絶縁型双方向Cukコンバータとその駆動方法
【課題】アップコンバータ機能とダウンコンバータ機能とをインターバル期間を設けることなく、連続的に切替可能とする絶縁型双方向DC−DCコンバータ等を実現することを目的とする。
【解決手段】試料への充電と放電とを遂行する絶縁型双方向Cukコンバータにおいて、充電する場合と放電する場合とのいずれの場合にも、トランスの一次側に配置される第一スイッチング素子と二次側に配置される第二スイッチング素子とを共に同期整流によるスイッチング駆動とし、充放電切替時に、充放電電流と充放電電圧とをリニアに制御する絶縁型双方向Cukコンバータとする。
【解決手段】試料への充電と放電とを遂行する絶縁型双方向Cukコンバータにおいて、充電する場合と放電する場合とのいずれの場合にも、トランスの一次側に配置される第一スイッチング素子と二次側に配置される第二スイッチング素子とを共に同期整流によるスイッチング駆動とし、充放電切替時に、充放電電流と充放電電圧とをリニアに制御する絶縁型双方向Cukコンバータとする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的に充放電切替可能な絶縁型双方向DC−DCコンバータとその駆動方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
図11は、蓄電池に対して充電と放電とを切替えて遂行する従来の双方向DC−DCコンバータの構成概要を説明する図である。図10において、双方向DC−DCコンバータ1141は、FET等のトランジスタからなるスイッチング素子SW1111,SW1112と、充電制御部(CONT1)1144,放電制御部(CONT2)1145と、ダイオードD1111,D1112とチョークコイルL1111,L1112と、コンデンサC1111,C1112とを含む。
【0003】
また、図11に示すように直流電源部1142は、交流電圧を所望の直流電圧として整流するAC−DCコンバータとして説明する。直流電源部1142から蓄電池1143に対して充電する場合、充電制御信号により充電制御部(CONT1)1144からスイッチング素子SW1111をオン・オフ制御して、スイッチング素子SW1111とダイオードD1111とチョークコイルL1111とコンデンサC1111とによる降圧コンバータとして動作させて、蓄電池1143を充電する。
【0004】
蓄電池1143への充電中は、スイッチング素子SW1112をオフ状態に維持する。また、蓄電池1143の放電は、放電制御信号により放電制御部(CONT2)1145からスイッチング素子SW1112をオン・オフ制御して、チョークコイルL1112と、スイッチング素子SW1112と、コンデンサC1112とによる昇圧コンバータとして動作させ、蓄電池1143の電圧を昇圧して直流電源部1142へ放電(電力回生)する。
【0005】
また、蓄電池1143の放電中は、スイッチング素子SW1111をオフ状態に維持する。上述のように、図11に示す双方向DC−DCコンバータは、蓄電池1143の充電用のダウンコンバータと、放電用のアップコンバータとの構成を別途に並列に備える構成となる。
【0006】
また、図12は、従来の他の双方向DC−DCコンバータ1251の構成概要を説明する図である。図12において、1252は直流電源部(AC−DC)であり、1253は蓄電池であり、SW1221,SW1222はスイッチング素子であり、D1221,D1222はダイオードであり、L1221はチョークコイルであり、C1221,C1222はコンデンサであり、1254は充放電制御部(CONT)であり、1255は充電制御を行う充電制御部であり、1256は放電制御を行う放電制御部である。
【0007】
また、直流電源部1252から蓄電池1253を充電する場合、充電制御信号と切替信号とを入力し、充放電制御部(CONT)1254の充電制御部1255を用いて、スイッチング素子SW1221のオン・オフ制御を遂行する。また、スイッチング素子SW1221と異なるタイミングで、放電制御部1256がスイッチング素子SW1222のオン・オフ制御を遂行し、チョークコイルL1221とコンデンサC1222とを含むダウンコンバータ機能により蓄電池1253の充電電圧に降圧して充電を行う。
【0008】
また、放電制御信号と切替信号とを入力した場合、充放電制御部(CONT)1254の放電制御部1256がスイッチング素子SW1222のオン・オフ制御を遂行する。また、スイッチング素子SW1222と異なるタイミングで、充電制御部1255がスイッチング素子SW1221のオン・オフ制御を遂行して、チョークコイルL1221とコンデンサC1221とをアップコンバータ機能により動作させて、蓄電池1253の電圧を昇圧し、直流電源部1252に電力回生を行う。
【0009】
また、ハイブリッド電気自動車等に適用する為に、駆動モータを回生用発電機として利用する回生動作の発電機能に相当する構成を高圧用蓄電池とし、電装部品等に動作電力を供給するバッテリを低圧用蓄電池とし、スイッチング素子をMOSFETにより構成して、その寄生ダイオードを整流用のダイオードとし、高圧用蓄電池から低圧用蓄電池への充電の場合はダウンコンバータとして動作させ、低圧用蓄電池から高圧用蓄電池への充電の場合はアップコンバータとして動作させ、ダウンコンバータとアップコンバータとの機能を同一のスイッチング構成により実現した双方向DC−DCコンバータも知られている。上述した従来の双方向DC−DCコンバータは、例えば下記特許文献1に開示されている。また、従来の絶縁型双方向Cukコンバータは、例えば下記特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010−206883号公報
【特許文献2】特開2008−054473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来の双方向DC−DCコンバータは、アップコンバータ機能とダウンコンバータ機能とを切替える為にアップコンバータ回路構成とダウンコンバータ回路構成とをそれぞれ別途に備える構成であるから、部品点数が多く、コストアップとなる問題があった。
【0012】
また、アップコンバータ機能とダウンコンバータ機能とを一部共用化した従来の他の双方向DC−DCコンバータは、コストダウンを図ることができる。しかし、オン・オフ制御するスイッチング素子共用化部分を、アップコンバータ機能とダウンコンバータ機能とで切替えるには、切替えの為のインターバル期間を一定程度以上必要とする。
【0013】
このため、バッテリの充放電制御等において、アップコンバータ機能とダウンコンバータ機能とをインターバル期間を設けることなく連続的に切替えることができず、稼働効率の観点からは問題があった。
【0014】
本発明は、上述した問題点に鑑み為された発明であって、アップコンバータ機能とダウンコンバータ機能とをインターバル期間を設けることなく、連続的に切替可能とする絶縁型双方向DC−DCコンバータ等を実現することを目的とする。
【0015】
また、本発明は、充電時と放電時とで共通のコンバータとすることにより、部品点数を低減し、小型化・軽量化・低価格化を達成した絶縁型双方向DC−DCコンバータ等を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の絶縁型双方向Cukコンバータは、試料への充電と放電とを遂行する絶縁型双方向Cukコンバータにおいて、充電する場合と放電する場合とのいずれの場合にも、トランスの一次側に配置される第一スイッチング素子と二次側に配置される第二スイッチング素子とを共に同期整流によるスイッチング駆動とし、充放電切替時に、充放電電流と充放電電圧とをリニアに制御することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の絶縁型双方向Cukコンバータは、好ましくは充電する場合には第一スイッチング素子のオン期間(T1)を増大させ、放電する場合には第一スイッチング素子のオン期間(T1)を減少させることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の絶縁型双方向Cukコンバータは、さらに好ましくは第二スイッチング素子のオン期間が、一周期(T)から第一スイッチング素子のオン期間(T1)とデッドタイム(T2とT4との和)とを減算した期間であることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の絶縁型双方向Cukコンバータは、さらに好ましくは充放電切替時に、充放電電流がゼロとなる場合にインターバルを有しないことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の絶縁型双方向Cukコンバータは、さらに好ましくは第一スイッチング素子と第二スイッチング素子とは、出力電流値をフィードバック制御するPWM制御により駆動されることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法は、試料への充電と放電とを遂行する絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法において、充電する場合に、トランスの一次側に配置される第一スイッチング素子と二次側に配置される第二スイッチング素子とを共に同期整流によるスイッチング駆動とする工程と、放電する場合に、トランスの一次側に配置される第一スイッチング素子と二次側に配置される第二スイッチング素子とを共に同期整流によるスイッチング駆動とする工程と、を有し、充放電切替時に、充放電電流と充放電電圧とをリニアに制御することを特徴とする。
