組電池の製造方法、及び組電池
【課題】 組電池を構成する使用済み二次電池の一部が過充電、過放電となる不具合を抑制することができると共に、組電池を構成する各使用済み二次電池の性能を十分に発揮させることができる組電池の製造方法、及び組電池を提供する。
【解決手段】 本発明の組電池の製造方法は、既に使用された後の使用済み二次電池について、それぞれの満充電容量を知得する知得工程(ステップS1)と、満充電容量を知得した使用済み二次電池の群の中から、満充電容量が互いに近いものを、複数選択する選択工程(ステップS2)と、選択された複数の使用済み二次電池を組み合わせて組電池を構成する組み付け工程(ステップS3,4)とを備える。
【解決手段】 本発明の組電池の製造方法は、既に使用された後の使用済み二次電池について、それぞれの満充電容量を知得する知得工程(ステップS1)と、満充電容量を知得した使用済み二次電池の群の中から、満充電容量が互いに近いものを、複数選択する選択工程(ステップS2)と、選択された複数の使用済み二次電池を組み合わせて組電池を構成する組み付け工程(ステップS3,4)とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組電池の製造方法、及び組電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ポータブル機器や携帯機器などの電源として、また、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源として、様々な二次電池が提案されている。この二次電池を、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源として用いる場合には、高出力が要求されるため、複数の二次電池を電気的に直列に接続して組電池を構成して用いている。
【0003】
ところで、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源として用いられる組電池は、その使用環境や、組電池を構成しているそれぞれの二次電池の特性差や、二次電池の構成部品の不具合等により、組電池を構成する二次電池の一部が、他の電池に比べて早期に寿命や故障に至ることがある。すると、組電池本来の性能を発揮することができなくなり、これにより、システム全体に異常が生じる虞もあった。このような不具合を解消すべく、他の電池に比べて早期に寿命や故障に至った二次電池を、正常な二次電池に交換することがある。この二次電池の交換方法に関しては、様々な方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−185915号
【0004】
特許文献1は、複数の二次電池を電気的に直列または並列に接続した組電池について、その一部の交換対象の二次電池を、交換用の新しい二次電池と交換する場合に、交換用の新しい二次電池の充電量を、交換対象でない他の電池(組電池を構成している正常な二次電池)の充電量よりも小さくして交換する方法を開示している。具体的には、交換用の新しい二次電池の充電量が、交換対象でない他の電池の充電量よりも5〜20%小さくなるように、交換用の新しい二次電池を充電しておく。これにより、組電池の使用により充放電が繰り返し行われると、交換した新しい二次電池と他の電池との充電量(充電されている電気量)の差が小さくなるので、組電池を構成する二次電池の充電量を同等にできると記載されている。従って、組電池の性能を最大限に発揮させることができると記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電気自動車やハイブリッド自動車などが廃車となった場合でも、これらに搭載していた組電池は、未だ使用可能な状態にあることがある。また、組電池を構成する二次電池の一部の不具合により、新しい組電池に交換した場合でも、古い組電池のうち不具合の生じた一部の二次電池を除いた他の二次電池は、未だ使用可能な状態にある。このような、市場で使用された後に回収された二次電池のうち、未だ使用可能な状態にある二次電池(以下、これらを使用済み二次電池ともいう)を、廃棄することなく、再利用する技術が求められている。例えば、自動車等の電源として使用された後、不要となった組電池を回収して、これらの組電池に含まれている未だ使用可能な二次電池(使用済み二次電池)を組み合わせて、組電池を製造する技術が求められている。
【0006】
ところが、回収した使用済み二次電池の群には、様々な環境下で使用されたものが混在するため、電池特性のバラツキが大きくなりがちである。このため、使用済み二次電池を組み合わせて組電池を製造すると、電池特性の差異の影響で、組電池を構成する使用済み二次電池の一部が過充電、過放電となる不具合が発生したり、組電池を構成する各使用済み二次電池の性能を十分に発揮させることができない虞があった。特許文献1等において、組電池を構成する二次電池の一部(不具合を生じた二次電池)を、正常な新しい二次電池に交換する技術は多数開示されているが、使用済み二次電池を組み合わせて組電池を製造する技術に適用することはできなかった。
【0007】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、組電池を構成する使用済み二次電池の一部が過充電、過放電となる不具合を抑制することができると共に、組電池を構成する各使用済み二次電池の性能を十分に発揮させることができる組電池の製造方法、及び組電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
その解決手段は、複数の二次電池を組み合わせてなる組電池の製造方法であって、既に使用された後の使用済み二次電池について、それぞれの満充電容量を知得する知得工程と、上記満充電容量を知得した上記使用済み二次電池の群の中から、上記満充電容量が互いに近いものを、複数選択する選択工程と、上記選択された複数の上記使用済み二次電池を組み合わせて上記組電池を構成する組み付け工程と、を備える組電池の製造方法である。
【0009】
本発明の組電池の製造方法は、使用済み二次電池を組み合わせて組電池を構成する方法であり、二次電池の再利用を目的とするものである。
ここで、例えば、相対的に満充電容量の大きな使用済み二次電池と、これに比べて満充電容量の小さな使用済み二次電池とを組み合わせた組電池を考える。この場合、満充電容量の大きな使用済み二次電池を基準にして充放電を制御して使用すると、満充電容量の小さな使用済み二次電池が過充電、過放電となる虞がある。特に、SOC0%近くまで放電させたり、SOC100%近くまで充電する制御を行う場合(例えば、電気自動車の電源として組電池を用いる場合)は、満充電容量の小さな使用済み二次電池が過充電、過放電になり易い。これとは反対に、満充電容量の小さな使用済み二次電池を基準として充放電を制御すると、使用できる電気量が満充電容量の小さな使用済み二次電池で制限されるので、満充電容量の大きな使用済み二次電池の性能を十分に発揮させることができなくなる。
【0010】
これに対し、本発明の製造方法では、使用済み二次電池それぞれの満充電容量を知得した後、選択工程において、満充電容量を知得した使用済み二次電池の群の中から、満充電容量が互いに近いものを複数選択する。その後、選択された複数の使用済み二次電池を組み合わせて、組電池を構成する。このように、満充電容量が互いに近い使用済み二次電池同士を組み合わせることで、組電池を構成する使用済み二次電池の一部が過充電、過放電となる不具合を抑制することができると共に、組電池を構成する各使用済み二次電池の性能を十分に発揮させることができる。
【0011】
なお、使用済み二次電池の満充電容量は、例えば、次のようにして測定することができる。25℃の恒温環境下において、まず、0.3Cの電流値で、電池電圧が1.0Vになるまで使用済み二次電池を放電させる。次いで、3分間放置した後、0.35Cの電流値で3.2時間、定電流充電する。次いで、3分間放置した後、0.3Cの電流値で電池電圧が1.0Vになるまで放電させ、このときの放電電気量を、満充電容量とすることができる。ここでは、使用済み二次電池の公称容量を満たす充電量(例えば、6.5Ah)を、1時間で完全放電できる電流値(例えば、6.5A)を、1Cとしている。
【0012】
また、上述のような測定方法を用いる場合、劣化の大きな使用済み二次電池が、定電流充電時において過充電となる虞がある。このため、ΔT/Δt判定を利用して、過充電を防止するのが好ましい。ここで、ΔT/Δt判定とは、満充電に近づくと電池温度が大きく上昇する性質を有する二次電池(ニッケル水素電池など)について、単位時間あたりの電池温度変化率(ΔT/Δt)を監視しつつ定電流充電を行い、電池温度変化率(ΔT/Δt)が増加方向の所定の値となったときに、満充電に達したと判定する方法である。満充電に達したと判定されたときに、定電流充電を停止すれば、過充電を防止することができる。
【0013】
また、満充電容量を測定する際、定電流−定電圧充電(CC−CV充電)などの手法を用いて、使用済み二次電池を充電して満充電とするようにしても良い。CC−CV充電とは、主に、リチウムイオン電池の満充電容量を測定する際に用いられる手法であり、充電前半は定電流充電を行い(例えば、0.35Cの電流値で、1.6時間だけ充電する)、充電後半は定電圧充電を行うことで、過充電を防止することができる。
【0014】
また、知得工程としては、使用済み二次電池の満充電容量を測定することで、ぞれぞれの使用済み二次電池の満充電容量を取得する場合や、既に満充電容量が測定されている使用済み二次電池を入手して、それらの満充電容量を知る場合などを例示できる。
【0015】
さらに、上記の組電池の製造方法であって、前記選択工程は、選択された複数の前記使用済み二次電池のうち、満充電容量が最も大きなものと満充電容量が最も小さなものとの満充電容量の差を、上記満充電容量が最も小さなものの満充電容量の10%以内となるように、上記使用済み二次電池を選択する組電池の製造方法とすると良い。
【0016】
本発明の製造方法のように、満充電容量の差が小さな使用済み二次電池を選択して組み合わせることで、適切に、組電池を構成する使用済み二次電池の一部が過充電、過放電となる不具合を抑制することができると共に、組電池を構成する各使用済み二次電池の性能を十分に発揮させることができる。
【0017】
さらに、上記いずれかの組電池の製造方法であって、前記組み付け工程は、前記選択された複数の前記使用済み二次電池のうち、満充電容量が相対的に大きな使用済み二次電池を、前記組電池のうち使用時に電池温度が相対的に高くなる位置に配置し、満充電容量が相対的に小さな使用済み二次電池を、上記組電池のうち使用時に電池温度が相対的に低くなる位置に配置して、上記組電池を構成する組電池の製造方法とすると良い。
【0018】
複数の使用済み二次電池を組み合わせた組電池には、使用中、電池温度が相対的に高くなる位置と、電池温度が相対的に低くなる位置とが存在することがある。具体的には、例えば、複数の使用済み二次電池を一列または複数列に列置した組電池では、使用中、各列の両端に位置する使用済み二次電池が、これらに挟まれた他の使用済み二次電池に比べて冷却されやすい。このため、組電池のうち各列の両端部は、使用時に電池温度が相対的に低くなり、各列の中央部は電池温度が相対的に高くなる傾向にある。
【0019】
また、使用済み二次電池が列をなすことなく構成されている組電池でも、外部への露出の程度が相対的に大きな使用済み二次電池のほうが、外部への露出の程度が相対的に小さな使用済み二次電池に比べて、冷却されやすい。このため、組電池のうち外部への露出の程度が相対的に大きくなる位置では、使用時に電池温度が相対的に低くなり、外部への露出の程度が相対的に小さくなる位置では、電池温度が相対的に高くなる。
組電池のうち使用時の電池温度が相対的に高くなる位置では、使用時の電池温度が相対的に低くなる位置に比べて、使用に伴う劣化の進行が早くなり、満充電容量の減少量が大きくなる傾向にある。
【0020】
そこで、本発明の製造方法では、選択された複数の使用済み二次電池のうち、満充電容量が相対的に大きな使用済み二次電池を、組電池のうち使用時に電池温度が相対的に高くなる位置に配置し、満充電容量が相対的に小さな使用済み二次電池を、組電池のうち使用時に電池温度が相対的に低くなる位置に配置して、組電池を構成することにした。これにより、組電池を使用するにしたがって、組電池を構成する使用済み二次電池の満充電容量の差をさらに小さくすることができる。従って、組電池を構成する使用済み二次電池の一部が過充電、過放電となる不具合を、より一層抑制することができる。さらには、組電池を構成する各使用済み二次電池の性能を、最大限に発揮させることができる。
【0021】
さらに、上記の組電池の製造方法であって、前記組み付け工程は、前記選択された複数の前記使用済み二次電池を、一列に列置して前記組電池を構成する工程であり、上記複数の使用済み二次電池のうち、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池を上記組電池の列の一方端に、満充電容量が2番目に小さな使用済み二次電池を上記組電池の列の他方端に配置する組電池の製造方法とすると良い。
