50の各々における貫通穴54の内周面には雌ねじ54a(図17)が形成され、雌ねじ54aの各々の内径は、パネル60に埋設された雌ねじ部材65にねじ結合されるボルト67の雄ねじの外径よりも大きく形成される。図21を参照して、空間部Sにパネル60を装着する前に、雌ねじ54aの各々に、ガイドボルト70を下方から上方に向かって分離可能にねじ結合することにより、パネル60の装着を容易かつ確実にしかも迅速に行なうことを可能にする。ガイドボルト70は、雄ねじ部72と、先端に向かって徐々に小径となる円錐ガイド面74aが形成されたガイドピン74とを備えている。ガイドボルト70を支持板50の貫通穴54の雌ねじ54aに下方から上方に向かって分離可能にねじ結合して、ガイドピン74を対応する支持板50の上面から上方に突出させておく。そして、パネル60の4個の雌ねじ部材65に上方からアイボルト76をねじ結合し、ワイヤW(図1)によりアイボルト76を介してパネル60を昇降手段である図示しないクレーンにより吊り上げてから降下させ、パネル60の対応する雌ねじ部材65を下端開口からガイドピン74に分離可能に嵌合させることにより、パネル60を装着位置にガイドすることができる。パネル60が装着位置に載置された後、アイボルト76及びガイドボルト70を取り外し、図17を参照して先に説明した如く、ボルト67により締結する。
【0044】
上記した如く、パネル60の各々における少なくとも4個の雌ねじ部材65の各々には、アイボルト76を分離可能にねじ結合することができるが、図22に示されているアイボルト77は、雄ねじ部77aと、雄ねじ部77aの先端から延び出すガイドピン77bとを備えている。このガイドピン77bは、支持板50の貫通穴54(雌ねじは形成されていない)よりも小径であり、ガイドピン77bの先端部には先端に向かって徐々に小径となる円錐ガイド面77cが形成されている。アイボルト77が雄ねじ部77aを介して対応する雌ねじ部材65にねじ結合された状態で、ガイドピン77bは、少なくとも先端部が対応するパネル60の下面(底面)から下方に突出するよう、その長さが設定されている。先に述べたように、装着するためにパネル60が図示しないクレーンにより降下させられるとガイドピン77bが対応する支持板50の貫通穴54に分離可能に嵌合されてパネル60を装着位置にガイドすることができる。この方法によれば、前記ガイドボルト70及び支持板50の貫通穴54の雌ねじ54aが不要となりかつ、パネル60の装着を容易かつ確実にしかも迅速に行なうことを可能にする。
【0045】
ガイドボルト70又はアイボルト76を使用してパネル60を装着する本発明による上記方法によれば、所定の装着位置に向けて降下させるパネル60を所定の装着位置に円滑にガイドすることを可能にするので、パネル60の装着を容易かつ確実にしかも迅速に行なうことを可能にする。特許文献1に開示された組立式立体構造物においては、パネルの雌ねじ部材と支持板の貫通穴との位置合わせが容易ではなかったので、パネルの装着性について改善が求められているところであった。したがって、本発明の他の目的は、パネルの装着を容易かつ確実にしかも迅速に行なうことを可能にすることによって、全体の設置作業及び分離撤去作業を容易かつ確実にしかも迅速に行なうことに貢献する組立式立体構造物の設置方法を提供することである。
【0046】
図38に示されているように、パネル60の各々の周縁低部64の上面64aには、帯状の弾性シール部材80が全周にわたって配設される。弾性シール部材80は、水に対するシール性(防水性)を有する合成ゴム、例えばスポンジゴムからなり、一定の厚み及び幅を有すると共に、幅方向に間隔を置いて上面から突出する二つの突条80aが形成され、横断面形状は全長にわたって実質的に一定である。弾性シール部材80には、パネル60の周縁低部64の上面64aから突出する雄ねじ部材66が貫通可能な貫通穴又は貫通可能部80bが、雄ねじ部材66に対応して複数個形成されている。貫通可能部80bの各々は、上面から下面に貫通する図示しない1本のスリット又は十字形のスリットからなる。弾性シール部材80は、貫通穴又は貫通可能部80bが、対応する雄ねじ部材66に嵌合された状態でパネル60の周縁低部64の上面64aに載置され、適宜の接着剤により接着される。
【0047】
図13及び図23にその一部が示されているように、パネル60の各々の周縁低部64間に形成される格子状の隙間Gには、格子状に連続する内側ドレーンユニット90が配置される。内側ドレーンユニット90は、対応する周縁低部64の弾性シール部材80の上面から後述するねじ締め手段により周縁低部64に分離可能に連結される。
【0048】
パネル60全体において、他のパネル60の周縁低部64と対向しない非対向周縁低部64N(図13、図53)を有するパネル60の該非対向周縁低部64Nの各々により形成されるパネル60全体の外周縁部の全領域又は一部領域を除く他の全領域には、連続して延びる外側ドレーンユニット96が配設される。外側ドレーンユニット96は、非対向周縁低部64Nの弾性シール部材80の上面から後述するねじ締め手段により非対向周縁低部64Nに分離可能に連結されかつ、内側ドレーンユニット90とシール手段を介してねじ締め手段により分離可能に連結される。
【0049】
図23を参照して、内側ドレーンユニット90は、いずれも金属板から形成された、少なくとも1個の、平面から見て十字形をなす十字形ドレーン部材92と、複数の内側ストレートドレーン部材94とを備えている。十字形ドレーン部材92の4個の端部には、それぞれ内側ストレートドレーン部材94の対向する端部が後述するシール手段を介してねじ締め手段により相互に接近する方向に圧接されて分離可能に連結される。前記構成は、内側ドレーンユニット90に含まれる連結部の各々における優れた防水性を保証する。
【0050】
また、外側ドレーンユニット96は、いずれも金属板から形成された、ストレートに延びる主部98A及び主部98Aの中央から直角に延び出す支部98Bを有する平面から見てT字形をなす複数のT字形ドレーン部材98と、平面から見てL字形をなす複数のL字形ドレーン部材100と、複数の外側ストレートドレーン部材102とを備えている。T字形ドレーン部材98の各々の主部98Aの両端部及びL字形ドレーン部材100の各々の両端部には、それぞれ外側ストレートドレーン部材102の対向する端部がそれぞれ後述するシール手段を介してねじ締め手段により相互に接近する方向に圧接されて分離可能に連結される。外側ドレーンユニット96のT字形ドレーン部材98の各々の支部98Bの端部と、内側ドレーンユニット90の、対応する内側ストレートドレーン部材94の端部とは、それぞれ後述するシール手段を介してねじ締め手段により相互に接近する方向に圧接されて分離可能に連結される。前記構成は、外側ドレーンユニット96に含まれる連結部及び外側ドレーンユニット96と内側ドレーンユニット90との連結部における優れた防水性を保証する。
【0051】
図24及び図25を参照して、内側ドレーンユニット90の十字形ドレーン部材92は、金属板からなり、かつ上方に開放されたチャンネル部110とチャンネル部110の上端の各々から相互に水平反対方向に延びるフランジ部112とを備えている。チャンネル部110は、一定の幅を有する底壁110aと、底壁110aの両端から相互に平行に同じ高さで直立する側壁110bとからなる。フランジ部112の各々は側壁110bの上端から水平反対方向に同じ長さ延び、かつ各々の先端には鉛直下方に同じ長さ延びる垂下部112aが形成されている。フランジ部112の各々の端部には、貫通穴112bが形成されかつ、貫通穴112bのチャンネル部110側の上面には、金属製の円筒状雄ねじ部材114が直立して溶着されている。円筒状雄ねじ部材114の上端面114aは、チャンネル部110の各々と平行な共通の平面上に存在する。十字形ドレーン部材92は、上記構成をもって平面十字形に一体に形成されている(4個の端部の横断面形状は同じである)。内側ストレートドレーン部材92は、十字形ドレーン部材92の各々の端部と同じ横断面形状をもってストレートに延びている。内側ストレートドレーン部材92のフランジ部112の両端部にも、上記と同じ如くに、貫通穴112bが形成されかつ、円筒状雄ねじ部材114が直立して溶着されている。十字形ドレーン部材92及び内側ストレートドレーン部材92の各々のチャンネル部110における端部の内面であって先端に対し間隔を置いた内側位置には、矩形横断面を有する金属製U形フランジ116が溶着されている。U形フランジ116の各々は、対応するチャンネル部110のU形内面の全域にわたって存在する。
【0052】
図26〜図28を参照して、十字形ドレーン部材92の一端部及びこれに対向する内側ストレートドレーン部材94の一端部における少なくともチャンネル部110、実施形態においてはチャンネル部110及びフランジ部112の基端部には、シール手段を構成する弾性シール部材118が分離可能に嵌合される。防水性を有する合成ゴムからなる弾性シール部材118は、正面から見て、チャンネル部118Aと、チャンネル部118Aの上端から相互に水平反対方向に延びるフランジ部118Bとからなる。弾性シール部材118の正面から見た片面における幅方向の中央部には、全領域にわたって(全長にわたって)溝118Cが形成されている。弾性シール部材118及び溝118Cは矩形横断面を有している。したがって、図28に示されているように、弾性シール部材118は、チャンネル形断面を有している。溝118Cの幅は、十字形ドレーン部材92及び内側ストレートドレーン部材92の各々のチャンネル部110及びフランジ部112の厚みと同じ又は狭く設定されている。弾性シール部材118のチャンネル部118Aは、十字形ドレーン部材92及び内側ストレートドレーン部材92の各々の相互に対向するチャンネル部110の一端部に嵌合され、フランジ部118Bはフランジ部112の基端部に嵌合される。弾性シール部材118の各々は、対応するチャンネル部110のU形フランジ部材116の直外側(チャンネル部110の端側)に位置する。
【0053】
図26に示されているように、十字形ドレーン部材92の一端部及びこれに対向する内側ストレートドレーン部材94の一端部は、U形フランジ部材118の各々の内側(弾性シール部材118と反対側)に配置された押圧部材120及びワッシャ122と、これらを貫通するボルト124と、ボルト124にねじ込まれたナット126とにより、弾性シール部材118の各々を介して相互に接近する方向に圧縮させた状態で分離可能に連結される。図26及び図29に示されているように、金属製の押圧部材120は、矩形の輪郭と一定の厚みを有し、中央にボルト124が貫通する取付穴120aが、取付穴120aの周囲に複数の通水穴120bが、それぞれ形成されている。押圧部材120、ワッシャ122、ボルト124及びナット126はねじ締め手段を構成する。十字形ドレーン部材92の他の端部の各々及びこれらに対向する内側ストレートドレーン部材94の端部の各々間の連結も実質的に同じ如くして行なわれるので説明は省略する。
【0054】
図30〜図33を参照して、外側ドレーンユニット96のT字形ドレーン部材98は、金属板からなり、その主部98Aの両端部は、上方に開放されたチャンネル部130とチャンネル部130の上端の一方から水平外方向に延びるフランジ部132とを備えている。チャンネル部130は、一定の幅を有する底壁130aと、底壁130aの両端から相互に平行に同じ高さで直立する側壁130bとからなる。フランジ部132は一方の側壁130bの上端から水平外方向に延び、かつ先端には鉛直下方に延びる垂下部132aが形成されている。フランジ部132の両端部には、貫通穴132bが形成されかつ、貫通穴132bのチャンネル部130側の上面には、金属製の円筒状雄ねじ部材134が直立して溶着されている。円筒状雄ねじ部材134の各々の上端面134aは、チャンネル部130と平行な共通の平面上に存在する。チャンネル部130の他方の側壁130bの上端は、一方の側壁130bの上端よりも高く形成され、他方の側壁130bの上端には、該一方に向かって水平に延びる他のフランジ部135が形成されている。他のフランジ部135の両端部には、取付穴135aが形成され、取付穴135aの各々の下面側にはナット136が溶着されている。他のフランジ部135の上面は円筒状雌ねじ部材134の上端面134aとほぼ同じ高さにある。チャンネル部130の底壁130aの両端部における他方の側壁130b寄りの位置には、貫通穴138が形成され、貫通穴138の下面側には排水用連結管139の上端が溶着されている。チャンネル部130の幅は、十字形ドレーン部材92及び内側ストレートドレーン部材94のチャンネル部110の幅よりも広い。外側ストレートドレーン部材102は、貫通穴138及び連結管139を除き、上記主部98と同じ横断面形状をもってストレートに延びている。外側ストレートドレーン部材102のフランジ部132の両端部には、上記と同じ如くに、貫通穴132bが形成されかつ、円筒状雄ねじ部材134が直立して溶着され、フランジ部135の両端部には、上記と同じ如くに、貫通穴135aが形成されかつ、取付穴135aの各々の下面側にはナット136が溶着されている。
【0055】
T字形ドレーン部材98の支部98Bは、先に述べた十字形ドレーン部材92及び内側ストレートドレーン部材94の各々の端部と同じ形状及び大きさを有するチャンネル部110、フランジ部112及び垂下部112aを備え、主部98に直交してそれぞれチャンネル部130、フランジ部132及び垂下部132aに連続している。支部98のフランジ部112には、十字形ドレーン部材92及び内側ストレートドレーン部材94におけるのと同じ如く、貫通穴112bが形成されかつ、円筒状雄ねじ部材114が直立して溶着されている。貫通穴112bと132bは同径であり、円筒状雄ねじ部材114と134は共通部品からなる。
【0056】
T字形ドレーン部材98の主部98Aの両端部(一端部のみ図示)及びこれらに対向する外側ストレートドレーン部材102の各々(1個のみ図示)のチャンネル部130における端部の内面であって先端に対し間隔を置いた内側位置には、矩形横断面を有する金属製U形フランジ140が溶着されている。U形フランジ140の各々は、対応するチャンネル部130のU形内面の全域にわたって存在する。T字形ドレーン部材98の支部98Bの端部及びこれに対向する内側ストレートドレーン部材94(図24)のチャンネル部110における端部の内面であって先端に対し間隔を置いた内側位置には、矩形横断面を有する金属製U形フランジ116(図24、図25)が溶着されている。U形フランジ116の各々は、対応するチャンネル部110のU形内面の全域にわたって存在する。
【0057】
図37に示されているL字形ドレーン部材100は、T字形ドレーン部材98の主部98Aが平面から見て直角に連続して形成された構成を有しているので、同一部分に同一符号を付し、説明は省略する。
【0058】
図34〜図36を参照して、T字形ドレーン部材98の主部98Aの両端部(一端部のみ図示)及びこれらに対向する外側ストレートドレーン部材102の各々(1個のみ図示)の一端部における少なくともチャンネル部130、実施形態においてはチャンネル部130及びフランジ部132の基端部には、シール手段を構成する弾性シール部材142が分離可能に嵌合される。防水性を有する合成ゴムからなる弾性シール部材142は、正面から見て、チャンネル部142Aと、チャンネル部142Aの上端の一方から水平外側に延びるフランジ部142Bとからなる。弾性シール部材142の正面から見た片面における幅方向の中央部には、全領域にわたって(全長にわたって)溝142Cが形成されている。弾性シール部材142及び溝142Cは矩形横断面を有している。したがって、弾性シール部材142は、先に述べた弾性シール部材118と同じ如くチャンネル形断面を有している。溝142Cの幅は、T字形ドレーン部材98の主部98Aの両端部及びこれらに対向する外側ストレートドレーン部材102の各々のチャンネル部130及びフランジ部132の厚みと同じ又は狭く設定されている。弾性シール部材142のチャンネル部142Aは、T字形ドレーン部材98の主部98A及び外側ストレートドレーン部材102の各々の相互に対向するチャンネル部130の一端部に分離可能に嵌合され、フランジ部142Bはフランジ部132の基端部に分離可能に嵌合される。弾性シール部材142の各々は、対応するチャンネル部130のU形フランジ部材140の直外側(チャンネル部130の端側)に位置する。
【0059】
図34に示されているように、T字形ドレーン部材98の主部98Aの一端部及びこれに対向する外側ストレートドレーン部材102の一端部は、U形フランジ部材140の各々の内側(弾性シール部材142と反対側)に配置された押圧部材144及びワッシャ146と、これらを貫通するボルト147と、ボルト147にねじ込まれたナット148とにより、弾性シール部材142の各々を介して相互に接近する方向に圧縮させた状態で分離可能に連結される。図34及び図36に示されているように、金属製の押圧部材144は、矩形の輪郭と一定の厚みを有し、中央にボルト147が貫通する取付穴144aが、取付穴144aの周囲に複数の通水穴144bが、それぞれ形成されている。押圧部材144、ワッシャ146、ボルト147及びナット148はねじ締め手段を構成する。T字形ドレーン部材98の主部98Aの他端部とこれに対向する外側ストレートドレーン部材102の端部間の連結、L字形ドレーン部材(図37)の両端部とこれらに対向する外側ストレートドレーン部材102の各々の端部間の連結も実質的に同じ如くして行なわれるので説明は省略する。他方、T字形ドレーン部材98の支部98Bの端部及びこれに対向する内側ストレートドレーン部材94の端部間の連結は、図26を参照して説明した十字形ドレーン部材92の端部の各々とこれらに対向する内側ストレートドレーン部材94の各々の端部間の連結と実質的に同じ如くして行なわれるので説明は省略する。
【0060】
図13、図23及び図39を参照して、内側ドレーンユニット90を構成する十字形ドレーン部材92及び内側ストレートドレーン部材94の各々を、相互に連結しない状態で、パネル60の各々間に形成される格子状の隙間G内の仮装着位置に、各々のチャンネル部110を挿入し、かつフランジ部112の各々を、隙間Gを挟んで対向する周縁低部64の弾性シール部材80の上面に載置する。フランジ部112の各々の貫通穴112bは、対応する周縁低部64の雄ねじ部材66に適宜の隙間を置いて嵌合される(図39)。雄ねじ部材66の各々は周縁低部64の上面から突出しているので、十字形ドレーン部材92及び内側ストレートドレーン部材94の各々のチャンネル部110の仮装着位置への位置決め作業を容易にする。同様に、外側ドレーンユニット96を構成するT字形ドレーン部材98、外側ストレートドレーン部材102及びL字形ドレーン部材100の各々を、相互に連結しない状態で、該非対向周縁部64Nの仮装着位置において各々のフランジ部132を、上記全領域又は他の全領域における非対向周縁低部64Nの弾性シール部材80の上面に載置する(図53)。フランジ部132の各々の貫通穴132bは、対応する非対向周縁低部64Nの雄ねじ部材66に適宜の隙間を置いて嵌合される(図53)。雄ねじ部材66の各々は非対向周縁低部64Nの上面から突出しているので、T字形ドレーン部材98、外側ストレートドレーン部材102及びL字形ドレーン部材100の各々のチャンネル部132の仮装着位置への位置決め作業を容易にする。T字形ドレーン部材98の各々の支部98Bのフランジ部112の各々は、隙間Gを挟んで対向する周縁低部64の弾性シール部材80の上面に載置され、フランジ部112の各々の貫通穴112bは、対応する周縁低部64の雄ねじ部材66に適宜の隙間を置いて嵌合される。雄ねじ部材66の各々は周縁低部64の上面から突出しているので、T字形ドレーン部材98の各々の支部98Bのチャンネル部110の仮装着位置への位置決め作業を容易にする。
【0061】
この状態で、十字形ドレーン部材92の各々の端部と、これらに対応する内側ストレートドレーン部材94の端部とを、それぞれ先に述べたねじ締め手段(図26)により仮締めする。また、T字形ドレーン部材98の各々の主部98Aの両端部とこれらに対向する外側ストレートドレーン部材102の端部、L字形ドレーン部材100の各々の端部とこれらに対向する外側ストレートドレーン部材102の端部、及び、T字形ドレーン部材98の各々の支部98Bの端部とこれに対向する内側ストレートドレーン部材94の端部とを、それぞれそれぞれ先に述べたねじ締め手段(図34)により仮締めする。このような仮締めを行なうことにより、全体の装着位置の誤差を調整しながら本締めを行ない、更に、フランジ部112の各々を、ねじ締め手段である雄ねじ部材66とナット149により対応する周縁低部64に分離可能に連結する(図39、図41)とともに、フランジ部132の各々を、ねじ締め手段である雄ねじ部材66とナット149により対応する非対向周縁低部64Nに分離可能に連結する(図53〜図55)。その結果、陸屋根FR上において、内側ドレーンユニット90及び外側ドレーンユニット96がそれぞれ一体的に構成され、かつ内側ドレーンユニット90と外側ドレーンユニット96とが一体に連結される。なお、図39において、符号149Wはワッシャである。
【0062】
なお図20(b)に示されているように、雄ねじ部材66とナット149に替えて、周縁低部64の上面64aに開口するよう埋設された複数の袋雌ねじ部材666と袋雌ねじ部材666にねじ結合される図示しないボルトとによりねじ締め手段を構成してもよい。内側ドレーンユニット90の各々のフランジ部112の先端に形成された垂下部112a及び外側ドレーンユニット96の各々のフランジ部132の先端に形成された垂下部132aの先端は、対応する周縁低部64及び非対向周縁低部64Nの溝63内に位置付けられる。垂下部112a及び132aは、内側ドレーンユニット90及び外側ドレーンユニット96の強度アップに寄与する。
【0063】
上記した如く、内側ドレーンユニット90及び外側ドレーンユニット96の取付は、これらを構成する各部材を、パネル60の周縁低部64及び非対向周縁低部64N上に載置して、相互にシール手段を介してねじ締め手段により締結するとともに、ねじ締め手段により周縁低部64及び非対向周縁低部64Nに締結することにより行なわれるので、取付作業がきわめて容易かつ確実でしかも迅速である。また、内側ドレーンユニット90のチャンネル部110の両側のフランジ部112の各々は、対応する周縁低部64に対し弾性シール部材80を介在して締結され、外側ドレーンユニット96のフランジ部132は、対応する非対向周縁低部64Nに対し弾性シール部材80を介在して締結されるので、チャンネル部110から水が溢れても、パネル60の各々の下方空間部S内に漏れることは確実に防止される。
【0064】
なお、上記説明から明らかなように、内側ドレーンユニット90及び外側ドレーンユニット96は、陸屋根FRに装着される前に予め一体に組み付けられるものではなく、陸屋根FRに装着され、相互に完全に締結された状態の構成をそれぞれ示すものである。ドレーンユニットDUは、内側ドレーンユニット90及び外側ドレーンユニット96が陸屋根FRに装着されかつ相互に分離可能に連結された全体の構成を示すものである。
【0065】
図26、図40〜図42を参照して、内側ドレーンユニット90が対応するパネル60の各々に取り付けられた状態において、十字形ドレーン部材92の端部の各々及びこれらに対向する内側ストレートドレーン部材94の各々の端部に嵌合された弾性シール部材118の各々の一部と、十字形ドレーン部材92の4個の角部に位置する4個のパネル60の角部における周縁低部64に配設された弾性シール部材80の一部とが相互に圧接される。
【0066】
