説明

経路選択システム、及び経路選択システムに使用する通信装置、並びに経路選択方法

【課題】簡単な構成で容易に通信に最適なネットワーク(経路)を選択できる経路選択システム、及び経路選択システムに使用する通信装置、並びに経路選択方法の提供。
【解決手段】複数のネットワーク21〜23から通信に適した選択ネットワーク21を選択する通信装置1と、選択ネットワーク21のIPアドレスが登録される、選択ネットワーク21上に設けられたアドレス登録装置41と、アドレス登録装置41から選択ネットワーク21のIPアドレスを取得し、取得したIPアドレスを基に選択ネットワーク21を経由して通信装置1と通信する通信相手装置3とを備えることにより、通信装置1によって選択された通信に最適な選択ネットワーク21のIPアドレスを、通信相手装置3は、アドレス登録装置41から取得してそれを基に通信に最適な選択ネットワーク21を使用することができ、全体として簡単なシステムとすることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のネットワークの中から最適なネットワークを選択する経路選択システム、及び経路選択システムに使用する通信装置、並びに経路選択方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、経路選択システムとして、通信相手装置において、利用可能なネットワークや経路の通信品質などを記憶しておき、それを利用者側の通信装置から問合せがあったとき、利用者側の通信装置に公開し、利用者側の通信装置において最適の通信経路を選択するように構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図9(a)、(b)は、特許文献1に記載された従来の経路選択システムの概略を示す構成図である。
【0004】
図9(a)において、通信装置1は、接続される複数のネットワークであるISPa21、ISPb22、ISPc23内の通信品質情報をそれぞれ測定評価する評価手段11と、評価手段11で得られた測定結果を外部に公開する公開手段12とを備えている。
【0005】
通信相手装置3は、通信装置1にアクセスする場合に、複数のネットワーク、ISPa21、ISPb22、ISPc23の中からいずれかのネットワークを介して通信装置1の公開情報を参照する参照手段31と、その中から最適なネットワークを選択する選択手段32とを備えている。
【0006】
なお、公開手段12によって公開される公開情報13は、図9(b)に示すように、例えば、接続可能な複数のネットワーク(ISP)名と、そのネットワークにおける遅延時間、パケット損失率(パケットロス)などで構成されている。
【0007】
したがって、従来の経路選択装置でも、公開情報13を用いることで、通信相手装置3が通信装置1にアクセスする際に、通信装置1において利用する複数のネットワーク(ISP)、ISPa21、ISPb22、ISPc23の品質状態をそれぞれ把握することができ、通信相手装置3は、複数のネットワーク、ISPa21、ISPb22、ISPc23の中から、遅延時間やパケット損失ロスなどに基づいて、最も通信品質のよいネットワーク(ISP)を選択して利用することができる。
【特許文献1】特開2003−273913号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような従来の経路選択システムでは、複数のネットワーク、ISPa21、ISPb22、ISPc23の品質情報を各通信装置1が常時計測し記憶保持しておく必要があり、従って、通信装置1が数多く存在する場合には、それぞれに対してネットワークの品質情報を測定し記憶保持しておく必要があり、これらを全て公開しなければならず全体として大掛かりな構成になるという問題を有していた。
【0009】
また、通信相手装置3においても、全ての通信相手装置3が公開された品質情報を取得する機能を備えていなければならないという問題を有していた。
【0010】
また、普及が進んでいる複数の通信インターフェース(例えば、第3世代携帯電話機、ワイヤレスLAN、イーサネット(登録商標)などの通信インターフェース)を持つ移動端末装置のような場合、使用場所によって利用するネットワークが変わるため、その都度移動端末装置に付与されるアドレスが変更されることになり、通信装置1から通信相手装置3までの通信経路を一意に固定できず、頻繁に公開情報13の更新を行わなければならないという問題がある。
【0011】
本発明は、このような問題に対処して成されたものであり、簡単な構成で容易に最適なネットワーク(経路)を選択できる経路選択システム、及び経路選択方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の経路選択システムは、複数のネットワークから通信に適した選択ネットワークを選択する第1の通信装置と、選択ネットワークのIPアドレスが登録される、選択ネットワーク上に設けられたアドレス登録装置と、アドレス登録装置から選択ネットワークのIPアドレスを取得し、取得したIPアドレスを基に選択ネットワークを経由して第1の通信装置と通信する第2の通信装置とを備えた構成を有する。
【0013】
この構成により、各第1の通信装置によって選択された選択ネットワークのIPアドレスが選択ネットワーク上に設けられたアドレス登録装置に登録されることになり、第2の通信装置は、アドレス登録装置に登録されたIPアドレスを基に最適ネットワークを使用することができ、全体として簡単なシステムとすることができる。
【0014】
