説明

給液ノズル

【課題】給液操作の効率を高める。
【解決手段】給液ノズル14の下側に設けられた規制部材100は、金属又は樹脂材によりL字状に形成され、一端がノズル本体14cに固定された固定部102と、固定部102の先端より上方に向けて曲げられた当接部104とを有する。給液ノズル14を用いてポリ容器16への給液を行う際は、ノズルスタンド15の昇降機構の昇降動作により給液ノズル14の高さ位置をポリ容器16の給液口16aの高さ位置に合わせながら、吐出パイプ14bの先端を給液口16aに挿入する。その際、給液ノズル14は、規制部材100の当接部104が給液口16aの上端に当接して吐出パイプ14bの挿入高さが規制される。給液作業時に吐出パイプ14bの挿入深さが変動せず、当該ポリ容器16の容量(給液可能量)に応じた液面高さに達するまで給液が行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は給液ノズルに係り、特に吐出パイプを被供給タンクの給液口に挿入して給液を行う給液ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、燃料供給装置に設けられた給液ノズルは、吐出パイプを給液口に挿入した状態でノズルレバーの開弁操作により主弁を開弁させ、燃料を吐出パイプに供給するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。また、給液ノズルのノズル本体には、燃料の流速によって負圧を発生させる負圧発生機構と、先端が吐出パイプの先端に設けられた空気導入口に連通され、基端が負圧発生機構に連通された空気導入管の先端が液面に閉塞されるのに伴う負圧導入により主弁を閉弁させる自動閉弁機構とが設けられている。
【0003】
この自動閉弁機構は、給液開始後に吐出パイプ先端の空気導入口が開放されている場合、空気導入管を介して空気が負圧導入機構に供給されるため、液面上昇に伴って吐出パイプ先端の空気導入口が燃料の液面によって閉塞された場合には、空気導入管から負圧発生機構への空気導入が遮断されることにより、主弁を閉弁動作させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−290754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の給液ノズルでは、例えば、ポリ容器(被供給タンク)に灯油等の燃料を給液する場合、吐出パイプの先端を給液口に挿入し、当該ポリ容器の容量に応じた所定給液量に対応する液面高さに達するまで給液を行う。その際、吐出パイプの先端が所定給液量の液面高さよりも浅い位置(高い位置)に挿入された場合は、給液口の近くに吐出パイプの吐出口があるため、燃料が給液口の周辺に飛散しやすくなる。
【0006】
このような、油液の飛散を防止するため、吐出パイプ先端を所定給液量の液面高さよりも深い位置(低い位置)まで挿入することが多い。しかしながら、吐出パイプ先端が給液口に深く挿入された状態では、プリセット給液が終了する前に自動閉弁機構が作動して給液を停止させることになるため、ポリ容器内の液面がプリセット値に対応する液面高さに近づくにつれて自動閉弁機構による給液停止と給液開始のノズルレバー操作とが繰り返されることになり、給液作業効率が低いという問題が生じる。
【0007】
また、上記ポリ容器への給液以外でも、例えば、オートバイや尿素水タンクを有する自動車等の車両に対して給液する場合には、液体供給口内に給液ノズルが深く挿入されてしまい上記と同様な課題がある。
【0008】
また、上記背景技術及び以下の実施例の説明においては、液体燃料を供給する給液ノズルを一例に挙げて説明するが、液体燃料以外の液体を給液するための給液ノズルにおいても、上記と同様な課題を有する。
【0009】
そこで、本発明は上記事情に鑑み、上記課題を解決した給液ノズルの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
【0011】
(1)本発明は、液体が供給される被供給タンクの給液口に挿入される吐出パイプと、
前記吐出パイプの基端が接続されるとともに、内部に形成された前記液体の流路途中に設けられ、ノズルレバーの操作により前記流路を開閉させる主弁を有するノズル本体と、
を備え、
前記ノズル本体は、
前記主弁の開弁により前記液体の流速によって負圧を発生させる負圧発生部と、
前記負圧発生部で発生した負圧により前記吐出パイプの吐出口の近傍に設けられた空気導入口に連通する空気導入管を介して空気が導入され、前記空気導入口が前記液体により閉塞されることにより生ずる前記負圧発生部により発生された負圧を用いて前記主弁を閉弁させる自動閉弁機構と、
を有する給液ノズルにおいて、
