説明

給湯器リモコン

【課題】複数のパラメータの変更を共通するスイッチの操作により行なう際の使用者の使い勝手を向上させた給湯器リモコンを提供することを目的とする。
【解決手段】Upスイッチ18及びDownスイッチ19と、パラメータ変更可能モードとパラメータ変更不能モードとを切替えるモード切替手段31と、選択スイッチ17とを備えた給湯器リモコン3において、変更されたパラメータを示すパラメータ指示データを記憶するメモリ34と、パラメータ変更不能モードからパラメータ変更可能モードに切替わったときに、前記パラメータ指示データにより示されるパラメータを変更の対象とする最初のパラメータとして選択し、以後、Upスイッチ18及びDownスイッチ19が操作されることなく選択スイッチ17が操作される毎に、予め設定された選択順序に従って、次に変更の対象とするパラメータを選択するパラメータ選択手段32とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯器の作動に関するパラメータを含む複数のパラメータの設定を変更する機能を備えた給湯器リモコンに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、給湯器の機能は多様化しており、それに伴って給湯器リモコンにより設定を変更できるパラメータの種類も増加している。例えば浴槽への自動湯張りを行う際に必要となる湯張り量や湯張り温度、予約運転を行なうための現在時刻、浴室暖房機の作動/停止等に関するパラメータの設定を変更可能とする必要がある。
【0003】
そして、給湯器リモコンに、これらのパラメータの設定を変更するためのスイッチをパラメータ毎に個別に設けると、スイッチの個数の増加により給湯器リモコンのサイズが大きくなると共にスイッチのコストも増加する。そこで、1個の選択スイッチと1組のUpスイッチ及びDownスイッチを設け、該選択スイッチとUpスイッチ及びDownスイッチを組み合わせた操作により、複数のパラメータの設定の変更を可能とした給湯器リモコンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
かかる給湯器リモコンによれば、スイッチの個数の増加を抑えて給湯器リモコンのサイズを小さくすることができる。しかし、かかる給湯器リモコンにおいては、パラメータを選択してパラメータの設定を変更する際に多くのスイッチ操作が必要となる場合があり、この場合には使用者の使い勝手が悪いという不都合があった。
【特許文献1】特開2003−130450号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記不都合を解消するためになされたものであり、複数のパラメータの設定変更を共通するスイッチの操作により行なう際の使用者の使い勝手を向上させた給湯器リモコンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、給湯器を遠隔操作する給湯器リモコンであって、少なくとも給湯器の作動に関するパラメータを含む複数のパラメータの設定の変更を指示するためのパラメータ変更スイッチと、該パラメータ変更スイッチの操作に応じて、パラメータの設定を変更するパラメータ変更手段と、該パラメータ変更スイッチによるパラメータの設定の変更が可能なパラメータ変更可能モードと、該パラメータの設定の変更が不能なパラメータ変更不能モードとを切替えるモード切替手段と、前記パラメータ変更スイッチによる設定変更の対象となるパラメータの選択を指示するためのパラメータ選択スイッチとを備えた給湯器リモコンの改良に関する。
【0007】
そして、前記パラメータ変更手段により設定が変更されたパラメータを示すパラメータ指示データを記憶する記憶手段と、前記パラメータ変更不能モードから前記パラメータ変更可能モードに切替わったときに、前記パラメータ指示データにより示されるパラメータを前記パラメータ変更スイッチによる設定変更の対象とする最初のパラメータとして選択し、以後、前記パラメータ変更スイッチが操作されることなく前記パラメータ選択スイッチが操作される毎に、予め設定された各パラメータの選択順序に従って、次に前記パラメータ変更スイッチによる設定変更の対象とするパラメータを選択するパラメータ選択手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