【0022】
また、本発明の絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法は、好ましくは充電する場合に第一スイッチング素子のオン期間(T1)を増大させる工程を有し、放電する場合に第一スイッチング素子のオン期間(T1)を減少させる工程を有することを特徴とする。
【0023】
また、本発明の絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法は、さらに好ましくは第二スイッチング素子のオン期間は、一周期(T)から第一スイッチング素子のオン期間(T1)とデッドタイム(T2とT4との和)とを減算した期間であることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法は、さらに好ましくは充放電切替時に、充放電電流がゼロとなる場合にインターバルを有しないことを特徴とする。
【0025】
また、本発明の絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法は、さらに好ましくは第一スイッチング素子と第二スイッチング素子とは、出力電流値をフィードバック制御するPWM制御により駆動されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
アップコンバータ機能とダウンコンバータ機能とをインターバル期間を設けることなく、連続的に切替可能とする絶縁型双方向DC−DCコンバータ等を実現できる。
【0027】
また、充電時と放電時とで共通のコンバータとすることにより、部品点数を低減し、小型化・軽量化・低価格化を達成した絶縁型双方向DC−DCコンバータ等を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態にかかる絶縁型双方向コンバータの構成概要を説明するブロック図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる絶縁型双方向Cukコンバータの回路構成の概要を説明する図である。
【図3】デッドタイムを設けない場合の理論上の絶縁型双方向CukコンバータのSW1,SW2の動作タイミングチャートを説明する図である。
【図4】SW1側をメインスイッチとし、SW2側を同期整流とした場合の充電方向(a)の従来の絶縁型双方向CukコンバータのSW1,SW2の動作タイミングチャートを説明する図である。
【図5】SW2側をメインスイッチとし、SW1側を同期整流とした場合の放電方向(b)の従来の絶縁型双方向CukコンバータのSW1,SW2の動作タイミングチャートを説明する図である。
【図6】SW1側及びSW2側を共にメインスイッチとし、同期生流による充放電一括制御とした場合(充放電方向)の本発明の実施形態にかかる絶縁型双方向CukコンバータのSW1,SW2の動作タイミングチャートを説明する図である。
【図7】本発明の実施形態にかかる絶縁型双方向Cukコンバータが充放電電流と充放電電圧とをリニアかつ連続的に切り替える状態を模式的に説明する図である。
【図8】充電回路と放電回路とを別個に備えるとともに各回路のトランスの巻数比が異なる従来の絶縁型双方向コンバータの構成概要を説明するブロック図である。
【図9】従来の他の絶縁型双方向Cukコンバータの構成概要を説明するブロック図である。
【図10】従来の絶縁型双方向Cukコンバータの充放電電流及び充放電電圧の経時変化特性を各々説明する概要図である。
【図11】蓄電池に対して充電と放電とを切替えて遂行する従来の双方向DC−DCコンバータの構成概要を説明する図である。
【図12】従来の他の双方向DC−DCコンバータの構成概要を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本実施形態で説明する絶縁型双方向DC−DCコンバータは、蓄電池(バッテリ)の充電と放電とを遂行する場合に、絶縁型Cukコンバータの一次側スイッチと二次側スイッチとをオン・オフ制御することにより、充電または放電の切り替えインターバルを要することなく、連続的かつリニアに制御することができる。
【0030】
本実施形態においては、従来のように充電時と放電時とで各々一次側または二次側いずれか一方のみをメインスイッチとしてオン・オフ動作させ、他方を常時オフとすることがなく、他方も同期整流させて両スイッチを同一のデッドタイムで常時オン・オフ動作させる。このため、各スイッチのオン期間・オフ期間の制御を適宜調整することで、充電時と放電時との切り替え時に、充放電電流や充放電電圧の切り替え時間を要することなく、リニアに連続的に充電モードと放電モードとの間を移行させることができる。本実施形態で説明する絶縁型双方向DC−DCコンバータは、フィードバック制御でPWMスイッチ制御されるので、各スイッチのオン期間・オフ期間は、電圧値やトランスの巻数比により変動する。
【0031】
図1は、本発明の実施形態にかかる絶縁型双方向コンバータ1000の構成概要を説明するブロック図である。図1に示すように、絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、所定の巻数比で設計されたトランス1080の一次側にスイッチング素子(SW1)1060を備え、二次側にスイッチング素子(SW2)1110を備える。トランス1080は高周波トランスを用いることができる。一次側のスイッチング素子(SW1)1060と二次側のスイッチング素子(SW2)1110とは、制御部(CONT)1030によりPWM駆動される。
【0032】
また、図1に示すように絶縁型双方向コンバータ1000のトランス1080の二次側には、蓄電池20と、リアクトル1100およびコンデンサ1090を接続する。また、トランス1080の一次側には、コンデンサ1070、リアクトル1050、電解コンデンサ1040を介してAC−DCコンバータ10に接続する。
【0033】
本実施形態の絶縁型双方向Cukコンバータ1000の放電運転時には、一次側のスイッチング素子(SW1)1060と二次側のスイッチング素子(SW2)1110とを、図6に説明するようにオン・オフ制御する。これらのスイッチング素子1060,1110は、MOSFETやIGBT等を利用する。スイッチング素子1060,1110としてMOSFETを使用した場合には、それらの寄生ダイオードにて代替可能である。
【0034】
また、スイッチング素子(SW2)1110のオフ時には、蓄電池20からリアクトル1100、コンデンサ1090、トランス1080の二次側を介して蓄電池20に戻る経路で電流が流れて、コンデンサ1090が充電される。
【0035】
また、同時にトランス1080の一次側では、コンデンサ1070からトランス1080の一次側、スイッチング素子(SW1)1060を介してコンデンサ1070に戻る経路で電流が流れてコンデンサ1070が充電される。
【0036】
一方、スイッチング素子(SW2)1110のオン時には、トランス1080の二次側では、蓄電池20からリアクトル1100、スイッチング素子(SW2)1110を介して蓄電池20に戻る経路で電流が流れて、リアクトル1100にエネルギーが蓄積される。
【0037】
また、同時にコンデンサ1090からスイッチング素子(SW2)1110、トランス1080の二次側を介してコンデンサ1090に戻る経路でコンデンサ1090の放電電流が流れる。さらに、これと同時に、トランス1080の一次側では、コンデンサ1040からトランス1080の一次側、コンデンサ1070、リアクトル1050を介してコンデンサ1040に戻る経路でコンデンサ1040の放電電流が流れる。
【0038】
このようにトランス二次側から一次側にエネルギーが伝達されて、蓄電池20の電力がAC−DCコンバータ10側に放電される。
【0039】
また、絶縁型双方向Cukコンバータ1000の充電運転時には、回路が左右対称であるため放電時と同様であり、AC−DCコンバータ10側から与えられた直流電圧が、蓄電池20に対応する電圧に降圧されて、蓄電池20に供給される。
【0040】
上述のように、本実施形態の絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、電力流通方向に応じて常時オフとするスイッチング素子を一次側と二次側とで順次切り替える必要がなく、図6乃至図7に説明するようにリニアな双方向動作を実現する。
【0041】