前記吐出パイプの先端が前記給液口内に所定の深さまで挿入された場合に前記給液口に当接することにより、前記吐出パイプの挿入深さを規制する規制部材を設けたことを特徴とする。
【0012】
(2)本発明の前記規制部材は、基端が前記ノズル本体に固定され、先端の方向が前記吐出パイプの外周と交差するようにL字状に曲げられたことを特徴とする。
【0013】
(3)本発明の前記規制部材は、前記ノズル本体より前記吐出パイプ側に延在形成された延在部と、該延在部の先端から外周と交差するようにL字状に曲げられ、前記吐出パイプの先端が前記給液口内に所定の深さまで挿入された場合に当接する当接部と、を有することを特徴とする。
【0014】
(4)本発明の前記規制部材の延在部は、前記ノズル本体の前記ノズルレバーが配された側に取付けられたことを特徴とする。
【0015】
(5)本発明の前記規制部材の先端と前記吐出パイプの外周との間に隙間が形成されてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、吐出パイプの先端が給液口内に所定の深さまで挿入された場合に給液口に当接することにより吐出パイプの挿入深さを規制する規制部材を設けたため、吐出パイプの先端を給液口の所定深さ位置に正確に挿入させることが可能になる。このため、吐出パイプの先端を給液口の奥深くまで挿入することにより生じうる、被供給タンク内が液体で十分に満たされる前、即ち、満タンになる前に自動閉弁機構が作動して給液が中断してしまったり、また、被供給タンク内を満タンにするために、再度ノズルレバーの開弁操作を行うなどの操作をする必要が無くなり、その分、給液作業効率を高めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明による給液ノズルの一実施例が適用された燃料供給装置を示す側面図である。
【図2A】ノズルスタンドとポリ容器との位置関係を示す側面図である。
【図2B】給液ノズル及びノズルスタンドの位置関係を示す正面図である。
【図3A】規制部材の取付構造を拡大して示す側面図である。
【図3B】吐出パイプと規制部材との位置関係を下方からみた図である。
【図4A】給液ノズルの吐出パイプをポリ容器の給液口に挿入した状態を示す側面図である。
【図4B】給液ノズルの吐出パイプをポリ容器の給液口に挿入した状態を上方からみた平面図である。
【図5A】規制部材の変形例1を示す図である。
【図5B】規制部材の変形例2を示す図である。
【図6】本発明の給液ノズルを用いて車両の燃料タンクに燃料供給する場合を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
【実施例1】
【0019】
〔燃料供給装置の構成〕
本発明による給液ノズルの一実施例が適用された燃料供給装置を示す側面図である。
図1に示されるように、燃料供給装置11は、計量機12と、作業台13の前側に設置されたノズルスタンド15とを有する。ノズルスタンド15の上端には、給液ノズル14が操作しやすい所定高さ位置に調整可能に支持されている。そして、ノズルスタンド15の前側には、灯油(燃料)を給液されるポリ容器(被供給タンク)16が載置される容器載置台17が設けられている。
【0020】
本実施例の給液ノズル14は、ノズルレバー14aを握ることで開弁位置に操作され、ノズルレバー14aから手を離すと、ノズルレバー14aが閉弁位置に戻るように構成されている。また、吐出パイプ14bからノズル本体14cのノズルレバー14aが配された下側には、吐出パイプ14bの先端がポリ容器16の給液口16aに挿入された場合に吐出パイプ14bの挿入深さを規制する規制部材100が設けられている。規制部材100は、基端がノズル本体14cに固定され、先端が吐出パイプ14bの先端の外周と交差するようにL字状に曲げられている。
【0021】
また、給液ノズル14のノズル本体14cには、燃料供給時の燃料の流速によって負圧を発生させる負圧発生機構と、先端が吐出パイプの先端に設けられた空気導入口に連通され、基端が負圧発生機構に連通された空気導入管の先端が液面に閉塞されるのに伴う負圧導入により主弁を閉弁させる自動閉弁機構とが設けられている。尚、自動閉弁機構は、周知技術(例えば、特開2008−290754号公報を参照)であるので、詳細は省略する。
【0022】
給液ノズル14に連通された給液ホース18は、給液作業の邪魔にならないように作業台13の下部に挿通され計量機12の側面に設けられた継手19に接続されている。
【0023】
給液を依頼する顧客は、ポリ容器16を容器載置台17に載置して作業員にポリ容器16の容量(例えば、18リットルまたは20リットル)を伝える。そして、作業員は、給液ノズル14のノズルレバー14aを開弁位置に操作して給液を開始し、ノズルレバーの閉弁操作によりポリ容器16の容量に応じた供給量(プリセット値)をプリセットする。
