説明

給紙装置

【課題】簡単な構成で用紙のスムーズな給送を実現しながらも、用紙を分離する際に給紙カセットが共振して振動音が発生することを効果的に防止できる給紙装置を提供する。
【解決手段】用紙を装填する給紙カセット20と、給紙カセット20内の用紙を給紙する給紙ローラ26と、給紙ローラ26に圧接する分離パッド27aを取り付けた分離パッド支持部材27とを備え、給紙ローラ26の回転により給紙カセット20内の用紙を給紙ローラ26と分離パッド27aの圧接部で分離して給紙する用紙分離給送機構を備えた給紙装置10において、分離パッド支持部材27を給紙カセット20に取り付けていると共に、給紙カセット20に、該給紙カセット20の振動を抑制する振動抑制部材として錘部材30を取り付けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給紙カセットに装填された用紙を、給紙ローラと該給紙ローラに圧接された分離パッドにより一枚ずつ分離して給送する給紙装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタや複写機などの画像形成装置が備える給紙装置には、用紙を装填する給紙カセットと、給紙カセット内の用紙を給紙する給紙ローラと、給紙ローラに圧接させる分離パッドを取り付けた分離パッド支持部材とを備え、給紙ローラの回転により給紙カセット内の用紙を給紙ローラと分離パッドの圧接部で一枚ずつ分離して給送するように構成した給紙装置がある。
【特許文献1】特開平7−133033号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような給紙装置では、分離パッド支持部材が給紙カセットに取り付けられているが、給紙ローラの回転に伴い繰り込まれる用紙の動作を滑らかにするために、分離パッド支持部材を、コイルバネなどを介して給紙カセットに対して振動(上下動)可能に取り付けている。そのため、用紙を分離する際に用紙と分離パッドが擦れることで、分離パッド支持部材が振動する。そうするとその振動が給紙カセットに伝わって、給紙カセットが共振して大きな振動音(共振音)が発生してしまうという問題があった。
【0004】
この問題に対処するためには、分離パッド支持部材の振動を抑える方法も考えられるが、分離パッド支持部材を振動しないように給紙カセットに固定すると、給紙ローラと分離パッドの圧接部における用紙のスムーズな搬送に支障が出て、給紙ローラの駆動負荷が増加したり、分離パッドの磨耗量の増大による寿命低下を招くおそれがある上に、用紙の分離の際に用紙にダメージを与えかねないという問題があるため、あまり望ましい方法とはいえない。
【0005】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、簡単な構成で用紙のスムーズな給送を実現しながらも、用紙を分離する際に給紙カセットが共振して振動音が発生することを効果的に防止できる給紙装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本願の請求項1に記載の発明は、用紙を装填する給紙カセットと、前記給紙カセット内の用紙を給紙する給紙ローラと、前記給紙ローラに圧接する分離パッドを取り付けた分離パッド支持部材とを備え、前記給紙ローラの回転により前記給紙カセット内に装填された用紙を前記給紙ローラと前記分離パッドの圧接部で分離して給送する給紙装置において、前記分離パッド支持部材を前記給紙カセットに取り付けていると共に、前記給紙カセットに、該給紙カセットの振動を抑制する振動抑制部材として錘部材を取り付けたことを特徴とする。
【0007】
本願の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の給紙装置において、前記分離パッド支持部材は、前記給紙カセットの側壁の上端部に取り付けられていると共に、前記錘部材は、前記側壁の前記分離パッド支持部材の下側に取り付けられていることを特徴とする。
【0008】
本願の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の給紙装置において、前記錘部材は、前記側壁に形成した補強リブの間に挿入されて設置されていることを特徴とする。
【0009】
本願の請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の給紙装置において、前記給紙カセットの振動を抑制する振動抑制部材として、前記錘部材に加えて、前記給紙カセットと該給紙カセットを収納するカセット収納部との間に介在する板バネ部材を設置したことを特徴とする。
【0010】