このため、絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、スイッチング素子数を増加させる必要がなく、部品点数の増大を抑制できるので比較的低コストの双方向DC−DCコンバータとできるだけでなく、連続したリニアな充放電切り替え動作が可能となる。
【0042】
また、絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、入出力間が一次側、二次側として絶縁されているため、地絡事故発生時等の予期せぬ障害が生じた場合においても、交流側から電力が流れ続けることがなく、比較的安全性の高い充放電システムを提供することができる。また、充電と放電とを切り替える場合には、絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、図7に説明するように切り替え時間が生じることはなく、リニアに連続的に切り替えることができる。
【0043】
また、上述したように、絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、共用コンバータとするので部品点数はある程度低減され、充電時と放電時とではいずれの場合も、単一の制御部(CONT)1030により連続的に充放電制御される。このため、図1に示すように、充電制御と放電制御とに対応して充電用の制御部と放電用の制御部とを別個独立に備える必要がない。すなわち、絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、一コンバータ一制御方式のため制御が複雑とならず、瞬時の充放電切り替えが可能である。
【0044】
図2は、図1に示した実施形態の絶縁型双方向Cukコンバータ1000の回路構成の概要を説明する図である。図2においては図1と対応する部位には同一の符号を付して、その説明を省略する。また、図3は、デッドタイムを設けない場合の理論上の絶縁型双方向CukコンバータのSW1,SW2の動作タイミングチャートを説明する図である。また、図4は、SW1側をメインスイッチとし、SW2側を同期整流とした場合の充電方向(a)の従来の絶縁型双方向CukコンバータのSW1,SW2の動作タイミングチャートを説明する図である。
【0045】
また、図5は、SW2側をメインスイッチとし、SW1側を同期整流とした場合の放電方向(b)の従来の絶縁型双方向CukコンバータのSW1,SW2の動作タイミングチャートを説明する図である。また、図6は、SW1側及びSW2側を共にメインスイッチとし、同期整流による充放電一括制御(充放電方向)とした本発明の実施形態にかかる絶縁型双方向Cukコンバータ1000のSW1,SW2の動作タイミングチャートを説明する図である。なお、図3乃至図5は、本発明の理解の一助として比較するために説明するものである。
【0046】
また、図7は、本発明の実施形態にかかる絶縁型双方向Cukコンバータ1000が充放電電流と充放電電圧とをリニアかつ連続的に切り替える状態を模式的に説明する図である。
【0047】
そこで、図1乃至図7を適宜参照しながら、以下に本発明の実施形態にかかる絶縁型双方向Cukコンバータ1000のスイッチング動作について説明する。
【0048】
図3に示すように、デッドタイムがないと仮定した場合において、充電時の期間T1aが絶縁型双方向Cukコンバータ1000のスイッチング素子(SW1)1060のオン期間を示し、T1a=T1bである。また、デッドタイムがないと仮定した場合においては、充電時の期間T3aが絶縁型双方向Cukコンバータ1000のスイッチング素子(SW2)1110のオン期間を示し、T3a=T3bである。
【0049】
ここで、期間T1bと期間T3bとは、各々放電時のSW1、SW2のオン期間を意味するものとする。また、仮にデッドタイムがないと仮定した場合には、図3から理解できるように、期間T1aと期間T3aとの和、及び期間T1bと期間T3bとの和が、各々1周期に対応する。
【0050】
また、図4に示すように、絶縁型双方向Cukコンバータ1000のスイッチング素子(SW1)1060側を仮にメインスイッチにしたと仮定し、スイッチング素子(SW2)1110側を同期整流とした場合(充電の場合)には、期間T2、期間T4のデッドタイムが生じる。このため、図4から理解できるように、1周期(T)は、SW1のオン期間T1aとデッドタイムT2、T4とSW2のオン期間T3aとの和となる。
【0051】
また、図5に示すように、絶縁型双方向Cukコンバータ1000のスイッチング素子(SW2)1110側を仮にメインスイッチにしたと仮定し、スイッチング素子(SW1)1060側を同期整流とした場合(放電の場合)には、充電の場合と同様に、期間T2、期間T4のデッドタイムが生じる。このため、図5から理解できるように、1周期(T)は、SW1のオン期間T1bとデッドタイムT2、T4とSW2のオン期間T3bとの和となる。
【0052】
一方、本実施形態の絶縁型双方向Cukコンバータ1000においては、図6に示すように、絶縁型双方向Cukコンバータ1000のスイッチング素子(SW1)1060とスイッチング素子(SW2)1110とを共に、メインスイッチとして同期整流による充放電一括制御とする。
【0053】
このため、SW1のオン期間をT1としSW2のオン期間をT3とすれば、図6にハッチングで示す領域において、充電と放電とが釣り合い電流がゼロとなる箇所が存在する。本実施形態の絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、この釣り合い点を基準として、いずれか一方に期間がずれれば充電となり他方にずれれば放電となるように、スイッチング制御する。
【0054】
すなわち、図6に示すように、フィードバックにて期間幅が制御される期間T1においてはSW1がオンでありSW2がオフであり、期間T3においてはSW1がオフでありSW2がオンである。また、所定のデッドタイムとして設けられる固定期間幅を有する期間T2と期間T4とにおいては、SW1がオフでありSW2もオフである。
【0055】
ここで、充放電電流I=0の場合には図2におけるV2=V3であり、一次側をaと考えれば、V2=T1a/(T−T1a)×V1(TrN2/TrN1)・・・式(1)との関係式(1)が成立する。また、この場合に二次側をbと考えれば、V1=T3b/(T−T3b)×V2(TrN1/TrN2)・・・式(2)との関係式(2)が成立する。式(1)と式(2)とにおいて、TrN1とTrN2とは、各々トランスの一次側巻線数と二次側巻線数とを意味する。
【0056】
また、式(1)と式(2)とから、T1a=T−T3bとの関係が導出される。ここで、仮にデッドタイムをゼロとすれば、T−T3b=T1bとなるので、T1a=T1bとなる。しかし、本発明の絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、同期整流による充放電一括制御を遂行するのであって、現実にはデッドタイム(T2、T4)が必ず必要となる。従って、T1は、T1bより大きくT1aより小さい一点(T1b<T1<T1a)において、T3は(T−T1−T2−T4)と等しい場合(T3=(T−T1−T2−T4))に、充放電電流I=0となることが理解できる。
【0057】
このように絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、充放電電流I=0となる期間T1を基準値とし、この基準値からT1が増大すれば充電方向に動作し、この基準値からT1が減少すれば放電方向に動作する。上述の説明から、絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、図7に説明するように、充電期間と放電期間との間をインターバルなく連続的かつリニアに推移することが理解できる。
【0058】
ここで、本発明の理解を比較上さらに容易にするため、従来の絶縁型双方向Cukコンバータの動作について図8乃至図9を用いて簡略に説明する。図8は充電回路と放電回路とを別個に備えるとともに各回路のトランスの巻数比が異なる従来の絶縁型双方向コンバータの構成概要を説明するブロック図であり、図9は従来の他の絶縁型双方向Cukコンバータの構成概要を説明するブロック図であり、図10は、従来の絶縁型双方向Cukコンバータの充放電電流及び充放電電圧の経時変化特性を各々説明する概要図である。
【0059】
図9に示すように、絶縁型双方向Cukコンバータ9000は、トランス9024の一次側にスイッチング素子(SW1)9001を備え、二次側にスイッチング素子(SW2)9002を備える。
【0060】
また、二次側に蓄電池9053を接続し、リアクトル9025およびコンデンサ9026を接続する。また、一次側にコンデンサ9027、リアクトル9029、電解コンデンサ9028を介してインバータ回路9010に接続する。
【0061】
絶縁型双方向Cukコンバータ9000の放電運転時には、一次側のスイッチング素子(SW1)9001を常時オフの状態に制御する。これらのスイッチング素子もMOSFETやIGBTを利用するので、スイッチング素子(SW1)9001がオフ時にはダイオード素子として振舞う。二次側のスイッチング素子(SW2)9002は、制御部(CONT)9054によりPWM駆動される。