かかる本発明によれば、前記パラメータ変更スイッチの操作によりいずれかのパラメータの設定が変更されたときに、該設定が変更されたパラメータを示す前記パラメータ指示データが前記記憶手段に記憶される。そして、このように一度設定が変更されたパラメータについては、続けて設定が変更される可能性が高い場合がある。そこで、前記パラメータ選択手段は、前記パラメータ変更不能モードから前記パラメータ変更可能モードに切替わったときに、前記記憶手段に記憶された前記パラメータ指示データにより示されるパラメータを、前記パラメータ変更スイッチによる設定変更の対象とする最初のパラメータとして選択する。これにより、使用者が設定を変更する可能性が高いパラメータを選択するために前記パラメータ選択スイッチを操作する回数が減少し、使用者の使い勝手が向上することが期待できる。
【0009】
また、前記パラメータ変更手段によりいずれかのパラメータの設定が変更されたときに、前記記憶手段に記憶された前記パラメータ指示データを該設定が変更されたパラメータを示すデータに更新するか否かを、使用者の指示に応じて決定するデータ更新決定手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
かかる本発明によれば、使用者は、前記パラメータ変更スイッチにより変更したパラメータを、次回のパラメータ変更時に最初に選択されるパラメータとするか否かを決定することができるため、使い勝手がよい。
【0011】
また、前記モード切替手段は、前記パラメータ変更可能モードにおいて、前記パラメータ変更スイッチにより何れかのパラメータの設定変更の操作がされた後、前記パラメータ選択スイッチが操作されたときに、前記パラメータ変更可能モードから前記パラメータ変更不能モードに切替え、前記データ更新決定手段は、該パラメータ変更可能モードからパラメータ変更不能モードへの切替えを指示する前記パラメータ選択スイッチの操作において、前記パラメータ選択スイッチが所定時間以上継続してON状態とされたときは、前記パラメータ指示データを更新することを決定し、前記パラメータ選択スイッチが該所定時間よりも短い時間継続してON状態とされたときには、前記パラメータ指示データを更新しないことを特徴とする。
【0012】
かかる本発明によれば、前記データ更新決定手段は、使用者が前記パラメータ変更可能モードから前記パラメータ変更不能モードへの切替えを指示する際の前記パラメータ選択スイッチを操作する時間が、前記所定時間以上であるか否かによって、前記パラメータ指示データを更新するか否かを決定する。そのため、前記パラメータ指示データを更新するか否かを指示するためのスイッチを別個に設ける必要がない。さらに、前記パラメータ選択スイッチの1回の操作により、前記パラメータ変更可能モードから前記パラメータ変更不能モードへの切替えと、前記パラメータ指示データの更新の有無を指示することができるため、使用者の操作を簡素化することができる。
【0013】
また、前記データ更新決定手段の決定に応じて、前記パラメータ指示データが更新されたことを報知する報知手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
かかる本発明によれば、使用者が前記パラメータ選択スイッチを前記所定時間以上継続して操作したときに、前記データ更新決定手段によりパラメータ指示データが変更される。そこで、前記報知手段により報知を行って、使用者に対して、直近に変更されたパラメータが、次回のパラメータの変更操作において最初に選択されるように設定されたことを認識させることにより、使用者の使い勝手を向上させることができる。
【0015】
また、暖房機を遠隔操作する機能を有し、前記パラメータには、該暖房機の作動と停止を指示するためのパラメータが含まれることを特徴とする。
【0016】
かかる本発明において、使用者が前記暖房機の作動を指示して暖房を開始した場合、その後、暖房を終了させるために、使用者は前記暖房機の停止を指示することになる。この場合、使用者が、暖房機の作動と停止を指示するためのパラメータの設定変更の操作により暖房機の作動開始を指示したときに、該パラメータを示す前記パラメータ指示データを前記記憶手段に記憶することによって、次に暖房機の作動を停止するためにパラメータの設定変更の操作をするときには、暖房機の作動と停止を指示するためのパラメータが最初に選択される。そのため、使用者は、暖房機の作動の停止操作を容易に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施の形態について、図1〜図8を参照して説明する。図1は本発明の給湯器リモコンを備えた給湯システムの全体構成図、図2は図1に示した浴室リモコンの構成図、図3は図1に示した浴室リモコンの表示器の表示状態を示した説明図、図4は図1に示した台所リモコンの構成図及び台所リモコンの表示器の表示状態を示した説明図、図5,図6はパラメータの変更処理のフローチャート、図7は台所リモコンにおける各パラメータの選択順序を示した説明図、図8は浴室リモコンにおける各パラメータの選択順序を示した説明図である。