更に具体的に説明すると、十字形ドレーン部材92の端部及びこれに対向する内側ストレートドレーン部材94の端部が連結された状態(図26)で、チャンネル部110が弾性シール部材118のチャンネル部118Aとともに上記隙間G内に挿入され、フランジ部112の各々が、対応する周縁低部64の弾性シール部材80の上面に載置される(図40)。弾性シール部材80の各々の一側面は、対応する周縁低部64の側面とほぼ一致する位置にあり、他側面は溝63上に若干突出した位置にありかつ、載置されたフランジ部112の垂下部112aの内側にある。弾性シール部材118の各々のフランジ部118Bの下面が、弾性シール部材80の、上記隙間G側の一側部の上面に当接させられ、フランジ部118Bの先端下部が弾性シール部材80の突条80aの一方に当接させられる。弾性シール部材80の各々の突条80aの各々の上面はフランジ部112の下面に当接させられる。先に述べた如く、フランジ部112の各々をナット149及び雄ねじ部材66を利用して対応する周縁低部64に締め付けると、圧縮された弾性シール部材80の各々は、対応するフランジ部112の下面、垂下部112aの内面、弾性シール部材118のフランジ部118Bの下面及び先端下部、弾性シール部材118のチャンネル部118Aの上端外側面及び周縁低部64の上面に圧接させられる。その結果、十字形ドレーン部材92の端部の各々とこれらに対向する内側ストレートドレーン部材94の各々の端部との連結部における防水効果が確実に得られる。特に、該連結部において、十字形ドレーン部材92の端部の各々とこれらに対向する内側ストレートドレーン部材94の各々の端部間に隙間が存在するにもかかわらず(図26)、相互に圧接された弾性シール部材118の一部と、対応する弾性シール部材80の一部とが圧接されるので、該連結部における防水効果は確実に達成される。
【0067】
図43及び図44には、十字形ドレーン部材92の端部の各々及びこれらに対向する内側ストレートドレーン部材94の各々の連結部と、対応する周縁低部64との間の防水構造の他の実施形態が示されている。フランジ部112の各々が、対応する周縁低部64の弾性シール部材80の上面に載置された状態において(図43)、弾性シール部材80の前記一側面が、弾性シール部材118のフランジ部118Bの先端面の下側であって該先端面とほぼ同一の鉛直面上に位置付けられ、突条80aの一方は、該先端面に対し間隔を置いた位置にある。その他の構成は、図40に示されている構成と実質的に同じであるので説明は省略する。
【0068】
先に述べた如く、フランジ部112の各々をナット149及び雄ねじ部材66を利用して対応する周縁低部64に締め付けると(図44)、圧縮された弾性シール部材80の各々は、対応するフランジ部112の下面、垂下部112aの内面、弾性シール部材118のフランジ部118Bの下面及び周縁低部64の上面に圧接させられる。なお、弾性シール部材80の各々の弾性率によっては、弾性シール部材80の各々が弾性シール部材118のチャンネル部118Aの上端外側面に圧接させられることも考えられる。
【0069】
図45及び図46には、十字形ドレーン部材92の端部の各々及びこれらに対向する内側ストレートドレーン部材94の各々の連結部と、対応する周縁低部64との間の防水構造の更に他の実施形態が示されている。弾性シール部材118は、チャンネル118Aのみで、フランジ部118Bは備えられていない。弾性シール部材80の各々は、図40に示されている構成及び配置と実質的に同じである。図45は図40に対応する図である。その他の構成は、図40に示されている構成と実質的に同じであるので説明は省略する。
【0070】
先に述べた如く、フランジ部112の各々をナット149及び雄ねじ部材66を利用して対応する周縁低部64に締め付けると(図46)、弾性シール部材80の各々は、対応するフランジ部112の下面、垂下部112aの内面、弾性シール部材118のチャンネル118Bの上端外側面及び周縁低部64の上面に圧接させられる。
【0071】
図47及び図48には、十字形ドレーン部材92の端部の各々及びこれらに対向する内側ストレートドレーン部材94の各々の連結部と、対応する周縁低部64との間の防水構造の更に他の実施形態が示されている。弾性シール部材80の各々には、突条80aが備えられていない。図47は図40に対応する図である。その他の構成は、図40に示されている構成と実質的に同じであるので説明は省略する。
【0072】
先に述べた如く、フランジ部112の各々をナット149及び雄ねじ部材66を利用して対応する周縁低部64に締め付けると(図48)、弾性シール部材80の各々は、対応するフランジ部112の下面、垂下部112aの内面、弾性シール部材118のフランジ部118Bの下面及び先端下部、弾性シール部材118のチャンネル部118Aの上端外側面及び周縁低部64の上面に圧接させられる。
【0073】
図49及び図50には、十字形ドレーン部材92の端部の各々及びこれらに対向する内側ストレートドレーン部材94の各々の連結部と、対応する周縁低部64との間の防水構造の更に他の実施形態が示されている。弾性シール部材80の各々には、突条80aが備えられていない。図49は図43に対応する図である。その他の構成は、図43に示されている構成と実質的に同じであるので説明は省略する。
【0074】
先に述べた如く、フランジ部112の各々をナット149及び雄ねじ部材66を利用して対応する周縁低部64に締め付けると(図50)、弾性シール部材80の各々は、対応するフランジ部112の下面、垂下部112aの内面、弾性シール部材118のフランジ部118Bの下面及び先端下部及び周縁低部64の上面に圧接させられる。
【0075】
図51及び図52には、十字形ドレーン部材92の端部の各々及びこれらに対向する内側ストレートドレーン部材94の各々の連結部と、対応する周縁低部64との間の防水構造の更に他の実施形態が示されている。弾性シール部材80の各々には、突条80aが備えられていない。図51は図45に対応する図である。その他の構成は、図45に示されている構成と実質的に同じであるので説明は省略する。
【0076】
先に述べた如く、フランジ部112の各々をナット149及び雄ねじ部材66を利用して対応する周縁低部64に締め付けると(図52)、弾性シール部材80の各々は、対応するフランジ部112の下面、垂下部112aの内面、弾性シール部材118のチャンネル部118Aの上端部外側面及び周縁低部64の上面に圧接させられる。
【0077】
図43〜図52を参照して説明した他の実施形態によっても、十字形ドレーン部材92の端部の各々及びこれらに対向する内側ストレートドレーン部材94の各々の連結部における防水効果が確実に得られる。
【0078】
図23、図34及び図35図を参照して、上記した十字形ドレーン部材92の端部の各々及びこれらに対向する内側ストレートドレーン部材94の各々の連結部と、対応する周縁低部64との間の防水構造と実質的に同じ如く、T字形ドレーン部材98の各々の端部及びこれらに対向する外側及び内側ストレートドレーン部材102及び94の各々の端部に嵌合された弾性シール部材142及び118の各々の一部と、T字形ドレーン部材98の各々における2個の角部に位置する2個のパネル60の角部における周縁低部64及び非対向周縁低部64Nに配設された弾性シール部材80の一部とが相互に圧接される。同様に、L字形ドレーン部材100の各々の両端端及びこれらに対向する外側ストレートドレーン部材102の各々の端部に嵌合された弾性シール部材142の各々の一部と、L字形ドレーン部材100の各々の角部に位置するパネル60の角部における非対向周縁低部64Nに配設された弾性シール部材80の一部とが相互に圧接される。上記圧接状態は、それぞれ、図40〜図52を参照して説明した圧接状態と実質的に同じであるので、更なる説明は省略する。その結果、T字形ドレーン部材98の各々の端部及びこれらに対向する外側及び内側ストレートドレーン部材102及び94の各々の端部との連結部、及びL字形ドレーン部材100の各々の両端端及びこれらに対向する外側ストレートドレーン部材102の各々の端部との連結部における防水効果が確実に得られる。特に、該連結部において、T字形ドレーン部材98の各々の端部とこれらに対向する外側及び内側ストレートドレーン部材102及び94の各々の端部間、及びL字形ドレーン部材100の各々の両端端とこれらに対向する外側ストレートドレーン部材102の各々の端部間にそれぞれ隙間が存在するにもかかわらず(図34)、相互に圧接された弾性シール部材142の一部と、対応する弾性シール部材80の一部とが圧接されるので、該連結部における防水効果は確実に達成される。
【0079】
図38、図39及び図56を参照して、内側ドレーンユニット90には、複数のカバー板150が上面を覆うよう配設される。図38に示されているように、金属製のカバー板150の各々は、フランジ部112の各々の垂下部112a間の幅よりも若干狭い一定の幅でストレートに延び、両側に垂下部150aが形成されている。カバー板150の各々の両側部には、長手方向に間隔をおいて貫通穴150bが形成されている。貫通穴150bは、フランジ部112の各々に固着された円筒状雌ねじ部材114に対応して形成されている。カバー板150の各々は、フランジ部112の各々の雌ねじ部材114の上端面に合成ゴムなどの弾性体からなるワッシャ152を介して載置され、カバー板150の各々の上面からワッシャ154を介して球面状の頭を有するボルト156により雌ねじ部材114の各々に分離可能に締結される。カバー板150の各々の上面は、パネル60の各々により形成される水平な床面より若干低い位置にある。図39に示されているように、フランジ部112の上面とカバー板150の下面及び垂下部112aの下端との間には隙間が存在するので、該隙間によりパネル60の上面からチャンネル部110への排水が行なわれる。カバー板150及び球面状の頭を有するボルト156は、車両の通過を円滑にする。弾性体からなるワッシャ152は、車両の通過による衝撃を緩和する。
【0080】
図53及び図56を参照して、外側ドレーンユニット96には、複数の金属製又は合成樹脂製のカバー板160が上面を覆うよう配設される。図53に示されているように、カバー板160の各々は、チャンネル部130の幅とフランジ部132の幅との合計よりもよりも若干狭い一定の幅でストレートに延びている。カバー板160の各々の両側部には、長手方向に間隔をおいて複数の貫通穴160aが形成されている。一側部に形成された貫通穴160aは、フランジ部135の裏面に溶着されたナット136に対応して形成され、他側部に形成された貫通穴160aは、フランジ部132に固着された円筒状雌ねじ部材134に対応して形成されている。カバー板160の各々は、一側部がフランジ部135の上面に載置され、他側部がフランジ部132の雌ねじ部材134の上端面に合成ゴムなどの弾性体からなるワッシャ162を介して載置され、カバー板160の各々の上面から球面状の頭を有する雄ねじ部材164によりナット136及び雌ねじ部材134の各々に分離可能に締結される。カバー板160の各々の上面は、パネル60の各々の本体62の上面により形成される水平な床面より若干低い位置にある。図53に示されているように、フランジ部132の上面とカバー板160の下面との間には隙間が存在するので、該隙間によりパネル60の上面からチャンネル部130への排水が行なわれる。カバー板160及び先に述べたカバー板150はまた、チャンネル部110及び130への異物の浸入を阻止する。
【0081】
図54及び図55には、それぞれ先に説明した如く一体に連結された、外側ストレートドレーン部材102、L字形ドレーン部材100、外側ストレートドレーン部材102、T字形ドレーン部材98、外側ストレートドレーン部材102及び内側ストレートドレーン部材94が、角部支柱2、辺部支柱4及び主梁8上に配設された状態が部分的に図示されている。L字形ドレーン部材100及びT字形ドレーン部材98に設けられた排水用連結管139には、合成樹脂製の排水管166の上端部が嵌合されている。
【0082】
図1、図13〜図15に一部が図示されているように、パネル60の各々によって、駐車場の床として利用される陸屋根FRが形成される。図57及び図58を参照して、陸屋根FRにおける幾つかのパネル60には、それぞれ一対のコンクリート製車止め170(図57及び図58においては1個の車止め170のみが図示されている)が固着手段により固着される。図示の車止め170は、水平横方向及び縦方向の断面が台形を有するコンクリート製ブロックから形成され、貫通穴170aが、環状の周縁部170aを残した中央に形成されている。貫通穴170aは、水平横方向及び縦方向の断面が上下が逆の台形を有している。車止め170が所定の位置に配置されるパネル60の表面であって、貫通穴170aに対応する位置には、けがきによって凹部60Uが形成される。車止め170は、貫通穴170aがパネル60の表面に形成された凹部60Uを覆うよう所定の位置に位置付けられる。所定の位置に位置付けられた車止め170の貫通穴170a内に図示しないコンクリートが流し込まれる。流し込まれたコンクリートは、凹部60U及び貫通穴170a内に充填される。車止め170は、車止め170の一部を構成する該コンクリートによってパネル60の表面における所定の位置にしっかりと固着される。上記固着手段は、凹部60Uと貫通穴170aに充填された該コンクリートとからなる。図示しない他の車止め170も、上記と同じ構成を有し、かつ同じ固着手段によりそれぞれ所定の位置にしっかりと固着される。上記車止め170は、自動車の車輪WHによる衝撃をしっかりと受け止め、ずれや破損等の発生が確実に回避される。
【0083】
図1、図15及び図57に一部が図示されているように、陸屋根FRの周縁、すなわちパネル60の各々の全体の周縁に位置する主梁8及び支柱2、4には、金属製のフェンス200が分離可能に配設される。フェンス200は、複数のフェンス用支柱202(以下単に支柱202と略称する)と、相互に隣り合う支柱202間に分離可能に取り付けられる矩形のフェンスユニット204とを備えている。図61〜図63を参照して、支柱202は、ウェブ202aとウェブ202a両端のフランジ202b及び202cとからなるH形鋼から形成されている。支柱202の下端部における片方のフランジ202bは除去され、該下端部におけるウェブ202aの両面の同じ位置には、共通部品からなりかつ、上下方向が長い矩形の連結板206が溶着されている。連結板206の各々は、ウェブ202aの両面から他方のフランジ202cと反対方向に、ウェブ202aの厚みと同じ隙間をおいて平行に一定の幅だけ延び出している。連結板206の各々の延び出した部分には上下方向に間隔を置いて3個の取付穴206aが形成されている。
【0084】
支柱202の、フランジ202bが除去された位置よりも上方位置であって、ウェブ202aの両面とフランジ202b及び202cとの間に形成されるチャンネル形空間の各々内の同じ高さ位置には、位置決め板208が溶着されている。位置決め板208の各々は、ウェブ202a、フランジ202b及び202cに直交するよう位置付けられる。片方のフランジ202bの外面には、チャンネル形の支持板210が取り付けられている。支持板210は、フランジ202bと同じ幅を有し、底板210aと、底板210aの両側から直角に同じ方向に同じ長さだけ延びる側板210bとからなり、側板210bの各々の先端が、フランジ202bの外面の、位置決め板208の各々を跨いだ位置に当接されて溶着される。
【0085】
図5〜図7に図示されているように、角部支柱2の各々の上端部の二つの角部外側面には、3個の取付穴32Ahを有する補強連結板32Aが配設されている。また図8及び図9に図示されているように、辺部支柱4の各々の上端部の一つの外側面には、3個の取付穴32Ahを有する補強連結板32Aが配設されている。他方、角部支柱2と辺部支柱4間の中央位置及び辺部支柱4の各々間の中央位置における、主梁8のウェブ8aの外側面には、それぞれ図示しない連結板が溶着されている。この図示しない連結板は、図12に示されている連結板38と同じような構成を有している。該連結板には上下方向に間隔をおいて3個の取付穴が形成されている。支柱202の各々は、各々の一対の連結板206が、対応する角部支柱2及び辺部支柱4の補強連結板32Aを挟んで、相互に整合される取付穴206a及び32Ahの各々を利用してボルト&ナットBN(図59)により締結される。また他の支柱202の各々は、各々の一対の連結板206が、主梁8の対応する図示しない連結板を挟んで、相互に整合される取付穴206a及び図示しない取付穴の各々を利用してボルト&ナット(図59)により締結される。支柱202の各々は、ウェブ202aの両面が梁8の延びる方向に向くよう位置付けられる。支柱202の各々は、外側ドレーンユニット96の外側から直立して配設される(主梁8に取り付けられる図示しない連結板の各々の水平方向幅は、角部支柱2及び辺部支柱4に取り付けられる補強連結板32Aの各々の水平方向幅よりも広く設定される)。
【0086】
相互に隣り合う支柱202の各々の支持板210間には、チャンネル形のガード板212の両端部が外側から重合され、ボルト&ナットBNにより締結される(図57、図59及び図62参照)。ガード板212は、車止め170を乗り越えて移動した自動車の車輪WHが当接してその阻止が阻止される高さに位置付けられる(図57)。
【0087】
図59及び図60を参照して、共通部品からなるフェンスユニット204の各々は、水平方向両端に位置する主縦枠220と、主縦枠220の上端部及び下端部間を水平に延びる主横枠222と、主横枠222の各々の中央間を延びる中央縦枠224と、中央縦枠224と主縦枠220の各々間をそれぞれ水平に延びる2本の中間横枠226とを備えている。主縦枠220、主横枠222及び中央縦枠224の各々は鋼製の中空角材から形成され、中間横枠226の各々は鋼製のパイプから形成されている。
【0088】
フェンスユニット204の各々は、各々の主縦枠220が相互に隣り合うフェンス用支柱202のウェブ202aとフランジ202b及び202cの各々とにより形成されるチャンネル形空間に挿入される。相互に隣り合うフェンス用支柱202のチャンネル形空間に挿入された主縦枠220の下端は、位置決め板208により受け止められ、装着位置が自動的に決められる。相互に隣り合うフェンス用支柱間202間の装着位置に挿入されたフェンスユニット204の主縦枠220はねじ締め手段である雄ねじ部材227、ワッシャ228及びナット229(図63)により締結される。このような構成は、フェンスユニット204の各々の、対応する支柱202の各々に対する装着及び分離作業を、容易に、確実にかつ迅速に行なうことを可能にする。
【0089】
図1に示されている立体駐車場は、図71の右上端位置に図示されているように陸屋根RFの一部領域を矩形状に突出して形成し、該一部領域と地面との間に斜路300を併設することにより、地面と陸屋根FRとの間の車両の昇降を可能にする。該突出部の幅は斜路300の幅にほぼ等しい。
【0090】
図64及び図67を参照して、斜路300は、複数対の支柱、実施形態においては3対の支柱302、304及び306を備えている。支柱対302、304及び306は、斜路300が延びる長手方向に所定の間隔をおいて配設され、それぞれ斜路300の幅方向に一定の間隔をおいて隣り合う同じ高さの支柱対302、304及び306からなる。支柱対302、304及び306は、陸屋根FRの一部領域方向に近いほど高さが増加する。支柱対302及び304はH形鋼からなり、支柱対306は角形鋼管からなる。支柱対302、304及び306の上端には、それぞれH形鋼からなる側梁308が、該長手方向に傾斜して延びるよう配設されている。側梁308の各々間には、該幅方向に延びる複数の横梁310が該長手方向に間隔をおいて配設されている。一対の側梁308及び一対の横梁310により平面矩形状の空間部Sが形成される。相互に実質的に同じ大きさを有する空間部Sは、該幅方向に長い矩形である。空間部Sを形成する一対の横梁310及び/又は一対の側梁308には、実施形態においては、一対の横梁310には、複数の、実施形態においては2個の支持板312が空間部S内に延び出すよう固着されている。支持板312は一対の横梁310の長手方向(斜路300の幅方向)両端部に配置されている。支持板312の構成及び横梁310に対する取付構成は、図16及び図17に図示されている支持板50の構成及び主梁8に対する取付構成と実質的に同じであるので、更なる説明は省略する。
【0091】
空間部Sを形成する一対の側梁308及び一対の横梁310と空間部S内に延び出す支持板312の各々の上面は、共通の傾斜面上に位置付けられる。相互に実質的に同じ構成を有する矩形状のコンクリート製パネル320が空間部Sの各々を上から覆うよう載置されて、支持板312の各々にねじ締め手段により分離可能に連結される。
【0092】
図68〜図70を参照して、パネル320は、幅方向(斜路300の幅方向)に長い矩形を有しかつ一定の厚みを有しており、該幅方向両側部に近い位置であって縦方向両端部(斜路300の長手方向両端部)には、円筒状の雌ねじ部材322が埋設されている。雌ねじ部材322は、パネル320の上面及び下面に開口する。パネル320の該幅方向両側部の上面には、それぞれ排水溝324が、斜路300の傾斜面の高い位置に配置される該縦方向の一端(図68及び図70において上端)から該傾斜面の低い位置に配置される他端(図68及び図70において下端)にわたって形成されている。そして、該両側部間の領域であって該幅方向の中央部によって区画される二つの領域の上面には、それぞれ該縦方向に間隔をおいて相互に平行に延びる複数の滑り止め用の溝326が、該縦方向の一端から排水溝324まで、該中央部から排水溝324まで及び該中央部から該縦方向の他端まで、それぞれ平面から見て該縦方向の一端から他端方向に傾斜して形成されている。滑り止め用の溝326の各々横断面はV字形である(図69)。
【0093】
パネル320の各々は対応する空間部S(図67)の各々を上から覆うよう載置されて、支持板312の各々に形成された図示しない貫通穴に整合された雌ねじ部材322に支持板312の各々の下面から図示しないボルトをねじ込むことにより、支持板312の各々上に締結される。雌ねじ部材322の各々及び図示しないボルトは上記ねじ締め手段を構成する。斜路300の、最も低い支柱対302と地面との間には、適宜のコンクリート製補助パネル328及び329が配置され、滑らかに連結される(図64〜図66参照)。側梁308の各々には先に述べたのと同じ如く、フェンス200が配設される。
【0094】
斜路300のパネル320の各々に形成された複数の滑り止め用の溝326は、自動車の車輪のスキップを防止するとともに、雨水を排水溝324の各々に向けて排水する機能を有している。斜路300のパネル320の各々間の隙間には、モルタルが詰められ、モルタルの表面にアスファルトなどの防水材が施される。斜路300は組立及び分解が容易であり、しかも排水性に優れている。更には、車両の安定した昇降走行も保証される。
【0095】
図1〜図71を参照して説明した組立式立体構造物は、一階の空間及び陸屋根FRが共に駐車場として利用される立体駐車場として構成されているが、空間の一部又は全部を側壁ユニットで覆うことによって、駐車場以外の組立式立体構造物、例えば事務所、店舗、倉庫などの組立式立体構造物として利用することも可能である。
【0096】
側壁ユニット400を備えた組立式立体構造物の一部が図示されている図72〜図74を参照して、相互に隣り合う一対の支柱402及び404間には、上下方向に間隔をおいて一対の梁406及び408が配設されている。支柱402及び404は中空角材から形成されかつ各々の一側面402a及び404a同士が水平方向に対向している。梁406及び408の各々は、ウェブ406a、408aと、ウェブ406a、408a両端のフランジ406b、408bとからなるH形鋼から形成されている。上側の梁406の下側のフランジ406bの下面と下側の梁408の上側のフランジ408bの上面とが上下に対向して位置付けられる。支柱402の各々の一側面402a及び404aと上側の梁406の下側のフランジ406bの下面と下側の梁408の上側のフランジ408bの上面とにより矩形の空間Sが形成される。
【0097】
