説明

結晶化ガラス成形体の製造方法及び結晶化ガラス成形体

【課題】少なくとも一部が凹状または凸状に形成されている板状の結晶化ガラス成形体の製造方法であって、高い形状精度を有し、かつ高い均一性で結晶化している結晶化ガラス成形体を製造し得る方法を提供する。
【解決手段】結晶性ガラス板2を用意する。結晶性ガラス板2の少なくとも一部2Aにバーナー11の炎を直接当てることにより結晶性ガラス板2の少なくとも一部2Aを加熱する。結晶性ガラス板2の加熱部2Aをプレスにより凹状または凸状に成形する。少なくとも一部2Aが凹状または凸状に成形された結晶性ガラス板2を熱処理することにより結晶化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶化ガラス成形体の製造方法及び結晶化ガラス成形体に関する。特に、本発明は、調理器用トッププレートなどの、少なくとも一部が凹状または凸状に形成されている板状の結晶化ガラス成形体を加熱プレスにより製造する方法及びその方法により製造された結晶化ガラス成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、調理器用トッププレートなどの高い耐熱性が要求される用途において、非平面状の結晶化ガラス成形体が求められている。例えば下記の特許文献1には、調理器用トッププレート用の結晶化ガラス成形体として、球面状に形成された結晶化ガラス成形体が開示されている。また、特許文献1には、非平面状の結晶化ガラス成形体の製造方法として、結晶性ガラスプリフォームを加熱プレスすることにより、所定の形状に成形した後に、熱処理により結晶化させる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−302376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
確かに、非結晶性のガラスプリフォームの成形方法として、加熱プレス成形方法は非常に有用である。しかしながら、結晶性ガラスプリフォームは、例えば軟化点以上の成形可能な温度で保持していると、結晶化が進行してしまう。このため、加熱炉内で結晶性ガラスプリフォームを成形可能温度にまで加熱し、その後プレス成形する場合、加熱工程またはプレス工程において失透が発生し、高い形状精度での成形が困難となったり、不均一に結晶化し、十分に高い機械的強度の結晶化ガラス成形体が得られなかったりする場合がある。
【0005】
本発明は、係る点に鑑みてなされたものであり、その目的は、少なくとも一部が凹状または凸状に形成されている板状の結晶化ガラス成形体の製造方法であって、高い形状精度を有し、かつ高い均一性で結晶化している結晶化ガラス成形体を製造し得る方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る結晶化ガラス成形体の製造方法は、少なくとも一部が凹状または凸状に形成されている板状の結晶化ガラス成形体の製造方法に関する。本発明に係る結晶化ガラス成形体の製造方法では、結晶性ガラス板を用意する。結晶性ガラス板の少なくとも一部にバーナーの炎を直接当てることにより結晶性ガラス板の少なくとも一部を加熱する。結晶性ガラス板の加熱部をプレスにより凹状または凸状に成形する。少なくとも一部が凹状または凸状に成形された結晶性ガラス板を熱処理することにより結晶化させる。
【0007】
本発明に係る結晶化ガラス成形体の製造方法では、プレスに際して、バーナーの炎を結晶性ガラス板に直接当てることにより、結晶性ガラス板の少なくとも一部を加熱する。このため、結晶性ガラス板を短時間のうちにプレス可能な温度にまで上昇させることができる。このため、加熱工程及びプレス工程において、結晶性ガラス板に失透が生じることにより、プレス成形精度が低下したり、結晶性ガラス板が不均一に結晶化し、得られる結晶化ガラス成形体の機械的強度が低くなったりすることを効果的に抑制することができる。従って、本発明に係る結晶化ガラス成形体の製造方法によれば、高い形状精度を有し、かつ高い均一性で結晶化している結晶化ガラス成形体を製造し得る。
【0008】
なお、本発明において、「結晶性ガラス板」とは、熱処理により結晶化し、結晶化ガラス板となり得るガラス板のことをいう。
【0009】
