組織マーカの配置のためのマーカ伝送装置
マーカ伝送装置は、組織マーカを配置するように構成されている。このマーカ伝送装置は、チャンバを有するハンドルと、カニューレとを具備する。一態様に従えば、前記カニューレは、カニューレの側壁を通って内孔に延びており、互いにほぼ平行になるように離間された複数の周辺スロットから成るスロット配列によって形成されている、可撓性の部分を有している。マーカ導入ロッドが、マーカの配置のためにカニューレの前記内孔中に移動可能に配置されており、カニューレの前記可撓性の部分に対応する可撓性の領域を有している。他の態様に従えば、引込ませメカニズムが、ハンドルに設けられており、この引込ませメカニズムは、駆動すると、前記カニューレ及び前記マーカ導入ロッドの、前記ハンドルのハウジングの前記チャンバ中への完全な引込ませを促すように、構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療装置、特に、経皮の組織マーカの配置のためのマーカ伝送装置に関わる。
【背景技術】
【0002】
生体組織検査が、人体の多くの領域と器官とに、一般に行われており、このような検査では、検査される病変もしくは他の組織が癌でないかどうかを確かめることが、望ましい。多くの場合、このような検査される病変もしくは他の組織は、X線体軸断層(CAT)撮影法、超音波検査法、乳房撮影法のようなイメージング技術の使用によって、特定される。
【0003】
例えば胸部の生体検査では、病変が代表的にとても小さいので、生検材料が、使用されるイメージング方法によって見ることができない程に小さい。このような状況では、病的な組織の完全な除去が必要な場合に、治療者が病変の場所をすばやく且つ精度良く見つけることができるように、生検材料の場所に組織マーカを配置することが、望ましい。この組織マーカは、例えば、組織マーカを収容する針カニューレを有しているマーカ伝送装置によって、生検材料の場所に配置される。
【0004】
いくつかのマーカ伝送装置では、マーカが、カニューレから完全に排出されないことがあり、もしくは、カニューレを引込ませる時に発生される真空状態によって、このカニューレ中に、もしくはこのカニューレの方向に引き戻されることがある。このことによって、前記マーカは、目的の場所から移動し、生検材料の領域の場所の特定が不明確になる。更なる問題は、使用後のマーカ伝送装置の安全な処理であり、特に、患者の組織中に挿入されるマーカ伝送装置の、尖った端部を代表的に有するカニューレ部分の、安全な処理である。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、一態様に従えば、患者の体内の、組織マーカが移動する可能性が低い伝送場所に、組織マーカを完全に伝送するように構成されているマーカ伝送装置を提供し、このような伝送は、カニューレの先端部を例えば生体検査場所の近くの組織に向けるための可撓性の部分を有している硬性のカニューレを介して、組織マーカを伝送することによって、果たされる。本発明は、他の態様に従えば、使用後のマーカ伝送装置の安全な処理を容易にするように構成されている。このマーカ伝送装置は、例えば、X線、超音波、MRIのような種々のイメージングシステムと一緒に、使用され得る。
【0006】
本発明は、1つの形態では、組織マーカを配置するように構成されているマーカ伝送装置を対象にしている。このマーカ伝送装置は、チャンバを有しているハンドルを含む。また、カニューレが、配置のための組織マーカを保持するように構成されている。このカニューレは、カニューレの長手方向に沿って延びている内孔を囲んでいる側壁を有している。また、このカニューレは、カニューレの前記側壁を通って前記内孔へと延びている複数の周辺スロットから成るスロット配列によって形成されている可撓性の部分を、有している。前記複数の周辺スロットは、カニューレの前記可撓性の部分でのたわみを促すように、カニューレの長手方向に沿って互いにほぼ平行となるように、離間されている。マーカ導入ロッドが、カニューレの前記内孔中に移動可能に配置されている。このマーカ導入ロッドは、カニューレの前記可撓性の部分に対応している可撓性の領域を有している。配置メカニズムが、前記ハンドルに設けられており、この配置メカニズムは、この配置メカニズムの駆動時に、組織マーカを配置するために、前記マーカ導入ロッドを移動させるように、構成されている。引込ませメカニズムが、前記ハンドルに設けられており、この引込ませメカニズムは、この引込ませメカニズムの駆動時に、前記カニューレと前記マーカ導入ロッドとの両方を、前記ハンドルのハウジングのチャンバ中に完全に引っ込めることを促すように、構成されている。
【0007】
本発明は、他の形態では、組織マーカを配置するように構成されているマーカ伝送装置を対象にしている。このマーカ伝送装置は、ユーザによって把持されるように構成されているハンドルを有している。カニューレが、基端部と先端部とを有しており、この基端部は前記ハンドルに結合されている。このカニューレは、ほぼ硬性であり、カニューレの長手方向に延びている内孔を囲んでいる側壁を有している。このカニューレは、カニューレの前記側壁を通って前記内孔へと延びている複数の周辺のスロットから成るスロット配列によって形成されている可撓性の部分を、有している。前記複数の周辺スロットは、カニューレの前記可撓性の部分でのたわみを促すように、カニューレの長手方向に沿って互いにほぼ平行となるように、離間されている。マーカ導入ロッドが、カニューレの前記先端部から組織マーカの配置を与えるために、カニューレの前記内孔中で移動可能に配置されている。このマーカ導入ロッドは、駆動端部と、マーカ配置端部と、カニューレの前記可撓性の部分に対応している可撓性の領域と、を有している。
【0008】
本発明は、他の形態では、組織マーカを配置するように構成されているマーカ伝送装置を対象にしている。このマーカ伝送装置は、ユーザによって把持されるように構成されているハンドルを有している。このハンドルは、間にチャンバが設けられている前端部と後端部と、このチャンバから前記ハンドルの外部に延びている孔とを有しているハウジングを含む。カニューレが、基端部と、先端部と、この基端部と先端部との間で前記カニューレの長手方向に沿って延びている内孔と、を有している。このカニューレは、前記孔を通って前記ハウジングの前端部を越えて引込ませ可能に延びるように、前記ハンドル中に配置されている。マーカ導入ロッドが、カニューレの前記先端部から組織マーカの配置を与えるために、カニューレの前記内孔中で移動可能に配置されている。このマーカ導入ロッドは、駆動端部と、マーカ配置端部とを有している。また、配置メカニズムが、ハウジングに設けられている。前記配置メカニズムは、前記マーカ導入ロッドの駆動端部に結合されている。前記配置メカニズムは、この配置メカニズムの駆動時に、組織マーカを配置するために、前記マーカ導入ロッドを移動させるように、構成されている。引込ませメカニズムが、前記ハウジングに設けられており、カニューレの前記先端部に結合されている。この引込ませメカニズムは、この引込ませメカニズムの駆動時に、前記カニューレと前記マーカ導入ロッドとの両方を、前記ハンドルのハウジング中に完全に引っ込めることを促すように、構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の実施形態に従えば、組織マーカを配置するように構成されているマーカ伝送装置の斜視図である。
【図2】図2は、図1のマーカ伝送装置の2−2面に沿って切断された部分の断面図である。
【図3】図3は、図1のマーカ伝送装置の3−3面に沿って切断された部分の断面図である。
【図4A】図4Aは、図1のマーカ伝送装置のカニューレの部分の上面図であり、このカニューレの可撓性の部分を示している図である。
【図4B】図4Bは、図4Aのカニューレの可撓性の部分の側面図であり、このカニューレの可撓性の部分たわみを、たわみのない場合と比較して、細い線で示している図である。
【図4C】図4Cは、前記カニューレの先端部からこのカニューレの内孔中を見た斜視図であり、且つ図4Aのカニューレを後ろから見た図であり、このカニューレの可撓性の部分たわみを、たわみのない場合と比較して、細い線で示している図である。
【図5】図5は、図1のマーカ伝送装置の、他の構成を有する可撓性の部分の上面図である。
【図6】図6は、図1のマーカ伝送装置の、更に他の構成を有する可撓性の部分の上面図である。
【図7】図7は、図1のマーカ伝送装置のマーカ導入ロッドの部分の側面図であり、駆動端部と、マーカ配置端部と、可撓性の領域とを示している図である。
【図8】図8は、生体検査装置と一緒に使用される図1のマーカ伝送装置の斜視図であり、前記カニューレの可撓性の部分のたわみを示している図である。
【図9】図9は、カニューレとマーカ導入ロッドとが、前記ハンドルの長手方向のチャンバ中に完全に引っ込められている、図1のマーカ伝送装置の斜視図である。
【図10】図10は、本発明の他の実施形態に係る、組織マーカを配置するように構成されているマーカ伝送装置の斜視図である。
【図11】図11は、図10のマーカ伝送装置の11−11面に沿って切断された断面図であり、最初の位置の配置メカニズムを示している図である。
【図12】図12は、図10のマーカ伝送装置の断面図であり、マーカの配置位置の前記配置メカニズムを示している図である。
【図13】図13は、図10のマーカ伝送装置の断面図であり、マーカ導入ロッドが最初の引込ませ位置にある前記配置メカニズムを示している図である。
【図14】図14は、図10のマーカ伝送装置の断面図であり、マーカ導入ロッドが次の引込ませ位置にある前記配置メカニズムを示している図である。
【図15】図15は、図10のマーカ伝送装置の15−15面に沿って切断された断面図であり、カニューレの引込ませメカニズムを示している図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付の図と一緒に本発明の実施形態の以下の説明を参照することによって、本発明の前述の特徴、もしくは他の特徴及び効果、並びに、これらを得る方法が、より明らかになり、本発明が、より理解され得る。
【0011】
対応する参照符号が、いくつかの図に渡って、対応する部分を示している。ここに示されている例示は、本発明の実施形態を示しており、如何様にも、本発明の範囲を制限するものとは見なされない。
【0012】
図面、特に図1乃至3を参照すると、本発明の実施形態に従った、組織マーカ12を配置するように構成されたマーカ伝送装置10が、示されている。
【0013】
マーカ伝送装置10は、ハンドル14と、カニューレ16と、マーカ導入ロッド18と、配置メカニズム20と、引込ませメカニズム22とを、含む。
【0014】
前記ハンドル14は、ユーザによって把持されるように構成されており、即ち、前記マーカ伝送装置10のユーザによって把持されるために適した大きさ及び形状を有している。このハンドル14は、前端部24−1と後端部24−2と側壁24−3とを有しており、且つこの前端部24−1と後端部24−2との間に配置されており前記側壁24−3によって囲まれている長手方向のチャンバ26を有しているハウジング24を、含む。孔24−4が、前記チャンバ26から前記ハウジング24の前端部24−1を通って前記ハンドル14の外部に、延びている。トリガースロット24−5が、前記ハウジング24の側壁24−3に沿って延びている。
【0015】
前記カニューレ16は、患者の組織質量中に配置するための組織マーカ12を保持するように構成されており、このカニューレ16は、中空の針の形態であり得る。前記カニューレ16は、このカニューレ16がマーカの配置の前に前記孔24−4を通ってハウジング24の前端部24−1を越えて延びるように、前記ハンドル14中に配置されている。前記カニューレ16は、基端部16−1と先端部16−2とを有しており、この基端部16−1は、前記ハンドル14に結合されている。前記カニューレ16は、カニューレ16の長軸に沿った長手方向28に沿って延びている内孔16−4を囲んでいる側壁16−3を有している。このカニューレ16は、ほぼ硬性であり、例えば、ステンレス鋼、ニチノール、ニッケルクロミウム合金、チタニウムなどのような金属材料によって形成され得る。
【0016】
図4A乃至図4Cを参照すると、カニューレ16は、このカニューレ16の周りに配置されている複数の周辺スロット34から成るスロット配列32によって形成されている可撓性の部分30を、有している。このスロット配列32は、例えば、切削レーザーを使用してカニューレ16に切れ目をつくることによって、カニューレ16に形成され得る。この実施形態では、カニューレ16の前記可撓性の部分30は、カニューレ16の前記基端部16−1より、カニューレ16の前記先端部16−2の近くに配置されている。前記複数の周辺スロット34は、前記カニューレ16の側壁16−2に沿って前記内孔16−4に延びている。また、図4Cに示されているように、この実施形態では、前記スロット配列32の複数の周辺スロット34の各スロットの円周34−1が、前記カニューレ16の全円周の約3分の2である。
【0017】
図4A、図4Bに示されているように、この実施形態では、前記複数の周辺のロッド34は、カニューレ16の前記可撓性の部分30のところでのたわみを促すように、このカニューレ16の長手方向28に沿って互いにほぼ平行となるように、離間されている。図4Bは、前記カニューレ16の可撓性の部分30のたわみの部分を、このカニューレ16のたわみのない部分と比較して、細い線で示している。図4Bと図4Cとに示されているように、前記複数の周辺スロット34の構成(例えば、前記スロットを前記カニューレ16に沿って円周に配置する構成)は、たわみが単一の所定の平面36に沿って生じるように、選択され得る。この実施形態では、例えば、互いにほぼ平行な前記複数の周辺スロット34の各々は、前記カニューレ16の長軸16−5に直交するように、配置されている。
【0018】
前記複数の周辺スロット34の構成と、前記カニューレ16を形成している材料とは、たわみが前記カニューレ16の固定の変形とならないように、選択され得る。例えば、前記スロットの長軸16−5に対するスロット幅34−2と、前記スロットの円周34−1と、前記カニューレ16に沿った前記スロットの軸上の配置と、前記カニューレ16を形成するために使用される材料とは、実証的研究及び/もしくは材料の分析によって選択され得、この結果、前記スロット配列32によって形成されている可撓性の部分30が、カニューレ16の前記先端部が外側からの力(F)によって作用されると、たわみ(例えば前記長軸16−5に対して直角に曲がり)、そして、前記外側からの力(F)が取り除かれると、曲げられる前の状態、例えば前記長軸16−5に沿って真っ直ぐの状態に戻る。
【0019】
図5は、図4A乃至図4Cに示されているスロット配列32に対する代案として使用され得る他のスロット配列38を示している。このスロット配列38は、カニューレ16中に形成され得、例えば、切削レーザーを使用してカニューレ16に切れ目をつくることによって、カニューレ16に形成され得る。このスロット配列38は、前記カニューレ16の周りに配置されている複数の周辺スロット40を含む。これら複数の周辺スロット40は、第1の円弧44−1を有している第1の組の周辺スロット42−1と、第2の円弧44−2を有している第2の組の周辺スロット42−2とを含む。前記第1の組の周辺スロット42−1の第1の円弧44−1は、前記第2の組の周辺スロット42−2の第2の円弧44−2に対して、周方向にずらして配置されている。
【0020】
図6は、図4A乃至図4Cに示されているスロット配列32に対する更なる代案として使用され得る他のスロット配列46を示している。この他のスロット配列46は、カニューレ16の周りに配置されている複数の周辺スロット34を含み、また、連続したスロット配列中の複数の周辺スロット34の少なくとも一部、もしくは全部に連結している前記カニューレ16の長手方向28に沿って延びている軸方向のスロット48を、更に含む。このスロット配列46は、例えば、切削レーザーを使用してカニューレ16に切れ目をつくることによって、カニューレ16に形成され得る。
【0021】