また、本発明の経路選択システムは、第1の通信装置が、複数のネットワークで使用するそれぞれのIPアドレスを保持するアドレス保持手段と、複数のネットワークの中から選択ネットワークを選択するネットワーク選択手段と、選択された選択ネットワークで使用するIPアドレスをアドレス保持手段から収集し、アドレス登録装置に登録するアドレス登録手段とを備え、第2の通信装置が、アドレス登録装置から選択ネットワークのIPアドレスを取得するIPアドレス取得手段と、選択ネットワークのIPアドレスを基に選択ネットワークを経由して第1の通信装置と通信する通信インターフェース手段とを備えた構成を有する。
【0015】
この構成により、第1の通信装置において、複数のネットワークで使用するそれぞれのIPアドレスを取得し、記憶し、その中から選択ネットワークのIPアドレスを抽出し、それを選択ネットワーク上のアドレス登録装置に登録することができ、第2の通信装置は、アドレス登録装置に登録されたIPアドレスを用いて最適のネットワークを選択し、第1の通信装置と通信が可能になる。
【0016】
また、本発明の経路選択システムは、 複数のネットワークがそれぞれインターネット接続事業者を経由するネットワークである構成を有する。
【0017】
この構成により、インターネット接続事業者を経由するネットワークの中から通信に最適の選択ネットワークを選択し、その最適な選択ネットワークを経由して通信することが可能になる。
【0018】
また、本発明の経路選択システムは、複数のネットワークがそれぞれアクセス網を経由するネットワークである構成を有する。
【0019】
この構成により、アクセス網を含むネットワークが複数存在しても、その中から最適のアクセス網を含む選択ネットワークを選択し、その最適な選択ネットワークを経由して通信をすることが可能になる。
【0020】
また、本発明の経路選択システムは、複数のネットワークの少なくとも1つが閉域ネットワークを含み、閉域ネットワークとその他のネットワークのそれぞれがアドレス登録装置を有し、ネットワーク選択手段が、複数のネットワークの中から選択ネットワークを選択し、アドレス登録手段が、それぞれのアドレス登録装置のいずれにも選択ネットワークで使用するそれぞれのIPアドレスを登録する構成を有する。
【0021】
この構成により、複数のネットワークの中に閉域ネットワークを有していても、それらのネットワークのそれぞれにアドレス登録装置を有し、通信に最適な選択ネットワークのIPアドレスがそれぞれのアドレス登録装置に登録されるため、閉域ネットワークやその他のネットワークに関係なく、通信に最適の選択ネットワークを選択することが可能になる。
【0022】
また、本発明の経路選択システムは、第1の通信装置が、ネットワークの通信性能に関する情報を評価するネットワーク評価手段を有し、第1の通信装置が、ネットワーク評価手段によって評価した通信性能に関する情報を用いて選択ネットワークを選択する構成を有する。
【0023】
この構成により、ネットワークの通信性能に関する情報に基づいて通信に最適な選択ネットワークを選択することが可能になり、常に最適の通信性能のネットワークを選択することか可能になる。
【0024】
また、本発明の経路選択システムは、第1の通信装置が、ネットワークとの接続状態を検出する接続状態検出手段を有し、接続状態検出手段によって接続状態の変化を検出したとき、ネットワーク評価手段、ネットワーク選択手段、アドレス登録手段をそれぞれ動作させる構成を有する。
【0025】
この構成により、通信装置が複数のネットワークのいずれかと接続を行ったとき、或いは、選択ネットワークとの接続を絶ったときなどに、それぞれネットワーク評価手段、ネットワーク選択手段、アドレス登録手段をそれぞれ動作させ、それぞれのネットワークの評価、選択ネットワークの選択、選択ネットワークのIPアドレス登録などを実施させるため、それぞれこの段階でIPアドレスの登録更新が行われ、最適の選択ネットワークのIPアドレスが登録されるという作用を有する。
【0026】
また、本発明の経路選択システムは、ネットワーク評価手段が、ネットワークの特定位置と第1の通信装置との間の第1の通信装置の移動速度を検出する移動速度検出手段を有し、ネットワーク選択手段が、移動速度検出手段によって検出された移動速度を基に選択ネットワークを選択する構成を有する。
【0027】
この構成により、通信装置が携帯可能なものであったり、車両に搭載されて移動可能なものであったりしても、ネットワークの特定位置との移動速度に関して通信に最適の選択ネットワークが選択されることになり、通信性能を最適のものにすることができる。
【0028】
また、本発明の経路選択システムは、ネットワーク評価手段が、ネットワークのアクセス網における通信速度を検出する通信速度検出手段を備え、ネットワーク選択手段が、通信速度検出手段によって検出された通信速度を基に最適ネットワークを選択する構成を有する。
【0029】
この構成により、通信に最適な選択ネットワークが各ネットワークのアクセス網における通信速度を基に選択されることになり、最適の通信速度をもった選択ネットワークが最適ネットワークとして選択されることになる。
【0030】
また、本発明の経路選択システムは、ネットワーク評価手段が、ネットワークのアクセス網における通信速度を検出する通信速度検出手段を有し、ネットワーク選択手段が、通信速度検出手段によって検出された通信速度を基に選択ネットワークを選択する構成を有する。
【0031】
この構成により、通信に最適な選択ネットワークが各ネットワークの通信状態を基に選択されることになり、通信状態の優れたネットワークが最適の選択ネットワークとして選択されることになる。