【0022】
複数の使用済み二次電池が一列に列置されてなる組電池では、使用中、列の両端に位置する使用済み二次電池が、これらに挟まれた他の使用済み二次電池に比べて冷却されやすい。このため、列の両端に位置する使用済み二次電池は、これらに挟まれた他の使用済み二次電池に比べて、使用に伴う劣化の進行が遅くなり、満充電容量の減少量が小さくなる傾向にある。換言すれば、列の両端に位置する使用済み二次電池に比べて、他の使用済み二次電池が、使用に伴う満充電容量の減少量が大きくなる傾向にある。
【0023】
そこで、本発明の製造方法では、選択された複数の使用済み二次電池を、一列に列置して組電池を構成するにあたり、複数の使用済み二次電池のうち、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池を組電池の列の一方端に、満充電容量が2番目に小さな使用済み二次電池を組電池の列の他方端に配置することにした。これにより、使用に伴い使用済み二次電池の劣化が進行するにしたがって、組電池を構成する使用済み二次電池の満充電容量の差をさらに小さくすることができる。従って、組電池を構成する使用済み二次電池の一部が過充電、過放電となる不具合を、より一層抑制することができる。さらには、組電池を構成する各使用済み二次電池の性能を、最大限に発揮させることができる。
【0024】
なお、選択された複数の使用済み二次電池の中に、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池が複数ある場合は、そのうちのいずれかを、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池として組電池の列の一方端に配置し、他のいずれかを、満充電容量が2番目に小さな使用済み二次電池として組電池の列の他方端に配置すれば良い。
【0025】
既に使用された後の使用済み二次電池を、複数組み合わせてなる組電池であって、上記組電池を構成する使用済み二次電池のうち、満充電容量が最も大きなものと満充電容量が最も小さなものとの満充電容量の差を、上記満充電容量が最も小さなものの満充電容量の10%以内としてなる組電池である。
【0026】
本発明の組電池は、複数の使用済み二次電池を組み合わせてなる組電池であり、二次電池を再利用したものである。
本発明の組電池は、組電池を構成する複数の使用済み二次電池のうち、満充電容量が最も大きなものと満充電容量が最も小さなものとの満充電容量の差を、満充電容量が最も小さなものの満充電容量の10%以内とされている。このように、満充電容量の差が小さな使用済み二次電池同士を組み合わせたので、組電池を構成する使用済み二次電池の一部が過充電、過放電となる不具合を抑制することができると共に、組電池を構成する各使用済み二次電池の性能を十分に発揮させることができる。
【0027】
さらに、上記の組電池であって、前記組電池を構成する使用済み二次電池のうち、満充電容量が相対的に大きな使用済み二次電池が、上記組電池のうち使用時に電池温度が相対的に高くなる位置に配置され、満充電容量が相対的に小さな使用済み二次電池が、上記組電池のうち使用時に電池温度が相対的に低くなる位置に配置されてなる組電池とすると良い。
【0028】
前述のように、組電池のうち使用時の電池温度が相対的に高くなる位置では、使用時の電池温度が相対的に低くなる位置に比べて、使用に伴う劣化の進行が早くなり、満充電容量の減少量が大きくなる傾向にある。
【0029】
これに鑑み、本発明の組電池では、組電池を構成する使用済み二次電池のうち、満充電容量が相対的に大きな使用済み二次電池を、組電池のうち使用時に電池温度が相対的に高くなる位置に配置し、満充電容量が相対的に小さな使用済み二次電池を、組電池のうち使用時に電池温度が相対的に低くなる位置に配置した。これにより、組電池を使用するにしたがって、組電池を構成する使用済み二次電池の満充電容量の差をさらに小さくすることができる。従って、組電池を構成する使用済み二次電池の一部が過充電、過放電となる不具合を、より一層抑制することができる。さらには、組電池を構成する各使用済み二次電池の性能を、最大限に発揮させることができる。
【0030】
さらに、上記の組電池であって、前記複数の使用済み二次電池が一列に列置されて、上記組電池を構成してなり、上記複数の使用済み二次電池のうち、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池が上記組電池の列の一方端に、満充電容量が2番目に小さな使用済み二次電池が上記組電池の列の他方端に配置されてなる組電池とすると良い。
【0031】
前述のように、複数の使用済み二次電池が一列に列置されてなる組電池では、列の両端に位置する使用済み二次電池が、これらに挟まれた他の使用済み二次電池に比べて、使用に伴う劣化の進行が遅くなり、満充電容量の減少量が小さくなる傾向にある。
【0032】
これに鑑み、本発明の組電池では、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池を組電池の列の一方端に、満充電容量が2番目に小さな使用済み二次電池を組電池の列の他方端に配置した。これにより、使用に伴い使用済み二次電池の劣化が進行するにしたがって、組電池を構成する使用済み二次電池の満充電容量の差をさらに小さくすることができる。従って、組電池を構成する使用済み二次電池の一部が過充電、過放電となる不具合を、より一層抑制することができる。さらには、組電池を構成する各使用済み二次電池の性能を、十分に発揮させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
(実施例1)
次に、本発明の実施例1について、図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施例1にかかるコントローラ付き組電池50について説明する。コントローラ付き組電池50は、図1に示すように、組電池20と、電池コントローラ30とを有している。このうち、組電池20は、図2に示すように、5ヶの使用済み二次電池(使用済み二次電池1〜5)が、一列に列置されて、接続部材11を通じて電気的に直列に接続されてなる。
【0034】
また、電池コントローラ30は、公知の電池コントローラ(例えば、特開2006−79961参照)であり、ROM31、CPU32、RAM33等を有している。この電池コントローラ30は、図1に示すように、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5の電池電圧V1〜V5、電池温度T1〜T5、電流値I(本実施例1では、使用済み二次電池1〜5が直列接続されているため、各使用済み二次電池を流れる電流値は等しい)等を検知する。さらに、これらの値に基づいて、使用済み二次電池1〜5の充電量(充電されている電気量)を推定し、この推定された充電量(以下、推定充電量ともいう)に基づいて、使用済み二次電池1〜5のSOC(State Of Charge)を推定する。
なお、本実施例1のコントローラ付き組電池50は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車などに搭載され、これらの電源として利用される。
【0035】
次に、本実施例1の組電池20の製造方法について説明する。図3は、本実施例1の組電池20の製造工程の流れを示すフローチャートである。
(知得工程)
まず、図3に示すように、ステップS1において、市場から回収された使用済み二次電池1〜8の満充電容量を測定する。具体的には、25℃の恒温環境下において、まず、0.3Cの電流値で、電池電圧が1.0Vになるまで、使用済み二次電池1〜8をそれぞれ放電させる。次いで、3分間放置した後、0.35Cの電流値で3.2時間、使用済み二次電池1〜8をそれぞれ定電流充電する。次いで、3分間放置した後、0.3Cの電流値で電池電圧が1.0Vになるまで、使用済み二次電池1〜8をそれぞれ放電させ、このときの放電電気量を、各使用済み二次電池1〜8の満充電容量とした。なお、ここでは、使用済み二次電池の公称容量を満たす充電量(例えば、6.5Ah)を、1時間で完全放電できる電流値(例えば、6.5A)を、1Cとしている。これにより、使用済み二次電池1〜8の満充電容量を知得することができる。この結果を表1に示す。
【0036】
なお、本実施例1では、このステップS1が知得工程に相当する。
また、上述のようにして満充電容量を測定する場合、劣化の大きな使用済み二次電池が含まれていると、定電流充電時において、その使用済み二次電池が過充電となる虞がある。このため、ΔT/Δt判定を利用して、過充電を防止するのが好ましい。ここで、ΔT/Δt判定とは、満充電に近づくと電池温度が大きく上昇する性質を有する二次電池(ニッケル水素電池など)について、単位時間あたりの電池温度変化率(ΔT/Δt)を監視しつつ定電流充電を行い、電池温度変化率(ΔT/Δt)が増加方向の所定の値となったときに、満充電に達したと判定する方法である。満充電に達したと判定されたときに、定電流充電を停止すれば、過充電を防止することができる。使用済み二次電池としてニッケル水素電池を用いる場合、満充電と判断するΔT/Δtの値としては、例えば、0.5〜2℃/分に設定するのが好ましい。
【0037】
【表1】
【0038】
(選択工程)
次に、ステップS2(図3参照)に進み、満充電容量を知得した使用済み二次電池1〜8の群の中から、満充電容量が互いに近いものを、組電池20を構成するのに必要な数だけ(本実施例1では5ヶ)選択する。本実施例1では、満充電容量が4.8Ahである使用済み二次電池1,5と、満充電容量が5.0Ahである使用済み二次電池2〜4とを選択することができる。
【0039】
特に、本実施例1では、組電池20を構成するために選択した使用済み二次電池1〜5について、満充電容量が最も大きな使用済み二次電池2〜4と、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池1,5との満充電容量の差を、0.2Ahとしている。すなわち、組電池20を構成する使用済み二次電池のうち、満充電容量が最も大きなもの(使用済み二次電池2〜4;5.0Ah)と満充電容量が最も小さなもの(使用済み二次電池1,5;4.8Ah)との満充電容量の差が、満充電容量が最も小さなものの満充電容量の10%以内(本実施例1では、約4.2%=(5.0−4.8)/4.8)となるように、使用済み二次電池を選択している。
なお、本実施例1では、このステップS2が選択工程に相当する。
【0040】
(組み付け工程)
次に、ステップS3に進み、組電池20を組み付けるにあたり、使用済み二次電池1〜5の配列を決定する。本実施例1の組電池20は、図2に示すように、5ヶの使用済み二次電池が一列に列置された組電池であるので、使用中、列の両端に位置する使用済み二次電池が、これらに挟まれた他の使用済み二次電池に比べて冷却されやすい。従って、組電池20のうち列の両端部は、使用時に電池温度が相対的に低くなり、列の中央部は電池温度が相対的に高くなる傾向にある。このため、列の両端に位置する使用済み二次電池は、これらに挟まれた他の使用済み二次電池に比べて、使用に伴う劣化の進行が遅くなり、満充電容量の減少量が小さくなる傾向にある。換言すれば、列の両端に位置する使用済み二次電池に比べて、他の使用済み二次電池が、使用に伴う満充電容量の減少量が大きくなる傾向にある。
【0041】
そこで、本実施例1では、選択した使用済み二次電池1〜5のうち、満充電容量が相対的に大きな使用済み二次電池2〜4を、列の中央部(組電池20のうち使用時に電池温度が相対的に高くなる位置)に配置し、満充電容量が相対的に小さな使用済み二次電池1,5を、列の両端(組電池20のうち使用時に電池温度が相対的に低くなる位置)に配置した。詳細には、選択した使用済み二次電池1〜5の中で満充電容量が最も小さな使用済み二次電池1,5のうち、使用済み二次電池1を組電池20の列の一方端(図2において左端)に配置し、使用済み二次電池5を組電池20の列の他方端(図2において右端)にすることにした。そして、これらより満充電容量の大きな使用済み二次電池2〜4を、これらの間に配置することにした。このように使用済み二次電池1〜5を配列することで、使用に伴い、使用済み二次電池1〜5の劣化が進行するにしたがって、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5の満充電容量の差をさらに小さくすることができる(図7参照)と考えられる。
【0042】
次いで、ステップS4に進み、図2に示すように、上述のように一列に列置した使用済み二次電池1〜5を、電気伝導性を有する接続部材11を用いて、番号の順に電気的に直列に接続した。具体的には、使用済み二次電池1の負極端子1cと使用済み二次電池2の正極端子2b、使用済み二次電池2の負極端子2cと使用済み二次電池3の正極端子3b、使用済み二次電池3の負極端子3cと使用済み二次電池4の正極端子4b、使用済み二次電池4の負極端子4cと使用済み二次電池5の正極端子5bを、それぞれ、接続部材11で連結した。このようにして、本実施例1の組電池20を製造した。
