説明

結え補助具及び結え具

【課題】 不用新聞紙、本、雑誌や、立方体形状を呈する段ボール箱詰め製品、箱詰め製品等梱包物、大型鞄等を前後左右四方から平均した締付力で強く結え付けるように工夫した結え補助具及び結え具を提供する。
【解決手段】 非伸縮性素材により構成され、無端環状を呈し且つ結え使用の状態にされた時には前後左右方向の締付力により四辺形を呈しうるようにされると共に当該四辺形の四隅各角形成個所に結え紐状体の連結用孔、掛杆状部等連結部が設けられ、提げ手が設けられていることを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不要の新聞紙、本、雑誌や、段ボール箱詰め製品、木箱詰め製品、製品入り包装用箱等梱包物、大型鞄、ブックバンド等(以下、被結え物という)を前後左右四方から平均した締付力で強く結え付ける時に用いる結え補助具及び結え具に関する。
【背景技術】
【0002】
従前、菱形の形状に紐を張って弛みを吸収しつつきつく結える方法は「特許文献1〜3」に開示されているようなものが知られている。しかしながら、「特許文献1」に開示のひも状結え具には、紐を菱形の形状に張り結ぶ作業が手馴れた者でも必ずしも容易なことではなく、手間が掛かる、美麗な仕上がり状態が得にくい等の問題があり、また「特許文献2」に開示のひし形縛り用締め具には、安価さに優れているが、紐部分を半分に割いて2本にすることが可能な紐に限定される問題及び前記「特許文献1」のひも状結え具と同じような問題があった。いずれにしても菱形の形状に紐を張る作業に困難さがあった。
【0003】
また、「特許文献3」に開示されている紙製結え用具は、菱形の形状に紐を張る作業が不要であるメリットがあるが、これには、厚手紙製で固いために、前記「特許文献1」「特許文献2」が備えている紐により形成された菱形の形状部分の前後方向の対角線が長くされたときに左右方向の対角線が連動して短く変化するような対角線の長短変化動作ができなく、たとえば左右方向を結えたのちに前後方向を結えて前記左右方向の結え力をより以上に強くするというようなことができない致命的な問題があった。つまり、左右方向の結え止めを前後方向の結え止め作業で、または前後方向の結え止めを左右方向の結え止め作業で所謂2段締め状態にするというようなことができなく、より強いしっかりした締め付け状態にすることができないものであった。
【0004】
就中、「特許文献1」に開示されているひも状結え具を使用して古新聞等を結え束ねる際には、前記2段締めが可能であるから充分に締め付けることができるようになっているが、不慣れな者が行うときには、傾向として、最後の結び操作のときの手の持ち替え等により全体が戻り弛んで上手に結べないという問題があった。
【特許文献1】特開平11−314659号公報
【特許文献2】特開平9−309510号公報
【特許文献3】特開2003−200912号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記のような諸問題点を解消する工夫およびその他の工夫を施した新規の結え補助具及び結え具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る結え補助具は、非伸縮性素材により構成され、結え状態にされた時には前後左右方向の締付力により四辺形を呈しうるようにされると共に当該四辺形の角形成個所に結え紐状部の連結部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
したがって、請求項1に係る結え補助具は、例えば図2に示すように、その左右各端部及び前後各長辺の中間部にユーザーが手持の紐材や別途用意した紐部材を前後左右の結え紐状部として連結してから、全体をたとえば床の上若しくは卓上等に前後左右の結え紐状部を伸展状態にして置くと共にその上に被結え物を、当該被結え物が結え止め後に四辺形部分の上になるように載せ置き、然るのち、先ず左右の結え紐状部の先端部分を被結え物の上面に掛け廻してできるだけ強く結え止め、次いで前後の結え紐状部の先端部分を被結え物の上面に掛け廻して結え止める要領で使用できる。
