説明

給湯装置、並びに、給湯システム

【課題】本発明は、簡易な構成で即出湯が可能な給湯装置、並びに、給湯システムを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の給湯部3は、循環回路11と、前記循環回路11に配されて湯水を加熱する加熱手段と、前記循環回路11に配される循環ポンプ19と、前記加熱手段で加熱された湯水を循環回路11から所定位置に導く給湯流路14と、前記給湯流路14に供給された湯水を所定位置で外部に排出する出湯部33と、前記給湯流路14に供給された湯水を再び前記循環回路11に戻す戻り流路70と、前記戻り流路70と前記循環回路11とを連通させることにより、前記循環ポンプ19および前記加熱手段を含んで形成される即出湯環状流路85と、前記加熱手段で加熱された湯水を前記循環ポンプ19によって前記即出湯環状流路85に循環させる即出湯運転を行なう制御装置50と、を備えることを特徴とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望の温度の湯をすばやく出湯することができる、いわゆる即出湯が可能な給湯装置、並びに、給湯システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、バーナ等の加熱手段により加熱された湯をカラン等の出湯部から出湯する給湯装置が知られている。このような給湯装置では、加熱手段で加熱された湯を出湯部に供給するため、加熱手段と出湯部との間に給湯配管を配置している。そして出湯部が開状態にされると、出湯部からは、給湯配管内にある湯水が最初に排出される。
【0003】
ここで従来の給湯装置は、長時間使用が中断されると、給湯配管内の湯水が放熱で冷却されてしまい、すぐに所望の温度の湯を出湯させることができなかった。
【0004】
そのため近年、所望の温度の湯をすぐに出湯することができる、いわゆる即出湯が可能な給湯装置が提供されている。例えば特許文献1には、即出湯のために給湯配管を加熱する配管加熱手段を備えた給湯装置が開示されている。
【特許文献1】特開昭61−89442号公報
【0005】
しかし、特許文献1のように給湯配管を加熱するためのユニットを別途給湯装置に設けると、構造が複雑になって、給湯装置が大型化してしまうという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、簡易な構成で即出湯が可能な給湯装置、並びに、給湯システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1の発明にかかる給湯装置は、湯水が循環可能な第一循環流路と、前記第一循環流路に配されて湯水を加熱する加熱手段と、前記第一循環流路に配されて湯水を循環させる循環ポンプと、前記加熱手段で加熱された湯水を第一循環流路から所定位置に導く給湯流路と、前記給湯流路に供給された湯水を所定位置で外部に排出する出湯部と、前記給湯流路に供給された湯水を再び前記第一循環流路に戻す戻り流路と、前記戻り流路と前記第一循環流路とを連通させることにより、前記循環ポンプおよび前記加熱手段を含んで形成される第二循環流路と、前記加熱手段で加熱された湯水を前記循環ポンプによって前記第二循環流路に循環させる即出湯運転を行なう制御部と、を備えることを特徴とした。
【0008】
上記給湯装置は、即出湯運転を行うことで、第二循環流路内の湯水を加熱して昇温・保温することができる。これにより第二循環流路を構成する給湯流路内の湯水も昇温・保温されるので、上記給湯装置は、高温の湯水をすぐに出湯することができる。
また上記給湯装置では、加熱手段および循環ポンプが、第一循環流路と第二循環流路とで兼用されており、従来の給湯装置のように、給湯流路の湯水を加熱するための加熱手段や循環ポンプを別途設ける必要がない。そのため上記発明は、簡易な構成で即出湯が可能な給湯装置を提供することができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第一循環流路には、湯水を貯留する貯留タンク及び/又は熱負荷が設けられ、前記給湯流路および前記戻り流路は、前記貯留タンク及び/又は熱負荷を迂回するように配され、前記制御部は、前記加熱手段によって加熱された湯水を第一循環流路および第二循環流路の双方に循環させることができることを特徴とした。
【0010】
上記給湯装置は、加熱手段で加熱された湯水を、貯留タンク及び/又は熱負荷が配された第一循環流路、および給湯流路が配された第二循環流路の双方に循環させることができる。そのため上記給湯装置は、即出湯運転を行うと同時に、貯留タンクや熱負荷に対して加熱された湯水を供給し、温水を貯留タンクに貯留する貯湯運転や、暖房機器の暖房運転、風呂の追い焚き運転などを行うことができる。
なお「熱負荷」は、熱交換器や、エアコンの室内機や床暖房機などの暖房端末、風呂など、熱エネルギーの供給を受けて何らかの働きをするものを意味する。
【0011】
ここで即出湯が可能な給湯装置は、所望の温度の湯をすぐに出湯させることができればよく、装置内の湯水を必要以上に加熱することは熱エネルギーの無駄になる。
かかる知見に基づき提供される請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記第二循環流路を循環する湯水の温度を検知する温度検知手段が設けられ、前記制御部は、前記温度検知手段によって検知される湯水の温度が所定の温度以上になることを条件として、前記加熱手段による湯水の加熱を停止させることを特徴とした。
【0012】
