説明

給水装置

【課題】揚水性材料に水を効率よく供給することができる給水装置を提供することである。
【解決手段】本発明にかかる給水装置は、揚水性材料4に水3を供給する給水装置であって、給水口8と、給水口8から供給された水3を堰き止める堰2と、堰2からあふれ出た水を排出する排出口9と、を有する閉水路1を有する。本発明において、堰2の高さは揚水性材料4が水3に浸される高さに設定されていている。また、揚水性材料4は中心部に空洞を有していてもよく、揚水性材料4の上端には蓋12が設けられていてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保水・揚水性材料へ水を給水する給水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ヒートアイランド現象に代表される都市熱環境の悪化が大きな社会問題となっている。ヒートアイランドの形成要因の一つとして、都市域においてコンクリート・アスファルト等の人工被覆面が増大すると同時に緑や水面が失われ蒸発冷却効果が減少したことが挙げられる。よって、都市熱環境の改善手法の一つとして、水の蒸発潜熱による冷却効果を利用した各種システムが高い関心を集めている。
【0003】
特許文献1には道路、広場や公園など公共施設やビルの屋上、ベランダの温度上昇を抑制する保水ブロックに関する技術が開示されている。特許文献1にかかる保水性ブロックは、10〜40容積%の範囲内の開気孔を有しているとともに直径が7nm〜400μmの開気孔が全開気孔の30容積%以上を占めている。また、保水率が5〜40重量%の範囲内にあり、JASS7 M−101に準拠して測定した透水係数が1×10−3〜1×10−1cm/secの範囲内にある。また、曲げ強度が4MPa以上である。
【0004】
特許文献1にかかる技術では、例えば揚水性を付与した上記保水性ブロックの一部を水が溜まったトレーの中に浸漬するように置くことで、また布帛を貼り付けて一体化した後、布帛の一部に水供給源を設けることで、保水性ブロックの湿潤を保ち、表面で蒸発させ温度上昇を抑制している。
【0005】
また、特許文献2には蒸発冷却壁体に関する技術が開示されている。図6は特許文献2に開示されている蒸発冷却壁体を説明するための図である。図6に示すように蒸発冷却壁体は、冷却ユニット131、132、133を有する。各冷却ユニット131、132、133は、内面及び外面が開放された形態の枠140と、枠140の底部に形成されたトレー状の水槽136と、下部を水槽136内の水150に浸漬させる状態で互いに平行且つ互いの間に所定の隙間を形成する状態で水槽136から立ち上がる円筒形状の多数の吸水性多孔質体138とを備えている。そして、各冷却ユニット131、132、133の水槽136には、壁体120の内部において上下方向に延びる配管141、142、143により水が供給される。
【0006】
つまり、中段の冷却ユニット132に下端部が連結された配管142は、最上段の冷却ユニット131における水槽136からのオーバーフロー水を中段の冷却ユニット132の水槽136に導くように設けられている。また、下段の冷却ユニット133に下端部が連結された配管143は、中段の冷却ユニット132における水槽136からのオーバーフロー水を下段の冷却ユニット133における水槽136に導くように設けられている。また、下段の冷却ユニット133における水槽136からのオーバーフロー水は、配管162から排水される。
【0007】
一方、最上段の冷却ユニット131に下端部が連結された配管141は、その最上段の冷却ユニット131の上側において壁体120内部に配置された貯水タンク144内部の水150を最上段の冷却ユニット131の水槽136へ導くように設けられている。最上段の冷却ユニット131に連結された配管141にはバルブ146が設けられている。貯水タンク144の上側の天井にはすり鉢状の集水部148が設けられており、この集水部148にて雨水151が集められ、貯水タンク144に貯水される。
【0008】
冷却ユニット131、132、133の枠140の内面開放部及び外面開放部には多数の羽板152が設けられており、通気可能とされている。また、壁体120の外パネルにも羽板135が設けられており、通気可能とされている。図6の白抜き矢印は空気が流れる方向を示している。そして、特許文献2にかかる蒸発冷却壁体を用いることで、各冷却ユニット131、132、133に設けられた吸水性多孔質体138間の隙間を流れる空気が、水分保持により冷えた状態にある吸水性多孔質体138自体による冷却効果により、更には吸水性多孔質体138の表面から蒸発する水分の蒸発潜熱による冷却効果により、冷却される。