再び図2、図3を参照すると、マーカ導入ロッド18は、カニューレ16の先端部16−2から組織マーカ12の配置を与えるように、前記カニューレ16の内孔16−4中で移動可能に配置されている。図7を参照すると、マーカ導入ロッド18は、駆動端部18−1とマーカ配置端部18−2とを有しており、また、このマーカ導入ロッド18は、カニューレ16の前記可撓性の部分30に対応する可撓性の領域50を有している。従って、カニューレ16の前記可撓性の部分30がたわむのに従って、前記可撓性の領域50もまた、前記マーカ導入ロッド18が組織マーカ12の配置を与えるために内孔16−4に沿って長手方向に移動する能力を保ちながら、たわむ。
【0022】
前記マーカ導入ロッド18の前記可撓性の領域50は、可撓性の金属部材、もしくは可撓性のプラスチック部材として形成され得、この可撓性の領域50は、この実施形態では、前記マーカ導入ロッド18の残りの領域の直径に対して小さい直径を有し得る。また、マーカ導入ロッド18の前記残りの領域は、金属もしくはプラスチックによって形成され得る。
【0023】
図8は、カニューレ16の可撓性の部分30に係るマーカ伝送装置の例としての実施を示しており、特に、生体検査針54によって組織試料を採取する時にカッターと真空ユニットとを駆動する別の(図示されていない)駆動部を有している例としての胸部生体検査装置52の一部を、示している。従って、マーカ伝送装置10のカニューレ16は、患者の組織に組織マーカ12を配置するための生体検査針54の内孔から、挿入される。
【0024】
生体検査針54は、この生体検査針54の内孔に配置されている試料チャンバ58へと延びる側方の試料ノッチ56を有している。カニューレ16が、前記生体検査針54の内孔中で試料チャンバ58の端部へと前進するのに従って、この試料チャンバ58の端部の傾斜面58−1が、前記カニューレ16の先端部16−2を曲げるように力を与え、前記カニューレの可撓性の部分30にたわみ(図4A乃至図4C参照)を生じさせ、かくして、カニューレ16先端部16−2を試料ノッチ56から露出させる。前記生体検査針54の内孔中のカニューレ16の更なる効果によって、図8に示されているように、カニューレ16の先端部16−2が、生体検査の場所に近接する組織を貫通するように、試料ノッチ56から延びている。
【0025】
従って、カニューレ16の内孔16−4中でマーカ導入ロッド18が前進することによって(図3参照)、組織マーカ12が、生体検査の場所の周囲の組織に配置される。このマーカ導入ロッド18の可撓性の領域50(例えば、図7参照)が、カニューレ16の可撓性の部分30のたわみの前、途中、後の、このカニューレ16の可撓性の部分30各々の形状に一致する。
【0026】
代わって、カニューレ16の先端部16−2は、試料ノッチ56から延びないで試料ノッチ56に露出しても良く、また、組織マーカ12は、生体検査針54の試料ノッチ56から生体検査キャビティ中に配置されても良い。
【0027】
図1乃至図3を参照すると、配置メカニズム20が、ハンドル14のハウジング24に設けられており、ユーザによる配置メカニズム20の駆動時に、組織マーカ12を配置するためのマーカ導入ロッド18を移動させるように、構成されている。一般に、配置メカニズム20は、マーカ伝送装置を、マーカの配置の1回の使用に制限するように、構成されている。図1及び図2は、(マーカが配置されていない)最初の位置60の配置メカニズム20を示しており、図3は、マーカの配置位置62の配置メカニズム20を示している。
【0028】
より具体的には、配置メカニズム20は、導入ロッドガイドブロック64と、マーカ配置用トリガー66と、第1の剪断部材68とを含む。この導入ロッドガイドブロック64は、例えばマーカ導入ロッド18の一部をマーカ導入ロッドガイドブロック64へとモールド成形することによって、マーカ導入ロッド18の駆動端部18−1に取着されており、ハウジング24のチャンバ26中で摺動可能に配置されている。マーカ配置用トリガー66は、ハンドル14のハウジング24の外側で操作され得る。このマーカ配置用トリガー66は、マーカの配置位置62に配置メカニズム20を配置するように、図1及び図2に示されている最初の位置60から前記ハウジング24の前端部24−1の方へ、このハウジング24のトリガースロット24−5に沿って側方移動するために、ハウジング24に設けられている。
【0029】
この実施形態では、前記マーカ配置用トリガー66と前記導入ロッドガイドブロック64とが、第1の剪断部材68によって連結されている。この第1の剪断部材68は、マーカ配置用トリガー66から延びており、導入ロッドガイドブロック64中に設けられている凹部70中に配置されている。かくして、前記マーカ配置用トリガー66の駆動によって、前記第1の剪断部材68は、前記導入ロッドガイドブロック64を移動させ、そして、前記マーカ導入ロッド18を前記カニューレ16の長手方向に沿って移動させ、前記カニューレ16の内孔16−4から組織マーカ12を配置させる。第1の剪断部材68は、剪断位置を設けるために、断面積が減じられた領域68−1、例えば環状の溝を有している。
【0030】
導入ロッドガイドブロック64の外側の形状が、ハンドル14のハウジング24の類似した内側の形状を有する、長手方向のチャンバ26で摺動可能に収容されるように、選択され得る。従って、前記導入ロッドガイドブロック64の外側の形状と前記長手方向のチャンバ26の類似した内側の形状とが円形ではない実施形態では、導入ロッドガイドブロック64が、ハンドル14のハウジング24に対するマーカ導入ロッド18の回動を防ぎ、かくして、前記ハンドル14に対するマーカ導入ロッド18の一定の向きを維持する。
【0031】
また、前記導入ロッドガイドブロック64の外側の形状と前記長手方向のチャンバ26の類似した内側の形状とが円形である実施形態では、この導入ロッドガイドブロック64の凹部70が、前記ハンドル14のハウジング24に対するマーカ導入ロッド18の角度位置の変化、即ち、回動を促すように、環状の溝の形態であり得る。このような場合では、ハンドル14の外側に配置されている回動装置、即ちノブ(示されていない)が、前記ハンドル14に対するマーカ導入ロッド18の向きに変化を与えるように、導入ロッドガイドブロック64に結合され得る。
【0032】
図2に最も良く示されているように、配置メカニズム20は、組織マーカ12が配置された後に、マーカ配置用トリガー66を組織マーカ12の配置位置にロックするように、ロックメカニズム72を更に含む。この実施形態では、ロックメカニズム72は、前記マーカ配置用トリガー66に形成もしくは取着されている第1のロック部材72−1を含み、また、ハウジング24に形成もしくは取着されている第2のロック部材72−2を含む。作動時に、この第1のロック部材72−1は、前記マーカ配置用トリガー66がマーカ配置位置62に配置された時に、第2のロック部材72−2に固く係合し、この結果、マーカ伝送装置10をマーカ配置の1回の動作に制限する。
【0033】
第1のロック部材72−1と第2のロック部材72−2との一方は、例えばロックチャンネルであり、前記第1のロック部材72−1と第2のロック部材72−2とのもう一方は、ばね式挿入部材であり得、マーカ配置用トリガー66とマーカ導入ロッド18とが前記マーカの配置位置62に配置された時に、前記ロックチャンネルに係合する。図2に示されている実施形態では、例えば、第1のロック部材72−1は、ロックチャンネルとしてマーカ配置用トリガー66に形成されており、第2のロック部材72−2は、ばね式ピンの形態であり、この第2のロック部材72−2は、配置メカニズム20とマーカ導入ロッド18とを前記マーカの配置位置に配置するためのマーカ配置用トリガー66がハウジング24の前端部24−1へと摺動された時に、ロックチャンネルに係合する。更なる例として、第2のロック部材72−2がハウジング24中のロックチャンネルとして形成される場合、このロックチャンネルは、トリガースロット24−5によって形成されるか、これと一体的に形成され得る。ばね式挿入部材としての第1のロック部材72−1は、マーカ配置用トリガー66がマーカの配置位置62に配置された時に前記ロックチャンネルに係合する突出部を備えた、片持ちアームであっても良い。
【0034】
再び図1乃至図3を参照すると、引込ませメカニズム22が、前記ハンドル14のハウジング24に設けられており、ユーザによる引込ませメカニズム22の駆動時に、前記カニューレ16とマーカ導入ロッド18とが前記ハンドル14のハウジング24のチャンバ26中に完全に引っ込むことを促すように、構成されている。この駆動は、通例、組織マーカ12の配置後に行われる。この引込ませメカニズム22は、カニューレ16とマーカ導入ロッド18とがハンドル14のハウジング24のチャンバ26中に完全に引込められた後に、これらカニューレ16とマーカ導入ロッド18とがチャンバ26の外側に延びるのを防ぐように、構成されている。このことによって、マーカ伝送装置10の安全な配置が促され、マーカ伝送装置10の使用による医療関係者もしくは患者への不慮の穿刺に対する心配が、軽減される。
【0035】
より具体的には、引込ませメカニズム22は、引込ませトリガー74と、カニューレガイドブロック76と、第2の剪断部材78と、ばね80とを有している。この引込ませトリガー74は、例えば側壁24−3の孔24−7を通っており、前記ハウジング24の外側で操作可能な押しボタンの形態であり得る。カニューレガイドブロック76は、例えばカニューレ16をカニューレガイドブロック76へとモールド成形することによって、カニューレ16の前記基端部16−1に固く取着されている。このカニューレガイドブロック76は、ハウジング24の長手方向のチャンバ26中で摺動可能に配置されている。この実施形態では、第2の剪断部材78が、前記引込ませトリガー74の延長部分として、形成されている。
【0036】
図3に最も良く示されているように、前記引込ませトリガー74と前記カニューレガイドブロック76とは、このカニューレガイドブロック76中に配置されている凹部82中に設けられている第2の剪断部材78によって、連結されている。かくして、前記カニューレガイドブロック76は、静止した状態、例えば、前記ハンドルに対して軸方向に静止した状態に、保持される。ばね80は、前記ハウジング24の前端部24−1と前記カニューレガイドブロック76との間に位置されており、このばね80は、前記引込ませトリガー74の駆動前に、圧縮された状態であり、かくして、前記カニューレガイドブロック76を予め付勢している。
【0037】
前記カニューレガイドブロック76の外側の形状は、類似した内側の形状の、前記ハンドル14のハウジング24の長手方向のチャンバ26中で摺動可能に収容されるように、選択され得る。従って、前記カニューレガイドブロック76の外側の形状と前記長手方向のチャンバ26の類似した内側の形状とが円形ではない実施形態では、このカニューレガイドブロック76は、ハンドル14のハウジング24に対するカニューレ16の回動を防ぎ、かくして、ハンドル14に対するカニューレ16の一定の向きを維持する。
【0038】
しかしながら、前記カニューレガイドブロック76の外側の形状と前記長手方向のチャンバ26の類似した内側の形状とが円形である実施形態では、前記カニューレガイドブロック76の凹部82は、前記ハンドル14のハウジング24に対するマーカ導入ロッド18の角度位置の変化、即ち、回動を促すために、環状の溝の形態であり得る。かくして、前記ハンドル14に対する前記カニューレ16の変更可能な方向付けが、容易になる。このような場合、前記カニューレ16は、このカニューレ16を把持し、回すことによって、手動で回動され得る。代わって、前記ハンドル14の外側に配置されている回動装置、即ちノブ(示されていない)が、このハンドル14に対するカニューレ16の向きに変化を与えるように、ガイドブロック76に結合され得る。
【0039】
前記引込ませトリガー74の駆動によって、前記カニューレ16と前記マーカ導入ロッド18との両方が、前記ハンドル14のハウジング24のチャンバ26中に完全に引っ込められる。より具体的には、図3に示されているように、第2の剪断部材78は、剪断位置を設けるために、断面積が減じられた領域78−1、例えば環状の溝を有している。最初に、前記第2の剪断部材78の前記断面積が減じられた領域78−1は、前記側壁24−3に設けられている孔24―7中に収容されており、従って、前記断面積が減じられた領域78−1の領域での、更なる支持を与えている。
【0040】
この実施形態では、引込ませトリガー74の駆動(押圧)によって、前記第2の剪断部材78が径方向に移動し、これによって前記第2の剪断部材78が剪断される。より具体的には、前記引込ませトリガー74を押圧することによって、前記第2の剪断部材78の前記断面積が減じられた領域78−1は、前記ハウジング24の側壁24−3から前記長手方向のチャンバ26に入り、この結果、前記第2の剪断部材78の断面積が減じられた領域78−1は、前記側壁24―3によって支持されず、前記ばね80によって与えられるばね力が、前記第2の剪断部材78の断面積の減じられた領域78−1の、剪断に対する抵抗に打ち勝つ。前記第2の剪断部材78の剪断によって、前記ばね80が、図1乃至図3に示されている圧縮された状態から解放され、前記カニューレガイドブロック76が前記ハウジング24の後端部24−2へと移動し、前記カニューレ16の最初の引込ませが開始される。このばね80の連続した圧縮の解除によって、前記カニューレガイドブロック76が、導入ロッドガイドブロック64に衝突して前記第1の剪断部材68が剪断されて、かくして、前記カニューレ16及び前記マーカ導入ロッド18の、前記ハンドル14のハウジング24のチャンバ26への、同期した引込ませが始まる。前記カニューレ16及び前記マーカ導入ロッド18のハンドル14への同期した引込ませは、これらカニューレ16とマーカ導入ロッド18との両方が、図9に示されているように、前記ハンドル14のハウジング24の長手方向のチャンバ26中に完全に収容された後に、終了する。
【0041】
代わって、離間装置84(図1参照)が、前記導入ロッドガイドブロック64とカニューレガイドブロック76との間に配置され得る。この離間装置84は、前記長手方向28に沿った全長を有している。かくして、前記導入ロッドガイドブロック64がマーカの配置位置62に配置されると、前記カニューレガイドブロック76は、前記導入ロッドガイドブロック64と動作可能に接触し、また、前記引込ませトリガー74が駆動されると、前記第1の剪断部材68と前記第2の剪断部材78とは、ほぼ同期して剪断されて、前記カニューレ16及び前記マーカ導入ロッドの、前記ハウジング24のチャンバ26への完全な同期した引込ませが、生じる。
【0042】
図10乃至図15は、本発明の他の実施形態を示しており、ハンドル112と、カニューレ16と、マーカ導入ロッド18と、配置メカニズム114と、カニューレ引込ませメカニズム116とを有するマーカ伝送装置110を示している。カニューレ16とマーカ導入ロッド18とは、前述のように構成され得、かくして、簡潔にするために、これらの動作の全詳細は、ここでは繰り返されない。このマーカ伝送装置110は、マーカ伝送装置110の配置メカニズム114が、前記マーカ導入ロッド18の完全な引込ませを促してから、カニューレ引込ませメカニズム116によって与えられるカニューレの引込ませを開始させるように構成され得る、という点において、マーカ伝送装置10の実施形態とは機能的に異なる。
【0043】
前記ハンドル112は、マーカ伝送装置110のユーザの手によって把持されるために適切な大きさ及び形状を有するように構成されている。前記ハンドル112は、前端部118−1と後端部118−2と側壁118−3とを有し、前記前端部118−1と前記後端部118−2との間に配置されている長手方向のチャンバ120を備えたハウジング118を含む。孔118−4が、前記長手方向のチャンバ120から前記ハウジング118の前端部118−1を通って前記ハンドル112の外側に、延びている。前記カニューレ16は、マーカ配置の前に、最初にこの孔118−4から前記ハウジング118の前端部118−1を越えて延びるように、前記ハンドル112中に配置されている。トリガースロット118−5が、前記ハウジング118の側壁118−3から延びている。
【0044】
配置メカニズム114は、前記ハンドル112のハウジング118に設けられており、ユーザによるこの配置メカニズム114の駆動時に、組織マーカ12を配置するためのマーカ導入ロッド18を移動させるように構成されている。図10及び図11は、最初の位置121(使用されない、マーカが配置されない位置)の配置メカニズム114を示している。図12は、マーカの配置位置122の配置メカニズム114を示している。図13は、マーカ導入ロッドが最初の引込ませ位置124にある配置メカニズム114を示している。図14は、マーカ導入ロッドの次の引込ませ位置126にある配置メカニズム114を示している。
