説明

絶縁破壊検出装置および絶縁破壊検出方法

【課題】施工時において床暖房パネルが絶縁破壊したことを簡易に検出する。
【解決手段】床暖房パネル10の施工時に、発熱体15または金属シート(均熱板11)に電圧を印加する印加手段(印加電圧発生部73)と、絶縁破壊により、印加手段によって電圧が印加されていない側に生じる漏洩電流または漏洩電圧を検出する検出手段(漏洩電流検出部74)と、検出手段によって漏洩電流または漏洩電圧が検出されたことを報知する報知手段(警報発生部76、スピーカ77)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床暖房パネルの絶縁破壊検出装置および絶縁破壊検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、均熱板を有する床暖房パネルに関する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2006−299505号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、床暖房パネルの施工時には、床暖房パネルを、例えば、ネジまたは釘等の金属製の固定部材によって施工場所に固定することが行われる。このような場合において、施工者が誤った場所に固定部材を挿入した場合、均熱板と発熱体とが固定部材によって短絡され、床暖房パネルが絶縁破壊する場合があるという問題点がある。
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、床暖房パネルの絶縁破壊を簡易に検出することが可能な絶縁破壊検出装置および絶縁破壊検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、発熱体と当該発熱体に絶縁されて重ねられる金属シートとを有する床暖房パネルを建物の床構造体に施工する場合に、前記発熱体および前記金属シート間の絶縁破壊を検出する絶縁破壊検出装置であって、前記床暖房パネルの施工時に、前記発熱体または前記金属シートに電圧を印加する印加手段と、前記絶縁破壊により、前記印加手段によって電圧が印加されていない側に生じる漏洩電流または漏洩電圧を検出する検出手段と、前記検出手段によって前記漏洩電流または前記漏洩電圧が検出されたことを報知する報知手段と、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、印加手段が発熱体または金属シートに電圧を印加し、検出手段が絶縁破壊により、印加手段によって電圧が印加されていない側に生じる漏洩電流または漏洩電圧を検出し、報知手段が検出手段によって漏洩電流または漏洩電圧が検出されたことを報知する。このため、床暖房パネルの絶縁破壊を簡易に検出することができる。
【0006】
また、本発明の絶縁破壊検出装置は、前記印加手段は、最初に施工される床暖房パネルの発熱体につながれるコードに接続され、前記検出手段は、当該床暖房パネルと、これに順次並列に接続される複数の床暖房パネルとに対して生じる漏洩電流または漏洩電圧を検出することを特徴とする。
上記構成によれば、印加手段が最初に施工される床暖房パネルの発熱体につながれるコードに接続され、検出手段が当該床暖房パネルと、これに順次並列に接続される複数の床暖房パネルとに対して生じる漏洩電流または漏洩電圧を検出する。このため、絶縁破壊が生じた床暖房パネルを直ちに特定することができる。
【0007】
また、本発明の絶縁破壊検出装置は、前記発熱体は、導電性樹脂によって構成されていることを特徴とする。
上記構成によれば、発熱体が導電性樹脂で構成される。このため、導電性樹脂の一部と均熱板の一部が導通された場合であっても、これを確実に検出することができる。
【0008】
また、本発明の絶縁破壊検出装置は、前記印加手段は、電圧源から出力される電圧を、抵抗を介して前記発熱体または前記均熱板に印加することを特徴とする。
上記構成によれば、印加手段が電圧源から出力される電圧を抵抗を介して発熱体または均熱板に印加する。このため、抵抗の素子値を調整することにより、施工者に誤って電圧が印加された場合であっても、流れる電流を制限することができる。
【0009】
また、本発明の絶縁破壊検出装置において、前記検出手段は、入力段にFETを有することを特徴とする。
上記構成によれば、検出手段が入力段にFETを有する。このため、施工者を保護するために高い値の抵抗を採用した場合であっても、高入力抵抗を有するFETによって絶縁破壊を確実に検出することができる。
【0010】
また、本発明の絶縁破壊検出方法は、発熱体と当該発熱体に絶縁されて重ねられる金属シートとを有する床暖房パネルを建物の床構造体に施工する場合に、前記発熱体および前記金属シート間の絶縁破壊を検出する絶縁破壊検出方法であって、前記床暖房パネルの施工時に、前記発熱体または前記金属シートに電圧を印加する印加ステップと、前記絶縁破壊により、前記印加ステップにおいて電圧が印加されていない側に生じる漏洩電流または漏洩電圧を検出する検出ステップと、前記検出ステップにおいて前記漏洩電流または前記漏洩電圧が検出されたことを報知する報知ステップと、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、印加ステップにおいて発熱体または金属シートに電圧を印加し、検出ステップが絶縁破壊において、印加ステップにおいて電圧が印加されていない側に生じる漏洩電流または漏洩電圧を検出し、報知ステップにおいて検出ステップによって漏洩電流または漏洩電圧が検出されたことを報知する。