【0008】
要するに、前記のような要領で使用する場合にあって、左右方向の結え力よりも強い前後方向の結え力で結えることをすれば、当該前後方向の結え力により、四辺形(菱形)の形状部分の前後方向の対角線が長くされると同時にこれに連動して左右方向の対角線が短く変化するように動作することになるから、結果として被結え物は、左右方向の結え力及び前後方向の結え力により、すなわち前後左右の四方から平均した締付力により強く結えられることになる。
【0009】
また、請求項2に係る結え具は、請求項1記載の結え補助具を要体として備え、当該結え補助具における各連結部には前後左右の結え紐状部がその基端を同連結部に分離不能に止着された状態で設けられていることを特徴とする。
【0010】
したがって、請求項2に係る結え具によれば、前記要領を行う場合には、手持の紐材を不要にでき、結え紐状部を結え補助具に連結する作業を省略できる。
【0011】
また、請求項3に係る結え具は、請求項1記載の結え補助具を要体として備え、当該結え補助具における各連結部には前後左右の結え紐状部がその基端を同連結部に着脱可能に止着された状態で設けられていることを特徴とする。
【0012】
したがって、請求項3に係る結え具によれば、手持の紐材を不要にできる。しかも結え補助具と前後左右の結え紐状部とを別生産、別管理ができ、嵩張らない状態の包装で提供できる。また、長い紐材と短い紐材もしくは異なる素材からなる多種類の紐材を用意しておき、任意に付け替えて使用するような構成にすることができるのみならず、サイズが異なる被結え物が混在しているような場合には長い紐材と短い紐材を適宜交換して対応できる便利さがある。
【0013】
さらに、請求項4に係る結え具は、前記着脱可能の構成が、結え紐状部を挿し通して結び止める孔であることを特徴とする。
【0014】
したがって、請求項4に係る結え具によれば、結え補助具に対する結え紐状部の連結が不慣れな者でも単純な作業で容易にできる。
【0015】
また、請求項5に係る結え具は、前記着脱可能の構成が、結え紐状部の端部を二つ折りにして掛け止める掛杆状部と当該二つ折り部を二つ折り状態に保持する保持体を結え補助具に設けることで形成されていることを特徴とする。
【0016】
したがって、請求項5に係る結え具によれば、結え補助具に対する結え紐状部の連結が結え紐状部の端部を二つ折りにして掛け止める作業及び保持体で保持する作業により容易にできる。
【0017】
さらに、請求項6に係る結え具は、前後の結え紐状部の先端部同士が締め上げ状態で連結しうるようにされ且つ左右の結え紐状部の先端部同士が締め上げ状態で連結しうるようにされていることを特徴とする。
【0018】
したがって、請求項6に係る結え具によれば、前後の結え紐状部の先端部同士の連結及び左右の結え紐状部の先端部同士の連結が締め上げ操作により容易にでき、上記手の持ち替え等による弛みを解消できる。
【0019】
また、請求項7に係る結え具は、前後の結え紐状部の先端部同士が結び止めにより連結しうるようにされ且つ左右の結え紐状部の先端部同士が結び止めにより連結しうるようにされていることを特徴とする。
【0020】
したがって、請求項7に係る結え具によれば、前後の結え紐状部の先端部同士の連結及び左右の結え紐状部の先端部同士の連結が工具等を使用しない結び止め操作により容易にできる。
【0021】
また、請求項8に係る結え具は、請求項1に係る結え補助具の一対が下側用の要体及び上側用の要体として構成され、これら下側の結え補助具、上側の結え補助具には前後左右の結え紐状部の基端部及び先端部の連結部が設けられ、基端部の連結部、先端部の連結部の一方若しくは両方が当該各結え紐状部の締め上げ状態で固定する構造にされていることを特徴とする。
【0022】