【0045】
配置メカニズム114は、導入ロッドガイドブロック128と、多段式のマーカ配置用トリガー130と、第1の剪断部材132と、導入ロッド引込ませばね133とを有している。この第1の剪断部材132は、剪断位置を設けるために、断面積が減じられた領域132−1、例えば環状の溝を有している。前記導入ロッドガイドブロック128は、マーカ導入ロッド18の駆動端部18−1に取着されており、前記ハウジング118の長手方向のチャンバ120中で摺動可能に配置されている。前記マーカ配置用トリガー130は、前記ハンドル112のハウジング118の外側で操作可能である。このマーカ配置用トリガー130は、内側のスリーブ130−1と外側の駆動部130−2とを有している。マーカ配置用トリガー130は、トリガースロット118−5に沿った側方の移動のために、ハウジング118に設けられている。
【0046】
図11乃至図14は、前記マーカ配置用トリガー130の内側のスリーブ130−1と外側の駆動部130−2の移動の種々の段階を示している。この実施形態では、マーカ配置用トリガー130と導入ロッドガイドブロック128とは、前記第1の剪断部材132によって連結されている。この第1の剪断部材132は、前記マーカ配置用トリガー130の内側のスリーブ130−1から延びており、前記導入ロッドガイドブロック128に配置されている凹部134中に設けられている。
【0047】
最初に、図11に示されているように、マーカ配置用トリガー130の内側のスリーブ130−1と外側の駆動部130−2とは、この内側のスリーブ130−1に設けられているドライブタブ136によって連結されている。このドライブタブ136は、前記外側の駆動部130−2に形成されているドライブスロット138に係合している。この連結によって、前記内側のスリーブ130−1と前記外側の駆動部130−2とは、最初に同時に移動する。前記ドライブスロット138は、細長い導入ロッド引込ませスロット142とドライブスロット138とを分けるための下向きのリップ140によって、規定されている。前記ドライブタブ136は、例えば連結膜(a linking membrane)によって前記内側のスリーブ130−1にヒンジ付けされ得る。前記ドライブタブ136は、前記ドライブスロット138のリップ140に最初に係合する、上側に延びている突出部136−1を含む。導入ロッド引込ませばね133が、わずかな圧力を受けて、前記カニューレ引込ませメカニズム116と前記導入ロッドブロック128との間に、より具体的には、前記導入ロッドガイドブロック128と前記カニューレガイドブロック156との間に、設けられている。
【0048】
図12を参照すると、前記マーカ配置用トリガー130の外側の駆動部130−2の、前記ハンドル112のハウジング118の前端部118−1への摺動による、マーカ配置用トリガー130の駆動によって、前記内側のスリーブ130−1は、前記導入ロッドガイドブロック128を移動させるために、前記長手方向のチャンバ120に沿って長軸方向に第1の剪断部材132を移動させる。そして、前記マーカ導入ロッド18が、図12に示されている前記マーカの配置位置122に至る時、前記カニューレ16の長手方向28に沿ってマーカ導入ロッド18を移動させ、前記カニューレ16の内孔16−4から前記組織マーカ12を配置させる。この段階では、導入ロッド引込ませばね133は、圧縮されている。前記ハウジング118は、指示ライン144を含み、この結果、前記内側のスリーブ130−1の前縁部146が、前記マーカの配置位置122に至ったことを指示するために前記指示ライン144に合わせられている時、ユーザは、前記カニューレ16の先端部16−2から組織マーカ12を配置することが、保証される。
【0049】
また、図12に示されているように、前記マーカ配置用トリガー130がマーカの配置位置122に配置されると、ドライブタブ136は、前記ハウジング118中の引込ませチャンネル148の上方に配置される。前記マーカ配置用トリガー130の外側の駆動部130−2の、前記ハンドル112のハウジング118の前端部118−1への更なる摺動によって、前記ドライブスロット138の後縁部を形成しているリップ140は、前記ドライブタブ136の突出部136−1を押して、前方にひねり、前記ハンドル112のハウジング118中に形成されている引込ませチャンネル148へと下方に変形させ、従ってリップ140は、前記ドライブタブ136の突出部136−1の上方を通過し始めることができる。この段階で、導入ロッド引込ませばね133は、最大限に圧縮された状態である。
【0050】
図13に示されているように、前記マーカ配置用トリガー130の外側の駆動部130−2の、前記ハンドル112のハウジング118の前端部118−1への更なる摺動によって、リップ140は、前記ドライブタブ136の上側の突出部136−1の上方を通過し、かくして、前記ドライブタブ136は、前記内側のスリーブ130−1に対して本来の幾何学形状を回復することができ、かくして、前記リップ140は、前記引込ませチャンネル148から離れて上方に移動する。このような動作は、前記外側の駆動部130−2の前端部150が前記内側のスリーブ130−1の指示ライン152に合わせられている時に、行われる。この段階で、導入ロッド引込ませばね133は、圧縮が解除され始める。従って、配置メカニズム114の一部、例えば、内側のスリーブ130−1、外側の駆動部130−2、ドライブタブ136、リップ140、配置メカニズム114の引込ませチャンネル148は、前記マーカ導入ロッド18のための導入ロッド引込ませメカニズム153としても機能する。
【0051】
図14に示されているように、前記ドライブタブ136の上側の突出部136−1が前記引込ませチャンネル148から完全に解放されており、前記ドライブタブ136の上側の突出部136−1が前記導入ロッド引込ませスロット142に配置されている状態で、前記導入ロッド引込ませばね133の圧縮の解除によって、前記導入ロッドガイドブロック128は、前記ハウジング118の後端部118−2(図10参照)へと押圧され、そして、前記マーカ導入ロッド18と前記内側のスリーブ130−1とは、図10及び図11に示されているように、最初の位置へと戻される。前記導入ロッド引込ませばね133によって与えられるばね力は、例えば、前記内側のスリーブ130−1の、前記ハウジング118の端壁118−6への衝突によって、前記断面積が減じられた領域132−1で、前記第1の剪断部材132が剪断されて、従って、前記カニューレ16の引込ませの開始の前に、前記長手方向のチャンバ120中へのマーカ導入ロッド18の完全な引込ませが促されるように、選択される。
【0052】
代わって、前記導入ロッド引込ませばね133によって与えられるばね力は、前記内側のスリーブ130−1の、前記ハウジング118の端壁118−6への衝突によって、前記マーカ導入ロッド18の前記長手方向のチャンバ120中への引込ませが、このマーカ導入ロッド18の部分的な引込ませの後と前記カニューレ16の引込ませの開始前とに止まるように、選択され得る。
【0053】
また、図14に示されているように、この段階では、前記マーカ配置用トリガー130の外側の駆動部130−2は、前記内側のスリーブ130−1に連結されていない。かくして、前記マーカ配置用トリガー130の外側の駆動部130−2の駆動によって前記マーカ導入ロッドが更に延びることを防ぎ、従って、前記マーカ伝送装置110を、組織マーカの1回の配置のために使用可能にしている。
【0054】
図14及び図15に関連して図10を再度参照すると、カニューレ引込ませメカニズム116は、前記ハンドル113のハウジング118に設けられており、また、このカニューレ引込ませメカニズム116は、ユーザによるカニューレ引込ませメカニズム116の駆動時に、前記ハンドル112のハウジング118の長手方向のチャンバ12中へのカニューレ16の完全な引込ませを促すように、構成されている。この駆動は、通例、前記組織マーカ12の配置の後に行われる。図15は、マーカ導入ロッド18がマーカの配置位置122にある、カニューレ引込ませメカニズム116を示している。このカニューレ引込ませメカニズム116は、前記カニューレ16及び前記マーカ導入ロッド18が前記長手方向のチャンバ20中に完全に引っ込められた後に、前記カニューレ16及び前記マーカ導入ロッド18が前記ハンドル112のハウジング118の長手方向のチャンバ120の外側に延びるのを防ぐように、構成されており、かくして、前記マーカ伝送装置110の安全な配置が促され、マーカ伝送装置110の使用による医療関係者もしくは患者への不慮の穿刺に対する心配が、軽減される。
【0055】
カニューレ引込ませメカニズム116は、引込ませトリガー154と、カニューレガイドブロック156と、第2の剪断部材158と、カニューレ引込ませばね160とを含む。引込ませトリガー154は、例えば側壁118−3にある孔118−7を通っており、前記ハウジング118の外側で操作可能な押しボタンの形態であり得る。前記カニューレガイドブロック156は、前記カニューレ16の基端部16−1に取着されている。このカニューレガイドブロック156は、前記ハウジング118の長手方向のチャンバ120中で摺動可能に配置されている。この実施形態では、第2の剪断部材158は、前記引込ませトリガー154の延長部分として、形成されている。
【0056】
引込ませトリガー154とカニューレガイドブロックとは、このカニューレブロック中に配置されている凹部162中に設けられている第2の剪断部材158によって連結されており、かくして、前記カニューレガイドブロック156は、前記ハンドル112のハウジング118に対して静止した状態に保持される。カニューレ引込ませばね160は、前記ハウジング160の前端部118−1と前記カニューレガイドブロック156との間に配置されており、このカニューレ引込ませばね160は、前記引込ませトリガー154の駆動前に、圧縮された状態であり、かくして、前記カニューレガイドブロック156を予め付勢している。
【0057】
前記引込ませトリガー154の駆動によって、前記カニューレ16が、前記ハンドル112のハウジング118の長手方向のチャンバ120中に完全に引っ込められる。より具体的には、図15に示されているように、最初は、前記第2の剪断部材158の断面が減じられた領域158−1が、側壁118−3によって支持されており、従って、この断面積が減じられた領域158−1での更なる支持部を与えている。前記引込ませトリガー154の駆動(押圧)によって、前記第2の剪断部材158が径方向に移動し、この第2の剪断部材158の断面積が減じられた領域は、前記ハウジング118の側壁118−3から前記長手方向のチャンバ120に入り、この結果、前記第2の剪断部材158の断面積が減じられた領域158−1は、前記側壁118−3によって支持されない。従って、前記カニューレ引込ませばね160によって与えられるばね力が、前記第2の剪断部材158の断面積が減じられた領域158−1の、剪断に対する抵抗に打ち勝つ。前記第2の剪断部材158の剪断によって、カニューレ引込ませばね160が、示されている圧縮された状態から解放され、前記カニューレガイドブロック156が、前記ハウジング118の後端部118−2へと移動し、前記ハンドル112のハウジング118の長手方向のチャンバ120への、前記カニューレ16の完全な引込ませが、果たされる。
【0058】
前記マーカ導入ロッド18の部分的な引込ませの場合、もしくは、ユーザが前記引込ませトリガー154の駆動の前に前記ハンドルのハウジング118の長手方向のチャンバ120への、前記マーカ導入ロッドの前述の引込ませを行わない場合、前記カニューレ引込ませばね160の連続した圧縮の解除によって、前記カニューレガイドブロック156が、導入ロッドガイドブロック128に衝突して前記第1の剪断部材132が剪断されて、かくして、前記カニューレ16及び前記マーカ導入ロッド18の、前記ハンドル112のハウジング118の長手方向のチャンバ120への、完全に同期した引込ませが促される。
【0059】
引込ませの工程は、前記カニューレ16及びマーカ導入ロッド18が前記ハンドル112のハウジング118の長手方向のチャンバ120中に完全に収容されると、完了する。
【0060】
本発明は、少なくとも1つの実施形態に関連して説明されているが、本発明は、この説明の精神及び範囲内で、更に変更されることが可能である。従って、この出願は、一般原則によって、本発明のいかなる変形例、使用、適応をも含むように、意図されている。更に、この出願は、本説明からのこのような逸脱を、本発明が関連しており且つ添付の請求項の制限の範囲内に含まれているこの分野で周知の実施、もしくは一般の実施の範囲内として含むように、意図されている。
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療装置、特に、経皮の組織マーカの配置のためのマーカ伝送装置に関わる。
【背景技術】
【0002】
生体組織検査が、人体の多くの領域と器官とに、一般に行われており、このような検査では、検査される病変もしくは他の組織が癌でないかどうかを確かめることが、望ましい。多くの場合、このような検査される病変もしくは他の組織は、X線体軸断層(CAT)撮影法、超音波検査法、乳房撮影法のようなイメージング技術の使用によって、特定される。
【0003】
例えば胸部の生体検査では、病変が代表的にとても小さいので、生検材料が、使用されるイメージング方法によって見ることができない程に小さい。このような状況では、病的な組織の完全な除去が必要な場合に、治療者が病変の場所をすばやく且つ精度良く見つけることができるように、生検材料の場所に組織マーカを配置することが、望ましい。この組織マーカは、例えば、組織マーカを収容する針カニューレを有しているマーカ伝送装置によって、生検材料の場所に配置される。
【0004】
いくつかのマーカ伝送装置では、マーカが、カニューレから完全に排出されないことがあり、もしくは、カニューレを引込ませる時に発生される真空状態によって、このカニューレ中に、もしくはこのカニューレの方向に引き戻されることがある。このことによって、前記マーカは、目的の場所から移動し、生検材料の領域の場所の特定が不明確になる。更なる問題は、使用後のマーカ伝送装置の安全な処理であり、特に、患者の組織中に挿入されるマーカ伝送装置の、尖った端部を代表的に有するカニューレ部分の、安全な処理である。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、一態様に従えば、患者の体内の、組織マーカが移動する可能性が低い伝送場所に、組織マーカを完全に伝送するように構成されているマーカ伝送装置を提供し、このような伝送は、カニューレの先端部を例えば生体検査場所の近くの組織に向けるための可撓性の部分を有している硬性のカニューレを介して、組織マーカを伝送することによって、果たされる。本発明は、他の態様に従えば、使用後のマーカ伝送装置の安全な処理を容易にするように構成されている。このマーカ伝送装置は、例えば、X線、超音波、MRIのような種々のイメージングシステムと一緒に、使用され得る。
【0006】
本発明は、1つの形態では、組織マーカを配置するように構成されているマーカ伝送装置を対象にしている。このマーカ伝送装置は、チャンバを有しているハンドルを含む。また、カニューレが、配置のための組織マーカを保持するように構成されている。このカニューレは、カニューレの長手方向に沿って延びている内孔を囲んでいる側壁を有している。また、このカニューレは、カニューレの前記側壁を通って前記内孔へと延びている複数の周辺スロットから成るスロット配列によって形成されている可撓性の部分を、有している。前記複数の周辺スロットは、カニューレの前記可撓性の部分でのたわみを促すように、カニューレの長手方向に沿って互いにほぼ平行となるように、離間されている。マーカ導入ロッドが、カニューレの前記内孔中に移動可能に配置されている。このマーカ導入ロッドは、カニューレの前記可撓性の部分に対応している可撓性の領域を有している。配置メカニズムが、前記ハンドルに設けられており、この配置メカニズムは、この配置メカニズムの駆動時に、組織マーカを配置するために、前記マーカ導入ロッドを移動させるように、構成されている。引込ませメカニズムが、前記ハンドルに設けられており、この引込ませメカニズムは、この引込ませメカニズムの駆動時に、前記カニューレと前記マーカ導入ロッドとの両方を、前記ハンドルのハウジングのチャンバ中に完全に引っ込めることを促すように、構成されている。