このため、床暖房パネルの絶縁破壊を簡易に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下では、本発明の実施の形態に係る絶縁破壊検出装置70によって絶縁破壊を検出する床暖房パネル10について説明した後、絶縁破壊検出装置70について説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態の絶縁破壊検出装置70によって絶縁破壊を検出する床暖房パネル10の構成例を示す斜視図である。また、図2は、床暖房パネル10の断面形状を説明する断面図である。図1および図2に示すように、床暖房パネル10は、所定の厚さを有する長尺形状を備えて構成される。図2に示すように、床暖房パネル10は、均熱板11(請求項中「金属シート」に対応)、小根太12,13、蓄熱材14、面状発熱体15(請求項中「面状発熱体」に対応)、および、断熱材18を有している。ここで、均熱板11は、例えば、アルミニウム板によって構成され、床暖房パネル10の天面を覆うとともに、端部が小根太12,13に応じてコの字形状に折り曲げられている。
【0013】
小根太12,13は、例えば、木材によって構成され、図のZ軸方向の力が印加された場合に、床暖房パネル10が押しつぶされないように支持するとともに、この部分に釘またはネジ(請求項中「固定部材」に対応)が挿入されて、後述する下地合板42に固定される。なお、均熱板11の小根太12,13が存在する部分には、色が付された領域11a,11bが形成されており、施工時には当該領域に対して釘またはネジを挿入して下地合板42(請求項中「床構造体」に対応)に固定する。
【0014】
蓄熱材14は、例えば、樹脂製の袋状部材の内部に、例えば、硫酸ナトリウム10水和塩を主成分とする薬剤が封入されて構成される。蓄熱材14に使用される硫酸ナトリウム10水和塩は、28℃以下になると凝固して潜熱発熱をおこし、31℃以上になると融解して熱を吸収する。これにより夜間電力によって蓄熱した熱を昼間に放熱することができる。面状発熱体15は、例えば、シート状の導電性ポリマー(請求項中「導電性樹脂」に対応)によって構成されている。面状発熱体15の両端部には、電極16,17が設けられており、電源ケーブル20を介して供給される電源電力が印加されることにより、面状発熱体15がジュール熱により発熱する。断熱材18は、面状発熱体15の下に設けられており、面状発熱体15によって発生した熱が、後述する下地合板42を介して損失されることを防ぐ。なお、蓄熱材14については、必須の構成要素ではないため、当該蓄熱材14を用いないようにしてもよい。その場合には、均熱板11と面状発熱体15とが直接接触することを防止するために、絶縁シート等をこれらの間に配置する。
【0015】
なお、図1に示すように、床暖房パネル10は、コネクタ25を有する電源ケーブル20と、コネクタ35を有するアースケーブル30を2本ずつ有している。2本の電源ケーブル20は、面状発熱体15の両端に設けられた電極16,17に接続されている。2本のアースケーブル30は、均熱板11に接続されている。なお、電源ケーブル20およびアースケーブル30を2本ずつ有しているのは、図5を参照して後述するように、複数の床暖房パネル10を相互に接続するためである。
【0016】
図3〜図5は、床暖房パネル10の施工方法を示す図である。図3に示すように、施工する際には、施工しようとする部屋の床面積に応じた枚数の床暖房パネル10が、根太41の上に架設された下地合板42の上に並べて配置される。床暖房パネル10を下地合板42に固定する方法としては、図4に示すように、小根太12,13に、釘N1,N2(またはネジ)を貫通させ、下地合板42に釘N1,N2(またはネジ)の先端部を陥入させることにより、床暖房パネル10を下地合板42に固定する。また、床暖房パネル10は、床の全面にではなく一部(例えば、床面の60%程度)に配置されることから、床暖房パネル10が配置されていない部分に対しては、床暖房パネル10と略同じ厚さを有する、合板43が配置されてレベル合わせがされる。このようにして、床暖房パネル10が下地合板42に固定されると、図5に示すように、それぞれの床暖房パネル10の電源ケーブル20を構成する電源ケーブル21,22がコネクタ25を接続することにより相互に並列接続される。また、それぞれの床暖房パネル10の均熱板11同士がコネクタ35を接続することによりがアースケーブル30によって相互に接続される。
【0017】
より詳細には、2本の電源ケーブル20のうちの右側の電源ケーブル20は、右隣の床暖房パネル10の左側の電源ケーブル20にコネクタ25により接続され、左側の電源ケーブル20は左隣の床暖房パネル10の右側の電源ケーブル20にコネクタ25により接続される。また、2本のアースケーブル30のうちの右側のアースケーブル30は、右隣の床暖房パネル10の左側のアースケーブル30にコネクタ35により接続され、左側のアースケーブル30は左隣の床暖房パネル10の右側のアースケーブル30にコネクタ35により接続される。このように2本の電源ケーブル20およびアースケーブル30が順次接続されることで、床暖房パネル10が相互に並列接続される。なお、両端に配置される床暖房パネル10は、一方の端の床暖房パネル10の電源ケーブル20およびアースケーブル30が図示せぬコントローラに接続され、他方の端の床暖房パネル10の電源ケーブル20およびアースケーブル30は、例えば、開放された状態とされ、絶縁テープによって絶縁処理が施される。
