説明

継承通信管理装置

【課題】映像コンテンツを異なる視聴端末により連続して視聴するような状況におけるユーザ操作を簡素化する。
【解決手段】要求された映像コンテンツをネットワーク経由で配信する映像配信サーバと、配信された映像コンテンツを受信して再生する視聴端末とを含む映像コンテンツ配信システムに接続される管理装置であって、前記視聴端末から映像コンテンツの再生状況を示す視聴情報の報告を受け付け、当該視聴情報を登録して管理する手段と、前記視聴端末から映像一覧の要求を受け付け、メニューサーバに代理アクセスして映像一覧を取得するとともに、登録された視聴情報から当該視聴端末のユーザによる視聴途中の映像コンテンツが存在するか否か判断し、存在する場合に映像一覧に継続視聴の選択候補を追加し、映像一覧を要求元の前記視聴端末に返送する手段と、視聴途中の映像コンテンツが存在する場合に、視聴情報から視聴位置を含む所定情報を要求元の前記視聴端末に通知する手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット等のネットワークを介して映像コンテンツを配信する技術に関する。なお、映像コンテンツとは映像を含むコンテンツであり、映像以外に音声も含まれるのが一般的である。
【背景技術】
【0002】
視聴端末から要求された映像コンテンツを配信する配信事業は従来から存在し、IP(Internet Protocol)ネットワーク経由で、例えば携帯電話やネットテレビに向けた映像配信サービスが行われている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0003】
図1は従来のシステムの構成例を示す図である。図1において、インターネット等のネットワーク1には、携帯電話用映像配信サーバ2と携帯電話用メニューサーバ3とネットテレビ用映像配信サーバ4とネットテレビ用メニューサーバ5とが接続されている。携帯電話用映像配信サーバ2はストリーミングサーバの機能を有しており、ネットワーク1を介した携帯電話からの要求に応じて映像コンテンツを提供する。携帯電話用メニューサーバ3はWebサーバの機能を有しており、ネットワーク1を介した携帯電話からの要求に応じて映像一覧データを提供する。ネットテレビ用映像配信サーバ4はストリーミングサーバの機能を有しており、ネットワーク1を介したネットテレビからの要求に応じて映像コンテンツを提供する。ネットテレビ用メニューサーバ5はWebサーバの機能を有しており、ネットワーク1を介したネットテレビからの要求に応じて映像一覧データを提供する。
【0004】
また、ネットワーク1にはモバイル事業者ネットワークによるネットワーク6と、インターネット接続事業者(ISP:Internet Service Provider)ネットワークによるネットワーク7とが接続される。携帯電話である第1視聴端末8は、ネットワーク6およびネットワーク1を介して携帯電話用映像配信サーバ2と携帯電話用メニューサーバ3に接続する。ネットテレビである第2視聴端末9は、ネットワーク7およびネットワーク1を介してネットテレビ用映像配信サーバ4とネットテレビ用メニューサーバ5に接続する。
【0005】
図2は映像配信サーバ(携帯電話用映像配信サーバ2、ネットテレビ用映像配信サーバ4)の主要な内部構成例を示す図である。図2において、携帯電話用映像配信サーバ2およびネットテレビ用映像配信サーバ4は、ネットワークを介して通信を行う通信部21、41と、要求元に対して映像コンテンツのストリーミング配信を行う映像配信部22、42とを備えている。また、携帯電話用映像配信サーバ2およびネットテレビ用映像配信サーバ4は、サーバアクセスに認証が必要な場合に認証処理を行う認証部23、43を備えている。
【0006】
図3は映像メニューサーバ(携帯電話用メニューサーバ3、ネットテレビ用メニューサーバ5)の主要な内部構成例を示す図である。図3において、携帯電話用メニューサーバ3およびネットテレビ用メニューサーバ5は、ネットワークを介して通信を行う通信部31、51と、要求元に対してWebページの提供等を行うWebサーバ部32、52とを備えている。また、携帯電話用メニューサーバ3およびネットテレビ用メニューサーバ5は、サーバアクセスに認証が必要な場合に認証処理を行う認証部33、53を備えている。
【0007】
図4は第1視聴端末8として用いられる携帯電話の主要な内部構成例を示す図である。図4において、第1視聴端末8は、電波の入出力を行うアンテナ80と、無線によるパケット通信を行うパケット通信部81と、ユーザの操作を受け付ける操作入力部82と、WebサーバからWebページの閲覧を行うWebブラウザ部83とを備えている。また、第1視聴端末8は、取得した映像コンテンツを再生する映像プレーヤー部84と、映像コンテンツの再生にあたり圧縮されたデータの伸長を行うデコード部85とを備えている。
【0008】
図5は第2視聴端末9として用いられるネットテレビの主要な内部構成例を示す図である。図5において、第2視聴端末9は、ネットワークを介してパケット通信を行う通信部91と、ユーザの操作を受け付ける操作入力部92と、WebサーバからWebページの閲覧を行うWebブラウザ部93とを備えている。また、第2視聴端末9は、取得した映像コンテンツを再生する映像プレーヤー部94と、映像コンテンツの再生にあたり圧縮されたデータの伸長を行うデコード部95とを備えている。
【0009】
図6Aおよび図6Bは従来のシステムにおいて携帯電話で映像を視聴するまでの処理例を示すシーケンス図である。
【0010】
図6Aにおいて、第1視聴端末(携帯電話)8の操作入力部82においてユーザがVOD(Video On Demand)映像視聴の操作を行うと(ステップS101)、Webブラウザ部83から携帯電話用メニューサーバ3に対して映像一覧を要求する(ステップS102)。
【0011】
これを受け、携帯電話用メニューサーバ3のWebサーバ部32は、要求された映像一覧データを第1視聴端末8のWebブラウザ部83に返送する(ステップS103)。
【0012】
第1視聴端末8のWebブラウザ部83は返送された映像一覧データに基づく映像一覧を表示し(ステップS104)、映像一覧が表示されている状態となる(ステップS105)。
【0013】