【0018】
図1を参照して、給湯器5は給湯配管(図示しない)に湯を供給する機能の他に、浴槽(図示しない)に所定量の湯を供給する自動湯張り機能、浴槽内の湯を追焚きする追焚き機能、温水式の浴室暖房機7(本発明の暖房機に相当する)及び床暖房機8(本発明の暖房機に相当する)に湯を循環させる温水循環機能等を備えている。なお、給湯器5に備えられた電子ユニットであるコントローラ6によって、これらの機能に基づく各種の運転が実行される。
【0019】
そして、給湯器5を遠隔操作する本発明の給湯器リモコンとして、台所に設けられた台所リモコン1と、洗面所等に設けられた増設リモコン2と、浴室に設けられた浴室リモコン3とが備えられている。
【0020】
図2を参照して、浴室リモコン3には、給湯器5の作動状態等を表示する表示器10、自動湯張り運転の実行を指示するための自動スイッチ11、追焚き運転の実行を指示するための追焚きスイッチ12、給湯器5を給湯動作が可能な運転状態と給湯動作が不能な待機状態とに切替えるための運転スイッチ13、台所リモコン1と増設リモコン2に設けられたブザーの鳴動を指示するための呼び出しスイッチ15、台所リモコン1と増設リモコン2による給湯温度の設定を無効として浴室リモコン3による給湯温度の設定を優先させることを指示するための優先スイッチ16、音声出力やブザー音を出力するためのスピーカ22、給湯器5や浴室リモコン3の作動等に関する各種のパラメータの設定変更が可能な「パラメータ変更可能モード」と該パラメータの設定変更が不能な「パラメータ変更不能モード」との切替え等を指示するための選択スイッチ17(本発明のパラメータ選択スイッチに相当する)、給湯温度の変更やパラメータの設定変更を指示するためのUPスイッチ18とDOWNスイッチ19(本発明のパラメータ変更スイッチに相当する)、浴槽に高温の湯を所定量供給する「足し湯」の実行を指示するための足し湯スイッチ20、及び浴槽に水を所定量供給する「ぬる湯」の実行を指示するためのぬる湯スイッチ21が備えられている。
【0021】
また、浴室リモコン3は、マイクロコンピュータ等により構成されたコントローラ30を備え、該コントローラ30により浴室リモコン3の作動が制御される。コントローラ30には、「パラメータ変更可能モード」と「パラメータ変更不能モード」の切替えを行なうモード切替手段31、変更の対象とするパラメータの選択処理を実行するパラメータ選択手段32、パラメータの設定の変更処理を実行するパラメータ変更手段35、パラメータ選択処理において最初に選択されるパラメータを指示するパラメータ指示データ等を記憶するメモリ34、及びメモリ34に記憶されたパラメータ指示データを更新するか否かを決定するデータ更新決定手段33が備えられている。
【0022】
浴室リモコン3の表示器10には、図3に示したように、給湯運転の実行時に点灯する給湯燃焼表示部40、給湯温度を表示する給湯温度表示部41、給湯温度を所定範囲で変更する「ゆらぎのシャワー」が設定されているときに点灯するゆらぎ表示部42、給湯温度の設定が60℃以上であるときに点灯する高温表示部43、浴槽内の湯の保温動作中に点灯する保温表示部44、追焚き運転の実行中に点灯する風呂燃焼表示部45、現在時刻と予約時刻とパラメータ変更可能モードにおける選択パラメータとのいずれかを表示する時計表示部46、パラメータの設定状態(入/切)を表示する切表示47と入表示48、予約時刻であることを表示する予約表示部49、自動湯張り・追焚き・足し湯・ぬる湯の各運転の実行中に点灯する風呂運転表示部50、浴槽への湯張り量の目安を表示する水位表示部51、及び湯張り温度や湯張り量等を表示する風呂温度表示部52が備えられている。
【0023】
次に、図4(a)を参照して、台所リモコン1には、給湯器5の作動状態等を表示する表示器60、自動湯張り運転の実行を指示するための自動スイッチ61、給湯器5を給湯動作が可能な運転状態と給湯動作が不能な待機状態とに切替えるための運転スイッチ62、給湯器5や台所リモコン1の作動等に関する各種のパラメータの設定変更が可能な「パラメータ変更可能モード」と該パラメータの設定変更が不能な「パラメータ変更不能モード」との切替えを指示するための選択スイッチ65(本発明のパラメータ選択スイッチに相当する)、給湯温度の変更とパラメータの設定変更とを指示するためのUPスイッチ63とDOWNスイッチ64(本発明のパラメータ変更スイッチに相当する)、及び音声出力やブザー音を出力するためのスピーカ66が備えられている。