本願の請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の給紙装置において、前記板バネ部材は、給紙カセットの前記分離パッド支持部材を設置した側壁に取り付けられており、前記給紙カセットを前記カセット収納部に収納した際に、該板バネ部材がカセット収納部の内壁に弾接することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本願の請求項1に記載の発明によれば、給紙カセットにその振動を抑制する振動抑制部材として錘部材を取り付けたので、簡単な構成で、用紙を分離する際に分離パッド支持部材が振動しても、給紙カセットの共振を抑制して共振音の発生を効果的に防止できる給紙装置となる。特に、分離パッド支持部材を給紙カセットに対して振動可能に取り付けている場合であっても、給紙カセットの共振を防止できるので、用紙の給送がスムーズに行える給紙装置となり、給紙ローラの駆動負荷の増加や、分離パッドの磨耗量の増大による寿命低下や、用紙の分離の際の用紙へのダメージが生じることを防止できる。
【0012】
本願の請求項2に記載の発明によれば、分離パッド支持部材は、給紙カセットの側壁の上端部に取り付けられていると共に、錘部材は、該側壁の分離パッド支持部材の下側に取り付けられているので、分離パッドで用紙を分離する際に、分離パッド支持部材の振動によって共振が起こり易い分離パッド支持部材を取り付けた側壁の振動を効果的に抑制することができる。
【0013】
本願の請求項3に記載の発明によれば、錘部材は、給紙カセットの側壁に形成した補強リブの間に挿入されて設置されているので、錘部材を設置するスペースとして給紙カセットの補強リブの間の空間を有効に活用できるので、その分、給紙装置のコンパクト化を図ることができる。
【0014】
本願の請求項4に記載の発明によれば、給紙カセットの振動を抑制する振動抑制部材として、錘部材に加えて、給紙カセットと該給紙カセットを収納するカセット収納部と間に介在する板バネ部材を設置したので、錘部材による振動抑制効果と併せて、給紙カセットの共振をさらに効果的に抑制することが可能となる。
【0015】
本願の請求項5に記載の発明によれば、板バネ部材は、給紙カセットの分離パッド支持部材を設置した側壁に取り付けられており、給紙カセットをカセット収納部に収納した際に、該板バネ部材がカセット収納部の内壁に弾接するので、分離パッドで用紙を分離する際に、分離パッド支持部材の振動によって共振が起こり易い分離パッド支持部材を取り付けた側壁の振動をさらに効果的に抑制することができる給紙装置となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態にかかる給紙装置を備えた画像形成装置の外観構成例を示す斜視図である。まず、同図を用いて画像形成装置の概略全体構成について説明する。本発明を適用する画像形成装置としては、給紙装置を備えた画像形成装置であれば、コピー機やファクシミリ装置やプリンタあるいはこれらの機能を兼ね備えたいわゆる複合機のうちのいずれであっても良い。同図に示す画像形成装置1は、上段側に設置された読取部2と、下段側に設置された記録部3とを備えている。
【0017】
読取部2は、原稿の画像を走査して読み取る画像読取装置4と、該画像読取装置4の前面に取り付けられた操作パネル5と、画像読取装置4の上部にその一辺が図示しないヒンジ機構で開閉可能に取り付けられた原稿押えカバー6とを備えている。原稿押えカバー6の一端部には、画像読取装置4に原稿用紙を搬送する自動原稿搬送装置(ADF装置)7が設置されている。ADF装置7は、原稿供給トレイ8上に載置された複数枚の原稿を順に画像読取装置4に搬送し、画像読取装置4で原稿の画像を読み取った後、原稿を原稿排出トレイ9へ排出するようになっている。一方、記録部3には、記録用紙(以下、「用紙」という。)を供給する本発明の実施形態にかかる給紙装置10と、給紙装置10から供給された用紙上に画像を記録する記録装置11とが設けられている。給紙装置10は、用紙を装填する給紙カセット20と、該給紙カセット20を収納する給紙装置10の本体ケーシング10aに設けたカセット収納部12を備えている。
【0018】
図2及び図3は、給紙装置10の給紙カセット20とカセット収納部12の構成例を示す図で、図2はその概略側断面図、図3は平面図である。また、図4は、給紙カセット20を図3の矢印A方向から見た部分斜視図であり、給紙カセット20の側壁20aに取り付けた下記する用紙分離給送機構29と錘部材30を示す図である。また図5は、給紙カセット20に錘部材30を取り付けた状態を示す図である。なお、以下の説明では、図2及び図3に示すように、用紙が給送される方向を給紙方向という。各図に示すように、用紙Wを装填する給紙カセット20は上部が開放された矩形の箱型に形成されており、カセット収納部12に引き出し状に出し入れが可能になっている。なお、図1に示す給紙カセット20の引出方向は、図2では紙面手前方向になり、図3では矢印で示す右方向になる。