【0062】
また、スイッチング素子(SW2)9002のオフ時には、蓄電池9053からリアクトル9025、コンデンサ9026、トランス9024の二次側を介して蓄電池9053に戻る経路で電流が流れて、コンデンサ9026が充電される。
【0063】
また、同時にトランス9024の一次側では、コンデンサ9027からトランス9024の一次側、スイッチング素子(SW1)9001を介してコンデンサ9027に戻る経路で電流が流れてコンデンサ9027が充電される。
【0064】
一方、スイッチング素子(SW2)9002のオン時には、トランス9024の二次側では、蓄電池9053からリアクトル9025、スイッチング素子(SW2)9002を介して蓄電池9053に戻る経路で電流が流れて、リアクトル9025にエネルギーが蓄積される。
【0065】
また、同時にコンデンサ9026からスイッチング素子(SW2)9002、トランス二次側を介してコンデンサ9026に戻る経路でコンデンサ9026の放電電流が流れる。さらに、これと同時に、トランス一次側では、コンデンサ9028からトランス一次側、コンデンサ9027、リアクトル9029を介してコンデンサ9028に戻る経路でコンデンサ9027の放電電流が流れる。
【0066】
このようにトランス二次側から一次側にエネルギーが伝達されて、蓄電池9053の直流電圧がインバータ回路9010側にて得られる。
【0067】
また、絶縁型双方向Cukコンバータ9000の充電運転時には、二次側のスイッチング素子(SW2)9002を常にオフの状態に制御する。その他の動作は回路が左右対称であるため充電時と同様であり、インバータ回路9010側から与えられた直流電圧が、蓄電池9053に対応する電圧に降圧されて、蓄電池9053に供給される。
【0068】
上述のように、絶縁型双方向Cukコンバータ9000は、電力流通方向に応じて常時オフとするスイッチング素子を一次側と二次側とで順次切り替えることで、双方向動作を実現している。このため、スイッチング素子数を増加させる必要がない点においては、絶縁型双方向Cukコンバータ9000は、部品点数の増大を抑制できるので比較的低コストの双方向DC−DCコンバータとできる。
【0069】
また、絶縁型双方向Cukコンバータ9000は、入出力間が一次側、二次側として絶縁されているため、地絡事故発生時等の障害が生じた場合においても、交流側から電力が流れ続けることがなく、比較的安全性の高い充放電システムを提供することができる。一方、充電と放電とを切り替える場合には、絶縁型双方向Cukコンバータ9000においても、図10に説明するように一定の切り替え時間が生じるので、リニアに連続的に切り替えることはできない。
【0070】
また、上述したように、絶縁型双方向Cukコンバータ9000は、共用コンバータとするので部品点数はある程度低減されるものの、充電時と放電時とでは別個独立に制御する構成となる。このため、図9に示すように、充電制御と放電制御とに対応して、充電用の制御部と放電用の制御部とを別個独立に備える必要がある。すなわち、絶縁型双方向Cukコンバータ9000は、一コンバータ二制御方式のため制御が複雑となるだけでなく、瞬時の充放電切り替えが困難である。
【0071】
一方、絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、絶縁型双方向Cukコンバータ9000の問題点を解消し、アップコンバータ機能とダウンコンバータ機能とをインターバル期間を設けることなく、連続的に切替可能とする。
【0072】
また、絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、充電時と放電時とで共通のコンバータとすることにより、部品点数を低減し、小型化・軽量化・低価格化を実現することができる。
【0073】
また、絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、実施形態での説明に限定されるものではなく、本実施形態で説明する技術思想の範囲内かつ自明な範囲内で、適宜その構成や動作及び駆動方法等を変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明の絶縁型双方向Cukコンバータは、各種電池や試料を試験する充放電試験装置等に広く適用できる。
【符号の説明】
【0075】
10・・AC−DCコンバータ、20・・蓄電池、1000・・絶縁型双方向Cukコンバータ、1030・・制御部(CONT)、1040・・コンデンサ、1050・・リアクトル、1060・・スイッチング素子(SW1)、1070・・コンデンサ、1080・・トランス、1090・・コンデンサ、1100・・リアクトル、1110・・スイッチング素子(SW2)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的に充放電切替可能な絶縁型双方向DC−DCコンバータとその駆動方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
図11は、蓄電池に対して充電と放電とを切替えて遂行する従来の双方向DC−DCコンバータの構成概要を説明する図である。図10において、双方向DC−DCコンバータ1141は、FET等のトランジスタからなるスイッチング素子SW1111,SW1112と、充電制御部(CONT1)1144,放電制御部(CONT2)1145と、ダイオードD1111,D1112とチョークコイルL1111,L1112と、コンデンサC1111,C1112とを含む。
【0003】
また、図11に示すように直流電源部1142は、交流電圧を所望の直流電圧として整流するAC−DCコンバータとして説明する。直流電源部1142から蓄電池1143に対して充電する場合、充電制御信号により充電制御部(CONT1)1144からスイッチング素子SW1111をオン・オフ制御して、スイッチング素子SW1111とダイオードD1111とチョークコイルL1111とコンデンサC1111とによる降圧コンバータとして動作させて、蓄電池1143を充電する。
【0004】
蓄電池1143への充電中は、スイッチング素子SW1112をオフ状態に維持する。また、蓄電池1143の放電は、放電制御信号により放電制御部(CONT2)1145からスイッチング素子SW1112をオン・オフ制御して、チョークコイルL1112と、スイッチング素子SW1112と、コンデンサC1112とによる昇圧コンバータとして動作させ、蓄電池1143の電圧を昇圧して直流電源部1142へ放電(電力回生)する。
【0005】
また、蓄電池1143の放電中は、スイッチング素子SW1111をオフ状態に維持する。上述のように、図11に示す双方向DC−DCコンバータは、蓄電池1143の充電用のダウンコンバータと、放電用のアップコンバータとの構成を別途に並列に備える構成となる。
【0006】
また、図12は、従来の他の双方向DC−DCコンバータ1251の構成概要を説明する図である。図12において、1252は直流電源部(AC−DC)であり、1253は蓄電池であり、SW1221,SW1222はスイッチング素子であり、D1221,D1222はダイオードであり、L1221はチョークコイルであり、C1221,C1222はコンデンサであり、1254は充放電制御部(CONT)であり、1255は充電制御を行う充電制御部であり、1256は放電制御を行う放電制御部である。
【0007】
また、直流電源部1252から蓄電池1253を充電する場合、充電制御信号と切替信号とを入力し、充放電制御部(CONT)1254の充電制御部1255を用いて、スイッチング素子SW1221のオン・オフ制御を遂行する。また、スイッチング素子SW1221と異なるタイミングで、放電制御部1256がスイッチング素子SW1222のオン・オフ制御を遂行し、チョークコイルL1221とコンデンサC1222とを含むダウンコンバータ機能により蓄電池1253の充電電圧に降圧して充電を行う。
【0008】
また、放電制御信号と切替信号とを入力した場合、充放電制御部(CONT)1254の放電制御部1256がスイッチング素子SW1222のオン・オフ制御を遂行する。また、スイッチング素子SW1222と異なるタイミングで、充電制御部1255がスイッチング素子SW1221のオン・オフ制御を遂行して、チョークコイルL1221とコンデンサC1221とをアップコンバータ機能により動作させて、蓄電池1253の電圧を昇圧し、直流電源部1252に電力回生を行う。
【0009】
また、ハイブリッド電気自動車等に適用する為に、駆動モータを回生用発電機として利用する回生動作の発電機能に相当する構成を高圧用蓄電池とし、電装部品等に動作電力を供給するバッテリを低圧用蓄電池とし、スイッチング素子をMOSFETにより構成して、その寄生ダイオードを整流用のダイオードとし、高圧用蓄電池から低圧用蓄電池への充電の場合はダウンコンバータとして動作させ、低圧用蓄電池から高圧用蓄電池への充電の場合はアップコンバータとして動作させ、ダウンコンバータとアップコンバータとの機能を同一のスイッチング構成により実現した双方向DC−DCコンバータも知られている。上述した従来の双方向DC−DCコンバータは、例えば下記特許文献1に開示されている。また、従来の絶縁型双方向Cukコンバータは、例えば下記特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010−206883号公報