【0024】
図4(b)に示したように、台所リモコン1の表示器60には、「パラメータ変更可能モード」において選択されたパラメータを点灯するパラメータ表示部70、給湯運転の実行時に点灯する給湯燃焼表示部72、浴室暖房機7を自動湯張り運転と連動して作動させる「浴室連動」状態に設定されているときに点灯する連動表示部73、浴槽内の湯の保温動作中に点灯する保温表示部74、自動湯張り・追焚き・足し湯・ぬる湯の各運転の実行中に点灯する風呂運転表示部75、給湯温度・湯張り温度を表示する給湯温度表示部76、現在時刻と予約時刻を表示する時計表示部77、パラメータの設定状態を表示する入表示部78と切表示部79、及び追焚き運転の実行中に点灯する風呂燃焼表示部80が備えられている。
【0025】
なお、台所リモコン1にも、図2に示した浴室リモコン3のコントローラ30と同様のコントローラが備えられている。また、増設リモコン2の構成は台所リモコン1と同様である。
【0026】
次に、図5及び図6に示したフローチャートに従って、浴室リモコン3によるパラメータの変更処理について説明する。図5のSTEP1で使用者が選択スイッチ17を操作するとモード切替手段31により「パラメータ変更可能モード」に切替えられる。そして、パラメータ選択手段32は、続くSTEP2でメモリ34に記憶されたパラメータ指示データを読み出し、STEP3で該パラメータ指示データにより指示されるパラメータを変更対象とするパラメータとして選択する。
【0027】
ここで、浴室リモコン3においては、運転状態では図7(a)に示したように、「時計合わせ」パラメータ100→「暖房」パラメータ101→「ゆらぎ」パラメータ102→「ふろ温度」パラメータ103→「ふろ湯量」パラメータ104→「保温時間」パラメータ105→「音量」パラメータ106→「連動」パラメータ107→「セルフクリーン」パラメータ108→「セーブ」パラメータ109→「時計合わせ」パラメータ100→…という選択順序が予め設定されている。
【0028】
また、待機状態では図7(b)に示したように、給湯動作に関与しない、「時計合わせ」パラメータ100→「暖房」パラメータ101→「音量」パラメータ106→「連動」パラメータ107→「セルフクリーン」パラメータ108→「セーブ」パラメータ109→「時計合わせ」パラメータ→…という選択順序が予め設定されている。
【0029】
なお、パラメータ指示データの初期値として、「時計合わせ」パラメータを指示するデータがメモリ34に記憶され、給湯器5及び各リモコン1,2,3の設置後、最初に電源が投入されて選択スイッチ17が操作されたときには、「時計合わせ」パラメータが変更対象として選択される。
【0030】
ここで、「時計合わせ」パラメータは、浴室リモコン3に備えられた計時手段(図示しない)の計時時刻のデータであり、「時計合わせ」パラメータの設定を変更することで計時手段の計時時刻を修正することができる。また、「暖房」パラメータ101は浴室暖房機7の作動/停止を指示するものであり、「ゆらぎ」パラメータ102は上述したゆらぎモードの設定/解除を指示するものである。
【0031】
「ふろ温度」パラメータは自動湯張り運転における浴槽への給湯温度の設定データであり、「ふろ湯量」パラメータは自動湯張り運転における浴槽への湯張り量の設定データであり、「保温時間」パラメータは自動湯張り運転が終了してから浴槽内の湯を保温する時間の設定データである。
【0032】
「音量」パラメータ106はスピーカ22の出力レベルのデータであり、「連動」パラメータは自動湯張り運転と浴室暖房機7の作動との連動の設定/解除を指示するものである。「セルフクリーン」パラメータは、自動湯張り運転の終了後時に給湯器5から浴槽への湯張り配管(図示しない)中に残った湯を浴槽内に排出するセルフクリーン処理の実行の設定/解除を指示するものである。
【0033】
「セーブ」パラメータは、運転状態において、給湯器5の給湯動作が終了してから約10分が経過した時に、浴室リモコン3の表示器10を消灯すると共に、運転スイッチ13以外のスイッチのLEDを消灯して、運転スイッチ13のLEDのみが点灯した状態とし、これにより浴室リモコン3の消費電力を低減する「セーブモード」動作の設定/解除を指示するものである。
【0034】
そして、次のSTEP4で、パラメータ選択手段32は、選択したパラメータの種類を表示器10の時計表示部46に表示する。例えば、「浴室暖房」パラメータが選択されたときは、時計表示部46に「浴室暖房」と表示される。
