説明

給水アタッチメント

【課題】
浄水器用の水栓を有効利用してアルカリイオン整水器などの水処理器に水を供給することができる給水アタッチメントの提供を目的とする。
【解決手段】
浄水器用の水栓本体2の吐水用接続ネジ部14に取付けられる流入口23と、
上記流入口23に連通し、水処理器に対する接続ポート34とを備えた
給水アタッチメントであることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、浄水器用の水栓本体に取付けるような給水アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般家庭等には図7に示すように浄水器専用の水栓90を有する設置型の浄水器91(浄水用カートリッジと同意)が多く用いられている。
【0003】
同図に示す浄水器用水栓システムは、開閉手段としてのコック92を有する水栓本体93を、パッキング94、ワッシャ95、ナット96を用いてシンク(いわゆる流し台)の天板97に固定し、インレットパイプ98から供給される水道水をコック92にて流量調整した後に、アウトレットパイプ99を介して浄水器91に流入し、この浄水器91にて浄化された浄化水を給水パイプ100を介して水栓本体93に供給した後に、吐水パイプとしてのスパウト101から流出させて使用に供するものである。
【0004】
ところで、近年、健康および美容によいとされるアルカリイオン整水器などの水処理器が普及されつつあり、このような水処理器を接続して使用する場合には、図7に示す浄水器専用水栓からの接続が不可能であるため、シンクに既設されている湯水混合水栓や、水処理器接続用の特別構造を備えた給水栓を用いてアルカリイオン整水器などの水処理器との接続が行なわれ、結果的に図7に示す浄水器用水栓システムが不要となっていた。
【0005】
この不要となった浄水器用水栓システムは取外すこともできるが、取外しには工事が必要で、かつ取外し後には、水栓本体93を取付けていた穴がシンクの天板97に残るので、見栄えの悪化を招く問題点があった。
【0006】
特許文献1には一般的な浄水器用水栓システムが開示されていて、このシステムは図7で示した従来構造と大差がないので、上述と同様の問題点が発生する。
【0007】
【特許文献1】特開2004−124449号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は、浄水器用の水栓を有効利用してアルカリイオン整水器などの水処理器に水を供給することができる給水アタッチメントの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明による給水アタッチメントは、浄水器用の水栓本体の吐水用接続ネジ部に取付けられる流入口と上記流入口に連通し、水処理器に対する接続ポートとを備えたものである。
【0010】
上記構成によれば、給水アタッチメントを浄水器用の水栓本体の吐水用接続ネジ部に取付けると、原水は流入口から流入した後に、この流入口に連通する接続ポートから吐出されるので、この接続ポートにアルカリイオン整水器などの水処理器を接続すると、上述の浄水器用の水栓を有効利用して水処理器に水を供給することができる。
【0011】
この発明の一実施態様においては、上記流入口が形成されたアタッチメント本体と、該アタッチメント本体の外周に回動可能に装着した外筒とを備え、外筒に上記接続ポートが形成されたものである。
【0012】
上記構成によれば、外筒を回動することにより接続ポートの位置を任意に設定することができるので、水処理器の設置自由度の向上および接続ポートと水処理器とを接続するホース等の通路配設の自由度の向上を図ることができる。
【0013】
この発明の一実施態様においては、上記流入口はナット構造に形成され、上記アタッチメント本体上部の筒部外周には上記流入口のナット構造に対応するネジ部が形成されたものである。
【0014】
上記構成によれば、同一構造の給水アタッチメントを2つ設け、下側に位置する給水アタッチメントの筒部外周のネジ部に、上側に位置する給水アタッチメントのナット構造の流入口を取付けると、上下2段の給水アタッチメントを一体化することができる。
【0015】
この発明の一実施態様においては、上記アタッチメント本体上部の筒部は流出口に設定され、上記流入口と流出口とを連通する連通路には止水弁配設部が設けられたものである。
【0016】
