説明

組織処理部の二重構造

【課題】
超音波を用いた組織処理装置において、組織処理部に薬液等の液が無い状態で組織処理装置が人為的または機械的に誤動作した場合、超音波素子が破損してしまう。
【解決手段】
本発明における生体組織を処理する組織処理部1は二重構造であり、この組織処理部1の内部層に内部液2が注入されている。この組織処理部1の下部には超音波素子3が複数個設置されている。この組織処理部1の内部層に注入した内部液2を注排水するために注排水口4を設けている。以上のような組織処理部を用いることにより上記課題を解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は病理検査の生体組織標本作製工程の、特に生体組織の固定及び脱水・脱脂、中間処理、パラフィン浸透の工程において使用される超音波を用いた組織処理装置の構成部品である組織処理部に関する。
【背景技術】
【0002】
病理検査の生体組織標本作製工程における生体組織の固定及び脱水・脱脂、中間処理、パラフィン浸透の工程では、超音波を用いた組織処理装置を使用して各処理を行っている。
【0003】
一般に、超音波素子を装着した水槽で、水槽に水を入れない状態で超音波素子を動作させた場合、超音波素子が発熱し破損してしまう。
【0004】
従来の超音波を用いた組織処理装置の組織処理部は一重構造であり、組織処理部に薬液等の液が無い状態で組織処理装置が人為的または機械的に誤動作した場合、超音波素子が発熱し破損してしまう。
【特許文献1】特願2004−163359
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は超音波を用いた組織処理装置において、組織処理部に薬液等の液が無い状態で組織処理装置が人為的または機械的に誤動作した場合、超音波素子が破損してしまうことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために考案された第一発明は、生体組織を処理する組織処理部を二重構造にし内部層に内部液を入れることを特徴とする、超音波を用いた組織処理装置の組織処理部である。
【発明の効果】
【0007】
第一発明によれば、組織処理部の内部層に内部液を入れるようにしたことにより、組織処理部に薬液等の液が無い状態であっても、超音波素子の動作による超音波素子の損傷を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
この発明の一実施形態を、図1に示す。
組織処理部1は二重構造であり、この組織処理部1の内部層に内部液2が注入されている。この組織処理部1の下部には超音波素子3が複数個設置されている。この組織処理部1の内部層に注入した内部液2を注排水するために注排水口4を設けている。
内部液2は防腐剤入り液とするとよい。
「実施形態の効果」
この実施形態によれば、内部液2の働きで、組織処理部1に薬液等の液が無い状態で組織処理部1に設置した超音波素子3が誤動作を起こしたとしても、内部液2が超音波素子3が発する熱量を放熱するため、発熱による超音波素子3の破損を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の構成の例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0010】
1 組織処理部
2 内部液
3 超音波素子
4 内部液注排水口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を用いた生体組織処理装置において、生体組織を処理する組織処理部を二重構造にし内部層に内部液を入れることを特徴とする組織処理装置。

【図1】
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【公開番号】特開2006−284288(P2006−284288A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−102570(P2005−102570)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000146445)株式会社常光 (35)
【出願人】(503052911)
【出願人】(504212057)
【Fターム(参考)】