空間Sの内周面には、断面L形の複数の支持枠410が溶着される。支持枠410の各々は、相互に直角をなす固着面410aと取付面410bとを備えている。固着面410aと取付面410bは何れもL形の外側面である。そして、支持枠410の各々の固着面410aが、空間Sを形成する支柱402及び404の各々の一側面402a及び404aと上側の梁406の下側のフランジ406bの下面と下側の梁408の上側のフランジ408bの上面に矩形状に連続して溶着される。これら支持枠410の各々の取付面410bによって、所定の幅で矩形状に延びかつ共通の鉛直面上に位置付けられる連続した取付面410bが形成される。
【0098】
矩形状の側壁ユニット400は、矩形状の外枠420を備え、外枠420は中空角材から形成される。外枠420には複数の袋状の雌ねじ部材422が埋設され、側壁ユニット400の片面に開口している。支持枠410の各々の連続した取付面410bには、雌ねじ部材422に対応して複数の貫通穴412が形成されている。側壁ユニット400が、空間部S内に嵌合される。側壁ユニット400の支持枠410の各々の外周面は、空間部S内に僅かな隙間をもって分離可能に位置付けられる。側壁ユニット400の外枠420の該片面側が、支持枠410の各々の連続した取付面410bに、帯状の弾性シール部材424を介して当接され、ボルト426及び雌ねじ部材422の各々により分離可能に締結される。弾性シール部材424は、防水性を有する合成ゴムから形成される。ボルト426及び雌ねじ部材422の各々はねじ締め手段を構成する。ボルト426が存在する支持枠410の各々の内側(室内側)は、化粧版428により覆われる。
【0099】
このように、側壁ユニット400は、相互に隣り合う一対の支柱402及び404と、該支柱402及び404の各々間において上下方向に間隔をおいて配設された一対の梁406及び408とによって形成される矩形空間部S内の連続した取付面410bに側壁ユニット400の外枠420を弾性シール部材424を介してねじ締め手段により締結するだけの簡単な作業により、分離可能に確実に装着され、しかも完全な防水効果を得ることが可能である。
【0100】
図75には、本発明に係る組立式立体構造物の更に他の実施形態である立体駐車場が図示されている。この立体駐車場は、1〜3階及びドレーンユニットDUを含む陸屋根FRの全てが駐車場として利用される。
【0101】
図76には、本発明に係る組立式立体構造物の更に他の実施形態が図示されている。この組立式立体構造物は、1階の空間が複数の上記側壁ユニット400に囲まれた事務所、ドレーンユニットDUを含む陸屋根FRが駐車場としてそれぞれ利用される。
【0102】
図77(一部分解図)及び図78(完成図)には、本発明に係る組立式立体構造物の更に他の実施形態が図示されている。この組立式立体構造物は、1階が駐車場、2階の空間が複数の上記側壁ユニット400に囲まれた事務所としてそれぞれ利用され、ドレーンユニットDUを含む陸屋根FRは単なる屋根である。
【0103】
図79には、本発明に係る組立式立体構造物の更に他の実施形態が図示されている。この組立式立体構造物は、1階〜3階の空間がそれぞれ複数の上記側壁ユニット400に囲まれた事務所であって、ドレーンユニットDUを含む陸屋根FRは単なる屋根である。
【0104】
図80には、本発明に係る組立式立体構造物の更に他の実施形態が図示されている。この組立式立体構造物は、ドレーンユニットDUを含む陸屋根FRが棚ないし床として利用される。
【符号の説明】
【0105】
2:角部支柱
4:辺部支柱
6:中央部支柱
8:主梁
10:中間梁
50:支持板
60:コンクリート製パネル
62:本体
64:周縁低部
80:弾性シール部材
90:内側ドレーンユニット
96:外側ドレーンユニット
DU:ドレーンユニット
S:空間部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば立体駐車場、陸屋根を有する建物、陸屋根を駐車場として利用できる建物(例えば、店舗、事務所、倉庫)などに広く適用できる組立式立体構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の支柱と、相互に隣り合う支柱の上端部間に分離可能に連結される梁を含む複数の梁であって平面から見て格子状に配列されかつ相互に分離可能に連結された複数の梁とを備えた組立式立体構築物が開示されている。この構造物において、支柱及び梁の各々の上面は共通の水平面上に位置付けられている。複数の梁においてそれぞれ相互に間隔をおいて平行に対向する2対の梁からなる組によって平面矩形状に区画された空間部が複数個形成されている。該梁の組の各々の上面には、矩形状のコンクリート製パネルが空間部を上から覆うよう配設されている。
【0003】
該梁部材の組の各々において、相互に対向する2つの梁部材にはそれぞれ2個の支持板が空間部内に延び出すよう固着されかつ、他の2つの梁部材にはそれぞれ1個の支持板が空間部内に延び出すよう固着されている。支持板の各々の上面は該水平面上に位置付けられている。支柱及び梁の各々の上面には排水用の樋が該上面に沿って格子状に全体が連通するように配設されている。パネルの各々の周縁部の上面には、外方に延び出す張出板であって先端に垂下部が形成された張出板が一体に設けられている。パネルの各々は、各々の周縁部の下面が、該梁部材の組の上面における空間部側の一部領域及び該支持板の各々の上面に載置されてボルトにより該支持板の各々に分離可能に締結される。該締結状態で、パネルの各々における張出板の垂下部は樋の上方に位置付けられかつ、相互に対向するパネルの各々における張出板の垂下部は相互に隙間をおいて樋の上方に位置付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−030345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記組立式立体構造物は、設置作業及び分離撤去作業を容易かつ確実にしかも迅速に行なうことを可能にしている。他方、上記組立式立体構造物においては、パネルの各々における張出板の垂下部が樋の上方に位置付けられかつ、相互に対向するパネルの各々における張出板の垂下部が相互に隙間をおいて樋の上方に位置付けられるよう構成されている。その結果、例えば樋内に多量の水が急激に流入して溢れた場合には、溢れた水が、樋とパネルの各々における張出板の垂下部との間の隙間、及び樋とパネルの各々との間の隙間を通して支柱及び梁の上面からパネルの各々の下方空間内に漏れるおそれがある。また、樋は、平面から見て、それぞれ十字形、T字形、L字形及びストレートに形成された複数の樋部材を組み合わせることにより構成される。そして、樋部材同士の連結がシール部材を挟んで単に突き合わせることにより行なわれるが、このような構成では、該連結部における水漏れを十分確実に防止できないおそれがある。また、上記引用文献1には開示されていないが、組立式立体構造物に側壁ユニットを複数個配設して、周囲を側壁ユニットに囲まれた空間を形成する場合においては、側壁ユニットの外部から内部空間への水の流入を確実に防止することが望まれる。
【0006】
本発明の目的は、設置作業及び分離撤去作業を容易かつ確実にしかも迅速に行なうことを可能にすると共に、防水性に優れた組立式立体構造物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、複数の支柱と、相互に隣り合う該支柱の上端部間に分離可能に連結される梁を含む複数の梁であって平面から見て格子状に配列されかつ相互に分離可能に連結された複数の梁とを備え、該支柱及び該梁の各々の上面は共通の水平面上に位置付けられ、該複数の梁においてそれぞれ相互に間隔をおいて平行に対向する2対の梁からなる組によって平面矩形状に区画された空間部が複数個形成され、該梁の組の各々の上面には、矩形状のコンクリート製パネルが該空間部を上から覆うよう配設される組立式立体構築物において、該梁の組の各々において、該梁の各々には少なくとも1個の支持板が該空間部内に延び出すよう固着され、該支持板の各々の上面は該水平面上に位置付けられ、該パネルの各々は、矩形本体と、該本体の周縁を所定の幅及び該本体の上面よりも低い上面をもって延びる周縁低部とを備えるとともに、該周縁低部の底面が該梁の組の各々の上面に載置されかつ該本体の周縁部の底面が該支持板の各々の上面に載置されて該支持板の各々にねじ締め手段により分離可能に連結され、該パネルの各々の該周縁低部の上面には帯状の弾性シール部材が配設され、相互に隣り合う該パネルの各々の相互に隣り合う周縁低部は水平方向に隙間をおいて平行に対向し、該隙間は、平面から見て格子状に連続して形成され、該隙間には格子状に連続する内側ドレーンユニットが配置され、該内側ドレーンユニットは、該周縁低部の該弾性シール部材の上面からねじ締め手段により該周縁低部に分離可能に連結される、ことを特徴とする組立式立体構築物が提供される。
該パネル全体において、他のパネルの周縁低部と対向しない非対向周縁低部を有するパネルの該非対向周縁低部の各々により形成される該パネル全体の外周縁部の全領域又は一部領域を除く他の全領域には、連続して延びるとともに、該内側ドレーンユニットとシール手段を介してねじ締め手段により分離可能に連結される外側ドレーンユニットが配設され、該外側ドレーンユニットは、該非対向周縁低部の該弾性シール部材の上面からねじ締め手段により該非対向周縁低部に分離可能に連結される、ことが好ましい。
該内側ドレーンユニットは、それぞれ平面から見て、少なくとも1個の十字形ドレーン部材と、該十字形ドレーン部材の4個の端部に、対向する端部がそれぞれシール手段を介してねじ締め手段により相互に接近する方向に圧接されて分離可能に連結される内側ストレートドレーン部材とを備え、該外側ドレーンユニットは、それぞれ平面から見て、ストレートに延びる主部及び該主部の中央から直角に延び出す支部を有する複数のT字形ドレーン部材と、複数のL字形ドレーン部材と、該T字形ドレーン部材の各々の該主部の両端部及び該L字形ドレーン部材の各々の両端部に、それぞれ対向する端部がそれぞれシール手段を介してねじ締め手段により相互に接近する方向に圧接されて分離可能に連結される外側ストレートドレーン部材とを備え、該外側ドレーンユニットの該T字形ドレーン部材の各々の該支部の端部と、該内側ドレーンユニットの、対応する内側ストレートドレーン部材の端部とは、該シール手段を介して該ねじ締め手段により相互に接近する方向に圧接されて分離可能に連結される、ことが好ましい。
該内側ドレーンユニットの該十字形ドレーン部材及び該内側ストレートドレーン部材の各々は、金属板からなり、かつ上方に開放されたチャンネル部とチャンネル部の上端の各々から相互に水平反対方向に延びるフランジ部とを備えるとともに、該チャンネル部が該隙間に挿入されかつ該フランジ部の各々が、該隙間を挟んで対向する該周縁低部の該弾性シール部材の上面に載置されて該ねじ締め手段により該周縁低部に分離可能に連結され、該外側ドレーンユニットの該T字形ドレーン部材、該L字形ドレーン部材及び該外側ストレートドレーン部材の各々は、金属板からなり、かつ該T字形ドレーン部材の各々の該主部の両端部、該L字形ドレーン部材及び該外側ストレートドレーン部材の各々は、上方に開放されたチャンネル部とチャンネル部の上端の一方から水平外方向に延びるフランジ部とを備えるとともに、該フランジ部が該全領域又は該他の全領域における該非対向周縁低部の該弾性シール部材の上面に載置されて該ねじ締め手段により該非対向周縁低部に分離可能に連結され、該外側ドレーンユニットの該T字形ドレーン部材の各々の該支部は、該内側ドレーンユニットの該内側ストレートドレーン部材と同じ形状及び大きさを有する該チャンネル部及び該フランジ部を備え、かつ該チャンネル部が該隙間に挿入されかつ該フランジ部の各々が、該隙間を挟んで対向する該周縁低部の該弾性シール部材の上面に載置されて該ねじ締め手段により該周縁低部に分離可能に連結される、ことが好ましい。
該内側ドレーンユニットの該十字形ドレーン部材と該内側ストレートドレーン部材との間に介在される該シール手段の各々は、該十字形ドレーン部材の該端部の各々及びこれらに対向する該内側ストレートドレーン部材の各々の該端部における少なくとも該チャンネル部に嵌合されたチャンネル形断面を有する弾性シール部材からなり、該十字形ドレーン部材の該端部の各々及びこれらに対向する該内側ストレートドレーン部材の該端部の各々の該チャンネル部の内面でありかつ嵌合された該弾性シール部材の内側には、矩形横断面を有するU形フランジ部材が固着され、該ねじ締め手段の各々は、該U形フランジ部材の各々の内側に配置された矩形の輪郭を有する押圧部材であって中央に取付穴が、該取付穴の周囲に複数の通水穴が、それぞれ形成された押圧部材と、該押圧部材の各々の該取付穴を貫通するボルトと該ボルトにねじ込まれるナットとを含み、該ボルト及び該ナットによるねじ締めにより、該押圧部材及び該U形フランジ部材を介して該十字形ドレーン部材の該端部の各々及びこれらに対向する該内側ストレートドレーン部材の該端部の各々を該弾性シール部材の各々を介して相互に接近する方向に圧縮させた状態で分離可能に連結し、該十字形ドレーン部材の該端部の各々及びこれらに対向する該内側ストレートドレーン部材の各々の該端部に嵌合された該弾性シール部材の各々の一部と、該十字形ドレーン部材の4個の角部に位置する4個の該パネルの角部における該周縁低部に配設された該弾性シール部材の一部とが相互に圧接される、ことが好ましい。
該外側ドレーンユニットの該T字形ドレーン部材の各々の該主部及び該L字形ドレーン部材の各々と該外側ストレートドレーン部材の各々との間に介在される該シール手段の各々は、該T字形ドレーン部材の各々の該主部の該両端部及び該L字形ドレーン部材の各々の該両端部及びこれらに対向する該外側ストレートドレーン部材の各々の該端部における少なくとも該チャンネル部に嵌合されたチャンネル形断面を有する弾性シール部材からなり、該T字形ドレーン部材の各々の該主部の該両端部及び該L字形ドレーン部材の各々の該両端部及びこれらに対向する該外側ストレートドレーン部材の各々の該端部におけるチャンネル部の内面でありかつ嵌合された該弾性シール部材の各々の内側には、矩形横断面を有するU形フランジ部材が固着され、該ねじ締め手段の各々は、該U形フランジ部材の各々の内側に配置された矩形の輪郭を有する押圧部材であって中央に取付穴が、該取付穴の周囲に複数の通水穴が、それぞれ形成された押圧部材と、該押圧部材の各々の該取付穴を貫通するボルトと該ボルトにねじ込まれるナットとを含み、該ボルト及び該ナットによるねじ締めにより、該押圧部材及び該U形フランジ部材を介して該T字形ドレーン部材の各々の該主部の該両端部及び該L字形ドレーン部材の各々の該両端部及びこれらに対向する該外側ストレートドレーン部材の各々の該端部を該弾性シール部材の各々を介して相互に接近する方向に圧縮させた状態で分離可能に連結し、該外側ドレーンユニットの該T字形ドレーン部材の各々の該支部と、該内側ドレーンユニットの該内側ストレートドレーン部材との間に介在される該シール手段の各々は、該T字形ドレーン部材の各々の該支部における該端部及びこれに対向する該内側ストレートドレーン部材の該端部における少なくとも該チャンネル部に嵌合されたチャンネル形断面を有する弾性シール部材からなり、該支部の該端部及びこれに対向する該内側ストレートドレーン部材の該端部の該チャンネル部の内面でありかつ嵌合された該弾性シール部材の内側には、矩形横断面を有するU形フランジ部材が固着され、該ねじ締め手段は、該U形フランジ部材の各々の内側に配置された矩形の輪郭を有する押圧部材であって中央に取付穴が、該取付穴の周囲に複数の通水穴が、それぞれ形成された押圧部材と、該押圧部材の各々の該取付穴を貫通するボルトと該ボルトにねじ込まれるナットとを含み、該ボルト及び該ナットによるねじ締めにより、該押圧部材及び該U形フランジ部材を介して該T字形ドレーン部材の各々の該支部の該端部及びこれに対向する該内側ストレートドレーン部材の該端部を該弾性シール部材の各々を介して相互に接近する方向に圧縮させた状態で分離可能に連結し、該T字形ドレーン部材の各々の該端部及びこれらに対向する該外側及び該内側ストレートドレーン部材の各々の該端部に嵌合された該弾性シール部材の各々の一部と、該T字形ドレーン部材の各々における2個の角部に位置する2個の該パネルの角部における該周縁低部及び非対向周縁低部に配設された該弾性シール部材の一部とが相互に圧接され、該L字形ドレーン部材の各々の該両端端及びこれらに対向する該外側ストレートドレーン部材の各々の該端部に嵌合された該弾性シール部材の各々の一部と、該L字形ドレーン部材の各々の角部に位置する該パネルの角部における該非対向周縁低部に配設された該弾性シール部材の一部とが相互に圧接される、ことが好ましい。
該内側及び外側ドレーンユニットの該フランジ部が、対応する該パネルの該周縁低部に該弾性シール部材を介して連結される該ねじ締め手段は、上端部が該周縁低部及び該非対向周縁低部の上面から延び出すよう埋設された複数の雄ねじ部材と該雄ねじ部材にねじ結合されるナットとを含み、該弾性シール部材には、該雄ねじ部材が貫通可能な貫通穴又は貫通可能部が形成され、該フランジ部には、該雄ねじ部材が貫通可能な貫通穴が形成されている、ことが好ましい。
該内側ドレーンユニットの該フランジ部の各々の上面には複数の円筒状雌ねじ部材が直立して固着され、該内側ドレーンユニットには、複数のカバー板が上面を覆うよう配設され、該カバー板の各々は、該雌ねじ部材の各々の上端面に載置されて球面状の頭を有する雄ねじ部材により分離可能に締結される、ことが好ましい。
該外側ドレーンユニットの該チャンネル部の上端の一方に形成された該フランジ部の上面には複数の円筒状雌ねじ部材が直立して固着され、該外側ドレーンユニットの該チャンネル部の上端の他方は、該一方よりも高く形成され、該他方には、該一方に向かって水平に延びる他のフランジ部が形成され、該他のフランジ部には、複数の取付穴と、取付穴の下面側に固着されたナットとが備えられ、該他のフランジ部の上面は円筒状雌ねじ部材の上端面とほぼ同じ高さにあり、該外側ドレーンユニットには、複数のカバー板が上面を覆うよう配設され、該カバー板の各々は、該他のフランジ部の上面及び円筒状雌ねじ部材の上端面に載置されてボルトにより分離可能に締結される、ことが好ましい。
該パネルの各々の該本体と該周縁低部及び非対向周縁低部との間には、該周縁低部及び非対向周縁低部の上面より低い溝が形成され、該内側ドレーンユニットの各々の該フランジ部の先端及び該外側ドレーンユニットの各々の該フランジ部の先端には垂下部が形成され、該垂下部の先端は、対応する該周縁低部及び非対向周縁低部の該溝内に位置付けられる、ことが好ましい。
該支持板の各々には貫通穴が形成され、該パネルの各々が該支持板の各々に分離可能に締結される該ねじ締め手段は、該本体の周縁部に埋設されかつ該周縁部の上面及び底面に開口する複数の円筒状雌ねじ部材と、該支持板の各々の該貫通穴を通して、該円筒状雌ねじ部材にねじ結合されるボルトとを含み、該空間部を形成する該梁の組の各々において、少なくとも4個の該支持板の各々における該貫通穴の内周面には雌ねじが形成され、該雌ねじの各々の内径は、該パネルに埋設された該円筒状雌ねじ部材にねじ結合される該ボルトの外径よりも大きく形成されている、ことが好ましい。
該支持板の各々には貫通穴が形成され、該パネルの各々が該支持板の各々に分離可能に締結される該ねじ締め手段は、該本体の周縁部に埋設されかつ該周縁部の上面及び底面に開口する複数の円筒状雌ねじ部材と、該支持板の各々の該貫通穴を通して、該円筒状雌ねじ部材にねじ結合されるボルトとを含み、該パネルの各々における少なくとも4個の該円筒状雌ねじ部材の各々には、該パネルの各々を該昇降手段に含まれるワイヤにより吊り上げて該空間部上に装着するためのアイボルトであって、雄ねじ部と、該雄ねじ部の先端から延び出す、該支持板の貫通穴よりも小径であるガイドピンとを備え、該ガイドピンの先端部には先端に向かって徐々に小径となる円錐ガイド面が形成され、該ガイドピンは、該雄ねじ部を介して対応する該円筒状雌ねじ部材にねじ結合された状態で、少なくとも先端部が対応する該パネルの下面から下方に突出するよう、その長さが設定され、装着するために該パネルが昇降手段により降下させられると該ガイドピンが対応する該支持板の該貫通穴に分離可能に嵌合されて該パネルを装着位置にガイドすることができるアイボルトを、分離可能にねじ結合することができる、ことが好ましい。
該支持板の各々には貫通穴が形成され、該パネルの各々が該支持板の各々に分離可能に締結される該ねじ締め手段は、該本体の周縁部に埋設されかつ該周縁部の上面及び底面に開口する複数の円筒状雌ねじ部材と、該支持板の各々の該貫通穴を通して、該円筒状雌ねじ部材にねじ結合されるボルトとを含み、該パネルの各々における該円筒状雌ねじ部材の各々には、該周縁部の上面から弾性シール部材を介して球面状の頭を有する雄ねじ部材が分離可能に締結される、ことが好ましい。
該パネルの各々によって陸屋根が形成され、幾つかの該パネルには、それぞれ一対のコンクリート製車止めが固着手段により固着され、該車止めの各々は、周縁部を残して形成された貫通穴を備え、該固着手段は、該車止めの各々における該貫通穴に対応する該パネルの表面に形成されたけがきによる凹部と、該凹部及び該貫通穴に充填されたコンクリートとからなる、ことが好ましい。
該パネル全体の周縁に位置する該梁及び該支柱には、フェンスが分離可能に配設され、該フェンスは、該梁及び該支柱の外側に相互に間隔をおいて分離可能に取り付けられて該外側ドレーンユニットの外側から直立する複数のフェンス用支柱と、相互に隣り合う該フェンス用支柱間に分離可能に取り付けられる矩形のフェンスユニットとを備え、該フェンス用支柱の各々は、ウェブと該ウェブ両端のフランジとからなるH形鋼から形成されかつウェブの両面が該梁の延びる方向に向くよう位置付けられ、該フェンスユニットの各々の水平方向両端は中空角材からなる縦枠から形成され、該フェンスユニットの各々は、各々の縦枠が対応する該フェンス用支柱のウェブとフランジの各々とにより形成されるチャンネル形空間に挿入されてねじ締め手段により分離可能に連結され、該フェンス用支柱の各々の該チャンネル形空間には、挿入された該フェンスユニットの縦枠の下端を受け止めて該フェンス用支柱の各々の装着位置を決める位置決め板が固着されている、ことが好ましい。
該パネルの各々によって陸屋根が形成され、該陸屋根の一部領域と地面との間には斜路が配設され、該斜路は、該斜路が延びる長手方向に所定の間隔をおいて配設された複数対の支柱であって、それぞれ該斜路の幅方向に一定の間隔をおいて隣り合う同じ高さの支柱の対からなりかつ該陸屋根の一部領域方向に近いほど高さが増加する複数対の支柱と、該複数対の支柱の上端を該幅方向に間隔を置いて平行に該長手方向に傾斜して延びるよう配設された一対の側梁と、該側梁の各々間を該幅方向に延びるよう配設された複数の横梁とを備え、一対の側梁及び一対の横梁により平面矩形状の空間部が複数個形成され、一対の横梁及び/又は一対の側梁には複数の支持板が該空間部内に延び出すよう固着され、該空間部を形成する該一対の側梁及び該一対の横梁と該空間部内に延び出す該支持板の各々とは、共通の傾斜面上に位置付けられ、矩形状のコンクリート製パネルが該空間部の各々を上から覆うよう載置されて、該支持板の各々にねじ締め手段により分離可能に連結され、該パネルの各々の該幅方向両側部の上面には、それぞれ排水溝が、該斜路の傾斜面の高い位置に配置される該長手方向の一端から該斜路の傾斜面の低い位置に配置される他端にわたって形成されかつ、該両側部間の領域であって該幅方向の中央部によって区画される二つの領域の上面には、それぞれ該長手方向に間隔をおいて相互に平行に延びる複数の滑り止め用の溝が、該縦方向の一端から排水溝まで、該中央部から排水溝まで及び該中央部から該縦方向の他端まで、それぞれ平面から見て該縦方向の一端から他端方向に傾斜して形成されている、ことが好ましい。
滑り止め用の溝の各々横断面はV字形である、ことが好ましい。
