組織アンカー及びその挿入器具
【課題】組織アンカー及び組織アンカーを挿入するための器具を提供。
【解決手段】外科用器具100は移植片を収容するための軸を含んでいる。軸は非直線軌道148,144,142を画成している。器具は移植片130を配備するために軌道に沿って移動可能な配備部材を含んでいる。移植片は、本体と本体が線形の適用された力によって回転するように本体に沿って螺旋状に配置された複数の交互のねじ部及び縦溝を含んでいる。別の方法として、移植片は、組織内へ打ち込みにより進入させるための末端を有する本体を含んでいる。外科用器具は2つの移植片を含んでいる。第1の移植片は、正ねじを有しており、第2の移植片は逆ねじを有している。第1の移植片は組織内へ回転によって進入させるためのねじ部を有しており、第2の移植片は、組織内へ打ち込みによって進入させる構造とされている。
【解決手段】外科用器具100は移植片を収容するための軸を含んでいる。軸は非直線軌道148,144,142を画成している。器具は移植片130を配備するために軌道に沿って移動可能な配備部材を含んでいる。移植片は、本体と本体が線形の適用された力によって回転するように本体に沿って螺旋状に配置された複数の交互のねじ部及び縦溝を含んでいる。別の方法として、移植片は、組織内へ打ち込みにより進入させるための末端を有する本体を含んでいる。外科用器具は2つの移植片を含んでいる。第1の移植片は、正ねじを有しており、第2の移植片は逆ねじを有している。第1の移植片は組織内へ回転によって進入させるためのねじ部を有しており、第2の移植片は、組織内へ打ち込みによって進入させる構造とされている。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、組織アンカー及び組織アンカーを挿入するための器具に関する。
【背景技術】
【0002】
靱帯及び腱のような軟らかい組織は骨から剥ぎ取られて分離された後に、縫合糸を使用して再度取り付けることができる。外科医は、軟らかい組織を骨に固定するために、縫合糸が取り付けられたアンカー(留め具)を骨の中に挿入し且つ軟らかい組織の周囲に縫合糸を結び付ける。打ち込みタイプのアンカーを挿入するための器具は、一般的に、アンカーが配置される外側チューブと、器具からアンカーを押し出すための内側の押し出しチューブとを含んでいる。ねじ込みタイプのアンカーを挿入するための器具は、一般的に、典型的にはアンカーに設けられた六角形状の端部と、器具の回転がアンカー内にねじ込む作用を果たすようにアンカーの端部を収容するためにチューブ内に設けられた六角形状の穴とを含むことによってアンカーに係止されるチューブを有している。
【発明の開示】
【0003】
本発明の一つの特徴によれば、外科用器具はインプラントを収容するための軸を含んでいる。この軸は非直線軌道を画成している。この器具は、例えば、インプラントを配備するために軌道に沿って動くことができる配備部材を含んでいる。
【0004】
本発明のこの特徴の実施形態は、以下の特徴のうちの1以上を含むことができる。
【0005】
軌道は、長手方向部分と横方向部分とを含んでいる。配備部材は軌道内に収容されるこぶ状突起を含んでいる。配備部材はハンドルを含んでおり、こぶ状突起はハンドルの内側面から延びている。配備部材は、インプラントと結合するための押し込み部材を含んでいる。軸は、押し込み部材を収容するための内腔を画成している。
【0006】
この特徴の実施形態は、更に又は代替的に、以下の特徴のうちの1以上を含んでいる。
【0007】
軌道は、配備部材を解放可能に係止するための構造を画成している。この構造は凹所であり、配備部材は、前記凹所内に解放可能に収容されるこぶ状突起を含んでいる。
【0008】
この特徴の実施形態は、更に又は代替的に、以下の特徴のうちの1以上を含んでいる。
【0009】
軸は円筒形部材であり且つインプラントを収容するための内腔を画成している。軸は、軌道を画成しているアダプタと、インプラントを収容するための長手方向に延びている部材とを含んでいる。この外科用器具は、アダプタに結合され且つ前記長手方向に延びている部材に沿って配置されている第2の軸を含んでいる。この外科用器具は、前記第2の軸に収容させる穴形成部材と、該穴形成部材を前記第2の軸に対して末端方向に進入させるために穴形成部材に結合されたレバーとを含んでいる。アダプタは、レバーを収容するための第2の軌道を画成している。別の方法として、こぶ状突起は、穴形成部材を第2の軸に対して進入させるために第1の軌道内に収容される。
【0010】
本発明の別の特徴による外科用器具は、インプラント及び該インプラントを収容するための軸を含んでいる。この軸は非直線軌道を画成している。外科用器具は、例えば、インプラントを選択的に配備するために軌道に沿って動くことができる配備部材を含んでいる。
【0011】
本発明のこの特徴の実施形態は、2つのインプラント間に配置されたスペーサを含んでいても良い。
【0012】
本発明のもう一つ別の特徴による方法は、インプラントを収容している軸を手術部位へ進入させること及びインプラントを手術部位の組織内へ配備するために軸によって画成された非直線軌道に沿って配備部材を動かすことを含んでいる。
【0013】
本発明の別の特徴によれば、インプラントは、本体と、直線的な力がかけられることによって本体が回転するように本体の周囲に螺旋状に配置された複数の交互に設けられたねじ部と縦溝部とを含んでいる。各々のねじは、例えば多数のかかり突起を含んでいる。
【0014】
本発明のこの特徴の実施形態は、長手方向の通路を画成する本体を含んでいても良い。
【0015】
本発明のもう一つ別の特徴に従って、インプラントは、組織内へ打ち込み進入するための末端を有している本体を含んでいる。この本体は、例えば、複数の円錐形状の重ねられたかかり突起を含んでおり、かかり突起の最も外側の領域の直径は基端方向に向けて大きく成っている。
【0016】
本発明のこの特徴の実施形態は、基端の破壊ハブを含んでいても良い。
【0017】
本発明の別の特徴による外科用器具は、第1の部材と、該第1の部材に結合された第1のインプラントと、前記第1の部材に結合された第2の部材と、第2の部材に結合された第2の部材とを含んでいる。第1のインプラントは例えば正転ねじを有しており、第2のインプラントは例えば逆転ねじを有している。
【0018】
本発明のこの特徴の実施形態は、以下の特徴のうちの1以上を含んでいても良い。
【0019】
外科用器具は、第1及び第2のインプラントを結合するための縫合糸を含んでいる。第1の部材は内腔を画成しており、第2の部材は該内腔内に収容されている。外科用器具は、第2の部材を第1の部材に対して進入させるための配備部材を含んでいる。
【0020】
本発明のもう一つ別の特徴による外科用器具は、第1の部材と、該第1の部材に結合された第1のインプラントと、該第1の部材に結合された第2の部材と、第2の部材に結合された第2のインプラントとを含んでいる。第1のインプラントは、例えば、回転によって組織内へ進入するためのねじを有しており、第2のインプラントは、例えば打ち込みによる組織内への進入する構造とされている。
【0021】
本発明のこの特徴の実施形態は、以下の特徴のうちの1以上を含んでいても良い。
【0022】
この外科用器具は、第1のインプラントと第2のインプラントとを結合する縫合糸を含んでいる。第1の部材は内腔を画成しており、第2の部材は該内腔内に収容されている。該外科用器具は、前記第2の部材を前記第1の部材に対して進入させるための配備部材を含んでいる。
【0023】
本発明の別の特徴による外科用器具は、第1の部材と、該第1の部材に結合された第1のインプラントと、前記第1の部材に結合された第2の部材と、該第2の部材に結合された第2のインプラントとを含んでいる。前記第1のインプラント及び第2のインプラントは、例えば、組織内へ打ち込みにより進入する構造とされている。
【0024】
本発明のこの特徴の実施形態は、以下の特徴のうちの1以上を含むことができる。
【0025】
この外科用器具は、前記第1のインプラントと第2のインプラントとを結合する縫合糸を含んでいる。前記第1の部材は内腔を画成しており、前記第2の部材は前記内腔内に収容されている。この外科用器具は、前記第2の部材を前記第1の部材に対して進入せしめるための配備部材を含んでいる。
【0026】
本発明のもう一つ別の特徴による外科用器具は、第1の部材と、該第1の部材に結合された第1のインプラントと、前記第1の部材に結合された第2の部材と、該第2の部材に結合された第2のインプラントとを含むことができる。第1のインプラントは、例えば、組織内へ進入するための手段を含んでおり、前記第2のインプラントは、例えば、組織内へ進入するための手段を含んでいる。
【0027】
本発明のこの特徴の実施形態は、以下の特徴のうちの1以上を含むことができる。
【0028】
第1のインプラントの進入するための手段は正転ねじを含んでいる。第2のインプラントの進入手段は逆転ねじを含んでいる。第1のインプラントの進入手段は、回転によって組織内へ進入するためのねじを含んでいる。第2のインプラントの進入手段は、打ち込みによって組織内へ進入するための手段を含んでいる。第1のインプラントの進入手段は、打ち込みによって組織内へ進入するための手段を含んでいる。
【0029】
この特徴の実施形態は、更に又は代替的に、以下の特徴のうちの1以上を含んでいる。
【0030】
この外科用器具は更に、第1のインプラントと第2のインプラントとを結合するための縫合糸を含んでいる。第1の部材は内腔を画成しており、第2の部材は前記内腔内に収容されている。この外科用器具はまた、第2の部材を第1の部材に対して進入させるための配備部材をも含んでいる。
【0031】
本発明の1以上の実施形態の詳細は、添付図面及び以下の説明に記載されている。本発明のその他の特徴、目的及び利点は、詳細な説明及び図面並びに特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、縫合アンカー挿入器具の斜視図である。
【図2A】図2Aは、図1の縫合アンカー挿入器具のハンドルの斜視図である。
【図2B】図2Bは、図1の縫合アンカー挿入器具のアダプタの斜視図である。
【図2C】図2Cは、図1の縫合アンカー挿入器具の部材の斜視図である。
【図3】図3は、図1の縫合アンカー挿入器具の末端部分の隠れ線図である。
【図4】図4は、縫合アンカーアセンブリの斜視図である。
【図5A】図5Aは、縫合アンカーの配備中の種々の段階で示されている挿入器具の概略図である。
【図5B】図5Bは、縫合アンカーの配備中の種々の段階で示されている挿入器具の概略図である。
【図5C】図5Cは、縫合アンカーの配備中の種々の段階で示されている挿入器具の概略図である。
【図6A】図6Aは、縫合アンカー挿入器具の代替的な実施形態の斜視図である。
【図6B】図6Bは、図6Aの挿入器具のアダプタの斜視図である。
【図6C】図6Cは、図6Aの挿入器具のアダプタの別の斜視図である。
【図6D】図6Dは、図6Aの挿入器具のアダプタの別の斜視図である。
【図7】図7は、図6Aの縫合アンカー挿入器具の末端部分の隠れ線図である。
【図8A】図8Aは、縫合アンカーの配備中の種々の段階において示した挿入器具の概略図である。
【図8B】図8Bは、縫合アンカーの配備中の種々の段階において示した挿入器具の概略図である。
【図8C】図8Cは、縫合アンカーの配備中の種々の段階において示した挿入器具の概略図である。
【図8D】図8Dは、縫合アンカーの配備中の種々の段階において示した挿入器具の概略図である。
【図8E】図8Eは、縫合アンカーの配備中の種々の段階において示した挿入器具の概略図である。
【図8F】図8Fは、縫合アンカーの配備中の種々の段階において示した挿入器具の概略図である。
【図9A】図9Aは、縫合アンカー挿入器具のもう一つ別の代替的な実施形態の斜視図である。
【図9B】図9Bは、図8Aの挿入器具のアダプタの斜視図である。
【図9C】図9Cは、図8Aの挿入器具のアダプタの別の斜視図である。
【図9D】図9Dは、図9Aの縫合糸アンカー挿入器具の1つの部材の斜視図である。
【図9E】図9Eは、図9Aの縫合糸アンカー挿入器具のハンドルの斜視図である。
【図10A】図10Aは、縫合糸アンカーの配備中の種々の段階において示した図8Aの挿入器具の概略図である。
【図10B】図10Bは、縫合糸アンカーの配備中の種々の段階において示した図8Aの挿入器具の概略図である。
【図10C】図10Cは、縫合糸アンカーの配備中の種々の段階において示した図8Aの挿入器具の概略図である。
【図10D】図10Dは、縫合糸アンカーの配備中の種々の段階において示した図8Aの挿入器具の概略図である。
【図10E】図10Eは、縫合糸アンカーの配備中の種々の段階において示した図8Aの挿入器具の概略図である。
【図11】図11は、縫合糸アンカー挿入器具の別の代替的な実施形態の斜視図である。
【図12】図12は、縫合糸アンカー挿入器具の別の代替的な実施形態の斜視図である。
【図13A】図13Aは、図12の線13A−13Aに沿った断面図である。
【図13B】図13Bは、図12の線13B−13Bに沿った断面図である。
【図14A】図14Aは、縫合糸アンカーの斜視図である。
【図14B】図14Bは、図14Aの縫合糸アンカーの端面図である。
【図14C】図14Cは、図14Aの縫合糸アンカーの線14C−14Cに沿った断面図である。
【図15A】図15Aは、別の縫合糸アンカーの斜視図である。
【図15B】図15Bは、図15Aの縫合糸アンカーの別の斜視図である。
【図15C】図15Cは、図15Aの縫合糸アンカーの線15C−15Cに沿った断面図である。
【図16A】図16Aは、別の縫合糸アンカーの斜視図である。
【図16B】図16Bは、図16Aの縫合糸アンカーの線16B−16B2沿った断面図である。
【図17A】図17Aは、縫合糸アンカーと縫合糸との間の連結部の斜視図である。
【図17B】図17Bは、縫合糸アンカーと縫合糸との間の連結部の斜視図である。
【図17C】図17Cは、縫合糸アンカーと縫合糸との間の連結部の斜視図である。
【図17D】図17Dは、縫合糸アンカーと縫合糸との間の連結部の斜視図である。
【図17E】図17Eは、縫合糸アンカーと縫合糸との間の連結部の斜視図である。
【図17F】図17Fは、縫合糸アンカーと縫合糸との間の連結部の斜視図である。
【図18】図18は、縫合糸アンカーを備えた挿入器具の別の実施形態の図である。
【図19A】図19Aは、図18の縫合糸アンカーの側面図である。
【図19B】図19Bは、縫合糸がアンカーに結合された状態の図18の縫合糸アンカーの頂面図である。
【図20】図20は、組織内に配備された図18の縫合糸アンカーを示している図である。
【発明の詳細な説明】
【0033】
図1の参照すると、例えば、軟らかい組織を骨に取り付けるために縫合糸によって結合された2つのアンカーの関節鏡による挿入を可能にする挿入器具100は、2つのアンカーを収納するための外側管状部材110と、外側管状部材110からのアンカーの制御された配備を可能にするアダプタ130と、アンカーを配備するための作動ハンドル120とを含んでいる。図2Aをも参照すると、ハンドル120はこぶ状突起126を有しており、アダプタ130は、軌道140に沿ったこぶ状突起126の動きが外側管状部材110からの2つのアンカーの配備をガイドするようにこぶ状突起126を収納する案内軌道140を画成している。
【0034】
図1及び2Cを参照すると、外側管状部材110は、基端領域113と末端領域111とを有している。末端領域111は、アンカーを収容するためのアンカー収納部118を有している。アダプタ130は、外側管状部材110の基端領域113を収容するための貫通穴132を画成している末端面131を有している。以下に説明する目的で、外側管状部材110は、末端領域111の壁112は、当該壁を貫通して延びている一対のほぼ平行な長穴114A,114Bを画成している。
【0035】
図2A及び2Bを参照すると、ハンドル120は、柄120aとプランジャ部材128とを含んでいる。柄120aは末端壁124を有する末端121を有している。末端壁124は、内側壁125によって境界が規定されている円錐形チャンバ123内への円形の穴122を画成している。こぶ状突起126が内壁125から径方向内方へ延びている。穴122とチャンバ123とは、ハンドル120とアダプタ130との間のガイドされる相対的な動きを得るためにこぶ状突起126が軌道140内に配置されるように、アダプタ130の基端を収容できる大きさとされている。プランジャ部材128は、穴132を介してアダプタ内及び外側管状部材110内に受け入れられる。プランジャ部材128は、外側管状部材110内に配置されたアンカーと係合するために接触面129で終端している末端領域127を有している。
