給紙装置及び画像形成システム
【課題】本発明の目的は、新たな片寄り検出手段を要さずに、搬送ベルトの片寄りを修正し、搬送ベルトを正規位置に復帰させた後に用紙を搬送ベルトに吸着させて用紙を給紙する給紙装置を提供すること。
【解決手段】浮上した用紙を搬送ベルトで吸着し搬送する吸着搬送手段の吸着の停止時に検出される用紙吸着検出手段の検出信号に基づき給紙方向と直交する幅方向における搬送ベルトの片寄りを検出する給紙装置を提供することにより、上記の課題を解決可能にする。
【解決手段】浮上した用紙を搬送ベルトで吸着し搬送する吸着搬送手段の吸着の停止時に検出される用紙吸着検出手段の検出信号に基づき給紙方向と直交する幅方向における搬送ベルトの片寄りを検出する給紙装置を提供することにより、上記の課題を解決可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙載置台に積載した用紙の束を一枚ずつ分離して給紙する給紙装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機やプリンター等の画像形成装置には、大量の用紙を給紙可能なエアー給紙装置が用いられている。エアー給紙装置は、積載された用紙束の側面、又は先端面に空気を吹き付けて用紙を浮上させ、給紙ベルトの空気吸引口に用紙を吸着させ、給紙ベルトを回動させて用紙を給紙方向に搬送するものである。
【0003】
このような給紙装置では、用紙の吸着を検出する検出手段の作動片が給紙ベルトの回動近傍に配設されており、検出手段による用紙吸着の検出信号を起点にして一連の給紙動作が行われるようになっている。
【0004】
特許文献1に記載の給紙装置は、用紙載置台に積載された用紙を搬送ベルトに吸着して送り出す吸着搬送機構と、用紙載置台に積載された用紙に側方から空気を吹きつける浮上送風機構と、吸着搬送機構で吸着された用紙に対し用紙搬送方向の下流側から空気を吹きつけて用紙を分離する分離送風機構とを備える。また、吸着搬送機構には搬送ベルトに吸着された用紙の有無を検出する吸着検出手段を備える。
【0005】
吸着検出手段は、吸着面から突出して搬送ベルトに吸着された用紙Pに押圧されて変位する作動片と、作動片の変位に連係して搬送ベルトへの用紙の吸着の有無を検出する吸着検出センサとで構成されている。そして、吸着検出センサの検出信号に基づき、搬送ベルトを駆動するモータ、あるいは浮上送風機構の送風条件を切り替えるソレノイドを制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−137963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1に記載のエアー給紙装置では、吸着搬送機構に設けられた搬送ベルトが用紙搬送方向と直交する軸方向に片寄り、吸着検出手段の作動片が搬送ベルトの内周面側に潜り込み、用紙吸着が誤検出され、一連の給紙動作が不適切に作動して、給紙不能に陥るという事態が発生した。また、ジャム処理のために操作者が用紙載置台を装置本体から手前側に引き出す際に、吸着搬送機構は装置本体に固設されており、無理な力が搬送ベルトに加わり、搬送ベルトが軸方向に片寄せられて同様の事態が発生した。
【0008】
このような事態を防止するために、搬送ベルトの片寄りの有無を検出する片寄り検出手段を新設させることも考えられるが、コストのアップ、あるいは装置が複雑になるという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、新たな検出手段を要さずに搬送ベルトの片寄りを検知して、給紙不能等に至る不具合を未然に防止可能にする給紙装置を提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的は、下記に記載する発明により達成する。
【0011】
1.用紙載置台に積載された用紙束に空気を吹き付けて用紙を浮上させる用紙浮上手段と、
前記用紙浮上手段で浮上した用紙を搬送ベルトで吸着し搬送する吸着搬送手段と、
前記搬送ベルトの側端より外側において前記吸着搬送手段に吸着される用紙を検出する用紙吸着検出手段と、
前記用紙浮上手段、前記吸着搬送手段及び前記用紙吸着検出手段を作動させて、用紙を前記搬送ベルトに吸着させた後に前記搬送ベルトを回動させて用紙を給紙方向の下流側に搬送する制御部と、を有する給紙装置であって、
前記制御部は、前記吸着搬送手段で用紙が吸着されていないと想定されるタイミングで前記用紙吸着検出手段の検出信号に基づき前記給紙方向と直交する幅方向における前記搬送ベルトの片寄りを検出することを特徴とする給紙装置。
【0012】
2.前記制御部は、前記搬送ベルトの片寄りを検出すると、前記搬送ベルトの回動を停止させることを特徴とする前記1に記載の給紙装置。
【0013】
3.前記制御部は、前記搬送ベルトの片寄りを検出すると、実行中の給紙動作を中断することを特徴する前記1又2に記載の給紙装置。
【0014】
4.前記制御部は、給紙動作中に前記吸着搬送手段に吸気動作を行わせ、その後に一時的な排気動作を行わせることを特徴とする前記3に記載の給紙装置。
【0015】
5.前記制御部は、前記搬送ベルトの片寄りを検出すると、前記搬送ベルトの片寄りを修正する動作を実行することを特徴とする前記1から4までの何れか1項に記載の給紙装置。
【0016】
6.前記搬送ベルトを懸架し回動可能に支持し少なくともひとつの太鼓ローラを含む複数のローラを有し、前記搬送ベルトの片寄りを修正する動作が前記搬送ベルトを所定時間駆動する動作であることを特徴とする前記5に記載の給紙装置。
【0017】
7.前記用紙吸着検出手段は、前記搬送ベルトの近傍において前記搬送ベルトの吸着面に垂直な方向に変位可能に配設された作動片と、前記作動片の変位を検出するセンサと、を有することを特徴とする前記1から6までの何れか1項に記載の給紙装置。
【0018】
8.前記作動片の形状が、設置の状態で下方に位置し前記吸着搬送手段に吸着される用紙に接触する接触面と、前記接触面に交差し前記接触面から前記幅方向に連続的に突出する傾斜面と、を有していることを特徴とする前記7に記載の給紙装置。
【0019】
9.前記作動片が、前記搬送ベルトの両側端側に配設されることを特徴とする前記7又8に記載の給紙装置。
【0020】
10.前記1から9までの何れか1項に記載の給紙装置と、前記給紙装置から搬送された用紙上に画像形成する画像形成装置とを備えることを特徴とする画像形成システム。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、上記課題を解決可能にする給紙装置の提供を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】画像形成システムTの全体構成図である。
【図2】給紙装置Bの給紙部B1の要部を示す斜視図である。
【図3】給紙装置Bの給紙部B1の要部を示す正面断面図である。
【図4】給紙装置Bの給紙部B1の要部を示す側面図である。
【図5】用紙吸着検出手段65の作動片65Aの形状を示す側面図、正面図である。
【図6】用紙Pが搬送ベルト63に吸着した際の作動片65Aの変位状態を示す模式図である。
【図7】搬送ベルト63の片寄りにより用紙吸着検出手段65の作動片65Aが変位する状況を示す模式(拡大断面)図である。
【図8】用紙吸着検出手段65の検出信号に基づき搬送ベルト63の片寄りの検知し、片寄りを修正する制御部100を示すブロック図である。
【図9】用紙吸着検出手段65の検出信号に基づき搬送ベルト63の片寄りを検知し、片寄りを修正する制御の実施形態(その1)を示すフローチャートである。
【図10】片寄った搬送ベルト63を異常位置EPaから正常位置EPcへ戻す“片寄り修正動作の実行”を示す、一例である。
【図11】用紙吸着検出手段65(吸着センサPS1)の検出信号に基づき搬送ベルト63の片寄りを検知し、片寄りを修正する制御の実施形態(その2)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明の実施の形態を図面により説明するが、本発明は、以下に説明する実施の形態に限られるものではない。
【0024】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0025】
[画像形成システム]
図1は、画像形成システムTの全体構成図である。画像形成システムTは、画像形成装置Aと、本発明に係る給紙装置Bと、から構成される。給紙装置Bは、給紙部B1の各々に1500枚程度の用紙を収容できる大容量の給紙装置である。
【0026】
画像形成装置Aは、回転する感光体1の周囲に、帯電部2、像露光部3、現像部4、転写除電部5、クリーニング部6を配置した画像形成部を有する。画像形成部は、帯電部2によって感光体1の表面に帯電を行った後、像露光部3のレーザビームによって原稿から読み取られた画像データに基づく露光走査を行って潜像を形成する。そして当該潜像を現像部4により現像して感光体1の表面にトナー像を形成する。
【0027】
用紙収納部7A、ありいは給紙装置Bから給紙された用紙Pは感光体1における転写位置へ搬送される。転写位置において転写除電部5によりトナー像が用紙P上に転写された後、用紙Pの表面の電荷が消去されて感光体1から分離され、搬送部7Bにより搬送される。その後、用紙P上のトナー像は定着部8により用紙Pに加熱定着され、用紙Pは排紙ローラ7Cにより画像形成装置Aから排出される。
【0028】