【0018】
ところで、床暖房パネル10の施工時に、図6に示すように、小根太12,13ではなく、面状発熱体15が存在する部分に釘N1(またはネジ)を施工者が誤って貫通させてしまう場合がある。そのような場合には、均熱板11と面状発熱体15とが導通して短絡を生じるとともに、面状発熱体15が毀損してしまう。また、蓄熱材14を釘N1が貫通することにより、内部の硫酸ナトリウム10水和塩等が漏出する場合が生じる。本発明の実施形態の絶縁破壊検出装置70では、このような誤った施工状態を検出し、警報を発するものである。
【0019】
図7は、本発明の実施形態の絶縁破壊検出装置70の構成例を示すブロック図である。この図に示すように、絶縁破壊検出装置70は、接続端子71,72、印加電圧発生部73(請求項中「印加手段」に対応)、漏洩電流検出部74(請求項中「検出手段」に対応)、制御回路75、警報発生部76(請求項中「報知手段」に対応)、スピーカ77(請求項中「報知手段」に対応)、直流電源78、電源スイッチ79、および、コンデンサ80を有している。
【0020】
接続端子71は、床暖房パネル10の電源ケーブル21および電源ケーブル22のいずれか一方に接続される。なお、施工時においては、電源ケーブル21,22は、商用電源には接続されないので、接続端子71のみが接続された状態となる。接続端子72は、アースケーブル30に接続される。印加電圧発生部73は、接続端子71を介して、電源ケーブル21または電源ケーブル22に対して、所定の電圧(例えば、200V)を印加する。この結果、面状発熱体15に対して当該所定の電圧が印加される。
【0021】
漏洩電流検出部74は、施工時に、施工者が誤って均熱板11の領域11a,11b(図1参照)以外の領域に釘またはネジを挿入した場合において、面状発熱体15が絶縁破壊されたときに、面状発熱体15から均熱板11へ漏洩する漏洩電流を検出し、検出結果を制御回路75に通知する。制御回路75は、装置の各部を制御する。すなわち、制御回路75は、電源スイッチ79がオンの状態にされて電源の供給が開始されると、印加電圧発生部73に対して印加電圧の発生を指示するとともに、漏洩電流検出部74によって漏洩電流が検出された場合には、警報発生部76に対して警報を発生するように指示をする。警報発生部76は、漏洩電流が検出された場合には、スピーカ77を鳴動させ、警告音を放音させる。
【0022】
スピーカ77は、例えば、圧電発音体素子によって構成され、警報発生部76から所定の周波数の信号が供給された場合には、警告音を発する。なお、スピーカ77は、警報発生部76から直流電力が供給された場合に、所定の周波数の音を放音する自励式の圧電発音体素子によって構成してもよい。直流電源78は、例えば、マンガン電池またはアルカリ電池等の一次電池、または、ニッケルカドミウム電池等の二次電池によって構成され、所定の電圧の直流電力を出力する。電源スイッチ79は、制御回路75その他に対して、直流電源78から出力される直流電力の供給を断続する。コンデンサ80は、例えば、電解コンデンサ等によって構成され、制御回路75その他における電流の消費量が増加した場合に、電源電圧が低下することを防止する。
【0023】
図8は、図7に示すブロック図の更に詳細な構成例を示す回路図である。この図に示すように、本実施形態の絶縁破壊検出装置70は、接続端子71,72、抵抗100〜109、コンデンサ110〜112、ダイオード114〜116、発光ダイオード117,118、トランジスタ119(請求項中「FET」に対応)、トランジスタ120、昇圧トランス121、および、コントローラ122を有している。
【0024】
ここで、抵抗100,101はトランジスタ119の入力抵抗である。抵抗102〜104,109は回路に流れる電流を調整するための抵抗である。抵抗105は、絶縁破壊が生じた際に流れる電流を制限する抵抗である。抵抗106は脈流を平滑化するための時定数を形成する抵抗である。抵抗107,108は、トランジスタ120の入力抵抗である。
【0025】
コンデンサ110,111は、抵抗106とともに時定数を形成し、脈流を平滑化する。コンデンサ112は、直流電源78からの直流が出力されることを防止するカップリングコンデンサである。ダイオード114,115は整流用のダイオードである。ダイオード116は、逆電圧がスピーカ77に印加されることを防止する。発光ダイオード117は、絶縁破壊が検出された場合に点灯される。発光ダイオード118は、装置に電源が投入された場合に、直流電源78の電圧が所定の電圧以上である場合に点灯される。トランジスタ119は、漏洩電流を検出した場合にはオンの状態となる。トランジスタ120は、スイッチングトランジスタであり、コントローラ122の制御に応じてオンまたはオフの状態となり、昇圧トランス121に対して駆動信号を通じる。昇圧トランス121は、トランジスタ120によって駆動され、直流電圧を昇圧して所定の電圧の交流電圧(例えば、200V)を発生する。コントローラ122は、IO0〜IO5端子の状態に応じて各部の制御を行う回路である。
【0026】
つぎに、回路を構成する素子の接続関係について詳細に説明する。接続端子71,72は、前述したように、接続端子71が、床暖房パネル10の電源ケーブル21および電源ケーブル22のいずれか一方に接続される。また、接続端子72は、アースケーブル30に接続される。
【0027】