【0036】
特に図2Bを参照すると、案内軌道140は、基端133からアダプタ130の長手方向の一部分に沿って延びている。案内軌道140が、第1の長手方向伸長部154、第1の横方向伸長部150、第2の長手方向伸長部148、第2の横方向伸長部144及び第3の長手方向伸長部142によって形成されている。第1の長手方向伸長部154は、こぶ状突起126が軌道140へと入るのを許容するために、基端133内の穴157が開口している。第1の長手方向伸長部154は、穴157から第1の横方向伸長部150との第1の結合部155まで基端方向に延びている。第1の横方向伸長部154は、こぶ状突起126の軌道140に沿った相対的な動きを妨げるために、こぶ状突起126を解放可能に収容できる大きさとされているストッパ151を含んでいる。ストッパ151は、曲率半径がこぶ状突起126の半径よりも若干大きい曲率半径を有する横方向伸長部154の基端壁150内の凹所である。第1の横方向伸長部150は、第1の長手方向伸長部154との第1の結合部155から第2の長手方向伸長部148との第2の結合部149までアダプタ130の外周に沿って延びている。第2の長手方向伸長部148は、第2の結合部149から第2の横方向伸長部144との第3の結合部147間で延びており且つ(通常は、収容された縫合糸アンカーに関して)約1インチ(2.54センチメートル)の長さを有している。第2の横方向伸長部144は、ストッパ151に似たストッパ145を含んでおり且つ第3の結合部147から第3の長手方向伸長部142を有している第4の結合部143までアダプタ130の外周に沿って横方向に延びている。第3の長手方向伸長部142は、第4の結合部143から端部141まで末端方向に延びており且つ(収容された縫合糸アンカーに関して標準化された)約1インチ(2.54センチメートル)の長さを有している。第2の長手方向の伸長部148と第3の長手方向伸長部142との長さは、以下に説明するように、部材110内に収容されている2つのアンカーの挿入長さを決定する。
【0037】
図3を参照すると、外側管状部材110のアンカー収納部118は、例えば列状に配列された打ち込みアンカーのような2つのアンカー80,90を収容している。アンカー80,90は、各々、先端82,92によって覆われている末端81,91と、各々、縫合用はと目84,94(図4)を備えた基端83,93とを含んでいる。先端82,92は、例えば骨のような組織を貫通するのに十分な程度に頑丈である。はと目84,94は、図17に関して以下に説明するように、縫合糸をアンカー80,90に結合するための縫合糸用の少なくとも1本のストランドを通すことができる大きさとされている。アンカー80,90は、図14A〜16に関して以下に説明されるように、貫通された組織内にアンカー80,90を保持するための一連の引っかかりねじ85,95によって裏打ちされている。
【0038】
アンカー80,90は、同じく外側管状部材110の内側にあるスペーサ60によって隔離されている。スペーサ60は、接触面62を備えた末端61と、先端収納部64を画成している基端63とを有している。管状の壁112内において、接触面62はアンカー80の基端83に当接しており、先端収納部64はアンカー90の先端92を収容している。収納部64は、先端92との接触面積を増大させ且つ先端92が先端収納部64を貫通するのを防止するように形状がほぼ円錐形とされている。このようにして、アンカー80,90及びスペーサ60は、アンカー80を骨のような組織内へ挿入するためにアンカー90からアンカー80へ押し出し力を伝達することができる機械的な連動機構を形成している。
【0039】
同じく図4を参照すると、アンカーアセンブリ40は、縫合糸50によって結合されたアンカー80,90及びスペーサ60によって形成されている。縫合糸50は、アンカー80,90及びスペーサ60に沿って外側管状部材110の内側のアンカー収納部118内に保持されている。縫合糸50は、縫合糸50をアンカー90に結合するためにはと目94内を通る第1の結び付けられたループ51と、はと目94からはと目84内へと延びている第1の縫合糸部分52とを有している。縫合糸50は、はと目84を出て行き且つ引き結び部54内で第1の縫合糸部分52と結ばれている第2の縫合糸部分53を有している。縫合糸50はまた、引き結び部54を出て行き且つスペーサ60に結合されている端部57へと延びている第3の縫合糸部分56をも含んでいる。図3に示されているようにアンカーが負荷がかけられた状態においては、縫合糸は、引き結び部54がアンカー90の基端側に配置された状態でアンカー90の両側部に沿って延びている。外科医又はその他のオペレータがスペーサ60を引っ張ると、第1の縫合糸部分52の長さは短くなる。引き結び部54は、縫合糸部分52が短くなるのを許容するが縫合糸部分52が長くなる傾向を制限する一方向結び部である。
【0040】
使用時には、オペレータは、アンカー収納部118が骨30内の選択された手術部位31の方に向けられるように挿入器具100を位置決めする。手術部位31は、例えば、軟らかい組織34が骨30に再度取り付けられるべき部位である。挿入器具100は、アンカー80,90、スペーサ60及び引き結び部54を備えた縫合糸50によって予め負荷がかけられている。使用に先立って、こぶ状突起126は、第1の長手方向伸長部154及び軌道140の第1の横方向伸長部150の一部分に沿って穴157内をストッパ151まで進入せしめられる(図2B)。
【0041】
図2B及び5Aを参照すると、オペレータは、次いで、アンカー収納部118を進入させて手術部位31と接触させ、ハンドル120を末端方向に押圧してこぶ状突起126をストッパ151から解放する。オペレータは、ハンドル120を矢印R1の方向に回転させてこぶ状突起を第1の横方向伸長部150に沿って更に結合部149まで動かし、該結合部149においてこぶ状突起126が長手方向伸長部148に入る。
【0042】
同じく図5Bを参照すると、オペレータは、次いで、軸線方向の力F1をハンドル120にかけてこぶ状突起126を第2の長手方向伸長部148に沿って末端方向に動かし且つプランジャ部材128を進入させて、プランジャ部材128の接触面129がアンカー90の基端と係合するようにしてアンカー90を末端方向に押すようにする。アンカー90の先端92は、次いで、スペーサ60の先端収納部64を押圧し、これは、次いでアンカー80の基端83を押圧してアンカー80を管状部材110から末端方向に押して部位31においてアンカー80の先端82を骨30内へ貫入させる。
【0043】
こぶ状突起126が結合部147における第2の長手方向伸長部148の端部に到達すると、骨30内へのアンカー80の貫入が完了する。オペレータは、次いで、ハンドル120を矢印R2の方向へ回転させてこぶ状突起126を軌道140の第2の横方向伸長部144の一部分に沿ってストッパ145まで動かす。オペレータは、次いで、ハンドル120上の末端方向を向いた圧力を解放して、ストッパ145がこぶ状突起126を収容してハンドル120とアダプタ130との間の更なる相対的な動きを妨げるようにさせる。
【0044】
オペレータは、次いで、器具100を部位31から引き抜いて、縫合糸50を、穴114及びスペーサ60及び引き結び部54を介してアンカー収納部118から抜き取る。オペレータは、次いで、アンカー収納部118を第2の手術部位32と整合させ且つハンドル120を末端方向に押してこぶ状突起126をストッパ145から解放する。オペレータは、次いで、ハンドル120を矢印R2の方向に回転させてこぶ状突起126を第2の横方向伸長部144に沿って更に結合部143まで動かし、結合部143においてこぶ状突起126は第3の長手方向伸長部142内へ入る。
【0045】
図5Cを参照すると、オペレータは、ハンドル120に力F2をかけてこぶ状突起126を第3の長手方向伸長部142に沿って末端方向に動かしてプランジャ部材128の接触面129がアンカー90の基端93を押し付けて部位32においてアンカーの先端92を骨30内へ押し込むようにする。こぶ状突起126が端部141に到達してアンカーアセンブリ40が挿入器具100から十分に配備されるまで貫入は続けられる。オペレータは、次いで、手術部位32から挿入器具100を抜き取り、スペーサ60を引っ張って縫合部分62を短くし、このようにして、軟らかい組織34を骨30に保持する。引き結び部54は、組織の緩みを制限するように機能する。
【0046】
以下の実施形態も特許請求の範囲内に含まれる。
【0047】
例えば、図6Aを参照すると、例えば軟らかい組織を骨に取り付けるために縫合糸によって結合された2つのアンカーの間接鏡的な挿入を許容する縫合糸アンカー挿入器具300は、2つのアンカーを収容するための外側管状部材310と、アンカーを配備するための作動ハンドル320と、骨に穴を開けるための後退可能な突き錐390を収容する部材310によって並列に取り付けられた第2の管状部材315と、突き錐390を制御するための作動レバー337と、部材310からのアンカーの及び部材315からの突き錐の制限された配備を可能にするアダプタ330とを含んでいる。図6C及び6Dを参照すると、アダプタ330は、第1の案内軌道340と第2の案内軌道360とを画成している。案内軌道340は、案内軌道140に関して上記した方法と同じ方法で部材310からの2つのアンカーの配備をガイドする。案内軌道360は、レバー337によって突き錐390の伸長及び後退をガイドする。レバー337は、例えば、圧入、溶接又は半田付けによって突き錐390に結合される。
【0048】
外側管状部材310は、基端313と、縫合糸アンカーを収納するためのアンカー収納部318を備えた末端311とを有している。管状部材310は、末端311において貫通して延びている一対のほぼ平行な長穴314A,314Bを備えた壁312を有している。図7を参照すると、部材310のアンカー収納部318は、アンカー収納部118に関連して上記した方法と同じ方法でアンカー80,90を収容している。
【0049】
部材315は、後退可能な突き錐390を収容するための内腔316aを画成している壁316を有している。部材315は、基端317と末端319とを有している。末端317は、穴380を画成している内側の径方向縁382を有している。突き錐390は、穴380内を通る大きさとされた伸長部分394と、本体部分396とを有している。伸長可能な部分394は、突き錐先端391で終端している。本体部分396は、本体部分396が穴380内を伸長することが出来ないように内側の径方向縁382に捕捉される大きさとされている。部材315はまた、以下において更に説明するように、レバー337が基端方向に動きつつあるときに、伸長可能な部分394を内腔316a内へ後退させるように本体部分396と径方向縁382との間で作用する圧縮ばね384をも含んでいる。
【0050】
図6A及び6Bを参照すると、ハンドル320は、柄320aとプランジャ部材328とを含んでいる。柄320aは、末端壁324を備えた末端321を有している。壁324は、内壁325によって境界が定められた円錐形のチャンバ323内への円形開口部322を画成している。こぶ状突起326は、内壁325から径方向内方へ延びている。開口部322とチャンバ323とは、アダプタ330の基端333を収容する大きさとされており且つ2つのアンカーを部材310から配備するためにハンドル320とアダプタ330との間のガイドされた相対的な動きを得るためにこぶ状突起126を軌道340内に保持している。末端321はまた、壁324の位置で末端開口部327aから基端方向へ延びている長手方向のスリット328aをも画成している。長手方向スリット328aは、こぶ状突起326がアダプタ330の長手方向の伸長部342内に収納されているときにスリット328が第2の案内軌道360と径方向に整合するようにこぶ状突起326に対して角度付けされている。プランジャ部材328は、部材310内に摺動可能に嵌合する大きさとされている。プランジャ部材328は、外側管状部材310内に配置されたアンカーと係合するための接触面329において終端している末端領域327を有している。
【0051】
図6A,6C及び6Dを参照すると、アダプタ330は、基端333と、一対の貫通穴332,334を画成している末端面331とを有している。プランジャ部材128は、穴332を介してアダプタ内に収納される。管状部材310の基端313が貫通穴332内に収納され、管状部材315の基端317が貫通穴334内に収納される。案内軌道340,360はアダプタ330の両側に沿って延びている。
【0052】
案内軌道340は、第1の長手方向伸長部354、第1の横方向伸長部350、第2の長手方向伸長部348、第2の横方向伸長部344及び第3の長手方向伸長部342によって形成されている。第1の長手方向伸長部354は、こぶ状突起326が軌道340へ入るのを許容するために基端333において穴357によって開口している。第1の長手方向伸長部354が穴357から第1の横方向伸長部350との結合部355まで末端方向に延びている。第1の横方向伸長部350は、軌道340に沿ったこぶ状突起326の相対的な動きを妨げるためにこぶ状突起326を解放可能に収容できる大きさとされているストッパ351を含んでいる。ストッパ351は、こぶ状突起326の半径よりも若干大きい曲率半径を有している横方向伸長部350の基端壁350P内に設けられた凹所である。第1の横方向伸長部350は、第1の長手方向伸長部354との第1の結合部355から第2の長手方向伸長部348との第2の結合部349までアダプタ330の外周に沿って横方向に延びている。第2の長手方向伸長部348は、第2の結合部349から第2の横方向伸長部344との第3の結合部347まで末端方向に延びており且つ(収納される縫合糸アンカーに関して標準化された)約2.5センチメートル(1インチ)の長さを有している。第2の横方向伸長部344は、ストッパ351に似たストッパ345を含んでおり且つ第3の結合部347から第3の長手方向伸長部342との第4の結合部343までアダプタ330の外周に沿って横方向に延びている。第3の長手方向伸長部342は、第4の結合部343から端部341まで末端方向に延びており且つ(収容される縫合糸アンカーに関して標準化された)約2.54センチメートル(1インチ)の長さを有している。第2の長手方向伸長部348と第3の長手方向伸長部342との長さは、以下において更に説明するように、部材310内に収納される2つのアンカーの挿入深さを決定する。
【0053】
案内軌道360は、長手方向伸長部362と横方向伸長部364とによって形成されている。長手方向伸長部362は、基端側361から横方向伸長部364との結合部まで末端方向に延びている。横方向伸長部364は、結合部363からストッパ365までアダプタ330の外周に沿って横方向に延びている。ストッパ365は、軌道337の相対的な動きを妨げ且つ穴380内に伸長される突き錐390の伸長可能な部分394を維持するようにレバー337を解放可能に収容する大きさとされている。ストッパ363は、軌道360内のレバー337の半径よりも若干大きい曲率半径を有する横方向伸長部364の基端壁364P内に設けられた凹所である。
【0054】
図8Aを参照すると、オペレータは、使用時に、部材310,315を骨30内の選択された手術部位31の方に向けた状態で挿入器具300を位置決めする。手術部位31は、例えば、軟らかい組織が骨30に再度取り付けられるべき部位である。挿入器具300は、アンカー80,90、スペーサ60及び引き結び部を備えた縫合糸50によって予め負荷がかけられている。こぶ状突起326は、第1の長手方向伸長部354及び軌道340の第1の横方向伸長部350の一部分に沿って穴357内を図6Cのストッパ351まで進入せしめられた状態である。突き錐レバー337は、突き錐が後退せしめられるように軌道360内の基端方向に配置されている。
【0055】
図8Bを参照すると、オペレータは、レバー337を軌道360の長手方向伸長部362に沿って末端方向へ進入させて突き錐を部材315から押し出す。レバー337が結合部363に到達すると、オペレータは、レバー337を受け入れ且つ突き錐を伸長状態に維持する。オペレータは、突き錐を使用して手術部位31において骨30内へと軟らかい組織を通る穴31Hを形成する。
【0056】
穴31Hが形成された後に、オペレータは、レバー337をストッパ365から結合部363に向けて横方向部分364に沿って横方向に動かす。結合部363において、オペレータは、レバー337を解放し、ばね384(図7)はレバー337を基端方向へ押して突き錐の伸長可能な部分394を部材315内へ後退させる。