【特許文献2】特開2008−054473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来の双方向DC−DCコンバータは、アップコンバータ機能とダウンコンバータ機能とを切替える為にアップコンバータ回路構成とダウンコンバータ回路構成とをそれぞれ別途に備える構成であるから、部品点数が多く、コストアップとなる問題があった。
【0012】
また、アップコンバータ機能とダウンコンバータ機能とを一部共用化した従来の他の双方向DC−DCコンバータは、コストダウンを図ることができる。しかし、オン・オフ制御するスイッチング素子共用化部分を、アップコンバータ機能とダウンコンバータ機能とで切替えるには、切替えの為のインターバル期間を一定程度以上必要とする。
【0013】
このため、バッテリの充放電制御等において、アップコンバータ機能とダウンコンバータ機能とをインターバル期間を設けることなく連続的に切替えることができず、稼働効率の観点からは問題があった。
【0014】
本発明は、上述した問題点に鑑み為された発明であって、アップコンバータ機能とダウンコンバータ機能とをインターバル期間を設けることなく、連続的に切替可能とする絶縁型双方向DC−DCコンバータ等を実現することを目的とする。
【0015】
また、本発明は、充電時と放電時とで共通のコンバータとすることにより、部品点数を低減し、小型化・軽量化・低価格化を達成した絶縁型双方向DC−DCコンバータ等を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の絶縁型双方向Cukコンバータは、試料への充電と放電とを遂行する絶縁型双方向Cukコンバータにおいて、充電する場合と放電する場合とのいずれの場合にも、トランスの一次側に配置される第一スイッチング素子と二次側に配置される第二スイッチング素子とを共に同期整流によるスイッチング駆動とし、充放電切替時に、充放電電流と充放電電圧とをリニアに制御することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の絶縁型双方向Cukコンバータは、好ましくは充電する場合には第一スイッチング素子のオン期間(T1)を増大させ、放電する場合には第一スイッチング素子のオン期間(T1)を減少させることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の絶縁型双方向Cukコンバータは、さらに好ましくは第二スイッチング素子のオン期間が、一周期(T)から第一スイッチング素子のオン期間(T1)とデッドタイム(T2とT4との和)とを減算した期間であることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の絶縁型双方向Cukコンバータは、さらに好ましくは充放電切替時に、充放電電流がゼロとなる場合にインターバルを有しないことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の絶縁型双方向Cukコンバータは、さらに好ましくは第一スイッチング素子と第二スイッチング素子とは、出力電流値をフィードバック制御するPWM制御により駆動されることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法は、試料への充電と放電とを遂行する絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法において、充電する場合に、トランスの一次側に配置される第一スイッチング素子と二次側に配置される第二スイッチング素子とを共に同期整流によるスイッチング駆動とする工程と、放電する場合に、トランスの一次側に配置される第一スイッチング素子と二次側に配置される第二スイッチング素子とを共に同期整流によるスイッチング駆動とする工程と、を有し、充放電切替時に、充放電電流と充放電電圧とをリニアに制御することを特徴とする。
【0022】
また、本発明の絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法は、好ましくは充電する場合に第一スイッチング素子のオン期間(T1)を増大させる工程を有し、放電する場合に第一スイッチング素子のオン期間(T1)を減少させる工程を有することを特徴とする。
【0023】
また、本発明の絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法は、さらに好ましくは第二スイッチング素子のオン期間は、一周期(T)から第一スイッチング素子のオン期間(T1)とデッドタイム(T2とT4との和)とを減算した期間であることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法は、さらに好ましくは充放電切替時に、充放電電流がゼロとなる場合にインターバルを有しないことを特徴とする。
【0025】
また、本発明の絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法は、さらに好ましくは第一スイッチング素子と第二スイッチング素子とは、出力電流値をフィードバック制御するPWM制御により駆動されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
アップコンバータ機能とダウンコンバータ機能とをインターバル期間を設けることなく、連続的に切替可能とする絶縁型双方向DC−DCコンバータ等を実現できる。
【0027】
また、充電時と放電時とで共通のコンバータとすることにより、部品点数を低減し、小型化・軽量化・低価格化を達成した絶縁型双方向DC−DCコンバータ等を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態にかかる絶縁型双方向コンバータの構成概要を説明するブロック図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる絶縁型双方向Cukコンバータの回路構成の概要を説明する図である。
【図3】デッドタイムを設けない場合の理論上の絶縁型双方向CukコンバータのSW1,SW2の動作タイミングチャートを説明する図である。
【図4】SW1側をメインスイッチとし、SW2側を同期整流とした場合の充電方向(a)の従来の絶縁型双方向CukコンバータのSW1,SW2の動作タイミングチャートを説明する図である。
【図5】SW2側をメインスイッチとし、SW1側を同期整流とした場合の放電方向(b)の従来の絶縁型双方向CukコンバータのSW1,SW2の動作タイミングチャートを説明する図である。
【図6】SW1側及びSW2側を共にメインスイッチとし、同期生流による充放電一括制御とした場合(充放電方向)の本発明の実施形態にかかる絶縁型双方向CukコンバータのSW1,SW2の動作タイミングチャートを説明する図である。
【図7】本発明の実施形態にかかる絶縁型双方向Cukコンバータが充放電電流と充放電電圧とをリニアかつ連続的に切り替える状態を模式的に説明する図である。
【図8】充電回路と放電回路とを別個に備えるとともに各回路のトランスの巻数比が異なる従来の絶縁型双方向コンバータの構成概要を説明するブロック図である。
【図9】従来の他の絶縁型双方向Cukコンバータの構成概要を説明するブロック図である。
【図10】従来の絶縁型双方向Cukコンバータの充放電電流及び充放電電圧の経時変化特性を各々説明する概要図である。
【図11】蓄電池に対して充電と放電とを切替えて遂行する従来の双方向DC−DCコンバータの構成概要を説明する図である。
【図12】従来の他の双方向DC−DCコンバータの構成概要を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本実施形態で説明する絶縁型双方向DC−DCコンバータは、蓄電池(バッテリ)の充電と放電とを遂行する場合に、絶縁型Cukコンバータの一次側スイッチと二次側スイッチとをオン・オフ制御することにより、充電または放電の切り替えインターバルを要することなく、連続的かつリニアに制御することができる。
【0030】
本実施形態においては、従来のように充電時と放電時とで各々一次側または二次側いずれか一方のみをメインスイッチとしてオン・オフ動作させ、他方を常時オフとすることがなく、他方も同期整流させて両スイッチを同一のデッドタイムで常時オン・オフ動作させる。このため、各スイッチのオン期間・オフ期間の制御を適宜調整することで、充電時と放電時との切り替え時に、充放電電流や充放電電圧の切り替え時間を要することなく、リニアに連続的に充電モードと放電モードとの間を移行させることができる。本実施形態で説明する絶縁型双方向DC−DCコンバータは、フィードバック制御でPWMスイッチ制御されるので、各スイッチのオン期間・オフ期間は、電圧値やトランスの巻数比により変動する。