次いで、第1視聴端末8のWebブラウザ部83において、映像一覧よりユーザが1つの番組を選択すると、映像コンテンツのURLを含むメタファイルを携帯電話用メニューサーバ3に要求する(ステップS106)。
【0014】
これを受け、携帯電話用メニューサーバ3のWebサーバ部32は、要求されたメタファイルを第1視聴端末8のWebブラウザ部83に返送する(ステップS107)。
【0015】
次いで、図6Bにおいて、第1視聴端末8の映像プレーヤー部84は、メタファイルの中の映像コンテンツを携帯電話用映像配信サーバ2に要求する(ステップS108)。
【0016】
これを受け、携帯電話用映像配信サーバ2の映像配信部22は、要求された映像コンテンツを第1視聴端末8にストリーミング配信する(ステップS109)。
【0017】
第1視聴端末8の映像プレーヤー部84およびデコード部85は、受信した圧縮された映像コンテンツを伸長して再生する(ステップS110)。これにより、第1視聴端末8で映像コンテンツを視聴している状態となる(ステップS111)。
【0018】
図7は従来のシステムにおいて認証ありの場合の携帯電話で映像を視聴するまでの処理例を示すシーケンス図であり、図6AのステップS106とステップS107の間に処理が追加される様子を示している。他の処理は図6Aおよび図6Bと同様である。
【0019】
図7において、第1視聴端末8のWebブラウザ部83からのメタファイルの要求(ステップS106)の後、携帯電話用メニューサーバ3の認証部33は、第1視聴端末8のWebブラウザ部83に対してユーザIDとパスワードの入力を要求する(ステップS121)。
【0020】
これを受け、第1視聴端末8のWebブラウザ部83は、ユーザの操作のもと、ユーザIDとパスワードを入力して携帯電話用メニューサーバ3の認証部33に送信する(ステップS122)。
【0021】
認証が正常に行われた場合、携帯電話用メニューサーバ3のWebサーバ部32は、要求されたメタファイルを第1視聴端末8のWebブラウザ部83に返送する(ステップS107)。
【0022】
次に、図8Aおよび図8Bは従来のシステムにおいてネットテレビで映像を視聴するまでの処理例を示すシーケンス図である。
【0023】
図8Aにおいて、第2視聴端末(ネットテレビ)9の操作入力部92においてユーザがVOD映像視聴の操作を行うと(ステップS201)、Webブラウザ部93からネットテレビ用メニューサーバ5に対して映像一覧を要求する(ステップS202)。
【0024】
これを受け、ネットテレビ用メニューサーバ5のWebサーバ部52は、要求された映像一覧データを第2視聴端末9のWebブラウザ部93に返送する(ステップS203)。
【0025】
第2視聴端末9のWebブラウザ部93は返送された映像一覧データに基づく映像一覧を表示し(ステップS204)、映像一覧が表示されている状態となる(ステップS205)。
【0026】
次いで、第2視聴端末9のWebブラウザ部93において、映像一覧よりユーザが1つの番組を選択すると、映像コンテンツのURLを含むメタファイルをネットテレビ用メニューサーバ5に要求する(ステップS206)。
【0027】
これを受け、ネットテレビ用メニューサーバ5のWebサーバ部52は、要求されたメタファイルを第2視聴端末9のWebブラウザ部93に返送する(ステップS207)。
【0028】
次いで、図8Bにおいて、第2視聴端末9の映像プレーヤー部94は、メタファイルの中の映像コンテンツをネットテレビ用映像配信サーバ4に要求する(ステップS208)。
【0029】
これを受け、ネットテレビ用映像配信サーバ4の映像配信部42は、要求された映像コンテンツを第2視聴端末9にストリーミング配信する(ステップS209)。
【0030】
第2視聴端末9の映像プレーヤー部94およびデコード部95は、受信した圧縮された映像コンテンツを伸長して再生する(ステップS210)。
【0031】
また、第2視聴端末9の映像プレーヤー部94では、ユーザの操作のもと、既に携帯電話で視聴の終わった場面までの早送りをネットテレビ用映像配信サーバ4に要求し(ステップS211)、その配信を受ける。これにより、第2視聴端末9で映像コンテンツを視聴している状態となる(ステップS212)。
【0032】
図9は従来のシステムにおいて認証ありの場合のネットテレビで映像を視聴するまでの処理例を示すシーケンス図であり、図8AのステップS206とステップS207の間に処理が追加される様子を示している。他の処理は図8Aおよび図8Bと同様である。
【0033】
図9において、第2視聴端末9のWebブラウザ部93からのメタファイルの要求(ステップS206)の後、ネットテレビ用メニューサーバ5の認証部53は、第2視聴端末9のWebブラウザ部93に対してユーザIDとパスワードの入力を要求する(ステップS221)。
【0034】
これを受け、第2視聴端末9のWebブラウザ部93は、ユーザの操作のもと、ユーザIDとパスワードを入力してネットテレビ用メニューサーバ5の認証部53に送信する(ステップS222)。
【0035】
認証が正常に行われた場合、ネットテレビ用メニューサーバ5のWebサーバ部52は、要求されたメタファイルを第2視聴端末9のWebブラウザ部93に返送する(ステップS207)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0036】
【特許文献1】特開2007−6235号公報
【特許文献2】特開2009−55099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0037】
従来の映像コンテンツ配信は上述したように行われるものであったが、一つの映像コンテンツを異なる視聴端末により連続して視聴するような状況を考慮しておらず、ユーザに十分な利便性を与えられなかった。
【0038】
例えば、ある映画などの映像コンテンツを外出先から携帯電話で観ながら自宅へ帰り、続きをネットテレビの大きな画面で視聴したいという要求があったとき、ユーザは、
(1)ネットテレビの電源を入れる
(2)映像配信事業者のホームページを表示する
(3)所定のログインなどの認証手続きを行う
(4)それまで観ていた映像コンテンツを一覧から探し出す
(5)再生を開始する
(6)早送り操作などで視聴の続きの場面まで送って視聴を開始する
という多くの操作を行なう必要があり、非常に煩雑であった。
【0039】