【0024】
給液すべきポリ容器16は、給液口16aが給液しやすい高さ位置となるように容器載置台17の載置部17aに載置される。そして、載置部17aの下方には、万が一ポリ容器16の給液口16aから油液が溢れた場合、油液を回収するためのオイルパン17bが設置されている。
【0025】
さらに、ノズルスタンド15には、給液ノズル14を昇降可能に支持する昇降機構23が設けられている。
【0026】
〔ノズルスタンド15の構成〕
図2Aはノズルスタンドとポリ容器との位置関係を示す側面図である。図2Bは給液ノズル及びノズルスタンドの位置関係を示す正面図である。図2A及び図2Bに示されるように、ノズルスタンド15は、床面に固定される固定支柱51と、固定支柱51内に摺動可能に挿入され昇降可能に支持された昇降支柱52と、昇降支柱52の上端で給油ノズル14を支持するノズル支持部53と、昇降支柱52の上端に固定されたグリップベース54aと、グリップベース54aに両端が固定されたグリップ54とを有する。また、固定支柱51及び昇降支柱52は、昇降機構23を構成する。
【0027】
さらに、グリップベース54aの下面には、昇降支柱52の外側を覆う筒状の保護カバー部材54b(図2A中、一点鎖線で示す)が取り付けられている。そのため、昇降支柱52は、保護カバー部材54bによって外観上に露出されず、塵埃が付着しにくい構成になっている。また、固定支柱51には、容器載置台17に連結されるブラケット57,58が固定されている。
【0028】
給液ノズル14に設けられた規制部材100は、金属又は樹脂材によりL字状に形成されてなり、延在部102と、当該延在部102の先端を吐出パイプ14bと交差する方向となるようにL字状に曲げられることにより形成された当接部104とを有する。
【0029】
給液ノズル14を用いてポリ容器16への給液を行う際は、まずノズルスタンド15の昇降機構23の昇降動作により給液ノズル14の高さ位置を容器載置台17上に載置されたポリ容器16の給液口16aの高さ位置に合わせながら、吐出パイプ14bの先端を給液口16aに挿入する。その際、給液ノズル14は、吐出パイプ14bの先端を給液口16aに挿入した後、規制部材100の当接部104が給液口16aの上端に当接して吐出パイプ14bの挿入深さが規制される。
【0030】
そして、給液ノズル14の吐出パイプ14bがポリ容器16の給液口16aに挿入され、且つ規制部材100の下端に形成された当接部104を給液口16aに当接した状態でノズルレバー14bが開弁操作されると、ノズル本体14c内の主弁が開弁されて給液ホース18から供給された燃料が吐出パイプ14bからポリ容器16に吐出される。
【0031】
〔規制部材100の構成〕
図3Aに示されるように、規制部材100は、ノズル本体14cのノズルレバー14aが配された下側に延在形成された延在部102と、延在部102の先端より上方に向けて曲げられた当接部104とを有する。当接部104には、吐出パイプ14bが挿通される開口部106が設けられている。また、延在部102の基端103は、ノズル本体14cの前端側下面に締結部材210により固定され、ノズル本体14cと一体的に取り付けられる。
【0032】
また、規制部材100は、延在部102が給液ノズル14の下側に延在するように取り付けられており、給液操作を行う際に操作者から給液口16aが隠れないように取り付けられている。
【0033】
給液ノズル14は、負圧発生機構に連通された空気導入管14f(図3A中、破線で示す)が吐出パイプ14bの内部に挿入されており、空気導入管14fの先端は吐出パイプ14bの吐出口14eと規制部材100の当接部104とのほぼ中間位置に開口する大気導入口14dに連通されている。ここで、大気導入口14dと当接部104との距離Laは、吐出パイプ14bの吐出口14eから当接部104までの距離Lbよりも短く形成されている(La<Lb)。
【0034】
吐出パイプ14bの吐出口14eから当接部104までの距離Lbは、ポリ容器16の給液口16aにおける吐出パイプ14bの挿入深さとなる。
【0035】
従って、規制部材100の当接部104は、空気導入口14dよりも上方に位置しており、給液ノズル14の吐出パイプ14bがポリ容器16の給液口16aに挿入され、且つ規制部材100の当接部104を給液口16aに当接した状態では、空気導入口14dは、給液口16bから距離Laの挿入深さに位置する。よって、給液ノズル14による給液中は、ポリ容器16内の液面上昇により空気導入口14dが閉塞された時点で自動閉弁機構が閉弁動作して給液が自動停止するため、燃料が給液口16bから噴きこぼれることが阻止される。
【0036】