【0031】
図1は、本発明の実施形態にかかる絶縁型双方向コンバータ1000の構成概要を説明するブロック図である。図1に示すように、絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、所定の巻数比で設計されたトランス1080の一次側にスイッチング素子(SW1)1060を備え、二次側にスイッチング素子(SW2)1110を備える。トランス1080は高周波トランスを用いることができる。一次側のスイッチング素子(SW1)1060と二次側のスイッチング素子(SW2)1110とは、制御部(CONT)1030によりPWM駆動される。
【0032】
また、図1に示すように絶縁型双方向コンバータ1000のトランス1080の二次側には、蓄電池20と、リアクトル1100およびコンデンサ1090を接続する。また、トランス1080の一次側には、コンデンサ1070、リアクトル1050、電解コンデンサ1040を介してAC−DCコンバータ10に接続する。
【0033】
本実施形態の絶縁型双方向Cukコンバータ1000の放電運転時には、一次側のスイッチング素子(SW1)1060と二次側のスイッチング素子(SW2)1110とを、図6に説明するようにオン・オフ制御する。これらのスイッチング素子1060,1110は、MOSFETやIGBT等を利用する。スイッチング素子1060,1110としてMOSFETを使用した場合には、それらの寄生ダイオードにて代替可能である。
【0034】
また、スイッチング素子(SW2)1110のオフ時には、蓄電池20からリアクトル1100、コンデンサ1090、トランス1080の二次側を介して蓄電池20に戻る経路で電流が流れて、コンデンサ1090が充電される。
【0035】
また、同時にトランス1080の一次側では、コンデンサ1070からトランス1080の一次側、スイッチング素子(SW1)1060を介してコンデンサ1070に戻る経路で電流が流れてコンデンサ1070が充電される。
【0036】
一方、スイッチング素子(SW2)1110のオン時には、トランス1080の二次側では、蓄電池20からリアクトル1100、スイッチング素子(SW2)1110を介して蓄電池20に戻る経路で電流が流れて、リアクトル1100にエネルギーが蓄積される。
【0037】
また、同時にコンデンサ1090からスイッチング素子(SW2)1110、トランス1080の二次側を介してコンデンサ1090に戻る経路でコンデンサ1090の放電電流が流れる。さらに、これと同時に、トランス1080の一次側では、コンデンサ1040からトランス1080の一次側、コンデンサ1070、リアクトル1050を介してコンデンサ1040に戻る経路でコンデンサ1040の放電電流が流れる。
【0038】
このようにトランス二次側から一次側にエネルギーが伝達されて、蓄電池20の電力がAC−DCコンバータ10側に放電される。
【0039】
また、絶縁型双方向Cukコンバータ1000の充電運転時には、回路が左右対称であるため放電時と同様であり、AC−DCコンバータ10側から与えられた直流電圧が、蓄電池20に対応する電圧に降圧されて、蓄電池20に供給される。
【0040】
上述のように、本実施形態の絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、電力流通方向に応じて常時オフとするスイッチング素子を一次側と二次側とで順次切り替える必要がなく、図6乃至図7に説明するようにリニアな双方向動作を実現する。
【0041】
このため、絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、スイッチング素子数を増加させる必要がなく、部品点数の増大を抑制できるので比較的低コストの双方向DC−DCコンバータとできるだけでなく、連続したリニアな充放電切り替え動作が可能となる。
【0042】
また、絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、入出力間が一次側、二次側として絶縁されているため、地絡事故発生時等の予期せぬ障害が生じた場合においても、交流側から電力が流れ続けることがなく、比較的安全性の高い充放電システムを提供することができる。また、充電と放電とを切り替える場合には、絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、図7に説明するように切り替え時間が生じることはなく、リニアに連続的に切り替えることができる。
【0043】
また、上述したように、絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、共用コンバータとするので部品点数はある程度低減され、充電時と放電時とではいずれの場合も、単一の制御部(CONT)1030により連続的に充放電制御される。このため、図1に示すように、充電制御と放電制御とに対応して充電用の制御部と放電用の制御部とを別個独立に備える必要がない。すなわち、絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、一コンバータ一制御方式のため制御が複雑とならず、瞬時の充放電切り替えが可能である。
【0044】
図2は、図1に示した実施形態の絶縁型双方向Cukコンバータ1000の回路構成の概要を説明する図である。図2においては図1と対応する部位には同一の符号を付して、その説明を省略する。また、図3は、デッドタイムを設けない場合の理論上の絶縁型双方向CukコンバータのSW1,SW2の動作タイミングチャートを説明する図である。また、図4は、SW1側をメインスイッチとし、SW2側を同期整流とした場合の充電方向(a)の従来の絶縁型双方向CukコンバータのSW1,SW2の動作タイミングチャートを説明する図である。
【0045】
また、図5は、SW2側をメインスイッチとし、SW1側を同期整流とした場合の放電方向(b)の従来の絶縁型双方向CukコンバータのSW1,SW2の動作タイミングチャートを説明する図である。また、図6は、SW1側及びSW2側を共にメインスイッチとし、同期整流による充放電一括制御(充放電方向)とした本発明の実施形態にかかる絶縁型双方向Cukコンバータ1000のSW1,SW2の動作タイミングチャートを説明する図である。なお、図3乃至図5は、本発明の理解の一助として比較するために説明するものである。
【0046】
また、図7は、本発明の実施形態にかかる絶縁型双方向Cukコンバータ1000が充放電電流と充放電電圧とをリニアかつ連続的に切り替える状態を模式的に説明する図である。
【0047】
そこで、図1乃至図7を適宜参照しながら、以下に本発明の実施形態にかかる絶縁型双方向Cukコンバータ1000のスイッチング動作について説明する。
【0048】
図3に示すように、デッドタイムがないと仮定した場合において、充電時の期間T1aが絶縁型双方向Cukコンバータ1000のスイッチング素子(SW1)1060のオン期間を示し、T1a=T1bである。また、デッドタイムがないと仮定した場合においては、充電時の期間T3aが絶縁型双方向Cukコンバータ1000のスイッチング素子(SW2)1110のオン期間を示し、T3a=T3bである。
【0049】
ここで、期間T1bと期間T3bとは、各々放電時のSW1、SW2のオン期間を意味するものとする。また、仮にデッドタイムがないと仮定した場合には、図3から理解できるように、期間T1aと期間T3aとの和、及び期間T1bと期間T3bとの和が、各々1周期に対応する。
【0050】
また、図4に示すように、絶縁型双方向Cukコンバータ1000のスイッチング素子(SW1)1060側を仮にメインスイッチにしたと仮定し、スイッチング素子(SW2)1110側を同期整流とした場合(充電の場合)には、期間T2、期間T4のデッドタイムが生じる。このため、図4から理解できるように、1周期(T)は、SW1のオン期間T1aとデッドタイムT2、T4とSW2のオン期間T3aとの和となる。
【0051】
また、図5に示すように、絶縁型双方向Cukコンバータ1000のスイッチング素子(SW2)1110側を仮にメインスイッチにしたと仮定し、スイッチング素子(SW1)1060側を同期整流とした場合(放電の場合)には、充電の場合と同様に、期間T2、期間T4のデッドタイムが生じる。このため、図5から理解できるように、1周期(T)は、SW1のオン期間T1bとデッドタイムT2、T4とSW2のオン期間T3bとの和となる。
【0052】
一方、本実施形態の絶縁型双方向Cukコンバータ1000においては、図6に示すように、絶縁型双方向Cukコンバータ1000のスイッチング素子(SW1)1060とスイッチング素子(SW2)1110とを共に、メインスイッチとして同期整流による充放電一括制御とする。
【0053】