相互に隣り合う一対の該支柱間には、上下方向に間隔をおいて一対の梁が配設され、該支柱は中空角材から形成されかつ各々の一側面同士が水平方向に対向し、該梁の各々が、ウェブと該ウェブ両端のフランジとからなるH形鋼から形成されかつ上側の梁の下側のフランジの下面と下側の梁の上側のフランジの上面とが上下に対向して、該支柱の各々の一側面と該上側の梁の下側のフランジの下面と該下側の梁の上側のフランジの上面とにより矩形の空間が形成され、該空間の内周面には、断面L形の支持枠によって、所定の幅で矩形状に延びかつ共通の鉛直面上に位置付けられる取付面が配設され、該取付面には、矩形状の側壁ユニットが帯状の弾性シール部材を介してねじ締め手段によって分離可能に取り付けられる、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る組立式立体構造物によれば、設置作業及び分離撤去作業を容易かつ確実にしかも迅速に行なうことを可能にすると共に、優れた防水性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に従って構成された組立式立体構造物である立体駐車場の実施形態を、一部を分解しかつ、他の一部を省略して示す斜視概略図である。
【図2】図1に示す立体駐車場に含まれる支柱及び梁による骨組を示す平面図である。
【図3】図2に示される骨組をA方向から見た側面図である。
【図4】図2に示される骨組をB方向から見た側面図である。
【図5】図2においてCで示す角部に配置された支柱(角部支柱)を拡大して詳細に示す平面図であって、連結される主梁の一部とスプライスプレートを共に示す平面図である。
【図6】(a)は、図2においてCで示される角部に配置された支柱の上端部を図2においてA方向から見た側面図、(b)は、(a)におけるD−D矢視断面図であって、支柱と主梁との接続部のみを示すD−D矢視断面図である。
【図7】図5及び図6に示す支柱の全体を図2においてA方向から見た側面図である。
【図8】図2においてEで示される辺部に配置された支柱(辺部支柱)を拡大して詳細に示す平面図であって、連結される主梁の一部とスプライスプレートを共に示す平面図である。
【図9】図8に示される支柱の上端部を図8において下方から見た側面図である。
【図10】図2においてFで示される中央部に配置された支柱(中央部支柱)を拡大して詳細に示す平面図であって、連結される主梁の一部とスプライスプレートを共に示す平面図である。
【図11】図10に示される支柱の上端部を図10において下方から見た側面図である。
【図12】図2においてGで示される辺部に配置された主梁と中間梁との連結部を拡大して詳細に示す平面図である。
【図13】図2に示される骨組上にコンクリート製パネルを装着して形成した陸屋根及びドレーンが配設された該陸屋根の各々をそれぞれ部分的に示す概略平面図である。
【図14】図3に示される骨組上にコンクリート製パネルを装着した状態を示す側面概略図である。
【図15】図4に示される骨組上にコンクリート製パネル及びフェンスを装着した状態をそれぞれ部分的に示す側面概略図でである。
【図16】図2のH部の拡大図である。
【図17】図16に示される梁及び支持板の上面にコンクリート製パネルが締結された状態を部分的に示す拡大断面図である。
【図18】図17に示された該パネルの全体を示す平面概略図である。
【図19】図18に示された該パネルを図18において下方から見た側面概略図である。
【図20】(a)は、図19のJ部を拡大して詳細に示す側面図、(b)は、J部の構成の他の実施形態を示す側面図である。
【図21】該パネルを梁の上面に装着する一つの方法を説明するための部分図である。
【図22】該パネルを梁の上面に装着する他の方法を説明するための部分図である。
【図23】ドレーンが配設された陸屋根(図13)の一部を更に詳細に示す平面図である。
【図24】十字型ドレーン部材と内側ストレートドレーン部材の一部とを示す平面図である。
【図25】図24に示されている十字型ドレーン部材を図24において下方から見た側面図である。
【図26】図24に示されている十字型ドレーン部材の一端部と内側ストレートドレーン部材の一端部とが連結された状態を示す平面図であって一部を断面で示す平面図である。
【図27】図26に示されている弾性シール部材の正面図である。
【図28】図27に示されている弾性シール部材の側面図である。
【図29】図26に示されている押圧部材の正面図である。
【図30】T字形ドレーン部材と外側ストレートドレーン部材の一部とを示す平面図である。
【図31】図30に示されているT字形ドレーン部材を図30において上方から見た正面図である。
【図32】図30に示されているT字形ドレーン部材を図30において右方から見た側面図である。
【図33】図30に示されている外側ストレートドレーン部材のK矢視図である。
【図34】図30に示されているT字形ドレーン部材の主部の一端部と外側ストレートドレーン部材の一端部とが連結された状態を示す平面図である。
【図35】図34に示されている弾性シール部材の正面図である。
【図36】図34に示されている押圧部材の正面図である。
【図37】L字形ドレーン部材の平面図である。
【図38】隙間をおいて対向するパネルの周縁低部、帯状の弾性シール部材、該周縁低部の各々間に跨って配設される内側ドレーンユニットの一部、カバー板などを分解して示す断面図である。
【図39】図38に示された内側ドレーンユニットの一部が締結された状態を示す断面図である。
【図40】図26に示されている十字型ドレーン部材の一端部と内側ストレートドレーン部材の一端部との連結部が、隙間をおいて対向するパネルの周縁低部の各々間に跨って帯状の弾性シール部材の上面に載置された状態を示す断面図である。
【図41】図40において該連結部が周縁低部の各々に締結された状態を示す断面図である。
【図42】図41を上方から見た平面図である。
【図43】図40に示されている該連結部及び帯状の弾性シール部材の他の実施形態を示す断面図である。
【図44】図43において該連結部が周縁低部の各々に締結された状態を示す断面図である。
【図45】図40に示されている該連結部及び帯状の弾性シール部材の更に他の実施形態を示す断面図である。
【図46】図45において該連結部が周縁低部の各々に締結された状態を示す断面図である。
【図47】図40に示されている該連結部及び帯状の弾性シール部材の更に他の実施形態を示す断面図である。
【図48】図47において該連結部が周縁低部の各々に締結された状態を示す断面図である。
【図49】図40に示されている該連結部及び帯状の弾性シール部材の更に他の実施形態を示す断面図である。
【図50】図49において該連結部が周縁低部の各々に締結された状態を示す断面図である。
【図51】図40に示されている該連結部及び帯状の弾性シール部材の更に他の実施形態を示す断面図である。
【図52】図51において該連結部が周縁低部の各々に締結された状態を示す断面図である。
【図53】パネルの非対向周縁低部に外側ドレーンユニットの一部が帯状の弾性シール部材を介して締結されかつ、その上側にカバー板が配設された状態を、雄ねじ部材のみを分解して示す断面図である。
【図54】外側ドレーンユニットの一部及び内側ストレートドレーン部材の一部を示す平面図である。
【図55】図54に示されている外側ドレーンユニットの一部を図54において下方から見た側面図であって、カバー板及び排水管が装着された状態を示す側面図である。
【図56】ドレーンユニットの一部を示す斜視図であって、カバー板の一部を除去しかつ一部を断面で示す斜視図である。
【図57】図1に示されている立体駐車場の部分断面図である。
【図58】図57に示されている車止めの断面図であってパネルに固着されていない状態を示す断面図である。
【図59】図1に示されている立体駐車場に備えられたフェンスの一部を示す側面図である。
【図60】図59に示されているフェンスの一部を分解して示す斜視概略図である。
【図61】図59に示されている1個のフェンス用支柱を立体駐車場の内側から見た図であって一部を省略して示す図である。
【図62】図61に示されているフェンス用支柱を図61において左方から見た側面図であって、該支柱に装着されるガードレールを分解して示す側面図である。
【図63】(a)は、(b)に示されているフェンス用支柱の平面図、(b)は、該支柱にフェンスユニットが挿入・固着された状態を部分的に示しかつ、取付ボルトなどを分解して示す図である。
【図64】図1に示されている立体駐車場に併設することができる斜路の実施形態を示す側面図である。
【図65】図64に示されている斜路の平面図である。
【図66】図64に示されている斜路を図64において左方から見た正面図である。
【図67】図64に示されている斜路の骨組を示す平面図である。
【図68】図67に示されている骨組に装着されるコンクリート製パネルの一つを示す平面図である。
【図69】図68のL−L矢視断面図である。
【図70】図68に示されているパネルの斜視図である。
【図71】図1に示されている立体駐車場に斜路を併設した状態を示す斜視図である。
【図72】本発明に従って構成された組立式立体構造物の他の実施形態であって、骨組の側部と該側部に装着される1個の側壁ユニットとのッ相対的位置関係を分解して示す斜視図である。
【図73】図72において、側壁ユニットが骨組に装着された状態を一部を省略して示す縦断面図である。
【図74】図72において、側壁ユニットが骨組に装着された状態の一部を示す横断面図である。
【図75】本発明に従って構成された組立式立体構造物の更に他の実施形態である3階建ての立体駐車場であって陸屋根も駐車場として利用される立体駐車場の斜視図である。
【図76】本発明に従って構成された組立式立体構造物の更に他の実施形態であって、1階が事務所、陸屋根が駐車場として利用される組立式立体構造物の他の実施形態である。
【図77】本発明に従って構成された組立式立体構造物の更に他の実施形態であって、1階及び2階が事務所、陸屋根が駐車場として利用される組立式立体構造物の更に他の実施形態である。
【図78】本発明に従って構成された組立式立体構造物の更に他の実施形態であって、1階が駐車場、2階が事務所、陸屋根が単なる屋根として構成された組立式立体構造物の更に他の実施形態である。
【図79】本発明に従って構成された組立式立体構造物の更に他の実施形態であって、1階〜3階が事務所、陸屋根が単なる屋根として構成された組立式立体構造物の更に他の実施形態である。
【図80】本発明に従って構成された組立式立体構造物の更に他の実施形態であって、陸屋根を棚、ステージなどとして利用することができる組立式立体構造物の更に他の実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に従って構成された組立式立体構造物の実施形態を、図1〜図80を参照して説明する。なお、図1〜図80に示す実施形態において、実質的に同一部分は同一符号で示されている。
【0011】
先ず、図1〜図2を参照して、本発明に従って構成された組立式立体構造物である立体駐車場の実施形態は、複数の支柱である、角部支柱2、辺部支柱4及び中央部支柱6と、梁である主梁8及び他の梁である中間梁10とを備えている。図2から容易に理解されるように、平面から見て、角部支柱2は、仮想長方形の4個の角部に相当する位置にそれぞれ1個配置されている。仮想長方形は、図2において上下方向(水平縦方向)に間隔を置いて平行に延びる一対の短い仮想辺と、図2において左右方向(水平横方向)に間隔を置いて平行に延びる一対の長い仮想辺とを有する。
【0012】
辺部支柱4は、仮想長方形の短い仮想辺の各々に2個づつ、長い仮想辺の各々に3個づつ、それぞれ等間隔で配置されている。仮想長方形の短い仮想辺の各々において、辺部支柱4の各々は、隣り合う角部支柱2に対し等間隔で配置されている。中央部支柱6は、相互に水平横方向に対向する3対の辺部支柱4間に2個づつ配置される。中央部支柱6の各々は、水平縦方向に対向する2対の辺部支柱4同士を結ぶ仮想直線上に配置される。
【0013】
主梁8は、水平横方向及び水平縦方向に相互に隣り合う支柱の上端部間に分離自在に連結される。実施形態において、主梁8は、角部支柱2と該角部支柱2に対し水平横方向及び水平縦方向に隣り合う辺部支柱4との上端部間、相互に水平縦方向に隣り合う辺部支柱4の各々の上端部間、相互に水平横方向に隣り合う辺部支柱4の各々の上端部間、中央部支柱6と該中央部支柱6に対し水平横方向及び水平縦方向に隣り合う辺部支柱4との上端部間及び、相互に水横方向及び水平縦方向に隣り合う中央部支柱6の各々の上端部間、にそれぞれ分離可能に連結される。中間梁10は、相互に水平横方向に対向する主梁8の各々の長手方向中央部(すなわち水平縦方向中央部)の上端部間に分離自在に連結される。
【0014】
水平縦方向に延びる主梁8の各々の長さは全て同じであり、水平横方向に延びる主梁8の各々であって、水平横方向の中央に位置する主梁8の各々の長さは全て同じであり、水平横方向の両側に位置する主梁8の各々の長さは全て同じであり、水平横方向の中央に位置する主梁8の各々の長さは、水平横方向の両側に位置する主梁8の各々の長さより長い。水平横方向の中央に位置する中間梁10の各々の長さは全て同じであり、水平横方向の両側に位置する中間梁10の各々の長さは全て同じであり、水平横方向の中央に位置する中間梁10の各々の長さは、水平横方向の両側に位置する中間梁10の各々の長さより長い。主梁8及び中間梁10の各々は、それぞれ同じ高さで水平に延在するよう配置される。このように主梁8及び中間梁10は、多数の共通部品が使用されるので、コストダウンに寄与する。角部支柱2、辺部支柱4、中央部支柱6、主梁8及び中間梁10の各々の上面は共通の水平面上に位置付けられる。主梁8及び中間梁10の各々は平面から見て格子状に配列される。主梁8及び中間梁10の各々間には平面から見て矩形状に区画された複数の空間部Sが形成される(図2において、上端部6箇所にのみ符号Sが付されている)。空間部Sの各々はそれぞれ相互に間隔をおいて水平に対向する2対の梁からなる組によって形成される。空間部Sの各々における2個の角部には、角部支柱2、辺部支柱4、中央部支柱6のうちの2個(同じ支柱又は相互に異なる支柱)が位置する。
【0015】
図6(b)に示されているように、主梁8は、ウェブ8aと、ウェブ8aの上端及び下端からそれぞれウェブ8aの両側に延び出す上フランジ8b及び下フランジ8cとからなるH形鋼から形成されている。図12に示されているように、中間梁10も、ウェブ10aと、ウェブ10aの上端及び下端からそれぞれウェブ10aの両側に延び出す上フランジ10b及び下フランジ10c(不図示)とからなるH形鋼から形成されている。
【0016】
次に、角部支柱2、辺部支柱4及び中央部支柱6の構成について説明する。これらの支柱の構成は、それぞれ特開2009−030345号に開示された角部支柱2、辺部支柱4及び中央部支柱6と実質的に同じであるので、以下、それぞれ簡単に説明する。
【0017】
角部支柱2の各々は、相互に実質的に同じ構成を有しているので、そのうちの一つについて説明する。図5〜図7を参照して、角部支柱2は、実質上鉛直方向に延びる支柱本体12と、支持本体12の上端に配設された支持頭14とを備えている。支柱本体12は、横断面が4角形の中空角材(実施形態においては、横断面が正方形の鋼製角パイプ)から形成されかつ下端には環状フランジ12Fが一体に配設されている。環状フランジ12Fには周方向に間隔をおいて複数の取付穴が形成されている。支柱本体12の下端、すなわち環状フランジ12Fは、ジャッキ手段16を介して載置板18に分離可能に連結・支持される。載置板18は載置表面の所定位置に載置される。
【0018】
図1及び図7を参照して、ジャッキ手段16は、載置板18の上面から直立するよう載置板18に固着されかつ外周面に雄ねじが形成された支持ロッド部材20と、支持ロッド部材20にねじ結合されて回転させると支持ロッド部材20に沿って上下動する上下動部材22とを備えている。上下動部材22は、内周面に雌ねじが形成された円筒部と、円筒部の上端外周面に一体に配設された環状フランジ部とを備えている。環状フランジ部には周方向に間隔をおいて複数の取付穴が形成されている。支柱本体12の環状フランジ12Fは、上下動部材22の環状フランジ部に重合され、相互に整合された取付穴を介して図示しないボルト&ナットにより分離可能に締結される。角部支柱2の軸方向長さ(高さ)の調整は、角部支柱2をクレーン等の吊上機械により吊り上げた状態で、上下動部材22を回転させることにより容易に遂行可能である。なお、必要に応じ、角部支柱2、後述する辺部支柱4及び中央部支柱6を図示しない基礎に対しねじ締め手段によって分離可能に締結する他の実施形態もある。
【0019】
図5〜図7を参照して、鋼材を組み合わせてなる支柱頭14は、支柱本体12の側面から外方に水平に延び出すよう支柱本体12の上端に固着された下板24と、下板24の上面から鉛直方向上方に延びるよう下板24と一体に固着された支柱頭本体26と、下板24の上方に間隔をおいて平行に延在するよう支柱頭本体26の上端に固着された上板28とを備えている。支柱頭本体26は、支柱本体12と実質上、同じ形状及び大きさを有する正方形の横断面形状を有しかつ所定の高さだけ延在する筒部30を備えている。筒部30は、下板24を介して支柱本体12と軸方向に整合して位置付けられている。
【0020】
上板28と下板24は、平面から見て、正方形の1個の角部(相互に整合する角部)が直線状に切り欠かれて傾斜辺をなすように形成されている(切り欠かれた部分は二等辺三角形をなす)。上板28及び下板24の傾斜辺を除く4個の辺は、平面から見て、支柱本体12及び筒部30の4個の側面の半径方向外側位置を、それぞれ対応する側面に対して平行に延在するよう位置付けられ、該傾斜辺は支柱本体12及び筒部30の対応する角部の半径方向外側位置を、該角部を通る仮想対角線に直交する方向に延在するよう位置付けられている。平面から見て、上板28の傾斜辺を挟む2個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは同じでありかつ他の2個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さよりも長い。また下板24の傾斜辺を挟む2個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは同じでありかつ他の2個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さよりも長い。下板24の傾斜辺を挟む2個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは、それぞれ、上板28の対応する2個の辺の該突出長さよりも長くかつ他の2個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは、上板28の他の2個の辺の該突出長さと同じである。
【0021】
支柱頭本体26は2個の補強連結板32を備えている。補強連結板32の各々は、筒部30の、相互に隣り合う2個の側面(平面から見て、上記傾斜辺に面した角を挟む2個の側面)における水平幅方向中央からそれぞれ水平方向に上板28の傾斜辺を挟む2つの辺まで突出している。補強連結板32の各々は、平面から見て相互に直交する仮想線上に存在する。補強連結板32の各々の上端は上板28の下面に溶着され、下端は下板24の上面に溶着され、基端は、筒部30の対応する側面に溶着されている。補強連結板32の各々には、水平方向に間隔をおいた2個の取付穴34の組が、上下方向に等間隔をおいて3組形成されている。取付穴34は総計6個である。上板28及び下板24の各々には、それぞれ共通の鉛直軸線を有する同径の貫通穴2Hが2個、それぞれ平面から見て補強連結板32の外側に間隔を置いた位置に形成されている。筒部30の、他の2個の側面(外側面)にも補強連結板32Aが補強連結板32と同じ如く溶着されている。補強連結板32Aの各々には上下方向に間隔をおいて3個の取付穴32Ahが形成されている。
【0022】
次に辺部支柱4の構成について説明する。辺部支柱4の各々は相互に実質的に同じ構成を有しているので、そのうちの一つについて説明する。図1、図8及び図9を参照して、辺部支柱4は、支柱本体12と、支持本体12の上端に配設された支持頭14とを備えている。支柱本体12の下端は、ジャッキ手段16を介して載置板18に分離自在に連結・支持される。支持頭14、支柱本体12、ジャッキ手段16及び載置板18の基本的構成は、先に説明した角部支柱2におけるのと実質的に同一であるので、主として相違する部分について説明する。
【0023】
支持頭14の上板28と下板24は、平面から見て、縦横の長さが相違する矩形状の、相互に縦方向に隣り合う2個の角部が直線状に切り欠かれて傾斜辺をなすような形状に形成されている(切り欠かれた部分は二等辺三角形をなす)。上板28及び下板24の2個の傾斜辺を除く4個の辺は、平面から見て、支柱本体12及び筒部30の4個の側面の半径方向外側位置を、それぞれ対応する側面に対して平行に延在するよう位置付けられ、該傾斜辺は支柱本体12及び筒部30の、相互に隣接する2個の角部の半径方向外側位置を、対応する角部を通る仮想対角線に直交する方向に延在するよう位置付けられている。平面から見て、上板28の2個の傾斜辺に連続する3個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは同じでありかつ他の1個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さよりも長い。また下板24の2個の傾斜辺に連続する3個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは同じでありかつ他の1個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さよりも長い。下板24の2個の傾斜辺に連続する3個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは、それぞれ、上板28の対応する3個の辺の該突出長さよりも長くかつ他の1個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは、下板24の他の1個の辺の該突出長さと同じである。
【0024】
支柱頭本体26は3個の補強連結板32を備えている。矩形状の平板からなる補強連結板32の各々は、筒部30の、相互に隣接する3個の側面(平面から見て、上板28の傾斜辺に連続する3個の辺に対応する3個の側面)における水平幅方向中央からそれぞれ水平方向に上板28の該3個の辺まで突出している。補強連結板32の各々は、平面から見てT字形に直交する仮想線上に存在する。補強連結板32の各々の上端は上板28の下面に溶着され、下端は下板24の上面に溶着され、基端は、筒部30の対応する側面に溶着されている。上板28及び下板24の各々には、それぞれ共通の鉛直軸線を有する同径の貫通穴4Hが2個、それぞれ平面から見て仮想直線上に位置する補強連結板32の各々の外側に間隔を置いた位置に形成されている。筒部30の、他の1個の側面(外側面)にも補強連結板32Aが補強連結板32と同じ如く溶着されている。補強連結板32Aの各々には上下方向に間隔をおいて3個の取付穴32Ahが形成されている。
【0025】
次に中央部支柱6の構成について説明する。中央部支柱6の各々は相互に実質的に同じ構成を有しているので、そのうちの一つについて説明する。図10及び図11を参照して、中央部支柱6は、支柱本体12と、支持本体12の上端に配設された支持頭14とを備えている。支柱本体12の下端は、ジャッキ手段16を介して載置板18に分離自在に連結・支持される(不図示)。支持頭14、支柱本体12、ジャッキ手段16及び載置板18の基本的構成は、先に説明した角部支柱2におけるのと実質的に同一であるので、主として相違する部分について説明し、実質上共通する部分の説明は省略する。
【0026】
支持頭14の上板28と下板24は、平面から見て、正8角形に形成されている。上板28及び下板24の、相互に1個の辺を挟んで隣り合う4個の辺は、平面から見て、相互に整合しかつ筒部30の4個の側面の半径方向外側位置を、それぞれ対応する側面に対して等間隔で平行に延在するよう位置付けられ、他の4個の辺は筒部30の対応する角部の半径方向外側位置を、対応する角部を通る仮想対角線に直交する方向に延在するよう位置付けられている。平面から見て、上板28の4個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは同じである。また下板24の4個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さは同じでありかつ、上板28の4個の辺の、筒部30の対応する側面からの突出長さよりも長い。