【0019】
図2に示すように、給紙カセット20内には、回動支軸21を支点に上下方向に回動可能に設置されたフラッパー22と、該フラッパー22の下面側に設置されその回動端を上方に向かって付勢する付勢手段であるコイルスプリング23が設置されている。また、フラッパー22の給紙方向の後端部に隣接する位置には、フラッパー22上に載置される用紙Wの後端部が当接する板状のエンドガイド24が設置されている。このエンドガイド24は、図3に示すようにフラッパー22の給紙方向に対する幅方向の中間位置に立設されている。
【0020】
また、フラッパー22の給紙方向の前端部の上方には、給紙方向と直交する水平方向に延在するシャフト25が架設されており、該シャフト25の中間部に給紙ローラ26が取り付けられている。シャフト25の両端部は、給紙カセット20の両側壁部に軸支されていて、給紙ローラ26は、フラッパー22の給紙方向に対する幅方向の中央に配置されている。また、詳細な図示は省略するが、給紙カセット20をカセット収納部12に収納した際に、シャフト25の一端にカセット収納部12側に設置した図示しない駆動伝達機構が係合するようになっており、給紙装置10が備える図示しないモータ等の駆動力源の動力がシャフト25に伝達されて給紙ローラ26が回転するようになっている。
【0021】
そして図2に示すように、フラッパー22の給紙方向の前方の端辺に隣接する位置には、分離パッド27aを取り付けた分離パッド支持部材27が設置されている。この分離パッド支持部材27は、給紙カセット20の給紙方向の前方の側壁20aの上端部に設置されており、該側壁20aとの間に介在するコイルスプリング27bで上方に向かって付勢されていて、上面に取り付けた分離パッド27aが給紙ローラ26の下面に圧接された状態になっている。また、分離パッド27aには、用紙に対する摩擦係数が給紙ローラ26の用紙に対する摩擦係数よりも低く、且つ用紙同士の摩擦係数より高い、例えばウレタン系樹脂材料などからなるシート状の部材を用いることができる。これらによって、給紙ローラ26がフラッパー22上に載置された用紙Wの給紙方向の先端部の上面に圧接されていると共に、分離パッド27aにも圧接された状態になっており、これら給紙ローラ26と分離パッド27aとで給紙カセット20内の用紙Wを分離して給送する用紙分離給送機構29が構成されている。
【0022】
ここで、給紙カセット20に取り付けた振動抑制部材について説明する。図4、図5に示すように、給紙カセット20には、その振動を抑制する振動抑制部材として錘部材30が取り付けられている。この錘部材30は、給紙カセット20の給紙方向の前方の側壁20aの分離パッド支持部材27の下側(側壁20aの左右方向の中央位置)に取り付けられている。詳細には、側壁20aの外側面(給紙方向の前方の側面)に格子状の補強リブ31が形成されており、錘部材30は、この補強リブ31の間の空間部31aに挿入されて設置されている。錘部材30は、金属製の板状部材やアルミニウム等の合金のダイキャスト製の塊状部材や金属製の焼結部材などで構成され、長方形の板状に形成されていて、補強リブ31の間の空間部31aに挿入できる大きさに形成されている。この錘部材30として所定の重量を有する材質を選定したり、大きさや設置個数を適宜調節したりすることで、給紙カセット20の固有振動数を変化させることが可能となる。本実施形態では、長方形の板状に形成された四個の錘部材30を、各々、分離パッド支持部材27の真下の補強リブ31の間の空間部31aに挿入し、接着剤などで固定して取り付けている。
【0023】
次に、上記構成の給紙装置10において、給紙カセット20に装填された用紙を給送する際の動作を説明する。給紙カセット20内でフラッパー22上に載置された用紙Wの上面が、給紙ローラ26に弾接している。その状態で給紙ローラ26が回転すると、載置されている用紙Wが最上段のものから順に給紙ローラ26と分離パッド27aの圧接部28に繰り込まれてゆく。その際に、重なった複数枚の用紙Wが一緒に圧接部28に繰り込まれると、用紙W同士の摩擦係数よりも用紙Wと分離パッド27aの摩擦係数の方が大きいことで、分離パッド27aに接触している下段の用紙Wが分離パッド27aで制止された状態になるので、給紙ローラ26に接触する上段の用紙が順に一枚ずつ分離されて下流側へ給送されてゆき、分離パッド27aに接触している下段の用紙Wは最上段になったときに給送される。
【0024】
この用紙Wの給送で、分離パッド27aに接触する用紙Wが給送される際に該用紙Wが分離パッド27aと擦れるために、分離パッド支持部材27がコイルスプリング27bの弾発力で上下方向に微小振動するが、本実施形態の給紙装置10では、給紙カセット20に振動抑制部材として錘部材30を取り付けているので、用紙Wの給送の際に分離パッド支持部材27が振動しても、その振動を錘部材30がその自重によって抑制することで、給紙カセット20が振動(共振)することを防止できるため、給紙カセット20の振動音の発生を抑制することが可能となる。