なお、本実施例1では、ステップS3,S4が、組み付け工程に相当する。
【0043】
次に、上述のようにして製造した組電池20と、電池コントローラ30とを組み合わせて、コントローラ付き組電池50(図1参照)を製造した。なお、電池コントローラ30のROM31には、使用済み二次電池1〜5のそれぞれの満充電容量の値を、予め入力しておく。これにより、電池コントローラ30では、使用済み二次電池1〜5の電池電圧V1〜V5、電池温度T1〜T5、電流Iに基づいて推定した各使用済み二次電池1〜5の充電量を、各使用済み二次電池1〜5の満充電容量で除して、使用済み二次電池1〜5のそれぞれのSOCを推定することができる。
【0044】
ここで、本実施例1の組電池20の充放電制御について説明する。
本実施例1では、使用済み二次電池1〜5のSOCが50%である状態を充放電制御の中心として(図4参照)、使用済み二次電池1〜5の充放電を制御する。具体的には、電気自動車等の各種制御を行うコントロールユニット70(図1参照)から充電の指令がなされると、組電池20の充電が開始される。本実施例1の組電池20は、使用済み二次電池1〜5が電気的に直列に接続されているので、使用済み二次電池1〜5のそれぞれに等しい電気量だけ充電される。このとき、電池コントローラ30では、使用済み二次電池1〜5のそれぞれのSOCを推定し、使用済み二次電池1〜5のいずれかのSOCが100%に達したかどうかを検知する。
【0045】
電池コントローラ30において、使用済み二次電池1〜5のいずれかのSOCが100%に達したと判定されると、この情報がコントロールユニット70に伝達される。すると、コントロールユニット70からの指令により、組電池20の充電を強制的に停止する。本実施例1では、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5のうち、使用済み二次電池1,5の満充電容量が最も小さいので、図5に示すように、使用済み二次電池1,5のSOCが100%に達すると、各使用済み二次電池1〜5の充電を強制的に停止する。これにより、使用済み二次電池1,5の過充電を防止することができる。
【0046】
なお、本実施例1では、図4〜図7において、使用済み二次電池1〜5のそれぞれの満充電容量を、矩形状の帯の長さで表しており、それぞれの充電量(SOC)を、ハッチングで表している。また、後述する実施例2、及び比較例1,2でも、図8〜図14において同様にしている。
【0047】
本実施例1では、前述したように、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5のうち、満充電容量が最も大きなもの(使用済み二次電池2〜4)と満充電容量が最も小さなもの(使用済み二次電池1,5)との満充電容量の差を、満充電容量が最も小さなものの満充電容量の10%以内(本実施例1では、約4.2%)としている。このように、使用済み二次電池1〜5の満充電容量の差を小さくしておくことで、図5に示すように、使用済み二次電池1,5のSOCが100%に達するまで充電したとき、他の使用済み二次電池2〜4についても、SOC100%近くまで充電することができる。詳細には、使用済み二次電池1,5のSOCが100%に達するまで充電すると、使用済み二次電池2〜4についてはSOCが98%程度になるまで充電することができる。
【0048】
一方、コントロールユニット70から放電の指令がなされると、組電池20の放電が開始される。このとき、電池コントローラ30では、使用済み二次電池1〜5のそれぞれのSOCを推定し、使用済み二次電池1〜5のいずれかのSOCが0%に達したかどうかを検知する。その後、電池コントローラ30において、使用済み二次電池1〜5のいずれかのSOCが0%に達したと判定されると、この情報がコントロールユニット70に伝達される。すると、コントロールユニット70からの指令により、組電池20の放電を強制的に停止する。本実施例1では、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5のうち、使用済み二次電池1,5の満充電容量が最も小さいので、図6に示すように、使用済み二次電池1,5のSOCが0%に達すると、各使用済み二次電池1〜5の放電を強制的に停止する。これにより、使用済み二次電池1,5の過放電を防止することができる。
【0049】
本実施例1では、前述のように、使用済み二次電池1〜5の満充電容量の差を小さくしているので、図6に示すように、使用済み二次電池1,5のSOCが0%に達するまで放電させたとき、他の使用済み二次電池2〜4についても、SOC0%近くまで放電させることができる。詳細には、使用済み二次電池1,5のSOCが0%に達するまで放電させると、使用済み二次電池2〜4についてはSOCが2%程度になるまで放電させることができる。
【0050】
以上より、本実施例1の組電池20では、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5の一部が過充電、過放電となる不具合を抑制することができるといえる。
さらに、満充電容量の小さな使用済み二次電池1,5について、SOC0〜100%の範囲で充放電させると、満充電容量の大きな使用済み二次電池2〜4について、SOC2〜98%の範囲で充放電させることができる。すなわち、満充電容量の小さな使用済み二次電池1,5について、これらの満充電容量の100%の電気量を使用することができ、しかも、満充電容量の大きな使用済み二次電池2〜4についても、満充電容量の96%程度の電気量を使用することができる。このことから、本実施例1の組電池20では、組電池20を構成する各使用済み二次電池1〜5の性能を十分に発揮させることができるといえる。
【0051】
ところで、本実施例1の組電池20は、図2に示すように、5ヶの使用済み二次電池1〜5が一列に列置された組電池であるので、使用中、列の両端に位置する使用済み二次電池1,5が、これらに挟まれた他の使用済み二次電池2〜4に比べて冷却されやすい。このため、使用済み二次電池1,5は、使用済み二次電池2〜4に比べて、使用に伴う劣化の進行が遅くなり、満充電容量の減少量が小さくなる。
【0052】
これに鑑み、本実施例1では、使用済み二次電池1〜5の中で満充電容量が最も小さな使用済み二次電池1,5を、組電池20の列の両端に配置し、これらより満充電容量の大きな使用済み二次電池2〜4を、これらの間に配置した。これにより、組電池20の使用が進むにしたがって、使用済み二次電池1〜5の満充電容量の差をさらに小さくすることができ、やがて、図7に示すように、使用済み二次電池1〜5の満充電容量を、等しくQFに揃えることができる。従って、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5の一部が過充電、過放電となる不具合を、より一層抑制することができる。さらには、組電池20を構成する各使用済み二次電池1〜5の性能を、最大限に発揮させることができる。
【0053】
(実施例2)
本実施例2のコントローラ付き組電池150は、実施例1のコントローラ付き組電池50と比較して、電池コントローラに内蔵された処理プログラム(図示なし)のみが異なり、その他については同様である。
具体的には、本実施例2の電池コントローラ130では、図1にカッコ書きで示すように、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5のうち、使用済み二次電池2のみの電池電圧V2、電池温度T2、電流値I等を検知する。さらに、これらの値に基づいて、使用済み二次電池2の充電量(充電されている電気量)を推定し、この推定された充電量(以下、推定充電量ともいう)に基づいて、使用済み二次電池2のSOC(State Of Charge)を推定する。すなわち、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5から使用済み二次電池2を代表させて、使用済み二次電池2の推定SOCに基づいて、使用済み二次電池1〜5の充放電を制御する。
【0054】
ここで、本実施例2の組電池20の充放電制御について説明する。
コントロールユニット70(図1参照)から充電の指令がなされると、組電池20の充電が開始される。このとき、電池コントローラ130では、使用済み二次電池1〜5のうち、満充電容量が最も大きな使用済み二次電池2のSOCのみを推定し、使用済み二次電池2のSOCが90%に達したかどうかを検知する。電池コントローラ130において、使用済み二次電池2のSOCが90%に達した(図8参照)と判定されると、この情報がコントロールユニット70に伝達される。すると、コントロールユニット70からの指令により、組電池20の充電を強制的に停止する。
【0055】
本実施例2でも、実施例1と同様に、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5のうち、満充電容量が最も大きなもの(使用済み二次電池2〜4)と満充電容量が最も小さなもの(使用済み二次電池1,5)との満充電容量の差を、満充電容量が最も小さなものの満充電容量の10%以内(本実施例2では、約4.2%)としている。このように、使用済み二次電池1〜5の満充電容量の差を小さくしておくことで、図8に示すように、満充電容量が最も大きな使用済み二次電池2のSOCが90%に達するまで充電しても、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池1,5が過充電となるのを防止することができる。詳細には、使用済み二次電池2のSOCが90%に達するまで充電しても、使用済み二次電池1,5のSOCが97%程度に達したところで充電を止めることができる。
【0056】
一方、コントロールユニット70から放電の指令がなされると、組電池20の放電が開始される。このとき、電池コントローラ130では、使用済み二次電池2のSOCのみを推定し、使用済み二次電池2のSOCが10%に達したかどうかを検知する。その後、電池コントローラ130において、使用済み二次電池2のSOCが10%に達した(図9参照)と判定されると、この情報がコントロールユニット70に伝達される。すると、コントロールユニット70からの指令により、組電池20の放電を強制的に停止する。
【0057】
本実施例2では、前述のように、使用済み二次電池1〜5の満充電容量の差を小さくしているので、図9に示すように、満充電容量が最も大きな使用済み二次電池2のSOCが10%に達するまで放電させても、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池1,5が過放電となるのを防止することができる。詳細には、使用済み二次電池2のSOCが10%に達するまで放電させても、使用済み二次電池1,5のSOCを3%程度に達したところで放電を止めることができる。
【0058】
以上より、本実施例2のような充放電制御を行っても、組電池20を用いることで、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5の一部が過充電、過放電となる不具合を抑制することができるといえる。
さらに、満充電容量の大きな使用済み二次電池2〜4について、SOC10〜90%の範囲で充放電させると、満充電容量の小さな使用済み二次電池1,5について、SOC3〜97%の範囲で充放電させることができる。すなわち、満充電容量の大きな使用済み二次電池2〜4について、これらの満充電容量の80%の電気量を使用することができ、さらに、満充電容量の小さな使用済み二次電池1,5については、満充電容量の94%程度の電気量を使用することができる。このことから、本実施例2でも、組電池20を用いることで、組電池20を構成する各使用済み二次電池1〜5の性能を十分に発揮させることができるといえる。
【0059】
(比較例1)
本比較例1のコントローラ付き組電池は、実施例1のコントローラ付き組電池50と比較して、組電池のみが異なり、その他については同様である。
本比較例1の組電池320は、実施例1の組電池20と比較して、使用済み二次電池4を使用済み二次電池6に置き換えた(図10参照)点のみが異なり、その他については同様である。なお、使用済み二次電池6は、表1に示すように、満充電容量が3.0Ahであり、組電池320を構成する他の使用済み二次電池1〜3,5(満充電容量が4.8〜5.0Ah)に比べて、相対的に満充電容量が小さい。
【0060】
ここで、本比較例1の組電池320について、実施例1と同様にして、充放電を制御した場合を考える。
コントロールユニット70(図1参照)から充電の指令がなされると、組電池320の充電が開始される。このとき、電池コントローラ30では、使用済み二次電池1〜3,5,6のそれぞれのSOCを推定し、使用済み二次電池1〜3,5,6のいずれかのSOCが100%に達したかどうかを検知する。本比較例1では、組電池320を構成する使用済み二次電池1〜3,5,6のうち、使用済み二次電池6の満充電容量が最も小さいので、図11に示すように、使用済み二次電池6のSOCが100%に達すると、各使用済み二次電池1〜3,5,6の充電を強制的に停止する。これにより、使用済み二次電池6の過充電を防止することができる。