上記の従来の問題点に鑑み、インターネット等のネットワークを経由して映像配信サーバから配信される映像コンテンツを異なる視聴端末により連続して視聴するような状況におけるユーザ操作を簡素化することのできる継承通信管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0040】
この継承通信管理装置の一実施態様では、要求された映像コンテンツをネットワーク経由で配信する映像配信サーバと、配信された映像コンテンツを受信して再生する視聴端末とを含む映像コンテンツ配信システムに接続される管理装置であって、前記視聴端末から映像コンテンツの再生状況を示す視聴情報の報告を受け付け、当該視聴情報を登録して管理する手段と、前記視聴端末から映像一覧の要求を受け付け、メニューサーバに代理アクセスして映像一覧を取得するとともに、登録された視聴情報から当該視聴端末のユーザによる視聴途中の映像コンテンツが存在するか否か判断し、存在する場合に映像一覧に継続視聴の選択候補を追加し、映像一覧を要求元の前記視聴端末に返送する手段と、視聴途中の映像コンテンツが存在する場合に、視聴情報から視聴位置を含む所定情報を要求元の前記視聴端末に通知する手段とを備える。
【発明の効果】
【0041】
開示の継承通信管理装置にあっては、インターネット等のネットワークを経由して映像配信サーバから配信される映像コンテンツを異なる視聴端末により連続して視聴するような状況におけるユーザ操作を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】従来のシステムの構成例を示す図である。
【図2】映像配信サーバの主要な内部構成例を示す図である。
【図3】映像メニューサーバの主要な内部構成例を示す図である。
【図4】第1視聴端末として用いられる携帯電話の主要な内部構成例を示す図である。
【図5】第2視聴端末として用いられるネットテレビの主要な内部構成例を示す図である。
【図6A】従来のシステムにおいて携帯電話で映像を視聴するまでの処理例を示すシーケンス図(その1)である。
【図6B】従来のシステムにおいて携帯電話で映像を視聴するまでの処理例を示すシーケンス図(その2)である。
【図7】従来のシステムにおいて認証ありの場合の携帯電話で映像を視聴するまでの処理例を示すシーケンス図である。
【図8A】従来のシステムにおいてネットテレビで映像を視聴するまでの処理例を示すシーケンス図(その1)である。
【図8B】従来のシステムにおいてネットテレビで映像を視聴するまでの処理例を示すシーケンス図(その2)である。
【図9】従来のシステムにおいて認証ありの場合のネットテレビで映像を視聴するまでの処理例を示すシーケンス図である。
【図10】一実施形態にかかるシステムの構成例を示す図である。
【図11】継承通信管理サーバの主要な内部構成例を示す図である。
【図12】継承通信管理サーバのWebサーバ部の保持するデータ例を示す図である。
【図13】継承通信管理サーバの視聴状態管理部の保持するデータ例を示す図である。
【図14】継承通信管理サーバの認証部の保持するデータ例を示す図である。
【図15】視聴端末が保持する継承通信管理サーバ一覧データの例を示す図である。
【図16A】実施形態のシステムにおいて携帯電話で映像を視聴するまでの処理例を示すシーケンス図(その1)である。
【図16B】実施形態のシステムにおいて携帯電話で映像を視聴するまでの処理例を示すシーケンス図(その2)である。
【図16C】実施形態のシステムにおいて携帯電話で映像を視聴するまでの処理例を示すシーケンス図(その3)である。
【図17】通信メッセージのデータ構造例を示す図である。
【図18】視聴端末における映像一覧の画面例を示す図である。
【図19】実施形態のシステムにおいて認証ありの場合の携帯電話で映像を視聴するまでの処理例を示すシーケンス図である。
【図20A】実施形態のシステムにおいてネットテレビで映像を視聴するまでの処理例を示すシーケンス図(その1)である。
【図20B】実施形態のシステムにおいてネットテレビで映像を視聴するまでの処理例を示すシーケンス図(その2)である。
【図20C】実施形態のシステムにおいてネットテレビで映像を視聴するまでの処理例を示すシーケンス図(その3)である。
【図21】実施形態のシステムにおいて認証ありの場合のネットテレビで映像を視聴するまでの処理例を示すシーケンス図である。
【図22】視聴端末における視聴終了の処理例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。
【0044】
<構成>
図10は一実施形態にかかるシステムの構成例を示す図である。図10に示すシステムは、図1に示した従来のシステムに新たに継承通信管理サーバ10が接続された点が異なる。継承通信管理サーバ10は、継承再生情報(視聴情報)を管理し、あるユーザの視聴形態の変更前の視聴情報を変更後の視聴端末へ受け渡す機能を有している。
【0045】
図10において、インターネット等のネットワーク1には、携帯電話用映像配信サーバ2と携帯電話用メニューサーバ3とネットテレビ用映像配信サーバ4とネットテレビ用メニューサーバ5とが接続されている。携帯電話用映像配信サーバ2はストリーミングサーバの機能を有しており、ネットワーク1を介した携帯電話からの要求に応じて映像コンテンツを提供する。携帯電話用メニューサーバ3はWebサーバの機能を有しており、ネットワーク1を介した携帯電話からの要求に応じて映像一覧データを提供する。ネットテレビ用映像配信サーバ4はストリーミングサーバの機能を有しており、ネットワーク1を介したネットテレビからの要求に応じて映像コンテンツを提供する。ネットテレビ用メニューサーバ5はWebサーバの機能を有しており、ネットワーク1を介したネットテレビからの要求に応じて映像一覧データを提供する。
【0046】
また、ネットワーク1には継承通信管理サーバ10が接続されている。継承通信管理サーバ10は、単数とすることも、複数とすることもできる。複数とする場合には、モバイル事業者用やインターネット接続事業者用といったネットワークに応じたものとすることができる。継承通信管理サーバ10は、ユーザ毎の視聴状態を継承再生情報として管理している。また、継承通信管理サーバ10が複数ある場合、継承通信管理サーバ10同志で通信を行なうことで、視聴情報の受け渡しを行ない、視聴情報を分散管理することができる。