上記給湯装置は、第二循環流路を循環する湯水の温度が所定の温度以上になって、出湯部から所望の温度の湯を出湯させることができる状態になると、加熱手段による加熱を停止させ、所望の温度に達した湯水が更に加熱されて熱エネルギーが無駄に消費されるのを防止することができる。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記第一循環流路には、湯水を貯留する貯留タンクが設けられ、前記第二循環流路を循環する湯水の温度を検知する温度検知手段が設けられ、前記制御部は、前記温度検知手段によって検知される湯水の温度が所定の温度以上になることを条件として、湯水が循環する流路を第一循環流路に切り替えて前記加熱手段で加熱された湯水を貯留タンクに貯留することを特徴とした。
【0014】
上記給湯装置は、第二循環流路を循環する湯水の温度が所定の温度以上になって出湯部から所望の温度の湯を出湯させることができる状態になると、湯水を循環させる流路が第一循環流路に切り替えられて、加熱手段で加熱された湯水が貯留タンクに貯留される。このため上記給湯装置は、所望の温度に達した湯水が更に加熱されて熱エネルギーが無駄に消費されるのを防止することができる。また上記給湯装置は、加熱手段で加熱された湯水を一旦、貯留タンクに貯留させることで、熱エネルギーを温存することができる。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの発明において、前記第一循環流路に接続されて湯水を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクの湯水の貯留状態を検知する貯留状態検知手段と、を備え、前記制御部は、前記貯留タンクが所定の温度以上の湯水で満たされたことを前記貯留状態検知手段が検知することを条件として、湯水が循環する流路を第一循環流路から第二循環流路に切り替えて即出湯運転を行うことを特徴とした。
【0016】
これにより上記給湯装置は、貯留タンクが所定の温度の湯水で満たされた後も、熱エネルギーを即出湯運転に利用することができる。
【0017】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の給湯装置と、熱エネルギーを発生する熱エネルギー発生手段と、を備え、前記加熱手段が、前記給湯装置を循環する湯水と前記熱エネルギー発生手段との間で熱交換を行う加熱熱交換器を備えることを特徴とする給湯システムである。
【0018】
これにより上記発明は、簡易な構成で即出湯が可能な給湯システムを提供することができる。
なお「熱エネルギー発生手段」は、ヒートポンプ回路、ガスエンジン、発電装置、燃焼装置などの熱エネルギーを発生するものを意味する。
【0019】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記熱エネルギー発生手段は、発熱および発電が可能な発電装置であり、前記加熱手段は、発熱が可能な補助加熱手段をさらに備え、前記制御部は、前記発電装置が発電を行っている場合には加熱熱交換器を用いて湯水を加熱し、前記発電装置が発電を行っていない場合には補助加熱手段を用いて湯水を加熱することを特徴とした。
【0020】
上記給湯システムは、発電装置が発電中に発生する熱を即出湯運転に利用することができるので、熱エネルギーを効率的に利用することができる。
また上記給湯システムは、発電装置による発電が行われておらず、加熱熱交換器によって湯水を加熱できない場合には、補助加熱手段を用いて湯水を加熱することができる。このため上記給湯システムは、発電装置によって発電が行われているか否かにかかわらず、即出湯運転を行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、簡易な構成で即出湯が可能な給湯装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
続いて、本発明の一実施形態であるコージェネレーションシステム(給湯システム)について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態であるコージェネレーションシステムの作動原理図である。
【0023】
図1において、1は本実施形態のコージェネレーションシステムである。コージェネレーションシステム1は、大別して発電部2(熱エネルギー発生手段、発電装置)と給湯部3(給湯装置)とで構成されており、これらによりコージェネレーション系Sを構成している。
【0024】
発電部2は、外部から供給されたガスにより作動するガスエンジン5を備え、ガスエンジン5の動力により発電を行いコージェネレーション系Sの外部にある電気機器等の電力負荷4に電力を供給する。また、発電部2には、ガスエンジン5を冷却し、ガスエンジン5において発生した排熱を回収すべく、湯水が流れる冷却回路7が設けられている。
【0025】
給湯部3は、湯水が流される循環回路11(第一循環流路)と、外部の暖房端末36に接続される暖房循環回路38と、外部に設置された浴槽37(風呂)の湯水を取り込んで循環させる風呂循環回路39と、外部から湯水を供給する第一給水流路13と、加熱された湯水を循環回路11から出湯部33に供給する給湯流路14と、給湯流路14に流れ込んだ湯水を循環回路11に戻す戻り流路70と、を備える。
なお暖房端末36は、具体的にはエアコンの室内機であり、暖房機能を備えている。もちろんエアコンの室内機は一例に過ぎず、暖房端末36は、ファンコンベクターや床暖房機であってもよい。また給湯部3に接続される暖房端末36は複数であってもよい。
【0026】