上記構成によれば、上下2段構造と成した給水アタッチメントにおいて、下側の給水アタッチメントの連通路を止水弁にて閉鎖すると、下側に位置する給水アタッチメントの接続ポートは水処理器に原水を供給する供給口となり、上側に位置する給水アタッチメントの接続ポートは水処理器で生成された生成水の戻り口となり、上側の給水アタッチメントの流出口から、浄水器用水栓に既設の吐水パイプを介して生成水を吐出することができる。
【0017】
この発明による給水アタッチメントはまた、アタッチメント本体と、該アタッチメント本体の外周に回動可能に装着した外筒とを備えてなる給水アタッチメントであって、上記アタッチメント本体の下部には浄水器用の水栓本体の吐水用接続ネジ部に取付けられる流入口を形成し、アタッチメント本体の上部には吐水パイプに連通する流出口を形成する一方、上記外筒には流入口と流出口とにそれぞれ別々に連通する水処理器用の接続ポートが形成されたものである。
【0018】
上記構成によれば給水アタッチメントを浄水器用の水栓本体の吐水用接続ネジ部に取付けると、原水はアタッチメント本体下部の流入口から流入した後に、この流入口に連通する外筒の接続ポートから水処理器へ供給される。
【0019】
水処理器で生成された生成水は外筒の他の接続ポートから流入し、アタッチメント本体上部の流出口を介して既設の吐水パイプから吐水され、使用に供することができる。
【0020】
このように、上述の浄水器用の水栓を有効利用して水処理器に水を供給することができ、かつ水処理器にて生成された生成水を既存の吐水パイプから流出することができるうえ、外筒を回動することにより接続ポートの位置を任意に設定することができるので、水処理器の設置自由度の向上および接続ポートと水処理器とを接続するホース等の通路配設の自由度の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、浄水器用の水栓を有効利用して、アルカリイオン整水器などの水処理器に水を供給することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
浄水器用の水栓を有効利用して、アルカリイオン整水器などの水処理器に水を供給するという目的を、浄水器用の水栓本体の吐水用接続ネジ部に取付けられる流入口と上記流入口に連通し、水処理器に対する接続ポートとを備えた給水アタッチメントを構成することで実現した。
【実施例】
【0023】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は給水アタッチメントを示すが、まず図1を参照して給水アタッチメントが介設された状態の浄水器用水栓システムの全体構造について説明する。
【0024】
この実施例の給水アタッチメント20は浄水器専用の水栓1における水栓本体2とキャップ部材3との間に介設されるもので、浄水器用水栓システムは、開閉手段としてのコック4を有する上述の水栓本体2を、パッキング5,ワッシャ6,ナット7を用いてシンク(いわゆる流し台)の天板8に固定し、インレットパイプ9から供給される水道水をコック4にて流量調整した後に、アウトレットパイプ10を介して浄水器11(浄水用カートリッジと同意)に流入し、この浄水器11にて浄化された浄化水を給水パイプ12を介して水栓本体2(詳しくは後述する吐水用接続ネジ部14内の通路13)に供給するものである。
【0025】
浄水器用の水栓本体2の上端部中央には、図2に示すように、その内部に原水Wの通路13をもった吐水用接続ネジ部14(従来構造においてキャップ部材3を螺合していたネジ部)が設けられている。
【0026】
上述の水栓本体2とキャップ部材3との間に介設される給水アタッチメント20は、図2に示すように中央部のアタッチメント本体21と、このアタッチメント本体21の外周に回動可能(360度回転自在)に装着した外筒22とを備えている。
【0027】
上述のアタッチメント本体21の下部には吐水用接続ネジ部14に取付けられるナット構造の流入口23が形成され、アタッチメント本体21の上部には、外筒22の上端面に対して上方へ突出する筒部24が一体形成され、この筒部24の外周には流入口23のナット構造に対応するネジ部25が形成されている。つまり、このネジ部25はナット構造の流入口23のナット部、並びにキャップ部材3側のネジ孔16(図3参照)の何れにも着脱可能に螺合し得るように構成されたものである。
【0028】
上述の筒部24内は流出口26に設定されるが、この上側の流出口26と下側の流入口23とを上下方向(軸方向)に連通する連通路27には、その通路壁から内方へ突出する環状のフランジ部28を一体形成して、このフランジ部28の上下を止水弁29の配設部30,31に設定している。