【0061】
しかしながら、本比較例1では、組電池320を構成する使用済み二次電池1〜3,5,6のうち、満充電容量が最も大きなもの(使用済み二次電池2,3)と満充電容量が最も小さなもの(使用済み二次電池6)との満充電容量の差(最大差)が、2.0Ahとなり、実施例1の0.2Ahに比べて非常に大きくなっている。具体的には、満充電容量の最大差が、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池6の満充電容量(3.0Ah)の、約67%と大きくなっている。
【0062】
このため、図11に示すように、使用済み二次電池6のSOCが100%に達するまで充電しても、他の使用済み二次電池1〜3,5を十分に充電することができない。具体的には、満充電容量が最も大きな使用済み二次電池2,3については、SOCが80%程度に達するまでしか充電することができない。
【0063】
一方、コントロールユニット70から放電の指令がなされると、組電池320の放電を開始する。電池コントローラ30では、使用済み二次電池1〜3,5,6のそれぞれのSOCを推定し、使用済み二次電池1〜3,5,6のいずれかのSOCが0%に達したかどうかを検知する。本比較例1では、組電池320を構成する使用済み二次電池1〜3,5,6のうち、使用済み二次電池6の満充電容量が最も小さいので、図12に示すように、使用済み二次電池6のSOCが0%に達すると、各使用済み二次電池1〜3,5,6の放電を強制的に停止する。これにより、使用済み二次電池6の過放電を防止することができる。
【0064】
しかしながら、本比較例1では、前述のように、満充電容量が最も大きなもの(使用済み二次電池2,3)と満充電容量が最も小さなもの(使用済み二次電池6)との満充電容量の差(最大差)が非常に大きくなっている。このため、図12に示すように、使用済み二次電池6のSOCが0%に達するまで放電させても、他の使用済み二次電池1〜3,5を十分に放電させることができない。具体的には、満充電容量が最も大きな使用済み二次電池2,3については、SOCが20%程度に達するまでしか放電させることができない。
【0065】
以上より、使用済み二次電池2,3については、SOC20〜80%程度の範囲内でしか充放電することができず、使用済み二次電池2,3の満充電容量の60%程度の電気量しか使用することができない。このように、本比較例1の組電池320では、満充電容量の小さな使用済み二次電池6によって、使用できる電気量が大きく制限されるので、満充電容量の大きな使用済み二次電池2,3の性能を十分に発揮させることができなくなる。
【0066】
(比較例2)
本比較例2のコントローラ付き組電池は、実施例2のコントローラ付き組電池150と比較して、組電池20を組電池320に置き換えた点のみが異なり、その他については同様である。
【0067】
ここで、本比較例2の組電池320について、実施例2と同様にして、充放電を制御した場合を考える。
コントロールユニット70(図1参照)から充電の指令がなされると、組電池320の充電が開始される。このとき、電池コントローラ130では、使用済み二次電池1〜3,5,6のうち、満充電容量が最も大きな使用済み二次電池2のSOCのみを推定し、使用済み二次電池2のSOCが90%に達したかどうかを検知する。電池コントローラ130において、使用済み二次電池2のSOCが90%に達した(図13参照)と判定されると、この情報がコントロールユニット70に伝達される。すると、コントロールユニット70からの指令により、組電池320の充電を強制的に停止する。
【0068】
ところが、本比較例2でも、前述の比較例1と同様に、満充電容量が最も大きなもの(使用済み二次電池2,3)と満充電容量が最も小さなもの(使用済み二次電池6)との満充電容量の差(最大差)が非常に大きくなっている。このため、図13に示すように、満充電容量が最も大きな使用済み二次電池2,3のSOCが90%に達するまで、組電池320を構成する使用済み二次電池1〜3,5,6を充電すると、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池6が過充電となってしまう。具体的には、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池6については、図13に示すように、電気量QG(本比較例2では、0.5Ah)に相当する分だけ過充電となる。これにより、使用済み二次電池6の電池内圧が大きく上昇すると共に、電池温度Tが大きく上昇するので、好ましくない。
【0069】
一方、コントロールユニット70から放電の指令がなされると、組電池320の放電が開始される。このとき、電池コントローラ130では、使用済み二次電池2のSOCのみを推定し、使用済み二次電池2のSOCが10%に達したかどうかを検知する。その後、電池コントローラ130において、使用済み二次電池2のSOCが10%に達した(図14参照)と判定されると、この情報がコントロールユニット70に伝達される。すると、コントロールユニット70からの指令により、組電池320の放電を強制的に停止する。
【0070】
ところが、前述のように、本比較例2では、満充電容量が最も大きなもの(使用済み二次電池2,3)と満充電容量が最も小さなもの(使用済み二次電池6)との満充電容量の差(最大差)が非常に大きくなっている。このため、図14に示すように、満充電容量が最も大きな使用済み二次電池2,3のSOCが10%に達するまで、組電池320を構成する使用済み二次電池1〜3,5,6を放電すると、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池6が過放電となってしまう。具体的には、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池6については、図14に示すように、電気量QH(本比較例2では、0.5Ah)に相当する分だけ過放電となる。これにより、使用済み二次電池6の電池内圧が大きく上昇する虞がある。
【0071】
以上において、本発明を実施例1,2に即して説明したが、本発明は上記実施例1,2に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例1,2では、5ヶの使用済み二次電池(使用済み二次電池1〜5)により組電池20を構成したが、組電池を構成する使用済み二次電池の数は、複数であれば、いくつであっても良い。
【0072】
また、実施例1,2では、使用済み二次電池1〜5を電気的に直列に接続して組電池20を構成したが、本発明は、複数の使用済み二次電池を電気的に並列に接続した組電池にも適用することができる。
また、実施例1,2では、使用済み二次電池1〜5を一列に列置して組電池20を構成したが、組電池を構成する使用済み二次電池の配置形態は、いずれの形態であっても良い。例えば、複数の使用済み二次電池を一列に列置した電池列を、複数列組み合わせて、組電池を構成しても良い。この場合、各電池列において、列の両端部に、満充電容量が相対的に小さな使用済み二次電池を配置し、これらの間(中央部)に、満充電容量が相対的に大きな使用済み二次電池を配置すると良い。このように配置することで、組電池を使用するにしたがって、組電池を構成する使用済み二次電池の満充電容量の差をさらに小さくすることができる。これは、各電池列の両端部に比べて、中央部のほうが、使用時に電池温度が高くなる傾向にあり、劣化が進行して満充電容量が低下しやすいからである。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】実施例1,2にかかるコントローラ付き組電池50,150のブロック図である。
【図2】実施例1,2にかかる組電池20の上面図である。
【図3】実施例1,2にかかる組電池の製造工程の流れを示すフローチャートである。
【図4】組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5のSOCを50%にしたときの充電状態を示す模式図である。
【図5】使用済み二次電池1,5のSOCが100%になるまで充電したときの、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5の充電状態を示す模式図である。
【図6】使用済み二次電池1,5のSOCが0%になるまで放電させたときの、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5の充電状態を示す模式図である。
【図7】長期間の使用に伴い、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5が劣化した後の、使用済み二次電池1〜5の満充電容量を示す模式図である。
【図8】使用済み二次電池2のSOCが90%になるまで充電したときの、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5の充電状態を示す模式図である。
【図9】使用済み二次電池2のSOCが10%になるまで放電させたときの、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5の充電状態を示す模式図である。
【図10】比較例1にかかる組電池320を構成する使用済み二次電池のSOCを50%にしたときの充電状態を示す模式図である。
【図11】使用済み二次電池6のSOCが100%になるまで充電したときの、組電池320を構成する使用済み二次電池の充電状態を示す模式図である。
【図12】使用済み二次電池6のSOCが0%になるまで放電させたときの、組電池320を構成する使用済み二次電池の充電状態を示す模式図である。
【図13】使用済み二次電池2のSOCが90%になるまで充電したときの、組電池320を構成する使用済み二次電池の充電状態を示す模式図である。
【図14】使用済み二次電池2のSOCが10%になるまで放電させたときの、組電池320を構成する使用済み二次電池の充電状態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0074】
1〜8 使用済み二次電池
20 組電池
30,130 電池コントローラ
50,150 コントローラ付き組電池
QF 満充電容量
【技術分野】
【0001】
本発明は、組電池の製造方法、及び組電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ポータブル機器や携帯機器などの電源として、また、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源として、様々な二次電池が提案されている。この二次電池を、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源として用いる場合には、高出力が要求されるため、複数の二次電池を電気的に直列に接続して組電池を構成して用いている。
【0003】
ところで、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源として用いられる組電池は、その使用環境や、組電池を構成しているそれぞれの二次電池の特性差や、二次電池の構成部品の不具合等により、組電池を構成する二次電池の一部が、他の電池に比べて早期に寿命や故障に至ることがある。すると、組電池本来の性能を発揮することができなくなり、これにより、システム全体に異常が生じる虞もあった。このような不具合を解消すべく、他の電池に比べて早期に寿命や故障に至った二次電池を、正常な二次電池に交換することがある。この二次電池の交換方法に関しては、様々な方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−185915号
【0004】
特許文献1は、複数の二次電池を電気的に直列または並列に接続した組電池について、その一部の交換対象の二次電池を、交換用の新しい二次電池と交換する場合に、交換用の新しい二次電池の充電量を、交換対象でない他の電池(組電池を構成している正常な二次電池)の充電量よりも小さくして交換する方法を開示している。具体的には、交換用の新しい二次電池の充電量が、交換対象でない他の電池の充電量よりも5〜20%小さくなるように、交換用の新しい二次電池を充電しておく。これにより、組電池の使用により充放電が繰り返し行われると、交換した新しい二次電池と他の電池との充電量(充電されている電気量)の差が小さくなるので、組電池を構成する二次電池の充電量を同等にできると記載されている。従って、組電池の性能を最大限に発揮させることができると記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電気自動車やハイブリッド自動車などが廃車となった場合でも、これらに搭載していた組電池は、未だ使用可能な状態にあることがある。また、組電池を構成する二次電池の一部の不具合により、新しい組電池に交換した場合でも、古い組電池のうち不具合の生じた一部の二次電池を除いた他の二次電池は、未だ使用可能な状態にある。このような、市場で使用された後に回収された二次電池のうち、未だ使用可能な状態にある二次電池(以下、これらを使用済み二次電池ともいう)を、廃棄することなく、再利用する技術が求められている。例えば、自動車等の電源として使用された後、不要となった組電池を回収して、これらの組電池に含まれている未だ使用可能な二次電池(使用済み二次電池)を組み合わせて、組電池を製造する技術が求められている。