循環回路11は、貯留タンク12を含むタンク流路21と、貯留タンク12をバイパスする流路であって暖房熱交換器26(熱負荷)を含む暖房流路22と、暖房熱交換器26をバイパスする流路であって風呂熱交換器27(熱負荷)を含む風呂流路23とを有する。
タンク流路21は、排熱熱交換器8(加熱熱交換器)と貯留タンク12とを結ぶ環状流路である。暖房流路22は、タンク流路21から分岐された流路であり、給湯部3に排熱熱交換器8と暖房熱交換器26とを結ぶ環状流路を形成するのに用いられる。また、風呂流路23は、暖房流路22から分岐された流路であり、給湯部3に排熱熱交換器8と風呂熱交換器27とを結ぶ環状流路を形成するのに用いられる。
循環回路11では、排熱熱交換器8に対して、貯留タンク12、暖房熱交換器26、および風呂熱交換器27が並列になるように配管接続されている。
【0027】
排熱熱交換器8、暖房熱交換器26、および風呂熱交換器27のそれぞれは、一次側流路と二次側流路を持つ。
排熱熱交換器8は、一次側流路に発電部2の冷却回路7の湯水が流され、二次側流路に循環回路11の湯水が流される。これにより排熱熱交換器8は、発電部2の冷却回路7の湯水と、給湯部3の循環回路11の湯水との間で熱交換を行い、発電部2の冷却回路7と給湯部3の循環回路11とを熱的に連結する。
また暖房熱交換器26は、一次側流路に循環回路11の暖房流路22の湯水が流され、二次側流路に暖房循環回路38の湯水が流される。これにより暖房熱交換器26は、循環回路11の湯水と暖房循環回路38の湯水との間で熱交換を行い、循環回路11と暖房循環回路38とを熱的に連結する。
さらに風呂熱交換器27は、一次側流路に循環回路11の風呂流路23の湯水が流され、二次側流路に風呂循環回路39の湯水が流される。これにより風呂熱交換器27は、循環回路11の湯水と風呂循環回路39の湯水との間で熱交換を行い、循環回路11と風呂循環回路39とを熱的に連結する。
【0028】
なお排熱熱交換器8、暖房熱交換器26、および風呂熱交換器27における一次側流路の液体の流れと二次側流路の液体の流れが向流になるように構成されており、熱伝達に有利な構成になっている。
【0029】
上記のように冷却回路7、循環回路11、暖房循環回路38、および風呂循環回路39のそれぞれは、熱的には繋がっているが、流路は完全に分離されている。そのため冷却回路7を流れる湯水と循環回路11を流れる湯水とが混じり合ったり、循環回路11を流れる湯水と浴槽37の湯水とが混じり合ったりすることがない。
【0030】
貯留タンク12は、内部に温度成層を構成させて湯水を貯留させるものであり、貯留タンク12内に貯留される湯水は頂部側に近づくほど高温であり、貯留タンク12内には頂部側から底部側に向けて徐々に低温になる層状の温度分布が形成される。貯留タンク12の頂部および底部のそれぞれには、湯水の出入りが可能な頂部開口12aおよび底部開口12bが設けられている。
貯留タンク12には、高さ方向に複数の図示しない温度センサ(貯留状態検知手段)が設けられており、これらの温度センサによって貯留タンク12内に貯留されている湯水の高さ方向の温度分布が検知され、貯留タンク12に貯留されている湯水の量が検出される。
【0031】
タンク流路21は、循環往路16と循環復路17とを備える。
循環往路16は、排熱熱交換器8の二次側流路の出側(図において上側)に配され、貯留タンク12の頂部開口12aに接続され、循環復路17は、排熱熱交換器8の二次側流路の入側(図において下側)に配され、貯留タンク12の底部開口12bに接続される。なお図において、排熱熱交換器8の上部側が出水口であり、排熱熱交換器8の下部側が入水口である。
【0032】
循環往路16には、排熱熱交換器8側から順に、流量センサ32、補助熱源機10(補助加熱手段)、分岐41、電磁弁52、分岐42、電磁弁55が設けられている。
流量センサ32は、循環回路11内を流れる湯水の流量を検知して、後述の制御装置50(制御部)に出力することができる。
補助熱源機10は、ガスバーナ10a(燃焼装置)と、循環回路11に接続される熱交換器10bとを備えた従来公知の給湯装置と同様の構造を有するものであり、ガスバーナ10aの燃焼ガスにより循環回路11内の湯水を加熱することができる。
【0033】
タンク流路21の循環復路17には、排熱熱交換器8側から順に、循環回路11に湯水を循環させる循環ポンプ19、分岐43が設けられている。
循環ポンプ19は、排熱熱交換器8側に向けて湯水を圧送し、循環回路11内に湯水を循環させる従来公知の循環ポンプと同様の構造を有する。
【0034】
暖房熱交換器26を含む暖房流路22は、一方の端部が循環往路16の分岐41に接続されており、他方の端部が循環復路17の分岐43に接続されており、循環往路16と循環復路17とを繋ぐ。これにより暖房流路22は、タンク流路21の一部と共に、循環回路11内に排熱熱交換器8と暖房熱交換器26とを結ぶ環状流路を形成することができる。
また暖房流路22には、循環往路16の分岐41側から順に、分岐44、暖房熱交換器26、電磁弁53、分岐45、分岐46が設けられている。
【0035】
風呂熱交換器27を含む風呂流路23は、一方の端部が暖房流路22の分岐44に接続され、他方の端部が暖房流路の分岐45に接続されている。これにより風呂流路23は、タンク流路21の一部および暖房流路22の一部と共に、排熱熱交換器8と風呂熱交換器27とを結ぶ環状流路を形成することができる。
また風呂流路23には、風呂熱交換器27と分岐45との間に電磁弁54が設けられている。
【0036】
給湯部3は、出湯部33と第一入水部31と第二入水部71によって外部と接続されている。