【0029】
また、各要素31,23間に対向するアタッチメント本体21の外周部には輪溝32が形成され、この輪溝32と上述の連通路27とを横孔33にて連通させている。
【0030】
さらに上述の外筒22には輪溝32を介して横孔33に連通するように接続ポート34が横方向(径方向)に向けて開口形成され、この接続ポート34の外部には、接続部材(図示せず)を取付けることができるように、ネジ孔35が設けられている。
【0031】
上述の接続ポート34はアルカリイオン整水器などの水処理器に対するポート(出入口)であって、図2の実施例においては、この接続ポート34は水処理器に対する原水Wの供給口に設定される。
【0032】
ここで、上述のアタッチメント本体21の下端部と水栓本体2との間はOリング溝に配設したOリング36でシールされ、輪溝32の上下両部におけるアタッチメント本体21の外周部と外筒22の内周部との間はOリング溝に配設したOリング37,38でシールされる。
【0033】
図2の実施例においては環状のフランジ部28の直下の止水弁配設部31に止水弁29を固定して用いるものであり、浄水器用水栓システムの既存の吐水パイプとしてのスパウト15は紛失等を防止するため、アタッチメント20の上部に取付けることができる。なお、元に戻す場合にも、その変更が容易である。
【0034】
図2に示すように、アタッチメント本体21のナット構造の流入口23を、水栓本体2の接続ネジ部14に螺合固定し、給水アタッチメント20を該水栓本体2の上端に直付け固定すると共に、外筒22の接続ポート34にホース等の通路部材を介して水処理器を接続すると、図1で示した給水パイプ12からの原水Wは図2に示すように、接続ネジ部14内の通路13から流入口23に流入した後に、横孔33および輪溝32を介して接続ポート34に供給され、この接続ポート34から矢印OUTで示すようにアルカリイオン整水器などの水処理器に給水される。なお、水処理器で生成された生成水は水処理器側の吐出パイプから吐出されるものである。
【0035】
このように図1、図2で示した実施例の給水アタッチメント20は、浄水器用の水栓本体2の吐水用接続ネジ部14に取付けられる流入口23と、この流入口23に連通し、水処理器に対する接続ポート34とを備えたものである。
【0036】
この構成によれば、給水アタッチメント20を浄水器用の水栓本体2の吐水用接続ネジ部14に取付けると、原水Wは流入口23から流入した後に、この流入口23に連通する接続ポート34から吐出されるので、この接続ポート34にアルカリイオン整水器などの水処理器を接続すると、上述の浄水器用の水栓1を有効利用して水処理器に水を供給することができる。
【0037】
また、上記流入口23が形成されたアタッチメント本体21と、該アタッチメント本体21の外周に回動可能に装着した外筒22とを備え、外筒22に上記接続ポート34が形成されたものである。
【0038】
この構成によれば、外筒22を回動することにより接続ポート34の位置を任意に設定することができるので、水処理器の設置自由度の向上および接続ポート34と水処理器とを接続するホース等の通路配設の自由度の向上を図ることができる。
【0039】
なお、図1において浄水器11を使用しない場合には、アウトレットパイプ10の出口と給水パイプ12の入口とをバイパス通路にて接続してもよい。
図3は給水アタッチメントの他の実施例を示し、図2で示した給水アタッチメント20と同一構造の2つの給水アタッチメント20A,20Bを設け、これら両アタッチメント20A,20Bを上下2段に連結したものである。
【0040】
すなわち、下側に位置する給水アタッチメント20Aのアタッチメント本体21におけるナット構造の流入口23を、水栓本体2の接続ネジ部14に螺合固定し、この下側に位置する給水アタッチメント20Aのアタッチメント本体21における上部の筒部24外周のネジ部25に、上側に位置する給水アタッチメント20Bのアタッチメント本体21におけるナット構造の流入口23を取付け、また上側の給水アタッチメント20Bのアタッチメント本体21における上部の筒部24外周のネジ部25にはキャップ部材3を介して既設のスパウト15を取付けたものである。
【0041】