【0035】
続くSTEP5で、パラメータ選択手段32は、Upスイッチ18又はDownスイッチ19が操作されたか否かを判断する。そして、Upスイッチ18及びDownスイッチ19のいずれも操作されなかったときには、STEP20に分岐して選択スイッチ17が操作されたか否かを判断する。そして、選択スイッチ17が操作されたときはSTEP21に進み、パラメータ選択手段32は、次の選択順位のパラメータを選択してSTEP4に進む。
【0036】
例えば、「浴室暖房」パラメータが選択されているときに、STEP5でUpスイッチ18とDownスイッチ19のいずれも操作されずに、STEP20で選択スイッチ17が操作されると、図8(a)に示した選択順位に従って、「床暖房」パラメータが選択される。そして、引き続き、STEP5でUpスイッチ18とDownスイッチ19のいずれも操作されずにSTEP20で選択スイッチ17が操作されるごとに、STEP21に進んで、「ふろ温度」パラメータ→「ふろ湯量」パラメータ→「音量」パラメータ→ … の順で次の選択順位のパラメータが選択される。
【0037】
一方、STEP5でUpスイッチ18又はDownスイッチ19が操作されると、STEP6に進む。STEP6〜図6のSTEP10及びSTEP40は、パラメータ変更手段35により実行されるパラメータの変更処理である。パラメータ変更手段35は、STEP6で1分タイマをスタートさせ、STEP7でUpスイッチ18又はDownスイッチ19の操作に応じて、パラメータの設定状態の表示を変更する。
【0038】
例えば、「浴室暖房」パラメータが選択されているときには、Upスイッチ18又はDownスイッチ19が操作される毎に、入表示部48と切表示部47が交互に点灯する。「ゆらぎ」パラメータ、「連動」パラメータ、「セルフクリーン」パラメータ、及び「セーブ」パラメータ109についても同様である。
【0039】
また、「時計合わせ」パラメータ及び「保温時間」パラメータが選択されたときは、Upスイッチ18又はDownスイッチ19の操作に応じて、時計表示部46の表示が変更される。また、「ふろ温度」パラメータ、「ふろ湯量」パラメータ、「音量」パラメータが選択されたときは、Upスイッチ18又はDownスイッチ19の操作に応じて、風呂温度表示部52の表示が変更される。
【0040】
次のSTEP8でUpスイッチ18とDownスイッチ19のいずれも操作されていないときはSTEP9に進み、パラメータ変更手段35は、選択スイッチ17が操作されたか否かを判断する。STEP9で選択スイッチ17が操作されたときは図6のSTEP10に進み、パラメータ変更手段35はパラメータの値を変更する。
【0041】
続くSTEP11〜STEP12はデータ更新決定手段33による処理であり、データ更新決定手段33は、STEP9における選択スイッチ17の操作が、ON操作(選択スイッチ17の押圧操作)が所定時間(例えば3秒)以上継続して行なわれた長押し操作であったか否かを判断する。そして、長押し操作であったときにはSTEP12に進み、データ更新決定手段33は、メモリ34に記憶されたパラメータ指示データを、STEP10で変更したパラメータを指示するデータに更新する。
【0042】
そして、コントローラ30は、続くSTEP13でスピーカ22から「初期パラメータを変更しました」という音声を出力し、STEP14で更新したパラメータの表示を点滅して、パラメータ指示データが更新されて次回パラメータの設定変更の操作を行なうときには、今回設定を変更したパラメータが最初に選択される状態となったことを使用者に報知する。なお、コントローラ30によりこのように音声と表示による報知を行う機能が、本発明の報知手段に相当する。
【0043】
一方、STEP11で選択スイッチ17の操作が長押し操作でなかったときには、STEP15に進み、メモリ34に記憶されたパラメータ指示データの更新は行なわれない。そのため、使用者は図5のSTEP9において、選択スイッチ17を長押し操作するか否かにより、次回のパラメータ変更操作を行なうときに最初に選択されるパラメータを変更するか否かを選択することができる。
【0044】
また、図5のSTEP9で選択スイッチ17が操作されていないときにはSTEP40に分岐して、パラメータ変更手段35は1分タイマがタイムアップしているか否かを判断する。そして、1分タイマがタイムアップしていないときはSTEP8に戻り、1分タイマがタイムアップしていたときには図6のSTEP10に進んで、パラメータ値を変更する。そして、STEP11に進むが、選択スイッチ17の長押し操作はされていないのでSTEP16に進んで処理を終了する。