抵抗100は、一方の端子が接続端子72と抵抗101の一方の端子に接続され、他方の端子がトランジスタ119のソース端子に接続されるとともに接地されている。抵抗101は、一方の端子が接続端子72と抵抗100の一方の端子に接続され、他方の端子がトランジスタ119のゲート端子に接続されている。トランジスタ119は、ゲート端子が抵抗101の他方の端子に接続され、ドレイン端子が抵抗102の一方の端子とコントローラ122のIO3端子に接続され、ソース端子が抵抗100の他方の端子に接続されるとともに接地されている。
【0028】
抵抗102は一方の端子がトランジスタ119のドレイン端子とコントローラ122のIO3端子に接続され、他方の端子が抵抗103の一方の端子と、コントローラ122のVcc端子と、コンデンサ80の一方の端子と、電源スイッチ79の一方の端子と、抵抗109の一方の端子と、昇圧トランス121の第1タップに接続されている。抵抗103は、一方の端子が抵抗102の他方の端子と、コントローラ122のVcc端子と、コンデンサ80の一方の端子と、電源スイッチ79の一方の端子と、抵抗109の一方の端子と、昇圧トランス121の第1タップに接続され、他方の端子が発光ダイオード117のアノード端子に接続されている。発光ダイオード117は、アノード端子が抵抗103の他方の端子に接続され、カソード端子がコントローラ122のIO4端子に接続されている。
【0029】
抵抗104は、一方の端子がコントローラ122のIO5端子に接続され、他方の端子がダイオード116のカソード端子に接続されている。ダイオード116はアノード端子がスピーカ77の一方の端子に接続されカソード端子が抵抗104の他方の端子に接続されている。スピーカ77は、一方の端子がダイオード116のアノード端子に接続され、他方の端子が接地されている。
【0030】
コントローラ122は、GND端子が接地され、IO0端子が発光ダイオード118のアノード端子と抵抗109の他方の端子に接続されている。また、IO1端子が抵抗107の一方の端子に接続されている。IO2端子は、開放とされ、IO3端子は抵抗102の一方の端子とトランジスタ119のドレイン端子に接続されている。IO4端子は、発光ダイオード117のカソード端子に接続されている。IO5端子は、抵抗104の一方の端子に接続されている。Vcc端子は、抵抗102の他方の端子と、抵抗103の一方の端子と、コンデンサ80の一方の端子と、電源スイッチ79の一方の端子と、抵抗109の一方の端子と、昇圧トランス121の第1タップに接続されている。
【0031】
直流電源78はマイナス端子が接地され、プラス端子が電源スイッチ79の他方の端子に接続されている。電源スイッチ79は、一方の端子が抵抗102の他方の端子と、抵抗103の一方の端子と、コントローラ122のVcc端子と、コンデンサ80の一方の端子と、抵抗109の一方の端子と、昇圧トランス121の第1タップに接続され、他方の端子が直流電源78のプラス端子に接続されている。
【0032】
コンデンサ80は、一方の端子が抵抗102の他方の端子と、抵抗103の一方の端子と、コントローラ122のVcc端子と、電源スイッチ79の一方の端子と、抵抗109の一方の端子と、昇圧トランス121の第1タップに接続され、他方の端子が直流電源78のマイナス端子に接続されるとともに接地されている。
【0033】
抵抗109は、一方の端子が抵抗102の他方の端子と、抵抗103の一方の端子と、コントローラ122のVcc端子と、電源スイッチ79の一方の端子と、コンデンサ80の一方の端子と、昇圧トランス121の第1タップに接続され、他方の端子がコントローラ122のIO0端子と発光ダイオード118のアノード端子に接続されている。ダイオード118は、アノード端子がコントローラ122のIO0端子と抵抗109の他方の端子に接続され、カソード端子が接地されている。
【0034】
抵抗105は、一方の端子が接続端子71に接続され、他方の端子が抵抗106の一方の端子と、コンデンサ110の一方の端子に接続されている。コンデンサ110は、一方の端子が抵抗105の他方の端子と抵抗106の一方の端子に接続され、他方の端子がコンデンサ111の他方の端子とダイオード115のアノード端子に接続されるとともに接地されている。抵抗106は、一方の端子が抵抗105の他方の端子とコンデンサ110の一方の端子に接続され、他方の端子がコンデンサ111の一方の端子とダイオード114のカソード端子に接続されている。コンデンサ111は、一方の端子が抵抗106の他方の端子とダイオード114のカソード端子に接続され、他方の端子がコンデンサ110の他方の端子と、ダイオード115のアノード端子に接続されるとともに接地されている。ダイオード114は、アノード端子がダイオード115のカソード端子とコンデンサ112の一方の端子に接続され、カソード端子が抵抗106の他方の端子とコンデンサ111の一方の端子に接続されている。ダイオード115は、アノード端子がコンデンサ110の他方の端子とコンデンサ111の他方の端子に接続されるとともに接地され、カソード端子がダイオード114のアノード端子とコンデンサ112の一方の端子に接続されている。コンデンサ112は、一方の端子がダイオード114のアノード端子とダイオード115のカソード端子に接続され、他方の端子が昇圧トランスの第3タップに接続されている。
【0035】
昇圧トランス121は、第1タップが抵抗102の他方の端子と、抵抗103の一方の端子と、コントローラ122のVcc端子と、電源スイッチ79の一方の端子と、コンデンサ80の一方の端子と、抵抗109の一方の端子に接続されている。また、第2タップはトランジスタ120のドレイン端子に接続され、第3タップはコンデンサ112の他方の端子に接続されている。