【0027】
支柱頭本体26は4個の補強連結板32を備えている。補強連結板32の各々は、筒部30の4個の側面における水平幅方向中央からそれぞれ水平方向に上板28の該4個の辺まで突出している。補強連結板32の各々は、平面から見て十字形に直交する仮想線上に存在する。補強連結板32の各々の上端は上板28の下面に溶着され、下端は下板24の上面に溶着され、基端は、筒部30の対応する側面に溶着されている。補強連結板32の各々には6個の取付孔34が形成されている。
【0028】
上記角部支柱2、辺部支柱4及び中央部支柱6は、それぞれ、支柱本体12と、支持本体12の上端に配設された支持頭14とから構成されているので、上記支柱2、4及び6の各々を独立して輸送及び保管することができる。その結果、上記支柱2、4及び6の各々の輸送及び保管スペースのコンパクト化を図ることができ、輸送及び保管を容易にすることができるので、輸送及び保管コストの低減を可能にするものである。また支柱本体12とジャッキ手段16との連結はボルト&ナットによる分離可能な締結であり、組立及び分解も容易かつ迅速に遂行することを可能にする。また、支柱頭14の構成がコンパクトで軽量化されかつ水平方向外方への突出量も少ないので、上記支柱2、4及び6の各々の軽量化及びコンパクト化を図りながらその強度を十分に確保することを可能にするものである。その結果、上記支柱2、4及び6の各々の、設置現場における設置作業(組立作業)及び分解撤去作業を容易かつ迅速に遂行することを可能にする。このことは、立体駐車場の設置作業及び分解撤去作業を容易かつ迅速に遂行することを可能にし、設置期間及び分解撤去期間を短縮して、トータルコストの低減を可能にするものである。また、上記支柱2、4及び6の各々の構成がシンプル化されるので、立体駐車場全体の構成をシンプル化してトータルコストの低減に寄与するものである。
【0029】
上記のように構成された角部支柱2、辺部支柱4及び中央部支柱6の各々は、ジャッキ手段16により所定の長さ(高さ)に調整された後に、それぞれ所定の載置表面に載置される(図1及び図2参照)。角部支柱2の各々の上端部と、角部支柱2の各々に対し水平横方向及び水平縦方向に隣り合う2個の辺部支柱4の上端部とは、主梁8により分離可能に連結される。角部支柱2と辺部支柱4との連結について説明する。
【0030】
図5〜図9を参照して、主梁8の一端が、角部支柱2の支持頭14の上板28における傾斜辺の隣の1辺(例えば図5において右端に位置する1辺)及び該一辺の下方に位置する補強連結板32の先端に対向して位置付けられかつ主梁8の該一端を含む一端部の下面(下フランジ8cの下面)が、該一辺の下方に位置する下板24の上面先端部(平面から見て該一辺よりも突出した上面先端部)に載置される。そして該主梁8の他端が、辺部支柱4の支持頭14の上板28における傾斜辺の隣の一辺であって、傾斜辺に挟まれた1辺以外の一辺(例えば図8において上端に位置する一辺)及び該一辺の下方に位置する補強連結板32の先端に対向して位置付けられかつ主梁8の該他端を含む他端部の下面(下フランジ8cの下面)が、該一辺の下方に位置する下板24の上面先端部(平面から見て該一辺よりも突出した上面先端部)に載置される。このような操作は、主梁8を図示しないクレーン等の吊上機械を利用して吊り上げることにより容易に遂行される。
【0031】
角部支柱2及び辺部支柱4の上記連結板部32の各々の両側面と、主梁8の両端部におけるウェブ8aの両側面とは、該両側面の各々に跨がって配置された一対のスプライスプレート36により挟まれて、複数のボルト&ナットBN(図6(b)参照)によりそれぞれ分離可能に締結される。一対のスプライスプレート36は、図6(a)及び(b)に示されているように、相互に実質上同じ形状及び大きさを有するチャンネル形の板から形成され、各々のウェブには、12個の取付孔が形成されている。これらの取付穴は、補強連結板32の各々に形成された6個の取付穴34及び主梁8の両端部におけるウェブ8aに形成された図示しない6個の取付穴にそれぞれ整合されることは言うまでもない。スプライスプレート36のウェブの上下両端に形成されたフランジは、主梁8のウェブ8aの上下両端に形成されたフランジ8b及び8c間及び各支柱2、4及び6の上板28及び下板24間に分離可能に嵌合した状態に一時的に保持できるので、連結作業の容易化、迅速化に寄与する。
【0032】
上記したように、主梁8の両端部は、角部支柱2及び辺部支柱4の下板24の突出部上に一旦載置されてから相互にボルト&ナットBNにより締結されるので、角部支柱2及び辺部支柱4の上端部間の連結作業を迅速かつ容易に遂行することを可能にすると共に、精度の高い安定した連結を保証することができる。また、角部支柱2及び辺部支柱4の上端部間の連結作業が迅速かつ容易に遂行されることに起因して、立体駐車場の、設置現場における設置作業及び分離撤去作業を容易かつ迅速に遂行することを可能にし、その結果、立体駐車場の設置期間及び分解撤去期間を短縮し、トータルコストの低減を可能にするものである。
【0033】
なお、角部支柱2と他の辺部支柱4の上端部間の主梁8による連結、辺部支柱4の各々の上端部間の主梁8による連結、中央部支柱6と辺部支柱4の上端部間の主梁8による連結及び中央部支柱6の各々の上端部間の主梁8による連結も、それぞれ上記したのと実質的に同じとおりにして遂行することができ、それぞれ上記したのと実質的に同じ作用効果を奏することができる。
【0034】
次に、主梁8と、主梁8に直交する中間梁10との連結(図2のG部)について説明する。図1、図2及び図12を参照して、主梁8の長手方向中間部には、連結板38が溶着されている。矩形状の連結板38は、主梁8のウェブ8aの側面から該側面に直角に、上フランジ8b及び下フランジ8c間を通って側外方に延び出している。連結板38には、複数の取付孔(不図示)が形成されている。中間梁10の該一端を含む一端部におけるウェブ10aにも同数の取付孔(不図示)が形成されている。主梁8の側方へ延び出した連結板38の先端に中間梁10のウェブ10aの一端が突き合わされる。この操作は、中間梁10をクレーン等の吊上機械を利用して吊り上げることにより容易に遂行することができる。連結板38の両側面と、中間梁10の該一端部におけるウェブ10aの両側面とは、該両側面10aの各々に跨がって配置された一対のスプライスプレート40により挟まれてそれぞれ複数個のボルト&ナットBNにより分離可能に締結される。一対のスプライスプレート40は、図6(a)及び(b)に示されているように、相互に実質上同じ形状及び大きさを有するチャンネル形の板から形成され、各々のウェブには、複数個の取付孔が形成されている。これらの取付穴は、連結板38の各々に形成された複数個の取付穴及び中間梁10の該一端部におけるウェブに形成された図示しない複数個の取付穴にそれぞれ整合される。スプライスプレート40の使用は、先に述べたスプライスプレート36の使用におけるのと同じ作用効果を奏する。中間梁10の他端部と他の主梁8の側面との連結も同じ如くして遂行される。
【0035】
上記説明から明らかなように、主梁8と中間梁10との分離可能な連結は、それぞれ簡単な構成により、一対のスプライスプレート40及びボルト&ナットBNを利用して容易かつ迅速にしかも確実に遂行することが可能である。したがって、立体駐車場の、設置現場における設置作業及び分離撤去作業の容易化及び迅速化に寄与する。
【0036】
上記したとおりにして、角部支柱2、辺部支柱4及び中央部支柱6の各々の上端部間が主梁8により連結され、相互に平行に対向する主梁8の各々の中間部における上端部間が中間梁10により連結された状態で、主梁8及び中間梁10の各々は、それぞれ同じ高さで水平に延在するよう配置される。そして、角部支柱2、辺部支柱4、中央部支柱6、主梁8及び中間梁10の各々の上面は共通の水平面上に位置付けられる。角部支柱2、辺部支柱4及び中央部支柱6の上面は、各々の支持頭14の上板28(図5〜図11)の上面により形成され、主梁8及び中間梁10の上面は、それぞれ上フランジ8b及び10b(図6及び図12)の上面により形成される。
【0037】
角部支柱2の各々の上端部と各々に連結される主梁8の下面との間、辺部支柱4の各々の上端部と各々に連結される主梁8の下面との間及び中央部支柱6の各々の上端部と各々に連結される主梁8の下面との間には、ブレース部材45が分離可能に連結される(図1、図3、図4及び図6参照)。
【0038】
図2において横長の矩形を有する空間部S(図2)の各々を形成する2対の梁の組の各々を代表して、図2において左上角部に位置する2対の梁の組について説明する。該組において、水平縦方向に対向する1対の梁である主梁8と中間梁10にはそれぞれ少なくとも1個の支持板50、実施形態においてはそれぞれ3個の支持板50が、主梁8及び中間梁10の各々の長手方向に間隔をおいて空間部S内に延び出すよう固着されている。また該組において、水平横方向に対向する他の1対の梁である主梁8の各々にはそれぞれ少なくとも1個の支持板50、実施形態においてはそれぞれ2個の支持板50が、空間部S内に延び出すよう固着されている。支持板50の各々の上面は、角部支柱2、辺部支柱4、中央部支柱6、主梁8及び中間梁10の各々の上面が位置付けられる該共通の水平面上に位置付けられる。
【0039】
支持板50の各々及びそれらの取付構造は実質的に同じであるので、以下、1個の支持板50及びその取付構造について説明する。図16及び図17を参照して、主梁8の、支持板50が固着される位置には、連結板52が固着される。連結板52は、上端面52aと、先端面52bと、後端面52cと、傾斜面52dとを備えている。連結板52の上端面52aは、上フランジ8bの空間部S側の下面に沿って上フランジ8bの基端部から空間部S側先端を越えて空間部S側に延び出し、かつ上フランジ8bの該下面に当接されて溶着される。先端面52bは、ウェブ8aと平行に垂下する。後端面52cは、ウェブ8aの空間部S側の面に沿ってウェブ8aの上端部から垂下しかつウェブ8aの空間部S側の面に当接されて溶着される。傾斜面52dは、先端面52bの下端と後端面52cの下端との間を真っ直ぐに延びている。連結板52の両面は主梁8の長手方向に向けられ、平面形状が矩形である支持板50は、その幅方向(主梁8の長手方向)の中央下面が、連結板52の上端面52aの、上フランジ8bから突出した領域に載置され、一側面が上フランジ8bの空間部S側の面に当接されて溶着される。連結板52の該幅方向中央であって、連結板52の先端面から離れた位置には1個の貫通穴54が形成されている。支持板50と、他の主梁8及び中間梁10との連結もそれぞれ同じ如くして行われるので、説明は省略する。
【0040】
該梁の組の各々の上面には、平面矩形の鉄筋コンクリート製パネル60が空間部Sを上から覆うよう配設される。相互に水平方向に対向するパネル60の各々間には隙間が形成される。パネル60の各々は、実質的に同じ構成を有するので、以下その一つについて説明する。
【0041】
図18〜図21を参照して、パネル60の各々は、矩形本体62と、周縁低部64とを備えている。矩形本体62は、一定の厚みを有しかつ上面62a及び下面62bが相互に平行な平坦面からなる。周縁低部64は、本体62と共通の下面62bを有しかつ本体62の周縁を所定の幅及び本体62よりも薄い一定の厚みをもって延びている。したがって、周縁低部64は、本体62の上面62aよりも低い上面64aを有している。本体62と周縁低部64との間には、周縁低部64の上面64aより低い溝63が形成されている。チャンネル形の溝63は一定の深さを有している。本体62の周縁部には、内面に雌ねじが形成された円筒状雌ねじ部材65が複数個埋設されている。雌ねじ部材65は、パネル60が取り付けられる該梁の組において空間部S内に突出するよう配設された支持板50の貫通穴54に整合する位置において、上面62a及び底面62bに開口するよう埋設されている。図20(a)に示されているように、周縁低部64には、複数の雄ねじ部材66が埋設されている。雄ねじ部材66の各々の上端部は、周縁低部64の上面64aから延び出している。
【0042】
以上のように構成されたパネル60の各々は、図17に示されているように、周縁低部64の底面62bが上記梁の組の各々の上面に載置されかつ本体62の周縁部の底面62bが支持板50の各々の上面に載置されて、ボルト67を支持板50の各々の下面から雌ねじ部材65にねじ込むことにより支持板50の各々に分離可能に連結される。ボルト67及び雌ねじ部材65はねじ締め手段を構成する。雌ねじ部材65の各々には、本体62の周縁部の上面62aからワッシャ形状を有する弾性シール部材68を介して球面状の頭を有する雄ねじ部材69が分離可能に締結される。防水性を有する合成ゴムから形成される弾性シール部材68の使用は、雌ねじ部材65の上端からの水の浸入を確実に阻止する。雄ねじ部材69の各々の球面状の頭は、車輪の走行及び歩行者の歩行の支障とならないよう機能する。図13〜図15には、前記骨組の上面にパネル60が取り付けられた状態の一部が示されている。図2に示されているように、水平横方向中間に位置する空間部Sは、両側に位置する空間部Sよりも横長の矩形であるので、パネル60も該空間部Sの大きさに対応して2種類のサイズが使用される。互に隣り合うパネル60の各々の相互に隣り合う周縁低部64は水平方向に隙間Gをおいて平行に対向し、隙間Gは、平面から見て格子状に連続して形成される。
【0043】
空間部Sを形成する梁の組の各々において、少なくとも4個の支持板50の各々における貫通穴54の内周面には雌ねじ54a(図17)が形成され、雌ねじ54aの各々の内径は、パネル60に埋設された雌ねじ部材65にねじ結合されるボルト67の雄ねじの外径よりも大きく形成される。図21を参照して、空間部Sにパネル60を装着する前に、雌ねじ54aの各々に、ガイドボルト70を下方から上方に向かって分離可能にねじ結合することにより、パネル60の装着を容易かつ確実にしかも迅速に行なうことを可能にする。ガイドボルト70は、雄ねじ部72と、先端に向かって徐々に小径となる円錐ガイド面74aが形成されたガイドピン74とを備えている。ガイドボルト70を支持板50の貫通穴54の雌ねじ54aに下方から上方に向かって分離可能にねじ結合して、ガイドピン74を対応する支持板50の上面から上方に突出させておく。そして、パネル60の4個の雌ねじ部材65に上方からアイボルト76をねじ結合し、ワイヤW(図1)によりアイボルト76を介してパネル60を昇降手段である図示しないクレーンにより吊り上げてから降下させ、パネル60の対応する雌ねじ部材65を下端開口からガイドピン74に分離可能に嵌合させることにより、パネル60を装着位置にガイドすることができる。パネル60が装着位置に載置された後、アイボルト76及びガイドボルト70を取り外し、図17を参照して先に説明した如く、ボルト67により締結する。
【0044】
上記した如く、パネル60の各々における少なくとも4個の雌ねじ部材65の各々には、アイボルト76を分離可能にねじ結合することができるが、図22に示されているアイボルト77は、雄ねじ部77aと、雄ねじ部77aの先端から延び出すガイドピン77bとを備えている。このガイドピン77bは、支持板50の貫通穴54(雌ねじは形成されていない)よりも小径であり、ガイドピン77bの先端部には先端に向かって徐々に小径となる円錐ガイド面77cが形成されている。アイボルト77が雄ねじ部77aを介して対応する雌ねじ部材65にねじ結合された状態で、ガイドピン77bは、少なくとも先端部が対応するパネル60の下面(底面)から下方に突出するよう、その長さが設定されている。先に述べたように、装着するためにパネル60が図示しないクレーンにより降下させられるとガイドピン77bが対応する支持板50の貫通穴54に分離可能に嵌合されてパネル60を装着位置にガイドすることができる。この方法によれば、前記ガイドボルト70及び支持板50の貫通穴54の雌ねじ54aが不要となりかつ、パネル60の装着を容易かつ確実にしかも迅速に行なうことを可能にする。
【0045】
ガイドボルト70又はアイボルト76を使用してパネル60を装着する本発明による上記方法によれば、所定の装着位置に向けて降下させるパネル60を所定の装着位置に円滑にガイドすることを可能にするので、パネル60の装着を容易かつ確実にしかも迅速に行なうことを可能にする。特許文献1に開示された組立式立体構造物においては、パネルの雌ねじ部材と支持板の貫通穴との位置合わせが容易ではなかったので、パネルの装着性について改善が求められているところであった。したがって、本発明の他の目的は、パネルの装着を容易かつ確実にしかも迅速に行なうことを可能にすることによって、全体の設置作業及び分離撤去作業を容易かつ確実にしかも迅速に行なうことに貢献する組立式立体構造物の設置方法を提供することである。
【0046】
図38に示されているように、パネル60の各々の周縁低部64の上面64aには、帯状の弾性シール部材80が全周にわたって配設される。弾性シール部材80は、水に対するシール性(防水性)を有する合成ゴム、例えばスポンジゴムからなり、一定の厚み及び幅を有すると共に、幅方向に間隔を置いて上面から突出する二つの突条80aが形成され、横断面形状は全長にわたって実質的に一定である。弾性シール部材80には、パネル60の周縁低部64の上面64aから突出する雄ねじ部材66が貫通可能な貫通穴又は貫通可能部80bが、雄ねじ部材66に対応して複数個形成されている。貫通可能部80bの各々は、上面から下面に貫通する図示しない1本のスリット又は十字形のスリットからなる。弾性シール部材80は、貫通穴又は貫通可能部80bが、対応する雄ねじ部材66に嵌合された状態でパネル60の周縁低部64の上面64aに載置され、適宜の接着剤により接着される。
【0047】
図13及び図23にその一部が示されているように、パネル60の各々の周縁低部64間に形成される格子状の隙間Gには、格子状に連続する内側ドレーンユニット90が配置される。内側ドレーンユニット90は、対応する周縁低部64の弾性シール部材80の上面から後述するねじ締め手段により周縁低部64に分離可能に連結される。
【0048】
パネル60全体において、他のパネル60の周縁低部64と対向しない非対向周縁低部64N(図13、図53)を有するパネル60の該非対向周縁低部64Nの各々により形成されるパネル60全体の外周縁部の全領域又は一部領域を除く他の全領域には、連続して延びる外側ドレーンユニット96が配設される。外側ドレーンユニット96は、非対向周縁低部64Nの弾性シール部材80の上面から後述するねじ締め手段により非対向周縁低部64Nに分離可能に連結されかつ、内側ドレーンユニット90とシール手段を介してねじ締め手段により分離可能に連結される。
【0049】
図23を参照して、内側ドレーンユニット90は、いずれも金属板から形成された、少なくとも1個の、平面から見て十字形をなす十字形ドレーン部材92と、複数の内側ストレートドレーン部材94とを備えている。十字形ドレーン部材92の4個の端部には、それぞれ内側ストレートドレーン部材94の対向する端部が後述するシール手段を介してねじ締め手段により相互に接近する方向に圧接されて分離可能に連結される。前記構成は、内側ドレーンユニット90に含まれる連結部の各々における優れた防水性を保証する。
【0050】
また、外側ドレーンユニット96は、いずれも金属板から形成された、ストレートに延びる主部98A及び主部98Aの中央から直角に延び出す支部98Bを有する平面から見てT字形をなす複数のT字形ドレーン部材98と、平面から見てL字形をなす複数のL字形ドレーン部材100と、複数の外側ストレートドレーン部材102とを備えている。T字形ドレーン部材98の各々の主部98Aの両端部及びL字形ドレーン部材100の各々の両端部には、それぞれ外側ストレートドレーン部材102の対向する端部がそれぞれ後述するシール手段を介してねじ締め手段により相互に接近する方向に圧接されて分離可能に連結される。外側ドレーンユニット96のT字形ドレーン部材98の各々の支部98Bの端部と、内側ドレーンユニット90の、対応する内側ストレートドレーン部材94の端部とは、それぞれ後述するシール手段を介してねじ締め手段により相互に接近する方向に圧接されて分離可能に連結される。前記構成は、外側ドレーンユニット96に含まれる連結部及び外側ドレーンユニット96と内側ドレーンユニット90との連結部における優れた防水性を保証する。
【0051】
図24及び図25を参照して、内側ドレーンユニット90の十字形ドレーン部材92は、金属板からなり、かつ上方に開放されたチャンネル部110とチャンネル部110の上端の各々から相互に水平反対方向に延びるフランジ部112とを備えている。チャンネル部110は、一定の幅を有する底壁110aと、底壁110aの両端から相互に平行に同じ高さで直立する側壁110bとからなる。フランジ部112の各々は側壁110bの上端から水平反対方向に同じ長さ延び、かつ各々の先端には鉛直下方に同じ長さ延びる垂下部112aが形成されている。フランジ部112の各々の端部には、貫通穴112bが形成されかつ、貫通穴112bのチャンネル部110側の上面には、金属製の円筒状雄ねじ部材114が直立して溶着されている。円筒状雄ねじ部材114の上端面114aは、チャンネル部110の各々と平行な共通の平面上に存在する。十字形ドレーン部材92は、上記構成をもって平面十字形に一体に形成されている(4個の端部の横断面形状は同じである)。内側ストレートドレーン部材92は、十字形ドレーン部材92の各々の端部と同じ横断面形状をもってストレートに延びている。内側ストレートドレーン部材92のフランジ部112の両端部にも、上記と同じ如くに、貫通穴112bが形成されかつ、円筒状雄ねじ部材114が直立して溶着されている。十字形ドレーン部材92及び内側ストレートドレーン部材92の各々のチャンネル部110における端部の内面であって先端に対し間隔を置いた内側位置には、矩形横断面を有する金属製U形フランジ116が溶着されている。U形フランジ116の各々は、対応するチャンネル部110のU形内面の全域にわたって存在する。
【0052】
図26〜図28を参照して、十字形ドレーン部材92の一端部及びこれに対向する内側ストレートドレーン部材94の一端部における少なくともチャンネル部110、実施形態においてはチャンネル部110及びフランジ部112の基端部には、シール手段を構成する弾性シール部材118が分離可能に嵌合される。防水性を有する合成ゴムからなる弾性シール部材118は、正面から見て、チャンネル部118Aと、チャンネル部118Aの上端から相互に水平反対方向に延びるフランジ部118Bとからなる。弾性シール部材118の正面から見た片面における幅方向の中央部には、全領域にわたって(全長にわたって)溝118Cが形成されている。弾性シール部材118及び溝118Cは矩形横断面を有している。したがって、図28に示されているように、弾性シール部材118は、チャンネル形断面を有している。溝118Cの幅は、十字形ドレーン部材92及び内側ストレートドレーン部材92の各々のチャンネル部110及びフランジ部112の厚みと同じ又は狭く設定されている。弾性シール部材118のチャンネル部118Aは、十字形ドレーン部材92及び内側ストレートドレーン部材92の各々の相互に対向するチャンネル部110の一端部に嵌合され、フランジ部118Bはフランジ部112の基端部に嵌合される。弾性シール部材118の各々は、対応するチャンネル部110のU形フランジ部材116の直外側(チャンネル部110の端側)に位置する。
【0053】