出湯部33は、図示しないシャワー、カラン等に接続されており、給湯流路14を介して循環回路11に連結されている。給湯流路14は、一方の端部がタンク流路21の循環往路16に設けた分岐42に接続されており、他方の端部が出湯部33に接続されている。また給湯流路14には、分岐42側から順に、混合弁58、温度センサ80(温度検知手段)、分岐48、出湯栓30、分岐75が設けられている。
温度センサ80は、給湯流路14の湯水の温度を検出し、後述の制御装置50に出力することができる。
【0037】
第一入水部31および第二入水部71は、外部の上水源に接続されている。第一入水部31は、第一給水流路13を介して循環回路11に連結されており、第二入水部71は、第二給水流路72を介して給湯流路14に連結されている。
第一給水流路13は、一方の端部が暖房流路22の分岐46に接続されており、他方の端部が第一入水部31に接続されている。また第一給水流路13には分岐47および減圧弁56が設けられている。
第二給水流路72は、一方の端部が給湯流路14の分岐75に接続されており、他方の端部が第二入水部71に接続されている。第二給水流路72には給水弁73が設けられている。
そして給湯栓30と給水栓73とで混合水栓74が構成されており、ユーザは給湯栓30および給水栓73の開閉の割合を調整することにより、出湯部33から出湯される湯を任意の温度に調整することができる。
【0038】
また第一給水流路13と給湯流路14とは、バイパス流路15を介して結ばれている。バイパス流路15の一方の端部は、第一給水流路13の分岐47に接続されており、他方の端部は、給湯流路14の混合弁58に接続されている。
混合弁58において、循環回路11から給湯流路14を介して供給される湯水と、第一入水部31からバイパス流路15を介して導入される水とが、出湯設定温度(本実施形態では60〜80℃)に基づく所定の混合比に混合され、出湯部33に送られる。
そして出湯部33に対して送られた湯水は、第二入水部71から供給される水と混合され、所望の温度に調整されて出湯部33から出湯される。
【0039】
さらに給湯流路14は、戻り流路70を介して循環回路11と結ばれている。戻り流路70は、一方の端部が給湯流路14の分岐48に接続されており、他方の端部が暖房流路22の分岐46に接続されている。戻り流路70には、湯水が給湯流路14側から循環回路11側へ流れるように流れを制限する逆止弁76が設けられている。
【0040】
コージェネレーションシステム1は、コージェネレーション系Sの外部にコントローラ60を備えている。コントローラ60は、発電部2および給湯部3の動作を制御する制御装置50に電気的に接続されたものである。
コントローラ60は、コージェネレーションシステム1の動作等に関する設定を行う操作部61や、操作部61によって設定される設定値や、コージェネレーションシステム1の動作状況等を表示する表示部62を備えている。
操作部61は、コージェネレーションシステム1を運転可能な状態と運転できない状態に切り替える運転スイッチや、出湯部33における給湯温度、暖房端末36の温度設定を行う温度設定スイッチ等から構成される。
【0041】
制御装置50は、コージェネレーション系Sの外部にある電力負荷4や暖房端末36、浴槽37(風呂)の使用状況に応じて発電部2や給湯部3の各構成の動作を制御し、電気エネルギーや熱エネルギーを発生させる。
【0042】
次に本実施形態のコージェネレーションシステム1の動作モードについて説明する。
本実施形態のコージェネレーションシステム1は、温水貯留モード、暖房モード、風呂追い焚きモード、即出湯待機モード、出湯モード(タンク出湯モード及び補助熱源出湯モード)の各モードで動作させることができる。
以下順次説明する。
【0043】
(温水貯留モード)
温水貯留モードは、発電部2を動作させて温水を生成し、これを貯留タンク12に貯留するモードである。
図2は、本発明のコージェネレーションシステム1の作動原理図であり、温水貯留モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
給湯部3では、タンク流路21によって排熱熱交換器8と貯留タンク12とを結ぶ貯湯環状流路81が形成される。このとき電磁弁52,55は開かれており、電磁弁53,54は閉止されている。
貯湯環状流路81を具体的に説明すると、排熱熱交換器8から順に、流量センサ32、補助熱源機10、電磁弁52、電磁弁55、貯留タンク12、循環ポンプ19を経由して排熱熱交換器8に戻る流路である。
そして循環ポンプ19を起動させ、上記貯湯環状流路81に湯水を循環させる。
【0044】
温水貯留モードでは、排熱熱交換器8で高温が作られる。
そして排熱熱交換器8と貯留タンク12とを結ぶ貯湯環状流路81が開かれ、循環ポンプ19によって当該流路の湯水が循環移動される。排熱熱交換器8で高温にされた湯水は、貯留タンク12の頂部開口12aに供給され、高温の湯水が貯留タンク12の上から層状に貯留される。また低温の湯水は、貯留タンク12の底部開口12bから押し出され、排熱熱交換器8に戻る。
この循環を繰り返し、しだいに貯留タンク12内が高温の湯で満たされてゆく。
なおガスエンジン5の作動により発生する熱だけでは貯湯環状流路の湯水を所定の温度まで加熱できない場合には、補助熱源機10を作動させて湯水を加熱する。
【0045】
(暖房モード)
暖房モードは、発電部2を動作させて高温を作り、この熱を貯留することなく暖房端末36に移動させて暖房するモードである。
図3は、本発明のコージェネレーションシステム1の作動原理図であり、暖房モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