【0047】
また、ネットワーク1にはモバイル事業者ネットワークによるネットワーク6と、インターネット接続事業者ネットワークによるネットワーク7とが接続される。携帯電話である第1視聴端末8は、ネットワーク6およびネットワーク1を介して携帯電話用映像配信サーバ2、携帯電話用メニューサーバ3および継承通信管理サーバ10に接続する。ネットテレビである第2視聴端末9は、ネットワーク7およびネットワーク1を介してネットテレビ用映像配信サーバ4、ネットテレビ用メニューサーバ5および継承通信管理サーバ10に接続する。
【0048】
映像配信サーバ(携帯電話用映像配信サーバ2、ネットテレビ用映像配信サーバ4)の構成は図2に示したものと同様である。映像メニューサーバ(携帯電話用メニューサーバ3、ネットテレビ用メニューサーバ5)の構成は図3に示したものと同様である。第1視聴端末8の構成は図4に示したものと同様であり、第2視聴端末9の構成は図5に示したものと同様である。
【0049】
図11は継承通信管理サーバ10の主要な内部構成例を示す図である。図11において、継承通信管理サーバ10は、ネットワークを介して通信を行う通信部101と、ユーザ毎の視聴状態を管理する視聴状態管理部102とを備えている。また、継承通信管理サーバ10は、要求元に対してWebページの提供等を行うWebサーバ部103と、サーバアクセスに認証が必要な場合に認証処理を行う認証部104とを備えている。
【0050】
継承通信管理サーバ10の管理すべき情報および必要となる機能は以下の通りである。なお、以下の(1)〜(3)、(5)(6)はユーザ別に管理される情報または機能であり、(4)はシステムで共通な情報である。
(1)ユーザが視聴中の映像コンテンツとその視聴位置(開始からの何分等)等の継続視聴に必要な情報の蓄積、管理
(2)映像一覧を要求するユーザが別の視聴端末で視聴中か否かの判定
(3)別の端末で視聴中のユーザが継続視聴要求を伝えるため画面インタフェースの追加
(4)同一コンテンツの端末別のコンテンツファイル名とその所在の管理
(5)ログイン等の代行を行なう場合の配信事業者やネットワーク事業者ごとのログイン識別子やパスワードの管理
(6)ログインなどの代行を行なう場合の配信事業者やネットワーク事業者からの認証要求にユーザの代理で回答する機能
また、例えば、視聴形態の変更前の視聴端末が携帯電話で、変更後の視聴端末がネットテレビ等の間で、
(1)インターネットへの接続事業者が異なる(モバイル事業者とインターネット接続事業者等)
(2)視聴端末の機能や性能が異なる
(3)映像配信サーバを所有している映像配信サービス事業者が異なる
といった状況であっても継承通信を可能とするようにしている。
【0051】
図12は継承通信管理サーバ10のWebサーバ部103の保持するデータ例を示す図である。
【0052】
図12(a)は、視聴端末IDとメニューサーバのIPアドレスとの対応関係を表す端末・メニューサーバ対応データの例を示している。継承通信管理サーバ10のWebサーバ部103は、この端末・メニューサーバ対応データを、アクセスしてきた視聴端末(第1視聴端末8、第2視聴端末9)のタイプ(視聴端末ID)に応じて代理アクセスする先のメニューサーバを決定するのに使用する。
【0053】
図12(b)は、映像コンテンツURLと視聴端末IDとメタファイルのURLとの対応関係を表す映像コンテンツ・端末・メタファイル対応データの例を示している。図12(c)は、メタファイルのURLによって参照されるメタファイルの中身の例を示しており、映像配信サーバ上のアドレスを示している。なお、メタファイルの拡張子は「.cpc」等が用いられる。継承通信管理サーバ10のWebサーバ部103は、図12(b)の映像コンテンツ・端末・メタファイル対応データを、視聴端末に提供する映像一覧に「継続視聴」ボタンを追加する際のリンク先の設定に使用する。視聴端末の能力に合わせ、画面サイズ、フレームレート、色数、解像度、圧縮方式、配信帯域等を考慮した映像コンテンツを予め割り当てておくことにより、映像コンテンツの自動的な選択が行われる。また、映像配信サーバが複数存在し、それぞれに同一の映像コンテンツが蓄積されている場合、視聴端末までのネットワーク経路やネットワークの混雑状況などに基づいた最適な映像配信サーバを割り当てておくことができる。
【0054】
図13は継承通信管理サーバ10の視聴状態管理部102の保持するデータ例を示す図である。視聴状態管理データは、「視聴者ID」「コンテンツURL」「視聴位置」「音量」「音声チャネル」「字幕」等の項目を含んでいる。これらの内容は、視聴端末(第1視聴端末8、第2視聴端末9)からの報告に基づき、継承通信管理サーバ10の視聴状態管理部102が登録・管理する。
【0055】
図14は継承通信管理サーバ10の認証部104の保持するデータ例を示す図である。認証情報(ログイン情報)は、「視聴者ID」「メニューサーバのIPアドレス」「ユーザID」「パスワード」等の項目を含んでいる。
【0056】
図15は視聴端末(第1視聴端末8、第2視聴端末9)が保持する継承通信管理サーバ一覧データの例を示す図である。継承通信管理サーバ10が単一である場合は、継承通信管理サーバ10のIPアドレスを単に保持すれば足りるが、継承通信管理サーバ10が複数ある場合、図15に示すようにネットワーク別にIPアドレスを対応付けることにより、ネットワーク環境に応じたIPアドレスを選択する。
【0057】
また、視聴端末は、視聴端末IDと視聴者IDを内部的に保持している。
【0058】
<動作>
図16A〜図16Cは上記の実施形態のシステムにおいて携帯電話で映像を視聴するまでの処理例を示すシーケンス図である。
【0059】
図16Aにおいて、第1視聴端末(携帯電話)8の操作入力部82においてユーザがVOD映像視聴の操作を行うと(ステップS131)、Webブラウザ部83から継承通信管理サーバ10に対して映像一覧を要求する(ステップS132)。この際、継承通信管理サーバ10が単一である場合はその継承通信管理サーバ10のIPアドレスに対して映像一覧を要求するが、継承通信管理サーバ10が複数ある場合は、継承通信管理サーバ一覧データ(図15)に基づき、モバイル事業者の継承通信管理サーバ10に映像一覧を要求する。
【0060】