【0007】
本発明は、他の形態では、組織マーカを配置するように構成されているマーカ伝送装置を対象にしている。このマーカ伝送装置は、ユーザによって把持されるように構成されているハンドルを有している。カニューレが、基端部と先端部とを有しており、この基端部は前記ハンドルに結合されている。このカニューレは、ほぼ硬性であり、カニューレの長手方向に延びている内孔を囲んでいる側壁を有している。このカニューレは、カニューレの前記側壁を通って前記内孔へと延びている複数の周辺のスロットから成るスロット配列によって形成されている可撓性の部分を、有している。前記複数の周辺スロットは、カニューレの前記可撓性の部分でのたわみを促すように、カニューレの長手方向に沿って互いにほぼ平行となるように、離間されている。マーカ導入ロッドが、カニューレの前記先端部から組織マーカの配置を与えるために、カニューレの前記内孔中で移動可能に配置されている。このマーカ導入ロッドは、駆動端部と、マーカ配置端部と、カニューレの前記可撓性の部分に対応している可撓性の領域と、を有している。
【0008】
本発明は、他の形態では、組織マーカを配置するように構成されているマーカ伝送装置を対象にしている。このマーカ伝送装置は、ユーザによって把持されるように構成されているハンドルを有している。このハンドルは、間にチャンバが設けられている前端部と後端部と、このチャンバから前記ハンドルの外部に延びている孔とを有しているハウジングを含む。カニューレが、基端部と、先端部と、この基端部と先端部との間で前記カニューレの長手方向に沿って延びている内孔と、を有している。このカニューレは、前記孔を通って前記ハウジングの前端部を越えて引込ませ可能に延びるように、前記ハンドル中に配置されている。マーカ導入ロッドが、カニューレの前記先端部から組織マーカの配置を与えるために、カニューレの前記内孔中で移動可能に配置されている。このマーカ導入ロッドは、駆動端部と、マーカ配置端部とを有している。また、配置メカニズムが、ハウジングに設けられている。前記配置メカニズムは、前記マーカ導入ロッドの駆動端部に結合されている。前記配置メカニズムは、この配置メカニズムの駆動時に、組織マーカを配置するために、前記マーカ導入ロッドを移動させるように、構成されている。引込ませメカニズムが、前記ハウジングに設けられており、カニューレの前記先端部に結合されている。この引込ませメカニズムは、この引込ませメカニズムの駆動時に、前記カニューレと前記マーカ導入ロッドとの両方を、前記ハンドルのハウジング中に完全に引っ込めることを促すように、構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の実施形態に従えば、組織マーカを配置するように構成されているマーカ伝送装置の斜視図である。
【図2】図2は、図1のマーカ伝送装置の2−2面に沿って切断された部分の断面図である。
【図3】図3は、図1のマーカ伝送装置の3−3面に沿って切断された部分の断面図である。
【図4A】図4Aは、図1のマーカ伝送装置のカニューレの部分の上面図であり、このカニューレの可撓性の部分を示している図である。
【図4B】図4Bは、図4Aのカニューレの可撓性の部分の側面図であり、このカニューレの可撓性の部分たわみを、たわみのない場合と比較して、細い線で示している図である。
【図4C】図4Cは、前記カニューレの先端部からこのカニューレの内孔中を見た斜視図であり、且つ図4Aのカニューレを後ろから見た図であり、このカニューレの可撓性の部分たわみを、たわみのない場合と比較して、細い線で示している図である。
【図5】図5は、図1のマーカ伝送装置の、他の構成を有する可撓性の部分の上面図である。
【図6】図6は、図1のマーカ伝送装置の、更に他の構成を有する可撓性の部分の上面図である。
【図7】図7は、図1のマーカ伝送装置のマーカ導入ロッドの部分の側面図であり、駆動端部と、マーカ配置端部と、可撓性の領域とを示している図である。
【図8】図8は、生体検査装置と一緒に使用される図1のマーカ伝送装置の斜視図であり、前記カニューレの可撓性の部分のたわみを示している図である。
【図9】図9は、カニューレとマーカ導入ロッドとが、前記ハンドルの長手方向のチャンバ中に完全に引っ込められている、図1のマーカ伝送装置の斜視図である。
【図10】図10は、本発明の他の実施形態に係る、組織マーカを配置するように構成されているマーカ伝送装置の斜視図である。
【図11】図11は、図10のマーカ伝送装置の11−11面に沿って切断された断面図であり、最初の位置の配置メカニズムを示している図である。
【図12】図12は、図10のマーカ伝送装置の断面図であり、マーカの配置位置の前記配置メカニズムを示している図である。
【図13】図13は、図10のマーカ伝送装置の断面図であり、マーカ導入ロッドが最初の引込ませ位置にある前記配置メカニズムを示している図である。
【図14】図14は、図10のマーカ伝送装置の断面図であり、マーカ導入ロッドが次の引込ませ位置にある前記配置メカニズムを示している図である。
【図15】図15は、図10のマーカ伝送装置の15−15面に沿って切断された断面図であり、カニューレの引込ませメカニズムを示している図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付の図と一緒に本発明の実施形態の以下の説明を参照することによって、本発明の前述の特徴、もしくは他の特徴及び効果、並びに、これらを得る方法が、より明らかになり、本発明が、より理解され得る。
【0011】
対応する参照符号が、いくつかの図に渡って、対応する部分を示している。ここに示されている例示は、本発明の実施形態を示しており、如何様にも、本発明の範囲を制限するものとは見なされない。
【0012】
図面、特に図1乃至3を参照すると、本発明の実施形態に従った、組織マーカ12を配置するように構成されたマーカ伝送装置10が、示されている。
【0013】
マーカ伝送装置10は、ハンドル14と、カニューレ16と、マーカ導入ロッド18と、配置メカニズム20と、引込ませメカニズム22とを、含む。
【0014】
前記ハンドル14は、ユーザによって把持されるように構成されており、即ち、前記マーカ伝送装置10のユーザによって把持されるために適した大きさ及び形状を有している。このハンドル14は、前端部24−1と後端部24−2と側壁24−3とを有しており、且つこの前端部24−1と後端部24−2との間に配置されており前記側壁24−3によって囲まれている長手方向のチャンバ26を有しているハウジング24を、含む。孔24−4が、前記チャンバ26から前記ハウジング24の前端部24−1を通って前記ハンドル14の外部に、延びている。トリガースロット24−5が、前記ハウジング24の側壁24−3に沿って延びている。
【0015】
前記カニューレ16は、患者の組織質量中に配置するための組織マーカ12を保持するように構成されており、このカニューレ16は、中空の針の形態であり得る。前記カニューレ16は、このカニューレ16がマーカの配置の前に前記孔24−4を通ってハウジング24の前端部24−1を越えて延びるように、前記ハンドル14中に配置されている。前記カニューレ16は、基端部16−1と先端部16−2とを有しており、この基端部16−1は、前記ハンドル14に結合されている。前記カニューレ16は、カニューレ16の長軸に沿った長手方向28に沿って延びている内孔16−4を囲んでいる側壁16−3を有している。このカニューレ16は、ほぼ硬性であり、例えば、ステンレス鋼、ニチノール、ニッケルクロミウム合金、チタニウムなどのような金属材料によって形成され得る。
【0016】
図4A乃至図4Cを参照すると、カニューレ16は、このカニューレ16の周りに配置されている複数の周辺スロット34から成るスロット配列32によって形成されている可撓性の部分30を、有している。このスロット配列32は、例えば、切削レーザーを使用してカニューレ16に切れ目をつくることによって、カニューレ16に形成され得る。この実施形態では、カニューレ16の前記可撓性の部分30は、カニューレ16の前記基端部16−1より、カニューレ16の前記先端部16−2の近くに配置されている。前記複数の周辺スロット34は、前記カニューレ16の側壁16−2に沿って前記内孔16−4に延びている。また、図4Cに示されているように、この実施形態では、前記スロット配列32の複数の周辺スロット34の各スロットの円周34−1が、前記カニューレ16の全円周の約3分の2である。
【0017】
図4A、図4Bに示されているように、この実施形態では、前記複数の周辺のロッド34は、カニューレ16の前記可撓性の部分30のところでのたわみを促すように、このカニューレ16の長手方向28に沿って互いにほぼ平行となるように、離間されている。図4Bは、前記カニューレ16の可撓性の部分30のたわみの部分を、このカニューレ16のたわみのない部分と比較して、細い線で示している。図4Bと図4Cとに示されているように、前記複数の周辺スロット34の構成(例えば、前記スロットを前記カニューレ16に沿って円周に配置する構成)は、たわみが単一の所定の平面36に沿って生じるように、選択され得る。この実施形態では、例えば、互いにほぼ平行な前記複数の周辺スロット34の各々は、前記カニューレ16の長軸16−5に直交するように、配置されている。
【0018】
前記複数の周辺スロット34の構成と、前記カニューレ16を形成している材料とは、たわみが前記カニューレ16の固定の変形とならないように、選択され得る。例えば、前記スロットの長軸16−5に対するスロット幅34−2と、前記スロットの円周34−1と、前記カニューレ16に沿った前記スロットの軸上の配置と、前記カニューレ16を形成するために使用される材料とは、実証的研究及び/もしくは材料の分析によって選択され得、この結果、前記スロット配列32によって形成されている可撓性の部分30が、カニューレ16の前記先端部が外側からの力(F)によって作用されると、たわみ(例えば前記長軸16−5に対して直角に曲がり)、そして、前記外側からの力(F)が取り除かれると、曲げられる前の状態、例えば前記長軸16−5に沿って真っ直ぐの状態に戻る。
【0019】
図5は、図4A乃至図4Cに示されているスロット配列32に対する代案として使用され得る他のスロット配列38を示している。このスロット配列38は、カニューレ16中に形成され得、例えば、切削レーザーを使用してカニューレ16に切れ目をつくることによって、カニューレ16に形成され得る。このスロット配列38は、前記カニューレ16の周りに配置されている複数の周辺スロット40を含む。これら複数の周辺スロット40は、第1の円弧44−1を有している第1の組の周辺スロット42−1と、第2の円弧44−2を有している第2の組の周辺スロット42−2とを含む。前記第1の組の周辺スロット42−1の第1の円弧44−1は、前記第2の組の周辺スロット42−2の第2の円弧44−2に対して、周方向にずらして配置されている。
【0020】
図6は、図4A乃至図4Cに示されているスロット配列32に対する更なる代案として使用され得る他のスロット配列46を示している。この他のスロット配列46は、カニューレ16の周りに配置されている複数の周辺スロット34を含み、また、連続したスロット配列中の複数の周辺スロット34の少なくとも一部、もしくは全部に連結している前記カニューレ16の長手方向28に沿って延びている軸方向のスロット48を、更に含む。このスロット配列46は、例えば、切削レーザーを使用してカニューレ16に切れ目をつくることによって、カニューレ16に形成され得る。
【0021】
再び図2、図3を参照すると、マーカ導入ロッド18は、カニューレ16の先端部16−2から組織マーカ12の配置を与えるように、前記カニューレ16の内孔16−4中で移動可能に配置されている。図7を参照すると、マーカ導入ロッド18は、駆動端部18−1とマーカ配置端部18−2とを有しており、また、このマーカ導入ロッド18は、カニューレ16の前記可撓性の部分30に対応する可撓性の領域50を有している。従って、カニューレ16の前記可撓性の部分30がたわむのに従って、前記可撓性の領域50もまた、前記マーカ導入ロッド18が組織マーカ12の配置を与えるために内孔16−4に沿って長手方向に移動する能力を保ちながら、たわむ。
【0022】
前記マーカ導入ロッド18の前記可撓性の領域50は、可撓性の金属部材、もしくは可撓性のプラスチック部材として形成され得、この可撓性の領域50は、この実施形態では、前記マーカ導入ロッド18の残りの領域の直径に対して小さい直径を有し得る。また、マーカ導入ロッド18の前記残りの領域は、金属もしくはプラスチックによって形成され得る。
【0023】
図8は、カニューレ16の可撓性の部分30に係るマーカ伝送装置の例としての実施を示しており、特に、生体検査針54によって組織試料を採取する時にカッターと真空ユニットとを駆動する別の(図示されていない)駆動部を有している例としての胸部生体検査装置52の一部を、示している。従って、マーカ伝送装置10のカニューレ16は、患者の組織に組織マーカ12を配置するための生体検査針54の内孔から、挿入される。
【0024】
生体検査針54は、この生体検査針54の内孔に配置されている試料チャンバ58へと延びる側方の試料ノッチ56を有している。カニューレ16が、前記生体検査針54の内孔中で試料チャンバ58の端部へと前進するのに従って、この試料チャンバ58の端部の傾斜面58−1が、前記カニューレ16の先端部16−2を曲げるように力を与え、前記カニューレの可撓性の部分30にたわみ(図4A乃至図4C参照)を生じさせ、かくして、カニューレ16先端部16−2を試料ノッチ56から露出させる。前記生体検査針54の内孔中のカニューレ16の更なる効果によって、図8に示されているように、カニューレ16の先端部16−2が、生体検査の場所に近接する組織を貫通するように、試料ノッチ56から延びている。
【0025】
従って、カニューレ16の内孔16−4中でマーカ導入ロッド18が前進することによって(図3参照)、組織マーカ12が、生体検査の場所の周囲の組織に配置される。このマーカ導入ロッド18の可撓性の領域50(例えば、図7参照)が、カニューレ16の可撓性の部分30のたわみの前、途中、後の、このカニューレ16の可撓性の部分30各々の形状に一致する。
【0026】
代わって、カニューレ16の先端部16−2は、試料ノッチ56から延びないで試料ノッチ56に露出しても良く、また、組織マーカ12は、生体検査針54の試料ノッチ56から生体検査キャビティ中に配置されても良い。
【0027】
図1乃至図3を参照すると、配置メカニズム20が、ハンドル14のハウジング24に設けられており、ユーザによる配置メカニズム20の駆動時に、組織マーカ12を配置するためのマーカ導入ロッド18を移動させるように、構成されている。一般に、配置メカニズム20は、マーカ伝送装置を、マーカの配置の1回の使用に制限するように、構成されている。図1及び図2は、(マーカが配置されていない)最初の位置60の配置メカニズム20を示しており、図3は、マーカの配置位置62の配置メカニズム20を示している。
【0028】
より具体的には、配置メカニズム20は、導入ロッドガイドブロック64と、マーカ配置用トリガー66と、第1の剪断部材68とを含む。この導入ロッドガイドブロック64は、例えばマーカ導入ロッド18の一部をマーカ導入ロッドガイドブロック64へとモールド成形することによって、マーカ導入ロッド18の駆動端部18−1に取着されており、ハウジング24のチャンバ26中で摺動可能に配置されている。マーカ配置用トリガー66は、ハンドル14のハウジング24の外側で操作され得る。このマーカ配置用トリガー66は、マーカの配置位置62に配置メカニズム20を配置するように、図1及び図2に示されている最初の位置60から前記ハウジング24の前端部24−1の方へ、このハウジング24のトリガースロット24−5に沿って側方移動するために、ハウジング24に設けられている。
【0029】