図3の実施例においては下側の給水アタッチメント20Aの環状のフランジ部28の直上部および直下部の各止水弁配設部30,31にそれぞれ止水弁29,29を固定して用いるものであり、下側の給水アタッチメント20Aの接続ポート34は水処理器に対する供給口に設定され、上側の給水アタッチメント20Bの接続ポート34は水処理器で生成された生成水の戻り口に設定される。
【0042】
図3に示すように上下2段に一体化した各給水アタッチメント20A,20Bを水栓本体2とキャップ部材3との間に取付けると、図1で示した給水パイプ12からの原水Wは図3に示すように、下側の給水アタッチメント20Aの接続ネジ部14内の通路13から流入口23に流入した後に、横孔33および輪溝32を介して接続ポート34に供給され、この接続ポート34から矢印OUTで示すようにアルカリイオン整水器などの水処理器に給水される。
【0043】
水処理器で生成された生成水は矢印INで示すように上側の給水アタッチメント20Bの接続ポート34から輪溝32,横孔33を介して連通路27に流入した後に、流出口26からスパウト15に流出し、使用に供することができる。
【0044】
このように図3で示した実施例においては、上記流入口23はナット構造に形成され、上記アタッチメント本体21上部の筒部24外周には上記流入口23のナット構造に対応するネジ部25が形成されたものである。
【0045】
この構成によれば、同一構造の2つの給水アタッチメント20A,20Bを設け、下側に位置する給水アタッチメント20Aの筒部24外周のネジ部25に、上側に位置する給水アタッチメント20Bのナット構造の流入口23を取付けると、上下2段の給水アタッチメント20A,20Bを一体化することができる。
【0046】
しかも、上記アタッチメント本体21上部の筒部24は流出口26に設定され、上記流入口23と流出口26とを連通する連通路27には止水弁配設部30,31が設けられたものである。
【0047】
この構成によれば、上下2段構造と成した給水アタッチメント20A,20Bにおいて、下側の給水アタッチメント20Aの連通路27を止水弁29にて閉鎖すると、下側に位置する給水アタッチメント20Aの接続ポート34は水処理器に原水Wを供給する供給口となり、上側に位置する給水アタッチメント20Bの接続ポート34は水処理器で生成された生成水の戻り口となり、上側の給水アタッチメント20Bの流出口26から、浄水器用水栓1に既設の吐水パイプ(スパウト15参照)を介して生成水を吐出流動させることができる。
【0048】
このように、同一構造の2つの給水アタッチメント20A,20Bを上下に重ね合わせて使用すると、水処理器に対する給水のみならず、水処理器で生成された生成水をスパウト15を介して吐出することができるので、給水および取水の両機能を備えたアタッチメントを同一構造の2つの給水アタッチメント20A,20Bにて構成することができ、利便性の大幅な向上を図ることができる。
【0049】
しかも、上下の各給水アタッチメント20A,20Bは同一構造であるから、これら各給水アタッチメント20A,20Bの生産性の向上を図ることができる。
【0050】
この図3で示した実施例においても、その他の構成、作用、効果については図2の実施例と同様であるから、図3において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略するが、図3において16はキャップ部材3をネジ部25の取付けるためのネジ孔、17はキャップ部材3と筒部24との間をシールするシール部材、18Aはスパウト15の基部を回動可能に取り付けるためのプラスチックリング、18Bはパッキングである。さらに、図3の止水弁29,29を取り外し、この止水弁29,29に代えて上側の給水アタッチメント20B内に残留する微小の水圧で開弁し、原水Wの圧力で閉弁する逆止弁を設けてもよい。
このように逆止弁を設けると長期間の不使用時に給水アタッチメント20B側の塩素を有さない水と、塩素を有する原水Wとが混ざり合って、上側の給水アタッチメント20B内部乃至スパウト15内において雑菌が繁殖するのを抑止することができる。
【0051】
図4は給水アタッチメントのさらに他の実施例を示し、この図4に示す実施例においては図3で示した上側の給水アタッチメント20Bと、下側の給水アタッチメント20Aとの間に、プラグ40およびリング状のスペーサ41を介設したものである。
【0052】
上述のプラグ40はナット構造の流入口23のナットに螺合し得るネジ部42と、筒部24外周のネジ部25に螺合し得るネジ孔43とを備えたもので、このプラグ40により上下のアタッチメント本体21,21を連結固定している。
【0053】