【0057】
図8Cを参照すると、オペレータは、次いで、アンカー収納部318を穴31Hと整合させ且つハンドル320を末端方向に押してこぶ状突起326をストッパ351から解放する。オペレータは、ハンドル320を矢印R1の方向に回転させてこぶ状突起326を第1の横方向伸長部350に沿って結合部349まで更に動かし、結合部349においてこぶ状突起326は長手方向伸長部348内に入る。オペレータは、力F1をハンドル320にかけてこぶ状突起326を第2の長手方向伸長部348に沿って末端方向に動かし且つプランジャ部材328(図6Bに示されている)の接触面329を進入させてアンカー90の基端93に当接させて上記したようにアンカー80を配備する。オペレータは、次いで、ハンドルを矢印R2の方向に回転させてこぶ状突起326を軌道340の第2の横方向伸長部344の一部分に沿ってストッパ345(図6Cに示されている)へと動かす。オペレータは、次いで、ハンドル320上の末端方向の圧力を解放してストッパ345がこぶ状突起326を収容してハンドル320とアンカー330との間の更なる相対的な動きを阻止するようになされている。突き錐は依然として部材315内に十分に配置されているけれども、レバー337はハンドル320の作用によって軌道360内を末端方向へ動かされている。
【0058】
図8Dを参照すると、オペレータは、次いで、器具300を穴31Hから抜き取り、穴314A,314Bのうちの1つを介して縫合糸を引っ張り、スペーサ60をアンカー収納部318から引き出す。オペレータは、次いで、部材310,315を第2の選択された手術部位32の方に向ける。
【0059】
図8Eを参照すると、オペレータは、レバー337を軌道360の長手方向伸長部362に沿って末端方向へ進入させて突き錐を部材315から押し出す。レバー337が結合部363に到達したときに、オペレータは、レバー337を横方向部分364に沿ってストッパ365内へと横方向に動かし、ストッパ365はレバー337を収容し且つ突き錐を伸長状態に維持する。オペレータは、突き錐を使用して手術部位32において柔らかい組織を貫通して骨30内への穴32Hを形成する。
【0060】
穴32Hが形成された後に、オペレータは、レバー337を横方向部分364に沿ってストッパ365から結合部363に向かって動かす。結合部363において、オペレータは、レバー337を解放し、ばね384(図7)はレバー337を基端方向へ押して突き錐の伸長可能な部分394を部材315内へ後退させる。
【0061】
図8Fを参照すると、オペレータは、次いで、アンカー収納部318を穴32Hと整合させ且つハンドル302を末端方向へ押してこぶ状突起326をストッパ345から解放する。オペレータは、更にハンドル320を矢印R3の方向に回転させてこぶ状突起326を第2の横方向伸長部344に沿って結合部343まで動かし、結合部343においてこぶ状突起326は第3の長手方向伸長部342内に入る。オペレータは、力F2をハンドル320にかけてこぶ状突起326を第3の長手方向伸長部342に沿って末端方向に動かし且つ接触面329を進入させてアンカー90の基端93に当接させて上記したようにアンカー90を配備する。ハンドル320の進入中に、レバー337はハンドル320の軌道342内に入る。オペレータは、次いで、挿入器具300を穴32Hから外へ移動し且つスペーサ60を把持して縫合糸部分62を締め付け且つ軟らかい組織を骨30に保持する。
【0062】
図9Aを参照すると、もう一つ別の縫合糸アンカー挿入器具500は、例えば軟らかい組織を骨に取り付けるために、縫合糸によって結合された2つのアンカーの間接鏡的な挿入を可能にする。挿入器具500は、2つのアンカー及び後退可能な突き錐590を収納する外側管状部材510を含んでいる。突き錐590は、骨に穴を形成するための先端591を有している。器具500は、アンカーを配備し且つ突き錐590を伸長させるための作動ハンドル520と、部材510からのアンカー及び突き錐590の制御された配備を可能にする案内軌道560を有しているアダプタ530とを含んでいる。
【0063】
図9A及び9Dを参照すると、部材510は、基端513と、縫合糸アンカーを収容するためのアンカー収納部518を備えた末端511とを有している。部材510は、外周壁512と、部材510の内部をプランジャ用通路515と突き錐用通路517とに分割する内壁516とを有している。アンカー収納部518はプランジャ用通路515の一部分である。壁512は、アンカー収納部518内へ延びている一対のほぼ平行な長穴514A,514Bを画成している。アンカー収納部518は、上記したようにアンカー80,90を収容する。突き錐590は、図7に示されているようにばねによって負荷がかけられている。
【0064】
図9A及び9Eを参照すると、ハンドル520は、柄520aとプランジャ部材528とを含んでいる。ハンドル520は、末端壁524によって境界付けられた末端521を有している。壁524は、内壁525によって境界付けられている円錐形チャンバ523内への円形開口部522を画成している。開口部522とチャンバ523とは、ハンドル520とアダプタ530との間のガイドされる相対的な動きを得るためにアダプタ530の基端533を収容できる大きさとされている。一対のこぶ状突起526,527が内壁525から径方向内方へ延びている。こぶ状突起526,527は、部材510からのアンカー及び突き錐520の制御された配備を可能にするために軌道560によって収容されるような相対的な配置とされている。プランジャ部材528は、部材510のプランジャ部材515内に摺動可能に嵌合する大きさとされている。プランジャ部材528は、接触面529内で終端している。
【0065】
図9A,9B及び9Cを参照すると、アダプタ530は、2つのアンカーの配備並びに部材510からの突き錐590の伸長及び後退をガイドする単一の案内軌道560を画成している。アダプタ530は、基端533と末端面531とを有し且つ管状部材510の基端513とプランジャ528とを収容する貫通穴532を画成している。案内軌道560はアダプタ530の外周に巻き付いている。
【0066】
案内軌道540は、第1の長手方向伸長部582、第1の横方向伸長部578、第2の長手方向伸長部576、第2の横方向伸長部372、第3の長手方向伸長部568、第3の横方向伸長部564及び第4の長手方向伸長部562によって形成されている。第1の長手方向伸長部582は、以下において更に説明するように、こぶ状突起926,927が軌道560内に入るのを可能にするために、基端533の穴583において開口している。第1の長手方向伸長部354は、穴583から第1の横方向伸長部578との第1の結合部581まで末端方向に延びている。第1の横方向伸長部578は、軌道560に沿ったこぶ状突起926,927の相対的な動きを妨げるためにこぶ状突起926,927を解除可能に収容できる大きさとされているストッパ579を含んでいる。ストッパ579は、こぶ状突起326の半径よりも若干大きい曲率半径を備えた凹所である。第1の横方向伸長部578は、第1の長手方向伸長部582との第1の結合部581から第2の長手方向伸長部576との第2の結合部までアダプタ530の外周に沿って延びている。第2の長手方向伸長部576は、第2の結合部577から第2の横方向伸長部572との第3の結合部575まで末端方向に延びている。第2の長手方向伸長部576は、第2の結合部577から第2の横方向伸長部572との第3の結合部575まで末端方向に延びている。第2の長手方向伸長部576は、(収容される縫合糸アンカーに関して一般化された)約2.54センチメートル(1インチ)の長さを有する。第2の横方向伸長部572は、ストッパ579に似ているストッパ573を含んでいる。第2の横方向伸長部572は、第3の結合部575から第3の長手方向伸長部568との第4の結合部569までアダプタ530の外周に沿って横方向に延びている。第3の長手方向伸長部568は、第4の結合部569から第3の横方向伸長部564との第5の結合部567まで末端方向に延びている。第3の長手方向伸長部568は、(収容される縫合糸アンカーに関して一般化された)約2.54センチメートル(1インチ)の長さを有している。第3の横方向伸長部564は、ストッパ579に似たストッパ565を含んでいる。第3の横方向伸長部564は、第5の結合部567から第4の長手方向伸長部562との第6の結合部563までアダプタ530の外周に沿って横方向に延びている。第4の長手方向伸長部562は、第6の結合部563から端部561まで末端方向に延びており且つ(収容される縫合糸アンカーに関して一般化された)約2.54センチメートル(1インチ)の長さを有している。
【0067】
図10Aを参照すると、使用時に、オペレータは、突き錐590を備えた挿入器具500を骨30内の選択された手術部位31に向けて配向されるように配置する。手術部位31は、例えば、軟らかい組織が骨30に再度取り付けられるべき部位である。挿入器具500は、アンカー80,90、スペーサ60及び引き結び部を備えた縫合糸50によって予め負荷がかけられている。こぶ状突起526は、穴583を介し、第1の長手方向伸長部と軌道560の第1の横方向伸長部578の一部分とに沿って図9Bのストッパ579まで進入せしめられている。こぶ状突起526は、突き錐590を突き錐用通路517から伸長させ且つその状態に維持するために、突き錐590の基端593と接触している。オペレータは、突き錐590を使用して骨30及び軟らかい組織36内に穴31Hを形成する。
【0068】
図10Bを参照すると、穴31Hを形成した後に、オペレータは、ハンドル520を矢印R10の方向に回転させて、こぶ状突起526をストッパ579から長手方向伸長部576内へ動かす。このことにより、こぶ状突起526が突き錐590の基端593との接触状態から移動して、ばね(図示せず)が上記したように突き錐590を突き錐用通路517内へ後退させる。オペレータは、次いで、アンカー収納部518をアンカー90の挿入の準備のために穴31Hに配置する。
【0069】
図10Cを参照すると、オペレータは、力F10をハンドル520にかけてこぶ状突起526を長手方向伸長部576に沿って末端方向に動かし且つプランジャ部材528を進入させてアンカー80を配備する。オペレータは、次いで、ハンドル520を矢印R1の方向に回転させて、こぶ状突起526を軌道560の第2の横方向伸長部572の一部分に沿ってストッパ573(図9B及び9Cに示されている)まで動かす。オペレータは、次いで、ストッパ573がこぶ状突起526を収容してハンドル520とアダプタ530との間の相対的な動きを妨げるように、ハンドル520上にかけられた末端方向を向いた圧力を解放する。
【0070】
図10Dを参照すると、オペレータは、次いで、器具500を穴31Hから抜き取り、穴514A,514Bのうちの一つを介して縫合糸50を抜き取る。オペレータは、次いで、ハンドル520を矢印R12の方向に回転させてこぶ状突起526をストッパ573から横方向伸長部572と長手方向伸長部568との結合部569へと動かす。ハンドル520の矢印R12の方向への回転によってまた、こぶ状突起527が突き錐590の末端593と接触する状態とされる。オペレータは、次いで、ハンドル520を末端方向に押してこぶ状突起526を長手方向伸長部568に沿って進入させ且つこぶ状突起527を長手方向伸長部582内へと進入させる。長手方向伸長部568に沿ったこぶ状突起526の進入によってスペーサ60がアンカー収納部518から押し出される。長手方向伸長部582内へのこぶ状突起527の進入によって、突き錐590が突き錐用通路515から伸長せしめられる。ひとたび、こぶ状突起526が結合部567に到達し且つこぶ状突起527が結合部581に到達すると、オペレータは、次いで、ハンドル520を矢印R13の方向に回転させてこぶ状突起527を横方向伸長部564内のストッパ565内へと動かし、こぶ状突起526を横方向伸長部578内のストッパ579へと動かす。オペレータは、次いで、突き錐590を使用して外科部位32において骨に穴32Hを形成する。
【0071】
図10Eを参照すると、穴32Hを形成した後に、オペレータは、ハンドル520を矢印R14の方向に回転させる。この回転によって、こぶ状突起527がストッパ579から長手方向伸長部576内へと動かされ、こぶ状突起526がストッパ565から長手方向伸長部562内へと動かされる。これによって、こぶ状突起526が突き錐590の基端593との接触状態から動かされて、ばねが突き錐590の突き錐用通路517へと後退させるのを可能にする。オペレータは、次いで、アンカー90の挿入の準備のために、アンカー収納部518を穴31Hに位置決めする。オペレータは、次いで、ハンドル520に力F12をかけてこぶ状突起526を長手方向伸長部562に沿って末端方向へ移動させ且つこぶ状突起527を長手方向伸長部576に沿って末端方向へ移動させ、プランジャ部材528を進入させてアンカー90を配備する。オペレータは、次いで、挿入器具500を穴32Hから離れるように移動させ且つ縫合糸部分62を締結し且つスペーサ60を把持して軟らかい組織34を骨に保持する。
【0072】
図11を参照すると、別の縫合糸アンカー挿入器具800は、例えば軟らかい組織を骨に取り付けるために縫合糸によって結合された2つのアンカーの間接鏡的な挿入を可能にする。挿入器具800は、ハンドル810、2つのアンカーを収容するための外側管状部材820及び2つのアンカーのうちの1つを挿入するためのプランジャ部材830を含んでいる。
【0073】
ハンドル810は、末端811と基端813とを有し、プランジャ部材830を収容するために前記末端と基端との間に延びている内側通路814を画成している。ハンドル810の末端811は、部材820の基端を例えば圧縮嵌合状態に収容するための切り抜き部分812を画成している。
【0074】
部材820は、末端821と基端823とを有し且つ基端823から末端821まで延びている軸線方向の通路824を画成している壁827を有している。部材820の基端823がハンドル810の切り抜き部分812内に収納されると、部材820の通路824がハンドル810の内側通路814と連通してプランジャ部材830の通路を形成する。部材820の末端821は、第1の縫合糸アンカー880と非回転状態でかみ合うための縫合糸収納部828を含んでいる。通路824は、例えば、アンカー収納部828の領域内で六角形状に形成されており、アンカー880は、例えば、縫合糸アンカー880を縫合糸アンカー収納部828に結合して複合された回転をさせるための雄型の六角頭部である噛み合い部分882を含んでいる。アンカー880は、例えば、摩擦嵌合又は干渉嵌合によって通路内に保持される。縫合糸アンカー880はまた、骨内への縫合糸アンカー880の捻りによる挿入を容易にするためにねじ部884をも含んでいる。
【0075】
プランジャ部材830は、接触面832を画成している末端831とこぶ状突起836で終端している基端833とを備えた細長いロッド部分834を含んでいる。ロッド部分834は、部材820の軸線方向通路824とハンドル810の軸線方向の通路814との中を摺動する大きさとされている。
【0076】
第2の縫合糸アンカー890は、部材820の軸線方向通路824内に収納されており且つ該通路内で摺動する大きさとされている。縫合糸アンカー890は、例えば、図14A乃至16Bにおいて説明したように、骨内への打ち込み挿入できるように設計されている。縫合糸アンカー880,890は、例えば、引き結び部を備えた縫合糸によって結合され且つ図4に図示されているようにスペーサによって分離されている。
【0077】
使用時には、オペレータは、縫合糸アンカー880を手術部位に接触させ且つハンドル810に回転トルクR15をかけることによって第1の外科部位内に縫合糸アンカー880を挿入する。オペレータは、次いで、縫合糸アンカー890を第2の外科部位に接触させ且つこぶ状突起836に軸線方向の力F15をかけてプランジャ部材830を末端方向に駆動し且つ縫合糸アンカー890を通路824から第2の外科部位へと末端方向に配備する。
【0078】
図12,13A及び13Bを参照すると、もう一つ別の縫合糸アンカー挿入器具900が、例えば、軟らかい組織を骨に取り付けるために縫合糸によって縫合された2つのアンカーの間接鏡的な挿入を可能にする。挿入器具900は、ガイド穴940を画成しているハンドル910と、第1の縫合糸アンカー980を収容するための第1のアンカー収納部921を有している外側管状部材920と、第2の縫合糸アンカー990を収容するための第2のアンカー収納部931を有しているプランジャ部材930とを含んでいる。プランジャ部材930は、部材920の内側に摺動可能に収納させ且つ第2の縫合糸アンカー990を骨内に挿入するためにガイド穴940によってガイドされる。