したがって、請求項8に係る結え具によれば、図7〜図11に示すように、被結え物の上下両面に前記下側結え補助具、上側結え補助具が形成する上下一対の菱形の形状部分を形成した結え状態で当該被結え物を束ねることが可能になるから、より平均した締付力でより強い結え状態を得ることがより確実にできる。特に前記した対角線を長くする作業の一回を行うことで上下両面において対角線が短くなる変化動作を得ることが上下両方から可能になるから頗る効率よく締付作業ができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る結え補助具及び結え具によれば、被結え物を左右方向の結え力及び前後方向を結え力により、すなわち前後左右の四方から平均した締付力により強く結えることができ且つ当該被結え物を結える作業を能率よく簡単容易にできる。しかも、前後方向・左右方向の締付が所謂二段締め方式で容易且つ強く行うことができるメリットがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1及び図2は、本発明の第1実施の形態に係る結え補助具1を示す。この第1実施の形態に係る結え補助具1は、単体で袋詰若しくは箱詰にした状態にしたり、後述する結え紐状体とセットで袋詰若しくは箱詰にしたりした形態により提供される。なお、図1は全体を示す平面図であり、図2は使用例を示す斜視図である。
【0025】
この第1実施の形態に係る結え補助具1は、非伸縮性素材により構成され、無端環状を呈し且つ結え状態にされた時には前後左右方向の締付力により四辺形(菱形)を呈しうるようにされると共に当該四辺形の四隅の角形成個所に結え紐状体2a、2b、2c、2dの連結部3a、3b、3c、3dが設けられている。なお、この第1実施の形態に係る結え補助具1は、前記非伸縮性素材として合成樹脂素材による成形により構成されているが、麻紐等天然素材、化学繊維素材、紙素材、金属素材、合成皮革素材、天然皮材、その他を用いて構成することができる。また、無端環状部は、外力を受けない時には細長い無端環状を呈して包装等のときには嵩張らないようにしてある。また、無端環状は、上記素材の両端を結ぶ、接合する、連結部品等で連結する等で形成する。さらに、無端環状の径の大小を任意に調節しうる構成にすることができる。
【0026】
前記の第1実施の形態に係る結え補助具1は、例えば図2に示すように、その左右各端部及び前後各長辺の中間部にユーザーが手持の麻紐、荷作り用合成樹脂平紐、荷作り用合成樹脂丸紐等紐材を前後左右の結え紐状体2a、2b、2c、2dとして連結部3a、3b、3c、3dに連結してから、全体をたとえば床の上若しくは卓上(図示せず)に前後左右の結え紐状体2a、2b、2c、2dを伸展状態にして置くと共にその上に被結え物4を載せ置き、然るのち、先ず左右の結え紐状体2c、2dの先端部分を被結え物4の上面に掛け廻して強く結え止め、次いで前後の結え紐状体2a、2bの先端部分を被結え物4の上面に掛け廻してさらに強く結え止める要領で使用される。
【0027】
したがって、前記のような要領で使用した場合にあって、左右方向の結え力よりも強い前後方向の結え力で結えることをすれば、当該前後方向の結え力により、第1実施の形態に係る結え補助具1が形成する菱形の形状部分5の前後方向の対角線が長くされると同時にこれに連動して左右方向の対角線が短く変化するように動作することになるから、結果として被結え物4は、左右方向の結え力及び前後方向を結え力により、すなわち前後左右四方から平均した二段締めの締付力により強く結えることができる。
【0028】
前記連結部3a、3b、3c、3dは、四隅各角形成個所に凸状部6を一体に設け且つ当該凸状部6に孔7を設けることにより構成され、この連結部3a、3b、3c、3dには結え紐状体2a、2b、2c、2dの端部を前記孔7に通して結着する等により当該結え紐状体2a、2b、2c、2dを連結するようにされている。
【0029】
図3〜図5は、本発明の第2実施の形態に係る結え具9を示す。なお、図3は全体を示す平面図であり、図4及び図5は使用手順を示す斜視図である。
【0030】
この第2実施の形態に係る結え具9は、前記第1実施の形態に係る結え補助具1を一体に要体として含むものであって、当該結え補助具1における連結部3a、3b、3c、3dの外側に当該結え補助具1と一体の成形により折曲自在な前後左右の結え紐状部10a、10b、10c、10dが設けられると共に前側及び右側の結え紐状部10a、10dの先端に後側及び右側結え紐状部10b、10dの先端部を二つ折りにして掛け止める掛杆状部11a、11cと当該二つ折り部12a、12cを二つ折り状態に保持する保持体13a、13cを設けているものである。