【0009】
また、蒸発冷却以外では、加湿を目的として保水・揚水性材料を用いるシステムもあり、この場合でも同様に給水装置を備え材料表面で蒸発させる形で空間を加湿している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−146772号公報
【特許文献2】特開平9−279707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1にかかる保水性ブロックでは、蒸発冷却効果を継続して発現させるために、揚水に伴う水位減少・浸漬面減少に対応した装置・機構が必要となり、また布帛に適当量の給水が出来ないと余分な水が流れ落ちるという問題がある。
【0012】
また、特許文献2にかかる蒸発冷却壁体では、集水した雨水を溜める貯水タンクや、壁体上部へ送水するポンプが必要であった。また、特許文献2にかかる蒸発冷却壁体では各冷却ユニット131、132、133の水槽136が開放されているため(つまり、開放水路であるため)、水路から水が蒸発し効率的に水を使用できないという問題や、水槽に異物が混入するという問題があった。
【0013】
このように、特許文献1にかかる保水性ブロックや特許文献2にかかる蒸発冷却壁体では、冷却に使用する水を効率的に供給できていないという問題があった。よって、上記課題に鑑み、本発明の目的は揚水性材料に水を効率よく供給することができる給水装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明にかかる給水装置は、揚水性材料に水を供給する給水装置であって、給水口と、当該給水口から供給された水を堰き止める堰と、当該堰からあふれ出た水を排出する排出口と、を備える閉水路を有し、前記堰の高さは前記揚水性材料が前記水に浸される高さに設定されている。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、揚水性材料に水を効率よく供給することができる給水装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施の形態1にかかる給水装置を含む蒸発冷却壁体を示す斜視図である。
【図2】実施の形態1にかかる給水装置を説明するための断面図である。(a)は給水装置を横方向からみた断面図であり、(b)は給水装置を上方向からみた断面図である。
【図3】実施の形態1にかかる給水装置の他の構成例を説明するための断面図である。
【図4】実施の形態2にかかる給水装置を説明するための断面図である。(a)は給水装置を上方向からみた断面図であり、(b)は給水装置を含む蒸発冷却壁体の外観を示す斜視図である。
【図5】実施の形態2にかかる給水装置の他の構成例を説明するための断面図である。
【図6】特許文献2にかかる蒸発冷却壁体を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
実施の形態1
以下、図面を参照して発明の実施の形態1について説明する。図1は、本実施の形態にかかる給水装置を含む蒸発冷却壁体を示す斜視図である。図1に示す揚水性材料4と給水装置(閉水路1)は蒸発冷却壁体を構成する。図1に示すように揚水性材料4は給水装置の閉水路1から上部に延びるように設けられている。閉水路1には配管5から水が供給され、配管6から水が排出される。揚水性材料4は、閉水路1内に一定量貯水された水を吸い上げ、吸い上げた水を揚水性材料4の表面から蒸発させることができる構造体である。このような構成を有する蒸発冷却壁体により、直達日射を遮蔽することができ、また、揚水性材料4の表面からの水の蒸発により壁面温度が下げられ、外気湿球温度に近い冷放射面が形成される。更に、壁体を通過した空気(風)が冷却され、冷気が創り出される。以下で、本実施の形態にかかる給水装置について詳細に説明する。
【0018】
図2は本実施の形態にかかる給水装置を説明するための断面図である。図2(a)は給水装置を横方向からみた断面図であり、図2(b)は給水装置を上方向からみた断面図である(蓋12は省略している)。本実施の形態にかかる給水装置は、給水口8と、給水口8から供給された水を堰き止める所定の高さを備える堰2と、堰2からあふれ出た水を排出する排出口9と、を備える閉水路1で構成することができる。また、揚水性材料4は、堰2により堰き止められた水3に浸されると共に、閉水路1から上部に延びるように設置されている。揚水性材料4は、堰2により堰き止められた水3を吸い上げると共に、吸い上げた水を表面より蒸発させることで周囲の空気を加湿したり冷却したりすることができる材料である。パイプ状の揚水性材料4を用いる場合は、空洞11を経由して閉水路1内に塵等が侵入することを防ぐために蓋12を設けてもよい。また、閉水路1と揚水性材料4の接続部分を封止材やパッキンなどで封止してもよい。