【0079】
ハンドル910は、末端911と基端913とを有しており且つプランジャ部材930を収容するための内側通路914を画成している。ハンドル910の末端911は、部材920の基端923を例えば圧縮嵌合状態に収容するための切り抜き部分912を画成している。
【0080】
ガイド穴940がハンドル910内を貫通して延びていて通路914と連通している。ガイド穴940は、末端の横方向伸長部942と、基端方向に延びている長手方向の伸長部944とを含んでいる。横方向伸長部942は、端部941から長手方向伸長部944との結合部943まで横方向に延びている。横方向伸長部942は、穴942の基端壁942P内に画成されているストッパ946を含んでいる。長手方向伸長部944は、結合部943から基端のストッパ945までハンドル910に沿って長手方向に延びている。
【0081】
部材920は、末端921と基端923と基端923から末端921まで延びている軸線方向の通路924を画成している壁927とを有している。部材920の基端923がハンドル910の切り抜き部分912内に収納されると、部材920の軸線方向の通路924がハンドル910の内側通路914と連通してプランジャ部材930のための通路を形成する。部材920の末端921は、図11に関して上記したように、噛み合い部分982を有する第1の縫合糸アンカー80との非回転噛合のための縫合糸アンカー収納部982を含んでいる。縫合糸アンカー980はまた、骨内への縫合糸アンカー980の捻りによる挿入を容易にするためのねじ984をも含んでいる。
【0082】
プランジャ部材930は、末端931、基端933及び基端933から末端931まで延びている軸線方向の通路934を画成している壁937を有している。プランジャ部材930は、部材920の軸線方向通路924及びハンドル910の内側通路914内を摺動できる大きさとされている。プランジャ部材930の基端921は、例えば上記したような六角形結合部との噛み合い部分992を有している第2の縫合糸アンカー990と非回転噛合するための縫合糸アンカー収納部938を含んでいる。縫合糸アンカー980はまた、縫合糸アンカー990の骨内への捻りによる挿入を容易にするためのねじ994をも含んでいる。アンカー980及び990は正反対にねじが切られており、例えば、ねじ984は、ハンドル910が矢印R16の方向に回転されたときに縫合糸アンカー980の骨内への捻りによる挿入を容易にし、一方、ねじ994は、ハンドル910がR17の方向に回転されたときに骨内への縫合糸アンカー990の捻りによる挿入を容易にする。
【0083】
プランジャ部材930の基端933は、例えばエポキシ樹脂によって作動ボタン950に結合されている。ボタン950は、ガイド穴940内で摺動してプランジャ部材930の末端931を部材920内の第1の手術部位へ進入させ且つ通路924から伸長させることができる。
【0084】
使用時には、オペレータは、ハンドル910を矢印R16の方向へ回すことによって、器具800を第1の外科部位へと進入させ且つ縫合糸アンカー980を骨内に挿入する。オペレータは、次いで、挿入器具900を第1の手術部位から引き抜いてアンカー980を解放し且つボタン950を長手方向伸長部944に沿って末端方向に進入させてプランジャ部材930を進入させて縫合糸アンカー990を部材920の末端921を超えて末端方向に伸長させる。ボタン950が結合部943に到達すると、オペレータは、ボタン950を横方向伸長部942内で横方向に進入させ且つストッパ946内へ進入させて縫合糸アンカー990を部材920の末端921を通り越した状態に維持する。オペレータは、次いで、ハンドル910をR17の方向に回すことによって縫合糸アンカー990を第2の手術部位に配備する。縫合糸アンカー990を配備するために使用される正反対の回転によって、挿入中に発生するかも知れない縫合糸の巻き込みが取り除かれる。
【0085】
図14A乃至14Cを参照すると、組織内への挿入中に回転する打ち込み縫合アンカー1480は概してロッド形状とされ且つ先端1482によって蓋がされた末端1481と横方向縫合糸用はと目1484を備えた基端1483とを含んでいる。先端1482は、例えば骨のような組織を貫通するのに十分な丈夫さを有している。はと目1484は、一対の凹所1486によって縫合糸アンカー1480の外周から凹んでおり且つ縫合糸の少なくとも1本のストランドを通すことができる大きさとされている。
【0086】
縫合糸1480の外周は、有刺ねじ1485の4つの螺旋状の列1481a乃至1481dを有している。各々の螺旋状の列は、例えば約2mmの同じピッチを有しており且つ滑らかな螺旋状縦溝1488によって隣接する螺旋状の列から分離されている。螺旋状の列1481a乃至1481dは、骨内へのアンカーの挿入及び保持を容易にするために軸線方向の打ち込み力がアンカーにかけられると、アンカー1480を回転させるように作用する。有刺ねじ1485は、末端のテーパー部1486と基端の押縁1487とを有している。テーパー部1486は、骨内へのアンカーの挿入を容易にし且つ骨内でのアンカーの保持を容易にする。
【0087】
図15A乃至15Cを参照すると、組織内への挿入中に回転する打ち込み型の縫合糸アンカー1580のもう一つ別の実施形態は、先端1582によって蓋がされた末端1581と、横方向縫合糸用はと目1584を備えた基端突出部1500によって蓋がされた基端1583とを含んでいる。はと目1584は、一対の凹部1586によって先端1582の外周から凹んでおり且つ少なくとも1本の縫合糸のストランドを通すことができる大きさとされている。図14Aに関して上記したように、アンカー1580は、滑らかな螺旋状の縦溝1588によって分離されている有刺ねじ1585の3つの螺旋状の列を有している。
【0088】
図16A及び16Bを参照すると、組織内への挿入中に回転する打ち込み型縫合糸アンカー1680のもう一つ別の実施形態は、鈍くなされた先端1682によって蓋がされた末端1681と、基端の管状突出部1620によって蓋がされた基端1683とを含んでいる。突出部1620は、図17Aに関して以下に説明するように、縫合糸を縫合糸アンカー1680に結び付けるための外周環状凹部1622によって帯が付けられている。先端1682は、鈍くなされており且つ例えば予め骨又はその他の組織内に予め開けられた穴内に挿入するのに適している。アンカー1680は、末端1681から基端1683まで延びている内側長手方向通路1600を画成している環状の壁1610を有している。長手方向通路1600は、アンカー1680を骨の穴へガイドする助けとするためのガイドワイヤ又はその他の配向部材を収容する。図14Aに関して上記したように、アンカー1680の外周は、滑らかな螺旋状縦溝1688によって分離された有刺ねじ1685の4つの螺旋状の列を有している。
【0089】
図17A乃至17Fは、縫合糸を縫合糸アンカーに結合する種々の方法を図示している。図17Aを参照すると、縫合糸50を図16Aの縫合糸アンカー1680に結合するために、細長い縫合糸50aの一端は、凹部1622内で縫合糸アンカー1680の周りに輪にされており且つ例えばヒートシールされた中国式結び目のような結び目59によって固定されている。縫合糸50aの他端は、ループ58内に形成されており且つ例えばヒートシールされた中国式結び目のような結び目59aによって固定されている。ループ58は、縫合糸50をアンカー1680に結合するための良好なプーリー面を提供するのが有利である。
【0090】
図17Bを参照すると、縫合糸アンカー1781は、縫合糸50を収容するための外周の環状凹部1722によって帯が付けられた基端の管状突出部1720を含んでいる。管状突出部1720は、アンカーの基端面1724から縫合糸50を収容するための外周管状凹部1722まで延びている一対の長手方向通路1725を画成している。縫合糸50は、基端面1724から長手方向通路1725内を通過せしめられ、環状凹部1722の周りに輪にされ、次いで、長手方向通路1725内を基端面1724を通されて戻される。
【0091】
図17Cを参照すると、縫合糸アンカー1782は、外周環状凹部1722によって帯が付けられた基端突出部1720を含んでおり且つアンカーの基端面1724から外周環状凹部1722まで延びている一対の長穴1725を画成している。穴1725は、突出部1720の正反対の端縁に配置されている。細長い縫合糸50bは、各々が1つの長手方向通路1725内を通過し且つ環状凹部1722内に配置されている保持結び目556内で終端してプーリーを形成している一対の端部555を有している。
【0092】
図17Dを参照すると、縫合糸アンカー1783は、縫合糸50cが通される経路1727を画成している。縫合糸の一端は、例えば、中国式結び目59(図17A)によって他の縫合糸に固定して結び目から延びている縫合糸の他端と共にループを形成することができ、又は縫合糸の2つの端部を相互に結んでプーリーを形成することができる。同様に、図17Eを参照すると、縫合糸アンカー1784は、縫合糸50dが通され且つ結び付けられるループ又はプーリーを形成する通路1727aを画成している。
【0093】
図17Fを参照すると、縫合糸アンカー1785は、例えば縫合糸アンカー1785の成形中にアンカーの基端1731内に入れられて縫合糸50を縫合糸アンカー1784に結合する縫合糸部分557を含んでいる。図17B,17C,17D及び17Fの結合方法は、全て、アンカーの直径を越えて伸長する縫合糸が存在しないという利点を有している。
【0094】
図18を参照すると、アンカー挿入アセンブリ1810は、内腔1814を画成している外側管状部材1812と、内腔1814内に収容されている内側部材1816とを含んでいる。アセンブリ1810は、第1及び第2の縫合糸アンカー1818,1820を含んでいる。アンカー1818は、内腔1814内に収容させた基端の折り取りハブ1822を有しており、アンカー1820はアンカー1818の基端の内腔1814に収納されている。アンカー1818,1820は打ち込み型である。アンカー1818を組織内に移植するために外側管状部材1812に対する軸線方向の力f1の適用が使用され、内側部材1816に軸線方向の力f2をかけることによって、内側部材1816が外側部材1812に対して進入せしめられてアンカー1820が配備される。
【0095】
図19A,19Bを参照すると、アンカー1818は、尖った先端1832へとテーパーが付けられた末端1830と、一連の積み重ねられた切頭円錐形状の部材1834とを有している。各々の部材1834は、より大きな外径へと基端方向にテーパーが付けられており、各部材1834の底部外径ODbは、そのすぐ末端側の部材1834よりも大きい。外側部材1812(図18)によってかけられる横方向の又は捻りの力(例えば捻り力)を適用することによって、ハブ1822が部材1834から折り取られるような薄い部分1836によって基端の部材1834aに結合されている。ハブ1822は、部材1834aの底部外径よりも小さい外径を有していて、外側管状部材1812の軸線方向の力がアンカー1818にかけられる部分1834aによって画成されるようになされている。
【0096】
アンカー1818は、2つの貫通穴1840,1842と縫合糸1846を収容するための貫通穴の各対間に軸線方向に延びている通路1844とを画成している。各部材1834は、アンカー1818の組織内への進入中に捻れる傾向に抗する2つの溝1850を画成している。(別の方法として、溝1850は、強度を付加されるように持ち上がったリブによって置き換えても良い。)ハブ1822は、アンカー1820の末端1854を収容する基端の穴1852を有している。アンカー1820は、外径が比較的小さい以外はアンカー1818と設計が同じである。外径がより小さいことにより、アンカー1920が外側管状部材の内腔1814に嵌合することができる。図面においては、アンカー1920はアンカー1818よりも小さいものとして示されているけれども、より小さい必要はない(例えば、アンカー1818及び1820は、同じ長さ及び/又は直径であっても良い)。内側部材1816(図18)は、アンカー1820の折り取りハブ1822aを収容するための末端の切り抜き部1816aを備えた中実の円筒形部材である。
【0097】
特に図19Bを参照すると、縫合糸1846が、第1の縫合糸端部1846aからアンカー1820の穴1842aを通り、次いでアンカー1820の貫通穴1840a内を通って、中国式結び目1850によって固定されたループ1848を形成している。縫合糸1846は結び目1850からアンカー1818へと末端方向に延び且つ貫通穴1840を通って、引き結び部1854によって固定されたループ1852を形成している。縫合糸1846は、結び目1854から穴1842へと延びており、穴1842内で縫合糸1846の第2の端部1846bが固定されている。図19Bには示されていないけれども、縫合糸1846は、穴1842と1844との間及び穴1842aと1844aとの間の通路1844内に存在して、使用時に組織内に配置された縫合糸がアンカーの外径内に留まったままであるようにされている。
【0098】
図20を参照すると、使用時に、オペレータはアンカー1818を骨1860内へ打ち込む。(別の方法として、例えば穴開けによってアンカーのための穴を形成しても良い。)アンカー1818の基端に対する外側チューブ1812の末端の係合によって、駆動力がアンカー1818に伝達される。別の方法として、アンカー1818の直径が例えばアンカー1820の直径まで小さくなった場合には、ハブ1822の基端に対する1以上の突出部(例えば、図18に想像線で示されている打ち抜き具1819)の係合によって駆動力が伝達されるかも知れない。もちろん、打ち抜き具1819は、アンカー1820及び内側部材1816が通るのを許容しなければならない。
【0099】
ハブ1822の折り取り特性によって、外側管状部材1812は、骨内に進入する必要があるハブを有しているアンカーと比較してアンカー1818を移植するために骨1860内まで進入させる必要はない。これは、アンカー給送器具の端部がハブを骨内へ進入させるために進入されるときに起こり得る組織の損傷を制限するという利点を有している。外側管状部材1812に横方向の又は捻り力をかけることによって、オペレータは、ハブ1822をアンカー1818の残りの部分から折り取る。溝1850は、折り取り力がかけられると骨内で回転するアンカー1818に抗する。このことは、例えば手術部位における限定されたスペースのために、オペレータが捻り力を使用する場合に特に有用である。ハブ1822は、ハブ1822が自由にならないように縫合糸の端部1846bに取り付けられたままである。
【0100】
オペレータは、次いで、骨1860内の第2の位置にアンカー1820を配備するために、内側部材1816を外側部材1812に対して進入させる。(別の方法として、例えば穴開けによってアンカーのための穴を予め形成しても良い。)オペレータは、次いで、ハブ1822aを折り取るために、内側部材1816に横方向の又はねじり力をかける。次いで、アンカー1818のハブ1822を引っ張ることによって、引き結び部1854が縫合糸1846に沿って動かされて縫合糸1846が締め付けられ、このようにして、例えば軟らかい組織を骨1860に対してしっかりと再度取り付ける機能を果たす。オペレータは、次いで、引き結び部1854の近くで縫合糸1846を切り取ってハブ1822を取り除く。ハブ1822aは、手術部位内へと外側管状部材1812から落ちないように、(例えば、接着又は圧入によって)内側部材1816に取り付けられる。
【0101】
以上、本発明の多数の実施形態を説明した。それにもかかわらず、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく種々の改造を行っても良いことが理解されるであろう。例えば、手術部位31は骨30内に予め開けられた穴であっても良い。打ち込みアンカーの種々の実施形態には折り取りハブが含まれ得る。従って、他の実施形態も特許請求の範囲の範囲内に含まれる。
【発明の分野】
【0001】
本発明は、組織アンカー及び組織アンカーを挿入するための器具に関する。
【背景技術】
【0002】