【0031】
前記保持体13a、13cは、図にはその詳細を示していないが、その内面が外方に向かって広くなるテーパーにされていて、当該保持体13a、13cが前側及び左側の結え紐状部10a、10cの先端に近付く方向に引出されたときには、くさび効果により保持機能を果たし引戻されたときに速やかに移動して保持機能を解消するようにしてある。
【0032】
この第2実施の形態に係る結え具9は、図4に示すように、全体をたとえば床の上若しくは卓上(図示せず)に前後左右の結え紐状部10a、10b、10c、10dを伸展状態にして置くと共にその上に被結え物(古新聞)14を重ねて載せ置き、然るのち、図5に示すように、先ず左右の結え紐状体10c、10dの先端部分を被結え物14の上面に掛け廻して右側結え紐状部10dの先端部を左側結え紐状部10cの掛杆状部11cに掛け止めて二つ折りにしてから、保持体13cを引出して二つ折り状態に保持することにより左右方向の結え止めを行い、次いで前後の結え紐状体10a、10bの先端部分を被結え物14の上面に掛け廻して後側結え紐状部10bの先端部を前側結え紐状部10aの掛杆状部11aに掛け止めて二つ折りにしてから、保持体13aを引出して二つ折り状態に保持することにより前後方向の結え止めを行う要領で使用される。
【0033】
図6〜図11は、本発明の第3実施の形態に係る結え具16を示す。
【0034】
この第3実施の形態に係る結え具16は、前記第2実施の形態に係る結え具9の一対を下側結え具17aと上側結え具17bとして構成され、図6に示すように下側結え具17aの上に被結え物18を載せ置いたのち図7に示すように当該被結え物18の上に上側結え具17bを配すると共に下側結え具17aと上側結え具17bにおける掛杆状部11a、11b、11c、11dに結え紐状部10a、10b、10c、10dの先端部を掛け止めて二つ折りにしてから保持体13a、13b、13c、13dを引出して二つ折り状態に保持することにより左右方向の結え止め(図8、図9に示す順に行う)及び前後方向の結え止め(図10、図11の順に行う参照)を行う要領で使用される。
【0035】
図12及び図13は、本発明の第4実施の形態に係る結え具を示す。
【0036】
この第4実施の形態に係る結え具は、図12及び図13により明らかなように、持ち運びを容易にするために上側結え具17bに提げ手20を一体に設けたものであり、その他は、前記第3実施の形態に係る結え具16と同様であるから、同一の符号を付して説明は省略する。
【0037】
図14及び図15は、本発明の第5実施の形態に係る結え具21を示す。
【0038】
この第5実施の形態に係る結え具21は、前記第4実施の形態に係る結え具と同様に提げ手20を有するものであり、前後左右の結え紐状部10a、10b、10c、10dを設けずにその代わりに手持の荷造り紐22を使うようにしたものである。当該荷造り紐22の両端は、前記した説明と同様の保持体13a、13b、13c、13dを利用して連結する構成にしてあるものである。
【0039】
図16及び図17は、本発明の第6実施の形態に係る結え具23を示す。
【0040】
この第6実施の形態に係る結え具23は、前記第4実施の形態に係る結え具と同様に提げ手20を有するものであり、前記前後左右の結え紐状部10a、10b、10c、10dを設けずにその代わりに手持の荷造り紐を切ることで用意した前後左右用の荷造り紐24a、24b、24c、24dを使うようにしたものである。前後左右に設けた孔25a、25b、25c、25dを利用して例えば図17に示すように結える等の要領で使用する。
【0041】
すなわち、第6実施の形態に係る結え具23は、各荷造り紐24a、24b、24c、24dの一端を前記各孔25a、25b、25c、25dに結んで連結したのち全体を床の上若しくは卓上(図示せず)に伸展状態にして置いてその上に被結え物26を載せ置き、然るのち、左右用の荷造り紐24c、24dの先端部を被結え物26の上で引き絞ってから結び、次いで、前後用の荷造り紐24a、24bの先端部を被結え物26の上で引き絞って結んでから、全体を上下反転して提げ手20を上にして持ち運ぶようにしたものである。なお、この場合、前記提げ手20は、前後用の荷造り紐24a、24bの引き絞りにより自動的に所謂立上がった状態になるから、手が掛け易く握り持ち易い。