【0019】
ここで、図2(a)に示すようにパイプ状の揚水性材料4を用い、更にパイプ状の揚水性材料4に蓋12を設けた場合、蓋12と空洞11とで形成される空間から空気が排出されないため、パイプ状の揚水性材料4の内面の水位がhまで上昇しないという問題がある。
しかし、図2(a)に示すパイプ状の揚水性材料4に一定の開気孔を持たせることで、パイプ状の揚水性材料4の上端が蓋12で閉じられている場合でも開気孔から空気を排出することができる。これにより、揚水性材料4の内面の水位を高さhまで上昇させることができる。よって、揚水性材料4の内面も水3と接触させることができることから、揚水性材料4と水3との接水面を増加させることができ、給水装置から揚水性材料4へ効率よく水を供給することができる。また、蓋12を設けることで閉水回路を構成することができ、閉水路1内への異物の混入や余分な水の蒸発を防ぐ事ができる。なお、この場合の揚水性材料4の開気孔率は、例えば10%〜90%、更に好ましくは16%〜40%とすることができる。
【0020】
本実施の形態にかかる給水装置の閉水路1の給水口8には配管5から水が供給される。このとき、給水口8には配管5からフィルターを介して水が供給されてもよい。例えば、配管5は家屋に設けられている雨樋と接続されており、雨樋で集めた雨水を給水口8から閉水路1に供給することができる。また、本実施の形態にかかる給水装置の閉水路1には堰2が設けられており、給水口8から供給された水を堰き止めることで、閉水路1内に一定量の水3を溜めることができる。閉水路1内に溜める水3の量は堰2の高さhで決めることができる。
【0021】
例えば、堰2の高さhは蒸発冷却壁体を使用する地域の連続無降雨日数など降雨パターンに基づき決定することができる。例えば、夏季降雨間隔が短い地域では堰2の高さhを低めに設定する。堰2の高さhを低めに設定することで、水3が閉水路1内に長期間溜まることを防止することができ、つまり、水3の循環を促進することができ、閉水路1内の水3に細菌が繁殖したり、水3が腐ったりすることを防止することができる。また、例えば夏季降雨間隔が長い地域では堰2の高さhを高めに設定することで、閉水路1内に溜めることができる水の量を多くすることができ、水3が不足することを防止できる。
【0022】
堰2は例えば着脱可能な部材からできており、降雨パターンに基づき適切な高さhを有する堰を取り付けることで、堰2の高さhを調整することができる。また、堰2を可能な限り排水口9寄りに設置することで、閉水路1内に溜める水の量を多くすることができる。また、給水口8の位置を堰2の高さよりも低い位置に設けることで、給水用の配管5内にも配管5の容積に対応した量の水を貯水することができる。
【0023】
また、本実施の形態にかかる給水装置の閉水路1は排水口9を備える。排水口9からは堰2からあふれ出た水が排水される。排水口9には配管6が設けられており、排水口9からの排水は下水等に排水される。
【0024】
また、本実施の形態にかかる給水装置を用いた場合は、揚水性材料4の根元部分のうち堰2により堰き止められた水3と接触しない部分が、所定の長さ給水装置の閉水路1内に収納されている。揚水性材料4は吸い上げた水が根元部分で染み出すため、染み出した水を排水する機構が必要となる。本実施の形態では、揚水性材料4の根元部分を一定の長さ閉水路1内に入れることで、揚水性材料4から染み出した水を閉水路1内に戻すことができる。これにより、水の染み出しにより冷却に使用される水が無駄になることを防止することができる。また、染み出した水の飛散を防止することができ、また新たに排水受けを設ける必要がなくなる。
【0025】
揚水性材料4から水が染み出す範囲は、例えば閉水路1内の水面(堰2の上端)から揚水性材料4の上端までの長さにより決定することができる。よって、使用する揚水性材料4の閉水路1内の水面から揚水性材料4の上端までの長さに基づき、閉水路1内の最高水位(堰2の上端)から閉水路内部の上面までの長さhを調整することができる。
【0026】
また、本実施の形態では揚水性材料4として、例えば図3に示すように空洞11の無い揚水性材料4を用いてもよい。このように空洞のない円柱状の揚水性材料4を用いることで、揚水性材料4の保水量を増すことができ給水装置の閉水路1の必要容量を減少させコンパクトにすることができる。
【0027】