【0032】
また、本発明の通信装置は、複数のネットワークで使用するそれぞれのIPアドレスを保持するアドレス保持手段と、複数のネットワークの中から通信に適した選択ネットワークを選択するネットワーク選択手段と、選択された選択ネットワークで使用するIPアドレスをアドレス保持手段から収集し、選択ネットワーク上に設けられたアドレス登録装置に登録するアドレス登録手段とを備えた構成を有する。
【0033】
この構成により、複数のネットワークで使用するそれぞれのIPアドレスをアドレス保持手段に保持しておき、ネットワーク選択手段で選択された通信に最適な選択ネットワークのIPアドレスをアドレス保持手段より取り出し、それをアドレス登録手段を用いてアドレス登録装置に容易に登録することか可能な通信装置を提供することができる。
【0034】
また、本発明の通信装置は、通信に適した選択ネットワークのIPアドレスが登録される、選択ネットワーク上に設けられた通信アドレス登録装置から、選択ネットワークのIPアドレスを取得するIPアドレス取得手段と、IPアドレス取得手段で取得された選択ネットワークのIPアドレスを基に選択ネットワークを経由して他の通信装置と通信する通信インターフェース手段とを備えた構成を有する。
【0035】
この構成により、通信装置における通信に最適な選択ネットワークのIPアドレスをアドレス登録装置より容易に取得し、それを用いて選択ネットワーク経由で他の通信装置と通信可能な通信装置を容易に提供することができる。
【0036】
また、本発明の経路選択方法は、第1の通信装置が複数のネットワークと順次接続を行い、複数のネットワークで使用するIPアドレスを取得し記憶するステップと、第1の通信装置が複数のネットワークの中から通信に適した選択ネットワークを選択するステップと、第1の通信装置が選択された選択ネットワークのIPアドレスを抽出し、選択ネットワーク上に設けられたアドレス登録装置に登録するステップと、第1の通信装置と通信を行う第2の通信装置がアドレス登録装置から選択ネットワークのIPアドレスを取得するステップと、第2の通信装置が取得したIPアドレスを基に第1の通信装置と選択ネットワークを介して通信を行うステップとを備えた構成を有する。
【0037】
これにより、通信に最適な選択ネットワークを容易に選択し、その選択ネットワークを通して通信可能なシステムを容易に構築することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明の経路選択システムは、本発明の経路選択システムは、複数のネットワークから通信に適した選択ネットワークを選択する第1の通信装置と、選択ネットワークのIPアドレスが登録される、選択ネットワーク上に設けられたアドレス登録装置と、アドレス登録装置から選択ネットワークのIPアドレスを取得し、取得したIPアドレスを基に選択ネットワークを経由して第1の通信装置と通信する第2の通信装置とを備えた構成を有しており、第1の通信装置によって選択された通信に最適な選択ネットワークのIPアドレスが選択ネットワーク上に設けられたアドレス登録装置に登録されているため、第2の通信装置は、アドレス登録装置に登録されたIPアドレスを基に通信に最適な選択ネットワークを使用することができ、全体として簡単なシステムとすることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0040】
(実施の形態1)
図1(a)〜(c)は、本発明の実施の形態1における経路選択システムの概略を示す構成図である。
【0041】
図1(a)において、通信装置1は、ネットワークとしての、一般にプロバイダ、又はISP(Internet Service Provider)と言われるインターネット接続事業者(以下、これらを単にISPという)ISPa21、ISPb22、ISPc23を介してインターネット4に接続されるように構成されている。また、通信相手装置3は、インターネット4に接続され、インターネット4、及びISPa21、ISPb22、ISPc23を介して通信装置1に接続されるように構成されている。
【0042】
なお、インターネット4には、通信装置1において選択された最適ネットワークとしてのIPアドレスを登録するDNSサーバ41を備えている。
【0043】
また、本実施の形態では、通信装置1とISPa21、ISPb22、ISPc23との間を、無線アクセス網(AP)5を介して接続するようにしている。したがって、この場合には、1つのアクセス網線路上に論理的に複数の経路があることになる。
【0044】
図1(b)、(c)は、それぞれ、後述する通信装置1が有するアドレス保持部11及びネットワーク接続情報部12に保持されたアドレス表11a及び接続情報12aを示す構成図である。
【0045】
図1(b)のアドレス表11aでは、例えば、「ISPa」という名のISPに対するIPアドレスは「アドレスa」というように、ISP名毎にIPアドレスが保持されている。
【0046】
また、図1(c)の接続情報12aでは、例えば、「ISPa」という名のISPの接続料金は「10円/分」というように、ISP名毎に接続料金などの接続情報が保持されている。
【0047】
次に、通信装置1、及び通信相手装置3の内部構成について説明する。
【0048】
図2は、本実施の形態における経路選択システムに使用される通信装置1の内部構成を示すブロック図、図3は、同じ経路選択システムに使用される通信相手装置3の内部構成を示すブロック図である。
【0049】