図26に示されているように、十字形ドレーン部材92の一端部及びこれに対向する内側ストレートドレーン部材94の一端部は、U形フランジ部材118の各々の内側(弾性シール部材118と反対側)に配置された押圧部材120及びワッシャ122と、これらを貫通するボルト124と、ボルト124にねじ込まれたナット126とにより、弾性シール部材118の各々を介して相互に接近する方向に圧縮させた状態で分離可能に連結される。図26及び図29に示されているように、金属製の押圧部材120は、矩形の輪郭と一定の厚みを有し、中央にボルト124が貫通する取付穴120aが、取付穴120aの周囲に複数の通水穴120bが、それぞれ形成されている。押圧部材120、ワッシャ122、ボルト124及びナット126はねじ締め手段を構成する。十字形ドレーン部材92の他の端部の各々及びこれらに対向する内側ストレートドレーン部材94の端部の各々間の連結も実質的に同じ如くして行なわれるので説明は省略する。
【0054】
図30〜図33を参照して、外側ドレーンユニット96のT字形ドレーン部材98は、金属板からなり、その主部98Aの両端部は、上方に開放されたチャンネル部130とチャンネル部130の上端の一方から水平外方向に延びるフランジ部132とを備えている。チャンネル部130は、一定の幅を有する底壁130aと、底壁130aの両端から相互に平行に同じ高さで直立する側壁130bとからなる。フランジ部132は一方の側壁130bの上端から水平外方向に延び、かつ先端には鉛直下方に延びる垂下部132aが形成されている。フランジ部132の両端部には、貫通穴132bが形成されかつ、貫通穴132bのチャンネル部130側の上面には、金属製の円筒状雄ねじ部材134が直立して溶着されている。円筒状雄ねじ部材134の各々の上端面134aは、チャンネル部130と平行な共通の平面上に存在する。チャンネル部130の他方の側壁130bの上端は、一方の側壁130bの上端よりも高く形成され、他方の側壁130bの上端には、該一方に向かって水平に延びる他のフランジ部135が形成されている。他のフランジ部135の両端部には、取付穴135aが形成され、取付穴135aの各々の下面側にはナット136が溶着されている。他のフランジ部135の上面は円筒状雌ねじ部材134の上端面134aとほぼ同じ高さにある。チャンネル部130の底壁130aの両端部における他方の側壁130b寄りの位置には、貫通穴138が形成され、貫通穴138の下面側には排水用連結管139の上端が溶着されている。チャンネル部130の幅は、十字形ドレーン部材92及び内側ストレートドレーン部材94のチャンネル部110の幅よりも広い。外側ストレートドレーン部材102は、貫通穴138及び連結管139を除き、上記主部98と同じ横断面形状をもってストレートに延びている。外側ストレートドレーン部材102のフランジ部132の両端部には、上記と同じ如くに、貫通穴132bが形成されかつ、円筒状雄ねじ部材134が直立して溶着され、フランジ部135の両端部には、上記と同じ如くに、貫通穴135aが形成されかつ、取付穴135aの各々の下面側にはナット136が溶着されている。
【0055】
T字形ドレーン部材98の支部98Bは、先に述べた十字形ドレーン部材92及び内側ストレートドレーン部材94の各々の端部と同じ形状及び大きさを有するチャンネル部110、フランジ部112及び垂下部112aを備え、主部98に直交してそれぞれチャンネル部130、フランジ部132及び垂下部132aに連続している。支部98のフランジ部112には、十字形ドレーン部材92及び内側ストレートドレーン部材94におけるのと同じ如く、貫通穴112bが形成されかつ、円筒状雄ねじ部材114が直立して溶着されている。貫通穴112bと132bは同径であり、円筒状雄ねじ部材114と134は共通部品からなる。
【0056】
T字形ドレーン部材98の主部98Aの両端部(一端部のみ図示)及びこれらに対向する外側ストレートドレーン部材102の各々(1個のみ図示)のチャンネル部130における端部の内面であって先端に対し間隔を置いた内側位置には、矩形横断面を有する金属製U形フランジ140が溶着されている。U形フランジ140の各々は、対応するチャンネル部130のU形内面の全域にわたって存在する。T字形ドレーン部材98の支部98Bの端部及びこれに対向する内側ストレートドレーン部材94(図24)のチャンネル部110における端部の内面であって先端に対し間隔を置いた内側位置には、矩形横断面を有する金属製U形フランジ116(図24、図25)が溶着されている。U形フランジ116の各々は、対応するチャンネル部110のU形内面の全域にわたって存在する。
【0057】
図37に示されているL字形ドレーン部材100は、T字形ドレーン部材98の主部98Aが平面から見て直角に連続して形成された構成を有しているので、同一部分に同一符号を付し、説明は省略する。
【0058】
図34〜図36を参照して、T字形ドレーン部材98の主部98Aの両端部(一端部のみ図示)及びこれらに対向する外側ストレートドレーン部材102の各々(1個のみ図示)の一端部における少なくともチャンネル部130、実施形態においてはチャンネル部130及びフランジ部132の基端部には、シール手段を構成する弾性シール部材142が分離可能に嵌合される。防水性を有する合成ゴムからなる弾性シール部材142は、正面から見て、チャンネル部142Aと、チャンネル部142Aの上端の一方から水平外側に延びるフランジ部142Bとからなる。弾性シール部材142の正面から見た片面における幅方向の中央部には、全領域にわたって(全長にわたって)溝142Cが形成されている。弾性シール部材142及び溝142Cは矩形横断面を有している。したがって、弾性シール部材142は、先に述べた弾性シール部材118と同じ如くチャンネル形断面を有している。溝142Cの幅は、T字形ドレーン部材98の主部98Aの両端部及びこれらに対向する外側ストレートドレーン部材102の各々のチャンネル部130及びフランジ部132の厚みと同じ又は狭く設定されている。弾性シール部材142のチャンネル部142Aは、T字形ドレーン部材98の主部98A及び外側ストレートドレーン部材102の各々の相互に対向するチャンネル部130の一端部に分離可能に嵌合され、フランジ部142Bはフランジ部132の基端部に分離可能に嵌合される。弾性シール部材142の各々は、対応するチャンネル部130のU形フランジ部材140の直外側(チャンネル部130の端側)に位置する。
【0059】
図34に示されているように、T字形ドレーン部材98の主部98Aの一端部及びこれに対向する外側ストレートドレーン部材102の一端部は、U形フランジ部材140の各々の内側(弾性シール部材142と反対側)に配置された押圧部材144及びワッシャ146と、これらを貫通するボルト147と、ボルト147にねじ込まれたナット148とにより、弾性シール部材142の各々を介して相互に接近する方向に圧縮させた状態で分離可能に連結される。図34及び図36に示されているように、金属製の押圧部材144は、矩形の輪郭と一定の厚みを有し、中央にボルト147が貫通する取付穴144aが、取付穴144aの周囲に複数の通水穴144bが、それぞれ形成されている。押圧部材144、ワッシャ146、ボルト147及びナット148はねじ締め手段を構成する。T字形ドレーン部材98の主部98Aの他端部とこれに対向する外側ストレートドレーン部材102の端部間の連結、L字形ドレーン部材(図37)の両端部とこれらに対向する外側ストレートドレーン部材102の各々の端部間の連結も実質的に同じ如くして行なわれるので説明は省略する。他方、T字形ドレーン部材98の支部98Bの端部及びこれに対向する内側ストレートドレーン部材94の端部間の連結は、図26を参照して説明した十字形ドレーン部材92の端部の各々とこれらに対向する内側ストレートドレーン部材94の各々の端部間の連結と実質的に同じ如くして行なわれるので説明は省略する。
【0060】
図13、図23及び図39を参照して、内側ドレーンユニット90を構成する十字形ドレーン部材92及び内側ストレートドレーン部材94の各々を、相互に連結しない状態で、パネル60の各々間に形成される格子状の隙間G内の仮装着位置に、各々のチャンネル部110を挿入し、かつフランジ部112の各々を、隙間Gを挟んで対向する周縁低部64の弾性シール部材80の上面に載置する。フランジ部112の各々の貫通穴112bは、対応する周縁低部64の雄ねじ部材66に適宜の隙間を置いて嵌合される(図39)。雄ねじ部材66の各々は周縁低部64の上面から突出しているので、十字形ドレーン部材92及び内側ストレートドレーン部材94の各々のチャンネル部110の仮装着位置への位置決め作業を容易にする。同様に、外側ドレーンユニット96を構成するT字形ドレーン部材98、外側ストレートドレーン部材102及びL字形ドレーン部材100の各々を、相互に連結しない状態で、該非対向周縁部64Nの仮装着位置において各々のフランジ部132を、上記全領域又は他の全領域における非対向周縁低部64Nの弾性シール部材80の上面に載置する(図53)。フランジ部132の各々の貫通穴132bは、対応する非対向周縁低部64Nの雄ねじ部材66に適宜の隙間を置いて嵌合される(図53)。雄ねじ部材66の各々は非対向周縁低部64Nの上面から突出しているので、T字形ドレーン部材98、外側ストレートドレーン部材102及びL字形ドレーン部材100の各々のチャンネル部132の仮装着位置への位置決め作業を容易にする。T字形ドレーン部材98の各々の支部98Bのフランジ部112の各々は、隙間Gを挟んで対向する周縁低部64の弾性シール部材80の上面に載置され、フランジ部112の各々の貫通穴112bは、対応する周縁低部64の雄ねじ部材66に適宜の隙間を置いて嵌合される。雄ねじ部材66の各々は周縁低部64の上面から突出しているので、T字形ドレーン部材98の各々の支部98Bのチャンネル部110の仮装着位置への位置決め作業を容易にする。
【0061】
この状態で、十字形ドレーン部材92の各々の端部と、これらに対応する内側ストレートドレーン部材94の端部とを、それぞれ先に述べたねじ締め手段(図26)により仮締めする。また、T字形ドレーン部材98の各々の主部98Aの両端部とこれらに対向する外側ストレートドレーン部材102の端部、L字形ドレーン部材100の各々の端部とこれらに対向する外側ストレートドレーン部材102の端部、及び、T字形ドレーン部材98の各々の支部98Bの端部とこれに対向する内側ストレートドレーン部材94の端部とを、それぞれそれぞれ先に述べたねじ締め手段(図34)により仮締めする。このような仮締めを行なうことにより、全体の装着位置の誤差を調整しながら本締めを行ない、更に、フランジ部112の各々を、ねじ締め手段である雄ねじ部材66とナット149により対応する周縁低部64に分離可能に連結する(図39、図41)とともに、フランジ部132の各々を、ねじ締め手段である雄ねじ部材66とナット149により対応する非対向周縁低部64Nに分離可能に連結する(図53〜図55)。その結果、陸屋根FR上において、内側ドレーンユニット90及び外側ドレーンユニット96がそれぞれ一体的に構成され、かつ内側ドレーンユニット90と外側ドレーンユニット96とが一体に連結される。なお、図39において、符号149Wはワッシャである。
【0062】
なお図20(b)に示されているように、雄ねじ部材66とナット149に替えて、周縁低部64の上面64aに開口するよう埋設された複数の袋雌ねじ部材666と袋雌ねじ部材666にねじ結合される図示しないボルトとによりねじ締め手段を構成してもよい。内側ドレーンユニット90の各々のフランジ部112の先端に形成された垂下部112a及び外側ドレーンユニット96の各々のフランジ部132の先端に形成された垂下部132aの先端は、対応する周縁低部64及び非対向周縁低部64Nの溝63内に位置付けられる。垂下部112a及び132aは、内側ドレーンユニット90及び外側ドレーンユニット96の強度アップに寄与する。
【0063】
上記した如く、内側ドレーンユニット90及び外側ドレーンユニット96の取付は、これらを構成する各部材を、パネル60の周縁低部64及び非対向周縁低部64N上に載置して、相互にシール手段を介してねじ締め手段により締結するとともに、ねじ締め手段により周縁低部64及び非対向周縁低部64Nに締結することにより行なわれるので、取付作業がきわめて容易かつ確実でしかも迅速である。また、内側ドレーンユニット90のチャンネル部110の両側のフランジ部112の各々は、対応する周縁低部64に対し弾性シール部材80を介在して締結され、外側ドレーンユニット96のフランジ部132は、対応する非対向周縁低部64Nに対し弾性シール部材80を介在して締結されるので、チャンネル部110から水が溢れても、パネル60の各々の下方空間部S内に漏れることは確実に防止される。
【0064】
なお、上記説明から明らかなように、内側ドレーンユニット90及び外側ドレーンユニット96は、陸屋根FRに装着される前に予め一体に組み付けられるものではなく、陸屋根FRに装着され、相互に完全に締結された状態の構成をそれぞれ示すものである。ドレーンユニットDUは、内側ドレーンユニット90及び外側ドレーンユニット96が陸屋根FRに装着されかつ相互に分離可能に連結された全体の構成を示すものである。
【0065】
図26、図40〜図42を参照して、内側ドレーンユニット90が対応するパネル60の各々に取り付けられた状態において、十字形ドレーン部材92の端部の各々及びこれらに対向する内側ストレートドレーン部材94の各々の端部に嵌合された弾性シール部材118の各々の一部と、十字形ドレーン部材92の4個の角部に位置する4個のパネル60の角部における周縁低部64に配設された弾性シール部材80の一部とが相互に圧接される。
【0066】
更に具体的に説明すると、十字形ドレーン部材92の端部及びこれに対向する内側ストレートドレーン部材94の端部が連結された状態(図26)で、チャンネル部110が弾性シール部材118のチャンネル部118Aとともに上記隙間G内に挿入され、フランジ部112の各々が、対応する周縁低部64の弾性シール部材80の上面に載置される(図40)。弾性シール部材80の各々の一側面は、対応する周縁低部64の側面とほぼ一致する位置にあり、他側面は溝63上に若干突出した位置にありかつ、載置されたフランジ部112の垂下部112aの内側にある。弾性シール部材118の各々のフランジ部118Bの下面が、弾性シール部材80の、上記隙間G側の一側部の上面に当接させられ、フランジ部118Bの先端下部が弾性シール部材80の突条80aの一方に当接させられる。弾性シール部材80の各々の突条80aの各々の上面はフランジ部112の下面に当接させられる。先に述べた如く、フランジ部112の各々をナット149及び雄ねじ部材66を利用して対応する周縁低部64に締め付けると、圧縮された弾性シール部材80の各々は、対応するフランジ部112の下面、垂下部112aの内面、弾性シール部材118のフランジ部118Bの下面及び先端下部、弾性シール部材118のチャンネル部118Aの上端外側面及び周縁低部64の上面に圧接させられる。その結果、十字形ドレーン部材92の端部の各々とこれらに対向する内側ストレートドレーン部材94の各々の端部との連結部における防水効果が確実に得られる。特に、該連結部において、十字形ドレーン部材92の端部の各々とこれらに対向する内側ストレートドレーン部材94の各々の端部間に隙間が存在するにもかかわらず(図26)、相互に圧接された弾性シール部材118の一部と、対応する弾性シール部材80の一部とが圧接されるので、該連結部における防水効果は確実に達成される。
【0067】
図43及び図44には、十字形ドレーン部材92の端部の各々及びこれらに対向する内側ストレートドレーン部材94の各々の連結部と、対応する周縁低部64との間の防水構造の他の実施形態が示されている。フランジ部112の各々が、対応する周縁低部64の弾性シール部材80の上面に載置された状態において(図43)、弾性シール部材80の前記一側面が、弾性シール部材118のフランジ部118Bの先端面の下側であって該先端面とほぼ同一の鉛直面上に位置付けられ、突条80aの一方は、該先端面に対し間隔を置いた位置にある。その他の構成は、図40に示されている構成と実質的に同じであるので説明は省略する。
【0068】
先に述べた如く、フランジ部112の各々をナット149及び雄ねじ部材66を利用して対応する周縁低部64に締め付けると(図44)、圧縮された弾性シール部材80の各々は、対応するフランジ部112の下面、垂下部112aの内面、弾性シール部材118のフランジ部118Bの下面及び周縁低部64の上面に圧接させられる。なお、弾性シール部材80の各々の弾性率によっては、弾性シール部材80の各々が弾性シール部材118のチャンネル部118Aの上端外側面に圧接させられることも考えられる。
【0069】
図45及び図46には、十字形ドレーン部材92の端部の各々及びこれらに対向する内側ストレートドレーン部材94の各々の連結部と、対応する周縁低部64との間の防水構造の更に他の実施形態が示されている。弾性シール部材118は、チャンネル118Aのみで、フランジ部118Bは備えられていない。弾性シール部材80の各々は、図40に示されている構成及び配置と実質的に同じである。図45は図40に対応する図である。その他の構成は、図40に示されている構成と実質的に同じであるので説明は省略する。
【0070】
先に述べた如く、フランジ部112の各々をナット149及び雄ねじ部材66を利用して対応する周縁低部64に締め付けると(図46)、弾性シール部材80の各々は、対応するフランジ部112の下面、垂下部112aの内面、弾性シール部材118のチャンネル118Bの上端外側面及び周縁低部64の上面に圧接させられる。
【0071】
図47及び図48には、十字形ドレーン部材92の端部の各々及びこれらに対向する内側ストレートドレーン部材94の各々の連結部と、対応する周縁低部64との間の防水構造の更に他の実施形態が示されている。弾性シール部材80の各々には、突条80aが備えられていない。図47は図40に対応する図である。その他の構成は、図40に示されている構成と実質的に同じであるので説明は省略する。
【0072】
先に述べた如く、フランジ部112の各々をナット149及び雄ねじ部材66を利用して対応する周縁低部64に締め付けると(図48)、弾性シール部材80の各々は、対応するフランジ部112の下面、垂下部112aの内面、弾性シール部材118のフランジ部118Bの下面及び先端下部、弾性シール部材118のチャンネル部118Aの上端外側面及び周縁低部64の上面に圧接させられる。
【0073】
図49及び図50には、十字形ドレーン部材92の端部の各々及びこれらに対向する内側ストレートドレーン部材94の各々の連結部と、対応する周縁低部64との間の防水構造の更に他の実施形態が示されている。弾性シール部材80の各々には、突条80aが備えられていない。図49は図43に対応する図である。その他の構成は、図43に示されている構成と実質的に同じであるので説明は省略する。
【0074】
先に述べた如く、フランジ部112の各々をナット149及び雄ねじ部材66を利用して対応する周縁低部64に締め付けると(図50)、弾性シール部材80の各々は、対応するフランジ部112の下面、垂下部112aの内面、弾性シール部材118のフランジ部118Bの下面及び先端下部及び周縁低部64の上面に圧接させられる。
【0075】
図51及び図52には、十字形ドレーン部材92の端部の各々及びこれらに対向する内側ストレートドレーン部材94の各々の連結部と、対応する周縁低部64との間の防水構造の更に他の実施形態が示されている。弾性シール部材80の各々には、突条80aが備えられていない。図51は図45に対応する図である。その他の構成は、図45に示されている構成と実質的に同じであるので説明は省略する。
【0076】
先に述べた如く、フランジ部112の各々をナット149及び雄ねじ部材66を利用して対応する周縁低部64に締め付けると(図52)、弾性シール部材80の各々は、対応するフランジ部112の下面、垂下部112aの内面、弾性シール部材118のチャンネル部118Aの上端部外側面及び周縁低部64の上面に圧接させられる。
【0077】
図43〜図52を参照して説明した他の実施形態によっても、十字形ドレーン部材92の端部の各々及びこれらに対向する内側ストレートドレーン部材94の各々の連結部における防水効果が確実に得られる。
【0078】
図23、図34及び図35図を参照して、上記した十字形ドレーン部材92の端部の各々及びこれらに対向する内側ストレートドレーン部材94の各々の連結部と、対応する周縁低部64との間の防水構造と実質的に同じ如く、T字形ドレーン部材98の各々の端部及びこれらに対向する外側及び内側ストレートドレーン部材102及び94の各々の端部に嵌合された弾性シール部材142及び118の各々の一部と、T字形ドレーン部材98の各々における2個の角部に位置する2個のパネル60の角部における周縁低部64及び非対向周縁低部64Nに配設された弾性シール部材80の一部とが相互に圧接される。同様に、L字形ドレーン部材100の各々の両端端及びこれらに対向する外側ストレートドレーン部材102の各々の端部に嵌合された弾性シール部材142の各々の一部と、L字形ドレーン部材100の各々の角部に位置するパネル60の角部における非対向周縁低部64Nに配設された弾性シール部材80の一部とが相互に圧接される。上記圧接状態は、それぞれ、図40〜図52を参照して説明した圧接状態と実質的に同じであるので、更なる説明は省略する。その結果、T字形ドレーン部材98の各々の端部及びこれらに対向する外側及び内側ストレートドレーン部材102及び94の各々の端部との連結部、及びL字形ドレーン部材100の各々の両端端及びこれらに対向する外側ストレートドレーン部材102の各々の端部との連結部における防水効果が確実に得られる。特に、該連結部において、T字形ドレーン部材98の各々の端部とこれらに対向する外側及び内側ストレートドレーン部材102及び94の各々の端部間、及びL字形ドレーン部材100の各々の両端端とこれらに対向する外側ストレートドレーン部材102の各々の端部間にそれぞれ隙間が存在するにもかかわらず(図34)、相互に圧接された弾性シール部材142の一部と、対応する弾性シール部材80の一部とが圧接されるので、該連結部における防水効果は確実に達成される。
【0079】
図38、図39及び図56を参照して、内側ドレーンユニット90には、複数のカバー板150が上面を覆うよう配設される。図38に示されているように、金属製のカバー板150の各々は、フランジ部112の各々の垂下部112a間の幅よりも若干狭い一定の幅でストレートに延び、両側に垂下部150aが形成されている。カバー板150の各々の両側部には、長手方向に間隔をおいて貫通穴150bが形成されている。貫通穴150bは、フランジ部112の各々に固着された円筒状雌ねじ部材114に対応して形成されている。カバー板150の各々は、フランジ部112の各々の雌ねじ部材114の上端面に合成ゴムなどの弾性体からなるワッシャ152を介して載置され、カバー板150の各々の上面からワッシャ154を介して球面状の頭を有するボルト156により雌ねじ部材114の各々に分離可能に締結される。カバー板150の各々の上面は、パネル60の各々により形成される水平な床面より若干低い位置にある。図39に示されているように、フランジ部112の上面とカバー板150の下面及び垂下部112aの下端との間には隙間が存在するので、該隙間によりパネル60の上面からチャンネル部110への排水が行なわれる。カバー板150及び球面状の頭を有するボルト156は、車両の通過を円滑にする。弾性体からなるワッシャ152は、車両の通過による衝撃を緩和する。
【0080】