用紙Pの両面に画像を形成する場合は、定着部8により加熱定着された用紙Pを搬送路切換部7Dにより排紙通路から分岐し、反転搬送部7Eにおいてスイッチバックして表裏反転させる。そして用紙Pを再び画像形成部へ搬送して、用紙Pの裏面に画像を形成する。排紙ローラ7Cから排出された用紙Pは、非図示の後処理装置に送り込まれる。
【0029】
画像形成装置Aの上部には操作表示部107が配置されており、画像形成システムTで実行されるジョブの内容が操作表示部107を通じてユーザーによって入力される。
【0030】
[給紙装置]
画像形成装置Aに接続された大容量の給紙装置Bは、用紙収納部を構成する複数の給紙部B1から構成され、本例では3つの給紙部B1が上下方向に備えられている。例えば、給紙装置Bには、第1段の給紙部B1に1300枚、第2段及び第3段の給紙部B1に1850枚を収容でき、全体として6000枚程度の用紙を収容できる。
【0031】
各々の給紙部B1は、用紙束を載置する用紙載置台31と、用紙載置台31上の用紙束に給紙方向に直交する側方から空気を吹きつけて最上位の用紙Pを浮上させる用紙浮上手段40と、内部が負圧に保持され用紙浮上手段40で浮上した用紙Pを吸引・吸着して1枚ずつ給紙方向に搬送する吸着搬送手段60と、吸着搬送手段60に吸着された用紙、あるいは用紙載置台31上の用紙束に給紙方向の下流側から空気を吹きつけて用紙を分離する分離送風機構50と、から構成される。
【0032】
各々の給紙部B1において、給紙部筐体30は給紙装置Bの筐体B2に固設されたガイドレール34に手前側に引き出し可能に支持され、用紙載置台31は給紙部筐体30に対し昇降可能に支持されている。そして、用紙浮上手段40及び後端規制部材33は給紙部筐体30上に支持され、用紙サイズに応じてスライド可能である。分離送風機構50は給紙部筐体30に固設されている。そして、吸着搬送手段60は給紙装置Bの筐体B2に固設されている。
【0033】
吸着搬送手段60は給紙装置Bの筐体B2に固設されており、手前側に引き出し不能になっている。
【0034】
図2は給紙装置Bの給紙部B1の要部を示す斜視図である。図2において吸着搬送手段60が給紙方向の下流側に矢印bだけ水平にシフトして示されている。図3は給紙部B1の正面断面図で、図4は給紙部B1の側面図である。
【0035】
用紙載置台31は用紙束Psを載置し、非図の昇降機構により積載された用紙束Psと共に昇降可能である。
【0036】
一対の用紙浮上手段40は、図2に示すように給紙方向に十分に長く剛性強度の大きい箱形構造を成しており、給紙方向と直交する幅方向にスライド可能に設定され、内側の側端規制部材42で用紙束Psの側端部を用紙サイズに対応して規制する。
【0037】
先端規制部材32は、給紙部筐体30に固設されており、用紙載置台31上の用紙束Psを先端側から規制している。後端規制部材33は、操作者によって給紙方向に変位自在に設定可能で、用紙束Psの後端部を規制している。
【0038】
また、図3に示すように、後端規制部材33には、用紙載置台上に積載された用紙束の最上部の高さを検出する高さセンサPS3が配置されている。
【0039】
用紙載置台31上に積載された用紙束Psの最上位は、後述の制御部によって高さセンサPS3の信号に基づき空気の吹き付けが受けられる最適な高さに維持される。つまり、図3に示す高さセンサPS3の検出結果に基づき図示しない昇降モータを駆動させ用紙載置台31を上昇させて、常に用紙の最上部を所定の高さに維持するような制御を行っている。
【0040】
一対の用紙浮上手段40は内部に送風ファン41を有し、側端規制部材42の送風口72から矢印A1、A2で示す幅方向に用紙束Psの上部に風を吹き付けて、最上部の用紙Pを吸着搬送機構に向けて浮上させている。
【0041】
吸着搬送手段60は、給紙方向に回動する2つの搬送ベルト63と、搬送ベルト63を懸架する大径ローラ61及び2つの小径ローラ62と、吸引手段64と、から構成される。
【0042】
図4に示すように、吸着搬送手段60を構成する主要部は、給紙装置Bの上部筐体36に固設された支持部材68で支持される。
【0043】
2つの大径ローラ61(図3)の軸の一端は、支持部材68に固設された吸着搬送モータM2にそれぞれ直結されており、その他端は、支持部材68に回転可能に支持され、2つの搬送ベルト63は吸着搬送モータM2で回動駆動される。
【0044】
搬送ベルト63は、図示のように多数の小径の貫通孔が穿設されている。また。回動する搬送ベルト63の内側に支持部材68に支持された吸引手段64が配設されている。
【0045】
2つの大径ローラ61は、外径が中央部から両側端に向かって連続的に小さくなる、いわゆる太鼓ローラである。従って、搬送ベルト63に異常な外力が加わらない限り、搬送ベルト63は大径ローラ61に幅方向の所定位置を回動する。また、何らかの原因で搬送ベルト63が幅方向における異常な位置に片寄った場合にも、吸着搬送モータM2を所定時間だけ駆動させることによって、搬送ベルト63の片寄りは修正され、搬送ベルト63を正常な位置に復帰させることが出来る。
【0046】
吸引手段64は、吸引ダクト64Aと、吸引ダクト64A内に設けられた吸引ファン64Bと、から構成され、吸引ファン64Bの作動で負圧に維持されている。吸引ダクト64Aの下部には、それぞれの搬送ベルト63に対向して開口64C(図3)を有する。開口64Cは、吸着搬送手段60における空気吸引の領域を決めている。吸引された空気は、吸引ファン64B、吸引ダクト64Aを経由し、給紙装置Bの排気口64Dより排出される。
【0047】
吸引ファン64Bは給紙時に通常作動しており、用紙浮上手段40、又は分離送風機構50により浮上された最上位の用紙Pを搬送ベルト63で吸着する。そして、吸着搬送モータM2の作動により搬送ベルト63が回動し、搬送ベルト63に吸着された用紙Pのみを搬送ベルト63で吸着しながら給紙方向(図3の矢印a)に搬送して、画像形成装置Aへ送り込まれる。
【0048】
また、給紙部B1の出口側には搬送ローラ対39が配設されており、搬送ローラ対39の回転により搬送ベルト63で搬送された用紙Pを画像形成装置Aに確実に搬送する。
【0049】
分離送風機構50は、給紙部筐体35に固設された送風ケーシング52と、送風ケーシングの内部に固設された電動ファン51と、から構成されている。送風ケーシング52はノズル形態を成しており、分離送風機構50は電動ファン51の作動によりノズル53から空気を吹き出し、用紙束Psの前端部に、あるいは吸着搬送手段60に空気を吹き付けている。
【0050】
下方ノズル53Aから空気が吹き出される場合には、用紙束Psの前端上部に吹き付けられ、用紙束Psの最上部の用紙Pを捌き浮上させている。また、上方ノズル53Bから空気が吹き出される場合に、吸着搬送手段60に吸着された用紙を一枚に分離している。分離送風機構50の支援により、吸着搬送手段60の重送をより確実に防止可能にする。
【0051】
<用紙吸着検出手段>
図3に示すように、吸着搬送手段60には、吸引手段64により搬送ベルト63を含めた吸着面に吸着される用紙Pの有無を検出する用紙吸着検出手段65の作動片65Aを有する。作動片65Aによる用紙吸着検出手段65の検知領域は、搬送ベルト63の底面に吸着された用紙Pを検知でき、かつ、搬送ベルト63の異常な片寄りを検知できるように搬送ベルト63の側端の外側から一定距離れた位置となるように配置されている。ここで一定距離とは、搬送ベルト63の片寄りが通常範囲を超えて、片寄り修正等が必要な範囲と判断できるような距離である。
【0052】
用紙吸着検出手段65は図4に示すように、吸着搬送手段で吸着される用紙に押されて変位する3つの作動片65Aと、吸着搬送手段60の支持部材68に回転可能に支持され3つの作動片65Aを同位相で固設する回転軸65Cと、回転軸65Cの一端側に固設された検出片65Bと、検出片65Bの変位により検出光が遮断、あるいは開放される吸着センサPS1と、から構成される。
【0053】
作動片65Aの各々は、回動する搬送ベルト63の吸着面に垂直な方向に変位可能であり、搬送ベルト63の側端より外側、且つ近傍に配設されおり、搬送ベルト63に吸着される用紙Pの状態が作動片65Aの変位として反映される。ここでは作動片65Aは3つ設けているが、これに限定されるものでなく1つでもよい。例えば、幅方向の中央にひとつだけ設けると、全サイズの用紙Pの吸着に対応でき、合理的である。
【0054】
3つの作動片65Aと検出片65Bは、それぞれ一定の位相差で回転軸65Cに固設されおり、用紙Pの吸着により少なくとも1つの作動片65Aが押されると、各作動片65Aと検出片65Bは図3において時計回転方向に一体的に変位する。そして、その変位により、吸着センサPS1は用紙吸着の信号を出力する。
【0055】
図5は、用紙吸着検出手段65の作動片65Aの形状を示す側面図、正面図である。
【0056】
図5(a)は作動片65Aを給紙方向から見た側面図で、図5(b)は給紙方向に直交する手前側から見た正面図である。
【0057】
65Acは、作動片65Aを回転軸65Cの幅方向の3箇所に固設する支持穴であり、破線部で示す65Abは先端の最下面であり、吸着搬送手段60により吸着される用紙Pと接触して押し上げを受ける用紙接触面である。
【0058】
65Aaは、用紙接触面65Abに対して角度φで交差し用紙接触面65Abから幅方向に連続して突出する傾斜面である。作動片65Aは、用紙接触面65Abを下方から押される場合だけでなく、傾斜面65Aaを幅方向から押される場合にも、図3において時計回転方向に変位する。