【0006】
ところが、回収した使用済み二次電池の群には、様々な環境下で使用されたものが混在するため、電池特性のバラツキが大きくなりがちである。このため、使用済み二次電池を組み合わせて組電池を製造すると、電池特性の差異の影響で、組電池を構成する使用済み二次電池の一部が過充電、過放電となる不具合が発生したり、組電池を構成する各使用済み二次電池の性能を十分に発揮させることができない虞があった。特許文献1等において、組電池を構成する二次電池の一部(不具合を生じた二次電池)を、正常な新しい二次電池に交換する技術は多数開示されているが、使用済み二次電池を組み合わせて組電池を製造する技術に適用することはできなかった。
【0007】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、組電池を構成する使用済み二次電池の一部が過充電、過放電となる不具合を抑制することができると共に、組電池を構成する各使用済み二次電池の性能を十分に発揮させることができる組電池の製造方法、及び組電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
その解決手段は、複数の二次電池を組み合わせてなる組電池の製造方法であって、既に使用された後の使用済み二次電池について、それぞれの満充電容量を知得する知得工程と、上記満充電容量を知得した上記使用済み二次電池の群の中から、上記満充電容量が互いに近いものを、複数選択する選択工程と、上記選択された複数の上記使用済み二次電池を組み合わせて上記組電池を構成する組み付け工程と、を備える組電池の製造方法である。
【0009】
本発明の組電池の製造方法は、使用済み二次電池を組み合わせて組電池を構成する方法であり、二次電池の再利用を目的とするものである。
ここで、例えば、相対的に満充電容量の大きな使用済み二次電池と、これに比べて満充電容量の小さな使用済み二次電池とを組み合わせた組電池を考える。この場合、満充電容量の大きな使用済み二次電池を基準にして充放電を制御して使用すると、満充電容量の小さな使用済み二次電池が過充電、過放電となる虞がある。特に、SOC0%近くまで放電させたり、SOC100%近くまで充電する制御を行う場合(例えば、電気自動車の電源として組電池を用いる場合)は、満充電容量の小さな使用済み二次電池が過充電、過放電になり易い。これとは反対に、満充電容量の小さな使用済み二次電池を基準として充放電を制御すると、使用できる電気量が満充電容量の小さな使用済み二次電池で制限されるので、満充電容量の大きな使用済み二次電池の性能を十分に発揮させることができなくなる。
【0010】
これに対し、本発明の製造方法では、使用済み二次電池それぞれの満充電容量を知得した後、選択工程において、満充電容量を知得した使用済み二次電池の群の中から、満充電容量が互いに近いものを複数選択する。その後、選択された複数の使用済み二次電池を組み合わせて、組電池を構成する。このように、満充電容量が互いに近い使用済み二次電池同士を組み合わせることで、組電池を構成する使用済み二次電池の一部が過充電、過放電となる不具合を抑制することができると共に、組電池を構成する各使用済み二次電池の性能を十分に発揮させることができる。
【0011】
なお、使用済み二次電池の満充電容量は、例えば、次のようにして測定することができる。25℃の恒温環境下において、まず、0.3Cの電流値で、電池電圧が1.0Vになるまで使用済み二次電池を放電させる。次いで、3分間放置した後、0.35Cの電流値で3.2時間、定電流充電する。次いで、3分間放置した後、0.3Cの電流値で電池電圧が1.0Vになるまで放電させ、このときの放電電気量を、満充電容量とすることができる。ここでは、使用済み二次電池の公称容量を満たす充電量(例えば、6.5Ah)を、1時間で完全放電できる電流値(例えば、6.5A)を、1Cとしている。
【0012】
また、上述のような測定方法を用いる場合、劣化の大きな使用済み二次電池が、定電流充電時において過充電となる虞がある。このため、ΔT/Δt判定を利用して、過充電を防止するのが好ましい。ここで、ΔT/Δt判定とは、満充電に近づくと電池温度が大きく上昇する性質を有する二次電池(ニッケル水素電池など)について、単位時間あたりの電池温度変化率(ΔT/Δt)を監視しつつ定電流充電を行い、電池温度変化率(ΔT/Δt)が増加方向の所定の値となったときに、満充電に達したと判定する方法である。満充電に達したと判定されたときに、定電流充電を停止すれば、過充電を防止することができる。
【0013】
また、満充電容量を測定する際、定電流−定電圧充電(CC−CV充電)などの手法を用いて、使用済み二次電池を充電して満充電とするようにしても良い。CC−CV充電とは、主に、リチウムイオン電池の満充電容量を測定する際に用いられる手法であり、充電前半は定電流充電を行い(例えば、0.35Cの電流値で、1.6時間だけ充電する)、充電後半は定電圧充電を行うことで、過充電を防止することができる。
【0014】
また、知得工程としては、使用済み二次電池の満充電容量を測定することで、ぞれぞれの使用済み二次電池の満充電容量を取得する場合や、既に満充電容量が測定されている使用済み二次電池を入手して、それらの満充電容量を知る場合などを例示できる。
【0015】
さらに、上記の組電池の製造方法であって、前記選択工程は、選択された複数の前記使用済み二次電池のうち、満充電容量が最も大きなものと満充電容量が最も小さなものとの満充電容量の差を、上記満充電容量が最も小さなものの満充電容量の10%以内となるように、上記使用済み二次電池を選択する組電池の製造方法とすると良い。
【0016】
本発明の製造方法のように、満充電容量の差が小さな使用済み二次電池を選択して組み合わせることで、適切に、組電池を構成する使用済み二次電池の一部が過充電、過放電となる不具合を抑制することができると共に、組電池を構成する各使用済み二次電池の性能を十分に発揮させることができる。
【0017】
さらに、上記いずれかの組電池の製造方法であって、前記組み付け工程は、前記選択された複数の前記使用済み二次電池のうち、満充電容量が相対的に大きな使用済み二次電池を、前記組電池のうち使用時に電池温度が相対的に高くなる位置に配置し、満充電容量が相対的に小さな使用済み二次電池を、上記組電池のうち使用時に電池温度が相対的に低くなる位置に配置して、上記組電池を構成する組電池の製造方法とすると良い。
【0018】
複数の使用済み二次電池を組み合わせた組電池には、使用中、電池温度が相対的に高くなる位置と、電池温度が相対的に低くなる位置とが存在することがある。具体的には、例えば、複数の使用済み二次電池を一列または複数列に列置した組電池では、使用中、各列の両端に位置する使用済み二次電池が、これらに挟まれた他の使用済み二次電池に比べて冷却されやすい。このため、組電池のうち各列の両端部は、使用時に電池温度が相対的に低くなり、各列の中央部は電池温度が相対的に高くなる傾向にある。
【0019】
また、使用済み二次電池が列をなすことなく構成されている組電池でも、外部への露出の程度が相対的に大きな使用済み二次電池のほうが、外部への露出の程度が相対的に小さな使用済み二次電池に比べて、冷却されやすい。このため、組電池のうち外部への露出の程度が相対的に大きくなる位置では、使用時に電池温度が相対的に低くなり、外部への露出の程度が相対的に小さくなる位置では、電池温度が相対的に高くなる。
組電池のうち使用時の電池温度が相対的に高くなる位置では、使用時の電池温度が相対的に低くなる位置に比べて、使用に伴う劣化の進行が早くなり、満充電容量の減少量が大きくなる傾向にある。
【0020】
そこで、本発明の製造方法では、選択された複数の使用済み二次電池のうち、満充電容量が相対的に大きな使用済み二次電池を、組電池のうち使用時に電池温度が相対的に高くなる位置に配置し、満充電容量が相対的に小さな使用済み二次電池を、組電池のうち使用時に電池温度が相対的に低くなる位置に配置して、組電池を構成することにした。これにより、組電池を使用するにしたがって、組電池を構成する使用済み二次電池の満充電容量の差をさらに小さくすることができる。従って、組電池を構成する使用済み二次電池の一部が過充電、過放電となる不具合を、より一層抑制することができる。さらには、組電池を構成する各使用済み二次電池の性能を、最大限に発揮させることができる。
【0021】
さらに、上記の組電池の製造方法であって、前記組み付け工程は、前記選択された複数の前記使用済み二次電池を、一列に列置して前記組電池を構成する工程であり、上記複数の使用済み二次電池のうち、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池を上記組電池の列の一方端に、満充電容量が2番目に小さな使用済み二次電池を上記組電池の列の他方端に配置する組電池の製造方法とすると良い。
【0022】
複数の使用済み二次電池が一列に列置されてなる組電池では、使用中、列の両端に位置する使用済み二次電池が、これらに挟まれた他の使用済み二次電池に比べて冷却されやすい。このため、列の両端に位置する使用済み二次電池は、これらに挟まれた他の使用済み二次電池に比べて、使用に伴う劣化の進行が遅くなり、満充電容量の減少量が小さくなる傾向にある。換言すれば、列の両端に位置する使用済み二次電池に比べて、他の使用済み二次電池が、使用に伴う満充電容量の減少量が大きくなる傾向にある。
【0023】
そこで、本発明の製造方法では、選択された複数の使用済み二次電池を、一列に列置して組電池を構成するにあたり、複数の使用済み二次電池のうち、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池を組電池の列の一方端に、満充電容量が2番目に小さな使用済み二次電池を組電池の列の他方端に配置することにした。これにより、使用に伴い使用済み二次電池の劣化が進行するにしたがって、組電池を構成する使用済み二次電池の満充電容量の差をさらに小さくすることができる。従って、組電池を構成する使用済み二次電池の一部が過充電、過放電となる不具合を、より一層抑制することができる。さらには、組電池を構成する各使用済み二次電池の性能を、最大限に発揮させることができる。
【0024】
なお、選択された複数の使用済み二次電池の中に、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池が複数ある場合は、そのうちのいずれかを、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池として組電池の列の一方端に配置し、他のいずれかを、満充電容量が2番目に小さな使用済み二次電池として組電池の列の他方端に配置すれば良い。
【0025】
既に使用された後の使用済み二次電池を、複数組み合わせてなる組電池であって、上記組電池を構成する使用済み二次電池のうち、満充電容量が最も大きなものと満充電容量が最も小さなものとの満充電容量の差を、上記満充電容量が最も小さなものの満充電容量の10%以内としてなる組電池である。
【0026】
本発明の組電池は、複数の使用済み二次電池を組み合わせてなる組電池であり、二次電池を再利用したものである。
本発明の組電池は、組電池を構成する複数の使用済み二次電池のうち、満充電容量が最も大きなものと満充電容量が最も小さなものとの満充電容量の差を、満充電容量が最も小さなものの満充電容量の10%以内とされている。このように、満充電容量の差が小さな使用済み二次電池同士を組み合わせたので、組電池を構成する使用済み二次電池の一部が過充電、過放電となる不具合を抑制することができると共に、組電池を構成する各使用済み二次電池の性能を十分に発揮させることができる。
【0027】
さらに、上記の組電池であって、前記組電池を構成する使用済み二次電池のうち、満充電容量が相対的に大きな使用済み二次電池が、上記組電池のうち使用時に電池温度が相対的に高くなる位置に配置され、満充電容量が相対的に小さな使用済み二次電池が、上記組電池のうち使用時に電池温度が相対的に低くなる位置に配置されてなる組電池とすると良い。
【0028】
前述のように、組電池のうち使用時の電池温度が相対的に高くなる位置では、使用時の電池温度が相対的に低くなる位置に比べて、使用に伴う劣化の進行が早くなり、満充電容量の減少量が大きくなる傾向にある。
【0029】
これに鑑み、本発明の組電池では、組電池を構成する使用済み二次電池のうち、満充電容量が相対的に大きな使用済み二次電池を、組電池のうち使用時に電池温度が相対的に高くなる位置に配置し、満充電容量が相対的に小さな使用済み二次電池を、組電池のうち使用時に電池温度が相対的に低くなる位置に配置した。これにより、組電池を使用するにしたがって、組電池を構成する使用済み二次電池の満充電容量の差をさらに小さくすることができる。従って、組電池を構成する使用済み二次電池の一部が過充電、過放電となる不具合を、より一層抑制することができる。さらには、組電池を構成する各使用済み二次電池の性能を、最大限に発揮させることができる。