【0042】
図18及び図19は、本発明の第7実施の形態に係る結え具27を示す。
【0043】
この第7実施の形態に係る結え具27は、前記結え補助具1の変種であって、非伸縮性素材により構成され、無端環状を呈し且つ結え状態にされた時には前後左右方向の締付力により四辺形(菱形)を呈しうるようにされると共に当該四辺形の四隅各角形成個所に掛外しタイプの連結部28a、28b、28c、28dが設けられている。
【0044】
前記連結部28a、28b、28c、28dは、四辺形(菱形)形成部29の四隅各角形成個所に移動可能に短管30を被せ、この短管30に補長紐31を介して開閉部32を有するカラビナ状の掛外具33a、33b、33c、33dを設けた構成にしてある。補長紐31は、四辺形(菱形)形成部29の各角形成個所に固定状態にして設けてもよい。
【0045】
すなわち、第7実施の形態に係る結え具27は、先ずユーザーが手持の荷造り用紐等を切って前後方向結え用紐状体34a及び左右方向結え用紐状体34bを予め用意すると共に当該第7実施の形態に係る結え具27を床の上若しくは卓上(図示せず)に伸展状態にして置いてその上に被結え物(古新聞)35を載せ置く。この場合、図18に示すようにカラビナ状の掛外具33a、33b、33c、33dは、被結え物(古新聞)35の底面より外に出た長さで四辺形(菱形)形成部29の位置を予知し決定しうるから位置決めし易い。然るのち、先ず被結え物(古新聞)35の上に前後方向結え用紐状体34aの中央個所を載せた状態にして同前後方向結え用紐状体34aの両端寄り個所を前記前後の掛外具33a、33bに引掛けると共に前後方向結え用紐状体34aの両端部を強く引き絞ってから当該両端部を被結え物35の上で結び止めることにより当該被結え物35の前後方向を強く結える。この場合、四辺形部分は形成されない。次いで、同様に被結え物(古新聞)35の上に左右方向結え用紐状体34bの中央個所を載せた状態にして同前後方向結え用紐状体34bの両端寄り個所を前記左右の掛外具33c、33dに引掛けると共に同左右方向結え用紐状体34bの両端部を強く引き絞ってから当該両端部を被結え物35の上で結び止めることにより当該被結え物35の左右方向を結える要領で使用できる。
【0046】
このようにすると、図19に示すように、被結え物35の下面には緊張状態の四辺形の形成部29ができ且つ被結え物35の上面では前後方向結え用紐状体34aも左右方向結え用紐状体34bも行戻りの所謂二重回し掛けの結び状態にすることができるから、結果として、四辺形の形成部29ができることにより強く結えられ且つ行戻りの二重回し掛け状態部ができることにより一重回し掛けの場合よりも手の持ち替え等のよる弛みが生じ難い状態で結えることができ、しかも行戻りの二重回し掛けの結び状態は弛みが生じにくいから締め直して結ぶ等のことが容易にできることになる。また、四辺形の形成部29が形成される過程では、左右方向結え用紐状体34bの結え操作により前後方向結え用紐状体34aの結え部が縮径されることになるから、当該前後方向結え用紐状体34aの結え力が二段締めの締付力で強化される。
【0047】
図20(a)(b)は、本発明の第8、第9実施の形態に係る提げ手無し結え具39、提げ手付き結え具40を示す。
【0048】
これら第8、第9実施の形態に係る結え具39、40は、連結部41a、41b、41c、41dに工夫を施したものであって、同部にコの字状の孔42を設けた結え紐43の引掛け部44を設け且つ当該引掛け部44の先端の両側に張出し部45a、45bを設けて結え紐43を外れ難くしたものである。
【0049】
図21及び図22は、紐状体47の連結孔48を有する下側結え具49と連結孔無しの上側結え具50からなる本発明の第10実施の形態に係る結え具51を示す。なお、詳細な構成については、図から及び前記の実施の形態に係る結え具から容易に理解できるからここでは省略する。
