説明

組込み用タッチパネル表示装置

【課題】前面のタッチパネルを操作することにより機器に組込まれた状態でも表示装置の調整ができる組込み用タッチパネル表示装置を提供する。
【解決手段】組込み用タッチパネル表示装置は、タッチパネルを備えた組込み用タッチパネル表示装置において、上記タッチパネルの所定の位置を所定の手順でタッチ操作したことを検知してオンスクリーン・ディスプレイのメニュー画面を表示装置に表示するとともに、上記タッチパネルへのタッチ操作により上記メニュー画面に従って調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、産業機器、情報端末、POS端末、自販機などの機器に組み込まれる組込み用タッチパネル表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、産業用機器、情報端末、POS、自動販売機などの機器に組み込まれる組込み用タッチパネル表示装置では、表示装置のスイッチおよび調整用ボタンは表示装置前面には配置せず表示装置の背面に設置していた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−242432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような組込み用タッチパネル表示装置では機器に組込まれた状態での表示装置の調整が不可能で機器を設置した後の表示装置の調整には組込んだ機器本体の解体が必要であった。
【0005】
この発明の目的は、前面のタッチパネルを操作することにより機器に組込まれた状態でも表示装置の調整ができる組込み用タッチパネル表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る組込み用タッチパネル表示装置は、タッチパネルを備えた組込み用タッチパネル表示装置において、上記タッチパネルの所定の位置を所定の手順でタッチ操作したことを検知してオンスクリーン・ディスプレイのメニュー画面を表示装置に表示するとともに、上記タッチパネルへのタッチ操作により上記メニュー画面に従って調整する。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る組込み用タッチパネル表示装置は、ホストコンピュータを制御するときのメニュー画面が殆ど表示されない複数の箇所を所定の順番でタッチ操作したとき、オンスクリーン・ディスプレイに切り替えることができるので、組込み用タッチパネル表示装置を機器に組み込んだまま表示装置の調整、メンテナンスを行うことができるという効果を奏する。
また、オンスクリーン・ディスプレイに切り替えるためのスイッチが不要となり、悪戯されることが無く、且つコストを低減することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、この発明に係る組込み用タッチパネル表示装置を組込んだ機器の一例である。
この発明に係る組込み用タッチパネル表示装置1は、例えば産業用機器、情報端末、POS、自動販売機などの機器2に組み込まれるとともに、機器を制御するホストコンピュータ3から送られてくる映像信号を映像として出力する映像信号出力装置およびホストコンピュータへの入力装置として機能するものである。
そして、この発明に係る組込み用タッチパネル表示装置1は、映像が表示される例えば液晶パネル4、ホストコンピュータ3からの映像信号に基づいて液晶パネル4を駆動する液晶ドライバー5、液晶パネル4の前面に配置され且つ接触されたとき信号を発するタッチパネル6、タッチパネル6から出力される信号から位置情報を求めてホストコンピュータ3に送るタッチセンサコントローラ7、および、オンスクリーン・ディスプレイコントローラ8を備える。
【0009】
タッチセンサコントローラ7は、タッチパネル6が複数の所定の位置を所定の順序でタッチ操作されたとき、オンスクリーン・ディスプレイコントローラ8を起動する。そして、タッチパネル6の複数の所定の位置は、ホストコンピュータ3を操作するための信号を入力するときには殆どタッチ操作される位置ではなく、図2に示すように、タッチパネル6の4隅が一般的である。また、所定の順序でタッチ操作することにより、液晶パネル4の表示状態を調整するためにオンスクリーン・ディスプレイコントローラ8を起動するためのタッチ操作である。
【0010】
この発明に係る組込み用タッチパネル表示装置1では、図2に示すように、タッチパネル上の所定の箇所A、B、Cを所定の順序(A、B、A、C)の順序でタッチ操作されたとき、タッチセンサコントローラ7はオンスクリーン・ディスプレイコントローラ8を起動する。これ以降では、タッチパネル6へのタッチ操作の内容はホストコンピュータ3には送らずに、オンスクリーン・ディスプレイコントローラ8に送る。
なお、上述ではタッチパネル6の3隅を所定の位置として用いたが、機器本来の操作に影響が無ければタッチパネル6の位置、大きさ、数量について適宜配置すれば良い。また、順序に関しても機器本来の操作に影響が無ければ適宜設定すれば良い。
【0011】