【0030】
さらに、上記の組電池であって、前記複数の使用済み二次電池が一列に列置されて、上記組電池を構成してなり、上記複数の使用済み二次電池のうち、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池が上記組電池の列の一方端に、満充電容量が2番目に小さな使用済み二次電池が上記組電池の列の他方端に配置されてなる組電池とすると良い。
【0031】
前述のように、複数の使用済み二次電池が一列に列置されてなる組電池では、列の両端に位置する使用済み二次電池が、これらに挟まれた他の使用済み二次電池に比べて、使用に伴う劣化の進行が遅くなり、満充電容量の減少量が小さくなる傾向にある。
【0032】
これに鑑み、本発明の組電池では、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池を組電池の列の一方端に、満充電容量が2番目に小さな使用済み二次電池を組電池の列の他方端に配置した。これにより、使用に伴い使用済み二次電池の劣化が進行するにしたがって、組電池を構成する使用済み二次電池の満充電容量の差をさらに小さくすることができる。従って、組電池を構成する使用済み二次電池の一部が過充電、過放電となる不具合を、より一層抑制することができる。さらには、組電池を構成する各使用済み二次電池の性能を、十分に発揮させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
(実施例1)
次に、本発明の実施例1について、図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施例1にかかるコントローラ付き組電池50について説明する。コントローラ付き組電池50は、図1に示すように、組電池20と、電池コントローラ30とを有している。このうち、組電池20は、図2に示すように、5ヶの使用済み二次電池(使用済み二次電池1〜5)が、一列に列置されて、接続部材11を通じて電気的に直列に接続されてなる。
【0034】
また、電池コントローラ30は、公知の電池コントローラ(例えば、特開2006−79961参照)であり、ROM31、CPU32、RAM33等を有している。この電池コントローラ30は、図1に示すように、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5の電池電圧V1〜V5、電池温度T1〜T5、電流値I(本実施例1では、使用済み二次電池1〜5が直列接続されているため、各使用済み二次電池を流れる電流値は等しい)等を検知する。さらに、これらの値に基づいて、使用済み二次電池1〜5の充電量(充電されている電気量)を推定し、この推定された充電量(以下、推定充電量ともいう)に基づいて、使用済み二次電池1〜5のSOC(State Of Charge)を推定する。
なお、本実施例1のコントローラ付き組電池50は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車などに搭載され、これらの電源として利用される。
【0035】
次に、本実施例1の組電池20の製造方法について説明する。図3は、本実施例1の組電池20の製造工程の流れを示すフローチャートである。
(知得工程)
まず、図3に示すように、ステップS1において、市場から回収された使用済み二次電池1〜8の満充電容量を測定する。具体的には、25℃の恒温環境下において、まず、0.3Cの電流値で、電池電圧が1.0Vになるまで、使用済み二次電池1〜8をそれぞれ放電させる。次いで、3分間放置した後、0.35Cの電流値で3.2時間、使用済み二次電池1〜8をそれぞれ定電流充電する。次いで、3分間放置した後、0.3Cの電流値で電池電圧が1.0Vになるまで、使用済み二次電池1〜8をそれぞれ放電させ、このときの放電電気量を、各使用済み二次電池1〜8の満充電容量とした。なお、ここでは、使用済み二次電池の公称容量を満たす充電量(例えば、6.5Ah)を、1時間で完全放電できる電流値(例えば、6.5A)を、1Cとしている。これにより、使用済み二次電池1〜8の満充電容量を知得することができる。この結果を表1に示す。
【0036】
なお、本実施例1では、このステップS1が知得工程に相当する。
また、上述のようにして満充電容量を測定する場合、劣化の大きな使用済み二次電池が含まれていると、定電流充電時において、その使用済み二次電池が過充電となる虞がある。このため、ΔT/Δt判定を利用して、過充電を防止するのが好ましい。ここで、ΔT/Δt判定とは、満充電に近づくと電池温度が大きく上昇する性質を有する二次電池(ニッケル水素電池など)について、単位時間あたりの電池温度変化率(ΔT/Δt)を監視しつつ定電流充電を行い、電池温度変化率(ΔT/Δt)が増加方向の所定の値となったときに、満充電に達したと判定する方法である。満充電に達したと判定されたときに、定電流充電を停止すれば、過充電を防止することができる。使用済み二次電池としてニッケル水素電池を用いる場合、満充電と判断するΔT/Δtの値としては、例えば、0.5〜2℃/分に設定するのが好ましい。
【0037】
【表1】
【0038】
(選択工程)
次に、ステップS2(図3参照)に進み、満充電容量を知得した使用済み二次電池1〜8の群の中から、満充電容量が互いに近いものを、組電池20を構成するのに必要な数だけ(本実施例1では5ヶ)選択する。本実施例1では、満充電容量が4.8Ahである使用済み二次電池1,5と、満充電容量が5.0Ahである使用済み二次電池2〜4とを選択することができる。
【0039】
特に、本実施例1では、組電池20を構成するために選択した使用済み二次電池1〜5について、満充電容量が最も大きな使用済み二次電池2〜4と、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池1,5との満充電容量の差を、0.2Ahとしている。すなわち、組電池20を構成する使用済み二次電池のうち、満充電容量が最も大きなもの(使用済み二次電池2〜4;5.0Ah)と満充電容量が最も小さなもの(使用済み二次電池1,5;4.8Ah)との満充電容量の差が、満充電容量が最も小さなものの満充電容量の10%以内(本実施例1では、約4.2%=(5.0−4.8)/4.8)となるように、使用済み二次電池を選択している。
なお、本実施例1では、このステップS2が選択工程に相当する。
【0040】
(組み付け工程)
次に、ステップS3に進み、組電池20を組み付けるにあたり、使用済み二次電池1〜5の配列を決定する。本実施例1の組電池20は、図2に示すように、5ヶの使用済み二次電池が一列に列置された組電池であるので、使用中、列の両端に位置する使用済み二次電池が、これらに挟まれた他の使用済み二次電池に比べて冷却されやすい。従って、組電池20のうち列の両端部は、使用時に電池温度が相対的に低くなり、列の中央部は電池温度が相対的に高くなる傾向にある。このため、列の両端に位置する使用済み二次電池は、これらに挟まれた他の使用済み二次電池に比べて、使用に伴う劣化の進行が遅くなり、満充電容量の減少量が小さくなる傾向にある。換言すれば、列の両端に位置する使用済み二次電池に比べて、他の使用済み二次電池が、使用に伴う満充電容量の減少量が大きくなる傾向にある。
【0041】
そこで、本実施例1では、選択した使用済み二次電池1〜5のうち、満充電容量が相対的に大きな使用済み二次電池2〜4を、列の中央部(組電池20のうち使用時に電池温度が相対的に高くなる位置)に配置し、満充電容量が相対的に小さな使用済み二次電池1,5を、列の両端(組電池20のうち使用時に電池温度が相対的に低くなる位置)に配置した。詳細には、選択した使用済み二次電池1〜5の中で満充電容量が最も小さな使用済み二次電池1,5のうち、使用済み二次電池1を組電池20の列の一方端(図2において左端)に配置し、使用済み二次電池5を組電池20の列の他方端(図2において右端)にすることにした。そして、これらより満充電容量の大きな使用済み二次電池2〜4を、これらの間に配置することにした。このように使用済み二次電池1〜5を配列することで、使用に伴い、使用済み二次電池1〜5の劣化が進行するにしたがって、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5の満充電容量の差をさらに小さくすることができる(図7参照)と考えられる。
【0042】
次いで、ステップS4に進み、図2に示すように、上述のように一列に列置した使用済み二次電池1〜5を、電気伝導性を有する接続部材11を用いて、番号の順に電気的に直列に接続した。具体的には、使用済み二次電池1の負極端子1cと使用済み二次電池2の正極端子2b、使用済み二次電池2の負極端子2cと使用済み二次電池3の正極端子3b、使用済み二次電池3の負極端子3cと使用済み二次電池4の正極端子4b、使用済み二次電池4の負極端子4cと使用済み二次電池5の正極端子5bを、それぞれ、接続部材11で連結した。このようにして、本実施例1の組電池20を製造した。
なお、本実施例1では、ステップS3,S4が、組み付け工程に相当する。
【0043】
次に、上述のようにして製造した組電池20と、電池コントローラ30とを組み合わせて、コントローラ付き組電池50(図1参照)を製造した。なお、電池コントローラ30のROM31には、使用済み二次電池1〜5のそれぞれの満充電容量の値を、予め入力しておく。これにより、電池コントローラ30では、使用済み二次電池1〜5の電池電圧V1〜V5、電池温度T1〜T5、電流Iに基づいて推定した各使用済み二次電池1〜5の充電量を、各使用済み二次電池1〜5の満充電容量で除して、使用済み二次電池1〜5のそれぞれのSOCを推定することができる。
【0044】
ここで、本実施例1の組電池20の充放電制御について説明する。
本実施例1では、使用済み二次電池1〜5のSOCが50%である状態を充放電制御の中心として(図4参照)、使用済み二次電池1〜5の充放電を制御する。具体的には、電気自動車等の各種制御を行うコントロールユニット70(図1参照)から充電の指令がなされると、組電池20の充電が開始される。本実施例1の組電池20は、使用済み二次電池1〜5が電気的に直列に接続されているので、使用済み二次電池1〜5のそれぞれに等しい電気量だけ充電される。このとき、電池コントローラ30では、使用済み二次電池1〜5のそれぞれのSOCを推定し、使用済み二次電池1〜5のいずれかのSOCが100%に達したかどうかを検知する。
【0045】
電池コントローラ30において、使用済み二次電池1〜5のいずれかのSOCが100%に達したと判定されると、この情報がコントロールユニット70に伝達される。すると、コントロールユニット70からの指令により、組電池20の充電を強制的に停止する。本実施例1では、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5のうち、使用済み二次電池1,5の満充電容量が最も小さいので、図5に示すように、使用済み二次電池1,5のSOCが100%に達すると、各使用済み二次電池1〜5の充電を強制的に停止する。これにより、使用済み二次電池1,5の過充電を防止することができる。
【0046】
なお、本実施例1では、図4〜図7において、使用済み二次電池1〜5のそれぞれの満充電容量を、矩形状の帯の長さで表しており、それぞれの充電量(SOC)を、ハッチングで表している。また、後述する実施例2、及び比較例1,2でも、図8〜図14において同様にしている。
【0047】
本実施例1では、前述したように、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5のうち、満充電容量が最も大きなもの(使用済み二次電池2〜4)と満充電容量が最も小さなもの(使用済み二次電池1,5)との満充電容量の差を、満充電容量が最も小さなものの満充電容量の10%以内(本実施例1では、約4.2%)としている。このように、使用済み二次電池1〜5の満充電容量の差を小さくしておくことで、図5に示すように、使用済み二次電池1,5のSOCが100%に達するまで充電したとき、他の使用済み二次電池2〜4についても、SOC100%近くまで充電することができる。詳細には、使用済み二次電池1,5のSOCが100%に達するまで充電すると、使用済み二次電池2〜4についてはSOCが98%程度になるまで充電することができる。
【0048】
一方、コントロールユニット70から放電の指令がなされると、組電池20の放電が開始される。このとき、電池コントローラ30では、使用済み二次電池1〜5のそれぞれのSOCを推定し、使用済み二次電池1〜5のいずれかのSOCが0%に達したかどうかを検知する。その後、電池コントローラ30において、使用済み二次電池1〜5のいずれかのSOCが0%に達したと判定されると、この情報がコントロールユニット70に伝達される。すると、コントロールユニット70からの指令により、組電池20の放電を強制的に停止する。本実施例1では、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5のうち、使用済み二次電池1,5の満充電容量が最も小さいので、図6に示すように、使用済み二次電池1,5のSOCが0%に達すると、各使用済み二次電池1〜5の放電を強制的に停止する。これにより、使用済み二次電池1,5の過放電を防止することができる。