靱帯及び腱のような軟らかい組織は骨から剥ぎ取られて分離された後に、縫合糸を使用して再度取り付けることができる。外科医は、軟らかい組織を骨に固定するために、縫合糸が取り付けられたアンカー(留め具)を骨の中に挿入し且つ軟らかい組織の周囲に縫合糸を結び付ける。打ち込みタイプのアンカーを挿入するための器具は、一般的に、アンカーが配置される外側チューブと、器具からアンカーを押し出すための内側の押し出しチューブとを含んでいる。ねじ込みタイプのアンカーを挿入するための器具は、一般的に、典型的にはアンカーに設けられた六角形状の端部と、器具の回転がアンカー内にねじ込む作用を果たすようにアンカーの端部を収容するためにチューブ内に設けられた六角形状の穴とを含むことによってアンカーに係止されるチューブを有している。
【発明の開示】
【0003】
本発明の一つの特徴によれば、外科用器具はインプラントを収容するための軸を含んでいる。この軸は非直線軌道を画成している。この器具は、例えば、インプラントを配備するために軌道に沿って動くことができる配備部材を含んでいる。
【0004】
本発明のこの特徴の実施形態は、以下の特徴のうちの1以上を含むことができる。
【0005】
軌道は、長手方向部分と横方向部分とを含んでいる。配備部材は軌道内に収容されるこぶ状突起を含んでいる。配備部材はハンドルを含んでおり、こぶ状突起はハンドルの内側面から延びている。配備部材は、インプラントと結合するための押し込み部材を含んでいる。軸は、押し込み部材を収容するための内腔を画成している。
【0006】
この特徴の実施形態は、更に又は代替的に、以下の特徴のうちの1以上を含んでいる。
【0007】
軌道は、配備部材を解放可能に係止するための構造を画成している。この構造は凹所であり、配備部材は、前記凹所内に解放可能に収容されるこぶ状突起を含んでいる。
【0008】
この特徴の実施形態は、更に又は代替的に、以下の特徴のうちの1以上を含んでいる。
【0009】
軸は円筒形部材であり且つインプラントを収容するための内腔を画成している。軸は、軌道を画成しているアダプタと、インプラントを収容するための長手方向に延びている部材とを含んでいる。この外科用器具は、アダプタに結合され且つ前記長手方向に延びている部材に沿って配置されている第2の軸を含んでいる。この外科用器具は、前記第2の軸に収容させる穴形成部材と、該穴形成部材を前記第2の軸に対して末端方向に進入させるために穴形成部材に結合されたレバーとを含んでいる。アダプタは、レバーを収容するための第2の軌道を画成している。別の方法として、こぶ状突起は、穴形成部材を第2の軸に対して進入させるために第1の軌道内に収容される。
【0010】
本発明の別の特徴による外科用器具は、インプラント及び該インプラントを収容するための軸を含んでいる。この軸は非直線軌道を画成している。外科用器具は、例えば、インプラントを選択的に配備するために軌道に沿って動くことができる配備部材を含んでいる。
【0011】
本発明のこの特徴の実施形態は、2つのインプラント間に配置されたスペーサを含んでいても良い。
【0012】
本発明のもう一つ別の特徴による方法は、インプラントを収容している軸を手術部位へ進入させること及びインプラントを手術部位の組織内へ配備するために軸によって画成された非直線軌道に沿って配備部材を動かすことを含んでいる。
【0013】
本発明の別の特徴によれば、インプラントは、本体と、直線的な力がかけられることによって本体が回転するように本体の周囲に螺旋状に配置された複数の交互に設けられたねじ部と縦溝部とを含んでいる。各々のねじは、例えば多数のかかり突起を含んでいる。
【0014】
本発明のこの特徴の実施形態は、長手方向の通路を画成する本体を含んでいても良い。
【0015】
本発明のもう一つ別の特徴に従って、インプラントは、組織内へ打ち込み進入するための末端を有している本体を含んでいる。この本体は、例えば、複数の円錐形状の重ねられたかかり突起を含んでおり、かかり突起の最も外側の領域の直径は基端方向に向けて大きく成っている。
【0016】
本発明のこの特徴の実施形態は、基端の破壊ハブを含んでいても良い。
【0017】
本発明の別の特徴による外科用器具は、第1の部材と、該第1の部材に結合された第1のインプラントと、前記第1の部材に結合された第2の部材と、第2の部材に結合された第2の部材とを含んでいる。第1のインプラントは例えば正転ねじを有しており、第2のインプラントは例えば逆転ねじを有している。
【0018】
本発明のこの特徴の実施形態は、以下の特徴のうちの1以上を含んでいても良い。
【0019】
外科用器具は、第1及び第2のインプラントを結合するための縫合糸を含んでいる。第1の部材は内腔を画成しており、第2の部材は該内腔内に収容されている。外科用器具は、第2の部材を第1の部材に対して進入させるための配備部材を含んでいる。
【0020】
本発明のもう一つ別の特徴による外科用器具は、第1の部材と、該第1の部材に結合された第1のインプラントと、該第1の部材に結合された第2の部材と、第2の部材に結合された第2のインプラントとを含んでいる。第1のインプラントは、例えば、回転によって組織内へ進入するためのねじを有しており、第2のインプラントは、例えば打ち込みによる組織内への進入する構造とされている。
【0021】
本発明のこの特徴の実施形態は、以下の特徴のうちの1以上を含んでいても良い。
【0022】
この外科用器具は、第1のインプラントと第2のインプラントとを結合する縫合糸を含んでいる。第1の部材は内腔を画成しており、第2の部材は該内腔内に収容されている。該外科用器具は、前記第2の部材を前記第1の部材に対して進入させるための配備部材を含んでいる。
【0023】
本発明の別の特徴による外科用器具は、第1の部材と、該第1の部材に結合された第1のインプラントと、前記第1の部材に結合された第2の部材と、該第2の部材に結合された第2のインプラントとを含んでいる。前記第1のインプラント及び第2のインプラントは、例えば、組織内へ打ち込みにより進入する構造とされている。
【0024】
本発明のこの特徴の実施形態は、以下の特徴のうちの1以上を含むことができる。
【0025】
この外科用器具は、前記第1のインプラントと第2のインプラントとを結合する縫合糸を含んでいる。前記第1の部材は内腔を画成しており、前記第2の部材は前記内腔内に収容されている。この外科用器具は、前記第2の部材を前記第1の部材に対して進入せしめるための配備部材を含んでいる。
【0026】
本発明のもう一つ別の特徴による外科用器具は、第1の部材と、該第1の部材に結合された第1のインプラントと、前記第1の部材に結合された第2の部材と、該第2の部材に結合された第2のインプラントとを含むことができる。第1のインプラントは、例えば、組織内へ進入するための手段を含んでおり、前記第2のインプラントは、例えば、組織内へ進入するための手段を含んでいる。
【0027】
本発明のこの特徴の実施形態は、以下の特徴のうちの1以上を含むことができる。
【0028】
第1のインプラントの進入するための手段は正転ねじを含んでいる。第2のインプラントの進入手段は逆転ねじを含んでいる。第1のインプラントの進入手段は、回転によって組織内へ進入するためのねじを含んでいる。第2のインプラントの進入手段は、打ち込みによって組織内へ進入するための手段を含んでいる。第1のインプラントの進入手段は、打ち込みによって組織内へ進入するための手段を含んでいる。
【0029】
この特徴の実施形態は、更に又は代替的に、以下の特徴のうちの1以上を含んでいる。
【0030】
この外科用器具は更に、第1のインプラントと第2のインプラントとを結合するための縫合糸を含んでいる。第1の部材は内腔を画成しており、第2の部材は前記内腔内に収容されている。この外科用器具はまた、第2の部材を第1の部材に対して進入させるための配備部材をも含んでいる。
【0031】
本発明の1以上の実施形態の詳細は、添付図面及び以下の説明に記載されている。本発明のその他の特徴、目的及び利点は、詳細な説明及び図面並びに特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、縫合アンカー挿入器具の斜視図である。
【図2A】図2Aは、図1の縫合アンカー挿入器具のハンドルの斜視図である。
【図2B】図2Bは、図1の縫合アンカー挿入器具のアダプタの斜視図である。
【図2C】図2Cは、図1の縫合アンカー挿入器具の部材の斜視図である。
【図3】図3は、図1の縫合アンカー挿入器具の末端部分の隠れ線図である。
【図4】図4は、縫合アンカーアセンブリの斜視図である。
【図5A】図5Aは、縫合アンカーの配備中の種々の段階で示されている挿入器具の概略図である。
【図5B】図5Bは、縫合アンカーの配備中の種々の段階で示されている挿入器具の概略図である。
【図5C】図5Cは、縫合アンカーの配備中の種々の段階で示されている挿入器具の概略図である。
【図6A】図6Aは、縫合アンカー挿入器具の代替的な実施形態の斜視図である。
【図6B】図6Bは、図6Aの挿入器具のアダプタの斜視図である。
【図6C】図6Cは、図6Aの挿入器具のアダプタの別の斜視図である。
【図6D】図6Dは、図6Aの挿入器具のアダプタの別の斜視図である。
【図7】図7は、図6Aの縫合アンカー挿入器具の末端部分の隠れ線図である。
【図8A】図8Aは、縫合アンカーの配備中の種々の段階において示した挿入器具の概略図である。
【図8B】図8Bは、縫合アンカーの配備中の種々の段階において示した挿入器具の概略図である。
【図8C】図8Cは、縫合アンカーの配備中の種々の段階において示した挿入器具の概略図である。
【図8D】図8Dは、縫合アンカーの配備中の種々の段階において示した挿入器具の概略図である。
【図8E】図8Eは、縫合アンカーの配備中の種々の段階において示した挿入器具の概略図である。
【図8F】図8Fは、縫合アンカーの配備中の種々の段階において示した挿入器具の概略図である。
【図9A】図9Aは、縫合アンカー挿入器具のもう一つ別の代替的な実施形態の斜視図である。
【図9B】図9Bは、図8Aの挿入器具のアダプタの斜視図である。
【図9C】図9Cは、図8Aの挿入器具のアダプタの別の斜視図である。
【図9D】図9Dは、図9Aの縫合糸アンカー挿入器具の1つの部材の斜視図である。
【図9E】図9Eは、図9Aの縫合糸アンカー挿入器具のハンドルの斜視図である。
【図10A】図10Aは、縫合糸アンカーの配備中の種々の段階において示した図8Aの挿入器具の概略図である。
【図10B】図10Bは、縫合糸アンカーの配備中の種々の段階において示した図8Aの挿入器具の概略図である。
【図10C】図10Cは、縫合糸アンカーの配備中の種々の段階において示した図8Aの挿入器具の概略図である。
【図10D】図10Dは、縫合糸アンカーの配備中の種々の段階において示した図8Aの挿入器具の概略図である。
【図10E】図10Eは、縫合糸アンカーの配備中の種々の段階において示した図8Aの挿入器具の概略図である。
【図11】図11は、縫合糸アンカー挿入器具の別の代替的な実施形態の斜視図である。
【図12】図12は、縫合糸アンカー挿入器具の別の代替的な実施形態の斜視図である。
【図13A】図13Aは、図12の線13A−13Aに沿った断面図である。
【図13B】図13Bは、図12の線13B−13Bに沿った断面図である。
【図14A】図14Aは、縫合糸アンカーの斜視図である。
【図14B】図14Bは、図14Aの縫合糸アンカーの端面図である。
【図14C】図14Cは、図14Aの縫合糸アンカーの線14C−14Cに沿った断面図である。
【図15A】図15Aは、別の縫合糸アンカーの斜視図である。
【図15B】図15Bは、図15Aの縫合糸アンカーの別の斜視図である。
【図15C】図15Cは、図15Aの縫合糸アンカーの線15C−15Cに沿った断面図である。
【図16A】図16Aは、別の縫合糸アンカーの斜視図である。
【図16B】図16Bは、図16Aの縫合糸アンカーの線16B−16B2沿った断面図である。
【図17A】図17Aは、縫合糸アンカーと縫合糸との間の連結部の斜視図である。
【図17B】図17Bは、縫合糸アンカーと縫合糸との間の連結部の斜視図である。
【図17C】図17Cは、縫合糸アンカーと縫合糸との間の連結部の斜視図である。
【図17D】図17Dは、縫合糸アンカーと縫合糸との間の連結部の斜視図である。
【図17E】図17Eは、縫合糸アンカーと縫合糸との間の連結部の斜視図である。
【図17F】図17Fは、縫合糸アンカーと縫合糸との間の連結部の斜視図である。
【図18】図18は、縫合糸アンカーを備えた挿入器具の別の実施形態の図である。
【図19A】図19Aは、図18の縫合糸アンカーの側面図である。
【図19B】図19Bは、縫合糸がアンカーに結合された状態の図18の縫合糸アンカーの頂面図である。
【図20】図20は、組織内に配備された図18の縫合糸アンカーを示している図である。
【発明の詳細な説明】
【0033】
図1の参照すると、例えば、軟らかい組織を骨に取り付けるために縫合糸によって結合された2つのアンカーの関節鏡による挿入を可能にする挿入器具100は、2つのアンカーを収納するための外側管状部材110と、外側管状部材110からのアンカーの制御された配備を可能にするアダプタ130と、アンカーを配備するための作動ハンドル120とを含んでいる。図2Aをも参照すると、ハンドル120はこぶ状突起126を有しており、アダプタ130は、軌道140に沿ったこぶ状突起126の動きが外側管状部材110からの2つのアンカーの配備をガイドするようにこぶ状突起126を収納する案内軌道140を画成している。
【0034】
図1及び2Cを参照すると、外側管状部材110は、基端領域113と末端領域111とを有している。末端領域111は、アンカーを収容するためのアンカー収納部118を有している。アダプタ130は、外側管状部材110の基端領域113を収容するための貫通穴132を画成している末端面131を有している。以下に説明する目的で、外側管状部材110は、末端領域111の壁112は、当該壁を貫通して延びている一対のほぼ平行な長穴114A,114Bを画成している。
【0035】
図2A及び2Bを参照すると、ハンドル120は、柄120aとプランジャ部材128とを含んでいる。柄120aは末端壁124を有する末端121を有している。末端壁124は、内側壁125によって境界が規定されている円錐形チャンバ123内への円形の穴122を画成している。こぶ状突起126が内壁125から径方向内方へ延びている。穴122とチャンバ123とは、ハンドル120とアダプタ130との間のガイドされる相対的な動きを得るためにこぶ状突起126が軌道140内に配置されるように、アダプタ130の基端を収容できる大きさとされている。プランジャ部材128は、穴132を介してアダプタ内及び外側管状部材110内に受け入れられる。プランジャ部材128は、外側管状部材110内に配置されたアンカーと係合するために接触面129で終端している末端領域127を有している。
【0036】
特に図2Bを参照すると、案内軌道140は、基端133からアダプタ130の長手方向の一部分に沿って延びている。案内軌道140が、第1の長手方向伸長部154、第1の横方向伸長部150、第2の長手方向伸長部148、第2の横方向伸長部144及び第3の長手方向伸長部142によって形成されている。第1の長手方向伸長部154は、こぶ状突起126が軌道140へと入るのを許容するために、基端133内の穴157が開口している。第1の長手方向伸長部154は、穴157から第1の横方向伸長部150との第1の結合部155まで基端方向に延びている。第1の横方向伸長部154は、こぶ状突起126の軌道140に沿った相対的な動きを妨げるために、こぶ状突起126を解放可能に収容できる大きさとされているストッパ151を含んでいる。ストッパ151は、曲率半径がこぶ状突起126の半径よりも若干大きい曲率半径を有する横方向伸長部154の基端壁150内の凹所である。第1の横方向伸長部150は、第1の長手方向伸長部154との第1の結合部155から第2の長手方向伸長部148との第2の結合部149までアダプタ130の外周に沿って延びている。第2の長手方向伸長部148は、第2の結合部149から第2の横方向伸長部144との第3の結合部147間で延びており且つ(通常は、収容された縫合糸アンカーに関して)約1インチ(2.54センチメートル)の長さを有している。第2の横方向伸長部144は、ストッパ151に似たストッパ145を含んでおり且つ第3の結合部147から第3の長手方向伸長部142を有している第4の結合部143までアダプタ130の外周に沿って横方向に延びている。第3の長手方向伸長部142は、第4の結合部143から端部141まで末端方向に延びており且つ(収容された縫合糸アンカーに関して標準化された)約1インチ(2.54センチメートル)の長さを有している。第2の長手方向の伸長部148と第3の長手方向伸長部142との長さは、以下に説明するように、部材110内に収容されている2つのアンカーの挿入長さを決定する。