このため、給液ノズル14によれば、吐出パイプ14bの先端を給液口16bの奥深くまで挿入することにより生じうる、ポリ容器16内が液体で十分に満たされる前、即ち、満タンになる前に自動閉弁機構が作動して給液が中断してしまったり、また、ポリ容器16内を満タンにするために、再度ノズルレバー14aの開弁操作を行うなどの操作をする必要が無くなり、その分、給液作業効率を高めることが可能になる。
【0037】
図3Bに示されるように、規制部材100の他端に形成された当接部104は、給液ノズル14の吐出パイプ14bの外周より大径となるU字状の開口106が形成されている。開口106は、吐出パイプ14bの外周との間に隙間Sが形成され、吐出パイプ14bと非接触に形成されている。そのため、規制部材100を給液ノズル14に取り付ける際、開口部106と吐出パイプ14bとの相対位置合わせが容易となり、規制部材100の取付作業が容易に行える。
【0038】
また、当接部104は、ポリ容器16の給液口16aの直径より大きい幅広形状に形成されている。そのため、規制部材100は、給液ノズル14による給液を行う際、当接部104の平面が給液口16aに当接するため、変形しにくく、耐久性が高められている。
【0039】
図4Aに示されるように、吐出パイプ14bの先端が給液口16aに挿入される際は、規制部材100の当接部104の平面が給液口16aの端部に当接して吐出パイプ14bの挿入深さを一定挿入高さ位置に規制できる。従って、給液作業時に吐出パイプ14bの挿入深さ(Lb)が変動せず、当該ポリ容器16の容量(給液可能量)に応じた液面高さに達するまで給液が連続して行える。
【0040】
そして、ポリ容器16内の液面高さが当該ポリ容器16の容量(給液可能量)に応じた液面高さに達したとき、給液ノズル14の空気導入孔14dが液面に閉塞されて自動閉弁機構が作動して給液を停止させる。
【0041】
このように、ポリ容器16への給液作業は、給液量がプリセット値に達して給液が自動停止したとき、あるいは給液ノズル14の自動閉弁機構により自動的に停止すると、給液によるポリ容器16内の液面高さが当該容量(給液可能量)に応じた液面高さに達することになる。すなわち、例えば、吐出パイプ14bの先端の吐出口14eを給液口16aから所定深さ(Lb)よりも深く挿入させた場合、ポリ容器16への給液開始後、給液がプリセット値に達する前に自動閉弁機構により自動的に停止した後に、給液ノズル14のノズルレバー14aを再度開弁操作して追加の給液操作を行う必要がないので、給液操作の効率が高められる。
【0042】
図4Bに示されるように、給液ノズル14による給液操作を行う際は、上記規制部材100が給液ノズル14の下側に延在するように取り付けられ、且つ規制部材100の当接部104に開口部106が形成されているため、吐出パイプ14bが給液口16aに挿入される様子を操作者自身が上方から目視することができる。そのため、ポリ容器16への給液操作する際に、吐出パイプ14bが給液口16aから外れないように給液ノズル14を操作することが可能になり、給液操作の効率が高められる。
【0043】
また、規制部材100の当接部104は、ポリ容器16の給液口16aを覆うように四角形の平板状に形成されているため、吐出パイプ14からポリ容器16内に吐出された燃料が給液口16bから外部に飛散されることを防止する。
【0044】
また、規制部材100を例えば透明性を有する難燃性樹脂により形成することで吐出パイプ14bを給液口16aに挿入させる際の様子を操作者自身が目視しやすくしても良い。
【0045】
〔規制部材100の変形例〕
図5Aは規制部材の変形例1を示す図である。図5Aに示されるように、変形例1の規制部材100Aは、当接部104Aの開口106が吐出パイプ14bの下側に嵌合するように形成され、且つ、吐出パイプ14bの上部が開放されるように形成されているため、作業者が吐出パイプ14bの先端を給液口16aに挿入させる際に、作業者が吐出パイプ14bの先端位置を確認できるため給液口16aへの吐出パイプ14bの挿入が容易になり、給液操作の効率が高められる。
【0046】
図5Bは規制部材の変形例2を示す図である。図5Bに示されるように、変形例2の規制部材100Bは、当接部104Bに形成された開口106Bが吐出パイプ14bの外周に嵌合するように円形状に形成されており、当接部104Bが吐出パイプ14bの外周を全周で保持される。また、規制部材100Bは、当接部104Bの給液口16aに当接する範囲が大きく、且つ吐出パイプ14bにより補強されるため、作業者が吐出パイプ14bの先端を給液口16aに挿入した際、当接部104Bが押圧方向に変形することが防止されると共に、吐出パイプ14bの挿入深さを確実に規制することができる。
【0047】
また、当接部104Bの開口106B内周と吐出パイプ14bの外周との接合することにより、当接部104Bと吐出パイプ14bとが強固に結合されて規制部材100の耐久性を向上させることができる。