このため、SW1のオン期間をT1としSW2のオン期間をT3とすれば、図6にハッチングで示す領域において、充電と放電とが釣り合い電流がゼロとなる箇所が存在する。本実施形態の絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、この釣り合い点を基準として、いずれか一方に期間がずれれば充電となり他方にずれれば放電となるように、スイッチング制御する。
【0054】
すなわち、図6に示すように、フィードバックにて期間幅が制御される期間T1においてはSW1がオンでありSW2がオフであり、期間T3においてはSW1がオフでありSW2がオンである。また、所定のデッドタイムとして設けられる固定期間幅を有する期間T2と期間T4とにおいては、SW1がオフでありSW2もオフである。
【0055】
ここで、充放電電流I=0の場合には図2におけるV2=V3であり、一次側をaと考えれば、V2=T1a/(T−T1a)×V1(TrN2/TrN1)・・・式(1)との関係式(1)が成立する。また、この場合に二次側をbと考えれば、V1=T3b/(T−T3b)×V2(TrN1/TrN2)・・・式(2)との関係式(2)が成立する。式(1)と式(2)とにおいて、TrN1とTrN2とは、各々トランスの一次側巻線数と二次側巻線数とを意味する。
【0056】
また、式(1)と式(2)とから、T1a=T−T3bとの関係が導出される。ここで、仮にデッドタイムをゼロとすれば、T−T3b=T1bとなるので、T1a=T1bとなる。しかし、本発明の絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、同期整流による充放電一括制御を遂行するのであって、現実にはデッドタイム(T2、T4)が必ず必要となる。従って、T1は、T1bより大きくT1aより小さい一点(T1b<T1<T1a)において、T3は(T−T1−T2−T4)と等しい場合(T3=(T−T1−T2−T4))に、充放電電流I=0となることが理解できる。
【0057】
このように絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、充放電電流I=0となる期間T1を基準値とし、この基準値からT1が増大すれば充電方向に動作し、この基準値からT1が減少すれば放電方向に動作する。上述の説明から、絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、図7に説明するように、充電期間と放電期間との間をインターバルなく連続的かつリニアに推移することが理解できる。
【0058】
ここで、本発明の理解を比較上さらに容易にするため、従来の絶縁型双方向Cukコンバータの動作について図8乃至図9を用いて簡略に説明する。図8は充電回路と放電回路とを別個に備えるとともに各回路のトランスの巻数比が異なる従来の絶縁型双方向コンバータの構成概要を説明するブロック図であり、図9は従来の他の絶縁型双方向Cukコンバータの構成概要を説明するブロック図であり、図10は、従来の絶縁型双方向Cukコンバータの充放電電流及び充放電電圧の経時変化特性を各々説明する概要図である。
【0059】
図9に示すように、絶縁型双方向Cukコンバータ9000は、トランス9024の一次側にスイッチング素子(SW1)9001を備え、二次側にスイッチング素子(SW2)9002を備える。
【0060】
また、二次側に蓄電池9053を接続し、リアクトル9025およびコンデンサ9026を接続する。また、一次側にコンデンサ9027、リアクトル9029、電解コンデンサ9028を介してインバータ回路9010に接続する。
【0061】
絶縁型双方向Cukコンバータ9000の放電運転時には、一次側のスイッチング素子(SW1)9001を常時オフの状態に制御する。これらのスイッチング素子もMOSFETやIGBTを利用するので、スイッチング素子(SW1)9001がオフ時にはダイオード素子として振舞う。二次側のスイッチング素子(SW2)9002は、制御部(CONT)9054によりPWM駆動される。
【0062】
また、スイッチング素子(SW2)9002のオフ時には、蓄電池9053からリアクトル9025、コンデンサ9026、トランス9024の二次側を介して蓄電池9053に戻る経路で電流が流れて、コンデンサ9026が充電される。
【0063】
また、同時にトランス9024の一次側では、コンデンサ9027からトランス9024の一次側、スイッチング素子(SW1)9001を介してコンデンサ9027に戻る経路で電流が流れてコンデンサ9027が充電される。
【0064】
一方、スイッチング素子(SW2)9002のオン時には、トランス9024の二次側では、蓄電池9053からリアクトル9025、スイッチング素子(SW2)9002を介して蓄電池9053に戻る経路で電流が流れて、リアクトル9025にエネルギーが蓄積される。
【0065】
また、同時にコンデンサ9026からスイッチング素子(SW2)9002、トランス二次側を介してコンデンサ9026に戻る経路でコンデンサ9026の放電電流が流れる。さらに、これと同時に、トランス一次側では、コンデンサ9028からトランス一次側、コンデンサ9027、リアクトル9029を介してコンデンサ9028に戻る経路でコンデンサ9027の放電電流が流れる。
【0066】
このようにトランス二次側から一次側にエネルギーが伝達されて、蓄電池9053の直流電圧がインバータ回路9010側にて得られる。
【0067】
また、絶縁型双方向Cukコンバータ9000の充電運転時には、二次側のスイッチング素子(SW2)9002を常にオフの状態に制御する。その他の動作は回路が左右対称であるため充電時と同様であり、インバータ回路9010側から与えられた直流電圧が、蓄電池9053に対応する電圧に降圧されて、蓄電池9053に供給される。
【0068】
上述のように、絶縁型双方向Cukコンバータ9000は、電力流通方向に応じて常時オフとするスイッチング素子を一次側と二次側とで順次切り替えることで、双方向動作を実現している。このため、スイッチング素子数を増加させる必要がない点においては、絶縁型双方向Cukコンバータ9000は、部品点数の増大を抑制できるので比較的低コストの双方向DC−DCコンバータとできる。
【0069】
また、絶縁型双方向Cukコンバータ9000は、入出力間が一次側、二次側として絶縁されているため、地絡事故発生時等の障害が生じた場合においても、交流側から電力が流れ続けることがなく、比較的安全性の高い充放電システムを提供することができる。一方、充電と放電とを切り替える場合には、絶縁型双方向Cukコンバータ9000においても、図10に説明するように一定の切り替え時間が生じるので、リニアに連続的に切り替えることはできない。
【0070】
また、上述したように、絶縁型双方向Cukコンバータ9000は、共用コンバータとするので部品点数はある程度低減されるものの、充電時と放電時とでは別個独立に制御する構成となる。このため、図9に示すように、充電制御と放電制御とに対応して、充電用の制御部と放電用の制御部とを別個独立に備える必要がある。すなわち、絶縁型双方向Cukコンバータ9000は、一コンバータ二制御方式のため制御が複雑となるだけでなく、瞬時の充放電切り替えが困難である。
【0071】
一方、絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、絶縁型双方向Cukコンバータ9000の問題点を解消し、アップコンバータ機能とダウンコンバータ機能とをインターバル期間を設けることなく、連続的に切替可能とする。
【0072】
また、絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、充電時と放電時とで共通のコンバータとすることにより、部品点数を低減し、小型化・軽量化・低価格化を実現することができる。
【0073】
また、絶縁型双方向Cukコンバータ1000は、実施形態での説明に限定されるものではなく、本実施形態で説明する技術思想の範囲内かつ自明な範囲内で、適宜その構成や動作及び駆動方法等を変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明の絶縁型双方向Cukコンバータは、各種電池や試料を試験する充放電試験装置等に広く適用できる。
【符号の説明】
【0075】
10・・AC−DCコンバータ、20・・蓄電池、1000・・絶縁型双方向Cukコンバータ、1030・・制御部(CONT)、1040・・コンデンサ、1050・・リアクトル、1060・・スイッチング素子(SW1)、1070・・コンデンサ、1080・・トランス、1090・・コンデンサ、1100・・リアクトル、1110・・スイッチング素子(SW2)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料への充電と放電とを遂行する絶縁型双方向Cukコンバータにおいて、
充電する場合と放電する場合とのいずれの場合にも、トランスの一次側に配置される第一スイッチング素子と二次側に配置される第二スイッチング素子とを共に同期整流によるスイッチング駆動とし、
充放電切替時に、充放電電流と充放電電圧とをリニアに制御する