【0049】
本実施例1では、前述のように、使用済み二次電池1〜5の満充電容量の差を小さくしているので、図6に示すように、使用済み二次電池1,5のSOCが0%に達するまで放電させたとき、他の使用済み二次電池2〜4についても、SOC0%近くまで放電させることができる。詳細には、使用済み二次電池1,5のSOCが0%に達するまで放電させると、使用済み二次電池2〜4についてはSOCが2%程度になるまで放電させることができる。
【0050】
以上より、本実施例1の組電池20では、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5の一部が過充電、過放電となる不具合を抑制することができるといえる。
さらに、満充電容量の小さな使用済み二次電池1,5について、SOC0〜100%の範囲で充放電させると、満充電容量の大きな使用済み二次電池2〜4について、SOC2〜98%の範囲で充放電させることができる。すなわち、満充電容量の小さな使用済み二次電池1,5について、これらの満充電容量の100%の電気量を使用することができ、しかも、満充電容量の大きな使用済み二次電池2〜4についても、満充電容量の96%程度の電気量を使用することができる。このことから、本実施例1の組電池20では、組電池20を構成する各使用済み二次電池1〜5の性能を十分に発揮させることができるといえる。
【0051】
ところで、本実施例1の組電池20は、図2に示すように、5ヶの使用済み二次電池1〜5が一列に列置された組電池であるので、使用中、列の両端に位置する使用済み二次電池1,5が、これらに挟まれた他の使用済み二次電池2〜4に比べて冷却されやすい。このため、使用済み二次電池1,5は、使用済み二次電池2〜4に比べて、使用に伴う劣化の進行が遅くなり、満充電容量の減少量が小さくなる。
【0052】
これに鑑み、本実施例1では、使用済み二次電池1〜5の中で満充電容量が最も小さな使用済み二次電池1,5を、組電池20の列の両端に配置し、これらより満充電容量の大きな使用済み二次電池2〜4を、これらの間に配置した。これにより、組電池20の使用が進むにしたがって、使用済み二次電池1〜5の満充電容量の差をさらに小さくすることができ、やがて、図7に示すように、使用済み二次電池1〜5の満充電容量を、等しくQFに揃えることができる。従って、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5の一部が過充電、過放電となる不具合を、より一層抑制することができる。さらには、組電池20を構成する各使用済み二次電池1〜5の性能を、最大限に発揮させることができる。
【0053】
(実施例2)
本実施例2のコントローラ付き組電池150は、実施例1のコントローラ付き組電池50と比較して、電池コントローラに内蔵された処理プログラム(図示なし)のみが異なり、その他については同様である。
具体的には、本実施例2の電池コントローラ130では、図1にカッコ書きで示すように、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5のうち、使用済み二次電池2のみの電池電圧V2、電池温度T2、電流値I等を検知する。さらに、これらの値に基づいて、使用済み二次電池2の充電量(充電されている電気量)を推定し、この推定された充電量(以下、推定充電量ともいう)に基づいて、使用済み二次電池2のSOC(State Of Charge)を推定する。すなわち、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5から使用済み二次電池2を代表させて、使用済み二次電池2の推定SOCに基づいて、使用済み二次電池1〜5の充放電を制御する。
【0054】
ここで、本実施例2の組電池20の充放電制御について説明する。
コントロールユニット70(図1参照)から充電の指令がなされると、組電池20の充電が開始される。このとき、電池コントローラ130では、使用済み二次電池1〜5のうち、満充電容量が最も大きな使用済み二次電池2のSOCのみを推定し、使用済み二次電池2のSOCが90%に達したかどうかを検知する。電池コントローラ130において、使用済み二次電池2のSOCが90%に達した(図8参照)と判定されると、この情報がコントロールユニット70に伝達される。すると、コントロールユニット70からの指令により、組電池20の充電を強制的に停止する。
【0055】
本実施例2でも、実施例1と同様に、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5のうち、満充電容量が最も大きなもの(使用済み二次電池2〜4)と満充電容量が最も小さなもの(使用済み二次電池1,5)との満充電容量の差を、満充電容量が最も小さなものの満充電容量の10%以内(本実施例2では、約4.2%)としている。このように、使用済み二次電池1〜5の満充電容量の差を小さくしておくことで、図8に示すように、満充電容量が最も大きな使用済み二次電池2のSOCが90%に達するまで充電しても、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池1,5が過充電となるのを防止することができる。詳細には、使用済み二次電池2のSOCが90%に達するまで充電しても、使用済み二次電池1,5のSOCが97%程度に達したところで充電を止めることができる。
【0056】
一方、コントロールユニット70から放電の指令がなされると、組電池20の放電が開始される。このとき、電池コントローラ130では、使用済み二次電池2のSOCのみを推定し、使用済み二次電池2のSOCが10%に達したかどうかを検知する。その後、電池コントローラ130において、使用済み二次電池2のSOCが10%に達した(図9参照)と判定されると、この情報がコントロールユニット70に伝達される。すると、コントロールユニット70からの指令により、組電池20の放電を強制的に停止する。
【0057】
本実施例2では、前述のように、使用済み二次電池1〜5の満充電容量の差を小さくしているので、図9に示すように、満充電容量が最も大きな使用済み二次電池2のSOCが10%に達するまで放電させても、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池1,5が過放電となるのを防止することができる。詳細には、使用済み二次電池2のSOCが10%に達するまで放電させても、使用済み二次電池1,5のSOCを3%程度に達したところで放電を止めることができる。
【0058】
以上より、本実施例2のような充放電制御を行っても、組電池20を用いることで、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5の一部が過充電、過放電となる不具合を抑制することができるといえる。
さらに、満充電容量の大きな使用済み二次電池2〜4について、SOC10〜90%の範囲で充放電させると、満充電容量の小さな使用済み二次電池1,5について、SOC3〜97%の範囲で充放電させることができる。すなわち、満充電容量の大きな使用済み二次電池2〜4について、これらの満充電容量の80%の電気量を使用することができ、さらに、満充電容量の小さな使用済み二次電池1,5については、満充電容量の94%程度の電気量を使用することができる。このことから、本実施例2でも、組電池20を用いることで、組電池20を構成する各使用済み二次電池1〜5の性能を十分に発揮させることができるといえる。
【0059】
(比較例1)
本比較例1のコントローラ付き組電池は、実施例1のコントローラ付き組電池50と比較して、組電池のみが異なり、その他については同様である。
本比較例1の組電池320は、実施例1の組電池20と比較して、使用済み二次電池4を使用済み二次電池6に置き換えた(図10参照)点のみが異なり、その他については同様である。なお、使用済み二次電池6は、表1に示すように、満充電容量が3.0Ahであり、組電池320を構成する他の使用済み二次電池1〜3,5(満充電容量が4.8〜5.0Ah)に比べて、相対的に満充電容量が小さい。
【0060】
ここで、本比較例1の組電池320について、実施例1と同様にして、充放電を制御した場合を考える。
コントロールユニット70(図1参照)から充電の指令がなされると、組電池320の充電が開始される。このとき、電池コントローラ30では、使用済み二次電池1〜3,5,6のそれぞれのSOCを推定し、使用済み二次電池1〜3,5,6のいずれかのSOCが100%に達したかどうかを検知する。本比較例1では、組電池320を構成する使用済み二次電池1〜3,5,6のうち、使用済み二次電池6の満充電容量が最も小さいので、図11に示すように、使用済み二次電池6のSOCが100%に達すると、各使用済み二次電池1〜3,5,6の充電を強制的に停止する。これにより、使用済み二次電池6の過充電を防止することができる。
【0061】
しかしながら、本比較例1では、組電池320を構成する使用済み二次電池1〜3,5,6のうち、満充電容量が最も大きなもの(使用済み二次電池2,3)と満充電容量が最も小さなもの(使用済み二次電池6)との満充電容量の差(最大差)が、2.0Ahとなり、実施例1の0.2Ahに比べて非常に大きくなっている。具体的には、満充電容量の最大差が、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池6の満充電容量(3.0Ah)の、約67%と大きくなっている。
【0062】
このため、図11に示すように、使用済み二次電池6のSOCが100%に達するまで充電しても、他の使用済み二次電池1〜3,5を十分に充電することができない。具体的には、満充電容量が最も大きな使用済み二次電池2,3については、SOCが80%程度に達するまでしか充電することができない。
【0063】
一方、コントロールユニット70から放電の指令がなされると、組電池320の放電を開始する。電池コントローラ30では、使用済み二次電池1〜3,5,6のそれぞれのSOCを推定し、使用済み二次電池1〜3,5,6のいずれかのSOCが0%に達したかどうかを検知する。本比較例1では、組電池320を構成する使用済み二次電池1〜3,5,6のうち、使用済み二次電池6の満充電容量が最も小さいので、図12に示すように、使用済み二次電池6のSOCが0%に達すると、各使用済み二次電池1〜3,5,6の放電を強制的に停止する。これにより、使用済み二次電池6の過放電を防止することができる。
【0064】
しかしながら、本比較例1では、前述のように、満充電容量が最も大きなもの(使用済み二次電池2,3)と満充電容量が最も小さなもの(使用済み二次電池6)との満充電容量の差(最大差)が非常に大きくなっている。このため、図12に示すように、使用済み二次電池6のSOCが0%に達するまで放電させても、他の使用済み二次電池1〜3,5を十分に放電させることができない。具体的には、満充電容量が最も大きな使用済み二次電池2,3については、SOCが20%程度に達するまでしか放電させることができない。
【0065】
以上より、使用済み二次電池2,3については、SOC20〜80%程度の範囲内でしか充放電することができず、使用済み二次電池2,3の満充電容量の60%程度の電気量しか使用することができない。このように、本比較例1の組電池320では、満充電容量の小さな使用済み二次電池6によって、使用できる電気量が大きく制限されるので、満充電容量の大きな使用済み二次電池2,3の性能を十分に発揮させることができなくなる。
【0066】
(比較例2)
本比較例2のコントローラ付き組電池は、実施例2のコントローラ付き組電池150と比較して、組電池20を組電池320に置き換えた点のみが異なり、その他については同様である。
【0067】
ここで、本比較例2の組電池320について、実施例2と同様にして、充放電を制御した場合を考える。
コントロールユニット70(図1参照)から充電の指令がなされると、組電池320の充電が開始される。このとき、電池コントローラ130では、使用済み二次電池1〜3,5,6のうち、満充電容量が最も大きな使用済み二次電池2のSOCのみを推定し、使用済み二次電池2のSOCが90%に達したかどうかを検知する。電池コントローラ130において、使用済み二次電池2のSOCが90%に達した(図13参照)と判定されると、この情報がコントロールユニット70に伝達される。すると、コントロールユニット70からの指令により、組電池320の充電を強制的に停止する。
【0068】
ところが、本比較例2でも、前述の比較例1と同様に、満充電容量が最も大きなもの(使用済み二次電池2,3)と満充電容量が最も小さなもの(使用済み二次電池6)との満充電容量の差(最大差)が非常に大きくなっている。このため、図13に示すように、満充電容量が最も大きな使用済み二次電池2,3のSOCが90%に達するまで、組電池320を構成する使用済み二次電池1〜3,5,6を充電すると、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池6が過充電となってしまう。具体的には、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池6については、図13に示すように、電気量QG(本比較例2では、0.5Ah)に相当する分だけ過充電となる。これにより、使用済み二次電池6の電池内圧が大きく上昇すると共に、電池温度Tが大きく上昇するので、好ましくない。