【0059】
図6は、用紙Pが搬送ベルト63に吸着した際の作動片65Aの変位状態を示す模式図である。ここに示すように、用紙Pが用紙接触面65Abを押し上げて、作動片65Aを変位させている。
【0060】
図7は、搬送ベルト63の片寄りにより用紙吸着検出手段65の作動片65Aが変位する状況を示す模式(拡大断面)図である。図6では用紙吸着検出手段65の作動片65A、搬送ベルト63、搬送ベルト63、及び吸引ダクト64Aの下部を給紙方向の下流側から見ている。
【0061】
図7(a)は搬送ベルト63が幅方向の正規位置を回動している場合であり、図7(b)は搬送ベルト63が正規位置より幅方向にdだけ片寄った位置を回動している場合であり、EPc、EPaはそれぞれの場合における搬送ベルト63の端部が占める位置である。搬送ベルト63の片寄りが所定量より大きくなると、片寄り量に応じて押し上げられ、図7(b)のように、作動片65Aの最下部65が搬送ベルト63の内面に接するまでに押し上げられる。
【0062】
以上のように搬送ベルト63の回動位置に近い所定位置に用紙吸着検出手段65の作動片65Aを配設することにより、用紙吸着検出手段65によって搬送ベルト63の片寄りを検出できる。更に、作動片65Aに傾斜面65Aaを設けることにより、片寄り量に応じて作動片65Aの変位角、つまり検出片の変位角が変化するために、搬送ベルト63の片寄りを高い精度で検出できる。また、搬送ベルト63の片寄りにより作動片65Aが搬送ベルト63の端部と干渉して、搬送ベルト63及び作動片65Aが破損するような事態も防止できる。
【0063】
作動片65Aは設計的な理由から種々な形状をもつことになるが、上記のように傾斜面65Aaを有する作動片65Aの形状は、本発明に係る好ましい形態である。
【0064】
図3に戻るが、吸着搬送手段60の給紙方向下流側に、用紙センサPS2と搬送ローラ対39が配設されており、用紙センサPS2は吸着搬送手段60から給送された用紙Pの通過を検出する。搬送ローラ対39は、非図示の搬送駆動モータM1に連結されており、搬送駆動モータM1の作動により回転する。その結果、搬送ローラ対で待機されている用紙Pは画像形成装置Aに送り出される。
【0065】
<制御部>
図8は、用紙吸着検出手段65の検出信号に基づき搬送ベルト63の片寄りを検知し、片寄りの修正を行う制御部100を示すブロック図である。
【0066】
制御部100は、CPUを含み主要制御を司る演算制御部101と、プログラムを記憶するROM102と、演算制御部101が行う際の各種データを格納するRAM103と、制御部100の指示(信号)に基づきモータ及びファン等を駆動する駆動回路104と、バス105とを有する。
【0067】
制御部100では、本発明に係る搬送ベルト63の片寄り検知、片寄り修正を司るが、給紙装置の全般に関する制御、画像形成装置Aとの通信に関する制御を行っている。ここでは省略する。
【0068】
吸着センサPS1、用紙センサPS2は、制御部100の非図示の入力インタフェースに接続している。
【0069】
駆動回路104は、図3で説明した搬送駆動モータM1、図4で示した吸着搬送モータM2、図2〜図4で説明した送風ファン41、電動ファン51及び吸引ファン64B等を駆動する回路である。
【0070】
演算制御部101は、送風ファン41、電動ファン51、吸引ファンを作動して、用紙載置台31に載置された用紙Psの用紙Pを浮上させ、吸着搬送手段60に用紙Pを吸着させる。同時に吸着センサPS1からの信号(用紙吸着検出手段65の検出信号)に基づき吸着搬送手段60の搬送ベルト63の下面に吸着された用紙P(の有無)を検出している。
【0071】
そして、用紙Pの吸着が検出されると、給紙タイミングで吸着搬送モータM2を駆動させて、吸着搬送手段60に吸着された用紙Pを搬送ベルト63で吸着し給紙方向の下流側に搬送する。
【0072】
そして、用紙センサPS2が用紙Pの先端を検出すると、所定時間後に吸着搬送モータM2を停止させて用紙Pを搬送ローラ対39で一旦停止させ、再給紙タイミングで搬送駆動モータM1を駆動させて用紙Pを画像形成装置Aに搬送する。
【0073】
以上のように演算制御部101は、給紙に関する各種の指令を駆動回路104に適宜出力する。
【0074】
また、演算制御部101は、吸着センサPS1の信号に基づき搬送ベルト63の幅方向における異常な片寄りを検出する。そして、異常な片寄りが検出されると、搬送ベルト63の片寄り修正動作を実行する。搬送ベルト63の異常な片寄りの検出と片寄り修正に関する制御を以下に詳しく説明する。
【0075】
<搬送ベルト63の片寄りの検出及び片寄りの修正の制御(その1)>
本発明に係る制御部100は、用紙Pを吸着させるための用紙吸着動作を吸着搬送手段60に対し停止させ、その停止中に用紙吸着検出手段65(吸着センサPS1)を作動させる。停止中であれば用紙Pは吸着されていないので、その時、つまり、用紙Pが吸着されていないと想定されるタイミングに吸着センサPS1の検出信号がONである場合には、用紙Pを検知したのではなく搬送ベルト63を検出したことになるので、搬送ベルト63の端部が異常位置EPaを越えて片寄った状態にあると判断し、搬送ベルト63の異常な片寄り(片寄りの有)を検出する。そして、吸着センサPS1の検出信号がOFFである場合には、搬送ベルト63の片寄りの無を検出する。
【0076】
図9は、用紙吸着検出手段65(吸着センサPS1)の検出信号に基づき搬送ベルト63の片寄りを検知し、片寄りを修正する制御の実施形態(その1)を示すフローチャートである。
【0077】
操作者の操作に伴う搬送ベルト63の片寄りで発生する給紙異常動作を未然に防止可能にする、搬送ベルトの片寄り検出と片寄り修正に関する制御の実施形態である。
【0078】
S101工程は電源が投入された直後であるか、否かをチェックする工程であり、S102工程は給紙装置Bの扉が閉じられたか、否かをチェックする工程であり、これらの工程は、給紙装置Bに対して操作者からの何らか操作が為されたか、否かを確認する工程である。操作者による操作がなされると、S103工程に移行する。そして、何ら操作が為されない場合には一連の制御を終了する。
【0079】
S103工程は、吸引ファン64Bの非作動状態において吸着センサPS1がONであるか、否かをチェックする工程である。吸着センサPS1がONである状態は、用紙Pが吸着されていない状態下で用紙吸着検出手段65の作動片65Aが上方に押し上げられている状態であると判断し、搬送ベルト63の異常な片寄り(片寄りの有)を検出する。
【0080】
S103工程は、搬送ベルト63の端部が異常位置EPaを越えているか、否かを検出する、つまり、搬送ベルト63の異常な片寄りを検出する工程である。
【0081】
S103工程で“Yes”と判定される、つまり、搬送ベルト63の異常な片寄りを検出すると、S104からS108までの片寄り修正の関連動作に移行する。
【0082】
S104工程は、画像形成装置Aの操作表示部107に『片寄り修正動作の実行中』を示すメッセージを表示する工程である。
【0083】
S105工程は、所定の片寄り修正動作を実行する工程である。
【0084】
S106工程は、S105工程の片寄り修正動作の実行後に、再度吸着センサPS1がONであるか、否かをチェックする工程である。S106工程で吸着センサPS1がOFFである(“Yes”である)と、S105工程で実行された所定の片寄り修正動作にも拘わらず、依然として搬送ベルト63の端部が異常位置EPaを越えていると判断し、給紙装置Bの作動を禁止し、搬送ベルトの片寄り(異常)によるエラー発生を示す旨のメッセージを画像形成装置Aの操作表示部107に表示する(S107工程)。
【0085】
吸着センサPS1がOFFである(“No”である)と、片寄り修正動作により搬送ベルト63の異常な片寄りが解消されたと判断し、S104工程で表示された『片寄り修正動作の実行中』を示すメッセージを消去する。あるいは『片寄りが修正され、正常に復帰された』等のメッセージを表示する。そして、一連の制御を終了する。
【0086】
なお、ここでは、S104からS108までの工程を全て行っているが、必ずしも全て行う必要がなく、S107工程のみを実行して、搬送ベルト63の片寄りが検出されたら、直ちに給紙動作を断念して、給紙動作を停止し、管理者、サービスマンを呼ぶ等のエラーメッセージを操作表示部107に表示させるようにしてもよい。
【0087】
なお、S105工程に示す“片寄り修正動作の実行”について、一例を次に説明する。
【0088】
図10は、片寄った搬送ベルト63を異常位置EPaから正常位置EPcへ戻す“片寄り修正動作の実行”を示す、一例である。
【0089】
搬送ベルト63は、太鼓ローラの大径ローラと2つの小径ローラで懸架されているために、何らかの外力で異常位置EPaを越えて幅方向に片寄っていても、通常の場合、十分な時間を使って、搬送ベルト63を回動すれば、自然に正常位置EPcへ復帰できるものである。ここでは、所定時間搬送ベルト63を回動させて搬送ベルト63の片寄りを自動的に復帰させる『片寄り修正動作』が用いられる。
【0090】
S301は、所定時間が設定されたタイマーを作動させる工程である。次のS302は片寄ったものを含む2つの搬送ベルト63を回動させるために、吸着搬送モータM2を作動させる工程である。
【0091】