この実施形態では、前記マーカ配置用トリガー66と前記導入ロッドガイドブロック64とが、第1の剪断部材68によって連結されている。この第1の剪断部材68は、マーカ配置用トリガー66から延びており、導入ロッドガイドブロック64中に設けられている凹部70中に配置されている。かくして、前記マーカ配置用トリガー66の駆動によって、前記第1の剪断部材68は、前記導入ロッドガイドブロック64を移動させ、そして、前記マーカ導入ロッド18を前記カニューレ16の長手方向に沿って移動させ、前記カニューレ16の内孔16−4から組織マーカ12を配置させる。第1の剪断部材68は、剪断位置を設けるために、断面積が減じられた領域68−1、例えば環状の溝を有している。
【0030】
導入ロッドガイドブロック64の外側の形状が、ハンドル14のハウジング24の類似した内側の形状を有する、長手方向のチャンバ26で摺動可能に収容されるように、選択され得る。従って、前記導入ロッドガイドブロック64の外側の形状と前記長手方向のチャンバ26の類似した内側の形状とが円形ではない実施形態では、導入ロッドガイドブロック64が、ハンドル14のハウジング24に対するマーカ導入ロッド18の回動を防ぎ、かくして、前記ハンドル14に対するマーカ導入ロッド18の一定の向きを維持する。
【0031】
また、前記導入ロッドガイドブロック64の外側の形状と前記長手方向のチャンバ26の類似した内側の形状とが円形である実施形態では、この導入ロッドガイドブロック64の凹部70が、前記ハンドル14のハウジング24に対するマーカ導入ロッド18の角度位置の変化、即ち、回動を促すように、環状の溝の形態であり得る。このような場合では、ハンドル14の外側に配置されている回動装置、即ちノブ(示されていない)が、前記ハンドル14に対するマーカ導入ロッド18の向きに変化を与えるように、導入ロッドガイドブロック64に結合され得る。
【0032】
図2に最も良く示されているように、配置メカニズム20は、組織マーカ12が配置された後に、マーカ配置用トリガー66を組織マーカ12の配置位置にロックするように、ロックメカニズム72を更に含む。この実施形態では、ロックメカニズム72は、前記マーカ配置用トリガー66に形成もしくは取着されている第1のロック部材72−1を含み、また、ハウジング24に形成もしくは取着されている第2のロック部材72−2を含む。作動時に、この第1のロック部材72−1は、前記マーカ配置用トリガー66がマーカ配置位置62に配置された時に、第2のロック部材72−2に固く係合し、この結果、マーカ伝送装置10をマーカ配置の1回の動作に制限する。
【0033】
第1のロック部材72−1と第2のロック部材72−2との一方は、例えばロックチャンネルであり、前記第1のロック部材72−1と第2のロック部材72−2とのもう一方は、ばね式挿入部材であり得、マーカ配置用トリガー66とマーカ導入ロッド18とが前記マーカの配置位置62に配置された時に、前記ロックチャンネルに係合する。図2に示されている実施形態では、例えば、第1のロック部材72−1は、ロックチャンネルとしてマーカ配置用トリガー66に形成されており、第2のロック部材72−2は、ばね式ピンの形態であり、この第2のロック部材72−2は、配置メカニズム20とマーカ導入ロッド18とを前記マーカの配置位置に配置するためのマーカ配置用トリガー66がハウジング24の前端部24−1へと摺動された時に、ロックチャンネルに係合する。更なる例として、第2のロック部材72−2がハウジング24中のロックチャンネルとして形成される場合、このロックチャンネルは、トリガースロット24−5によって形成されるか、これと一体的に形成され得る。ばね式挿入部材としての第1のロック部材72−1は、マーカ配置用トリガー66がマーカの配置位置62に配置された時に前記ロックチャンネルに係合する突出部を備えた、片持ちアームであっても良い。
【0034】
再び図1乃至図3を参照すると、引込ませメカニズム22が、前記ハンドル14のハウジング24に設けられており、ユーザによる引込ませメカニズム22の駆動時に、前記カニューレ16とマーカ導入ロッド18とが前記ハンドル14のハウジング24のチャンバ26中に完全に引っ込むことを促すように、構成されている。この駆動は、通例、組織マーカ12の配置後に行われる。この引込ませメカニズム22は、カニューレ16とマーカ導入ロッド18とがハンドル14のハウジング24のチャンバ26中に完全に引込められた後に、これらカニューレ16とマーカ導入ロッド18とがチャンバ26の外側に延びるのを防ぐように、構成されている。このことによって、マーカ伝送装置10の安全な配置が促され、マーカ伝送装置10の使用による医療関係者もしくは患者への不慮の穿刺に対する心配が、軽減される。
【0035】
より具体的には、引込ませメカニズム22は、引込ませトリガー74と、カニューレガイドブロック76と、第2の剪断部材78と、ばね80とを有している。この引込ませトリガー74は、例えば側壁24−3の孔24−7を通っており、前記ハウジング24の外側で操作可能な押しボタンの形態であり得る。カニューレガイドブロック76は、例えばカニューレ16をカニューレガイドブロック76へとモールド成形することによって、カニューレ16の前記基端部16−1に固く取着されている。このカニューレガイドブロック76は、ハウジング24の長手方向のチャンバ26中で摺動可能に配置されている。この実施形態では、第2の剪断部材78が、前記引込ませトリガー74の延長部分として、形成されている。
【0036】
図3に最も良く示されているように、前記引込ませトリガー74と前記カニューレガイドブロック76とは、このカニューレガイドブロック76中に配置されている凹部82中に設けられている第2の剪断部材78によって、連結されている。かくして、前記カニューレガイドブロック76は、静止した状態、例えば、前記ハンドルに対して軸方向に静止した状態に、保持される。ばね80は、前記ハウジング24の前端部24−1と前記カニューレガイドブロック76との間に位置されており、このばね80は、前記引込ませトリガー74の駆動前に、圧縮された状態であり、かくして、前記カニューレガイドブロック76を予め付勢している。
【0037】
前記カニューレガイドブロック76の外側の形状は、類似した内側の形状の、前記ハンドル14のハウジング24の長手方向のチャンバ26中で摺動可能に収容されるように、選択され得る。従って、前記カニューレガイドブロック76の外側の形状と前記長手方向のチャンバ26の類似した内側の形状とが円形ではない実施形態では、このカニューレガイドブロック76は、ハンドル14のハウジング24に対するカニューレ16の回動を防ぎ、かくして、ハンドル14に対するカニューレ16の一定の向きを維持する。
【0038】
しかしながら、前記カニューレガイドブロック76の外側の形状と前記長手方向のチャンバ26の類似した内側の形状とが円形である実施形態では、前記カニューレガイドブロック76の凹部82は、前記ハンドル14のハウジング24に対するマーカ導入ロッド18の角度位置の変化、即ち、回動を促すために、環状の溝の形態であり得る。かくして、前記ハンドル14に対する前記カニューレ16の変更可能な方向付けが、容易になる。このような場合、前記カニューレ16は、このカニューレ16を把持し、回すことによって、手動で回動され得る。代わって、前記ハンドル14の外側に配置されている回動装置、即ちノブ(示されていない)が、このハンドル14に対するカニューレ16の向きに変化を与えるように、ガイドブロック76に結合され得る。
【0039】
前記引込ませトリガー74の駆動によって、前記カニューレ16と前記マーカ導入ロッド18との両方が、前記ハンドル14のハウジング24のチャンバ26中に完全に引っ込められる。より具体的には、図3に示されているように、第2の剪断部材78は、剪断位置を設けるために、断面積が減じられた領域78−1、例えば環状の溝を有している。最初に、前記第2の剪断部材78の前記断面積が減じられた領域78−1は、前記側壁24−3に設けられている孔24―7中に収容されており、従って、前記断面積が減じられた領域78−1の領域での、更なる支持を与えている。
【0040】
この実施形態では、引込ませトリガー74の駆動(押圧)によって、前記第2の剪断部材78が径方向に移動し、これによって前記第2の剪断部材78が剪断される。より具体的には、前記引込ませトリガー74を押圧することによって、前記第2の剪断部材78の前記断面積が減じられた領域78−1は、前記ハウジング24の側壁24−3から前記長手方向のチャンバ26に入り、この結果、前記第2の剪断部材78の断面積が減じられた領域78−1は、前記側壁24―3によって支持されず、前記ばね80によって与えられるばね力が、前記第2の剪断部材78の断面積の減じられた領域78−1の、剪断に対する抵抗に打ち勝つ。前記第2の剪断部材78の剪断によって、前記ばね80が、図1乃至図3に示されている圧縮された状態から解放され、前記カニューレガイドブロック76が前記ハウジング24の後端部24−2へと移動し、前記カニューレ16の最初の引込ませが開始される。このばね80の連続した圧縮の解除によって、前記カニューレガイドブロック76が、導入ロッドガイドブロック64に衝突して前記第1の剪断部材68が剪断されて、かくして、前記カニューレ16及び前記マーカ導入ロッド18の、前記ハンドル14のハウジング24のチャンバ26への、同期した引込ませが始まる。前記カニューレ16及び前記マーカ導入ロッド18のハンドル14への同期した引込ませは、これらカニューレ16とマーカ導入ロッド18との両方が、図9に示されているように、前記ハンドル14のハウジング24の長手方向のチャンバ26中に完全に収容された後に、終了する。
【0041】
代わって、離間装置84(図1参照)が、前記導入ロッドガイドブロック64とカニューレガイドブロック76との間に配置され得る。この離間装置84は、前記長手方向28に沿った全長を有している。かくして、前記導入ロッドガイドブロック64がマーカの配置位置62に配置されると、前記カニューレガイドブロック76は、前記導入ロッドガイドブロック64と動作可能に接触し、また、前記引込ませトリガー74が駆動されると、前記第1の剪断部材68と前記第2の剪断部材78とは、ほぼ同期して剪断されて、前記カニューレ16及び前記マーカ導入ロッドの、前記ハウジング24のチャンバ26への完全な同期した引込ませが、生じる。
【0042】
図10乃至図15は、本発明の他の実施形態を示しており、ハンドル112と、カニューレ16と、マーカ導入ロッド18と、配置メカニズム114と、カニューレ引込ませメカニズム116とを有するマーカ伝送装置110を示している。カニューレ16とマーカ導入ロッド18とは、前述のように構成され得、かくして、簡潔にするために、これらの動作の全詳細は、ここでは繰り返されない。このマーカ伝送装置110は、マーカ伝送装置110の配置メカニズム114が、前記マーカ導入ロッド18の完全な引込ませを促してから、カニューレ引込ませメカニズム116によって与えられるカニューレの引込ませを開始させるように構成され得る、という点において、マーカ伝送装置10の実施形態とは機能的に異なる。
【0043】
前記ハンドル112は、マーカ伝送装置110のユーザの手によって把持されるために適切な大きさ及び形状を有するように構成されている。前記ハンドル112は、前端部118−1と後端部118−2と側壁118−3とを有し、前記前端部118−1と前記後端部118−2との間に配置されている長手方向のチャンバ120を備えたハウジング118を含む。孔118−4が、前記長手方向のチャンバ120から前記ハウジング118の前端部118−1を通って前記ハンドル112の外側に、延びている。前記カニューレ16は、マーカ配置の前に、最初にこの孔118−4から前記ハウジング118の前端部118−1を越えて延びるように、前記ハンドル112中に配置されている。トリガースロット118−5が、前記ハウジング118の側壁118−3から延びている。
【0044】
配置メカニズム114は、前記ハンドル112のハウジング118に設けられており、ユーザによるこの配置メカニズム114の駆動時に、組織マーカ12を配置するためのマーカ導入ロッド18を移動させるように構成されている。図10及び図11は、最初の位置121(使用されない、マーカが配置されない位置)の配置メカニズム114を示している。図12は、マーカの配置位置122の配置メカニズム114を示している。図13は、マーカ導入ロッドが最初の引込ませ位置124にある配置メカニズム114を示している。図14は、マーカ導入ロッドの次の引込ませ位置126にある配置メカニズム114を示している。
【0045】
配置メカニズム114は、導入ロッドガイドブロック128と、多段式のマーカ配置用トリガー130と、第1の剪断部材132と、導入ロッド引込ませばね133とを有している。この第1の剪断部材132は、剪断位置を設けるために、断面積が減じられた領域132−1、例えば環状の溝を有している。前記導入ロッドガイドブロック128は、マーカ導入ロッド18の駆動端部18−1に取着されており、前記ハウジング118の長手方向のチャンバ120中で摺動可能に配置されている。前記マーカ配置用トリガー130は、前記ハンドル112のハウジング118の外側で操作可能である。このマーカ配置用トリガー130は、内側のスリーブ130−1と外側の駆動部130−2とを有している。マーカ配置用トリガー130は、トリガースロット118−5に沿った側方の移動のために、ハウジング118に設けられている。
【0046】
図11乃至図14は、前記マーカ配置用トリガー130の内側のスリーブ130−1と外側の駆動部130−2の移動の種々の段階を示している。この実施形態では、マーカ配置用トリガー130と導入ロッドガイドブロック128とは、前記第1の剪断部材132によって連結されている。この第1の剪断部材132は、前記マーカ配置用トリガー130の内側のスリーブ130−1から延びており、前記導入ロッドガイドブロック128に配置されている凹部134中に設けられている。
【0047】
最初に、図11に示されているように、マーカ配置用トリガー130の内側のスリーブ130−1と外側の駆動部130−2とは、この内側のスリーブ130−1に設けられているドライブタブ136によって連結されている。このドライブタブ136は、前記外側の駆動部130−2に形成されているドライブスロット138に係合している。この連結によって、前記内側のスリーブ130−1と前記外側の駆動部130−2とは、最初に同時に移動する。前記ドライブスロット138は、細長い導入ロッド引込ませスロット142とドライブスロット138とを分けるための下向きのリップ140によって、規定されている。前記ドライブタブ136は、例えば連結膜(a linking membrane)によって前記内側のスリーブ130−1にヒンジ付けされ得る。前記ドライブタブ136は、前記ドライブスロット138のリップ140に最初に係合する、上側に延びている突出部136−1を含む。導入ロッド引込ませばね133が、わずかな圧力を受けて、前記カニューレ引込ませメカニズム116と前記導入ロッドブロック128との間に、より具体的には、前記導入ロッドガイドブロック128と前記カニューレガイドブロック156との間に、設けられている。
【0048】
図12を参照すると、前記マーカ配置用トリガー130の外側の駆動部130−2の、前記ハンドル112のハウジング118の前端部118−1への摺動による、マーカ配置用トリガー130の駆動によって、前記内側のスリーブ130−1は、前記導入ロッドガイドブロック128を移動させるために、前記長手方向のチャンバ120に沿って長軸方向に第1の剪断部材132を移動させる。そして、前記マーカ導入ロッド18が、図12に示されている前記マーカの配置位置122に至る時、前記カニューレ16の長手方向28に沿ってマーカ導入ロッド18を移動させ、前記カニューレ16の内孔16−4から前記組織マーカ12を配置させる。この段階では、導入ロッド引込ませばね133は、圧縮されている。前記ハウジング118は、指示ライン144を含み、この結果、前記内側のスリーブ130−1の前縁部146が、前記マーカの配置位置122に至ったことを指示するために前記指示ライン144に合わせられている時、ユーザは、前記カニューレ16の先端部16−2から組織マーカ12を配置することが、保証される。
【0049】