【0069】
一方、コントロールユニット70から放電の指令がなされると、組電池320の放電が開始される。このとき、電池コントローラ130では、使用済み二次電池2のSOCのみを推定し、使用済み二次電池2のSOCが10%に達したかどうかを検知する。その後、電池コントローラ130において、使用済み二次電池2のSOCが10%に達した(図14参照)と判定されると、この情報がコントロールユニット70に伝達される。すると、コントロールユニット70からの指令により、組電池320の放電を強制的に停止する。
【0070】
ところが、前述のように、本比較例2では、満充電容量が最も大きなもの(使用済み二次電池2,3)と満充電容量が最も小さなもの(使用済み二次電池6)との満充電容量の差(最大差)が非常に大きくなっている。このため、図14に示すように、満充電容量が最も大きな使用済み二次電池2,3のSOCが10%に達するまで、組電池320を構成する使用済み二次電池1〜3,5,6を放電すると、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池6が過放電となってしまう。具体的には、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池6については、図14に示すように、電気量QH(本比較例2では、0.5Ah)に相当する分だけ過放電となる。これにより、使用済み二次電池6の電池内圧が大きく上昇する虞がある。
【0071】
以上において、本発明を実施例1,2に即して説明したが、本発明は上記実施例1,2に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例1,2では、5ヶの使用済み二次電池(使用済み二次電池1〜5)により組電池20を構成したが、組電池を構成する使用済み二次電池の数は、複数であれば、いくつであっても良い。
【0072】
また、実施例1,2では、使用済み二次電池1〜5を電気的に直列に接続して組電池20を構成したが、本発明は、複数の使用済み二次電池を電気的に並列に接続した組電池にも適用することができる。
また、実施例1,2では、使用済み二次電池1〜5を一列に列置して組電池20を構成したが、組電池を構成する使用済み二次電池の配置形態は、いずれの形態であっても良い。例えば、複数の使用済み二次電池を一列に列置した電池列を、複数列組み合わせて、組電池を構成しても良い。この場合、各電池列において、列の両端部に、満充電容量が相対的に小さな使用済み二次電池を配置し、これらの間(中央部)に、満充電容量が相対的に大きな使用済み二次電池を配置すると良い。このように配置することで、組電池を使用するにしたがって、組電池を構成する使用済み二次電池の満充電容量の差をさらに小さくすることができる。これは、各電池列の両端部に比べて、中央部のほうが、使用時に電池温度が高くなる傾向にあり、劣化が進行して満充電容量が低下しやすいからである。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】実施例1,2にかかるコントローラ付き組電池50,150のブロック図である。
【図2】実施例1,2にかかる組電池20の上面図である。
【図3】実施例1,2にかかる組電池の製造工程の流れを示すフローチャートである。
【図4】組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5のSOCを50%にしたときの充電状態を示す模式図である。
【図5】使用済み二次電池1,5のSOCが100%になるまで充電したときの、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5の充電状態を示す模式図である。
【図6】使用済み二次電池1,5のSOCが0%になるまで放電させたときの、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5の充電状態を示す模式図である。
【図7】長期間の使用に伴い、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5が劣化した後の、使用済み二次電池1〜5の満充電容量を示す模式図である。
【図8】使用済み二次電池2のSOCが90%になるまで充電したときの、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5の充電状態を示す模式図である。
【図9】使用済み二次電池2のSOCが10%になるまで放電させたときの、組電池20を構成する使用済み二次電池1〜5の充電状態を示す模式図である。
【図10】比較例1にかかる組電池320を構成する使用済み二次電池のSOCを50%にしたときの充電状態を示す模式図である。
【図11】使用済み二次電池6のSOCが100%になるまで充電したときの、組電池320を構成する使用済み二次電池の充電状態を示す模式図である。
【図12】使用済み二次電池6のSOCが0%になるまで放電させたときの、組電池320を構成する使用済み二次電池の充電状態を示す模式図である。
【図13】使用済み二次電池2のSOCが90%になるまで充電したときの、組電池320を構成する使用済み二次電池の充電状態を示す模式図である。
【図14】使用済み二次電池2のSOCが10%になるまで放電させたときの、組電池320を構成する使用済み二次電池の充電状態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0074】
1〜8 使用済み二次電池
20 組電池
30,130 電池コントローラ
50,150 コントローラ付き組電池
QF 満充電容量
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の二次電池を組み合わせてなる組電池の製造方法であって、
既に使用された後の使用済み二次電池について、それぞれの満充電容量を知得する知得工程と、
上記満充電容量を知得した上記使用済み二次電池の群の中から、上記満充電容量が互いに近いものを、複数選択する選択工程と、
上記選択された複数の上記使用済み二次電池を組み合わせて上記組電池を構成する組み付け工程と、を備える
組電池の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の組電池の製造方法であって、
前記選択工程は、
選択された複数の前記使用済み二次電池のうち、満充電容量が最も大きなものと満充電容量が最も小さなものとの満充電容量の差を、上記満充電容量が最も小さなものの満充電容量の10%以内となるように、上記使用済み二次電池を選択する
組電池の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の組電池の製造方法であって、
前記組み付け工程は、
前記選択された複数の前記使用済み二次電池のうち、満充電容量が相対的に大きな使用済み二次電池を、前記組電池のうち使用時に電池温度が相対的に高くなる位置に配置し、満充電容量が相対的に小さな使用済み二次電池を、上記組電池のうち使用時に電池温度が相対的に低くなる位置に配置して、上記組電池を構成する
組電池の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の組電池の製造方法であって、
前記組み付け工程は、
前記選択された複数の前記使用済み二次電池を、一列に列置して前記組電池を構成する工程であり、
上記複数の使用済み二次電池のうち、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池を上記組電池の列の一方端に、満充電容量が2番目に小さな使用済み二次電池を上記組電池の列の他方端に配置する
組電池の製造方法。
【請求項5】
既に使用された後の使用済み二次電池を、複数組み合わせてなる組電池であって、
上記組電池を構成する使用済み二次電池のうち、満充電容量が最も大きなものと満充電容量が最も小さなものとの満充電容量の差を、上記満充電容量が最も小さなものの満充電容量の10%以内としてなる
組電池。
【請求項6】
請求項5に記載の組電池であって、
前記組電池を構成する使用済み二次電池のうち、満充電容量が相対的に大きな使用済み二次電池が、上記組電池のうち使用時に電池温度が相対的に高くなる位置に配置され、満充電容量が相対的に小さな使用済み二次電池が、上記組電池のうち使用時に電池温度が相対的に低くなる位置に配置されてなる
組電池。
【請求項7】
請求項6に記載の組電池であって、
前記複数の使用済み二次電池が一列に列置されて、上記組電池を構成してなり、
上記複数の使用済み二次電池のうち、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池が上記組電池の列の一方端に、満充電容量が2番目に小さな使用済み二次電池が上記組電池の列の他方端に配置されてなる
組電池。
【請求項1】
複数の二次電池を組み合わせてなる組電池の製造方法であって、
既に使用された後の使用済み二次電池について、それぞれの満充電容量を知得する知得工程と、
上記満充電容量を知得した上記使用済み二次電池の群の中から、上記満充電容量が互いに近いものを、複数選択する選択工程と、
上記選択された複数の上記使用済み二次電池を組み合わせて上記組電池を構成する組み付け工程と、を備える
組電池の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の組電池の製造方法であって、
前記選択工程は、
選択された複数の前記使用済み二次電池のうち、満充電容量が最も大きなものと満充電容量が最も小さなものとの満充電容量の差を、上記満充電容量が最も小さなものの満充電容量の10%以内となるように、上記使用済み二次電池を選択する
組電池の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の組電池の製造方法であって、
前記組み付け工程は、
前記選択された複数の前記使用済み二次電池のうち、満充電容量が相対的に大きな使用済み二次電池を、前記組電池のうち使用時に電池温度が相対的に高くなる位置に配置し、満充電容量が相対的に小さな使用済み二次電池を、上記組電池のうち使用時に電池温度が相対的に低くなる位置に配置して、上記組電池を構成する
組電池の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の組電池の製造方法であって、
前記組み付け工程は、
前記選択された複数の前記使用済み二次電池を、一列に列置して前記組電池を構成する工程であり、
上記複数の使用済み二次電池のうち、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池を上記組電池の列の一方端に、満充電容量が2番目に小さな使用済み二次電池を上記組電池の列の他方端に配置する
組電池の製造方法。
【請求項5】
既に使用された後の使用済み二次電池を、複数組み合わせてなる組電池であって、
上記組電池を構成する使用済み二次電池のうち、満充電容量が最も大きなものと満充電容量が最も小さなものとの満充電容量の差を、上記満充電容量が最も小さなものの満充電容量の10%以内としてなる
組電池。
【請求項6】
請求項5に記載の組電池であって、
前記組電池を構成する使用済み二次電池のうち、満充電容量が相対的に大きな使用済み二次電池が、上記組電池のうち使用時に電池温度が相対的に高くなる位置に配置され、満充電容量が相対的に小さな使用済み二次電池が、上記組電池のうち使用時に電池温度が相対的に低くなる位置に配置されてなる
組電池。
【請求項7】
請求項6に記載の組電池であって、
前記複数の使用済み二次電池が一列に列置されて、上記組電池を構成してなり、
上記複数の使用済み二次電池のうち、満充電容量が最も小さな使用済み二次電池が上記組電池の列の一方端に、満充電容量が2番目に小さな使用済み二次電池が上記組電池の列の他方端に配置されてなる
組電池。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−4184(P2009−4184A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−163007(P2007−163007)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(399107063)パナソニックEVエナジー株式会社 (193)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(399107063)パナソニックEVエナジー株式会社 (193)
【Fターム(参考)】
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