ことを特徴とする絶縁型双方向Cukコンバータ。
【請求項2】
請求項1に記載の絶縁型双方向Cukコンバータにおいて、
充電する場合には前記第一スイッチング素子のオン期間(T1)を増大させ、放電する場合には前記第一スイッチング素子のオン期間(T1)を減少させる
ことを特徴とする絶縁型双方向Cukコンバータ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の絶縁型双方向Cukコンバータにおいて、
前記第二スイッチング素子のオン期間は、一周期(T)から前記第一スイッチング素子のオン期間(T1)とデッドタイム(T2とT4との和)とを減算した期間である
ことを特徴とする絶縁型双方向Cukコンバータ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の絶縁型双方向Cukコンバータにおいて
充放電切替時に、充放電電流がゼロとなる場合にインターバルを有しない
ことを特徴とする絶縁型双方向Cukコンバータ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の絶縁型双方向Cukコンバータにおいて
前記第一スイッチング素子と前記第二スイッチング素子とは、出力電流値をフィードバック制御するPWM制御により駆動される
ことを特徴とする絶縁型双方向Cukコンバータ。
【請求項6】
試料への充電と放電とを遂行する絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法において、
充電する場合に、トランスの一次側に配置される第一スイッチング素子と二次側に配置される第二スイッチング素子とを共に同期整流によるスイッチング駆動とする工程と、
放電する場合に、トランスの一次側に配置される第一スイッチング素子と二次側に配置される第二スイッチング素子とを共に同期整流によるスイッチング駆動とする工程と、を有し、
充放電切替時に、充放電電流と充放電電圧とをリニアに制御する
ことを特徴とする絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法。
【請求項7】
請求項6に記載の絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法において、
充電する場合に前記第一スイッチング素子のオン期間(T1)を増大させる工程を有し、
放電する場合に前記第一スイッチング素子のオン期間(T1)を減少させる工程を有する
ことを特徴とする絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法において、
前記第二スイッチング素子のオン期間は、一周期(T)から前記第一スイッチング素子のオン期間(T1)とデッドタイム(T2とT4との和)とを減算した期間である
ことを特徴とする絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法。
【請求項9】
請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載の絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法において
充放電切替時に、充放電電流がゼロとなる場合にインターバルを有しない
ことを特徴とする絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法。
【請求項10】
請求項6乃至請求項9のいずれか一項に記載の絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法において
前記第一スイッチング素子と前記第二スイッチング素子とは、出力電流値をフィードバック制御するPWM制御により駆動される
ことを特徴とする絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法。
【請求項1】
試料への充電と放電とを遂行する絶縁型双方向Cukコンバータにおいて、
充電する場合と放電する場合とのいずれの場合にも、トランスの一次側に配置される第一スイッチング素子と二次側に配置される第二スイッチング素子とを共に同期整流によるスイッチング駆動とし、
充放電切替時に、充放電電流と充放電電圧とをリニアに制御する
ことを特徴とする絶縁型双方向Cukコンバータ。
【請求項2】
請求項1に記載の絶縁型双方向Cukコンバータにおいて、
充電する場合には前記第一スイッチング素子のオン期間(T1)を増大させ、放電する場合には前記第一スイッチング素子のオン期間(T1)を減少させる
ことを特徴とする絶縁型双方向Cukコンバータ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の絶縁型双方向Cukコンバータにおいて、
前記第二スイッチング素子のオン期間は、一周期(T)から前記第一スイッチング素子のオン期間(T1)とデッドタイム(T2とT4との和)とを減算した期間である
ことを特徴とする絶縁型双方向Cukコンバータ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の絶縁型双方向Cukコンバータにおいて
充放電切替時に、充放電電流がゼロとなる場合にインターバルを有しない
ことを特徴とする絶縁型双方向Cukコンバータ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の絶縁型双方向Cukコンバータにおいて
前記第一スイッチング素子と前記第二スイッチング素子とは、出力電流値をフィードバック制御するPWM制御により駆動される
ことを特徴とする絶縁型双方向Cukコンバータ。
【請求項6】
試料への充電と放電とを遂行する絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法において、
充電する場合に、トランスの一次側に配置される第一スイッチング素子と二次側に配置される第二スイッチング素子とを共に同期整流によるスイッチング駆動とする工程と、
放電する場合に、トランスの一次側に配置される第一スイッチング素子と二次側に配置される第二スイッチング素子とを共に同期整流によるスイッチング駆動とする工程と、を有し、
充放電切替時に、充放電電流と充放電電圧とをリニアに制御する
ことを特徴とする絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法。
【請求項7】
請求項6に記載の絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法において、
充電する場合に前記第一スイッチング素子のオン期間(T1)を増大させる工程を有し、
放電する場合に前記第一スイッチング素子のオン期間(T1)を減少させる工程を有する
ことを特徴とする絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法において、
前記第二スイッチング素子のオン期間は、一周期(T)から前記第一スイッチング素子のオン期間(T1)とデッドタイム(T2とT4との和)とを減算した期間である
ことを特徴とする絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法。
【請求項9】
請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載の絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法において
充放電切替時に、充放電電流がゼロとなる場合にインターバルを有しない
ことを特徴とする絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法。
【請求項10】
請求項6乃至請求項9のいずれか一項に記載の絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法において
前記第一スイッチング素子と前記第二スイッチング素子とは、出力電流値をフィードバック制御するPWM制御により駆動される
ことを特徴とする絶縁型双方向Cukコンバータの駆動方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−74779(P2013−74779A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214441(P2011−214441)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000237662)富士通テレコムネットワークス株式会社 (682)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000237662)富士通テレコムネットワークス株式会社 (682)
【Fターム(参考)】
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