給湯部3では、電磁弁53が開かれ、電磁弁52,54が閉じられ、タンク流路21および暖房流路22によって排熱熱交換器8と暖房熱交換器26とを結ぶ暖房環状流路82が形成される。
暖房環状流路82を具体的に説明すると、排熱熱交換器8から順に、流量センサ32、補助熱源機10、暖房熱交換器26、電磁弁53、循環ポンプ19を経由して排熱熱交換器8に戻る流路である。
そして循環ポンプ19を起動させ、上記暖房環状流路82に湯水を循環させる。
また上記の温水貯留モードと同様に、ガスエンジン5の作動により発生する熱だけでは暖房環状流路82の湯水を所定の温度まで加熱できない場合には、補助熱源機10を作動させる。
【0046】
(風呂追い焚きモード)
風呂追い焚きモードは、発電部2を動作させて温水を生成し、温水を風呂の追い焚きに利用するモードである。
図4は、本発明のコージェネレーションシステム1の作動原理図であり、風呂追い焚きモードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
給湯部3では、電磁弁54が開かれ、電磁弁52,53が閉じられ、タンク流路21、暖房流路22、および風呂流路23によって排熱熱交換器8と風呂熱交換器27とを結ぶ風呂環状流路83が形成される。
風呂環状流路83を具体的に説明すると、排熱熱交換器8から順に、流量センサ32、補助熱源機10、風呂熱交換器27、電磁弁54、循環ポンプ19を経由して排熱熱交換器8に戻る流路である。
そして循環ポンプ19を起動させ、上記風呂環状流路83に湯水を循環させる。
また上記の温水貯留モードおよび暖房モードと同様に、ガスエンジン5の作動により発生する熱だけでは風呂循環流路83の湯水を所定の温度まで加熱できない場合には、補助熱源機10を作動させる。
【0047】
(即出湯待機モード)
即出湯待機モードは、給湯流路14内の湯水を加熱して所定の循環温度(本実施形態では60〜80℃)の湯をすぐに出湯部33から出湯できるようにするモードである。
図5は、本発明のコージェネレーションシステム1の作動原理図であり、即出湯待機モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
ユーザがコントローラ60の操作部61で即出湯待機モードを選択すると、給湯部3では、電磁弁52が開かれ、電磁弁53,54,55が閉じられ、混合弁58のバイパス流路15側の端子が閉じられて、即出湯環状流路85(第二循環流路)が形成される。
即出湯環状流路85は、排熱熱交換器8および循環ポンプ19が含まれるタンク流路21の一部と、給湯流路14と、戻り流路70とで形成されており、具体的には排熱熱交換器8から順に、流量センサ32、補助熱源機10、電磁弁52、混合弁58、逆止弁76、循環ポンプ19を経由して排熱熱交換器8に戻る流路である。
そして循環ポンプ19を起動させ、即出湯環状流路85に湯水を循環させる。
【0048】
このときガスエンジン5が駆動されて発電部2が発電中であれば、排熱熱交換器8によって高温が作られる。そして排熱熱交換器8によって即出湯環状流路85の湯水が加熱され、所定の循環温度(本実施形態では、60〜80℃)にまで昇温される。またコントローラ60の表示部62には、「高温注意」や「即湯運転中」の文字が表示され、出湯部33から高温の湯を出湯できる状態であることをユーザに対して報知する。
【0049】
またコージェネレーションシステム1は、即出湯待機モードにおいて排熱熱交換器8による加熱が行われ、温度センサ80で検知される給湯流路14の湯水の温度が所定の循環温度以上になると、湯水を循環させる流路を即出湯環状流路85から貯湯環状流路81に切り替え、排熱熱交換器8で加熱された湯水を貯留タンク12に貯留する。
その後、放熱などにより給湯流路14の湯水の温度が所定の循環温度以下になると、加熱された湯水を循環させる流路を再び即出湯環状流路85に切り替え、給湯流路14の湯水を昇温させる。
【0050】
また上記の温水貯留モードと同様に、ガスエンジン5の作動により発生する熱だけでは湯水を所定の温度まで加熱できない場合やガスエンジン5が作動していない場合には、補助熱源機10を作動させて湯水を所定の循環温度に加熱する。
そして補助熱源機10による加熱が行われ、温度センサ80によって検知される給湯流路14の湯水の温度が所定の循環温度以上になると、制御装置50は補助熱源機10による湯水の加熱を停止し、湯水の循環のみを行う。その後、放熱により上記即出湯環状流路85を循環する湯水の温度が所定の循環温度を下回ると、再び補助熱源機10が作動され、湯水の加熱が再開される。
このように即出湯待機モードでは、給湯流路14の湯が所定の循環温度以上になるように維持されているため、所望の温度の湯をすぐに出湯部33から出湯させることができる。
【0051】
(即出湯待機モードと他の動作モードの併行運転)
また本実施形態のコージェネレーションシステム1は、上記した即出湯待機モードと他の動作モードとを併行させることができる。以下では、即出湯待機モードと暖房モードとを併行させる場合の例のみを示すが、即出湯待機モードと温水貯留モードとを併行させたり、即出湯待機モードと風呂追い焚きモードとを併行させてもよい。また3以上の動作モードを組み合わせて併行させてもよい。
図6は、本発明のコージェネレーションシステム1の作動原理図であり、暖房モードと即出湯待機モードとを併行させた場合における弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
給湯部3では、電磁弁52,53が開かれ、電磁弁54,55が閉じられ、混合弁58のバイパス流路15側の端子が閉じられている。その結果、給湯部3には即出湯環状流路85と暖房環状流路82とが同時に形成される。