本発明に係る結晶化ガラス成形体の製造方法では、バーナーを移動させてバーナーの炎を結晶性ガラス板の少なくとも一部に直接当てることにより結晶性ガラス板の少なくとも一部を加熱することが好ましい。例えば、結晶性ガラス板のうち、加熱しようとする部分の面積が大きい場合は、例えばマトリクス状に配列された複数のバーナーを用いて結晶性ガラス板を加熱することも考えられる。しかしながら、その場合は、複数のバーナーのうち、内側に位置しているバーナーに対して酸素やガスを好適に供給することが困難である。従って、バーナーによって火力が異なりやすく、その結果、結晶性ガラス板を均一に加熱しにくい。結晶性ガラス板が不均一に加熱されると、結晶性ガラス板にクラックや割れが生じたりする虞もある。
【0010】
それに対して、バーナーを移動させて結晶性ガラス板の加熱しようとする部分を加熱する場合は、バーナーをマトリクス状に配置する必要が必ずしもない。例えば、ひとつのバーナーで加熱を行うことも可能であるし、直線状に配列された複数のバーナーにより加熱することも可能である。よって、上記のようなバーナー間の火力ムラが生じ難い。従って、結晶性ガラス板を均一に加熱することができる。その結果、高い形状精度で結晶性ガラス板を成形できると共に、結晶性ガラス板に割れや欠けが生じることを効果的に抑制することができる。
【0011】
本発明に係る結晶化ガラス成形体の製造方法では、結晶性ガラス板上を、バーナーを第1の方向に沿って往復変位させることによりバーナーの炎を結晶性ガラス板の少なくとも一部に直接当て、バーナーを結晶性ガラス板の少なくとも一部の第1の方向に沿った両端部で一旦停止させることが好ましい。
【0012】
例えば、バーナーを第1の方向に沿って往復変位させた場合、結晶性ガラス板の加熱しようとする部分の第1の方向に沿った両端部の加熱時間が短くなる。よって、結晶性ガラス板の加熱しようとする部分の第1の方向に沿った両端部の温度が、第1の方向の中央部の温度よりも低くなってしまう。従って、結晶性ガラス板の加熱しようとする部分に温度むらが生じ、例えば、プレス工程などにおいて、比較的温度が低い、第1の方向に沿った両端部に割れや欠けが生じやすくなる。
【0013】
それに対して、バーナーを結晶性ガラス板の少なくとも一部の第1の方向に沿った両端部で一旦停止させた場合は、結晶性ガラス板の加熱しようとする部分の第1の方向に沿った両端部の温度が中央部の温度よりも低くなり難い。従って、例えば、プレス工程などにおいて、第1の方向に沿った両端部に割れや欠けが生じ難い。また、より高い形状精度で結晶性ガラス板を成形することができるため、より高い形状精度の結晶化ガラス成形体を製造することが可能となる。
【0014】
本発明に係る結晶化ガラス成形体の製造方法では、結晶性ガラス板の少なくとも一部の両表面にバーナーの炎を直接当てることにより結晶性ガラス板の少なくとも一部を加熱することが好ましい。この場合、結晶性ガラス板の加熱しようとする部分をより均一に加熱することができる。従って、さらに高い形状精度の結晶化ガラス成形体を製造することが可能となる。
【0015】
本発明に係る結晶化ガラス成形体の製造方法では、バーナーが第1の方向に垂直な第2の方向に沿って直線状に複数配列された加熱手段を第1の方向に沿って変位させることにより、結晶性ガラス板のプレスにより変形させようとする部分を含む第2の方向の一方側端部から他方側端部にわたる第1の領域を加熱し、当該加熱工程において、第1の領域の第2の方向の一方側端面と他方側端面との両方に炎が接触するように加熱手段を配置した状態で第1の方向に沿って変位させることが好ましい。この場合、第1の領域の第2の方向の一方側端面と他方側端面とが炎により直接あぶられる。その結果、第1の領域の両端面に微少なクラックなどが存在していた場合においても、この加熱工程において、クラックが修復される。従って、両端面に微少なクラックが存在している場合であっても、結晶性ガラス板に割れや欠けなどが生じにくい。
【0016】
本発明に係る結晶化ガラス成形体の製造方法では、第1の領域を加熱した後に、第1の領域のプレスにより変形させようとする部分を除く領域の少なくとも一部を覆うように遮蔽板を配置した状態でバーナーにより第1の領域をさらに加熱する。このようにすることにより、結晶性ガラス板の成形しようとする部分を成形可能な温度にまで加熱しつつ、それ以外の部分の温度が高くなり過ぎ、変形してしまうことを抑制することができる。従って、より高い形状精度で結晶化ガラス成形体を製造することができる。