【0036】
トランジスタ120は、ドレイン端子が昇圧トランスの第2タップに接続され、ソース端子が抵抗108の他方の端子に接続されるとともに接地され、ゲート端子が抵抗107の他方の端子と抵抗108の一方の端子に接続されている。抵抗107は、一方の端子がコントローラ122のIO1端子に接続され、他方の端子がトランジスタ120のゲート端子と抵抗108の一方の端子に接続されている。抵抗108は、一方の端子が抵抗107の他方の端子とトランジスタ120のゲート端子に接続され、他方の端子がトランジスタ120のソース端子に接続されるとともに接地されている。
【0037】
つぎに、以上の実施形態の動作について説明する。
【0038】
床暖房パネル10を施工する場合、1枚目の床暖房パネル10を下地合板42の上に配置した状態において、施工者は、絶縁破壊検出装置70の接続端子71を、2本の電源ケーブル20のうちの一方の電源ケーブル20を構成する電源ケーブル21(または、電源ケーブル22)に接続するとともに、接続端子72をアースケーブル30に接続する。なお、絶縁破壊検出装置70は、例えば、可搬形状の筐体に納められ、当該筐体に設けられたフック部等によって、施工工事を行おうとする部屋の壁等に吊り下げられる。そして、施工者は、絶縁破壊検出装置70の電源スイッチ79をオンの状態にする。この結果、直流電源78から出力される直流電力がコンデンサ80によって蓄積された後、コントローラ122に供給され、コントローラ122は動作状態になる。また、発光ダイオード118には抵抗109を介して電流が供給されるので、発光ダイオード118が点灯状態となり、電源がオンの状態になったことを知らせる。なお、直流電源78の電圧が所定の電圧以下になった場合には、コントローラ122は、例えば、IO0端子を接地状態にすることにより、発光ダイオード118の発光を停止する。これにより、施工者は、直流電源78が減ったことを知ることができる。
【0039】
コントローラ122が動作状態になると、IO1端子から所定の周波数のスイッチング信号が出力される。このようなスイッチング信号は、抵抗107および抵抗108によって分圧され、トランジスタ120のゲート端子に印加される。トランジスタ120は、スイッチング信号に応じてオンまたはオフの状態を所定の周期で繰り返す。トランジスタ120がオンの状態となると、直流電源78から出力された直流電流が昇圧トランス121の第1タップから第2タップへ流れる。また、トランジスタ120がオフの状態となると、昇圧トランス121の第1タップから第2タップへ流れる電流が遮断されるため、第1タップと第3タップ間には自己インダクタンスによる高い電圧(例えば、200V)が発生する。このような自己インダクタンスによる高い電圧は、コンデンサ112を介してダイオード114,115に供給される。ダイオード114,115は、昇圧トランス121から供給された高い電圧を整流し、直流電圧に変換して出力する。ダイオード114から出力された直流電圧は、コンデンサ110,111および抵抗106によって構成される平滑化回路によって脈流成分が平滑化された後、抵抗105および接続端子71を介して、電源ケーブル21または電源ケーブル22に印加される。仮に、接続端子71が電源ケーブル22に接続されていると仮定すると、抵抗105を介して出力された直流電圧(例えば、200V)は、電源ケーブル22を介して面状発熱体15の電極17に印加される。
【0040】
このようにして、接続端子71から出力される直流電圧は、面状発熱体15に印加される。面状発熱体15は、床暖房パネル10の均熱板11の内側に内蔵されており、また、絶縁も十分になされているため、施工者が床暖房パネル10に触れた場合であっても、直流電圧が施工者に印加されることはない。また、接続端子71に出力される直流電圧は、抵抗105を介して出力される。抵抗105の抵抗値は、例えば、200kΩ以上に設定することができる。この結果、施工者が誤って面状発熱体15その他に触れた場合であっても、施工者に流れる電流の値を1mA以下に抑えることができる。一般的に、1mA以下の電流であれば、人体への影響は非常に少ない。また、後述するように、抵抗105を大きい値のものに設定した場合であっても、漏洩電流検出部74の初段としてのトランジスタ119はFET(Field Effect Transistor)を使用しており、FETは電圧検出素子であるため、流れる電流が小さくても検出を行うことができる。すなわち、抵抗値105が大きくても検出に与える影響は少ない。
【0041】
このような状態において、施工者は、下地合板42上に配置された床暖房パネル10に対して、図4に示すように、領域11a,11bに所定の間隔で釘またはネジを挿入し、床暖房パネル10を下地合板42に固定する。1枚目の床暖房パネル10の固定が完了すると、つぎに、施工者は2枚目の床暖房パネル10を1枚目の床暖房パネル10に近接して配置するとともに、絶縁破壊検出装置70が接続されていない側のコネクタ25とコネクタ35によって1枚目と2枚目の床暖房パネル10を接続する。この結果、2枚目の床暖房パネル10の電極17に対しても接続端子71から直流電圧が供給されるとともに、均熱板11が接続端子72に対して接続される。このような作業を繰り返すことにより、必要な枚数の床暖房パネル10が下地合板42の上に順次配置および固定されていく。
【0042】