【0052】
そして循環ポンプ19を起動させ、即出湯環状流路85および暖房環状流路82の双方に湯水を循環させる。循環ポンプ19から送り出された湯水は、排熱熱交換器8により加熱され、流量センサ32、補助熱源機10を経由して分岐41に送られる。
そして分岐41で湯水は二手に別れ、一方の湯水は、電磁弁52を経由して給湯流路14に送られ、分岐48から戻り流路70に流れ込み、逆止弁76を通って分岐46に至る。
もう一方の湯水は、暖房流路22に送られ暖房熱交換器26、電磁弁53を経由して分岐46に至る。
そして二手に分かれた湯水は、分岐46で合流し、循環ポンプ19に戻される。このような循環を繰り返すことで、給湯流路14の湯水を昇温させて即出湯に備えると同時に、暖房端末36により暖房を行うことができる。
上記各動作モードと同様に、ガスエンジン5の作動により発生する熱だけで循環する湯水を所定の温度まで加熱できない場合には、補助熱源機10が作動されて湯水が加熱される。
【0053】
(タンク出湯モード)
本実施形態のコージェネレーションシステム1は、貯留タンク12内に湯がある場合には、貯留タンク12内の湯を出湯させる。
図7は、本発明のコージェネレーションシステム1の作動原理図であり、貯留タンク12を利用したタンク出湯モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
タンク出湯モードにおいては、第一入水部31と貯留タンク12を経由し、出湯栓30に至る流路だけが開かれ、他の流路が全て遮断される。このとき電磁弁55は開かれており、電磁弁52,53,54は閉じられている。
【0054】
貯留タンク12を利用したタンク出湯モードでは、第一入水部31からの水が貯留タンク12の下部に導入され、貯留タンク12の上部に溜まった高温の湯が押し出される。
即出湯待機モードが実行されておらず、給湯流路14内の湯水の温度が低温の場合には、貯留タンク12から排出された湯と、第一入水部31からバイパス流路15を経由して供給される水とが混合弁58で混合されて出湯設定温度になるように温度調節がなされる。そして温度調節された湯水は、給湯流路14を経由して出湯部33から出湯される。
これに対し即出湯待機モードが実行されており、給湯流路14内の湯水の温度が高温の場合には、貯留タンク12から排出された湯は、混合弁58で温度が調節されずに給湯流路14を通って混合水栓74に至る。そして混合水栓74で、ユーザが貯留タンク12からの湯と第二入水部71からの水とを混合させて温度の調節を行う。
【0055】
(補助熱源出湯モード)
貯留タンク12内の湯水が比較的低温であって出湯栓30が開けられたときには、出湯設定温度の湯の供給ができない場合がある。このような場合、コージェネレーションシステム1では、給湯時に、制御装置50によって補助熱源機10と循環ポンプ19が作動され、貯留タンク12の湯を使用せずに補助熱源機10だけで給湯する。
図8は、本発明のコージェネレーションシステム1の作動原理図であり、補助熱源機10を利用した補助熱源出湯モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
補助熱源出湯モードでは、第一入水部31から順に、循環ポンプ19、排熱熱交換器8、流量センサ32、補助熱源機10、電磁弁52、混合弁58を経由して出湯栓30に至る流路が開かれ、他の流路が全て遮断される。このとき電磁弁52,55は開かれており、電磁弁53,54は閉じられている。
第一入水部31から供給された水は、循環ポンプ19によって補助熱源機10に送られ、補助熱源機10の加熱で高温にされる。このとき第一入水部31から供給される水は、循環ポンプ19に吸引されるため貯留タンク12には流れ込まない。
【0056】
そして上記タンク出湯モードと同様に、即出湯待機モードが実行されておらず、給湯流路14内の湯水の温度が低温の場合には、補助熱源機10で高温にされた湯と、第一入水部31からバイパス流路15を経由して供給される水とが混合弁58で混合されて出湯設定温度になるように温度調節がなされる。そして温度調節された湯水は、給湯流路14を経由して出湯部33から出湯される。
逆に即出湯待機モードが実行されており、給湯流路14内の湯水の温度が高温の場合には、補助熱源機10で高温にされた湯は、混合弁58で温度が調節されずに給湯流路14を通って混合水栓74に至る。そして混合水栓74で、ユーザが補助熱源機10からの湯と第二入水部71からの水とを混合させて温度の調節を行う。
【0057】
上記のように、本実施形態のコージェネレーションシステム1は、即出湯待機モードにおいて即出湯環状流路内の湯水を加熱して所定の循環温度に昇温・保温することができる。これにより即出湯環状流路を構成する給湯流路14内の湯水も所定の循環温度に昇温・保温されるので、コージェネレーションシステム1は、所望の温度の湯水をすぐに出湯部33から出湯させることができる。
【0058】
また本実施形態のコージェネレーションシステム1は、温水貯留モードや暖房モードなどで用いられる湯水の加熱手段(排熱熱交換器8および補助熱源機10)や循環ポンプ19を、即出湯待機モードにおいて用いることができる。そのため給湯流路14の湯水を加熱するための加熱手段や循環させるための循環ポンプを別途設ける必要がない。そのため本実施形態のコージェネレーションシステム1は、簡易な構成で即出湯を可能にすることができる。
【0059】
本実施形態のコージェネレーションシステム1は、即出湯待機モードと他の動作モードとを同時に実行することができる。これにより発電部2の発熱量が多い場合には、発生した熱を様々な用途に活用することができ、効率的である。