【0025】
また本実施形態の給紙装置10では、錘部材30によって給紙カセット20の振動(共振)を防止するように構成したことで、分離パッド支持部材27自体は給紙カセット20に対して振動可能に取り付けているので、給紙カセット20の振動音の発生を効果的に抑制しながらも、給紙ローラ26の駆動負荷の増加や、分離パッド27aの磨耗量の増大による寿命低下や、用紙Wの分離の際に用紙Wへのダメージを与える等の不具合の発生を防止できる。したがって、振動音の発生を抑制しながらも用紙Wの給送がスムーズに行える給紙装置10となる。
【0026】
またこの給紙装置10では、錘部材30を、給紙カセット20における給紙方向の前方(下流側)に位置する側壁20aの分離パッド支持部材27の下側に取り付けているので、分離パッド27aで用紙Wを分離する際に、分離パッド支持部材27の振動によって共振が起こり易い分離パッド支持部材27を取り付けた側壁20aの振動を効果的に抑制することが可能となる。またこの給紙装置10では、錘部材30を側壁20aに形成した補強リブ31の間に挿入して設置しているので、錘部材30を設置するためのスペースとして、給紙カセット20の補強リブ31の間の空間部31aを有効に活用でき、その分、給紙装置10のコンパクト化を図ることを可能としている。
【0027】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本発明の第2実施形態では、上記の第1実施形態と同一又は相当する構成部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、以下で説明する事項以外の事項や図示する以外の部分は、上記の第1実施形態と同じである。図6は、本発明の第2実施形態の給紙装置10−2の構成例を示す図で、第1実施形態の給紙装置10における図4、図5に対応する図である。この給紙装置10−2では、給紙カセット20の振動を抑制する振動抑制部材として、第1実施形態の給紙カセット20が備える錘部材30に加えて、給紙カセット20と該給紙カセット20を収納するカセット収納部12の間に介在する板バネ部材40を設置している。図7は、この板バネ部材40の設置状態を説明するための図で、板バネ部材40を取り付けた給紙カセット20の側壁20aと、それに対向するカセット収納部12の内側壁12aを上方から見た部分平面図である。同図に示すように、板バネ部材40は薄板細片状の弾性金属板であって、その中途部分を略くの字状に折り曲げた屈曲部41を備えると共に、一端側が給紙カセット20の側壁20a(詳細には、補強リブ31の間の空間部31aの内部)に設けた取付孔32にネジ42で固定され、他端側が自由端になっている。また図6に示すように、本実施形態の給紙装置10−2では、この板バネ部材40は、分離パッド支持部材27を設置した側壁20aの外面の錘部材30の両側にそれぞれ一個ずつ合計二個取り付けられている。
【0028】
図7に示すように、板バネ部材40は、給紙カセット20をカセット収納部12に収納した際に、僅かな間隔で対向して配置される給紙カセット20の側壁20aとカセット収納部12の内側壁12aの間に介在するようになっている。そしてこの板バネ部材40は、屈曲部41が給紙カセット20の側壁20aから若干突出した状態で取り付けられているので、給紙カセット20をカセット収納部12に収納した際に、屈曲部41がカセット収納部12の内側壁12aに弾接するようになっている。そのため、この板バネ部材40の弾発力によって給紙カセット20がカセット収納部12側から押し返された状態で固定される。これにより、給紙ローラ26と分離パッド27aの圧接部28を用紙Wが搬送される際に、用紙Wと分離パッド27aが擦れることで分離パッド支持部材27が振動しても、給紙カセット20に取り付けた板バネ部材40がカセット収納部12に弾接していることで、分離パッド支持部材27の振動をカセット収納部12に伝達するので、分離パッド支持部材27の振動によって給紙カセット20が共振することを効果的に防止できる。
【0029】
本実施形態の給紙装置10−2によれば、給紙カセット20の振動を抑制する振動抑制部材として、給紙カセット20に取り付けた錘部材30に加えて、給紙カセット20とカセット収納部12の間に介在する板バネ部材40を設置したので、錘部材30による振動抑制効果と併せて、給紙カセット20の振動をさらに効果的に抑制することが可能となる。またこの板バネ部材40は、給紙カセット20の分離パッド支持部材27を取り付けた側壁20aに取り付けられているので、分離パッド27aで用紙Wを分離する際に、分離パッド支持部材27の振動によって共振が起こり易い分離パッド支持部材27を取り付けた側壁20aの振動をさらに効果的に抑制することが可能となる。