また、図12に示されているように、前記マーカ配置用トリガー130がマーカの配置位置122に配置されると、ドライブタブ136は、前記ハウジング118中の引込ませチャンネル148の上方に配置される。前記マーカ配置用トリガー130の外側の駆動部130−2の、前記ハンドル112のハウジング118の前端部118−1への更なる摺動によって、前記ドライブスロット138の後縁部を形成しているリップ140は、前記ドライブタブ136の突出部136−1を押して、前方にひねり、前記ハンドル112のハウジング118中に形成されている引込ませチャンネル148へと下方に変形させ、従ってリップ140は、前記ドライブタブ136の突出部136−1の上方を通過し始めることができる。この段階で、導入ロッド引込ませばね133は、最大限に圧縮された状態である。
【0050】
図13に示されているように、前記マーカ配置用トリガー130の外側の駆動部130−2の、前記ハンドル112のハウジング118の前端部118−1への更なる摺動によって、リップ140は、前記ドライブタブ136の上側の突出部136−1の上方を通過し、かくして、前記ドライブタブ136は、前記内側のスリーブ130−1に対して本来の幾何学形状を回復することができ、かくして、前記リップ140は、前記引込ませチャンネル148から離れて上方に移動する。このような動作は、前記外側の駆動部130−2の前端部150が前記内側のスリーブ130−1の指示ライン152に合わせられている時に、行われる。この段階で、導入ロッド引込ませばね133は、圧縮が解除され始める。従って、配置メカニズム114の一部、例えば、内側のスリーブ130−1、外側の駆動部130−2、ドライブタブ136、リップ140、配置メカニズム114の引込ませチャンネル148は、前記マーカ導入ロッド18のための導入ロッド引込ませメカニズム153としても機能する。
【0051】
図14に示されているように、前記ドライブタブ136の上側の突出部136−1が前記引込ませチャンネル148から完全に解放されており、前記ドライブタブ136の上側の突出部136−1が前記導入ロッド引込ませスロット142に配置されている状態で、前記導入ロッド引込ませばね133の圧縮の解除によって、前記導入ロッドガイドブロック128は、前記ハウジング118の後端部118−2(図10参照)へと押圧され、そして、前記マーカ導入ロッド18と前記内側のスリーブ130−1とは、図10及び図11に示されているように、最初の位置へと戻される。前記導入ロッド引込ませばね133によって与えられるばね力は、例えば、前記内側のスリーブ130−1の、前記ハウジング118の端壁118−6への衝突によって、前記断面積が減じられた領域132−1で、前記第1の剪断部材132が剪断されて、従って、前記カニューレ16の引込ませの開始の前に、前記長手方向のチャンバ120中へのマーカ導入ロッド18の完全な引込ませが促されるように、選択される。
【0052】
代わって、前記導入ロッド引込ませばね133によって与えられるばね力は、前記内側のスリーブ130−1の、前記ハウジング118の端壁118−6への衝突によって、前記マーカ導入ロッド18の前記長手方向のチャンバ120中への引込ませが、このマーカ導入ロッド18の部分的な引込ませの後と前記カニューレ16の引込ませの開始前とに止まるように、選択され得る。
【0053】
また、図14に示されているように、この段階では、前記マーカ配置用トリガー130の外側の駆動部130−2は、前記内側のスリーブ130−1に連結されていない。かくして、前記マーカ配置用トリガー130の外側の駆動部130−2の駆動によって前記マーカ導入ロッドが更に延びることを防ぎ、従って、前記マーカ伝送装置110を、組織マーカの1回の配置のために使用可能にしている。
【0054】
図14及び図15に関連して図10を再度参照すると、カニューレ引込ませメカニズム116は、前記ハンドル113のハウジング118に設けられており、また、このカニューレ引込ませメカニズム116は、ユーザによるカニューレ引込ませメカニズム116の駆動時に、前記ハンドル112のハウジング118の長手方向のチャンバ12中へのカニューレ16の完全な引込ませを促すように、構成されている。この駆動は、通例、前記組織マーカ12の配置の後に行われる。図15は、マーカ導入ロッド18がマーカの配置位置122にある、カニューレ引込ませメカニズム116を示している。このカニューレ引込ませメカニズム116は、前記カニューレ16及び前記マーカ導入ロッド18が前記長手方向のチャンバ20中に完全に引っ込められた後に、前記カニューレ16及び前記マーカ導入ロッド18が前記ハンドル112のハウジング118の長手方向のチャンバ120の外側に延びるのを防ぐように、構成されており、かくして、前記マーカ伝送装置110の安全な配置が促され、マーカ伝送装置110の使用による医療関係者もしくは患者への不慮の穿刺に対する心配が、軽減される。
【0055】
カニューレ引込ませメカニズム116は、引込ませトリガー154と、カニューレガイドブロック156と、第2の剪断部材158と、カニューレ引込ませばね160とを含む。引込ませトリガー154は、例えば側壁118−3にある孔118−7を通っており、前記ハウジング118の外側で操作可能な押しボタンの形態であり得る。前記カニューレガイドブロック156は、前記カニューレ16の基端部16−1に取着されている。このカニューレガイドブロック156は、前記ハウジング118の長手方向のチャンバ120中で摺動可能に配置されている。この実施形態では、第2の剪断部材158は、前記引込ませトリガー154の延長部分として、形成されている。
【0056】
引込ませトリガー154とカニューレガイドブロックとは、このカニューレブロック中に配置されている凹部162中に設けられている第2の剪断部材158によって連結されており、かくして、前記カニューレガイドブロック156は、前記ハンドル112のハウジング118に対して静止した状態に保持される。カニューレ引込ませばね160は、前記ハウジング160の前端部118−1と前記カニューレガイドブロック156との間に配置されており、このカニューレ引込ませばね160は、前記引込ませトリガー154の駆動前に、圧縮された状態であり、かくして、前記カニューレガイドブロック156を予め付勢している。
【0057】
前記引込ませトリガー154の駆動によって、前記カニューレ16が、前記ハンドル112のハウジング118の長手方向のチャンバ120中に完全に引っ込められる。より具体的には、図15に示されているように、最初は、前記第2の剪断部材158の断面が減じられた領域158−1が、側壁118−3によって支持されており、従って、この断面積が減じられた領域158−1での更なる支持部を与えている。前記引込ませトリガー154の駆動(押圧)によって、前記第2の剪断部材158が径方向に移動し、この第2の剪断部材158の断面積が減じられた領域は、前記ハウジング118の側壁118−3から前記長手方向のチャンバ120に入り、この結果、前記第2の剪断部材158の断面積が減じられた領域158−1は、前記側壁118−3によって支持されない。従って、前記カニューレ引込ませばね160によって与えられるばね力が、前記第2の剪断部材158の断面積が減じられた領域158−1の、剪断に対する抵抗に打ち勝つ。前記第2の剪断部材158の剪断によって、カニューレ引込ませばね160が、示されている圧縮された状態から解放され、前記カニューレガイドブロック156が、前記ハウジング118の後端部118−2へと移動し、前記ハンドル112のハウジング118の長手方向のチャンバ120への、前記カニューレ16の完全な引込ませが、果たされる。
【0058】
前記マーカ導入ロッド18の部分的な引込ませの場合、もしくは、ユーザが前記引込ませトリガー154の駆動の前に前記ハンドルのハウジング118の長手方向のチャンバ120への、前記マーカ導入ロッドの前述の引込ませを行わない場合、前記カニューレ引込ませばね160の連続した圧縮の解除によって、前記カニューレガイドブロック156が、導入ロッドガイドブロック128に衝突して前記第1の剪断部材132が剪断されて、かくして、前記カニューレ16及び前記マーカ導入ロッド18の、前記ハンドル112のハウジング118の長手方向のチャンバ120への、完全に同期した引込ませが促される。
【0059】
引込ませの工程は、前記カニューレ16及びマーカ導入ロッド18が前記ハンドル112のハウジング118の長手方向のチャンバ120中に完全に収容されると、完了する。
【0060】
本発明は、少なくとも1つの実施形態に関連して説明されているが、本発明は、この説明の精神及び範囲内で、更に変更されることが可能である。従って、この出願は、一般原則によって、本発明のいかなる変形例、使用、適応をも含むように、意図されている。更に、この出願は、本説明からのこのような逸脱を、本発明が関連しており且つ添付の請求項の制限の範囲内に含まれているこの分野で周知の実施、もしくは一般の実施の範囲内として含むように、意図されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織マーカを配置するように構成されているマーカ伝送装置であって、
チャンバを有するハンドルと、
配置のための組織マーカを保持するように構成されているカニューレであって、このカニューレの長手方向に沿って延びている内孔を囲んでいる側壁と、カニューレの前記側壁を通って前記内孔に延びている複数の周辺スロットから成るスロット配列によって形成されている可撓性の部分とを有しており、前記複数の周辺のスロットは、このカニューレの前記可撓性の部分のところでたわみを促すように、カニューレの長手方向に沿って互いにほぼ平行となるように離間されている、カニューレと、
前記カニューレの内孔中で移動可能に設けられており、前記カニューレの前記可撓性の部分に対応している可撓性の部分を有しているマーカ導入ロッドと、
前記ハンドルに設けられており、駆動されると、組織マーカを配置するために前記マーカ導入ロッドを移動させるように構成されている、配置メカニズムと、
前記ハンドルに設けられており、駆動されると、前記カニューレと前記マーカ導入ロッドとの両方をハンドルのハウジングの前記チャンバ中に完全に引込ませることを促すように構成されている、引込ませメカニズムと、を具備する、
マーカ伝送装置。
【請求項2】
前記複数の周辺スロットは、カニューレの前記可撓性の部分のところで、単一の所定の平面に沿って、たわみを促すように構成されている、請求項1に記載のマーカ伝送装置。
【請求項3】
前記配置メカニズムは、前記マーカ伝送装置を、マーカの配置の1回の使用に制限するように構成されている、請求項1に記載のマーカ伝送装置。
【請求項4】
前記引込ませメカニズムは、前記カニューレと前記マーカ導入ロッドとの、前記チャンバ中への完全な引込ませの後に、これらカニューレとマーカ導入ロッドとが前記チャンバの外側に延びるのを防ぐように構成されている、請求項1に記載のマーカ伝送装置。
【請求項5】
組織マーカを配置するように構成されているマーカ伝送装置であって、
ユーザによって把持されるように構成されているハンドルと、
基端部と先端部とを有しているカニューレであって、ほぼ硬性であり且つカニューレの長手方向に沿って延びている内孔を囲んでいる側壁と、カニューレの前記側壁を通ってこの内孔に延びている複数の周辺スロットを有しているスロット配列によって形成されている可撓性の部分とを有しており、前記複数の周辺のスロットは、このカニューレの前記可撓性の部分のところでたわみを促すように、このカニューレの長手方向に沿って互いにほぼ平行となるように離間されている、カニューレと、
前記カニューレの前記先端部から組織マーカの配置を与えるように、カニューレの前記内孔中で移動可能に配置されており、駆動端部と、マーカ配置端部と、カニューレの前記可撓性の部分に対応する可撓性の領域とを有しているマーカ導入ロッドと、を具備する、
マーカ伝送装置。
【請求項6】
カニューレの前記可撓性の部分は、カニューレの前記基端部より、カニューレの前記先端部の近くに配置されている、請求項5に記載のマーカ伝送装置。
【請求項7】
前記複数の周辺スロッドは、カニューレの前記可撓性の部分のところで、単一の所定の平面に沿って、たわみを促すように構成されている、請求項5に記載のマーカ伝送装置。
【請求項8】
前記複数の周辺スロッドは、第1の円弧を有している第1の組の周辺スロットと、第2の円弧を有している第2の組の周辺スロットとを含む、請求項5に記載のマーカ伝送装置。
【請求項9】
前記第1の円弧は、前記第2の円弧に対して周方向にずらして配置されている、請求項8に記載のマーカ伝送装置。
【請求項10】
前記スロット配列は、前記複数の周辺スロットの一部を少なくとも連結している軸方向のスロットを含む、請求項5に記載のマーカ伝送装置。
【請求項11】
前記カニューレは、金属材料によって形成されている、請求項5に記載のマーカ伝送装置。
【請求項12】
前記金属材料は、ステンレス鋼と、ニチノールと、ニッケルクロミウム合金と、チタニウムとのうちの1つである、請求項11に記載のマーカ伝送装置。
【請求項13】
前記マーカ導入ロッドの前記可撓性の領域は、可撓性の金属部材として形成されている、請求項5に記載のマーカ伝送装置。
【請求項14】
前記マーカ導入ロッドの前記可撓性の領域は、可撓性のプラスチック部材として形成されており、前記マーカ導入ロッドの残りの領域は、金属とプラスチックとの少なくとも一方によって形成されている、請求項5に記載のマーカ伝送装置。
【請求項15】
前記ハンドルは、間にチャンバが設けられている前端部と後端部と、前記カニューレを収容するためのこのチャンバに延びている孔とを有しているハウジングを含み、このハウジングは、
前記ハウジングに設けられており、ユーザによって駆動されると、組織マーカを配置するように、マーカ導入ロッドを移動させるように構成されている配置メカニズムと、
前記ハウジングに設けられており、ユーザによって駆動されると、前記カニューレ及び前記マーカ導入ロッドの、前記ハンドルのハウジングのチャンバ中への完全な引込ませを促すように構成されている、引込ませメカニズムと、を具備する、
請求項5に記載のマーカ伝送装置。
【請求項16】
前記ハンドルは、間をチャンバが長手方向に延びている前端部と後端部と、前記カニューレを収容するためのこのチャンバに延びている孔とを有しているハウジングを含み、このハウジングは、更に、
前記マーカ導入ロッドの駆動端部に取着されており、前記ハウジングのチャンバ中で摺動可能に配置されている導入ロッドガイドブロックと、
第1の剪断部材と、
前記ハウジングの外側で操作可能であり、前記第1の剪断部材によって前記導入ロッドガイドブロックに連結されているマーカ配置用トリガーであって、このマーカ配置用トリガーの駆動によって、カニューレの前記内孔から組織マーカを配置するために、前記カニューレの長手方向に沿って前記マーカ導入ロッドを移動させるように、前記第1の剪断部材が前記マーカ導入ロッドを移動させる、マーカ配置用トリガーと、
前記ハウジングの外側で操作可能な引込ませトリガーと、
第2の剪断部材と、
カニューレの前記基端部に取着されており、前記ハウジングのチャンバ中で摺動可能に配置されているカニューレガイドブロックであって、前記引込ませトリガーは、このカニューレガイドブロックを、前記ハンドルのハウジングに対して静止した状態に保持するように、このカニューレガイドブロックに前記第2の剪断部材によって連結されている、カニューレガイドブロックと、
ハウジングの前記前端部と前記カニューレガイドブロックとの間に配置されており、前記カニューレガイドブロックに予め付勢を与えるように、前記引込ませトリガーの駆動前に圧縮された状態であるばねと、を具備する、
請求項5に記載のマーカ伝送装置。
【請求項17】
前記引込ませトリガーの駆動によって、前記カニューレと前記マーカ導入ロッドと両方が、前記ハンドルのハウジングのチャンバ中に完全に引っ込められる、請求項16に記載のマーカ伝送装置。
【請求項18】
前記引込ませトリガーの駆動によって、前記第2の剪断部材が剪断されて、この結果、前記ばねが圧縮された状態から解放され、前記カニューレガイドブロックが前記ハウジングの後端部に移動し、前記カニューレの最初の引込ませが開始され、前記ばねの連続した圧縮の解除によって、前記カニューレガイドブロックが、前記第1の剪断部材を剪断させるように前記導入ロッドガイドブロックに衝突し、かくして、前記カニューレ及び前記マーカ導入ロッドの、前記ハンドルのハウジングのチャンバ中への同期した引込ませが、開始される、請求項16に記載のマーカ伝送装置。
【請求項19】