通信装置1は、図2に示すように、無線アクセス網(AP)5を介して複数のISPa21、ISPb22、ISPc23にそれぞれ接続される通信インターフェース部10a、10bと、無線アクセス網(AP)5を介して接続されたISPa21、ISPb22、ISPc23よりそれぞれIPアドレスを取得し、図1(b)に示すアドレス表11aを保持するアドレス保持部11と、図1(c)に示す、アドレス接続のための条件である接続情報12aを記憶するネットワーク接続情報部12と、ネットワーク接続情報部12で得た情報に基づいて通信装置1に対して最適なISPを選択するネットワーク選択部13と、ネットワーク選択部13で選択した最適なISPから付与されたIPアドレスをアドレス保持部11より取得し、通信インターフェース10a、10bを介してインターネット4上のDNSサーバ41に送信し、登録するアドレス登録部14とを備えている。
【0050】
通信相手装置3は、図3に示すように、インターネット4に接続される通信インターフェース部31a、31bと、通信インターフェース部31a、31bのいずれを使用するかを決定するインターフェース決定部32と、通信インターフェース部31a、31bを介してIPアドレスを取得するIPアドレス取得部33と、IPアドレス取得部33に必要な要求を行うアプリケーション部34とを備えている。
【0051】
なお、通信装置1、通信相手装置3には、それぞれ2つの通信インターフェース部10a、10b、31a、31bを有しているが、本実施の形態では、その中の各1つ、すなわち、通信インターフェース部10a、31aのみを使用する場合について説明する。
【0052】
次に、本実施の形態における経路選択システムについて、その動作を説明する。
【0053】
図4は、本実施の形態における経路選択システムの動作を示すフローチャートである。
【0054】
通信装置1の起動操作を行うと、通信装置1は、まず、通信インターフェース部10aを介して、それぞれのISPa21、ISPb22、ISPc23に順次接続を行う(S401〜S403)。順次接続が行われると、その後、各ISPa21、ISPb22、ISPc23より、各ISPa21、ISPb22、ISPc23のIPアドレス付与が行われ、その付与によって通信装置1が各ISPa21、ISPb22、ISPc23のIPアドレスを取得し(S404〜406)、これらのIPアドレスをアドレス保持部11に、図1(b)に示すように、それぞれ記憶し保持する(S407)。
【0055】
次に、ネットワーク接続情報部12に図1(c)に示すように格納した情報、例えば、図1(c)の例ではISP毎の利用料金情報を用いて、ネットワーク選択部13が最適なISPを選択し、アドレス登録部14に、選択ネットワークしての最適なISPを通知する(S408)。すなわち、本実施の形態では、図1(c)に示すように、ISPa21(ISP名:「ISPa」)が最も安価な接続料金(コスト)であるため、選択ネットワークとしてISPa21(ISP名:「ISPa」)を選択する。
【0056】
このようにして、最適なネットワークを選択しアドレス登録部14に通知すると、アドレス登録部14は、選択された最適なネットワーク(本実施の形態ではISPa21)より取得したIPアドレスを、アドレス保持部11から読み出し、それをインターフェース部10aを介して、インターネット4上にあるDNSサーバ(アドレス登録装置)41に登録する(S409)。すなわち、本実施の形態では、図1(b)に示すアドレス表11aからISP名「ISPa」に対応するIPアドレス「アドレスa」を読み出してDNSサーバ(アドレス登録装置)41に登録する。
【0057】
このようにして、DNSサーバ(アドレス登録装置)41に通信装置1に最適なIPアドレスが登録された状態で、次に、通信相手装置3の動作を説明する。
【0058】
通信相手装置3では、IPアドレス取得部33が、アプリケーション部34において要求する通信装置1のホスト名からIPアドレスを取得するために、通信インターフェース部31aよりDNSサーバ(アドレス登録装置)41に対して問い合わせを行う(S410)。問合せがあると、DNSサーバ(アドレス登録装置)41は、問い合わせのあったホスト名に該当するIPアドレスを応答する(S411)。ここで、応答するIPアドレスは、通信装置1が既に登録しているISPa21(ISP名:「ISPa」)から付与されたIPアドレス(アドレス名:「アドレスa」)となる。
【0059】
したがって、通信相手装置3は、ISPa21から付与されたIPアドレス、すなわち「アドレスa」を用いて、通信装置1へのアクセスを開始する。通信装置1に向けられたパケットは、ISPa21が管理するアドレスであるため、ISPa21を経由して、通信装置1に転送される(S312)。
【0060】
これにより、通信装置1が最適と判断して選択したネットワーク、経路(本実施の形態では、ISPa21)を用いて通信を行うことができることになる。
【0061】
なお、本実施の形態では、通信装置1、通信相手装置3において、それぞれ通信インターフェース部10a、31aを使用するようにしているが、通信インターフェース部10a、31aに代えて通信インターフェース10b、31bを用いてもよく、また、両方を用いても良いことは言うまでもないことである。
【0062】
(実施の形態2)
図5(a)〜(c)は、本発明の実施の形態2における経路選択システムの概略を示す構成図である。
【0063】