以上で説明したように、本実施の形態にかかる給水装置は給水装置の閉水路1内に堰2を設けているので、給水口8から供給された水(例えば雨水)を閉水路内に貯水することができる。よって、例えば配管5の途中、つまり閉水路1の上流側に、貯水タンクを別途設ける必要がないので蒸発冷却壁体の設置コストやスペースを削減することができる。また、蒸発冷却壁体を設置する場合は、給水装置の給水口を給水用の配管に接続し排水口を排水用の配管に接続するだけで設置することができる。よって、従来よりも容易に蒸発冷却壁体を設置することができる。
【0028】
また、本実施の形態にかかる給水装置を用いた場合は、給水装置の閉水路1内に貯水された水を揚水性材料4が吸い上げるため、揚水性材料4に常に適量の水を供給することができる。また、閉水路1内の堰2の高さで貯水量を決定することができるので、設置する地域の降水量や揚水性材料4の本数に基づき、容易に貯水量を調整することができる。更に、揚水性材料4を用いて閉水路1内に貯水された水を吸い上げているため、ポンプ等を使用する必要がなく装置構成を簡素化することができる。
【0029】
本実施の形態にかかる給水装置は閉水路1内に水が貯水されているので、水路から水が蒸発することがないため効率的に水を使用することができる。また、閉水路1内に異物が混入することも防止することができる。また、閉水路1に雨水が供給されるたびに閉水路1内の雨水が新たな雨水と入れ替わるため、貯水された雨水の水質悪化、細菌の繁殖等を防止することができる。
【0030】
本実施の形態にかかる給水装置では、揚水性材料4の根元部分を一定の長さ閉水路1内に設けている。これにより、水の染み出しにより冷却や加湿に使用される水が無駄になることを防止することができる。また、染み出した水の飛散を防止することができ、また新たに排水受けを設ける必要がなくなる。
【0031】
このように、本実施の形態にかかる発明により水を効率よく供給することができる給水装置を提供することが可能となる。
【0032】
実施の形態2
次に、発明の実施の形態2について説明する。図4は本実施の形態にかかる給水装置を説明するための断面図である。図4(a)は給水装置を上方向からみた断面図であり、図4(b)は給水装置を含む蒸発冷却壁体の外観を示す斜視図である。本実施の形態にかかる給水装置は、複数の蒸発冷却壁体を連結する際に蒸発冷却壁体同士の間隔を短くするために、給水装置の閉水路1の給水口8a、8bおよび排水口9a、9bを、閉水路1の側面のうち面積が大きい方の側面に設けている。また、閉水路1内に設けた堰2の位置を図4(a)に示すように閉水路1の隅部に設けている。これ以外の構成は、実施の形態1の場合と同様であるので重複した説明は省略する。
【0033】
図4(a)に示すように、本実施の形態にかかる給水装置は2つの給水装置が長手方向に連結されている。第1の給水装置の閉水路1aの給水口8aは閉水路1の側面のうち面積が大きい方の側面に設けられている。また、閉水路1aの排水口9aも給水口8aが設けられた面と同一の面に設けられている。第2の給水装置の閉水路1bの給水口8bおよび排水口9bも、第1の給水装置の閉水路1aの給水口8a、排水口9aが設けられた面に対応する面に設けられている。第1の給水装置の閉水路1aの排水口9aと第2の給水装置の閉水路1bの給水口8bは配管7で接続されている。このように、それぞれの閉水路1a、1bの給水口8a、8bと排水口9a、9bを設ける面を同一とすることで、第1の給水装置と第2の給水装置を設置するときの互いの間隔を短くすることができ、設置スペースの省スペース化を実現することができる。
【0034】
また、この際、閉水路1a、1b内の堰2a、2bを排水口9a、9bが設けられている位置から最も近い隅部に設けることで、閉水路1a、1bに貯水される水の量を多くすることができる。また、閉水路1a、1b内の堰2a、2bを閉水路1a、1b内の隅部に設けることで、揚水性材料4を設置できる面積(つまり、図4(a)の上面図において水が貯水されている面積)を増加させることができより多くの揚水性材料4を設けることができるため、蒸発冷却壁体の冷却効率を向上させることができる。製造においても同一形態の給水装置を量産することができるので、様々な用途の規模に対応でき、コストの低減が期待される。
【0035】
なお、本実施の形態では給水装置の給水口8a、8bと排水口9a、9bがそれぞれ同一の側面に設けられた場合について説明したが、給水口8a、8bと排水口9a、9bはそれぞれ対向する側面に設けてもよい。この場合、例えば図5に示すように第1の給水装置の閉水路1aの排水口9aを給水口8aが設けられた側面と対向する側面に設け、第2の給水装置の閉水路1bの給水口8bを第1の給水装置の閉水路1aの排水口9aが設けられた側面と同一側の側面に設ける。この場合、第2の給水装置の閉水路1bの排水口9bは、図5に示すように第2の給水装置の閉水路1bの給水口8bが設けられた側面と対向する側面に設けてもよく、また、第2の給水装置の閉水路1bの給水口8bが設けられた側面と同一の側面に設けてもよい。