【0045】
次に、台所リモコン1においても、以上説明した浴室リモコン3と同様に、選択スイッチ65の操作により「パラメータ変更不能モード」から「パラメータ変更可能モード」に切替わり、Upスイッチ63又はDownスイッチ64の操作によりパラメータ値の変更が可能となる。
【0046】
そして、「パラメータ変更不能モード」から「パラメータ変更可能モード」に切替えられた後、Upスイッチ63とDownスイッチ64のいずれも操作されることなく、選択スイッチ65が操作されたときには、選択されるパラメータが切替えられるが、このときの選択順序は、図8(a)に示したように、「時計合わせ」パラメータ120→「予約」パラメータ121→「排水」パラメータ122→「浴室暖房」パラメータ123→「暖房」パラメータ124→「ふろ温度」パラメータ125→「ふろ湯量」パラメータ126→「音量」パラメータ127→「静音」パラメータ128→「セーブ」パラメータ129→「時計合わせ」パラメータ120→…という選択順序が予め設定されている。
【0047】
また、待機状態では、図8(b)に示したように、給湯動作に関与しない、「時計合わせ」パラメータ120→「排水」パラメータ122→「浴室暖房」パラメータ123→「暖房」パラメータ124→「音量」パラメータ127→「静音」パラメータ128→「セーブ」パラメータ129→「時計合わせ」パラメータ120→…という選択順序が予め設定されている。
【0048】
ここで、浴室リモコン3では選択できなかったパラメータについて説明する。「予約」パラメータは、自動湯張り運転を開始する時刻(予約時刻)のデータである。また、「浴室暖房」パラメータは浴室リモコン3における「暖房」パラメータと同様に、浴室暖房機7の作動/停止を指示するものである。
【0049】
また、「暖房」パラメータは、床暖房機8の作動/停止を指示するものであり、「静音」パラメータは、浴室暖房機7の暖房開始時など、浴室暖房機7が最大能力近くで暖房運転しているときに、暖房能力を低下させて運転音を減少させる「静音運転」の設定/解除を指示するものである。
【0050】
なお、図4(a),図4(b)を参照して、台所リモコン1においては、表示器60のパラメータ表示部70に選択されたパラメータが点灯し、作動/停止又は設定/解除を行なうパラメータの場合は、Upスイッチ63又はDownスイッチ64の操作に応じて入表示部78と切表示部79が交互に点灯する。
【0051】
また、「時計合わせ」パラメータ、「予約」パラメータ、及び「ふろ湯量」パラメータの場合は、Upスイッチ63又はDownスイッチ64の操作に応じて時刻表示部77の表示が変わる。また、「ふろ温度」パラメータ、及び「音量」パラメータの場合は、Upスイッチ63又はDownスイッチ64の操作に応じて給湯温度表示部76の表示が変わる。
【0052】
また、増設リモコン2においても、台所リモコン1と同様に、選択スイッチ65の操作により「パラメータ変更不能モード」から「パラメータ変更可能モード」に切替わり、Upスイッチ63又はDownスイッチ64の操作によりパラメータ値の変更が可能となる。
【0053】
なお、本実施の形態では、浴室リモコン3にデータ更新決定手段33を備えて、選択スイッチ17によりいずれかのパラメータが変更されたときに、該変更されたパラメータを示すデータによりメモリ34に記憶されたパラメータ指示データを更新するか否かを決定するようにしたが、パラメータ更新決定手段33を備えない場合であっても本発明の効果を得ることができる。
【0054】
また、本実施の形態では、図6のSTEP12において、選択スイッチ17の長押操作の有無により、データ更新決定手段33はメモリ34に記憶されたパラメータ指示データを更新するか否かを決定したが、他の操作により、パラメータ指示データを更新するか否かを決定するようにしてもよい。
【0055】
また、本実施の形態では、本発明の暖房機として、温水式の浴室暖房機7及び床暖房機8を示したが、温水式の温風暖房機等、他の種類の暖房機であっても給湯器リモコンで操作可能なものであれば本発明の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の給湯器リモコンを備えた給湯システムの全体構成図。
【図2】図1に示した浴室リモコンの構成図。
【図3】図1に示した浴室リモコンの表示器の表示状態を示した説明図。
【図4】図1に示した台所リモコンの構成図及び台所リモコンの表示器の表示状態を示した説明図。