図17は第1視聴端末8から継承通信管理サーバ10への映像一覧の要求にかかる通信メッセージのデータ構造例を示す図であり、「IP通信ヘッダ」「送信先IPアドレス」「送信元IPアドレス」「コマンド番号」「視聴者ID」「視聴端末ID」等の項目を含んでいる。コマンド番号は、通信メッセージの内容を識別するための記号である。
【0061】
図16Aに戻り、継承通信管理サーバ10のWebサーバ部103は、通信メッセージ(図17)内の視聴端末IDを元に端末・メニューサーバ対応データ(図12(a))を参照し、対応する携帯電話用メニューサーバ3へ映像一覧要求を転送する(ステップS133)。
【0062】
これを受け、携帯電話用メニューサーバ3のWebサーバ部32は、要求された映像一覧データを継承通信管理サーバ10に返送する(ステップS134)。
【0063】
次いで、継承通信管理サーバ10のWebサーバ部103は、通信メッセージ(図17)内の視聴者IDを元に視聴状態管理データ(図13)を参照し、視聴途中を示すデータが登録されているか否か判断する(ステップS135)。視聴途中を示すデータが登録されている場合(ステップS135のYes)には映像一覧への「継続視聴」ボタンの追加を行うが(ステップS136)、ここでは視聴途中を示すデータが登録されていないものとする。
【0064】
視聴途中を示すデータが登録されていない場合(ステップS135のNo)、継承通信管理サーバ10のWebサーバ部103は、図16Bにおいて、携帯電話用メニューサーバ3から取得した映像一覧データに加工を加えず、映像一覧データを第1視聴端末8のWebブラウザ部83に返送する(ステップS137)。
【0065】
第1視聴端末8のWebブラウザ部83は、返送された映像一覧データに基づく映像一覧を表示し(ステップS138)、映像一覧が表示されている状態となる(ステップS139)。図18(a)は表示された映像一覧(視聴可能映像一覧)の例を示している。
【0066】
図16Bに戻り、第1視聴端末8のWebブラウザ部83において、映像一覧よりユーザが1つの番組を選択すると、映像コンテンツのURLを含むメタファイルを携帯電話用メニューサーバ3に要求する(ステップS140)。
【0067】
これを受け、携帯電話用メニューサーバ3のWebサーバ部32は、要求されたメタファイルを第1視聴端末8のWebブラウザ部83に返送する(ステップS141)。
【0068】
次いで、図16Cにおいて、第1視聴端末8の映像プレーヤー部84は、メタファイルの中の映像コンテンツを携帯電話用映像配信サーバ2に要求する(ステップS142)。
【0069】
これを受け、携帯電話用映像配信サーバ2の映像配信部22は、要求された映像コンテンツを第1視聴端末8にストリーミング配信する(ステップS143)。
【0070】
第1視聴端末8の映像プレーヤー部84およびデコード部85は、受信した圧縮された映像コンテンツを伸長して再生する(ステップS144)。
【0071】
次いで、第1視聴端末8の映像プレーヤー部84は、再生状況を継承通信管理サーバ10に報告し、視聴位置等の逐次更新を行う(ステップS145)。第1視聴端末8の映像プレーヤー部84から継承通信管理サーバ10への報告内容には、視聴者ID、視聴端末ID、コンテンツURL、視聴位置、音量、音声チャネル、字幕等が含まれる。
【0072】
これを受け、継承通信管理サーバ10の視聴状態管理部102は、視聴状態管理データ(図13)に視聴者ID、コンテンツURL、視聴位置、音量、音声チャネル、字幕等を登録する(ステップS146)。
【0073】
これらの処理により、第1視聴端末8で映像コンテンツを視聴している状態となる(ステップS147)。
【0074】
図19は上記の実施形態のシステムにおいて認証ありの場合の携帯電話で映像を視聴するまでの処理例を示すシーケンス図であり、図16BのステップS140とステップS141の間に処理が追加される様子を示している。他の処理は図16A〜図16Cと同様である。
【0075】
図19において、第1視聴端末8のWebブラウザ部83からのメタファイルの要求(ステップS140)の後、携帯電話用メニューサーバ3の認証部33は、継承通信管理サーバ10に対してユーザIDとパスワードの入力を要求する(ステップS151)。
【0076】
これを受け、継承通信管理サーバ10の認証部104は、認証情報(図14)を使用してユーザIDとパスワードを携帯電話用メニューサーバ3の認証部33に送信する(ステップS152)。
【0077】
認証が正常に行われた場合、携帯電話用メニューサーバ3のWebサーバ部32は、要求されたメタファイルを第1視聴端末8のWebブラウザ部83に返送する(ステップS141)。
【0078】
次に、図20A〜図20Cは上記の実施形態のシステムにおいてネットテレビで映像を視聴するまでの処理例を示すシーケンス図である。
【0079】
図20Aにおいて、第1視聴端末(携帯電話)8で映像コンテンツを視聴している状態で帰宅した場合(ステップS230)を想定する。
【0080】
第2視聴端末(ネットテレビ)9の操作入力部92においてユーザがVOD映像視聴の操作を行うと(ステップS231)、Webブラウザ部93から継承通信管理サーバ10に対して映像一覧を要求する(ステップS232)。この際、継承通信管理サーバ10が単一である場合はその継承通信管理サーバ10のIPアドレスに対して映像一覧を要求するが、継承通信管理サーバ10が複数ある場合は、継承通信管理サーバ一覧データ(図15)に基づき、インターネット接続事業者の継承通信管理サーバ10に映像一覧を要求する。
【0081】
これを受け、継承通信管理サーバ10のWebサーバ部103は、通信メッセージ(図17)内の視聴端末IDを元に端末・メニューサーバ対応データ(図12(a))を参照し、対応するネットテレビ用メニューサーバ5へ映像一覧要求を転送する(ステップS233)。
【0082】
これを受け、ネットテレビ用メニューサーバ5のWebサーバ部52は、要求された映像一覧データを継承通信管理サーバ10に返送する(ステップS234)。
【0083】
次いで、継承通信管理サーバ10のWebサーバ部103は、通信メッセージ(図17)内の視聴者IDを元に視聴状態管理データ(図13)を参照し、視聴途中を示すデータが登録されているか否か判断する(ステップS235)。視聴途中を示すデータが登録されていない場合(ステップS235のNo)には映像一覧データへの加工は行わないが、ここでは視聴途中を示すデータが登録されているものとする。