本実施の形態では、図5(a)に示すように、同じ通信装置1、同じISPa21に対し、それぞれ、ネットワークの一部としての複数のアクセス網(アクセスポイント(AP))51、52を有しており、これらのアクセス網51、52の中から最適なアクセス網を選択して使用可能なように構成している。その他の構成は、図1(a)に示す実施の形態と同様であり、説明は省略する。
【0064】
すなわち、本実施の形態では、通信装置1において、図2に示す2つの通信インターフェース部10a、10bを共に使用している。そして、それぞれの通信インターフェース部10a、10bにそれぞれ異なるIPアドレスを付与している。
【0065】
すなわち、ISPa21によって、アクセス網51(アクセス網名:「APa」)及びアクセス網52(アクセス網名:「APb」)を経由するネットワーク(理論的に2つのネットワークISPa1及びISPa2が存在する)にそれぞれ付与されたIPアドレスは、図5(b)に示すように、アドレス保持部11に、例えば、アクセス網51を経由するISPa1に関しては、アクセス網名が「APa」に対してIPアドレスが「アドレスa」というように保持される。
【0066】
また、ネットワーク接続情報部14に格納される情報としては、本実施の形態では、図5(c)に示すように、それぞれのアクセス網51(アクセス網名:「APa」)とアクセス網52(アクセス網名:「APb」)の利用料金など、例えばアクセス網名が「APa」のアクセス網51に対しては「1000円」という情報を用いている。
【0067】
したがって、本実施の形態では、ネットワーク選択部13がネットワーク接続情報部12の利用料金の情報を用いて最適ネットワークを選択することになり、例えば、図5(c)に示すように、アクセス網51の利用料金が最安価である場合、その最安価のアクセス網51を選択し、図5(b)に示すようにアクセス網51(アクセス網名:「APa」)より付与されたIPアドレス(IPアドレス:「アドレスa」)をインターネット上のDNSサーバ(アドレス登録装置)41に登録する。
【0068】
このようにしてIPアドレスが登録されると、以降、実施の形態1と同様に、登録されたIPアドレスを用いて通信相手装置3が通信装置1にアクセスすることになり、通信装置1が最適と判断したネットワーク、経路(ここでは、アクセス網51)を用いて通信を行うことができるようになる。
【0069】
なお、実施の形態1、2では、通信装置とISPとの間に無線アクセス網を用い、ISP、或いは、アクセス網をそれぞれ選択するように構成しているが、ISP、アクセス網をそれぞれ組み合わせて選択するように構成しても良い。
【0070】
また、アクセス網としては、携帯電話やWLAN、ADSL等のアクセス網を用いてもよく、その他のアクセス網を用いることも可能である。
【0071】
また、実施の形態1、2では、ネットワーク接続情報部12にISPやアクセス網のそれぞれの通信料金を格納し、ネットワーク選択部13でこれらの通信料金を用いて最適のネットワーク(ISPやアクセス網など)を選択するようにしているが、ネットワーク接続情報部12に、これらのネットワーク(ISPやアクセス網など)の通信帯域や、遅延時間、パケット損失率、セキュア安全性等のネットワーク特性を示す情報を格納し、ネットワーク選択部13でこれらの情報を用いて最適のネットワーク(ISPやアクセス網など)を選択するようにしても良い。このようにすれば、これらのネットワーク(ISPやアクセス網など)の通信帯域、遅延時間、パケット損失率、セキュア安全性等のネットワーク特性を用いて最適のネットワーク(ISPやアクセス網など)を選択することができるようになる。
【0072】
(実施の形態3)
図6(a)、(b)、(c)は、本発明の実施の形態3における経路選択システムの概略を示す構成図である。
【0073】
本実施の形態3では、図6(a)に示すように、通信装置1と通信相手装置3との間に閉域ネットワーク6を有しており、閉域ネットワーク6は、通信装置1から送信された、最適な選択されたISPから付与されたIPアドレスを登録するDNSサーバ(アドレス登録装置)61を有している。
【0074】
通信装置1は、複数のアクセス網51、52のいずれかを介して、複数のISPa21、ISPb22、ISPc23のいずれかと接続可能に構成され、通信相手装置31、32、33は、インターネット4、閉域ネットワーク6のいずれかを介して、ISPa21、ISPb22、ISPc23のいずれかに接続されるように構成されている。
【0075】
したがって、本実施の形態3によれば、通信相手装置31、32、33は、インターネット4、閉域ネットワーク6のいずれか、及びISPa21、ISPb22、ISPc23のいずれかを介して通信装置1と通信することができることになる。
【0076】
通信装置1のアドレス保持部11には、実施の形態1、2と同様に、図6(b)に示すように、ISP名とIPアドレスが対応されたアドレス表11aが保持される。
【0077】
ネットワーク接続情報部12には、本実施の形態では、図6(c)に示すように、ISP名毎に、接続料金とそれに対応する接続ネットワーク(接続NW)の種類が関連付けられて格納される。例えば、ISP名が「ISPa」のものは、インターネット4を利用して「10円/分」の接続料金が発生する、ということを意味する。
【0078】
閉域ネットワーク6は、インターネット4とは直接接続されない構成になっており、私設のネットワークや、ISP、通信事業者がインターネット4とは隔離した形で独自に設置したネットワークなどである。
【0079】
また、本実施の形態3では、3つの通信相手装置31、32、33のうち、1つの通信相手装置32は、インターネット4、閉域ネットワーク6のいずれのネットワークにも接続可能であるが、通信相手装置31、33は、それぞれインターネット4、閉域ネットワーク6の一方のネットワークにしかアクセスできないように構成されている。