S303は、タイマーの計時が所定時間を超えたか、否かを判定する工程であり、計時が所定時間を越えたと判定された(“Yes”と判定された)場合には、S304工程に移行し、吸着搬送モータM2を停止させ、且つタイマーをリセットし、一連の制御を終了する。一方、“No”の場合には、S302工程を継続する。
【0092】
以上のような自動復帰動作は片寄り修正に時間を要するが、本発明の実施形態では、十分な時間を用いて自動復帰動作を行うことによって、搬送ベルト63の片寄りで機能しない状態に陥った用紙吸着検出手段65を復活させた状態の下で、給紙動作を実行させることを可能にする。一方、大容量の給紙装置Bのような給紙装置は短時間に多数の用紙Pを画像形成装置Aに送り出す高速性能を有するために、用紙吸着検出手段65が機構しない状態が短時間でも存在することは、致命的なトラブルに直結するものであり、上記の実施形態に、このような給紙トラブルを未然に防止可能にするものである。
【0093】
<搬送ベルト63の片寄り検出及び片寄り修正の制御(その2)>
図11は、用紙吸着検出手段65(吸着センサPS1)の検出信号に基づき搬送ベルト63の片寄りを検知し、片寄りを修正する制御の実施形態(その2)を示すフローチャートである。
【0094】
ここでは、給紙動作中に搬送ベルト63の片寄りによる給紙異常動作の発生を未然に防止可能にする、搬送ベルトの片寄り検出と片寄り修正に関する制御の実施形態である。用紙吸着検出手段65の検出信号に基づき、吸着搬送手段60に用紙Pの吸着の有無を検出する共に、吸着搬送手段60の搬送ベルト63の幅方向における異常片寄りを検出することを可能にするものである。更に、用紙吸着検出手段65の検出信号に基づき、吸着搬送手段60による用紙Pの搬送を行い、搬送ベルト63の片寄りを検出すると、給紙動作を中断し、搬送ベルト63の片寄りを修正する動作を実行するものである。
【0095】
S201は、用紙吸着動作を実行させる工程であり、具体的には吸着搬送手段60の吸引ファン64Bを正回転方向に作動させて、吸引ダクト64A内を負圧にする動作である。吸引ファン64Bの作動により用紙浮上手段40により浮上された最上位の用紙Pが搬送ベルト63に吸着される。
【0096】
S202は、用紙吸着検出手段65(吸着センサPS1)の検出結果が用紙吸着の有を検出したか、否かをチェックする工程である。ここでは吸着センサPS1の検出結果が“ON”の場合は用紙吸着の有に該当し、“OFF”の場合は用紙吸着の無に該当する。従って、吸着センサPS1がONであると判定されると、S203工程に移行する。
【0097】
S203は、給紙指令に基づき、吸着された用紙Pを給紙方向の下流側に搬送する工程であり、具体的には吸着搬送モータM2を用紙サイズで定まる期間だけ作動する工程である。
【0098】
次のS204は、下流側に搬送された用紙Pが搬送ローラ対39により更に下流側に搬送される以降の所定タイミングで吸引ファン64Bの正回転を短期間だけ停止させ用紙吸着を停止させ、あるいは吸引ファン64Bを逆方向に回転させて吸引ダクト内を正圧にして、吸着した用紙Pを脱着させる工程である。
【0099】
S205は、S201工程を開始してからS204工程が実行された後の現在に至る期間に吸着センサPS1の出力が“ON”の状態を維持しているか、否かを判定する工程である。一瞬でも”OFF”の状態が検出された場合(“No”の場合)には、S210工程に移行する。その期間の間、吸着センサPS1の出力が継続して“ON”の状態が維持される場合(“Yes”の場合)には、搬送ベルト63は幅方向の異常位置EPaを越えて片寄っていると判定し、搬送ベルト63の異常な片寄り(の有)を検出する。
【0100】
つまり、S205工程は、用紙Pが吸着されていないと想定しているタイミングに、吸着センサPS1の出力が“ON”である場合に搬送ベルト63の異常な片寄りの有を検出し、吸着センサPS1の出力が“OFF”である場合に搬送ベルト63の異常な片寄りの無を検出する工程である。そして、搬送ベルト63の異常な片寄りの有が検出されると、S206工程からS209工程までの処理を行う。
【0101】
S206工程は、新たな用紙Pの給紙動作を中断する工程であり、具体的には用紙吸着動作を停止させた後に給紙部B1の各部を順次停止させる。
【0102】
次のS207は『片寄り修正処理』を実行する工程であり、具体的には図10で詳しく説明した自動復帰動作を行うが、片寄りの修正が難しい場合もある。そのような場合には、例えば、搬送ベルト63を張架する大径ローラ61を支持する2つの軸受部の一方を2つの小径ローラ62の軸受部に対してシフトさせて片寄り方向を変える、よく知られた片寄り調整機構(ここでは省略している)を用いることになる。
【0103】
S208は、再度、吸着センサPS1の出力がONになったか、否かをチェックする工程である。吸着センサPS1の出力がONである場合(“Yes”の場合)には、給紙動作を断念して、給紙動作を停止し、管理者、サービスマンを呼ぶ等のエラーメッセージを操作表示部107に表示させる。そして、一連の制御を終了する。
【0104】
S208工程において吸着センサPS1の出力がOFFである場合(“No”の場合)には、S210工程に移行する。
【0105】
S210工程は、給紙が終了か、否かをチェックする工程であり、給紙されるべき用紙Pがある場合(“No”の場合)には、S201工程に戻り、新たな給紙のための用紙吸着動作を行う。給紙されるべき用紙Pがない場合(“Yes”の場合)には、一連の制御を終了する。
【0106】
なお、ここでは、S206工程から209工程までの工程を全て行っているが、必ずしも全て行う必要がなく、S209工程のみを実行して、搬送ベルト63の片寄りが検出されたら、直ちに給紙動作を断念して、給紙動作を停止し、管理者、サービスマンを呼ぶ等のエラーメッセージを操作表示部107に表示させるようにしてもよい。
【0107】
上記の本発明に係る給紙装置Bは、大容量の用紙を収容可能であり、高速の画像形成装置Aに適用可能であり、単一の検出手段を用いて吸着搬送手段60に吸着される用紙の有無を検出すると共に吸着搬送手段60の搬送ベルト63の片寄りを検出すること可能にするものであり、給紙不能等に至る致命的な不具合を未然に防止可能にする給紙装置を達成できる。更に、搬送ベルトの片寄りを自動的に修正して、長期に渡り高性能を維持可能な給紙装置を達成できる。また、搬送ベルトや検出センサの破損を未然に防止にした耐久性能に優れた給紙装置を達成できる。
【符号の説明】
【0108】
A 画像形成装置
B 給紙装置
P 用紙
T 画像形成システム
31 用紙載置台
40 用紙浮上手段
60 吸着搬送手段
63 搬送ベルト
65 用紙吸着検出手段
Ps 用紙束
100 制御部
65A 作動片
PS1 吸着センサ(吸着センサ)
65Aa 傾斜面
65Ab 用紙接触面
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙載置台に積載した用紙の束を一枚ずつ分離して給紙する給紙装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機やプリンター等の画像形成装置には、大量の用紙を給紙可能なエアー給紙装置が用いられている。エアー給紙装置は、積載された用紙束の側面、又は先端面に空気を吹き付けて用紙を浮上させ、給紙ベルトの空気吸引口に用紙を吸着させ、給紙ベルトを回動させて用紙を給紙方向に搬送するものである。
【0003】
このような給紙装置では、用紙の吸着を検出する検出手段の作動片が給紙ベルトの回動近傍に配設されており、検出手段による用紙吸着の検出信号を起点にして一連の給紙動作が行われるようになっている。
【0004】
特許文献1に記載の給紙装置は、用紙載置台に積載された用紙を搬送ベルトに吸着して送り出す吸着搬送機構と、用紙載置台に積載された用紙に側方から空気を吹きつける浮上送風機構と、吸着搬送機構で吸着された用紙に対し用紙搬送方向の下流側から空気を吹きつけて用紙を分離する分離送風機構とを備える。また、吸着搬送機構には搬送ベルトに吸着された用紙の有無を検出する吸着検出手段を備える。
【0005】
吸着検出手段は、吸着面から突出して搬送ベルトに吸着された用紙Pに押圧されて変位する作動片と、作動片の変位に連係して搬送ベルトへの用紙の吸着の有無を検出する吸着検出センサとで構成されている。そして、吸着検出センサの検出信号に基づき、搬送ベルトを駆動するモータ、あるいは浮上送風機構の送風条件を切り替えるソレノイドを制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−137963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1に記載のエアー給紙装置では、吸着搬送機構に設けられた搬送ベルトが用紙搬送方向と直交する軸方向に片寄り、吸着検出手段の作動片が搬送ベルトの内周面側に潜り込み、用紙吸着が誤検出され、一連の給紙動作が不適切に作動して、給紙不能に陥るという事態が発生した。また、ジャム処理のために操作者が用紙載置台を装置本体から手前側に引き出す際に、吸着搬送機構は装置本体に固設されており、無理な力が搬送ベルトに加わり、搬送ベルトが軸方向に片寄せられて同様の事態が発生した。
【0008】
このような事態を防止するために、搬送ベルトの片寄りの有無を検出する片寄り検出手段を新設させることも考えられるが、コストのアップ、あるいは装置が複雑になるという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、新たな検出手段を要さずに搬送ベルトの片寄りを検知して、給紙不能等に至る不具合を未然に防止可能にする給紙装置を提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的は、下記に記載する発明により達成する。