【0084】
視聴途中を示すデータが登録されている場合(ステップS235のYes)、継承通信管理サーバ10のWebサーバ部103は、映像一覧に「継続視聴」ボタンを追加し、その「継続視聴」ボタンのリンク先として、対応するネットテレビ用コンテンツのメタファイルを設定する(ステップS236)。すなわち、視聴端末IDと視聴状態管理データ(図13)の視聴途中の映像コンテンツのコンテンツURLを元に、映像コンテンツ・端末・メタファイル対応データ(図12(b))から対応するメタファイルのURLを取得し、リンク先に設定する。
【0085】
次いで、図20Bにおいて、継承通信管理サーバ10のWebサーバ部103は、映像一覧データと視聴状態管理データ(図13)の視聴位置等を第2視聴端末9のWebブラウザ部93に返送する(ステップS237)。なお、携帯電話からネットテレビへの切替時の映像コンテンツの見逃し等を考慮し、視聴状態管理データ(図13)の視聴位置よりも所定時間前(例:5秒前)の視聴位置を返送するようにしてもよい。また、視聴端末の能力に合わせ、映像部分のみ、または音声部分のみの視聴情報の受け渡しを行なうようにしてもよい。
【0086】
第2視聴端末9のWebブラウザ部93は、返送された映像一覧データに基づく映像一覧を表示し(ステップS238)、映像一覧が表示されている状態となる(ステップS239)。図18(b)は表示された映像一覧(視聴可能映像一覧)の例を示しており、「継続視聴」ボタンが併せて表示されている。
【0087】
図20Bに戻り、第2視聴端末9のWebブラウザ部93において、映像一覧よりユーザが「継続視聴」ボタンを選択すると、第1視聴端末(携帯電話)8で視聴中の映像コンテンツに対応するネットテレビ用の映像コンテンツのURLを含むメタファイルをネットテレビ用メニューサーバ5に要求する(ステップS240)。
【0088】
これを受け、ネットテレビ用メニューサーバ5のWebサーバ部52は、要求されたメタファイルを第2視聴端末9のWebブラウザ部93に返送する(ステップS241)。
【0089】
次いで、図20Cにおいて、第2視聴端末9の映像プレーヤー部94は、メタファイルの中の映像コンテンツの視聴中の位置からの配信をネットテレビ用映像配信サーバ4に要求する(ステップS242)。
【0090】
これを受け、ネットテレビ用映像配信サーバ4の映像配信部42は、要求された映像コンテンツを指定された位置から第2視聴端末9にストリーミング配信する(ステップS243)。
【0091】
第2視聴端末9の映像プレーヤー部94およびデコード部95は、受信した圧縮された映像コンテンツを伸長するとともに、継承通信管理サーバ10から受信した音量・音声チャネル・字幕等の設定で再生する(ステップS244)。
【0092】
次いで、第2視聴端末9の映像プレーヤー部94は、再生状況を継承通信管理サーバ10に報告し、視聴位置等の逐次更新を行う(ステップS245)。第2視聴端末9の映像プレーヤー部94から継承通信管理サーバ10への報告内容には、視聴者ID、視聴端末ID、コンテンツURL、視聴位置、音量、音声チャネル、字幕等が含まれる。
【0093】
これを受け、継承通信管理サーバ10の視聴状態管理部102は、視聴状態管理データ(図13)に視聴者ID、コンテンツURL、視聴位置、音量、音声チャネル、字幕等を登録する(ステップS246)。
【0094】
これらの処理により、第2視聴端末9で映像コンテンツを視聴している状態となる(ステップS247)。
【0095】
図21は上記の実施形態のシステムにおいて認証ありの場合のネットテレビで映像を視聴するまでの処理例を示すシーケンス図であり、図20BのステップS240とステップS241の間に処理が追加される様子を示している。他の処理は図20A〜図20Cと同様である。
【0096】
図21において、第2視聴端末9のWebブラウザ部93からのメタファイルの要求(ステップS240)の後、ネットテレビ用メニューサーバ5の認証部53は、継承通信管理サーバ10に対してユーザIDとパスワードの入力を要求する(ステップS251)。
【0097】
これを受け、継承通信管理サーバ10の認証部104は、認証情報(図14)を使用してユーザIDとパスワードをネットテレビ用メニューサーバ5の認証部53に送信する(ステップS252)。
【0098】
認証が正常に行われた場合、ネットテレビ用メニューサーバ5のWebサーバ部52は、要求されたメタファイルを第2視聴端末9のWebブラウザ部93に返送する(ステップS241)。
【0099】
次に、図22は視聴端末における視聴終了の処理例を示すシーケンス図であり、図16Cと図20Cの最後に続く処理である。
【0100】
図22において、視聴端末(第1視聴端末8、第2視聴端末9)の映像プレーヤー部84、94は、再生状況を継承通信管理サーバ10へ報告し、視聴位置を逐次更新する(ステップS161)。
【0101】
次いで、視聴端末(第1視聴端末8、第2視聴端末9)の映像プレーヤー部84、94は、再生停止操作が行われたか否か判断する(ステップS162)。
【0102】
再生停止操作が行われたと判断した場合(ステップS162のYes)、映像配信サーバ(携帯電話用映像配信サーバ2、ネットテレビ用映像配信サーバ4)へ配信停止を要求し、映像配信サーバ(携帯電話用映像配信サーバ2、ネットテレビ用映像配信サーバ4)はストリーミング配信を停止する(ステップS163)。
【0103】
また、再生停止操作が行われたと判断しなかった場合(ステップS162のNo)、視聴端末(第1視聴端末8、第2視聴端末9)の映像プレーヤー部84、94は、ストリーミングデータを受信できているか否か判断する(ステップS164)。
【0104】
ストリーミングデータを受信できていると判断した場合(ステップS164のYes)、再生状況の報告等(ステップS161)に戻る。
【0105】
ストリーミングデータを受信できていると判断しなかった場合(ステップS164のNo)、継承通信管理サーバ10に視聴終了通知を送信し、継承通信管理サーバ10の視聴状態管理部102は、視聴状態管理データ(図13)の該当データを消去する(ステップS165)。
【0106】
<総括>
以上説明したように、本実施形態によれば次のような利点がある。