【0080】
また、本実施の形態3において、通信装置1、通信相手装置31,32,33の内部構成は、実施の形態1、2と同様、図2、図3に示すように構成されているので、説明は省略する。
【0081】
次に、本実施の形態3における経路選択システムについて、その動作を説明する。
【0082】
図7は本実施の形態3における経路選択システムの動作を示すフローチャートである。
【0083】
通信装置1は、図7に示すように、通信インターフェース部10aを介してISPa21、ISPb22、ISPc23と順次接続を行い(S701、S702、S703)、ISPa21、ISPb22、ISPc23より各ISPa21、ISPb22、ISPc23のIPアドレス付与が行われ、通信装置1がその付与された各IPアドレスを順次取得し、アドレス保持部11に順次保持する(S704)。
【0084】
ネットワーク接続情報部12には、図6(c)に示す接続情報14aのように、ISPa21、ISPb22、ISPc23の利用料金、アクセス網51、52の利用料金のほかに、それぞれのISPa21、ISPb22、ISPc23がインターネット4に接続されるか、或いは閉域ネットワーク6に接続されるかを区別する情報をも格納している。
【0085】
なお、ここでは、ISPa21がインターネット4に接続され、ISPb22、ISPc23が閉域ネットワーク6に接続されるものとする。
【0086】
ネットワーク選択部13は、ネットワーク接続情報部12に格納された情報を基に最適なネットワークを選択するので、インターネット4に接続される最適な選択ネットワークとしてISPa21を選択し、閉域ネットワーク6に接続される最適な選択ネットワークとしてISPb22を選択する(S705)。
【0087】
アドレス登録部14は、ISPa21、ISPb22より取得したIPアドレスをアドレス保持部11より収集し、それをインターネット4上にあるDNSサーバ(アドレス登録装置)41、閉域ネットワーク上にあるDNSサーバ(アドレス登録装置)61にそれぞれ登録する。すなわち、本実施の形態では、インターネット4上にあるDNSサーバ(アドレス登録装置)41にISPa21のIPアドレス(アドレス名:「アドレスa」)を登録し、閉域ネットワーク6上にあるDNSサーバ(アドレス登録装置)61にISPb22のIPアドレス(アドレス名:「アドレスb」)を登録する(S706、S707)。
【0088】
このようにしてDNSサーバ(アドレス登録装置)41、61にそれぞれ最適なISPのIPアドレスが登録されると、その状態で、通信相手装置31、32、33が通信装置1と通信する場合には、通信相手装置31、32、33がそれぞれDNSサーバ(アドレス登録装置)41、61への問い合わせを行い(S708、S709)、DNSサーバ(アドレス登録装置)41、61から最適のIPアドレスの応答を受け(S710、S711)、その応答を受けた最適のIPアドレスを基に、そのIPアドレスのISPを通して通信装置1との通信を行う(S712、S713)。
【0089】
通信相手装置32は、インターネット4、閉域ネットワーク6の両ネットワークに接続可能な装置であり、通信相手装置31はインターネット4のみに、また、通信相手装置33は閉域ネットワーク6のみに接続可能な装置である。したがって、ここで、通信装置1が、2つのDNSサーバ(アドレス登録装置)41、61にそれぞれ最適のIPアドレスを登録することにより、いずれの通信相手装置31,32,33からもアクセス可能とすることができる。このとき、通信相手装置32が、インターネット4と閉域ネットワーク6のいずれを選択するかは、一般に行われるような仕組みで、通信相手装置32の基準で決めるようにすればよく、例えば、安価を優先する場合はインターネット4を、通信速度が遅い場合や秘密情報を扱う場合は閉域ネットワーク6を選択することになる。
【0090】
(実施の形態4)
図8は、実施の形態4における経路選択システムに用いる通信装置1の内部構成を示すブロック図である。
【0091】
本実施の形態では、図8に示すように、通信装置1と通信相手装置3との間に存在するネットワークの通信性能を測定し、その結果をネットワーク選択部13に通知するネットワーク評価部15を備えている。すなわち、ネットワーク評価部15は、通信インターフェース部10aに接続されるネットワークの通信性能を測定するネットワーク測定部151と、通信インターフェース部10bに接続されるアクセス網の通信性能を測定するアクセス網測定部152と、これらのネットワーク測定部151及びアクセス網測定部152で測定した通信性能の情報を収集、格納しておくネットワーク情報収集部153とを備えている。そして、ネットワーク情報収集部153に格納された情報は、ネットワーク選択部13において最適のネットワークを選択するときに、ネットワーク接続情報部12に格納された情報と共に、或いは単独で同じように、適宜活用されるように構成されている。
【0092】
したがって、本実施の形態によれば、ネットワーク評価部15においてネットワークの通信性能を測定し、その結果を基に最適のネットワークを選択することができ、ネットワークやISPa21,ISPb22,ISPc23の品質を常時監視しながら、その情報を用いて最適なネットワークを選択することができる。
【0093】
また、本実施の形態では、通信装置1に、ネットワークの接続状態を検出し、その結果に基づいてアドレス保持部11やネットワーク選択部13、アドレス登録部14、ネットワーク評価部15などをそれぞれ制御する接続状態検出部16を備えている。