【0011】
1.用紙載置台に積載された用紙束に空気を吹き付けて用紙を浮上させる用紙浮上手段と、
前記用紙浮上手段で浮上した用紙を搬送ベルトで吸着し搬送する吸着搬送手段と、
前記搬送ベルトの側端より外側において前記吸着搬送手段に吸着される用紙を検出する用紙吸着検出手段と、
前記用紙浮上手段、前記吸着搬送手段及び前記用紙吸着検出手段を作動させて、用紙を前記搬送ベルトに吸着させた後に前記搬送ベルトを回動させて用紙を給紙方向の下流側に搬送する制御部と、を有する給紙装置であって、
前記制御部は、前記吸着搬送手段で用紙が吸着されていないと想定されるタイミングで前記用紙吸着検出手段の検出信号に基づき前記給紙方向と直交する幅方向における前記搬送ベルトの片寄りを検出することを特徴とする給紙装置。
【0012】
2.前記制御部は、前記搬送ベルトの片寄りを検出すると、前記搬送ベルトの回動を停止させることを特徴とする前記1に記載の給紙装置。
【0013】
3.前記制御部は、前記搬送ベルトの片寄りを検出すると、実行中の給紙動作を中断することを特徴する前記1又2に記載の給紙装置。
【0014】
4.前記制御部は、給紙動作中に前記吸着搬送手段に吸気動作を行わせ、その後に一時的な排気動作を行わせることを特徴とする前記3に記載の給紙装置。
【0015】
5.前記制御部は、前記搬送ベルトの片寄りを検出すると、前記搬送ベルトの片寄りを修正する動作を実行することを特徴とする前記1から4までの何れか1項に記載の給紙装置。
【0016】
6.前記搬送ベルトを懸架し回動可能に支持し少なくともひとつの太鼓ローラを含む複数のローラを有し、前記搬送ベルトの片寄りを修正する動作が前記搬送ベルトを所定時間駆動する動作であることを特徴とする前記5に記載の給紙装置。
【0017】
7.前記用紙吸着検出手段は、前記搬送ベルトの近傍において前記搬送ベルトの吸着面に垂直な方向に変位可能に配設された作動片と、前記作動片の変位を検出するセンサと、を有することを特徴とする前記1から6までの何れか1項に記載の給紙装置。
【0018】
8.前記作動片の形状が、設置の状態で下方に位置し前記吸着搬送手段に吸着される用紙に接触する接触面と、前記接触面に交差し前記接触面から前記幅方向に連続的に突出する傾斜面と、を有していることを特徴とする前記7に記載の給紙装置。
【0019】
9.前記作動片が、前記搬送ベルトの両側端側に配設されることを特徴とする前記7又8に記載の給紙装置。
【0020】
10.前記1から9までの何れか1項に記載の給紙装置と、前記給紙装置から搬送された用紙上に画像形成する画像形成装置とを備えることを特徴とする画像形成システム。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、上記課題を解決可能にする給紙装置の提供を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】画像形成システムTの全体構成図である。
【図2】給紙装置Bの給紙部B1の要部を示す斜視図である。
【図3】給紙装置Bの給紙部B1の要部を示す正面断面図である。
【図4】給紙装置Bの給紙部B1の要部を示す側面図である。
【図5】用紙吸着検出手段65の作動片65Aの形状を示す側面図、正面図である。
【図6】用紙Pが搬送ベルト63に吸着した際の作動片65Aの変位状態を示す模式図である。
【図7】搬送ベルト63の片寄りにより用紙吸着検出手段65の作動片65Aが変位する状況を示す模式(拡大断面)図である。
【図8】用紙吸着検出手段65の検出信号に基づき搬送ベルト63の片寄りの検知し、片寄りを修正する制御部100を示すブロック図である。
【図9】用紙吸着検出手段65の検出信号に基づき搬送ベルト63の片寄りを検知し、片寄りを修正する制御の実施形態(その1)を示すフローチャートである。
【図10】片寄った搬送ベルト63を異常位置EPaから正常位置EPcへ戻す“片寄り修正動作の実行”を示す、一例である。
【図11】用紙吸着検出手段65(吸着センサPS1)の検出信号に基づき搬送ベルト63の片寄りを検知し、片寄りを修正する制御の実施形態(その2)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明の実施の形態を図面により説明するが、本発明は、以下に説明する実施の形態に限られるものではない。
【0024】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0025】
[画像形成システム]
図1は、画像形成システムTの全体構成図である。画像形成システムTは、画像形成装置Aと、本発明に係る給紙装置Bと、から構成される。給紙装置Bは、給紙部B1の各々に1500枚程度の用紙を収容できる大容量の給紙装置である。
【0026】
画像形成装置Aは、回転する感光体1の周囲に、帯電部2、像露光部3、現像部4、転写除電部5、クリーニング部6を配置した画像形成部を有する。画像形成部は、帯電部2によって感光体1の表面に帯電を行った後、像露光部3のレーザビームによって原稿から読み取られた画像データに基づく露光走査を行って潜像を形成する。そして当該潜像を現像部4により現像して感光体1の表面にトナー像を形成する。
【0027】
用紙収納部7A、ありいは給紙装置Bから給紙された用紙Pは感光体1における転写位置へ搬送される。転写位置において転写除電部5によりトナー像が用紙P上に転写された後、用紙Pの表面の電荷が消去されて感光体1から分離され、搬送部7Bにより搬送される。その後、用紙P上のトナー像は定着部8により用紙Pに加熱定着され、用紙Pは排紙ローラ7Cにより画像形成装置Aから排出される。
【0028】
用紙Pの両面に画像を形成する場合は、定着部8により加熱定着された用紙Pを搬送路切換部7Dにより排紙通路から分岐し、反転搬送部7Eにおいてスイッチバックして表裏反転させる。そして用紙Pを再び画像形成部へ搬送して、用紙Pの裏面に画像を形成する。排紙ローラ7Cから排出された用紙Pは、非図示の後処理装置に送り込まれる。
【0029】
画像形成装置Aの上部には操作表示部107が配置されており、画像形成システムTで実行されるジョブの内容が操作表示部107を通じてユーザーによって入力される。
【0030】
[給紙装置]
画像形成装置Aに接続された大容量の給紙装置Bは、用紙収納部を構成する複数の給紙部B1から構成され、本例では3つの給紙部B1が上下方向に備えられている。例えば、給紙装置Bには、第1段の給紙部B1に1300枚、第2段及び第3段の給紙部B1に1850枚を収容でき、全体として6000枚程度の用紙を収容できる。
【0031】
各々の給紙部B1は、用紙束を載置する用紙載置台31と、用紙載置台31上の用紙束に給紙方向に直交する側方から空気を吹きつけて最上位の用紙Pを浮上させる用紙浮上手段40と、内部が負圧に保持され用紙浮上手段40で浮上した用紙Pを吸引・吸着して1枚ずつ給紙方向に搬送する吸着搬送手段60と、吸着搬送手段60に吸着された用紙、あるいは用紙載置台31上の用紙束に給紙方向の下流側から空気を吹きつけて用紙を分離する分離送風機構50と、から構成される。
【0032】
各々の給紙部B1において、給紙部筐体30は給紙装置Bの筐体B2に固設されたガイドレール34に手前側に引き出し可能に支持され、用紙載置台31は給紙部筐体30に対し昇降可能に支持されている。そして、用紙浮上手段40及び後端規制部材33は給紙部筐体30上に支持され、用紙サイズに応じてスライド可能である。分離送風機構50は給紙部筐体30に固設されている。そして、吸着搬送手段60は給紙装置Bの筐体B2に固設されている。
【0033】
吸着搬送手段60は給紙装置Bの筐体B2に固設されており、手前側に引き出し不能になっている。
【0034】
図2は給紙装置Bの給紙部B1の要部を示す斜視図である。図2において吸着搬送手段60が給紙方向の下流側に矢印bだけ水平にシフトして示されている。図3は給紙部B1の正面断面図で、図4は給紙部B1の側面図である。
【0035】
用紙載置台31は用紙束Psを載置し、非図の昇降機構により積載された用紙束Psと共に昇降可能である。
【0036】
一対の用紙浮上手段40は、図2に示すように給紙方向に十分に長く剛性強度の大きい箱形構造を成しており、給紙方向と直交する幅方向にスライド可能に設定され、内側の側端規制部材42で用紙束Psの側端部を用紙サイズに対応して規制する。
【0037】
先端規制部材32は、給紙部筐体30に固設されており、用紙載置台31上の用紙束Psを先端側から規制している。後端規制部材33は、操作者によって給紙方向に変位自在に設定可能で、用紙束Psの後端部を規制している。
【0038】
また、図3に示すように、後端規制部材33には、用紙載置台上に積載された用紙束の最上部の高さを検出する高さセンサPS3が配置されている。
【0039】
用紙載置台31上に積載された用紙束Psの最上位は、後述の制御部によって高さセンサPS3の信号に基づき空気の吹き付けが受けられる最適な高さに維持される。つまり、図3に示す高さセンサPS3の検出結果に基づき図示しない昇降モータを駆動させ用紙載置台31を上昇させて、常に用紙の最上部を所定の高さに維持するような制御を行っている。
【0040】