ところで、床暖房パネル10を下地合板42の上に配置し、釘またはネジによって固定している際に、施工者が誤って図6に示すように、領域11a,11b以外の領域に釘N1(またはネジ)を挿入してしまったとする。床暖房パネル10において、面状発熱体15が存在する領域(すなわち、釘N1を打ち込んではいけない領域)と、均熱板11とが存在する領域とは略一致するため、そのような場合には、釘N1(またはネジ)によって均熱板11と面状発熱体15とが導通されてしまう。この結果、釘N1(またはネジ)、均熱板11、および、面状発熱体15により、図9に示すような回路が形成される。すなわち、図9では、均熱板11の位置P1と面状発熱体15の位置P2に釘N1が貫通され、これらが釘N1によって導通(短絡)されている。この結果、図9の下に示すように、接続端子72から供給された直流電圧に応じた電流Iが、面状発熱体15の位置P2と電極17との間に形成される抵抗Rを介して、接続端子72に流れる。
【0043】
この結果、抵抗100に電流Iが流れるため、トランジスタ119のゲート端子には、抵抗101を介して直流電圧が印加される。トランジスタ119のゲート端子に直流電圧が印加されると、トランジスタ119はオンの状態となってドレイン端子とソース端子の間には電流が流れる。トランジスタ119がオフの状態である場合には、コントローラ122のIO3端子には、直流電源78に応じた電圧が印加されているが、トランジスタ119がオンの状態になると、IO3端子は接地状態となる。つまり、IO3端子に入力される信号は、“H”から“L”の状態に変化する。この結果、コントローラ122は、漏洩電流を検出したとして、IO5端子から所定の周波数の信号を出力する。IO5端子から所定の周波数の信号が出力されると、抵抗104およびダイオード116を介してスピーカ77に当該信号が供給されるので、スピーカ77は当該周波数に応じた警告音を放音する。また、コントローラ122は、IO4端子を接地状態にする。この結果、発光ダイオード117が発光する。この結果、施工者は、釘N1が誤った場所に挿入されたことを直ちに知るとともに、床暖房パネル10が絶縁破壊したことを知ることができる。
【0044】
このように、スピーカ77から警告音が発せられ、また、発光ダイオード117から光が発せられた場合には、作業中の床暖房パネル10については、下地合板42から取り外し、新たな床暖房パネル10に置換する作業を行う。このような作業により、絶縁破壊された床暖房パネル10がそのまま使用されることを防止できる。これにより、床暖房パネル10が過熱により毀損したり、漏電が発生したりすることを防止できる。
【0045】
そして、全ての床暖房パネル10の施工が終了すると、施工者は、つぎに、合板43を床暖房パネル10が配置されていない部分に対して、釘またはネジによって固定する。なお、この際にも、施工者が誤って釘等を床暖房パネル10に挿入してしまい、床暖房パネル10が絶縁破壊した場合には、前述の場合と同様に警告音等が発せられるので、絶縁破壊が生じたことを知ることができる。なお、図3では例示されていないが、床暖房パネル10の上に重ねて合板等が釘等によって架設される場合があるが、そのような場合であっても、施工者は絶縁破壊の発生を直ちに知ることができる。そして、これらの工事が終了すると、施工者は、現場監督または施工管理者に通知する。現場監督等は、まず、接続端子71,72と床暖房パネル10との接続状態を確認することで、絶縁破壊検出装置70が正常に接続された状態であるかを確認する。また、現場監督等は、発光ダイオード118の発光状態を確認することで電源スイッチ79が投入され、かつ、直流電源78が十分であることを確認する。さらに、現場監督等は、スピーカ77から放音がされず、また、発光ダイオード117が点灯していないことを確認する。その結果、これらが問題ない場合には、全ての床暖房パネル10が絶縁破壊無しに施工されたことを確認することができる。すなわち、床暖房パネル10は、図5に示すように並列接続されることから、1枚でも絶縁破壊が生じていると、絶縁破壊検出装置70が漏洩電流を検出し、スピーカ77から警告音が放音されるとともに、発光ダイオード117が点灯されるからである。
【0046】
現場監督の確認が終了すると、床暖房パネル10の施工には問題がないことを確認した後、つぎの施工者である床材45の施工者に作業開始を依頼する。なお、床材45の作業者の作業中においても、絶縁破壊検出装置70を床暖房パネル10に接続した状態としておくとともに、絶縁破壊検出装置70の電源を入れたままの状態としておく。そのようにすることで、床材45の施工者が誤って、床暖房パネル10に床材45を固定するための釘等を挿入してしまった場合には、直ちにスピーカ77から警告音が放音され、また、発光ダイオード117が点灯されるので、床材45の施工者の不注意によって絶縁破壊が生じたことを知ることができるとともに、絶縁破壊箇所を直ちに知ることで、床暖房パネル10を新たなものに置換することができる。なお、床材45の施工者の施工作業が終了した場合にも、前述の場合と同様に、現場監督等による確認が行われた後に、次の施工者に引き継ぎがなされる。
【0047】
そして、床暖房パネル10を毀損する可能性がある全ての施工作業が終了すると、絶縁破壊検出装置70が最初に配置された床暖房パネル10のコネクタ25,35から取り外される。そして、当該コネクタ25,35は、床暖房パネル10を制御するためのコントローラ(不図示)に対して接続される。これにより、床暖房パネル10の施工工事が完成する。なお、必要に応じて、動作確認のために、試験動作を行う。
【0048】