(1)映像配信サーバから配信される映像コンテンツを異なる視聴端末により連続して視聴するような状況におけるユーザ操作を簡素化することができる。
(2)視聴者IDと視聴端末IDを用いて視聴状況の情報管理を行うため、適切な管理を行うことができる。
(3)継承通信管理サーバ10の視聴状態管理部102の視聴状態管理データ(図13)に、音量、音声チャネル、字幕等の項目が含まれており、これらの情報の登録、定期更新が行われ、再生時にこれらの情報を使って再生が開始されるため、ユーザの望む視聴設定を継承させることができる。
(4)継承通信管理サーバ10を単数とするほか、複数とすることができ、視聴情報を分散管理することができる。例えば、モバイル事業者とインターネット接続事業者の決まったIPアドレスに継承通信管理サーバ10があるといったような構成とすることができる。この場合、システム全体の継承通信管理サーバ10のIPアドレス一覧(図15)を視聴端末(8、9)が持ち、メニューサーバを要求する場合はこのIPアドレス一覧にある自分のネットワークの継承通信管理サーバ10へ依頼を送信する。また、視聴情報の登録を行なう場合はIPアドレス一覧の全ての継承通信管理サーバ10へ送信し、それぞれに登録することで継続再生を可能とする。
(5)端末・メニューサーバ対応データ(図12(a))に基づいて視聴端末を担当するメニューサーバに振り分けることで、視聴端末に最適な映像コンテンツを配信することができる。
(6)端末・メニューサーバ対応データ(図12(a))に基づいて視聴端末を担当するメニューサーバに振り分けることで、視聴端末別に対応可能なメディア情報を考慮した映像コンテンツを配信することができる。
(7)メニューにリンクされているメタファイル(図12(c))には映像コンテンツのURLにサーバアドレス情報を含むため、端末・メニューサーバ対応データ(図12(a))に基づいて視聴端末を担当するメニューサーバに振り分けることで、最適なサーバを指定しておくことができる。
(8)モバイル事業者やインターネット接続事業者などの認証情報(図14)を継承通信管理サーバ10内に持ち、継承通信管理サーバ10がメニューサーバに対して認証処理を代行するため、ユーザの操作負担を軽減することができる。
(9)継続視聴する視聴端末に対し、視聴状態管理データ(図13)に格納されている視聴位置の少し前の時刻を継承通信管理サーバ10から送信することで、切替時の見逃し部分をなくすことができる。
【0107】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
(付記1)
要求された映像コンテンツをネットワーク経由で配信する映像配信サーバと、配信された映像コンテンツを受信して再生する視聴端末とを含む映像コンテンツ配信システムに接続される管理装置であって、
前記視聴端末から映像コンテンツの再生状況を示す視聴情報の報告を受け付け、当該視聴情報を登録して管理する手段と、
前記視聴端末から映像一覧の要求を受け付け、メニューサーバに代理アクセスして映像一覧を取得するとともに、登録された視聴情報から当該視聴端末のユーザによる視聴途中の映像コンテンツが存在するか否か判断し、存在する場合に映像一覧に継続視聴の選択候補を追加し、映像一覧を要求元の前記視聴端末に返送する手段と、
視聴途中の映像コンテンツが存在する場合に、視聴情報から視聴位置を含む所定情報を要求元の前記視聴端末に通知する手段と
を備えたことを特徴とする継承通信管理装置。
(付記2)
付記1に記載の継承通信管理装置において、
前記視聴情報につき、ユーザの識別子または視聴端末の識別子を情報検索のための識別キーとする情報管理を行なう
ことを特徴とする継承通信管理装置。
(付記3)
付記1に記載の継承通信管理装置において、
前記視聴情報として、変更前の視聴端末における音量、音声チャネル、字幕についての情報を含め、映像一覧の要求元の視聴端末に返送する
ことを特徴とする継承通信管理装置。
(付記4)
付記1に記載の継承通信管理装置において、
同機能の他の継承通信管理装置との間で通信を行なうことで、視聴情報の受け渡しを行ない、視聴情報を分散管理する
ことを特徴とする継承通信管理装置。
(付記5)
付記1に記載の継承通信管理装置において、
視聴端末の能力に合わせ、画面サイズ、フレームレート、色数、解像度、圧縮方式、配信帯域等を考慮した映像コンテンツを自動的に選択する
ことを特徴とする継承通信管理装置。
(付記6)
付記1に記載の継承通信管理装置において、
映像配信サーバが複数存在し、それぞれに同一の映像コンテンツが蓄積されている場合、視聴端末までのネットワーク経路やネットワークの混雑状況などに基づいた最適な映像配信サーバを選択する
ことを特徴とする継承通信管理装置。
(付記7)
付記1に記載の継承通信管理装置において、
前記メニューサーバに代理アクセスする際に認証処理が要求される場合に備え、ログインするための情報を保持する
ことを特徴とする継承通信管理装置。
(付記8)
付記1に記載の継承通信管理装置において、
視聴情報から視聴位置を含む所定情報を要求元の前記視聴端末に通知する際に、登録されている視聴位置よりも所定時間前の視聴位置を通知する
ことを特徴とする継承通信管理装置。
(付記9)
要求された映像コンテンツをネットワーク経由で配信する映像配信サーバと、配信された映像コンテンツを受信して再生する視聴端末とを含む映像コンテンツ配信システムに接続される管理装置の制御方法であって、
前記視聴端末から映像コンテンツの再生状況を示す視聴情報の報告を受け付け、当該視聴情報を登録して管理する工程と、
前記視聴端末から映像一覧の要求を受け付け、メニューサーバに代理アクセスして映像一覧を取得するとともに、登録された視聴情報から当該視聴端末のユーザによる視聴途中の映像コンテンツが存在するか否か判断し、存在する場合に映像一覧に継続視聴の選択候補を追加し、映像一覧を要求元の前記視聴端末に返送する工程と、
視聴途中の映像コンテンツが存在する場合に、視聴情報から視聴位置を含む所定情報を要求元の前記視聴端末に通知する工程と
を備えたことを特徴とする継承通信管理方法。
(付記10)
付記9に記載の継承通信管理方法において、
前記視聴情報につき、ユーザの識別子または視聴端末の識別子を情報検索のための識別キーとする情報管理を行なう
ことを特徴とする継承通信管理方法。
(付記11)
付記9に記載の継承通信管理方法において、