タッチセンサコントローラ7は、タッチパネル6が複数の所定の位置を所定の順序でタッチ操作されたことを検知すると、オンスクリーン・ディスプレイコントローラ8を起動するとともに、以降、タッチパネル6から出力される信号から求めた位置情報をオンスクリーン・ディスプレイコントローラ8に送りホストコンピュータ3には送らない。
【0012】
オンスクリーン・ディスプレイコントローラ8は、起動されると、図3に示すように、液晶パネル4の中央部に(DISPLAY ADJUSTMENT)のメニュー画面を表示される。そして、MENU信号が入力される度に順に(WHITE BALANCE)、(COLOR ADJUSTMENT)、(MISC)メニュー画面が表示され、次に、MENU信号が入力されると、オンスクリーン・ディスプレイコントローラ8を停止する。すなわち、タッチパネル6から出力される信号から求めた位置情報をホストコンピュータ3に送りオンスクリーン・ディスプレイコントローラ8には送らない。
【0013】
オンスクリーン・ディスプレイコントローラ8が駆動しているときには、タッチパネル6の左右および上下の4つの領域がダウン(DOWN)、アップ(UP)、メニュー(MENU)、選択(SELECT)に割り当てられている。なお、図3に図示した点線は実際には液晶パネル4には表示していないが、調整者には感覚的にキーを認識できる。
このようにメニュー画面が表示されているとき、タッチパネル6の該当する位置にタッチ操作すると、タッチセンサコントローラ7はその位置情報を求めてオンスクリーン・ディスプレイコントローラ8に送る。オンスクリーン・ディスプレイコントローラ8は、この位置情報からDOWN、UP、MENU、SELECTのいずれが選択されたか判断し、それに基づいて液晶パネル4の表示状態を変更する。
【0014】
なお、上述の例でタッチパネル6の箇所Aに最初にタッチ操作するとき、特に箇所Aに最初にタッチ操作したことを明確にするために箇所Aに所定の時間以上に亘ってタッチ操作するときだけ箇所Aにタッチ操作したと判断するようにしても良い。
また、調整者がこの手順が手順どおりなされているか認識できるように表示スクリーンの隅に文字やアイコンを表示し調整者にはわかりやすくしても良い。
また、音声により認識できるようにしても良い。
【0015】
この発明に係る組込み用タッチパネル表示装置は、ホストコンピュータを制御するときのメニュー画面が殆ど表示されない複数の箇所を所定の順番でタッチ操作したとき、オンスクリーン・ディスプレイに切り替えることができるので、組込み用タッチパネル表示装置を機器に組み込んだまま表示装置の調整、メンテナンスを行うことができる。
また、オンスクリーン・ディスプレイに切り替えるためのスイッチが不要となり、悪戯されることが無く、且つコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明に係る組込み用タッチパネル表示装置が組み込まれた機器の概略図である。
【図2】オンスクリーン・ディスプレイに切り替えるためにタッチ操作するタッチパネルの箇所である。
【図3】オンスクリーン・ディスプレイでの1つのメニュー画面である。
【符号の説明】
【0017】
1 組込み用タッチパネル表示装置、2 機器、3 ホストコンピュータ、4 液晶パネル、5 液晶ドライバー、6 タッチパネル、7 タッチセンサコントローラ、8 オンスクリーン・ディスプレイコントローラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルを備えた組込み用タッチパネル表示装置において、
上記タッチパネルの所定の位置を所定の手順でタッチ操作したことを検知してオンスクリーン・ディスプレイのメニュー画面を表示装置に表示するとともに、上記タッチパネルへのタッチ操作により上記メニュー画面に従って調整することを特徴とする組込み用タッチパネル表示装置。
【請求項2】
上記メニュー画面が表示されているときにはホストへの上記タッチパネルからの位置情報の送信を停止することを特徴とする請求項1に記載の組込み用タッチパネル表示装置。
【請求項3】
アップ、ダウン、選択、メニューがそれぞれ割り当てられた4つの領域に分割された上記タッチパネルにタッチ操作することにより表示状態を調整することを特徴とする請求項1に記載の組込み用タッチパネル表示装置。
【請求項4】
上記タッチパネルの所定の位置を所定の手順でタッチ操作したとき表示装置に手順通りにタッチ操作していることを示す文字またはアイコンを表示することを特徴とする請求項1に記載の組込み用タッチパネル表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−295092(P2009−295092A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−150556(P2008−150556)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【出願人】(591036457)三菱電機エンジニアリング株式会社 (419)
【Fターム(参考)】