また、上述のスペーサ41はプラグ40の外周に回動可能(360度回転自在)に装着したもので、このスペーサ41の内部には環状通路44を形成すると共に、この環状通路44にはインレット部材45とアウトレット部材46とを取り付けている。
【0054】
前述の水処理器としてアルカリイオン整水器を用いた場合、生成水の生成時、酸性水などの排水が発生するので、この排水をインレット部材45、環状通路44を介してアウトレット部材46からシンクに流下させるものである。
【0055】
このように構成すると、アルカリイオン整水器に対する給水と、アルカリイオン整水器で生成された生成水のスパウト15からの吐水と、アルカリイオン整水器で発生する酸性水などの排水の放出とを、一箇所つまり水栓本体2とキャップ部材3との間で行うことができる。
【0056】
この図4で示した実施例おいても、その他の構成、作用、効果については先の実施例と同様であるから、図4において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0057】
図5,図6は給水アタッチメントのさらに他の実施例を示し、図3および図4で示した先の実施例においては上下の2つの給水アタッチメント20B,20Aにより水処理器に対する給水と取水とを行うように構成したが、図5,図6で示すこの実施例においては単一の給水アタッチメント20により水処理器に対する給水と取水とを行うように構成し、部品点数の削除を図ったものである。
【0058】
すなわち、図5,図6に示すようにアタッチメント本体21と、このアタッチメント本体21の外周に回動可能(360度回転自在)に装着した外筒22とを備え、アタッチメント本体21の下部には浄水器用の水栓本体2の吐水用接続ネジ部14に取付けられるナット構造の流入口23を形成し、アタッチメント本体21の上部にはキャップ部材3のネジ孔16と螺合して吐水パイプとしてのスパウト15に連通する流出口26を形成している。
【0059】
また、アタッチメント本体21の外周部上下2箇所には輪溝50,51を離間形成し、上側の輪溝50と流出口26とをL字状の通路52で連通する一方、下側の輪溝51と流入口23とをL字状の通路53で連通させている。
【0060】
さらに上述の外筒22には、下側の輪溝51および通路53を介して流入口23に連通する水処理器用の接続ポート54を形成し、この接続ポート54には、その内部に通路55を有する接続部材56を取付けている。
ここで、上述の接続ポート54に定量弁(図示せず)を介設し、アルカリイオン整水器などの水処理器に対してその能力以上の水量が流れ込むのを制御すべく構成してもよい。
【0061】
同様に上述の外筒22には、上側の輪溝50および通路52を介して流出口26に連通する水処理器用の接続ポート57を形成し、この接続ポート57には、その内部に通路58を有する接続部材59を取付けている。
【0062】
ここで、図5に平面図で示すように上述の2つの接続部材56,59は、水処理器に対する通路配設の簡素化を考慮して、給水アタッチメント20のほぼ同側に位置するように取付けられている。
【0063】
また上下の輪溝50,51の上下両部におけるアタッチメント本体21の外周部と、外筒22の内周部との間をシールすべく、アタッチメント本体21のOリング溝にはOリング37,38,60が篏着されている。なお、上述のアタッチメント本体21の下端外部は、工具等を用いての着脱容易化を考慮して、図5に示すように略六角形状部21aに形成されている。
【0064】
このように構成すると、図1に示した給水パイプ12からの原水Wは図6に矢印で示すように接続ネジ部14内の通路13から流入口23に流入した後に、通路53および輪溝51を介して接続ポート54に供給され、供給口として作用するこの接続ポート54から矢印OUTで示すようにアルカリイオン整水器などの水処理器に給水される。
【0065】
水処理器で生成された生成水は矢印INで示すように、戻り口として作用する接続ポート57から輪溝50および通路52を介して流水口26に流入した後に、スパウト15を通って流出されるので、使用に供することができる。
【0066】
このように図5、図6で示した実施例の給水アタッチメントは、アタッチメント本体21と、該アタッチメント本体21の外周に回動可能(360度回動自在)に装着した外筒22とを備えてなる給水アタッチメント20であって、上記アタッチメント本体21の下部には浄水器用の水栓本体2の吐水用接続ネジ部14に取付けられる流入口23を形成し、アタッチメント本体21の上部には吐水パイプ(スパウト15参照)に連通する流出口26を形成する一方、上記外筒22には、外筒22の回動位置の如何にかかわらず、流入口23と流出口26とにそれぞれ別々に連通する水処理器用の接続ポート54,57が形成されたものである。