一対の用紙浮上手段40は内部に送風ファン41を有し、側端規制部材42の送風口72から矢印A1、A2で示す幅方向に用紙束Psの上部に風を吹き付けて、最上部の用紙Pを吸着搬送機構に向けて浮上させている。
【0041】
吸着搬送手段60は、給紙方向に回動する2つの搬送ベルト63と、搬送ベルト63を懸架する大径ローラ61及び2つの小径ローラ62と、吸引手段64と、から構成される。
【0042】
図4に示すように、吸着搬送手段60を構成する主要部は、給紙装置Bの上部筐体36に固設された支持部材68で支持される。
【0043】
2つの大径ローラ61(図3)の軸の一端は、支持部材68に固設された吸着搬送モータM2にそれぞれ直結されており、その他端は、支持部材68に回転可能に支持され、2つの搬送ベルト63は吸着搬送モータM2で回動駆動される。
【0044】
搬送ベルト63は、図示のように多数の小径の貫通孔が穿設されている。また。回動する搬送ベルト63の内側に支持部材68に支持された吸引手段64が配設されている。
【0045】
2つの大径ローラ61は、外径が中央部から両側端に向かって連続的に小さくなる、いわゆる太鼓ローラである。従って、搬送ベルト63に異常な外力が加わらない限り、搬送ベルト63は大径ローラ61に幅方向の所定位置を回動する。また、何らかの原因で搬送ベルト63が幅方向における異常な位置に片寄った場合にも、吸着搬送モータM2を所定時間だけ駆動させることによって、搬送ベルト63の片寄りは修正され、搬送ベルト63を正常な位置に復帰させることが出来る。
【0046】
吸引手段64は、吸引ダクト64Aと、吸引ダクト64A内に設けられた吸引ファン64Bと、から構成され、吸引ファン64Bの作動で負圧に維持されている。吸引ダクト64Aの下部には、それぞれの搬送ベルト63に対向して開口64C(図3)を有する。開口64Cは、吸着搬送手段60における空気吸引の領域を決めている。吸引された空気は、吸引ファン64B、吸引ダクト64Aを経由し、給紙装置Bの排気口64Dより排出される。
【0047】
吸引ファン64Bは給紙時に通常作動しており、用紙浮上手段40、又は分離送風機構50により浮上された最上位の用紙Pを搬送ベルト63で吸着する。そして、吸着搬送モータM2の作動により搬送ベルト63が回動し、搬送ベルト63に吸着された用紙Pのみを搬送ベルト63で吸着しながら給紙方向(図3の矢印a)に搬送して、画像形成装置Aへ送り込まれる。
【0048】
また、給紙部B1の出口側には搬送ローラ対39が配設されており、搬送ローラ対39の回転により搬送ベルト63で搬送された用紙Pを画像形成装置Aに確実に搬送する。
【0049】
分離送風機構50は、給紙部筐体35に固設された送風ケーシング52と、送風ケーシングの内部に固設された電動ファン51と、から構成されている。送風ケーシング52はノズル形態を成しており、分離送風機構50は電動ファン51の作動によりノズル53から空気を吹き出し、用紙束Psの前端部に、あるいは吸着搬送手段60に空気を吹き付けている。
【0050】
下方ノズル53Aから空気が吹き出される場合には、用紙束Psの前端上部に吹き付けられ、用紙束Psの最上部の用紙Pを捌き浮上させている。また、上方ノズル53Bから空気が吹き出される場合に、吸着搬送手段60に吸着された用紙を一枚に分離している。分離送風機構50の支援により、吸着搬送手段60の重送をより確実に防止可能にする。
【0051】
<用紙吸着検出手段>
図3に示すように、吸着搬送手段60には、吸引手段64により搬送ベルト63を含めた吸着面に吸着される用紙Pの有無を検出する用紙吸着検出手段65の作動片65Aを有する。作動片65Aによる用紙吸着検出手段65の検知領域は、搬送ベルト63の底面に吸着された用紙Pを検知でき、かつ、搬送ベルト63の異常な片寄りを検知できるように搬送ベルト63の側端の外側から一定距離れた位置となるように配置されている。ここで一定距離とは、搬送ベルト63の片寄りが通常範囲を超えて、片寄り修正等が必要な範囲と判断できるような距離である。
【0052】
用紙吸着検出手段65は図4に示すように、吸着搬送手段で吸着される用紙に押されて変位する3つの作動片65Aと、吸着搬送手段60の支持部材68に回転可能に支持され3つの作動片65Aを同位相で固設する回転軸65Cと、回転軸65Cの一端側に固設された検出片65Bと、検出片65Bの変位により検出光が遮断、あるいは開放される吸着センサPS1と、から構成される。
【0053】
作動片65Aの各々は、回動する搬送ベルト63の吸着面に垂直な方向に変位可能であり、搬送ベルト63の側端より外側、且つ近傍に配設されおり、搬送ベルト63に吸着される用紙Pの状態が作動片65Aの変位として反映される。ここでは作動片65Aは3つ設けているが、これに限定されるものでなく1つでもよい。例えば、幅方向の中央にひとつだけ設けると、全サイズの用紙Pの吸着に対応でき、合理的である。
【0054】
3つの作動片65Aと検出片65Bは、それぞれ一定の位相差で回転軸65Cに固設されおり、用紙Pの吸着により少なくとも1つの作動片65Aが押されると、各作動片65Aと検出片65Bは図3において時計回転方向に一体的に変位する。そして、その変位により、吸着センサPS1は用紙吸着の信号を出力する。
【0055】
図5は、用紙吸着検出手段65の作動片65Aの形状を示す側面図、正面図である。
【0056】
図5(a)は作動片65Aを給紙方向から見た側面図で、図5(b)は給紙方向に直交する手前側から見た正面図である。
【0057】
65Acは、作動片65Aを回転軸65Cの幅方向の3箇所に固設する支持穴であり、破線部で示す65Abは先端の最下面であり、吸着搬送手段60により吸着される用紙Pと接触して押し上げを受ける用紙接触面である。
【0058】
65Aaは、用紙接触面65Abに対して角度φで交差し用紙接触面65Abから幅方向に連続して突出する傾斜面である。作動片65Aは、用紙接触面65Abを下方から押される場合だけでなく、傾斜面65Aaを幅方向から押される場合にも、図3において時計回転方向に変位する。
【0059】
図6は、用紙Pが搬送ベルト63に吸着した際の作動片65Aの変位状態を示す模式図である。ここに示すように、用紙Pが用紙接触面65Abを押し上げて、作動片65Aを変位させている。
【0060】
図7は、搬送ベルト63の片寄りにより用紙吸着検出手段65の作動片65Aが変位する状況を示す模式(拡大断面)図である。図6では用紙吸着検出手段65の作動片65A、搬送ベルト63、搬送ベルト63、及び吸引ダクト64Aの下部を給紙方向の下流側から見ている。
【0061】
図7(a)は搬送ベルト63が幅方向の正規位置を回動している場合であり、図7(b)は搬送ベルト63が正規位置より幅方向にdだけ片寄った位置を回動している場合であり、EPc、EPaはそれぞれの場合における搬送ベルト63の端部が占める位置である。搬送ベルト63の片寄りが所定量より大きくなると、片寄り量に応じて押し上げられ、図7(b)のように、作動片65Aの最下部65が搬送ベルト63の内面に接するまでに押し上げられる。
【0062】
以上のように搬送ベルト63の回動位置に近い所定位置に用紙吸着検出手段65の作動片65Aを配設することにより、用紙吸着検出手段65によって搬送ベルト63の片寄りを検出できる。更に、作動片65Aに傾斜面65Aaを設けることにより、片寄り量に応じて作動片65Aの変位角、つまり検出片の変位角が変化するために、搬送ベルト63の片寄りを高い精度で検出できる。また、搬送ベルト63の片寄りにより作動片65Aが搬送ベルト63の端部と干渉して、搬送ベルト63及び作動片65Aが破損するような事態も防止できる。
【0063】
作動片65Aは設計的な理由から種々な形状をもつことになるが、上記のように傾斜面65Aaを有する作動片65Aの形状は、本発明に係る好ましい形態である。
【0064】
図3に戻るが、吸着搬送手段60の給紙方向下流側に、用紙センサPS2と搬送ローラ対39が配設されており、用紙センサPS2は吸着搬送手段60から給送された用紙Pの通過を検出する。搬送ローラ対39は、非図示の搬送駆動モータM1に連結されており、搬送駆動モータM1の作動により回転する。その結果、搬送ローラ対で待機されている用紙Pは画像形成装置Aに送り出される。
【0065】
<制御部>
図8は、用紙吸着検出手段65の検出信号に基づき搬送ベルト63の片寄りを検知し、片寄りの修正を行う制御部100を示すブロック図である。
【0066】
制御部100は、CPUを含み主要制御を司る演算制御部101と、プログラムを記憶するROM102と、演算制御部101が行う際の各種データを格納するRAM103と、制御部100の指示(信号)に基づきモータ及びファン等を駆動する駆動回路104と、バス105とを有する。
【0067】
制御部100では、本発明に係る搬送ベルト63の片寄り検知、片寄り修正を司るが、給紙装置の全般に関する制御、画像形成装置Aとの通信に関する制御を行っている。ここでは省略する。
【0068】
吸着センサPS1、用紙センサPS2は、制御部100の非図示の入力インタフェースに接続している。
【0069】
駆動回路104は、図3で説明した搬送駆動モータM1、図4で示した吸着搬送モータM2、図2〜図4で説明した送風ファン41、電動ファン51及び吸引ファン64B等を駆動する回路である。
【0070】
演算制御部101は、送風ファン41、電動ファン51、吸引ファンを作動して、用紙載置台31に載置された用紙Psの用紙Pを浮上させ、吸着搬送手段60に用紙Pを吸着させる。同時に吸着センサPS1からの信号(用紙吸着検出手段65の検出信号)に基づき吸着搬送手段60の搬送ベルト63の下面に吸着された用紙P(の有無)を検出している。