前記カニューレと前記マーカ導入ロッドとの両方の、前記ハンドル中への同期した引込ませは、前記カニューレと前記マーカ導入ロッドとの両方が前記ハンドルのハウジングのチャンバ中に完全に収容された後に、終了する、請求項18に記載のマーカ伝送装置。
【請求項20】
離間装置が、前記導入ロッドガイドブロックと前記カニューレガイドブロックとの間に配置されており、またこの離間装置は、長手方向に沿った全長を有しており、この結果、前記カニューレガイドブロックがマーカの配置位置に配置されると、前記カニューレガイドブロックは、前記導入ロッドガイドブロックと動作可能に接触し、また、前記引込ませトリガーが駆動されると、前記第1の剪断部材と前記第2の剪断部材とは、ほぼ同期して剪断されて、前記カニューレ及び前記マーカ導入ロッドの、前記ハウジングのチャンバ中への完全な同期した引込ませが生じる、請求項16に記載のマーカ伝送装置。
【請求項21】
組織マーカが配置された後に、前記マーカ配置用トリガーをマーカの配置位置にロックするために、ロックメカニズムを更に具備する、請求項16に記載のマーカ伝送装置。
【請求項22】
前記マーカ配置用トリガーは、第1のロック部材を含み、前記ハウジングは、第2のロック部材を含み、前記第1のロック部材は、前記マーカ配置用トリガーが前記マーカの配置位置に配置された時に、前記第2のロック部材に係合する、請求項16に記載のマーカ伝送装置。
【請求項23】
前記第1のロック部材と前記第2のロック部材との一方は、ロックチャンネルであり、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材とのもう一方は、ばね式挿入部材であり、このばね式挿入部材は、前記マーカ配置用トリガーがマーカの配置位置に配置された時に、前記ロックチャンネルに係合する、請求項22に記載のマーカ伝送装置。
【請求項24】
ユーザによって把持されるように構成されているハンドルであって、間にチャンバが設けられている前端部と後端部と、このチャンバから前記ハンドルの外側に延びている孔とを有しているハウジングを含む、ハンドルと、
基端部と、先端部と、これら基端部と先端部との間で前記カニューレの長手方向に沿って延びている内孔と、を有しているカニューレであって、このカニューレが前記孔から前記ハウジングの前端部を越えて引込ませ可能に延びるように前記ハンドル中に配置されている、カニューレと、
前記カニューレの先端部から組織マーカの配置を与えるようにカニューレの前記内孔中に移動可能に配置されており、駆動端部とマーカ配置端部とを有しているマーカ導入ロッドと、
前記ハウジングに設けられており、且つ前記マーカ導入ロッドの駆動端部に結合されており、駆動されると、組織マーカを配置するために前記マーカ導入ロッドを移動させるように構成されている、配置メカニズムと、
前記ハウジングに設けられており、且つ前記カニューレの基端部に結合されており、駆動されると、前記カニューレ及び前記マーカ導入ロッドの、前記ハンドルのハウジングのチャンバ中への完全な引込ませを促すように構成されている、引込ませメカニズムと、を具備する、
組織マーカの配置のように構成されているマーカ伝送装置。
【請求項25】
前記配置メカニズムは、
前記マーカ導入ロッドの駆動端部に取着されており、前記ハウジングのチャンバ中で摺動可能に配置されている導入ロッドガイドブロックと、
第1の剪断部材と、
前記ハウジングの外側で操作可能であり、前記第1の剪断部材によって前記導入ロッドガイドブロックに連結されているマーカ配置用トリガーであって、このマーカ配置用トリガーの駆動によって、カニューレの前記内孔から組織マーカを配置させるために、前記カニューレの長手方向に沿って前記マーカ導入ロッドを移動させるように、このマーカ導入ロッドを移動させる、マーカ配置用トリガーと、を具備する、
請求項24に記載のマーカ伝送装置。
【請求項26】
前記ハウジングは、このハウジングの側壁に沿って延びているトリガースロットを含み、
前記マーカ配置用トリガーは、最初の位置から、マーカの配置位置へと、前記トリガースロットに沿った側方の移動のために前記ハウジングに設けられており、
このマーカ配置用トリガーは、第1のロック部材を含み、また、前記ハウジングは、第2のロック部材を含み、
前記第1のロック部材は、前記マーカ配置用トリガーが前記マーカの配置位置に配置された時に、前記第2のロック部材に固く係合する、
請求項25に記載のマーカ伝送装置。
【請求項27】
前記第1のロック部材と前記第2のロック部材との一方は、ロックチャンネルであり、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材とのもう一方は、ばね式挿入部材であり、このばね式挿入部材は、前記マーカ配置用トリガーが前記マーカの配置位置に配置された時に、ロックチャンネルに係合する、請求項26に記載のマーカ装置。
【請求項28】
前記引込ませメカニズムは、
前記ハウジングの外側で操作可能な引込ませトリガーと、
第2の剪断部材と、
カニューレの前記基端部に取着されており、前記ハウジングのチャンバ中で摺動可能に配置されているカニューレガイドブロックであって、前記引込ませトリガーは、このカニューレガイドブロックを前記ハンドルのハウジングに対して静止した状態に保持するように、前記カニューレガイドブロックに、前記第2の剪断部材によって連結されている、カニューレガイドブロックと、
ハウジングの前記前端部と前記カニューレガイドブロックとの間に配置されており、前記カニューレガイドブロックに予め付勢を与えるように、前記引込ませトリガーの駆動前に圧縮された状態であるばねと、を含む、請求項24に記載のマーカ伝送装置。
【請求項29】
前記引込ませトリガーの駆動によって、前記カニューレ及び前記マーカ導入ロッドが、前記ハンドルのハウジングのチャンバ中に引っ込められる、請求項28に記載のマーカ伝送装置。
【請求項30】
前記引込ませトリガーの駆動によって、前記第2の剪断部材が剪断されて、この結果、前記ばねが圧縮された状態から解放され、前記カニューレガイドブロックが前記ハウジングの後端部に移動し、前記カニューレの最初に引込ませが開始され、前記ばねの連続した圧縮の解除によって、前記カニューレガイドブロックが、前記第1の剪断部材を剪断させるように前記導入ロッドガイドブロックに衝突し、かくして、前記カニューレと前記マーカ導入ロッドとの両方の、前記ハンドルのハウジングのチャンバ中への同期した引込ませが、開始される、請求項28に記載のマーカ伝送装置。
【請求項31】
前記カニューレと前記マーカ導入ロッドと両方の、前記ハンドル中への同期した引込ませは、前記カニューレと前記マーカ導入ロッドとの両方が前記ハンドルのハウジングのチャンバ中に完全に収容された後に、終了する、請求項30に記載のマーカ伝送装置。
【請求項32】
離間装置が、前記導入ロッドガイドブロックと前記カニューレガイドブロックとの間に配置されており、またこの離間装置は、長手方向に沿った全長を有しており、この結果、前記カニューレガイドブロックがマーカの配置位置に配置されると、前記カニューレガイドブロックは、前記導入ロッドガイドブラックと動作可能に接触し、また、前記引込ませトリガーが駆動されると、前記第1の剪断部材と前記第2の剪断部材とは、ほぼ同期して剪断されて、前記カニューレと前記マーカ導入ロッドとの両方の、前記ハウジングのチャンバ中への完全な同期した引込ませが生じる、請求項28に記載のマーカ伝送装置。
【請求項33】
前記カニューレは、カニューレの側壁を通って前記内孔に延びている複数の周辺スロットのから成るスロット配列によって形成された可撓性の部分を有しており、前記複数の周辺スロットは、前記カニューレの可撓性の部分のところでたわみを促すように、カニューレの長手方向に沿って互いにほぼ平行になるように、離間されており、
前記マーカ導入ロッドは、前記カニューレの可撓性の部分に対応する可撓性の領域を有している、請求項24に記載のマーカ伝送装置。
【請求項34】
前記カニューレの可撓性の部分は、カニューレの前記基端部より、カニューレの前記先端部の近くに配置されている、請求項33に記載のマーカ伝送装置。
【請求項35】
前記複数の周辺スロットは、カニューレの前記可撓性の部分のところで、単一の所定の平面に沿って、たわみを促すように構成されている、請求項33に記載のマーカ伝送装置。
【請求項36】
前記複数の周辺スロットは、第1の円弧を有している第1の組の周辺スロットと、第2の円弧を有している第2の組の周辺スロットとを含む、請求項33に記載のマーカ伝送装置。
【請求項37】
前記第1の円弧は、前記第2の円弧に対して周方向にずらして配置されている、請求項36のマーカ伝送装置。
【請求項38】
前記スロット配列は、前記複数の周辺スロットの少なくとも1つの部分のところで連結している軸方向のスロットを含む、請求項33に記載のマーカ伝送装置。
【請求項39】
前記カニューレは、金属材料によって形成されており、前記マーカ導入ロッドの少なくとも前記可撓性の領域は、可撓性の金属部材として形成されている、請求項33に記載のマーカ伝送装置。
【請求項40】
前記カニューレは、金属材料によって形成されており、前記マーカ導入ロッドの少なくとも前記可撓性の領域は、可撓性のプラスチック部材として形成されている、請求項39に記載のマーカ伝送装置。
【請求項41】
前記引込ませメカニズムは、前記マーカ導入ロッドを引っ込ませるように構成されている第1の引込ませメカニズムと、前記カニューレを引っ込ませるように構成されている第2の引込ませメカニズムとを含み、前記導入ロッドの最初の引込ませは、前記カニューレの引込ませの前に生じる、請求項24に記載のマーカ伝送装置。
【請求項42】
前記引込ませメカニズムは、前記マーカ導入ロッドを引っ込ませるように構成されている第1の引込ませメカニズムと、前記カニューレを引っ込ませるように構成されている第2の引込ませメカニズムとを含み、前記導入ロッドの完全な引込ませは、前記カニューレの引込ませの前に行われる、請求項24に記載のマーカ伝送装置。
【請求項43】
前記引込ませメカニズムは、
前記マーカ導入ロッドの駆動端部に取着されており、前記ハウジングのチャンバ中で摺動可能に配置されている導入ロッドガイドブロックと、
前記カニューレの前記基端部に取着されており、前記ハウジングのチャンバ中で摺動可能に配置されているカニューレガイドブロックと、
前記導入ロッドガイドブロックと前記カニューレガイドブロックとの間に係合した状態で配置されている第1のばねと、
前記ハウジングの外側で操作可能であり、第1の剪断部材によって前記導入ロッドガイドブロックに連結されているマーカ配置用トリガーと、を含み、
前記マーカ配置用トリガーの第1の位置への駆動によって、前記第1の剪断部材は、カニューレの内孔から組織マーカを配置するために前記カニューレの長手方向に沿って前記マーカ導入ロッドを移動させ、且つ前記第1のばねを同期して圧縮し、
前記マーカ配置用トリガーの、前記第1の位置とは異なる第2の位置への更なる駆動によって、前記第1のばねの圧縮が解除されて、前記マーカ導入ロッドの前記ハンドルを前記ハウジングのチャンバ中に引っ込ませる、請求項24に記載のマーカ伝送装置。
【請求項44】
前記第1のばねの圧縮の解除によって、前記第1の剪断部材が剪断されて、前記マーカ導入ロッドが、前記ハンドルのハウジングのチャンバ中に完全に引っ込められる、請求項43に記載のマーカ伝送装置。
【請求項45】
前記ハウジングに設けられており、前記カニューレガイドブロックに結合されている引込ませトリガーと、
前記ハウジングの前端部と前記カニューレガイドブロックとの間に係合した状態で配置されており、前記カニューレガイドブロックに予め付勢を与えるために、前記引込ませトリガーの駆動の前に、圧縮された状態である第2のばねと、を更に含み、
前記引込ませトリガーの駆動によって、前記第2のばねの圧縮が解除され、前記カニューレが、前記ハンドルのハウジングのチャンバ中に完全に引っ込められる、
請求項43に記載のマーカ伝送装置。
【請求項1】
組織マーカを配置するように構成されているマーカ伝送装置であって、
チャンバを有するハンドルと、
配置のための組織マーカを保持するように構成されているカニューレであって、このカニューレの長手方向に沿って延びている内孔を囲んでいる側壁と、カニューレの前記側壁を通って前記内孔に延びている複数の周辺スロットから成るスロット配列によって形成されている可撓性の部分とを有しており、前記複数の周辺のスロットは、このカニューレの前記可撓性の部分のところでたわみを促すように、カニューレの長手方向に沿って互いにほぼ平行となるように離間されている、カニューレと、
前記カニューレの内孔中で移動可能に設けられており、前記カニューレの前記可撓性の部分に対応している可撓性の部分を有しているマーカ導入ロッドと、
前記ハンドルに設けられており、駆動されると、組織マーカを配置するために前記マーカ導入ロッドを移動させるように構成されている、配置メカニズムと、
前記ハンドルに設けられており、駆動されると、前記カニューレと前記マーカ導入ロッドとの両方をハンドルのハウジングの前記チャンバ中に完全に引込ませることを促すように構成されている、引込ませメカニズムと、を具備する、
マーカ伝送装置。
【請求項2】
前記複数の周辺スロットは、カニューレの前記可撓性の部分のところで、単一の所定の平面に沿って、たわみを促すように構成されている、請求項1に記載のマーカ伝送装置。
【請求項3】
前記配置メカニズムは、前記マーカ伝送装置を、マーカの配置の1回の使用に制限するように構成されている、請求項1に記載のマーカ伝送装置。
【請求項4】
前記引込ませメカニズムは、前記カニューレと前記マーカ導入ロッドとの、前記チャンバ中への完全な引込ませの後に、これらカニューレとマーカ導入ロッドとが前記チャンバの外側に延びるのを防ぐように構成されている、請求項1に記載のマーカ伝送装置。
【請求項5】
組織マーカを配置するように構成されているマーカ伝送装置であって、
ユーザによって把持されるように構成されているハンドルと、
基端部と先端部とを有しているカニューレであって、ほぼ硬性であり且つカニューレの長手方向に沿って延びている内孔を囲んでいる側壁と、カニューレの前記側壁を通ってこの内孔に延びている複数の周辺スロットを有しているスロット配列によって形成されている可撓性の部分とを有しており、前記複数の周辺のスロットは、このカニューレの前記可撓性の部分のところでたわみを促すように、このカニューレの長手方向に沿って互いにほぼ平行となるように離間されている、カニューレと、
前記カニューレの前記先端部から組織マーカの配置を与えるように、カニューレの前記内孔中で移動可能に配置されており、駆動端部と、マーカ配置端部と、カニューレの前記可撓性の部分に対応する可撓性の領域とを有しているマーカ導入ロッドと、を具備する、
マーカ伝送装置。
【請求項6】
カニューレの前記可撓性の部分は、カニューレの前記基端部より、カニューレの前記先端部の近くに配置されている、請求項5に記載のマーカ伝送装置。
【請求項7】
前記複数の周辺スロッドは、カニューレの前記可撓性の部分のところで、単一の所定の平面に沿って、たわみを促すように構成されている、請求項5に記載のマーカ伝送装置。
【請求項8】
前記複数の周辺スロッドは、第1の円弧を有している第1の組の周辺スロットと、第2の円弧を有している第2の組の周辺スロットとを含む、請求項5に記載のマーカ伝送装置。
【請求項9】
前記第1の円弧は、前記第2の円弧に対して周方向にずらして配置されている、請求項8に記載のマーカ伝送装置。
【請求項10】
前記スロット配列は、前記複数の周辺スロットの一部を少なくとも連結している軸方向のスロットを含む、請求項5に記載のマーカ伝送装置。
【請求項11】
前記カニューレは、金属材料によって形成されている、請求項5に記載のマーカ伝送装置。
【請求項12】
前記金属材料は、ステンレス鋼と、ニチノールと、ニッケルクロミウム合金と、チタニウムとのうちの1つである、請求項11に記載のマーカ伝送装置。
【請求項13】
前記マーカ導入ロッドの前記可撓性の領域は、可撓性の金属部材として形成されている、請求項5に記載のマーカ伝送装置。
【請求項14】
前記マーカ導入ロッドの前記可撓性の領域は、可撓性のプラスチック部材として形成されており、前記マーカ導入ロッドの残りの領域は、金属とプラスチックとの少なくとも一方によって形成されている、請求項5に記載のマーカ伝送装置。
【請求項15】
前記ハンドルは、間にチャンバが設けられている前端部と後端部と、前記カニューレを収容するためのこのチャンバに延びている孔とを有しているハウジングを含み、このハウジングは、