【0036】
本実施の形態にかかる発明では、実施の形態1で説明した場合と同様に水(例えば雨水)を効率よく使用することができる給水装置を提供することが可能となる。更に、本実施の形態にかかる発明では、複数の蒸発冷却壁体を設置する際に蒸発冷却壁体同士の距離を短くすることができ、設置スペースの省スペース化を実現することができる。
【0037】
以上、本発明を上記実施形態に即して説明したが、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0038】
1 閉水路
2 堰
3 水
4 揚水性材料
5、6、7 配管
8 給水口
9 排水口
11 空洞
12 蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
揚水性材料に水を供給する給水装置であって、
給水口と、当該給水口から供給された水を堰き止める堰と、当該堰からあふれ出た水を排出する排出口と、を備える閉水路を有し、
前記堰の高さは前記揚水性材料が前記水に浸される高さに設定されている、給水装置。
【請求項2】
前記揚水性材料は中心部に空洞を有し、前記揚水性材料の上端には蓋が設けられている、請求項1に記載の給水装置。
【請求項3】
前記揚水性材料は所定の開気孔を有する、請求項2に記載の給水装置。
【請求項4】
前記揚水性材料の開気孔率は10%〜90%である、請求項3に記載の給水装置。
【請求項5】
前記揚水性材料の開気孔率は16%〜40%である、請求項3に記載の給水装置。
【請求項6】
前記揚水性材料の根元部分のうち前記堰により堰き止められた水と接触しない部分が所定の長さ前記閉水路内に収納されている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の給水装置。
【請求項7】
前記堰の上端から前記閉水路内部の上面までの長さは、前記堰の上端から前記揚水性材料の上端までの長さに基づき決定される、請求項6に記載の給水装置。
【請求項8】
前記給水口および前記排水口は、前記閉水路を構成する側面のうち面積が大きい方の側面に設けられている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の給水装置。
【請求項9】
前記堰は、前記閉水路の隅部のうち前記排水口が設けられた位置から最も近い位置にある隅部に設けられている、請求項8に記載の給水装置。
【請求項10】
前記給水口および前記排水口は、前記閉水路を構成する側面のうち面積が大きい方の側面であって、互いに対向する位置にある側面にそれぞれ配置されている、請求項8または9に記載の給水装置。
【請求項11】
前記堰は着脱可能な部材で構成されている、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の給水装置。
【請求項12】
前記給水口は前記堰の高さよりも低い位置に設けられている、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の給水装置。
【請求項13】
前記堰の高さは降水量に基づき決定される、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の給水装置。
【請求項14】
前記堰の高さは連続無降雨日数に基づき決定される、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の給水装置。


【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図1】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−144498(P2011−144498A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−3608(P2010−3608)
【出願日】平成22年1月12日(2010.1.12)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り (1)平成21年7月20日付社団法人日本建築学会発行の日本建築学会「2009年度大会(東北)学術講演梗概集」に掲載
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【Fターム(参考)】