【0060】
本実施形態のコージェネレーションシステム1は、湯水の加熱手段が補助熱源機10であって、給湯流路14内の湯が所定の温度に昇温された場合には、補助熱源機10による加熱を停止させる。これにより所定の循環温度に達した湯水が、補助熱源機10で加熱されて熱エネルギーが無駄に消費されるのを防止することができる。
【0061】
また本実施形態のコージェネレーションシステム1は、湯水の加熱手段が排熱熱交換器8であって、給湯流路14内の湯が所定の温度に昇温された場合には、加熱された湯水が循環する流路を即出湯環状流路から貯湯環状流路に切り替えて、加熱された湯水を貯留タンク12に貯湯する。これによりコージェネレーションシステム1は、排熱熱交換器8で加熱された湯水を一旦、貯留タンク12に温存し、所望の温度に達した湯水が更に加熱されて熱エネルギーが無駄に消費されるのを防止することができる。
【0062】
本実施形態のコージェネレーションシステム1の即出湯待機モードでは、発電部2が発電を行っている場合は、排熱熱交換器8で湯水が加熱され、発電部2が発電を行っていない場合は、補助熱源機10で湯水が加熱された。これによりコージェネレーションシステム1は、発電部2で発電が行われているか否かにかかわらず、即出湯待機モードを実行することができる。
【0063】
上記実施形態のコージェネレーションシステム1では、即出湯待機モードと他の動作モードの併行運転に備えて、即出湯環状流路を循環する湯水の循環温度が60〜80℃に設定されたが、循環温度はこのような温度に限定されるわけではない。例えば、温水貯留モードや暖房モード、風呂追い焚きモードなどの他の動作モードを、即出湯待機モードと併行させる必要がない場合には、ユーザが任意に循環温度を変更できる構成にしてもよい。この場合コントローラ60の操作部61で設定温度を変更し、コントローラ60の表示部62に循環温度を表示させることができる。
循環温度が、例えば40〜50℃の低温に設定されると、高温で湯水を循環させる場合と比較して湯の放熱量が少ないため、熱エネルギーの消費を低く抑えることができる。また混合水栓74で湯の温度を調節せずに、所望の温度の湯を出湯部33から出湯させることができる。
【0064】
上記実施形態のコージェネレーションシステム1では、補助熱源機10による加熱が行われ、温度センサ80によって検知される給湯流路14の湯水の温度が所定の循環温度以上になると、制御装置50は補助熱源機10による湯水の加熱を停止し、湯水の循環のみを行った。しかし本発明はこのような構成に限定されるわけではない。例えば給湯流路14の湯の放熱量が所定の規定値よりも少ない場合には、循環ポンプ19による湯水の循環を一定周期で行ってもよいし、完全に停止させてもよい。
【0065】
上記実施形態のコージェネレーションシステム1において、電磁弁52は、タンク流路21を構成する循環往路16の分岐41と分岐42の間に配置されたが、電磁弁52の配置位置がこの位置に限定されるわけではない。電磁弁52は、例えば戻り流路70の分岐46と逆止弁76との間や、逆止弁76と分岐48との間に配置されてもよい。
【0066】
上記実施形態のコージェネレーションシステム1は、コントローラ60の表示部62に、「高温注意」や「即湯運転中」の文字を表示させて、ユーザに対し、即出湯が可能である旨を報知したが、報知手段はこのような構成に限定されるわけではない。例えば発光手段や音声発生手段を、コントローラ60に取り付けて、音及び/又は光によって報知を行ってもよい。
【0067】
上記では、コージェネレーションシステム1における実施形態について説明したが、本発明が適用されるのは、コージェネレーションシステムに限定されるわけではない。例えば、循環回路11に公知のヒートポンプ回路が接続されたヒートポンプシステムなどに適用することができる。
【0068】
上記実施形態のコージェネレーションシステム1では、ユーザがコントローラ60で即出湯待機モードを選択することにより即出湯待機モードが開始されたが、本発明はこのような構成に限定されるわけではない。例えば温水貯留モードの運転中に貯留タンク12が所定の温度以上の湯水で満たされることを条件として、動作モードを温水貯留モードから即出湯待機モードに切り替えて、即出湯待機モードを開始する構成であってもよい。このとき貯留タンク12が所定の温度の湯水で満たされたか否かは、貯留タンク12の高さ方向に設けられた図示しない温度センサ(貯留状態検知手段)によって検知することができる。
このような構成を採用することにより、貯留タンク12が温水貯留モードによって所定の温度の湯水で満たされた後であっても、発電部2における発電を停止させずに、発電部2で生じた熱エネルギーを即出湯モードにおいて有効に利用することができる。
【0069】
上記実施形態のコージェネレーションシステム1は、即出湯待機モードと他の動作モードとを併行させることができる構成であったが、本発明はこのような構成に限定されるわけではない。例えばユーザが、温水貯留モード、暖房モード、風呂追い焚きモード、即出湯待機モード、及び出湯モードの各動作モード相互間に優先順位や優先度を設定し、複数の動作モードの運転が要求された場合には、優先順位の高い動作モードから順に運転を行う構成であってもよいし、優先度に応じて各動作モードに対する供給熱量を決定して複数の動作モードを同時に運転する構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施形態であるコージェネレーションシステムの作動原理図である。
【図2】本発明のコージェネレーションシステムの作動原理図であり、温水貯留モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