【0048】
〔他の燃料供給装置に給液ノズル14を適用した例〕
図6は本発明の給液ノズルを用いて車両の燃料タンクに燃料供給する場合を示す側面図である。図6に示されるように、燃料供給装置110は、自動車120の燃料タンク(被供給タンク)130(破線で示す)にガソリン又は軽油などの燃料を給液するものである。
【0049】
給液ノズル14は、ノズルレバー14aが配された下側に規制部材100が取り付けられているため、自動車120の給液口140に吐出パイプ14bを挿入する際、規制部材100の当接部104が給液口140に当接し、吐出パイプ14bの挿入長さが規制される。そのため、給液ノズル14による燃料供給時は、吐出パイプ14bの先端の挿入深さが一定になり、満タン給液時における自動停止機構による供給停止位置が給液口140から所定深さ位置で安定するため、ノズルレバー14aの開弁操作による追加給液操作が不要になる。よって、給液ノズル14を用いた自動車120への給液操作の燃料供給効率を高めることができる。
【0050】
また、給液ノズル14による燃料供給時は、給液口140が規制部材100の当接部104に閉塞されるため、給液時に給液口140から燃料が飛散することを防止される。
【産業上の利用可能性】
【0051】
上記実施例では、給液ノズルを用いてポリ容器に灯油を供給する場合と自動車の燃料タンクにガソリン又は軽油を供給する場合について説明したが、これに限らず、上記以外の燃料(例えば、尿素やエタノールなど)及び燃料以外の液体を給液する場合にも本発明が適用できるのは勿論である。
【符号の説明】
【0052】
11、110 燃料供給装置
12 計量機
14 給液ノズル
14a ノズルレバー
14b 吐出パイプ
14c ノズル本体
15 ノズルスタンド
16 ポリ容器
16a 給液口
18 給液ホース
23 昇降機構
100、100A、100B 規制部材
102 延在部
104、104A、104B 当接部
106、106A、106B 開口部
120 自動車
130 燃料タンク
140 給液口


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が供給される被供給タンクの給液口に挿入される吐出パイプと、
前記吐出パイプの基端が接続されるとともに、内部に形成された前記液体の流路途中に設けられ、ノズルレバーの操作により前記流路を開閉させる主弁を有するノズル本体と、
を備え、
前記ノズル本体は、
前記主弁の開弁により前記液体の流速によって負圧を発生させる負圧発生部と、
前記負圧発生部で発生した負圧により前記吐出パイプの吐出口の近傍に設けられた空気導入口に連通する空気導入管を介して空気が導入され、前記空気導入口が前記液体により閉塞されることにより生ずる前記負圧発生部により発生された負圧を用いて前記主弁を閉弁させる自動閉弁機構と、
を有する給液ノズルにおいて、
前記吐出パイプの先端が前記給液口内に所定の深さまで挿入された場合に前記給液口に当接することにより、前記吐出パイプの挿入深さを規制する規制部材を設けたことを特徴とする給液ノズル。
【請求項2】
前記規制部材は、基端が前記ノズル本体に固定され、先端の方向が前記吐出パイプの外周と交差するようにL字状に曲げられたことを特徴とする請求項1に記載の給液ノズル。
【請求項3】
前記規制部材は、前記ノズル本体より前記吐出パイプ側に延在形成された延在部と、該延在部の先端から外周と交差するようにL字状に曲げられ、前記吐出パイプの先端が前記給液口内に所定深さまで挿入された場合に当接する当接部と、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の給液ノズル。
【請求項4】
前記規制部材の延在部は、前記ノズル本端の前記ノズルレバーが配された側に取付けられたことを特徴とする請求項3に記載の給液ノズル。
【請求項5】
前記規制部材の先端と前記吐出パイプの外周との間に隙間が形成されてなることを特徴とする請求項3又は4に記載の給液ノズル。


【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図1】
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【公開番号】特開2013−39959(P2013−39959A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179388(P2011−179388)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(000110099)トキコテクノ株式会社 (264)
【Fターム(参考)】