【0071】
そして、用紙Pの吸着が検出されると、給紙タイミングで吸着搬送モータM2を駆動させて、吸着搬送手段60に吸着された用紙Pを搬送ベルト63で吸着し給紙方向の下流側に搬送する。
【0072】
そして、用紙センサPS2が用紙Pの先端を検出すると、所定時間後に吸着搬送モータM2を停止させて用紙Pを搬送ローラ対39で一旦停止させ、再給紙タイミングで搬送駆動モータM1を駆動させて用紙Pを画像形成装置Aに搬送する。
【0073】
以上のように演算制御部101は、給紙に関する各種の指令を駆動回路104に適宜出力する。
【0074】
また、演算制御部101は、吸着センサPS1の信号に基づき搬送ベルト63の幅方向における異常な片寄りを検出する。そして、異常な片寄りが検出されると、搬送ベルト63の片寄り修正動作を実行する。搬送ベルト63の異常な片寄りの検出と片寄り修正に関する制御を以下に詳しく説明する。
【0075】
<搬送ベルト63の片寄りの検出及び片寄りの修正の制御(その1)>
本発明に係る制御部100は、用紙Pを吸着させるための用紙吸着動作を吸着搬送手段60に対し停止させ、その停止中に用紙吸着検出手段65(吸着センサPS1)を作動させる。停止中であれば用紙Pは吸着されていないので、その時、つまり、用紙Pが吸着されていないと想定されるタイミングに吸着センサPS1の検出信号がONである場合には、用紙Pを検知したのではなく搬送ベルト63を検出したことになるので、搬送ベルト63の端部が異常位置EPaを越えて片寄った状態にあると判断し、搬送ベルト63の異常な片寄り(片寄りの有)を検出する。そして、吸着センサPS1の検出信号がOFFである場合には、搬送ベルト63の片寄りの無を検出する。
【0076】
図9は、用紙吸着検出手段65(吸着センサPS1)の検出信号に基づき搬送ベルト63の片寄りを検知し、片寄りを修正する制御の実施形態(その1)を示すフローチャートである。
【0077】
操作者の操作に伴う搬送ベルト63の片寄りで発生する給紙異常動作を未然に防止可能にする、搬送ベルトの片寄り検出と片寄り修正に関する制御の実施形態である。
【0078】
S101工程は電源が投入された直後であるか、否かをチェックする工程であり、S102工程は給紙装置Bの扉が閉じられたか、否かをチェックする工程であり、これらの工程は、給紙装置Bに対して操作者からの何らか操作が為されたか、否かを確認する工程である。操作者による操作がなされると、S103工程に移行する。そして、何ら操作が為されない場合には一連の制御を終了する。
【0079】
S103工程は、吸引ファン64Bの非作動状態において吸着センサPS1がONであるか、否かをチェックする工程である。吸着センサPS1がONである状態は、用紙Pが吸着されていない状態下で用紙吸着検出手段65の作動片65Aが上方に押し上げられている状態であると判断し、搬送ベルト63の異常な片寄り(片寄りの有)を検出する。
【0080】
S103工程は、搬送ベルト63の端部が異常位置EPaを越えているか、否かを検出する、つまり、搬送ベルト63の異常な片寄りを検出する工程である。
【0081】
S103工程で“Yes”と判定される、つまり、搬送ベルト63の異常な片寄りを検出すると、S104からS108までの片寄り修正の関連動作に移行する。
【0082】
S104工程は、画像形成装置Aの操作表示部107に『片寄り修正動作の実行中』を示すメッセージを表示する工程である。
【0083】
S105工程は、所定の片寄り修正動作を実行する工程である。
【0084】
S106工程は、S105工程の片寄り修正動作の実行後に、再度吸着センサPS1がONであるか、否かをチェックする工程である。S106工程で吸着センサPS1がOFFである(“Yes”である)と、S105工程で実行された所定の片寄り修正動作にも拘わらず、依然として搬送ベルト63の端部が異常位置EPaを越えていると判断し、給紙装置Bの作動を禁止し、搬送ベルトの片寄り(異常)によるエラー発生を示す旨のメッセージを画像形成装置Aの操作表示部107に表示する(S107工程)。
【0085】
吸着センサPS1がOFFである(“No”である)と、片寄り修正動作により搬送ベルト63の異常な片寄りが解消されたと判断し、S104工程で表示された『片寄り修正動作の実行中』を示すメッセージを消去する。あるいは『片寄りが修正され、正常に復帰された』等のメッセージを表示する。そして、一連の制御を終了する。
【0086】
なお、ここでは、S104からS108までの工程を全て行っているが、必ずしも全て行う必要がなく、S107工程のみを実行して、搬送ベルト63の片寄りが検出されたら、直ちに給紙動作を断念して、給紙動作を停止し、管理者、サービスマンを呼ぶ等のエラーメッセージを操作表示部107に表示させるようにしてもよい。
【0087】
なお、S105工程に示す“片寄り修正動作の実行”について、一例を次に説明する。
【0088】
図10は、片寄った搬送ベルト63を異常位置EPaから正常位置EPcへ戻す“片寄り修正動作の実行”を示す、一例である。
【0089】
搬送ベルト63は、太鼓ローラの大径ローラと2つの小径ローラで懸架されているために、何らかの外力で異常位置EPaを越えて幅方向に片寄っていても、通常の場合、十分な時間を使って、搬送ベルト63を回動すれば、自然に正常位置EPcへ復帰できるものである。ここでは、所定時間搬送ベルト63を回動させて搬送ベルト63の片寄りを自動的に復帰させる『片寄り修正動作』が用いられる。
【0090】
S301は、所定時間が設定されたタイマーを作動させる工程である。次のS302は片寄ったものを含む2つの搬送ベルト63を回動させるために、吸着搬送モータM2を作動させる工程である。
【0091】
S303は、タイマーの計時が所定時間を超えたか、否かを判定する工程であり、計時が所定時間を越えたと判定された(“Yes”と判定された)場合には、S304工程に移行し、吸着搬送モータM2を停止させ、且つタイマーをリセットし、一連の制御を終了する。一方、“No”の場合には、S302工程を継続する。
【0092】
以上のような自動復帰動作は片寄り修正に時間を要するが、本発明の実施形態では、十分な時間を用いて自動復帰動作を行うことによって、搬送ベルト63の片寄りで機能しない状態に陥った用紙吸着検出手段65を復活させた状態の下で、給紙動作を実行させることを可能にする。一方、大容量の給紙装置Bのような給紙装置は短時間に多数の用紙Pを画像形成装置Aに送り出す高速性能を有するために、用紙吸着検出手段65が機構しない状態が短時間でも存在することは、致命的なトラブルに直結するものであり、上記の実施形態に、このような給紙トラブルを未然に防止可能にするものである。
【0093】
<搬送ベルト63の片寄り検出及び片寄り修正の制御(その2)>
図11は、用紙吸着検出手段65(吸着センサPS1)の検出信号に基づき搬送ベルト63の片寄りを検知し、片寄りを修正する制御の実施形態(その2)を示すフローチャートである。
【0094】
ここでは、給紙動作中に搬送ベルト63の片寄りによる給紙異常動作の発生を未然に防止可能にする、搬送ベルトの片寄り検出と片寄り修正に関する制御の実施形態である。用紙吸着検出手段65の検出信号に基づき、吸着搬送手段60に用紙Pの吸着の有無を検出する共に、吸着搬送手段60の搬送ベルト63の幅方向における異常片寄りを検出することを可能にするものである。更に、用紙吸着検出手段65の検出信号に基づき、吸着搬送手段60による用紙Pの搬送を行い、搬送ベルト63の片寄りを検出すると、給紙動作を中断し、搬送ベルト63の片寄りを修正する動作を実行するものである。
【0095】
S201は、用紙吸着動作を実行させる工程であり、具体的には吸着搬送手段60の吸引ファン64Bを正回転方向に作動させて、吸引ダクト64A内を負圧にする動作である。吸引ファン64Bの作動により用紙浮上手段40により浮上された最上位の用紙Pが搬送ベルト63に吸着される。
【0096】
S202は、用紙吸着検出手段65(吸着センサPS1)の検出結果が用紙吸着の有を検出したか、否かをチェックする工程である。ここでは吸着センサPS1の検出結果が“ON”の場合は用紙吸着の有に該当し、“OFF”の場合は用紙吸着の無に該当する。従って、吸着センサPS1がONであると判定されると、S203工程に移行する。
【0097】
S203は、給紙指令に基づき、吸着された用紙Pを給紙方向の下流側に搬送する工程であり、具体的には吸着搬送モータM2を用紙サイズで定まる期間だけ作動する工程である。
【0098】
次のS204は、下流側に搬送された用紙Pが搬送ローラ対39により更に下流側に搬送される以降の所定タイミングで吸引ファン64Bの正回転を短期間だけ停止させ用紙吸着を停止させ、あるいは吸引ファン64Bを逆方向に回転させて吸引ダクト内を正圧にして、吸着した用紙Pを脱着させる工程である。
【0099】
S205は、S201工程を開始してからS204工程が実行された後の現在に至る期間に吸着センサPS1の出力が“ON”の状態を維持しているか、否かを判定する工程である。一瞬でも”OFF”の状態が検出された場合(“No”の場合)には、S210工程に移行する。その期間の間、吸着センサPS1の出力が継続して“ON”の状態が維持される場合(“Yes”の場合)には、搬送ベルト63は幅方向の異常位置EPaを越えて片寄っていると判定し、搬送ベルト63の異常な片寄り(の有)を検出する。