【0094】
なお、ここで、接続状態の検出とは、ネットワークの接続状態が変化したことを検出することであり、また、変化とは、ネットワーク、例えば、ISPとの接続、切断、アクセス網との接続、切断などの変化である。
【0095】
本実施の形態では、接続状態検出部16において、通信インターフェース10a、10bを監視し、例えば、ISP、或いは、アクセス網との接続が切断されたとき、或いは、逆に、接続されたときなどに、それぞれその接続状態を検出し、その結果に基づいて、ネットワーク評価部15や、ネットワーク選択部13、アドレス登録部14をそれぞれ所定時間間隔で動作させ、所定の動作を実行させるように構成している。
【0096】
したがって、本実施の形態によれば、ネットワークとの接続、切断がいくら発生した場合でも、その発生毎に所定時間間隔で最適ネットワークを選択することになり、最新の状態で最適ネットワークを登録することができ、最適ネットワークを通して通信することが可能になる。
【0097】
なお、本実施の形態では、ネットワーク評価部15で、ネットワークの通信性能を測定し、ネットワーク選択部12で、測定したネットワークの通信性能を基に最適ネットワークを選択するようにしているが、ネットワーク評価部15では、各ネットワークの特定位置と通信装置1との間の通信装置1の移動速度や、ネットワークのアクセス網における通信速度、更には、ネットワーク内の通信状態などをそれぞれ検出するようにし、その検出結果に基づいてネットワーク選択部13で最適ネットワークを選択するように構成しても良い。
【0098】
ネットワーク評価部15に複数のネットワークの特定位置と通信装置1との間の通信装置1の移動速度を検出する移動速度検出部を設け、この移動速度検出部で検出した移動速度を基にネットワーク選択部12が最適ネットワークを選択するように構成した場合には、通信装置1が携帯可能なものであったり、車両に搭載されて移動可能なものであったりしても、ネットワークの特定位置との移動速度に関して最適のネットワークを選択することができ、通信性能を最適のものにすることができる。
【0099】
また、ネットワーク評価部15にネットワークのアクセス網における通信速度を検出する通信速度検出部を設け、この検出部で検出した通信速度を基にネットワーク選択部12が最適ネットワークを選択するように構成した場合には、ネットワークのアクセス網における通信速度を基に最適ネットワークが選択されることになり、最適の通信速度をもったネットワークが選択ネットワークとして選択されることになる。
【0100】
また、ネットワーク評価部15にネットワーク内の通信状態を検出する通信状態検出部を設け、この検出部で検出した通信状態を基にネットワーク選択部12が最適ネットワークを選択するように構成した場合には、ネットワーク選択部12がネットワーク内の通信状態に応じて最適な選択ネットワークを選択することになり、この場合も最適の通信状態を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明の経路選択システムは、ネットワーク上に通信装置によって選択された最適ネットワークのIPアドレスを登録するアドレス登録装置を設け、通信相手装置において、アドレス登録装置に問合せを行い、アドレス登録装置より通信装置によって選択され登録された最適ネットワークのIPアドレスを取得し、取得したIPアドレスを基に最適ネットワークを経由して通信装置と通信するように構成したものであり、通信装置によって選択された最適ネットワークのIPアドレスがネットワーク上に設けられたアドレス登録装置に登録されているため、通信相手装置は、アドレス登録装置に登録されたIPアドレスを基に最適ネットワークを使用することができ、全体として簡単なシステムとすることができ、有用である。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の実施の形態1における経路選択装置の構成を示す概略図
【図2】本発明の実施の形態1における経路選択装置に使用する通信装置の内部構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1における経路選択装置に使用する通信相手装置の内部構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態1における経路選択装置の動作を示すシーケンス図
【図5】本発明の実施の形態2における経路選択装置の構成を示す概略図
【図6】本発明の実施の形態3における経路選択装置の構成を示す概略図
【図7】本発明の実施の形態3における経路選択装置の動作を示すシーケンス図
【図8】本発明の実施の形態4における経路選択装置に使用する通信装置の内部構成を示すブロック図
【図9】従来の経路選択装置の構成を示す概略図
【符号の説明】
【0103】
1 通信装置
2a,2b,2c ISP
3 通信相手装置
4 インターネット
5a,5b アクセス網(AP)
6 閉域ネットワーク
10a,10b,31a,31b 通信インターフェース部
11 アドレス保持部
12 ネットワーク接続情報部
13 ネットワーク選択部
14 アドレス登録部
15 ネットワーク評価部
151 ネットワーク測定部
152 ネットワーク情報収集部
153 アクセス網測定部
32 インターフェース決定部
33 IPアドレス取得部
34 アプリケーション部
41,61 DNS