【0067】
この構成によれば、給水アタッチメント20を浄水器用の水栓本体2の吐水用接続ネジ部14に取付けると、原水Wはアタッチメント本体21下部の流入口23から流入した後に、この流入口23に連通する外筒22の接続ポート54から水処理器へ供給される。
【0068】
水処理器で生成された生成水には外筒22の他の接続ポート57から流入し、アタッチメント本体21上部の流出口26を介して既設の吐水パイプ(スパウト15参照)から吐水され、使用に供することができる。
【0069】
このように、上述の浄水器用の水栓1(図1参照)を有効利用して水処理器に水を供給することができ、かつ水処理器にて生成された生成水を既存の吐水パイプ(スパウト15参照)から流出することができるうえ、外筒22を回動することにより接続ポート54,57の位置を任意に設定することができるので、水処理器の設置自由度の向上および接続ポート54,57と水処理器とを接続するホース等の通路配設の自由度の向上を図ることができる。
【0070】
なお、図5,図6において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略している。
【0071】
以上要するに、上記何れの実施例にあっても、浄水器用の水栓1(図1参照)を有効利用して、アルカリイオン整水器などの水処理器に対して少なくとも水を供給することができる効果がある。
なお、水処理器に対して水を供給するポートには定量弁を介設し、水処理器の能力をオーバーする水の供給を防止すべく構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の給水アタッチメントを取付けた浄水器用水栓システムの全体図
【図2】図1の要部拡大断面図
【図3】給水アタッチメントの他の実施例を示す断面図
【図4】給水アタッチメントのさらに他の実施例を示す断面図
【図5】給水アタッチメントのさらに他の実施例を示す平面図
【図6】図5のA−A線断面図
【図7】従来の浄水器用水栓システムを示す全体図
【符号の説明】
【0073】
2…水栓本体
14…吐水用接続ネジ部
15…スパウト(吐水パイプ)
20,20A,20B…給水アタッチメント
21…アタッチメント本体
22…外筒
23…流入口
24…筒部
25…ネジ部
26…流出口
27…連通路
30,31…止水弁配設部
34,54,57…接続ポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浄水器用の水栓本体の吐水用接続ネジ部に取付けられる流入口と、
上記流入口に連通し、水処理器に対する接続ポートとを備えた
給水アタッチメント。
【請求項2】
上記流入口が形成されたアタッチメント本体と、該アタッチメント本体の外周に回動可能に装着した外筒とを備え、外筒に上記接続ポートが形成された
請求項1記載の給水アタッチメント。
【請求項3】
上記流入口はナット構造に形成され、上記アタッチメント本体上部の筒部外周には上記流入口のナット構造に対応するネジ部が形成された
請求項2記載の給水アタッチメント。
【請求項4】
上記アタッチメント本体上部の筒部は流出口に設定され、
上記流入口と流出口とを連通する連通路には止水弁配設部が設けられた
請求項3記載の給水アタッチメント。
【請求項5】
アタッチメント本体と、該アタッチメント本体の外周に回動可能に装着した外筒とを備えてなる給水アタッチメントであって、
上記アタッチメント本体の下部には浄水器用の水栓本体の吐水用接続ネジ部に取付けられる流入口を形成し、アタッチメント本体の上部には吐水パイプに連通する流出口を形成する一方、
上記外筒には流入口と流出口とにそれぞれ別々に連通する水処理器用の接続ポートが形成された
給水アタッチメント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−9301(P2006−9301A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−184774(P2004−184774)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000134811)株式会社ナニワ製作所 (13)
【Fターム(参考)】