前記視聴情報として、変更前の視聴端末における音量、音声チャネル、字幕についての情報を含め、映像一覧の要求元の視聴端末に返送する
ことを特徴とする継承通信管理方法。
(付記12)
付記9に記載の継承通信管理方法において、
同機能の他の継承通信管理装置との間で通信を行なうことで、視聴情報の受け渡しを行ない、視聴情報を分散管理する
ことを特徴とする継承通信管理方法。
(付記13)
付記9に記載の継承通信管理方法において、
視聴端末の能力に合わせ、画面サイズ、フレームレート、色数、解像度、圧縮方式、配信帯域等を考慮した映像コンテンツを自動的に選択する
ことを特徴とする継承通信管理方法。
(付記14)
付記9に記載の継承通信管理方法において、
映像配信サーバが複数存在し、それぞれに同一の映像コンテンツが蓄積されている場合、視聴端末までのネットワーク経路やネットワークの混雑状況などに基づいた最適な映像配信サーバを選択する
ことを特徴とする継承通信管理方法。
(付記15)
付記9に記載の継承通信管理方法において、
視聴情報から視聴位置を含む所定情報を要求元の前記視聴端末に通知する際に、登録されている視聴位置よりも所定時間前の視聴位置を通知する
ことを特徴とする継承通信管理方法。
【符号の説明】
【0108】
1 ネットワーク
2 携帯電話用映像配信サーバ
21 通信部
22 映像配信部
23 認証部
3 携帯電話用メニューサーバ
31 通信部
32 Webサーバ部
33 認証部
4 ネットテレビ用映像配信サーバ
41 通信部
42 映像配信部
43 認証部
5 ネットテレビ用メニューサーバ
51 通信部
52 Webサーバ部
53 認証部
6 ネットワーク
7 ネットワーク
8 第1視聴端末
80 アンテナ
81 パケット通信部
82 操作入力部
83 Webブラウザ部
84 映像プレーヤー部
85 デコード部
9 第2視聴端末
91 通信部
92 操作入力部
93 Webブラウザ部
94 映像プレーヤー部
95 デコード部
10 継承通信管理サーバ
101 通信部
102 視聴状態管理部
103 Webサーバ部
104 認証部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
要求された映像コンテンツをネットワーク経由で配信する映像配信サーバと、配信された映像コンテンツを受信して再生する視聴端末とを含む映像コンテンツ配信システムに接続される管理装置であって、
前記視聴端末から映像コンテンツの再生状況を示す視聴情報の報告を受け付け、当該視聴情報を登録して管理する手段と、
前記視聴端末から映像一覧の要求を受け付け、メニューサーバに代理アクセスして映像一覧を取得するとともに、登録された視聴情報から当該視聴端末のユーザによる視聴途中の映像コンテンツが存在するか否か判断し、存在する場合に映像一覧に継続視聴の選択候補を追加し、映像一覧を要求元の前記視聴端末に返送する手段と、
視聴途中の映像コンテンツが存在する場合に、視聴情報から視聴位置を含む所定情報を要求元の前記視聴端末に通知する手段と
を備えたことを特徴とする継承通信管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の継承通信管理装置において、
前記視聴情報として、変更前の視聴端末における音量、音声チャネル、字幕についての情報を含め、映像一覧の要求元の視聴端末に返送する
ことを特徴とする継承通信管理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の継承通信管理装置において、
視聴端末の能力に合わせ、画面サイズ、フレームレート、色数、解像度、圧縮方式、配信帯域等を考慮した映像コンテンツを自動的に選択する
ことを特徴とする継承通信管理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の継承通信管理装置において、
映像配信サーバが複数存在し、それぞれに同一の映像コンテンツが蓄積されている場合、視聴端末までのネットワーク経路やネットワークの混雑状況などに基づいた最適な映像配信サーバを選択する
ことを特徴とする継承通信管理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の継承通信管理装置において、
前記メニューサーバに代理アクセスする際に認証処理が要求される場合に備え、ログインするための情報を保持する
ことを特徴とする継承通信管理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の継承通信管理装置において、
視聴情報から視聴位置を含む所定情報を要求元の前記視聴端末に通知する際に、登録されている視聴位置よりも所定時間前の視聴位置を通知する
ことを特徴とする継承通信管理装置。
【請求項7】
要求された映像コンテンツをネットワーク経由で配信する映像配信サーバと、配信された映像コンテンツを受信して再生する視聴端末とを含む映像コンテンツ配信システムに接続される管理装置の制御方法であって、
前記視聴端末から映像コンテンツの再生状況を示す視聴情報の報告を受け付け、当該視聴情報を登録して管理する工程と、
前記視聴端末から映像一覧の要求を受け付け、メニューサーバに代理アクセスして映像一覧を取得するとともに、登録された視聴情報から当該視聴端末のユーザによる視聴途中の映像コンテンツが存在するか否か判断し、存在する場合に映像一覧に継続視聴の選択候補を追加し、映像一覧を要求元の前記視聴端末に返送する工程と、
視聴途中の映像コンテンツが存在する場合に、視聴情報から視聴位置を含む所定情報を要求元の前記視聴端末に通知する工程と
を備えたことを特徴とする継承通信管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−10119(P2011−10119A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−152681(P2009−152681)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、独立行政法人情報通信研究機構、「端末プラットフォーム技術に関する研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】