【0017】
本発明に係る結晶化ガラス成形体は、上記本発明に係る結晶化ガラス成形体の製造方法により製造されたものである。従って、本発明に係る結晶化ガラス成形体は、高い形状精度を有している。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、少なくとも一部が凹状または凸状に形成されている板状の結晶化ガラス成形体の製造方法であって、高い形状精度を有し、かつ高い均一性で結晶化している結晶化ガラス成形体を製造し得る方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態において製造される調理器用トッププレートの略図的平面図である。
【図2】図1の線II−IIにおける略図的断面図である。
【図3】本発明の一実施形態における調理器用トッププレートの製造工程を説明するための模式的断面図である。
【図4】本発明の一実施形態における調理器用トッププレートの製造工程を説明するための模式的平面図である。
【図5】図4の線V−Vにおける略図的断面図である。
【図6】本発明の一実施形態における調理器用トッププレートの製造工程を説明するための模式的平面図である。
【図7】本発明の一実施形態における調理器用トッププレートの製造工程を表すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は単なる一例である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
【0021】
図1は、本実施形態において製造される調理器用トッププレートの略図的平面図である。図2は、図1の線II−IIにおける略図的断面図である。
【0022】
まず、図1及び図2を参照しながら、本実施形態において製造される、調理器用トッププレート1について説明する。調理器用トッププレート1は、板状の結晶化ガラス成形体により構成されている。調理器用トッププレート1を構成する結晶化ガラスの種類は、調理器用トッププレート1の要求特性などに応じて適宜選択することができる。調理器用トッププレート1は、例えば、β−スポジュメン固溶体やβ−石英固溶体を主結晶とする結晶化ガラスからなるものであってもよい。
【0023】
調理器用トッププレート1の少なくとも一部は、凹状または凸状に形成されている。具体的には、本実施形態では、調理器用トッププレート1の一部が凹状に形成されている。すなわち、調理器用トッププレート1は、平板部1aと、凹部1bとを有する。
【0024】
平板部1aの厚みt0と、凹部1bの厚みt1とは等しい。ここで、平板部1aの厚みt0と、凹部1bの厚みt1とが等しいことには、t0とt1とが完全に等しい場合のみならず、t1がt0の0.9倍〜1.1倍の範囲内である場合が含まれるものとする。
【0025】
具体的には、平板部1aの厚みt0は、例えば、2mm〜8mmの範囲内にあることが好ましく、3mm〜5mmの範囲内にあることがより好ましい。
【0026】
本実施形態において、凹部1bの平面形状は、円形である。凹部1bの直径L(図1を参照)に対する深さD(図2を参照)の比(D/L)は、0.02〜0.5の範囲内であることが好ましく、0.02〜0.2の範囲内にあることがより好ましい。また、厚みt1に対する深さDの比(D/t1)は、2〜30の範囲内にあることが好ましく、2〜15の範囲内にあることがより好ましい。
【0027】
次に、調理器用トッププレート1の製造方法について、図3〜図7を参照しながら説明する。まず、図3及び図4に示す平板状の結晶性ガラス板2を用意する。結晶性ガラス板2の種類は、製造しようとする調理器用トッププレート1の結晶化ガラスの種類に応じて適宜選択することができる。
【0028】
次に、結晶性ガラス板2のうちの、変形させようとする被成形部2Aにバーナー11の炎12を直接当てることにより被成形部2A(図4を参照)を加熱する。具体的には、本実施形態では、被成形部2Aの加熱には、図3に示す加熱手段10a、10bを用いる。加熱手段10aは、結晶性ガラス板2の一方側に配置されている一方、加熱手段10bは、結晶性ガラス板2の他方側に配置されている。これら加熱手段10a、10bによって、結晶性ガラス板2の両面が加熱される。
【0029】