【図3】本発明のコージェネレーションシステムの作動原理図であり、暖房モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
【図4】本発明のコージェネレーションシステムの作動原理図であり、風呂追い焚きモードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
【図5】本発明のコージェネレーションシステムの作動原理図であり、即出湯待機モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
【図6】本発明のコージェネレーションシステムの作動原理図であり、暖房モードと即出湯待機モードとを併行させた場合における弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
【図7】本発明のコージェネレーションシステムの作動原理図であり、タンク出湯モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
【図8】本発明のコージェネレーションシステムの作動原理図であり、補助熱源出湯モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
【符号の説明】
【0071】
1 コージェネレーションシステム(給湯システム)
2 発電部(熱エネルギー発生手段、発電装置)
3 給湯部(給湯装置)
8 排熱熱交換器(加熱手段、加熱熱交換器)
10 補助熱源機(加熱手段、補助加熱手段)
11 循環回路(第一循環流路)
12 貯留タンク
14 給湯流路
19 循環ポンプ
26 暖房熱交換器(熱負荷)
27 風呂熱交換器(熱負荷)
33 出湯部
50 制御装置(制御部)
70 戻り流路
80 温度センサ(温度検知手段)
85 即出湯環状流路(第二循環流路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯水が循環可能な第一循環流路と、
前記第一循環流路に配されて湯水を加熱する加熱手段と、
前記第一循環流路に配されて湯水を循環させる循環ポンプと、
前記加熱手段で加熱された湯水を第一循環流路から所定位置に導く給湯流路と、
前記給湯流路に供給された湯水を所定位置で外部に排出する出湯部と、
前記給湯流路に供給された湯水を再び前記第一循環流路に戻す戻り流路と、
前記戻り流路と前記第一循環流路とを連通させることにより、前記循環ポンプおよび前記加熱手段を含んで形成される第二循環流路と、
前記加熱手段で加熱された湯水を前記循環ポンプによって前記第二循環流路に循環させる即出湯運転を行なう制御部と、を備えることを特徴とする給湯装置。
【請求項2】
前記第一循環流路には、湯水を貯留する貯留タンク及び/又は熱負荷が設けられ、
前記給湯流路および前記戻り流路は、前記貯留タンク及び/又は熱負荷を迂回するように配され、
前記制御部は、前記加熱手段によって加熱された湯水を第一循環流路および第二循環流路の双方に循環させることができることを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
【請求項3】
前記第二循環流路を循環する湯水の温度を検知する温度検知手段が設けられ、
前記制御部は、前記温度検知手段によって検知される湯水の温度が所定の温度以上になることを条件として、前記加熱手段による湯水の加熱を停止させることを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
【請求項4】
前記第一循環流路には、湯水を貯留する貯留タンクが設けられ、
前記第二循環流路を循環する湯水の温度を検知する温度検知手段が設けられ、
前記制御部は、前記温度検知手段によって検知される湯水の温度が所定の温度以上になることを条件として、湯水が循環する流路を第一循環流路に切り替えて前記加熱手段で加熱された湯水を貯留タンクに貯留することを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
【請求項5】
前記第一循環流路に接続されて湯水を貯留する貯留タンクと、
前記貯留タンクの湯水の貯留状態を検知する貯留状態検知手段と、を備え、
前記制御部は、前記貯留タンクが所定の温度以上の湯水で満たされたことを前記貯留状態検知手段が検知することを条件として、湯水が循環する流路を第一循環流路から第二循環流路に切り替えて即出湯運転を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の給湯装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の給湯装置と、
熱エネルギーを発生する熱エネルギー発生手段と、を備え、
前記加熱手段が、前記給湯装置を循環する湯水と前記熱エネルギー発生手段との間で熱交換を行う加熱熱交換器を備えることを特徴とする給湯システム。
【請求項7】
前記熱エネルギー発生手段は、発熱および発電が可能な発電装置であり、
前記加熱手段は、発熱が可能な補助加熱手段をさらに備え、
前記制御部は、前記発電装置が発電を行っている場合には加熱熱交換器を用いて湯水を加熱し、前記発電装置が発電を行っていない場合には補助加熱手段を用いて湯水を加熱することを特徴とする請求項6に記載の給湯システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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