【0037】
図3を参照すると、外側管状部材110のアンカー収納部118は、例えば列状に配列された打ち込みアンカーのような2つのアンカー80,90を収容している。アンカー80,90は、各々、先端82,92によって覆われている末端81,91と、各々、縫合用はと目84,94(図4)を備えた基端83,93とを含んでいる。先端82,92は、例えば骨のような組織を貫通するのに十分な程度に頑丈である。はと目84,94は、図17に関して以下に説明するように、縫合糸をアンカー80,90に結合するための縫合糸用の少なくとも1本のストランドを通すことができる大きさとされている。アンカー80,90は、図14A〜16に関して以下に説明されるように、貫通された組織内にアンカー80,90を保持するための一連の引っかかりねじ85,95によって裏打ちされている。
【0038】
アンカー80,90は、同じく外側管状部材110の内側にあるスペーサ60によって隔離されている。スペーサ60は、接触面62を備えた末端61と、先端収納部64を画成している基端63とを有している。管状の壁112内において、接触面62はアンカー80の基端83に当接しており、先端収納部64はアンカー90の先端92を収容している。収納部64は、先端92との接触面積を増大させ且つ先端92が先端収納部64を貫通するのを防止するように形状がほぼ円錐形とされている。このようにして、アンカー80,90及びスペーサ60は、アンカー80を骨のような組織内へ挿入するためにアンカー90からアンカー80へ押し出し力を伝達することができる機械的な連動機構を形成している。
【0039】
同じく図4を参照すると、アンカーアセンブリ40は、縫合糸50によって結合されたアンカー80,90及びスペーサ60によって形成されている。縫合糸50は、アンカー80,90及びスペーサ60に沿って外側管状部材110の内側のアンカー収納部118内に保持されている。縫合糸50は、縫合糸50をアンカー90に結合するためにはと目94内を通る第1の結び付けられたループ51と、はと目94からはと目84内へと延びている第1の縫合糸部分52とを有している。縫合糸50は、はと目84を出て行き且つ引き結び部54内で第1の縫合糸部分52と結ばれている第2の縫合糸部分53を有している。縫合糸50はまた、引き結び部54を出て行き且つスペーサ60に結合されている端部57へと延びている第3の縫合糸部分56をも含んでいる。図3に示されているようにアンカーが負荷がかけられた状態においては、縫合糸は、引き結び部54がアンカー90の基端側に配置された状態でアンカー90の両側部に沿って延びている。外科医又はその他のオペレータがスペーサ60を引っ張ると、第1の縫合糸部分52の長さは短くなる。引き結び部54は、縫合糸部分52が短くなるのを許容するが縫合糸部分52が長くなる傾向を制限する一方向結び部である。
【0040】
使用時には、オペレータは、アンカー収納部118が骨30内の選択された手術部位31の方に向けられるように挿入器具100を位置決めする。手術部位31は、例えば、軟らかい組織34が骨30に再度取り付けられるべき部位である。挿入器具100は、アンカー80,90、スペーサ60及び引き結び部54を備えた縫合糸50によって予め負荷がかけられている。使用に先立って、こぶ状突起126は、第1の長手方向伸長部154及び軌道140の第1の横方向伸長部150の一部分に沿って穴157内をストッパ151まで進入せしめられる(図2B)。
【0041】
図2B及び5Aを参照すると、オペレータは、次いで、アンカー収納部118を進入させて手術部位31と接触させ、ハンドル120を末端方向に押圧してこぶ状突起126をストッパ151から解放する。オペレータは、ハンドル120を矢印R1の方向に回転させてこぶ状突起を第1の横方向伸長部150に沿って更に結合部149まで動かし、該結合部149においてこぶ状突起126が長手方向伸長部148に入る。
【0042】
同じく図5Bを参照すると、オペレータは、次いで、軸線方向の力F1をハンドル120にかけてこぶ状突起126を第2の長手方向伸長部148に沿って末端方向に動かし且つプランジャ部材128を進入させて、プランジャ部材128の接触面129がアンカー90の基端と係合するようにしてアンカー90を末端方向に押すようにする。アンカー90の先端92は、次いで、スペーサ60の先端収納部64を押圧し、これは、次いでアンカー80の基端83を押圧してアンカー80を管状部材110から末端方向に押して部位31においてアンカー80の先端82を骨30内へ貫入させる。
【0043】
こぶ状突起126が結合部147における第2の長手方向伸長部148の端部に到達すると、骨30内へのアンカー80の貫入が完了する。オペレータは、次いで、ハンドル120を矢印R2の方向へ回転させてこぶ状突起126を軌道140の第2の横方向伸長部144の一部分に沿ってストッパ145まで動かす。オペレータは、次いで、ハンドル120上の末端方向を向いた圧力を解放して、ストッパ145がこぶ状突起126を収容してハンドル120とアダプタ130との間の更なる相対的な動きを妨げるようにさせる。
【0044】
オペレータは、次いで、器具100を部位31から引き抜いて、縫合糸50を、穴114及びスペーサ60及び引き結び部54を介してアンカー収納部118から抜き取る。オペレータは、次いで、アンカー収納部118を第2の手術部位32と整合させ且つハンドル120を末端方向に押してこぶ状突起126をストッパ145から解放する。オペレータは、次いで、ハンドル120を矢印R2の方向に回転させてこぶ状突起126を第2の横方向伸長部144に沿って更に結合部143まで動かし、結合部143においてこぶ状突起126は第3の長手方向伸長部142内へ入る。
【0045】
図5Cを参照すると、オペレータは、ハンドル120に力F2をかけてこぶ状突起126を第3の長手方向伸長部142に沿って末端方向に動かしてプランジャ部材128の接触面129がアンカー90の基端93を押し付けて部位32においてアンカーの先端92を骨30内へ押し込むようにする。こぶ状突起126が端部141に到達してアンカーアセンブリ40が挿入器具100から十分に配備されるまで貫入は続けられる。オペレータは、次いで、手術部位32から挿入器具100を抜き取り、スペーサ60を引っ張って縫合部分62を短くし、このようにして、軟らかい組織34を骨30に保持する。引き結び部54は、組織の緩みを制限するように機能する。
【0046】
以下の実施形態も特許請求の範囲内に含まれる。
【0047】
例えば、図6Aを参照すると、例えば軟らかい組織を骨に取り付けるために縫合糸によって結合された2つのアンカーの間接鏡的な挿入を許容する縫合糸アンカー挿入器具300は、2つのアンカーを収容するための外側管状部材310と、アンカーを配備するための作動ハンドル320と、骨に穴を開けるための後退可能な突き錐390を収容する部材310によって並列に取り付けられた第2の管状部材315と、突き錐390を制御するための作動レバー337と、部材310からのアンカーの及び部材315からの突き錐の制限された配備を可能にするアダプタ330とを含んでいる。図6C及び6Dを参照すると、アダプタ330は、第1の案内軌道340と第2の案内軌道360とを画成している。案内軌道340は、案内軌道140に関して上記した方法と同じ方法で部材310からの2つのアンカーの配備をガイドする。案内軌道360は、レバー337によって突き錐390の伸長及び後退をガイドする。レバー337は、例えば、圧入、溶接又は半田付けによって突き錐390に結合される。
【0048】
外側管状部材310は、基端313と、縫合糸アンカーを収納するためのアンカー収納部318を備えた末端311とを有している。管状部材310は、末端311において貫通して延びている一対のほぼ平行な長穴314A,314Bを備えた壁312を有している。図7を参照すると、部材310のアンカー収納部318は、アンカー収納部118に関連して上記した方法と同じ方法でアンカー80,90を収容している。
【0049】
部材315は、後退可能な突き錐390を収容するための内腔316aを画成している壁316を有している。部材315は、基端317と末端319とを有している。末端317は、穴380を画成している内側の径方向縁382を有している。突き錐390は、穴380内を通る大きさとされた伸長部分394と、本体部分396とを有している。伸長可能な部分394は、突き錐先端391で終端している。本体部分396は、本体部分396が穴380内を伸長することが出来ないように内側の径方向縁382に捕捉される大きさとされている。部材315はまた、以下において更に説明するように、レバー337が基端方向に動きつつあるときに、伸長可能な部分394を内腔316a内へ後退させるように本体部分396と径方向縁382との間で作用する圧縮ばね384をも含んでいる。
【0050】
図6A及び6Bを参照すると、ハンドル320は、柄320aとプランジャ部材328とを含んでいる。柄320aは、末端壁324を備えた末端321を有している。壁324は、内壁325によって境界が定められた円錐形のチャンバ323内への円形開口部322を画成している。こぶ状突起326は、内壁325から径方向内方へ延びている。開口部322とチャンバ323とは、アダプタ330の基端333を収容する大きさとされており且つ2つのアンカーを部材310から配備するためにハンドル320とアダプタ330との間のガイドされた相対的な動きを得るためにこぶ状突起126を軌道340内に保持している。末端321はまた、壁324の位置で末端開口部327aから基端方向へ延びている長手方向のスリット328aをも画成している。長手方向スリット328aは、こぶ状突起326がアダプタ330の長手方向の伸長部342内に収納されているときにスリット328が第2の案内軌道360と径方向に整合するようにこぶ状突起326に対して角度付けされている。プランジャ部材328は、部材310内に摺動可能に嵌合する大きさとされている。プランジャ部材328は、外側管状部材310内に配置されたアンカーと係合するための接触面329において終端している末端領域327を有している。
【0051】
図6A,6C及び6Dを参照すると、アダプタ330は、基端333と、一対の貫通穴332,334を画成している末端面331とを有している。プランジャ部材128は、穴332を介してアダプタ内に収納される。管状部材310の基端313が貫通穴332内に収納され、管状部材315の基端317が貫通穴334内に収納される。案内軌道340,360はアダプタ330の両側に沿って延びている。
【0052】
案内軌道340は、第1の長手方向伸長部354、第1の横方向伸長部350、第2の長手方向伸長部348、第2の横方向伸長部344及び第3の長手方向伸長部342によって形成されている。第1の長手方向伸長部354は、こぶ状突起326が軌道340へ入るのを許容するために基端333において穴357によって開口している。第1の長手方向伸長部354が穴357から第1の横方向伸長部350との結合部355まで末端方向に延びている。第1の横方向伸長部350は、軌道340に沿ったこぶ状突起326の相対的な動きを妨げるためにこぶ状突起326を解放可能に収容できる大きさとされているストッパ351を含んでいる。ストッパ351は、こぶ状突起326の半径よりも若干大きい曲率半径を有している横方向伸長部350の基端壁350P内に設けられた凹所である。第1の横方向伸長部350は、第1の長手方向伸長部354との第1の結合部355から第2の長手方向伸長部348との第2の結合部349までアダプタ330の外周に沿って横方向に延びている。第2の長手方向伸長部348は、第2の結合部349から第2の横方向伸長部344との第3の結合部347まで末端方向に延びており且つ(収納される縫合糸アンカーに関して標準化された)約2.5センチメートル(1インチ)の長さを有している。第2の横方向伸長部344は、ストッパ351に似たストッパ345を含んでおり且つ第3の結合部347から第3の長手方向伸長部342との第4の結合部343までアダプタ330の外周に沿って横方向に延びている。第3の長手方向伸長部342は、第4の結合部343から端部341まで末端方向に延びており且つ(収容される縫合糸アンカーに関して標準化された)約2.54センチメートル(1インチ)の長さを有している。第2の長手方向伸長部348と第3の長手方向伸長部342との長さは、以下において更に説明するように、部材310内に収納される2つのアンカーの挿入深さを決定する。
【0053】
案内軌道360は、長手方向伸長部362と横方向伸長部364とによって形成されている。長手方向伸長部362は、基端側361から横方向伸長部364との結合部まで末端方向に延びている。横方向伸長部364は、結合部363からストッパ365までアダプタ330の外周に沿って横方向に延びている。ストッパ365は、軌道337の相対的な動きを妨げ且つ穴380内に伸長される突き錐390の伸長可能な部分394を維持するようにレバー337を解放可能に収容する大きさとされている。ストッパ363は、軌道360内のレバー337の半径よりも若干大きい曲率半径を有する横方向伸長部364の基端壁364P内に設けられた凹所である。
【0054】
図8Aを参照すると、オペレータは、使用時に、部材310,315を骨30内の選択された手術部位31の方に向けた状態で挿入器具300を位置決めする。手術部位31は、例えば、軟らかい組織が骨30に再度取り付けられるべき部位である。挿入器具300は、アンカー80,90、スペーサ60及び引き結び部を備えた縫合糸50によって予め負荷がかけられている。こぶ状突起326は、第1の長手方向伸長部354及び軌道340の第1の横方向伸長部350の一部分に沿って穴357内を図6Cのストッパ351まで進入せしめられた状態である。突き錐レバー337は、突き錐が後退せしめられるように軌道360内の基端方向に配置されている。
【0055】
図8Bを参照すると、オペレータは、レバー337を軌道360の長手方向伸長部362に沿って末端方向へ進入させて突き錐を部材315から押し出す。レバー337が結合部363に到達すると、オペレータは、レバー337を受け入れ且つ突き錐を伸長状態に維持する。オペレータは、突き錐を使用して手術部位31において骨30内へと軟らかい組織を通る穴31Hを形成する。
【0056】
穴31Hが形成された後に、オペレータは、レバー337をストッパ365から結合部363に向けて横方向部分364に沿って横方向に動かす。結合部363において、オペレータは、レバー337を解放し、ばね384(図7)はレバー337を基端方向へ押して突き錐の伸長可能な部分394を部材315内へ後退させる。
【0057】
図8Cを参照すると、オペレータは、次いで、アンカー収納部318を穴31Hと整合させ且つハンドル320を末端方向に押してこぶ状突起326をストッパ351から解放する。オペレータは、ハンドル320を矢印R1の方向に回転させてこぶ状突起326を第1の横方向伸長部350に沿って結合部349まで更に動かし、結合部349においてこぶ状突起326は長手方向伸長部348内に入る。オペレータは、力F1をハンドル320にかけてこぶ状突起326を第2の長手方向伸長部348に沿って末端方向に動かし且つプランジャ部材328(図6Bに示されている)の接触面329を進入させてアンカー90の基端93に当接させて上記したようにアンカー80を配備する。オペレータは、次いで、ハンドルを矢印R2の方向に回転させてこぶ状突起326を軌道340の第2の横方向伸長部344の一部分に沿ってストッパ345(図6Cに示されている)へと動かす。オペレータは、次いで、ハンドル320上の末端方向の圧力を解放してストッパ345がこぶ状突起326を収容してハンドル320とアンカー330との間の更なる相対的な動きを阻止するようになされている。突き錐は依然として部材315内に十分に配置されているけれども、レバー337はハンドル320の作用によって軌道360内を末端方向へ動かされている。
【0058】
図8Dを参照すると、オペレータは、次いで、器具300を穴31Hから抜き取り、穴314A,314Bのうちの1つを介して縫合糸を引っ張り、スペーサ60をアンカー収納部318から引き出す。オペレータは、次いで、部材310,315を第2の選択された手術部位32の方に向ける。
【0059】
図8Eを参照すると、オペレータは、レバー337を軌道360の長手方向伸長部362に沿って末端方向へ進入させて突き錐を部材315から押し出す。レバー337が結合部363に到達したときに、オペレータは、レバー337を横方向部分364に沿ってストッパ365内へと横方向に動かし、ストッパ365はレバー337を収容し且つ突き錐を伸長状態に維持する。オペレータは、突き錐を使用して手術部位32において柔らかい組織を貫通して骨30内への穴32Hを形成する。