加熱手段10a、10bは、y方向に沿って直線状に配列された複数のバーナー11を有する。加熱手段10a、10bのそれぞれにおいて、複数のバーナー11のうちy方向のy1側端部位置しているバーナー11a及びy2側端部に位置しているバーナー11bは、結晶性ガラス板2のy方向における端部2a、2bの上に位置している。従って、図5に示すように、バーナー11a、11bの炎12は、端部2a、2bの端面に当たる。
【0030】
本実施形態では、上記加熱手段10a、10bをy方向に垂直なx方向に沿って変位させる。具体的には、図3及び図4に示すように、加熱手段10a、10bをx方向に沿って、AからAの間で往復変位させることにより、変形させようとする被成形部2Aを含むy方向のy1側端部からy2側端部にわたる領域Aの両表面及び両端面を加熱する。この加熱は、領域Aの両端面のクラックが修復される程度にまで領域Aが軟化するまで行われる。
【0031】
より詳細には、図7に示すように、まずは、加熱手段10a、10bをAからAへと一定速度で変位させた後に、Aにおいて一旦停止させる。その後、再度、AからAへと一定速度で変位させた後に、Aにおいて一旦停止させる。これを複数回繰り返す。すなわち、加熱手段10a、10bをAとAとにおいて一旦停止させながらAとAとの間を複数回にわたって往復変位させる。その後、図6に示すように、結晶性ガラス板2のうちの被成形部2A及びその周辺を除く領域の両表面を覆うように、遮蔽板20を配置する。そして、遮蔽板20の上から、加熱手段10a、10bにより被成形部2Aをさらに加熱する。この被成形部2Aの加熱は、被成形部2Aがガラス転移点〜ガラス転移点よりも100℃高い温度程度の成形可能温度になるまで続けられる。
【0032】
次に、一対の成形型を用いて、結晶性ガラス板2の被成形部2Aをプレスにより凹状に成形する。これにより、結晶性ガラス板2の形状が、実質的に調理器用トッププレート1と等しい形状となる。
【0033】
次に、その成形された結晶性ガラス板2を熱処理することにより結晶化させる。これにより、調理器用トッププレート1を完成させることができる。なお、この結晶化工程は、加熱雰囲気において間接加熱により行うことが好ましい。
【0034】
以上説明したように、本実施形態では、プレスに際して、バーナー11の炎12を結晶性ガラス板2に直接当てることにより、結晶性ガラス板2の被成形部2Aを加熱する。このため、被成形部2Aを、例えば数分程度といった短時間のうちにプレス可能な温度にまで上昇させることができる。よって、加熱工程及びプレス工程において、結晶性ガラス板2に失透が生じることにより、プレス成形精度が低下したり、結晶性ガラス板2が不均一に結晶化し、得られる調理器用トッププレート1の機械的強度が低くなったりすることを効果的に抑制することができる。従って、高い形状精度を有し、かつ高い均一性で結晶化している調理器用トッププレート1を製造することができる。
【0035】
また、本実施形態では、複数のバーナー11は、直線状に配列されている。このため、複数のバーナー11に対して、酸素やガスを均一に供給することができる。よって、バーナー11間の火力ばらつきを小さくすることができる。従って、結晶性ガラス板2の被成形部2Aを均一に加熱することができる。その結果、高い形状精度で結晶性ガラス板2を成形できると共に、結晶性ガラス板2に割れや欠けが生じることを効果的に抑制することができる。
【0036】
さらに、本実施形態では、被成形部2Aの加熱工程において、バーナー11a、11bの炎12が被成形部2Aの端部2a、2bの端面に当たる。これにより、端部2a、2bに、端面から延びるクラックが存在している場合であっても、クラックが修復される。従って、結晶性ガラス板2に割れや欠けが生じることをより効果的に抑制することができる。
【0037】
また、本実施形態では、A、Aにおいて加熱手段10a、10bを一旦停止させる。このため、領域Aのx方向における端部の温度と、中央部の温度との差を小さくすることができる。従って、例えば、プレス工程などにおいて、結晶性ガラス板2に割れや欠けが生じることを効果的に抑制することができる。また、より高い形状精度で結晶性ガラス板2を成形することができるため、より高い形状精度の調理器用トッププレート1を製造することが可能となる。
【0038】