以上の実施の形態によれば、床暖房パネル10に電圧を印加し、漏洩電流を検出した場合には、これを報知するようにしたので、図6に示すような誤った場所に釘またはネジが貫通されて、絶縁破壊が生じたことを知ることができる。また、このような報知は、貫通と同時になされるので、絶縁破壊箇所および絶縁破壊が生じた床暖房パネル10を確実に特定することができる。また、施工時の絶縁破壊のみならず、床暖房パネル10の運搬時に絶縁破壊が生じた場合であっても、これを直ちに検出することができる。さらに、床暖房パネル10の施工者以外の施工者(例えば、床材45の施工者)の作業によって絶縁破壊が生じた場合には、責任の所在を明確にすることができる。すなわち、責任分界点を明確にすることができる。また、本実施の形態の絶縁破壊検出装置70を用いることにより、施工者に心理的な影響力を及ぼすことにより、施工ミスの発生を事前に防ぐことができる。なお、そのような心理的な効果をより高めるために、例えば、絶縁破壊検出装置70が動作中である場合には、動作中である旨を示す表示デバイス(例えば、表示灯、LED等)によって動作中であることを示すようにしてもよい。
【0049】
また、本実施形態では、電源ケーブル20およびアースケーブル30を利用して絶縁破壊を検出するようにしたので、新たな配線を用いることなく、簡易に絶縁破壊を検出できる。また、施工工事が完了した場合には、絶縁破壊検出装置70を、コントローラに接続し直すだけで全て工事が完了する。
【0050】
また、本実施形態では、床暖房パネル10に200V程度の電圧を印加し、漏洩電流を検出することで絶縁破壊を検出するようにした。なお、印加される電圧は、打たれた釘N1、面状発熱体15、および、均熱板11の間に生じる電位障壁以上の電圧であるので、釘N1が本来打ってはいけない領域に打たれたことを確実に検出することができる。また、このように、ある程度高い電圧を印加することにより、ノイズによる誤検出を防止することができる。
【0051】
また、本実施形態では、床暖房パネル10の面状発熱体15に対して電圧を印加するようにした。面状発熱体15は、均熱板11の内部に内蔵されており、また、絶縁もなされていることから、施工者に電圧が印加されることを防止できる。
【0052】
また、本実施形態では、抵抗105を介して電圧を供給するようにしたので、万一、施工者に電圧が印加された場合であっても、抵抗105によって電流値を制限することにより、施工者に与える影響を少なくすることができる。
【0053】
また、本実施形態では、漏洩電流検出部74の入力段として、FETを用いるようにした。このため、漏洩電流の電流値が小さくても検出を行うことができるので、例えば、抵抗105として大きな値の素子を用いても確実に検出を行うことができる。
【0054】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能であることは勿論である。
たとえば、図8に示す回路構成は、一例であって、これ以外の回路であってもよい。例えば、図8では、トランジスタ119,120としてFETを使用しているが、例えば、バイポーラトランジスタを使用する構成としてもよい。また、発光ダイオード117,118ではなく、例えば、豆電球その他の発光手段を使用したり、液晶デバイスによって情報を表示したりするようにしてもよい。また、以上の実施の形態では、漏洩電流を検出するようにしたが、漏洩電圧を検出するようにしてもよい。
【0055】
また、以上の実施形態では、床暖房パネル10は、蓄熱材14を有する構成としたが、蓄熱材14を有しない構成とすることも可能である。そのような場合であっても、絶縁破壊検出装置70により、絶縁破壊を検出することができる。
【0056】
また、以上の実施の形態では、面状発熱体15として、シート状の導電性ポリマーを用いる場合を例に挙げて説明したが、これ以外の発熱体を用いることも可能である。例えば、ニクロム線による発熱体を用いたりすることも可能である。その場合であっても、ニクロム線と均熱板11が釘等によって導通された場合には、本実施の形態の絶縁破壊検出装置70によりこのような絶縁破壊を検出することができる。また、ニクロム線以外にも、例えば、アルミニウム板にケーブルを貼付した構造であったり、面ヒータを短冊状に切った構造であったり、アルミニウム等の箔状のヒータ形状であったりしてもよい。
【0057】
また、以上の実施の形態では、電源ケーブル21,22のいずれか一方に対して接続端子71を接続して直流電圧を印加するようにしたが、電源ケーブル21,22の双方に対して接続端子71を接続して直流電圧を印加するようにしてもよい。その場合、図9のような場合には、電極16からも電流が流れるので、漏洩電流の値が増加するため、検出精度をさらに高めることができる。
【0058】
また、以上の実施の形態では、スピーカ77および発光ダイオード117と、絶縁破壊検出装置70との位置関係については言及していないが、これらを絶縁破壊検出装置70の筐体内に内蔵するようにしたり、筐体とは別の位置に別途取り付け可能としたりしてもよい。後者の場合には、例えば、マンション等の施工工事において、スピーカ77および発光ダイオード117を専用部分の外側(例えば、共用部分である廊下)に設置することにより、施工者以外にも絶縁破壊の発生が報知されるので、施工者による絶縁破壊の隠匿を防止することができる。また、複数の専用部分で工事を平行して進める場合に対応して、例えば、複数の絶縁破壊検出装置70を集中管理する集中管理装置を設け、当該集中管理装置によって各専用部分における工事の状況を一元管理するようにしてもよい。