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のネットワークから通信に適した選択ネットワークを選択する第1の通信装置と、前記選択ネットワークのIPアドレスが登録される、前記選択ネットワーク上に設けられたアドレス登録装置と、前記アドレス登録装置から前記選択ネットワークのIPアドレスを取得し、前記取得したIPアドレスを基に前記選択ネットワークを経由して前記第1の通信装置と通信する第2の通信装置とを備えた経路選択システム。
【請求項2】
前記第1の通信装置が、前記複数のネットワークで使用するそれぞれのIPアドレスを保持するアドレス保持手段と、前記複数のネットワークの中から前記選択ネットワークを選択するネットワーク選択手段と、前記選択された選択ネットワークで使用するIPアドレスを前記アドレス保持手段から収集し、前記アドレス登録装置に登録するアドレス登録手段とを備え、前記第2の通信装置が、前記アドレス登録装置から前記選択ネットワークのIPアドレスを取得するIPアドレス取得手段と、前記選択ネットワークのIPアドレスを基に前記選択ネットワークを経由して前記第1の通信装置と通信する通信インターフェース手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の経路選択システム。
【請求項3】
前記複数のネットワークがそれぞれインターネット接続事業者を経由するネットワークであることを特徴とする請求項1記載の経路選択システム。
【請求項4】
前記複数のネットワークがそれぞれアクセス網を経由するネットワークであることを特徴とする請求項1記載の経路選択システム。
【請求項5】
前記複数のネットワークの少なくとも1つが閉域ネットワークを含み、前記閉域ネットワークとその他の前記ネットワークのそれぞれが前記アドレス登録装置を有し、前記ネットワーク選択手段が、前記複数のネットワークの中から前記選択ネットワークを選択し、前記アドレス登録手段が、それぞれの前記アドレス登録装置のいずれにも前記選択ネットワークで使用するそれぞれのIPアドレスを登録することを特徴とする請求項2記載の経路選択システム。
【請求項6】
前記第1の通信装置が、前記ネットワークの通信性能に関する情報を評価するネットワーク評価手段を有し、前記第1の通信装置が、前記ネットワーク評価手段によって評価した前記通信性能に関する情報を用いて前記選択ネットワークを選択することを特徴とする請求項2項記載の経路選択システム。
【請求項7】
前記第1の通信装置が、前記ネットワークとの接続状態を検出する接続状態検出手段を有し、前記接続状態検出手段によって前記接続状態の変化を検出したとき、前記ネットワーク評価手段、前記ネットワーク選択手段、前記アドレス登録手段をそれぞれ動作させることを特徴とする請求項6記載の経路選択システム。
【請求項8】
前記ネットワーク評価手段が、前記ネットワークの特定位置と前記第1の通信装置との間の前記第1の通信装置の移動速度を検出する移動速度検出手段を有し、前記ネットワーク選択手段が、前記移動速度検出手段によって検出された前記移動速度を基に前記選択ネットワークを選択することを特徴とする請求項6記載の経路選択システム。
【請求項9】
前記ネットワーク評価手段が、前記ネットワークのアクセス網における通信速度を検出する通信速度検出手段を有し、前記ネットワーク選択手段が、前記通信速度検出手段によって検出された前記通信速度を基に前記選択ネットワークを選択することを特徴とする請求項6項記載の経路選択システム。
【請求項10】
前記ネットワーク評価手段が、前記ネットワークの通信状態を検出する通信状態検出手段を有し、前記ネットワーク選択手段が、前記通信状態検出手段によって検出された前記通信状態を基に前記選択ネットワークを選択することを特徴とする請求項6記載の経路選択システム。
【請求項11】
複数のネットワークで使用するそれぞれのIPアドレスを保持するアドレス保持手段と、前記複数のネットワークの中から通信に適した選択ネットワークを選択するネットワーク選択手段と、前記選択された選択ネットワークで使用する前記IPアドレスを前記アドレス保持手段から収集し、前記選択ネットワーク上に設けられたアドレス登録装置に登録するアドレス登録手段とを備えた経路選択システムに使用する通信装置。
【請求項12】
通信に適した選択ネットワークのIPアドレスが登録される、前記選択ネットワーク上に設けられた通信アドレス登録装置から、前記選択ネットワークのIPアドレスを取得するIPアドレス取得手段と、IPアドレス取得手段で取得された前記選択ネットワークのIPアドレスを基に前記選択ネットワークを経由して他の通信装置と通信する通信インターフェース手段とを備えた経路選択システムに使用する通信装置。
【請求項13】
第1の通信装置が複数のネットワークと順次接続を行い、前記複数のネットワークで使用するIPアドレスを取得し記憶するステップと、前記第1の通信装置が前記複数のネットワークの中から通信に適した選択ネットワークを選択するステップと、前記第1の通信装置が前記選択された選択ネットワークの前記IPアドレスを抽出し、前記選択ネットワーク上に設けられたアドレス登録装置に登録するステップと、前記第1の通信装置と通信を行う第2の通信装置が前記アドレス登録装置から前記選択ネットワークの前記IPアドレスを取得するステップと、前記第2の通信装置が前記取得したIPアドレスを基に前記第1の通信装置と前記選択ネットワークを介して通信を行うステップとを備えた経路選択方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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