前記ハウジングに設けられており、ユーザによって駆動されると、組織マーカを配置するように、マーカ導入ロッドを移動させるように構成されている配置メカニズムと、
前記ハウジングに設けられており、ユーザによって駆動されると、前記カニューレ及び前記マーカ導入ロッドの、前記ハンドルのハウジングのチャンバ中への完全な引込ませを促すように構成されている、引込ませメカニズムと、を具備する、
請求項5に記載のマーカ伝送装置。
【請求項16】
前記ハンドルは、間をチャンバが長手方向に延びている前端部と後端部と、前記カニューレを収容するためのこのチャンバに延びている孔とを有しているハウジングを含み、このハウジングは、更に、
前記マーカ導入ロッドの駆動端部に取着されており、前記ハウジングのチャンバ中で摺動可能に配置されている導入ロッドガイドブロックと、
第1の剪断部材と、
前記ハウジングの外側で操作可能であり、前記第1の剪断部材によって前記導入ロッドガイドブロックに連結されているマーカ配置用トリガーであって、このマーカ配置用トリガーの駆動によって、カニューレの前記内孔から組織マーカを配置するために、前記カニューレの長手方向に沿って前記マーカ導入ロッドを移動させるように、前記第1の剪断部材が前記マーカ導入ロッドを移動させる、マーカ配置用トリガーと、
前記ハウジングの外側で操作可能な引込ませトリガーと、
第2の剪断部材と、
カニューレの前記基端部に取着されており、前記ハウジングのチャンバ中で摺動可能に配置されているカニューレガイドブロックであって、前記引込ませトリガーは、このカニューレガイドブロックを、前記ハンドルのハウジングに対して静止した状態に保持するように、このカニューレガイドブロックに前記第2の剪断部材によって連結されている、カニューレガイドブロックと、
ハウジングの前記前端部と前記カニューレガイドブロックとの間に配置されており、前記カニューレガイドブロックに予め付勢を与えるように、前記引込ませトリガーの駆動前に圧縮された状態であるばねと、を具備する、
請求項5に記載のマーカ伝送装置。
【請求項17】
前記引込ませトリガーの駆動によって、前記カニューレと前記マーカ導入ロッドと両方が、前記ハンドルのハウジングのチャンバ中に完全に引っ込められる、請求項16に記載のマーカ伝送装置。
【請求項18】
前記引込ませトリガーの駆動によって、前記第2の剪断部材が剪断されて、この結果、前記ばねが圧縮された状態から解放され、前記カニューレガイドブロックが前記ハウジングの後端部に移動し、前記カニューレの最初の引込ませが開始され、前記ばねの連続した圧縮の解除によって、前記カニューレガイドブロックが、前記第1の剪断部材を剪断させるように前記導入ロッドガイドブロックに衝突し、かくして、前記カニューレ及び前記マーカ導入ロッドの、前記ハンドルのハウジングのチャンバ中への同期した引込ませが、開始される、請求項16に記載のマーカ伝送装置。
【請求項19】
前記カニューレと前記マーカ導入ロッドとの両方の、前記ハンドル中への同期した引込ませは、前記カニューレと前記マーカ導入ロッドとの両方が前記ハンドルのハウジングのチャンバ中に完全に収容された後に、終了する、請求項18に記載のマーカ伝送装置。
【請求項20】
離間装置が、前記導入ロッドガイドブロックと前記カニューレガイドブロックとの間に配置されており、またこの離間装置は、長手方向に沿った全長を有しており、この結果、前記カニューレガイドブロックがマーカの配置位置に配置されると、前記カニューレガイドブロックは、前記導入ロッドガイドブロックと動作可能に接触し、また、前記引込ませトリガーが駆動されると、前記第1の剪断部材と前記第2の剪断部材とは、ほぼ同期して剪断されて、前記カニューレ及び前記マーカ導入ロッドの、前記ハウジングのチャンバ中への完全な同期した引込ませが生じる、請求項16に記載のマーカ伝送装置。
【請求項21】
組織マーカが配置された後に、前記マーカ配置用トリガーをマーカの配置位置にロックするために、ロックメカニズムを更に具備する、請求項16に記載のマーカ伝送装置。
【請求項22】
前記マーカ配置用トリガーは、第1のロック部材を含み、前記ハウジングは、第2のロック部材を含み、前記第1のロック部材は、前記マーカ配置用トリガーが前記マーカの配置位置に配置された時に、前記第2のロック部材に係合する、請求項16に記載のマーカ伝送装置。
【請求項23】
前記第1のロック部材と前記第2のロック部材との一方は、ロックチャンネルであり、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材とのもう一方は、ばね式挿入部材であり、このばね式挿入部材は、前記マーカ配置用トリガーがマーカの配置位置に配置された時に、前記ロックチャンネルに係合する、請求項22に記載のマーカ伝送装置。
【請求項24】
ユーザによって把持されるように構成されているハンドルであって、間にチャンバが設けられている前端部と後端部と、このチャンバから前記ハンドルの外側に延びている孔とを有しているハウジングを含む、ハンドルと、
基端部と、先端部と、これら基端部と先端部との間で前記カニューレの長手方向に沿って延びている内孔と、を有しているカニューレであって、このカニューレが前記孔から前記ハウジングの前端部を越えて引込ませ可能に延びるように前記ハンドル中に配置されている、カニューレと、
前記カニューレの先端部から組織マーカの配置を与えるようにカニューレの前記内孔中に移動可能に配置されており、駆動端部とマーカ配置端部とを有しているマーカ導入ロッドと、
前記ハウジングに設けられており、且つ前記マーカ導入ロッドの駆動端部に結合されており、駆動されると、組織マーカを配置するために前記マーカ導入ロッドを移動させるように構成されている、配置メカニズムと、
前記ハウジングに設けられており、且つ前記カニューレの基端部に結合されており、駆動されると、前記カニューレ及び前記マーカ導入ロッドの、前記ハンドルのハウジングのチャンバ中への完全な引込ませを促すように構成されている、引込ませメカニズムと、を具備する、
組織マーカの配置のように構成されているマーカ伝送装置。
【請求項25】
前記配置メカニズムは、
前記マーカ導入ロッドの駆動端部に取着されており、前記ハウジングのチャンバ中で摺動可能に配置されている導入ロッドガイドブロックと、
第1の剪断部材と、
前記ハウジングの外側で操作可能であり、前記第1の剪断部材によって前記導入ロッドガイドブロックに連結されているマーカ配置用トリガーであって、このマーカ配置用トリガーの駆動によって、カニューレの前記内孔から組織マーカを配置させるために、前記カニューレの長手方向に沿って前記マーカ導入ロッドを移動させるように、このマーカ導入ロッドを移動させる、マーカ配置用トリガーと、を具備する、
請求項24に記載のマーカ伝送装置。
【請求項26】
前記ハウジングは、このハウジングの側壁に沿って延びているトリガースロットを含み、
前記マーカ配置用トリガーは、最初の位置から、マーカの配置位置へと、前記トリガースロットに沿った側方の移動のために前記ハウジングに設けられており、
このマーカ配置用トリガーは、第1のロック部材を含み、また、前記ハウジングは、第2のロック部材を含み、
前記第1のロック部材は、前記マーカ配置用トリガーが前記マーカの配置位置に配置された時に、前記第2のロック部材に固く係合する、
請求項25に記載のマーカ伝送装置。
【請求項27】
前記第1のロック部材と前記第2のロック部材との一方は、ロックチャンネルであり、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材とのもう一方は、ばね式挿入部材であり、このばね式挿入部材は、前記マーカ配置用トリガーが前記マーカの配置位置に配置された時に、ロックチャンネルに係合する、請求項26に記載のマーカ装置。
【請求項28】
前記引込ませメカニズムは、
前記ハウジングの外側で操作可能な引込ませトリガーと、
第2の剪断部材と、
カニューレの前記基端部に取着されており、前記ハウジングのチャンバ中で摺動可能に配置されているカニューレガイドブロックであって、前記引込ませトリガーは、このカニューレガイドブロックを前記ハンドルのハウジングに対して静止した状態に保持するように、前記カニューレガイドブロックに、前記第2の剪断部材によって連結されている、カニューレガイドブロックと、
ハウジングの前記前端部と前記カニューレガイドブロックとの間に配置されており、前記カニューレガイドブロックに予め付勢を与えるように、前記引込ませトリガーの駆動前に圧縮された状態であるばねと、を含む、請求項24に記載のマーカ伝送装置。
【請求項29】
前記引込ませトリガーの駆動によって、前記カニューレ及び前記マーカ導入ロッドが、前記ハンドルのハウジングのチャンバ中に引っ込められる、請求項28に記載のマーカ伝送装置。
【請求項30】
前記引込ませトリガーの駆動によって、前記第2の剪断部材が剪断されて、この結果、前記ばねが圧縮された状態から解放され、前記カニューレガイドブロックが前記ハウジングの後端部に移動し、前記カニューレの最初に引込ませが開始され、前記ばねの連続した圧縮の解除によって、前記カニューレガイドブロックが、前記第1の剪断部材を剪断させるように前記導入ロッドガイドブロックに衝突し、かくして、前記カニューレと前記マーカ導入ロッドとの両方の、前記ハンドルのハウジングのチャンバ中への同期した引込ませが、開始される、請求項28に記載のマーカ伝送装置。
【請求項31】
前記カニューレと前記マーカ導入ロッドと両方の、前記ハンドル中への同期した引込ませは、前記カニューレと前記マーカ導入ロッドとの両方が前記ハンドルのハウジングのチャンバ中に完全に収容された後に、終了する、請求項30に記載のマーカ伝送装置。
【請求項32】
離間装置が、前記導入ロッドガイドブロックと前記カニューレガイドブロックとの間に配置されており、またこの離間装置は、長手方向に沿った全長を有しており、この結果、前記カニューレガイドブロックがマーカの配置位置に配置されると、前記カニューレガイドブロックは、前記導入ロッドガイドブラックと動作可能に接触し、また、前記引込ませトリガーが駆動されると、前記第1の剪断部材と前記第2の剪断部材とは、ほぼ同期して剪断されて、前記カニューレと前記マーカ導入ロッドとの両方の、前記ハウジングのチャンバ中への完全な同期した引込ませが生じる、請求項28に記載のマーカ伝送装置。
【請求項33】
前記カニューレは、カニューレの側壁を通って前記内孔に延びている複数の周辺スロットのから成るスロット配列によって形成された可撓性の部分を有しており、前記複数の周辺スロットは、前記カニューレの可撓性の部分のところでたわみを促すように、カニューレの長手方向に沿って互いにほぼ平行になるように、離間されており、
前記マーカ導入ロッドは、前記カニューレの可撓性の部分に対応する可撓性の領域を有している、請求項24に記載のマーカ伝送装置。
【請求項34】
前記カニューレの可撓性の部分は、カニューレの前記基端部より、カニューレの前記先端部の近くに配置されている、請求項33に記載のマーカ伝送装置。
【請求項35】
前記複数の周辺スロットは、カニューレの前記可撓性の部分のところで、単一の所定の平面に沿って、たわみを促すように構成されている、請求項33に記載のマーカ伝送装置。
【請求項36】
前記複数の周辺スロットは、第1の円弧を有している第1の組の周辺スロットと、第2の円弧を有している第2の組の周辺スロットとを含む、請求項33に記載のマーカ伝送装置。
【請求項37】
前記第1の円弧は、前記第2の円弧に対して周方向にずらして配置されている、請求項36のマーカ伝送装置。
【請求項38】
前記スロット配列は、前記複数の周辺スロットの少なくとも1つの部分のところで連結している軸方向のスロットを含む、請求項33に記載のマーカ伝送装置。
【請求項39】
前記カニューレは、金属材料によって形成されており、前記マーカ導入ロッドの少なくとも前記可撓性の領域は、可撓性の金属部材として形成されている、請求項33に記載のマーカ伝送装置。
【請求項40】
前記カニューレは、金属材料によって形成されており、前記マーカ導入ロッドの少なくとも前記可撓性の領域は、可撓性のプラスチック部材として形成されている、請求項39に記載のマーカ伝送装置。
【請求項41】
前記引込ませメカニズムは、前記マーカ導入ロッドを引っ込ませるように構成されている第1の引込ませメカニズムと、前記カニューレを引っ込ませるように構成されている第2の引込ませメカニズムとを含み、前記導入ロッドの最初の引込ませは、前記カニューレの引込ませの前に生じる、請求項24に記載のマーカ伝送装置。
【請求項42】
前記引込ませメカニズムは、前記マーカ導入ロッドを引っ込ませるように構成されている第1の引込ませメカニズムと、前記カニューレを引っ込ませるように構成されている第2の引込ませメカニズムとを含み、前記導入ロッドの完全な引込ませは、前記カニューレの引込ませの前に行われる、請求項24に記載のマーカ伝送装置。
【請求項43】
前記引込ませメカニズムは、
前記マーカ導入ロッドの駆動端部に取着されており、前記ハウジングのチャンバ中で摺動可能に配置されている導入ロッドガイドブロックと、
前記カニューレの前記基端部に取着されており、前記ハウジングのチャンバ中で摺動可能に配置されているカニューレガイドブロックと、
前記導入ロッドガイドブロックと前記カニューレガイドブロックとの間に係合した状態で配置されている第1のばねと、
前記ハウジングの外側で操作可能であり、第1の剪断部材によって前記導入ロッドガイドブロックに連結されているマーカ配置用トリガーと、を含み、
前記マーカ配置用トリガーの第1の位置への駆動によって、前記第1の剪断部材は、カニューレの内孔から組織マーカを配置するために前記カニューレの長手方向に沿って前記マーカ導入ロッドを移動させ、且つ前記第1のばねを同期して圧縮し、
前記マーカ配置用トリガーの、前記第1の位置とは異なる第2の位置への更なる駆動によって、前記第1のばねの圧縮が解除されて、前記マーカ導入ロッドの前記ハンドルを前記ハウジングのチャンバ中に引っ込ませる、請求項24に記載のマーカ伝送装置。
【請求項44】
前記第1のばねの圧縮の解除によって、前記第1の剪断部材が剪断されて、前記マーカ導入ロッドが、前記ハンドルのハウジングのチャンバ中に完全に引っ込められる、請求項43に記載のマーカ伝送装置。
【請求項45】
前記ハウジングに設けられており、前記カニューレガイドブロックに結合されている引込ませトリガーと、
前記ハウジングの前端部と前記カニューレガイドブロックとの間に係合した状態で配置されており、前記カニューレガイドブロックに予め付勢を与えるために、前記引込ませトリガーの駆動の前に、圧縮された状態である第2のばねと、を更に含み、
前記引込ませトリガーの駆動によって、前記第2のばねの圧縮が解除され、前記カニューレが、前記ハンドルのハウジングのチャンバ中に完全に引っ込められる、
請求項43に記載のマーカ伝送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2012−513866(P2012−513866A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544403(P2011−544403)
【出願日】平成20年12月30日(2008.12.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/088558
【国際公開番号】WO2010/077244
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(591018693)シー・アール・バード・インコーポレーテッド (106)
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月30日(2008.12.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/088558
【国際公開番号】WO2010/077244
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(591018693)シー・アール・バード・インコーポレーテッド (106)
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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