【0059】
また、以上の実施の形態では、直流電圧のみを床暖房パネル10に印加するようにしたが、例えば、所定の周波数の交流電圧を併せて印加し、床暖房パネル10を流れる変位電流に基づいて絶縁破壊検出装置70が適切に接続されているか否かを判断するようにしてもよい。すなわち、均熱板11と面状発熱体15とは、平行に配置されてその間が絶縁されているので、一種のコンデンサを形成する。したがって、これらに交流電圧を印加すると、周波数およびインピーダンスに応じた変位電流が流れるため、このような変位電流を、例えば、バンドパスフィルタを介して検出し、変位電流が検出されている間は、例えば、スピーカ77とは異なるスピーカから、確認音を放音したり、発光ダイオード117とは異なる発光ダイオードから、確認のための光を放出するようにしたりするようにしてもよい。そのような実施の形態によれば、絶縁破壊検出装置70が床暖房パネル10に接続されているか否かを検出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態に係る絶縁破壊検出装置によって絶縁破壊を検出する対象となる床暖房パネルの構成例を示す斜視図である。
【図2】図1の床暖房パネルの断面図である。
【図3】図1の床暖房パネルの施工例を示す図である。
【図4】図1の床暖房パネルの施工時の状態を示す断面図である。
【図5】図1の床暖房パネルが複数接続された場合の接続状態を示す図である。
【図6】図1の床暖房パネルが絶縁破壊された場合の様子を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る絶縁破壊検出装置の構成例を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る絶縁破壊検出装置の構成例を示す回路図である。
【図9】図6に示す状態における床暖房パネルの電気的等価回路である。
【符号の説明】
【0061】
10…床暖房パネル
11…均熱板
12,13…小根太
14…蓄熱材
15…面状発熱体(発熱体)
16,17…電極
20…電源ケーブル
25…コネクタ
30…アースケーブル
35…コネクタ
42…下地合板(床構造体)
70…絶縁破壊検出装置
71,72…接続端子
73…印加電圧発生部(印加手段)
74…漏洩電流検出部(検出手段)
75…制御回路
76…警報発生手部(報知手段)
77…スピーカ(報知手段)
119…FET

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱体と当該発熱体に絶縁されて重ねられる金属シートとを有する床暖房パネルを建物の床構造体に施工する場合に、前記発熱体および前記金属シート間の絶縁破壊を検出する絶縁破壊検出装置であって、
前記床暖房パネルの施工時に、前記発熱体または前記金属シートに電圧を印加する印加手段と、
前記絶縁破壊により、前記印加手段によって電圧が印加されていない側に生じる漏洩電流または漏洩電圧を検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記漏洩電流または前記漏洩電圧が検出されたことを報知する報知手段と、
を有することを特徴とする絶縁破壊検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の絶縁破壊検出装置において、
前記印加手段は、最初に施工される床暖房パネルの発熱体につながれるコードに接続され、
前記検出手段は、当該床暖房パネルと、これに順次並列に接続される複数の床暖房パネルとに対して生じる漏洩電流または漏洩電圧を検出する、
ことを特徴とする絶縁破壊検出装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の絶縁破壊検出装置において、
前記発熱体は、導電性樹脂によって構成されている、
ことを特徴とする絶縁破壊検出装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の絶縁破壊検出装置において、
前記印加手段は、電圧源から出力される電圧を、抵抗を介して前記発熱体または前記均熱板に印加する、
ことを特徴とする絶縁破壊検出装置。
【請求項5】
請求項4に記載の絶縁破壊検出装置において、
前記検出手段は、入力段にFETを有する、
ことを特徴とする絶縁破壊検出装置。
【請求項6】
発熱体と当該発熱体に絶縁されて重ねられる金属シートとを有する床暖房パネルを建物の床構造体に施工する場合に、前記発熱体および前記金属シート間の絶縁破壊を検出する絶縁破壊検出方法であって、
前記床暖房パネルの施工時に、前記発熱体または前記金属シートに電圧を印加する印加ステップと、
前記絶縁破壊により、前記印加ステップにおいて電圧が印加されていない側に生じる漏洩電流または漏洩電圧を検出する検出ステップと、
前記検出ステップによって前記漏洩電流または前記漏洩電圧が検出されたことを報知する報知ステップと、
を有することを特徴とする絶縁破壊検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−243730(P2009−243730A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−89331(P2008−89331)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(508189441)ナサコア株式会社 (11)
【Fターム(参考)】