【0100】
つまり、S205工程は、用紙Pが吸着されていないと想定しているタイミングに、吸着センサPS1の出力が“ON”である場合に搬送ベルト63の異常な片寄りの有を検出し、吸着センサPS1の出力が“OFF”である場合に搬送ベルト63の異常な片寄りの無を検出する工程である。そして、搬送ベルト63の異常な片寄りの有が検出されると、S206工程からS209工程までの処理を行う。
【0101】
S206工程は、新たな用紙Pの給紙動作を中断する工程であり、具体的には用紙吸着動作を停止させた後に給紙部B1の各部を順次停止させる。
【0102】
次のS207は『片寄り修正処理』を実行する工程であり、具体的には図10で詳しく説明した自動復帰動作を行うが、片寄りの修正が難しい場合もある。そのような場合には、例えば、搬送ベルト63を張架する大径ローラ61を支持する2つの軸受部の一方を2つの小径ローラ62の軸受部に対してシフトさせて片寄り方向を変える、よく知られた片寄り調整機構(ここでは省略している)を用いることになる。
【0103】
S208は、再度、吸着センサPS1の出力がONになったか、否かをチェックする工程である。吸着センサPS1の出力がONである場合(“Yes”の場合)には、給紙動作を断念して、給紙動作を停止し、管理者、サービスマンを呼ぶ等のエラーメッセージを操作表示部107に表示させる。そして、一連の制御を終了する。
【0104】
S208工程において吸着センサPS1の出力がOFFである場合(“No”の場合)には、S210工程に移行する。
【0105】
S210工程は、給紙が終了か、否かをチェックする工程であり、給紙されるべき用紙Pがある場合(“No”の場合)には、S201工程に戻り、新たな給紙のための用紙吸着動作を行う。給紙されるべき用紙Pがない場合(“Yes”の場合)には、一連の制御を終了する。
【0106】
なお、ここでは、S206工程から209工程までの工程を全て行っているが、必ずしも全て行う必要がなく、S209工程のみを実行して、搬送ベルト63の片寄りが検出されたら、直ちに給紙動作を断念して、給紙動作を停止し、管理者、サービスマンを呼ぶ等のエラーメッセージを操作表示部107に表示させるようにしてもよい。
【0107】
上記の本発明に係る給紙装置Bは、大容量の用紙を収容可能であり、高速の画像形成装置Aに適用可能であり、単一の検出手段を用いて吸着搬送手段60に吸着される用紙の有無を検出すると共に吸着搬送手段60の搬送ベルト63の片寄りを検出すること可能にするものであり、給紙不能等に至る致命的な不具合を未然に防止可能にする給紙装置を達成できる。更に、搬送ベルトの片寄りを自動的に修正して、長期に渡り高性能を維持可能な給紙装置を達成できる。また、搬送ベルトや検出センサの破損を未然に防止にした耐久性能に優れた給紙装置を達成できる。
【符号の説明】
【0108】
A 画像形成装置
B 給紙装置
P 用紙
T 画像形成システム
31 用紙載置台
40 用紙浮上手段
60 吸着搬送手段
63 搬送ベルト
65 用紙吸着検出手段
Ps 用紙束
100 制御部
65A 作動片
PS1 吸着センサ(吸着センサ)
65Aa 傾斜面
65Ab 用紙接触面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙載置台に積載された用紙束に空気を吹き付けて用紙を浮上させる用紙浮上手段と、
前記用紙浮上手段で浮上した用紙を搬送ベルトで吸着し搬送する吸着搬送手段と、
前記搬送ベルトの側端より外側において前記吸着搬送手段に吸着される用紙を検出する用紙吸着検出手段と、
前記用紙浮上手段、前記吸着搬送手段及び前記用紙吸着検出手段を作動させて、用紙を前記搬送ベルトに吸着させた後に前記搬送ベルトを回動させて用紙を給紙方向の下流側に搬送する制御部と、を有する給紙装置であって、
前記制御部は、前記吸着搬送手段で用紙が吸着されていないと想定されるタイミングで前記用紙吸着検出手段の検出信号に基づき前記給紙方向と直交する幅方向における前記搬送ベルトの片寄りを検出することを特徴とする給紙装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記搬送ベルトの片寄りを検出すると、前記搬送ベルトの回動を停止させることを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記搬送ベルトの片寄りを検出すると、実行中の給紙動作を中断することを特徴する請求項1又2に記載の給紙装置。
【請求項4】
前記制御部は、給紙動作中に前記吸着搬送手段に吸気動作を行わせ、その後に一時的な排気動作を行わせることを特徴とする請求項3に記載の給紙装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記搬送ベルトの片寄りを検出すると、前記搬送ベルトの片寄りを修正する動作を実行することを特徴とする請求項1から4までの何れか1項に記載の給紙装置。
【請求項6】
前記搬送ベルトを懸架し回動可能に支持し少なくともひとつの太鼓ローラを含む複数のローラを有し、前記搬送ベルトの片寄りを修正する動作が前記搬送ベルトを所定時間駆動する動作であることを特徴とする請求項5に記載の給紙装置。
【請求項7】
前記用紙吸着検出手段は、前記搬送ベルトの近傍において前記搬送ベルトの吸着面に垂直な方向に変位可能に配設された作動片と、前記作動片の変位を検出するセンサと、を有することを特徴とする請求項1から6までの何れか1項に記載の給紙装置。
【請求項8】
前記作動片の形状が、設置の状態で下方に位置し前記吸着搬送手段に吸着される用紙に接触する接触面と、前記接触面に交差し前記接触面から前記幅方向に連続的に突出する傾斜面と、を有していることを特徴とする請求項7に記載の給紙装置。
【請求項9】
前記作動片が、前記搬送ベルトの両側端側に配設されることを特徴とする請求項7又8に記載の給紙装置。
【請求項10】
請求項1から9までの何れか1項に記載の給紙装置と、前記給紙装置から搬送された用紙上に画像形成する画像形成装置とを備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項1】
用紙載置台に積載された用紙束に空気を吹き付けて用紙を浮上させる用紙浮上手段と、
前記用紙浮上手段で浮上した用紙を搬送ベルトで吸着し搬送する吸着搬送手段と、
前記搬送ベルトの側端より外側において前記吸着搬送手段に吸着される用紙を検出する用紙吸着検出手段と、
前記用紙浮上手段、前記吸着搬送手段及び前記用紙吸着検出手段を作動させて、用紙を前記搬送ベルトに吸着させた後に前記搬送ベルトを回動させて用紙を給紙方向の下流側に搬送する制御部と、を有する給紙装置であって、
前記制御部は、前記吸着搬送手段で用紙が吸着されていないと想定されるタイミングで前記用紙吸着検出手段の検出信号に基づき前記給紙方向と直交する幅方向における前記搬送ベルトの片寄りを検出することを特徴とする給紙装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記搬送ベルトの片寄りを検出すると、前記搬送ベルトの回動を停止させることを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記搬送ベルトの片寄りを検出すると、実行中の給紙動作を中断することを特徴する請求項1又2に記載の給紙装置。
【請求項4】
前記制御部は、給紙動作中に前記吸着搬送手段に吸気動作を行わせ、その後に一時的な排気動作を行わせることを特徴とする請求項3に記載の給紙装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記搬送ベルトの片寄りを検出すると、前記搬送ベルトの片寄りを修正する動作を実行することを特徴とする請求項1から4までの何れか1項に記載の給紙装置。
【請求項6】
前記搬送ベルトを懸架し回動可能に支持し少なくともひとつの太鼓ローラを含む複数のローラを有し、前記搬送ベルトの片寄りを修正する動作が前記搬送ベルトを所定時間駆動する動作であることを特徴とする請求項5に記載の給紙装置。
【請求項7】
前記用紙吸着検出手段は、前記搬送ベルトの近傍において前記搬送ベルトの吸着面に垂直な方向に変位可能に配設された作動片と、前記作動片の変位を検出するセンサと、を有することを特徴とする請求項1から6までの何れか1項に記載の給紙装置。
【請求項8】
前記作動片の形状が、設置の状態で下方に位置し前記吸着搬送手段に吸着される用紙に接触する接触面と、前記接触面に交差し前記接触面から前記幅方向に連続的に突出する傾斜面と、を有していることを特徴とする請求項7に記載の給紙装置。
【請求項9】
前記作動片が、前記搬送ベルトの両側端側に配設されることを特徴とする請求項7又8に記載の給紙装置。
【請求項10】
請求項1から9までの何れか1項に記載の給紙装置と、前記給紙装置から搬送された用紙上に画像形成する画像形成装置とを備えることを特徴とする画像形成システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−131595(P2012−131595A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284223(P2010−284223)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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