【図5】パラメータの変更処理のフローチャート。
【図6】パラメータの変更処理のフローチャート。
【図7】台所リモコンにおける各パラメータの選択順序を示した説明図。
【図8】浴室リモコンにおける各パラメータの選択順序を示した説明図。
【符号の説明】
【0057】
1…台所リモコン、2…増設リモコン、3…浴室リモコン、5…給湯器、6…(給湯器の)コントローラ、7…浴室暖房機、8…床暖房機、10…(浴室リモコンの)表示器、17…(浴室リモコンの)選択スイッチ、18…(浴室リモコンの)Upスイッチ、19…(浴室リモコンの)Downスイッチ、30…(浴室リモコンの)コントローラ、31…モード切替手段、32…パラメータ選択手段、33…データ更新決定手段、34…メモリ、60…(台所リモコンの)表示器、63…(台所リモコンの)Upスイッチ、64…(台所リモコンの)Downスイッチ、65…(台所リモコンの)表示器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯器を遠隔操作する給湯器リモコンであって、
少なくとも給湯器の作動に関するパラメータを含む複数のパラメータの設定の変更を指示するためのパラメータ変更スイッチと、該パラメータ変更スイッチの操作に応じて、パラメータの設定を変更するパラメータ変更手段と、該パラメータ変更スイッチによるパラメータの設定の変更が可能なパラメータ変更可能モードと、該パラメータの設定の変更が不能なパラメータ変更不能モードとを切替えるモード切替手段と、前記パラメータ変更スイッチによる設定変更の対象となるパラメータの選択を指示するためのパラメータ選択スイッチとを備えた給湯器リモコンにおいて、
前記パラメータ変更手段により設定が変更されたパラメータを示すパラメータ指示データを記憶する記憶手段と、
前記パラメータ変更不能モードから前記パラメータ変更可能モードに切替わったときに、前記パラメータ指示データにより示されるパラメータを前記パラメータ変更スイッチによる設定変更の対象とする最初のパラメータとして選択し、以後、前記パラメータ変更スイッチが操作されることなく前記パラメータ選択スイッチが操作される毎に、予め設定された各パラメータの選択順序に従って、次に前記パラメータ変更スイッチによる設定変更の対象とするパラメータを選択するパラメータ選択手段とを備えたことを特徴とする給湯器リモコン。
【請求項2】
前記パラメータ変更手段によりいずれかのパラメータの設定が変更されたときに、前記記憶手段に記憶された前記パラメータ指示データを該設定が変更されたパラメータを示すデータに更新するか否かを、使用者の指示に応じて決定するデータ更新決定手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の給湯器リモコン。
【請求項3】
前記モード切替手段は、前記パラメータ変更可能モードにおいて、前記パラメータ変更スイッチにより何れかのパラメータの設定変更の操作がされた後、前記パラメータ選択スイッチが操作されたときに、前記パラメータ変更可能モードから前記パラメータ変更不能モードに切替え、
前記データ更新決定手段は、該パラメータ変更可能モードからパラメータ変更不能モードへの切替えを指示する前記パラメータ選択スイッチの操作において、前記パラメータ選択スイッチが所定時間以上継続してON状態とされたときは、前記パラメータ指示データを更新することを決定し、前記パラメータ選択スイッチが該所定時間よりも短い時間継続してON状態とされたときには、前記パラメータ指示データを更新しないことを特徴とする請求項2記載の給湯器リモコン。
【請求項4】
前記データ更新決定手段の決定に応じて、前記パラメータ指示データが更新されたことを報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項3記載の給湯器リモコン。
【請求項5】
暖房機を遠隔操作する機能を有し、前記パラメータには、該暖房機の作動と停止を指示するためのパラメータが含まれることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項記載の給湯器リモコン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−226544(P2006−226544A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−37708(P2005−37708)
【出願日】平成17年2月15日(2005.2.15)
【出願人】(000115854)リンナイ株式会社 (1,534)
【Fターム(参考)】