【0060】
穴32Hが形成された後に、オペレータは、レバー337を横方向部分364に沿ってストッパ365から結合部363に向かって動かす。結合部363において、オペレータは、レバー337を解放し、ばね384(図7)はレバー337を基端方向へ押して突き錐の伸長可能な部分394を部材315内へ後退させる。
【0061】
図8Fを参照すると、オペレータは、次いで、アンカー収納部318を穴32Hと整合させ且つハンドル302を末端方向へ押してこぶ状突起326をストッパ345から解放する。オペレータは、更にハンドル320を矢印R3の方向に回転させてこぶ状突起326を第2の横方向伸長部344に沿って結合部343まで動かし、結合部343においてこぶ状突起326は第3の長手方向伸長部342内に入る。オペレータは、力F2をハンドル320にかけてこぶ状突起326を第3の長手方向伸長部342に沿って末端方向に動かし且つ接触面329を進入させてアンカー90の基端93に当接させて上記したようにアンカー90を配備する。ハンドル320の進入中に、レバー337はハンドル320の軌道342内に入る。オペレータは、次いで、挿入器具300を穴32Hから外へ移動し且つスペーサ60を把持して縫合糸部分62を締め付け且つ軟らかい組織を骨30に保持する。
【0062】
図9Aを参照すると、もう一つ別の縫合糸アンカー挿入器具500は、例えば軟らかい組織を骨に取り付けるために、縫合糸によって結合された2つのアンカーの間接鏡的な挿入を可能にする。挿入器具500は、2つのアンカー及び後退可能な突き錐590を収納する外側管状部材510を含んでいる。突き錐590は、骨に穴を形成するための先端591を有している。器具500は、アンカーを配備し且つ突き錐590を伸長させるための作動ハンドル520と、部材510からのアンカー及び突き錐590の制御された配備を可能にする案内軌道560を有しているアダプタ530とを含んでいる。
【0063】
図9A及び9Dを参照すると、部材510は、基端513と、縫合糸アンカーを収容するためのアンカー収納部518を備えた末端511とを有している。部材510は、外周壁512と、部材510の内部をプランジャ用通路515と突き錐用通路517とに分割する内壁516とを有している。アンカー収納部518はプランジャ用通路515の一部分である。壁512は、アンカー収納部518内へ延びている一対のほぼ平行な長穴514A,514Bを画成している。アンカー収納部518は、上記したようにアンカー80,90を収容する。突き錐590は、図7に示されているようにばねによって負荷がかけられている。
【0064】
図9A及び9Eを参照すると、ハンドル520は、柄520aとプランジャ部材528とを含んでいる。ハンドル520は、末端壁524によって境界付けられた末端521を有している。壁524は、内壁525によって境界付けられている円錐形チャンバ523内への円形開口部522を画成している。開口部522とチャンバ523とは、ハンドル520とアダプタ530との間のガイドされる相対的な動きを得るためにアダプタ530の基端533を収容できる大きさとされている。一対のこぶ状突起526,527が内壁525から径方向内方へ延びている。こぶ状突起526,527は、部材510からのアンカー及び突き錐520の制御された配備を可能にするために軌道560によって収容されるような相対的な配置とされている。プランジャ部材528は、部材510のプランジャ部材515内に摺動可能に嵌合する大きさとされている。プランジャ部材528は、接触面529内で終端している。
【0065】
図9A,9B及び9Cを参照すると、アダプタ530は、2つのアンカーの配備並びに部材510からの突き錐590の伸長及び後退をガイドする単一の案内軌道560を画成している。アダプタ530は、基端533と末端面531とを有し且つ管状部材510の基端513とプランジャ528とを収容する貫通穴532を画成している。案内軌道560はアダプタ530の外周に巻き付いている。
【0066】
案内軌道540は、第1の長手方向伸長部582、第1の横方向伸長部578、第2の長手方向伸長部576、第2の横方向伸長部372、第3の長手方向伸長部568、第3の横方向伸長部564及び第4の長手方向伸長部562によって形成されている。第1の長手方向伸長部582は、以下において更に説明するように、こぶ状突起926,927が軌道560内に入るのを可能にするために、基端533の穴583において開口している。第1の長手方向伸長部354は、穴583から第1の横方向伸長部578との第1の結合部581まで末端方向に延びている。第1の横方向伸長部578は、軌道560に沿ったこぶ状突起926,927の相対的な動きを妨げるためにこぶ状突起926,927を解除可能に収容できる大きさとされているストッパ579を含んでいる。ストッパ579は、こぶ状突起326の半径よりも若干大きい曲率半径を備えた凹所である。第1の横方向伸長部578は、第1の長手方向伸長部582との第1の結合部581から第2の長手方向伸長部576との第2の結合部までアダプタ530の外周に沿って延びている。第2の長手方向伸長部576は、第2の結合部577から第2の横方向伸長部572との第3の結合部575まで末端方向に延びている。第2の長手方向伸長部576は、第2の結合部577から第2の横方向伸長部572との第3の結合部575まで末端方向に延びている。第2の長手方向伸長部576は、(収容される縫合糸アンカーに関して一般化された)約2.54センチメートル(1インチ)の長さを有する。第2の横方向伸長部572は、ストッパ579に似ているストッパ573を含んでいる。第2の横方向伸長部572は、第3の結合部575から第3の長手方向伸長部568との第4の結合部569までアダプタ530の外周に沿って横方向に延びている。第3の長手方向伸長部568は、第4の結合部569から第3の横方向伸長部564との第5の結合部567まで末端方向に延びている。第3の長手方向伸長部568は、(収容される縫合糸アンカーに関して一般化された)約2.54センチメートル(1インチ)の長さを有している。第3の横方向伸長部564は、ストッパ579に似たストッパ565を含んでいる。第3の横方向伸長部564は、第5の結合部567から第4の長手方向伸長部562との第6の結合部563までアダプタ530の外周に沿って横方向に延びている。第4の長手方向伸長部562は、第6の結合部563から端部561まで末端方向に延びており且つ(収容される縫合糸アンカーに関して一般化された)約2.54センチメートル(1インチ)の長さを有している。
【0067】
図10Aを参照すると、使用時に、オペレータは、突き錐590を備えた挿入器具500を骨30内の選択された手術部位31に向けて配向されるように配置する。手術部位31は、例えば、軟らかい組織が骨30に再度取り付けられるべき部位である。挿入器具500は、アンカー80,90、スペーサ60及び引き結び部を備えた縫合糸50によって予め負荷がかけられている。こぶ状突起526は、穴583を介し、第1の長手方向伸長部と軌道560の第1の横方向伸長部578の一部分とに沿って図9Bのストッパ579まで進入せしめられている。こぶ状突起526は、突き錐590を突き錐用通路517から伸長させ且つその状態に維持するために、突き錐590の基端593と接触している。オペレータは、突き錐590を使用して骨30及び軟らかい組織36内に穴31Hを形成する。
【0068】
図10Bを参照すると、穴31Hを形成した後に、オペレータは、ハンドル520を矢印R10の方向に回転させて、こぶ状突起526をストッパ579から長手方向伸長部576内へ動かす。このことにより、こぶ状突起526が突き錐590の基端593との接触状態から移動して、ばね(図示せず)が上記したように突き錐590を突き錐用通路517内へ後退させる。オペレータは、次いで、アンカー収納部518をアンカー90の挿入の準備のために穴31Hに配置する。
【0069】
図10Cを参照すると、オペレータは、力F10をハンドル520にかけてこぶ状突起526を長手方向伸長部576に沿って末端方向に動かし且つプランジャ部材528を進入させてアンカー80を配備する。オペレータは、次いで、ハンドル520を矢印R1の方向に回転させて、こぶ状突起526を軌道560の第2の横方向伸長部572の一部分に沿ってストッパ573(図9B及び9Cに示されている)まで動かす。オペレータは、次いで、ストッパ573がこぶ状突起526を収容してハンドル520とアダプタ530との間の相対的な動きを妨げるように、ハンドル520上にかけられた末端方向を向いた圧力を解放する。
【0070】
図10Dを参照すると、オペレータは、次いで、器具500を穴31Hから抜き取り、穴514A,514Bのうちの一つを介して縫合糸50を抜き取る。オペレータは、次いで、ハンドル520を矢印R12の方向に回転させてこぶ状突起526をストッパ573から横方向伸長部572と長手方向伸長部568との結合部569へと動かす。ハンドル520の矢印R12の方向への回転によってまた、こぶ状突起527が突き錐590の末端593と接触する状態とされる。オペレータは、次いで、ハンドル520を末端方向に押してこぶ状突起526を長手方向伸長部568に沿って進入させ且つこぶ状突起527を長手方向伸長部582内へと進入させる。長手方向伸長部568に沿ったこぶ状突起526の進入によってスペーサ60がアンカー収納部518から押し出される。長手方向伸長部582内へのこぶ状突起527の進入によって、突き錐590が突き錐用通路515から伸長せしめられる。ひとたび、こぶ状突起526が結合部567に到達し且つこぶ状突起527が結合部581に到達すると、オペレータは、次いで、ハンドル520を矢印R13の方向に回転させてこぶ状突起527を横方向伸長部564内のストッパ565内へと動かし、こぶ状突起526を横方向伸長部578内のストッパ579へと動かす。オペレータは、次いで、突き錐590を使用して外科部位32において骨に穴32Hを形成する。
【0071】
図10Eを参照すると、穴32Hを形成した後に、オペレータは、ハンドル520を矢印R14の方向に回転させる。この回転によって、こぶ状突起527がストッパ579から長手方向伸長部576内へと動かされ、こぶ状突起526がストッパ565から長手方向伸長部562内へと動かされる。これによって、こぶ状突起526が突き錐590の基端593との接触状態から動かされて、ばねが突き錐590の突き錐用通路517へと後退させるのを可能にする。オペレータは、次いで、アンカー90の挿入の準備のために、アンカー収納部518を穴31Hに位置決めする。オペレータは、次いで、ハンドル520に力F12をかけてこぶ状突起526を長手方向伸長部562に沿って末端方向へ移動させ且つこぶ状突起527を長手方向伸長部576に沿って末端方向へ移動させ、プランジャ部材528を進入させてアンカー90を配備する。オペレータは、次いで、挿入器具500を穴32Hから離れるように移動させ且つ縫合糸部分62を締結し且つスペーサ60を把持して軟らかい組織34を骨に保持する。
【0072】
図11を参照すると、別の縫合糸アンカー挿入器具800は、例えば軟らかい組織を骨に取り付けるために縫合糸によって結合された2つのアンカーの間接鏡的な挿入を可能にする。挿入器具800は、ハンドル810、2つのアンカーを収容するための外側管状部材820及び2つのアンカーのうちの1つを挿入するためのプランジャ部材830を含んでいる。
【0073】
ハンドル810は、末端811と基端813とを有し、プランジャ部材830を収容するために前記末端と基端との間に延びている内側通路814を画成している。ハンドル810の末端811は、部材820の基端を例えば圧縮嵌合状態に収容するための切り抜き部分812を画成している。
【0074】
部材820は、末端821と基端823とを有し且つ基端823から末端821まで延びている軸線方向の通路824を画成している壁827を有している。部材820の基端823がハンドル810の切り抜き部分812内に収納されると、部材820の通路824がハンドル810の内側通路814と連通してプランジャ部材830の通路を形成する。部材820の末端821は、第1の縫合糸アンカー880と非回転状態でかみ合うための縫合糸収納部828を含んでいる。通路824は、例えば、アンカー収納部828の領域内で六角形状に形成されており、アンカー880は、例えば、縫合糸アンカー880を縫合糸アンカー収納部828に結合して複合された回転をさせるための雄型の六角頭部である噛み合い部分882を含んでいる。アンカー880は、例えば、摩擦嵌合又は干渉嵌合によって通路内に保持される。縫合糸アンカー880はまた、骨内への縫合糸アンカー880の捻りによる挿入を容易にするためにねじ部884をも含んでいる。
【0075】
プランジャ部材830は、接触面832を画成している末端831とこぶ状突起836で終端している基端833とを備えた細長いロッド部分834を含んでいる。ロッド部分834は、部材820の軸線方向通路824とハンドル810の軸線方向の通路814との中を摺動する大きさとされている。
【0076】
第2の縫合糸アンカー890は、部材820の軸線方向通路824内に収納されており且つ該通路内で摺動する大きさとされている。縫合糸アンカー890は、例えば、図14A乃至16Bにおいて説明したように、骨内への打ち込み挿入できるように設計されている。縫合糸アンカー880,890は、例えば、引き結び部を備えた縫合糸によって結合され且つ図4に図示されているようにスペーサによって分離されている。
【0077】
使用時には、オペレータは、縫合糸アンカー880を手術部位に接触させ且つハンドル810に回転トルクR15をかけることによって第1の外科部位内に縫合糸アンカー880を挿入する。オペレータは、次いで、縫合糸アンカー890を第2の外科部位に接触させ且つこぶ状突起836に軸線方向の力F15をかけてプランジャ部材830を末端方向に駆動し且つ縫合糸アンカー890を通路824から第2の外科部位へと末端方向に配備する。
【0078】
図12,13A及び13Bを参照すると、もう一つ別の縫合糸アンカー挿入器具900が、例えば、軟らかい組織を骨に取り付けるために縫合糸によって縫合された2つのアンカーの間接鏡的な挿入を可能にする。挿入器具900は、ガイド穴940を画成しているハンドル910と、第1の縫合糸アンカー980を収容するための第1のアンカー収納部921を有している外側管状部材920と、第2の縫合糸アンカー990を収容するための第2のアンカー収納部931を有しているプランジャ部材930とを含んでいる。プランジャ部材930は、部材920の内側に摺動可能に収納させ且つ第2の縫合糸アンカー990を骨内に挿入するためにガイド穴940によってガイドされる。
【0079】
ハンドル910は、末端911と基端913とを有しており且つプランジャ部材930を収容するための内側通路914を画成している。ハンドル910の末端911は、部材920の基端923を例えば圧縮嵌合状態に収容するための切り抜き部分912を画成している。
【0080】
ガイド穴940がハンドル910内を貫通して延びていて通路914と連通している。ガイド穴940は、末端の横方向伸長部942と、基端方向に延びている長手方向の伸長部944とを含んでいる。横方向伸長部942は、端部941から長手方向伸長部944との結合部943まで横方向に延びている。横方向伸長部942は、穴942の基端壁942P内に画成されているストッパ946を含んでいる。長手方向伸長部944は、結合部943から基端のストッパ945までハンドル910に沿って長手方向に延びている。
【0081】
部材920は、末端921と基端923と基端923から末端921まで延びている軸線方向の通路924を画成している壁927とを有している。部材920の基端923がハンドル910の切り抜き部分912内に収納されると、部材920の軸線方向の通路924がハンドル910の内側通路914と連通してプランジャ部材930のための通路を形成する。部材920の末端921は、図11に関して上記したように、噛み合い部分982を有する第1の縫合糸アンカー80との非回転噛合のための縫合糸アンカー収納部982を含んでいる。縫合糸アンカー980はまた、骨内への縫合糸アンカー980の捻りによる挿入を容易にするためのねじ984をも含んでいる。
【0082】