【0050】
すなわち、この第10実施の形態に係る結え具51は、多連構造のものであって、図22に示すような長めの被結え物52を結えるのに都合がよい構成にしたものである。
【0051】
図23及び図24は、第11実施の形態を示すものであって、結え補助具すなわち連結部54を備えた菱形の形状部分55と、連結部54に基端が連結され先端にバックル部56をもつ前後左右の結え紐状体57a、57b、57c、57dから構成された結え具58を主要部として備えたスーツケース等鞄59の締め具60を示す。
【0052】
図25は、第12実施の形態を示すものであって、結え補助具すなわち連結部61を備えた菱形の形状部分62と、連結部61に基端が連結され先端にバックル部62をもつ長さ調節部(図中省略)付き前後左右の結え紐状体63a、63b、63c、63dから構成された結え具64を下側主要部として備え、結え補助具すなわち連結部65を備えた菱形の形状部分66から構成された結え補助具67を上側主要部として備えたスーツケース等鞄68の締め具69を示す。
【0053】
図26は、第13実施の形態を示すものであって、結え補助具すなわち連結部70を備えた菱形の形状部分71a、71bと、連結部70に基端が連結され先端にバックル72をもつ前後左右の結え紐状体73a、73b、73c、73dから構成された結え具74を主要部として備えたブックバンド75を示す。なお、76は手提げ部を示す。
【0054】
なお、上記第11〜13実施の形態詳細な構成については、図から及び前記の実施の形態に係る結え具から容易に理解できるからここでは省略する。
【0055】
以上、図に示す実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明の精神を逸脱しない範囲において、分別廃棄処分(ごみ出し)の規定に適合する材料、生分解性合成樹脂材料、燃焼廃棄時に有害ガスを出さない材料、環境ホルモンによる社会的問題を惹起しない材料等を以て実施したり、連結部を銜え止め構造や単に引掛ける構造にしたり、四辺形の形成部の径を被結え物のサイズに適合する状態に可変部により可変しうる構成にしたり、弁当箱、中身入り包装用箱、その他にマッチするサイズやデザインにしたりする等のように、種々の実施が可能であって、本発明はこれ等にも及ぶものである。
【0056】
また、本発明は、上記したように、前後左右四方の紐状部を平均した力で締め付けるのに使用される構成のものであるから、前後左右四方の紐状部を締め付けるのに使用される締付用補助具や、当該締付用補助具を備えた締付具、当該締付用補助具を備えた締付部分をもつ製品としても提供できるものであり、これ等にも及ぶものである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1実施の形態を示す平面図である。
【図2】同じく使用例を示す斜視図である。
【図3】本発明の第2実施の形態に係る結え具を示す平面図である。
【図4】使用例の途中状態を示す斜視図である。
【図5】使用例を示す斜視図である。
【図6】本発明の第3実施の形態に係る結え具を示す斜視図である。
【図7】同じく使用例の途中状態を示す斜視図である。
【図8】同じく使用例の途中状態を示す斜視図である。
【図9】同じく使用例の途中状態を示す斜視図である。
【図10】同じく使用例の途中状態を示す斜視図である。
【図11】同じく使用例を示す斜視図である。
【図12】本発明の第4実施の形態を示す斜視図である。
【図13】同じく使用例を示す斜視図である。
【図14】本発明の第5実施の形態を示す平面図である。
【図15】同じく使用例を示す斜視図である。
【図16】本発明の第6実施の形態を示す平面図である。
【図17】同じく使用例を示す斜視図である。
【図18】本発明の第7実施の形態を示す平面図である。
【図19】同じく使用例を示す斜視図である。
【図20】(a)は本発明の第8実施の形態を示す平面図であり、(b)は第9実施の形態を示す平面図である。
【図21】本発明の第10実施の形態を示す平面図である。
【図22】同じく使用例を示す斜視図である。