また、本実施形態では、被成形部2Aの両表面に対して炎12を当てる。従って、結晶性ガラス板2の被成形部2Aをより均一に加熱することができる。従って、さらに高い形状精度の調理器用トッププレート1を製造することが可能となる。
【0039】
また、本実施形態では、遮蔽板20により、プレス成形時に特に高い温度とした部分以外を遮蔽した状態でさらなる加熱を行う。従って、被成形部2A以外の部分の温度が高くなり過ぎ、変形してしまうことを抑制することができる。従って、より高い形状精度で調理器用トッププレート1を製造することができる。
【0040】
なお、本実施形態では、調理器用トッププレート1の一部に凹部が形成されている場合について説明した。但し、本発明に係る結晶化ガラス成形体の製造方法によれば、全体が凹状または凸状である結晶化ガラス成形体や、凹状の部分及び凸状の部分のみにより形成されており、平面部を有さない結晶化ガラス成形体も好適に製造することができる。
【符号の説明】
【0041】
1…調理器用トッププレート
1a…平板部
1b…凹部
2…結晶性ガラス板
2A…被成形部
2a、2b…端部
10a、10b…加熱手段
11、11a、11b…バーナー
12…炎
20…遮蔽板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部が凹状または凸状に形成されている板状の結晶化ガラス成形体の製造方法であって、
結晶性ガラス板を用意する工程と、
前記結晶性ガラス板の少なくとも一部にバーナーの炎を直接当てることにより前記結晶性ガラス板の少なくとも一部を加熱する工程と、
前記結晶性ガラス板の前記加熱部をプレスにより凹状または凸状に成形する工程と、
前記少なくとも一部が凹状または凸状に成形された結晶性ガラス板を熱処理することにより結晶化させる工程と、
を備える、結晶化ガラス成形体の製造方法。
【請求項2】
前記バーナーを移動させて前記バーナーの炎を前記結晶性ガラス板の少なくとも一部に直接当てることにより前記結晶性ガラス板の少なくとも一部を加熱する、請求項1に記載の結晶化ガラス成形体の製造方法。
【請求項3】
前記結晶性ガラス板上を、前記バーナーを第1の方向に沿って往復変位させることにより前記バーナーの炎を前記結晶性ガラス板の少なくとも一部に直接当て、
前記バーナーを前記結晶性ガラス板の少なくとも一部の前記第1の方向に沿った両端部で一旦停止させる、請求項2に記載の結晶化ガラス成形体の製造方法。
【請求項4】
前記結晶性ガラス板の少なくとも一部の両表面にバーナーの炎を直接当てることにより前記結晶性ガラス板の少なくとも一部を加熱する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の結晶化ガラス成形体の製造方法。
【請求項5】
前記バーナーが前記第1の方向に垂直な第2の方向に沿って直線状に複数配列された加熱手段を前記第1の方向に沿って変位させることにより、前記結晶性ガラス板のプレスにより変形させようとする部分を含む前記第2の方向の一方側端部から他方側端部にわたる第1の領域を加熱し、
当該加熱工程において、前記第1の領域の前記第2の方向の一方側端面と他方側端面との両方に炎が接触するように前記加熱手段を配置した状態で前記第1の方向に沿って変位させる、請求項3または4に記載の結晶化ガラス成形体の製造方法。
【請求項6】
前記第1の領域を加熱した後に、前記第1の領域のプレスにより変形させようとする部分を除く領域の少なくとも一部を覆うように遮蔽板を配置した状態で前記バーナーにより前記第1の領域をさらに加熱する、請求項5に記載の結晶化ガラス成形体の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の結晶化ガラス成形体の製造方法により製造された結晶化ガラス成形体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−41212(P2012−41212A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181756(P2010−181756)
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【出願人】(000232243)日本電気硝子株式会社 (1,447)
【出願人】(593046429)日電硝子加工株式会社 (13)
【Fターム(参考)】