プランジャ部材930は、末端931、基端933及び基端933から末端931まで延びている軸線方向の通路934を画成している壁937を有している。プランジャ部材930は、部材920の軸線方向通路924及びハンドル910の内側通路914内を摺動できる大きさとされている。プランジャ部材930の基端921は、例えば上記したような六角形結合部との噛み合い部分992を有している第2の縫合糸アンカー990と非回転噛合するための縫合糸アンカー収納部938を含んでいる。縫合糸アンカー980はまた、縫合糸アンカー990の骨内への捻りによる挿入を容易にするためのねじ994をも含んでいる。アンカー980及び990は正反対にねじが切られており、例えば、ねじ984は、ハンドル910が矢印R16の方向に回転されたときに縫合糸アンカー980の骨内への捻りによる挿入を容易にし、一方、ねじ994は、ハンドル910がR17の方向に回転されたときに骨内への縫合糸アンカー990の捻りによる挿入を容易にする。
【0083】
プランジャ部材930の基端933は、例えばエポキシ樹脂によって作動ボタン950に結合されている。ボタン950は、ガイド穴940内で摺動してプランジャ部材930の末端931を部材920内の第1の手術部位へ進入させ且つ通路924から伸長させることができる。
【0084】
使用時には、オペレータは、ハンドル910を矢印R16の方向へ回すことによって、器具800を第1の外科部位へと進入させ且つ縫合糸アンカー980を骨内に挿入する。オペレータは、次いで、挿入器具900を第1の手術部位から引き抜いてアンカー980を解放し且つボタン950を長手方向伸長部944に沿って末端方向に進入させてプランジャ部材930を進入させて縫合糸アンカー990を部材920の末端921を超えて末端方向に伸長させる。ボタン950が結合部943に到達すると、オペレータは、ボタン950を横方向伸長部942内で横方向に進入させ且つストッパ946内へ進入させて縫合糸アンカー990を部材920の末端921を通り越した状態に維持する。オペレータは、次いで、ハンドル910をR17の方向に回すことによって縫合糸アンカー990を第2の手術部位に配備する。縫合糸アンカー990を配備するために使用される正反対の回転によって、挿入中に発生するかも知れない縫合糸の巻き込みが取り除かれる。
【0085】
図14A乃至14Cを参照すると、組織内への挿入中に回転する打ち込み縫合アンカー1480は概してロッド形状とされ且つ先端1482によって蓋がされた末端1481と横方向縫合糸用はと目1484を備えた基端1483とを含んでいる。先端1482は、例えば骨のような組織を貫通するのに十分な丈夫さを有している。はと目1484は、一対の凹所1486によって縫合糸アンカー1480の外周から凹んでおり且つ縫合糸の少なくとも1本のストランドを通すことができる大きさとされている。
【0086】
縫合糸1480の外周は、有刺ねじ1485の4つの螺旋状の列1481a乃至1481dを有している。各々の螺旋状の列は、例えば約2mmの同じピッチを有しており且つ滑らかな螺旋状縦溝1488によって隣接する螺旋状の列から分離されている。螺旋状の列1481a乃至1481dは、骨内へのアンカーの挿入及び保持を容易にするために軸線方向の打ち込み力がアンカーにかけられると、アンカー1480を回転させるように作用する。有刺ねじ1485は、末端のテーパー部1486と基端の押縁1487とを有している。テーパー部1486は、骨内へのアンカーの挿入を容易にし且つ骨内でのアンカーの保持を容易にする。
【0087】
図15A乃至15Cを参照すると、組織内への挿入中に回転する打ち込み型の縫合糸アンカー1580のもう一つ別の実施形態は、先端1582によって蓋がされた末端1581と、横方向縫合糸用はと目1584を備えた基端突出部1500によって蓋がされた基端1583とを含んでいる。はと目1584は、一対の凹部1586によって先端1582の外周から凹んでおり且つ少なくとも1本の縫合糸のストランドを通すことができる大きさとされている。図14Aに関して上記したように、アンカー1580は、滑らかな螺旋状の縦溝1588によって分離されている有刺ねじ1585の3つの螺旋状の列を有している。
【0088】
図16A及び16Bを参照すると、組織内への挿入中に回転する打ち込み型縫合糸アンカー1680のもう一つ別の実施形態は、鈍くなされた先端1682によって蓋がされた末端1681と、基端の管状突出部1620によって蓋がされた基端1683とを含んでいる。突出部1620は、図17Aに関して以下に説明するように、縫合糸を縫合糸アンカー1680に結び付けるための外周環状凹部1622によって帯が付けられている。先端1682は、鈍くなされており且つ例えば予め骨又はその他の組織内に予め開けられた穴内に挿入するのに適している。アンカー1680は、末端1681から基端1683まで延びている内側長手方向通路1600を画成している環状の壁1610を有している。長手方向通路1600は、アンカー1680を骨の穴へガイドする助けとするためのガイドワイヤ又はその他の配向部材を収容する。図14Aに関して上記したように、アンカー1680の外周は、滑らかな螺旋状縦溝1688によって分離された有刺ねじ1685の4つの螺旋状の列を有している。
【0089】
図17A乃至17Fは、縫合糸を縫合糸アンカーに結合する種々の方法を図示している。図17Aを参照すると、縫合糸50を図16Aの縫合糸アンカー1680に結合するために、細長い縫合糸50aの一端は、凹部1622内で縫合糸アンカー1680の周りに輪にされており且つ例えばヒートシールされた中国式結び目のような結び目59によって固定されている。縫合糸50aの他端は、ループ58内に形成されており且つ例えばヒートシールされた中国式結び目のような結び目59aによって固定されている。ループ58は、縫合糸50をアンカー1680に結合するための良好なプーリー面を提供するのが有利である。
【0090】
図17Bを参照すると、縫合糸アンカー1781は、縫合糸50を収容するための外周の環状凹部1722によって帯が付けられた基端の管状突出部1720を含んでいる。管状突出部1720は、アンカーの基端面1724から縫合糸50を収容するための外周管状凹部1722まで延びている一対の長手方向通路1725を画成している。縫合糸50は、基端面1724から長手方向通路1725内を通過せしめられ、環状凹部1722の周りに輪にされ、次いで、長手方向通路1725内を基端面1724を通されて戻される。
【0091】
図17Cを参照すると、縫合糸アンカー1782は、外周環状凹部1722によって帯が付けられた基端突出部1720を含んでおり且つアンカーの基端面1724から外周環状凹部1722まで延びている一対の長穴1725を画成している。穴1725は、突出部1720の正反対の端縁に配置されている。細長い縫合糸50bは、各々が1つの長手方向通路1725内を通過し且つ環状凹部1722内に配置されている保持結び目556内で終端してプーリーを形成している一対の端部555を有している。
【0092】
図17Dを参照すると、縫合糸アンカー1783は、縫合糸50cが通される経路1727を画成している。縫合糸の一端は、例えば、中国式結び目59(図17A)によって他の縫合糸に固定して結び目から延びている縫合糸の他端と共にループを形成することができ、又は縫合糸の2つの端部を相互に結んでプーリーを形成することができる。同様に、図17Eを参照すると、縫合糸アンカー1784は、縫合糸50dが通され且つ結び付けられるループ又はプーリーを形成する通路1727aを画成している。
【0093】
図17Fを参照すると、縫合糸アンカー1785は、例えば縫合糸アンカー1785の成形中にアンカーの基端1731内に入れられて縫合糸50を縫合糸アンカー1784に結合する縫合糸部分557を含んでいる。図17B,17C,17D及び17Fの結合方法は、全て、アンカーの直径を越えて伸長する縫合糸が存在しないという利点を有している。
【0094】
図18を参照すると、アンカー挿入アセンブリ1810は、内腔1814を画成している外側管状部材1812と、内腔1814内に収容されている内側部材1816とを含んでいる。アセンブリ1810は、第1及び第2の縫合糸アンカー1818,1820を含んでいる。アンカー1818は、内腔1814内に収容させた基端の折り取りハブ1822を有しており、アンカー1820はアンカー1818の基端の内腔1814に収納されている。アンカー1818,1820は打ち込み型である。アンカー1818を組織内に移植するために外側管状部材1812に対する軸線方向の力f1の適用が使用され、内側部材1816に軸線方向の力f2をかけることによって、内側部材1816が外側部材1812に対して進入せしめられてアンカー1820が配備される。
【0095】
図19A,19Bを参照すると、アンカー1818は、尖った先端1832へとテーパーが付けられた末端1830と、一連の積み重ねられた切頭円錐形状の部材1834とを有している。各々の部材1834は、より大きな外径へと基端方向にテーパーが付けられており、各部材1834の底部外径ODbは、そのすぐ末端側の部材1834よりも大きい。外側部材1812(図18)によってかけられる横方向の又は捻りの力(例えば捻り力)を適用することによって、ハブ1822が部材1834から折り取られるような薄い部分1836によって基端の部材1834aに結合されている。ハブ1822は、部材1834aの底部外径よりも小さい外径を有していて、外側管状部材1812の軸線方向の力がアンカー1818にかけられる部分1834aによって画成されるようになされている。
【0096】
アンカー1818は、2つの貫通穴1840,1842と縫合糸1846を収容するための貫通穴の各対間に軸線方向に延びている通路1844とを画成している。各部材1834は、アンカー1818の組織内への進入中に捻れる傾向に抗する2つの溝1850を画成している。(別の方法として、溝1850は、強度を付加されるように持ち上がったリブによって置き換えても良い。)ハブ1822は、アンカー1820の末端1854を収容する基端の穴1852を有している。アンカー1820は、外径が比較的小さい以外はアンカー1818と設計が同じである。外径がより小さいことにより、アンカー1920が外側管状部材の内腔1814に嵌合することができる。図面においては、アンカー1920はアンカー1818よりも小さいものとして示されているけれども、より小さい必要はない(例えば、アンカー1818及び1820は、同じ長さ及び/又は直径であっても良い)。内側部材1816(図18)は、アンカー1820の折り取りハブ1822aを収容するための末端の切り抜き部1816aを備えた中実の円筒形部材である。
【0097】
特に図19Bを参照すると、縫合糸1846が、第1の縫合糸端部1846aからアンカー1820の穴1842aを通り、次いでアンカー1820の貫通穴1840a内を通って、中国式結び目1850によって固定されたループ1848を形成している。縫合糸1846は結び目1850からアンカー1818へと末端方向に延び且つ貫通穴1840を通って、引き結び部1854によって固定されたループ1852を形成している。縫合糸1846は、結び目1854から穴1842へと延びており、穴1842内で縫合糸1846の第2の端部1846bが固定されている。図19Bには示されていないけれども、縫合糸1846は、穴1842と1844との間及び穴1842aと1844aとの間の通路1844内に存在して、使用時に組織内に配置された縫合糸がアンカーの外径内に留まったままであるようにされている。
【0098】
図20を参照すると、使用時に、オペレータはアンカー1818を骨1860内へ打ち込む。(別の方法として、例えば穴開けによってアンカーのための穴を形成しても良い。)アンカー1818の基端に対する外側チューブ1812の末端の係合によって、駆動力がアンカー1818に伝達される。別の方法として、アンカー1818の直径が例えばアンカー1820の直径まで小さくなった場合には、ハブ1822の基端に対する1以上の突出部(例えば、図18に想像線で示されている打ち抜き具1819)の係合によって駆動力が伝達されるかも知れない。もちろん、打ち抜き具1819は、アンカー1820及び内側部材1816が通るのを許容しなければならない。
【0099】
ハブ1822の折り取り特性によって、外側管状部材1812は、骨内に進入する必要があるハブを有しているアンカーと比較してアンカー1818を移植するために骨1860内まで進入させる必要はない。これは、アンカー給送器具の端部がハブを骨内へ進入させるために進入されるときに起こり得る組織の損傷を制限するという利点を有している。外側管状部材1812に横方向の又は捻り力をかけることによって、オペレータは、ハブ1822をアンカー1818の残りの部分から折り取る。溝1850は、折り取り力がかけられると骨内で回転するアンカー1818に抗する。このことは、例えば手術部位における限定されたスペースのために、オペレータが捻り力を使用する場合に特に有用である。ハブ1822は、ハブ1822が自由にならないように縫合糸の端部1846bに取り付けられたままである。
【0100】
オペレータは、次いで、骨1860内の第2の位置にアンカー1820を配備するために、内側部材1816を外側部材1812に対して進入させる。(別の方法として、例えば穴開けによってアンカーのための穴を予め形成しても良い。)オペレータは、次いで、ハブ1822aを折り取るために、内側部材1816に横方向の又はねじり力をかける。次いで、アンカー1818のハブ1822を引っ張ることによって、引き結び部1854が縫合糸1846に沿って動かされて縫合糸1846が締め付けられ、このようにして、例えば軟らかい組織を骨1860に対してしっかりと再度取り付ける機能を果たす。オペレータは、次いで、引き結び部1854の近くで縫合糸1846を切り取ってハブ1822を取り除く。ハブ1822aは、手術部位内へと外側管状部材1812から落ちないように、(例えば、接着又は圧入によって)内側部材1816に取り付けられる。
【0101】
以上、本発明の多数の実施形態を説明した。それにもかかわらず、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく種々の改造を行っても良いことが理解されるであろう。例えば、手術部位31は骨30内に予め開けられた穴であっても良い。打ち込みアンカーの種々の実施形態には折り取りハブが含まれ得る。従って、他の実施形態も特許請求の範囲の範囲内に含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの移植片(80,90)を収納し且つ長手方向部分及び横方向部分を含んでいる非直線軌道(140)を画成している軸(110)と、
前記移植片(80,90)を配備するために前記非直線軌道に沿って移動可能である配備部材と、を含む外科用器具。
【請求項1】
2つの移植片(80,90)を収納し且つ長手方向部分及び横方向部分を含んでいる非直線軌道(140)を画成している軸(110)と、
前記移植片(80,90)を配備するために前記非直線軌道に沿って移動可能である配備部材と、を含む外科用器具。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図17D】
【図17E】
【図17F】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図17D】
【図17E】
【図17F】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20】
【公開番号】特開2012−35089(P2012−35089A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−204351(P2011−204351)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【分割の表示】特願2006−503334(P2006−503334)の分割
【原出願日】平成16年2月5日(2004.2.5)
【出願人】(397071355)スミス アンド ネフュー インコーポレーテッド (186)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204351(P2011−204351)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【分割の表示】特願2006−503334(P2006−503334)の分割
【原出願日】平成16年2月5日(2004.2.5)
【出願人】(397071355)スミス アンド ネフュー インコーポレーテッド (186)
【Fターム(参考)】
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