【0030】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書、図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお、直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、分離パッド支持部材27の具体的な構成や、その給紙カセット20への取付構造などは、上記各実施形態に示すものには限定されない。また、振動抑制部材である錘部材30や板バネ部材40の具体的な形状や材質は上記実施形態に示すものには限定されないし、その設置個数や設置位置も限定されない。
【0031】
また、上記実施形態の給紙装置10(10−2)では、シャフト25と給紙ローラ26が給紙カセット20に取り付けられている場合を説明したが、これ以外にも、シャフト25と給紙ローラ26を、給紙装置10(10−2)の本体部(カセット収納部12)側に取り付けることも可能である。その場合は、給紙カセット20をカセット収納部12に収納した際に、給紙ローラ26が給紙カセット20に取り付けた分離パッド27aに圧接されるように構成すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる給紙装置を備えた画像形成装置の外観構成例を示す斜視図である。
【図2】給紙装置が備える給紙カセットとカセット収納部の構成例を示す側断面図である。
【図3】給紙装置が備える給紙カセットとカセット収納部の構成例を示す平面図である。
【図4】給紙カセットの構成例を示す図で、給紙カセットの給紙方向の前方の側壁に取り付けた用紙分離給送機構と錘部材を示す図である。
【図5】給紙カセットに錘部材を取り付けた状態を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態にかかる給紙装置における給紙カセットの構成例を示す図である。
【図7】板バネ部材の設置状態を説明するための図である。
【符号の説明】
【0033】
1 画像形成装置
10 給紙装置
10a 本体ケーシング
12 カセット収納部
12a 内側壁
20 給紙カセット
20a 側壁
22 フラッパー
25 シャフト
26 給紙ローラ
27 分離パッド支持部材
27a 分離パッド
27b コイルスプリング
28 圧接部
29 用紙分離給送機構
30 錘部材(振動抑制部材)
31 補強リブ
31a 空間部
40 板バネ部材(振動抑制部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を装填する給紙カセットと、前記給紙カセット内の用紙を給紙する給紙ローラと、前記給紙ローラに圧接する分離パッドを取り付けた分離パッド支持部材とを備え、前記給紙ローラの回転により前記給紙カセット内の用紙を前記給紙ローラと前記分離パッドの圧接部で分離して給紙する給紙装置において、
前記分離パッド支持部材を前記給紙カセットに取り付けていると共に、前記給紙カセットに、該給紙カセットの振動を抑制する振動抑制部材として錘部材を取り付けたことを特徴とする給紙装置。
【請求項2】
請求項1に記載の給紙装置において、
前記分離パッド支持部材は、前記給紙カセットの側壁の上端部に取り付けられていると共に、前記錘部材は、該側壁の前記分離パッド支持部材の下側に取り付けられていることを特徴とする給紙装置。
【請求項3】
請求項2に記載の給紙装置において、
前記錘部材は、前記側壁に形成した補強リブの間に挿入されて設置されていることを特徴とする給紙装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の給紙装置において、
前記給紙カセットの振動を抑制する振動抑制部材として、前記錘部材に加えて、前記給紙カセットと該給紙カセットを収納するカセット収納部との間に介在する板バネ部材を設置したことを特徴とする給紙装置。
【請求項5】
請求項4に記載の給紙装置において、
前記板バネ部材は、給紙カセットの前記分離パッド支持部材を設置した側壁に取り付けられており、前記給紙カセットを前記カセット収納部に収納した際に、該板バネ部材がカセット収納部の内壁に弾接することを特徴とする給紙装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−56462(P2008−56462A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−237951(P2006−237951)
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】