図53及び図56を参照して、外側ドレーンユニット96には、複数の金属製又は合成樹脂製のカバー板160が上面を覆うよう配設される。図53に示されているように、カバー板160の各々は、チャンネル部130の幅とフランジ部132の幅との合計よりもよりも若干狭い一定の幅でストレートに延びている。カバー板160の各々の両側部には、長手方向に間隔をおいて複数の貫通穴160aが形成されている。一側部に形成された貫通穴160aは、フランジ部135の裏面に溶着されたナット136に対応して形成され、他側部に形成された貫通穴160aは、フランジ部132に固着された円筒状雌ねじ部材134に対応して形成されている。カバー板160の各々は、一側部がフランジ部135の上面に載置され、他側部がフランジ部132の雌ねじ部材134の上端面に合成ゴムなどの弾性体からなるワッシャ162を介して載置され、カバー板160の各々の上面から球面状の頭を有する雄ねじ部材164によりナット136及び雌ねじ部材134の各々に分離可能に締結される。カバー板160の各々の上面は、パネル60の各々の本体62の上面により形成される水平な床面より若干低い位置にある。図53に示されているように、フランジ部132の上面とカバー板160の下面との間には隙間が存在するので、該隙間によりパネル60の上面からチャンネル部130への排水が行なわれる。カバー板160及び先に述べたカバー板150はまた、チャンネル部110及び130への異物の浸入を阻止する。
【0081】
図54及び図55には、それぞれ先に説明した如く一体に連結された、外側ストレートドレーン部材102、L字形ドレーン部材100、外側ストレートドレーン部材102、T字形ドレーン部材98、外側ストレートドレーン部材102及び内側ストレートドレーン部材94が、角部支柱2、辺部支柱4及び主梁8上に配設された状態が部分的に図示されている。L字形ドレーン部材100及びT字形ドレーン部材98に設けられた排水用連結管139には、合成樹脂製の排水管166の上端部が嵌合されている。
【0082】
図1、図13〜図15に一部が図示されているように、パネル60の各々によって、駐車場の床として利用される陸屋根FRが形成される。図57及び図58を参照して、陸屋根FRにおける幾つかのパネル60には、それぞれ一対のコンクリート製車止め170(図57及び図58においては1個の車止め170のみが図示されている)が固着手段により固着される。図示の車止め170は、水平横方向及び縦方向の断面が台形を有するコンクリート製ブロックから形成され、貫通穴170aが、環状の周縁部170aを残した中央に形成されている。貫通穴170aは、水平横方向及び縦方向の断面が上下が逆の台形を有している。車止め170が所定の位置に配置されるパネル60の表面であって、貫通穴170aに対応する位置には、けがきによって凹部60Uが形成される。車止め170は、貫通穴170aがパネル60の表面に形成された凹部60Uを覆うよう所定の位置に位置付けられる。所定の位置に位置付けられた車止め170の貫通穴170a内に図示しないコンクリートが流し込まれる。流し込まれたコンクリートは、凹部60U及び貫通穴170a内に充填される。車止め170は、車止め170の一部を構成する該コンクリートによってパネル60の表面における所定の位置にしっかりと固着される。上記固着手段は、凹部60Uと貫通穴170aに充填された該コンクリートとからなる。図示しない他の車止め170も、上記と同じ構成を有し、かつ同じ固着手段によりそれぞれ所定の位置にしっかりと固着される。上記車止め170は、自動車の車輪WHによる衝撃をしっかりと受け止め、ずれや破損等の発生が確実に回避される。
【0083】
図1、図15及び図57に一部が図示されているように、陸屋根FRの周縁、すなわちパネル60の各々の全体の周縁に位置する主梁8及び支柱2、4には、金属製のフェンス200が分離可能に配設される。フェンス200は、複数のフェンス用支柱202(以下単に支柱202と略称する)と、相互に隣り合う支柱202間に分離可能に取り付けられる矩形のフェンスユニット204とを備えている。図61〜図63を参照して、支柱202は、ウェブ202aとウェブ202a両端のフランジ202b及び202cとからなるH形鋼から形成されている。支柱202の下端部における片方のフランジ202bは除去され、該下端部におけるウェブ202aの両面の同じ位置には、共通部品からなりかつ、上下方向が長い矩形の連結板206が溶着されている。連結板206の各々は、ウェブ202aの両面から他方のフランジ202cと反対方向に、ウェブ202aの厚みと同じ隙間をおいて平行に一定の幅だけ延び出している。連結板206の各々の延び出した部分には上下方向に間隔を置いて3個の取付穴206aが形成されている。
【0084】
支柱202の、フランジ202bが除去された位置よりも上方位置であって、ウェブ202aの両面とフランジ202b及び202cとの間に形成されるチャンネル形空間の各々内の同じ高さ位置には、位置決め板208が溶着されている。位置決め板208の各々は、ウェブ202a、フランジ202b及び202cに直交するよう位置付けられる。片方のフランジ202bの外面には、チャンネル形の支持板210が取り付けられている。支持板210は、フランジ202bと同じ幅を有し、底板210aと、底板210aの両側から直角に同じ方向に同じ長さだけ延びる側板210bとからなり、側板210bの各々の先端が、フランジ202bの外面の、位置決め板208の各々を跨いだ位置に当接されて溶着される。
【0085】
図5〜図7に図示されているように、角部支柱2の各々の上端部の二つの角部外側面には、3個の取付穴32Ahを有する補強連結板32Aが配設されている。また図8及び図9に図示されているように、辺部支柱4の各々の上端部の一つの外側面には、3個の取付穴32Ahを有する補強連結板32Aが配設されている。他方、角部支柱2と辺部支柱4間の中央位置及び辺部支柱4の各々間の中央位置における、主梁8のウェブ8aの外側面には、それぞれ図示しない連結板が溶着されている。この図示しない連結板は、図12に示されている連結板38と同じような構成を有している。該連結板には上下方向に間隔をおいて3個の取付穴が形成されている。支柱202の各々は、各々の一対の連結板206が、対応する角部支柱2及び辺部支柱4の補強連結板32Aを挟んで、相互に整合される取付穴206a及び32Ahの各々を利用してボルト&ナットBN(図59)により締結される。また他の支柱202の各々は、各々の一対の連結板206が、主梁8の対応する図示しない連結板を挟んで、相互に整合される取付穴206a及び図示しない取付穴の各々を利用してボルト&ナット(図59)により締結される。支柱202の各々は、ウェブ202aの両面が梁8の延びる方向に向くよう位置付けられる。支柱202の各々は、外側ドレーンユニット96の外側から直立して配設される(主梁8に取り付けられる図示しない連結板の各々の水平方向幅は、角部支柱2及び辺部支柱4に取り付けられる補強連結板32Aの各々の水平方向幅よりも広く設定される)。
【0086】
相互に隣り合う支柱202の各々の支持板210間には、チャンネル形のガード板212の両端部が外側から重合され、ボルト&ナットBNにより締結される(図57、図59及び図62参照)。ガード板212は、車止め170を乗り越えて移動した自動車の車輪WHが当接してその阻止が阻止される高さに位置付けられる(図57)。
【0087】
図59及び図60を参照して、共通部品からなるフェンスユニット204の各々は、水平方向両端に位置する主縦枠220と、主縦枠220の上端部及び下端部間を水平に延びる主横枠222と、主横枠222の各々の中央間を延びる中央縦枠224と、中央縦枠224と主縦枠220の各々間をそれぞれ水平に延びる2本の中間横枠226とを備えている。主縦枠220、主横枠222及び中央縦枠224の各々は鋼製の中空角材から形成され、中間横枠226の各々は鋼製のパイプから形成されている。
【0088】
フェンスユニット204の各々は、各々の主縦枠220が相互に隣り合うフェンス用支柱202のウェブ202aとフランジ202b及び202cの各々とにより形成されるチャンネル形空間に挿入される。相互に隣り合うフェンス用支柱202のチャンネル形空間に挿入された主縦枠220の下端は、位置決め板208により受け止められ、装着位置が自動的に決められる。相互に隣り合うフェンス用支柱間202間の装着位置に挿入されたフェンスユニット204の主縦枠220はねじ締め手段である雄ねじ部材227、ワッシャ228及びナット229(図63)により締結される。このような構成は、フェンスユニット204の各々の、対応する支柱202の各々に対する装着及び分離作業を、容易に、確実にかつ迅速に行なうことを可能にする。
【0089】
図1に示されている立体駐車場は、図71の右上端位置に図示されているように陸屋根RFの一部領域を矩形状に突出して形成し、該一部領域と地面との間に斜路300を併設することにより、地面と陸屋根FRとの間の車両の昇降を可能にする。該突出部の幅は斜路300の幅にほぼ等しい。
【0090】
図64及び図67を参照して、斜路300は、複数対の支柱、実施形態においては3対の支柱302、304及び306を備えている。支柱対302、304及び306は、斜路300が延びる長手方向に所定の間隔をおいて配設され、それぞれ斜路300の幅方向に一定の間隔をおいて隣り合う同じ高さの支柱対302、304及び306からなる。支柱対302、304及び306は、陸屋根FRの一部領域方向に近いほど高さが増加する。支柱対302及び304はH形鋼からなり、支柱対306は角形鋼管からなる。支柱対302、304及び306の上端には、それぞれH形鋼からなる側梁308が、該長手方向に傾斜して延びるよう配設されている。側梁308の各々間には、該幅方向に延びる複数の横梁310が該長手方向に間隔をおいて配設されている。一対の側梁308及び一対の横梁310により平面矩形状の空間部Sが形成される。相互に実質的に同じ大きさを有する空間部Sは、該幅方向に長い矩形である。空間部Sを形成する一対の横梁310及び/又は一対の側梁308には、実施形態においては、一対の横梁310には、複数の、実施形態においては2個の支持板312が空間部S内に延び出すよう固着されている。支持板312は一対の横梁310の長手方向(斜路300の幅方向)両端部に配置されている。支持板312の構成及び横梁310に対する取付構成は、図16及び図17に図示されている支持板50の構成及び主梁8に対する取付構成と実質的に同じであるので、更なる説明は省略する。
【0091】
空間部Sを形成する一対の側梁308及び一対の横梁310と空間部S内に延び出す支持板312の各々の上面は、共通の傾斜面上に位置付けられる。相互に実質的に同じ構成を有する矩形状のコンクリート製パネル320が空間部Sの各々を上から覆うよう載置されて、支持板312の各々にねじ締め手段により分離可能に連結される。
【0092】
図68〜図70を参照して、パネル320は、幅方向(斜路300の幅方向)に長い矩形を有しかつ一定の厚みを有しており、該幅方向両側部に近い位置であって縦方向両端部(斜路300の長手方向両端部)には、円筒状の雌ねじ部材322が埋設されている。雌ねじ部材322は、パネル320の上面及び下面に開口する。パネル320の該幅方向両側部の上面には、それぞれ排水溝324が、斜路300の傾斜面の高い位置に配置される該縦方向の一端(図68及び図70において上端)から該傾斜面の低い位置に配置される他端(図68及び図70において下端)にわたって形成されている。そして、該両側部間の領域であって該幅方向の中央部によって区画される二つの領域の上面には、それぞれ該縦方向に間隔をおいて相互に平行に延びる複数の滑り止め用の溝326が、該縦方向の一端から排水溝324まで、該中央部から排水溝324まで及び該中央部から該縦方向の他端まで、それぞれ平面から見て該縦方向の一端から他端方向に傾斜して形成されている。滑り止め用の溝326の各々横断面はV字形である(図69)。
【0093】
パネル320の各々は対応する空間部S(図67)の各々を上から覆うよう載置されて、支持板312の各々に形成された図示しない貫通穴に整合された雌ねじ部材322に支持板312の各々の下面から図示しないボルトをねじ込むことにより、支持板312の各々上に締結される。雌ねじ部材322の各々及び図示しないボルトは上記ねじ締め手段を構成する。斜路300の、最も低い支柱対302と地面との間には、適宜のコンクリート製補助パネル328及び329が配置され、滑らかに連結される(図64〜図66参照)。側梁308の各々には先に述べたのと同じ如く、フェンス200が配設される。
【0094】
斜路300のパネル320の各々に形成された複数の滑り止め用の溝326は、自動車の車輪のスキップを防止するとともに、雨水を排水溝324の各々に向けて排水する機能を有している。斜路300のパネル320の各々間の隙間には、モルタルが詰められ、モルタルの表面にアスファルトなどの防水材が施される。斜路300は組立及び分解が容易であり、しかも排水性に優れている。更には、車両の安定した昇降走行も保証される。
【0095】
図1〜図71を参照して説明した組立式立体構造物は、一階の空間及び陸屋根FRが共に駐車場として利用される立体駐車場として構成されているが、空間の一部又は全部を側壁ユニットで覆うことによって、駐車場以外の組立式立体構造物、例えば事務所、店舗、倉庫などの組立式立体構造物として利用することも可能である。
【0096】
側壁ユニット400を備えた組立式立体構造物の一部が図示されている図72〜図74を参照して、相互に隣り合う一対の支柱402及び404間には、上下方向に間隔をおいて一対の梁406及び408が配設されている。支柱402及び404は中空角材から形成されかつ各々の一側面402a及び404a同士が水平方向に対向している。梁406及び408の各々は、ウェブ406a、408aと、ウェブ406a、408a両端のフランジ406b、408bとからなるH形鋼から形成されている。上側の梁406の下側のフランジ406bの下面と下側の梁408の上側のフランジ408bの上面とが上下に対向して位置付けられる。支柱402の各々の一側面402a及び404aと上側の梁406の下側のフランジ406bの下面と下側の梁408の上側のフランジ408bの上面とにより矩形の空間Sが形成される。
【0097】
空間Sの内周面には、断面L形の複数の支持枠410が溶着される。支持枠410の各々は、相互に直角をなす固着面410aと取付面410bとを備えている。固着面410aと取付面410bは何れもL形の外側面である。そして、支持枠410の各々の固着面410aが、空間Sを形成する支柱402及び404の各々の一側面402a及び404aと上側の梁406の下側のフランジ406bの下面と下側の梁408の上側のフランジ408bの上面に矩形状に連続して溶着される。これら支持枠410の各々の取付面410bによって、所定の幅で矩形状に延びかつ共通の鉛直面上に位置付けられる連続した取付面410bが形成される。
【0098】
矩形状の側壁ユニット400は、矩形状の外枠420を備え、外枠420は中空角材から形成される。外枠420には複数の袋状の雌ねじ部材422が埋設され、側壁ユニット400の片面に開口している。支持枠410の各々の連続した取付面410bには、雌ねじ部材422に対応して複数の貫通穴412が形成されている。側壁ユニット400が、空間部S内に嵌合される。側壁ユニット400の支持枠410の各々の外周面は、空間部S内に僅かな隙間をもって分離可能に位置付けられる。側壁ユニット400の外枠420の該片面側が、支持枠410の各々の連続した取付面410bに、帯状の弾性シール部材424を介して当接され、ボルト426及び雌ねじ部材422の各々により分離可能に締結される。弾性シール部材424は、防水性を有する合成ゴムから形成される。ボルト426及び雌ねじ部材422の各々はねじ締め手段を構成する。ボルト426が存在する支持枠410の各々の内側(室内側)は、化粧版428により覆われる。
【0099】
このように、側壁ユニット400は、相互に隣り合う一対の支柱402及び404と、該支柱402及び404の各々間において上下方向に間隔をおいて配設された一対の梁406及び408とによって形成される矩形空間部S内の連続した取付面410bに側壁ユニット400の外枠420を弾性シール部材424を介してねじ締め手段により締結するだけの簡単な作業により、分離可能に確実に装着され、しかも完全な防水効果を得ることが可能である。
【0100】
図75には、本発明に係る組立式立体構造物の更に他の実施形態である立体駐車場が図示されている。この立体駐車場は、1〜3階及びドレーンユニットDUを含む陸屋根FRの全てが駐車場として利用される。
【0101】
図76には、本発明に係る組立式立体構造物の更に他の実施形態が図示されている。この組立式立体構造物は、1階の空間が複数の上記側壁ユニット400に囲まれた事務所、ドレーンユニットDUを含む陸屋根FRが駐車場としてそれぞれ利用される。
【0102】
図77(一部分解図)及び図78(完成図)には、本発明に係る組立式立体構造物の更に他の実施形態が図示されている。この組立式立体構造物は、1階が駐車場、2階の空間が複数の上記側壁ユニット400に囲まれた事務所としてそれぞれ利用され、ドレーンユニットDUを含む陸屋根FRは単なる屋根である。
【0103】
図79には、本発明に係る組立式立体構造物の更に他の実施形態が図示されている。この組立式立体構造物は、1階〜3階の空間がそれぞれ複数の上記側壁ユニット400に囲まれた事務所であって、ドレーンユニットDUを含む陸屋根FRは単なる屋根である。
【0104】
図80には、本発明に係る組立式立体構造物の更に他の実施形態が図示されている。この組立式立体構造物は、ドレーンユニットDUを含む陸屋根FRが棚ないし床として利用される。
【符号の説明】
【0105】
2:角部支柱
4:辺部支柱
6:中央部支柱
8:主梁
10:中間梁
50:支持板
60:コンクリート製パネル
62:本体
64:周縁低部
80:弾性シール部材
90:内側ドレーンユニット
96:外側ドレーンユニット
DU:ドレーンユニット
S:空間部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の支柱と、相互に隣り合う該支柱の上端部間に分離可能に連結される梁を含む複数の梁であって平面から見て格子状に配列されかつ相互に分離可能に連結された複数の梁とを備え、該支柱及び該梁の各々の上面は共通の水平面上に位置付けられ、該複数の梁においてそれぞれ相互に間隔をおいて平行に対向する2対の梁からなる組によって平面矩形状に区画された空間部が複数個形成され、該梁の組の各々の上面には、矩形状のコンクリート製パネルが該空間部を上から覆うよう配設される組立式立体構築物において、
該梁の組の各々において、該梁の各々には少なくとも1個の支持板が該空間部内に延び出すよう固着され、該支持板の各々の上面は該水平面上に位置付けられ、該パネルの各々は、矩形本体と、該本体の周縁を所定の幅及び該本体の上面よりも低い上面をもって延びる周縁低部とを備えるとともに、該周縁低部の底面が該梁の組の各々の上面に載置されかつ該本体の周縁部の底面が該支持板の各々の上面に載置されて該支持板の各々にねじ締め手段により分離可能に連結され、
該パネルの各々の該周縁低部の上面には帯状の弾性シール部材が配設され、相互に隣り合う該パネルの各々の相互に隣り合う周縁低部は水平方向に隙間をおいて平行に対向し、該隙間は、平面から見て格子状に連続して形成され、
該隙間には格子状に連続する内側ドレーンユニットが配置され、該内側ドレーンユニットは、該周縁低部の該弾性シール部材の上面からねじ締め手段により該周縁低部に分離可能に連結される、
ことを特徴とする組立式立体構築物。
【請求項2】
該パネル全体において、他のパネルの周縁低部と対向しない非対向周縁低部を有するパネルの該非対向周縁低部の各々により形成される該パネル全体の外周縁部の全領域又は一部領域を除く他の全領域には、連続して延びるとともに、該内側ドレーンユニットとシール手段を介してねじ締め手段により分離可能に連結される外側ドレーンユニットが配設され、該外側ドレーンユニットは、該非対向周縁低部の該弾性シール部材の上面からねじ締め手段により該非対向周縁低部に分離可能に連結される、請求項1記載の組立式立体構造物。
【請求項3】
該内側ドレーンユニットは、それぞれ平面から見て、少なくとも1個の十字形ドレーン部材と、該十字形ドレーン部材の4個の端部に、対向する端部がそれぞれシール手段を介してねじ締め手段により相互に接近する方向に圧接されて分離可能に連結される内側ストレートドレーン部材とを備え、
該外側ドレーンユニットは、それぞれ平面から見て、ストレートに延びる主部及び該主部の中央から直角に延び出す支部を有する複数のT字形ドレーン部材と、複数のL字形ドレーン部材と、該T字形ドレーン部材の各々の該主部の両端部及び該L字形ドレーン部材の各々の両端部に、それぞれ対向する端部がそれぞれシール手段を介してねじ締め手段により相互に接近する方向に圧接されて分離可能に連結される外側ストレートドレーン部材とを備え、
該外側ドレーンユニットの該T字形ドレーン部材の各々の該支部の端部と、該内側ドレーンユニットの、対応する内側ストレートドレーン部材の端部とは、該シール手段を介して該ねじ締め手段により相互に接近する方向に圧接されて分離可能に連結される、請求項2記載の組立式立体構築物。
【請求項4】
該内側ドレーンユニットの該十字形ドレーン部材及び該内側ストレートドレーン部材の各々は、金属板からなり、かつ上方に開放されたチャンネル部とチャンネル部の上端の各々から相互に水平反対方向に延びるフランジ部とを備えるとともに、該チャンネル部が該隙間に挿入されかつ該フランジ部の各々が、該隙間を挟んで対向する該周縁低部の該弾性シール部材の上面に載置されて該ねじ締め手段により該周縁低部に分離可能に連結され、
該外側ドレーンユニットの該T字形ドレーン部材、該L字形ドレーン部材及び該外側ストレートドレーン部材の各々は、金属板からなり、かつ該T字形ドレーン部材の各々の該主部の両端部、該L字形ドレーン部材及び該外側ストレートドレーン部材の各々は、上方に開放されたチャンネル部とチャンネル部の上端の一方から水平外方向に延びるフランジ部とを備えるとともに、該フランジ部が該全領域又は該他の全領域における該非対向周縁低部の該弾性シール部材の上面に載置されて該ねじ締め手段により該非対向周縁低部に分離可能に連結され、
該外側ドレーンユニットの該T字形ドレーン部材の各々の該支部は、該内側ドレーンユニットの該内側ストレートドレーン部材と同じ形状及び大きさを有する該チャンネル部及び該フランジ部を備え、かつ該チャンネル部が該隙間に挿入されかつ該フランジ部の各々が、該隙間を挟んで対向する該周縁低部の該弾性シール部材の上面に載置されて該ねじ締め手段により該周縁低部に分離可能に連結される、請求項3記載の組立式立体構造物。
【請求項5】
該内側ドレーンユニットの該十字形ドレーン部材と該内側ストレートドレーン部材との間に介在される該シール手段の各々は、該十字形ドレーン部材の該端部の各々及びこれらに対向する該内側ストレートドレーン部材の各々の該端部における少なくとも該チャンネル部に嵌合されたチャンネル形断面を有する弾性シール部材からなり、該十字形ドレーン部材の該端部の各々及びこれらに対向する該内側ストレートドレーン部材の該端部の各々の該チャンネル部の内面でありかつ嵌合された該弾性シール部材の内側には、矩形横断面を有するU形フランジ部材が固着され、該ねじ締め手段の各々は、該U形フランジ部材の各々の内側に配置された矩形の輪郭を有する押圧部材であって中央に取付穴が、該取付穴の周囲に複数の通水穴が、それぞれ形成された押圧部材と、該押圧部材の各々の該取付穴を貫通するボルトと該ボルトにねじ込まれるナットとを含み、該ボルト及び該ナットによるねじ締めにより、該押圧部材及び該U形フランジ部材を介して該十字形ドレーン部材の該端部の各々及びこれらに対向する該内側ストレートドレーン部材の該端部の各々を該弾性シール部材の各々を介して相互に接近する方向に圧縮させた状態で分離可能に連結し、該十字形ドレーン部材の該端部の各々及びこれらに対向する該内側ストレートドレーン部材の各々の該端部に嵌合された該弾性シール部材の各々の一部と、該十字形ドレーン部材の4個の角部に位置する4個の該パネルの角部における該周縁低部に配設された該弾性シール部材の一部とが相互に圧接される、請求項4に記載の組立式立体構造物。
【請求項6】