【図23】本発明の第11実施の形態を使用途中例で示す斜視図である。
【図24】同じく使用例を示す斜視図である。
【図25】本発明の第12実施の形態を使用途中例で示す斜視図である。
【図26】本発明の第13実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0058】
1 第1実施の形態に係る結え補助具
2a〜2d、10a〜10d、34a、34b、57a〜57d、63a〜63d 結え紐状体
3a〜3d、28a〜28d、41〜41d、54、61、70 連結部
4、14、18、35、52 被結え物
5、29、55 菱形の形状部分
6 凸状部
7、25a〜25d 孔
9 第2実施の形態に係る結え具
11a、11c 掛杆状部
12a、12c 二つ折り部
13a〜13d 保持体
16 第3実施の形態に係る結え具
17a、49 下側結え具
17b、50 上側結え具
20 提げ手
21 本発明の第5実施の形態に係る結え具
22、24a〜24d 荷造り紐
23 本発明の第6実施の形態に係る結え具
27 本発明の第7実施の形態に係る結え具
30 短管
31 補長紐
33a〜33d 掛外具
39 提げ手無し結え具
40 提げ手付き結え具
43 結え紐
44 引掛け部、
45a、45b 張出し部
47 紐状体
48 連結孔
51 第10実施の形態に係る結え具
56、62、72 バックル
59、68 スーツケース等鞄
58、74 結え具
60 締め具
67 結え補助具
69 締め具
75 ブックバンド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非伸縮性素材により構成され、無端環状を呈し且つ結え使用の状態にされた時には前後左右方向の締付力により四辺形を呈しうるようにされると共に当該四辺形の角形成個所に結え紐状体の連結部が設けられていることを特徴とする結え補助具。
【請求項2】
請求項1に係る結え補助具を要体として備え、この結え補助具と、当該結え補助具における各連結部に基端が分離不能に止着された前後左右の結え紐状部とにより構成されていることを特徴とする結え具。
【請求項3】
請求項1に係る結え補助具を要体とし、この結え補助具と、当該結え補助具における各連結部に基端が着脱可能に止着された前後左右の結え紐状部とにより構成されていることを特徴とする結え具。
【請求項4】
前記連結部が、結え紐状部を引掛け止める引掛部であることを特徴とする請求項1又は3に記載の結え具。
【請求項5】
前記連結部が、結え紐状部を止める孔若しくは輪の紐通し部であることを特徴とする請求項1又は3記載の結え具。
【請求項6】
前記連結部が、結え紐状部の端部を二つ折りにして掛け止める掛杆状部と当該二つ折り部を二つ折り状態に保持する保持体を設けることで形成されていることを特徴とする請求項1又は3記載の結え具。
【請求項7】
前後の結え紐状部の先端部同士が締め上げ状態で連結しうるようにされ且つ左右の結え紐状部の先端部同士が締め上げ状態で連結しうるようにされていることを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項記載の結え具。
【請求項8】
請求項1に係る結え補助具の一対が下側用の要体およびと上側用の要体として備え、これら下側の結え補助具、上側の結え補助具には前後左右の結え紐状部の基端部及び先端部の連結部が設けられ、基端部の連結部、先端部の連結部の一方若しくは両方が当該結え紐状部の締め上げ状態で固定する構造にされていることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項記載の結え具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2008−24323(P2008−24323A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−197363(P2006−197363)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【出願人】(398076010)
【Fターム(参考)】