該外側ドレーンユニットの該T字形ドレーン部材の各々の該主部及び該L字形ドレーン部材の各々と該外側ストレートドレーン部材の各々との間に介在される該シール手段の各々は、該T字形ドレーン部材の各々の該主部の該両端部及び該L字形ドレーン部材の各々の該両端部及びこれらに対向する該外側ストレートドレーン部材の各々の該端部における少なくとも該チャンネル部に嵌合されたチャンネル形断面を有する弾性シール部材からなり、該T字形ドレーン部材の各々の該主部の該両端部及び該L字形ドレーン部材の各々の該両端部及びこれらに対向する該外側ストレートドレーン部材の各々の該端部におけるチャンネル部の内面でありかつ嵌合された該弾性シール部材の各々の内側には、矩形横断面を有するU形フランジ部材が固着され、該ねじ締め手段の各々は、該U形フランジ部材の各々の内側に配置された矩形の輪郭を有する押圧部材であって中央に取付穴が、該取付穴の周囲に複数の通水穴が、それぞれ形成された押圧部材と、該押圧部材の各々の該取付穴を貫通するボルトと該ボルトにねじ込まれるナットとを含み、該ボルト及び該ナットによるねじ締めにより、該押圧部材及び該U形フランジ部材を介して該T字形ドレーン部材の各々の該主部の該両端部及び該L字形ドレーン部材の各々の該両端部及びこれらに対向する該外側ストレートドレーン部材の各々の該端部を該弾性シール部材の各々を介して相互に接近する方向に圧縮させた状態で分離可能に連結し、
該外側ドレーンユニットの該T字形ドレーン部材の各々の該支部と、該内側ドレーンユニットの該内側ストレートドレーン部材との間に介在される該シール手段の各々は、該T字形ドレーン部材の各々の該支部における該端部及びこれに対向する該内側ストレートドレーン部材の該端部における少なくとも該チャンネル部に嵌合されたチャンネル形断面を有する弾性シール部材からなり、該支部の該端部及びこれに対向する該内側ストレートドレーン部材の該端部の該チャンネル部の内面でありかつ嵌合された該弾性シール部材の内側には、矩形横断面を有するU形フランジ部材が固着され、該ねじ締め手段は、該U形フランジ部材の各々の内側に配置された矩形の輪郭を有する押圧部材であって中央に取付穴が、該取付穴の周囲に複数の通水穴が、それぞれ形成された押圧部材と、該押圧部材の各々の該取付穴を貫通するボルトと該ボルトにねじ込まれるナットとを含み、該ボルト及び該ナットによるねじ締めにより、該押圧部材及び該U形フランジ部材を介して該T字形ドレーン部材の各々の該支部の該端部及びこれに対向する該内側ストレートドレーン部材の該端部を該弾性シール部材の各々を介して相互に接近する方向に圧縮させた状態で分離可能に連結し、
該T字形ドレーン部材の各々の該端部及びこれらに対向する該外側及び該内側ストレートドレーン部材の各々の該端部に嵌合された該弾性シール部材の各々の一部と、該T字形ドレーン部材の各々における2個の角部に位置する2個の該パネルの角部における該周縁低部及び非対向周縁低部に配設された該弾性シール部材の一部とが相互に圧接され、該L字形ドレーン部材の各々の該両端端及びこれらに対向する該外側ストレートドレーン部材の各々の該端部に嵌合された該弾性シール部材の各々の一部と、該L字形ドレーン部材の各々の角部に位置する該パネルの角部における該非対向周縁低部に配設された該弾性シール部材の一部とが相互に圧接される、請求項4に記載の組立式立体構造物。
【請求項7】
該内側及び外側ドレーンユニットの該フランジ部が、対応する該パネルの該周縁低部及び該非対向周縁低部に該弾性シール部材を介して連結される該ねじ締め手段は、上端部が該周縁低部及び該非対向周縁低部の上面から延び出すよう埋設された複数の雄ねじ部材と該雄ねじ部材にねじ結合されるナットとを含み、該弾性シール部材には、該雄ねじ部材が貫通可能な貫通穴又は貫通可能部が形成され、該フランジ部には、該雄ねじ部材が貫通可能な貫通穴が形成されている、請求項4記載の組立式立体構造物。
【請求項8】
該支持板の各々には貫通穴が形成され、該パネルの各々が該支持板の各々に分離可能に締結される該ねじ締め手段は、該本体の周縁部に埋設されかつ該周縁部の上面及び底面に開口する複数の円筒状雌ねじ部材と、該支持板の各々の該貫通穴を通して、該円筒状雌ねじ部材にねじ結合されるボルトとを含み、該空間部を形成する該梁の組の各々において、少なくとも4個の該支持板の各々における該貫通穴の内周面には雌ねじが形成され、該雌ねじの各々の内径は、該パネルに埋設された該円筒状雌ねじ部材にねじ結合される該ボルトの外径よりも大きく形成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組立式立体構造物。
【請求項9】
該支持板の各々には貫通穴が形成され、該パネルの各々が該支持板の各々に分離可能に締結される該ねじ締め手段は、該本体の周縁部に埋設されかつ該周縁部の上面及び底面に開口する複数の円筒状雌ねじ部材と、該支持板の各々の該貫通穴を通して、該円筒状雌ねじ部材にねじ結合されるボルトとを含み、該パネルの各々における該円筒状雌ねじ部材の各々には、該周縁部の上面から弾性シール部材を介して球面状の頭を有する雄ねじ部材が分離可能に締結される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組立式立体構造物。
【請求項10】
該パネル全体の周縁に位置する該梁及び該支柱には、フェンスが分離可能に配設され、該フェンスは、該梁及び該支柱の外側に相互に間隔をおいて分離可能に取り付けられて該外側ドレーンユニットの外側から直立する複数のフェンス用支柱と、相互に隣り合う該フェンス用支柱間に分離可能に取り付けられる矩形のフェンスユニットとを備え、該フェンス用支柱の各々は、ウェブと該ウェブ両端のフランジとからなるH形鋼から形成されかつウェブの両面が該梁の延びる方向に向くよう位置付けられ、該フェンスユニットの各々の水平方向両端は中空角材からなる縦枠から形成され、該フェンスユニットの各々は、各々の縦枠が対応する該フェンス用支柱のウェブとフランジの各々とにより形成されるチャンネル形空間に挿入されてねじ締め手段により分離可能に連結され、
該フェンス用支柱の各々の該チャンネル形空間には、挿入された該フェンスユニットの縦枠の下端を受け止めて該フェンス用支柱の各々の装着位置を決める位置決め板が固着されている、請求項1記載の組立式立体構造物。
【請求項11】
該パネルの各々によって陸屋根が形成され、該陸屋根の一部領域と地面との間には斜路が配設され、該斜路は、該斜路が延びる長手方向に所定の間隔をおいて配設された複数対の支柱であって、それぞれ該斜路の幅方向に一定の間隔をおいて隣り合う同じ高さの支柱の対からなりかつ該陸屋根の一部領域方向に近いほど高さが増加する複数対の支柱と、該複数対の支柱の上端を該幅方向に間隔を置いて平行に該長手方向に傾斜して延びるよう配設された一対の側梁と、該側梁の各々間を該幅方向に延びるよう配設された複数の横梁とを備え、一対の側梁及び一対の横梁により平面矩形状の空間部が複数個形成され、一対の横梁及び/又は一対の側梁には複数の支持板が該空間部内に延び出すよう固着され、該空間部を形成する該一対の側梁及び該一対の横梁と該空間部内に延び出す該支持板の各々とは、共通の傾斜面上に位置付けられ、矩形状のコンクリート製パネルが該空間部の各々を上から覆うよう載置されて、該支持板の各々にねじ締め手段により分離可能に連結され、
該パネルの各々の該幅方向両側部の上面には、それぞれ排水溝が、該斜路の傾斜面の高い位置に配置される該長手方向の一端から該斜路の傾斜面の低い位置に配置される他端にわたって形成されかつ、該両側部間の領域であって該幅方向の中央部によって区画される二つの領域の上面には、それぞれ該長手方向に間隔をおいて相互に平行に延びる複数の滑り止め用の溝が、該縦方向の一端から排水溝まで、該中央部から排水溝まで及び該中央部から該縦方向の他端まで、それぞれ平面から見て該縦方向の一端から他端方向に傾斜して形成されている、請求項1記載の組立式立体構造物。
【請求項12】
相互に隣り合う一対の該支柱間には、上下方向に間隔をおいて一対の梁が配設され、該支柱は中空角材から形成されかつ各々の一側面同士が水平方向に対向し、該梁の各々が、ウェブと該ウェブ両端のフランジとからなるH形鋼から形成されかつ上側の梁の下側のフランジの下面と下側の梁の上側のフランジの上面とが上下に対向して、該支柱の各々の一側面と該上側の梁の下側のフランジの下面と該下側の梁の上側のフランジの上面とにより矩形の空間が形成され、該空間の内周面には、断面L形の支持枠によって、所定の幅で矩形状に延びかつ共通の鉛直面上に位置付けられる取付面が配設され、該取付面には、矩形状の側壁ユニットが帯状の弾性シール部材を介してねじ締め手段によって分離可能に取り付けられる、請求項1記載の組立式立体構造物。
【請求項1】
複数の支柱と、相互に隣り合う該支柱の上端部間に分離可能に連結される梁を含む複数の梁であって平面から見て格子状に配列されかつ相互に分離可能に連結された複数の梁とを備え、該支柱及び該梁の各々の上面は共通の水平面上に位置付けられ、該複数の梁においてそれぞれ相互に間隔をおいて平行に対向する2対の梁からなる組によって平面矩形状に区画された空間部が複数個形成され、該梁の組の各々の上面には、矩形状のコンクリート製パネルが該空間部を上から覆うよう配設される組立式立体構築物において、
該梁の組の各々において、該梁の各々には少なくとも1個の支持板が該空間部内に延び出すよう固着され、該支持板の各々の上面は該水平面上に位置付けられ、該パネルの各々は、矩形本体と、該本体の周縁を所定の幅及び該本体の上面よりも低い上面をもって延びる周縁低部とを備えるとともに、該周縁低部の底面が該梁の組の各々の上面に載置されかつ該本体の周縁部の底面が該支持板の各々の上面に載置されて該支持板の各々にねじ締め手段により分離可能に連結され、
該パネルの各々の該周縁低部の上面には帯状の弾性シール部材が配設され、相互に隣り合う該パネルの各々の相互に隣り合う周縁低部は水平方向に隙間をおいて平行に対向し、該隙間は、平面から見て格子状に連続して形成され、
該隙間には格子状に連続する内側ドレーンユニットが配置され、該内側ドレーンユニットは、該周縁低部の該弾性シール部材の上面からねじ締め手段により該周縁低部に分離可能に連結される、
ことを特徴とする組立式立体構築物。
【請求項2】
該パネル全体において、他のパネルの周縁低部と対向しない非対向周縁低部を有するパネルの該非対向周縁低部の各々により形成される該パネル全体の外周縁部の全領域又は一部領域を除く他の全領域には、連続して延びるとともに、該内側ドレーンユニットとシール手段を介してねじ締め手段により分離可能に連結される外側ドレーンユニットが配設され、該外側ドレーンユニットは、該非対向周縁低部の該弾性シール部材の上面からねじ締め手段により該非対向周縁低部に分離可能に連結される、請求項1記載の組立式立体構造物。
【請求項3】
該内側ドレーンユニットは、それぞれ平面から見て、少なくとも1個の十字形ドレーン部材と、該十字形ドレーン部材の4個の端部に、対向する端部がそれぞれシール手段を介してねじ締め手段により相互に接近する方向に圧接されて分離可能に連結される内側ストレートドレーン部材とを備え、
該外側ドレーンユニットは、それぞれ平面から見て、ストレートに延びる主部及び該主部の中央から直角に延び出す支部を有する複数のT字形ドレーン部材と、複数のL字形ドレーン部材と、該T字形ドレーン部材の各々の該主部の両端部及び該L字形ドレーン部材の各々の両端部に、それぞれ対向する端部がそれぞれシール手段を介してねじ締め手段により相互に接近する方向に圧接されて分離可能に連結される外側ストレートドレーン部材とを備え、
該外側ドレーンユニットの該T字形ドレーン部材の各々の該支部の端部と、該内側ドレーンユニットの、対応する内側ストレートドレーン部材の端部とは、該シール手段を介して該ねじ締め手段により相互に接近する方向に圧接されて分離可能に連結される、請求項2記載の組立式立体構築物。
【請求項4】
該内側ドレーンユニットの該十字形ドレーン部材及び該内側ストレートドレーン部材の各々は、金属板からなり、かつ上方に開放されたチャンネル部とチャンネル部の上端の各々から相互に水平反対方向に延びるフランジ部とを備えるとともに、該チャンネル部が該隙間に挿入されかつ該フランジ部の各々が、該隙間を挟んで対向する該周縁低部の該弾性シール部材の上面に載置されて該ねじ締め手段により該周縁低部に分離可能に連結され、
該外側ドレーンユニットの該T字形ドレーン部材、該L字形ドレーン部材及び該外側ストレートドレーン部材の各々は、金属板からなり、かつ該T字形ドレーン部材の各々の該主部の両端部、該L字形ドレーン部材及び該外側ストレートドレーン部材の各々は、上方に開放されたチャンネル部とチャンネル部の上端の一方から水平外方向に延びるフランジ部とを備えるとともに、該フランジ部が該全領域又は該他の全領域における該非対向周縁低部の該弾性シール部材の上面に載置されて該ねじ締め手段により該非対向周縁低部に分離可能に連結され、
該外側ドレーンユニットの該T字形ドレーン部材の各々の該支部は、該内側ドレーンユニットの該内側ストレートドレーン部材と同じ形状及び大きさを有する該チャンネル部及び該フランジ部を備え、かつ該チャンネル部が該隙間に挿入されかつ該フランジ部の各々が、該隙間を挟んで対向する該周縁低部の該弾性シール部材の上面に載置されて該ねじ締め手段により該周縁低部に分離可能に連結される、請求項3記載の組立式立体構造物。
【請求項5】
該内側ドレーンユニットの該十字形ドレーン部材と該内側ストレートドレーン部材との間に介在される該シール手段の各々は、該十字形ドレーン部材の該端部の各々及びこれらに対向する該内側ストレートドレーン部材の各々の該端部における少なくとも該チャンネル部に嵌合されたチャンネル形断面を有する弾性シール部材からなり、該十字形ドレーン部材の該端部の各々及びこれらに対向する該内側ストレートドレーン部材の該端部の各々の該チャンネル部の内面でありかつ嵌合された該弾性シール部材の内側には、矩形横断面を有するU形フランジ部材が固着され、該ねじ締め手段の各々は、該U形フランジ部材の各々の内側に配置された矩形の輪郭を有する押圧部材であって中央に取付穴が、該取付穴の周囲に複数の通水穴が、それぞれ形成された押圧部材と、該押圧部材の各々の該取付穴を貫通するボルトと該ボルトにねじ込まれるナットとを含み、該ボルト及び該ナットによるねじ締めにより、該押圧部材及び該U形フランジ部材を介して該十字形ドレーン部材の該端部の各々及びこれらに対向する該内側ストレートドレーン部材の該端部の各々を該弾性シール部材の各々を介して相互に接近する方向に圧縮させた状態で分離可能に連結し、該十字形ドレーン部材の該端部の各々及びこれらに対向する該内側ストレートドレーン部材の各々の該端部に嵌合された該弾性シール部材の各々の一部と、該十字形ドレーン部材の4個の角部に位置する4個の該パネルの角部における該周縁低部に配設された該弾性シール部材の一部とが相互に圧接される、請求項4に記載の組立式立体構造物。
【請求項6】
該外側ドレーンユニットの該T字形ドレーン部材の各々の該主部及び該L字形ドレーン部材の各々と該外側ストレートドレーン部材の各々との間に介在される該シール手段の各々は、該T字形ドレーン部材の各々の該主部の該両端部及び該L字形ドレーン部材の各々の該両端部及びこれらに対向する該外側ストレートドレーン部材の各々の該端部における少なくとも該チャンネル部に嵌合されたチャンネル形断面を有する弾性シール部材からなり、該T字形ドレーン部材の各々の該主部の該両端部及び該L字形ドレーン部材の各々の該両端部及びこれらに対向する該外側ストレートドレーン部材の各々の該端部におけるチャンネル部の内面でありかつ嵌合された該弾性シール部材の各々の内側には、矩形横断面を有するU形フランジ部材が固着され、該ねじ締め手段の各々は、該U形フランジ部材の各々の内側に配置された矩形の輪郭を有する押圧部材であって中央に取付穴が、該取付穴の周囲に複数の通水穴が、それぞれ形成された押圧部材と、該押圧部材の各々の該取付穴を貫通するボルトと該ボルトにねじ込まれるナットとを含み、該ボルト及び該ナットによるねじ締めにより、該押圧部材及び該U形フランジ部材を介して該T字形ドレーン部材の各々の該主部の該両端部及び該L字形ドレーン部材の各々の該両端部及びこれらに対向する該外側ストレートドレーン部材の各々の該端部を該弾性シール部材の各々を介して相互に接近する方向に圧縮させた状態で分離可能に連結し、
該外側ドレーンユニットの該T字形ドレーン部材の各々の該支部と、該内側ドレーンユニットの該内側ストレートドレーン部材との間に介在される該シール手段の各々は、該T字形ドレーン部材の各々の該支部における該端部及びこれに対向する該内側ストレートドレーン部材の該端部における少なくとも該チャンネル部に嵌合されたチャンネル形断面を有する弾性シール部材からなり、該支部の該端部及びこれに対向する該内側ストレートドレーン部材の該端部の該チャンネル部の内面でありかつ嵌合された該弾性シール部材の内側には、矩形横断面を有するU形フランジ部材が固着され、該ねじ締め手段は、該U形フランジ部材の各々の内側に配置された矩形の輪郭を有する押圧部材であって中央に取付穴が、該取付穴の周囲に複数の通水穴が、それぞれ形成された押圧部材と、該押圧部材の各々の該取付穴を貫通するボルトと該ボルトにねじ込まれるナットとを含み、該ボルト及び該ナットによるねじ締めにより、該押圧部材及び該U形フランジ部材を介して該T字形ドレーン部材の各々の該支部の該端部及びこれに対向する該内側ストレートドレーン部材の該端部を該弾性シール部材の各々を介して相互に接近する方向に圧縮させた状態で分離可能に連結し、
該T字形ドレーン部材の各々の該端部及びこれらに対向する該外側及び該内側ストレートドレーン部材の各々の該端部に嵌合された該弾性シール部材の各々の一部と、該T字形ドレーン部材の各々における2個の角部に位置する2個の該パネルの角部における該周縁低部及び非対向周縁低部に配設された該弾性シール部材の一部とが相互に圧接され、該L字形ドレーン部材の各々の該両端端及びこれらに対向する該外側ストレートドレーン部材の各々の該端部に嵌合された該弾性シール部材の各々の一部と、該L字形ドレーン部材の各々の角部に位置する該パネルの角部における該非対向周縁低部に配設された該弾性シール部材の一部とが相互に圧接される、請求項4に記載の組立式立体構造物。
【請求項7】
該内側及び外側ドレーンユニットの該フランジ部が、対応する該パネルの該周縁低部及び該非対向周縁低部に該弾性シール部材を介して連結される該ねじ締め手段は、上端部が該周縁低部及び該非対向周縁低部の上面から延び出すよう埋設された複数の雄ねじ部材と該雄ねじ部材にねじ結合されるナットとを含み、該弾性シール部材には、該雄ねじ部材が貫通可能な貫通穴又は貫通可能部が形成され、該フランジ部には、該雄ねじ部材が貫通可能な貫通穴が形成されている、請求項4記載の組立式立体構造物。
【請求項8】
該支持板の各々には貫通穴が形成され、該パネルの各々が該支持板の各々に分離可能に締結される該ねじ締め手段は、該本体の周縁部に埋設されかつ該周縁部の上面及び底面に開口する複数の円筒状雌ねじ部材と、該支持板の各々の該貫通穴を通して、該円筒状雌ねじ部材にねじ結合されるボルトとを含み、該空間部を形成する該梁の組の各々において、少なくとも4個の該支持板の各々における該貫通穴の内周面には雌ねじが形成され、該雌ねじの各々の内径は、該パネルに埋設された該円筒状雌ねじ部材にねじ結合される該ボルトの外径よりも大きく形成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組立式立体構造物。
【請求項9】
該支持板の各々には貫通穴が形成され、該パネルの各々が該支持板の各々に分離可能に締結される該ねじ締め手段は、該本体の周縁部に埋設されかつ該周縁部の上面及び底面に開口する複数の円筒状雌ねじ部材と、該支持板の各々の該貫通穴を通して、該円筒状雌ねじ部材にねじ結合されるボルトとを含み、該パネルの各々における該円筒状雌ねじ部材の各々には、該周縁部の上面から弾性シール部材を介して球面状の頭を有する雄ねじ部材が分離可能に締結される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組立式立体構造物。
【請求項10】
該パネル全体の周縁に位置する該梁及び該支柱には、フェンスが分離可能に配設され、該フェンスは、該梁及び該支柱の外側に相互に間隔をおいて分離可能に取り付けられて該外側ドレーンユニットの外側から直立する複数のフェンス用支柱と、相互に隣り合う該フェンス用支柱間に分離可能に取り付けられる矩形のフェンスユニットとを備え、該フェンス用支柱の各々は、ウェブと該ウェブ両端のフランジとからなるH形鋼から形成されかつウェブの両面が該梁の延びる方向に向くよう位置付けられ、該フェンスユニットの各々の水平方向両端は中空角材からなる縦枠から形成され、該フェンスユニットの各々は、各々の縦枠が対応する該フェンス用支柱のウェブとフランジの各々とにより形成されるチャンネル形空間に挿入されてねじ締め手段により分離可能に連結され、
該フェンス用支柱の各々の該チャンネル形空間には、挿入された該フェンスユニットの縦枠の下端を受け止めて該フェンス用支柱の各々の装着位置を決める位置決め板が固着されている、請求項1記載の組立式立体構造物。
【請求項11】
該パネルの各々によって陸屋根が形成され、該陸屋根の一部領域と地面との間には斜路が配設され、該斜路は、該斜路が延びる長手方向に所定の間隔をおいて配設された複数対の支柱であって、それぞれ該斜路の幅方向に一定の間隔をおいて隣り合う同じ高さの支柱の対からなりかつ該陸屋根の一部領域方向に近いほど高さが増加する複数対の支柱と、該複数対の支柱の上端を該幅方向に間隔を置いて平行に該長手方向に傾斜して延びるよう配設された一対の側梁と、該側梁の各々間を該幅方向に延びるよう配設された複数の横梁とを備え、一対の側梁及び一対の横梁により平面矩形状の空間部が複数個形成され、一対の横梁及び/又は一対の側梁には複数の支持板が該空間部内に延び出すよう固着され、該空間部を形成する該一対の側梁及び該一対の横梁と該空間部内に延び出す該支持板の各々とは、共通の傾斜面上に位置付けられ、矩形状のコンクリート製パネルが該空間部の各々を上から覆うよう載置されて、該支持板の各々にねじ締め手段により分離可能に連結され、
該パネルの各々の該幅方向両側部の上面には、それぞれ排水溝が、該斜路の傾斜面の高い位置に配置される該長手方向の一端から該斜路の傾斜面の低い位置に配置される他端にわたって形成されかつ、該両側部間の領域であって該幅方向の中央部によって区画される二つの領域の上面には、それぞれ該長手方向に間隔をおいて相互に平行に延びる複数の滑り止め用の溝が、該縦方向の一端から排水溝まで、該中央部から排水溝まで及び該中央部から該縦方向の他端まで、それぞれ平面から見て該縦方向の一端から他端方向に傾斜して形成されている、請求項1記載の組立式立体構造物。
【請求項12】
相互に隣り合う一対の該支柱間には、上下方向に間隔をおいて一対の梁が配設され、該支柱は中空角材から形成されかつ各々の一側面同士が水平方向に対向し、該梁の各々が、ウェブと該ウェブ両端のフランジとからなるH形鋼から形成されかつ上側の梁の下側のフランジの下面と下側の梁の上側のフランジの上面とが上下に対向して、該支柱の各々の一側面と該上側の梁の下側のフランジの下面と該下側の梁の上側のフランジの上面とにより矩形の空間が形成され、該空間の内周面には、断面L形の支持枠によって、所定の幅で矩形状に延びかつ共通の鉛直面上に位置付けられる取付面が配設され、該取付面には、矩形状の側壁ユニットが帯状の弾性シール部材を介してねじ締め手段によって分離可能に取り付けられる、請求項1記載の組立式立体構造物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【図72】
【図73】
【図74】
【図75】
【図76】
【図77】
【図78】
【図79】
【図80】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【図72】
【図73】
【図74】
【図75】
【図76】
【図77】
【図78】
【図79】
【図80】
【公開番号】特開2013−28932(P2013−28932A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164729(P2011−164729)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(592205643)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(592205643)
[ Back to top ]